以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本実施形態における車両用空調装置1の全体構成を示し、図2に、この車両用空調装置1の電気制御部の構成を示す。本実施形態では、この車両用空調装置1を、内燃機関(エンジン)EGおよび走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に適用している。
まず、本実施形態のハイブリッド車両について説明する。本実施形態のハイブリッド車両は、車両停止時に外部電源(商用電源)から供給された電力を図1のバッテリ81に充電することのできる、いわゆるプラグインハイブリッド車両として構成されている。このプラグインハイブリッド車両は、車両走行開始前の車両停止時に外部電源からバッテリ81に充電しておくことによって、走行開始時のようにバッテリ81の蓄電残量が予め定められた走行用基準残量以上になっているときには、主に走行用電動モータの駆動力によって走行する(以下、この運転モードをEV運転モードという)。
一方、車両走行中にバッテリ81の蓄電残量が走行用基準残量よりも低くなっているときには、主にエンジンEGの駆動力によって走行する(以下、この運転モードをHV運転モードという)。このように、EV運転モードとHV運転モードとを切り替えることによって、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両に対してエンジンEGの燃料消費量を抑制して、車両燃費を向上させている。
また、エンジンEGから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、図1の発電機80を作動させるためにも用いられる。そして、発電機80にて発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリ81に蓄えることができ、バッテリ81に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、車両用空調装置1を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給できる。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の詳細構成を説明する。車両用空調装置1は、図1に示す室内空調ユニット10と、図2に示す空調制御装置50とを備えている。
図1に示すように、室内空調ユニット10は、空調ケース11、送風機12、蒸発器13、ヒータコア14、およびPTCヒータ15等を備え、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。そして、室内空調ユニット10は、その外殻を形成する空調ケース11内に送風機12、蒸発器13、ヒータコア14、PTCヒータ15等を収容したものである。
空調ケース11は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。空調ケース11内の送風空気流れの最上流側には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替箱20が配置されている。
より具体的には、内外気切替箱20には、空調ケース11内に内気を導入させる内気導入口21および外気を導入させる外気導入口22が形成されている。さらに、内外気切替箱20の内部には、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア23が配置されている。
したがって、内外気切替ドア23は、空調ケース11内に導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる吸込口モードを切り替える風量割合変更手段を構成する。より具体的には、内外気切替ドア23は、内外気切替ドア23用の電動アクチュエータ62によって駆動され、この電動アクチュエータ62は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吸込口モードは、内外気切替ドア23によって、内気導入口21および外気導入口22から空調ケース11に導入される空気量のうち外気が占める外気導入率を決めるものである。吸込口モードとしては、例えば、内気モード、外気モード、および半内気モードがある。
内気モードは、外気導入率を0%とするために、内気導入口21を全開とするとともに外気導入口22を全閉として空調ケース11内へ内気を導入するモードである。外気モードは、外気導入率を例えば100%とするために、内気および外気のうち主に外気を空調ケース11内へ外気を導入するモードである。半内気モードは、外気導入率を50%とするために、内気導入口21の開口面積と外気導入口22の開口面積とを同一にするモードである。
内外気切替箱20の空気流れ下流側には、内外気切替箱20を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機(ブロワ)12が配置されている。この送風機12は、ブロワモータ121と遠心多翼ファン(シロッコファン)122とを備え、遠心多翼ファン122をブロワモータ121にて駆動する電動の送風装置である。本実施形態のブロワモータ121としては、直流モータが用いられている。送風機12は、空調ケース11に形成された吹出開口部24〜26から、温度調整された空調空気を吹き出させる。送風機12は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機12の空気流れ下流側には、蒸発器13が配置されている。蒸発器13は、圧縮機(コンプレッサ)31、凝縮器32、気液分離器33、および膨張弁34等とともに、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置30を構成している。
車両用空調装置1は、圧縮機31、凝縮器32、気液分離器33、および膨張弁34等も備えている。
圧縮機31は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクル装置30において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構31aを電動モータ31bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。電動モータ31bは、インバータ61(図2参照)から出力される交流電流によって、その作動(回転数)が制御される三相交流同期型のモータである。
ここで、図2の空調制御装置50は、圧縮機31の目標回転数Nctを示す制御信号をインバータ61へ出力し、インバータ61は、その制御信号に応じた周波数の交流電圧を電動モータ31bに出力する。これにより、電動モータ31bの回転数の制御が実施される。そして、この回転数の制御によって、圧縮機31から吐出される冷媒量が変更される。その一方で、インバータ61は、圧縮機31の消費電力Wcpを示す信号を空調制御装置50へ出力する。
図1の凝縮器32は、エンジンルーム内に配置されて、圧縮機31から吐出される高温高圧冷媒と、室外送風機としての送風ファン35から送風された車室外空気(外気)との間で熱交換させることにより、高圧冷媒を冷却・凝縮させるものである。送風ファン35は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
気液分離器33は、凝縮器32によって冷却・凝縮される冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分離して液相冷媒を膨張弁34に供給する。膨張弁34は、気液分離器33から供給される液相冷媒を減圧する。
蒸発器13は、膨張弁34によって減圧膨張された冷媒を蒸発させ、その冷媒と送風空気との間で熱交換させることにより送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
また、図1の空調ケース11内において、蒸発器13の空気流れ下流側には、蒸発器13を通過した空気を流す加熱用冷風通路16、加熱用冷風通路16をバイパスして蒸発器13からの冷風を流す冷風バイパス通路17といった空気通路、並びに、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17から流出した空気を混合させる混合空間18が形成されている。
加熱用冷風通路16には、蒸発器13を通過した送風空気、すなわち蒸発器13で冷却された送風空気を加熱する加熱装置としてのヒータコア14およびPTCヒータ15が、送風空気流れ方向に向かってこの順で配置されている。
ヒータコア14は、車両走行用駆動力を出力するエンジンEGの冷却水(温水)と蒸発器13を通過した空気(冷風)との間で熱交換させて、蒸発器13を通した空気を加熱する加熱用熱交換器である。
具体的には、ヒータコア14とエンジンEGとの間に冷却水流路41が設けられており、ヒータコア14とエンジンEGとの間を冷却水が循環する冷却水回路40が構成されている。そして、この冷却水回路40には、冷却水を循環させるための電動ウォータポンプ42が設置されている。電動ウォータポンプ42は、空調制御装置50から出力される制御信号によって回転数(すなわち、冷却水循環量)が制御される電動式の水ポンプである。
また、PTCヒータ15は、PTC素子(正特性サーミスタ素子)を有し、このPTC素子に電力が供給されることによって発熱して、ヒータコア14を通過した空気を加熱する補助暖房手段としての電気ヒータである。本実施形態のPTCヒータ15は、複数のPTCヒータから構成されている。具体的には、第1PTCヒータ15a、第2PTCヒータ15b、および第3PTCヒータ15cから構成されている。空調制御装置50は、スイッチ切替え等により、通電するPTCヒータ15の本数を変化させ、それによって複数のPTCヒータ15全体としての加熱能力が制御される。
上述したように蒸発器13は空調ケース11内を流れる送風空気を冷却する一方で、ヒータコア14およびPTCヒータ15はその送風空気を加熱するので、蒸発器13、ヒータコア14、およびPTCヒータ15は全体として、吹出開口部24〜26から吹き出される空気を調温する温度調節機構を構成する。そして、この温度調節機構によって温度調節された空調空気は吹出開口部24〜26から車室内へ吹き出される。
図1中の冷風バイパス通路17は、蒸発器13を通過した空気を、ヒータコア14およびPTCヒータ15を通過させることなく、混合空間18に導くための空気通路である。したがって、混合空間18にて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路16を通過する空気および冷風バイパス通路17を通過する空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、蒸発器13の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17の入口側に、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17へ流入させる冷風の風量割合を連続的に変化させるエアミックスドア19を配置している。エアミックスドア19は、エアミックスドア用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。エアミックスドア19は、混合空間18内の空気温度(車室内へ送風される送風空気の温度)を調整する温度調節機構を構成する。
さらに、空調ケース11の送風空気流れ最下流部には、混合空間18から空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す吹出開口部24〜26が配置されている。この吹出開口部24〜26としては、具体的には、車室内の乗員の上半身に向けて空調空気を吹き出すフェイス吹出開口部24、乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出開口部25、および、車両前面窓ガラス74の内側面74aに向けて空調空気を吹き出すデフロスタ吹出開口部26が設けられている。
また、フェイス吹出開口部24、フット吹出開口部25、およびデフロスタ吹出開口部26の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出開口部24の開口面積を調整するフェイスドア24a、フット吹出開口部25の開口面積を調整するフットドア25a、デフロスタ吹出開口部26の開口面積を調整するデフロスタドア26aが配置されている。
これらのフェイスドア24a、フットドア25a、デフロスタドア26aは、図示しないリンク機構を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ64に連結されて連動して回動操作される。この電動アクチュエータ64も、空調制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御される。このように、フェイスドア24a、フットドア25a、デフロスタドア26a、および電動アクチュエータ64は、各吹出開口部24、25、26の開口面積をそれぞれ調整する吹出口調整装置を構成している。
また、吹出口モードとしては、吹出開口部24、25、26のうちいずれの吹出開口部をモードドア24a、25a、26aにより開口させるべきかを示す情報である。吹出口モードとしては、例えば、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードがある。
フェイスモードは、フェイス吹出開口部24を全開してフェイス吹出開口部24から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。
バイレベルモードは、フェイス吹出開口部24とフット吹出開口部25の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。フットモードは、フット吹出開口部25を全開するとともにデフロスタ吹出開口部26を小開度だけ開口して、フット吹出開口部25から主に空気を吹き出す吹出口モードである。デフロスタモードは、フット吹出開口部25を小開度だけ開口して、デフロスタ吹出開口部26を全開して、フット吹出開口部25およびデフロスタ吹出開口部26の双方から空気を吹き出す吹出口モードである。フットデフロスタモードは、フット吹出開口部25およびデフロスタ吹出開口部26を同程度開口して、フット吹出開口部25およびデフロスタ吹出開口部26の双方から空気を吹き出す吹出口モードである。
次に、図2により、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される電子制御装置である。空調制御装置50は、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
空調制御装置50の出力側には、送風機12、圧縮機31の電動モータ31b用のインバータ61、室外ファンとしての送風ファン35、内外気切替ドア(内外気切替ドアダンパ)23用の電動アクチュエータ62、吹出口モードドア(吹出口ダンパ)24a、25a、26a用の電動アクチュエータ64、各PTCヒータ15a、15b、15c、および電動ウォータポンプ42等が接続されている。
また、車両用空調装置1は、電気ヒータでステアリングを加熱するステアリングヒータ66と、車両シートにおいて乗員の臀部および背中に接触するシート表皮から空気を吹き出すシート送風装置68と、運転席に着座している運転者の膝へ向けて輻射熱を発する膝輻射ヒータ70と、電気ヒータで車両シートを加熱するシート暖房装置72とを有している。これらの装置66、68、70、72は、乗員が車室内の空調に対して感じる空調感を補うための空調補助機器(言い換えれば、補助冷暖房装置)として設けられている。そして、これらの空調補助機器66、68、70、72は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、空調制御装置50の入力側には、内気温(車室内の温度)Trを検出する内気センサ(室内空気温度センサ)51、外気温(車室外の空気温度)Tamを検出する外気センサ(車室外空気温度センサ)52、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ53、および、圧縮機31の吐出冷媒圧力Pcを検出する冷媒圧力センサである吐出圧力センサ55(吐出圧力検出手段)等のセンサ群が接続されている。
また、空調制御装置50の入力側には、これらの図2に示すセンサ群の他に、圧縮機31の吐出冷媒温度Tcを検出する吐出温度センサ(吐出温度検出手段)、蒸発器13からの吹き出される空気温度(蒸発器温度)Teを検出する蒸発器温度センサ(蒸発器温度検出手段)、圧縮機31に吸入される冷媒の温度Tsiを検出する吸入温度センサ、および、エンジンEGからヒータコア14に流出したエンジン冷却水の冷却水温度TWを検出する冷却水温度センサ(冷却水温度検出手段)等の不図示のセンサ群も接続されている。
なお、上記蒸発器温度センサは、具体的に蒸発器13の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、その蒸発器温度センサは、蒸発器13のその他の部位の温度を検出してもよいし、蒸発器13を流通する冷媒自体の温度を直接検出してもよい。
さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60には、各種空調操作スイッチとして、具体的に、エアコンスイッチ、圧縮機ON/OFF用スイッチ60a、オートモードスイッチ60b、吸込口モードスイッチ、運転モード切替スイッチ、吹出口モード切替スイッチ、ブロア風量設定スイッチ、車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
エアコンスイッチは、車両用空調装置1の作動を開始、および停止を指令するためのスイッチである。圧縮機ON/OFF用スイッチ60aは、圧縮機31の作動開始及びその停止を指令するためのスイッチである。
オートモードスイッチ60bは、ユーザのマニュアル操作によって、マニュアルモード、送風機12のオートモード、内外気切替ドア23のオートモード、
モードドア24a、25a、26aのオートモード、およびオート空調モードなどのうちいずれかのモードを設定するためのスイッチである。
吸込口モードスイッチは、ユーザのマニュアル操作によって、吸込口モードを切り替えるためのスイッチである。運転モード切替スイッチは、ユーザのマニュアル操作によって、ノーマルモード、あるいはエコモードを切り替えるためのスイッチである。吹出口モード切替スイッチは、ユーザのマニュアル操作で吹出口モードを切り替えるためのスイッチである。
ブロア風量設定スイッチは、ユーザのマニュアル操作によって、送風機12から吹き出される送風量を設定するためのスイッチである。車室内温度設定スイッチは、ユーザのマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetを設定するためのスイッチである。目標温度Tsetは、車室内空気温度の目標温度である。操作パネル60には、車室内のユーザに向けて設定温度等の情報を表示するための表示パネル60cも設けられている。
さらに、本実施形態の空調制御装置50には、マイク71が接続されている。マイク71には、ユーザの音声等の情報が入力される。空調制御装置50は、マイク71を通して入力されるユーザの音声を音声認識処理する。このため、空調制御装置50は、ステップ3毎に、ユーザの音声入力によって設定温度、吹出口モード、吸込口モード、送風機12の送風量(ブロア電圧)等の設定値を受け付ける処理を繰り返し実施することになる。設定値は、空調ユニット10の制御状態を決める設定値として機能する。
また、空調制御装置50は、エンジンEGの作動を制御するエンジンコンピュータであるエンジン制御装置90に電気的に接続されており、空調制御装置50およびエンジン制御装置90は互いに電気的に通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。例えば、空調制御装置50がエンジン制御装置90へエンジンEGの作動要求信号を出力することによって、エンジンEGを作動させることができる。また、空調のためにエンジンEGが作動している場合には、空調制御装置50がエンジンEGの作動要求信号を出力しないことによって、エンジンEGを停止させることができる。
なお、空調制御装置50およびエンジン制御装置90は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。例えば、空調制御装置50のうち、PTCヒータ15の作動と停止との切り替えを制御する構成がPTCヒータ制御手段を構成している。
次に、空調制御装置50による空調制御処理を、図3〜図7を用いて説明する。図3は、空調制御装置50の空調制御処理の一例を示したフローチャートである。
まず、イグニッションスイッチがオンされて、空調制御装置50にバッテリからイグニッションスイッチを通して直流電力が供給されると、予めメモリに記憶されている制御プログラムが実行される。イグニッションスイッチがオンされた時は、ユーザの操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態になった時である。
ステップ1では、空調制御装置50内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリの記憶内容等を初期化(イニシャライズ)し、ステップ2に進む。ステップ2では、操作パネル60の操作信号等を読み込む。具体的な操作信号としては、車室内温度設定スイッチによって設定される車室内の空気の目標温度を示す設定温度Tsetの設定信号、オートモード60bの操作信号、吸込口モードスイッチ60cの操作信号等がある。
次に、ステップ3では、各種センサから入力されるセンサ信号を受け付ける。なお、ステップ2、S3では、各種データがデータ処理用メモリに読み込みこまれる。センサ信号としては、例えば、内気センサ51が検知する内気温度(車室内温度)Tr、外気センサ52が検知する外気温度Tam、日射センサ53が検知する日射量Ts、蒸発器後温度センサが検知する蒸発器後温度(Te)、および冷却水温センサが検知するエンジン冷却水温Twがある。これに加えて、ステップ3では、マイク71を通して入力されるユーザの音声に対して音声認識処理を実施して、設定温度、吹出口モード、吸込口モード、送風機12の送風量(ブロア電圧)等の設定値を受け付ける処理を実施する。
次に、ステップ4では、設定温度Tsetを用いて目標吹出温度TAOを演算する。目標吹出温度TAOは、車室内の空気温度を設定温度Tsetに維持するのに必要となる吹出開口部24〜26からの吹き出し空気温度である。目標吹出温度TAOの演算の詳細については後述する。これに加えて、目標吹出温度TAOおよび上記各種センサからの信号により、電動ウォータポンプ42の目標回転数を示す制御値を算出する。
次に、ステップ5では、バッテリからブロワモータ121に印加されるブロワ電圧を決定するブロワ電圧決定処理を実施する。ブロワ電圧は、ブロワモータ121の回転数、すなわち、送風機12の送風量を制御する役割を果たす。ブロワ電圧決定処理の詳細については後述する。
次に、ステップ6では、吸込口モード決定処理を実行する。これにより、室内空調ユニット10の内外気切替箱20内に空気を取り込む吸込口(すなわち、吸込口モード)を決定する。なお、吸込口モード決定処理の詳細については後述する。
次のステップ7では、吹出口モード決定処理を実施する。これにより、空調ケース11の吹出開口部24〜26のうち空気を車室内に吹き出す吹出開口部を決める。吹出口モード決定処理の詳細については後述する。
次のステップ8では、後述する圧縮機回転数決定処理を実施する。なお、圧縮機回転数決定処理の詳細は後述する。
次のステップ9では、電気ヒータを構成するPTCヒータ15(単にPTCともいう)の作動本数を決定する処理を行う。例えば、PTCヒータ15の作動本数は、予め設定されたマップにしたがって決定され、エンジン冷却水温Twが低いほど多くされる。また、ステップ9では、ステアリングヒータ66等の空調補助機器66、68、70、72を作動させるか否かを決定する処理も行う。
次に、ステップ10では、要求水温決定処理を実施する。要求水温決定処理は、エンジン冷却水を暖房および防曇等の熱源にするため、目標吹出温度TAO等に基づきエンジン冷却水の要求水温を決定する。そして、そのエンジン冷却水の要求水温に基づいて、エンジン制御装置90に対してエンジンEGの始動を要求するエンジンオン要求の要否を決定する。
次に、ステップ11では、電動ウォータポンプ作動決定処理を実施する。電動ウォータポンプ作動決定処理は、エンジン冷却水温Tw等に基づいて、電動ウォータポンプ42(図1参照)のオンオフを決定する処理である。なお、電動ウォータポンプ作動決定処理の詳細については後述する。
次に、ステップ12では目標エバポレータ温度TEO(すなわち、目標蒸発器温度TEO)を決定する。この目標蒸発器温度TEOは、蒸発器温度Teの目標温度である。なお、目標蒸発器温度TEOの決定処理の詳細については、後述する。
次に、ステップ13では、上記各ステップ4〜S12で、算出或いは決定された各制御状態が得られるように、各種アクチュエータ12、61、35、62、64、15a、15b、15c、42、表示パネル60cおよびエンジン制御装置90等に対して制御信号を出力する。例えば、後述する図4のステップ410で定める設定温度を表示パネル60cに出力する。
次に、ステップ14では、上記ステップ2を開始したから経過した時間(以下、経過時間という)が制御周期T(すなわち、一定時間)よりも長いか否かを判定する。制御周期Tは、予め決められた一定時間である。例えば、経過時間が制御周期Tよりも長い場合には、ステップ14でYESと判定してステップ2に進む。
一方、経過時間が制御周期Tよりも短い場合には、ステップ14でNOと判定してステップ14を繰り返す。このことにより、経過時間が制御周期Tよりも長なるまで待機することになる。その後、経過時間が制御周期Tよりも長くなると、ステップ14でYESと判定してステップ2に進む。このようなステップ14により、ステップ2、S3、S4・・・S14の各処理は、繰り返し一定周期毎に実行される。なお、本実施形態では、制御周期Tを250msとしている。
次に、空調制御装置50の各ステップの詳細に関して更に詳しく説明する。
まず、TAO算出処理(図3のステップ4)に関して図4を参照して説明する。
ステップ400において、今回のステップ410で音声指示により設定温度を補正する前の設定温度(すなわち、前回のステップ410で求められた設定温度)を仮の設定温度とする。本実施形態では、仮の設定温度の初期値としては、車室内温度設定スイッチに設定される目標温度Tsetが用いられる。このため、空調制御処理の開始直後には、車室内温度設定スイッチに設定される目標温度Tsetを表示パネル60cに表示する。
次に、ステップ401において、次の(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ402に移行する。
(1)イグニッションスイッチがオフしているか否かを判定する。イグニッションスイッチが走行用エンジンをオン/オフするための電源スイッチである。イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(2)車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetを設定したか否かを判定する。
具体的には、n回目のステップ3で車室内温度設定スイッチから読み込まれる目標温度Tset(n)と、(n−1)回目のステップ3で車室内温度設定スイッチから読み込まれる目標温度Tset(n−1)とが相違しているときには、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetが設定されたとしてYESと判定する。目標温度Tset(n)と目標温度Tset(n−1)とが同一であるときには、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetが設定されていないとしてNOと判定する。括弧内の記号は、ステップの実行回数を示している。
(3)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したか否かを判定する。オート空調モードは、送風機12、内外気切替ドア23、およびモードドア24a、25a、26aをそれぞれ自動制御するモードである。そして、ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(4)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したか否かを判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ401においてYESと判定する。
例えば、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetを設定した場合には、目標温度Tset(n)と目標温度Tset(n−1)とが相違する。このため、ステップ401においてYESと判定する。これに伴い、ステップ402において、音声補正設定値(n)=0とする。括弧内の記号は、ステップ4の実行回数を示す。音声補正設定値(n)は、前回にステップ410で算出される音声補正設定値である。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の判定で全てNOと判定したときには、ステップ401においてNOと判定する。
次に、ステップ403において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回にユーザから音声により設定温度Tsetの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。これにより、前回ユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度以上変化したときは、前回にユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとして、ステップ403において、YESとする。これに伴い、ステップ404において、音声補正設定値(n)=0として、次のステップ405に進む。
一方、前回にユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変化が所定温度未満であるときには、前回にユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わっていないとして、ステップ403において、NOとして、次のステップ405に進む。
次に、ステップ405において、今回にマイク71を通してユーザから音声により設定温度Tsetの指示を受け付けたか否かを判定する。ユーザから音声により設定温度Tsetの指示を受け付けたときには、YES判定する。
ここで、設定温度Tsetの指示は、設定温度Tsetを上昇させる指示、或いは、設定温度Tsetを低下させる指示を示している。
そこで、次のステップ407において、今回に受け付けた設定温度Tsetの指示は、設定温度Tsetを上昇させる指示であるか否かを判定する。
ここで、ステップ401でNOと判定し、かつステップ403でNOと判定し、さらに、今回に受け付けた設定温度Tsetの指示が、設定温度Tsetを上昇させる指示であるときには、設定温度Tsetを所定温度(例えば1℃)上昇させる補正値を受け付けたとして、ステップ407でYESと判定する。
この場合、音声補正設定値(n−1)に所定温度(例えば1℃)を加算した値を音声補正設定値(n)(=音声補正設定値(n−1)+1℃)とする(ステップ408)。音声補正設定値(n−1)は、(n−1)回目のステップ402、404、408、409のうちいずれか1つのステップで算出される音声補正設定値である。
一方、ステップ401でNOと判定し、かつステップ403でNOと判定し、さらに、今回に受け付けた設定温度Tsetの指示が、設定温度Tsetを低下させる指示であるときには、設定温度Tsetを所定温度(例えば1℃)低下させる補正値を受け付けたとして、ステップ407においてNOと判定する。
この場合、音声補正設定値(n)から所定温度(例えば1℃)を引いた値を音声補正設定値(n)(=音声補正設定値(n−1)−1℃)とする(ステップ408)。
このようにユーザがマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetを設定していないときに、設定温度Tsetを補正する指示(すなわち、補正値)をユーザから音声入力によって受け付けたとしてステップ405でYESと判定すると、音声補正設定値(n−1)と補正値とに基づいて音声補正設定値(n)を算出する。そして、この算出される音声補正設定値(n)と仮の設定温度とを加算して設定温度Tset(=音声補正設定値(n)+仮の設定温度)を求める(ステップ410)。
その後、上記ステップ403において、ユーザから音声により設定温度の指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度以上変化したときは、YESとして、ステップ404において、音声補正設定値(n)=0とする。この場合、ステップ410において、設定温度Tsetを仮の設定温度とする。
さらに、上記ステップ401、403においてNOと判定し、かつ上記ステップ405において、マイク71を通してユーザから音声により設定温度Tsetの指示を受け付けていないとしてNOと判定した場合には、音声補正設定値(n−1)と仮の設定温度とを加算して設定温度Tset(=音声補正設定値(n−1)+仮の設定温度)を求める(ステップ410)。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって車室内の目標温度Tsetを設定して上記ステップ401においてYESと判定すると、ステップ406において、音声補正設定値(n)=0として、設定温度Tsetを仮の設定温度(=設定温度Tset)とする。
このようにステップ406、410のいずれか一方で設定温度Tsetを算出する。このため、ステップ406、410のいずれか一方で設定温度Tsetを算出する毎に、この算出される設定温度Tsetを示す表示情報が表示パネル60cに出力される。そして、設定温度Tsetの算出毎に、表示パネル60cに表示される設定温度Tsetが更新される。
次に、ステップ411において、Tset、Tr、Tam、Tsを予め記憶している下記の数式F1に代入して目標吹出温度TAOを演算する。
目標吹出温度TAOは、外気温度や日射量の変動にかかわらず、内気センサ51の検出温度が設定温度Tsetを維持するのに必要となる吹出開口部24、25、26の吹き出し空気温度である。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C …(F1)
ここで、Tsetは、ステップ406、410のうちいずれか一方で算出される設定温度、Trは内気温度、Tamは外気温度、Tsは日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsは各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。図4のステップ411では、Kset=7、Kr=3、Kam=1.1、Ks=1.5、C=45とする数式F1の具体例を示している。
これに加えて、目標吹出温度TAO、蒸発器後温度Te、およびエンジンの冷却水温Twを数式F2に代入して混合率SW(%)を求める。混合率SW(%)は、冷風バイパス通路17を流れる冷風と加熱用冷風通路16から吹き出される温風との比率を示す百分率である。
SW=(TAO−Te)/(Tw−Te)×100 …(F2)
ここで、エアミックスドア19の目標位置は、混合率SW(%)を実現するために設定される。そこで、本実施形態では、エアミックスドア19の目標位置を示すエアミックスドア用アクチュエータの制御信号を算出することになる。
さらに、目標吹出温度TAOおよび上記各種センサからの信号により、電動ウォータポンプ42の目標回転数を示す制御値を算出する。
以上により、目標吹出温度TAO、エアミックスドア19の位置、および電動ウォータポンプ42の目標回転数は、ステップ406、410のうちいずれか一方で算出される設定温度Tsetによって決まる。
次に、ブロア電圧決定処理(図3のステップ5)に関して図5、図6、図7を参照して説明する。
まず、図5のステップ500において、オートモードスイッチ60bに対して、送風機12のオートモードが設定されているか否かを判定する。送風機12のオートモードは、送風機12を自動制御するモードである。このとき、オートモードスイッチ60bに対して送風機12のマニュアルモードが設定されているときには、ステップ500において、NOと判定する。
ここで、ステップ501において、ステップ3でブロア風量設定スイッチから読み込んだ送風機12のブロア電圧によって仮のブロア電圧を決める。
ブロア風量設定スイッチは、ユーザのマニュアル操作によって、Hi、M3、M2、M1、Loのうちいずれか1つのブロア電圧を設定する。ブロア電圧は、送風機12を駆動するために送風機12に与える電圧である。
Hi、M3、M2、M1、Loは、それぞれ、ブロア電圧を示すもので、それぞれ異なる送風機12の目標送風量に対応している。ブロア電圧は、Hi>M3>M2>M1>Loの関係を満たすように設定されている。ブロア電圧が大きくなるほど、送風機12の目標送風量が大きくなる。このことにより、ブロア風量設定スイッチに対するユーザのマニュアル操作によって、送風機12の目標送風量を設定することができる。
次に、ステップ502において、次の(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ503に移行する。
(1)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(2)ユーザがブロア風量設定スイッチへのマニュアル操作によって送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)を設定したか否かを判定する。具体的には、n回目のステップ3でブロア風量設定スイッチから読み込まれるブロア電圧(n)と、(n−1)回目のステップ3でブロア風量設定スイッチから読み込まれるブロア電圧(n−1)とが相違しているときには、ブロア風量設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)が設定されたとしてYESと判定する。一方、ブロア電圧(n)とブロア電圧(n−1)とが同一であるときには、送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)が設定されていないとしてNOと判定する。
(3)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(4)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ401においてYESと判定する。
例えば、n回目のステップ3を実行するタイミングと(n−1)回目のステップ3を実行するタイミングとの間でユーザがブロア風量設定スイッチへのマニュアル操作によってブロア電圧をLoからHiに変更した場合には、ブロア電圧(n)とブロア電圧(n−1)とが相違する。
このため、ステップ502においてYESと判定する。これに伴い、ステップ503において、音声補正電圧(n)=0として、次のステップ504に進む。音声補正電圧(n)は、後述するステップ509、510にて仮のブロア電圧を補正するための補正値である。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の判定で全てNOと判定したときには、ステップ502においてNOと判定する。これに伴い、ステップ504において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回ユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。これにより、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により送風量(すなわち、ブロア電圧)の指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度以上変化したときは、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとして、ステップ504において、YESとする。これに伴い、ステップ505において、音声補正電圧(n)=0として、次のステップ506に進む。
一方、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときときは、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ504において、NOとして、次のステップ506に進む。
次に、ステップ506において、今回にユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けたか否かを判定する。今回にユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けたとには、YES判定する。ここで、送風量の指示は、送風機12の送風量を上昇させる指示、或いは、送風機12の送風量を低下させる指示を示している。
そこで、次のステップ507において、今回受け付けた送風量の指示は、送風機12の送風量を上昇させる指示であるか否かを判定する。
ここで、ステップ502でNOと判定し、かつステップ504でNOと判定し、さらに今回に受け付けた送風量の指示が、送風機12の送風量を上昇させる指示であるときには、目標送風量(すなわち、ブロア電圧)を所定送風量、上昇させる補正値を受け付けたとして、ステップ508においてYESと判定する。これに伴い、音声補正電圧(n−1)に所定電圧(例えば2V)を加算した値を音声補正電圧(n)(=音声補正電圧(n−1)+2V)とする(ステップ509)。
一方、ステップ502でNOと判定し、かつステップ504でNOと判定し、さらに今回に受け付けた送風量の指示が、送風機12の送風量を低下させる指示であるときには、目標送風量を所定送風量、低下させる補正値を受け付けたとしてステップ508においてNOと判定する。これに伴い、音声補正電圧(n−1)から所定電圧(例えば2V)を引いた値を音声補正電圧(n)(=音声補正電圧(n−1)−2V)とする(ステップ510)。
このようにユーザがマニュアル操作によってブロア電圧を設定していない場合に、目標送風量の補正値を示す送風量の指示をユーザの音声入力によって受け付けたとき、ステップ509、510のいずれか一方で音声補正電圧を算出し、この算出した音声補正電圧に仮のブロア電圧を加算してブロア電圧(=仮のブロア電圧+音声補正電圧)を算出する(ステップ511)。
その後、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ504でYESとすると、上述の如く、ステップ505で音声補正電圧(n)=0とする。この場合、ステップ507において、ブロア電圧を仮のブロア電圧とする。
また、上記ステップ502、504においてNOと判定し、かつ上記ステップ506において、マイク71を通してユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、音声補正電圧(n−1)と仮のブロア電圧とを加算してブロア電圧(n)(=音声補正電圧(n−1)+仮のブロア電圧)を求める(ステップ505)。
さらに、ユーザがマニュアル操作によってブロア電圧を設定して上記ステップ501においてYESと判定すると、ステップ507において、音声補正電圧(n)=0として、ブロア電圧(n)を仮のブロア電圧(=ブロア電圧(n))とする(ステップ507)。
さらに、上記ステップ500において、オートモードスイッチ60bに対して
送風機12のオートモードが設定されているときには、YESと判定する。すると、図6のステップ520において、送風機12の目標送風量のベース値であるf(TAO)を目標吹出温度TAOに応じて決める。f(TAO)は、本発明の目標送風量算出手段により算出される送風機の目標送風量に対応している。
具体的には、f(TAO)と目標吹出温度TAOとが1対1で特定されるマップが予めメモリに記憶されている。マップでは、目標吹出温度TAOが中間温度域に入っているときには、f(TAO)が最低送風量になり、目標吹出温度TAOが中間温度域から高くなるほど、f(TAO)が最低送風量から徐々に大きくなる。目標吹出温度TAOが中間温度域から低くなるほど、f(TAO)が最低送風量ら徐々に大きくなる。
本実施形態では、目標吹出温度TAOに基づいてf(TAO)を決めるためのマップとして、ノーマルモードとエコモードとで異なるマップが予め記憶されている。ノーマルモード用のマップでは、エコモード用マップに比べて、f(TAO)が大きくなっている。ノーマルモード、およびエコモードのうちいずれか一方のモードが運転モード切替スイッチによって設定されている。
次に、ステップ521において、次の(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ522に移行する。
(5)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(6)ユーザがブロア風量設定スイッチへのマニュアル操作によって送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)を設定したか否かを判定する。具体的には、n回目のステップ3でブロア風量設定スイッチから読み込まれるブロア電圧(n)と、(n−1)回目のステップ3でブロア風量設定スイッチから読み込まれるブロア電圧(n−1)とが相違しているときには、ブロア風量設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)が設定されたとしてYESと判定する。一方、ブロア電圧(n)とブロア電圧(n−1)とが同一であるときには、送風機12の目標送風量(すなわち、ブロア電圧)が設定されていないとしてNOと判定する。
(7)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(8)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ521においてYESと判定する。これに伴い、ステップ522において、音声補正レベル(n)=0とする。音声補正レベル(n)は、後述するステップ526で用いられる送風量の補正値である。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の全てがNOと判定したときには、ステップ521においてNOと判定する。これに伴い、ステップ523において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度以上であるときは、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化したとして、ステップ523において、YESと判定する。これに伴い、ステップ524において、音声補正レベル(n)=0として次のステップ525に進む。
一方、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときは、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ523において、NOとして、次のステップ525に進む。
次に、ステップ525において、今回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けたか否かを判定する。
このとき、今回ユーザから音声により送風量の指示を受け付けていない場合にはステップ525においてNOと判定する。このとき、前回(すなわち、(n−1)回目)のステップ528、529のうち一方で算出される音声補正レベル(n−1)にf(TAO)を加算したブロアレベルを仮のブロアレベル(n)とする(ステップ526)。
一方、上記ステップ525において、今回ユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときには、YESと判定する。
ここで、送風量の指示が、送風量を上昇させる指示、或いは送風量を低下させる指示を示している。そこで、次のステップ527において、今回に受け付けた送風量の指示は、送風量を上昇させる指示であるか否かを判定する。
ここで、ステップ521でNOと判定し、かつ前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるとしてステップ523でNOと判定し、さらに今回に受け付けた送風量の指示が、送風量を上昇させる指示であるときには、ステップ508においてYESと判定する。この場合、目標送風量(すなわち、ブロア電圧)を所定送風量、上昇させる補正値を受け付けたとして、音声補正レベル(n−1)に所定送風量(例えば5レベル)を加算した値を音声補正レベル(n)(=音声補正設定値(n−1)+5レベル)とする(ステップ528)。
一方、ステップ521でNOと判定し、かつ前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるとしてステップ523でNOと判定し、さらに今回に受け付けた送風量の指示が、送風量を低下させる指示であるときには、ステップ527において、NOと判定する。この場合、目標送風量を所定送風量、低下させる補正値を受け付けたとして、音声補正レベル(n−1)から所定送風量(例えば5レベル)を引いた値を音声補正レベル(n)(=音声補正レベル(n−1)−5レベル)とする(ステップ529)。
このように今回の音声補正レベル(n)が算出されると、今回の音声補正レベル(n)とf(TAO)を加算したブロアレベルを仮のブロアレベル(n)とする(ステップ530)。
その後、前回にユーザから音声により送風量の指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ523でYESとすると、上述の如く、ステップ524で音声補正レベル(n)=0とする。この場合、ステップ526において、ブロア電圧をf(TAO)とする。
また、上記ステップ521、523においてNOと判定し、かつ上記ステップ525において、マイク71を通してユーザから音声入力により送風量の指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、音声補正レベル(n−1)とf(TAO)を加算して仮のブロアレベル(n)(=音声補正レベル(n−1)+f(TAO))を求める(ステップ526)。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって目標送風量を設定して上記ステップ521においてYESと判定すると、ステップ526において、音声補正レベル(n)=0として、f(TAO)を仮のブロアレベル(=f(TAO))とする。
このように、ステップ526、530で仮のブロアレベル(n)を決めることができる。
次に、図7のステップ531において、冷却水温度センサの検出温度(ヒータコア14の水温)に応じてウオームアップ風量f(Tw)を算出する。
次のステップ532では、吹出口モードがフットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、およびフットデフモード(F/D)のいずれかであるか否かを判定する。
上記吹出口モードが、フットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、およびフットデフモード(F/D)のいずれかで、YESと判定された時は、ステップ533へ進む。このステップ533では、ステップ526、530で算出される仮のブロアレベルとf(Tw)の値とのうち何れか小さい方をブロワレベルとして選択する。続くステップ535では、ステップ533で選択されたブロワレベルを図7のマップを用いてブロワ電圧に変換する。
ステップ532において、上記吹出口モードがフットモード、バイレベルモード、フットデフモード以外のフェイスモードやデフロスタモードであるときには、NOと判定して、ステップ534に進み、仮のブロワレベルをブロワレベルと設定する。この設定したブロワレベルをマップにてブロワ電圧に変換する(ステップ536)。
次に、吸込口モード決定処理(図3のステップ6)に関して図8、図9を参照して説明する。
図3のステップ6は、具体的には、図8、図9にしたがって実行される。図8に示すように、ステップ600において、オートモードスイッチ60bに対して、内外気切替ドア23のオートモードが設定されているか否かを判定する。内外気切替ドア23のオートモードは、内外気切替ドア23を自動制御するモードである。このとき、内外気切替ドア23のマニュアルモードが設定されているときには、ステップ600において、NOと判定する。
次に、ステップ601において、吸込口モードスイッチで設定される吸込口モードによって仮の吸込口モードを決める。
具体的には、吸込口モードスイッチで外気モード(FRSモード)が設定されているときには、仮の吸込口モードを外気モードとする。一方、吸込口モードスイッチで内気モード(RECモード)が設定されているときには、仮の吸込口モードを内気モードとする。
次に、ステップ602において、次の(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ603に移行する。
(1)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(2)ユーザが吸込口モードスイッチへマニュアル操作によって吸込口モードを設定したか否かを判定する。具体的には、n回目のステップ3で吸込口モードスイッチから読み込まれる吸込口モード(n)と、(n−1)回目のステップ3で吸込口モードスイッチから読み込まれる吸込口モード(n−1)とが相違しているときには、吸込口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吸込口モードが設定されたとしてYESと判定する。一方、吸込口モード(n)と吸込口モード(n−1)とが同一であるときには、吸込口モードスイッチに対してユーザによって吸込口モードが設定されていないとしてNOと判定する。
(3)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(4)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ602においてYESと判定する。これに伴い、ステップ603において、仮の吸込口モードを吹出口モードとする。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の判定で全てNOと判定したときには、ステップ602においてNOと判定する。これに伴い、ステップ604において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回ユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。これにより、ユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度以上変化したときは、ユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとして、ステップ604において、YESとする。これに伴い、ステップ605において、仮の吸込口モードを吸込口モードとする。
一方、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときときは、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ604において、NOとして、次のステップ606に進む。
次に、ステップ606において、今回にユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。
今回にユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けたとには、YES判定する。すると、次のステップ607において、今回受け付けた吸込口モードの指示は、外気モード(FRSモード)を実施させる指示であるか否かを判定する。
ここで、ステップ602でNOと判定し、かつステップ604でNOと判定し、さらに今回に受け付けた吸込口モードの指示が、外気モードを実施させる指示であるときには、ステップ608でYESと判定して吸込口モードを外気モードとする(ステップ609)。
一方、ステップ602でNOと判定し、かつステップ604でNOと判定し、さらに今回に受け付けた吸込口モードの指示が、内気モードを実施させる指示であるときには、ステップ608でNOと判定して吸込口モードを内気モードとする(ステップ609a)。
このようにユーザがマニュアル操作によって吸込口モードを設定していない場合に、吸込口モードをユーザの音声入力によって受け付けたとき、ステップ609、609aのいずれか一方において、外気モードおよび内気モードのうち一方を吸込口モードとして決定する。
その後、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ604でYESとすると、上述の如く、仮の吸込口モードを吸込口モードとして決定する。
また、上記ステップ602、604においてNOと判定し、かつ上記ステップ606において、マイク71を通してユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、仮の吸込口モードを吸込口モードとして決定する。すなわち、(n−1)回目のステップ603、605、607、609、609aで決定される吸込口モードを保持することになる(ステップ607)。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって吸込口モードを設定して上記ステップ601においてYESと判定すると、ステップ603において、仮の吸込口モードを吸込口モードとして決定する(ステップ603)。
このように、ステップ603、605、607、609、609aで吸込口モードを決めることができる。
さらに、上記ステップ600において、オートモードスイッチ60bに対して
内外気切替ドア23のオートモードが設定されているときには、YESと判定する。すると、図9のステップ610において、仮の吸込口モードを目標吹出温度TAOに応じて決める。
具体的には、目標吹出温度TAOが中間温度域に入っているときには、仮の吸込口モードとして半内気モードを決定する。半内気モードは、内外気切替ドア23によって内気導入口21の開口面積と外気導入口22の開口面積とを同一にして、外気導入率を50%とする制御モードである。外気導入率(%)は、内気導入口21および外気導入口22から空調ケース11に導入される空気量のうち、外気が占める比率を示す百分率である。
目標吹出温度TAOが中間温度域より高いときには、仮の吸込口モードとして外気モード(外気導入モード)を決定する。外気モードは、内外気切替ドア23によって内気導入口21を全閉して外気導入口22を全開にして、外気導入率を100%とする吸込口モードである。
目標吹出温度TAOが中間温度域より低いときには、仮の吸込口モードとして内気モード(内気循環モード)を決定する。内気モードは、内外気切替ドア23によって内気導入口21を全開して外気導入口22を全閉にして、外気導入率を0%とする吸込口モードである。
このように目標吹出温度TAOに基づいて、外気モード、内気モード、および半内気モードのうちいずれか1つの吸込口モードを決定する。
次に、ステップ521において、次の(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ522に移行する。
(5)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(6)ブロア風量設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって吸込口モードを設定したか否かを判定する。
具体的には、n回目のステップ3で吸込口モードスイッチから読み込まれる吸込口モード(n)と、(n−1)回目のステップ3で吸込口モードスイッチから読み込まれる吸込口モード(n−1)とが相違しているときには、吸込口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吸込口モードが設定されたとしてYESと判定する。吸込口モード(n)と吸込口モード(n−1)とが同一であるときには、吸込口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吸込口モードが設定されていないとしてNOと判定する。
(7)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(8)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ611においてYESと判定する。これに伴い、ステップ612において、仮の吸込口モードを吸込口モードとして決定する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の全てがNOと判定したときには、ステップ611においてNOと判定する。これに伴い、ステップ613において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度以上であるときは、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化したとして、ステップ613において、YESと判定する。これに伴い、ステップ614において、仮の吸込口モードを吸込口モードとして決定する。
一方、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときは、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ613において、NOとして、次のステップ615に進む。
次に、ステップ615において、今回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。
このとき、今回ユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けていない場合にはステップ615においてNOと判定する。このとき、前回(すなわち、(n−1)回目)のステップ612、614、616、618、619のうちいずれか1つのステップで決められる吸込口モードを吸込口モードとして決定する(ステップ616)。
一方、上記ステップ615において、今回ユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたとして、YES判定する。すると、次のステップ617において、今回に受け付けた吸込口モードの指示は、外気モード(FRSモード)であるか否かを判定する。
ここで、ステップ611でNOと判定し、かつ前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるとしてステップ613でNOと判定し、さらに今回に受け付けた吸込口モードの指示が、外気モードを実施させる指示であるときには、ステップ617においてYESと判定する。この場合、吸込口モードを実施させる設定値を受け付けたとして、外気モードを吸込口モードとして決定する(ステップ618)。
一方、ステップ611でNOと判定し、かつ前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるとしてステップ613でNOと判定し、さらに今回に受け付けた吸込口モードの指示が、内気モードを実施させる指示であるときには、ステップ617において、NOと判定する。この場合、内気モードを実施させる設定値を受け付けたとして、内気モードを吸込口モードとして決定する(ステップ619)。
このようにユーザから音声入力による吸込口モードの指示を受け付けると、外気モードおよび内気モードのうち一方を吸込口モードとして決定する。
その後、前回にユーザから音声により吸込口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ613でYESとすると、上述の如く、ステップ614で仮の吸込口モードを吸込口モードとして決める。
また、上記ステップ611、613においてNOと判定し、かつ上記ステップ615において、マイク71を通してユーザから音声入力により吸込口モードの指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、(n−1)回目のステップ612、614、616、618、619のうちいずれか1つのステップで決められる吸込口モードを吸込口モードとして決める。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって吸込口モードを設定して上記ステップ611においてYESと判定すると、ステップ612において、仮の吸込口モードを吸込口モードとする。
このように、ステップ612、614、616、618、619で吸込口モードを決めることができる。
次に、吹出口モード決定処理(図3のステップ7)に関して図10、図11を参照して説明する。
図3のステップ7は、具体的には、図10、図11にしたがって実行される。図10に示すように、ステップ700にて、オートモードスイッチ60bに対して、モードドア24a、25a、26aのオートモードが設定されているか否かを判定する。モードドア24a、25a、26aのオートモードは、モードドア24a、25a、26aを自動制御するモードである。このとき、モードドア24a、25a、26aのマニュアルモードが設定されているときには、ステップ700において、NOと判定する。
次に、ステップ701において、吹出口モード切替スイッチの設定により仮の吹出口モードを決める。
吹出口モード切替スイッチによってフェイスモードが設定されているときには、フェイスモードを仮の吹出口モードとする。吹出口モード切替スイッチによってバイレベルモードが設定されているときには、バイレベルモードを仮の吹出口モードとする。吹出口モード切替スイッチによってフットモードが設定されているときには、フットモードを仮の吹出口モードとする。吹出口モード切替スイッチによってフットデフモードが設定されているときには、フットデフモードを仮の吹出口モードとする。
次に、ステップ702において、次の(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ603に移行する。
(1)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(2)吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードを設定したか否かを判定する。
具体的には、n回目のステップ3で吹出口モードスイッチから読み込まれる吹出口モード(n)と、(n−1)回目のステップ3で吹出口モードスイッチから読み込まれる吹出口モード(n−1)とが相違しているときには、吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードが設定されたとしてYESと判定する。一方、吹出口モード(n)と吹出口モード(n−1)とが同一であるときには、吹出口モードが設定されていないとしてNOと判定する。
(3)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(4)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ602においてYESと判定する。これに伴い、ステップ703において、仮の吹出口モードを吹出口モードとする。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の判定で全てNOと判定したときには、ステップ702においてNOと判定する。これに伴い、ステップ704において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回ユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。これにより、ユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度以上変化したときは、ユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとして、ステップ704において、YESとする。これに伴い、ステップ705において、仮の吹出口モードを吹出口モードとする。
一方、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときときは、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ704において、NOとして、次のステップ706に進む。
次に、ステップ706において、今回にユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。
今回にユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けたときには、ステップ706でYESと判定する。
ここで、ステップ702、704でNOと判定し、かつステップ706でYESと判定したときには、ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示に応じて吹出口モードとして決定する。
例えば、ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフェイスモードを実施するための指示であると判定したときには、フェイスモードを吹出口モードとして決定する(ステップ709)
ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示がバイレベルモードを実施するための指示であると判定したときには、バイレベルモードを吹出口モードとして決定する(ステップ710)。
ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフットモードを実施するための指示であると判定したときには、フットモードを吹出口モードとして決定する(ステップ711)。
ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフットデフモードを実施するための指示であると判定したときには、フットデフモードを吹出口モードとして決定する(ステップ712)。
ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示がデフロスタモードを実施するための指示であると判定したときには、デフロスタモードを吹出口モードとして決定する(ステップ712)。
このようにステップ702、704でNOと判定し、かつステップ706でYESと判定したときには、ステップ708において、今回受け付けた吹出口モードの指示に応じて吹出口モードとして決定する。
その後、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ704でYESとすると、上述の如く、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する(ステップ705)。
また、上記ステップ702、704においてNOと判定し、かつ上記ステップ706において、マイク71を通してユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、(n−1)回目のステップ7で決定される吹出口モードを今回の吹出口モードとして決定することになる(ステップ707)。すなわち、(n−1)回目のステップ7で決定される吹出口モードを今回の吹出口モードとして保持する。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって吹出口モードを設定して上記ステップ702においてYESと判定すると、ステップ703において、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する。
このように、ステップ703、705、707〜713で吹出口モードを決めることができる。
さらに、上記ステップ700において、オートモードスイッチ60bに対してモードドア24a、25a、26aのオートモードが設定されているときには、YESと判定する。すると、図11のステップ720において、仮の吸込口モードを目標吹出温度TAOに応じて決める。
具体的には、目標吹出温度TAOが中間温度域に入っているときには、仮の吹出口モードとしてバイレベルを決定する。目標吹出温度TAOが中間温度域より高いときには、仮の吹出口モードとしてフットモードを決定する。目標吹出温度TAOが中間温度域より低いときには、仮の吹出口モードとしてフェイスモードを決定する。
このようにモードドア24a、25a、26aのオートモードが設定されている場合には、目標吹出温度TAOに基づいて、フットモード、バイレベル、フェイスモードのうちいずれか1つの吹出口モードを仮の吹出口モードとして決定する。
次に、ステップ721において、次の(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つをYESと判定すると、ステップ722に移行する。
(5)イグニッションスイッチがオフしているときには、YESと判定する。イグニッションスイッチがオンしているときには、NOと判定する。
(6)吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードを設定したか否かを判定する。
具体的には、n回目のステップ3で吹出口モードスイッチから読み込まれる吹出口モード(n)と、(n−1)回目のステップ3で吹出口モードスイッチから読み込まれる吹出口モード(n−1)とが相違しているときには、吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードが設定されたとしてYESと判定する。吹出口モード(n)と吹出口モード(n−1)とが同一であるときには、吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードが設定されていないとしてNOと判定する。
(7)ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作したときにはYESと判定する。ユーザがオートモードスイッチ60bにオート空調モードを指令するように操作していないときにはNOと判定する。
(8)ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作したときにはYESと判定する。ユーザがブロア風量設定スイッチに対して送風機12を停止(オフ)させるように操作していないときにはNOと判定する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の少なくとも1つでYESと判定すると、ステップ721においてYESと判定する。これに伴い、ステップ722において、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の全てがNOと判定したときには、ステップ721においてNOと判定する。これに伴い、ステップ723において、内気センサ51の検出値に基づいて、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化したか否かを判定する。
このとき、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときからの車室内温度Trの変動幅が所定温度以上であるときは、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化したとして、ステップ723において、YESと判定する。これに伴い、ステップ724において、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する。
一方、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けてからの車室内温度Trの変動幅が所定温度未満であるときは、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変化していないとして、ステップ723において、NOとして、次のステップ725に進む。
次に、ステップ725において、今回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、n回目のステップ3でユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けたか否かを判定する。
このとき、今回ユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けていない場合にはステップ725においてNOと判定する。このとき、前回(すなわち、(n−1)回目)のステップ7で決められる吹出口モードを今回の吹出口モードとして決定する(ステップ726)。すなわち、前回のステップ7で決められる吹出口モードを今回の吹出口モードとして保持する。
一方、上記ステップ725において、今回ユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたとき、YESと判定する。
ここで、ステップ721、723でNOと判定し、かつステップ725でYESと判定したときには、ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示に応じて吹出口モードとして決定する。
例えば、ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフェイスモードを実施するための指示であると判定したときには、フェイスモードを吹出口モードとして決定する(ステップ728)
ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示がバイレベルモードを実施するための指示であると判定したときには、バイレベルモードを吹出口モードとして決定する(ステップ729)。
ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフットモードを実施するための指示であると判定したときには、フットモードを吹出口モードとして決定する(ステップ730)。
ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示がフットデフモードを実施するための指示であると判定したときには、フットデフモードを吹出口モードとして決定する(ステップ731)。
ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示がデフロスタモードを実施するための指示であると判定したときには、デフロスタモードを吹出口モードとして決定する(ステップ732)。
このようにステップ721、723でNOと判定し、かつステップ725でYESと判定したときには、ステップ727において、今回受け付けた吹出口モードの指示に応じて吹出口モードとして決定する。
その後、前回にユーザから音声により吹出口モードの指示を受け付けたときから車室内の空調環境が変わったとしてステップ723でYESとすると、上述の如く、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する(ステップ724)。
また、上記ステップ721、723においてNOと判定し、かつ上記ステップ725において、マイク71を通してユーザから音声入力により吹出口モードの指示を受け付けていないとしてNOと判定すると、(n−1)回目のステップ7で決定される吹出口モードを、吹出口モードとして決定することになる(ステップ726)。
さらに、ユーザがマニュアル操作によって吹出口モードを設定して上記ステップ721においてYESと判定すると、ステップ722において、仮の吹出口モードを吹出口モードとして決定する。
このように、ステップ722、724、726、728〜732で吹出口モードを決めることができる。
次に、圧縮機回転数決定処理(ステップ8)に関して説明する。ステップ8は、具体的には、図12にしたがって実行される。
図12に示すように、まず、ステップ800において、圧縮機ON/OFF用スイッチ60aがオンされているときには、コンプレッサモードをONモードとし、圧縮機ON/OFF用スイッチ60aがオフされているときには、コンプレッサモードをOFFモードとする。
次に、ステップ801において、コンプレッサモードがONモードであるか否かを判定する。コンプレッサモードがOFFモードであるときには、今回の圧縮機(コンプレッサ)31の回転数を0(零)とする(ステップ802)。コンプレッサモードがONモードであるときには、次のステップ803では、回転数変化量Δf_cを求める。
回転数変化量Δf_cは、蒸発器13の着霜を防止しつつ、目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度Teとの偏差(=TEO−Te)を零に近づけるように設定される値である。回転数変化量Δf_cは、今回のステップ808で演算される圧縮機回転数N(n)と前回のステップ808で演算される圧縮機回転数N(n−1)との差分を示している。nおよび(n−1)は、ステップ2〜13の実行回数を示す整数である。nは、今回のステップ2〜13の実行回数を示し、(n−1)は、前回のステップ2〜13の実行回数を示している。
図12のステップ803には、ルールとして用いるファジールール表を記載している。このルール表では、前回のステップ12(図3参照)で決定した目標蒸発器温度TEO(n−1)と蒸発器温度Te(n)との偏差En(En=TEO(n−1)−Te(n))と、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率EDOT(EDOT=En−(En−1))とに基づいて求められている。
目標蒸発器温度TEO(n−1)は、(n−1)回目のステップ12で算出される目標蒸発器温度TEOである。蒸発器温度Te(n)は、n回目のステップ3で蒸発器温度センサから読み込まれる蒸発器温度Teである。偏差En−1は、目標蒸発器温度TEO(n−2)と蒸発器温度Te(n−1)との偏差(=TEO(n−2)−Te(n−1))である。目標蒸発器温度TEO(n−2)は、(n−2)回目のステップ12で算出される目標蒸発器温度TEOである。蒸発器温度Te(n−1)は、(n−1)回目のステップ3で蒸発器温度センサから読み込まれる蒸発器温度Teである。
続くステップ804では、車両用空調装置1の作動モードがエコモードであるか否かを判定する。具体的には、操作パネル60に設けられたエコノミースイッチがオンに操作されている場合には、作動モードがエコモードに設定されていると判定する。逆に、エコノミースイッチがオフに操作されている場合には、作動モードがエコモードに設定されていないと判定する。エコモードとは、車両用空調装置1の省エネルギ運転を行う運転モードであり、エコモードの設定およびその解除は、操作パネル60のエコノミースイッチのスイッチ操作により切り替えられる。
車両用空調装置1の作動モードがエコモードであると判定した場合、ステップ806にて、MAX回転数を7000rpmに決定してステップ807へ進む。一方、車両用空調装置1の作動モードがエコモードでないと判定した場合、ステップ804にて、MAX回転数を10000rpmに決定してステップ807へ進む。MAX回転数は、圧縮機回転数の上限値である。これにより、エコモード時には、圧縮機回転数の上限値を低く設定して、空調用電力を減少させる。
続くステップ807では、空調使用許可電力から圧縮機消費電力(電動コンプレッサ消費電力とも呼ぶ)を減算した値、すなわち「空調使用許可電力−圧縮機消費電力」の値に基づいて、予め空調制御装置50に記憶された図5の制御マップを参照して、回転数変化量の上限値f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)を決定する。
空調使用許可電力は、「車両全体で使用可能な電力のうち、空調用に使用が許可された電力」であり、不図示の電力制御装置から空調制御装置50へ出力される。その電力制御装置は、空調制御装置50と互いに通信可能接続されており、車両外部の電源から供給される電力やバッテリ81に蓄えられた電力に応じて、車両における各種電気機器に配分する電力の決定等を行う。
本実施形態では、空調使用許可電力は次のように算出される。まず、仮の空調使用許可電力と空調使用可能電力とが算出され、仮の空調使用許可電力および空調使用可能電力のうち小さい方の値が空調使用許可電力とされる。
仮の空調使用許可電力は次のように算出される。エコモードでなく且つバッテリ81の蓄電残量SOCが20%を下回っていない場合、仮の空調使用許可電力が8000Wと決定される。エコモードである場合、またはバッテリ81の蓄電残量SOCが20%を下回っている場合、仮の空調使用許可電力が4000Wと決定される。
空調使用可能電力は、次の数式F3により算出される。
空調使用可能電力=最大供給電力−空調以外の消費電力 …(F3)
最大供給電力は、バッテリ81が供給できる最大の電力のことであり、空調以外の消費電力は、空調以外の用途で消費される電力のことである。
ステップ807では、具体的には、回転数変化量の上限値f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)を次のように決定する。図12のステップ807に示すように、空調使用許可電力−圧縮機消費電力の極小域(本実施形態では、−1000W以下)では、回転数変化量の上限値f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)が負の値(本実施形態では、−300rpm)に決定される。
また、空調使用許可電力−圧縮機消費電力の極大域(本実施形態では、1000W以上)では、回転数変化量の上限値f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)が正の値(本実施形態では、+300rpm)に決定される。
また、空調使用許可電力−圧縮機消費電力の中間域(本実施形態では、−1000W以上、1000W以下)では、空調使用許可電力−圧縮機消費電力の上昇に応じて回転数変化量の上限値f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)を増加させる。
続くステップ808では、圧縮機31の回転数変化量Δfを次の数式F4により算出して、ステップ809へ進む。
Δf=MIN(Δf_c、f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)) …(F4)
数式F4のMIN(Δf_c、f(空調使用許可電力−圧縮機消費電力))とは、Δf_cとf(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)とのうち小さい方の値を意味している。
続くステップ809では、今回の圧縮機回転数(コンプレッサ回転数)を次の数式F5により算出する。
今回の圧縮機回転数=MIN{(前回の圧縮機回転数+Δf)、MAX回転数}…(F5)
前回の圧縮機回転数とは、(n−1)回目のステップ809で演算される圧縮機回転数を意味している。今回の圧縮機回転数とは、n回目のステップ809で演算される圧縮機回転数を意味している。数式F5のMIN{(前回の圧縮機回転数+Δf)、MAX回転数}とは、前回の圧縮機回転数+ΔfとMAX回転数とのうち小さい方の値を意味している。
これにより、ステップ808の実行毎に、(前回の圧縮機回転数+Δf)およびMAX回転数のうち小さい方の値を選択する。
ここで、ΔfとしてΔf_cを選択したときには、蒸発器13の着霜を防止しつつ、目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度Teとの偏差を零に近づけるように今回の圧縮機回転数(すなわち、n回目のステップ809で算出される圧縮機回転数)を演算することができる。
一方、Δfとしてf(空調使用許可電力−圧縮機消費電力)を選択することにより、圧縮機31の冷媒吐出能力を低下させて圧縮機消費電力を減少させることができ、ひいては空調用電力を減少させることができる。
次に、電動ウォータポンプ作動決定処理(図3のステップ11)に関して説明する。ステップ11は、具体的には、図13にしたがって実行される。図13に示すように、本制御がスタートすると、ステップ1101にて、冷却水温センサによって検出されるエンジン冷却水温(水温)Twが蒸発器温度Teより高いか否かを判定する。エンジン冷却水温Twが、蒸発器温度Te以下であるとしてNOと判定されると(Tw<Te)、ステップ1102で電動ウォータポンプ42をオフする要求、すなわち電動ウォータポンプOFF要求を決定し、本制御を終了する。
ステップ1101にて、冷却水温センサによって検出される冷却水温Twが比較的低く、エンジン冷却水温Twが蒸発器温度Te以下であると判定されると、エンジン冷却水をヒータコア14に流した時、かえって吹出温度を低くしてしまうため、ステップ1102で電動ウォータポンプ42をオフするのである。
一方、ステップ1101でエンジン冷却水温Twが、蒸発器後温度Teよりも高いとしてYESと判定すると、ステップ1103にて、図1の送風機12をオン(運転)した状態であるか否かを判定する。送風機12が停止した状態(すなわち、送風機12がオンしていない状態)であれば、NOと判定してステップ1102に進み、電動ウォータポンプOFF要求を決定し、本制御を終了する。送風機12が運転した状態(すなわち、送風機12がオンした状態)であれば、ステップ1104に進み、電動ウォータポンプ42をオンする要求、すなわち電動ウォータポンプON要求を決定し、本制御を終了する。
つまり、エンジン冷却水温Twが比較的高い時に送風機12がオフ(停止)の時は、省燃費のため、電動ウォータポンプ42をオフする。一方、送風機12が運転した時は、電動ウォータポンプON要求を行う。これにより、エンジンオフの時でも、エンジン冷却水が持っている熱量を空調に利用することができる。したがって、吹出温度が上がり、吹出温度を目標吹出温度TAOに近づけることができるので、エンジンオフの状態でも室温が下がるのを緩和できる。
次に、目標蒸発器温度TEOの決定処理(図3のステップ12)に関して説明する。
ステップ12は、具体的には、図14にしたがって実行される。図14に示すように、本制御がスタートすると、ステップ1201において、ステップ4(図3参照)で決定した目標吹出温度TAOに基づき、図14に示す制御マップを参照して、f(TAO)の値を決定する。このf(TAO)の値はそのまま目標蒸発器温度TEOとされる。この図7の制御マップは、空調制御装置50に予め記憶されている。
具体的に、図14の制御マップに示すように、目標吹出温度TAOの極低温域では、目標蒸発器温度TEO(TEO=f(TAO))を低温にする。目標吹出温度TAOの極高温域では、目標蒸発器温度TEOを高温にする。目標吹出温度TAOの中間温度域では、目標吹出温度TAOの上昇に応じて目標蒸発器温度TEOを上昇させる。なお、図9の制御マップは、目標蒸発器温度TEOが、蒸発器13に流入する空気の露点温度以下の温度となるように設定されている。
なお、上述した図4〜図14の各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する手段を構成している。後述する図15〜図17のフローチャートでも同様である。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作動の概略について説明する。
まず、空調制御装置50は、上述の如く、目標吹出温度TAO、蒸発器後温度Te、およびエンジンの冷却水温Twに基づいて混合率SW(%)を求める。さらに、空調制御装置50は、混合率SW(%)を実現するためのエアミックスドア19の目標位置を算出し、この算出した目標位置を示す制御信号をエアミックスドア用アクチュエータに出力する。これにより、エアミックスドア19は、エアミックスドア用アクチュエータにより制御されて、目標位置まで回転駆動される。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ11にて電動ウォータポンプON要求を決定したときには、電動ウォータポンプ42を運転させるための運転制御信号を電動ウォータポンプ42に出力する。このとき、空調制御装置50は、電動ウォータポンプ42の回転数を制御する。このため、電動ウォータポンプ42が運転してヒータコア14とエンジンEGとの間で冷却水流路41を通して冷却水を循環させることができる。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ11にて電動ウォータポンプOFF要求を決定したときには、電動ウォータポンプ42を停止させるための停止制御信号を電動ウォータポンプ42に出力する。このため、電動ウォータポンプ42が停止して冷却水の循環を停止させることができる。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ5で決定されるブロワ電圧を示す制御信号をブロワモータ121に出力する。このため、ブロワモータ121は、空調制御装置50によって制御されて、ブロワモータ121の回転数が目標回転数に近づくことになる。これにより、送風機12がブロワ電圧に応じた送風量を発生させることができる。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ6で決定される吸込口モードを示す制御信号を電動アクチュエータ62に出力する。このため、電動アクチュエータ62は、空調制御装置50によって制御されて、内外気切替ドア23を駆動する。これにより、ステップ6で決定される吸込口モードが実現される。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ7で決定される吹出口モードを示す制御信号を電動アクチュエータ64に出力する。このため、電動アクチュエータ64は、空調制御装置50によって制御されて、フェイスドア24a、フットドア25a、デフロスタドア26aのうち上記決定される吹出口モードに必要なモードドアを駆動する。これにより、上述した図3中のステップ7で決定される吹出口モードが実現される。
空調制御装置50は、上述した図3中のステップ8で演算される今回の圧縮機回転数を目標回転数として、この目標回転数を示す制御信号をインバータ61に出力する。このため、インバータ61は、空調制御装置50によって制御されて、目標回転数を実現するための交流電流を電動モータ31bに出力する。したがって、電動モータ31bは、目標回転数にて圧縮機構31aを回転させることができる。これにより、空調制御装置50は、圧縮機31の回転数を制御することにより、蒸発器13に流れる冷媒量(すなわち、蒸発器13の冷却能力)を制御することになる。
ここで、圧縮機31は、蒸発器13の冷媒出口側から冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。凝縮器32は、圧縮機31から吐出される高温高圧冷媒を冷却・凝縮させる。すると、気液分離器33は、凝縮器32によって冷却・凝縮される冷媒を気相冷媒と液相冷媒に分離する。膨張弁34は、気液分離器33から供給される液相冷媒を減圧膨張する。蒸発器13は、膨張弁34によって減圧膨張された冷媒を蒸発させ、その冷媒と送風空気との間で熱交換させることにより送風空気を冷却する。
空調制御装置50は、図3中のステップ9で決定した作動本数のPTCヒータ15を駆動するための制御信号をPTCヒータ15に出力する。このため、PTCヒータ15が発熱する。
このように空調制御装置50が、エアミックスドア用アクチュエータ、電動ウォータポンプ42、電動アクチュエータ62、64、圧縮機31、およびPTCヒータ15を制御する。
すると、送風機12は、内外気切替箱20および外気導入口22のうち少なくとも一方から内外気切替箱20に空気を吸い込んで、この吸い込んだ空気を吹出開口部24〜26側(すなわち、車室内側)に吹き出す。この吹き出された空気は、蒸発器13により冷却される。このとき、空調制御装置50が圧縮機31の回転数を制御することにより、蒸発器13に流れる冷媒量を制御する。これにより、蒸発器13から吹き出される空気温度が制御されて、蒸発器13から吹き出される空気温度(すなわち、蒸発器温度センサの検出温度)が目標蒸発器温度TEOに近づくことになる。
これに伴い、蒸発器13から冷風が吹き出されることになる。この蒸発器13から吹き出される冷風のうち一部は、冷風バイパス通路17を通過する。蒸発器13から吹き出される冷風のうち残りの冷風は、加熱用冷風通路16に流れる。加熱用冷風通路16を通過する冷風は、ヒータコア14およびPTCヒータ15により加熱される。これにより、加熱用冷風通路16から温風が吹き出される。
このとき、冷風バイパス通路17を通過する冷風と加熱用冷風通路16から吹き出される温風との比率は、エアミックスドア19の目標位置(すなわち、混合率SW)で制御される。
このように加熱用冷風通路16から吹き出される温風と冷風バイパス通路17から吹き出される冷風が混合空間18で混合されて空調風として、吹出開口部24、25、26のうち開口した吹出開口部から車室内に吹き出される。
ここで、エアミックスドア19の回転位置は、ステップ4で算出される混合率SW(%)を実現するために設定されている。このため、エアミックスドア19は、その回転位置によって、吹出開口部24、25、26から車室内に吹き出される空気温度を制御する。これにより、吹出開口部24、25、26から車室内に吹き出される空気温度を目標吹出温度TAOに近づけることができる。以上により、吹出開口部24、25、26から吹き出される空気により、車室内を空調することができる。
以下、空調制御装置50の制御処理の特徴事項について説明する。
まず、ステップ4(TAO算出処理)について説明する。
ステップ4毎に、設定温度Tsetが繰り返し算出される。そこで、前回のステップ4で算出される設定温度Tsetを、今回のステップ4では、仮の設定温度とする。そして、後述するように、設定温度Tsetの算出毎にこの算出される設定温度Tsetは表示パネル60cに表示される。このため、今回の設定温度Tsetの音声入力前に表示パネル60cに表示される表示される設定温度Tsetが今回のステップ4における仮の設定温度となる。そして、空調制御処理の開始直後では、ユーザの車室内温度設定スイッチへのマニュアル操作によって入力される設定温度Tsetを仮の設定温度Tsetの初期値とする。
例えば、ユーザが車室内温度設定スイッチへ設定温度Tsetを設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから設定温度Tsetの補正値(+1、−1)が音声により入力されたとしてステップ405でYESと判定した場合に、当該補正値により音声補正設定温度(n)を補正して、この補正された補正後の音声補正設定温度(n)と仮の設定温度とを足した設定温度Tset(n)を求める。この設定温度Tset(n)を目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとする(ステップ410、411)。
さらに、ステップ4の実行毎に、ステップ405でYESと判定すると、このYES判定毎に、ステップ408、409のいずれか一方で音声補正設定温度(n)を更新し、この更新した音声補正設定温度(n)と仮の設定温度とを足した設定温度Tset(n)を求める。この設定温度Tset(n)を目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとする(ステップ410)。
その後、ユーザの音声によって入力される設定温度Tsetの補正値を受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ403でYESと判定する。これに伴い、仮の設定温度Tsetを目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとする(ステップ406)。
また、ユーザが車室内温度設定スイッチへ設定温度Tsetを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、車室内温度設定スイッチによって設定される設定温度Tset(すなわち仮の設定温度)を、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとする(ステップ406、411)。
このようにステップ406、410のうち一方で設定温度Tsetを算出する。この算出される設定温度Tsetに基づいて目標吹出温度TAOを算出する。この算出される目標吹出温度TAOに基づいてエアミックスドア19が制御される。これに伴い、吹出開口部24〜26から吹き出される空気温度が制御されることになる。
さらに、上述の如く、ステップ406、410のうち一方で設定温度Tsetを算出する。ステップ4の実行毎に設定温度Tsetが更新されることになる。この更新毎に、この更新される設定温度Tsetを示す表示情報が表示パネル60cに出力される。これに伴い、表示パネル60cには、ステップ406、410のうち一方で算出される設定温度Tsetが表示される。このため、ステップ406、410のうち一方のステップが算出される毎に、表示パネル60cに表示される設定温度Tsetが更新される。
次に、送風機12のマニュアルモードが設定されているときには、ユーザの車室内温度設定スイッチへのマニュアル操作によって入力されるブロア電圧を仮のブロア電圧として受け付ける(ステップ3、501)。
例えば、ユーザがブロア風量設定スイッチへブロア電圧を設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザからブロア電圧の補正値(+2V、−2V)が音声により入力されたとしてステップ506でYESと判定した場合に、当該補正値により音声補正電圧(n)を補正して、この補正された補正後の音声補正電圧(n)と仮のブロア電圧とを足したブロア電圧を求める。このブロア電圧を送風機12の制御に用いる。
さらに、ステップ5の実行毎に、ステップ506でYESと判定すると、このYES判定毎に、ステップ509、510のいずれか一方で音声補正電圧(n)を更新し、この更新した音声補正電圧(n)と仮のブロア電圧とを足したブロア電圧を求める。このブロア電圧を送風機12の制御に用いる。
その後、ユーザの音声によって入力されるブロア電圧の補正値を受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ504でYESと判定する。これに伴い、ブロア風量設定スイッチによって設定されるブロア電圧(すなわち、仮のブロア電圧)を送風機12の制御に用いるブロア電圧とする。
また、ユーザがブロア風量設定スイッチへブロア電圧を設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、ブロア風量設定スイッチによって設定されるブロア電圧(すなわち、仮のブロア電圧)を送風機12の制御に用いるブロア電圧とする。
さらに、送風機12のオートモードが設定されているときには、送風機12の目標送風量のベース値であるf(TAO)を目標吹出温度TAOに応じて決める(ステップ520)。
例えば、ユーザがブロア風量設定スイッチへブロア電圧を設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから送風量の補正値(+5レベル、−5レベル)が音声により入力されたとしてステップ525でYESと判定した場合に、当該補正値により音声補正レベル(n)を補正して、この補正された補正後の音声補正レベル(n)とf(TAO)を足した仮のブロアレベルを求める。この仮のブロアレベルを送風機12の制御に用いる。
さらに、ステップ5の実行毎に、ステップ525でYESと判定すると、このYES判定毎に、ステップ528、529のいずれか一方で音声補正レベル(n)を更新し、この更新した音声補正レベル(n)とf(TAO)とを足した仮のブロアレベルを求める。この仮のブロアレベルを送風機12の制御に用いる。
その後、ユーザの音声によって入力されるブロアレベルの補正値を受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ523でYESと判定する。これに伴い、f(TAO)を送風機12の制御に用いる仮のブロアレベルとする。
また、ユーザがブロア風量設定スイッチへブロアレベルを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、f(TAO)を送風機12の制御に用いる仮のブロアレベルとする。
次に、内外気切替ドア23のマニュアルモードが設定されているときには、ユーザの吸込口モードスイッチへのマニュアル操作によって入力される吸込口モードを仮の吸込口モードとして受け付ける(ステップ3、601)。
例えば、ユーザが吸込口モードスイッチへ吸込口モードを設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから吸込口モードの指示が音声により入力されたとしてステップ606でYESと判定した場合に、ユーザから音声入力された吸込口モードを実現するように内外気切替ドア23を制御する。
その後、ユーザの音声によって入力される吸込口モードを受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ504でYESと判定する。これに伴い、吸込口モードスイッチによって設定される吸込口モード(すなわち、仮の吸込口モード)を実現するように内外気切替ドア23を制御する。
また、ユーザが吸込口モードへ吸込口モードを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、吸込口モードスイッチによって設定される吸込口モード(すなわち、仮の吸込口モード)を実現するように内外気切替ドア23を制御する。
さらに、内外気切替ドア23のオートモードが設定されているときには、仮の吸込口モードを目標吹出温度TAOに応じて決める(ステップ610)。
例えば、ユーザが吸込口モードスイッチへ吸込口モードを設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから吸込口モードの指示が音声により入力されたとしてステップ615でYESと判定した場合に、ユーザから音声入力される吸込口モードを実現するように内外気切替ドア23を制御する。
その後、ユーザの音声によって入力される吸込口モードを受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ613でYESと判定する。これに伴い、仮の吸込口モードを実現するように内外気切替ドア23を制御する。
また、ユーザが吸込口モードスイッチへ吸込口モードを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、仮の吸込口モードを実現するように内外気切替ドア23を制御する。
次に、モードドア24a、25a、26aのマニュアルモードが設定されているときには、ユーザの吹出口モードスイッチへのマニュアル操作によって入力される吹出口モードを仮の吹出口モードとして受け付ける(ステップ3、701)。例えば、ユーザが吹出口モードスイッチへ吹出口モードを設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから吹出口モードの指示が音声により入力されたとしてステップ706でYESと判定した場合に、ユーザから音声入力された吹出口モードを実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
その後、ユーザの音声によって入力される吹出口モードを受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ704でYESと判定する。これに伴い、吹出口モードスイッチによって設定される吹出口モード(すなわち、仮の吹出口モード)を実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
また、ユーザが吹出口モードへ吹出口モードを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、吹出口モードスイッチによって設定される吹出口モード(すなわち、仮の吹出口モード)を実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
さらに、モードドア24a、25a、26aのオートモードが設定されているときには、仮の吹出口モードを目標吹出温度TAOに応じて決める(ステップ720)。
例えば、ユーザが吹出口モードスイッチへ吹出口モードを設定するためにマニュアル操作していないと判定し、かつマイク71を通してユーザから吹出口モードの指示が音声により入力されたとしてステップ725でYESと判定した場合に、ユーザから音声入力される吹出口モードを実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
その後、ユーザの音声によって入力される吹出口モードを受け付けたときから、内気センサ51の検出値が所定温度以上変化したときには、車室内の空調環境が変わったとしてステップ723でYESと判定する。これに伴い、仮の吹出口モードを実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
また、ユーザが吹出口モードスイッチへ吹出口モードを設定するためにマニュアル操作したと判定した場合に、仮の吹出口モードを実現するようにモードドア24a、25a、26aを制御する。
以上によれば、ユーザが音声により設定値(設定温度Tset、送風量(ブロア電圧)、吸込口モード、吹出口モード)を入力したとき、空調制御装置50は、ユーザの音声により入力された設定値を用いて室内空調ユニット10を制御する。このため、ユーザの直感的な要望を示す設定値を用いて室内空調ユニット10を制御することができる。したがって、ユーザの直感的な要望を満たす車室内の空調を実施することができる。すなわち、ユーザの衝動的な要望を満たす車室内の空調を実施することができる。
本実施形態では、ユーザが音声により設定値(設定温度Tset、送風量(ブロア電圧)、吸込口モード、吹出口モード)を入力したときから、車室内温度Trが所定温度(例えば、2℃)以上変化し車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしていると判定すると、室内空調ユニット10を制御する際に音声により入力された設定値を用いることを解除して、操作部60に設定される設定値を用いて室内空調ユニット10を制御する。
したがって、車室内の空調環境やユーザ自身の温感が変化したときには、操作部60に設定される設定値を用いて室内空調ユニット10を制御することができる。よって、ユーザが再度、操作部60を操作する煩わしさを解消するとともに、燃費・電費が悪くなるユーザの直感的な要望の実施時間を短くすることができる。なお、電費は、自動車において、電力エネルギ源(各種電源、バッテリなど)の単位容量あたりの走行 距離である。燃費は、自動車において、燃料(ガソリン、軽油など)の単位容量あたりの走行距離である。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、上記第1実施形態において、音声入力による送風量の指示の入力を受け付けてから所定時間が経過すると、仮のブロア電圧と音声補正電圧とを加算したブロア電圧から、仮のブロア電圧に徐々に復帰させるように送風機12の制御に用いるブロア電圧を徐々に変化させる例について説明する。
図15、図16に本実施形態のブロア電圧決定処理を示す。図15は図5に代えて採用されている。図16は図6に代えて採用されている。
図15は、図5においてステップ540、541を追加し、かつステップ511に代わるステップ511Aを備える。図15において、図5と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
ステップ540、541は、ステップ504とステップ508の間に配置されている。ステップ540では、後述するステップ511Aの算出で用いる係数f(T)を求める。
音声入力により送風量の指示を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1とする。音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、時間Tの経過に伴って、係数f(T)は1から0(零)迄に徐々に小さくなる。音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、係数f(T)は0(零)になる。
第1時間は、音声入力により送風量の指示を受け付けてから、車室内の空調環境が変わるのに要すると推定される時間である。
このように音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tによって係数f(T)を決める。
ステップ511Aは、次の数式F5でブロア電圧を求める。
ブロア電圧=仮のブロア電圧+音声補正電圧(n)×係数f(T)…F5
このため、音声入力により送風量の指示を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1であるため、上記第1実施形態と同様に、ブロア電圧を(仮のブロア電圧+音声補正電圧(n))として求めることができる。
音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、時間Tの経過に伴って、係数fが1から0に向けて徐々に小さくなる。このため、ブロア電圧が、時間の経過に伴って、(仮のブロア電圧+音声補正電圧(n))から(仮のブロア電圧)に向けて徐々に小さくなる。すなわち、時間Tの経過に伴って、送風機12の制御に用いるブロア電圧として仮のブロア電圧を徐々に復帰させるように、送風機12の制御に用いるブロア電圧を徐々に変化させることになる。
その後、音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、係数f(T)=0であるため、仮のブロア電圧を送風機12の制御に用いるブロア電圧とする。
図16は、図6においてステップ550、551を追加し、かつステップ530に代わるステップ530Aを備える。図16において、図6と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
ステップ550、551は、ステップ521とステップ525の間に配置されている。ステップ550では、後述するステップ530Aの算出で用いる係数f(T)を求める。
音声入力により補正電圧を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1とする。音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、時間Tの経過に伴って、係数f(T)は1から0(零)迄に徐々に小さくなる。音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、係数f(T)は0(零)になる。
第1時間は、音声入力により送風量の指示を受け付けてから、車室内の空調環境が変わるのに要すると推定される時間である。
このように音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tによって係数f(T)を決める。
ステップ530Aは、次の数式F6でブロア電圧を求める。
仮のブロアレベル=f(TAO)+音声補正レベル(n)×係数f(T)…F6
このため、音声入力により送風量の指示を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1であるため、上記第1実施形態と同様に、ブロア電圧を(f(TAO)+音声補正レベル(n))として求めることができる。
また、音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、係数f(T)は、時間の経過に伴って、1から0に向けて徐々に小さくなる。これに伴い、仮のブロアレベルが、時間の経過に伴って、(f(TAO)+音声補正レベル(n))から(f(TAO))に向けて徐々に小さくなる。すなわち、時間の経過に伴って、送風機12を制御する際に用いる仮のブロアレベルとして、f(TAO)を徐々に復帰させるように送風機12の制御に用いる仮のブロアレベル(目標送風量)を徐々に変化させることになる。
その後、音声入力により送風量の指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、係数f(T)=0となり、f(TAO)を送風機12の制御に用いる仮のブロアレベルとする。
このようにステップ530Aで求められる仮のブロアレベルに基づいて、上記第1実施形態と同様、図7のステップ531、532、533、534、535、536において、ブロア電圧を求める。
以上説明した本実施形態によれば、音声入力により送風量の指示を受け付けてから、車室内の空調環境が変わるのに要すると推定される時間を経過すると、送風機12を制御する際に用いるブロア電圧(仮のブロアレベル)として、仮のブロア電圧(f(TAO))を徐々に復帰させるように、送風機12の制御に用いるブロア電圧(仮のブロアレベル)を徐々に変化させることができる。これにより、送風機12の送風量の変化によってユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1、第2の実施形態において、音声入力による設定温度Tsetの指示の入力を受け付けてから、所定時間が経過すると、設定温度Tset(=仮の設定温度+音声補正設定温度(n))から、仮の設定温度に徐々に復帰させるように、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetを変化させる例について説明する。
図17に本実施形態のTAO算出処理を示す。図17は図4に対応する。
図17は、図4においてステップ420、421を追加し、かつステップ411に代わるステップ411Aを備える。図17において、図4と同一符号は同一ステップを示し、その説明を省略する。
ステップ420、421は、ステップ403とステップ407の間に配置されている。ステップ411では、後述するステップ411Aの算出で用いる係数f(T)を求める。
音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1とする。音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、時間Tの経過に伴って、係数f(T)は1から0(零)迄に徐々に小さくなる。また、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、係数f(T)は0(零)になる。
第1時間は、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから、車室内の空調環境が変わるのに要すると推定される時間である。
このように音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから経過した時間Tによって係数f(T)を決める。
ステップ411Aは、次の数式F7で設定温度Tsetを求める
設定温度Tset=仮の設定温度+音声補正設定温度(n)×係数f(T)…F7
このため、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから第1時間(例えば3分)経過する迄は、係数f(T)=1であるため、上記第1実施形態と同様に、設定温度Tsetを、(仮の設定温度+音声補正設定温度(n))として求めることができる。
また、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから経過した時間Tが第1時間以上で、かつ第2時間未満であるときには、設定温度Tsetは、時間の経過に伴って、(仮の設定温度+音声補正設定温度(n))から、(仮の設定温度)に向けて小さくなる。
すなわち、時間Tの経過に伴って、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとして、仮の設定温度を徐々に復帰させるように、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetを変化させることができる。
また、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから経過した時間Tが第2時間以上になると、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetを、仮の設定温度をとする。
以上説明した本実施形態によれば、音声入力により設定温度Tsetの指示を受け付けてから、車室内の空調環境が変わるのに要すると推定される時間を経過すると、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetとして、仮の設定温度を徐々に復帰させるように、目標吹出温度TAOの算出に用いる設定温度Tsetを徐々に変化させる。これにより、吹出開口部24〜26から吹き出される空気温度の変化によってユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1、第2、第3の実施形態において、室内空調ユニット10はPTCヒータ15を備えているが、PTCヒータ15は無くても差し支えない。
(2)上述の第1、第2、第3の実施形態において、車両用空調装置1が搭載される車両はハイブリッド車両であるが、走行用電動モータを備えていない単なるエンジン車両であっても差し支えない。また、車両用空調装置1が搭載される車両が上記エンジン車両であれば、圧縮機31は電動である必要はなく、エンジンEGにより駆動されてもよい。
(4)上述の第1、第2、第3の実施形態において、図3〜図17のフローチャートに示す各ステップの処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードロジックで構成されるものであっても差し支えない。
(5)上述の第1、第2、第3の実施形態において、本発明の車両用空調装置1において、蒸発器13、ヒータコア14、およびPTCヒータ15を備える室内空調ユニット10を用いた例について説明したが、これに代えて、蒸発器13、ヒータコア14、およびPTCヒータ15のうち蒸発器13を備える冷房専用の室内空調ユニット10を用いてもよい。
(5)上述の第1、第2、第3の実施形態において、ステップ521において、ブロア風量設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって送風機12の送風量を設定したか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、ステップ521において、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したか否かを判定してもよい。この場合、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したときには、YESと判定する。車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定していないときには、NOと判定する。
(6)上述の第1の実施形態において、ステップ611において、吸込口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吸込口モードを設定したか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、ステップ611において、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したか否かを判定してもよい。この場合、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したときには、YESと判定する。車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定していないときには、NOと判定する。
(7)上述の第1の実施形態において、ステップ721において、吹出口モードスイッチへのユーザのマニュアル操作によって吹出口モードを設定したか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、ステップ711において、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したか否かを判定してもよい。この場合、車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定したときには、YESと判定する。車室内温度設定スイッチへのユーザのマニュアル操作によって設定温度Tsetを設定していないときには、NOと判定する。
(8)上述の第1の実施形態において、ステップ504(523)では、ユーザの音声によってブロア電圧(送風量)の指示が入力されてから内気温度が2℃以上変化したか否かを判定することにより、車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしているか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、ユーザの音声によってブロア電圧(送風機12の送風量)の指示が入力されてから所定期間(例えば、3分)以上経過したか否かを判定することにより、ユーザの音声によってブロア電圧(送風機12の送風量)の指示が入力されてから、車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしているか否かを判定してもよい。
同様に、上述の第1の実施形態において、ステップ604(613)では、ユーザの音声によって吸込口モードの指示が入力されてから所定期間(例えば、3分)以上経過したか否かを判定することにより、ユーザの音声によってブロア電圧(送風機12の送風量)の指示が入力されてから、車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしているか否かを判定してもよい。
同様に、上述の第1の実施形態において、ステップ704(723)では、ユーザの音声によって吹出口モードの指示が入力されてから所定期間(例えば、3分)以上経過したか否かを判定することにより、ユーザの音声によって吹出口モードの指示が入力されてから、車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしているか否かを判定してもよい。
同様に、上述の第1の実施形態において、ステップ403では、ユーザの音声によって設定温度の指示が入力されてから所定期間(例えば、3分)以上経過したか否かを判定することにより、ユーザの音声によって設定温度の指示が入力されてから、車室内の空調環境が変わったと推定される条件を満たしているか否かを判定してもよい。
(9)上記第1、第2、第3の実施形態では、各種空調操作スイッチを備える操作パネル60を本発明の操作部とした例について説明したが、これに代えて、表示ディスプレイに具備されるタッチパネルを本発明の操作部としてもよく、表示ディスプレイに具備されるタッチパネルおよび操作パネル60の双方を本発明の操作部としてもよい。
(10)上記第1、第2、第3の実施形態では、図3のステップ8では、目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度Teとの偏差を零に近づけるようにファジールール表に基づいてΔf_cを決定し、この決定されたΔf_cを用いて圧縮機回転数を算出した例について説明したが、これに限らず、次のようにしてもよい。
すなわち、図3のステップ8において、目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度Teとの偏差を零に近づけるように圧縮機回転数を決定するのであれば、どのような手法で、圧縮機回転数を決定してもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記第1、第2の各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
次に、本発明の特許請求の範囲と第1、第2実施形態の構成要素との対応関係について説明する。
すなわち、ステップ13が制御手段に対応し、操作受付手段がステップ3に対応し、ステップ506、S606、S706が音声入力判定手段に対応している。ステップ502、S602、S702が操作判定手段に対応し、ステップ504、S604、S704、S541が環境変化判定手段に対応している。ステップ411が算出手段に対応し、ステップ500が第1オートモード判定手段に対応し、ステップ520が目標送風量算出手段に対応している。ステップ700が第2オートモード判定手段に対応し、ステップ720が吹出口モード算出手段に対応し、ステップ600が第3オートモード判定手段に対応している。ステップ610が吸込口モード算出手段に対応する。蒸発器13、ヒータコア14、PTCヒータ15、およびエアミックスドア19が温度調節機構を構成している。