JP6299639B2 - ジャイロセンサの配置方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ロボットに設けるジャイロセンサの配置方法に関する。
自律ロボットのように回転を伴って空間を移動する移動体は、ジャイロを用いて角速度を計測し、計測した角速度を積分することにより空間内で自己姿勢を推定することができる。このようなジャイロを用いた姿勢推定は、移動体の姿勢計測にとっては当たり前の技術となっており、ロボットの姿勢推定や車両の進行方向の推定など、様々な分野で幅広く使用されている。
従来、このような分野の技術として、特開2014−205196号公報がある。この公報に記載されたロボットシステムには、3軸慣性センサが備え付けられたロボットアームについて、センサの検出軸をアームの回動軸と一致させることが開示されている。
前述した従来のロボットシステムのように、重力方向をZ軸、直交方向にX・Y軸に設定し、加速度センサ・ジャイロを各軸に配置することが多いが、ロボットの回転軸などのロボット固有の軸に倣ってジャイロセンサを配置すると、検出軸ごとに発生しうる角速度の最大値にばらつきが生じる。ここで、ジャイロセンサによって検出される角速度が大きいほど精度が下がるため、ジャイロセンサの取り付け角を調整することにより、検出する角速度の最大値のばらつきを低減させることにより、測定精度を向上させたいという要望があった。
本発明は、角速度の測定精度を向上させたジャイロセンサの配置方法を提供するものである。
本発明は、角速度の測定精度を向上させたジャイロセンサの配置方法を提供するものである。
本発明にかかるジャイロセンサの配置方法は、2軸以上の検出軸を有するジャイロセンサをロボットに配置して、前記ロボットに所定の動作をさせたときのジャイロ座標系の各軸の最大角速度を算出し、前記各軸の最大角速度の算出を前記ジャイロセンサの取り付け角ごとに実行し、前記各軸の最大角速度が最小となる前記ジャイロセンサの取り付け角を算出し、前記取り付け角に基づいて、前記ロボットに前記ジャイロセンサを配置する。
これにより、ジャイロセンサの検出軸のうち、極端に大きな角速度を検出する軸がなくなるようにジャイロセンサを配置することができる。
これにより、ジャイロセンサの検出軸のうち、極端に大きな角速度を検出する軸がなくなるようにジャイロセンサを配置することができる。
これにより、ジャイロセンサによる角速度の測定精度を向上させることができる。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、ジャイロセンサ角算出システム1は、ロボット2と、計算機3と、を備える。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、ジャイロセンサ角算出システム1は、ロボット2と、計算機3と、を備える。
図2に示すように、ロボット2は、例えばヒューマノイドロボットであり、本体部である胴体フレームと、胴体フレームに接続された両手と、両足と、頭部を備えている。ロボット2は、これらの部位の関節部に設けられたモータ(図示せず)を制御部(図示せず)の制御に基づいて動作させることにより、歩行や物体の把持等を行う。ロボット2は、胴部に配置された慣性計測装置(ジャイロセンサ)11を有する。
慣性計測装置11は、3軸ジャイロと3軸加速度計とを有する。慣性計測装置11は、ロボット2がリファレンスモーションを実行した場合の、ジャイロ軸方向の3次元の角速度や加速度を取得する。なお、慣性計測装置11は、ロボット2の胴体フレームの重心に配置されている。
計算機3は、演算部12と、バッファ13と、を備える。計算機3は、ロボット2に慣性計測装置11の配置させた状態をシミュレートするシミュレーション装置である。
演算部12は、ロボット2がリファレンスモーションを実行した場合の胴体フレームの角速度を算出する。また演算部12は、算出された角速度から、慣性計測装置11の取り付け角を変更することによりジャイロ軸方向を変更したときの各軸方向の角速度を算出する。演算部12の動作については後に詳述する。
バッファ13は、演算部12により算出された角速度を一時的に記憶する記憶領域である。具体的にはバッファ13は、演算部12によって算出されたジャイロ座標軸の3軸方向の角速度の最大角速度の値が、バッファ13に記憶されている値より小さい場合に、記憶されている取り付け角と最大角速度の情報を更新する。
次に、慣性計測装置11のジャイロ軸方向の決定方法について説明する。計算機3は、ロボット2が複数のリファレンスモーションを実行した場合のシミュレーションを行い、慣性計測装置11が3軸のジャイロ軸方向における角速度の最大値を算出する。その後、計算機3は、慣性計測装置11の取り付け角を変更することによりジャイロ軸方向を変更して、リファレンスモーションを実行したときのジャイロ軸方向の角速度の最大値が、最小になる状態を探索する。これにより、計算機3は、ロボット2への慣性計測装置11の取り付け角を決定する。
図3を参照して、より具体的に、慣性計測装置11のジャイロ軸方向の決定方法を説明する。
最初に、演算部12は、ロボット2がリファレンスモーションを実行したときの角速度データを算出する(S11)。ここで、リファレンスモーションとは、ロボット2で実行すると思われる一連の想定動作が含まれ、あらかじめ定義されているものとする。このリファレンスモーションには、ロボットが行う動作をできる限り多く含み、かつ、大きな角速度を発生しやすい動作を含むことが望ましい。例えば、ロボット2が歩行しながら、腕部で壁に手をつき、その後、テーブル上に置かれている物体を把持するといった一連の動作であっても良い。また、ヒューノイドロボットのような左右対称なロボットでは、タスクも一般的に左右の区別がない。したがって、ロボット2では、与えられたリファレンスモーションを左右反転して元のリファレンスモーションの後ろに連結して、1つのリファレンスモーションとして実行する。
また、ロボット2の両手、両足や胴体フレームの位置及び姿勢をベクトルにまとめてΘという変数で表されているものとし、一定のサンプリング間隔で順番に格納されたリファレンスモーションが、
で与えられているものとする。このリファレンスモーションは、左右対称性を与える前処理が行われた後のデータとする。
したがって、演算部12は、リファレンスモーションによる胴体フレームの動作を計算することにより、
のように、角速度の時系列データを算出する。この角速度の時系列データを、評価用角速度データとする。なお、図2に示すように胴体フレーム座標系(x,y,z)の3軸と慣性計測装置11の3軸とが一致するように取り付けられた場合、リファレンスモーションである式(1)にしたがってロボット2を動作させた場合に、計測値が式(2)に一致することになる。
次に、バッファ13の初期化を行う(S12)。ここでバッファ13では、ジャイロの取り付け角と、取り付け角により設定されるジャイロ軸座標における最大角速度と、からなる
を記憶する。ここで、演算部12により探索される取り付け角度は、オイラー角(Roll・Pitch・Yaw)で表されるものとし、それぞれのオイラー角は、φ,θ,ψで定義されているとものする。したがって、バッファ13に記憶されている初期値は、
とする。ここで、max{}とは、行列要素中の最大値を取り出す処理である。
次に、演算部12は、取り付け角φ,θ,ψの初期化を行う(S13)。すなわち、演算部12は、探索する際の取り付け角φ,θ,ψの初期値を(φ0,θ0,ψ0)として設定する。
次に、演算部12は、式(2)で算出した評価用角速度データを、ジャイロ座標系に変換する(S15)。ここで、胴体フレーム座標系で表された角速度ベクトルωjは、ジャイロ座標系では、
となる。この式(5)は、胴体フレーム座標系においてωjの角速度が発生しているときに、取り付け角φ,θ,ψだけ傾けて胴体フレームに取り付けられたジャイロ座標系に変換すると、
という計測結果が得られることを示している。したがって、演算部12は、リファレンスモーションから生成された評価用角速度データである式(2)を用いて、取り付け角φ,θ,ψであるときのジャイロ軸座標における角速度の計測値列
を算出する。
演算部12は、S16で取得したジャイロ座標系における角速度の最大値と、バッファ13に記憶されている角速度の値を比較する(S17)。すなわち、演算部
であるか否かを判定する。ジャイロ座標系における角速度の最大値が、バッファ13に記憶されている角速度より小さければ(S17でYes)、S18に進む。ジャイロ座標系における角速度の最大値が、バッファ13に記憶されている角速度より大きければ(S17でNo)、S19に進む。
バッファ13は、記憶したジャイロ座標系と角速度の値を更新する(S18)。言い換えると、バッファ13において、それまで記憶されていた角速度の最大値を、S16で取得された角速度の最大値に更新すると共に、取り付け角φ,θ,ψを更新して記憶する。
すなわち、
とする。
すなわち、
次に、演算部12は、次の探索を行うための取り付け角φ,θ,ψの値を更新する(S19)。このとき演算部12は、取り付け角であるRoll角φを0〜90[dig]、Pitch角θを0〜90[dig]、Yaw角ψを−90〜90[dig]の間とし、1[dig]ごとに変更する。
なお、通常のオイラー角の範囲は、Roll角が−180〜180[dig]、Pitch角が0〜90[dig]、Yaw角が−180〜180[dig]の間であるが、本実施例では、角速度の絶対値の上限で評価すればよく、また、ジャイロ座標系の3軸に区別をつける必要がない。したがって、取り付け角φ,θ,ψについて、上記のように探索範囲を狭めることができる。
演算部12は、取り付け角φ,θ,ψについて、全ての探索が完了したか否かを判定する(S20)。全ての取り付け角φ,θ,ψについて探索が完了していなければ(S20でNo)、S14に戻り、S19において更新された取り付け角φ,θ,ψを用いて、繰り返し処理を行う。
全ての取り付け角φ,θ,ψについて探索が完了していれば(S20でYes)、慣性計測装置11は、ロボット2に取り付けられるジャイロ軸方向が、バッファ13に記憶されている取り付け角φ,θ,ψとなるように設定される(S21)。
その後、取り付け角φ,θ,ψとして慣性計測装置11をロボット2に配置した場合に、ロボット2の動作による角速度の最大値が計測レンジの最大値を越えないように、慣性計測装置11に用いるジャイロが選定される。
このようにして、算出したジャイロ軸座標に基づいて、慣性計測装置11をロボット2に配置することにより、慣性計測装置11で測定されるジャイロ軸座標の角速度を小さくすると共に、ジャイロ軸座標ごとの角速度の測定値のバラツキを少なくすることができる。言い換えると、ロボット2の胴体フレーム座標の各軸周りに働く角速度上限値に差がある場合に、胴体フレーム座標からずらしてジャイロ座標を設定して、大きな角速度を3軸で分担して計測することができる。これにより、慣性計測装置11の各軸の角速度センサの必要計測範囲を最小化することができ、この必要計測範囲を満たす慣性計測装置11を選定して利用することにより、角速度計測の分解能を最大化することができる。
なお、慣性計測装置11の取り付け角φ,θ,ψに基づいて、ジャイロ座標系で取得された角速度ベクトルを回転変換することにより、取得された角速度の情報を、胴体フレーム座標の値に復元して利用することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、S19において、1[dig]ごとに順番にRoll角、Pitch角、Yaw角を変更するとしたが、(90×90×180)通りについて順番に行うのではなく、最初に刻み幅を粗くして当たりをつけておき、その後、刻み幅を細かくして解を得る方法や、確率探索的な手法を用いて効率よく解を得る方法を用いてもよい。
1 ジャイロセンサ角算出システム
2 ロボット
3 計算機
11 慣性計測装置
12 演算部
13 バッファ
2 ロボット
3 計算機
11 慣性計測装置
12 演算部
13 バッファ
Claims (1)
- 2軸以上の検出軸を有するジャイロセンサをロボットに配置して、前記ロボットに所定の動作をさせたときのジャイロ座標系の各軸の最大角速度を算出し、
前記各軸の最大角速度の算出を前記ジャイロセンサの取り付け角ごとに実行し、
前記各軸の最大角速度が最小となる前記ジャイロセンサの取り付け角を算出し、
前記取り付け角に基づいて、前記ロボットに前記ジャイロセンサを配置する
ジャイロセンサの配置方法。
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JP2014030857A (ja) * | 2012-08-01 | 2014-02-20 | Seiko Epson Corp | ロボット及び搬送装置 |
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