JP6315031B2 - 運動補助装置及び運動補助方法 - Google Patents

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Description

本明細書で開示する技術は、高齢者など主に介助や介護を必要とする人体に装着して用いられ、歩行動作を始め人体の運動を物理的並びに心理的に補助する運動補助装置及び運動補助方法に関する。
わが国の高齢化率(65歳以上高齢者人口が総人口に占める割合)は、2010年に23.1%であり、2025年には30%に至ると予測されている。このように高齢者の人口構成に占める比重が急速に高まっていくと、高齢者ができる限り要介護状態とならず健康で活き活きと暮らせること、また、要介護状態となっても、できる限り悪化を防ぎ、自立した生活を送ることができる社会を実現することが急務となっている。
高齢化社会の到来に伴い、高齢者介護施設や高齢者を抱える家庭では、高齢者の心身の補助を行なうことを目的としたメカトロ機器への要求が高まっている。中でも、自律歩行補助器、パワー・アシスト・スーツといった物理的な補助を行なう機械への要求は強い。
介助・介護用メカトロ機器開発で重要な点の1つは、高齢者の活動をいたずらに阻害せず、できるだけ維持・促進させることである。高齢者の体力が低下したからといって、高齢者の活動を機械が過度に代行してしまうと、高齢者の体力はますます減退し、状況は悪化する(廃用症候群)。パワー・アシスト・スーツは、人の筋肉が発生する力に加えて、人工的な力をその補助として加える装置である。したがって、高齢者の体力が低下した分を補完しながら、高齢者自身の活動を維持させられる点で、望ましい機器といえる。
高齢者などに対する力のアシストは、技術的には可能になりつつある。しかしながら、現時点ではパワー・アシスト・スーツの普及率は決して高くない。その理由として、以下のようなことが考えられる。
(1)装置の着脱が容易でない。また、長時間の運用において、不快感がある。
(2)高価であり、費用対効果がよくない。
(3)装着時の外観が不自然、不格好にで、外観上も大きな問題である。
(4)着座から歩行まで、ユーザーの広範な運動サポートを行なうことができない。
(5)機器の重さがユーザーに作用し、ぎこちないサポートしか行なわれない。また、サポート力により横転倒モーメントが発生し易い。
(6)ユーザーの身体サイズへの依存性が高い。
(7)稼働時間が短い。
例えば、筋電センサーからの出力と運動のフェーズ推定の結果に基づいて関節に駆動力を与える、力制御型のパワー・アシスト・スーツが最近になって注目されている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。しかしながら、このパワー・アシスト・スーツによれば、筋電センサーを片脚に9箇所も取り付けなければならず、装着の手間がかかる。また、筋電センサーは経時変化や汗のため、皮膚から剥がれることもある。筋電センサーと皮膚の密着性が崩れると、筋電センサーの出力値が不安定となり、パワー・アシスト・スーツが暴走したり、装着した人体に不適切な力が印加したりするおそれがある。これらの不備は、パワー・アシスト・スーツの普及の妨げになる。
これに対し、筋電センサーを用いない人体補助装置も提案されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。この人体補助装置は、ユーザーの関節の動きをセンシングし、それをサポートするような力を関節に印加するように構成されている。しかしながら、この人体補助装置は、体の外側に装着する構造であるため、ユーザーの体の幅方向のサイズへの依存性が残り、装置が大型化する問題を有している。
また、ユーザーの両脚の内側に装着する、搭乗方式の歩行補助装置も提案されている(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、この歩行補助装置は、膝部が大きく体躯から張り出すので、外観上の問題を有している。また、股間の下にアーチ状の構造体を有しているので、ユーザーは、この歩行補助装置を装着したままでは、着座を行なうことができない。すなわち、この歩行補助装置は、着座から歩行まで広範な運動サポートを行なうことはできない。
また、歩行の相に応じた股関節サポートを行なう歩行アシスト・システムについて提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。この歩行アシスト・システムは、ユーザーが把持する倒立振子型移動体と、ユーザーの脚の運動を補助する歩行補助装置からなる。そして、倒立振子型移動体と歩行補助装置間で目標移動速度が所定の速度関係となるようにし、倒立振子型移動体は、ユーザーが把持した際の基体の動き及び目標移動速度に基づいて移動を制御するとともに、歩行補助装置は、ユーザーの脚体の動き及び目標移動速度に基づいて、力をユーザーに伝達させる。しかしながら、この歩行アシスト・システムは、遊脚の軽度のアシストを意図して設計されたものであり、階段の昇降時に必要な体重の持ち上げ、遊脚の引き上げといった、実用的な力サポートを行なうことはできない。
本明細書で開示する技術の目的は、高齢者など主に介助や介護を必要とする人体に装着して用いられ、歩行動作を始め人体の運動を物理面並びに心理面から好適に補助することができる、優れた運動補助装置及び運動補助方法を提供することにある。
本明細書で開示する技術のさらなる目的は、単にユーザーの運動をアシストできるにとどまらず、着脱が容易で、長時間の運用においても不快感が少なく、安価に高い効果が得られ、外観上も問題とならず、着座から歩行まで広範な運動サポートを行なえ、機器の重さがユーザーに作用せず、サポート力により横転倒モーメントが発生し難い、優れた運動補助装置及び運動補助方法を提供することにある。
本願は、上記課題を参酌してなされたものであり、請求項1に記載の技術は、
ユーザーの脚に装着され、直動アクチュエーターを含む脚ロッドと、
前記脚ロッドの一端と接続され、前記ユーザーの腰部に装着される腰部接続部と、
前記脚ロッドの他端と接続され、前記ユーザーの足部に装着される足部接続部と、
前記ユーザーの脚の大腿部付け根を環状に包囲する大腿部ハーネスと、前記ユーザーの腰部を環状に包囲し前記脚ロッドの前記一端を前記ユーザーの腹前部付近で前記腰部接続部を介して接続する腰部ハーネスと、前記腰部ハーネスと前記大腿部ハーネスとの間を連結するほぼ直線状の連結ハーネスを有し、前記直動アクチュエーターが前記脚ロッドを長手方向に伸展させるように動作して、上方に向かう力が前記腰部接続部に作用したときに、前記連結ハーネスを介して前記大腿部ハーネスが引き上げられることにより、鉛直上方向の力を前記ユーザーの骨盤に伝達する装具と、
を具備する運動補助装置である。
本願の請求項2に記載の技術によれば、請求項1に記載の運動補助装置の前記腰部接続部及び前記足部接続部は、前記脚ロッドを左右両脚の内側に配置するように前記一端及び前記他端でそれぞれ接続するように構成されている。
本願の請求項3に記載の技術によれば、請求項1に記載の運動補助装置は、回転3自由度を有する前記足部接続部を、その回転中心が、前後方向に関して前記ユーザーの足部拇指丘付近、幅方向に関して足底の中心付近に位置するように接続する足底部をさらに備えている
本願の請求項4に記載の技術によれば、請求項1に記載の運動補助装置の前記腰部接続部は、前記ユーザーの骨盤の幅方向の中央付近で前記脚ロッドの前記一端を接続するように構成されている
本願の請求項5に記載の技術によれば、請求項に記載の運動補助装置は、前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備えている。そして、前記左右の前記脚ロッドの前記腰部接続部を一点に集約して配置するように構成されている。
本願の請求項6に記載の技術によれば、請求項に記載の運動補助装置の前記脚ロッドは、前記ユーザーの体前部に向かって凸となる湾曲部を有している
本願の請求項7に記載の技術によれば、請求項に記載の運動補助装置は、前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備えている。そして、前記腰部接続部は、前記左右の前記脚ロッドの股関節ロール軸回りの可動域を制限するように構成されている。
本願の請求項8に記載の技術によれば、請求項に記載の運動補助装置は、前記直動アクチュエーターに加わる外力を検出する力センサーと、前記力センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターを力制御する制御部をさらに備えている。
本願の請求項9に記載の技術によれば、請求項1に記載の運動補助装置は、前記足部の足底の接地状態を検出する接地センサーと、前記接地センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターの動作を制御する制御部をさらに備えている。
本願の請求項10に記載の技術によれば、請求項1に記載の運動補助装置は、立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θ KPJ に応じて体重を支持するような押し付け力f stance を与え、遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θ HPJ に応じて引き上げ力f swing を与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する制御部をさらに備えている。
本願の請求項11に記載の技術によれば、請求項10に記載の運動補助装置は、前記直動アクチュエーターの位置を検出するエンコーダーをさらに備えている。そして、前記制御部は、前記ユーザーの股関節の屈曲量θ HPJ 並びに膝の屈曲量θ KPJ を前記直動アクチュエーターの位置で近似するように構成されている。
本願の請求項12に記載の技術によれば、請求項10に記載の運動補助装置の前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおける押し付け力f stance 、並びに、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力f swing に、自重補償の力を考慮して前記直動アクチュエーターを力制御するように構成されている。
本願の請求項13に記載の技術によれば、請求項10に記載の運動補助装置の前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおいて、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力f swing が作用しないようにさらに考慮して、前記直動アクチュエーターを力制御するように構成されている。
また、本願の請求項14に記載の技術は、請求項1に記載の運動補助装置を装着したユーザーの運動を補助する運動補助方法であって、
前記足部の接地状態を判定する判定ステップと、
遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θ HPJ に応じて引き上げ力f swing を与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第1の制御ステップと、
立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θ KPJ に応じて体重を支持するような押し付け力f stance を与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第2の制御ステップと、
を有する運動制御方法である
本明細書で開示する技術を適用した運動補助装置は、ユーザーの身体への固定を足部と腰部のみとし、直動アクチュエーターを内包した脚ロッドを介してユーザーの足部と腰部の間を接続するように構成される。この脚ロッドは、両脚の内側に配置され、体の幅方向サイズの影響を受けず、軽量である上、装置の重量を高い割合で補償する。脚ロッドと腰部との接続部は、ユーザーの腹前部である。脚ロッドは、上方への一方向性の力のみをユーザーの骨盤に伝達するように構成された簡潔なハーネスを介して、ユーザーの腰部と接続される。また、脚ロッドは、靴中央部に対して回転可能となるように、足部に接続される。
よって、本明細書で開示する技術によれば、以下に挙げるような複数の要件を同時に満たすことができる、優れた運動補助装置及び運動補助方法を提供することができる。
(1)着脱が容易である。
(2)長時間の運用においても不快感が少ない。
(3)安価である。
(4)ユーザーの体重の押し上げと、遊脚の引き上げの両サポートが行なえる。
(5)膝部が前に突出せず、外観上も問題とならない。
(6)着座から歩行まで広範な運動サポートが行なえる。
(7)装置重量がユーザーに作用し難い。
(8)サポート力により横転倒モーメントが発生し難い。
(9)ユーザーの身体サイズへの依存性が低い。
(10)小型で扱い易い。
本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、本明細書で開示する技術を適用した脚部アシスト・スーツ100の構成を模式的に示した図である。 図2は、直動アクチュエーター120の構成例を示した図である。 図3は、ホスト・コンピューター140を中心に構築された、脚部アシスト・スーツ100の制御システム300の構成例を示した図である。 図4は、脚部アシスト・スーツ100をユーザーの腰部に固定するハーネス400の構成を模式的に示した図である。 図5は、ユーザーの腹前部並びに体幹内部をそれぞれ力の作用点とした場合に、足部から力が作用する様子を模式的に示した図である。 図6は、脚部アシスト・スーツ100をユーザーの足部に取り付ける構成を模式的に示した図である。 図7Aは、左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れているように構成された脚部アシスト・スーツ100により歩行動作をサポートする様子を模式的に示した図である。 図7Bは、左右脚のフリーな股関節ロール軸が一点に集約されるように構成された脚部アシスト・スー100により歩行動作をサポートする様子を模式的に示した図である。 図8Aは、左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れている場合に、歩行動作中に立脚から受けるアシスト力によるロール軸回りの横転倒モーメントを模式的に示した図である。 図8Bは、左右脚のフリーな股関節ロール軸が一点に集約されている場合に、歩行動作中に立脚から受けるアシスト力によるロール軸回りの横転倒モーメントを模式的に示した図である。 図9Aは、ユーザーの脚に上下方向の伸縮力を発生するために、中間部に回転関節901を配置した脚部アシスト・スーツの構成を模式的に示した図である。 図9Bは、直動式でユーザーの脚に上下方向の伸縮力を発生する脚部アシスト・スーツの構成を模式的に示した図である。 図10は、脚部アシスト・スーツ100を装着したユーザーが着座した状態を模式的に示した図である。 図11は、脚ロッド(LR)110L及び110Rが相互に干渉しない可動範囲を示した図である。 図12は、ユーザーの脚部動作と、脚部アシスト・スーツ100の動作を模式的に示した図である。 図13は、脚部アシスト・スーツ100の動作を制御するための処理手順を示したフローチャートである。 図14は、脚部アシスト・スーツ1400の他の構成例を示した図である。 図15は、腰部バックル1402を上方から眺めた様子を模式的に示した図である。 図16は、腰部バックル1402を腰部ハーネス1401に装着する様子を示した図である。 図17は、脚ロッド(LR)1403の下端を足部1404に接続する様子を示した図である。 図18は、直動アクチュエーターの他の構成例を示した図である。 図19は、直動アクチュエーターの他の構成例を示した図である。
以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本明細書で開示する技術を適用した脚部アシスト・スーツ100の構成を模式的に示している。
図示の脚部アシスト・スーツ100は、ユーザーの身体への固定を腰部と足部のみであり、ユーザーの身体の拘束箇所を最低限としている。脚部アシスト・スーツ100は、左右の脚毎に、腰部と足部の間を接続する脚ロッド(Leg Rod:LR)110L及び110Rと、これらの脚ロッド(LR)110L及び110Rの中間部付近にそれぞれ内蔵され、脚ロッド(LR)110L及び110を長手方向に伸縮させる直動アクチュエーター120L及び120Rを備えている。
図1に示すように、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rはともに、ユーザーの両脚の内側に配置されている。したがって、ユーザーが脚部アシスト・スーツ100を装着した際に、体の幅方向サイズの影響を受けない。また、脚部アシスト・スーツ100は、軽量である上、装置の重量を高い割合で補償する。
左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rの各上端は、ハーネス(後述)で構成される簡潔な装具(後述)を介して、ユーザーの腹前部にそれぞれ接続されている。この腰部(ハーネス)には、直動アクチュエーター120L及び120Rの駆動制御などの演算処理を行なうホスト・コンピューター140や駆動電源であるバッテリー141が搭載されている。
脚ロッド(LR)110L及び110Rの各上端の接続部111L及び111R間は、骨盤リンク(Pelvis Link:PL)を構成する。脚ロッド(LR)110L及び110Rの各上端のハーネスとの接続部111L及び111Rはともに、股関節ロール軸(Hip Roll Joint:HRJ)と股関節ピッチ軸(Hip Pitch Joint:HPJ)の2軸回転自由度を有しており、この2自由度により各脚の足先の方向(各脚ロッド(LR)110L及び110R)を前後左右に揺動することができる。これらの股関節ロール軸HRJ、股関節ピッチ軸HPJはいずれも非駆動関節(Rotational Unactuated Joint)である。脚ロッド(LR)110L及び110Rはそれぞれ、直動型アクチュエーター120L及び120Rが発生する上方への一方向性の力のみを、ハーネスを介してユーザーの骨盤に伝達することができる。
また、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rの各下端はそれぞれ、靴中央部に対して回転可能となるように、足部に接続される。脚ロッド(LR)110L及び110Rの各下端の接続部112L及び112Rはともに、足首関節ヨー軸(Ankle Yaw Joint:AYJ)、足首関節ロール軸(Ankle Roll Joint:ARJ)、及び足首関節ピッチ軸(Ankle Pitch Joint:APJ)の3軸回転自由度を有しており、この3自由度により各脚の足部の姿勢を自在に決定することができる。これらの足首関節ヨー軸AYJ、足首関節ロール軸ARJ、足首関節ピッチ軸APJはいずれも非駆動関節である。
また、左右の足底部には、足底と路面の間の接触状態を検出するための接触センサー(footSW)130L及び130Rがそれぞれ搭載されている。
ここで、脚部アシスト・スーツ100の自由度構成について整理すると、左右それぞれの脚について、脚ロッド(LR)110L及び110Rの上端の接続部111L及び111Rの2関節自由度(HRJ、HPJ)と、脚ロッド(LR)110L及び110Rの直動アクチュエーター120L及び120Rの直進自由度と、脚ロッド(LR)110L及び110Rの下端の接続部112L及び112Rの3関節自由度(AYJ、ARJ、APJ)、すなわち、脚毎に合計6自由度を持つ。接続部111L及び111Rの2関節自由度(HRJ、HPJ)は、足先の方向(脚ロッド(LR)110L及び110R)を前後左右に揺動し、直進自由度は脚先の方向での足部までの距離(脚ロッド(LR)110L及び110Rの長さ)を決定し、3関節自由度(AYJ、ARJ、APJ)は足部の姿勢を決定する。
なお、接続部111L、111Rに、さらに股関節ヨー軸HYJを設けるなど、脚毎に6自由度を超える冗長自由度を与えるという脚部アシスト・スーツ100の自由度構成方法も考えられるが、制御を徒に難しくするという問題もある(例えば、足先の方向を前後左右に揺動するには、股関節ロール軸HRJ及び股関節ピッチ軸HPJの2自由度があれば十分であり、股関節ヨー軸HYJは冗長若しくは不要な自由度となる)。
左右の直動アクチュエーター120L及び120Rは、上述したように、各脚ロッド(LR)110L及び110Rの中間部付近に内蔵され、脚ロッド(LR)110L及び110Rを長手方向に伸縮させる。図2には、直動アクチュエーター120の構成例を示している。
直動アクチュエーター120は、駆動用のモーター201を備えている。モーター201の出力軸は、ボールねじ202に連結されている。ボールねじ202は、ねじ軸202aと、ねじ軸202aを挿通させたナット202bからなる。ナット202bの内周には、ねじ溝(図示しない)が形設されており、ねじ軸202aが回転するとナット202bがねじ軸202aに沿って移動する。したがって、モーター201の回転運動をナット202bによる直線運動に変換し、その結果、脚ロッド(LR)110の長手方向の運動を生成する。
また、モーター201の回転子には、回転位置を検出するエンコーダー204が取り付けられている。ねじ軸202aの回転量とナット202bの移動量には比例関係が成立し、したがって、エンコーダー204の出力値に基づいて、脚ロッド(LR)110が長手方向に伸縮する変位量に換算することができる。
また、ナット202bには、力センサー203が取り付けられている。力センサー203は、ナット202bがねじ軸202aの軸方向に直進する際、言い換えれば、脚ロッド(LR)110が長手方向に伸縮する際に加わる外力を検出する。
なお、モーター201の回転運動を直線運動に変換するために、ボールねじ以外の機構を用いて直動アクチュエーター120を構成するようにしてもよい。図18には、直動アクチュエーターの他の構成例を示している。図示のアクチュエーター1800は、レール1801と、レール1801上を可動なスライダー1802と、回転モーター1803と、ワイヤー1804で構成され、ボールねじを使用しない。回転モーター1803の回転駆動によって、ワイヤー1804を介してスライダー1802を牽引する。そして、スライダー1802は、レール1801に沿って、紙面上下方向に移動する。レール1801及びスライダーをほぼ同形の円弧状に形成することで、直動アクチュエーターの軌道は円弧を描くことになる。また、図19に示すように、レール1901及びスライダー1902を任意の曲線状で形成することで、任意形状の軌道を描く直動アクチュエーター1900を構成することができる。回転モーター1903の回転駆動によってワイヤー1904を介してスライダー1902を牽引する点は、図18と同様である。直動アクチュエーターは、直線ではなく任意の曲線であってもよい。図19に示したように、レール1901とスライダー1902とワイヤー1904を用いて構成することにより、任意の曲線からなる直動アクチュエーターを実現することができる。
図3には、ホスト・コンピューター140を中心に構築された、脚部アシスト・スーツ100の制御システム300の構成例を示している。
各直動アクチュエーター120L及び120Rには、ホスト・コンピューター140との通信を行なうためのマイコン301L及び301Rがそれぞれ併設されている。ホスト・コンピューター140は、マイコン301L及び301Rを介して、力センサー203L及び203Rの出力値と、エンコーダー204L及び204Rの出力値を、それぞれ読み出すことができる。また、ホスト・コンピューター140は、マイコン301L及び301Rを介して各モーター201L及び201Rの駆動回路に制御目標値を与えることができる。
ホスト・コンピューター140は、力センサー203L及び203Rの出力値と、エンコーダー204L及び204Rの出力値を用いて、各直動アクチュエーター120L及び120Rの力制御を行なう。各直動アクチュエーター120L及び120Rには、摩擦や慣性といったモデル化や同定が困難な、大きな誤差を生む要因がある。これに対し、本実施形態では、脚部アシスト・スーツ100において理想的な関節部(IJU)を実現するために、各直動アクチュエーター120L及び120Rの力制御を行なう。各直動アクチュエーター120L及び120Rの駆動には、上記のモデル化や同定が困難な外乱の要因に対処し、数理モデル(理想応答モデル)に基づいて出力トルクを指示することができる制御系を適用する。具体的には、力センサー203L、203Rの値と、エンコーダー204L、204Rの出力を用いて各モーター201L、201Rの制御を行ない、数理モデルに基づく精密な応答を実現する(例えば、特許文献3を参照のこと)。
モーター201L、201Rは、指令トルク及び外トルクに対し、指定されたイナーシャーと粘性抵抗によって支配される、精密な2次系の応答を示す。これにより、(ボールねじ202などの)摩擦などによって関節の動きが阻害されることなく、わずかな力が関節に作用しても、精密に各直動アクチュエーター120L及び120Rの加速度変化となって現れるようにすることができる。その結果、脚部アシスト・スーツ100を装着したユーザーの関節に抵抗感を与えることなく、運動をサポートする力を発することができる。
また、左右の足底部の接触センサー(footSW)130L及び130Rには、ホスト・コンピューター140との通信を行なうためのマイコン302L及び302Rがそれぞれ併設されている。ホスト・コンピューター140は、マイコン302L及び302Rを介して各接触センサー(footSW)130L及び130Rの出力値を読み出すことができる。
ホスト・コンピューター140は、左右の足底部と路面との接触状態を基に左右それぞれの脚が立脚又は遊脚のいずれであるかを判断することができる。そして、ホスト・コンピューター140は、脚が立脚又は遊脚のいずれの状態であるかに応じて左右の直動アクチュエーター120L及び120Rの力制御を行なう直動アクチュエーター120L及び120Rの力制御の詳細については、後述に譲る。
図4には、脚部アシスト・スーツ100をユーザーの腰部に固定する装具の一例として、軽量なハーネス400の構成を模式的に示している。
ハーネス400は、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rから作用する上方力を、ユーザーの骨盤に伝達するように構成されている。具体的には、ユーザーの左右の大腿部付け根に装着する左右の大腿部ハーネス(Thigh Harness:TH)401L及び401Rと、ユーザーの腰部に装着する腰部ハーネス(Waist Harness:WH)402と、腰部ハーネス(WH)402と大腿部ハーネス(TH)401L及び401Rの各々との間を連結する直線状の連結ハーネス(Connect Harness:CH)403L及び403Rで構成される。
左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rの各上端は、環状の腰部ハーネス(WH)402の前部に、腰部アタッチメント(Waist Attachment:WA)404上の接続部111L及び111Rを介して取り付けられる。腰部アタッチメント(WA)404は、硬質素材で形成されており、腰部ハーネス(WH)402にワンタッチで一体化される。腰部アタッチメント(WA)404を腰部ハーネス(WH)402から取り外すことで、左右の脚ロッド(LR)110L及び110はハーネス400から分離する。あるいは、脚ロッド(LR)110L及び110が腰部アタッチメント(WA)404に着脱自在であるように構成してもよい。
また、直線状の連結ハーネス(CH)403L及び403Rも、腰部アタッチメント(WA)404を介して腰部ハーネス(WH)402の前部に接続される。
ここで、脚ロッド(LR)110L又は110Rが伸展すると、上方に向かう力Fが、腰部アタッチメント(WA)404の作用点APに作用する。そして、この上方に向かう力Fにより、左右の大腿部ハーネス(TH)401L及び401Rは、連結ハーネス(CH)403L及び403Rを介して上方に引き上げられる。
腰部アタッチメント(WA)404、すなわち腰部ハーネス(WH)402の前部は、ユーザーの腹前部の中央付近に位置する。左右の大腿部ハーネス(TH)401L及び401Rは、連結ハーネス(CH)403L及び403Rを介して上方に引き上げられると、それぞれ骨盤と作用点AP1、AP2で接触して、上方に向かう力F1、F2を骨盤に作用させる。これにより、脚ロッド(LR)110L、110Rの伸縮動作により腰部アタッチメント(WA)404の作用点APに作用する、上方に向かう力Fは、連結ハーネス(CH)403L及び403Rを介して、各作用点AP1、AP2に作用する力F1、F2として骨盤に伝えられる。
環状の腰部ハーネス(WH)402の前部は、ユーザーの腹前部に位置する。したがって、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100を装着したユーザーへの力の作用点はユーザーの腹前部ということになる。
一方、ユーザーの腹前部ではなく、体幹内部を力の作用点とするようが理想的であるとする考え方がある。しかしながら、ユーザーの体幹内部を力の作用点とするためには、アシスト・スーツに周知の機械機構であるジンバルや円弧スライダーを用いる必要があり(例えば、特許文献4を参照のこと)、装置重量が増す、装着したままでの着座が困難になる。高価格化を招来するなどの問題がある。これに対し、図4に示す、ユーザーの腹前部を力の作用点とする脚部アシスト・スーツ100の構成によれば、軽量であり、装着したままでもユーザーは着座が可能であり、安価に構成することができるというメリットがある、と本出願人は思料する。
図5には、ユーザーの腹前部並びに体幹内部をそれぞれ力の作用点とした場合に、歩行中のユーザーの立脚側の足部から力が作用する様子を模式的に示している。同図中、足部から腹前部に作用する力Ffを実線矢印で、足部から体幹内部に作用する力Fcを点線矢印で、それぞれ示している。また、足部から腹前部に作用する力Ff並びに足部から体幹内部に作用する力Fcの前後方向の各分力Ffx、Fcxを併せて示している。同図からも分かるように、力Ffxの方が力Fcxよりも小さい。これは、ユーザーの腹前部を力の作用点とした方が、ユーザーの体の前後方向に作用する余分な力が小さくて済むことを意味する。
したがって、上述並びに図4に示したしたように、脚部アシスト・スーツ100からユーザーに力が作用する作用点をユーザーの腹前部にした方が、体幹内部を作用点とする場合と比較して、歩行時に前後方向の力作用を脚ロッド(LR)110L及び110Rから受け難く、自然な力サポートを行なうことができる。
図4に示したハーネス400は、例えば前部にバックル(図示しない)を設けることにより、ユーザーが着脱を容易に行なえるように構成することができる。また、腰部アタッチメント(WA)404に、ホスト・コンピューター140やバッテリー141などからなるデバイスを装着することも、極めて容易である。したがって、搭乗方式の歩行補助装置(例えば、特許文献1を参照のこと)と比較して、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100は着脱の容易性を損なわないということができる。
腰部アタッチメント(WA)404に上方力Fが作用すれば、連結ハーネス(CH)403L及び403Rが伸び切って、大腿部ハーネス(TH)401L及び401Rが変形する。その結果、作用点AP1、AP2で力が骨盤に作用するようになる。したがって、ハーネス400を強固に締め付ける必要はなく、装着によりユーザーに与える不快感は小さい。
また、大腿部ハーネス(TH)401L及び401Rの作用点AP1、AP2付近や、ユーザーの臀部と当接する部位付近に、軟質素材やパッド(図示しない)を配置することで、ユーザーに加わる圧力を分散させ、さらに快適性を向上することもできる。
搭乗方式の歩行補助装置(例えば、特許文献1を参照のこと)は、概して、股関節部の機構が複雑化し、装置重量の増大や高価格化を招来する、装着したままではユーザーは着座できない、といったデメリットがある。これに対し、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100は、そのような問題はなく、トータルで実用性が向上する、と本出願人は思料する。
図6には、脚部アシスト・スーツ100をユーザーの足部に取り付ける構成を模式的に示している。図示のように、脚部アシスト・スーツ100の左右の足底部601L及び601Rは、ユーザーの履いている靴とワンタッチ着脱機構602L及び602Rを介して接続される。
例えば自転車のペダルやスキー靴のスキー板への取り付けに利用されているクリップ・システム(図示しない)をワンタッチ着脱機構602L及び602Rに適用することもできる。
足底部601L及び601Rは、それぞれ足部連結ジョイント603L及び603Rを介して、各脚ロッド(LR)110L及び110Rの下端と接続される。足部連結ジョイント603L及び603Rは、足首関節ヨー軸(AYJ)、足首関節ロール軸(ARJ)、及び足首関節ピッチ軸(APJ)の回転3自由度を有している。その回転中心(ピボット)は、前後方向に関してユーザーの足部拇指丘付近、幅方向に関して足底の中心付近に位置する。このような軸配置により、脚部アシスト・スーツ100が遊脚の引き上げ力を作用しても、ユーザーが内股になったりガニ股になったりする不快なモーメントを作用し難くすることができる。
ちなみに、搭乗方式の歩行補助装置(例えば、特許文献1を参照のこと)は、ピボットが足底幅方向内側にあることを訴求している。これは、脚の引き上げアシストを第一義的に想定していないためであると思料される。ピボットが足底幅方向の中心ではなく内側に配置する構成では、実際には、遊脚がガニ股になろうとする、不快なモーメントが人体に作用する。したがって、総合的視点からは、足底幅方向の中央付近に各足部連結ジョイント603L及び603Rのピボットを配置することが望ましいといえる。
左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rの各上端は、腰部アタッチメント(WA)404に接続される(前述)。その接続部111L及び111Rには、ピッチ方向とロール方向の2軸フリー・ジョイントが構成され、骨盤から見て各脚ロッド(LR)110L及び110Rが前後及び左右で自在な方向を向けるようになっている。
左右のロール方向のフリー・ジョイントは、なるべく骨盤の幅方向中央に存在するように(望ましくは同軸となるように)構成することが好ましい。その理由について、図7A及び図7B、並びに、図8A及び図8Bを参照しながら説明する。
図7Aには、左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れているように構成された脚部アシスト・スーツ100により歩行動作をサポートする様子を模式的に示している。左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れていると、同図右に示すように、脚部アシスト・スーツ100の遊脚側における自重がユーザーに作用し易い(図中、自重により発生するモーメントを矢印701で示している)。
一方、図7Bには、左右の股関節ロール軸が一点に集約されるように脚部アシスト・スーツ100により歩行動作をサポートする様子を模式的に示している。この場合、骨盤リンクの落ち込みが生じ難く、脚部アシスト・スーツ100の遊脚の重量がユーザーに作用し難い。
また、図8A及び図8Bには、左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れている場合と一点に集約されている場合の各々において、歩行動作中に立脚から受けるアシスト力によるロール軸回りの横転倒モーメントを模式的に示している。
図8Aには、左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れているように構成された脚部アシスト・スーツ100において、歩行動作中に立脚から受けるアシスト力801によるロール軸回りの横転倒モーメントを、矢印802で示している。左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離が離れていると、ユーザーの体の中心から見たモーメント・アーム803が大きくなるので、横転倒モーメント802が大きくなり、ユーザーに作用し易い。
一方、図8Bには、左右の股関節ロール軸が一点に集約されるように脚部アシスト・スーツ100において、歩行動作中に立脚から受けるアシスト力804によるロール軸回りの横転倒モーメントを、矢印805で示している。左右脚のフリーな股関節ロール軸の距離を短くすると、ユーザーの体の中心から見たモーメント・アーム806が小さくなるので、横転倒モーメント805を小さく抑えて、ユーザーに作用し難くすることができる。
図8A及び図8Bを比較すると、各脚ロッド(LR)110L及び110Rと腰部アタッチメント(WA)404との接合点が骨盤の幅方向中央付近にある方(すなわち、図8Bに示す方)が、横転倒モーメントを各段に小さく抑えることができることが分かる。
また、左右の股関節ロール軸を一点に集約するように脚部アシスト・スーツ100を構成すると、体の幅方向の部品数を削減して、軽量化、低コスト化を図れる、人体の幅方向サイズへの適合必要性が低くなる、といったメリットもある。
上述したように、脚ロッド(LR)110L及び110Rは、ボールねじ202の機構により、長手方向に伸縮自在となるように構成されている(勿論、ボールねじ以外の機構を用いて、長手方向に伸縮自在となるように構成してもよい)。ここで、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100のように直動アクチュエーター120の長手方向の動作を用いて脚部の屈伸などの運動をアシストする方法を、膝関節など脚の中間部の回転関節の駆動によりアシストする方法と対比してみる。
図9Aには、ユーザーの脚に上下方向の伸縮力を発生するために、膝付近などの脚の中間部に回転関節901を配置した脚部アシスト・スーツの構成を模式的に示している。この場合、脚部上端の上下方向の操作空間において、姿勢によって可操作度が大きく変動する(回転関節の回転による力の発生方向を、図中の矢印902で示すが、可操作度が大きく変動する)。また、膝の伸び切った特異姿勢では、可操作度が小さくなり、上方力を作用できなくなる。言い換えれば、特異姿勢に陥ることなく、上方力を効率よく発生して上下動を可能にするためには、膝を十分屈曲させておく必要がある。ところが、膝を屈曲させた姿勢では、図9Aからも分かるように、脚部アシスト・スーツは前後方向の張り出し量903が大きくなった格好となり、外観上、好ましくない。
一方、図9Bには、本実施形態のように、直動式でユーザーの脚に上下方向の伸縮力を発生する脚部アシスト・スーツ100の構成を模式的に示している。図示のように、直動アクチュエーター120の動作により上下方向の力904が発生するが、特異姿勢は存在しない。したがって、上下動を行なう際、可操作度は、直動関節値に依存せず一定であることから、常に良好な力サポートを行なうことができる。また、上方力を効率よく発生させるために、膝を屈伸させる必要がない。したがって、上下動を行なう際に、脚部アシスト・スーツが前後方向に張り出すことはなく、外観も優れている。
続いて、脚部アシスト・スーツ100の着座時における脚ロッド(LR)110L及び110Rと椅子との干渉について考察してみる。図10には、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100を装着したユーザーが着座した状態を模式的に示している。着座時に脚ロッド(LR)110L及び110Rと椅子が干渉することが懸念されるが、図10からも分かるように、椅子1001と干渉することは稀である。余裕を持たせるために、同図破線1002で示すように、脚ロッド(LR)110L及び110Rの一部を、ユーザーの体前部に向かって凸となるように少し湾曲させるなど、直線ではなく非線形状で構成するようにしてもよい。
また、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rはともに、両脚の内側に配置されていることから、脚ロッド(LR)110L及び110R間の干渉が懸念される。上述したように、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rは、股関節ロール軸(HRJ)と股関節ピッチ軸(HPJ)の2軸回転自由度を有する接続部111L及び111Rを介して、前後及び左右方向に揺動可能に、腰部ハーネス(WH)402の前部に取り付けられている。図11に示すように、脚ロッド(LR)110L及び110Rが相互に干渉しない可動範囲となるようにすることが好ましい。例えば、各接続部111L及び111Rにおける股関節ロール軸(HRJ)の可動域を制限するメカリミット(図示しない)を配置して、図11中の参照番号1101、1102でそれぞれ示すように、脚ロッド(LR)110L及び110Rの可動範囲を設定することができる。
続いて、脚部アシスト・スーツ100による力のサポート則について説明する。人間の歩行や走行、階段の昇降などの脚部動作は、左右の脚を交互に立脚、遊脚にすることで実現する。
立脚側の脚は、例えば階段を昇る際に、膝関節ピッチ軸を伸展させてユーザーの体重を押し上げる動作を行なう。膝関節ピッチ軸が屈曲すると、ユーザーは体重を押し上げるのが苦しくなる。そこで、脚部アシスト・スーツ100は、立脚側では、膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを立脚側の直動アクチュエーター120に発生させて、ユーザーに与えることが望まれる(図12(a)を参照のこと)。
また、遊脚側の脚は、胴体に対して大腿部を屈曲させるように股関節ピッチ軸を屈曲させて、遊脚を引き上げる動作を行なう。股関節が曲がるほど遊脚は引き上がるが、遊脚の引き上げが十分でないと、遊脚のつま先が地面にぶつかってしまう。脚部アシスト・スーツ100は、遊脚側では、股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを遊脚側の直動アクチュエーター120に発生させて、ユーザーに与えることが望まれる(図12(c)を参照のこと)。
遊脚側における股関節ピッチ軸の屈曲量θHPJは、同脚における直動アクチュエーター120の位置xswingで近似することができる。同様に、立脚側における膝関節ピッチ軸の屈曲量θKPJは、同脚における直動アクチュエーター120の位置xstanceで近似することができる(図12(d)を参照のこと)。勿論、股関節ピッチ軸や膝関節ピッチ軸にエンコーダーを取り付けて、各関節の屈曲量θHPJ、θKPJを直接測定するように構成してもよい。
脚部アシスト・スーツ100は、力サポートを行なう際に、立脚、遊脚とも、自重補償のための力を発するのが好ましい。立脚の脚部アシスト・スーツ100の自重をmstanceとおくと、自重補償の力は−mstancegである。また、遊脚の脚部アシスト・スーツ100の自重をmswingとおくと、自重補償の力はmwinggである。但し、引き上げ方向を正方向、押し下げ方向を負方向とする。
さらに、立脚側には、遊脚の引き上げに要した力も作用するので、腰部アタッチメント(WA)404からユーザーに遊脚引き上げのための力fswingが作用しないようにする。
よって、遊脚及び立脚にそれぞれ作用させるサポート力fswing、fstanceの制御則は、それぞれ下式(1)、(2)のように表わされる。但し、各式において、Kp1、Kp2はそれぞれ正のゲインとする。
各サポート力fswing、fstanceは、遊脚及び立脚側それぞれの直動アクチュエーター120の力とする。立脚、遊脚の判定は、左右それぞれの足部に設けられた接触センサー130L/Rの出力値に基づいて行なうことができる(前述)。上式(2)に示すように、立脚側のサポート力fstanceには、ユーザーに遊脚引き上げ力を作用させないための力−fswingを加える必要があることから、まず遊脚、次いで立脚の順でサポート力fswing、fstanceを算出する。
図13には、本実施形態に係る脚部アシスト・スーツ100の動作を制御するための処理手順をフローチャートの形式で示している。この処理手順は、例えばホスト・コンピューター140が所定のプログラム・コードを実行するという形態で実現することができる。
まず、ホスト・コンピューター140は、マイコン302L及び302Rを介して各接触センサー(footSW)130L及び130Rの出力値を読み出して、左右それぞれの足の接地状況を判定する(ステップS1301)。接地が判定された脚を立脚(stance)とし、接地していないと判定された脚を遊脚(swing)とする。
次いで、ホスト・コンピューター140は、マイコン301L及び301Rを介して、各直動アクチュエーター120L及び120Rのエンコーダー204L及び204Rの出力値を読み出して、左右の脚ロッド(LR)110L及び110Rの伸縮量xを測定する(ステップS1302)。立脚側の伸縮量をxstanceとし、遊脚側の伸縮量xswingとする。
また、ホスト・コンピューター140は、マイコン301L及び301Rを介して、各直動アクチュエーター120L及び120Rの力センサー203L及び203Rの出力値を読み出す。
次いで、ホスト・コンピューター140は、上式(1)、(2)に示した制御側に基づいて、遊脚、立脚の順で、各直動アクチュエーター120L及び120Rの発生力の目標値をfswing、fstanceを算出する(ステップS1303)。
そして、ホスト・コンピューター140は、ステップS1303で算出した発生力目標値をfswing、fstanceを、マイコン301L及び301Rを介して各モーター201L及び201Rの駆動回路に送信して、各直動アクチュエーター120L及び120Rの力センサー203L及び203Rの出力値に基づいて力制御を実行する(ステップS1304)。
ホスト・コンピューター140は、上述した制御ループS1301〜S1304を、例えば10ミリ秒の制御周期で繰り返し実行すればよい。
図1や図4に示した脚部アシスト・スーツ100は、ユーザーの大腿部付け根(TH)と腰部(WH)に環状のハーネスを装着するように構成されているが、本明細書で開示する技術は、このようなユーザーの体への固定方法に限定されるものではない。
図14には、脚部アシスト・スーツ1400の他の構成例を示している。図示の脚部アシスト・スーツ1400は、腰部ハーネス1401と、腰部バックル1402と、左右の脚ロッド1403L、1403Rと、左右の足部1404L、1404Rからなる。各脚ロッド1403L、1403Rの中間部付近には、長手方向に伸縮させる直動アクチュエーター(図示しない)がそれぞれ内蔵されている。また、同図では、ユーザーの脚を省略しているが、左右の脚ロッド(LR)1403L及び1403Rはともに、ユーザーの両脚の内側に配置されている。したがって、ユーザーが脚部アシスト・スーツ100を装着した際に、体の幅方向サイズの影響を受けない。
腰部ハーネス1401は、ユーザーの臀部と腰部を環状に覆うように構成されている。このような構成によれば、脚ロッド(LR)110L又は110Rの上端から腹前部に作用した力を臀部に面上に作用させることができる。すなわち、サポート力を分散させ、ユーザーの痛みや圧迫感を低減することができる。
脚ロッド(LR)1403L及び1403Rの各上端は、腰部バックル1402を介して腰部ハーネス1401に取り付けられている。図15には、腰部バックル1402を上方から眺めた様子を模式的に示している。図示のように、腰部バックル1402は、脚ロッド(LR)1403L及び1403Rの各上端を、股関節ロール軸(HRJ)と股関節ピッチ軸(HPJ)の2軸回転自由度を以って接続している。これらの股関節ロール軸HRJ、股関節ピッチ軸HPJはいずれも非駆動関節である。脚ロッド(LR)1403L及び1403Rはそれぞれ、直動型アクチュエーターが発生する上方への一方向性の力のみを、腰部バックル1402及び腰部ハーネス1401を介してユーザーの骨盤に伝達することができる。
なお、腰部バックル1402の回転モーメントを低減するために、図15に示すように、腰部ハーネス1401と腰部バックル1402の接続点を股関節ピッチ軸HPJの軸線上近くに配置することが好ましい。
図16には、腰部バックル1402を腰部ハーネス1401に装着する様子を示している。図示のように、1箇所の把持部1405の開閉操作のみによって、腰部バックル1402とともに脚ロッド110L、110Rを左右の腰部アタッチメント1401を着脱することが可能であり、着脱容易性を高めることができる。把持部1405を構成する一対の爪を、同図中、矢印で示す方向に操作することで、腰部バックル1402を腰部ハーネス1401に固定することができる。詳細な図解は省略するが、腰部バックル1402を腰部ハーネス1401に装着することで、電気的接続も同時に行なわれる。
腰部バックル1402は、ユーザーの腹前部の中央付近で腰部ハーネス1401に取り付けられる。脚ロッド(LR)1403L、1403Rの伸縮動作により、腰部バックル1402には上方に向かう力が作用し、腰部ハーネス1401を介して骨盤に伝えられる。
図17には、脚ロッド(LR)1403の下端を足部1404に接続する様子を示している。脚ロッド(LR)1403の下端は足首ポール・ジョイント1406を構成している。また、足部1404は、足首ポール・ジョイント1406を収容するソケット1407を上方に備えている。ソケット1407の上面には、脚ロッド(LR)1403を挿通させるための開口部1408が形設されている。同図中、矢印で示すように、足首ポール・ジョイント1406をスライドさせてソケット1407内でスライドさせることで、脚ロッド(LR)1403を容易に足部1404に接続したり、離脱したりすることができる。
足首ポール・ジョイント1406をソケット1407内に挿入して、脚ロッド(LR)1403の下端を足部1404に取り付けた状態では、足首関節ヨー軸(AYJ)、足首関節ロール軸(ARJ)、及び足首関節ピッチ軸(APJ)の3軸回転自由度を有しており、この3自由度により各脚の足部の姿勢を自在に決定することができる。これらの足首関節ヨー軸AYJ、足首関節ロール軸ARJ、足首関節ピッチ軸APJはいずれも非駆動関節である。
図16及び図17から、脚部アシスト・スーツ1400は、左右の脚ロッド(LR)1403L、1403Rを、腰部ハーネス1401及び足部1404L、1404Rから容易に分離できる構造である、ということを十分理解されたい。
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)ユーザーの腰部と足部を接続し、直動アクチュエーターを含む脚ロッドと、
前記脚ロッドの一端を前記腰部に接続する腰部接続部と、
前記脚ロッドの他端を前記足部に接続する足部接続部と、
を具備する運動補助装置。
(2)前記ユーザーの可動脚毎に前記脚ロッドを備える、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(3)前記直動アクチュエーターは、前記脚ロッドを長手方向に伸縮させるように動作する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(4)前記腰部接続部及び前記足部接続部は、前記脚ロッドを左右両脚の内側に配置するように前記一端及び前記他端でそれぞれ接続する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(5)前記ユーザーが胴体に装着し、前記腰部接続部を有する装具をさらに備える、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(6)前記装具は、前記ユーザーの腹前部付近で前記腰部接続部を介して前記脚ロッドの前記一端を接続する、
上記(5)に記載の運動補助装置。
(7)前記腰部接続部は、回転2自由度を以って前記脚ロッドの前記一端を接続する、
上記(1)又は(5)のいずれかに記載の運動補助装置。
(8)前記装具は、前記直動アクチュエーターが発生する上方への一方向性の力を前記ユーザーの骨盤に伝達する、
上記(5)に記載の運動補助装置。
(9)前記脚ロッドは、前記一端にて前記装具から着脱可能である、
上記(5)に記載の運動補助装置。
(10)前記足部接続部は、回転3自由度を以って前記脚ロッドの前記他端を接続する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(11)前記装具は、前記ユーザーの脚の大腿部付け根を環状に包囲する大腿部ハーネスと、前記ユーザーの腰部を環状に包囲し前記脚ロッドの前記一端を接続する腰部ハーネスと、前記腰部ハーネスと前記大腿部ハーネスとの間を連結するほぼ直線状の連結ハーネスを有する、
上記(5)に記載の運動補助装置。
(12)前記連結ハーネスは、前記腰部ハーネスの前部付近に接続される、
上記(11)に記載の運動補助装置。
(13)前記直動アクチュエーターが伸展して前記腰部ハーネスが上方に引き上げられたときに、前記連結ハーネスを介して前記大腿部ハーネスが引き上げられることにより、上方に向かう力を前記ユーザーの骨盤に伝達する、
上記(11)に記載の運動補助装置。
(14)前記ユーザーの履いている靴とワンタッチ着脱機構を介して接続する足底部をさらに備える、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(15)回転3自由度を有する前記足部接続部を、その回転中心が、前後方向に関して前記ユーザーの足部拇指丘付近、幅方向に関して足底の中心付近に位置するように接続する足底部をさらに備える、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(16)前記腰部接続部は、前記ユーザーの骨盤の幅方向の中央付近で前記脚ロッドの前記一端を接続する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(17)前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備え、
前記左右の前記脚ロッドの前記腰部接続部を一点に集約して配置する、
上記(16)に記載の運動補助装置。
(18)前記脚ロッドは、前記ユーザーの体前部に向かって凸となる湾曲部を有する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(19)前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備え、
前記腰部接続部は、前記左右の前記脚ロッドの股関節ロール軸回りの可動域を制限する、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(20)前記直動アクチュエーターの動作を制御する制御部をさらに備える、
上記(1)に記載の運動補助装置。
(21)前記直動アクチュエーターに加わる外力を検出する力センサーをさらに備え、
前記制御部は、前記力センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(20)に記載の運動補助装置。
(22)前記足部の足底の接地状態を検出する接地センサーをさらに備え、
前記制御部は、前記接地センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターの動作を制御する、
上記(20)に記載の運動補助装置。
(23)前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを与え、遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(20)に記載の運動補助装置。
(24)前記直動アクチュエーターの位置を検出するエンコーダーをさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJ並びに膝の屈曲量θKPJを前記直動アクチュエーターの位置で近似する、
上記(23)に記載の運動補助装置。
(25)前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおける押し付け力fstance、並びに、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力fswingに、自重補償の力を考慮して前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(23)に記載の運動補助装置。
(26)前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおいて、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力fswingが作用しないようにさらに考慮して、前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(25)に記載の運動補助装置。
(27)上記(1)に記載の運動補助装置を装着したユーザーの運動を補助する運動補助方法であって、
前記足部の接地状態を判定する判定ステップと、
遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第1の制御ステップと、
立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第2の制御ステップと、
を有する運動制御方法。
(28)前記第1及び第2の制御ステップではそれぞれ遊脚側並びに立脚側の装置の自重補償の力を考慮して前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(27)に記載の運動補助方法。
(29)前記第2の制御ステップでは、立脚側の前記脚ロッドにおいて、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力fswingが作用しないようにさらに考慮して、前記直動アクチュエーターを力制御する、
上記(28)に記載の運動補助方法。
(30)上記(1)に記載の運動補助装置を装着したユーザーの運動を補助するためのコンピューター・プログラムであって、コンピューターを、
前記足部の接地状態を判定する判定手段、
遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第1の制御手段、
立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第2の制御手段、
として機能させるようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラム。
特許第4641225号公報 特開2011−62463号公報 特許第4715863号公報 特開2011−67227号公報
Kawamoto H.,Lee S.,Kanbe S.,Sankai Y.: "Power Assist Method for HAL−3 using EMG−based Feedback Controller",Proc.of Int’l Conf. onSystems,Man and Cybernetics(SMC2003),pp.1648−1653,2003 J.Ghan,R.Steger,Kazerooni,H,"Control and System Identification for the Berkeley Lower Extremity Exoskeleton",Advanced Robotics,Volume 20,Number 9,pp.989−1014,Number 9,2006
以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、脚部アシスト・スーツに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本明細書で開示する技術の要旨はこれに限定されるものではない。脚部以外の人の部位に装着されるさまざまなタイプのアシスト・スーツにも本明細書で開示する技術を適用して、歩行以外の人のさまざまな運動を補助することも可能である。
要するに、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
100…脚部アシスト・スーツ
110L/R…脚ロッド(LR)
111L/R…接続部(上端)、112L/R…接続部(下端)
120L/R…直動アクチュエーター、130L/R…接触センサー
140…ホスト・コンピューター、141…バッテリー
201…モーター、202…ボールねじ
202a…ねじ軸、202b…ナット
203…力センサー、204…エンコーダー
300…制御システム
301L/R…マイコン、302L/R…マイコン
400…ハーネス
401L/R…大腿部ハーネス、402…腰部ハーネス
403L/R…連結ハーネス、404…腰部アタッチメント
601L/R…脚底部、602L/R…ワンタッチ着脱機構
603L/R…足部連結ジョイント
1400…脚部アシスト・スーツ
1401…腰部ハーネス、1402…腰部バックル
1403L/R…脚ロッド、1404L/R…足部
1405…把持部、1406…足首ポール・ジョイント
1407…ソケット、1408…開口部

Claims (14)

  1. ユーザーの脚に装着され、直動アクチュエーターを含む脚ロッドと、
    前記脚ロッドの一端と接続され、前記ユーザーの腰部に装着される腰部接続部と、
    前記脚ロッドの他端と接続され、前記ユーザーの足部に装着される足部接続部と、
    前記ユーザーの脚の大腿部付け根を環状に包囲する大腿部ハーネスと、前記ユーザーの腰部を環状に包囲し前記脚ロッドの前記一端を前記ユーザーの腹前部付近で前記腰部接続部を介して接続する腰部ハーネスと、前記腰部ハーネスと前記大腿部ハーネスとの間を連結するほぼ直線状の連結ハーネスを有し、前記直動アクチュエーターが前記脚ロッドを長手方向に伸展させるように動作して、上方に向かう力が前記腰部接続部に作用したときに、前記連結ハーネスを介して前記大腿部ハーネスが引き上げられることにより、鉛直上方向の力を前記ユーザーの骨盤に伝達する装具と、
    を具備する運動補助装置。
  2. 前記腰部接続部及び前記足部接続部は、前記脚ロッドを左右両脚の内側に配置するように前記一端及び前記他端でそれぞれ接続する、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  3. 回転3自由度を有する前記足部接続部を、その回転中心が、前後方向に関して前記ユーザーの足部拇指丘付近、幅方向に関して足底の中心付近に位置するように接続する足底部をさらに備える、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  4. 前記腰部接続部は、前記ユーザーの骨盤の幅方向の中央付近で前記脚ロッドの前記一端を接続する、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  5. 前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備え、
    前記左右の前記脚ロッドの前記腰部接続部を一点に集約して配置する、
    請求項4に記載の運動補助装置。
  6. 前記脚ロッドは、前記ユーザーの体前部に向かって凸となる湾曲部を有する、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  7. 前記ユーザーの左右の脚毎に前記脚ロッドを備え、
    前記腰部接続部は、前記左右の前記脚ロッドの股関節ロール軸回りの可動域を制限する、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  8. 前記直動アクチュエーターに加わる外力を検出する力センサーと、
    前記力センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターを力制御する制御部と、
    をさらに備える請求項1に記載の運動補助装置。
  9. 前記足部の足底の接地状態を検出する接地センサーと、
    前記接地センサーの出力値に基づいて前記直動アクチュエーターの動作を制御する制御部と、
    をさらに備える請求項1に記載の運動補助装置。
  10. 立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを与え、遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する制御部をさらに備える、
    請求項1に記載の運動補助装置。
  11. 前記直動アクチュエーターの位置を検出するエンコーダーをさらに備え、
    前記制御部は、前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJ並びに膝の屈曲量θKPJを前記直動アクチュエーターの位置で近似する、
    請求項10に記載の運動補助装置。
  12. 前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおける押し付け力fstance、並びに、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力fswingに、自重補償の力を考慮して前記直動アクチュエーターを力制御する、
    請求項10に記載の運動補助装置。
  13. 前記制御部は、立脚側の前記脚ロッドにおいて、遊脚側の前記脚ロッドにおける引き上げ力fswingが作用しないようにさらに考慮して、前記直動アクチュエーターを力制御する、
    請求項10に記載の運動補助装置。
  14. 請求項1に記載の運動補助装置を装着したユーザーの運動を補助する運動補助方法であって、
    前記足部の接地状態を判定する判定ステップと、
    遊脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの股関節の屈曲量θHPJに応じて引き上げ力fswingを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第1の制御ステップと、
    立脚側の前記脚ロッドにおいて前記ユーザーの膝の屈曲量θKPJに応じて体重を支持するような押し付け力fstanceを与えるように、前記直動アクチュエーターを力制御する第2の制御ステップと、
    を有する運動制御方法。
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