JP6311420B2 - 還元鉄の製造方法及び固体還元炉 - Google Patents

還元鉄の製造方法及び固体還元炉 Download PDF

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Description

本発明は、還元鉄の製造方法及び固体還元炉に関する。
電気炉による鋼材の製造が盛んになるにつれ、その主原料であるスクラップの需要は逼迫し、電気炉での高級鋼製造に対する要請から、還元鉄の需要が増大しつつある。
還元鉄を製造するプロセスの一つとして、粉状の鉄鉱石と、粉状の石炭やコークス等の炭材とを混合して、例えばペレットやブリケットのような塊成化物とし、この塊成化物を回転炉床炉に装入して高温に加熱することで、鉄鉱石中の酸化鉄を還元して固体状金属鉄を得る方法がある(例えば、以下の特許文献1〜4を参照。)。
上述のような方法において、回転炉床炉の加熱には一般的にバーナーが用いられ、還元鉄の原料である塊成化物は、バーナー及びバーナーにより加熱された回転炉床炉の炉壁からの輻射熱によって加熱される。輻射による加熱は赤外線付近の短い波長の光による加熱であり、ブリケットのごく表層が加熱され、その熱が内部に伝熱することでブリケット内部までが加熱される、外部から内部への熱伝導的な加熱である。そのため、炉床上で原料が重なった部位では、裏面側の加熱が不足することとなって、塊成化物全体として不均一な還元となり、平均還元率が低下することとなる。
ここで、鉄酸化物と炭素質物質からなる原料の還元反応等に必要な熱は、まず、炉床上部に位置する空間部でのバーナー燃焼による輻射加熱によって原料層上面に供給された後、原料層内の伝導伝熱によって原料層の下部へと供給されることとなる。従って、生産性を増大させるために原料層の厚みを厚くすると、原料層の下部への伝熱が遅れることとなって層下部の還元速度が低下し、生産性が低下する結果となる。
また、近年では、塊成化物の加熱を、バーナーではなく、マイクロ波の照射により行う技術も提案されるようになってきている(以下の特許文献5〜6を参照。)。
特開平11−248359号公報 特開平11−310832号公報 特開2004−315852号公報 特開2011−112340号公報 特開2008−214715号公報 特開2013−216943号公報
T.Sonobe et.al.,"Plasma Emission and Surface Reduction of Titanium Dioxides by Microwave Irradiation",Japanese Journal of Applied Physics,48(2009)116003.
しかしながら、上記特許文献5に記載の方法では、同文献に記載されているように、照射すべきマイクロ波の電力量は、塊成塊1トンあたり100〜200kWhとする必要がある。しかしながら、マイクロ波発振装置の出力は、一般的に100kW/台程度が工業的に使用可能な上限であって、マイクロ波単独で、1日に数十トンもの大量の生産量を要求される塊成化物の加熱・還元処理を行うことは、極めて困難である。
そのため、本発明者らは、操業コストの増加を抑制しながら、輻射加熱が直接届かない塊成化物の裏面側の還元不良の発生を抑制可能な方法について鋭意検討を行った結果、バーナーによる加熱と、物体の内部まで到達して物体を内部から直接加熱する事が可能なマイクロ波による加熱と、を併用することに想到した。
ここで、固体還元炉の全域にわたってマイクロ波を照射することで、もれなく塊成化物裏面側の加熱不良の発生を抑制することが可能となると考えられるが、その一方で、マイクロ波を照射するために要するコストの増加が懸念される。従って、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱とを併用する場合には、操業コストの増加を抑制しつつ、マイクロ波の照射による塊成化物の金属化促進効率が高い条件下においてマイクロ波を照射することが重要であることに想到した。
また、更なる検討を進めた結果、以下で説明するように、固体還元炉の内部環境に起因して、単に固体還元炉に放射した場合には、加熱対象外である固体還元炉の天井や側壁部にもマイクロ波が吸収されてしまい、塊成化物の加熱に使用されるマイクロ波のエネルギー効率が低下してしまうことが明らかとなった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、塊成化物に対してマイクロ波を効率良く吸収させることができ、マイクロ波の照射による金属化を更に促進することが可能な、還元鉄の製造方法及び固体還元炉を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、固体還元炉に設けられたバーナー及び当該固体還元炉の炉壁からの輻射熱を熱源として、酸化鉄原料と還元材とを配合して成型した塊成化物を加熱することで還元鉄を製造する還元鉄の製造方法において、前記固体還元炉中において、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し、前記塊成化物の金属化率が40〜100%の範囲にあるときに、前記熱源に加えて、前記塊成化物に対し、800W以上の入射パワーで、かつ、前記塊成化物の表面における電界強度が10kV/m以上となるようにマイクロ波を照し、酸素プラズマを発生させて前記塊成化物を加熱する、還元鉄の製造方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、バーナー及び炉壁からの輻射熱を熱源として、酸化鉄原料と還元材とを配合して成型した塊成化物を加熱することで還元鉄を製造する固体還元炉であって、所定の周波数のマイクロ波を発振するマイクロ波発振機と、当該マイクロ波を前記塊成化物に対して照射するマイクロ波照射部材とを有するマイクロ波照射機構を備え、前記マイクロ波照射部材は、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が生成される前記固体還元炉内の領域に設けられ、前記マイクロ波照射部材は、前記固体還元炉中において、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し、前記塊成化物の金属化率が40〜100%の範囲にあるときに、前記塊成化物に対し、前記熱源に加えて、800W以上の入射パワーで、かつ、前記塊成化物の表面における電界強度が10kV/m以上となるように前記マイクロ波を照射し、酸素プラズマを発生させて前記塊成化物を加熱する、固体還元炉が提供される。
以上説明したように本発明によれば、塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在しているときにマイクロ波を塊成化物に対して照射することで、塊成化物に対してマイクロ波を効率良く吸収させることができ、マイクロ波の照射による金属化を更に促進することが可能となる。
一般的な還元鉄の製造方法の流れについて示した説明図である。 固体還元炉の一例である回転炉床炉を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉で利用可能なマイクロ波照射装置の構成を示した説明図である。 マイクロ波の照射タイミングの検討に用いた加熱装置について示した説明図である。 マイクロ波を用いた塊成化物の加熱結果を示したグラフ図である。 マイクロ波の照射タイミングの検討に用いた加熱装置について示した説明図である。 マイクロ波を用いた塊成化物の加熱結果を示したグラフ図である。 同実施形態に係る固体還元炉の一例である回転炉床炉を模式的に示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(還元鉄の製造工程について)
本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉について説明するに先立ち、まず、図1を参照しながら、一般的な還元鉄の製造工程について、詳細に説明する。図1は、一般的な還元鉄の製造工程を説明するための説明図である。
まず、製鉄ダスト(酸化鉄粉)及び鉄鉱石、粉鉱石などの酸化鉄原料と、石炭、コークス、微粒カーボン等の還元材とは、予めホッパー1等に格納されている。酸化鉄原料及び還元材は、予め設定された配合比となるように配合されて、粉砕機2に装入される。
ボールミル等の振動ミルに代表される粉砕機2は、装入された酸化鉄原料及び還元材を、混合しながら所定の粒径まで粉砕する。粉砕後の酸化鉄原料及び還元材の粒径は、還元鉄の製造に用いられる回転炉床炉、流動床炉、シャフト炉等の固体還元炉に適した値とすることができる。粉砕後の酸化鉄原料及び還元材からなる混合物は、混練機3に運搬される。
混練機3は、粉砕機2により所定の粒径に粉砕された混合物を混練する。また、混練機3は、混合物の混練に際して、還元鉄の製造に用いる固体還元炉に適した水分量となるまで混合物に加水を行う調湿処理を施してもよい。混練機3の一例として、例えば、ミックスマーラー等を挙げることができる。混練機3によって混練された混合物は、成型機4に搬送される。
パンペレタイザー(皿型造粒機)、ダブルロール圧縮機(ブリケット製造機)、押し出し成型機等の成型機4は、酸化鉄原料及び還元材を含む混合物を成型し、例えばペレットのような塊成化物とする。ここで、塊成化物とは、ペレット、ブリケット、押し出し成型して裁断した成型品、粒度調整された塊状物等の粒状物・塊状物をいう。成型機4は、後述する乾燥・加熱還元後、例えば熱間にて溶解炉7に装入する際、炉内上昇ガス流で飛散しない程度の粒径以上の大きさとなるように、上記混合物を塊成化する。生成された塊成化物は、乾燥炉5へと装入される。
乾燥炉5は、塊成化物を乾燥して、後述する加熱還元工程に適した水分含有率(換言すれば、還元鉄の製造に用いる固体還元炉ごとに適した水分含有率:例えば、1%以下)となるようにする。所定の水分含有率となった塊成化物は、後述する固体還元炉6へと搬送される。
例えば回転炉床炉(Rotary Hearth Furnace:RHF)、流動床炉、シャフト炉等のような固体還元炉6は、装入された塊成化物を、LNGバーナーやCOGバーナー等の加熱雰囲気で加熱及び還元し、還元鉄とする。固体還元炉は、塊成化物を例えば1000〜1300℃程度まで加熱して塊成化物の還元処理を行い、還元鉄を製造する。製造された還元鉄は、溶解炉7に搬送される。溶解炉7では、固体還元炉6で製造された還元鉄を溶解し、溶銑を生成する。生成された溶銑は、脱硫/脱炭工程、二次精錬工程、連続鋳造工程、圧延工程等を経て、各種鉄鋼製品へと加工されることとなる。
(回転炉床炉について)
続いて、図2を参照しながら、還元鉄の製造方法で用いられる固体還元炉の一例である回転炉床炉について、詳細に説明する。図2は、還元鉄の製造方法で用いられる固体還元炉の一例である回転炉床炉を説明するための説明図である。
回転炉床炉21は、例えば図2上段に示したように略円柱状の形状を有しており、例えば回転炉床炉21の上面等に設けられた装入口から塊成化物が装入される。装入された塊成化物は、炉内を周方向に沿って移動しながら加熱・還元されて還元鉄となり、炉内から取り出される。
回転炉床炉21を周方向に沿って展開した場合の模式図を、図2下段に示す。
回転炉床炉21の内部には、回転炉床炉21内を周方向に沿って移動可能な回転炉床25が設けられている。装入口27から装入されたブリケットBは、回転炉床25上に展開される。ブリケットBは、熱間レベラー29によって平坦にならされ、炉内を回転炉床25の移動に伴って移動していく。ブリケットBは、移動の過程で、炉壁又は炉上のバーナー31によって生じた高温燃焼ガスの輻射熱により加熱され、ブリケットB中の還元材により酸化鉄原料が還元される。還元された酸化鉄原料である還元鉄は、ディスチャージャー33により回転炉床炉21の内部から払い出されることとなる。
回転炉床炉21内を移動するブリケットBは、高温燃焼ガスの輻射熱によりブリケットBの外側から内部に向かって温度が上昇していき、ブリケットの還元反応は、ブリケットの外周から中心部に向かって進行する。この際、ブリケットBの内部では、ブリケット中に含まれる酸化鉄成分(FeOやFe等)がブリケット中に含まれる還元材(炭素C)により還元され、還元鉄(Fe)となっていく。
回転炉床炉21の内部は、図2に示したように、仕切り壁(又は、たれ壁)35と呼ばれる、炉の天井から突出形成された壁により、複数のゾーンに区分されていることが多い。回転炉床炉21では、ゾーン毎に、バーナーの熱量や、気体雰囲気や、空気比や、2次空気量等の制御が行われ、還元鉄が製造される。ブリケットの装入口27の近傍に位置する第1のゾーン及び第1のゾーンに隣接するゾーンである第2のゾーンは、回転炉床炉21に装入されたブリケットBの昇温を主目的とするゾーンである。また、第2のゾーンに連続する第3のゾーン以降は、ブリケットBの還元を主目的とするゾーンである。ここで、第1のゾーン及び第2のゾーンを総称して、加熱・還元の最初期と称することとし、第3のゾーン以降を還元期と称することとする。
バーナー31によって生じた高温燃焼ガスにより、加熱・還元の最初期における塊成化物の温度は、1200℃程度まで昇温し、還元期以降は、1200〜1300℃程度を保持することとなる。
(バーナー加熱とマイクロ波加熱との併用について)
そのため、本発明者らは、操業コストの増加を抑制しながら、輻射加熱が直接届かない塊成化物の裏面側の還元不良の発生を抑制可能な方法について鋭意検討を行った結果、バーナーによる加熱と、物体の内部まで到達して物体を内部から直接加熱することが可能なマイクロ波による加熱と、を併用することに想到した。
本発明者らは、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱とを併用するために鋭意検討を行った結果、固体還元炉に装入される塊成化物の主たる原料は、マイクロ波を効率良く吸収可能であることが明らかとなった。以下、この点について、式を参照しながら詳細に説明する。
物質に吸収される単位体積あたりのマイクロ波のエネルギーPabsは、以下の式11のように表される。以下の式11を参照するとわかるように、加熱される物質(被加熱物質)に吸収される単位体積あたりのマイクロ波のエネルギーPabsは、被加熱物質の導電率、誘電率及び透磁率に依存している。従って、下記式11で表されるPabsは、被加熱物質のマイクロ波の吸収効率に関係する量であるともいえる。マイクロ波は、誘電損失により物質に吸収されると、マイクロ波のエネルギーが熱に変換され、結果的にマイクロ波を吸収した物質が加熱されることとなる。
Figure 0006311420
ここで、上記式11において、
σ :被加熱物質の導電率 [S/m]
f :マイクロ波の周波数 [Hz]
ε:真空中の誘電率 [F/m]
ε”:被加熱物質の比誘電率の虚数部
μ:真空中の透磁率 [H/m]
μ”:被加熱物質の比透磁率の虚数部
E :マイクロ波により形成される電界強度 [V/m]
H :マイクロ波により形成される磁界強度 [A/m]
π :円周率
である。
以下に、塊成化物の原料となる酸化鉄及び炭素材(還元材)と、一般的に使用される耐火炉材とについて、比誘電率の虚数部ε”の値をまとめて示す。
比誘電率の虚数部ε”
・代表的な耐火炉材であるアルミナ:0.004〜0.01
・粉状の炭素粉:10〜50
・酸化鉄:0.1〜10
上記より明らかなように、塊成化物の原料となる酸化鉄及び炭素材は、還元炉等において一般的に使用される耐火炉材に対して比誘電率の虚数部ε”の値が大きく、酸化物及び炭素材(還元材)にマイクロ波のエネルギーをより多く吸収させることが可能である。また、酸化鉄及び炭素粉の値に比べ、代表的な耐火炉材であるアルミナの値は、1000分の1程度の小さな値となっており、耐火炉材は、マイクロ波のエネルギーを多く吸収しないことがわかる。従って、塊成化物が挿入された炉内でマイクロ波を照射した場合、耐火炉材で被覆されている炉壁等へのエネルギー供給は少なく、炉内温度の上昇を抑制したまま原料である塊成化物の温度のみを、効率よく上昇させることが可能となる。
(使用するマイクロ波について)
続いて、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉で用いられるマイクロ波について、簡単に説明する。
マイクロ波は、一般的には、波長1mm〜1m、周波数300MHz〜300GHzの電磁波をいう。しかしながら、本実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉で着目しているように、マイクロ波を加熱手段として用いる(いわゆるマイクロ波加熱を行う)場合には、マイクロ波とは、いわゆるISM(Industry−Science−Medical)バンドに属する周波数帯域の電磁波を指す。
以下で説明する本発明の実施形態では、電磁波の周波数は特に限定されず、例えば、ISMバンドである2.45GHz帯(2.40GHz〜2.50GHz)、5.8GHz帯(5.725GHz〜5.875GHz)、及び、24GHz帯(24.0GHz〜24.25GHz)に属する周波数、又は、北米におけるISMバンドである915MHz帯(902MHz〜928MHz)等を適宜選択することが可能である。しかしながら、マイクロ波の被加熱物内部への浸透はマイクロ波の波長に比例するため、上記のマイクロ波では、915MHz帯、2.45GHz帯の浸透深さが大きく、ブリケットの内部、あるいは、重なった下層のブリケットまで到達することができる。また、915MHz、2.45GHzという周波数のマイクロ波は、装置が安価である点や、発振機1台で数十kWまでの大出力の放射が可能である点などから、kWクラスの大出力が求められる本発明の設備コストとしても、安価に導入することができる。このため、本発明に用いるマイクロ波装置としては、915MHz、又は、2.45GHzのマイクロ波を発振可能なものが好ましい。
(マイクロ波照射装置の構成について)
次に、図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉で利用可能なマイクロ波照射装置の構成について、詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉で利用可能なマイクロ波照射装置の構成を説明するための説明図である。
マイクロ波照射装置100は、酸化鉄原料と還元材とを混合して成形した塊成化物を、バーナー及び炉壁からの輻射熱により加熱して還元鉄を製造する固体還元炉に対して利用されるものである。
かかるマイクロ波照射装置100は、図3に示したように、マイクロ波発振機101と、サーキュレータ103と、自動整合器107と、マイクロ波照射部材109と、を主に備え、これらの機器が導波管111により接続されている。なお、図3では、マイクロ波照射部材109や導波管111等といった各部材を支持する支持機構は、図示していない。
マイクロ波発振機101は、周波数300MHz〜300GHzのマイクロ波を発振する機器である。このマイクロ波発振機101は、kWクラスの出力を有するマイクロ波を発振可能な機器であることが好ましい。このマイクロ波発振機101により、例えば915MHzや2.45GHz帯に属する周波数のマイクロ波が、後述するサーキュレータ103へと出力されることとなる。このマイクロ波発振機101は、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。
サーキュレータ103は、例えば磁石を利用したマイクロ波の進行制御を行うことで、サーキュレータ103に入力されるマイクロ波を、マイクロ波発振機101から出力された入射波と、後述する自動整合器107側から戻ってきた反射波とに分離する。サーキュレータ103は、分離した入射マイクロ波を後述する自動整合器107側へと導波するとともに、反射マイクロ波を、アイソレータ105の側へと導波する。これにより、反射マイクロ波は、アイソレータ105内に設けられたダミー負荷(例えば、水など)に吸収され、マイクロ波発振機101側に戻らないようにすることができる。このようなサーキュレータ103を設けることにより、本発明の実施形態に係るマイクロ波照射装置100では、安定したマイクロ波の出力を行うことができる。このサーキュレータ103は、公知のものを適宜選択して使用することが可能である。
自動整合器107は、入射側のインピーダンスと、負荷側(すなわち、塊成化物からなる原料層側)のインピーダンスとの整合を取ることで負荷側からの反射波を低減し、反射波をほぼゼロとする機器である。この自動整合器107は、反射電界の位相及び強度を測定し、インピーダンス整合を自動で行うことで、上記のような反射波の低減を実現する。自動整合器107を設けて負荷側のインピーダンスにあわせた自動整合処理を実現することで、後述するマイクロ波照射部材109から、マイクロ波エネルギーを、安定して効率良く塊成化物に照射することが可能となる。
マイクロ波照射部材109は、固体還元炉6に装入された塊成化物に対して、マイクロ波を照射する部材である。このマイクロ波照射部材109には、マイクロ波照射部材109の先端から固体還元炉6内に存在する粉塵等が逆流してこないように、窒素、アルゴン等の不活性ガスが所定の流量・流速となるように供給されていてもよい。この場合、マイクロ波照射部材109内に供給される不活性ガスは、固体還元炉6の内部の温度低下を防止するために、加熱されたガスとすることが好ましい。また、マイクロ波照射部材109と自動整合器107とを連結する導波管111には、固体還元炉内に存在する粉塵等が自動整合器107に流入しないように、防塵ガラスが設けられる。このようなマイクロ波照射部材109としては、各種のアンテナや導波管や同軸ケーブルなど公知のあらゆるものを利用することが可能である。
導波管111は、マイクロ波を導波して所望の箇所へと導く管である。この導波管111の形状については、マイクロ波の導波特性等を考慮して適宜決定すればよく、導波管111自体についても、使用するマイクロ波の周波数や出力強度等に応じて、公知のものを適宜選択することができる。
(第1の実施形態)
<還元鉄の製造方法について>
以上説明したように、還元鉄の原料となる塊成化物に含まれる酸化鉄原料や還元材は、マイクロ波を良く吸収する物質であり、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱とを併用することで、効率良く塊成化物を加熱することが可能であると考えられる。ここで、バーナーによる加熱とマイクロ波による加熱の併用を考えた場合、固体還元炉の全域にわたってマイクロ波を照射することで、もれなく塊成化物裏面側の加熱不良の発生を抑制することが可能となると考えられるが、その一方で、マイクロ波を照射するために要するコストの増加が懸念される。
このため、本発明者らは、塊成化物に対してマイクロ波を照射する適切なタイミングが存在するのであれば、そのタイミングにおいて塊成化物に対しマイクロ波を照射することで、操業コストの増加を抑制しつつ塊成化物に対して効率良くマイクロ波を吸収させることができるのではないかと考え、以下に示すように鋭意検討を行った。
[マイクロ波の照射タイミングの検討]
以下では、図4〜図7を参照しながら、塊成化物に対するマイクロ波の照射タイミングの検討結果について、詳細に説明する。図4及び図6は、マイクロ波の照射タイミングの検討に用いた加熱装置について示した説明図である。図5及び図7は、マイクロ波を用いた塊成化物の加熱結果を示したグラフ図である。
まず、本発明者らは、マイクロ波の照射タイミングについて検討を行うために、図4に示したような加熱装置を利用し、以下に示す各種実験を実施した。
図4に示したように、マイクロ波の照射タイミングの検討に利用した加熱装置は、金属製の箱である加熱チャンバーにマイクロ波照射装置の導波管が取り付けられた、マイクロ波加熱チャンバーとなっている。以下に示す実験では、加熱チャンバーの雰囲気を不活性ガスである窒素雰囲気に保持し、常圧下で、加熱チャンバーの側面に設置したマイクロ波照射装置から加熱チャンバー内にマイクロ波を照射するようにした。
ここで、塊成化物原料は、マイクロ波を吸収しないシリカを主成分とする断熱材で囲まれた空間に載置されている。また、かかる断熱材及びマイクロ波加熱チャンバーの上部に、それぞれのぞき窓を設け、かかるのぞき窓から、放射温度計にて塊成化物の表面温度を測定した。
○使用した塊成化物(ブリケット)の製造
以下の表1に示す組成の製鉄ダスト79質量%と、還元材である石炭20質量%とに加え、更にバインダーとしてベントナイト1質量%を混合し、適量の水分を添加した混合物を製造した。その後、この混合物を混練した後にブリケットマシンに装入し、平均径50mm×厚み20mmの生ブリケットを製造した。製造した生ブリケットは、乾燥機を用いて水分を除去し、水分含有率が0.5質量%の乾燥ブリケットとした。
上記生ブリケットの大きさは、還元鉄を製造する際に用いられる塊成化物の一般的な大きさである、外径10mm〜60mmφ×厚み10mm〜30mm程度の大きさの範囲内のものとした。
Figure 0006311420
○実験条件及び得られた結果
この実験では、上記の塊成化物(ブリケット)を、図4に示したマイクロ波加熱チャンバーに載置して、塊成化物原料を加熱・還元した。マイクロ波照射装置からは、2.45GHzのマイクロ波を1.5kW照射した。
また、塊成化物原料を一定時間マイクロ波にて加熱した後、窒素雰囲気下で急冷し、塊成化物原料中の還元状態を固定した。その後、塊成化物中に含まれる各酸化鉄、金属鉄、トータル鉄成分の質量比を、蛍光X線検量線法及び容量法(JIS M8213)等にて同定するとともに、得られた還元鉄の金属化率を算出した。ここで、得られた還元鉄の金属化率(%)は、以下の式101により算出することができる。
金属化率(%)
={(塊成化物中の金属Feの質量%)÷(塊成化物中の全Feの質量%)}×100
・・・(式101)
得られた結果を、図5に示した。
表面温度は、加熱開始28分経過ごろから、急に上昇を始めた。また、図5より、加熱開始28分経過後も金属化率は上昇し続けていることが分かる。通常、還元速度は還元の進行に伴って徐々に遅くなるため、金属化率が60%を超えたあたりから、時間に対する金属化率の上昇割合は小さくなるはずである。しかしながら、この実験で得られた結果では、金属化率が60%を超えても還元速度が落ちることなく、時間に対してほぼ一定の割合で還元が進行していることがわかる。
本発明者は、このような還元促進の現象を解明するために、分光測定(発光スペクトル測定)を行った。その結果、塊成化物の表面から黄色いプラズマが生じており、プラズマ由来のピークの波長を解析することで、かかるプラズマは酸素のプラズマであることが明らかになった。図4に示したマイクロ波加熱チャンバーでは、窒素雰囲気下で実験を行っているため、酸素は、塊成化物中にしか存在しえない。従って、酸素プラズマの発生源は、塊成化物中の酸化鉄中の酸素であることが明らかとなった。
プラズマは、マイクロ波の吸収体であり、また、かかる酸素プラズマは塊成化物から生じるため、塊成化物の近傍に留まることとなる。したがって、炉内に照射されたものの塊成化物に吸収されずに反射して発振機側に戻っていたマイクロ波が、ほぼ全て、塊成化物の近傍に集中することになる。
また、実際の操業に用いられる回転炉床炉等の固体還元炉では、炉壁や天井が塊成化物から生じたダスト等に覆われていることもあり、これらダストに吸収されてしまうマイクロ波が存在する。しかしながら、塊成化物の近傍から酸素に由来するプラズマが出ると、これまで炉壁や天井に吸収されていたマイクロ波が、ほぼ全て、塊成化物の近傍に集中することになる。
そこで、本発明者らは、図6に示すマイクロ波加熱チャンバーを用い、加熱チャンバー内に、塊成化物と、マイクロ波の吸収体である炭化ケイ素(SiC)と、を設置し、マイクロ波にて同時に加熱を行った。なお、かかる実験では、炭化ケイ素の中心部に熱電対を設置し、炭化ケイ素の温度上昇の様子も測定できるようにした。
得られた結果を図7に示す。SiC,塊成化物ともにマイクロ波を良く吸収する物質であるため、加熱の序盤では、ともに温度が上昇している。
加熱開始32分後より、塊成化物の周囲に酸素プラズマが生じたことが確認された。この際、塊成化物の温度は急上昇するが、逆にSiCの温度は低下し始める。また、反射パワーの挙動に着目すると、マイクロ波の反射量も酸素プラズマの発生に伴って減少していることがわかる。従って、酸素プラズマ発生を境に、プラズマが主たるマイクロ波の吸収体となることが明らかになった。
そこで、図5に示した結果において、酸素プラズマが生じる直前に取り出してクエンチした塊成化物と、酸素プラズマが生じた直後に取り出してクエンチした塊成化物と、を用いて、エネルギー効率を算出した。ここで、算出したエネルギー効率は、マイクロ波加熱チャンバー内に投入したマイクロ波エネルギーのうち、塊成化物の昇温と還元に利用されたエネルギーの割合とした。その結果、酸素プラズマ発生により、塊成化物に与えられたエネルギーが2.4倍になっていることが明らかとなった。
このように、マイクロ波により塊成化物を加熱し、かつ、塊成化物の近傍に生じる酸素プラズマを利用することによって、塊成化物を極めて効率良く加熱及び還元することが可能となることが明らかとなった。
次に、酸素プラズマが発生し始めるタイミングを明らかにするために、塊成化物を化学分析により分析した結果、塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在している状態で、酸素プラズマが発生し始めることがわかった。そこで、より詳細な化学分析を行い、酸素プラズマが発生し始める塊成化物の金属化率を検証したところ、40%〜70%であった。そこで、塊成化物の金属化率が少なくとも40〜100%の範囲にあるタイミングで、より好ましくは、55%〜100%の範囲にあるタイミングで、更に好ましくは、70%〜100%の範囲にあるタイミングで、更に一層好ましくは、80%〜100%の範囲にあるタイミングでマイクロ波の照射を開始することで、プラズマを利用した効率の良い加熱・還元が実施可能であることがわかった。塊成化物の金属化率がより高い値にある状態でマイクロ波の照射を開始することで、より確実に酸素プラズマを発生させることが可能となる。
なお、マイクロ波の照射を終了するタイミングについては、特に限定されるものではなく、製造する還元鉄に求める金属化率の値に応じて適宜決定すればよい。また、以上説明したような酸素プラズマは、塊成化物中に含まれる酸素に由来するものであるため、塊成化物の発光スペクトルを随時測定しておき、酸素プラズマに由来するピークの強度が所定の閾値以下となった時点で、塊成化物中に含まれる酸素が所定の値以下となったとみなし、マイクロ波の照射を終了することも可能である。
次に、本発明者らは、プラズマが発生するマイクロ波パワーの閾値を探索するため、図4に示したマイクロ波加熱チャンバーを利用し、マイクロ波の入射パワーを100W〜1500Wとして塊成化物を加熱した。その結果、800W以上の入射パワーで酸素プラズマが生じることが明らかになった。また、このときの塊成化物周囲の電界強度を、有限要素法による電磁場解析で求めたところ、10kV/mであった。従って、10kV/m以上の電界強度となるようにマイクロ波の出力を選択することによって、より確実に酸素プラズマを生じさせ、塊成化物を極めて効率良く加熱・還元することが可能となる。
実際の操業で用いられる固体還元炉の内部は、酸素は多く存在せず、一酸化炭素や二酸化炭素が主成分となる雰囲気であるが、上記のような電界強度は、一酸化炭素や二酸化炭素がプラズマ化するには不十分であり、上記のような電界強度でマイクロ波を照射することで、実際の操業においても、酸素に由来するプラズマが発生すると考えられる。そこで、実際の操業に用いられる固体還元炉においても、塊成化物の表面において10kV/m以上の電界強度となるように、マイクロ波の出力や導波管の設置高さを選択すればよい。
なお、かかる酸素プラズマの発生メカニズムは明らかではないが、上記非特許文献1に開示されているプラズマと類似したメカニズムが進行しているとも考えられる。しかしながら、上記非特許文献1に開示されているプラズマは減圧下に置かれた酸化チタンに発生し、かつ、シングルモードの電界中での加熱であり、本願のような常圧下で、かつ、マルチモードの電磁界中に置かれた酸化鉄原料とは各種条件等が異なるため、非特許文献1において本願のような状態が生じている可能性は、低いと考えている。
このように、本発明者らによる検討によって、塊成化物の周囲にプラズマを発生させることで、炉内に広がっているマイクロ波が塊成化物周囲のプラズマに吸収され、プラズマからの熱を介して塊成化物が加熱還元されることで、効率良く金属化を促進可能であることが明らかとなった。プラズマが発生しない場合には、広がったマイクロ波は、固体還元炉の側壁や天井にも吸収されるが、プラズマが塊成化物周囲で発生することで、プラズマがマイクロ波吸収体となり、塊成化物周囲にほぼ全てのマイクロ波エネルギーを留めることが可能となる。
[得られた知見の還元鉄の製造方法への適用]
以上説明したように、バーナーや輻射熱等によって供給される熱エネルギーとマイクロ波によるエネルギーとを併用して塊成化物を加熱・還元する場合には、塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在しているとき(より好ましくは、塊成化物の金属化率が、少なくとも40〜100%の範囲にあるとき、更に好ましくは、55%以上であるとき、より更に好ましくは、70%以上であるとき)にマイクロ波を塊成化物に対して照射することが、効果的であることが明らかとなった。このような状態にある塊成化物に対してマイクロ波を照射することで、マイクロ波のエネルギーは酸素プラズマを介して塊成化物中の酸化鉄の還元反応に有効に利用され、操業コストを抑えながら、より効率良く還元鉄を製造することが可能となる。なお、上記のような還元された金属鉄が存在する状態までの加熱方法は、特に限定されるものではなく、輻射熱単独の加熱、又は、マイクロ波単独の加熱のどちらの加熱方法を適用してもよい。
以上のような知見を、実際の還元鉄の製造方法に適用する場合には、例えば、以下のようなことを行えばよい。
まず、操業に用いられる固体還元炉6において、実際の操業条件のもとで塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し始める領域(例えば、金属化率が40〜70%となる領域)を特定する。金属化率を推定するには、実際の操業条件を模した実験炉を製造し、塊成化物の金属化率が各々の割合に到達するまでの時間を特定しておく。実験作業としては、実際の操業条件を模した実験炉で塊成化物を加熱し、加熱時間毎に塊成化物を取出し、窒素雰囲気下で急冷して塊成化物の還元状態を固定した後、塊成化物中に含まれる各酸化鉄、金属鉄、トータル鉄成分の質量比を、蛍光X線検量線法及び容量法(JIS M8213)等にて同定するとともに、金属化率を算出する。このような模擬試験を実施しておいた上で、固体還元炉6において、加熱時間に対応する領域を特定する。塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し始め、更に金属化率が40〜70%となるまでの時間を特定した上で、固体還元炉6において、特定された時間に対応する領域を特定すればよい。
その上で、図8に示したように、塊成化物の金属化率が上記範囲となる領域全体に対してマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射部材(例えば、各種のアンテナや導波管や同軸ケーブル等)を設置してマイクロ波照射可能領域とし、このマイクロ波照射可能領域の少なくとも一部において、通過する塊成化物に対してマイクロ波を照射すればよい。
また、塊成化物の金属化率が上記範囲となる領域の少なくとも一部に対して上記のマイクロ波照射部材を設置してマイクロ波照射領域とし、このマイクロ波照射領域において、通過する塊成化物に対してマイクロ波を照射してもよい。
また、固体還元炉6の炉床進行方向全域にわたってマイクロ波照射部材を設置した上で、塊成化物の金属化率を各種センサ等によって測定し、得られた測定結果をフィードバックすることで、マイクロ波の照射に利用するマイクロ波照射部材の位置を可変制御してもよい。
なお、以上のようなマイクロ波の照射方法はあくまでも一例であって、固体還元炉内において、表面に還元された金属鉄が存在している状態にある塊成化物に対してマイクロ波を照射する方法については、特に限定されるわけではない。
以上説明したように、本実施形態に係る還元鉄の製造方法及び固体還元炉によれば、塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在しているときに、マイクロ波を塊成化物に対して照射することで、酸素プラズマを利用して、照射されるマイクロ波のエネルギーを酸化鉄の還元反応に有効に利用させることができる。その結果、操業コストを抑えながら、効率良くマイクロ波を照射することが可能となり、マイクロ波の照射による塊成化物の金属化を更に促進することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、鉄鉱石や製鉄ダスト等の酸化鉄粉と、炭材等の還元材を混合した塊成化物を加熱して、固体状金属鉄を得る固体還元の機能のみを有する固体還元炉のみならず、固体還元の機能と、金属鉄とスラグとの分離の機能と、を併せ持つ炉についても、本発明の技術的範囲に属するものである。
100 マイクロ波照射装置
101 マイクロ波発振機
103 サーキュレータ
105 アイソレータ
107 自動整合器
109 マイクロ波照射部材(導波管)

Claims (2)

  1. 固体還元炉に設けられたバーナー及び当該固体還元炉の炉壁からの輻射熱を熱源として、酸化鉄原料と還元材とを配合して成型した塊成化物を加熱することで還元鉄を製造する還元鉄の製造方法において、
    前記固体還元炉中において、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し、前記塊成化物の金属化率が40〜100%の範囲にあるときに、
    前記熱源に加えて、前記塊成化物に対し、800W以上の入射パワーで、かつ、前記塊成化物の表面における電界強度が10kV/m以上となるようにマイクロ波を照し、酸素プラズマを発生させて前記塊成化物を加熱する、還元鉄の製造方法。
  2. ーナー及び炉壁からの輻射熱を熱源として、酸化鉄原料と還元材とを配合して成型した塊成化物を加熱することで還元鉄を製造する固体還元炉であって、
    所定の周波数のマイクロ波を発振するマイクロ波発振機と、当該マイクロ波を前記塊成化物に対して照射するマイクロ波照射部材とを有するマイクロ波照射機構を備え、
    前記マイクロ波照射部材は、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が生成される前記固体還元炉内の領域に設けられ
    前記マイクロ波照射部材は、前記固体還元炉中において、前記塊成化物の表面に還元された金属鉄が存在し、前記塊成化物の金属化率が40〜100%の範囲にあるときに、前記塊成化物に対し、前記熱源に加えて、800W以上の入射パワーで、かつ、前記塊成化物の表面における電界強度が10kV/m以上となるように前記マイクロ波を照射し、酸素プラズマを発生させて前記塊成化物を加熱する、固体還元炉。
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