JP6306941B2 - 波長変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信システムや光計測システムにおいて用いられる線形光学効果を用いた波長変換装置に関する。
光通信における光信号波長変換や光変調、光計測、光加工、医療、生物工学などの応用のための紫外域−可視域−赤外域−テラヘルツ域にわたるコヒーレント光の発生と変調のために、多くの非線形光学デバイスの開発が進められている。
このような素子に用いられる非線形光学媒質としては種々の材料が研究開発されており、ニオブ酸リチウム(LiNbO)などの酸化物系化合物基板は2次非線形光学定数が非常に高く有望な材料として知られている。このような材料の高い非線形光学特性を利用した光デバイスの一例として、擬似位相整合による第二高調波発生・差周波発生・和周波発生を利用した波長変換素子が知られている。
例えば、2から5μmの中赤外の波長域には様々な環境ガスの基準振動などに対応する強い吸収線が存在するため、小型の中赤外光源の開発が望まれている。このようなセンシング用の中赤外域の光源は狭線幅であることが必要であり、技術的に成熟された1μm付近の励起光源と通信波長帯の信号光を用いる差周波発生が有望だと考えられている。
また、0.5μm付近の可視光の波長域には、半導体レーザでは実現の難しい波長域が存在することから、1μm付近の励起光源を用いて、第二高調波発生や和周波発生により、緑色光などの可視光の発生を行うことのできる波長変換技術が有望視されている。
近年、結晶のバルクの特性をそのまま利用できることから、ニオブ酸リチウム等の材料で高光損傷耐性、長期信頼性、デバイス設計が容易等の特徴を持つリッジ型の光導波路が研究開発されている。二枚の基板を接合して形成された光学素子の一方の基板を薄膜化した後リッジ加工をすることにより、リッジ型の光導波路を形成することができる。
このようにして加工・作製されたニオブ酸リチウム等からなる光導波路は、実験室で用いる場合においては加工した素子(チップ)をそのまま設置して用いることもできるが、装置に組み込む場合や、市販品として出荷する場合には、製品の保護および利便性のために、利用に必要な関連する素子群をモジュールと呼ばれる機能性部品として、一つのパッケージ容器にまとめて封入する実装が行われることが一般的である。
図7(a)に、典型的な非線形光学素子を備えた波長変換素子モジュールの構成を示す。図7(a)は入力側および、出力側の光ファイバとの接続を容易にするために、入力ポート204、出力ポート205の各々で光ファイバを用いて結合が可能なファイバピグテール型モジュールの例である。この波長変換素子モジュールは、光導波路素子201、光導波路素子温度を制御するペルチェ素子のような温度調節素子、入出力側の光結合に用いる光学レンズ203、入出力用光ファイバ211、温度調節素子等と電気的に接続するための電極端子206、およびこれら素子類を収めるパッケージ容器202から構成されている。
図7(a)では、光源210から入力ポート204を経由して光導波路素子201の入力端から変換に利用する基本波光を入力し、光導波路素子201の出力端から出力された変換光と変換されなかった基本波光とが、出力ポート205を経由して出力される。電極端子206やパッケージ容器202は通常、電気伝導性や熱伝導性に優れた金属材料で作製される。素子の温度を制御する温度調節素子は、例えば光導波路素子201の下側に配置され、パッケージの電極端子206と電気配線により接続されている。
図8(a)、(b)に、変換光として第二高調波を発生する波長変換素子モジュールの模式図を示す。図8(a)では、出力側にファイバを用いておらず空間に出力する方式である。利用するのは第二高調波のみであるため、出力側から出力される変換されなかった基本波光をカットするために適切な波長フィルタ220を配置している。図8(b)では、出力側にもファイバを用いている方式である。この場合はパッケージの内部に特定の波長のみを反射させるダイクロイックミラー等の波長分離フィルタ208を配置して、基本波光を第二高調波とは異なる方向に分離している。図8(b)では、出力ポート209に基本波光、出力ポート205に第二高調波を出力している。
上述のような構成が波長変換モジュールの基本構成であるが、要求される仕様に応じて構成が変化する。特に、出力光強度を一定にする場合や精密に制御する場合は図8(a)、(b)の構成だけでは変換光の出力を制御することができず不十分である。このような場合には、出力をモニタし、フィードバック制御を行う仕組みが必要である。
図9(a)、(b)に、従来の波長変換装置において、第二高調波の出力を波長の精密制御により安定化する構成の説明図を示す。本構成では、出力光の第二高調波の一部を、光カプラ等の光分岐手段212で分岐して光検出器213で受け、その結果をもとに制御部214で温度調節器215を制御して光導波路素子201の温度を調整するものである。ニオブ酸リチウム等の波長変換素子では素子温度を変化させることで材料の屈折率が変化し、出力波長を最大の変換効率を示す波長に変化させることができる。
このような方法により、光導波路素子201の使用開始時、または一定時間ごとに、検出される光信号を最大にするように導波路素子温度の調整を行うことで出力光強度の精密制御が可能である。
図9(b)は、光源210が波長可変光源である場合において、制御部214が光源210も制御することで基本波光の波長の制御も併せて行えるようにしたモジュール構成である。
一方で、光導波路素子201の温度を制御する以外にも、出力波長および出力光強度を一定とする目的で、光源の出力波長を最大の変換効率を示す波長に一致させる方法も知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許第3329446号公報 特許第3526282号公報 特開2006−19603号公報
Amnon Yariv著、多田邦雄・神谷武志共訳、「光エレクトロニクスの基礎」、丸善株式会社、PP.247−248
しかしながら、上述のようなフィードバック制御を行うモジュール構成では、出力をモニタするために出力された変換光の一部を分岐する必要があり、その分利用できる出力が弱くなってしまうという課題がある。通常、1:20程度の分岐比の光カプラを用いて1/20程度の出力をモニタするが、分岐比を大幅に下げ過ぎるとモニタ光の検出が困難になる。
分岐比を通常よりも低く抑える場合、光アンプを挿入することや、あるいは高感度の検出器を使用することでモニタ光の検出を可能にすることはできるが、モジュールが高価格になるという課題がある。基本波光源に光アンプを挿入するなどして、基本波光の入力パワーを十分大きくできれば、多少の分岐はアンプ出力の調整で補える場合があるが、安価な光アンプが入手できない波長帯も存在する。
また、出力を分岐してモニタする場合でも、出力を最大化するためには基本波光源に変調を加える等の制御が必要となるが、このような制御を行うと線幅が広くなってしまい、狭線幅で高性能の波長変換は実現できないという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、非線形光学効果を利用して波長変換を行う波長変換装置において、精密な波長制御を施しても出力の低下が無く、安定した高出力が可能な出力安定化波長変換装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、1以上の基本波光から波長の異なる変換光を発生させる非線形光学素子と、前記非線形光学素子の第1の端面に基本波光を入力するための入力ポートと、前記非線形光学素子の第2の端面から出射された第1の変換光を出力するための第1の出力ポートと、前記非線形光学素子の温度を調整する温度調整手段とを備えた波長変換装置であって、前記第2の端面と前記第1の出力ポートとの間に配置され、前記非線形光学素子の第2の端面から出射された前記基本波光と前記第1の変換光とを分離する第1の波長分離フィルタと、
前記第1の波長分離フィルタで前記第1の変換光と分離された前記基本波光を出力するための入出力ポートと、前記入出力ポートから出力された前記基本波光に位相変調を施して前記入出力ポートに位相変調された基本波光を入力する位相変調手段と、前記第1の端面と前記入力ポートとの間に配置された、前記位相変調された基本波光から発生する第2の変換光と前記位相変調された基本波光とを分離する第2の波長分離フィルタと、前記第2の波長分離フィルタで前記位相変調された基本波光と分離された前記第2の変換光を出力するための第2の出力ポートと、前記第2の出力ポートから出力された前記第2の変換光を検出する光検出器と、前記光検出器によって検出された信号強度変化に基づき前記位相変調手段における位相変調量と前記温度調整手段を制御する帰還回路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の波長変換装置において、前記帰還回路はさらに基本波光源を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の波長変換装置において、前記非線形光学素子は、前記変換光として第二高調波を発生させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の波長変換装置において、前記非線形光学素子は、前記変換光として和周波又は差周波を発生させ、前記位相変調手段は、光合分波回路をさらに備え、前記入出力ポートから出力された前記基本波光の内、前記光合分波回路により分離された所定の波長の基本波光に位相変調を施し、位相変調された前記所定の波長の基本波光を含む前記基本波光を前記入出力ポートに入力することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2又は4に記載の波長変換装置において、前記位相変調手段は、光サーキュレータと、光位相変調器と、を含み、前記入出力ポートから出力された前記基本波光が前記光サーキュレータを介して前記光位相変調器に入射され、前記光位相変調器において位相変調された前記基本波光が前記光サーキュレータを介して前記入出力ポートに入力されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1、2又は4に記載の波長変換装置において、前記位相変調手段は、光合分波回路と、光位相変調器と、を含み、前記入出力ポートから出力された前記基本波光が前記光合分波回路を介して前記光位相変調器に入射され、前記光位相変調器において位相変調された前記基本波光が前記光合分波回路を介して前記入出力ポートに入力されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1、2又は4に記載の波長変換装置において、前記位相変調手段は、反射型光位相変調器であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の波長変換装置において、前記第1および第2の波長分離フィルタは、誘電体膜を用いたダイクロイックミラーであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の波長変換装置において、前記非線形光学素子は、周期的に分極反転された二次非線形光学材料からなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の波長変換装置において、前記非線形光学素子は、リッジ型光導波路であることを特徴とする。
本発明によれば、非線形光学効果を利用して波長変換を行う波長変換装置において、精密制御のために出力を低下させること無く、安定した高出力が可能になる。さらに、特に優れた効果として、長期間出力を安定させながらも狭線幅の波長変換が可能になる。
(a)、(b)は、本発明の実施形態1に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図である。 位相変調を施した光の周波数成分を説明した図である。 (a)は、波長変換装置における変換光強度と波長の関係を説明した図であり、(b)は、変換光強度の微分係数に相当する変調成分強度と波長の関係を説明した図である。 本発明の実施形態2に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図である。 本発明の実施形態3に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図である。 本発明の実施形態4に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図である。 (a)は、典型的な非線形光学素子を備えた波長変換素子モジュールの構成を示す図である。 (a)、(b)は、変換光として第二高調波を発生する非線形光学素子を備えた波長変換素子モジュールの模式図である。 (a)、(b)は、従来の波長変換装置において、第二高調波の出力を波長精密制御により安定化する構成の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1(a)、(b)に、本発明の実施形態1に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図を示す。
ファイバピグテール型波長変換素子モジュールに搭載された波長変換を行う非線形光学素子101は、例えば分極反転構造を施したZnドープニオブ酸リチウムからなる導波基板と、Mgドープニオブ酸リチウムからなるベース基板とが直接接合法により貼り合わされた導波路基板を加工して形成されたリッジ型の光導波路とすることができる。この非線形光学素子101に1つ以上の基本波光(入力光)を入射することで、波長変換光が出力される。非線形過程としては、第二高調波発生、和周波発生、差周波数発生等が可能である。本実施形態では、効果を最も簡単に記述できる点から第二高調波発生を行う場合を用いて説明するが、それ以外の非線形過程であっても同様に出力安定化が可能である。
上述してきたようにこの非線形光学素子101は例えばペルチェ素子のような温度調節素子を介して熱・電気伝導性が高い金属のパッケージ容器102に配置されている。このパッケージ容器102には温度調節用およびその他の用途のために電極が接続されており、外部との電気的なやりとりが可能となっている。本実施形態では、温度調節用として用いる温度調節素子に接続された4本の電極105を示しているが、温度調節以外の用途のための電極を備えることもできる。
非線形光学素子101と入ポート103、出力ポート104、109、入出力ポート108とは光学レンズを介したレンズ結合となっており、ピグテールによって光ファイバと結合している。出力部では波長分離フィルタとしてダイクロイックミラー107を用いて、第二高調波と変換されなかった基本波光の出力を分離しており、図では入出力ポート108に基本波光を出力し、第二高調波の出力を出力ポート104へ出力する構成としている。非線形光学素子101の長さは例えば50mmであり、パッケージ容器102全体の長さは例えば80mmである。
ここまでは図7および図8で説明してきた構成と同じであるが、以下に本発明の特徴的な構成を述べる。出力側で分離した基本波光の経路に光サーキュレータ111を配置する。光サーキュレータ111を通過した光は光位相変調器112に導入され、位相変調による周波数変調を目的として例えば数MHzから数100kHz程度の変調速度で位相変調を施される。光位相変調器112での変調量は、帰還回路114によって制御される。
周波数変調を施された基本波光は光サーキュレータ111により、入出力ポート108を経由してモジュール内に戻され、ダイクロイックミラー107により、再び非線形光学素子101に入射される。波長変換を施す非線形光学素子101に方向性はないため、出力側から基本波光を入射した場合でも、導波路の終端に相当する元々の入力側から波長変換された光を取り出すことができる。そこで入力側に第二高調波を反射し、基本波光を透過するダイクロイックミラー106を配置して、位相変調された基本波光から変換された第二高調波を出力ポート109から取り出し、光検出器113で検出する。光検出器113で光電変換された電気信号が帰還回路114に入力され、帰還回路114は、周波数変調に対応する成分のみを抽出し、出力される第二高調波の強度が最大になるよう温度調節器115を制御する。温度調節器115は、温度調節素子に接続された電極105への印加電圧を制御して非線形光学素子101の温度が制御する。尚、図1(b)のように基本波光の光源110が波長可変光源ならば、光源110の波長も帰還回路114により制御することもできる。
ここで、出力ポート104から取り出される変換光を第1の変換光とし、入出力ポート108を経由してモジュール内に戻された、位相変調された基本波光から変換された変換光を第2の変換光とする。
入出力ポート108から非線形光学素子101に戻された基本波光は、ダイクロイックミラー106では反射されずに入力ポート103に入射することとなる。通常の光源には戻り光を防ぐ光アイソレータが備わっているが、光アイソレータが付属していない光源を用いる場合はこの戻り光が光源に入るのを防止するために光源の手前に光アイソレータを備えても良い。また、本実施形態では波長分離フィルタとしてダイクロイックミラーを用いたが、マルチモード干渉計(MMI:Multi Mode Interferometer)や方向性結合器を用いた波長分離フィルタを用いても良い。
次にこの装置の動作原理について説明する。
通常は利用されない出力側の基本波光を再利用し、光位相変調器112により位相変調を施す。位相変調された光は図2に示されるように、基本波光の周波数である基準周波数の前後の周波数に側帯波と呼ばれる異なる周波数の光波を伴う(非特許文献1参照)。したがって、この位相変調により周波数も変調されることになる。周波数の変調具合は変調強度によって調整できる。
この位相変調および周波数変調を施された光を光サーキュレータ111により再びモジュール内へ戻し、非線形光学素子101である光導波路によって波長変換を行い、第二高調波を発生させる。この第二高調波を、ダイクロイックミラー106を用いることにより出力ポート109から取り出し光検出器113により検出する。光検出器113から出力された検出した第二高調波の強度を表す電気信号を帰還回路114内で処理し、光位相変調器112における位相変調による周波数変調に対応した信号成分のみを抽出する。
図3(a)に、波長変換装置における変換光強度と波長の関係を示す。非線形光学効果による波長変換は、基本波光と変換光の間の位相関係が適切な関係を満たす場合のみ、すなわち位相整合条件を満足する波長でのみ効率の良い変換が行われる。二次の非線形光学効果による第二高調波発生では、変換光強度、すなわち第二高調波強度Iは
I∝sinc(ΔkL/2) (1)
Δk=kSH−2k=nSH/λSH−2n/λ (2)
で表される。kは光の波数、Lは素子長、λは波長、nは屈折率、添え字のSHは第二高調波、Fは基本波を表す。
波長が変わるとΔkも変化するため、第二高調波強度Iは図3(a)のような特徴を持つ。波長(周波数)を変調し、その変調に対応した成分を抽出することは、その波長(周波数)における微分係数を得ることに相当するため、帰還回路により変調に対応した成分を抽出すると図3(a)を微分した波形である図3(b)が得られる。
図3(b)に、変換光強度の微分係数に相当する変調成分強度と波長の関係を示す。最大の変換効率とは異なる波長においては、微分係数はゼロでない値をとるため、変調に対応する成分がゼロになるように、素子温度、あるいは素子温度と光源波長に帰還をかけることで常に最大の効率をもつ波長変換が実現できる。素子温度の変化で屈折率が変化するとΔkが変化するため、図3(a)および図3(b)の波形が左右にシフトすることになり、第二高調波強度Iの調整を行うことができる。
ただし、微分値の最大値および最小値の外側にも微分係数がゼロになる点が存在するため、動作の開始時に温度を大きく変化させて、微分の最大値と最小値の位置関係を把握し、その2点の間のゼロの値を維持できるようにしておく必要がある。
本発明における構成のメリットは次の通りである。
第一点目は普段使用していない出力側の基本波光を再利用するため、出力用の第二高調波をモニタするために分岐する必要が無く、第二高調波を無駄なく、効率的に利用できることである。上述したように通常1/20程度は分岐する必要があるため、本発明の構成を用いることで出力は5%程度向上する。特に光アンプを用いることが困難な波長帯域の波長変換においてはこの効果は非常に大きいものである。
第二点目は、基本波光の光源に変調を及ぼすなどの影響を与えることなく、常に出力最大化のための制御が可能である点である。従来の方法では、このような出力制御は定常動作に入る前に一度行うだけに留めるか、基本波光の光源に変調を加えて制御を行う必要がある。定常動作前に一度しか位相整合波長に合わせる制御を行わない場合は、長期間の連続使用により徐々に出力波長と位相整合波長にずれが生じ出力が低下する。一方で、基本波光の光源に位相変調を加える制御を行うと、図2に示したように基本波光の波長が必然的に揺らぐため、線幅が太く、狭線幅の高性能レーザ等の実現は困難になる。本発明の構成では、外部出力として取り出す第二高調波を発生させる基本波光とは異なる基本波光に位相変調を加えるために、線幅に影響を与えることなく、常に出力最大化のための制御を行うことができる。
第三点目は基本波光を再び光導波路素子に入力し、第二高調波をモニタすることである。出力側の基本波光を利用して出力を固定する方法は例えば特許文献3に記載されている。しかし、変換効率が低い波長帯で生じるように、出力側の基本波光のパワーが大きな場合には、基本波光の減衰量が少なくなるため、この減衰量を基に最大の変換が起こる波長を割り出し、出力の固定を行うのは困難である。例えば、5mWの基本波光の入力で変換効率が1000%/Wを仮定した場合、第二高調波出力は0.25mWとなる。基本波光そのものを見る場合は、5%程度の減衰を基に波長を固定する事が必要となり、雑音の状態によっては減衰、すなわち凹みの検出が難しくなる場合がある。その点、本発明の構成では基本波光の減衰量ではなく、ピークを持つ第二高調波の出力値をモニタするために、変換効率が低い場合でもモニタが容易であり、出力を最大化するための波長の調整も容易である。この例では、出力側に出てくる基本波光を用いた2回目の波長変換による第二高調波は0.23mW程度となる。これは出力の第二高調波出力とほぼ同程度の値であり、容易にモニタが可能な光強度である。
1.56μmの波長の光を基本波光として入力し、第二高調波として0.78μmを出力する波長変換装置おいて、例えば20mWの基本波光の入力で10mWの第二高調波が発生する場合、従来技術ではモニタ光として5%程度分岐し、分岐後に9.5mW程度の出力を取り出していた。
これに対し本発明では、出力として10mWすべてを取り出すことがでる。一方、非線形光学素子を透過して変換されなかった基本波光は10mWであったが、これを例えば2500%/Wの変換効率を有する非線形光学素子に戻すと、モニタのために再変換された第二高調波出力は入出力損も含めて、およそ2mWであった。これは出力である10mWの20%程度の値であり、十分にモニタが可能である。また、本発明では基本波光源には位相変調を加えないため、非常に狭線幅でしかも安価に構成することができる。
(実施形態2)
図4に、本発明の実施形態2に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図を示す。本実施形態は、実施形態1においては、出力側の基本波光に変調を加えてモジュールに戻す際に光サーキュレータ111を用いていた構成を、光合分波回路の一つである光カプラ121を用いて実現したものである。
この光カプラ121は3dBカプラと呼ばれるもので、入力を二等分して左右に分岐するものである。分岐した光は右回りおよび左回りにそれぞれ光ファイバを伝搬して位相変調を施された後、再び光カプラ121で合波され、モジュールに戻ることになる。合波した時に右回りおよび左回りの光の間で位相差ができないように光路の中間地点に光位相変調器112を設置する必要があるが、これを満たせば、実施形態1と同様の機能を持たせることができる。
本実施形態によっても、実施形態1と同様の変換において、出力として10mWすべてを取り出すことができた。一方、変換されなかった基本波光は10mWであるが、これを例えば2500%/Wの変換効率を有する非線形光学素子に戻すと、モニタのために再変換された第二高調波出力は入出力損も含めて、およそ2mWであった。これは出力である10mWの20%程度の値であり、十分にモニタが可能である。また、本発明では基本波光源には変調を加えないため、非常に狭線幅でしかも安価に構成することができた。
(実施形態3)
図5に、本発明の実施形態3に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図を示す。本実施形態は、実施形態1においては、出力側の基本波光に変調を加えてファイバピグテール型波長変換素子モジュールに戻す際に光サーキュレータ111を用いていた構成を、反射型の光位相変調器131を用いて実現したものである。
この反射型光位相変調器131は、端面を鏡面加工した導波路型の位相変調器によって構成されており、導波路の往路および復路共に位相変調を施すことができる変調器である。本実施形態の構成でも、実施形態1と同様の機能を持たせることができる。
本実施形態によっても、実施形態1と同様の変換において、出力として10mWすべてを取り出すことができた。一方、変換されなかった基本波光は10mWであったが、これを例えば2500%/Wの変換効率を有する光導波路に戻すと、モニタのために再変換された第二高調波出力は入出力損も含めて、およそ2mWである。これは出力である10mWの20%程度の値であり、十分にモニタが可能であった。また、本発明では基本波光源には変調を加えないため、非常に狭線幅でしかも安価に構成することができた。
(実施形態4)
本発明は、第二高調波発生のみならず、変換光の波長と基本波光の波長とが波長分離フィルタで分離できる程度に異なるならば、和周波発生および差周波発生等に適応可能である。以下に、和周波発生および差周波発生に適応した構成を示す。
図6に、本発明の実施形態4に係る出力を安定化した波長変換装置の概略図を示す。本実施形態は、基本波光が2種類ある場合の和周波発生、あるいは差周波発生装置に適応した形態であり、基本波光1の光源141−1と基本波光の光源141−2とを備えている。基本波光1と基本波光2は、光カプラ142−1で合波してファイバピグテール型波長変換素子モジュールに入射される。合波された基本波光は、実施形態1〜3と同様に、非線形光学素子101を透過後、ダイクロイックミラー107で和周波又は差周波と分離され、入出力ポート108から出射される。
基本波光が2種類ある場合でも位相変調を施す基本波は1つで良いため、本実施形態では例えば基本波光1に位相変調を施す構成としている。入出力ポート108には分離能力が高い光カプラ142−2が接続されており、基本波光1と基本波光2を二光路に分離する。
基本波光1の光路には、光サーキュレータ111−1と光位相変調器112を配置し、位相変調を施した後入出力ポート108からファイバピグテール型波長変換素子モジュールに戻している。一方、基本波光2の光路には、光サーキュレータ111−2のみを配置し、位相変調を施さずにそのままファイバピグテール型波長変換素子モジュールに戻している。
非線形光学素子101に入射した周波数変調が施された基本波光1および基本波光2により、再び発生した和周波あるいは差周波はダイクロイックミラー106により反射されて出力ポート109から出射し、光検出器113で検出される。
帰還回路114は、光位相変調器112を制御して和周波発生又は差周波発生の周波数変調に対応した成分のみを抽出し、抽出した成分に基づき和周波発生又は差周波発生を最大化するよう温度調節器115、光源141−1、141−2を制御する。
本実施形態では、1.064μmの波長の光を基本波光1とし、光アンプを用いた1.55μmの波長の光を基本波光2として入力し、差周波光である3.4μmの波長の光を出力する差周波発生装置において、例えば40mWの基本波光1、および200mWの基本波光2の入力でおよそ3.2mWの差周波光が発生する場合に、本発明においては出力される差周波光3.2mWすべてを取り出すことができた。また、基本波光源には変調を加えないため、非常に狭線幅でしかも安価に構成することができた。
尚、実施形態2、3の構成に、入出力ポート108に分離能力が高い光カプラを接続して位相変換を施す基本波光1と位相変換を施さない基本波光2とに分離し、分離能力が高い光カプラの基本波光2の光路に光カプラや光サーキュレータのみを配置したループ回路を追加することにより、実施形態4と同様に和周波発生および差周波発生に適応した構成とすることができる。
101、201 非線形光学素子
102、202 パケージ容器
103、204 入力ポート
104、109、205、209 出力ポート
105、206 電極
106、107、208 ダイクロイックミラー
108 入出力ポート
110、141、210 光源
111 光サーキュレータ
112 光位相変調器
113、213 光検出器
114、214 帰還回路
115、215 温度調節器
121、142、212 光カプラ
131 反射型光位相変調器
203 光学レンズ
211 光ファイバ
220 波長フィルタ

Claims (10)

  1. 1以上の基本波光から波長の異なる変換光を発生させる非線形光学素子と、前記非線形光学素子の第1の端面に入射する基本波光を入力するための入力ポートと、前記非線形光学素子の第2の端面から出射された第1の変換光を出力するための第1の出力ポートと、前記非線形光学素子の温度を調整する温度調整手段とを備えた波長変換装置であって、
    前記第2の端面と前記第1の出力ポートとの間に配置され、前記非線形光学素子の第2の端面から出射された前記基本波光と前記第1の変換光とを分離する第1の波長分離フィルタと、
    前記第1の波長分離フィルタで前記第1の変換光と分離された前記基本波光を出力するための入出力ポートと、
    前記入出力ポートから出力された前記基本波光に位相変調を施して前記入出力ポートに位相変調された基本波光を入力する位相変調手段と、
    前記第1の端面と前記入力ポートとの間に配置された、前記位相変調された基本波光から発生する第2の変換光と前記位相変調された基本波光とを分離する第2の波長分離フィルタと、
    前記第2の波長分離フィルタで前記位相変調された基本波光と分離された前記第2の変換光を出力するための第2の出力ポートと、
    前記第2の出力ポートから出力された前記第2の変換光を検出する光検出器と、
    前記光検出器によって検出された信号強度変化に基づき前記位相変調手段における位相変調量と前記温度調整手段を制御する帰還回路と、
    を備えたことを特徴とする波長変換装置。
  2. 前記帰還回路はさらに基本波光源を制御することを特徴とする請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記非線形光学素子は、前記変換光として第二高調波を発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換装置。
  4. 前記非線形光学素子は、前記変換光として和周波又は差周波を発生させ、
    前記位相変調手段は、光合分波回路をさらに備え、前記入出力ポートから出力された前記基本波光の内、前記光合分波回路により分離された所定の波長の基本波光に位相変調を施し、位相変調された前記所定の波長の基本波光を含む前記基本波光を前記入出力ポートに入力することを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換装置。
  5. 前記位相変調手段は、
    光サーキュレータと、
    光位相変調器と、
    を含み、前記入出力ポートから出力された前記基本波光が前記光サーキュレータを介して前記光位相変調器に入射され、前記光位相変調器において位相変調された前記基本波光が前記光サーキュレータを介して前記入出力ポートに入力されることを特徴とする請求項1、2又は4に記載の波長変換装置。
  6. 前記位相変調手段は、
    光合分波回路と、
    光位相変調器と、
    を含み、前記入出力ポートから出力された前記基本波光が前記光合分波回路を介して前記光位相変調器に入射され、前記光位相変調器において位相変調された前記基本波光が前記光合分波回路を介して前記入出力ポートに入力されることを特徴とする請求項1、2又は4に記載の波長変換装置。
  7. 前記位相変調手段は、反射型光位相変調器であることを特徴とする請求項1、2又は4に記載の波長変換装置。
  8. 前記第1および第2の波長分離フィルタは、誘電体膜を用いたダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の波長変換装置。
  9. 前記非線形光学素子は、周期的に分極反転された二次非線形光学材料からなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の波長変換装置。
  10. 前記非線形光学素子は、リッジ型光導波路であることを特徴とする請求項9に記載の波長変換装置。
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