JP6304621B2 - フッ素処理材および処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は水の中のフッ素捕集方法に係り、フッ素イオンを効率的に、かつ安価に捕集し
、水の中のフッ素イオン濃度を低下することのできるフッ素処理剤および処理方法に関す
る。
アルミ電解工場、光学ガラス工場、石油化学工場から出される排水には、フッ素が含ま
れ、水質汚濁防止法で、海域以外は8mg/L、海域は15mg/Lの排水基準値が設定されている
これまで、水に含まれるフッ素の処理方法として、フッ素含有水を硫酸カルシウムで処
理する方法、フッ素含有水にカルシウム源と銅源を添加して生成した汚泥を沈降させる方
法(特許文献1)、ビニルアルコール系樹脂等の親水性有機高分子材料とジルコニウム水
和化合物を用いたフッ素吸着剤を用いる方法(特許文献2)、セリウムの塩を主成分とす
る希土類元素の塩溶液及び水酸化マグネシウムを添加して生成した沈殿物を固液分離する
方法(特許文献3)が提案されている。
また、フッ素が存在する水を含む液体中にキトサンと鉄の複合材を接触させる処理方法
も提案されている。(特許文献4)。
特開2013−132601「フッ素含有排水の除去方法」 特許4854999号「フッ素吸着剤及びその製法」 特願2006−341139「有害な無機性陰イオンの固定化除去方法及びそれに使用する固定化薬剤」 特許2913150号「有害性陰イオン除去剤及び有害性陰イオンの除去方法」
しかし、硫酸カルシウムを用いる処理方法では、海域以外の排水基準値までフッ素濃度
を低下させることが困難である。また、その他の処理方法では、エネルギーを費やして調
製した薬品を使用しており、さらに、沈殿物の回収ロスや処理効果を発現する元素の溶出
による使用回数の制限があることから、結果として処理コストが高くなってしまう。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、フッ素イオン濃度が
10〜100mg/Lの水からフッ素イオンを高効率、安価に捕集し、フッ素含有水のフ
ッ素イオン濃度を低下させることができるフッ素処理剤および処理方法の提供である。
本発明は上記課題に関して検討した結果、フッ素イオンが含まれる水のフッ素処理剤と
して、食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される、もしくは水処理施設や浄化槽
で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生
物が入った活性汚泥を含む材料を用いることで、上記課題の解決が可能であることを見出
し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求さ
れる発明、もしくは少なくとも開示される発明は以下の通りである。
(1) 真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥
を含むことを特徴とするフッ素処理剤。
(2) 真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥
を含むことを特徴とするフッ素処理剤を、フッ素イオンを含む水と接触させ、フッ素イオ
ンを前記フッ素処理剤に捕集させることを特徴とする、フッ素含有水のフッ素処理方法。
本発明の水に含まれるフッ素イオンの処理剤および処理方法は上述のように構成される
ため、これによれば、フッ素イオン濃度10〜100mg/Lの水からフッ素イオンを高
効率、安価に捕集し、フッ素溶存水のフッ素イオン濃度を、海域以外の排水基準値8mg
/L以下に低下させることができる。
図1は本発明のフッ素イオンが含まれる水からのフッ素イオンの捕集方法の構成を示したフロー図である。 図2は塩素水処理活性汚泥の塩素含有率とフッ素イオンの除去率との関係を示した図である。
以下、本発明を図面も用いつつ、より詳細に説明する。
図1は、本発明のフッ素イオンが含まれる水からのフッ素処理方法の構成を示すフロー
図である。図示するように本発明の各方法は、フッ素イオンが含まれる水1に、食品工場
などの水処理施設や浄化槽から排出される、もしくは水処理施設や浄化槽で使用される微
生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性
汚泥を含むフッ素処理剤2を添加する過程P1、過程P1で得られた混合物から濾過等に
よりフッ素イオンを捕集したフッ素処理剤3を分離してフッ素イオン濃度が低下した水4
を得る過程P2とからなる。
図1においてフッ素処理剤2はたとえば、真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なく
とも1つの生物が入った活性汚泥を含む湿潤状態の捕集材料とすることができるし、また
、前記捕集材料を乾燥したもの、あるいは前記捕集材料を乾燥して砕いたものとすること
もできる。そしてまた、フッ素処理剤2は、湿潤または乾燥または乾燥し砕いた状態の前
記捕集材料を、不織布で作られた袋などの通水性の容器に入れたものでもよい。
また、フッ素処理剤2のハロゲン元素含有率は、低いことが好ましい。前記フッ素処理
剤2の乾燥物を、エネルギー分散型蛍光エックス線分析装置で原子番号11のNaから原
子番号92のUまで測定し、ソフトウェアで、標準試料を用いないファンダメンタルパラ
メーター法によって、算出したハロゲン元素の含有率が低くなるに従い、フッ素処理剤2
の水からフッ素イオンを捕集する性能が向上するからである。
図1において過程P1はたとえば、食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される
、もしくは水処理施設や浄化槽で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生
物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥を含むフッ素処理剤2を添加して、6
分間、好ましくは10分間以上攪拌する過程とすることができる。また、過程P2はたと
えば、過程P1の混合物をそのまま、好ましくはポリ塩化アルミニウムなどの凝集沈殿剤
を添加した混合物を、セルロースや樹脂製やセラミックス製のフィルター、砂や珪藻土な
どのろ過材を用いたろ過、遠心分離器を用いた分離過程とすることができる。
本発明の各方法は上述のように構成されるため、過程P1においてフッ素イオンが含ま
れる水1に食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される、もしくは水処理施設や浄
化槽で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つ
の生物が入った活性汚泥を含むフッ素処理剤2が添加されて、フッ素イオンがフッ素処理
剤2に捕集され、ついで過程P2において濾過等によりフッ素イオンを捕集したフッ素処
理剤3と、フッ素イオン濃度が低下した水4とが分離される。
図の過程P1において、あらかじめ食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される
、もしくは水処理施設や浄化槽で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生
物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥を含む材料の乾燥物、もしくは乾燥物
を砕いたものをカラム等に充填しておき、それにフッ素イオンが含まれる水を通過させる
ことにより、濾過等によるフッ素処理剤2と水を分離する過程P2を省略し、直接、フッ
素イオン濃度が低下した水4と、フッ素イオンを捕集したフッ素処理剤3を得ることとし
てもよい。
なお、真核生物は、藻類、原生生物、菌類、粘菌のいずれかの生物である。
図示されるように、本発明の方法によれば、フッ素イオンが含まれる水からフッ素イオ
ンを効率的、かつ安価に捕集することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本願はかかる実施例に限定されるものではない。
<フッ素処理剤例1> 乳製品加工場の水処理施設から排出される汚泥
牛乳やヨーグルトなどの乳製品を加工、製造している工場の洗浄水などを処理する水処
理施設から排出された含水率82.9%の活性汚泥をそのまま(以下、「W−AS」とも
いう。)、もしくはW−ASを減圧下、60℃で100時間乾燥したもの(以下、「D−
AS」ともいう。)をフッ素処理剤とした。また、D−ASをハンマー式ミル(MF10
、IKAジャパン株式会社)により、目の開きが500μmのふるいを全量通過するよう
に砕いたもの(以下、「DAS−PASS500」)、目の開きが1mmのふるいを全量
通過するように砕いた後に目の開き100、250、500μmのふるいを下から順に重
ねて分級したもの(以下、100μmを通過したものを「DAS−100」、250μm
を通過し100μmを通過しなかったものを「DAS100−250」、500μmを通
過し250μmを通過しなかったものを「DAS250−500」、500μmを通過し
なかったものを「DAS500−1000」ともいう。)もフッ素処理剤とした。乾燥状
態の各フッ素処理剤の蛍光エックス線分析値を表1に示した。
Figure 0006304621
なお、含水率は、Mw[g]のW−ASを、減圧下、60℃で100時間乾燥した時の
質量がMd[g]であるとき、下記式1により算出した値である。
含水率[%]=(Mw−Md)/MW×100・・・(1)
また、蛍光エックス線分析値は、乾燥状態の各フッ素処理剤をエネルギー分散型蛍光エ
ックス線分析装置(EDX−800HS2、(株)島津製作所)で原子番号11のNaから
原子番号92のUまで分析し、本装置付属のソフトウェアでファンダメンタルパラメータ
ー法(標準試料無し)によって算出した値である。
そして、強熱減量率は、磁性ルツボに入れたmd[g]の乾燥状態の活性汚泥を、空気
存在下、600℃で1時間加熱し、ガラスデシケータ中で室温まで冷却したときに磁性ル
ツボに残っていた残分の質量がmr[g]であるとき、下記式2により算出した値である
強熱減量率[%]=(md−mr)/md×100・・・(2)
<実施例1>
1kg当たりにナトリウムイオン170mg、カルシウムイオン137mg、カリウム
イオンとマグネシウムイオンが合わせて6mg、フッ素イオン1mg、塩素イオン146
mg、硫酸イオン475mg、臭素イオンと炭酸水素イオンと炭酸イオンが合わせて23
mg、メタケイ酸とメタホウ酸が合わせて70mg、pH8.5の温泉水(以下、「温泉
水1」ともいう。)にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度が13.0mg/L
になるように調製した水溶液100mLと1.0gのDAS−PASS500をスクリュ
ーキャップ付ポリカーボネート製三角フラスコ(以下、「プラ製三角フラスコ」ともいう
。)に入れ、10分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmの親水性ポリテトラフルオロ
エチレンメンブランフィルター(以下、「PTFEフィルター」ともいう。)でろ過した
ろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、4.2mg/Lであった。
なお、フッ素イオン濃度は、JIS K0102:2010「工場排水試験方法」34
.2 イオン電極法により測定した。また、以下の実施例および比較例においても、同じ
測定法によりフッ素イオン濃度を測定した。
<実施例2>
1kg当たりにナトリウムイオン142mg、カルシウムイオン6mg、カリウムイオ
ン6mg、アンモニウムイオンが1mg未満、フッ素イオン3mg、塩素イオン125m
g、硫酸イオン9mg、炭酸水素イオンと炭酸イオンが合わせて136mg、臭素イオン
と水酸化物イオンがそれぞれ1mg未満、メタケイ酸とメタホウ酸が合わせて186mg
、pH8.8の温泉水(以下、「温泉水2」ともいう。)にフッ化ナトリウムを溶解し、
フッ素イオン濃度が18.7、32.7、52.5mg/Lになるように調製した3種類
のフッ素イオン濃度の水溶液が100mL入ったそれぞれのプラ製三角フラスコに、5.
0gのDAS−PASS500を入れ、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmの
PTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、順に3.96
、8.34、14.20mg/Lであった。
<実施例3>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度18.7mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコ8本それぞれに、DAS−PASS500
を0.1、0.5、0.75、1.0、2.0、3.0、5.0、7.0、10.0gず
つ添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過し
たろ液のフッ素イオン濃度を測定した。表2に測定した結果を示した。
Figure 0006304621
<実施例4>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度22.6mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコ8本それぞれに、DAS−100を0.1
、0.5、0.8、1.0、2.0、3.0、5.0、7.0gずつ添加し、15分間振
とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン
濃度を測定した。また、DAS−100の代わりにDAS100−250、DAS250
−500、DAS500−1000をそれぞれ用いて同じ操作を行い、それぞれのフッ素
イオン濃度を測定した。表3に測定した結果を示した。
Figure 0006304621
<実施例5>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度22.6、76.0mg/L
に調製した水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコ2本それぞれに、DAS−10
0を3.0g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルタ
ーでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定した。また、DAS−100の代わりにDA
S100−250、DAS250−500、DAS500−1000をそれぞれ用いて同
じ操作を行い、それぞれのフッ素イオン濃度を測定した。表4に測定した結果を示した。
Figure 0006304621
なお、表4のフッ素イオン濃度22.6mg/Lのデータは、実施例4のデータである
<実施例6>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度76.0mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、DAS−100を5.0g添加し、1
5分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ
素イオン濃度を測定したところ、7.33mg/Lであった。
また、同様に調製したフッ素イオン濃度10.1mg/Lの水溶液が100mL入った
プラ製三角フラスコ2本に、DAS−100を0.1、0.5gそれぞれ添加し、15分
間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イ
オン濃度を測定したところ、順に4.46、5.19mg/Lであった。
そして、また、同様に調製したフッ素イオン濃度100mg/Lの水溶液が100mL
入ったプラ製三角フラスコ2本に、DAS−100を7.0、8.0gそれぞれ添加し、
15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフ
ッ素イオン濃度を測定したところ、順に8.31、7.19mg/Lであった。
<実施例7>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度22.4mg/Lに調製した
水溶液が400mL入ったプラ製三角フラスコ2本それぞれに、50.0gのW−AS、
8.0gのDAS250−500を添加し、振とう撹拌開始1、3、6、10、15分間
後にプラ製三角フラスコ内の水溶液を必要量採取し、孔径0.45μmのPTFEフィル
ターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定した。表5に測定した結果を示した。なお
、W−ASを添加した水溶液のろ液のフッ素イオン濃度は、W−ASに含まれる水分によ
る濃度補正は行わない実際に測定されたろ液の濃度を示した。
Figure 0006304621
<実施例8>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度22.6mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、DAS250−500を振動式カップ
ミル(MC−4A、(株)伊藤製作所)でステンレスカップにて目の開き100μmのふ
るいを通るまで粉砕したもの(以下、「粉砕DAS250−500」ともいう。)を1.
0g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過
したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、7.33mg/Lであった。
また、温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度100mg/Lに調製
した水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、粉砕DAS250−500を10
.0g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ
過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、5.19mg/Lであった。
なお、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−300、(株)堀場製作所)
にて測定した粉砕DAS250−500とDAS−100のメジアン径、算術平均径はそ
れぞれ50.0、62.6と48.5、52.8であった。
<フッ素処理剤例2> 浄化槽用シーディング剤からの活性汚泥
20Lプラスチック製バケツに水15L、牛乳100mL、浄化槽用シーディング剤(
浄化槽アクセラーゼ、無臭元工業(株))20.0g入れて混合し、空気曝気しながら水
温25℃を7日間維持した。なお、3日および5日経過時に牛乳100mLをさらに添加
した。7日経過後のバケツの液に34重量%のポリ塩化アルミニウム水溶液を添加、撹拌
後、静置し、生成した凝集物をろ布でろ過し、ろ布上に残った残渣を減圧下、60℃で乾
燥した。乾燥物をハンマー式ミル(MF10、IKAジャパン株式会社)により、目の開
きが500μmのふるいを全量通過するまで粉砕し、牛乳添加浄化槽用シーディング剤由
来活性汚泥(以下、「M−SAS」ともいう。)を得た。
また、牛乳100mLに代えて馬鈴薯デンプン7.8gを用いてM−SAS調製と同様
の操作をし、デンプン添加浄化槽用シーディング剤由来活性汚泥(以下、「S−SAS」
ともいう。)を得た。
M−SAS、S−SASの分析値を表6に示した。なお、蛍光エックス線分析値、強熱
減量率は、<フッ素処理剤例1>に記述した方法と同様に行った。
Figure 0006304621
<実施例9>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度8.93、15.6mg/L
に調製した水溶液がそれぞれ100mL入ったプラ製三角フラスコに、M−SAS1.0
g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過し
たろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、6.19、9.10mg/Lであった。
また、M−SASの代わりにS−SASを用いて同様の操作を行い、フッ素イオン濃度
を測定したところ、6.23、8.79mg/Lであった。
<比較例1>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度15.6mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、浄化槽用シーディング剤(浄化槽アク
セラーゼ、無臭元工業(株))1.0g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.4
5μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、15
.6mg/Lであった。
<実施例10>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度18.8mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコ2本に、M−SAS、S−SAS5.0g
をそれぞれ添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルター
でろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、それぞれ7.21、6.39mg
/Lであった。
<実施例11>
純水にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度18.3mg/Lに調製した水溶
液が100mL入ったプラ製三角フラスコ3本に、M−SASとS−SASは5.0g、
DAS100−250は1.0gをそれぞれ添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0
.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、
M−SASを添加したろ液は7.15mg/L、S−SASを添加したろ液は5.88m
g/L、DAS100−250を添加したろ液は5.69mg/Lであった。
<実施例12>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度15.0mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、DAS−PASS500を1.5g入
れたポリエチレンとポリプロピレンとポリエステルの複合繊維でできた大きさ95×70
mmのティーバッグ型の不織布を入れ、10分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmの
PTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、7.94mg
/Lであった。
<比較例2>
純水にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度50.0mg/Lに調製した水溶
液が100mL入ったプラ製三角フラスコ2本に、硫酸カルシウム無水物、硫酸カルシウ
ム2水和物をそれぞれ0.1g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmの
PTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、それぞれ17
.9、21.0mg/Lあった。
また、フッ素イオン濃度10.0mg/Lの水溶液を用いて、同様の操作を行い、フッ
素イオン濃度を測定したところ、硫酸カルシウム無水物を添加したろ液は10.0mg/
L、硫酸カルシウム2水和物を添加したろ液は9.81mg/Lであった。
<比較例3>
温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度50.0mg/Lに調製した
水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに、硫酸カルシウム0.5水和物を0.2
g添加し、15分間振とう撹拌した後、孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過し
たろ液のフッ素イオン濃度を測定したところ、49.9mg/Lであった。
<実施例13>
塩素濃度が異なる複数の塩素水それぞれに、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を加工製造
している工場の洗浄水などを処理する水処理施設から排出された活性汚泥を入れ、振とう
撹拌した後、ろ紙でろ過し、ろ紙上の残渣を純水により洗浄をしたものを、減圧下、60
℃で100時間乾燥した。それぞれの乾燥物を、ハンマー式ミル(MF10、IKAジャ
パン株式会社)により、目の開きが1mのふるいを全量通過するように粉砕し、塩素含有
率が異なる複数の乾燥塩素水処理活性汚泥を得た。各々の乾燥塩素水処理活性汚泥2.0
gを、温泉水2にフッ化ナトリウムを溶解し、フッ素イオン濃度20.8mg/Lに調製
した水溶液が100mL入ったプラ製三角フラスコに入れ、10分間振とう撹拌した後、
孔径0.45μmのPTFEフィルターでろ過したろ液のフッ素イオン濃度を測定した。
図2に塩素水処理活性汚泥の塩素含有率とフッ素イオンの除去率の関係を示した。なお、
塩素含有率は、<フッ素処理剤例1>に記述した方法と同様に分析して得られた蛍光エッ
クス線分析値の塩素の質量パーセント値であり、フッ素イオン除去率は、測定されたろ液
のフッ素イオン濃度がFa[mg/L]であるとき、下記式3により算出した値である。
フッ素イオン除去率[%]=(20.8−Fa)/20.8×100・・・(3)
本発明方法によれば、食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される、もしくは水
処理施設や浄化槽で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少
なくとも1つの生物が入った活性汚泥をフッ素処理剤として用いることにより、水からフ
ッ素イオンを効率的、安価に捕集し、フッ素イオン濃度を低下させることができる。した
がって、産業上利用価値が高い発明である。
1:フッ素イオンが含まれる水
2:食品工場などの水処理施設や浄化槽から排出される、もしくは水処理施設や浄化槽
で使用される微生物を培養した真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生
物が入った活性汚泥を含むフッ素処理剤
3:フッ素イオンを捕集したフッ素処理剤
4:フッ素イオンが捕集され、フッ素イオン濃度が低下した水
P1:フッ素イオンが含まれる水へのフッ素処理剤添加過程
P2:濾過等によりフッ素イオンを捕集したフッ素処理剤とフッ素イオン濃度が低下し
た水を分離する過程

Claims (2)

  1. 真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥を含む加熱乾燥物であることを特徴とするフッ素処理剤。
  2. 真正細菌、古細菌、真核生物のうち、少なくとも1つの生物が入った活性汚泥を含む加熱乾燥物であることを特徴とするフッ素処理剤を、フッ素イオンを含む水と接触させ、フッ素イオンを前記フッ素処理剤に捕集させることを特徴とする、フッ素含有水のフッ素処理方法。
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