JP6297990B2 - Cvd装置、ケイ素系負極活物質材料の製造方法、非水電解質二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
できる。
まず、本発明のCVD装置について説明する。図1は、本発明のCVD装置の一例を示す概略図である。本発明のCVD装置1は、原料粒子にカーボンを主体とした導電性被膜を形成するためのロータリーキルンタイプのCVD装置である。本発明のCVD装置1は、主に、内部に原料粒子が導入される炉心管2、炉心管2に原料粒子を導入するための粉末導入室3、炉心管2から排出される粒子を回収するための粉末排出室4、炉心管2を加熱し炉心管2内部を昇温するための加熱手段5、及び炉心管2に原料ガスを導入するための原料ガス導入管6を具備している。原料ガス導入管6から導入される原料ガスは、カーボン源ガスのみであっても良いし、カーボン源ガスに他のガスを混合したものを使用しても良い。さらに、本発明のCVD装置1は、CVD装置1内にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入口7を具備している。キャリアガスは、原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むものでも、カーボン源ガスを含まないものでも良い。
次に、本発明のCVD装置により製造されるケイ素系負極活物質材料について説明する。
上記で得られたケイ素系負極活物質材料を用いた負極は、例えば、以下の様に調整可能である。
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
図10に示すラミネートフィルム型二次電池100は、主にシート状の外装部材105の内部に倦回電極体101が収納されたものである。この倦回体は正極、負極間にセパレータを有し、倦回されたものである。また正極、負極間にセパレータを有し積層体を収納した場合も存在する。どちらの電極体においても、正極に正極リード102が取り付けられ、負極に負極リード103が取り付けられている。電極体の最外周部は保護テープにより保護されている。
正極は、正極集電体の両面または片面に正極活物質層を有している。正極集電体は、例えば、アルミニウムなどの導電性材により形成されている。正極活物質層は、リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極材のいずれか1種または2種以上を含んでおり、設計に応じて結着剤、導電助剤、分散剤などの他の材料を含んでいてもよい。この場合、結着剤、導電助剤に関する詳細は、例えば、既に記述した負極における結着剤、導電助剤と同様とすることができる。
図11を参照して負極の構成を説明する。負極110は、例えば、図11のように、集電体111の両面に負極活物質層112を有している。この負極は、正極活物質剤から得られる電気容量(電池としての充電容量)に対して、負極充電容量が大きくなることが好ましい。これにより、負極上でのリチウム金属の析出を抑制することができる。
セパレータは正極、負極を隔離し、両極接触に伴う電流短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータは、例えば、合成樹脂、あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種以上の多孔質膜が積層された積層構造を有しても良い。合成樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
活物質層の少なくとも一部、又は、セパレータには、液状の電解質(電解液)が含浸されている。この電解液は、溶媒中に電解質塩が溶解されており、添加剤など他の材料を含んでいても良い。
最初に上記した正極材を用い正極電極を作製する。先ず、正極活物質と、必要に応じて結着剤、導電助剤などを混合し正極合剤とした後に、有機溶剤に分散させ正極合剤スラリーとする。続いて、ナイフロールまたはダイヘッドを有するダイコーターなどのコーティング装置で正極集電体に合剤スラリーを塗布し、熱風乾燥させて正極活物質層を得る。最後に、ロールプレス機などで正極活物質層を圧縮成型する。この時、加熱または複数回繰り返しても良い。ここで、正極集電体の両面に正極活物質層を形成する。
図1に示すような本発明のCVD装置を使用して、SiOx(0.5≦x≦1.6)からなる粒子の表面に、カーボンを主体とした導電性被膜を形成した。このとき、炉心管の内径20cm、炉心管長300cm、炉心管内の均熱帯領域が200cmのロータリーキルンを用いた。ここで、均熱帯領域は、炉心管内温度が±10℃以下となる領域とした。
初回効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100
なお、雰囲気及び温度はサイクル特性を調べた場合と同様にし、充放電条件はサイクル特性の0.2倍で行った。すなわち、サイクル条件として、4.2Vに達するまで定電流密度、0.5mA/cm2で充電し、電圧に達した段階で4.2V定電圧で電流密度が0.05mA/cm2に達するまで充電した。また、放電時は0.5mA/cm2の定電流密度で電圧が2.5Vに達するまで放電した。
基本的に実施例1〜実施例4と同様にして原料粒子を導電性被膜で被覆して作製したが、表1に示すような条件の下、F1/F0を比較例1では46.0、比較例2では103.5に設定した。すなわち、比較例1、2ではF1/F0≧30の条件でCVDを実施した。また、実施例1〜4と同様にして、比較例1、2で作製したケイ素系負極活物質材料から二次電池をそれぞれ作製した。また、比較例1、2についても、実施例1〜実施例4と同様にして、サイクル特性および初回効率を調べた。上述の実施例1〜実施例4、及び比較例1、2の測定結果を表2に示す。
3…粉末導入室、 4…粉末排出室、 5…加熱手段、
6…原料ガス導入管、 7…キャリアガス導入口、8…原料ガス導入口、
9…板(キャリアガス噴射方向制御手段)、
10…環状部材(キャリアガス噴射方向制御手段)、
11…整流板(キャリアガス整流手段)、
11a…断面に対向する面、
100…リチウム二次電池(ラミネートフィルム型)、 101…電極体、
102…正極リード(正極アルミリード)、
103…負極リード(負極ニッケルリード)、 104…密着フィルム、
105…外装部材、
110…負極、 111…負極集電体、 112…負極活物質層。
Claims (7)
- 内部に原料粒子が導入される炉心管と、該炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入する原料ガス導入管とを具備し、該原料ガス導入管から前記炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入しつつ、前記炉心管が回転することにより、前記炉心管の内部に導入された前記原料粒子を混合・攪拌しながら、前記原料粒子の表面にカーボンを主体とした導電性被膜を被覆するロータリーキルンタイプのCVD装置であって、
前記CVD装置は、さらに、前記原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス、又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを、前記CVD装置内に導入するためのキャリアガス導入口を具備し、
前記キャリアガス導入口から導入された前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向成分の線速をF1、前記炉心管内での前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向の平均線速をF0とした場合、F1/F0<30を満たすものであることを特徴とするCVD装置。 - 前記キャリアガス導入口は、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きが、前記炉心管の長手方向と異なる向きとなるものであることを特徴とする請求項1に記載のCVD装置。
- 前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きをロータリーキルンの長手方向と異なる向きに変えるためのキャリアガス噴射方向制御手段を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCVD装置。
- 前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの線速を制御するためのキャリアガス整流手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のCVD装置。
- 前記原料粒子としてSiOx(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子を用いて、該原料粒子の表面に、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のCVD装置により、カーボンを主体とした導電性被膜を形成したケイ素系負極活物質材料を製造するケイ素系負極活物質材料の製造方法であって、
X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅より算出される結晶子サイズが1nm以上7.5nm以下であり、前記粒子表面に形成された導電性被膜の量が、前記SiOx(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子と前記導電性被膜の合計に対し1質量%以上30質量%以下であるケイ素系負極活物質材料を製造することを特徴とするケイ素系負極活物質材料の製造方法。 - 請求項5に記載のケイ素系負極活物質材料の製造方法により製造されたケイ素系負極活物質材料と、結着剤と、導電助剤とを含む非水電解質二次電池用負極を製造することを特徴とする非水電解質二次電池用負極の製造方法。
- 請求項6に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法により製造された非水電解質二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池を製造することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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