JP6300426B1 - スピーカ装置、エンクロージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカユニットからその背後側に出力される音波を、より効果的に減衰させるスピーカ装置を提供する。【解決手段】スピーカ装置1は、スピーカユニット10と、複数の構造部材をスピーカユニット10の背後の空間に配置したエンクロージャ30と、を有する。複数の構造部材は、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体の少なくとも何れかであり、空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられている。【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカの技術に関する。
従来より、スピーカユニットの背後側から出力される音波に起因した定在波を抑制する技術がある(例えば特許文献1)。
特開2010−288220号
本発明の目的は、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を、より効果的に減衰させることである。
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、スピーカユニットと、複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げ、前記スピーカユニットの背後の空間に配置した構造体と、を有し、前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置である。
本発明の第2の態様では、前記複数の構造部材は、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体の少なくとも何れかであることが好ましい。
本発明の第の態様では、前記構造部材における最大部分の長さは、複数種類あることが好ましい。
本発明の第の態様では、前記構造部材における最大部分の長さは、前記スピーカユニットのコーン紙の直径以下であることが好ましい。
本発明の第の態様では、前記複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げることで構造体の外周には、当該構造体の内部の空間に繋がる複数の空間が形成されており、前記複数の空間は、前記スピーカユニットが取り付けられている部分を除き、一部又は全部が外方からみて遮蔽されることなく外方に臨むことが好ましい。
本発明の第の態様では、前記構造体は、前記複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられて全体として球形状をなし、前記スピーカユニットは、当該スピーカユニットのコーンの中心を通る中心線と、前記構造体の中心を通る直線とが一致するように前記構造体に取り付けられることが好ましい。
本発明の第の態様では、前記構造体は、前記スピーカユニットのフレームに接合部を形成されることなく一体に形成されることが好ましい。
前記課題を解決するために、本発明の第の態様は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットが周壁に取り付けられる筐体、及び前記筐体内で前記スピーカユニットの背後の空間に配置され、複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられつつ前記筐体に接合部を形成されることなく一体に形成された構造体を有するエンクロージャと、を有するスピーカ装置である。
前記課題を解決するために、本発明の第の態様は、スピーカユニットと、非晶質体構造の形状を模した形状の構造体と、を有し、前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置である。
前記課題を解決するために、本発明の第10の態様は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの背後の空間に配置されて、前記空間を区画部材によって区画して複数の空間を形成する構造体と、を有し、前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置である。
前記課題を解決するために、本発明の第11の態様は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットに隣接して配置され、当該スピーカユニットから出力される全方向の逆相の音波が入力されて、当該音波を直進させずに迂回させて進ませる形状の構造体と、を有し、前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置である。
前記課題を解決するために、本発明の第12の態様は、スピーカユニットの背後の空間に配置され、複数の構造部材を不規則に配置して互いに一体に繋げた構造体を有し、前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるエンクロージャである。
本発明の前記第1の態様によれば、スピーカ装置は、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を、複数の構造部材に当てたり、複数の構造部材によって形成された空間を通過させたりすることによって、減衰させることができる。
また、スピーカ装置は、構造体がスピーカユニットの背後にスピーカユニットに隣接して配置されることによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
本発明の前記第2の態様によれば、複数の構造部材は、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体の少なくとも何れかであり、簡易な形状の部材によって形成される。
本発明の前記第の態様によれば、スピーカ装置は、構造部材における最大部分の長さが複数種類に設定されることによって、構造部材の固有振動数を分散させることができる。
本発明の前記第の態様によれば、構造体は、構造部材における最大部分の長さがスピーカユニットのコーン紙の直径以下であることによって、よりコンパクトに構成される。
本発明の前記第の態様によれば、スピーカ装置は、構造体の外周に形成される当該構造体の内部の空間に繋がる複数の空間が外方からみて遮蔽されることなく外方に臨むことによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波が構造体内を通り抜けやすくすることができる。
本発明の前記第の態様によれば、スピーカユニットのコーンの中心を通る中心線に対して構造体が対称的な形状となるため、スピーカ装置は、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
本発明の前記第の態様によれば、構造体がスピーカユニットのフレームに接合部が形成されることなく一体に形成されることによって、スピーカ装置は、スピーカユニットからその背後側に出力される音波をより効果的に減衰できる。
本発明の前記第の態様によれば、スピーカ装置は、エンクロージャが筐体を有する場合でも、筐体が構造体に一体に形成されるため、筐体の振動に起因した定在波の発生をより効果的に抑制できる。
本発明の前記第の態様によれば、構造体は、非晶質体構造を模した形状になることによって、より簡易に構成できる。例えば、数式によって構造体の構造を表現できるようになるため、構造体は、より簡易に製造されるようになる。
また、スピーカ装置は、構造体がスピーカユニットの背後にスピーカユニットに隣接して配置されることによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
本発明の前記第10の態様によれば、スピーカ装置は、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を、区画部材に当てたり、区画部材によって区画された空間を通過させたりすることによって、減衰させることができる。
また、スピーカ装置は、構造体がスピーカユニットの背後にスピーカユニットに隣接して配置されることによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
本発明の前記第11の態様によれば、スピーカ装置は、スピーカユニットから出力される全方向の逆相の音波を、スピーカユニットに隣接して配置した構造体にて直進させずに迂回させて進ませることによって、減衰させることができる。
また、スピーカ装置は、構造体がスピーカユニットの背後にスピーカユニットに隣接して配置されることによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
本発明の前記第12の態様によれば、エンクロージャは、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を、複数の棒状体又は板状体に当てたり、複数の棒状体又は板状体によって形成された空間を通過させたりすることによって、減衰させることができる。
また、エンクロージャは、構造体がスピーカユニットの背後にスピーカユニットに隣接して配置されることによって、スピーカユニットからその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
図1は、第1の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す図である。 図2は、スピーカユニットの構成例を示す図である。 図3は、非晶質構造の例を示す図である。 図4は、スピーカユニットとエンクロージャとの位置関係を示す概要図である。 図5は、第2の実施形態におけるスピーカ装置の構成例を示す図である。 図6は、スピーカ装置の他の構成例を示す図である。 図7は、筐体を構造体の外周の一部を覆う形状にした一例を示す図である。
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、スピーカ装置を挙げている。
(構成)
図1は、第1の実施形態におけるスピーカ装置1の構成例を示す図である。
図1に示すように、スピーカ装置1は、スピーカユニット10、エンクロージャ30を有している。
図2は、スピーカユニット10の構成例を示す図である。
図2に示すように、スピーカユニット10は、一般的なスピーカユニットである。すなわち、スピーカユニット10は、フレーム11、マグネット12、ボイスコイル13、コーン紙(振動板、振動子)14、ダンパー15、エッジ16、センターキャップ17等を有している。
ここで、フレーム11は、スピーカユニット10においていわゆる骨組となり、スピーカユニット10の各構成部が取り付けられている。すなわち、フレーム11に、マグネット12、ボイスコイル13、コーン紙14が取り付けられている。ここで、マグネット12は、フレーム11に強固に固定されている。また、ボイスコイル13、及びコーン紙14は、スピーカユニット10において振動する部位になるため、ボイスコイル13は、ダンパー15を介してフレーム11に取り付けられ、コーン紙14は、その外周を取り巻くように張られた柔軟な膜であるエッジ16を介してフレーム11に取り付けられている。
フレーム11は、コーン紙14の背後側の構造が複数の細いアーム11aで構成されている。そして、フレーム11の外周部には、当該フレーム11をエンクロージャにネジ止めするための図示しないネジ穴が形成されている。
マグネット12は、ドーナツ型の永久磁石である。このマグネット12の内周側の円筒形状の空間に、その内周面よりも多少小さい直径の円筒形状のボイスコイル13が挿入されている。ボイスコイル13は、コイルの一種であり、紙やプラスチックの筒に導線を巻きつけたものである。
スピーカユニット10は次のように駆動される。スピーカユニット10では、ボイスコイル13に電気(アンプの出力)が与えられると、その外周に配置されているマグネット12に反応してボイスコイル13に力が発生し、コーン紙14が振動する。このコーン紙14の振動が空気を振動させる。ユーザには、その空気の振動による空気圧の変化が音声となって聞こえる。
なお、本実施形態において、スピーカユニット10は、この構成に限定されないことは言うまでもない。
このスピーカユニット10は、エンクロージャ30にはめ込まれるように取り付けられている。つまり、スピーカユニット10の背後(又は背面)に当該スピーカユニット10に隣接してエンクロージャ30が配置されている。
エンクロージャ30は、外形が全体として球形状をなしている。エンクロージャ30の内部構造は、複雑、乱雑又はランダムな形状で、いわゆる非晶質構造を模した構造又は非晶質モデル構造をなしている。
図3は、非晶質構造の例を示す図である。内部構造は、図3に示すような非晶質構造を模した構造によって構成されている。
具体的には、内部構造は、複数の棒状体31を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられた構造をなす。より具体的には、内部構造は、様々な長さを有する複数の棒状体31が互いに一体に組み合わされる構造をなし、各棒状体31の端部が、当該棒状体31に対して当該棒状体31を含む二次元平面内又は3次元空間内に配置されている他の1つ又は複数の棒状体31の端部と一体に繋がる構造となる。つまり、内部構造は、様々な長さの各棒状体31、又はランダムな長さを持つ各棒状体31が、その端部で他の1つ又は複数の棒状体31の端部と繋がり、3次元的な構造をなしている。
そして、エンクロージャ30の外周面の一部に、図示しないスピーカユニット10の収納取り付け部が形成されている。収納取り付け部は、スピーカユニット10の背後側の形状に合致する凹部形状をなしている。また、エンクロージャ30の外周面であって収納取り付け部の外周には、図示しないスピーカユニット10の固定取り付け部が形成されており、スピーカユニット10(具体的にはフレーム11)の外周が固定取り付け部にネジ等によって固定されている。
ここで、棒状体31は、例えば、断面形状が円形状の丸棒である。また、棒状体31の長さは、例えば、スピーカユニット10のコーン紙14の直径以下である。また、エンクロージャ30は、例えば、3Dプリンタによって各棒状体31が接着されて接合されるようなことなく、一体に形成される。また、エンクロージャ30は、例えば、レジン、プラスチック等の樹脂、金属、ガラスによって形成される。
エンクロージャ30は、以上のような内部構造によって、その内部に複数の棒状体31が繋がって囲まれて様々な形の空間を形成している。
なお、第1の実施形態において、棒状体31は、スピーカユニット10の背後の空間を区画し複数の空間を形成する区画部材とも言える。
図4は、スピーカユニット10とエンクロージャ30との位置関係を示す概要図である。
図4に示すように、スピーカユニット10は、このようなエンクロージャ30に対して、当該スピーカユニット10のコーン紙14の中心を通る中心線10aと、当該エンクロージャ30の中心を通る直線30aとが一致するように当該エンクロージャ30に取り付けられている。
(動作、作用等)
次に、第1の実施形態におけるスピーカ装置1の動作、作用等を説明する。
スピーカ装置1では、スピーカユニット10を駆動すると、コーン紙14が駆動されて、スピーカユニット10の前面側(又は前部側)から音波が出力される。その一方で、スピーカユニット10の背後側からは逆相の音波が出力されるが、その音波がエンクロージャ30内で吸収される。すなわち、スピーカユニット10の背後側に出力された音波は、複数の棒状体31が繋がって囲まれた空間を次々と通過することで減衰する。つまり、スピーカユニット10の背後側に出力された全方向の音波は、エンクロージャ30内を複数の棒状体31によって邪魔されて直進することなく迂回して進むことによって減衰する。
また、このとき、複数の棒状体31がそれぞれ異なる長さを持っているため、各棒状体31の固有振動数又は共振周波数がまちまちになるため、たとえばエンクロージャ30を構成する各棒状体31が全て同じ長さを持つような場合よりも共振を抑えることができる。
以上より、スピーカ装置1では、スピーカユニット10の背後側に出力され音波が複数の棒状体31が繋がって囲まれた空間を次々と通過することにより定在波のような発生を抑制できる。
(第1の実施形態における効果)
(1)スピーカ装置1は、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波を、複数の棒状体31に当てたり、複数の棒状体31によって形成された空間を通過させたりすることによって、減衰させることができる。これによって、スピーカ装置1は、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波に起因する定在波の発生を抑制できる。
(2)複数の棒状体31は、丸棒といった簡易な形状の部材によって形成される。
(3)スピーカ装置1は、エンクロージャ30がスピーカユニット10の背後にスピーカユニット10に隣接して配置されることによって、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
(4)スピーカ装置1は、棒状体31の長さ、すなわち、棒状体31における最大部分の長さが複数種類に設定されることによって、棒状体31の固有振動数を分散させることができる。これにより、スピーカ装置1は、エンクロージャ30の共振周波数を分散させて、定在波の発生をより効果的に抑制できる。
(5)エンクロージャ30は、棒状体31の長さがスピーカユニット10のコーン紙14の直径以下であることで、よりコンパクトに構成される。
(6)スピーカ装置1は、エンクロージャ30の外周に形成される当該エンクロージャ30の内部の空間に繋がる複数の空間が外方からみて遮蔽されることなく外方に臨むことによって、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波がエンクロージャ30内を通り抜けやすくすることができる。これにより、スピーカ装置1は、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波を、効率良く、複数の棒状体31に当てたり、複数の棒状体31によって形成された空間を通過させたりすることができるため、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波をより効果的に減衰できる。
(7)スピーカユニット10のコーン紙14の中心を通る中心線に対してエンクロージャ30が対称的な形状となるため、スピーカ装置1は、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波を効果的に減衰できる。
(8)エンクロージャ30は、非晶質体構造を模した構造になることによって、より簡易に構成できる。例えば、数式によってエンクロージャ30の構造を表現できるようになるため、エンクロージャ30は、3Dプリンタ等によって、より簡易に製造されるようになる。
(9)スピーカ装置1は、スピーカユニット10から出力される全方向の逆相の音波を、スピーカユニット10に隣接して配置した構造体にて直進させずに迂回させて進ませることによって、減衰させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、前述の第1の実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
第2の実施形態も、スピーカ装置2を挙げている。そして、第2の実施形態では、スピーカ装置2は、筐体を有し、その筐体の壁面にスピーカユニット10が取り付けられている。
図5は、第2の実施形態におけるスピーカ装置2の構成例を示す図である。
図5に示すように、スピーカ装置2は、スピーカユニット10、筐体60を含むエンクロージャ50を有している。
スピーカユニット10は、第1の実施形態における構成と同じである。スピーカユニット10は、筐体60を構成する周壁に取り付けられている。
エンクロージャ50は、筐体60及び構造体70を有している。筐体60は、全体としてほぼ球形状をなしている。筐体60の周壁の一部にスピーカユニット10が取り付けられている。そのため、筐体60の周壁には、スピーカユニット10の背後側の構造部が収容可能な固定取り付け部(図示しない)が形成されており、スピーカユニット10の外周が固定取り付け部にネジ等によって固定されている。
エンクロージャ50は、その内部に、構造体70として前記第1の実施形態におけるエンクロージャ30と同様な構造の構造体70を有している。すなわち例えば、構造体70は、スピーカユニット10の背後に当該スピーカユニット10に隣接して配置されている。そして、構造体70は、様々な長さを有する複数の棒状体71が互いに一体に組み合わされる構造をなし、各棒状体71の端部が、当該棒状体71に対して当該棒状体71を含む二次元平面内又は3次元空間内に配置されている他の1つ又は複数の棒状体71の端部と一体に繋がる構造をなす。
そして、構造体70の外周面であって筐体60の固定取り付け部が形成されている位置に対応する部分に、図示しないスピーカユニット10の収納取り付け部が形成されている。収納取り付け部は、スピーカユニット10の背後側の形状に合致する凹部形状をなしている。
エンクロージャ50では、構造体70と筐体60とが一体に形成されている。例えば、構造体70と筐体60とは、3Dプリンタによって一体に形成される。また、エンクロージャ50は、例えば、レジン、プラスチック等の樹脂、金属、ガラスを用いて、構造体70と筐体60とが一体に形成される。
なお、図5は、筐体60の周壁の一部がなく構造体70が外に臨んでいるが、これは、筐体60内に構造体70があることを示すことを説明するために筐体60の周壁の一部を欠いており、実際には、筐体60の周壁は、欠けていない。
(動作、作用等)
次に、第2の実施形態におけるスピーカ装置2の動作、作用等を説明する。
第2の実施形態でも同様、スピーカユニット10を駆動するとスピーカユニット10の背後側からも音波が出力されるが、その音波がエンクロージャ50内で吸収される。すなわち、スピーカユニット10の背後側に出力された音波は、エンクロージャ50内の構造体70において複数の棒状体71が繋がって囲まれた空間を次々と通過することで減衰する。
また、このとき、複数の棒状体71がそれぞれ異なる長さを持っているため、各棒状体71の固有振動数又は共振周波数がまちまちになるため、たとえばエンクロージャ50を構成する各棒状体71が全て同じ長さを持つような場合よりも共振を抑えることができる。
また、筐体60と構造体70とが一体に形成されるため、筐体60は、構造体70との結合により振動が抑制されるため、スピーカユニット10の背後側から出力される音波による振動が抑制される。
以上より、スピーカ装置2では、スピーカユニット10の背後側に出力され音波が複数の棒状体71が繋がって囲まれた空間を次々と通過することにより定在波のような発生を抑制できる。
(第2の実施形態における効果)
第2の実施形態では、前記の第1の実施形態における効果と同様な効果の他に、以下のような効果を得ることができる。
(1)スピーカ装置2は、エンクロージャ50が筐体60を有する場合でも、筐体60が構造体70に一体に形成されるため、筐体60の振動に起因した定在波の発生をより効果的に抑制できる。
なお、以上の実施形態の説明において、棒状体31,71は、例えば、構造部材を構成する。
(本実施形態の変形例等)
前記の実施形態の他の例として、棒状体31,71の長さを全て同じにすることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、棒状体31,71の断面形状は、円形にされることに限定されず、棒状体31,71の断面形状を他の形状にすることもできる。例えば、棒状体31,71の断面形状を、断面多角形にすることもできる。また、棒状体31,71を、断面長方形状の板状体にするすることもできる。また、棒状体31,71は、棒状体、板状体に加えて、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体の少なくとも何れかにすることもできる。この場合、エンクロージャ50や構造体70において、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、又はこれら形状の複合体の最大部分の長さ(長さ、幅、高さ等)を他のものと異なる長さにすることもできる。また、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、又はこれら形状の複合体の最大部分の長さ(長さ、幅、高さ等)をスピーカユニット10のコーン紙の直径以下することもできる。また、錐体の場合、円錐、角錐(三角錐、四角錐等)であるが、その頂点がスピーカユニット10側に向くように、エンクロージャ50や構造体70において錐体を配置することもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、エンクロージャ50や構造体70は、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体を混在させて構成されることもできる。すなわち、エンクロージャ50や構造体70は、様々な断面形状の部材を混在させて構成されることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、一体とされる棒状体31,71同士の接合部分を肉厚(例えば球形状の肉厚部)にすることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、各棒状体31,71は、端部同士で繋げられることに限定されない。例えば、直線形状の棒状体31,71の端部でない中間部位等に、他の棒状体31,71の端部を繋げることもできる。
また、前記の実施形態の他の例として、エンクロージャ50や構造体70とスピーカユニット10のフレーム11とを接合部を形成することなく一体に形成することもできる。すなわち、エンクロージャ50や構造体70がスピーカユニット10のフレーム11と一体的な構造をなす。また、第2の実施形態の場合には、筐体60も、フレーム11と接合部を形成することなく一体に形成することもできる。
このように、エンクロージャ50、構造体70、筐体60とスピーカユニット10のフレーム11とを接合部を形成することなく一体に形成することによって、スピーカ装置1,2は、スピーカユニット10からその背後側に出力される音波をより効果的に減衰できる。
また、前記の実施形態の他の例として、エンクロージャ30、構造体70における密度、すなわち、構造部材の数の密度に分布を持たせることもできる。例えば、エンクロージャ30、構造体70の外周部において、スピーカユニット10の周辺や背後側の構造部材の数を多くして密度を他よりも高くすることもできる。
また、第1の実施形態の他の例として、エンクロージャ30の外形は球形状にされることに限定されず、エンクロージャ30の外形を他の形状にすることもできる。例えば、エンクロージャ30の外形を、四角柱形状、楕円形状とすることもできる。
また、第2の実施形態の他の例として、筐体60は球形状に限定されず、筐体60の形状を他の形状にすることもできる。例えば、筐体60を、四角柱形状、楕円形状にすることもできる。また、構造体70の外形もこのような筐体60の形状に合致した形状になる。例えば、構造体70の外形を、四角柱形状、楕円形状にすることもできる。
図6は、スピーカ装置の他の構成例を示す図である。
図6に示すように、筐体80は、四角柱形状であり、構造体90は、この筐体80の形状に合致した四角柱形状になる。
また、第2の実施形態の他の例として、筐体60は構造体70の外周全てを覆う形状に限定されず、筐体60を構造体70の外周の一部を覆う形状にすることもできる。
図7は、筐体60を構造体70の外周の一部を覆う形状にした一例を示す図である。
図7に示すように、筐体60の周壁は、スピーカユニット10の周囲、及びスピーカユニット10の取り付け位置とは反対側の部分、すなわち、背後側に設けられている。又は、筐体60の周壁を、スピーカユニット10の周囲及び背後側の少なくとも一方に設けることもできる。
また、例えば、筐体60において、スピーカユニット10の取り付け位置とは反対側の部分、すなわち、構造体70の背後側に周壁を設けることなく開口し、その他の部分に周壁を形成することもできる。すなわち、筐体60は、スピーカユニット10のコーン紙14の中心を通る中心線に一致する構造体70の中心を通る直線に対し周方向に形成された周壁、つまり略円環形状の周壁を有する。
また、前記の実施形態では、スピーカユニットと、非晶質体構造の形状を模した形状の構造体と、を有するスピーカ装置を実現している。
また、前記の実施形態では、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの背後の空間に配置されて、前記空間を区画部材によって区画して複数の空間を形成する構造体と、を有するスピーカ装置を実現している。
また、前記の実施形態では、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの背後に当該スピーカユニットに隣接して配置され、当該スピーカユニットから出力される全方向の逆相の音波が入力されて、当該音波を直進させずに迂回させて進ませる形状の構造体と、を有するスピーカ装置を実現している。
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1,2 スピーカ装置、10 スピーカユニット、30,50 エンクロージャ、31,71 棒状体、60,80 筐体、70,90 構造体

Claims (12)

  1. スピーカユニットと、
    複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げ、前記スピーカユニットの背後の空間に配置した構造体と、
    を有し、
    前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置。
  2. 前記複数の構造部材は、棒状体、板状体、球体、多面体、楕円体、錐体、及びこれら形状の複合体の少なくとも何れかである請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記構造部材における最大部分の長さは、複数種類ある請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記構造部材における最大部分の長さは、前記スピーカユニットのコーン紙の直径以下である請求項1乃至の何れか1項に記載のスピーカ装置。
  5. 前記複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げることで構造体の外周には、当該構造体の内部の空間に繋がる複数の空間が形成されており、前記複数の空間は、前記スピーカユニットが取り付けられている部分を除き、一部又は全部が外方からみて遮蔽されることなく外方に臨む請求項1乃至の何れか1項に記載のスピーカ装置。
  6. 前記構造体は、前記複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられて全体として球形状をなし、
    前記スピーカユニットは、当該スピーカユニットのコーンの中心を通る中心線と、前記構造体の中心を通る直線とが一致するように前記構造体に取り付けられる請求項1乃至の何れか1項に記載のスピーカ装置。
  7. 前記構造体は、前記スピーカユニットのフレームに接合部を形成されることなく一体に形成される請求項1乃至の何れか1項に記載のスピーカ装置。
  8. スピーカユニットと、
    前記スピーカユニットが周壁に取り付けられる筐体、及び前記筐体内で前記スピーカユニットの背後の空間に配置され、複数の構造部材を空間に不規則に配置して互いに一体に繋げられつつ前記筐体に接合部を形成されることなく一体に形成された構造体を有するエンクロージャと、
    を有するスピーカ装置。
  9. スピーカユニットと、
    非晶質体構造の形状を模した形状の構造体と、
    を有し、
    前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置。
  10. スピーカユニットと、
    前記スピーカユニットの背後の空間に配置されて、前記空間を区画部材によって区画して複数の空間を形成する構造体と、
    を有し、
    前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置。
  11. スピーカユニットと、
    前記スピーカユニットに隣接して配置され、当該スピーカユニットから出力される全方向の逆相の音波が入力されて、当該音波を直進させずに迂回させて進ませる形状の構造体と、
    を有し、
    前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるスピーカ装置。
  12. スピーカユニットの背後の空間に配置され、複数の構造部材を不規則に配置して互いに一体に繋げた構造体を有し、
    前記構造体は、前記スピーカユニットの背後に前記スピーカユニットに隣接して配置されるエンクロージャ。
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