JP6312414B2 - 中継装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信ネットワークにおいてパケットを中継する中継装置に関する。
通信ネットワークを形成している通信装置は、様々な種類のデータを送受信する。データは、必要に応じて、宛先の通信装置とは異なる機器(通信装置や中継装置)により中継(転送)され、宛先の通信装置まで到達する。データの中には、固定遅延での中継が必要な種類のものとそうでないものが存在する。
通信ネットワークにて、自らはデータの送信元や宛先とはならずにデータの中継処理を行う中継装置として、例えば、レイヤ2スイッチが存在する。レイヤ2スイッチにおいて固定遅延転送を実現するためには、非固定遅延パケット(フレーム)の転送も考慮する必要がある。一般的には以下の二つの方法により固定遅延転送を行う。
すなわち、
(1)固定遅延転送を必要とするパケット(固定遅延パケット)はパケット識別に必要な最低限の長さのみチェックを行い、パケット長に関わらず、入力された順に最短遅延で転送するカットスルー処理を行う方法。この方法では、非固定遅延パケット(固定遅延転送を必要としないパケット)を出力中に固定遅延パケットを出力するタイミングとなった場合、非固定遅延パケットの出力を中断し、固定遅延パケットの出力を優先することで出力制御を行う。
(2)固定遅延パケットを一定時間以上固定的に遅延させる回路(固定遅延回路)を経由させることで遅延揺らぎを発生させない方法。この方法では、固定遅延パケットが固定遅延回路を通過中の場合、あるいは固定遅延パケットが存在しない場合に非固定遅延パケットを出力する制御を行う。
例えば、特許文献1には、上記(2)の方法を用いてパケットを転送するスイッチ装置の発明が記載されている。特許文献1に記載されたスイッチ装置においては、固定遅延で転送する優先パケット(固定遅延パケット)が到着した場合は固定遅延で読み出すキューへ蓄積し、ベストエフォートで転送する非優先パケット(非固定遅延パケット)が到着した場合には通常のストアアンドフォワード方式のキューへ蓄積する。非固定遅延パケットは、固定遅延パケットを固定遅延キューから読み出していない空き時間を利用して出力する。
特許第4875423号公報
レイヤ2スイッチにおける通常の優先制御では、固定遅延での転送が必要な高優先トラヒックと固定遅延での転送が必要ない低優先トラヒックとでキューを分け、高優先トラヒックを優先的に転送するが、ストアアンドフォワード方式では、転送するパケットが可変長であることや低優先トラヒックの転送状況によっては転送遅延の揺らぎが発生する(図6,図7参照)。図6および図7において、‘H’が記載されたものは高優先パケット、‘L’が記載されたものは低優先パケットを示す。図6や図7に示したように、サイズが大きいトラヒック(パケット)の入力があると、遅延時間が大きくなる。
近年、産業分野等、遅延ゆらぎに非常に敏感なネットワークについてもイーサネット(登録商標)化が進んでおり、固定遅延転送が可能なレイヤ2スイッチが必要とされるが、上記のような理由により、通常のレイヤ2スイッチ装置では固定遅延転送の実現が難しいという問題があった。上記の特許文献1に記載されたスイッチ装置は、固定遅延転送を実現しているが、入力パケット毎にタイムスタンプを管理し、時間を計時し、個別に二種類のタイマを組み込む必要がある。そのため、回路が複雑化するとともに大規模化するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で固定遅延転送を実現する中継装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信ネットワークにおいてパケットを中継する中継装置であって、固定遅延転送を必要とするパケットである固定遅延パケットを受信したか否かを判別するパケット解析部と、固定遅延パケットを受け取り、受け取った固定遅延パケットの各々に対して一定量の遅延を与えてから出力する固定遅延バッファと、固定遅延転送を必要としないパケットである非固定遅延パケットを保持する非固定遅延バッファと、固定遅延パケットの到着間隔であるパケット間隔を計測するパケット間隔計測部と、前記パケット間隔計測部で計測されたパケット間隔の各々を計測された順番通りに初期値に設定してカウントダウンを順次行う減算カウント部と、前記固定遅延バッファによる固定遅延パケットの出力が完了した時点における前記減算カウント部のカウント値と、前記非固定遅延バッファで保持されている非固定遅延パケットの長さとに基づいて、前記固定遅延バッファが固定遅延パケットを出力していない期間において前記非固定遅延バッファに出力させる非固定遅延パケットを決定する出力制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、固定遅延転送を実現する中継装置の回路規模が増大するのを抑えることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかる中継装置の構成例を示す図である。 図2は、出力処理部の構成例を示す図である。 図3−1は、パケットの出力動作の一例を示す図である。 図3−2は、パケットの出力動作の一例を示す図である。 図4は、固定遅延パケットの出力動作を説明する図である。 図5は、中継装置の特徴的な動作の概要を示す図である。 図6は、課題を説明する図である。 図7は、課題を説明する図である。
以下に、本発明にかかる中継装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。実施の形態では、「パケット」という表現を使用して説明を行うが、「パケット」は「フレーム」に置き換えることができる。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる中継装置の構成例を示す図である。中継装置は、他の通信機器(通信装置、中継装置など)とともに通信ネットワークを形成する。図示したように、中継装置は、例えばレイヤ2スイッチであり、パケットを送受信する通信ポート1(1A,1B,1C)と、複数の通信ポート1の中のいずれか一つと対応付けられ、対応付けられている通信ポート1が受信したパケットの出力先(転送先)を決定する出力先解決部2(2A,2B,2C)と、複数の通信ポート1の中のいずれか一つと対応付けられ、対応付けられている通信ポート1に対してパケットを出力する出力処理部3(3A,3B,3C)と、MAC学習テーブル4とを備えている。なお、本実施の形態では、一例として、通信ポート1、出力先解決部2および出力処理部3からなる処理ブロックが3系統の場合について説明するが、図示した構成に限定されない。2系統としてもよいし4系統以上としても構わない。
通信ポート1は、LANケーブルなどを介して他の通信機器と接続可能に構成されており、接続されている他の通信機器からパケットを受信すると出力先解決部2へ出力する。また、出力処理部3からパケットを受け取った場合、接続されている他の通信機器へ送信する。
出力先解決部2は、通信ポート1からパケットを受け取ると、MAC学習テーブル4を参照し、パケットを出力する通信ポート1を決定する。出力する通信ポート1を決定した後は、決定した通信ポート1と対応付けられている出力処理部3へパケットを出力する。なお、出力先解決部2は、必要に応じてMAC学習テーブル4を更新する。例えば、出力先解決部2Aは、通信ポート1Aから受け取ったパケットの送信元アドレス(MACアドレス)がMAC学習テーブル4に登録されていない場合、MACアドレスと通信ポート1Aを対応付けてMAC学習テーブル4に登録する。
出力処理部3は、出力先解決部2からパケットを受け取ると、当該パケットが固定遅延で転送すべきパケットか否かを確認し、確認結果に応じたタイミングで当該パケットを通信ポート1へ出力する。
MAC学習テーブル4は、MACアドレスと通信ポート1の対応関係を示すテーブルであり、出力先解決部2がパケットの出力先(通信ポート1)を決定する際に参照される。また、出力先解決部2により適宜更新される。
図1に示した中継装置の全体動作を説明する。中継装置がある通信ポート1でパケットを受信すると、まず、出力先解決部2が、受信したパケットの宛先のMACアドレス情報を元にして、MACアドレス学習テーブル4を参照し、マッチするエントリがあればそのエントリが示す出力先ポート(出力先の通信ポート1)の情報を取得する。なお、エントリには、MACアドレスと、当該MACアドレスが宛先に設定されたパケットの出力先の通信ポート1の情報とが登録されているものとする。出力先ポートの情報を取得すると、取得した情報が示す出力先ポートに対応付けられている出力処理部3へパケットを出力する。また、MACアドレス学習テーブル4にマッチするエントリが存在しない場合、パケットを受信した通信ポート以外の通信ポートに対応付けられている出力処理部3へパケットを出力する。出力処理部3は、中継装置において特徴的な動作を行うものであり、パケットを受け取ると、パケットの種類(固定遅延転送が必要なパケットか否か)に応じた処理を実行し、自身と対応付けられている通信ポート1へパケットを出力する。なお、出力処理部3については別途詳しく説明する。通信ポート1は、出力処理部3からパケットを受け取ると、接続されている他の通信機器へパケットを送信する。
次に、出力処理部3について詳しく説明する。図2は、出力処理部3(3A,3B,3C)の構成例を示す図である。
図2に示したように、出力処理部3は、入力されたパケットが固定遅延転送を必要とするパケット(以下、固定遅延パケットと称する)か否かを判別するパケット解析部31と、固定遅延パケットを一定時間保持してから出力する固定遅延出力部32と、固定遅延転送を必要としないパケット(以下、非固定遅延パケットと称する)を一旦保持し、後述する出力制御部34から指定されたタイミングで出力する非固定遅延出力部33と、非固定遅延出力部33からパケットを出力するタイミングを決定する出力制御部34と、固定遅延出力部32から出力されたパケットまたは非固定遅延出力部33から出力されたパケットを選択して出力する出力セレクタ35とを備えている。固定遅延出力部32は、パケット特性情報抽出部321と、固定遅延パケットを一定時間保持する固定遅延バッファ322と、固定遅延パケットが到着する間隔を計測するパケット間隔計測部323と、パケット間隔計測部323による計測結果である到着間隔を保持するパケット間隔保持部324と、減算カウント部325とを含んで構成されている。非固定遅延出力部33は、パケット特性情報抽出部331と、非固定遅延パケットを保持する非固定遅延バッファ332とを含んで構成されている。
以下、出力処理部3の動作を詳しく説明する。出力処理部3は、パケットの入力があると、まず、パケット解析部31に渡され、パケット解析部31は、受け取ったパケットが固定遅延パケットか否かを判定する。ここで、パケット解析部31は、パケットヘッダあるいはペイロード内の然るべきフィールドに定義された識別子(例えばイーサネットタイプフィールド)を確認し、固定遅延パケットか否かを判定する。判定の結果、固定遅延パケットであれば固定遅延出力部32へ、非固定遅延パケットであれば非固定遅延出力部33へ振り分ける。
固定遅延出力部32または非固定遅延出力部33に振り分けられた各パケットは、パケットの種類(固定遅延パケットか否か)に応じたタイミングで出力セレクタ35へ出力される。
非固定遅延出力部33に振り分けられた非固定遅延パケットは、基本的には通常のレイヤ2スイッチと同様にストアアンドフォワード方式でキューイングおよび出力される。出力タイミングは、固定遅延出力部32からのパケット出力状況を考慮して出力制御部34が決定する。すなわち、出力制御部34は、図3−1および図3−2に示したように、固定遅延パケットが出力中か否かを判断材料として、固定遅延パケットが出力中であれば非固定遅延パケットを出力せず(図3−1)、固定遅延パケットが出力中ではない場合には固定遅延パケットの出力までの空き時間の中で非固定遅延パケットを出力するよう、非固定遅延出力部33を制御する(図3−2)。固定遅延パケットはシフトレジスタなどを利用して構成された固定遅延キューを通過することにより、一定量(固定量)の遅延が与えられてから出力される。一方、非固定遅延パケットは非固定遅延キューに格納され、固定遅延パケットが出力されない空き時間において出力される。
非固定遅延出力部33において、パケット特性情報抽出部331は、パケット解析部31から非固定遅延パケットが入力されると、パケット特性情報を抽出して出力制御部34へ出力するとともに、当該パケットを非固定遅延バッファ332へ格納する。パケット特性情報は、少なくともパケットの長さ(パケット長)の情報を含むものとする。パケット転送優先度情報をパケット特性情報に含ませるようにしてもよい。非固定遅延バッファ332は、出力制御部34の指示に従ったタイミングで、保持している非固定遅延パケットを出力する。パケット特性情報がパケット転送優先度情報を含むように構成する場合、非固定遅延バッファは、例えば、パケット転送優先度情報が示す優先度それぞれに対応する複数のキューを備え、非固定遅延パケットをその優先度に対応するキューに格納する。
一方、固定遅延出力部32に振り分けられた固定遅延パケットは、固定遅延出力部32が図4に示した手順に従った動作を実行することにより、出力セレクタ35へ出力される。すなわち、固定遅延出力部32に固定遅延パケットが入力されると、まず、当該パケットはパケット特性情報抽出部321に渡され、パケット特性情報抽出部321は、パケット特性情報を抽出してパケット間隔計測部323へ出力するとともに、当該パケットを固定遅延バッファ322へ格納する。固定遅延バッファ322は、受け取った固定遅延パケットを一定時間保持してから出力セレクタ35へ出力する。ここで、パケット特性情報抽出部321が抽出するパケット特性情報は、パケットの先頭を示す情報(パケットの入力があったことを示す情報)であり、例えばヘッダに設定されている情報の一部または全てとすればよいが、その他の情報としても構わない。パケット解析部31からの固定遅延パケット入力があったことをパケット間隔計測部323が認識できるのであればどのような情報でも構わない。
パケット間隔計測部323は、固定遅延パケットが入力されたことを示す情報をパケット特性情報抽出部321から受け取ると、パケット間隔を計算する。具体的には、前回固定遅延パケットが入力されてからの経過時間をパケット間隔として計算する。パケット間隔計測部323は、計算したパケット間隔(前パケットとの間隔情報)をFIFO(First In First Out)回路であるパケット間隔保持部324へ出力し、パケット間隔保持部324は受け取ったパケット間隔を保持しておく。空き時間カウンタとしての減算カウント部325は、初期値が設定されると設定値が0となるまで減算する(カウントダウンする)タイマであり、カウント値が0になるとパケット間隔保持部324が保持しているパケット間隔を一つ読み出し、読み出したパケット間隔をタイマの初期値(カウント値)に設定してカウントダウンを開始する処理を繰り返す。ただし、減算カウント部325は、パケット間隔保持部324がパケット間隔を保持していない状態の場合、パケット間隔保持部324に対して新たなパケット間隔が入力されたかどうかを継続的に監視するとともに、カウント値を最大値に設定し、パケット間隔保持部324に対して新たなパケット間隔が入力されるまで、カウント値が最大値の状態を維持する(カウントダウンを行わない)。また、減算カウント部325は、カウント値を出力制御部34に対して常時通知する。
固定遅延バッファ322は、例えばシフトレジスタを備え、パケット特性情報抽出部321から固定遅延パケットを受け取ると、当該パケットをシフトレジスタに格納する。シフトレジスタでは1クロックに1段ずつパケットを進め、固定時間が経過することで固定遅延パケットがシフトレジスタを抜ける。固定遅延バッファ322は、固定遅延パケットがシフトレジスタを通過すると、固定遅延パケットの出力が完了したことを出力制御部34へ通知する。
出力制御部34は、固定遅延パケットの出力が完了した旨の通知を固定遅延バッファ322から受けると、その時点で減算カウント部325から通知されているカウント値を確認し、パケット特性情報抽出部331から通知されているパケット特性情報(非固定遅延バッファ332で保持されている非固定遅延パケットのパケット長)に基づいて、カウント値が0となるまでの間に出力する非固定遅延パケット(カウント値が0になるまでの間に出力が完了するサイズの非固定遅延パケット)を選択し、選択結果に対応するパケットを出力するよう非固定遅延バッファ332を制御する。選択する非固定遅延パケットは複数の場合もあり得る。また、このとき、次の固定遅延パケットの出力が開始されるまでの間は非固定遅延パケット(非固定遅延出力部33から出力されるパケット)を選択して出力するよう、出力セレクタ35を制御する。なお、出力制御部34は、パケット特性情報として、非固定遅延パケットのパケット長の情報に加えてパケット転送優先度情報が通知されている場合、パケット転送優先度情報を考慮し、出力する非固定遅延パケットを選択する(優先度の高いパケットを選択する)。なお、上記のカウント値が0になるまでの時間は、次の固定遅延パケットの出力が開始されるまでの時間と一致する。非固定遅延パケットを出力する順番は、非固定遅延バッファ332に格納された順番に依存しないようにしてもよい。例えば、パケット#1から#3の順番で非固定遅延バッファ332に格納され、これらが保持されている場合に、上記のカウント値が0になるまでの間にパケット#1は出力不可能だがパケット#2は出力可能であれば、パケット#2を先に出力するようにしてもよい。
出力セレクタ35は、出力制御部34からの指示に従い、固定遅延バッファ322から出力されたパケットまたは非固定遅延バッファ332から出力されたパケットを選択して出力する。
本実施の形態の中継装置の特徴的な動作の詳細を図5に示す。図5は、中継装置の特徴的な動作の概要を示す図である。本実施の形態の中継装置においては、以下の(1)から(6)の手順でパケットを転送する。
(1)固定遅延キュー(図2に示したパケット特性情報抽出部321および固定遅延バッファ322に相当)の入口に1クロックに1加算するクロックカウンタを設け、固定遅延パケットが固定遅延キューに入力された時点で、以前(前回)に到着した固定遅延パケットのSOP(Start Of Packet)からの経過クロック数をパケット間隔としてパケット間隔保持FIFO(図2に示したパケット間隔保持部324に相当)に書き込む。このとき、クロックカウンタ(qとする)を0にリセットする。クロックカウンタqの最大値は、固定遅延キューを構成しているシフトレジスタの長さに依存した値(固定遅延パケットに与える遅延時間に相当する値)とする。カウンタが最大値に達した場合、それ以降は固定遅延パケットの到着によるリセットが無い限り加算しない(最大値でホールド)。なお、シフトレジスタの長さは、固定遅延パケットに与える遅延時間が、システムで規定されている最大パケット長相当の時間と同じかそれよりも大きくなる長さとする。
(2)送信パケット選択回路(図2に示した減算カウント部325および出力制御部34に相当)においては、パケット間隔保持FIFOから最初の1データ(パケット間隔)を取り出して減算カウンタ(図2に示した減算カウント部325に相当)にセットする。減算カウンタは1クロック毎に1減算する。減算カウンタが0になると、パケット間隔保持FIFOから次の最初の1データを取り出し、同様に減算カウンタにセットして減算する。ただし、パケット間隔保持FIFOがデータを保持していない場合、減算カウンタには設定可能な最大値をセットし、減算は行わずに(最大値でホールド)、パケット間隔保持FIFOに新たなデータが書き込まれたかどうかを監視する。パケット間隔保持FIFOに新たなデータが書き込まれたことを検知すると、上記の減算動作(データを取り出して減算カウンタにセットし、1クロック毎に1減算する動作)を再開する。
(3)固定遅延キューには固定遅延パケットを入力する。シフトレジスタの最終段において、固定遅延パケットを出力中か否かを判定し、判定結果を示すデータバリッドビット(以下、ガード中フラグ)を出力する。例えば、固定遅延パケットのデータが最終段を通過中の場合はガード中フラグを‘1’とし、そうでなければ‘0’とする。
(4)上記(2)で説明した減算カウンタの値は非固定遅延キュー読出し可能時間に相当する。送出パケット選択回路においては、減算カウンタの値と上記(3)で説明したガード中フラグの値とに基づいて、出力セレクタおよび非固定遅延キュー(図2に示した非固定遅延バッファ322に相当)を制御する。すなわち、ガード中フラグが固定遅延パケットの出力中を示している場合、非固定遅延キュー読出し可能時間が0とみなし、出力セレクタに対して固定遅延パケットを選択出力するよう指示するとともに、非固定遅延キューに対して非固定遅延パケットを出力しないよう指示する。一方、ガード中フラグが固定遅延パケットの出力中を示していない場合(非固定遅延パケットの出力許可を示している場合)、出力セレクタに対して非固定遅延パケットを選択出力するよう指示するとともに、非固定遅延キューに対して非固定遅延パケットの出力を指示する。
(5)上記の(4)で非固定遅延キューに対して非固定遅延パケットの出力を指示する場合、その時点で上記減算カウンタの値が示す時間(値が0になるまでの時間)内で出力が可能な非固定遅延パケットを選択し、選択したパケットを出力するよう指示する(非固定遅延キュー読出し制御)。すなわち、次の固定遅延パケットが出力開始となるまでの間に出力を完了させることが可能な非固定遅延パケットを選択し、出力するよう指示する。
(6)なお、固定遅延パケットは、固定遅延キューに蓄積される間にFCSエラーチェックを行い、FCSエラーが発生している場合には、出力時にマスクする(出力せずに破棄する)ようにしてもよい。
本実施の形態の中継装置は、従来よりも小さな回路規模で固定遅延転送を実現することができる。たとえば、FPGA(Field Programmable Gate Array)での実装を考えた場合、仮に、取り扱うパケット長を最大1500Byteとすると、本実施の形態の中継装置は、1出力ポートあたり約30フリップフロップ程度(FIFOは、例えばXilinxのFPGAではルックアップテーブルわずか2個分=フリップフロップ回路4個分で実装可能)で実現できる。多ポート構成が想定されるイーサネットスイッチにおいては更に大きな回路規模削減効果が期待できる。なお、上記の特許文献1に記載されたスイッチ装置の場合、1出力ポートあたり約600フリップフロップ程度が必要になると予想される。
このように、本実施の形態の中継装置は、固定遅延パケットが到着する間隔を算出し、この算出結果に基づいて次の固定遅延パケットの出力を開始するまでの残り時間を算出し、固定遅延パケットの出力が完了した時点における残り時間と、保持している非固定遅延パケットの長さに基づいて、非固定遅延パケットの出力制御を行うこととした。これにより、回路規模が増大するのを回避しつつ固定遅延転送を実現できる。
以上のように、本発明にかかる中継装置は、パケットの固定遅延転送をレイヤ2レベルで実現する中継装置として有用である。
1A,1B,1C 通信ポート、2A,2B,2C 出力先解決部、3A,3B,3C 出力処理部、4 MAC学習テーブル、31 パケット解析部、32 固定遅延出力部、33 非固定遅延出力部、34 出力制御部、35 出力セレクタ、321,331 パケット特性情報抽出部、322 固定遅延バッファ、323 パケット間隔計測部、324 パケット間隔保持部、325 減算カウント部、332 非固定遅延バッファ。

Claims (6)

  1. 通信ネットワークにおいてパケットを中継する中継装置であって、
    固定遅延転送を必要とするパケットである固定遅延パケットを受信したか否かを判別するパケット解析部と、
    固定遅延パケットを受け取り、受け取った固定遅延パケットの各々に対して一定量の遅延を与えてから出力する固定遅延バッファと、
    固定遅延転送を必要としないパケットである非固定遅延パケットを保持する非固定遅延バッファと、
    固定遅延パケットの到着間隔であるパケット間隔を計測するパケット間隔計測部と、
    前記パケット間隔計測部で計測されたパケット間隔の各々を計測された順番通りに初期値に設定してカウントダウンを順次行う減算カウント部と、
    前記固定遅延バッファによる固定遅延パケットの出力が完了した時点における前記減算カウント部のカウント値と、前記非固定遅延バッファで保持されている非固定遅延パケットの長さとに基づいて、前記固定遅延バッファが固定遅延パケットを出力していない期間において前記非固定遅延バッファに出力させる非固定遅延パケットを決定する出力制御部と、
    を備えることを特徴とする中継装置。
  2. 通信ポートを複数備え、
    前記パケット解析部、前記固定遅延バッファ、前記非固定遅延バッファ、前記パケット間隔計測部、前記減算カウント部および前記出力制御部を含んで構成された出力処理部、を通信ポート毎に備えることを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
  3. 前記固定遅延バッファは、前記固定遅延パケットのうち、誤りが検出された固定遅延パケットについては出力しないことを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
  4. 前記出力制御部は、前記カウント値と、前記非固定遅延バッファで保持されている非固定遅延パケットのうち、最も滞留時間の長い非固定遅延パケットの長さとに基づいて、前記出力させる非固定遅延パケットを決定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の中継装置。
  5. 前記出力制御部は、前記カウント値と、前記非固定遅延バッファで保持されている非固定遅延パケットの各々の長さとに基づいて、前記出力させる非固定遅延パケットを決定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の中継装置。
  6. 前記一定量を、システムで規定された最大サイズのパケットに相当する時間以上の値とし、
    前記パケット間隔計測部は、前記固定遅延パケットが到着するごとに、その時点のカウント値を出力してからカウント値を0にリセットし、前記固定遅延パケットが到着する前にカウント値が前記一定量に達した場合は前記固定遅延パケットが到着するまでカウント値を前記一定量に保持するカウンタにより構成され、
    前記減算カウント部は、カウント値が0となるまでカウントダウンを行った時点で前記パケット間隔計測部から出力済のカウント値が存在しない場合、カウント値を最大値に設定するとともに、当該カウント値が最大値の状態を、前記パケット間隔計測部から次のカウント値が出力されるまで維持する、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の中継装置。
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