JP6306440B2 - 書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムおよび方法 - Google Patents

書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムおよび方法に関する。本発明は、また、このシステムのためのツールおよび装置にも関する。本発明は、さらに、この方法を実行するための情報記憶媒体に関する。
このようなシステムは、人間が、ツールを用いて、書き込み媒体上に、手書きの文字や図をデジタル化するのに特に有用である。この場合、ツールは、筆記具と消去具とからなるグループから選ばれる。
本明細書において、筆記具は、物理的な書き込み媒体上に文字や図を描くために、人間の手によって直接操作しうる任意のツールを意味している。筆記具によって、書き込み媒体上に、マーク(文字、記号、図形、絵など、ツールによって描かれるもの全てが含まれる)が書き残される場合がある。その場合には、一般に、人間は、そのマークを、じかに肉眼で見ることができる。マークを、書き込み媒体上に、じかに見ることができるようにしておくために、筆記具によって、書き込み媒体上に、有色の液体または固体を付着させる。有色の液体は、通常、インクまたは塗料である。有色の固体は、例えば石墨である。筆記具によって、書き込み媒体上に、有色の液体または固体が付着させられない場合もある。この場合には、その筆記具は、「スタイラス」と呼ばれることが多い。ついで、追跡されたマークは、一般に、スクリーン上に表示される。
本明細書において、消去具は、筆記具によって書き残されているマークに接したときに、筆記具によって書き残されているマークを消去するマークを、物理的な書き込み媒体上に描くために、人間の手によって直接操作可能な任意のツールを意味している。消去とは、筆記具を用いて記録したマークをデジタル化したデータの消去である。さらに、消去は、書き込み媒体上のマークの物理的な消去である場合もある。一例として、書き込み媒体上のマークの物理的な消去は、化学反応、および/または剥脱などの機械的効果によるものである場合がある。筆記具の場合とは対照的に、消去具によって描かれたマークは、一般に、肉眼では見えない。
本明細書において、「描く」には、書き込み、または消去のために、書き込み媒体上で、ツールの先端部を動かすことが含まれる。
書き込み媒体は、紙、布、写真、平板、またはマークを描くことができる、他の任意の媒体である。
ツールの先端部によって書き込み媒体上に描かれていくマークを正確に追跡するためには、その先端部に加えられている圧力を考慮に入れることが重要である。一例として、先端部に圧力が加えられていることを感知することによって、ツールの先端部と書き込み媒体との接触点の存在を、正確に検出することができる。先端部が、書き込み媒体に接触しなくなるたびに、マークの追跡を中断しなければならない。さらに、マークのとおりの追跡を行わせるために、先端部に及ぼされた圧力に応じて、追跡されたマークの幅や、追跡されたマークの明るさを変更できることが、多くの場合に望まれる。
書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡する現在公知のシステムは、次のものを備えている。
− 筆記具と消去具とからなるグループから選ばれたツールであって、
・ ユーザの手で、このツールを握るための手段を構成しているボディ、
・ 追跡されるマークを描いていくように適合化されており、書き込み媒体上に押し当てられたときに、書き込み媒体からの反力の作用を受けて、突出位置と、突出位置におけるよりもボディの内部に押し込まれている後退位置との間で変位可能である先端部、
・ 先端部を、突出位置をとるように絶えず付勢している復帰手段、および
・ 空間的に互いに分離されている第1および第2の永久磁石であって、第1の永久磁石は、先端部が突出位置と後退位置との間で変位するときに、第2の永久磁石に相対的に並進変位または回転変位するように、先端部に物理的に組み合わされている第1および第2の永久磁石を備えているツールと、
− 描かれていくマークを追跡するために、先端部と書き込み媒体との接触点の位置を連続的に記憶することができ、かつこの記憶の制御または完遂のために、ツールの先端部に及ぼされている圧力を示す物理量の値を用いることができる装置。
このようなシステムの例は、特許文献1または特許文献2に開示されている。
特許文献1または特許文献2において、筆記具の先端部の位置は、筆記具の内部に収容されている永久磁石の位置を、三角法によって測定することにより特定される。この測定には、書き込み媒体上に配置された3つの3軸磁力計が用いられる。このシステムは、筆記具の位置の特定のために、筆記具に永久磁石が備えられているだけでよく、したがって、電源からの給電を必要としないという点で、特に有利である。このような給電を必要としない筆記具は、「パッシブである」と言われる。しかしながら、特許文献1において、筆記具の傾きが変わると、3軸磁力計によって測定される磁界の大きさに変化が生じる。それによって、筆記具の先端部の、追跡される位置の位置データに変更が加えられる。したがって、特許文献1のシステムにおいて、筆記具の傾きが変わると、そのシステムによって追跡されたマーク中に、望ましくない空白部分が生じることがある。
さらに、特許文献1は、筆記具の先端部と書き込み媒体との接触点を検出するだけではなく、先端部に及ぼされている圧力をあらわす物理量に基づいて、マークの追跡を完遂するためには、図14および図15に示すように、圧力センサ、および測定された圧力値を送信するための送信器を、筆記具内へ組み込むことが必要である旨を教示している。したがって、筆記具の先端部に及ぼされている圧力を特定する試みがなされると、その筆記具は、もはや「パッシブ」ではあり得ない。
さらに、特許文献1は、2つの永久磁石を備えている、パッシブである筆記具を、パッシブな筆記具のままで、筆記具の先端部と、書き込み媒体とが接する瞬間を検出するために用いることができるということを、特許請求の範囲に含めていることにも注目される。より正確には、特許文献1は、その図6の実施形態において、先端部と書き込み媒体とが接すると、第1の永久磁石は、第2の永久磁石上に位置するようになり、その結果、第1の永久磁石と第2の永久磁石とは、非常に高強度の磁界を発生させる、単一の大きな永久磁石を構成するということを述べている。その図6において、第1および第2の永久磁石には、それぞれ符号62および64が付されている。発生する磁界の強度におけるこの変化を測定することにより、接触点の検出が可能になる。しかしながら、この実施形態については、徹底的な検討がなされていない。磁界の増加は、永久磁石64が書き込み媒体のシート面に、したがって3軸磁力計に、より接近することによっても生じるからである。すなわち、書き込み媒体のシート面に対する、筆記具の傾きが変わることによっても、磁界の大きさに、同様の変化が観察されることとなる。そのため、永久磁石62と64との一体化によってもたらされる、測定磁界の大きさの変化と、筆記具の傾きの変化によってもたらされる、測定磁界の大きさの変化とを区別することができない。したがって、図6の実施形態を、筆記具の先端部と書き込み媒体のシート面との接触点の検出に用いることはできない。
同様の従来技術が、特許文献3によって公知である。
国際公開第WO02/043045号公報 米国特許公開第2003−095115号公報 米国特許公開第2013−009907号公報 米国特許第6269324号公報 米国特許公開第2002−171427号公報 米国特許第6263230号公報
本発明は、筆記具がパッシブである場合にも、筆記具の先端部に及ぼされる圧力を表わす物理量を用いることができる、書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載の、マークを追跡するシステムを提供するものである。
このシステムにおいては、第1の永久磁石は、復帰手段による復帰力に抗して変位する。したがって、第2の永久磁石と相対的な、第1の永久磁石の変位は、ツールの先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量である。
相互間の相対位置があらかじめ定められている多数の3軸磁力計と、上述の目的を達成するようにプログラムされているコンピュータとを用いて、第2の永久磁石に相対的な、第1の永久磁石の変位量が算定される。したがって、圧力センサも、圧力センサによって測定された圧力値を外部の電子コンピュータに伝えるための手段も、ツールに備える必要がなく、ツールの先端部に及ぼされている圧力に応じて変化する値が得られる。したがって、マークを追跡するための上述のシステムには、パッシブなツールを用いることができ、かつツールの先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値を用いることができる。
本発明のシステムは、そのいくつかの実施形態において、このシステムに関する従属請求項の特徴の1つ以上を有している場合がある。
このような特徴を有する本発明の実施形態は、次の利点も有している。
− 先端部の位置を特定することと、先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値を特定することとに、同じ永久磁石を用いているため、システムの構成が単純化され、また追跡されたマーク中に、望ましくない空白部分が生じることを避けることができる。
− 第1の永久磁石の中心を、ツールの長手方向軸上に保つことができるガイドを用いているため、固定座標系において、この長手方向軸の方向を、ツールの内部に収容されている第1の永久磁石の磁気モーメントの向きから導く際に、測定誤差を生じることなく測定することができる。
− 磁気モーメントの向きが互いに角度ずれしている2つの永久磁石を用いているため、ツールの構成を複雑にすることなく、長手方向軸のまわりの、ツールの回転角度を追跡することができる。
本発明は、さらに、請求項5に記載のツールを提供するものである。
このツールは、そのいくつかの実施形態において、このツールに関する従属請求項の特徴の1つ以上を有している場合がある。
このような特徴を有する実施形態は、次の利点も有している。
− 先端部の復帰手段をも構成するように、第1および第2の永久磁石を用いることによって、ツールの構成を単純化することができる。
本発明は、さらに、マークを追跡する上述のシステムのための、請求項8に記載の装置を提供するものである。
本発明は、さらに、書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するための、請求項9に記載の方法を提供するものである。
本発明の方法のいくつかの実施形態においては、この方法に関する従属請求項の特徴の1つ以上を有している場合がある。
最後に、本発明は、この方法が、電子コンピュータによって実行されたときに、この方法のステップd)およびe)の遂行を命じる命令を記憶している情報記憶媒体を提供するものである。
筆記具の先端部によって、書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムの略図である。 図1のシステムで用いられる磁力計網の一部分の略図である。 図1のシステムで用いられる筆記具の一実施形態の略断面図である。 筆記具の先端部によって書き込み媒体上に描かれていくマークを、図1のシステムを用いて追跡する方法を示すフローチャートである。 図1のシステムで用いられる筆記具の別の一実施形態の略断面図である。 図1のシステムで用いられる筆記具のさらに別の一実施形態の略断面図である。
添付図面を参照して、単に非限定的な例として示す以下の説明を読むことによって、本発明を、よりよく理解することができると思う。
添付図面において、同一の要素には、同一の符号を付している。
以下の説明において、当業者に公知である特徴および機能については、詳細には記述しない。
ツールが筆記具である特定の場合を例にあげて、本発明を説明する。
図1は、筆記具4の先端部によって、書き込み媒体6上に描かれていくマークを追跡するシステム2を示す。
ユーザである人間が、基準座標系XYZにおいて、自分の手で直接に筆記具4を自由に動かすことができる。基準座標系XYZは、何らの自由度なしにシステム2に固定されている。本明細書においては、基準座標系XYZの軸XおよびYは、水平軸であり、軸Zは、垂直軸である。以下において、用語「上方」、「下方」、「上」、「下」は、軸Zに沿って言うものとする。
筆記具4の重量は、通常、1kg未満であり、200g未満または100g未満であることが好ましい。また、筆記具の寸法は、人間が片手で握ることができるほどに十分に小さい。筆記具4は、一般に、細長い形状を有している。
本明細書においては、筆記具4は、ボールペン、万年筆、付けペン、フェルトペン、木製鉛筆、マーカ、蛍光ペン、葦ペン、羽ペン、絵筆からなるグループから選ばれる。この実施形態においては、筆記具4は、一例としての付けペンである。
筆記具4は、長手方向軸10に沿って延びる、細長いボディ8を有している。このボディ8は、書き込み媒体6上にマークを描こうとしているユーザが、自分の手で筆記具4を握るための手段として機能する。
一例として、ボディ8は、完全な非磁性体からなっている、すなわち、システム2によって測定することができる、いかなる磁気特性も有しない材料からなっている。
筆記具4は、さらに、書き込み媒体6の上面14上に、有色の液体または固体を付着させる先端部12を有している。この付着を可能にするために、一例として、先端部12は、有色の液体の槽に漬けることができるように構成されている。有色の液体は、例えばインクである。筆記具4が付けペンである場合には、先端部12は、この付けペンのペン先である。先端部12は、筆記具4の下端において、長手方向軸10上に位置している。この実施形態においては、先端部12は、長手方向軸10を対称軸とする、いかなる回転対称性も有していない。したがって、先端部12によって書き込み媒体6上に書き残されるマークは、長手方向軸10のまわりの、筆記具4の回転角度に依存する。先端部12が、付けペンのペン先である場合には、付けペンである筆記具4は、書き込み媒体6に相対的に正しい方向を向いていない限り、書き込み媒体6上にインクを正しく付着させることができない。
筆記具4は、2つの磁性体を有している。これらの磁性体および筆記具4に関して、図3を参照して、より詳細に説明する。
一例として、書き込み媒体6は、軸Zに沿ってゼロでない有限の値の厚さeを有する、従来のとおりの書き込み媒体である。本明細書においては、厚さeは、全上面14にわたって一定であるとする。厚さeは、いかなる厚さであってもよい。特定の例においては、この厚さeは、非常に薄い場合がある、すなわち、書き込み媒体6が紙または布である例においては、1mm未満または0.5mm未満である場合がある。逆に、厚さeは、非常に厚い場合がある、すなわち、書き込み媒体6がノートブックまたはメモ帳である例においては、5mmを超過している場合がある。
書き込み媒体6は硬質である場合も、軟質である場合もある。硬質の書き込み媒体は、一例として、ガラスまたは金属板である。軟質の書き込み媒体は、例えば紙である。
上面14の面積は、書き込み/描写を可能にするほどに十分に広い。書き込み/描写のために、この面積は、通常、6cmを、または20cmを、または100cmを超えている。
書き込み媒体6は、上面14の反対側に下面15を有している。
システム2は、筆記具4の磁性体の測定された位置、および向きに基づいて、次のことを行うことができる決定装置16を有している。
− 先端部12の、基準座標系XYZにおける位置の決定、および
− 先端部12に及ぼされている圧力を示す物理量の決定。
図1において、波状の2本の縦線は、決定装置16の一部分は省略されている。
決定装置16は、支持前面22および背面24を有する平板20を備えている。この平板20は、通常、電気回路や電子回路を備えていない。平板20は、例えば単一の材料ブロックから成っている。
支持前面22は、水平方向に拡がっている。書き込み媒体6の下面15は、支持前面22上に直接載っている。支持前面22の面積は、書き込み/描写を可能にするほどに十分に広い。支持前面22の面積は、通常20cmを、または100cmを超過している。
平板20は、硬質の非磁性材料からなっている。一例として、平板20のヤング率は、25℃において2GPaを、または10GPaを、または50GPaを超えている。さらに、平板20の厚さは、ユーザが、筆記具4を用いて書き込み媒体6上に書き込みを行っているときに、ユーザの手によって及ぼされる圧力を受けて撓まないほどに十分に厚い。一例として、平板20は、1mmを、または4mmを超える厚さを有するガラス板である。
決定装置16は、N個の3軸磁力計Mijから成る磁力計網を有している。この磁力計網は、筆記具4の2つの磁性体の、基準座標系XYZにおける位置を特定することを可能にしている。各磁性体の位置の特定は、本明細書においては、基準座標系XYZにおける、その磁性体の位置x、y、zと、基準座標系XYZの軸X、Y、Zと相対的な、その磁性体の向きとの特定を意味している。一例として、磁性体の向きは、基準座標系XYZの軸X、Y、Zと相対的な、その磁性体の磁気モーメントのそれぞれの角度θ、θ、θによって表わされる。
Nは、通常、5を超えており、16を、または32を超えていることが好ましい。本明細書においては、Nは64以上である。
この実施形態においては、N個の3軸磁力計Mijは、マトリクスをなすように、行および列に配列されている。この場合には、このマトリクスは、8行8列に形成されている。添え字iおよびjは、それぞれマトリクスの行および列を示しており、行iと列jとの交点に、3軸磁力計Mijが存在する。図1においては、行iの3軸磁力計Mi1、Mi2、Mi3、Mi4、およびMi8だけが示されている。次に、3軸磁力計Mij同士の位置関係を、図2を参照して、より詳細に説明する。
各3軸磁力計と、他の3軸磁力計との相対的な位置関係は、不変に保たれている。これを可能にするために、各3軸磁力計は、なんらの自由度なしに、平板20の背面24に固定されている。
各3軸磁力計は、磁性体から発生する磁界の向き、および強度を測定する。この測定のために、各3軸磁力計Mijは、磁性体から発生した磁界の、その3軸磁力計Mijにおける、その3軸磁力計に対して定められた少なくとも3つの測定軸への正射影のノルムを算定する。この場合、これらの3つの測定軸は、互いに直交している。一例として、各3軸磁力計Mijの測定軸は、それぞれ基準座標系の軸X、Y、Zと平行である。各3軸磁力計の感度は、例えば10−6Tまたは10−7T未満である。
各3軸磁力計Mijは、情報伝達のためのバス28を介して、処理ユニット30に接続されている。
処理ユニット30は、図4の追跡方法を実行することができる。具体的には、処理ユニット30は、各3軸磁力計Mijによる測定から、ともに筆記具4内に存在している2つの磁性体の、基準座標系XYZにおける位置および向きを特定することができる。この特定のために、処理ユニット30は、情報記憶媒体に記憶されている命令を実行することができる、プログラム可能な電子コンピュータ32を有している。したがって、処理ユニット30は、さらに、電子コンピュータ32によって、図4の追跡方法を実行するために必要な命令を記憶しているメモリ34を有している。本明細書において、筆記具4内の各磁性体は、磁気双極子とみなされる。したがって、処理ユニット30は、各3軸磁力計Mijによる測定結果と、基準座標系XYZにおける、2つの磁気双極子の各々の位置、および向き、および2つの磁気双極子の各々の磁気モーメントの大きさとの間の関係を定式化している数学モデルMを用いることができる。この数学モデルMは、第1の変数セットが、2つの磁気双極子の各々の位置および向き、および2つの磁気双極子の各々の磁気モーメントの大きさを表わす連立方程式の形式で与えられる。第2の変数セットは、各3軸磁力計Mijによる測定結果を表わす。2つの磁気双極子の各々の位置および向き、および2つの磁気双極子の各々の磁気モーメントの大きさを得るためには、第1の変数セットの変数が未知であり、第2の変数セットの変数の値が既知であればよい。この数学モデルは、通常、物理学の電磁方程式から構築される。この数学モデルは、3軸磁力計Mij間の既知の距離でパラメータ化される。この数学モデルを構築するために、各永久磁石は、磁気双極子と近似している。永久磁石と3軸磁力計との間の距離が、2Lを、好ましくは3Lを超過していれば、この近似によって生じる誤差は、微々たるものである。Lは、永久磁石の最大部分の寸法である。Lは、通常、20cm未満であり、10cm未満または5cm未満であることが好ましい。
この場合、数学モデルMは非線形である。処理ユニット30は、数学モデルMの解を算出するためのアルゴリズムを用いて、数学モデルMを解く。一例として、用いられるアルゴリズムは、アンセンテッドフィルタ(UKF)である。
各磁気双極子が、その磁気双極子の位置を識別するための3つの変数、その磁気双極子の向きを識別するための2つの変数、およびその磁気双極子の磁気モーメントの大きさを識別するための1つの変数によって示される場合には、2つの磁気双極子の位置特定のために、最少で4つの3軸磁力計Mijが必要である。冗長性のある測定を行うために、Nは、3軸磁力計のこの最少必要数4の5倍、10倍、または20倍に選ばれることが好ましい。測定に冗長性を入れることによって、磁気双極子の位置特定の精度が向上する。
処理ユニット30は、先端部に対して特定された各位置の位置データから、先端部12によって書き込み媒体6上に書き残されたマークのデータを取得して記憶することができる。
図2は、決定装置16の3軸磁力計Mijのいくつかを示している。一つの3軸磁力計Mijは、軸Xと平行な複数の行i上に、一直線に並んでいる。別の3軸磁力計Mijは、同様に、軸Yに平行な複数の列j上に、一直線に並んでおり、したがって、マトリクスを形成している。行iおよび列jは、昇順に配置されている。
各3軸磁力計Mijの中心は、行iと列jとの交点に位置している。各3軸磁力計の中心は、その3軸磁力計による磁界測定が行われる点と一致している。本明細書においては、添え字iおよびjは、閉区間[1,8]内の整数である。
行iに沿って直接に連続している2つの3軸磁力計MijとMi,j+1との中心は、距離di,j,j+1だけ離れている。同様に、列jに沿って直接に連続している2つの3軸磁力計MijとMi+1,jとの中心は、距離dj,i,i+1だけ離れている。
この場合に、行iがいずれの行であっても、列jと列(j+1)との距離di,j,j+1は一定である。したがって、この距離di,j,j+1はdを表わすことができる。同様に、列jがいずれの列であっても、行iと行(i+1)との距離dj,i,i+1は一定である。したがって、この距離dj,i,i+1を、dと表わすことができる。
この特定の実施形態においては、距離dとdとは、ともにdに等しい。
通常、この距離dは、次の場合に1〜4cmの範囲にある。
− 各永久磁石の強さ、すなわち磁気モーメントの大きさは、0.5Amであり、
− 各3軸磁力計Mijの感度は、4×10−7Tであり、
− 3軸磁力計Mijの総数は、64である。
図3は、筆記具4を、より詳細に示している。筆記具4は、ボディ8の遠位端に形成されている孔40の内部をスライドするように据え付けられている先端部12を有している。先端部12は、長手方向軸10に沿って、突出位置(図3に示されている)と、後退位置との間でスライドする。突出位置においては、マークを描くために、先端部12を書き込み媒体6に押し当てることができるように、先端部12は、ボディ8から突き出ている。後退位置すなわち押し込み位置においては、先端部12は、突出位置におけるより、ボディ8の内部に押し込まれている。
ボディ8の内部に隠されている側の、先端部12の端は、何らの自由度なしに、磁性体42に固定されている。
磁性体42は、決定装置16によって測定することができる磁気モーメントを有している。通常、磁性体42は、強磁性体またはフェリ磁性体から成っている。この場合に、磁性体42は永久磁石である(以下において、磁性体42を永久磁石42と呼ぶ)。永久磁石42は、外部磁界が存在しない状態においても、ゼロでない磁気モーメントを有している。一例として、永久磁石42の保磁力は100Am−1を、または500Am−1を超過している。永久磁石42の強さ、すなわち磁気モーメントの大きさは、通常、0.01Amを、または0.1Amを超過している。
この例においては、永久磁石42は、長手方向軸10に沿って延びる直線バーの形状を呈している。この直線バーの断面は、例えば矩形である。永久磁石42の最大部分の寸法、すなわちこの場合には、永久磁石42の長さLは、通常、5cm未満であり、3cm未満または2cm未満であることが好ましい。永久磁石42の磁気モーメント(図3に矢印で示されている)の方向は、長手方向軸10と一致し、その向きは、先端部12を向く向きである。
永久磁石42は、先端部12から及ぼされる力を受けて、長手方向軸10に沿って並進変位する。この並進変位のために、筆記具4は、永久磁石42がスライドすることができる内部空間を有するガイド44を備えている。このガイド44は、長手方向軸10の一部分に沿う、永久磁石42の並進変位のみを可能とする。一例として、ガイド44は、永久磁石42の断面よりわずかに大きな断面を有する中空筒である。
永久磁石42の変位域を制限するために、ガイド44は、2つの停止端46および48を有している。先端部12が、その突出位置にあるとき、すなわち、先端部12に、先端部12をボディ8の内部に押し込もうとするいかなる圧力も及ぼされていないときに、永久磁石42は、停止端46に押し当てられている。停止端46は、先端部12が、その突出位置より前方に、ボディ8から突き出ることを阻止する。
停止端48は、停止端46の反対側に位置している。停止端48は、通常の動作において、永久磁石42が、停止端48に突き当たるようになることがないほどに、停止端46から十分に離れている。
先端部12を、その突出位置をとるように絶えず付勢するための復帰手段50が、ボディ8の内部に備えられている。この復帰手段50は、この例においては、動作のために電力を消費しない、弾性的に変形可能な材料からなっている。この例においては、復帰手段50は、螺旋ばねなどのばねを有している。このばねは、一方において停止端48に、他方において永久磁石42の、先端部12と反対側の端に、絶えず圧力を及ぼしている。
この筆記具4は、さらに、第2の磁性体54を有している。この例においては、磁性体54は、先端部12が、その後退位置にあるときでさえ、永久磁石42が、磁性体54と接することがないほどに、永久磁石42から十分に隔たった位置において、なんらの自由度もなしにボディ8に固定されている。永久磁石42と磁性体54とを隔てている距離の最小値は、通常、直接に連続している2つの磁力計Mijを隔てている距離d以上であり、距離dの1.5倍を超過していることが好ましい。一例として、永久磁石42と磁性体54とを隔てている距離の最小値は、この例においては、5cmを超えている。
この実施形態においては、磁性体54は永久磁石である(以下において、磁性体54を永久磁石54と呼ぶ)。一例として、この永久磁石54は、その磁気モーメント(図3に矢印で示されている)が、その磁気モーメントと永久磁石42の磁気モーメントとを含む平面上で、永久磁石42の磁気モーメントと角度βをなしているという点を除いて、永久磁石42と同じである。角度βは、通常、5°〜175°の範囲にあり、45°〜135°の範囲にあることが好ましい。この例においては、角度βは、90±5°である。
次に、システム2の動作を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
この方法は、図4に示すように、描かれていくマークを追跡するシステム2を用意するステップ60で開始される。
次に、ステップ62において、システム2が初期化される。具体的には、ステップ62において、先端部12に圧力が及ぼされていない状態で、永久磁石42と54とを隔てている距離dが、メモリ34によって記憶される。この距離dは、先端部12に圧力が及ぼされていない状態で、永久磁石42および54に対して、決定装置16によって測定される位置間の距離に等しい。この距離dは、決定装置16を用いた実験に基づいて特定されるか、または筆記具4の寸法と永久磁石42および54の位置とから計算される。この距離dは、永久磁石42と54との間の距離の最大値であるから、決定装置16を用いた実験によって、距離dを容易に更新することができる。この実施形態においては、筆記具が用いられているときに、2つの永久磁石42と54との間に生じ得る距離の最小値と一致する距離dminも記憶される。この距離dminは、距離dと同じようにして特定される。
ステップ62において、先端部12に圧力が及ぼされているか否かを判定する閾値Sが、メモリ34によって記憶される。このステップ62において、最後に、永久磁石42に対応する磁気双極子の位置から、先端部12の遠位端までの一定距離dが、同様に、メモリ34によって記憶される。この距離dは、筆記具4上で直接測定される。
システム2のこの初期設定に続いて、ユーザが筆記具4を用いて描いていくマークを追跡するためにシステム2を用いるステップ64が遂行される。
このステップ64では、ステップ66において、永久磁石42および54によって発生した磁界が、3軸磁力計Mijによって測定される。
次に、ステップ68において、この測定結果を、処理ユニット30が得る。
ステップ70において、処理ユニット30は、得られた測定結果を用いて、2つの位置PおよびP、および2つのベクトルMおよびMの座標を特定する。位置PおよびPは、それぞれ磁気双極子DおよびDの中心の、基準座標系XYZにおける座標である。磁気双極子DおよびDは、それぞれ永久磁石42および54に対応している。ベクトルMおよびMのノルムは、それぞれ永久磁石42および54の磁気モーメントの測定された大きさに等しい。ベクトルMおよびMの向きは、それぞれ永久磁石42および54の磁気モーメントの向きと一致している。
ステップ72において、処理ユニット30は、永久磁石54の位置に対する、永久磁石42の相対位置を計算する。この例においては、この相対位置は、永久磁石42と54との間の距離dによって求められる。距離dを得るために、処理ユニット30は、位置PとPとの間の差のノルムを計算する。一例として、距離dは、次の関係式:d=||P−P||を用いて計算される。||…||は、ユークリッドノルムなどのノルムである。この距離dは、先端部12に及ぼされている圧力を表わす。
次に、ステップ74において、処理ユニット30は、距離dを、その時点の相対位置と初期相対位置との差を表わす値Pに変換する。初期相対位置は、先端部12に圧力が及ぼされていない状態で測定される相対位置である。この例においては、値Pは、次の関係式:P=(d−d)/(d−dmin)を用いて計算される。
ステップ76において、処理ユニット30は、値Pを閾値Sと比較する。値Pが閾値S未満である場合には、先端部12と書き込み媒体6との接触点の存在は検出されず、マークのいかなる点の追跡も行われない。その後、この方法は、ステップ66に戻る。
対照的に、値Pが閾値Sを超過している場合には、ステップ80において、処理ユニット30によって、先端部12と書き込み媒体6との接触点の存在が検出される。
接触点の存在を検出した後、ステップ82において、処理ユニット30は、位置PおよびPだけから、長手方向軸10の、基準座標系XYZにおける方向を計算する。一例として、ステップ82において、処理ユニット30は、長手方向軸10が、ステップ70において特定された位置PおよびPを通っていることを考慮して、基準座標系XYZにおける、長手方向軸10の位置を特定する方程式を立てる。
ステップ84において、処理ユニット30は、先端部12と書き込み媒体6との接触点の位置を、追跡された各位置を記憶するデータベースに記録する。記憶された位置のセットが、追跡されたマークを構成する。接触点の位置は、永久磁石42の、永久磁石54が位置している側と反対側に、位置Pから距離dだけ離れて、長手方向軸10上に位置する点の座標で与えられる。
ステップ86において、処理ユニット30は、永久磁石42および54の磁気モーメントの特定された向きを用いて、長手方向軸10のまわりの、筆記具4の回転角度αを計算する。回転角度αは、あらかじめ記憶されている基準回転角度位置に相対的に計算される。次いで、回転角度αの値が、データベース上で、ステップ84において記録された位置と組み合わされる。
ステップ88において、処理ユニット30は、ステップ84において記録された位置に、追跡された線の線幅または明るさまたは透明度を組み合わせることによって、ステップ84において記録された位置に関わるデータの収集を終える。線幅および/または明るさおよび/または透明度は、この例においては、ステップ74において計算された値Pの関数として特定される。一例として、線の透明度は、用語「アルファブレンディング」として知られている方法を用いて調整される。
ステップ88に続いて、この方法は、描かれていくマーク上の次の点を追跡するためにステップ66に戻る。
最後に、ステップ90において、処理ユニット30は、追跡されたとおりにマークが表示されるように、スクリーン上へのマークの表示を制御する。通常、表示の進行中、マークの線幅および明るさは、値Pおよび回転角度αの関数として調整される。
図5は、本発明による筆記具の一実施形態の一部分を示している。この筆記具91は、先端部12が長手方向軸10に沿って並進変位するときに、永久磁石42が並進変位ではなく回転変位するという点を除いて、筆記具4と同じである。この回転変位のために、筆記具91は、先端部12の並進運動を永久磁石42の回転運動に変換することができる変換機構92を備えている。そのような変換を行うことができる多くの変換機構が公知である。単なる一例として、変換機構92は、次のものを有している場合がある。
− 筆記具91のボディ8の内部に位置している側の、先端部12の端に、何らの自由度なしに固定され、長手方向軸10に沿って延在している歯板94と、
− 歯板94の並進変位によって回転駆動される歯付きホイール96。
この実施形態においては、永久磁石42は、何らの自由度なしに歯付きホイール96に固定されている。前述の実施形態の筆記具4と同様に、筆記具91は、先端部12を、その突出位置をとるように絶えず付勢している復帰手段98を有している。一例として、この実施形態においても、復帰手段98は、ばねによって構成されている。
歯付きホイール96が回転すると、永久磁石42の磁気モーメントの向きも回転する。したがって、永久磁石54の磁気モーメントの向きに相対的な、永久磁石42の磁気モーメントの向きは、先端部12に及ぼされている圧力を表わす。一例として、この相対的な向きは、永久磁石42の磁気モーメントの向きと、永久磁石54の磁気モーメントの向きとの間の角度θによって与えられる。
筆記具91を用いてマークを追跡するシステムの動作は、先端部12に及ぼされる圧力を表わす値として、距離dではなく、角度θを計算して用いるように、ステップ72および74が適合化されているという点を除いて、図4を参照して説明したシステムの動作と同じである。
一例として、ステップ62において、角度θの各値を、角度θの初期値と、角度θのその時点で計算された値との差を表わす値Pに変換させる表が、メモリ34によって記憶される。永久磁石42が、1回転以上回転する場合には、角度θは、360°を超過する。このような場合には、処理ユニット30は、360°から0°への、角度θの急激な推移を検知して、なされた回転数を数えることができるようにプログラムされている。
ステップ72において、測定された2つの磁気モーメントの互いの向きの間の角度θの値が計算され、次いで、ステップ74において、ステップ62において記憶された表を用いて、角度θの値が値Pに変換される。この実施形態において、永久磁石42の中心が、長手方向軸10からずれている場合には、長手方向軸10が、位置Pおよび位置P’を通っていると考えることによって、長手方向軸10の方向および位置を特定することができる。位置P’は、位置Pを、永久磁石54の磁気モーメントの向きに平行な方向に沿って、あらかじめ定められた値だけずらすことによって、位置Pから自動的に導き出される。したがって、これには、永久磁石54の磁気モーメントの向きが用いられる。
図6は、永久磁石42および54が、先端部12を、その突出位置をとるように付勢するための復帰手段を構成するためにも用いられているという点を除いて、筆記具4と同じ筆記具110を示している。
一例として、永久磁石54は、停止端48に突き当たるように、何らの自由度なしに、ガイド44の内部に取り付けられている。永久磁石54の磁気モーメントは、永久磁石42の磁気モーメントに平行であるが、逆向きである。したがって、永久磁石42と54との対向し合う2つの極は同じ極性を有しており、互いに反発し合う。これによって、先端部12を、その突出位置をとるように絶えず付勢することができる。
この実施形態において、永久磁石42および54の磁気モーメントの方向がともに、長手方向軸10と一致する場合には、筆記具110の回転角度は、例えばその特定が先端部12の形状のせいで必ずしも必要でなければ、特定されないか、またはその特定が必要であれば、前述の手段以外の手段を用いて特定される。
多数の他の実施形態が可能である。一例として、筆記具のボディの内部または外部に、1つ以上の永久磁石を収容することができる。
先端部12を、その突出位置に復帰させるための復帰手段は、エラストマ材料から成るブロック、または先端部12の変位に応じた力で、先端部12を、その突出位置をとるように絶えず付勢することができる、任意の他の手段を用いて作ることもできる。
図6の実施形態の場合には、永久磁石42および54で、先端部12のための復帰手段を構成するという目的のためには、永久磁石42の磁気モーメントの方向と、永久磁石54の磁気モーメントの方向とを含む平面上で、それらの2つの方向の間の角度は、0°である必要はない。例えば一変形例として、2つの永久磁石42と54との磁気モーメントの方向の間の角度の最小値が、1°〜20°の範囲になるように、2つの永久磁石42と54のうちの一方の磁気モーメントの方向が、他方の磁気モーメントの方向に相対的に傾けられる。2つの磁気モーメントの方向の間の角度が、このように小さいから、2つの永久磁石42と54とで対向し合う極を、同極性に維持することができ、したがって、先端部12を、その突出位置をとるように絶えず付勢することができるほどに十分な斥力を得ることができる。同時に、永久磁石42と54との磁気モーメントの2つの方向の間の角度が0°ではないから、筆記具の回転角度を特定することもできる。この特定を可能にするために、永久磁石42と54との磁気モーメントの2つの方向の間の角度の最小値は、5°を超過、または10°を超過するように選ぶことが好ましい。
復帰手段は、復帰力を、永久磁石42を介してではなく、先端部12に直接及ぼすように適合化されている場合もある。
一変形例として、永久磁石42と54とを隔てている距離の最小値は、2つの3軸磁力計Mijを隔てている最小の距離d未満である場合がある。一例として、3軸磁力計Mijによる測定結果と、磁気双極子の位置/向きとの関係を定式化する連立方程式に、永久磁石42、54同士の相対位置に関する、あらかじめ記憶されている情報または制約が用いられる場合には、永久磁石42と54との間の距離を、短くすることがある。一例として、永久磁石42および54の磁気モーメントの大きさは既知であり、あらかじめ記憶されているデータ項目である場合がある。角度θが既知の定数であるという制約を置くことも可能である。永久磁石42と54との間の距離は、例えば(d/3)〜dの範囲、または(d/2)〜dの範囲にある場合がある。
一変形例として、永久磁石42と54との磁気モーメントが互いに平行でない場合には、先端部12は、必ずしも筆記具の長手方向軸上に位置していない。一例として、先端部12は、筆記具の長手方向軸と平行な、先端部自身の長手方向軸に沿って延在している。2つの長手方向軸の間の距離が分かりさえすれば、筆記具の回転角度を特定することができるから、永久磁石42および54の位置から、先端部12の位置を正確に特定することができる。
例えば先端部12が、長手方向軸10を軸とする回転対称性を有している場合には、回転角度αを計算するステップ86を省略することができる。
先端部12に及ぼされている圧力を表わす値を用いる別の解法がある。一例として、永久磁石42と54との間の初期の距離dと、その時点の距離dとの差を用いるのではなく、値Pと測定される各距離dとを関連付ける、あらかじめ記憶されている表を用いることが可能である。さらに、距離dから値Pを計算するために、無加圧時の剛性や長さなどの、例えばばねである復帰手段50のあらかじめ記憶されている特性を用いることが可能である。
一変形例として、マークの追跡の制御または完遂のために、距離dの値Pへの変換が必要でない場合もある。一例として、あらかじめ記憶されている表において、マークの線幅または明るさに対する値が、距離dの各値と関連付けられている。その場合には、ステップ88において、追跡された先端部の位置に組み合わされる線幅が、値Pの計算を要せずに、この表から直接特定される。同様に、接触点の存在の検出のために、測定された距離dを、あらかじめ記憶されている閾値Sと直接比較することができる。測定された距離dが、閾値Sを超過していると、接触点の存在が検出される。
同様に、角度θの値が、圧力を表わす物理量として用いられる場合には、処理ユニット30は、並進変位の場合に用いた関係式と類似の関係式:P=(θ−θ)/(θmax−θ)を用いることができる。この関係式において、
− θは、先端部12に圧力が及ぼされていないときの角度θの値であり、
− θmaxは、筆記具91の通常の使用において得ることができる、角度θの最大値である。
先端部12の並進変位を、永久磁石42の回転変位に変換するための,別の変換機構が可能である。一例として、連接棒を、この変換に用いることができる。
同様に、先端部12の並進変位を、永久磁石42の、並進と回転を同時に行う変位に変換することができる変換機構を用いることが可能である。この場合には、距離dと角度θとの両方を、先端部12に及ぼされている圧力を表わす物理量として用いることができる。
先端部12が変位するときに、ボディ8と相対的に、永久磁石42と54との両方を変位させる機構を、筆記具に組み込むこともできる。
距離dおよび角度θは、先端部12に及ぼされている圧力に比例して変化することが好ましい。しかしながら、一変形例として、先端部12に及ぼされている圧力と、距離dまたは角度θとの間に全単射関係があることしか保証しない機構によって、永久磁石42と先端部12とを接続することが可能である。この場合には、圧力を表わす物理量として用いられる距離dまたは角度θは、先端部12に及ぼされている圧力に、必ずしも比例せずに変化する。
一変形例として、単一の筆記具が、1mmを超過する距離だけ、互いに隔たっている3つ以上の永久磁石を備えている。追加された永久磁石は、先端部12によって変位させられる永久磁石か、または何らの自由度なしに筆記具の本体に固定されている永久磁石である。
書き込み媒体は、厚紙または布である場合がある。別の一実施形態において、書き込み媒体は、平板20によって構成されている。この例において、筆記具によって、有色の液体が付着させられる場合には、有色の液体は、平板20の支持前面22上に直接付着させられる。一例として、平板20は描画用ボード、壁状ブロック、または板ガラスである。
磁力計網の総面積が十分に広い場合には、システム2に、同時に複数の筆記具が備えられる場合がある。この場合には、上述の追跡方法が、全筆記具に対して、並行して適用される。これによって、一例として、複数のユーザが、同一の書き込み媒体上に同時に書き込んでいるマークの追跡を行うことが可能になる。
筆記具内に位置している磁性体の位置、および/または向きを特定するための、別のいくつかのアルゴリズムも存在する。一例として、特許文献4に開示されている方法を用いることができる。しかしながら、そのような別のアルゴリズムとして、必ずしもカルマンフィルタが用いられるわけではない。一例として、特許文献5または特許文献6に開示されている方法が存在する。
カルマンフィルタを構築するために用いられる方法は、4次またはより高次の近似的である場合がある。すなわち、電磁方程式が、双極子近似に対応する次数より高次の次数で近似されている場合がある。
磁力計網中の磁力計は、必ず列および行に配置されるわけではない。磁力計は、別のパターンに配列される場合もある。一例として、磁力計は、二次元のメッシュ型トポロジーにおける三角形メッシュや、六角形メッシュの各頂点に配置される。
磁力計は、互いに無秩序に、または不規則に配置される場合もある。したがって、磁力計網中の、直接に連続する2つの磁力計間の距離は、直接に連続する2つの磁力計から成るペアの全てにおいて、必ずしも等しいわけではない。一例として、磁力計網内の与えられた領域における磁力計密度が、他の領域における磁力計密度より高い場合がある。与えられた領域における磁力計密度を高くすることによって、その領域における測定精度を上げることができる。さらに、エッジ効果の低減のために、磁力計網の周縁部に、磁力計密度の高い領域を配置することが考えられる。一例として、磁力計網に、磁力計が存在しない中央領域が設けられる場合がある。この場合には、磁力計は、中央領域の周縁にしか分散配置されておらず、中央領域を囲み、かつ中央領域を画定している、環状の磁力計群を形成している。典型的には、この環の幅は、同じ方向に測定した、中央領域の幅より確実に狭い。
ステップ70〜90の実行は、磁界を測定するステップ66および測定結果を得るステップ68の直後である必要はない。ステップ70〜90を、ステップ66および68の直後ではなく、あらかじめ記憶されているデータに基づいて実行することができる。
先端部12に及ぼされている圧力を表わす物理量の値を、接触点の存在の検出のためだけに用いることができる。この場合には、ステップ88は省略される。対照的に、接触点の位置が記憶された時点で、先端部に及ぼされている圧力に関連する情報を加えることによって、接触点の位置に関わるデータの収集を終えるためだけに、この物理量の値を用いることができる。この場合には、接触点は、別途に検出される。
一変形例として、支持前面22は、必ずしも平坦ではなく、例えば湾曲しているか、または球面状である場合がある。
別の一実施形態においては、筆記具は、書き込み媒体上に、有色の液体または固体を付着させない。一例として、筆記具はスタイラスである。しかしながら、この実施形態においても、システム2は、スタイラスを用いて描かれていくマークを追跡することができる。この場合には、システム2は、マークが追跡されるにつれて、追跡されたマークを、理想的には実時間で、例えばスクリーン上に表わすことを可能にするマンマシンインターフェイスを備えていることが好ましい。この場合には、平板20は、例えば追跡されたマークが実時間で表示されるスクリーンである。
筆記具に特定して行った上述の説明の全ては、書き込み媒体上に、消去具によって描かれていくマークを追跡する場合にも、同様に適用することができる。消去具は、ゴム製である場合もあるし、化学物質の付着により行わせる場合もある。筆記具の場合と同様に、消去具も、単純なスタイラスである場合がある。消去具がスタイラスであれば、スタイラスは、書き込み媒体上に物理的に付着している有色の液体または固体に、いかなる作用も及ぼすことなく、システム2によって追跡されたマークの一部分だけを消去することができる。筆記具とは異なり、消去具の先端部が書き込み媒体に接触すると、筆記具の先端部によって描かれたマークに対して追跡された位置のうちの、消去具の先端部によって描かれたマークに対して追跡された位置と同じ位置のマークが、メモリ34内で消去される。別の一実施形態においては、消去具の先端部と書き込み媒体とが接触すると、筆記具の先端部によって描かれたマークに対して追跡された位置のうち、消去具の先端部によって描かれたマークに対して追跡された位置のまわりの、あらかじめ定められた大きさの領域内に含まれる位置と同じ位置のマークを、メモリ34内で消去させる。一例として、あらかじめ定められた大きさの領域の大きさは、消去具の先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値に基づいて調整される。この消去具は、筆記具によって描かれ、システム2を用いて、または他のシステム(例えば従来のシステム)を用いて追跡されたマークを消去するために用いることができる。
一変形例として、書き込み媒体6と先端部12との接触点の位置は、3軸磁力計Mij以外のセンサを用いて追跡される。一例として、カメラ、およびこのカメラによって撮影された画像から、先端部と書き込み媒体との接触点の位置を特定するようにプログラムされている画像処理ユニットが用いられる。この場合には、3軸磁力計Mijは、先端部12に及ぼされている圧力を表わす物理量の値を計算するためだけに用いられる。
2 システム
4 筆記具
6 書き込み媒体
8 ボディ
10 長手方向軸
12 先端部
14 上面
15 下面
16 決定装置
20 平板
22 支持前面
24 背面
28 バス
30 処理ユニット
32 電子コンピュータ
34 メモリ
40 孔
42 磁性体(永久磁石)
44 ガイド
46、48 停止端
50、98 復帰手段
52、54 永久磁石
60〜90 ステップ
91 筆記具
92 変換機構
94 歯板
96 歯付きホイール
110 筆記具

Claims (12)

  1. 書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡するシステムであって、
    − 筆記具と消去具とからなるグループから選ばれたツール(4、91、110)であって、
    ・ ユーザの手で前記ツールを握るための手段を構成しているボディ(8)、
    ・ 追跡される前記マークを描くようになっており、前記書き込み媒体上に押し当てられたときに、前記書き込み媒体からの反力の作用を受けて、突出位置と、この突出位置におけるよりも前記ボディ(8)の内部に押し込まれている後退位置との間で変位可能である先端部(12)、
    ・ 前記先端部を、前記突出位置をとるように絶えず付勢している復帰手段(50)、および
    ・ 空間的に互いに分離されている第1および第2の永久磁石(42、54)であって、第1の永久磁石は、前記先端部が前記突出位置と前記後退位置との間で変位するときに、第2の永久磁石と相対的に並進変位または回転変位するように、前記先端部に物理的に組み合わされている第1および第2の永久磁石を備えているツールと、
    − 描かれていく前記マークを追跡するために、前記先端部と前記書き込み媒体との接触点の位置を連続的に記憶することができ、またこの記憶の制御または完遂のために、前記ツールの先端部に及ぼされている圧力をあらわす物理量の値を用いることができる特定装置(16)とを備えているシステムにおいて、
    前記装置は、
    − Nを5以上の整数であるとしたときに、各々の間の距離があらかじめ定められた値のままに保たれるように、何らの自由度もなしに、物理的に互いに組み合わされているN個の3軸磁力計(Mij)を有する磁力計網と、
    − 電子コンピュータ(32)であって、
    ・ 前記磁力計網中の各3軸磁力計からの測定結果と、前記第1および第2の永久磁石の位置、および前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きとの関係を定式化している、あらかじめ定められた連立方程式を、前記N個の3軸磁力計からの測定結果を用いて解くことによって、前記第1および第2の永久磁石の位置、および前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きを特定するステップa)、および
    ・ ステップa)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の位置から、前記第2の永久磁石の位置に対する前記第1の永久磁石の相対的な位置を計算し、および/またはステップa)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きから、前記第2の永久磁石の磁気モーメントの向きに対する前記第1の永久磁石の磁気モーメントの相対的な向きを計算するステップであって、その後に、計算された相対的な位置、および/または向きを、前記装置が、前記先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値として用いるステップb)を遂行するようにプログラムされている電子コンピュータ(32)とを備えていることを特徴とするシステム。
  2. 前記電子コンピュータ(32)は、さらに、ステップa)において特定された、前記第1の永久磁石の位置、および前記第1の永久磁石の磁気モーメントの向きから、前記接触点として記憶すべき位置を特定するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
  3. − 前記ツールは、前記先端部の作用を受けて変位可能である永久磁石(42)のために、前記ツールの本体に何らの自由度もなしに固定されているガイド(44)を備えており、このガイドは、前記先端部が変位するときに、前記変位可能である永久磁石(42)の位置が、前記先端部と、前記変位可能である永久磁石(42)以外の永久磁石(54)の位置とを通る、前記ツールの長手方向軸(10)上に保たれるように、前記変位可能である永久磁石(42)の変位を案内することができ、
    − 前記電子コンピュータは、ステップa)において特定された位置から、前記書き込み媒体に相対的な、前記ツールの傾きを特定し、特定された該傾きに基づいて、前記マークの追跡を制御するようにプログラムされている、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記第1の永久磁石(42)の磁気モーメントの向きと、前記第2の永久磁石(54)の磁気モーメントの向きとは、それらの2つの向きを含む平面において、5°を超え、かつ175°未満である角度ずれを常に有しており、前記電子コンピュータ(32)は、前記磁力計網中の磁力計からの測定結果に基づいて、前記ツールの長手方向軸(10)のまわりの、前記ツールの回転角度を特定し、該回転角度に基づいて、前記マークの追跡を制御するようにプログラムされている、請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のシステムのための、筆記具と消去具とからなるグループから選ばれたツールであって、
    − ユーザの手で前記ツールを握るための手段を構成しているボディ(8)と、
    − 追跡されるマークを描くように適合化されており、書き込み媒体上に押し当てられたときに、該書き込み媒体からの反力の作用を受けて、突出位置と、該突出位置におけるよりも前記本体の内部に押し込まれている後退位置との間で変位可能である先端部(12)と、
    − 前記先端部を、前記突出位置をとるように絶えず付勢している復帰手段(50)と、
    − 空間的に互いに分離されている第1および第2の永久磁石(42、54)であって、第1の永久磁石は、前記突出位置と前記後退位置との間の、前記先端部の変位に比例して、該第2の永久磁石に相対的に並進変位または回転変位するように、前記先端部に物理的に組み合わされている第1および第2の永久磁石とを備えているツールにおいて、
    前記第2の永久磁石(54)は、前記先端部の位置に無関係に、少なくとも1mmの距離だけ、前記第1の永久磁石から常に隔たるように、前記ツール内に配置されていることを特徴とするツール。
  6. 前記復帰手段に、
    − 前記第1の永久磁石(42)であって、前記第2の永久磁石に対向している第1の極を有している前記第1の永久磁石と、
    − 前記第2の永久磁石(54)であって、前記第2の永久磁石の第1の極は、前記第1の永久磁石の第1の極に対向しており、前記第1の永久磁石の第1の極と、前記第2の永久磁石の第1の極とは同極性を有しており、前記第1の永久磁石の磁気モーメントの向きと、前記第2の永久磁石の磁気モーメントの向きとの間の角度の最小値は20°未満である前記第2の永久磁石と、
    − 前記先端部が、前記突出位置から前記後退位置に変位するときに、前記第1の永久磁石の第1の極が、前記第2の永久磁石の第1の極に接近するように、前記第1の永久磁石の変位を案内することができるガイド(44)とが含まれている、請求項5に記載のツール。
  7. 前記第1の永久磁石(42)の磁気モーメントの向きと、前記第2の永久磁石(54)の磁気モーメントの向きとは、それらの2つの向きを含む平面において、5°を超過し、かつ175°未満である角度ずれを常に有している、請求項5または6に記載のツール。
  8. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のシステムのための、ツールの先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量を特定する装置であって、
    − Nを5以上の整数であるとしたときに、各々の間の距離があらかじめ定められた値のままに保たれるように、何らの自由度もなしに、物理的に互いに組み合わされているN個の3軸磁力計(Mij)を有する磁力計網と、
    − 電子コンピュータ(32)であって、
    ・ 前記磁力計網中の各3軸磁力計からの測定結果と、第1および第2の永久磁石の位置、および該第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きとの関係を定式化している、あらかじめ定められた連立方程式を、前記N個の3軸磁力計からの測定結果を用いて解くことによって、前記第1および第2の永久磁石の位置、および前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きを特定するステップa)、
    ・ ステップa)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の位置から、前記第2の永久磁石の位置に対する前記第1の永久磁石の相対的な位置を計算する、および/またはステップa)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きから、前記第2の永久磁石の磁気モーメントの向きに対する前記第1の永久磁石の磁気モーメントの相対的な向きを計算するステップb)、および
    ・ 前記先端部と書き込み媒体との接触点の位置の連続的な記憶の制御または完遂のために、前記計算された相対的な位置および/または相対的な向きを、前記先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値として用いるステップc)を遂行するようにプログラムされている電子コンピュータ(32)とを備えていることを特徴とする装置。
  9. 筆記具と消去具とからなるグループから選ばれたツールによって書き込み媒体上に描かれていくマークを追跡する方法であって、
    − ユーザの手で前記ツールを握るための手段を構成している本体と、
    − 追跡される前記マークを、前記書き込み媒体上に描くように適合化されており、前記書き込み媒体上に押し当てられたときに、前記書き込み媒体からの反力の作用を受けて、突出位置と、該突出位置におけるよりも前記本体の内部に押し込まれている後退位置との間で変位可能である先端部と、
    − 前記先端部を、前記突出位置をとるように絶えず付勢している復帰手段と、
    − 空間的に互いに分離されている第1および第2の永久磁石であって、該第1の永久磁石は、前記先端部が前記突出位置と前記後退位置との間で変位するときに、該第2の永久磁石に相対的に並進変位または回転変位するように、前記先端部に物理的に組み合わされている第1および第2の永久磁石とを備えており、かつ
    前記方法は、
    − 描かれていく前記マークを追跡するために、前記先端部と前記書き込み媒体との接触点の位置の連続的な記憶を行うステップa)(84)と、
    − 前記記憶の制御または完遂のために、前記ツールの先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値を用いるステップb)(76、80、88)とを含んでいる方法において、
    − Nを5以上の整数であるとしたときに、各々の間の距離があらかじめ定められた値のままに保たれるように、何らの自由度もなしに、物理的に互いに組み合わされているN個の3軸磁力計を有する磁力計網中の各3軸磁力計によって、前記第1および第2の永久磁石の磁界を測定するステップc)(66)と、
    − 前記磁力計網中の各3軸磁力計からの測定結果と、前記第1および第2の永久磁石の位置、および前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きとの関係を定式化している、あらかじめ定められた連立方程式を、前記N個の3軸磁力計からの測定結果を用いて解くことによって、前記第1および第2の永久磁石の位置、および前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きを特定するステップd)(70)と、
    − ステップd)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の位置から、前記第2の永久磁石の位置に対する前記第1の永久磁石の相対的な位置を計算し、および/またはステップd)において特定された、前記第1および第2の永久磁石の磁気モーメントの向きから、前記第2の永久磁石の磁気モーメントの向きに対する前記第1の永久磁石の磁気モーメントの相対的な向きを計算するステップであって、その後に、該計算された相対的な位置、および/または向きを、ステップb)において、前記先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値として用いるステップe)(72)とを含むことを特徴とする方法。
  10. ステップb)は、
    − 前記先端部に及ぼされている圧力を表わす物理量の値と、あらかじめ定められている接触閾値とを比較するステップ(76)と、
    − 前記物理量の値が、前記接触閾値以上である場合には、前記先端部と前記書き込み媒体との接触点の存在が検出され、前記物理量の値が、前記接触閾値未満である場合には、前記先端部と前記書き込み媒体との接触点の存在が検出されないステップ(80)と、
    − 前記接触点の存在が検出されたときのみ、前記マークを追跡するために、前記接触点の位置を記憶するように制御するステップ(84)とを含む、請求項9に記載の方法。
  11. ステップb)は、前記先端部に及ぼされた圧力を表わす物理量の値に基づいて、追跡されたマークの線幅を調整する、または前記先端部に及ぼされた圧力を表わす物理量の値に基づいて、追跡されたマークの明るさまたは透明度を調整するステップ(90)を含んでいる、請求項9または10に記載の方法。
  12. 電子コンピュータによって実行されたときに、請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法のステップd)およびe)の遂行を命じる命令を記憶していることを特徴とする情報記憶媒体(34)。
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