JP6303092B2 - 遠隔操作式排水栓装置 - Google Patents
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Description
従来の遠隔操作式排水栓装置は、排水口に配置された弁体と、排水口とは離れた位置に配置された操作部と、排水口と操作部を繋ぐレリースワイヤと、弁体を突き上げる弁軸により構成されている。当該遠隔操作式排水栓装置は、操作部の操作をレリースワイヤによって弁軸へと伝達するとともに、弁軸が弁体を突き上げることにより当該弁体が上下し、排水口の開閉を遠隔的に行う構造となっている。
そして、レリースワイヤの差し込み長さが上記定まった任意の長さよりも長い場合、レリースワイヤが急角度で屈曲してしまい、レリースワイヤの作動に伴う摩擦が増大したり、レリースワイヤが破損(座屈)したりといった不良が生じる。一方で、レリースワイヤの差し込み長さが上記定まった任意の長さより短すぎた場合においても同様に、レリースワイヤが破損(座屈)する恐れがある。
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤに取り付けられて、キャップ体の位置決めを行うガイド部材であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
レリースワイヤの外周に配置された、所定の長さを有する筒状体であることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
レリースワイヤの外周に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
レリースワイヤ端部の部材若しくはキャップ体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤ自体に設けられて、キャップ体の位置決めを行う凹又は凸であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤ自体に設けられて、キャップ体の位置決めを行うマーキングであることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
又、ガイド部材をレリースワイヤに取り付けることで調整構造を構成することが可能となるため、遠隔操作式排水栓装置に対して容易に調整構造を備えさせることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、ガイド部材の軸方向の長さをレリースワイヤの定まった任意の差し込み長さに形成するだけで調整構造を形成することが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、ガイド部材がレリースワイヤの外周に固定されていることからガイド部材の位置がズレてしまうことがない。
請求項4に記載の本発明によれば、レリースワイヤ端部の部材若しくはキャップ体がガイド部材を兼ねることにより、新規にガイド部材を作成する必要がなくなる。
請求項5に記載の本発明によれば、レリースワイヤ自体に調整構造を設けることにより、調整構造のために新規の部材を作成する必要がなくなる。
請求項6に記載の本発明によれば、調整構造がマーキングであることにより、現場においてレリースワイヤの差し込み長さを適宜調整することが可能となる。
浴槽パンPBは浴槽B側の防水パンPであって、浴槽Bから流入する排水と、浴槽パンPB上に生じた排水を排出するための開口を有している。
洗い場パンPAはシャワーや吐水栓等が備えられた洗い場側の防水パンPであって、洗い場パンPA上に生じた排水を下流側へと排出するための開口を有している。当該開口は洗い場パンPAの内、一段落ち窪んだ箇所であって、洗い場パンPAの一番低い位置に設けられている。
エルボ部材51は浴槽パンPBに設けられた開口に対して螺着されており、下流側において排水トラップ本体57の枝管接続口58と接続している。又、エルボ部材51は浴槽パンPBとの螺着箇所において目皿54が配置されている。
目皿54はその上面が浴槽パンPBの上面と略面一となるよう配置され、その上方には浴槽Bが載置され、浴槽パンPB上に生じた排水をエルボ部材51へと流入させる流路(開口)と、浴槽B上に生じた排水をエルボ部材51へと流入させる流路(開口)を有している。又、上記流路の内、浴槽パンPB上に生じた排水をエルボ部材51へと流入させる流路にはフロート式の逆止め弁が配置されており、浴槽Bよりエルボ部材51に大量の排水が流入した場合等において、浴槽パンPB上に排水が逆流することを防ぐことが可能となっている。
排水トラップ本体57は枝管接続口58、排出口59、椀部60を有し、内部に防臭筒61を備えている。又、排水トラップ本体57は洗い場パンPAに設けられた開口に対して螺着されており、洗い場パンPAからの排水が流入する構造となっている。枝管接続口58は排水トラップ本体57側面において開口し、前記エルボ部材51と接続している。排出口59は排水トラップ本体57よりも更に下流側の下流側の配管と接続しており、排水トラップ本体57内に流入した排水を下水側へと排出する。椀部60は洗い場パンPAの開口の直下に配置され、内部に排水を一時的に貯留して封水を形成することが可能となっており、防臭筒61が挿入されている。
防臭筒61は上端が洗い場パンPAの開口に固定可能であるとともに、上方より中程にかけて傾斜する傾斜部分と、当該傾斜部分の下端から垂下する筒状部分より構成されている。尚、排水トラップ本体57に防臭筒61が取り付けられた状態において、防臭筒61の下端は前記椀部60の上端より下方且つ椀部60下端より上方に配置される。
排水栓本体31は内部に排水が流れる流路を形成する円筒状の部材であって、上部において外向きに拡径するフランジ部を有し、円筒部分の外周に雄螺子が設けられているとともに、内周にはワイヤ受け34が取り付け可能な突起が設けられている。
ワイヤ受け34は外周が上記排水栓本体31の内周と略同径であって、排水栓本体31の内周に設けられた突起と嵌合する爪を有している。又、ワイヤ受け34はその中心において、後述する弁軸11を支持固定している。
排水配管32は上記排水栓本体31の雄螺子と螺合する雌螺子を内部に有するナット状の部材であって、挿通部33を有し、パッキンを介して目皿54と当接している。挿通部33は天地方向に対して傾斜して設けられた筒状であり、内部において後述するレリースワイヤ2が挿通され、その端部にキャップ体17、キャップ固定具20が取り付けられている。
インナーワイヤ3は側面からの応力に対して可撓性を備えるとともに、軸方向からの応力に対して剛性を有している。又、インナーワイヤ3はアウターチューブ4内に進退可能に収納されていることにより、操作部6の操作を弁軸11を介して弁体13へと伝達することが可能となっている。
操作部本体7は略円筒状の部材であって、ロックナットによって浴槽Bの縁部に固定されている。操作部本体7は内部にロック機構部9が固定されているとともに、当該ロック機構部9はその上端においてボタン部材8と、下端においてレリースワイヤ2とそれぞれ連結している。
上記操作部6は、ボタン部材8を押動することでインナーワイヤ3がアウターチューブ4内を摺動するよう操作可能であるとともに、当該押動操作に伴いロック機構部9内部のギアが噛み合うことによって上記アウターチューブ4の進出/後退位置を保持することができる。
尚、ガイド部材23は成型の際に予めレリースワイヤ2に装着され、その後に弁軸11をカシメ固定することにより形成されており、着脱不可能となっている。又、ガイド部材23の軸方向の長さL1は、レリースワイヤ2の定まった任意の差し込み長さと同一の長さとなるように形成されている。
図1に示すように、弁体13が下降している状態において、排水口30は弁体13によって閉塞されており、操作部6のボタン部材8は浴槽Bの縁部と面一になる位置まで上昇している。ここで、ボタン部材8に対して押動操作を加えると、インナーワイヤ3がアウターチューブ4内を弁体13側へ向けて摺動し、当該摺動に伴い、弁軸11が上昇する。そして、弁軸11の上昇により弁体13が押し上げられ、排水口30が開口する。
この時、操作部6内のロック機構部9が作動し、ロック機構部9内部のギアが噛み合うことによってインナーワイヤ3の摺動状態(弁軸11及び弁体13の上昇状態)が保持される。即ち、上記排水口30の開口状態が保持される。
次に、排水口30の開口されている状態より、更にボタン部材8を押動すると、ロック機構部9内部のギアの噛み合いが解除される。この時、ロック機構部9の内部に配置されたスプリングの弾発力によりインナーワイヤ3がアウターチューブ4内を操作部6側へ向けて摺動し、当該摺動に伴い、弁軸11が下降する。そして、弁軸11の下降とともに弁体13も下降し、排水口30を閉塞する。尚、当該閉塞状態において、使用者は浴槽B内に湯水を貯留することが可能となる。
このようにして、本発明の遠隔操作式排水栓装置1は、ボタン部材8の押動操作を繰り返すことによって、排水口30の開閉を遠隔的に行うことが可能となっている。
まず、浴槽Bの底面に対して排水栓本体31及び排水配管32を固定し、同様に、縁部に操作部本体7を固定する。又、操作部本体7の上端より弁軸11を挿入し、ロック機構部9を操作部本体7に固定する。
次に、図4に示すように、弁軸11(レリースワイヤ2)を挿通部33より排水配管32へと挿入し、浴槽Bの排水口30側より、弁軸11をペンチ等を使用して引き上げ(図4(a))、弁軸11をワイヤ受け34に接続し、当該ワイヤ受け34を排水栓本体31に嵌合させる(図4(b))。そして、キャップ体17及びキャップ固定具20のスリットをレリースワイヤ2の側面より取り付けるとともに、図5に示すように、キャップ体17の先端をガイド部材23の端部に押し当てることでレリースワイヤ2に対するキャップ体17の位置を確定させる(図5(a))。さらに、キャップ体17を挿通部33へと挿入し、キャップ固定具20を挿通部33に嵌合させることで、遠隔操作式排水栓装置1の施工が完了する(図5(b))。この時、挿入された弁軸11、レリースワイヤ2、キャップ体17はキャップ固定具20により水密的に固定される。又、前述の通りガイド部材23の軸方向の長さL1が、レリースワイヤ2の定まった任意の差し込み長さに形成されていることから、レリースワイヤ2は排水配管32に対して適切な差し込み長さにて挿入される。
尚、遠隔操作式排水栓装置1の施工が完了した後、浴槽Bの排水口30が目皿54の開口と合致するように、浴槽Bを浴槽パンPBの上(目皿54の上)に載置し、浴槽パンPBと洗い場パンPAの間にエプロンを取り付けた後、弁軸11に弁体13を嵌合させ、ボタン部材8をロック機構部9に嵌合させて全ての施工が完了する。
例えば、図6に示すように、レリースワイヤ2の差し込み長さ調整構造を有する遠隔操作式排水栓装置1を洗面ボウルSに使用しても良い。
又、ガイド部材23の形状に関しては、図7に示すように、螺旋状の筒状体を巻着させる形状であったり、図8に示すように、レリースワイヤ2を挟み込み、爪によって固定する形状であったりと、種々の形状にしても良い。
又、図9に示すように、弁軸11の後端を延長して、弁軸11がガイド部材23を兼ねても良く、図10に示すように、キャップ体17の先端を延長して、キャップ体17がガイド部材23を兼ねても良い。
又、ガイド部材23は必ずしも筒状である必要はなく、図11に示すように、レリースワイヤ2の外周にガイド部材23をインサート成形しても良い。
又、ガイド部材23はレリースワイヤ2の差し込み長さを定まった任意の長さに調整するものであるから、常にキャップ体17を押し当てて調整する構造である必要はなく、図12に示すように、ガイド部材23の外側にキャップ体17を取り付けることでレリースワイヤ2の差し込み長さを調整可能としても良い。
又、前述のように、ガイド部材23の適切な長さは排水配管毎に異なるものであるため、ガイド部材23に対してマーキングを設け、施工現場等で、適切な長さにおいて切断して使用することで汎用性を高めても良い。尚、ここにいうマーキングとは、目印のことであって、一つまたは複数設ける場合があり、特定の、または一定の間隔で凹凸や書き込み、印刷等を設けることによって、長さを選択することが可能なものを指す。
即ち、図13に示すように、レリースワイヤ2(アウターチューブ4)に対し、熱によって凹凸を設け、当該凹凸に対してキャップ体17を嵌着させるなど、調整構造をレリースワイヤ2自体に設けても良い。
尚、レリースワイヤ2自体に調整構造を設ける場合、上記のように凹凸を設ける他、図14に示すように、レリースワイヤ2にマーキングを設ける等の構造を採用しても良い。尚、ここにいうマーキングとは、目印のことであって、一つまたは複数設ける場合があり、特定の、または一定の間隔で凹凸や書き込み、印刷等を設けることによって、長さを選択することが可能なものを指す。即ち、本発明の調整構造はガイド部材23等の物理的な方法のみならず、目視によって調整を行うことを前提とした構造であっても良いものである。
2 レリースワイヤ
3 インナーワイヤ
4 アウターチューブ
6 操作部
7 操作部本体
8 ボタン部材
9 ロック機構部
11 弁軸
13 弁体
14 蓋部
17 キャップ体
20 キャップ固定具
23 ガイド部材
30 排水口
31 排水栓本体
32 排水配管
33 挿通部
34 ワイヤ受け
50 排水トラップ
51 エルボ部材
54 目皿
57 排水トラップ本体
58 枝管接続口
59 排出口
60 椀部
61 防臭筒
100 浴室
B 浴槽
S 洗面ボウル
P 防水パン
PB 浴槽パン
PA 洗い場パン
Claims (6)
- 排水口と、
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤに取り付けられて、キャップ体の位置決めを行うガイド部材であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 前記ガイド部材が、
レリースワイヤの外周に配置された、所定の長さを有する筒状体であることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。 - 前記ガイド部材が、
レリースワイヤの外周に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置。 - 前記ガイド部材が、
レリースワイヤ端部の部材若しくはキャップ体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遠隔操作式排水栓装置。 - 排水口と、
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤ自体に設けられて、キャップ体の位置決めを行う凹又は凸であることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 排水口と、
排水口の開閉を操作する操作部と、
排水口からの排水を排出する排水配管と、
排水配管に挿通されて排水口と操作部とを連絡するレリースワイヤと、
排水配管とレリースワイヤを水密的に固定するキャップ体と、
からなる遠隔操作式排水栓装置において、
排水配管に挿通されるレリースワイヤの差し込み長さを定まった任意の長さに調整する調整構造を備え、
前記調整構造が、
レリースワイヤ自体に設けられて、キャップ体の位置決めを行うマーキングであることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
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