JP2011500652A - 放射線増感剤としてのランタニド系ナノ粒子の使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1〜50nmの粒径を有し、その少なくとも一部分が少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるナノ粒子の使用であって、前記ナノ粒子が、
・少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるか、或いは
・少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるコアと、場合により表面にグラフトされ又は内部に含まれる有機分子を有するポリシロキサンからなる被覆とを含むナノ粒子の形態である、
X線又はγ線照射による腫瘍の処置の効率を改善することを意図した注射用組成物の製造における放射線増感剤としての使用に関する。
本発明はまた、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるコアと、1つのランタニドあたり1〜5個のケイ素原子を含み、そのケイ素原子の少なくとも10%がモル質量450g/mol未満の親水性有機分子と結合しているポリシロキサンによる被覆とからなる、上記の使用に特に適するナノ粒子に関する。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、放射線治療の効率を高めることを意図した新規な薬剤に関する。
より具体的には、本発明は、高濃度のランタニド酸化物を含むナノ粒子の放射線増感剤としての使用を目的としている。
X線又はγ線照射は、腫瘍を治療するために広く用いられている。しかしながら、そのような照射は一般的に腫瘍特異的ではなく、治療の間、かなりの照射線量が健常組織にも与えられることがある。
放射線増感剤の使用が多年にわたって提案されてきた。放射線増感化合物は、より効率的な応答を誘起し、治療効率を高めるために、照射と併用されて作用する化合物である。その内部構造の中に高原子番号の重元素を含み、その相互作用確率を増大させることによって照射と直接的に相互作用し、標的細胞に損傷を生じさせる化合物が一般に目標となる。
照射されたエネルギーの大部分がその際吸収され、放射線増感剤の周囲に局所的に集積され、2次電子、オージェ電子、コンプトン電子、イオン化、光子、たとえばフリーラジカル、さらには単に熱の増大を引き起こすことがある。
癌治療のため、1つの目標は線量を腫瘍において局所的に増大させることであり、したがって放射線増感剤は健常組織と比較して腫瘍内に選択的に集積されなければならない。
吸収されたX線照射線量が高原子番号の元素の使用によって増大することは50年以上前から知られており、インビトロにおいて治療効果を増大させるために潜在的な関心があると考えられている(H.Matsudairaら、Iodine contrast medium sensitizes cultured mammalian cells to X−rays、Rad.Res.84:144〜148頁、1980)。具体的な計算及び効果の測定はDasらによって行われている(Dasら、Backscatter dose perturbation in kilovoltage photon beams at high atomic number interfaces、Med.Phys.、22:767〜773頁、1995)。
重元素を用いた分子化合物が提案されてきた。
たとえば、カルボプラチン、シスプラチン及び酸化白金が良い効率を示してきた(C.Diointeら、Comparisons of carboplatin and cisplatin as potentiators of 5−fluorouracil and radiotherapy in mouse L1210 leukemia model、Anticancer Res.22、721〜725頁、2002)。
ガドリニウム又はルテチウム等のランタニド系の化合物も提案されてきた。2種のメタロテキサフィリン、即ちモテキサフィンガドリニウム(Gd−Tex)及びモテキサフィンルテチウム(Lu−Tex)が重要な開発の対象である(E.Kowinsky、Oncology、13(1999)61頁)。
特にGd−TexがMRIコントラストの増大及び送達線量効果の両方を誘起する能力を有している。
しかし、急速な除去と血管外への拡散が起こりやすいというこれらの薬剤の分子的性質のため、これらの薬剤を腫瘍内に濃縮することは難しいということが判明している。この特性は、これらの治療剤の効率的な適用を妨げる。というのは、それらの移動性が大きいために、腫瘍内と健常組織内とで薬剤量を充分に相違させることができないからである。これは健常組織と治療すべき組織との両方に影響するので(これらの治療剤のいくつかに固有の毒性を含まなくとも)、この準均一分布には全く危険がないわけではない。
分子薬剤について報告された不充分さを補うための放射線増感剤として、微細に分割された固体の使用が提案されてきた。
金属、特に金の使用が、急速に関心を持たれているようであった。したがって、Heroldらは2000年に金マイクロビーズの使用を提案した(D.Heroldら、Gold microspheres a selective technique for producing biologically effective dose enhancement、Int.J.Rad.Biol.76、1357〜1364頁、2000)。しかし、粉末の移動性及び分散によって急速に問題が生じた。
もっと最近になって、Hainfeldらは治療効果を高めるために金属ナノ粒子を使用することを提案した(国際公開第2004/112590号パンフレット)。
上記の国際出願において、大きな原子番号Zを有する重元素、特に金からなる金属ナノ粒子の使用が提案されている。小粒子を用いることによって、放射線増感剤の良好な分散を期待することが可能である。一方、元素の大きな原子番号と相まった高密度によって、照射の良好な吸収が期待できる。
この研究の後に理論的研究が続き、X線治療の領域内で、また現在の様々な治療状況において、金の放射線増感効果が確かめられた(S.H.Cho、Estimation of tumor dose enhancement due to gold nanoparticles during typical radiation treatments: a preliminary Monte Carlo Study、Phys.Med.Biol.50(2005)N163頁)。
治療効果における作用にもたらされる機序はまだ正確に理解されていないにしても、金属ナノ粒子の使用は非常に興味深いようである。しかし、それはまだ、しばしば貴重なまた非常に高価な貴金属に限定されている。というのは、金属形態の他の元素の使用は、制御困難な望ましくない酸化の影響を起こす危険があるからである。
仏国特許出願公開第2877571号明細書には、細胞内標的元素を有するナノ粒子、それらの調製及びそれらの使用が記載されている。この明細書に記載されたナノ粒子は、電磁気的又は中性子励起への反応を引き起こすことができる細胞内標的元素を有する複合ナノ粒子である。これらのナノ粒子は、少なくとも1つの無機化合物及び場合により1つ又はいくつかの他の有機化合物を含むコアを含み、細胞、組織又は器官を標識付け又は変化させるためにインビボで活性化することができる。この明細書にはコアの構成成分として多くの無機酸化物及び水酸化物が言及されているが、ランタニド酸化物の具体的な使用又は、この元素がナノ粒子の基本的な構成成分として選択されたとしても、ナノ粒子の表面に露出した標的分子に頼らない可能性を決して意図していない。
ランタニド酸化物系及び特に酸化ガドリニウム系ナノ粒子は、既に文献により多くの資料に記載されてきた。(たとえばM.Engstrom、A.Klasson、H.Pedersen、C.Vahlberg、P.O.Kall、K.Uvdal、High proton relaxivity for gadolinium oxide nanoparticles、Magn.Reson.Mater.Phys.(2006)19、180〜186頁及びHybrid gadolinium oxide nanoparticles: Multimodal contrast agents for in vivo imaging、J.Am.Chem.Soc.2007、129、5076〜5084頁は後者がどのようにMRI造影剤として用いられ得るかを示している)。
国際出願公開第2005/088314号パンフレットには特に、場合により希土類若しくはアクチニド又は希土類の混合物或いは希土類とアクチニドの混合物が添加されていて、その中で金属イオンの少なくとも50%が希土類イオンである希土類酸化物からなるコアと、大部分が機能化ポリシロキサンからなる、このコアの周囲の被覆と、ポリシロキサン被覆に共有結合によってグラフトされた少なくとも1つの生物学的リガンドとを含むハイブリッドナノ粒子が記載されている。この明細書に記載されたナノ粒子は基本的に、生体系を検出し、追跡し、定量するためのプローブとしての用途に用いられる。
その構造が、ある場合には国際出願公開第2005/088314号パンフレットに記載された粒子の構造と一致することがあるナノ粒子には、X線又はγ線の手段による放射線治療処置における放射線増感剤として特に興味深い用途があることが、ここで見出された。したがって本発明は、細胞を標的とするために表面の生体分子に頼ることを必須のものとして要求しない、新規で特に効率的な放射線増感剤に関する。
さらに、本発明の発明者らには、そのようなナノ粒子を使用することにより、金系の先行技術のものよりも経済的で、且つ(これらが貴金属でない場合には)生物学的媒体中でしばしば高反応性で酸化されやすく、また共有結合による安定な様式では機能化することがもっと難しいこれらの金属生成物よりも取扱いがずっと容易な生成物が得られると思われた。さらに、これらの金属生成物は重元素の合金に合成することが難しく、安定な組み合わせを作成するのは非常に細心の注意を要すると思われる。
より具体的には、本発明はナノ粒子としての新規な放射線増感剤を提案しており、その粒径は1〜50nmであり、これらの粒子はランタニドの1又は複数の酸化物又はオキソ水酸化物のみからなっているか、又は特に有利な様式においてはランタニドの酸化物又はオキソ水酸化物からなるコア及び、場合により表面にグラフトされ又は内部に含まれる有機分子を有するポリシロキサンからなる無機又は混合有機−無機いずれかの被覆からなっていてもよい。
そのようなナノ粒子を用いることにより、これらのナノ粒子の組成物に作用することによって、先行技術に記載された貴金属系の粒子を用いる場合又は標的材料の存在を必要とする場合と比較して、その作成が特に簡単で経済的であることが判明した粒子を用いて、記載全体及び実施例及びこれから明らかになる顕著な数の追加的な利点を同時に得ることが可能である。
したがって、その第1の目的の本質的特徴によれば、本発明は、1〜50nmの粒径を有し、その少なくとも一部分が少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又はオキソ水酸化物からなるナノ粒子の使用であって、前記ナノ粒子が、
・少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるか、或いは
・ナノ粒子として、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるコアと、場合により表面にグラフトされ又は内部に含まれる有機分子を有するポリシロキサンからなる被覆とを含む、
X線又はγ線照射による腫瘍の処置の効率を改善することを意図した注射用組成物の製造における放射線増感剤としての使用に関する。
第2の目的によれば、本発明は新規製品としてのナノ粒子に関し、該ナノ粒子は、本発明を適用するために特に興味深いことがわかっている。というのは、それらがコア及び非常に特別の被覆の形態であるからである。
これらのナノ粒子は、
・第1の目的と同じ様式で定義される少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなり、1〜2nmの粒径を有するコアと、
・1つのランタニドあたり1〜5個のケイ素原子を含むポリシロキサンによる前記コアの被覆であって、前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%が、好ましくはアルコール又はカルボン酸又はアミン又はアミド又はエステル又はエーテルオキシド又はスルホネート又はホスホネート又はホスフィネート官能基を含む有機分子から選択される、モル質量450g/mol未満の親水性有機分子に共有結合している被覆と
からなることで特徴付けられる。
本発明はまた、本発明の新規なナノ粒子を含む注射用組成物に関する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の記述並びに図1〜8を参照する実施例において明らかになる。
実施例1を参照し、ナノ粒子の粒径及び粒径分布の光子相関分光法による測定を示す図である。 実施例6によって移植した腫瘍を担持するラットの脳の重み付けT2イメージを示す図である。 実施例6によって移植した脳腫瘍を担持するラットの、実施例10による処置後の生存百分率を示す図である。 実施例6によって移植した腫瘍を担持するラットの脳の、実施例7による処置後の重み付けイメージを示す図である。 実施例9による処置の前(図5a)及び後(図5b)のラットの脳の重み付けイメージを示す図である。 実施例6によって移植した脳腫瘍を担持するラットの、比較例12による処置後の生存百分率を示す図である。 実施例6によって移植した脳腫瘍を担持するラットの、実施例14による処置後の生存百分率を示す図である。 実施例6によって移植した脳腫瘍を担持するラットの、実施例15による処置後の生存百分率を示す図である。
本発明に従って用いられるナノ粒子は、1〜50nmの粒径を有し、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物のみからなってもよく、又は被覆された形態であってもよい。
それらは、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物若しくはオキソ水酸化物、又は少なくとも1つのランタニドの酸化物の混合物、オキソ水酸化物の混合物又は酸化物及びオキソ水酸化物の混合物を含むコアのみからなってもよく、或いは被覆で取り囲まれたコアとしてあってもよい。この場合、コアは、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物若しくはオキソ水酸化物、又は少なくとも1つのランタニドの酸化物、オキソ水酸化物又は酸化物及びオキソ水酸化物の混合物を含む。代替の実施形態によれば、粒子はランタニド酸化物、混合ランタニド酸化物(即ち少なくとも2つのランタニドの)、ランタニドオキソ水酸化物、混合ランタニドオキソ水酸化物(即ち少なくとも2つのランタニドの)又はそれらの混合物の1つのみからなる。また、本発明による粒子が被覆された形態であるときには、代替の実施形態によれば、粒子のコアはランタニド酸化物、混合ランタニド酸化物(即ち少なくとも2つのランタニドの)、ランタニドオキソ水酸化物、混合ランタニドオキソ水酸化物(即ち少なくとも2つのランタニドの)又はそれらの混合物の1つのみからなる。
被覆は、それが存在する場合には、少なくとも1つの無機又は混合無機/有機成分からなる。
以下の記述及び実施例から明らかになるように、この被覆は、それが存在する場合には、有利にはポリシロキサン(これは無機成分である)からなるが、コアの表面に直接付着した、又は無機被覆にグラフトされた、又はこの無機被覆の内部にまでも含まれるいずれかの有機分子を含んでもよい。
本発明に従って用いられる粒子は前に開示したように、ランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物のみからなってもよい。
それらはまた純粋に無機形態であってもよく、その場合にはランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物からなり、無機被覆で被覆されたコアを含んでもよい。
それらはまた、無機及び有機ハイブリッドナノ粒子の形態であってもよく、少なくとも1つのランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物のコア及び混合有機/無機被覆からなっていてもよい。
粒子の水力学的粒径は、光子相関分光法によりレーザー粒度分析で測定される。粒子が複合体である場合には、それぞれの詳細なステップの後、この方法により一連の層のそれぞれの粒径を測定する。粒子及びその様々な成分の実際の粒径は、透過型電子顕微鏡法で測定される。他に指示がなければ、本明細書中の粒径は透過型電子顕微鏡法で測定した粒径である。
粒子は選択的にコア−シェル形態であり、好ましくは実質的に球状である。
より一般的には、ランタニド酸化物又はオキソ水酸化物のコアは球状、切子状(次に界面を形成する高密度平面)又は引き伸ばされた形状であってもよい。次にまた、最終の粒子は球状、切子状又は引き伸ばされた形状である。
コア又は有利には被覆がない場合の実際のナノ粒子は、1〜30nmである。
本発明によれば粒径が小さい粒子が有利に用いられる。
実際、粒径が小さい粒子は一般にコロイド安定性がより良く、注射により適合している。
それらの粒径が小さく安定性が高いことから、
・血管内注射の後で、非制限的な毛管バリアー(それらの粒径が小さいことによる)を通して透過することにより、また細胞までの間質組織を通しての高度な拡散により、血管コンパートメントから標的細胞への拡散が良好となり、
・毛管バリアーを通過した後の大きな組織内滞留に関与する、小粒子の組織拡散が大きい。
腫瘍は最も頻繁に血管が過剰に増生している(健常組織と比較して)ので、粒子を特異的に機能化しなくても、実施したMRI研究(実施例参照)によって確認されたように、腫瘍において高度な組織捕獲が得られる。
腎臓を通して排泄することもできる分子と比較して、小粒径の粒子は体内により長く留まり、対象の領域に選択的に集積することができる(同じ効果を有するためにナノ粒子よりも錯体として質量で100倍のランタニドが必要であることを示す実施例8を参照されたい)。
粒子の粒径が小さいと、粒子が尿から排泄されることが可能で(より大きな粒子と異なり)、腫瘍組織に捕獲されなかった粒子の部分を迅速に排泄することが可能になる。これは細網内皮系細胞による非特異的捕獲を制限する。この非常に有利な生体内分布はMRI研究によって確かめられた。
X線又はγ線の吸収の後で、ランタニドは二次電子(数keVのエネルギーで)、オージェ若しくはコンプトン電子(100keV未満のエネルギーを有するX線に対して数keVのエネルギーで)を発し得る。粒子径が小さいので、励起されたランタニドが粒子の中心に存在したとしても電子は脱出できる[オージェ電子は数ナノメーターの厚み、二次及びコンプトン電子は約10nmの厚みを殆ど吸収されずに横断する]。
したがって、小粒径のナノ粒子により、
・滞留時間が長くなり、損傷領域における浸透が増大し(分子と異なり)、
・腎臓による排泄が促進され(大粒径の粒子と比較して)、
・イオン化治療効率が増大し(大粒径の粒子と比較して)、
・オプソニン作用による標準的排泄系、たとえば肝臓への感受性が低くなる(大粒径の粒子と比較して)。
上述の全ての理由により、また実施例に提示した結果に示されるように、本発明によれば、5nm未満、好ましくは2nm未満の粒径を有するナノ粒子は、これらが少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物のみからなる粒子であるか、これがコア及び被覆の形態の粒子である場合には5nm未満、好ましくは2nm未満の粒径のコアを有する粒子である場合に、好ましく用いられる。
本発明の特に有利な代替によれば、酸化物及び/又はオキソ水酸化物を含むナノ粒子の部分は、それぞれがランタニド全体の10質量%を超え、好ましくは20%を超える割合を占める、少なくとも2つの異なったランタニドを含むことになる。
この代替は、それにより粒子をX線又はγ線源に適合させることが可能である場合に、最も特別な利点を有する。
実際、多くの照射源は単色でなく多色(小型発生源、多色又は単色シンクロトロン照射)である。したがって、特定のエネルギーのみでなくスペクトル全体を吸収するために、ランタニド組成物を照射のエネルギー分散に適合させることには関心があるであろう。
照射強度の最大量を吸収するために、ランタニドの性質及び割合を選択することになろう(その閾エネルギーはランタンの39keVからルテチウムの63keVまで変化する)。
いくつかの異なったランタニドを用いるそのような場合には、これらの異なったランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物は連続する層に存在するか、固溶体として存在するであろう。
固溶体は、合成の観点からは作成がより容易である。さらに、磁気共鳴映像法においてコントラストを増大させる意図であれば(表面に高コントラストのランタニドを配することによって)多層構造が興味深いものであり得、又は治療効率の向上のためには低エネルギーの電子を放出するランタニドを表面に配する。
全て非常に近い化学特性を有するランタニドを選択することにより、適合できる固溶体を容易に作成することが可能である。
本発明のナノ粒子を用いることによる利点の1つは、よく知られているように、ある数のランタニドは磁気共鳴映像法(MRI)において信号を発生し、ランタニドの割合及び性質を正しく選択すれば、治療中にMRI信号を生成させ、粒子の存在をインビボで検出すること及び/又は治療をモニターすることが可能になるということである。
したがって、ランタニドは有利には少なくとも50質量%のガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)又はこれらのランタニドの混合物を含む。
治療効果及びインビボ造影検出性の組み合わせは、治療剤の主な利点である。
実際、インビボ造影によりナノ粒子の腫瘍組織による捕獲が定量化され、腫瘍において後者が最大となる場合の注射後の遅延に関する情報を得るための捕獲の速度論の確立が可能になる。この情報によって、最大の効果(最大の放射線増感効果)を得るために体外照射を行うべき遅延時間を最適に決定することが可能になる。したがって、これらのナノ粒子の造影による体外検出によって治療をモニターすることが可能になる。
これらのナノ粒子は、定量化できるMRI造影の好ましい改良に関与している。磁気共鳴映像法により、医原性の影響を全く受けずに高分解能の画像を得ることができる。
放射線治療法がMRIによる追跡と併用される本発明の特に興味深い代替によれば、ランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物を含む部分がその周辺部にMRI信号を生じるランタニド、好ましくはガドリニウム、及びその中心部に少なくとも1つの他のランタニドを含むナノ粒子が用いられる。
実際、MRI造影はその第1配位層の周辺部における常磁性イオンの作用によって達成されるので、造影剤として作用することになるランタニドをコアの表面に配置することが好ましい。
その結果、照射を吸収する大きな原子番号のランタニドは、このコアの中心部に選択的に配置されることになる。したがって、照射の吸収によって生じるオージェ電子(脱出距離が1ナノメートル程度)を粒子から抽出するために、後者の粒径が小さいことが望ましい。
最後に、本発明の別の有利な代替によれば、ある数のランタニドは中性子線治療による処置に用いることができる捕獲断面積を有することが知られているという事実に関連して、必要があれば意図された治療において、中性子線治療による処置を可能にするためにも、この目的に充分な捕獲断面積を有するランタニドを選択することができる。
この目的のため、ガドリニウムを選択することは特に興味深いことが判明しており、少なくとも50質量%のガドリニウムからなるランタニドは、特に放射線治療処置と中性子治療処置とを結合することが意図されている場合には、有利に用いられるであろう。
最後に、少なくとも30質量%の酸化ルテチウム若しくは酸化イッテルビウム又はそれらの混合物の1つを含むランタニドの酸化物及び/又は水酸化物が有利に用いられるであろう。
したがって、相互作用する元素の密度及び大きな原子番号に直接関連する相互作用の確率は増大するであろう。したがって、最大の原子番号を有するランタニドであって、その酸化物が最も高密度であるルテチウムを用いることは、特に有利である。
先に述べたように、本発明によって用いられるナノ粒子は、有利にはコア及び被覆の形態である。
この被覆は無機又は有機及び無機のいずれかであってよい。
本発明の1つの代替によれば、その上に分子、特に有利な様式においては親水性有機分子が付着したポリシロキサンからなる被覆が用いられることになる。
先に議論したように、被覆は無機又は混合有機被覆であってよい。一般にナノ粒子が被覆を有する場合には、ランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物が前記ナノ粒子の無機成分全体に対して少なくとも30質量%を占め、有機成分がハイブリッドナノ粒子に共有結合しており、最終粒子の30質量%未満に相当することが有利である。
「無機成分全体」に言及する際には、ランタニドの酸化物及びオキソ水酸化物がこの全体に含まれることに留意されるであろう。
一般に、被覆の機能は多岐にわたっている。
課題は一方では時機を失した溶解からコアを保護することであり、他方ではその表面に付着させることが可能な数多くの界面活性剤によってナノ粒子の安定性を注射システムに容易に適合させる(制御されない凝集を防止する)ことである。
最後に、被覆の別の機能は、生体内分布を改善し、腫瘍領域における局所的過濃縮を促進するために、電荷及び表面化学を適合させることである。
この目的のため、本発明の範囲内で選択される被覆であるポリシロキサンは、特に有利である。被覆はポリシロキサンのみからなってもよく、ポリシロキサンと有機分子のみからなってもよい。
特に有利な代替によれば、本発明によって用いられるナノ粒子は被覆された形態であり、被覆はナノ粒子の無機成分の1〜70質量%を占めるポリシロキサンからなる。
ポリシロキサンの形態のこの被覆は、有利にはケイ素原子の数がランタニド原子の数に対して0.1〜8となるものである。
この比を選択することにより、ナノ粒子のコアを効率的に保護し、及び/又はそのコロイド安定性を適合させ、及び/又はその水との磁気的相互作用を適合させ、その結果、その造影剤としての特性を適合させることが可能である。
先に説明したように、被覆は有利にはポリシロキサンにおける被覆であり、5,000g/mol未満、好ましくは800g/mol未満、さらに好ましくは450g/mol未満のモル質量を有する親水性有機分子をさらに含む。
これらの有機分子は、有利には以下に好ましいモル質量(Mw)とともに示された以下の単位を含む。
・ポリエチレングリコールビス(カルボキシメチル)エーテル(PEG)、250<Mw<5,000g・mol−1
・ポリオキシエチレンビス(アミン)、250<Mw<5,000g・mol−1
・O−メチル−O’−スクシニルポリエチレングリコール、Mw2,000g・mol−1程度
・メトキシポリエチレングリコールアミン(Mw750g・mol−1程度)
・ジエチレントリアミン−ペンタ酢酸(DTPA)及びその誘導体、特にジチオールDTPA(DTDTPA)
・1,4,7,10−テトラアザシクロデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTA)及び誘導体
・コハク酸及びメルカプトコハク酸
・グルコース及び誘導体、たとえばデキストラン
親水性アミノ酸又はペプチド(アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、システイン、セリン、トレオニン、グリシン...)
より一般的には、有機分子は有利にはアルコール又はカルボン酸又はアミン又はアミド又はエステル又はエーテルオキシド又はスルホネート又はホスホネート又はホスフィネート官能基を含み、好ましくは前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%に共有結合していることになる。
ポリエチレングリコール、DTPA、DTDTPA(ジチオールDTPA)単位又はコハク酸を含む有機分子が、好ましく選択されることになる。
上記の有機分子から、ランタニドの錯体生成性を有するもの、特に錯体生成定数が1015より大きいものが有利には選択されることになる。
この目的のため、DTPA又はDOTAが好ましくは選択されることになる。
目標とする用途に応じて、特に、治療すべき腫瘍の性質に応じて、注射手技及び照射線量に応じて、ランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物の割合を広範囲に変化させることができることが容易に理解されるであろう。しかし一般には、本発明によって用いられる組成物は、有利には0.5〜200g/Lのランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物を含むことになる。
組成物は治療すべき腫瘍に直接注射されるか、非経口的ルート、特に静脈内ルートを通して体内に注射されることになる。
次いで放射線療法又はキュリー療法の標準的手技による照射が、注射のあと直接に、又は効率及び健常組織と目標組織との間の選択性を最大にするために所定の時間の後に、達成されることになる。この待機時間及び照射線量は、有利にはたとえばMRIで注射後のナノ粒子の位置及び運命を観察することによって決定することができる。
上述した、本発明の範囲内で有利に用いることができるナノ粒子の中で、先に議論したように、ある数のものが新規で、それ自体新規生成物である。
これらは被覆形態で、粒径が2nm未満、好ましくは1〜2nmのコアを含むナノ粒子である。
これらのナノ粒子はポリシロキサンからなる被覆を含み、ナノ粒子は1つのランタニドあたり1〜5個のケイ素原子を含み、ケイ素原子の少なくとも10%は、モル質量が450g/mol未満で、好ましくは、前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%と共有結合している、アルコール又はカルボン酸又はアミン又はアミド又はエステル又はエーテルオキシド又はスルホネート又はホスホネート又はホスフィネート官能基を含む有機分子から選択される親水性有機分子と結合している。
有利な代替によれば、前記親水性有機分子は、ポリエチレングリコール、DTPA、DTDTPA(ジチオールDTPA)単位又はコハク酸を含む。
別の有利な代替によれば、前記親水性有機分子はランタニドの錯化剤であり、錯体生成定数は1015より大きく、好ましくはDTPA又はDOTAである。
これらの有機分子は、有利には1又は複数のカルボン酸を有するもの、たとえばDTPA及びその誘導体から選択されることになる。
これら全ての新規生成物は、その使用が本発明の範囲内において好ましいものの一部であることに留意されるであろう。
実際、本発明によって用いられ得る全てのナノ粒子が、とりわけX線又はγ線エネルギー照射と効率的に相互作用するランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物の存在によって、放射線増感剤として特に有用であることが判明しているとしても、非常に小さな粒径のコアを有し、ポリシロキサン被覆、好ましくは先に定義したもの等の有機分子がその上にグラフトされたポリシロキサン被覆を含む被覆粒子は、以下の実施例から明らかなように、X線又はγ線治療の治療効率を増大させるために特に効率的であることがわかる。
ハイブリッドナノ粒子及びとりわけコアが特に微細なもの、好ましくは粒径が5nm未満、さらに好ましくは1〜2nmのものによって、以下の実施例から明らかなように、金のナノ粒子で観察されるよりさらに大きな、線量効果の非常に大きな増幅を得ることが可能になる。
インビボにおける注射後のポリシロキサン層の存在により、求められる照射目的に適した挙動がナノ粒子に与えられる。
さらに、コア及び被覆の粒径が非常に小さいので、機能化によるが、インビボの静脈内又は直接腫瘍内注射のために充分に安定で制御可能な粒子を得ることが可能になる。
一般に、本発明によって用いられるナノ粒子、とりわけ新規なナノ粒子によって、腫瘍における過濃縮を局所的に得ることが可能になる。これらの粒子は、腫瘍における過濃縮が局所的に得られるように設計することができる(血液の照射領域を増大させることに直接関連するか、腫瘍内における受動拡散に関連するか、活性生体分子による機能化によるかのいずれか)。
本方法の大きな利点は、興味深い磁気的性質を有し、MRI造影で直接追跡することができる酸化ランタニドのナノ粒子の選択的な使用に由来している。
この方法により、次に注射と治療の間の時間を最適化することが可能である。それによって照射すべき領域も最良に特定することができる。
本方法の別の大きな利点は、混合酸化ランタニドに基づくコア、即ちいくつかの異なったランタニドを含むコアの使用又は異なったコアを有するハイブリッドナノ粒子の混合物の使用からなっている。
それによって、このアプローチにより、放射線増感剤を照射源のエネルギースペクトル、治療法、及び患者に最も良く適合させることが可能である。
一般に、当業者は本発明によって用いられる粒子、特に新規粒子を、種々の文献資料を利用して容易に作成することができる。
より具体的には、本発明によって用いられる種々のナノ粒子の合成に関して、以下の要素が留意されよう。
・ランタニドの酸化物及びオキソ水酸化物は、ポリオールを溶媒として用いる方法によって、たとえばR.Bazziらの出版物(Bazzi,R.、Flores,M.A.、Louis,C.、Lebbou,K.、Zhang,W.、Dujardin,C.、Roux,S.、Mercier,B.、Ledoux,G.、Bernstein,E.、Perriat,P.、Tillement,0.、Synthesis and properties of europium−based phosphors on the nanometer scale:Eu203,Gd203:Eu,and Y203:Eu、Journal of Colloid and Interface Science(2004)、273(1)、191〜197頁)又はM.Floresらの出版物(Flores−Gonzalez,M.、Ledoux,G.、Roux,S.、Lebbou,K.、Perriat,P.、Tillement,0.、Preparing nanometer scaled Tb−doped Y203 luminescent powders by the polyol method、Journal of Solid State Chemistry(2005)、178、989〜997頁)に記載されたアプローチによって選択的に作成される。それらはC.Louisらの出版物(Louis,C.、Bazzi,R.、Flores,M.A.、Zheng,W.、Lebbou,K.、Tillement,O.、Mercier,B.、Dujardin,C.、Perriat,P.、Synthesis and characterization of Gd2O3:Eu3+ phosphor nanoparticles by a sol−lyophilization technique、Journal of Solid State Chemistry(2003)、173(2)、335〜341頁)に記載された合成、凍結乾燥及び部分分解熱処理によっても作成することができる。
・ポリシロキサンの層による被覆のためには、Stoeberによって始められたものから誘導されるいくつかの方法を用いることができる(Stoeber,W.、J.Colloid.Interf.Sci.1968、26、62頁)。C.Louisらの出版物(Louis,C.、Bazzi,R.、Marquette,C.、Bridot,J.L.、Roux,S.、Ledoux,G.、Mercier,B.、Blum,L.、Perriat,P.、Tillement,O.、Nanosized hybrid particles with double luminescence for biological labeling、Chemistry of Materials(2005)、17、1673〜1682頁)及び国際出願公開第2005/088314号パンフレットに示されたように、粒子を被覆するために用いられる方法も用いることができる。
・表面における有機グラフトのためには、親水性有機官能基を含むシランを直接用いるか、たとえばAPTESを使用する場合、アミノ化した表面に化合物をグラフトすることによる2つのステップに進むことが推奨される。
・ランタニド酸化物の被覆ナノ粒子の表面の機能化は、とりわけナノ粒子の血管系における自由な循環を促進し、それにより望ましくない非特異的集積を避けるために、親水性分子を導入することを目指している。可能な戦略の1つは、ポリシロキサン層の中に(その生成の間に)、その有機部分が親水性である有機アルコキシシラン、たとえば末端にアルコキシシリル基を有するPEG鎖、グルコース誘導体又はアルコキシシリル基に結合したホスホネート基を挿入することからなっている。完全に循環する粒子を作成する別の方法は、グラフト部位を有するべきポリシロキサン層の上に分子を結合させることを確実にできる反応性基を有する親水性分子でポリシロキサン層を後機能化することからなっている。したがって、このポリシロキサン層を作成するために、(縮合反応の後で)親水性分子が共有結合によって結合することとなるコハク酸無水物、アミン、チオール、マレイミド、カルボン酸、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド基の誘導体等の反応性基を有する有機アルコキシシランを用いる必要がある。大部分の場合、親水性の実体には少なくとも1つのイオン化可能な(カルボン酸、アミン、ホスフェート、ホスフィネート、ホスホネート、スルホネート)官能基及び/又はいくつかのアルコール及び/又はエーテルオキシド及び/又はチオール官能基を有する炭化水素鎖が含まれる。
放射線治療による処置に関して、当業者は、線源がナノ粒子の性質並びに治療すべき腫瘍の種類に適合させられるであろうということを容易に理解するであろう。
したがって、治療状況におけるガドリニウムの使用には、ガドリニウムの吸収閾値K(53.4keV)より上に存在する臨界エネルギーを有するX線源の使用が必要である。この線源は、関連元素、ここではガドリニウムについて選択するために単色であってもよく(ESRF法のSSRT)、これは最良の構成であると考えられる。それは多色(ESRFの白色ビーム)であってもよく、MRTモードで用いられ得る(ビームをマイクロビームに分割し、600Gy程度の線量を蓄積させる)。さらに、より伝統的には、ガドリニウムは従来の適合したスペクトル照射器とともに用いる場合にも興味深いはずである。
実施例1.酸化ガドリニウムコアの合成
56g・L−1の量の塩化ガドリニウム塩を体積1Lのジエチレングリコールに溶解することによってコロイドを調製する。得られた溶液に、45mLのソーダを濃度3Mで、室温で1時間30分以内に添加する。次いで混合物を180℃に4時間加熱する。粒度測定によって測定した粒子の最終粒径は約1.5nmである。
これらの粒子の周りに、厚み0.5nmの機能化ポリシロキサンの層をゾル−ゲルルートで合成する。
コロイド200mL及びジエチレングリコール800mLを含む溶液に、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)3.153mL、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)2.008mL及び0.1Mトリエチルアミン水溶液7.650mLを加える。
いくつかのステップに分けて、油浴中攪拌下、40℃で反応を行う。
t=0時間で、APTES及びTEOSの体積の3%を添加
t=1時間で、水の全体積の3%を添加
t=2時間で、APTES及びTEOSの体積の7%を添加
t=3時間で、水の全体積の7%を添加
t=4時間で、APTES及びTEOSの体積の10%を添加
t=5時間で、水の全体積の10%を添加
t=6時間で、APTES及びTEOSの体積の15%を添加
t=7時間で、水の全体積の15%を添加
t=23時間で、APTES及びTEOSの体積の15%を添加
t=24時間で、水の全体積の15%を添加
t=25時間で、APTES及びTEOSの体積の25%を添加
t=26時間で、水の全体積の25%を添加
t=27時間で、APTES及びTEOSの体積の残り25%を添加
t=28時間で、水の全体積の残り25%を添加
t=76時間で、合成終了
これによって被覆された粒子は次に:
・ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(M=250)(PEG250)によって機能化する。即ち:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド0.3612g、ペンタフルオロフェノール0.3489g及びPEG250 181.5μLをイソプロパノール5mLに攪拌しながら1時間30分かけて溶解する。得られた溶液を次に被覆されたナノ粒子の溶液100mLと混合する。次いで混合物を15時間攪拌する。
図1に、この実施例によって調製したナノ粒子の粒径及び粒径分布の光子相関分光法(粒径分析器ゼータサイザーナノS(Zetasizer NanoS)(Malvern Instrument社製)付きのPCS)による測定を示す。より具体的には:
・曲線I:被覆前の酸化ガドリニウムナノ粒子:
・曲線II:ポリシロキサン層による被覆後の酸化ガドリニウムナノ粒子;
・曲線III:ポリシロキサン層のグラフト部位(APTESのアミン)にPEG250をグラフトした後。
・又はジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)によって機能化する。即ち:
DTPA0.616gを無水ジメチルスルホキシド(DMSO)17.3mLに攪拌下1時間30分かけて溶解する。得られた溶液を次に被覆したナノ粒子の溶液100mLと混合する。混合物を次に15時間攪拌する。
実施例2.酸化ホルミウムコアの合成
56g・L−1の量の塩化ホルミウム塩を体積200mLのジエチレングリコールに溶解することによってコロイドを調製する。得られた溶液に、7.5mLのソーダを濃度3Mで、室温で1時間30分以内に添加する。次いで混合物を180℃に4時間加熱する。粒度測定によって測定した粒子の最終粒径は約1.5nmである。
これらの粒子の周りに、厚み0.5nmの機能化ポリシロキサン層をゾル−ゲルルートで合成する。
コロイド200mL及びジエチレングリコール800mLを含む溶液に、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)3.153mL、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)2.008mL及び0.1Mトリエチルアミン水溶液7.650mLを加える。
いくつかのステップに分けて、油浴中攪拌下、40℃で反応を行う。
t=0時間で、APTES及びTEOSの体積の3%を添加
t=1時間で、水の全体積の3%を添加
t=2時間で、APTES及びTEOSの体積の7%を添加
t=3時間で、水の全体積の7%を添加
t=4時間で、APTES及びTEOSの体積の10%を添加
t=5時間で、水の全体積の10%を添加
t=6時間で、APTES及びTEOSの体積の15%を添加
t=7時間で、水の全体積の15%を添加
t=23時間で、APTES及びTEOSの体積の15%を添加
t=24時間で、水の全体積の15%を添加
t=25時間で、APTES及びTEOSの体積の25%を添加
t=26時間で、水の全体積の25%を添加
t=27時間で、APTES及びTEOSの体積の残り25%を添加
t=28時間で、水の全体積の残り25%を添加
t=76時間で、合成終了
これによって被覆された粒子は次に:
・ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(M=250)(PEG250)によって機能化する。即ち:
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド0.3612g、ペンタフルオロフェノール0.3489g及びPEG250 181.5μLをイソプロパノール5mLに攪拌しながら1時間30分かけて溶解する。得られた溶液を次に被覆されたナノ粒子の溶液100mLと混合する。次いで混合物を15時間攪拌する。
・又はジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)によって機能化する。即ち:
DTPA0.616gを無水ジメチルスルホキシド(DMSO)17.3mLに攪拌下1時間30分かけて溶解する。得られた溶液を次に被覆したナノ粒子の溶液100mLと混合する。混合物を次に15時間攪拌する。
実施例3.Gd/Ho(50/50)混合酸化物の合成
56g・L−1の量の塩化ホルミウム及び塩化ガドリニウム塩を体積200mLのジエチレングリコールに溶解することによってコロイドを調製する。得られた溶液に、7.5mLのソーダを濃度3Mで、室温で1時間30分以内に添加する。次いで混合物を180℃に4時間加熱する。粒度測定によって測定した粒子の最終粒径は約1.3nmである。
コロイド40mL及びジエチレングリコール160mLを含む溶液に、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)0.421mL、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)0.267mL及び0.1Mトリエチルアミン水溶液1.020mLを加える。
いくつかのステップに分けて、油浴中攪拌下、40℃で反応を行う。
t=0時間で、APTES及びTEOSの体積の10%を添加
t=1時間で、水の全体積の10%を添加
t=2時間で、APTES及びTEOSの体積の25%を添加
t=3時間で、水の全体積の25%を添加
t=4時間で、APTES及びTEOSの体積の残り65%を添加
t=5時間で、水の全体積の残り65%を添加
t=53時間で、合成終了
実施例4.約50nmの酸化物ナノ粒子の合成
56g・L−1の量の塩化ガドリニウム塩を体積200mLのジエチレングリコールに溶解することによってコロイドを調製する。得られた溶液に、30mLのソーダを濃度3Mで、室温で2時間以内に添加する。
粒度測定によって測定した得られた粒子の粒径は約50nmである。
実施例5.注射溶液の製剤
実施例1〜3のランタニド酸化物粒子を、精製すべき溶液の体積の約20倍の体積のジエチレングリコールとエタノールの混合物でエタノールの割合を(100%まで)増加させながら連続的に透析することによって精製する。精製は、ICP−MSによる元素分析で確認する。
精製後、確定した体積のPEG400を加え、減圧でエタノールを除去することによって、コロイド溶液をPEG400A(分子質量400g・mol−1のポリ(エチレングリコール))で再濃縮する。これによって保護された粒子は、高濃度(200mMまで)で数カ月保存することができる。
注射溶液は、高濃度のナノ粒子を含むPEG400溶液をHEPES及びNaClの溶液で希釈し、HEPES及びNaClの最終濃度をそれぞれ10及び145mMとすることによって調製される。ナノ粒子の濃度は、[Gd]が0.1〜25mM含まれるようにする。
たとえば、実施例1によって調製し、PEG400中で濃縮した酸化ガドリニウムナノ粒子の溶液0.2ml([Gd]=85mM)に、HEPES10.6mM及びNaCl154mMを含む水溶液3.2mLを少しずつ加える。それぞれの添加の後、溶液を激しく攪拌する。注射する前に、孔径220nmの膜を通して溶液を濾過する。
実施例6.ラットへの脳腫瘍の移植、造影及び生存
脳腫瘍(グリオザルコーマ)の移植は、処置の15日前に、300gのFisherラット(座標:3.5〜5.5)の右尾状核に9L細胞(1μL中10細胞)を定位注射することによって行う。撮像装置7T(バイオスペックシステム(Biospec System)70/20、Brucker社製、Ettlingen、Germany)を用いて移植の15日後に実施した磁気共鳴による造影検査(MRI)により、重み付け画像T(TE=76.3ms、TR=4,488ms)、カット厚み=0.6mm、空間分解能=0.0117*0.0156cm/ピクセル)において腫瘍の存在が見られるが、重み付け画像T(TE=5.6ms、TR=304.6ms)、カット厚み=0.6mm、空間分解能=0.0088×0.0130cm/ピクセル)では見られない(本実施例によって移植された腫瘍を担持するラット脳の重み付け画像Tを示す図2を参照されたい)。脳の右側部分の薄灰色領域が腫瘍の位置を画定している。
何の処置も施さない場合、即ち粒子を全く投与せず、線量を全く照射しない場合、この種類の腫瘍を担持するラットは平均して19日後に死亡する。
実施例7.酸化ガドリニウムナノ粒子の腫瘍内ルートによる注射後のラット脳MRI
実施例5によって調製した注射溶液15μL([Gd]=5mM)を速度30μL/hで腫瘍の中心に(即ち、細胞を注射した際に用いた穿孔部位を再使用して)直接注射した。酸化ガドリニウムナノ粒子が、ナノ粒子が集積した領域が光ることによって表現されるポジティブなコントラストを生成することが示された一方、注射後(注射後2〜40分の間)に得られた重み付け画像T(TE=5.6ms、TR=304.6ms、カット厚み=0.6mm、空間分解能=0.0088*0.0130cm/ピクセル)の検討によって、画像が腫瘍領域で黒化し、周辺部で白化していることがわかる。この黒化は常磁性元素の濃度が高いことに起因する。粒子は腫瘍領域で高度に濃縮され、中心から周辺部に向かって濃度が低下している。したがってこれらの粒子の腫瘍内注射により、ナノ粒子なしでは見ることができないT画像による腫瘍の観察が容易になる((本実施例による)酸化ガドリニウムナノ粒子の注射溶液の腫瘍内注射後のラット脳の重み付け画像Tを示す図4を参照されたい。)
実施例8(比較).腫瘍内ルートによるガドリニウム錯体の注射後のラット脳のMRI
市販のガドリニウム錯体溶液15μL([Gd]=500mM)を速度30μL/hで腫瘍の中心に(即ち、細胞を注射した際に用いた穿孔部位を再使用して)直接注射した。この溶液は臨床検査に非常に広く用いられている。注射後(注射後2〜40分の間)に得られた重み付け画像T(TE=5.6ms、TR=304.6ms、カット厚み=0.6mm、空間解像能=0.0088*0.0130cm/ピクセル)の検討によって、画像が腫瘍領域で黒化し、周辺部で白化していることがわかる。この黒化は常磁性元素の濃度が高いことに起因する。分子は腫瘍領域で高度に濃縮され、中心から周辺部に向かって濃度が低下している。したがってこれらの分子の腫瘍内注射により、ナノ粒子なしでは見ることができないT画像による腫瘍の観察が容易になる。しかし、ガドリニウム濃度は注射された酸化ガドリニウムハイブリッドナノ粒子のコロイド状溶液の濃度よりも100倍大きいことに注意されたい(実施例7)。
実施例9.静脈内ルートによる酸化ガドリニウムナノ粒子の注射後のラット脳のMRI
実施例5によって調製した注射溶液1.4μL([Gd]=5mM)を、実施例6によって移植した腫瘍を担持するラットの尾静脈に静脈内ルートにより注射した。ナノ粒子の静脈内注射の20分後に得た重み付け画像Tは腫瘍領域において僅かな強調(白化)を示すが、それは充分に顕著で、不明瞭ではない(コントラスト強調:15%)。白化は、腫瘍領域において健常組織におけるよりもナノ粒子の濃度が高いことに起因する。そのような相違は、腫瘍において健常組織よりも血管形成が多いこと及び/又は腫瘍に栄養を供給している血管の多孔性が増大していることによる腫瘍中の粒子の受動的集積によって説明され得る。
図5に、本実施例による酸化ガドリニウムナノ粒子の注射溶液の静脈内注射の前(図5a)及び後(図5b)のラット脳の重み付け画像Tを示す。白化は矢印で示す。
実施例10.腫瘍担持ラットのX線マイクロビームによる処置
実施例6によって移植した腫瘍を担持するラットにMRTモード(マイクロビーム照射療法)で皮膚における線量を625Gyとして51本のマイクロビームの一方向照射を行った。マイクロビームの幅は25ミクロンで、間隔は200ミクロンであった。
図3に(実施例6によって移植した)グリオザルコーマ担持ラットの生存曲線を示す。曲線Iは実施例6のラットで得られる(照射なし)。曲線IIは本実施例によって処置したラットに対応する(照射あり)。
処置されなかった罹患ラットは全て移植の19日後に死亡したが、照射を受けたラットはより長い期間生存する。
図3の生存曲線の右方向への移動によって示されるように、そのように処置されたラットは、非照射ラットよりも長い間生存する。しかし、全てのラットは移植後30日未満で死亡する。
実施例11.ガドリニウムキレート溶液の腫瘍内注射後のX線マイクロビームによる腫瘍担持ラットの処置
(実施例6によって移植した)腫瘍担持ラットに、ガドリニウムキレートの市販溶液15μL([Gd]=500mM)を腫瘍の中心部に腫瘍内注射(即ち、細胞を注射した際に用いた穿孔部位を再使用することにより)し、その20分後に、クロスビームモードで51本のマイクロビームのそれぞれのビームの皮膚における線量を460Gyとして照射した。マイクロビームの幅は25μmで間隔は200μmであった。用いた照射野は13×10であった。ラットの約33%が移植後45日間生存するので、生存の顕著な改善が注目される。
実施例12(比較).ガドリニウムキレートで被覆された金ナノ粒子(Au@TDDTPA−Gd)の溶液の腫瘍内注射後のX線マイクロビームによる腫瘍担持ラットの処置
(実施例6によって移植した)腫瘍担持ラットに、Debouttiereら(Adv.Funct.Mater.2006、16、2330〜2339頁)に記載された方法によって調製した金ナノ粒子の注射溶液(Au@DTDTPA−Gd)15μL([Au]=45mM、[Gd]=5mM)を腫瘍の中心部に腫瘍内注射(即ち、細胞を注射した際に用いた穿孔部位を再使用することにより)し、その20分後に、クロスビームモードで51本のマイクロビームのそれぞれのビームの皮膚における線量を460Gyとして照射した。マイクロビームの幅は25μmで間隔は200μmであった。用いた照射野は13×10であった。ラットの約25%が移植後40日間生存するので、生存の改善が注目される。しかし、全てのラットは移植後45日超で死亡した。
図6に(実施例6によって移植した)グリオザルコーマ担持ラットの、Au@DTDTPA−Gdナノ粒子の腫瘍内注射後(曲線II)及び(本実施例による)X線マイクロビーム照射後の生存曲線を、非処置対照(曲線I)と比較して示す。
実施例13(比較).ガドリニウムキレートで被覆された金ナノ粒子(Au@TDDTPA−Gd)の溶液の静脈内注射後のX線マイクロビームによる腫瘍担持ラットの処置
(実施例6によって移植した)腫瘍担持ラットの尾静脈の1つに、Debouttiereら(Adv.Funct.Mater.2006、16、2330〜2339頁)に記載された方法によって調製した金ナノ粒子の注射溶液(Au@DTDTPA−Gd)1.4mL([Au]=45mM、[Gd]=5mM)を静脈内注射し、その20分後に、クロスビームモードで51本のマイクロビームのそれぞれのビームの皮膚における線量を460Gyとして照射した。マイクロビームの幅は25μmで間隔は200μmであった。用いた照射野は13×10であった。ラットの約33%が移植後45日間生存するので、生存の改善が注目される。しかし、全てのラットは移植後50日超で死亡した。
実施例14.酸化ガドリニウムナノ粒子の溶液の腫瘍内注射後のX線マイクロビームによる腫瘍担持ラットの処置
(実施例6によって移植した)腫瘍担持ラットに、実施例5によって調製した酸化ガドリニウムナノ粒子の注射溶液15μL([Gd]=5mM)を腫瘍の中心部に腫瘍内注射(即ち、細胞を注射した際に用いた穿孔部位を再使用することにより)し、その20分後に、クロスビームモードで51本のマイクロビームのそれぞれのビームの皮膚における線量を460Gyとして照射した。マイクロビームの幅は25μmで間隔は200μmであった。用いた照射野は13×10であった。
ラットの約25%が移植後45日間生存するので、生存の顕著な改善が注目される(図7)。
実施例15.酸化ガドリニウムナノ粒子の静脈内溶液の静脈内注射後のX線マイクロビームによる腫瘍担持ラットの処置
(実施例6によって移植した)腫瘍担持ラットに、実施例5によって調製した酸化ガドリニウムナノ粒子の注射溶液1.4mL([Gd]=5mM)を腫瘍内注射し、その20分後に、クロスビームモードで51本のマイクロビームのそれぞれのビームの皮膚における線量を460Gyとして照射した。マイクロビームの幅は25μmで間隔は200μmであった。用いた照射野は13×10であった。ラットの約25%が移植後45日間生存するので、生存の顕著な改善が注目される。しかし、全てのラットは移植後45日超で死亡した。
図8に、(実施例6によって移植した)グリオザルコーマ担持ラットの、本実施例による酸化ガドリニウムナノ粒子の溶液の静脈内注射及びX線マイクロビーム照射後の生存曲線を示す(曲線II、全く処置をしていない生存曲線(I)と比較)。
:実施例10〜15は、非処置の動物(実施例6)と比較してX線処置が動物の生存を改善することを示す。この改善は、罹患した動物に放射線増感剤を投与した際に、より顕著である。DTPAによって機能化されたポリシロキサン層で被覆された酸化ガドリニウムナノ粒子を用いることにより、ガドリニウム錯体の場合と同様の結果が得られることに注目することは重要である。これはおそらく、錯体溶液のガドリニウム濃度がナノ粒子の溶液よりも100倍高いとしても、処置すべき領域における粒子の局部的濃度がより大きいことによるものであろう。さらにより驚くべきことに、(注射溶液中、ガドリニウムより9倍多量に存在する)金元素はより高い原子番号Zで特徴付けられるが、酸化ガドリニウムナノ粒子の効果は金粒子の効果よりも大きい。金ナノ粒子で処置されたラットが全て45〜50日後に死亡したのに対し、酸化ガドリニウムナノ粒子で処置されたラットの一部が同じ期間まだ生存していたという事実を考慮すると、効果はさらにより大きいことに留意されるであろう。

Claims (22)

  1. 1〜50nmの粒径を有し、その少なくとも一部分が少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるナノ粒子の使用であって、前記ナノ粒子が、
    ・少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるか、或いは
    ・少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなるコアと、場合により表面にグラフトされ又は内部に含まれる有機分子を有するポリシロキサンからなる被覆とを含むナノ粒子の形態である、
    X線又はγ線照射による腫瘍の処置の効率を改善することを意図した注射用組成物の製造における放射線増感剤としての使用。
  2. 前記ナノ粒子が5nm未満、好ましくは2nm未満の粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. 前記ナノ粒子が少なくとも2つの異なったランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物を含み、それぞれのランタニドがランタニド全体の10質量%超、好ましくは20%超を占めることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 異なったランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物が連続する層に存在することを特徴とする、請求項3に記載の使用。
  5. 異なったランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物が固溶体の形態であることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
  6. 前記ランタニドがMRIでシグナルを生成するランタニドを少なくとも50質量%含み、前記粒子の存在をインビボで検出すること及び/又は治療をモニターすることを可能にすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記ランタニドがガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、又はこれらのランタニドの混合物を少なくとも50質量%含むことを特徴とする、請求項5に記載の使用。
  8. 前記ランタニドの少なくとも一部が中性子捕獲のために充分な断面積を有するように選択され、中性子治療による処置をも可能にすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記ランタニドの酸化物及び/又は水酸化物が、酸化ルテチウム又は酸化イッテルビウム、又はそれらの混合物の1つを少なくとも30質量%含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記ランタニドがガドリニウムを少なくとも50%含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又はオキソ水酸化物を含む部分が、その周辺部にMRIシグナルを生成するランタニド、好ましくはガドリニウムを含み、且つその中心部に少なくとも1つの他のランタニドを含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記ナノ粒子が無機又は混合無機/有機被覆を有し、且つ前記ランタニドの酸化物及び/又はオキソ水酸化物が前記ナノ粒子の無機成分全体に対して少なくとも30質量%を占め、有機成分がハイブリッドナノ粒子に共有結合し、且つ最終粒子の30質量%未満を占めることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記ナノ粒子が、少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又はオキソ水酸化物の形態のコアと、前記ナノ粒子の無機成分の1〜70質量%を占めるポリシロキサン被覆とを含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記被覆がポリシロキサンの形態であり、且つケイ素原子数/ランタニド原子数比が0.1〜8であることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 前記被覆がポリシロキサン被覆であり、且つ前記ナノ粒子が、モル質量が5,000g/mol未満、好ましくは450g/mol未満であって、好ましくは、前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%と共有結合している、アルコール又はカルボン酸又はアミン又はアミド又はエステル又はエーテルオキシド又はスルホネート又はホスホネート又はホスフィネート官能基を含む有機分子から選択される親水性有機分子をさらに含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の使用。
  16. 前記親水性有機分子が、ポリエチレングリコール、DTPA、DTDTPA(ジチオールDTPA)単位又はコハク酸を含むことを特徴とする、請求項15に記載の使用。
  17. 前記親水性有機分子が、錯体生成定数が1015より大きいランタニドの錯化剤、好ましくはDTPA又はDOTAであることを特徴とする、請求項15又は16に記載の使用。
  18. 前記組成物が、0.5〜200g/Lのランタニドの酸化物(1又は複数)及び/又はオキソ水酸化物を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。
  19. 前記組成物が注射用コロイド状分散液の形態であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用。
  20. ・請求項1〜19のいずれか一項において定義される少なくとも1つのランタニドの少なくとも1つの酸化物及び/又は1つのオキソ水酸化物からなり、1〜2nmの粒径を有するコアと、
    ・1つのランタニドあたり1〜5個のケイ素原子を含むポリシロキサンによる前記コアの被覆であって、前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%が、モル質量が450g/mol未満で、好ましくは、前記ポリシロキサンのケイ素原子の少なくとも10%と共有結合している、アルコール又はカルボン酸又はアミン又はアミド又はエステル又はエーテルオキシド又はスルホネート又はホスホネート又はホスフィネート官能基を含む有機分子から選択される親水性有機分子と結合している、被覆と
    からなることを特徴とするナノ粒子。
  21. 前記親水性有機分子が、ポリエチレングリコール、DTPA、DTDTPA(ジチオールDTPA)単位又はコハク酸を含むことを特徴とする、請求項20に記載のナノ粒子。
  22. 前記親水性有機分子が、錯体生成定数が1015より大きいランタニドの錯化剤、好ましくはDTPA又はDOTAであることを特徴とする、請求項20又は21に記載のナノ粒子。
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