JP6304831B2 - 重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの検出方法 - Google Patents

重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの検出方法に関する。
てんかん性脳症は、てんかん性活動により生じるないしは悪化する傾向のある、重篤な進行性の認知機能障害及び行動障害を特徴とする神経疾患である(非特許文献1)。大田原症候群(OS, MIM 308350及び612164)は、最も重篤で最も初期に現れるてんかん性脳症であり、主として新生児期に見られる強直性痙攣と、痙攣発作の難治性、脳波記録(EEG)のサプレッションバーストパターンを特徴とする(非特許文献2)。
これまでにOS患者で3つの原因遺伝子ARX (MIM 300382), STXBP1 (MIM 602926), 及びKCNQ2 (MIM 602235)におけるde novo変異が報告されている(非特許文献3〜6)。しかしながら、OSをはじめとする重度の知的障害と運動発達遅滞を伴う難治性てんかんには、これまでに報告されている責任遺伝子の変異で原因が説明できない症例が数多く残されている。
Dulac, O. (2001). Epilepsia 42 Suppl 3, 23-26. Ohtahara, S., and Yamatogi, Y. (2006). Epilepsy Res 70 Suppl 1, S58-67. Saitsu, H., et al. (2012). Ann Neurol 72, 298-300. Saitsu, H., et al. (2008). Nat Genet 40, 782-788. Weckhuysen, S., et al. (2012). Ann Neurol 71, 15-25. Kato, M., et al. (2007). Am J Hum Genet 81, 361-366.
従って、本発明の目的は、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの確定診断を可能にする新規な手段を提供することにある。
本願発明者らは、過去に全エキソーム解析を実施した大田原症候群症例12症例のうちの5症例について、両親由来のサンプルの全エキソーム解析によりde novo変異をスクリーニングした結果、GNAO1遺伝子におけるde novoミスセンス変異を見出した。さらに、大田原症候群を含むてんかん性脳症367症例を対象にHRM解析又はWESによるGNAO1遺伝子変異スクリーニングを行なった結果、さらなるGNAO1遺伝子de novo変異を発見した。GNAO1遺伝子変異を有するてんかん症例には、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴い難治性であるという共通した特徴を有するほか、通常のてんかん性脳症ではまれな症状である不随意運動を合併する場合もあることが確認された。以上の結果より、GNAO1遺伝子の変異を指標として重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの検出や、不随意運動の合併の予測が可能であることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、生体から分離された試料を用いて、対象生体がGNAO1遺伝子に変異を有するか否かを調べることを含む、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの検出方法であって、GNAO1遺伝子の少なくとも一方のアレルに有害な変異が検出された場合に前記難治性てんかんが検出される、方法を提供する。また、本発明は、三量体Gタンパク質によるシグナル伝達の活性化を指標として化合物を選択することを含む、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの治療剤のスクリーニング方法を提供する。さらに、本発明は、三量体Gタンパク質によるシグナル伝達の活性化を指標として化合物を選択し、選択された化合物を製造することを含む、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの治療剤の製造方法を提供する。さらに、本発明は、生体から分離された試料を用いて、対象生体がGNAO1遺伝子に変異を有するか否かを調べることを含む、対象生体が不随意運動をきたすてんかんに罹患している可能性を予測する方法であって、GNAO1遺伝子の少なくとも一方のアレルに有害な変異が検出された場合に不随意運動をきたすてんかんに罹患している可能性が高いと予測される、方法を提供する。
本発明により、重度の知的障害と運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの確定診断が可能となる。ヘテロ二本鎖の検出やシークエンス解析による遺伝子の塩基配列の異常、DNAマイクロアレイ等を用いた染色体異常(微細欠失など)の有無の解析等の手法そのものは周知であり、GNAO1遺伝子を対象にこれらの解析を行なうことで、より多くのてんかん症例を診断可能になる。例えば、初発症状が確認された時点で本発明の方法を実施することで、重度の知的障害と運動発達遅滞を伴う難治性てんかんかどうかを調べることができ、予後の予測や治療方針の決定、生活指導等に貢献できる。GNAO1遺伝子の変異を病因とするてんかん患者にはカルシウムチャネル抑制作用を有する抗てんかん薬が有効であり得るので、本発明はてんかん患者に処方する抗てんかん薬の選択にも利用することができる。さらにまた、GNAO1遺伝子の変異により三量体Gタンパク質のシグナル伝達が障害されることから、三量体Gタンパク質のシグナル伝達をターゲットとした創薬により、新規なてんかん治療薬を開発することも可能になる。
実施例で同定したてんかん性脳症患者におけるGNAO1遺伝子のde novo変異を説明する図である。GNAO1遺伝子には、9つのエクソンを有するバリアント1(GenBankアクセッション番号NM_020988)、及び8つのエクソンを有するバリアント2(GenBankアクセッション番号NM_138736)の2種類の転写バリアントが存在する。白のボックスはUTRである。3種類の変異は2種類の転写バリアントに共通するエクソンで生じ、1種類の変異は転写バリアント1にのみ生じていた。症例2の波形データより、ヘテロ接合のC>T置換(rs1065375)が明瞭に示された一方でc.521A>G変異がモザイクであることが示唆された。全ての変異は、進化的に保存されたアミノ酸の置換又は欠失を引き起こすものであった。相同配列のアラインメントはCLUSTALWウェブサイトを用いて作成した。 GNAO1変異を有する患者のEEG及び脳MRI所見である。A, Bは症例3の発作間歇時のEEGである。2ヶ月齢時にサプレッションバーストパターンが観察され(A)、4ヶ月齢時にヒプスアリスミアへの移行を認めた(B)。Cは症例2の発作間歇時のEEGであり、2ヶ月齢時にサプレッションバーストパターンを認めた。Dは症例4の発作間歇時のEEGであり、5歳時に散在性棘波又は鋭徐波複合を認めた。大脳基底核を通るT2強調軸位像をE, H, Iに、T1強調軸位像をFに、矢状断像をGに示す。症例1では5歳6ヶ月齢時に大脳萎縮を認めた(E)。症例2では10ヶ月齢時に髄鞘形成の遅延と脳梁の低形成を認めた(F, G)。症例3では3ヶ月齢時の所見は正常であった(H)。症例4では7歳時に白質の減少を認めた(I)。 o1タンパク質の野生型(WT)及び変異体5種をそれぞれN2A細胞内で発現させ、細胞内局在を観察した結果である。WT、p.Gly203Arg変異体及びp.Gly203Thr変異体は細胞表面に局在していた。一方、p.Thr191_Phe197del変異体は細胞基質区画に局在していた。p.Asp174Gly変異体及びp.Ile279Asn変異体は細胞表面に局在したが、細胞基質内にも観察された。スケールバーは10μm。 (A) Gα含有複合体の結晶構造に変異部位をマッピングした図である。左はGDP結合不活型Gαiβγヘテロダイマー (PDBコード1GG2)、中央はアゴニスト結合型単量体β2アドレナリン作動性受容体 (β2AR) と複合体化しているヌクレオチドフリーのGαsβγ(PDBコード3SN6)、右はエフェクターであるホスホリパーゼC-β (PLCβ) と複合体化しているGTP (GDP+AlF4 -)-結合型Gαqの遷移状態アナログ (PDBコード3OHM)である。分子構造はPyMOL (www.pymol.org)を用いて描写した空間充填モデル図で示す。アミノ酸番号はヒトGαo1における番号であり、括弧内は、左図がラットGαi1 (UniProtKB/Swiss-Prot P10824)、中央図がウシGαs (UniProtKB/Swiss-Prot P04896)、右図がマウスGαq (UniProtKB/Swiss-Prot P21279) におけるアミノ酸番号である。各モデル図の上部に示したイラストは各サブユニット及び結合する分子の配向を示している。(B) FoldXソフトウェアを用いた計算結果から推定した、アミノ酸置換後の自由エネルギー変化を示すグラフである。 (A) Gαo1のWT (左) 又はp.Thr191_Phe197del変異体 (右) を発現するNG108-15細胞において生成された電位依存性カルシウム電流の代表的なトレース結果である。「コントロール」は10μMノルエピネフリン添加前、「ノルエピネフリン」は添加3分後の電流のトレースである。(B) WT Gαo1発現細胞及び変異体Gαo1発現細胞におけるノルエピネフリン処理前のカルシウム電流の電流密度を示す図である。散布図は個々の細胞内の電流密度を表す。四角及びバーは各細胞群における電流密度の平均値及びSEMを表す(WT, n = 8;p.Gly203Thr, n = 7;p.Asp174Gly, n = 8; p.Thr191_Phe197del, n = 7; p.Ile279Asn, n = 7)。p.Thr191_Phe197del変異体発現細胞における電流密度はWT Gαo1発現細胞と比較して有意に増大した (ダネットの事後検定で*p < 0.05)。他の変異体を発現する細胞では電流密度は有意に変化しなかった。(C)変異体Gαo1発現細胞においてノルエピネフリンにより誘導されるカルシウム電流の阻害を比較した結果である。バーはそれぞれ10μMノルエピネフリンの添加により誘導された電流密度の%低下の平均値及びSEMを表す。対応のあるt検定によると、ノルエピネフリンにより誘導された阻害はWT (n = 8), p.Gly203Thr変異体 (n = 7),p.Asp174Gly変異体 (n = 8) 及びp.Ile279Asn変異体 (n = 7) を発現する細胞では有意であったが (**P <0.01、*P<0.05)、p.Thr191_Phe197del変異体発現細胞では有意でなかった (n = 7)。変異体発現細胞における阻害の程度は低下する傾向が見られたが、WT発現細胞との比較で統計学的有意差が認められるまでには至らなかった(ANOVAでp = 0.41)。
本発明で対象とする疾患は、小児期に発症する、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんである。本願発明者らは、当該難治性てんかんの責任遺伝子としてGNAO1遺伝子(MIM 139311)を同定した。GNAO1変異を有するてんかん症例には不随意運動をきたす症例があることも確認されている(下記実施例参照)。てんかん性脳症において不随意運動を合併することはまれであり、不随意運動をきたす場合があるという点はGNAO1遺伝子変異を病因変異とするてんかん症例の特徴のひとつといえる。
GNAO1遺伝子は、グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)を構成するサブユニットの1つであるGαサブユニットをコードする遺伝子である。Gタンパク質はα、β、γサブユニットで構成されるヘテロ三量体であり、基礎的状態(不活性型)ではGαがGDPに結合した状態でGαβγ複合体を形成する。7つの膜貫通ドメインを持つGタンパク質結合受容体(G protein-coupled receptor; GPCR、その構造から「7回膜貫通型受容体」とも呼ばれる)がリガンドと結合すると、Gタンパク質がGPCRと結合し、Gαサブユニット上のGDPが遊離してGTPが結合する。次いで、GTPが結合したGαがGβγから解離し、2つの複合体のそれぞれが異なる下流のエフェクターを活性化する(Wettschureck, N., and Offermanns, S. (2005). Physiol Rev 85, 1159-1204.)。
哺乳動物では、GαサブユニットはGαi/o, Gαq/11, Gαs及びGα12/13の4グループに分類される。GNAO1遺伝子がコードするGαサブユニットはGαoである。Gαoは脳組織に極めて豊富に存在し、膜タンパク質のおよそ0.5%を占めており(Huff, R.M., et al. (1985). J Biol Chem 260, 10864-10871.)、脳機能に重要な役割を果たしていることが示唆される。GNAO1遺伝子には2つの転写バリアントが知られている。バリアント1(GenBankアクセッション番号NM_020988)は8つのエクソンで、バリアント2(GenBankアクセッション番号NM_138736)は9つのエクソンで構成され、エクソン1〜6は両バリアントで同一である。配列表の配列番号1及び2はバリアント1(NM_020988)のcDNAコード領域の塩基配列及びこれにコードされるアミノ酸配列であり、配列番号3及び4はバリアント2(NM_138736)のcDNAコード領域の塩基配列及びこれにコードされるアミノ酸配列である。配列番号5〜15には、各エクソン及びその近傍のイントロンの配列を表1の通りに示した。
本発明では、生体から分離された試料を用いて、対象生体がGNAO1遺伝子に変異を有するか否かを調べる。GNAO1遺伝子の変異には、GNAO1遺伝子がコードするGαoサブユニットタンパク質のごく少数のアミノ酸残基の変化(置換、欠失、挿入)の他、Gαoサブユニットタンパク質の少なくとも一部の領域を欠失するような変異をもたらす遺伝子配列の変化が包含され、GNAO1遺伝子領域の全体又は一部を欠失する変異も包含される。例えば、エクソン又はイントロン領域内での塩基の置換、欠失、挿入、重複等によるミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、インフレーム欠失若しくは挿入変異(1個以上のアミノ酸の欠失若しくは挿入をもたらす)、スプライシング異常を生じる変異、あるいはGNAO1遺伝子を含む染色体領域の微細欠失等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、配列表に示されたGNAO1遺伝子のゲノム配列、cDNA配列、及びコードされるGNAO1タンパク質(Gαoサブユニットタンパク質)のアミノ酸配列は、正常なGNAO1配列の典型例であり、GNAO1遺伝子変異の有無は、配列表に示されたGNAO1遺伝子の配列を基準とし、この基準配列との対比により判断され得る。
GNAO1遺伝子の少なくともいずれか一方のアレルに有害な変異がある場合、対象生体が重度の知的障害と運動発達遅滞を伴う難治性てんかんであると判断することができる。対象生体がてんかんの疑いのある患者である場合には、本発明の方法によりてんかんであるか否かを調べることができる。「有害な変異」ないしは「病原性の変異」とは、GNAO1遺伝子がコードするGαoサブユニットの正常な機能が損なわれる変異である。より具体的には、複合体の形成、GDPとの結合、GPCRへの結合、GTPとの結合、及び下流エフェクターの活性化等のステップを包含する、Gαoサブユニットが直接関与するシグナル伝達過程のうちのいずれかのステップが障害される変異が、「有害な変異」ないしは「病原性の変異」との語に包含される。進化的に高度に保存されたアミノ酸残基における変異、とりわけGαoサブユニットの機能ドメイン内での変異は、有害な変異である蓋然性が高い。機能ドメイン内の進化的保存性の高い1個以上のアミノ酸残基を欠失する変異や、そのようなアミノ酸残基が性質の異なるアミノ酸に置換する変異は、通常、有害な変異である。検出された塩基の変異が、多数の健常者集団には認められない変異であったり、NCBIのdbSNPや1000 Genomes Project等の塩基配列の多様性に関する周知のデータベースに登録されていないまれな塩基変異である場合も、本発明で指標となる有害な変異と考えて差し支えない。
ある遺伝子中のアミノ酸置換変異が病原性変異であるか否かを調べることができる各種の予測ツールが知られている。例えば、SIFT (http://sift.jcvi.org/)、PolyPhen (http://genetics.bwh.harvard.edu/pph/)、PolyPhen-2 (http://genetics.bwh.harvard.edu/pph2/)、Mutation Taster (http://neurocore.charite.de/MutationTaster/index.html)、Align GVGD (http://agvgd.iarc.fr/agvgd_input.php)などが知られている。実際に検出されたGNAO1変異について、このような公知の予測ツールを用いて有害な変異であるかどうかを判断することも可能である。SIFTでは、スコア0.05未満の場合、置換はintolerant(タンパク質機能変化に影響あり)と予測される。PolyPhenでは、スコア2.0を超えた場合、病原性と予測される。PolyPhen-2では、スコア0.000 (良性の可能性が最も大) 〜0.999 (有害の可能性が最も大)でスコア付けされ、スコアをもとにした判定がpossiblyあるいはprobably damagingであるときに、病原性変異が強く示唆される。Align GVGDでは、Class C0 (可能性小) 〜Class C65 (可能性大)の範囲でクラススコア評価され、クラススコアC55以上の変異であれば病原性変異が示唆される。
下記表2に示した変異は、実施例において大田原症候群を含むてんかん性脳症患者を対象とする解析により同定された、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの病因変異である。これらの変異はいずれも進化的に高度に保存されたアミノ酸残基において生じており(図1)、健常者集団には見出されず、上記した予測ツールを用いた評価で病原性の変異であることが強く示唆された変異である。もっとも、これら4種の変異は本発明で指標となるGNAO1遺伝子変異の一例であり、本発明の範囲はこれらの具体例に限定されるものではない。
GNAO1遺伝子の変異は、ゲノムDNAやRNA等の核酸試料を用いて塩基配列を解析することで検出可能である。とりわけ、ゲノムDNA試料を用いてゲノム配列の解析を行なうことが最も確実で望ましい。ゲノムDNA等の核酸試料は、末梢血や口腔粘膜スワブ等から常法により容易に調製することができる。また、種々の出生前遺伝子検査法が公知であり、胎児にGNAO1遺伝子変異が存在するかどうかを調べることも可能である。例えば、胎児から細胞を採取して検査する方法(羊水、絨毛、臍帯血を使用)、母体血中に混在している胎児細胞を用いて胎児の遺伝子変異を検査する非侵襲の検査方法、体外受精した受精卵の1細胞を用いる方法(着床前診断)など、種々の手法が公知である。上記非侵襲の検査方法では、胎児細胞を含有する母体血試料が「生体から分離された試料」に該当し、胎児が「対象生体」に該当する。
タンパク質のアミノ酸配列は、エクソン領域だけではなくイントロン領域における変異によっても影響され得るが、遺伝子検査では通常、エクソン及びその近傍数十〜数百塩基程度、例えば30〜50塩基程度のイントロン領域を含めて検査するのが一般的である。本発明でもエクソン及びその近傍のイントロンを対象に配列解析を行えばよい。ゲノム配列の解析により変異を検出する場合には、本願配列表の配列番号5〜14や公知のデータベースから入手可能なGNAO1遺伝子のゲノム配列を参照して適宜プライマーを設計し、ゲノムDNA試料を用いて常法によりシークエンシングを行えばよい。対象生体ゲノムDNA上のGNAO1遺伝子の塩基配列を決定し、これを野生型配列と比較することにより、変異を詳細に同定できる。決定した塩基配列は、例えばSeqScape (登録商標) 等の公知のソフトウェアを用いて解析することにより、変異の検出やプロファイリングを容易に行うことができる。
変異がホモかヘテロかは、シークエンスの波形データから確認できる。ヘテロ変異がある場合、同一部位に2種類のシグナルが重なることになる。
本発明で対象となるGNAO1遺伝子変異は主としてヘテロ変異であるため、ヘテロ二本鎖の検出によりGNAO1遺伝子変異のスクリーニングを行なうことが有効である。ヘテロ変異が存在する場合、ゲノムDNA試料を熱変性後に再会合させることにより、正常型DNAと変異DNAとがハイブリダイズしたヘテロ二本鎖が生じる。ヘテロ二本鎖は、(1)非変性ポリアクリルアミドゲル中で異なる移動度を示す、(2)ミスマッチ部分の塩基は化学物質や酵素による切断を受けやすい、(3)変性の際に異なる変性温度を示す、といった特性を有する。これらの特性を利用してヘテロ二本鎖を検出する方法がこの分野において公知であり、変異の検査方法として実用化もされている。具体的には、例えば、変性高速液体クロマトグラフィー(dHPLC)を用いてヘテロ二本鎖を検出する方法や、High Resolution Melt法が知られている。
High Resolution Melt法とは、二本鎖DNAに高密度で結合する蛍光色素(SYTO(登録商標)9, LC Green(登録商標), EvaGreen(商標)等)を用いて、二本鎖DNAの融解(熱変性)の過程を蛍光強度の変化としてとらえ、ヘテロ二本鎖を検出する方法である。すなわち、二本鎖DNAに高密度で結合する蛍光色素を用いて二本鎖DNAを染色すると、該二本鎖DNAを融解(熱変性)させたとき、二本鎖が解離した部位から蛍光色素が脱落するため、二本鎖DNAからの蛍光シグナルの量が減少する。従って、そのような蛍光色素を用いることで、二本鎖DNAの熱変性の過程を蛍光強度の変化として視覚的にとらえることができる。温度−蛍光のデータを高密度で取得し解析することで、ヘテロ二本鎖の検出を迅速に高感度で行うことができる。市販の機器類及びキット等を用いて容易に実施可能である。使用するプライマーは、本願配列表に記載したGNAO1遺伝子のエクソン+近傍イントロン領域の配列に基づいて適宜設計可能である。下記実施例には、High Resolution Melt法によるGNAO1遺伝子変異のスクリーニングに使用できるプライマー及び反応条件の一例が示されている。
本発明では、GNAO1遺伝子のエクソン+近傍イントロン領域の全ての塩基配列を決定し、変異の有無を調べてもよい。また、例えば、ヘテロ二本鎖の検出により塩基配列を決定すべき領域を絞り込み、その後に対象領域の塩基配列を決定することで、検査をより効率的に実施することができる。
上述した通り、不随意運動をきたす場合があるという点は、本発明で対象となるGNAO1遺伝子変異を病因変異とするてんかん症例の特徴のひとつといえる。従って、本発明の検出方法は、不随意運動をきたすてんかんに罹患している可能性があるかどうかの予測にも応用できる。対象生体のGNAO1遺伝子を調べ、少なくとも一方のアレルに有害な変異が検出された場合、対象生体は不随意運動をきたすてんかんに罹患している可能性が高いと予測することができる。例えば、初発症状が確認された時点では不随意運動をきたしていなくとも、GNAO1遺伝子の有害な変異がある場合には、後に不随意運動を合併する可能性があると予測することができる。
下記実施例に記載される通り、GNAO1変異体タンパク質を発現する細胞では、通常の状態でカルシウムの細胞内流入が増大しているか、あるいはノルエピネフリンによるカルシウム電流の阻害の程度が低下する。また、Gタンパク質共役α2アドレナリン作動性受容体のノルエピネフリンによる活性化は海馬CA3領域のてんかん様活動を減弱するということが報告されており(Jurgens, C.W., et al. (2007). Mol Pharmacol 71, 1572-1581.)、Gαoがこの反応に関与していることが知られている(Goldenstein, B.L., et al. (2009). Mol Pharmacol 75, 1222-1230.)。これらのことから、GNAO1変異を有するてんかん症例にはカルシウムチャネルを抑制する作用を有する抗てんかん薬が有効であり得る。カルシウムチャネル抑制作用を有する抗てんかん薬としては、選択的カルシウムチャネル遮断薬として作用するプレガバリン及びガバペンチン、並びに歯状回顆粒細胞において高電圧活性化カルシウムチャネルを調節する作用を有するトピラマートが知られている。GNAO1遺伝子変異を病因変異として有するてんかん患者に対しては、このような抗てんかん薬を積極的に処方することができる。本発明は、てんかん患者に処方する抗てんかん薬の選択にも利用することができる。
また、GNAO1遺伝子の変異により三量体Gタンパク質のシグナル伝達が障害されることから、三量体Gタンパク質のシグナル伝達を活性化する化合物は、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの治療剤ないしは症状緩和剤として有用であり得る。すなわち、三量体Gタンパク質のシグナル伝達の活性化を指標として新規抗てんかん薬のスクリーニングが可能である。なお、本明細書において、てんかんの治療にはてんかんの症状の緩和も包含される。スクリーニングにより得られた化合物は、化学分野における公知の方法により製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<材料及び方法>
患者
大田原症候群(OS)と診断された症例12名は既報(Saitsu, H., et al. (2012). Ann Neurol 72, 298-300.及びSaitsu, H., et al. (2012). Epilepsia 53, 1441-1449.)の通りに全エキソーム配列決定(WES)を行なった。さらに、12名のうちの5名について、親のサンプルをWESにより解析した。てんかん性脳症症例367名(OS患者62名を含む) について、high-resolution melting (HRM) 解析(339名)及びWES(100名)の少なくともいずれかを行なってGNAO1遺伝子の変異スクリーニングを実施した。診断は、臨床的特徴及び脳波記録(EEG)の特徴的パターンに基づいて行なった。実験プロトコールは横浜市立大学医学部及び山形大学医学部の倫理委員会に承認された。全ての患者の家族からインフォームドコンセントを得た。
DNAサンプル
ゲノムDNAサンプルは、常法により末梢血白血球より抽出した。症例2におけるモザイク変異を検出するため、Oragene DNA kit (DNA Genotek社)を用いて唾液から、ISOHAIR kit (ニッポンジーン社)を用いて爪から、それぞれゲノムDNAを抽出した。
全エキソーム配列決定
ゲノムDNAは、SureSelect Human All Exon v4 Kit (Agilent Technologies社) を用いてキャプチャーし、Illumina HiSeq 2000 (Illumina社)にて101pbのペアエンドリードを1レーン当たり4サンプルでシークエンシングを行なった。画像解析及びベースコールは、Sequence Control Software with Real-Time Analysis及びCASAVA software v1.8(Illumina社)により実施した。エキソームデータのプロセシング、変異コール、変異アノテーションは既報(Saitsu, H., et al. (2013). Nat Genet 45, 445-449.、DePristo, M.A., et al. (2011). Nat Genet 43, 491-498.、及びWang, K., Li, M., and Hakonarson, H. (2010). Nucleic Acids Res 38, e164.)の通りに行なった。WESにより検出された病原性変異はサンガーシークエンシングで確認した。
変異スクリーニング
ゲノムDNAの増幅はillustra GenomiPhi V2 DNA Amplification Kit (GE Healthcare社)を用いて行なった。GNAO1遺伝子の2種類の転写バリアント(転写バリアント1, GenBank accession number NM_020988.2, Gαo1をコード; 転写バリアント2, GenBank accession number NM_138736.2, Gαo2をコード)のコード領域をカバーするエクソン1〜8(配列番号5〜14)をHRM解析によりスクリーニングした。これら2つの転写バリアントは、最後の2つのエクソンが相違する。HRM解析はLight Cycler 480 (ロシュ・ダイアグノスティックス社)を用いて実施した。異常な融解曲線を示したサンプルについて配列を決定した。PCRプライマー及び反応条件を表3に示す。全ての新規な変異は、もとのゲノムDNAを用いて検証し、研究室内の408のコントロールエキソームの変異データベースにて検索した。
IonTorrentを用いたモザイク変異のdeep sequencing
症例2由来の血液、唾液及び爪DNAサンプル、並びにその両親の血液DNAサンプルを鋳型とし、c.521A>G変異をまたぐPCR産物(鎖長178-bp)を増幅した。アダプターのライゲーション、ニック修復及び増幅反応は、Ion XpressPlus Fragment Library Kit (Life Technologies社) をプロトコール(Part Number 4471989 Rev. B)に従い使用して実施した。インデックス作成はXpress(商品名) Barcode Adapters 1-16 Kit (Life Technologies社)を用いて行なった。Emulsion PCR及びエンリッチメント工程は、Ion OneTouch(商品名) 200 Template Kit v2 (Life Technologies社)をプロトコール(Part Number 4478371 Rev. A)に従い使用して実施した。アンプリコンライブラリーのシークエンシングは、Ion Torrent Personal Genome Machine (PGM) にて、using the Ion 314 sequencing chip及びIon PGM(商品名) 200 Sequencing Kit (Life Technologies社) を推奨されるプロトコール(Part Number 4474246 Rev. B)に従い使用して実施した。全ての解析にTorrent Suite 2.2を使用した。モザイク率はIntegrative Genomics Viewer(Robinson, J.T., et al. (2011). Nat Biotechnol 29, 24-26.、及びThorvaldsdottir, H., et al. (2013). Brief Bioinform 14, 178-192.)を用いて調べた。
発現ベクター
全長ヒトGNAO1 cDNAクローン(転写バリアント1、Gαo1をコード)は、かずさDNA研究所から購入した。ヒトGNAO1 cDNAをpEF6/V5-His-Cベクターに挿入してC末端V5エピトープ(Life Technologies社)を導入した。KOD-Plus-Mutagenesis kit (東洋紡社)を用いて部位特異的変異誘発を行ない、c.521A>G (p.Asp174Gly), c.572_592del (p.The191_Phe197del), c.836T>A (p.Ile279Asn), 及びc.607G>A (p.Gly203Arg)を有する各GNAO1変異体を作製した。野生型とは異なりGTP結合が可逆的である(Slepak, V.Z., et al. (1993). J Biol Chem 268, 1414-1423.)変異体c.607_609delinsACA (p.Gly203Thr)も作製し、公知の機能喪失型変異(Williams, D.J., et al. (2010). Front Neurosci 4, 181.)として用いた。全ての変異cDNAについてサンガーシークエンシングにより確認を行なった。
免疫蛍光顕微鏡法
マウス神経芽腫2A(N2A)細胞は既報(Saitsu, H., et al. (2008). Nat Genet 40, 782-788.)の通りに増殖させた。X-tremeGENE 9 DNA Transfection Reagent (Roche Diagnostics社)を用いて、カバーグラス上のN2A細胞に200ngのプラスミドDNAをトランスフェクトした。24時間後、4%パラホルムアルデヒド/PBS中で15分間固定し、0.1% Triton X-100/PBS中で5分間透過処理した。次いで細胞を10%正常ヤギ血清にて30分間ブロッキングした。V5タグ付加Gαo1は、マウス抗V5抗体(1:200希釈; Life Technologies社)及びAlexa-488結合ヤギ抗マウスIgG (1:1000希釈; Life Technologies社)を用いて検出した。4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)を含有するVectashield (Vector Laboratories社)を用いてカバーグラスを封入し、倒立型FV1000-D共焦点顕微鏡(オリンパス社)にて可視化した。
構造モデリング及び自由エネルギー計算
FoldXソフトウェア(バージョン3.0β5) を使用して、変異型分子構造を構築し、変異により生じる自由エネルギー変化を計算した(Guerois, R., et al. (2002). J Mol Biol 320, 369-387.)。GDP結合不活型Gαiβγヘテロダイマー(Protein Data Bankコード1GG2)(Wall, M.A., et al. (1995). Cell 83, 1047-1058.)、アゴニスト結合型単量体β2アドレナリン作動性受容体 (β2AR) と複合体化しているヌクレオチドフリーのGαsβγ(PDBコード3SN6)(Rasmussen, S.G., et al. (2011). Nature 477, 549-555.)、及びエフェクターであるホスホリパーゼC-β (PLCβ) と複合体化しているGTP (GDP+AlF4 -)-結合型Gαqの遷移状態アナログ (PDBコード3OHM)(Waldo, G.L., et al. (2010). Science 330, 974-980.)の結晶構造を、異なる複合体状態にあるGαoサブユニットの3D構造モデルとして用いた。ヒトGαoサブユニットにおけるp.Asp174Gly、p.Ile279Asn及びp.Gly203Argに対応する各変異体を、各複合体のGαサブユニット中に導入し、変異による自由エネルギー変化をFoldXソフトウェアを用いて計算した。FoldXのエネルギー関数はリガンドの寄与を考慮していないため、複合体に含まれるリガンドは無視して計算を行なった。計算は3回反復して行ない、平均値及び標準偏差を計算結果として示した。
電気生理学的解析
各種GNAO1変異体でトランスフェクトしたNG108-15細胞を使用し、カルシウム電流を電気生理学的に記録した。Lonza Nucleofector装置及びCell Line Nucleofector Kit V (Lonza社) を製造者のプロトコール(Program X-023)に従い用いてエレクトロポレーションにより発現ベクターを導入した。1回のトランスフェクションにつき2μgのプラスミドDNAを使用した。トランスフェクトされた細胞を約5×104個/cm2の細胞密度でポリLリジンコートプラスチック製カバースリップ(セルデスクLF, MS-0113L; 住友ベークライト社)上に蒔き、10%ウシ胎児血清(FBS)添加ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養した。トランスフェクションの1日後、10μMプロスタグランジンE1 (PGE1), 50μM IBMX及び1% FBSを添加したDMEMを用いて3〜7日間細胞を分化させてからカルシウム電流の記録を行なった。培養期間中は1日おきに培地の半量を交換した。
カルシウム電流の記録は、アンフォテリシンBを用いた穿孔パッチクランプ全細胞電圧記録法により行なった。カバースリップ上の細胞を、オリンパスBX51W正立顕微鏡(オリンパス社)下、140mM NaCl, 5mM CaCl2, 4mM KCl, 1mM MgCl2, 10 mMHEPES, 10mM TEACl, 8mMグルコース及び0.0002 mMテトロドトキシンを含有する浴溶液 (NaOHでpH 7.3に調整)にて灌流した。パッチピペット溶液として、100 mMCsCl, 10 mMEGTA及び40 mMHEPESを含む溶液 (CsOHでpH 7.3に調整)を用いた。アンフォテリシンBは、実験直前にピペット溶液に2μl/mlとなるように加えた。ピペットとして、ホウケイ酸ガラスキャピラリーで組み立てられ、アンフォテリシンB含有ピペット溶液を満たした状態で4〜8 MΩの抵抗値を示すものを用いた。ギガシール形成後、直列抵抗が<150 MΩに低下して細胞の容量性サージが明瞭に出現した時点で記録を開始した。-65 mVの保持電位から+10 mVまで50msの脱分極パルスを加えることにより電位依存性カルシウム電流を発生させ、pCLAMP10ソフトウェア (MolecularDevices社)の制御下でMulticlamp 700B (MolecularDevices社)を用いて記録した。データは2 kHzのフィルタにかけ、10 kHzでサンプリングし、直列抵抗を50%補正した。Gαoに媒介される電流の阻害は、10μMノルエピネフリンを浴溶液を介して与えることで発生させた。3〜5分後、脱分極パルス終了直前の電流密度の変化を測定することにより電流阻害を評価した。記録は室温で行なった。
統計学的多重比較は、ANOVA及びダネットの事後検定により行ない、統計学的有意差を判断するpの閾値は0.05とした。各変異体発現細胞におけるノルエピネフリン誘導性の電流阻害は、対応のあるt検定により評価した。結果は平均値±SEMで示した。
<結果>
てんかん性脳症患者におけるGNAO1遺伝子変異の同定
本願発明者らは、過去に大田原症候群症例12名のWESを実施した(Saitsu, H., et al. (2012). Ann Neurol 72, 298-300.及びSaitsu, H., et al. (2012). Epilepsia 53, 1441-1449.)。今回は、12症例のうちの5症例について、両親のサンプルをWES解析し、de novo変異を体系的にスクリーニングした。その結果、5症例のそれぞれにおいて、1以上のde novo変異を見出した。それらのうち、16q12.2に位置するGNAO1遺伝子におけるde novoミスセンス変異(c.836T>A [p.Ile279Asn])は、症例1で同定された。公知の早発型てんかん性脳症(EOEE)遺伝子 (SLC25A22 [MIM 609302], PNPO [MIM 610090], PNKP [MIM 613402], PLCB1 [MIM 613722] 及びST3GAL3 [MIM 615006])(Edvardson, S., et al. (2013). Epilepsia 54, e24-27.; Molinari, F., et al. (2005). Am J Hum Genet 76, 334-339.; Mills, P.B., et al. (2005). Hum Mol Genet 14, 1077-1086.; Shen, J., et al. (2010). Nat Genet 42, 245-249.; Kurian, M.A., et al. (2010). Brain 133, 2964-2970.)には劣性変異は発見されなかった。大田原症候群症例12名のうち、症例2において第2のGNAO1ミスセンス変異(c.521A>G [p.Asp174Gly])が発見され、サンガーシークエンシングにより当該変異がde novo変異であることを確認した(図1)。さらに、OS患者を含むてんかん性脳症367症例を対象にHRM解析又はWESによるGNAO1遺伝子変異スクリーニングを行なった結果、2種類のde novo変異:症例3における欠失変異c.572_592del[p.Thr191_Phe197del]、及び症例4におけるc.607C>A[p.Gly203Arg]を同定した(図1)。症例1で発見されたc.836T>A変異はGNAO1の転写バリアント1を特異的に害する変異であり、他の3種の変異は転写バリアント1と2の両者を害する変異であった。ウェブ上の予測ツールによると、これら4種の変異はいずれも病原性であった(表4)。米国国立心肺血液研究所の6500のエキソームにも、我々が独自に保有する408のコントロールエキソームにも、これら4種の変異は存在しなかった。興味深いことに、エキソームデータ及びサンガーシークエンシングは、症例2のc.521A>G変異が体細胞モザイク変異であることを示していた(図1、表5)。症例2の血液、爪、及び唾液のDNAサンプル、並びにその両親の血液DNAサンプルから増幅したPCR産物のdeep sequencingにより、c.521A>G変異がde novoの体細胞モザイク変異であることを確認した。細胞のおよそ35〜50%が変異を有していた(表5)。
GNAO1変異に関連する表現型
GNAO1変異を有する4症例の神経学的特徴を表5に示す。3症例(症例1、2、3)では発症時(4〜29日齢)にサプレッションバーストを伴う強直性痙攣発作が見られ、大田原症候群(OS)と診断された。症例2及び3は、3〜4ヶ月齢時にヒプスアリスミアパターンを示したことから明らかな通り、乳児期のてんかん性症候群としては一般的なウエスト症候群に移行した(図2A〜2C)。症例4は7ヶ月齢で発達の遅延と後弓反張姿勢を呈し、5歳齢でてんかん発射を伴う複雑部分発作を認めた(図2D)。注目すべき点として、2症例で不随意運動を認めた(症例3、ジストニア; 症例4、舞踏病及びアテトーシス)(表6)。脳MRIにより、症例2及び4で髄鞘形成の遅延を、症例1及び4で大脳萎縮ないしは大脳白質の減少を、症例2及び4で脳梁低形成を認めた(図2E〜2I)。OSの2症例(症例2及び3)におけるてんかん発作及びEEG所見は副腎皮質刺激ホルモンとバルプロ酸の投与により一時的な改善が見られたものの、4症例全てで抗てんかん薬の組み合わせ療法でも難治のてんかん発作を有していた。いずれの症例も重度の知的障害及び運動機能の発達遅延を示し、症例3は気道の閉塞により11ヶ月で死亡した。これらのデータは、GNAO1変異によりてんかん性脳症及び不随意運動を包含する多様な神経発生的表現型が生じ得ることを示唆している。
N2A細胞における変異型Gαo1の発現
4種類のGNAO1遺伝子変異の作用を調べるため、N2A細胞を用いて一過的発現実験を行なった(図3)。C末端にV5エピトープをタグした、転写バリアント1にコードされる野生型(WT)のGαo1は、既報(Nakata, H., and Kozasa, T. (2005). Mol Pharmacol 67, 695-702.)と同様に細胞表面に局在していた。p.Gly203Thr変異体 (公知の機能喪失型変異体、Slepak, V.Z., et al. (1993). J Biol Chem 268, 1414-1423.)及びp.Gly203Arg変異体 (症例4) もまた細胞表面に局在していた。その一方、p.Thr191_Phe197del変異体 (症例3) は細胞基質区画で発現していた。p.Asp174Gly変異体 (症例2) 及びp.Ile279Asn変異体 (症例1) は、細胞表面に局在したが、細胞基質にも弱いシグナルが観察され、細胞基質のシグナルはp.Asp174Gly変異体でより強かった。C末端にAcGFP1をタグしたGαo1を用いた場合にも同様の局在パターンが観察された(データ省略)。これらの局在パターンは、p.Thr191_Phe197del変異体の機能が最も重度に害されていることを示唆している。
Gαを含む複合体に変異が及ぼす構造上の影響
GNAO1遺伝子変異が機能に及ぼす影響を原子レベルで調べるため、数種類の複合状態におけるGαサブユニットの構造上に変異部位をマッピングした。複合状態として、GDP結合不活型Gαiβγヘテロダイマー(Protein Data Bankコード1GG2)(Wall, M.A., et al. (1995). Cell 83, 1047-1058.)、アゴニスト結合型単量体β2アドレナリン作動性受容体 (β2AR) と複合体化しているヌクレオチドフリーのGαsβγ(PDBコード3SN6)(Rasmussen, S.G., et al. (2011). Nature 477, 549-555.)、及びエフェクターであるホスホリパーゼC-β (PLCβ) と複合体化しているGTP (GDP+AlF4 -)-結合型Gαqの遷移状態アナログ (PDBコード3OHM)(Waldo, G.L., et al. (2010). Science 330, 974-980.)を用いた。点変異体についてはさらに、FoldXソフトウェア(バージョン3.0β5)(Guerois, R., et al. (2002). J Mol Biol 320, 369-387.)を用いて変異体の自由エネルギー変化を計算した。
ヒトGαo1における第191番〜第197番アミノ酸に対応する領域は、β−ストランド内、及びGαβγ−β2AR複合体においてGタンパク質共役受容体(GPCR)との相互作用に関与する連結ループ領域内に位置する(図4A)。従って、この領域の欠失により分子の二次構造が害され、GPCRとの相互作用が損なわれるばかりでなくGαサブユニットの折り畳みが著しく不安定化すると考えられる。
ヒトGαo1サブユニットのAsp174及びIle279に対応する残基はいずれもタンパク質内部に埋没しており(図4A)、それぞれ水素結合及び疎水的相互作用に関与している。また、FoldXによる計算では、p.Asp174Gly変異及びp.Ile279Asn変異により自由エネルギー変化が2 kcal/mol以上増大するという結果であった(図4B)。これらのことから、p.Asp174Gly変異及びp.Ile279Asn変異によりGαサブユニットの折り畳みが不安定化すると考えられる。
以上より、これらの変異型タンパク質はN2A細胞内で誤って折り畳まれるか又は変性し、その結果図3に示すように細胞内局在が変化するものと推測される。
ヒトGαo1の第203番Glyに対応する残基は、GTPの結合による下流エフェクターの活性化に関与する領域である、高度に保存されたスイッチII領域内に位置する(図4A)。スイッチ領域のコンフォメーションはGタンパク質の複合状態により相違する。Gαβγヘテロ三量体及びGTP (GDP+AlF4 -)結合型Gα−エフェクター(PLCβ)複合体の遷移状態アナログにおいては、当該グリシン残基がスイッチI領域及びGTPに近接して取り囲まれている(図4A)。また、FoldXによる計算では、p.Gly203Arg変異により自由エネルギー変化が顕著に増大するという結果であった。これらのことから、p.Gly203Arg変異によりアルギニン側鎖とスイッチI領域及びGTPの少なくともいずれかとの間で立体障害が生じ、これらのタイプの複合体を不安定化させると考えられる。その一方、Gαβγ受容体(β2AR)複合体においては、構造モデリングでもFoldXによる計算でも実質的な立体障害は予測されなかった(図4B)。これらの結果は、p.Gly203Arg変異型GαサブユニットはGPCRには結合するがGTPの結合ないしは下流エフェクターの活性化を障害するということを示唆している。この予測は、Gαのp.Gly203Thr変異体においてGTP結合が弱まっているという過去の報告(Slepak, V.Z., et al. (1993). J Biol Chem 268, 1414-1423.)によって裏付けられている。このことはまた、N2A細胞内でのp.Gly203Arg変異体の局在が正常である(図3)こととも合致している。
o1変異体の電気生理学的評価
N型カルシウムチャネルは少なくとも部分的にはGαoが媒介するシグナル伝達系を介して阻害されるということが報告されている(Wettschureck, N., and Offermanns, S. (2005). Physiol Rev 85, 1159-1204.)。細胞内でノルエピネフリン誘導性のカルシウム電流阻害がGαoにより媒介されているNG108-15細胞(図5A)(Waldo, G.L., et al. (2010). Science 330, 974-980.)を用いて、Gαo1変異体の機能特性を分析した。p.Thr191_Phe197del変異体を発現するNG108-15細胞では、野生型Gαo1を発現する細胞(図5Bの一番左のカラム)と比較してノルエピネフリン添加前のカルシウム電流密度が有意に増大しており(ダネットの事後検定でp < 0.05; 図5Bの右から2番目のカラム)、変異型Gαo1の局在の変化がカルシウムチャネル活性に影響することを示唆している。p.Asp174Gly変異体を発現する細胞では、有意差はないものの、電流密度のわずかな上昇が示唆された(図5Bの左から3番目)。他の2種類の変異体では電流への作用が認められなかった(図5Bの左から2番目及び一番右)。10μMノルエピネフリン処理により、野生型Gαo1発現細胞でカルシウム電流密度が19.0±5.0%低下した(対応のあるt検定でp < 0.01; 図5Aの左パネル、及び図5Cの一番左のバー)。p.Ile279Asn変異体を発現する細胞においても同様のカルシウム電流密度の低下が観察された(18.5±3.5%, 対応のあるt検定でp < 0.01; 図5Cの一番右のバー)。その一方、p.Thr191_Phe197del変異体を発現する細胞では、電流密度の低下は不明瞭であった(12.1±5.0%, 対応のあるt検定で有意差なし; 図5Aの右パネル、及び図5Cの右から2番目のバー)。他の2種類の変異体(p.Gly203Thr及びp.Asp174Gly)を発現する細胞では、阻害の程度は野生型発現細胞と比較して統計学的に有意ではなかったものの(ANOVAで有意差なし)、ノルエピネフリンによる電流阻害がより弱いことが示唆された(それぞれ9.9±3.8%及び11.1±3.5%; いずれも対応のあるt検定でp < 0.05; 図5Cの左から2番目及び3番目のバー)。これらのデータは、GNAO1変異がGαo媒介性のシグナル伝達を妨害することを示唆している。

Claims (4)

  1. 生体から分離された試料を用いて、対象生体のGNAO1遺伝子の少なくとも一方のアレルに、重度の知的障害及び運動発達遅滞を伴う難治性てんかんの指標となる下記の変異が存在するか否かを調べることを含む、前記難治性てんかんの検出方法。
    (1) Gαoサブユニットタンパク質の第174番アミノ酸がアスパラギン酸からグリシンに置換する変異
    (2) Gαoサブユニットタンパク質の第191番〜第197番アミノ酸を含む領域が欠失する変異
    (3) Gαoサブユニットタンパク質の第203番アミノ酸がグリシンからアルギニンに置換する変異
    (4) Gαoサブユニットタンパク質の第279番アミノ酸がイソロイシンからアスパラギンに置換する変異
  2. ゲノムDNA試料を用いてゲノム配列を調べることにより行なわれる請求項1記載の方法。
  3. 前記変異が以下のいずれかから選択される請求項1又は2記載の方法。
    (1) GNAO1遺伝子コード領域の第521位のA(配列番号9における第257位)がGになる変異
    (2) GNAO1遺伝子コード領域の第572位〜第592位の塩基(配列番号9における第308位〜第328位)を含む領域が欠失する変異
    (3) GNAO1遺伝子コード領域の第607位のG(配列番号10における第214位)がAになる変異
    (4) GNAO1遺伝子コード領域の第836位のT(配列番号11における第313位)がAになる変異
  4. 生体から分離された試料を用いて、対象生体のGNAO1遺伝子の少なくとも一方のアレルに、不随意運動をきたすてんかんを罹患している可能性が高いことの指標となる下記の変異が存在するか否かを調べることを含む、対象生体が不随意運動をきたすてんかんを罹患している可能性を予測する方法。
    (1) Gαoサブユニットタンパク質の第174番アミノ酸がアスパラギン酸からグリシンに置換する変異
    (2) Gαoサブユニットタンパク質の第191番〜第197番アミノ酸を含む領域が欠失する変異
    (3) Gαoサブユニットタンパク質の第203番アミノ酸がグリシンからアルギニンに置換する変異
    (4) Gαoサブユニットタンパク質の第279番アミノ酸がイソロイシンからアスパラギンに置換する変異
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