JP6304903B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシン(回胴式遊技機)やパチンコ機などの遊技機に関し、特に、楽曲、効果音、キャラクターボイスなどの演出に係る音響(音声)を発生するための音響制御部(サウンドチップ)を搭載するものに関する。
外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組み合わせによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
遊技者の興趣を高める役割を担うデバイスとして、液晶表示装置や演出用表示ランプ(電飾)や、音響発生装置(サウンド装置、スピーカ)などさまざまな演出デバイスが遊技機には設けられている。また、可動部を備え、当該可動部の動きにより演出を行う可動役物(可動体)が設けられることもある。なお、以下の説明において、液晶表示装置、電飾、音響発生装置そのもののみならずそれらの制御装置を含めて「演出デバイス」と表記することがある。
特開2005-148210号公報 遊技機用の音声を生成するための生成装置において、音声分割部は原音声データを分割し、音声再生装置において音声データが時系列的に合成が可能となっており、繰り返し再生部分を指示することによって、音声データの繰り返し再生を行うのに好適な音声データを得るもの(この生成装置は、遊技機に備えられる装置ではなく、遊技機の繰り返し再生部分を含む音声を生成するための「支援装置」である)。
遊技機は、スピーカ(音響装置)から音響を発生させるための音響制御部(サウンドチップ(IC))を備える。これは、例えばひとつ又は複数のICで構成されるものであり、遊技機の基板(サブ基板)に搭載されるか、あるいはスピーカ基板に搭載されてサブ基板から信号を受けて処理を行う。音響制御部は、サブ基板の処理部(CPU)と一体に構成されることもある。スピーカは音響制御部により制御ないし駆動される。音響制御部は、予め記憶された音響のデータ(サウンドフレーズ、フレーズデータ)をデコードすることで音響(音声)を再生するものである。
再生される音響(音声)には、イントロやサビなどの複数の部分からなるものがある。複数の部分それぞれに対応して音響データが作成されるが、音響(音声)は一体として(つまり隙間なく)再生されるので、複数の音響データがひとつの楽曲(音声)としてまとめられることがある。
他方、このようにまとめられたひとつの楽曲(音声)について、状況に応じて異なる態様(例えば当該楽曲(音声)の再生の繰り返しの有無)で再生されることがあり、音響制御部はそのような機能を備えることがある。繰り返しの有無は、音響制御部に所定の命令(ループ再生設定)を与えることで設定する。
例えば、図9(a)のようにひとつの楽曲(音声)がイントロ部とループ部から構成されている場合を考える。このようにまとめられた楽曲(音声)は、ひとつの音声再生命令で両方が再生される(図9(b))。他方、遊技機の演出において、イントロ部は楽曲(音声)の導入部であり一度しか再生しないが、イントロ部に続くループ部は所定回数あるいは停止命令を受けるまでの間に繰り返し再生するように意図することがある。要するに、遊技機の音響再生に関して、「イントロ部」と「ループ部」で構成される楽曲(音声)を再生させる場合に、「ループ部」のみをループ再生したいという場面が存在する。これを実現するために、当該楽曲(音声)に音響(音声)再生命令とともにループ再生設定を行うと、当該楽曲(音声)全体、つまり「イントロ部」と「ループ部」の両方が繰り返されてしまい、意図する再生態様にはならないという問題があった(図9(c))。
この発明は、上記課題に鑑みなされたもので、複数の音響データからなる音響についてその一部のみを繰り返し再生することができる遊技機を提供することを目的とする。
この発明は、演出に係る処理を行う処理部と、演出に係る音響を発生する音響装置と、前記処理部からの命令に基づき前記音響装置を制御する音響制御部とを備える遊技機において、
予め定められた第1音響データ及び第2音響データを記憶する音響データ記憶部と、
少なくとも、前記音響装置から所定の音響を発生させるための音声再生命令及び前記音響の発生を繰り返すためのループ再生設定命令を予め記憶する命令記憶部と、
前記命令記憶部から命令を読み出して前記音響制御部へ出力する命令選択部と、
前記ループ再生設定命令を前記音響制御部へ与えるタイミングを発生するタイミング発生部とを備え、
前記命令選択部は、前記音響装置から前記第1音響データに基づく第1音響と前記第2音響データに基づく第2音響を順番に発生させるように前記音響制御部へ前記音声再生命令を出力し、
前記タイミング発生部は、前記第1音響の再生が終了した後であって、前記第2音響の再生中において前記タイミングを発生し、
前記命令選択部は、前記タイミングに基づき前記第2音響を繰り返し発生させるように前記音響制御部へ前記ループ再生設定命令を出力する、ものである。
例えば、前記タイミング発生部は、前記前記第1音響の再生開始から計時を始め、予め定められた時間を計時したときに前記タイミングを発生する。
例えば、第1音響データ及び第2音響データは、前記第1音響と前記第2音響が隙間なく順番に再生されるようにグループ化されている。
この発明によれば、前記タイミング発生部は、前記第1音響の再生が終了した後であって、前記第2音響の再生中において前記タイミングを発生し、前記命令選択部は、前記タイミングに基づき前記第2音響を繰り返し発生させるように前記音響制御部へ前記ループ再生設定命令を出力するので、前記第1音響の再生を繰り返すことなく、前記第2音響を繰り返し再生させることができる。
前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 スロットマシンのブロック図である。 スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。 発明の実施の形態に係る遊技機の音響発生系統のブロック図である。 遊技機の音響制御部のブロック図である。 発明の実施の形態に係る音声再生制御処理のフローチャートである。 発明の実施の形態に係る音声再生制御処理の他のフローチャートである。 発明の実施の形態に係る音声再生制御処理の動作説明図である。
<遊技機の構造>
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、以下の説明において、上、下、左又は右の方向は、特に断らない限り、スロットマシンに対向している遊技者から見た方向を指すものとする。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、スロットマシン筐体120と、このスロットマシン筐体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前扉130は、それぞれ独立に開閉可能な上扉130Uと下扉130Lとを備えている。
前記前扉130の前面の右上隅には、ゲーム表示部131を設けている。遊技者はゲーム表示部131を通してリールユニット203の3つのリールを見ることができる。
上扉130Uの上面の右側に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の左側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133を設けている。
下扉130Lの上面の左側にはゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設け、スタートスイッチ134とメダル投入口132の間に、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けている。
上扉130Uの中央には液晶パネルLCD1を設け、下扉130Lにはほぼその全面にわたって液晶パネルLCD2を設けている。
下扉130Lの上面の中央、すなわち、ストップボタン140の上、ベットスイッチBETとメダル投入口132の間には、操作部としてのスイッチ(十字キーユニット)SWを設けている。スイッチSWは、例えばカーソルを上下左右に動かすカーソルキー(スイッチ)や操作の確定ボタン・キャンセルボタンなどを含む。
スロットマシン100の左右端にはそれぞれ電飾DRU、DRL、DLU、DLLを設けている。すなわち、上扉130Uの左端に電飾DLUを設け、右端に電飾DRUを設けるとともに、下扉130Lの左端に電飾DLLを設け、右端に電飾DRLを設けている。電飾DRU、DRL、DLU、DLLは、それぞれその内部に発光素子(LED)を備えている。
スロットマシン筐体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを下扉130Lの前面下部に設けた払出し口に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に多数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン筐体120の内部には、上扉130Uを閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205を設けている。
図2に示すように、下扉130Lの背面にはメダル(コイン)セレクタ1が、下扉130L上面のメダル投入口132の下部に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って下扉130L下部の払出し口に連通する導出路136を設けている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口から遊技者に返却される。
スロットマシン筐体120の内部、リールユニット203の下側にはメイン基板10が取り付けられている。メイン基板10には、遊技に関する内部設定(例えば、複数の抽選テーブルのどれを使用するか)を行うための設定変更スイッチSSWを設けている。上扉130Uの背面中央下部にはサブ基板20が取り付けられている。
スロットマシン筐体120の内部の左上隅には低音スピーカSPLを設けるとともに、下扉130Lの下部には標準的な音域をカバーする2つのスピーカSPを設けている。
図3はスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図3では示していないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部(図2の電源部205)を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。メイン基板10やサブ基板を含む基板は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。具体的には、メイン基板10とサブ基板20はカシメにより一体となり取り付けられるとともに、メイン基板10とサブ基板20の全体を覆う一体のケースによりカバーされている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。サブ基板20は、演出に用いる乱数を発生する手段を備えている。
以下、メイン基板とサブ基板について詳しく説明する。
<メイン基板>
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リール(回胴)ユニット203、設定変更スイッチSSW、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2を設けている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に取り付けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
回胴制御手段1300は、回胴40a〜40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(図示しないインデックスによって特定されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップボタン140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a〜40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定してもよく、通常状態およびボーナス成立状態及びボーナス状態では規定投入数を3枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップボタン140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
抽選テーブル選択処理により、抽選の内容は所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。この設定作業で使用するスイッチが設定変更スイッチSSWである。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
従来、例えばスロットマシンのような遊技機では、設定値(通常1〜6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、メイン基板10に設けられた設定変更スイッチSSWのキースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更スイッチSSWの設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1〜6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。滑りコマ数とは、回胴停止時にゲーム表示部から視認できる特定の図柄を基準位置としたときのストップボタン140の操作から対応する回胴の回転停止までの間に当該基準位置を通過する図柄の数をいう。回胴制御手段1300は、各ストップボタン140の操作から190ms以内という条件下で各回胴を停止させるため、滑りコマ数は0以上4以下の範囲内となっている(ただし、80回転/分、図柄数=21個の条件において)。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
前述のように、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップボタン140の操作によって回胴を停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。
エラー処理部1700は、図示しない扉開閉検知センサ、メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82の出力に基づき遊技機のエラー判定を行い、エラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(例えば、操作を受け付けない状態)にする。
図示しない扉開閉検知センサは、前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたことを検知するセンサであり、例えばマイクロスイッチや接点などの電気的スイッチである。当該スイッチは前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたときに、前扉130(上扉130U、下扉130L)の裏側にスイッチの作用部が当接することでオン(又はオフ)になり、前扉130(上扉130U、下扉130L)が開放されると作用部が離れてオフ(又はオン)になるものである。扉開閉検知センサは、フォトインタラプタのような光学式のものでもよい。メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82については前述した。
エラー処理部1700は、具体的には次のような動作を行う。
・図示しない扉開閉検知センサの出力に基づき前扉130(上扉130U、下扉130L)の開放を検知したとき、エラー処理を行う。
・メダルセンサS1及びS2の出力に基づきメダルの逆流(センサS1とS2の検知順序が反対になったこと)、メダル滞留(センサS1とS2の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)などを検知したとき、エラー処理を行う。
・メダル検出部82の出力に基づきメダル詰まり(メダル検出部82の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)、ホッパーエンプティ(ホッパ駆動部80を動作させているにもかかわらずメダル検出部82がメダルを検知しない)などを検知したとき、エラー処理を行う。
エラー処理部1700は、上記のようにエラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(エラー状態)にするが、この状態は図示しないリセットスイッチにより解除される。リセットスイッチは、例えば電源部205のパネルに設けられる。
なお、サブ基板20で生じるエラーもある。このエラーでは遊技不能状態にはならないが、サブ基板20自身の処理によりエラーが生じたことを液晶表示装置などにより報知することができる。当該エラーは例えば不正なコマンドを受信したとき(暗号化されたコマンドが正しく復号化できなかったときを含む)に発生し、当該エラーは上記リセットスイッチにより解除される(メイン基板10からサブ基板20へリセットコマンドが送られる)。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンの回胴40a〜40cの駆動に関して、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
10CGは、サブ基板20へ送るコマンドを送信するコマンド送信部である。このコマンドには、当選役の情報に関するコマンド、メダル投入枚数やクレジット枚数(貯留枚数)の情報に関するコマンドなどがある。コマンド送信部10CGは、具体的には、メイン基板10に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。コマンド送信については、後に説明を加える。
<サブ基板>
サブ基板20には、液晶パネルLCD1及びLCD2、LED基板202B、202U及び202L、スピーカSP、低音スピーカSPL、ソレノイドSN、モータMU及びML、センサSENU及びSENL、スイッチSWが接続されている。LED基板202B、202L、202Uは、データを取得し保持するラッチと電飾であるLEDを内蔵している(LEDは基板の外部に設けられることもある)。これらの構成要素は、サブ基板20により制御されるものであり、映像、光、音響、可動体の動作により演出を行う出力装置、あるいは、可動体の動作を検知するための入力装置または遊技者による操作を受け付ける入力装置である。
図示は省略しているが、機種固有ブロックBB及び下扉ブロックBLには、液晶パネルLCD2を制御するためのビデオコントローラ(VDC)、スピーカSP、スピーカSPを駆動して音響を発生させるためのサウンドコントローラ、ソレノイドSN、モータMU及びMLを駆動するための駆動回路(図示しない)を内蔵している。
上述した液晶パネルなどの構成要素は、低音スピーカSPLを除き、スロットマシン筐体120に内蔵される機種固有ブロックBB、上扉130Uに対応して設けられる上扉ブロックBU、下扉130Lに対応して設けられる下扉ブロックBLの3つのいずれかに区別されて設けられる。
図3の例では、機種固有ブロックBBはソレノイドSN、スピーカSP及びLED基板202Bを含み、上扉ブロックBUは、液晶パネルLCD1、LED203U、モータMU及びこれによる可動体の動作を検知するセンサSENUを含み、下扉ブロックBLは、液晶パネルLCD2、スピーカSP、LED基板202L、モータML、モータMLによる可動体の動作を検知するセンサSENL、カーソルキーなどのスイッチSWを含む。なお、液晶パネルLCD2全体がモータMLにより若干前後に移動可能に構成され、液晶パネルLCD2が前に出た状態で遊技者がこれを押すという操作が可能な場合がある。この場合、下扉ブロックBLのスイッチSWは液晶パネルLCD2の押下を検知するスイッチを含む。
<メイン基板からサブ基板へのコマンド伝送>
サブ基板20はメイン基板10からコマンドをうけ、これに従って演出等の処理を行う。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに従い、例えば、予め定められた画面を液晶パネルLCD1、LCD2に表示させるためのコマンド(表示コマンド、描画コマンド)を発生させる。例えば、アニメーションなどにより演出を行う際には、多数のコマンドを連続的に次々と送信する。
図3において、20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信するコマンド受信部である。コマンド受信部20CRは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
上記コマンドとして、サブ基板20側のソフトウエアで当選内容を示唆する演出を行うためのものがある。例えば、下記ATのように、出玉を得るための示唆を液晶表示装置等の表示装置に表示して遊技者の操作の便宜の提供(アシスト)を図っている。当該示唆は常時出されるわけではなく、特定の場合に出される。なお、メイン基板からのコマンドに基づきサブ基板がATの表示(報知)を行う形態に限定されない。例えばメイン基板が、メイン基板の管理下にある表示器(報知手段)によりATの表示(報知)を行うこともある。以下の説明は、そのような形態についても適用される。
遊技機は、液晶表示装置、スピーカや表示ランプ等からなる演出表示装置を備える。この演出表示装置はサブ基板20により制御され、遊技者に入賞等を報知したり、いわゆるアシストタイム(AT)において、一定ゲーム間に特定の小役を遊技機自体が何らかのアクションを伴ってユーザに教えたりするためのものである。(アシストタイム(AT):特定の小役が当選しても遊技者がこの小役に対応する図柄組合せを入賞判定ライン上に揃えないと払い出しがない。小役による払い出しを確実にするために、ビッグボーナス終了後(もしくは当選時)あるいはその他の任意の契機にアシストタイムを抽選し、これに当選すると一定ゲーム間は特定の小役に対応する図柄組合せを入賞判定ライン上に揃えさせるための停止操作を何らかのアクションを伴って遊技者に教えるという機能)
コマンド受信部20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信する。例えば、シリアルデータとして受けたコマンドを直列−並列変換器(シフトレジスタ)に入力し、一定のデータ(例えば8ビット)ごとに出力する。この出力されたデータがコマンドとしてサブ基板20のCPUに渡され、解釈・実行される。
次に、メイン基板10における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する図柄組合せが有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞判定ライン上に揃った図柄組合せに相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5(a)は、発明の実施の形態に係る遊技機の音響発生系統のブロック図である。音響制御部SCは、これを制御する処理部CPUなどと区別して表示しているが、これらはサブ基板20に搭載されるICにCPUなどとともに一体に形成されることもある。
SCは、スピーカ(音響装置)SPから音響を発生させる音響制御部である。音響制御部SCは、命令に基づき所定の音響(音声、音楽、効果音など)をスピーカSPから出力させる。スピーカSPは、音響信号の増幅器を含むこともある。
音響制御部SCは電子回路を備えるものであり、ひとつ又は複数の半導体集積回路(IC)からなるサウンドチップと呼ばれるものである。音響制御部SCは、再生命令、停止命令、音量変化命令など複数の命令に従い、音響を再生する。サブ基板20は、音響制御部SCに対して、それらの命令を所定間隔空けて(例えば16.7ms単位で)送ることができる。
音響制御部SCは、例えば、サブ基板20の処理部CPUと一体に構成されている。なお、音響制御部SCは処理部CPUなどと別体に構成され、例えばスピーカ基板201に内蔵されるか、又は、サブ基板20に内蔵されることもある。
音声(音響)データ記憶部CP0は、再生する音声のデータ(音声データ)を予め記憶している。記憶されている音声データは、複数の音響データ(第1音響データと第2音響データ)を含み、それらが隙間なく順番に再生されるようにグループ化されているものである。この音声データは、例えば図9(a)に示す、イントロ部とループ部から構成されているひとつの音声(楽曲)を含む。音声(音響)データ記憶部CP0は、例えばサブ基板20に設けられているROMに設けられている。「隙間なく」再生されるとは、複数の異なる音声データが一体として再生されること、少なくとも遊技者にとって連続し一体として認識されるように再生されることである(例えば図9(b))。ひとつの音声データ(例えばイントロ部)とこれに続く他の音声データ(例えばループ部)がサウンドデータ記憶部SC1から連続して出力されることが「隙間なく」に該当するが、それらの出力の間に若干のインターバルが存在したとしても遊技者にとって連続し一体として認識されるときは「隙間なく」に該当する。また、音声データによっては無音部分を含むことがあるが、それは、上記「隙間なく」の認定に影響を与えない。
命令記憶部CP1は、遊技に係る所定の契機で実行され、スピーカ(音響装置)SPから所定の音響を発生させ、又は音響を停止させるための複数の命令を予め記憶する。命令記憶部CP1は、例えばサブ基板20に設けられているROMに設けられている。図5(b)は、特定コマンドテーブル20Sの内容を示す。
命令記憶部CP1に予め記憶されている命令(の一部)について説明を加える。以下の説明では「音声」という用語を使用するが、これは音声に限らず楽曲を含む音響全般を含むものである(音声を音響と読み替えてもよい)。
音声再生命令は、音声データ記憶部CP0に予め記憶された音声データのいずれかを指定して、当該音声データに基づき音声を再生する命令である。音声再生命令によりスピーカSPから当該音声が発生する。なお、当該音声が再生中に音声再生命令を発行すると、当該音声をその先頭から再度再生する。複数の異なる音声データが、一体として(つまり隙間なく)再生されるように、それらの音声データがひとつの楽曲(音声)としてまとめられることがある。この場合、ひとつの音声再生命令によりまとめられた複数の音声データが再生される(例えば図9(b))。
音声一時停止命令は、再生中の音声の再生を一時的に停止する。これを解除するには音声再生命令を使用する。音声再生命令により再生を(中断したところから)再開する。あるいは、音声一時停止命令により再生を再開するようにしてもよい。
音声停止命令は、再生中又は一時停止中の音声の再生を停止する。音声停止命令の後に音声生成命令を発行すると音声を最初から再生する。
ループ再生設定は再生終了後の動作を指定する命令であって、再生中の音声を繰り返すように設定する命令である。ループ再生設定は、停止されるまで、予め登録されている音声を繰り返し再生する。なお、回数及び/又は時間を指定して繰り返し再生を行うようにしてもよい。
命令選択部CP2は、命令記憶部CP1から命令を読み出して音響制御部SCへ出力する。命令選択部CP2は、ICなどのハードウエアあるいは処理部CPUが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。命令選択部CP2から音声再生命令を受けると音響制御部SCが音声データ記憶部CP0から所定の音声データを読み出して音声信号を発生する。図9(a)のようなイントロ部とループ部からなる音声データであれば、図9(b)のようにイントロ部(第1音響)とループ部(第2音響データ)を順番に発生させる。
タイミング発生部CP3は、命令記憶部CP1のループ再生設定命令を音響制御部SCへ与えるタイミングを発生する。タイミング発生部CP3は、タイマなどのハードウエアあるいは処理部CPUが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。
タイミング発生部CP3は、イントロ部(第1音響)の再生が終了した後であって、ループ部(第2音響)の再生中(図9(d)のt1とt2)においてタイミングを発生する。仮に、t1より前であるとイントロ部も繰り返されてしまう。t2より後であるとループ部の再生が終了しているのでループ再生設定は無効になる。
命令選択部CP2は、与えられたタイミングに基づきループ部(第2音響)を繰り返し発生させるように音響制御部SCへループ再生設定命令を出力する。これを受けて音響制御部SCはループ部(第2音響)を繰り返し発生する。
図6は、音響制御部SCの内部ブロック図である。
SC1は、少なくともひとつのサウンドデータ(例えばWAV)を予め記憶しているサウンドデータ記憶部である。なお、サウンドデータ記憶部SC1を、音響制御部SCの外部に設けるようにしてもよい。この場合、音響制御部SCとは別個独立の記憶部(ROM)を設け、これをサウンドデータ記憶部SC1とする。
SC2−1乃至SC2−4は、前記サウンドデータに基づきそれぞれ音響信号を発生する複数の再生部である。各再生部SC2−1乃至SC2−4が発生する音響信号は互いに異なるものである。
SC3は、前記複数の音響信号を合成してひとつの合成音響信号を出力する合成部である。図6は4つのレイヤーのサウンドデータを合成してひとつにする装置を示している。合成部SC3はデジタル回路又はアナログ回路で構成される。その入力がデジタル信号のときはデジタル回路、例えば加算器で構成される。その入力がアナログ信号のときはアナログ回路、例えば増幅器(演算増幅器による加算回路)で構成される。合成部SC3の出力はスピーカSPへ送られる。
SC4は、再生部SC2−1乃至SC2−4を制御する再生制御部である。
図7は、発明の実施の形態に係る音響再生制御処理のフローチャートである。図7は、ひとつのレイヤーについての処理を示しているが、この処理を複数のレイヤーに適用することもできる。
図7の処理は、イントロ部(第1音響データ)とループ部(第2音響データ)を含み、それらが隙間なく順番に再生されるようにグループ化されている音声データを対象としている。
ST12による再生処理(ワンタイム再生)は、図9(b)のようにグループ化されたイントロ部とループ部をこの順番で1回だけ再生する。
ST17及びST18による再生処理(全体ループ再生)は、図9(c)のようにグループ化されたイントロ部とループ部をこの順番及び組み合わせで繰り返し再生する。
ST13〜ST16による再生処理(部分ループ再生)は、図9(d)のようにイントロ部を1回再生し、これに続いてループ部を繰り返し再生する。
ST10:処理部CPU又は命令選択部CP2がメイン基板10からのコマンドを解釈する。この解釈の結果に従い所定の動作を行う。音声再生の場合はST11以降の処理を行う。
ST11:音声再生の場合、処理部CPU又は命令選択部CP2がその再生態様を特定する。再生態様として、ワンタイム再生、部分ループ再生及び全体ループ再生がある。再生態様に他の再生態様を含んでもよいが、以下の説明では前記3つを例に取る。
ST12:ワンタイム再生のとき、命令選択部CP2が音声再生命令を選択して音響制御部SCへ出力する。これを受けて音響制御部SCは再生を開始する。図9(a)のデータであれば、図9(b)のようにイントロ部とループ部をこの順番で1回だけ再生する。
ST13:部分ループ再生のとき、命令選択部CP2が音声再生命令を選択して音響制御部SCへ出力する。
ST14:ループ指示タイミング発生部CP3は、S13の音声再生命令と同時に図示しないタイマを起動して計時を開始する。図9(d)の例ではt0で計時を開始する。
ST15:ループ指示タイミング発生部CP3は、ループ指示タイミングであるかどうか判定する。ループ指示タイミング発生部CP3は、イントロ部(第1音響)の再生が終了した後であり、かつ、ループ部(第2音響)の再生中において、ループ指示タイミングであると判定する。このタイミングは、図9(d)の例ではt1とt2の間が対応する。イントロ部(第1音響)の再生時間は予めわかっているので、判定の閾値(時間)を予め記憶し、これに従い判定を行う。
ST16:ループ指示タイミング発生部CP3のタイミングを受けて、命令選択部CP2がループ再生設定命令を選択して音響制御部SCへ出力する。これにより、その時点で再生されているループ部が繰り返し再生される(図9(d))。既に再生を終了しているイントロ部が繰り返し再生されることはない。
ST17:全体ループ再生のとき、命令選択部CP2が音声再生命令を選択して音響制御部SCへ出力する。
ST18:同時に、命令選択部CP2がループ再生設定命令を選択して音響制御部SCへ出力する。図9(c)のように音声再生命令とループ再生設定命令を同時に出力するようにしてもよい。これにより、その時点で再生されているイントロ部と、後に再生されるループ部が繰り返し再生される(図9(c))。
発明の実施の形態によれば、図9(d)のようにループ再生の指示をループ部の再生開始まで遅らせることによって、同図のようにイントロ部はループさせずにループ部のみを再生させることができる。
なお、図7の処理によれば、図9(b)のワンタイム再生や、図9(c)の全体ループ再生も可能である(図8も同様)。
すなわち、発明の実施の形態によれば、イントロ部(第1音響)の再生を繰り返すことなく、ループ部(第2音響)を繰り返し再生させることができる。
図8は、図7の変形例を示す。図7の計時処理の代わりに、図8ではループ指示タイミング発生部CP3が再生音声を監視し(ST14b)、イントロ部の再生が終了したかどうか判定する(ST15b)ことによりタイミングを発生している。例えば、イントロ部の再生状態に応じて変化するフラグを用意し、これをループ指示タイミング発生部CP3が監視する。
図8の変形例も、図7と同様の作用効果を奏する。
以上の説明において、遊技機としてスロットマシンを例に挙げ説明を加えたが、これに限らず、本発明の実施の形態は他の遊技機(例えばパチンコ機)にも適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
20 サブ基板(処理部)
CPU 処理部
CP0 音声データ記憶部
CP1 命令記憶部
CP2 命令選択部
CP3 ループ指示タイミング発生部
SC 音響制御部
SP スピーカ(音響装置)

Claims (2)

  1. 演出に係る処理を行う処理部と、演出に係る音響を発生する音響装置と、前記処理部からの命令に基づき前記音響装置を制御する音響制御部とを備える遊技機において、
    複数の音響データである第1音響データ及び第2音響データを記憶する音響データ記憶部と、
    少なくとも、前記音響装置から所定の音響を発生させるための音声再生命令及び前記音響の発生を繰り返すためのループ再生設定命令を予め記憶する命令記憶部と、
    前記命令記憶部から命令を読み出して前記音響制御部へ出力する命令選択部と、
    前記ループ再生設定命令を前記音響制御部へ与えるタイミングを発生するタイミング発生部とを備え、
    前記第1音響データ及び第2音響データは順番に再生されるようにグループ化されており、
    前記ループ再生設定命令は、再生中の音響の発生を繰り返すものであり、
    前記音響制御部は、前記音声再生命令を受けて前記第1音響データ及び第2音響データの両方を再生し、前記音声再生命令とともに前記ループ再生設定命令を受けたときは前記第1音響データ及び第2音響データの両方について再生を繰り返し、
    前記命令選択部は、前記音響装置から前記第1音響データに基づく第1音響と前記第2音響データに基づく第2音響を順番に発生させるように前記音響制御部へ前記音声再生命令を出力し、
    前記タイミング発生部は、前記第1音響の再生が終了した後において前記タイミングを発生し
    前記命令選択部は、前記タイミングに基づき前記第2音響を繰り返し発生させるように前記音響制御部へ前記ループ再生設定命令を出力し、
    前記第2音響データのみについて再生を繰り返させる、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記タイミング発生部は、前記前記第1音響の再生開始から計時を始め、予め定められた時間を計時したときに前記タイミングを発生することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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