JP2016138315A - Cvd装置、ケイ素系負極活物質材料、非水電解質二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

Cvd装置、ケイ素系負極活物質材料、非水電解質二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】炉心管内での乱気流の発生を抑制することができ、炉心管内の温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能なCVD装置を提供する。
【解決手段】内部に原料粒子が導入される炉心管と、炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入する原料ガス導入管とを具備するロータリーキルンタイプのCVD装置であって、CVD装置は、さらに、原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス、又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを、CVD装置内に導入するためのキャリアガス導入口を具備し、キャリアガス導入口から導入されたキャリアガスの炉心管の長手方向成分の線速をF1、炉心管内でのキャリアガスの炉心管の長手方向の平均線速をF0とした場合、F1/F0<30を満たすものであることを特徴とするCVD装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケイ素系負極活物質材料等を製造する際に、導電性被膜の被覆を施すためのCVD(chemical vapor deposition)装置に関する。また、本発明は、このCVD装置で製造されたケイ素系負極活物質材料に関し、さらに、このケイ素系負極活物質材料を用いた非水電解質二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、モバイル端末などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化、及び長寿命化が強く求められている。このような市場要求に対し、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器、家屋などに代表される電力貯蔵システムへの適用も検討されている。
その中でも、リチウムイオン二次電池は小型かつ高容量化が行いやすく、また、鉛電池、ニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
上記のリチウムイオン二次電池は、正極および負極、セパレータと共に電解液を備えており、負極は充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
この負極活物質としては、炭素材料が広く使用されている一方で、最近の市場要求から電池容量のさらなる向上が求められている。電池容量向上のために、負極活物質材としてケイ素を用いることが検討されている。なぜならば、ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも10倍以上大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。負極活物質材としてのケイ素材の開発はケイ素単体だけではなく、合金、酸化物に代表される化合物などについても検討されている。また、活物質形状は、炭素材では標準的な塗布型から、集電体に直接堆積する一体型まで検討されている。
しかしながら、負極活物質としてケイ素を主原料として用いると、充放電時に負極活物質が膨張収縮するため、主に負極活物質表層近傍で割れやすくなる。また、活物質内部にイオン性物質が生成し、負極活物質が割れやすい物質となる。負極活物質表層が割れると、それによって新表面が生じ、活物質の反応面積が増加する。この時、新表面において電解液の分解反応が生じるとともに、新表面に電解液の分解物である被膜が形成されるため電解液が消費される。このため、サイクル特性が低下しやすくなる。
これまでに、電池初期効率やサイクル特性を向上させるために、ケイ素材を主材としたリチウムイオン二次電池用負極材料、電極構成についてさまざまな検討がなされている。
具体的には、良好なサイクル特性や高い安全性を得る目的で、気相法を用いケイ素及びアモルファス二酸化ケイ素を同時に堆積させている(例えば特許文献1参照)。また、高い電池容量や安全性を得るために、ケイ素酸化物粒子の表層に炭素材(電子伝導材)を設けている(例えば特許文献2参照)。さらに、サイクル特性を改善するとともに高入出力特性を得るために、ケイ素及び酸素を含有する活物質を作製し、かつ、集電体近傍での酸素比率が高い活物質層を形成している(例えば特許文献3参照)。また、サイクル特性を向上させるために、ケイ素活物質中に酸素を含有させ、平均酸素含有量が40at%以下であり、かつ集電体に近い場所で酸素含有量が多くなるように形成している(例えば特許文献4参照)。
また、初回充放電効率を改善するためにSi相、SiO、MO金属酸化物を含有するナノ複合体を用いている(例えば特許文献5参照)。また、サイクル特性改善のため、SiO(0.8≦x≦1.5、粒径範囲=1μm〜50μm)と炭素材を混合して高温焼成している(例えば特許文献6参照)。また、サイクル特性改善のために、負極活物質中におけるケイ素に対する酸素のモル比を0.1〜1.2とし、活物質、集電体界面近傍におけるモル比の最大値、最小値との差が0.4以下となる範囲で活物質の制御を行っている(例えば特許文献7参照)。また、電池負荷特性を向上させるため、リチウムを含有した金属酸化物を用いている(例えば特許文献8参照)。また、サイクル特性を改善させるために、ケイ素材表層にシラン化合物などの疎水層を形成している(例えば特許文献9参照)。
また、サイクル特性改善のため、酸化ケイ素を用い、その表層に黒鉛被膜を形成することで導電性を付与している(例えば特許文献10参照)。特許文献10において、黒鉛被膜に関するラマンスペクトルから得られるシフト値に関して、1330cm−1及び1580cm−1にブロードなピークが現れるとともに、それらの強度比I1330/I1580が1.5<I1330/I1580<3となっている。また、高い電池容量、サイクル特性の改善のため、二酸化ケイ素中に分散されたケイ素微結晶相を有する粒子を用いている(例えば、特許文献11参照)。また、過充電、過放電特性を向上させるために、ケイ素と酸素の原子数比を1:y(0<y<2)に制御したケイ素酸化物を用いている(例えば特許文献12参照)。
特開2001−185127号公報 特開2002−042806号公報 特開2006−164954号公報 特開2006−114454号公報 特開2009−070825号公報 特開2008−282819号公報 特開2008−251369号公報 特開2008−177346号公報 特開2007−234255号公報 特開2009−212074号公報 特開2009−205950号公報 特許第2997741号明細書
特許文献10のように炭素被膜等の導電性被膜の被覆を行う場合には、例えば、ロータリーキルンタイプのCVD装置等が使用される。ロータリーキルンタイプのCVD装置は、内部に原料粒子が導入される炉心管と、炉心管の内部に原料ガスを導入する原料ガス導入管を具備している。そして、原料ガス導入管から炉心管の内部に原料ガスを導入しつつ、炉心管を回転させることにより、炉心管の内部に導入された原料粒子を混合・攪拌しながら、原料粒子の表面に炭素被膜を被覆する。このような炭素被覆の際に、炉心管の内部に、原料ガスと共にキャリアガスを導入する場合がある。このとき、従来、炉心管内部で乱気流が生じ、炉心管内に局所的な温度ムラが生じたり、炉心管内のカーボン源ガスが逆流したりする問題があった。また、その結果、CVDの制御が困難となり、良質な導電性被膜の形成ができなかったり、導電性被膜の膜質がばらついたりする問題があった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、炉心管内での乱気流の発生を抑制することができ、炉心管内の温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能なCVD装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内部に原料粒子が導入される炉心管と、該炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入する原料ガス導入管とを具備し、該原料ガス導入管から前記炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入しつつ、前記炉心管が回転することにより、前記炉心管の内部に導入された前記原料粒子を混合・攪拌しながら、前記原料粒子の表面にカーボンを主体とした導電性被膜を被覆するロータリーキルンタイプのCVD装置であって、前記CVD装置は、さらに、前記原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス、又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを、前記CVD装置内に導入するためのキャリアガス導入口を具備し、前記キャリアガス導入口から導入された前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向成分の線速をF1、前記炉心管内での前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向の平均線速をF0とした場合、F1/F0<30を満たすものであることを特徴とするCVD装置を提供する。
本発明のようなロータリーキルンタイプのCVD装置であれば、連続的に原料粒子の表面への導電性被膜の形成処理を行えるため量産性に優れるCVD装置となる。また、従来のロータリーキルンタイプのCVD装置においては、キャリアガス導入口から噴射されるキャリアガスの線速が速い場合、炉心管内部で乱気流が生じ、炉心管内に局所的な温度ムラが生じたり、炉心管内のカーボン源ガスが逆流したりする。その結果、CVDの制御が困難となり、良質な導電性被膜の形成が阻害されたり、導電性被膜の膜質がばらついたりする。これに対して、本発明は、キャリアガス導入口から噴射されるキャリアガスの線速、特に、炉心管の長手方向成分の線速F1を、F1/F0<30を満たすように制御することで、乱気流の発生を抑制することが可能なCVD装置である。このようなものであれば、温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能である。
このとき、前記キャリアガス導入口は、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きが、前記炉心管の長手方向と異なる向きとなるものとすることができる。
このようなものであれば、簡単な構造でF1/F0の値を確実に30より小さくすることが可能である。
またこのとき、本発明のCVD装置は、前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きをロータリーキルンの長手方向と異なる向きに変えるためのキャリアガス噴射方向制御手段を具備するものとすることができる。
このようなものであれば、F1/F0の値を30より小さくできるとともに、キャリアガスの噴射方向を理想的な状態に設計することが容易となることにより、よりCVDの制御性に優れたCVD装置となる。
このとき、本発明のCVD装置は、前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの線速を制御するためのキャリアガス整流手段を具備することができる。
このようなものであれば、F1/F0の値を30より小さくできるとともに、局所的な流速の乱れを小さくすることで乱気流の発生の抑制が可能となり、よりCVD制御性の優れたCVD装置が得られる。
できる。
また、本発明は、前記原料粒子としてSiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子を用いて、該原料粒子の表面に、上記のいずれかのCVD装置により、カーボンを主体とした導電性被膜を形成したケイ素系負極活物質材料であって、X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅より算出される結晶子サイズが1nm以上7.5nm以下であり、前記粒子表面に形成された導電性被膜の量が、前記SiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子と前記導電性被膜の合計に対し1質量%以上30質量%以下であることを特徴とするケイ素系負極活物質材料を提供する。
本発明のCVD装置を使用することで、上記のような結晶性及び導電性被膜の量を有するケイ素系負極活物質材料を、安定して安価に量産できる。また、このようなケイ素系負極活物質材料は、二次電池の負極活物質として使用した場合に、初回効率のばらつきが小さくサイクル安定性に優れたケイ素系負極活物質材料となる。
また、本発明は、上記のケイ素系負極活物質材料と、結着剤と、導電助剤とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極を提供する。
このような負極は、高容量であるとともに、初回効率のばらつきが小さくサイクル安定性に優れた非水電解質二次電池用負極となる。
また、本発明は、上記の非水電解質二次電池用負極を備えるものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池を提供する。
このようなリチウムイオン二次電池は高容量であるとともに、初回効率のばらつきが小さくサイクル安定性に優れたリチウムイオン二次電池となる。
本発明のCVD装置は、炉心管内の温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能である。また、本発明のCVD装置を使用して導電性被膜を形成されたケイ素系負極活物質材料、この負極活物質材料を用いた負極、及びリチウムイオン二次電池は、高容量で良好なサイクル特性及び安定した初期充放電特性を有する。
本発明のCVD装置の一例を示した概略図である。 本発明のCVD装置におけるキャリアガスの平均線速F0を説明する図である。 本発明のCVD装置におけるキャリアガスの線速F1の定義を説明する図である。 本発明のCVD装置におけるキャリアガスの線速F1の調整方法の一例を説明する図である。 キャリアガス導入口の向きを炉心管長手方向に対して直角に向けた構造を具備する場合の本発明のCVD装置の一例を示した概略図である。 キャリアガス噴射方向制御手段を具備する場合の本発明のCVD装置の一態様を示した概略図である。 キャリアガス噴射方向制御手段を具備する場合の本発明のCVD装置の別の態様を示した概略図である。 環状部材(キャリアガス噴射方向制御手段)の正面図である。 キャリアガス整流手段を具備する場合の本発明のCVD装置の一態様を示した概略図である。 本発明のリチウム二次電池の構成例(ラミネートフィルム型)を表す図である。 本発明の負極の断面模式図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下では特に、ケイ素系材料に炭素被膜を被覆する場合を中心に説明するが、本発明のCVD装置は、ケイ素系材料以外の材料に炭素被膜を被覆する場合にも使用できる。
[CVD装置]
まず、本発明のCVD装置について説明する。図1は、本発明のCVD装置の一例を示す概略図である。本発明のCVD装置1は、原料粒子にカーボンを主体とした導電性被膜を形成するためのロータリーキルンタイプのCVD装置である。本発明のCVD装置1は、主に、内部に原料粒子が導入される炉心管2、炉心管2に原料粒子を導入するための粉末導入室3、炉心管2から排出される粒子を回収するための粉末排出室4、炉心管2を加熱し炉心管2内部を昇温するための加熱手段5、及び炉心管2に原料ガスを導入するための原料ガス導入管6を具備している。原料ガス導入管6から導入される原料ガスは、カーボン源ガスのみであっても良いし、カーボン源ガスに他のガスを混合したものを使用しても良い。さらに、本発明のCVD装置1は、CVD装置1内にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入口7を具備している。キャリアガスは、原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むものでも、カーボン源ガスを含まないものでも良い。
原料粒子は粉末状で粉末導入室3から炉心管2に導入され、加熱手段5によって加熱された炉心管2において、カーボン源ガスの熱分解CVDにより導電性被膜の被覆処理がなされた後、粉末排出室4にて回収される。
この熱分解CVDを行っている際に、炉心管2内に原料ガス及びキャリアガスが導入されるとともに、炉心管2が回転することで、炉心管2内のケイ素系原料の粉末が適度に混合・撹拌され、導電性被膜が形成される。
また、上記のように、本発明において、CVD装置1はキャリアガス導入口7を有する。これにより、炉心管2の内部を任意のカーボン源ガス濃度に調整することが容易となり、熱分解CVDの制御性が向上する。また、炉芯管2以外の部材にカーボン源ガスに由来するカーボンが付着しにくくなるため、より安定した操業が可能である。
上述のように、従来のロータリーキルンタイプのCVD装置では、キャリアガス導入口から噴射されるキャリアガスの線速が速い場合、炉心管内部で乱気流が生じ、その結果、CVDの制御が困難となり、良質な導電性被膜の形成が阻害されたり、導電性被膜の膜質がばらついたりする問題が有った。
この問題を解決するためには、キャリアガス導入口から噴射されるキャリアガスの線速、特に、ロータリーキルンの長手方向成分の線速を制御することが有効である。本発明のCVD装置1では、具体的には、キャリアガスの炉心管の長手方向成分の線速をF1、ロータリーキルン内での長手方向の平均線速をF0とした場合、F1/F0<30となるようなCVD装置とする。このようなものであれば、乱気流に起因する温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能である。さらには、本発明のCVD装置1は、粉末導入室3から原料粒子を連続的に炉心管2に導入することが可能であり、上記のような膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜を有する粒子を量産できる。
ここで、F0及びF1の符号は、キャリアガスが炉心管の内部を流れる向きを正として扱う。図1に示したように、F0の向きは正である。図1に示した本発明のCVD装置1の場合、キャリアガス導入口7の向きを、F1の向きが負となるように配置することで、F1/F0<30を実現している。
また、長手方向の平均線速F0(cm/sec)は、図2に示すように炉心管2の断面での平均線速である。平均線速の値は、例えばキャリアガスの流量(cc/sec)を炉心管の断面積(cm)で割った値を使用すれば便利である。尚、炉心管の径が一定ではない場合は、炉心管2の均熱帯領域(炉心管内で温度分布がほぼ一定の領域であり、図1中に図示した。)における平均断面積でキャリアガスの流量を割った値を使用することが望ましい。なお、均熱帯領域は、例えば炉心管内温度が±10℃以下となる領域とすることができる。
F1/F0<30を満足するための単純な手段としては、例えば、キャリアガス導入口7の有効断面積を大きく設定することが挙げられる。このようにすれば、上記の条件F1/F0<30をより簡便に実現可能である。
CVD装置の設計上、キャリアガス導入口7の有効断面積を大きくすることが困難である場合は、キャリアガス導入口7を、キャリアガス導入口7から噴射されたキャリアガスの向きが、炉心管2の長手方向と異なる向きとなるものとすることができる。キャリアガス導入口の向きをロータリーキルンの長手方向とは異なる方向に向けることで、より簡便にF1/F0<30を実現できる。その理由を、図3、4を参照して以下に説明する。
図3に示すように、キャリアガス導入口7から噴射されるガスの線速をF、キャリアガス導入口7から噴射されるキャリアガスの炉心管2の長手方向成分の線速をF1、Fの方向とF1の方向の成す角を噴射角Rとするとき、F1=F・cos(R)と定義できる。従って、図4に示すように、噴射角Rの値を調整することでF1/F0<30を満たすようにすることが可能である。
その他に様々な方法でF1/F0の値を30より小さくなるように調整可能である。以下、図5〜9を参照してF1/F0の調整方法について具体的に説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
本発明では、キャリアガス導入口は、キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きが、炉心管の長手方向と異なる向きとなるものとすることができる。
具体的には、図5に示すように、キャリアガス導入口7の向きを炉心管2の長手方向に対して直角に向けた構造とし、キャリアガスの噴射方向Fを炉心管長手方向に対して直角に向けることで、F1の値を計算上0とできる。これにより、F1/F0<30を満足するものとなる。
また、本発明のCVD装置は、キャリアガス導入口に、キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きをロータリーキルンの長手方向と異なる向きに変えるためのキャリアガス噴射方向制御手段を具備することができる。
具体的には、図6に示すように、キャリアガス噴射方向制御手段として、キャリアガス導入口の前に板9を配置させることができる。これにより、キャリアガスの噴射方向Fを炉心管長手方向に対して直角に変えることで、F1の値を計算上0とすることが可能であり、F1/F0<30を満足するものとなる。
また、キャリアガス噴射方向制御手段の別の態様として、図7に示すように、環状で環の内壁に隙間を有し、該隙間からキャリアガスを噴射できる環状部材10をキャリアガス噴射方向制御手段として使用しても良い。また、図8に環状部材10の正面図(図7の炉心管2の長手方向から環状部材10を見た図)を示す。図7、図8に示すように、キャリアガスの噴射方向Fは環状部材10の中心方向となり、これによりキャリアガスの噴射方向Fは炉心管長手方向に対して直角となるため、F1の値を計算上0とすることができ、F1/F0<30を満足するものとなる。
また、本発明のCVD装置は、キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの線速を制御するためのキャリアガス整流手段を具備することが好ましい。
具体的には、図9に示すように、キャリアガス導入口7と共にキャリアガス整流手段として整流板11を設けたものとでき、この場合、キャリアガスは、整流板11を通して炉心管2内に導入される。整流板11から噴射されるキャリアガスの線速F1は、炉心管2のキャリアガスが導入される側の断面2aに対向する整流板11の面11aの面積及び開口率から近似的に計算できる。例えば、面11aの面積が断面2aの面積と同じである場合、面11aの開口率が1/30より大きければ、F1/F0<30の条件を満たすことができる。
以上のような構成を有するCVD装置であれば、簡単な構成でF1/F0<30の条件を満たす。
また、原料ガス導入管6は、原料ガスを炉芯管2の内部に導入するための原料ガス導入口8を有している。この原料ガス導入口8は炉芯管の内部に位置するものとすることができる。
このように、原料ガス導入口8が炉芯管2の内部に位置していることにより、目的の温度にて熱CVD反応を開始可能となることから、導電性被膜の被覆量のばらつきをより効果的に抑えることが可能となる。また、カーボン源ガスが目的温度以外の温度、特に炉芯管2の低温領域で不完全に反応し、不完全反応生成物が生成されることを抑制できる。
また、本発明において、キャリアガスの導入量は、原料ガスの導入量及びキャリアガスの導入量の合計に対して6割以上とすることが好ましい。このようにCVD装置に導入されるガスの全体量に対し、キャリアガスが上記の割合で導入されていれば安定してCVDを実施できる。
また、キャリアガス導入口7は、図1に示すように、原料ガス導入管6の原料ガス導入口8よりも炉心管2に対して外側に配置することが望ましい。このように配置することで、炉芯管2の低温領域におけるカーボン源ガスの濃度を下げることが可能となり、不完全反応生成物の生成をより抑制することができる。
[ケイ素系負極活物質材料]
次に、本発明のCVD装置により製造されるケイ素系負極活物質材料について説明する。
本発明者らは、リチウムイオン二次電池の負極として用いた際に、良好なサイクル特性を有し安定した初期充放電特性が得られるケイ素系負極活物質について鋭意検討を重ねた。その結果、以下の(i)〜(vi)の特性を有するケイ素系負極活物質材料が有用であり、その内、(i)〜(v)の特性を満足するためには、高温での処理が必要となるCVD工程の最適化が重要であることを見出した。
(i)ケイ素系負極活物質材料は、SiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子を含有し、X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅(2θ)が1.2°以上であるとともに、その結晶面に対応する結晶子サイズ(Si(111)結晶面結晶子サイズとも称する)は1nm以上7.5nm以下であることが好ましい。負極活物質が上記の結晶性を有することで、このような負極活物質をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いた際に、より良好なサイクル特性及び初期充放電特性が得られる。
(ii)ケイ素系負極活物質材料は、その表面に、カーボンを主体とした導電性被膜を有する。このように、負極活物質粒子がその表層部に炭素材を含むことで、導電性の向上が得られるため、このような負極活物質粒子を含む負極活物質をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いた際に、電池特性を向上させることができる。
(iii)形成する導電性被膜の平均厚さは1nm以上、5000nm以下であることが好ましい。導電性被膜の平均厚さが1nm以上であれば、充分に導電性向上が得られ、導電性被膜の平均厚さが5000nm以下であれば、このようなケイ素系負極活物質材料を含む負極活物質をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いた際に、電池容量の低下を抑制することができる。
(iv)ケイ素系負極活物質材料における導電性被膜の平均被覆率は30%以上であることが好ましい。上記の平均被覆率とすることで、このような負極活物質粒子を含む負極活物質をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いた際に、より良好な負荷特性が得られる。
(v)導電性被膜の量が、SiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子と導電性被膜の合計に対し1質量%以上30質量%以下の範囲で任意に設定でき、且つ、そのばらつきは、導電性被膜の量に対して±20質量%以下にすることが望ましい。導電性被膜の量を上記範囲とし、そのばらつきを±20質量%以下とすることで充放電特性のばらつきを実用上問題ないレベルに制御可能となる。
(vi)SiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子のメディアン径が、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。このような非水電解質二次電池用負極材であれば、サイクル安定性を向上することができる。
上記の本発明のCVD装置は、ケイ素系負極活物質材料が、特に、上記の(i)〜(v)の物性を満足する様に調整して製造することができる。もちろん、所望するケイ素系負極活物質材料の物性に応じて、上記以外の物性を有するケイ素系負極活物質材料を製造することも可能である。
導電性被膜を形成するSiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子としては、X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅により計算される結晶子サイズが1nm以下のものを使用しても良く、本発明のCVD装置によるCVD処理条件を適切に制御することで、結晶子サイズを1nm以上7.5nm以下の任意の値に調整することができる。
このケイ素系原料の粉末を本発明のCVD装置に適切な導入速度で投入する。導入速度は、ロータリーキルン、特に炉心管2のサイズによって異なるが、例えば、炉心管2の内径0.2m、全炉長3m程度であれば、0.5kg/分以上2kg/分以下程度の導入速度が適当である。
上記のようにして原料粒子を導入する一方で、原料ガス導入管6を通して、炉心管2内にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入する。カーボン源ガスとしては、熱により分解して炭素を生成し得るものであれば、基本的に何を使用しても良いが、特に、炭化水素系材料が一般的に安価に入手できるため便利である。その具体例としては、メタン、エタン、プロパン、プロピレン、ヘキサン蒸気、トルエンなどの芳香族蒸気、アルコール類の蒸気などが挙げられるが、この限りではない。また、原料ガスとして、カーボン源ガスとその他のガスを混合使用しても良く、この場合、カーボン源となり得ないガスとの混合や導電性被膜を改質する目的で任意のガスを混合使用することも可能である。
SiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子の表面に形成される導電性被膜の量は、主に、処理温度とカーボン源ガス濃度および加熱時間(炉心管内での滞留時間)で決まるが、カーボン源ガス濃度を変更することで調整することが便利である。その理由は、ケイ素系負極活物質材料のSi(111)結晶面結晶子サイズを調整するために、炉心管2内部の温度と加熱時間を調整する必要があるためである。
例えば、この場合、先ず、炉心管温度と加熱時間を所望の結晶子サイズになるように設定する。例えば、本発明のCVD装置であれば、Si(111)結晶面結晶子サイズを4nmに設定するためには、炉心管温度900℃以上1100℃以下、滞留時間2時間以上4時間以下の条件が適当であるが、これに限定されることは無い。
上記温度条件の場合、カーボン源ガスとしては、メタン、エタン、プロパンが好適であり、また、これらは入手が容易である。従って、これらを単独又は混合して原料ガス導入管6を通して炉心管2内に導入することができる。
このとき、前述のように、本発明のCVD装置1は、原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス、又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを、CVD装置内1に導入するためのキャリアガス導入口7を有する。
キャリアガス導入管8から原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを別途供給する方が、炉心管2内以外でのカーボン源ガスの分解反応を抑えることができ、目的以外の炭素化合物による汚染の無い良質な炭素被覆処理が可能となる。キャリアガスとしては、窒素などの不活性ガスを単独で使用することもできるし、不活性ガスを原料ガスよりもカーボン源ガスの濃度が低くなるようにカーボン源ガスと混合したものを使用することもできる。
例えば、上記の温度と滞留時間の条件であるとき、メタンガスを10%以上50%以下の濃度範囲で調整して導入することで、SiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子と導電性被膜の合計に対し、5重量%程度の炭素被覆量を有するケイ素系負極活物質材料を製造することが可能となる。尚、キャリアガスに使用する不活性ガスは、アルゴン、窒素などが安価で使用しやすいが、必要に応じて、ヘリウム、ネオン、クリプトンなどの希ガスを使用しても良い。更に、導電性炭素被膜の改質や炉心管2の内壁の処理などを目的とした活性ガスをキャリアガスに混合しても良い。
また、キャリアガス導入口を設置する際、キャリアガス導入口からの噴射線速が未制御で、F1/F0≧30であると、炉心管内に局所的な温度ムラが生じたり、炉心管内のカーボン源ガスが逆流したりする。この状況になるとCVD装置としての再現性が乏しくなり、カーボン膜質およびSi(111)結晶面結晶子サイズが不規則に変動するといった問題が生じる。更に、逆流した炉心管内のカーボン源ガスが均熱帯領域外でタール状に付着することにより、本来のカーボン膜とは異なる品質の膜が形成されるといった問題も生じる。
従って、本発明のように、F1/F0<30を満足した条件でキャリアガスを導入することが重要となる。また、F1/F0の値の範囲は、F1/F0<20であることが好ましく、F1/F0<10であることが更に好ましい。
以上、本発明のCVD装置によってカーボン被覆処理を施したケイ素系負極活物質材料は、不均化度とカーボン被覆量の調整がなされた、電池特性のばらつきの少ない、良質なリチウムイオン電池用負極活物質となる。
[リチウムイオン二次電池用負極]
上記で得られたケイ素系負極活物質材料を用いた負極は、例えば、以下の様に調整可能である。
まず、本発明において、非水電解質二次電池用負極は、上記の本発明のケイ素系負極活物質材料と、結着剤と、導電助剤とを含むものとすることができる。
結着剤として、例えば、高分子材料、合成ゴムなどのいずれか1種類以上を用いることができる。高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、及びカルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。合成ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴム、及びエチレンプロピレンジエンなどが挙げられる。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ケチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素材料のいずれか1種以上を用いることができる。
また、上記のようなケイ素系負極活物質材料と、結着剤と、導電助剤等とから負極活物質層を作製できる。この負極活物質層は、炭素材料と混合状態で作製してもよい。炭素材料を混合することにより、負極活物質層の電気抵抗を低下するとともに、充電に伴う膨張応力を緩和することが可能となる。この炭素材料は、例えば、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、及びカーボンブラック類などを使用できる。
負極活物質層は、例えば、塗布法で形成される。塗布法とは、ケイ素系負極活物質材料と上記の結着剤など、また、必要に応じて導電助剤、炭素材料を混合した後に、有機溶剤や水などに分散させ塗布する方法である。
<リチウムイオン二次電池>
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
[ラミネートフィルム型二次電池の構成]
図10に示すラミネートフィルム型二次電池100は、主にシート状の外装部材105の内部に倦回電極体101が収納されたものである。この倦回体は正極、負極間にセパレータを有し、倦回されたものである。また正極、負極間にセパレータを有し積層体を収納した場合も存在する。どちらの電極体においても、正極に正極リード102が取り付けられ、負極に負極リード103が取り付けられている。電極体の最外周部は保護テープにより保護されている。
正負極リードは、例えば、外装部材105の内部から外部に向かって一方向で導出されている。正極リード102は、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成され、負極リード103は、例えば、ニッケル、銅などの導電性材料により形成される。
外装部材105は、例えば、融着層、金属層、表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムであり、このラミネートフィルムは融着層が電極体101と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外周縁部同士が融着、又は、接着剤などで張り合わされている。融着部は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムであり、金属部はアルミ箔などである。保護層は例えば、ナイロンなどである。
外装部材105と正負極リードとの間には、外気侵入防止のため密着フィルム104が挿入されている。この材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン樹脂である。
[正極]
正極は、正極集電体の両面または片面に正極活物質層を有している。正極集電体は、例えば、アルミニウムなどの導電性材により形成されている。正極活物質層は、リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極材のいずれか1種または2種以上を含んでおり、設計に応じて結着剤、導電助剤、分散剤などの他の材料を含んでいてもよい。この場合、結着剤、導電助剤に関する詳細は、例えば、既に記述した負極における結着剤、導電助剤と同様とすることができる。
正極材料としては、リチウム含有化合物が望ましい。このリチウム含有化合物は、例えば、リチウムと遷移金属元素からなる複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素を有するリン酸化合物があげられる。これらの正極材の中でも、ニッケル、鉄、マンガン、コバルトの少なくとも1種以上を有する化合物が好ましい。これらの正極材の化学式は、例えば、LiM1O、又は、LiM2POで表される。上記の化学式中、M1、M2は少なくとも1種以上の遷移金属元素を示しており、x、yの値は電池充放電状態によって異なる値を示すが、一般的に、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10で示される。
リチウムと遷移金属元素とを有する複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)などが挙げられ、リチウムと遷移金属元素とを有するリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)、リチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−uMnPO(0<u<1))などが挙げられる。上記の正極材を用いれば、高い電池容量が得られるともに、優れたサイクル特性を得られる。
[負極]
図11を参照して負極の構成を説明する。負極110は、例えば、図11のように、集電体111の両面に負極活物質層112を有している。この負極は、正極活物質剤から得られる電気容量(電池としての充電容量)に対して、負極充電容量が大きくなることが好ましい。これにより、負極上でのリチウム金属の析出を抑制することができる。
また上記した正極活物質層は、正極集電体の両面の一部に設けられており、負極活物質層も負極集電体の両面の一部に設けられている。この場合、例えば、負極集電体上に設けられた負極活物質層は対向する正極活物質層が存在しない領域が設けられている。これは、安定した電池設計を行うためである。
上記の負極活物質層と正極活物質層とが対向しない領域では、充放電の影響をほとんど受けることが無い。そのため、負極活物質層の状態が形成直後のまま維持され、これによって負極活物質の組成など、充放電の有無に依存せずに再現性良く組成などを正確に調べることができる。
[セパレータ]
セパレータは正極、負極を隔離し、両極接触に伴う電流短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータは、例えば、合成樹脂、あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種以上の多孔質膜が積層された積層構造を有しても良い。合成樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
[電解液]
活物質層の少なくとも一部、又は、セパレータには、液状の電解質(電解液)が含浸されている。この電解液は、溶媒中に電解質塩が溶解されており、添加剤など他の材料を含んでいても良い。
溶媒は、例えば、非水溶媒を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、1、2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。この中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種以上を用いることが望ましい。より良い特性が得られるからである。またこの場合、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒とを組み合わせて用いることで、電解質塩の解離性やイオン移動度を向上させることができる。
合金系負極を用いる場合、特に溶媒として、ハロゲン化鎖状炭酸エステル、又は、ハロゲン化環状炭酸エステルのうち少なくとも1種を含んでいることが望ましい。これにより、充放電時、特に充電時において、負極活物質表面に安定な被膜が形成される。ここで、ハロゲン化鎖状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として有する(少なくとも1つの水素がハロゲンにより置換された)鎖状炭酸エステルである。また、ハロゲン化環状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として有する(すなわち、少なくとも1つの水素がハロゲンにより置換された)環状炭酸エステルである。
ハロゲンの種類は特に限定されないが、フッ素が好ましい。これは、他のハロゲンよりも良質な被膜を形成するからである。また、ハロゲン数は多いほど望ましい。これは、得られる被膜がより安定的であり、電解液の分解反応が低減されるからである。
ハロゲン化鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ジフルオロメチルメチルなどが挙げられる。ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
溶媒添加物として、不飽和炭素結合環状炭酸エステルを含んでいることが好ましい。これは、充放電時に負極表面に安定な被膜が形成され、電解液の分解反応が抑制できるからである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルとしては、例えば炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンなどが挙げられる。
また、溶媒添加物として、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいることも好ましい。これは、電池の化学的安定性が向上するからである。スルトンとしては、例えば、プロパンスルトン、プロペンスルトンが挙げられる。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいることが好ましい。これは、電解液の化学的安定性が向上するからである。酸無水物としては、例えば、プロパンジスルホン酸無水物が挙げられる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種類以上含むことができる。リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)などが挙げられる。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.5mol/kg以上2.5mol/kg以下であることが好ましい。これは、高いイオン伝導性が得られるからである。
[ラミネートフィルム型二次電池の製造方法]
最初に上記した正極材を用い正極電極を作製する。先ず、正極活物質と、必要に応じて結着剤、導電助剤などを混合し正極合剤とした後に、有機溶剤に分散させ正極合剤スラリーとする。続いて、ナイフロールまたはダイヘッドを有するダイコーターなどのコーティング装置で正極集電体に合剤スラリーを塗布し、熱風乾燥させて正極活物質層を得る。最後に、ロールプレス機などで正極活物質層を圧縮成型する。この時、加熱または複数回繰り返しても良い。ここで、正極集電体の両面に正極活物質層を形成する。
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極と同様の作業手順を用い、負極集電体に負極活物質層を形成し負極を作製する。
なお、上記のように正極及び負極を作製する際に、正極及び負極集電体の両面にそれぞれの活物質層を形成する。この時、どちらの電極においても両面部の活物質塗布長がずれていても良い(図11を参照)。
続いて、電解液を調整する。続いて、超音波溶接などにより、図10のように、正極集電体に正極リード102を取り付けると共に、負極集電体に負極リード103を取り付ける。続いて、正極と負極とをセパレータを介して積層、または倦回させて倦回電極体101を作製し、その最外周部に保護テープを接着させる。次に、扁平な形状となるように巻回体を成型する。
続いて、折りたたんだフィルム状の外装部材の間に倦回電極体を挟み込んだ後、熱融着法により外装部材105の絶縁部同士を接着させ、一方向のみ解放状態にて、倦回電極体を封入する。正極リード、および負極リードと外装部材の間に密着フィルムを挿入する。解放部から上記調整した電解液を所定量投入し、真空含浸を行う。含浸後、解放部を真空熱融着法により接着させる。以上のようにして、ラミネートフィルム型二次電池100を製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜実施例4)
図1に示すような本発明のCVD装置を使用して、SiO(0.5≦x≦1.6)からなる粒子の表面に、カーボンを主体とした導電性被膜を形成した。このとき、炉心管の内径20cm、炉心管長300cm、炉心管内の均熱帯領域が200cmのロータリーキルンを用いた。ここで、均熱帯領域は、炉心管内温度が±10℃以下となる領域とした。
このロータリーキルンに図4に示すようなキャリアガス導入口7を種々の噴射角Rで取り付け、F1/F0を調整した。この時に使用したキャリアガス導入口7は、内径3cm(実施例1〜実施例3)または5cm(実施例4)とした。また、キャリアガス導入口7はステンレス管を用いて作成した。尚、キャリアガスとしてアルゴンガスを使用した。また、原料ガス導入口の位置は、炉心管2端面から炉心管2の内側へ50cmの位置とした。なお、原料ガス導入管としては、内径約3cmのステンレス管を用いた。
ロータリーキルン内に導入するガスは、カーボン源ガスとしてメタンガスを原料ガス導入管から導入し、キャリアガスをキャリアガス導入口から導入する方式を採用し、原料ガスとキャリアガスの合計の流量を30L/分として、両者のガス配分を調整することでカーボン源ガス濃度を設定した。この際、原料ガス導入量は175(cm/秒)、キャリアガス導入量は325(cm/秒)とした。
なお、実施例4に使用したキャリアガス導入口は、内径を5cmと実施例1〜実施例3よりも大きくすることでF1/F0<30を満たすように設計したものであり、Rが0°、つまり炉心管2の長手方向に向けてキャリアガスを導入する構造とした。
実施例1〜3において、キャリアガス導入口から導入されたキャリアガスの線速Fは、46.0(cm/秒)であった。実施例4において、キャリアガス導入口から導入されたキャリアガスの線速Fは、16.6(cm/秒)であった。
実施例1〜4において、噴射角Rはそれぞれ90°、70°、50°、0°と設定したので、キャリアガス導入口から導入されたキャリアガスの炉心管の長手方向成分の線速F1は、それぞれ、0.0(cm/秒)、15.8(cm/秒)、29.6(cm/秒)、16.6(cm/秒)であった。
実施例1〜4において、炉心管内でのキャリアガスの炉心管の長手方向の平均線速F0は、1.03(cm/秒)であった。なお、平均線速F0はキャリアガス導入量を炉心管の断面積で割ることで算出した。
従って、実施例1〜4において、F1/F0の値は、それぞれ、0.0、15.8、29.6、16.6であり、全ての場合で30より小さい値であった。
原料粒子としては、SiO(0.5≦x≦1.6)からなるケイ素化合物を含有するケイ素系粉末を使用し、このSiOはxがほぼ1のSiOを使用した。また、原料粒子のメディアン径は、約5μmであった。また、SiOは、不均化が進んでいないアモルファス状のものを選定し使用した。
炉芯管2への原料粒子の投入量は、1kg/時に設定した。なお、炉心管2の回転数は、1rpm、炉心管2の勾配は1度とした。
また、一般にSiOは、不均化度の程度によって充放電特性が変化する。したがって、SiOの不均化度を厳密に制御する必要がある。そのために、まず、狙った不均化度になる様に炉内温度を設定した。その後、規定の炭素被覆量となるように表層部に炭素材(カーボン)をCVDにより形成するが、その炭素量は、ガス品種および濃度を調整することで調整した。
なお、事前に、上記の原料粒子の投入量とガス導入量にて、不均化度をX線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅より算出される結晶子サイズを3.3nm、且つ、導電性被膜(炭素膜)の量を、SiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子と導電性被膜の合計に対し5質量%とするための炉内温度とメタンガス濃度等の条件を調べたところ、該条件は炉内温度1000℃、メタンガス濃度35体積%であった。
以上の実施例1〜実施例4、及び後述する比較例1、2におけるCVDの実施条件を表1に示す。
Figure 2016138315
上記の構成のロータリーキルンタイプのCVD装置により、表1の条件にてSiO粉末にCVDを行うことで、導電性被膜として炭素層を被覆しケイ素系負極活物質材料を作製した。
続いて作製したケイ素系負極活物質材料を使用して、図10に示したようなラミネートフィルム型リチウム二次電池100を作製した。
最初に正極を作製した。正極活物質はリチウムコバルト複合酸化物であるLiCoOを95質量%と、正極導電助剤(アセチレンブラック)2.5質量%と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)2.5質量%とを混合し、正極合剤とした。続いて正極合剤を有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン:NMP)に分散させてペースト状のスラリーとした。続いてダイヘッドを有するコーティング装置で正極集電体の両面にスラリーを塗布し、熱風式乾燥装置で乾燥した。この時正極集電体は厚み15μmのものを用いた。最後にロールプレスで圧縮成型を行った。
次に負極を作成した。上記で得られたケイ素系負極活物質材料と負極結着剤の前駆体(ポリアミック酸)、導電助剤1(アセチレンブラック)と導電助剤2(カーボンナノチューブ)とを80:8:10:2の乾燥重量比で混合した後、NMPで希釈してペースト状の負極合剤スラリーとした。この場合には、ポリアミック酸の溶媒としてNMPを用いた。続いて、コーティング装置で負極集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させた。この負極集電体としては、電解銅箔(厚さ=15μm)を用いた。最後に、真空雰囲気中で400℃×1時間焼成した。これにより、負極結着剤(ポリイミド)が形成された。
次に、溶媒(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、エチレンカーボネート(EC)およびジメチルカーボネート(DMC))を混合した後、電解質塩(六フッ化リン酸リチウム:LiPF)を溶解させて電解液を調製した。この場合には、溶媒の組成を堆積比でFEC:EC:DMC=10:20:70とし、電解質塩の含有量を溶媒に対して1.2mol/kgとした。
次に、以下のようにして二次電池を組み立てた。最初に、正極集電体の一端にアルミリードを超音波溶接し、負極集電体の一端にはニッケルリードを溶接した。続いて、正極、セパレータ、負極、セパレータをこの順に積層し、長手方向に倦回させ倦回電極体を得た。その捲き終わり部分をPET保護テープで固定した。セパレータは多孔性ポリプロピレンを主成分とするフィルムにより多孔性ポリエチレンを主成分とするフィルムに挟まれた積層フィルム(厚さ12μm)を用いた。続いて、外装部材間に電極体を挟んだ後、一辺を除く外周縁部同士を熱融着し、内部に電極体を収納した。外装部材はナイロンフィルム、アルミ箔及び、ポリプロピレンフィルムが積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。続いて、開口部から調整した電解液を注入し、真空雰囲気下で含浸した後、熱融着し、封止した。
実施例1〜実施例4について、二次電池のサイクル特性および初回効率を調べた。尚、初回効率については、ケイ素系負極活物質材料から5個の電池を作成し、初回効率のばらつきについても評価を行った。
サイクル特性については、以下のようにして調べた。最初に、電池安定化のため25℃の雰囲気下、2サイクル充放電を行い、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、総サイクル数が50サイクルとなるまで充放電を行い、その都度放電容量を測定した。最後に、50サイクル目の放電容量を2サイクル目の放電容量で割り、容量維持率を算出した。なお、サイクル条件として、4.2Vに達するまで定電流密度、2.5mA/cmで充電し、電圧に達した段階で4.2V定電圧で電流密度が0.25mA/cmに達するまで充電した。また、放電時は2.5mA/cmの定電流密度で電圧が2.5Vに達するまで放電した。
初回効率については、以下の式より算出した。
初回効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100
なお、雰囲気及び温度はサイクル特性を調べた場合と同様にし、充放電条件はサイクル特性の0.2倍で行った。すなわち、サイクル条件として、4.2Vに達するまで定電流密度、0.5mA/cmで充電し、電圧に達した段階で4.2V定電圧で電流密度が0.05mA/cmに達するまで充電した。また、放電時は0.5mA/cmの定電流密度で電圧が2.5Vに達するまで放電した。
(比較例1、比較例2)
基本的に実施例1〜実施例4と同様にして原料粒子を導電性被膜で被覆して作製したが、表1に示すような条件の下、F1/F0を比較例1では46.0、比較例2では103.5に設定した。すなわち、比較例1、2ではF1/F0≧30の条件でCVDを実施した。また、実施例1〜4と同様にして、比較例1、2で作製したケイ素系負極活物質材料から二次電池をそれぞれ作製した。また、比較例1、2についても、実施例1〜実施例4と同様にして、サイクル特性および初回効率を調べた。上述の実施例1〜実施例4、及び比較例1、2の測定結果を表2に示す。
Figure 2016138315
表2から分かるように、実施例1〜実施例4は、導電性被膜の量が、原料粒子と導電性被膜の合計に対し5.0質量%となり、狙い通りの量の導電性被膜を形成できた。また、X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅より算出される結晶子サイズが全ての実施例で3.3nmとなり、狙い通りの結晶子サイズを得られた。さらに、初回効率は76%となり、比較例1、2よりも良好な値であり、また、そのばらつきが±0.3ポイント以下と小さく、50サイクルの充放電を繰り返したのちの容量維持率(50サイクル維持率)が90%以上と良好であることがわかる。
一方、表2から分かるように、比較例1〜比較例2では、狙い通りの結晶子サイズ及び導電性被膜の量を得られていない。さらに、初回効率のばらつきが±1.2ポイント以上と大きい上に、50サイクル維持率が87%以下と小さく、十分な電池性能が得られないことがわかった。
以上のことから、本発明のCVD装置であれば、炉心管内での乱気流の発生を抑制することができ、炉心管内の温度ムラ及びカーボン源ガスの逆流を抑制することができ、膜質のばらつきが小さくかつ良質な導電性被膜の形成が可能であることがわかる。
また、本発明のCVD装置を用いて得られたケイ素系負極活物質材料を用いた負極電極を使用したリチウムイオン二次電池は、初回効率のばらつきが小さく、サイクル特性の優れたものであることが確認された。このことから、本発明のCVD装置は、ケイ素系負極活物質材料を製造する上で優れた性能を有することが確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…CVD装置、 2…炉心管、 2a…キャリアガスが導入される側の断面、
3…粉末導入室、 4…粉末排出室、 5…加熱手段、
6…原料ガス導入管、 7…キャリアガス導入口、8…原料ガス導入口、
9…板(キャリアガス噴射方向制御手段)、
10…環状部材(キャリアガス噴射方向制御手段)、
11…整流板(キャリアガス整流手段)、
11a…断面に対向する面、
100…リチウム二次電池(ラミネートフィルム型)、 101…電極体、
102…正極リード(正極アルミリード)、
103…負極リード(負極ニッケルリード)、 104…密着フィルム、
105…外装部材、
110…負極、 111…負極集電体、 112…負極活物質層。

Claims (7)

  1. 内部に原料粒子が導入される炉心管と、該炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入する原料ガス導入管とを具備し、該原料ガス導入管から前記炉心管の内部にカーボン源ガスを含む原料ガスを導入しつつ、前記炉心管が回転することにより、前記炉心管の内部に導入された前記原料粒子を混合・攪拌しながら、前記原料粒子の表面にカーボンを主体とした導電性被膜を被覆するロータリーキルンタイプのCVD装置であって、
    前記CVD装置は、さらに、前記原料ガスよりも低濃度でカーボン源ガスを含むキャリアガス、又はカーボン源ガスを含まないキャリアガスを、前記CVD装置内に導入するためのキャリアガス導入口を具備し、
    前記キャリアガス導入口から導入された前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向成分の線速をF1、前記炉心管内での前記キャリアガスの前記炉心管の長手方向の平均線速をF0とした場合、F1/F0<30を満たすものであることを特徴とするCVD装置。
  2. 前記キャリアガス導入口は、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きが、前記炉心管の長手方向と異なる向きとなるものであることを特徴とする請求項1に記載のCVD装置。
  3. 前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの向きをロータリーキルンの長手方向と異なる向きに変えるためのキャリアガス噴射方向制御手段を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCVD装置。
  4. 前記キャリアガス導入口に、前記キャリアガス導入口から噴射されたキャリアガスの線速を制御するためのキャリアガス整流手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のCVD装置。
  5. 前記原料粒子としてSiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子を用いて、該原料粒子の表面に、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のCVD装置により、カーボンを主体とした導電性被膜を形成したケイ素系負極活物質材料であって、
    X線回折により得られるSi(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅より算出される結晶子サイズが1nm以上7.5nm以下であり、前記粒子表面に形成された導電性被膜の量が、前記SiO(0.5≦x≦1.6)からなる化合物の粒子と前記導電性被膜の合計に対し1質量%以上30質量%以下であることを特徴とするケイ素系負極活物質材料。
  6. 請求項5に記載のケイ素系負極活物質材料と、結着剤と、導電助剤とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  7. 請求項6に記載の非水電解質二次電池用負極を備えるものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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