JP6317969B2 - 建具 - Google Patents
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Description
この横軸回転窓は、水平な回転軸を障子の高さ方向の中央位置よりも上部側に配置することで、障子を偏心状態で軸支する。また、障子の軸支位置よりも上側でかつ障子の室内側に錘を取り付けてあり、この錘によって無風時には障子の下端側が室外側に開くようにして、自然に開放状態となるように設定している。
さらに、室外側から障子に風が当たると、障子は軸支位置よりも下側の面積が広いため、障子の下端側が室内方向に移動して障子を閉鎖状態にできる。
従って、比較的風圧が低い場合には、自然に障子を開放状態にできて換気を行え、室外側から室内側に強風が吹いた場合など、所定値以上の正圧が障子に加わった場合は、障子を自動的に閉鎖状態にできる。
障子開閉装置は、窓枠の縦枠材に回転自在に支持されたゴムローラ付の開閉アームと、前記開閉アームを回転駆動するリニアアクチュエータとを備える。このリニアアクチュエータにより開閉アームを回転駆動し、開閉アームの上側のゴムローラを障子の縦框の支軸よりも上側に当接させることで、障子を閉鎖移動する。また、開閉アームを反対方向に回転して下側のゴムローラを障子の縦框の支軸よりも下側に当接させることで、障子を開放移動させる。
ロック装置は、窓枠の下枠材に設けられたレールにスライド自在に案内されるスライダと、スライダをレールに沿って移動させるリニアアクチュエータと、スライダに取り付けられたロックピンと、障子の下框に設けられた係止具とを備える。
そして、障子開閉装置で障子を閉鎖する際には、障子開閉装置を動作させる前にロック装置を一旦駆動してスライダを所定位置に移動させた後、障子開閉装置を駆動して開閉アームにより障子を閉鎖する。その後、ロック装置を再度駆動して、スライダを移動させ、ロックピンを障子の係止具に係合させて障子を閉鎖状態にロックしている。
障子を解錠する場合は、リニアアクチュエータによりスライダを移動し、ロックピンを係止具との係合位置から移動することで解錠している。
したがって、障子開閉装置およびロック装置に別個独立したリニアアクチュエータを設ける必要があり、各リニアアクチュエータの駆動タイミングを調整して制御する必要がある。よって、各リニアアクチュエータの駆動制御が複雑になり、コストが増大し、さらに複数のリニアアクチュエータが必要となるためコンパクト化が困難である。
なお、このような課題は、特許文献1の横軸回転窓に限らず、窓枠やドア枠などの枠体と、この枠体に対して開閉可能に支持された障子やドアなどの面材とを備える建具において、前記面材を閉鎖させる閉鎖機構と、面材の施錠・解錠を行うロック機構とを備える建具に共通する課題である。
つまり、移動体は第一位置から第三位置まで往動可能であるため、移動体の第一位置から第二位置までの移動(往動)と、この移動体の第二位置から第三位置への移動とを連続して行うことができる。このため、移動体が第一位置から第二位置まで移動する間に行われる閉鎖機構による面材の閉鎖位置への移動動作と、移動体が第二位置から第三位置まで移動する間に行われる施錠機構による面材の施錠動作との切換えのタイミングを制御装置などによって制御する必要がなく、移動体を第一位置から第二位置を経由して第三位置へ往動させるだけで、閉鎖機構による面材の閉鎖位置への移動と施錠機構による面材の施錠とを設定したタイミングで確実に実行でき、当該閉鎖移動から施錠への切換えを円滑に行うことができる。
また、移動体の第三位置から第一位置までの移動(復動)において、当該移動体を第二位置から第一位置へ復動できる。このため、移動体が第二位置から第一位置まで移動する間に行われる閉鎖機構による面材を開放可能にする移動動作と、移動体が第三位置から第一位置まで移動する間に行われる施錠機構による面材の解錠動作とを実行するタイミングを制御装置などによって制御する必要がなく、移動体を第三位置から第二位置を経由して第一位置へ復動させるだけで、閉鎖機構による面材を開放可能とする動作と施錠機構による面材の解錠とを設定したタイミングで確実に実行でき、当該開放可能動作および解錠を円滑に行うことができる。
さらに、移動操作部に当接する移動体は枠体に沿った方向に往復動可能であるため、特許文献1の回転駆動する開閉アームのように面材の開閉時や施錠、解錠時に、建具の室内側などに移動体等が突出することがない。このため、開閉装置が設けられる建具の外観や内観をシンプルに構成できる。
また、閉鎖機構は、移動体を手動操作で移動可能に構成されていてもよく、駆動装置によって移動可能に構成されていてもよい。移動体を移動させるための駆動装置が閉鎖機構に設けられる場合、1つの移動体の往復動によって、閉鎖機構および施錠機構を作動できるので、移動体を駆動する駆動装置も1つ設けるだけでよい。このため、閉鎖機構および施錠機構にそれぞれ駆動装置を設ける場合に比べて、コストを低減でき、開閉装置をコンパクトに構成できる。さらに、複数の駆動装置を設けた場合には、各駆動装置の駆動を制御する制御装置において、駆動タイミングの制御などが必要となり、制御が複雑になるが、本発明では移動体を往復駆動するだけでよいので、制御がシンプルになり、開閉装置を安定して作動させることができる。
なお、施錠機構は、移動体の第三位置から第一位置への復動に基づいて面材を解錠可能に構成されていればよく、解錠タイミングが相違する以下の3つの構成を含むものである。
すなわち、先に施錠機構により面材を解錠してから、閉鎖機構により面材の閉鎖状態を解除する(面材を開放可能状態にする)ように構成してもよい。すなわち、移動体が第三位置と第二位置との間にある場合、閉鎖機構による面材の閉鎖状態は維持されている。したがって、移動体が第三位置から第二位置へ復動する間に、当該復動に基づいて解錠動作を行うように施錠機構を構成することで、面材を解錠した後に面材の閉鎖状態を解除することができる。
また、先に閉鎖機構により面材の閉鎖状態を解除してから施錠機構により面材を解錠するように構成してもよい。すなわち、移動体が第二位置にあるとき、面材は閉鎖状態である。この第二位置にある移動体が第一位置に向かって復動すると、閉鎖機構は閉鎖状態を徐々に解除する。したがって、移動体が第一位置に到達する手前で障子を全開できるように閉鎖機構を構成し、障子を全開できる位置から移動体をさらに第一位置に向かって復動
した際に解錠動作を行うように施錠機構を構成することで、面材の閉鎖状態を解除した後に面材を解錠することができる。
さらに、施錠機構による面材の解錠と、閉鎖機構による面材の閉鎖状態の解除とを同時に行うように構成してもよい。すなわち、第二位置にある移動体が第一位置に向かって復動して障子の全開を可能にする位置に達するまでの間に、解錠動作を行うように施錠機構を構成することで、面材の解錠と面材の閉鎖状態の解除とを同時に行うことができる。
このような構成によれば、縦枠および縦框のうちのいずれか一方がホロー部を備えることで、ホロー部の室内側開口の高さ位置を比較的上方に配置できる。従って、例えば、下枠および下框などの比較的下方に位置する構成部材に対し室内側開口付のホロー部を形成した場合と比べ、仮に水がホロー部に浸入してまっても、水頭圧の関係上、ホロー部の室内側開口を通じて水が室内側に浸入する可能性を低減でき、水密性の向上を図ることができる。
このような構成によれば、室内側開口において室内側と連通するホロー部の両端を塞ぎ材によって塞ぐことで、ホロー部の室外空間からの遮断率を高めることができるとともに、室内側との気圧差をなくすことができる。従って、室内側と室外側との気圧差に基づく風や水などの室内側への侵入を抑制できる。
このような構成によれば、施錠用当接片が挿通する室内側開口と解錠用当接片が挿通する室外側開口とが別々に縦枠または縦框に形成される場合に比べ、施錠用当接片と解錠用当接片との間隔を狭めて設計することが容易となり、室内側開口の高さ位置を上方に設定することが簡単となる。このため、仮に水がホロー部に浸入してしまっても、水頭圧の関係上、水がホロー部から室内側開口を通じて室内側に浸入する可能性を低減できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6において、本実施形態に係る建具である横軸回転窓1は、建物の躯体に取り付けられており、横軸回転窓1A,1Bが左右に配置された二連の連窓として構成されている。本実施形態では、横軸回転窓1は、自然に開閉して換気が行われる自然換気窓として構成されている。
以下の説明においては、建物の躯体に取り付けられた横軸回転窓1を室内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向とし、上下方向および左右方向に直交する方向を室内外方向として示す。
横軸回転窓1Aは、障子2A、窓枠3A、閉鎖機構5および施錠機構7Aによって構成されている。
横軸回転窓1Bは、障子2B、窓枠3B、横軸回転窓1Aと共通の閉鎖機構5および施錠機構7Bによって構成されている。
室外側見付け片部241は、縦框24の見付け方向に延びて形成されており、閉鎖状態において後述する方立35側の室外側延出部353の水切材353Aに当接する弾性を有した水切材245が設けられている。
見込み片部243には、上下方向に延びた長孔243A,243Bが形成されている。長孔243Aは、後述する取付け部材716によって塞がれ、長孔243Bは、後述するリンケージバー711によって塞がれている。また、見込み片部243には、方立35側に上下方向に延びた案内溝形成部243Cが設けられている。長孔243Aは長孔243Bよりも室外側に位置している。
パネル25を保持する上框21、下框22におけるパネル呑み込み寸法は、通常、同じ寸法に設定されるため、パネル25の高さ方向の中心位置は、障子2Aのパネル開口における高さ方向の中心位置に一致する。障子2Aのパネル開口の高さ方向の中心位置とは、パネル25を保持する上框21の下端面から下框22の上端面までの高さ寸法の中心位置である。つまり、パネル25の見え掛かり部分の高さ寸法の中心位置である。
また、障子2Aの重心26の見込み方向の位置は、パネル25の間に設定される。
障子2が全閉位置にある場合、図9に示すように、室外側延出部353の水切材353Aは縦框24の水切材245に接触しており、気密材345は縦框24の室内側見付け片部244に接触している。
なお、図9は、障子2の軸心37よりも上方部分の平断面を示している。当該上方部分は、室内側に開放移動可能に構成されている。この上方部分とは逆に、障子2の軸心37よりも下方部分は室外側に開放移動可能に構成されている。具体的には、当該下方部分では、室内側見付け片部244と室内側延出部354とが左右方向に対向配置され、水切材245が室内側見付け片部244に設けられ、水切材353Aが室内側延出部に設けられている。そして、室外側見付け片部241は室外側延出部353よりも室外側に位置し、気密材345が室外側見付け片部241に設けられている。
横軸の軸心37は、障子2Aの重心26の位置と同じ高さ位置であり、かつ、重心26に対する見込み方向の位置を室内側にずらした位置に設定されている。
横軸の軸心37は、障子2Bの重心26の位置と同じ高さ位置であり、かつ、重心26に対する見込み方向の位置を室内側にずらした位置に設定されている。
なお、前述した横軸は、室内外方向の位置が調整可能に窓枠3に支持されているとよい。
(1)無風時に全開状態となること
無風時で横軸回転窓1の障子2に風圧が加わっていない場合は、横軸の軸心37に対して重心26が室内側に偏心していることによって、障子2には回転モーメントNが障子2、上端側が室内側に移動する。この回転モーメントNによって、障子2が、少なくとも、戸当たり部材36に当接する位置まで回転するように、重心26と軸心37との位置関係(所定距離)が設定されている。本実施形態では、障子2は閉鎖位置から戸当たり部材36に当接する位置まで45度回転するように設定されている。
従って、横軸回転窓1の障子2は、無風時には図6に示す全開位置に自動的に回転し、横軸回転窓1を開放する。このため、横軸回転窓1を自然換気状態にできる。
なお、障子2が閉鎖位置から戸当たり部材36に当接する位置までの回転角度を45度として説明したが、この回転角度は任意に設定可能であり、例えば、30度や60度などに設定可能である。
微風〜弱風の風が吹いた場合、すなわち、障子2に加わる風圧が設定された閾値未満の場合に、障子2を閉じる方向に回転する力が加わる。この場合に、風圧によって障子2を閉じる方向に回転する回転モーメントよりも、横軸の軸心37および重心26の室内外方向の偏心によって障子2を開放方向に回転する回転モーメントNが大きくなるように、軸心37および重心26の間隔が所定距離に設定されている。
中風〜強風の風が吹いて、障子2に加わる風圧が設定された閾値以上となった場合に、その風圧によって障子2を閉じる方向に回転する回転モーメントが横軸の軸心37および重心26の室内外方向の偏心によって障子2を開放方向に回転する回転モーメントNよりも大きくなるように、軸心37および重心26の間隔が所定距離に設定されている。
(3−1)正圧の場合
建物において横軸回転窓1(連窓)が取り付けられた壁面に向かって室外側から室内側に向かって風が吹いた場合、風上側に位置する障子2の横軸の軸心37よりも下側の部分に、室外側から室内側に向かう正圧が加わる。このため、障子2は下半分が室内側に向かって押され、閉じる方向に回転する。この障子2に加わる正圧は、風圧が高くなるほど大きくなるため、風速が高くなると、障子2の開放角度は小さくなる。そして、前記閾値よりも大きな所定の第2閾値以上の風が吹くと、障子2は、図5に示すように閉鎖する。なお、図5に二点鎖線で示す後述する押圧ローラ515は横軸の軸心37に対し上方位置に図示しているが、自然換気状態では横軸の軸心37よりも下方に位置する。
(3−2)負圧の場合
同様に、建物において横軸回転窓1(連窓)が取り付けられた壁面が風下側になる場合、横軸回転窓1には室内側から室外側に向かう風が吹き、負圧が加わる。この場合、風上側に位置する障子2の横軸の軸心37よりも上半分に室内側から室外側に向かう負圧が加わる。このため、障子2は上半分が室外側に向かって押され、閉じる方向に回転する。この障子2に加わる負圧も、風速が高くなるほど大きくなるため、風速が高くなると、障子2の開放角度は小さくなる。そして、前記閾値よりも大きな所定の第2閾値以上の風が吹くと、障子2は、図5に示すように閉じる。
閉鎖機構5は、横軸回転窓1A,1Bに共用されている。閉鎖機構5は、図1に示すように、方立35に沿って往復動可能な移動体51と、移動体51を往復駆動させる駆動装置52と、移動体51を上下方向に案内する一対のガイドレール53とを備えて構成されている。ガイドレール53は、方立35の室内側の見付け面に設けられている。
スライダ511は、ガイドレール53に上下方向に往復動可能に係合している。
当接部材512Aは、取付け部材513と、軸部材514と、押圧ローラ515とを備えて構成されている。
ここで、第一位置とは、横軸の軸心37よりも下方であって障子2が全開位置まで開放移動可能な位置(図6、7に二点鎖線で示す当接部材512の軸心の高さ位置)である。
また、第三位置とは、横軸の軸心37よりも上方であって施錠機構7による施錠が完了する位置(図5,11に示す当接部材512の軸心の高さ位置)である。
そして、第二位置とは、横軸の軸心37よりも上方であって障子2を閉鎖位置に強制的に移動可能な位置(本実施形態では図12に実線で示す当接部材512の軸心の高さ位置)であり、第一位置および第三位置間に位置している。
なお、本実施形態では、第一位置は復動端位置でもあり、第三位置は往動端位置でもある。
板状片部513Aは、スライダ511の室内側面にビス止めされており、上片部513Bは、スライダ511の上面にビス止めされており、下片部513Cは、スライダ511の下面にビス止めされている。軸支持片部513Dには、軸部材514が左右方向に延びた状態で支持している。
このように取付け部材513は、スライダ511に取り付けられ、軸部材514を軸支している。
押圧ローラ515が横軸の軸心37よりも下方に位置する場合には、障子2Aは開放移動によって押圧ローラ515から離れる。
また、押圧ローラ515の接触面は、当該押圧ローラ515の上方移動により、開放位置にある障子2Aの縦框24の見付け面に接触し、当該見付け面を押圧可能に配置される。
当接部材512Aの押圧ローラ515は、障子2Bに隣り合う障子2Aを、押圧により閉鎖移動案内可能に配置されている。当接部材512Bの押圧ローラ515は、障子2Bを押圧により閉鎖移動案内可能に配置されている。
なお、当接部材512Bは、当接部材512Aと同様に構成されている。従って、当接部材512Bについては、図に当接部材512Aの各構成と同符号を適宜付して、その詳細な説明を省略する。
伝達機構55は、図4,7に示すように、回転軸体552,553と、動力伝達機構としてのウォームギヤ機構554と、ボールネジ軸555とを備えて構成されている。なお、前述した動力伝達機構は、ウォームギヤ機構554に代えて、ネジ歯車機構や傘歯車機構などによって構成されていてもよい。また、ボールネジ軸555に代えて、台形ネジなどを採用してもよい。
このようなウォームギヤ機構554は、回転軸体552,553を回転伝達可能に連結している。
施錠機構7は、横軸回転窓1Aに設けられている施錠機構7Aと、横軸回転窓1Bに設けられている施錠機構7Bとによって構成されている。
施錠機構7Aは、図8〜12に示すように、当接部材512に当接するリンケージ部材71と、リンケージ部材71の移動に連動可能な施錠部72とを備えるグレモン式の施錠機構として構成されている。
取付け部712Aは、リンケージバー711から長孔243Bを通ってホロー部246まで突出している。当接部712Bは、室内外方向に延びて形成され、ホロー部246から長孔244Aを通って室内側に延出している。当接部712Bの室内側に露呈した部分は、軸部材514の上下方向への移動軌跡上に配置されている。
軸ピン714は、リンケージバー711に取り付けられており、長孔243Bを通ってホロー部246まで突出している。
室外側端部715Aは、軸ピン713に回転可能に取り付けられている。このため、解錠用当接片715は、軸ピン713の回転軸心を中心として回転可能に縦框24に支持されている。
長孔715Cには、軸ピン714が回転可能に配置されている。このため、解錠用当接片715は、軸ピン713の回転軸心を中心とする回転が許容され、当該回転を上下方向の移動として伝達可能にリンケージバー711に連結される。リンケージバー711に対して軸ピン713の回転軸心を中心とする径方向に沿って移動可能であるとともに、当該軸ピン713の回転軸心を中心として回転可能に、リンケージバー711に連結されている。
図11に示す施錠状態では、解錠用当接片715の水平面に対する傾斜角が小さく設定されている。従って、解錠用当接片715の室内側に露呈した部分は、軸部材514の移動軌跡上に配置されている。
また、図12に示す解錠状態では、解錠用当接片715の水平面に対する傾斜角が大きく設定されている。従って、解錠用当接片715の室内側に露呈した部分は、室内外方向において軸部材514から離間し、当該軸部材514の移動軌跡上から室外側に外れて配置されている。
下側施錠部73は、下框22に設けられたロック部材731と、下枠32に設けられた二つのロック受け部材732とを備えている。
ロック部材731は、下框22に対し左右方向に可動に取り付けられている可動部材731Aと、可動部材731Aから下方に突出形成された二つの軸ピン731Bとを備えて構成されている。軸ピン731Bの配置は、障子2の左右方向の幅寸法に対応して適宜設定される。
可動部材731Aは、下框22に沿って延びて形成されており、方立35側の端部にフレキシブルジョイント733を介してリンケージバー711の下端部に連結されている。
二つのロック受け部材732は、障子2Aが全閉位置にあるときに、二つの軸ピン731Bの位置よりも室外側となる位置に配置されている。一方のロック受け部材732は縦枠33側に位置しており、他方のロック受け部材732は方立35側に位置している。
ロック受け部材732は、図13に示すように、その室内側面732Aが軸ピン731Bに当接可能な当接面として構成されている。
ロック部材741は、上框21に対し左右方向に可動に取り付けられている可動部材741Aと、可動部材741Aから下方に突出形成された二つの軸ピン741Bとを備えて構成されている。一方の軸ピン741Bは縦框23側に位置しており、他方の軸ピン741Bは縦框24に位置している。
可動部材741Aは、上框21に沿って延びて形成されており、方立35側の端部にフレキシブルジョイント743を介してリンケージバー711の上端部に連結されている。
二つのロック受け部材742は、障子2Aが全閉位置にあるときに、二つの軸ピン741Bの位置よりも室内側となる位置に配置されている。一方のロック受け部材742は縦枠33側に位置しており、他方のロック受け部材732は方立35側に位置している。
ロック受け部材742は、図13に示すように、その室外側面742Aが軸ピン741Bに当接可能な当接面として構成されている。
また、施錠部72は、リンケージ部材71の下方への移動(解錠方向への移動)に基づき、ロック部材731,741を機械的に同期して前述した方向とは逆方向に移動可能であり、この移動によって軸ピン731B,741Bとロック受け部材732,742との係合を解除可能に構成されている。図14には、軸ピン731Bとロック受け部材732と係合解除状態を示している。
以下、本実施形態に係る横軸回転窓1の動作について説明する。なお、横軸回転窓1A,1Bは、互いに同様に動作するため、これらを総括して説明する。
本実施形態に係る横軸回転窓1では、駆動装置52により移動体51が下方に移動し、図6に示すように、押圧ローラ515が横軸の軸心37よりも下方に位置した場合には、閉鎖機構5による強制閉鎖は解除状態となり、障子2A,2Bのそれぞれの自由な開閉移動を許容する。このため、横軸回転窓1は自然換気状態とされる。そして、当接部材512は、横軸の軸心37よりも下方であって障子2が全開位置に移動可能な第一位置(図7に二点鎖線で示す当接部材512が配置される位置)に位置する。
この横軸回転窓1が自然換気状態とされた場合、施錠機構7は図12,14に示す解錠状態とされ、軸部材514は解錠用当接片715よりも下方であって当該解錠用当接片715よりも施錠用当接片712から離間して位置し、解錠用当接片715は軸部材514の移動軌跡から外れて位置する。
以下、前述した自然換気状態にある横軸回転窓1の開閉装置10による閉鎖および施錠動作について説明する。
先ず、閉鎖機構5により、移動体51を、復動端である第一位置から第二位置に向かって上方移動(往動)する。
具体的には、駆動源54からの駆動力により、回転軸体552を回転し、この回転を、ウォームギヤ機構554を介して回転軸体553に伝達することで、回転軸体553に連結されたボールネジ軸555を回転する。
ボールネジ軸555の回転により、スライダ511はガイドレール53に案内されながら方立35に沿って上方に移動する。
このスライダ511の上方移動により、押圧ローラ515は方立35に沿って上方に移動し、押圧ローラ515の周方向の接触面は、開かれた縦框24の室内側見付け片部244の見付け面に接触する。押圧ローラ515と縦框24との接触後、当該押圧ローラ515の更なる上方移動により、当該押圧ローラ515によって横軸の軸心37よりも上方に位置する縦框24の部分を室外側に向かって押圧し、障子2を閉鎖方向に強制的に移動する。
なお、一対の押圧ローラ515は互いに同期して移動する。このため、この一対の押圧ローラ515の上方移動によって、障子2A,2Bは同時に強制閉鎖移動する。
このように上方移動される当接部材512が第二位置に達すると、障子2は完全閉鎖状態となる。第二位置に達した当接部材512が更に上方移動すると、軸部材514は、図12に二点鎖線で示す施錠開始位置に達し、施錠用当接片712の当接部712Bに当接する。この状態では、軸部材514は、解錠用当接片715よりも施錠用当接片712に接近して位置する。そして、移動体51の更なる上方移動により、軸部材514によって施錠用当接片712を押し上げ、リンケージバー711を上方に移動して、下側施錠部73のロック部材731を左右方向に移動し、図13に示すように、軸ピン731Bをロック受け部材732の室内側面732Aに当接して係合する。
他方、上側施錠部74においても、前述した移動体51の更なる上方移動により、下側施錠部73と同様に動作し、軸ピン741Bとロック受け部材742とを係合する。当該係合の際、軸部材514は、第二位置を越えて上方に位置する図11に示す往動端である第三位置(施錠完了位置)に位置する。このようにして施錠機構7による施錠を行う。
なお、解錠用当接片715は、リンケージバー711の上方移動により軸ピン714に上方に引き上げられながら回転し、この回転により、室内側端部715Bが室内側に向かってさらに延出した状態となり、軸部材514の移動軌跡上に位置する。
また、軸ピン731B,741Bが室内側面732Aおよび室外側面742Aに保持されるため、仮に軸部材514が施錠用当接片712から離れても、軸部材514によって解錠用当接片715が押し下げられない限り、リンケージバー711はその位置を保持する。従って、障子2の施錠状態を安定させることができる。
このようにして、横軸回転窓1の閉鎖および施錠を行う。
次に、前述した施錠および全閉状態にある横軸回転窓1の開閉装置10による解錠および開放動作について説明する。
先ず、閉鎖機構5により移動体51を第三位置から下方移動(復動)する。
具体的には、駆動源54からの駆動力を、伝達機構55を介して移動体51に伝達することで、移動体51を方立35に沿って下方に移動する。この下方移動により、スライダ511を下方移動(復動)し、軸部材514を第三位置から第二位置に向かって下方移動する。
この下方移動において、軸部材514は、解錠用当接片715に当接する。そして、移動体51の更なる下方移動により、軸部材514によって解錠用当接片715を押し下げ、解錠用当接片715を下方に回転させ、連動してリンケージバー711を下方移動する。リンケージバー711の下方移動により、ロック部材731,741を左右方向に移動し、軸ピン731B,741Bをロック受け部材732,742から離間する。これにより、図13の仮想線や図14に示すように、ロック部材731,741とロック受け部材732,742との係合を解除する。このようにして施錠機構7による解錠を行う。当該係合を解除すると、軸部材514は、解錠用当接片715を通過可能な図12に実線で示す解錠完了位置に位置する。
つづいて、移動体51の下方移動により、押圧ローラ515を横軸の軸心37よりも下方に位置し、障子2の開放移動を許容する。そして、障子2はその自重に基づき開放移動し、全開位置に位置して自然換気状態となる。この移動体51の下方移動により、当接部材512が第一位置に達すると、障子2は、前述した通りに全開位置に移動可能となる。
このようにして、横軸回転窓1の解錠および開放を行う。
(1)本実施形態によれば、長孔244Aがホロー部246と連通しているため、施錠用当接片712および解錠用当接片715を長孔244Aから室内側に延出させつつ、これらを室内側と遮断されたホロー部246に配置できる。従って、障子2の閉鎖状態において室外側から窓枠3と障子2との間に侵入し得る風や水などが室内側に侵入する可能性を低減でき、気密性および水密性の向上を図ることができる。
このような作用効果について、図19に示す比較例と対比すると次の通りである。
例えば、図19に示す本実施形態に対する比較例に係る建具では、解錠用当接片715が縦框24に装着されたリンケージバー711よりも方立35側に配置されている。図19において、室内側開口としての長孔244Aは、縦框24の見込み片部243よりも方立35側に位置する室内側見付け片部244の部分に設けられ、この長孔244Aに解錠用当接片715が挿通され、室内側に延出して配置されている。このように構成される建具では、方立35の方立本体351の見込み片部、室外側延出部353および室内側延出部354と、縦框24の室外側見付け片部241、見込み片部243および室内側見付け片部244と、水切材245,353Aおよび気密材345とによって形成される方立35と縦框24との対向空間が、長孔244C(室内側開口)を通じて室内空間と連通している。従って、風等によって水切材245が弾性変形し、方立35との間に生じ得る隙間を通じて、方立35と縦框24との対向空間に風や水が侵入した場合、当該対向空間から長孔244Cを通じて室内側に風や水等が侵入するおそれがある。
このような図19に示す建具に対し、前記実施形態では、長孔244Aがホロー部246と連通しているため、施錠用当接片712および解錠用当接片715を長孔244Aから室内側に延出させつつ、室内側と遮断されたホロー部246に施錠用当接片712および解錠用当接片715を配置できる。このように、縦框24のホロー部246の長孔244Aに対し施錠用当接片712および解錠用当接片715を挿通配置することで、方立35と縦框24との対向空間に連通する長孔244Cを形成する必要をなくせる。このため、施錠用当接片712および解錠用当接片715を室外側とは常時遮断された位置である縦框24のホロー部246に設置でき、室外側から方立35と縦框24との対向空間に侵入する風や水等が室内側にも侵入する可能性を低減でき、気密性および水密性の向上を図ることができる。
(2)移動体51を往復動させるという簡単な構成で、閉鎖機構5による障子2の閉鎖移動と施錠機構7による施錠および解錠とを円滑に連動できる。つまり、移動体51は第一位置から第三位置まで往動可能であるため、移動体51の第一位置から第二位置までの移動と、この移動体51の第二位置から第三位置までの移動とを連続して行うことができる。このため、移動体51が第一位置から第二位置まで移動する間に行われる閉鎖機構5による障子2の閉鎖位置への移動動作と、移動体51が第二位置から第三位置まで移動する間に行われる施錠機構7による障子2の施錠動作との切換えのタイミングを制御装置などによって制御する必要がなく、移動体51を第一位置から第二位置を経由して第三位置へ移動させるだけで、閉鎖機構5による障子2の閉鎖位置への移動と施錠機構7による障子2の施錠とを設定したタイミングで確実に実行でき、当該閉鎖移動から施錠への切換えを円滑に行うことができる。
また、移動体51の第三位置から第一位置までの移動において、当該移動体51を第二位置から第一位置へ移動できる。このため、移動体51が第二位置から第一位置まで移動する間に行われる閉鎖機構5による障子2を開放可能とする動作と、移動体51が第三位置から第一位置まで移動する間に行われる施錠機構7による障子2の解錠とを実行するタイミングを制御装置などによって制御する必要がなく、移動体51を第三位置から第二位置を経由して第一位置へ移動させるだけで、閉鎖機構5による障子2を開放可能とする動作と施錠機構7による障子2の解錠とを設定したタイミングで確実に実行でき、当該開放可能動作および解錠を円滑に行うことができる。
さらに、移動体51は方立35に沿って上下方向に往復動可能に設けられているため、障子2の開閉や施錠、解錠の際、横軸回転窓1の室内側などに移動体51等が突出することがない。このため、開閉装置10が設けられる横軸回転窓1の外観や内観をシンプルに構成できる。
加えて、1つの移動体51の往復動によって、閉鎖機構5および施錠機構7を作動できるので、移動体51を駆動する駆動装置52も1つ設けるだけでよい。このため、閉鎖機構5および施錠機構7にそれぞれ駆動装置52を設ける場合に比べて、コストを低減でき、開閉装置10をコンパクトに構成できる。さらに、複数の駆動装置を設けた場合には、各駆動装置の駆動を制御する制御装置において、駆動タイミングの制御などが必要となり、制御が複雑になるが、本実施形態では移動体51を往復駆動するだけでよいので、制御がシンプルになり、開閉装置10を安定して作動させることができる。
(4)施錠用当接片712および解錠用当接片715が配置されるホロー部246が縦框24に形成されることで、ホロー部246の長孔244Aの高さ位置を比較的上方に配置できる。従って、仮に水がホロー部246に浸入してまっても、水頭圧の関係上、長孔244Aを通じて水が室内側に浸入する可能性を低減でき、水密性の向上を図ることができる。
(5)長孔244Aにおいて室内側と連通するホロー部246の上端および下端を塞ぎ材28によって塞ぐことで、ホロー部246の室外空間からの遮断率を高めることができるとともに、室内側との気圧差をなくすことができる。従って、室内側と室外側との気圧差に基づく風や水などの室内側への侵入を抑制できる。
(6)施錠用当接片712が挿通する室内側開口と解錠用当接片715が挿通する室外側開口とが別々に縦框24に形成される場合に比べ、施錠用当接片712と解錠用当接片715との上下方向の間隔を狭めて設計することが容易となり、長孔244A(室内側開口)の高さ位置を上方に設定することが簡単となる。このため、仮に水がホロー部246に浸入してしまっても、水頭圧の関係上、水がホロー部246から長孔244Aを通じて室内側に浸入する可能性を低減できる。
また、解錠用当接片715よりも施錠用当接片712に接近して位置する当接部材512が下方移動する場合、当接部材512は、当該当接部材512の移動軌跡上に位置している解錠用当接片715に当接する。従って、当接部材512の第三位置から第一位置への下方移動時には、解錠用当接片715を回転させてリンケージ部材71を移動させ、障子2を解錠する。
このように、当接部材512の上昇移動では解錠用当接片715を通過させることができる一方、当接部材512の下方移動では解錠用当接片715に当接させることができる。このため、所望の解錠動作を行うことができるとともに、施錠用当接片712と解錠用当接片715との間隔を狭めて構成でき、リンケージ部材71のコンパクト化を図ることができる。
さらに、解錠後であっても、障子2の開放を許容するタイミングを調整でき、例えば、押圧ローラ515を軸心37よりも下方に徐々に移動させていくことで、障子2の開放可能角度を徐々に増やしていくことができる。
(9)障子2の並設方向両側に設けられた一対の押圧ローラ515によって障子2を押圧することで、当該一対の押圧ローラ515を支持する軸部材514やスライダ511が傾くことなく、移動体51の位置および動作を安定させることができる。
(10)一つの駆動源54からの駆動力を移動体51に伝達するだけで、閉鎖機構5と施錠機構7との双方を適時に動作させることができる。
また、閉鎖機構5と施錠機構7とのそれぞれに別個独立の駆動源54を設けることがないため、横軸回転窓1の構成の簡単化を図ることができる。
(11)方立35に設けられた移動体51を方立35に沿って往復動させることで、縦框23,24に設けられたリンケージ部材71を縦框23,24に沿って移動させることができる。さらに、このリンケージ部材71の移動により、下側施錠部73を動作させて下框22を下枠32に係合させるとともに、上側施錠部74を動作させて上框21を上枠31に係合させることができる。このように横軸に対して上下に離間配置された上框21および下框22を上枠31および下枠32に係合させることで、横軸回転窓1の強固な施錠状態を実現できる。
なお、本発明は以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、横軸回転窓1は、横軸回転窓1A,1Bを備える二連の連窓として構成されているが、これに限定されず、横軸回転窓1A,1Bのうちのいずれかを備える単窓として構成されていてもよく、また、図示しない追加の横軸回転窓を備える三連以上の連窓(例えば六連の連窓など)として構成されていてもよい。
また、上記では塞ぎ材28を備える場合を説明したが、これらの塞ぎ材28の一方を省略し、ホロー部246の上側或いは下側が開放されていてもよい。
また、駆動装置52の構成を省略し、移動体51を直接に手動操作可能に構成されていてもよい。
このような移動操作部と一対の当接部とを備えた開閉装置10では、移動体51の上方移動において一対の当接部のうちのいずれか一方が移動操作部に当接し、押し上げることによって施錠動作を行う。また、移動体51の下方移動において一対の当接部のうちのいずれか他方が移動操作部に当接し、押し下げることによって解錠動作を行う。
このような構成とは逆に、障子2がその自重に基づき、上框21が室外側に移動するとともに下框22が室内側に移動することによって開放移動可能に構成してもよい。そして、施錠用当接片712を下方に配置し、解錠用当接片715を上方に配置し、移動体51の往動を下方移動とし、移動体51の復動を上方移動としてもよい。
この場合、障子2は移動体51の下方移動によって強制的に閉鎖移動され、施錠機構7はリンケージ部材71の下方移動によって施錠動作を行う。また、障子2は移動体51の上方移動によって解錠され、更なる下方移動によって強制閉鎖状態が解除される。
この場合、移動体51は、前述したように設けられたガイドレール53に対し移動可能に設けられる。
横軸回転窓1における障子2の開放移動および解錠は次の通りに行われる。
まず、図15に示すように、第二位置に位置している当接部材512を駆動装置52によって駆動して下方移動する。この下方移動により、押圧ローラ515が横軸の軸心37よりも下方に位置し、押圧ローラ515の押圧による障子2の強制閉鎖は徐々に解除され、押圧ローラ515は障子2を全開できる位置に達する。
つづいて、当接部材512の更なる下方移動により、軸部材514が解錠用当接片75に当接し、当該解錠用当接片75を押し下げる。この押し下げによってリンケージバー711が下方移動して図16に示す状態となる。そして、リンケージバー711の下方移動により、施錠部72が前述したように解錠動作する。
このように解錠されると、障子2はその自重に基づき、速やかに開放移動を生じる。
また、障子2には、室内側に突出した案内部材27が設けられている。案内部材27は、障子2の高さ方向に沿って延びた案内面27Aと、案内面27Aの下端から室外側に傾斜した傾斜案内面27Bとを備えている。この案内部材27は、障子2の縦框24に沿って移動する押圧ローラ515に接触し、障子2を開放方向および閉鎖方向に案内可能に構成されている。
なお、このような内倒し窓11は、単窓として構成されていてもよく、また、二連以上の連窓として構成されていてもよい。
また、例えば、縦軸回転窓などが建具として構成される場合は、障子2は窓枠3に対し縦軸を軸心として開閉移動する構成となる。この場合、移動体51は、上枠31や下枠32に左右方向に往復動可能に設けられ、リンケージ部材71が上枠31や下框22に左右方向に移動可能に設けられていてもよい。
Claims (4)
- 枠体と、面材と、前記面材を開閉可能な開閉装置とを備え、
前記開閉装置は、前記面材を閉鎖位置に移動可能な閉鎖機構と、前記閉鎖位置にある前記面材を施錠可能な施錠機構とを備え、
前記施錠機構は、前記面材を前記枠体に対し施錠する施錠部と、前記施錠部に連結された移動可能なリンケージ部材とを備え、
前記施錠部は、前記リンケージ部材の施錠方向への移動に基づいて前記面材を施錠可能に構成され、かつ、前記リンケージ部材の前記施錠方向とは逆方向である解錠方向への移動に基づいて前記面材を解錠可能に構成され、
前記リンケージ部材は、前記閉鎖機構と連動して当該リンケージ部材を移動させる移動操作部を備え、
前記枠体および前記面材のうちのいずれか一方は、ホロー部と、前記ホロー部を室内側に連通させる室内側開口とを備え、
前記移動操作部は、前記室内側開口から室内側に延出した状態で前記ホロー部に配置され、
前記閉鎖機構は、前記枠体に沿って第一位置から第二位置を経由して第三位置まで往動可能であり、かつ、前記第三位置から第二位置を経由して第一位置まで復動可能な移動体を備え、
前記閉鎖機構は、前記移動体の前記第一位置から前記第二位置までの往動に基づいて前記面材を前記閉鎖位置まで移動可能に構成され、
前記リンケージ部材は、前記移動体の前記第二位置から前記第三位置への往動に基づいて、前記移動体が前記移動操作部に当接して前記施錠方向へ移動可能に構成され、
前記閉鎖機構は、前記移動体の前記第二位置から前記第一位置への復動に基づいて前記面材を開放可能に構成され、
前記リンケージ部材は、前記移動体の前記第三位置から前記第一位置への復動に基づいて、前記移動体が前記移動操作部に当接して前記解錠方向へ移動可能に構成され、
前記移動操作部は、施錠用当接片と、解錠用当接片とによって構成され、
前記施錠用当接片と前記解錠用当接片とは、前記リンケージ部材の移動方向において互いに間隔を隔てて配置され、
前記施錠用当接片は、往動する前記移動体に当接して前記リンケージ部材を前記施錠方向へ移動可能に配置され、
前記解錠用当接片は、復動する前記移動体に当接して前記リンケージ部材を前記解錠方向へ移動可能に配置される
ことを特徴とする建具。 - 請求項1に記載の建具において、
前記枠体は、上枠、下枠および左右の縦枠を備え、
前記面材は、パネルと、上框、下框および左右の縦框とを備え、
前記縦枠および前記縦框のうちのいずれか一方には、前記ホロー部と、前記室内側開口とが形成される
ことを特徴とする建具。 - 請求項2に記載の建具において、
前記縦枠および前記縦框のうちのいずれか一方は、前記ホロー部の縦方向両端を塞ぐ塞ぎ材を備える
ことを特徴とする建具。 - 請求項2または請求項3に記載の建具において、
前記施錠用当接片と前記解錠用当接片とは、一つの前記室内側開口から室内側に延出して配置される
ことを特徴とする建具。
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