JP6297916B2 - 発泡粒子成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡粒子成形体の製造方法に関し、詳しくは、梱包材、自動車部材、建材等として有用な発泡粒子成形体の改良された製造方法に関する。
従来、発泡粒子成形体(以下、発泡粒子成形体あるいは成形体ともいう)は発泡粒子を成形用金型内に充填し、水蒸気等の加熱媒体により加熱して発泡粒子を発泡融着させることにより製造されている。
しかしながら、この方法によって製造された発泡粒子成形体は表面に発泡粒子形状による模様、いわゆる亀甲模様が現れるので、意匠性の観点から課題を残すものであった。加えて、この方法では、成形体表面が水蒸気等の加熱媒体を供給するための蒸気孔と接しているために、成形体の表面には蒸気孔の跡が残ってしまう場合があった。
このような問題を解消する方法として、これまでに幾つかの提案がなされている。例えば、金型内壁に金網またはパンチングメタルからなる金型表面材を装着しておき、該金網模様を成形体表面に転写する方法(特許文献1、2)がある。
特公昭63−11138号公報 特開平10−305440号公報
しかしながら、特許文献1,2の方法は、成形体の表面性の問題を解消することは可能であるものの、成形時に発泡樹脂が金網の網目やパンチングメタルの孔に食い込み(回りこみ)、金型からの離型が困難となる。また、前記金網等に食い込んだ成形品を無理に剥がそうとすると、成形体の変形や表面ちぎれが生じることがあった。さらに、網目などに残った樹脂成形品により目詰まりが発生し、その部分に対応する発泡粒子成形体の表面性が損なわれたり、融着性が低下したりするなど安定して成形体を生産することができないという難点があった。
本発明は上記従来技術の問題点を克服し、成形体を容易に金型から離型することができると共に、発泡粒子が金型表面材に目詰まりすることなく、表面に美麗な意匠性模様が付された外観が良好な発泡粒子成形体を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記従来の発泡粒子成形体の製造方法の問題点を解消するために鋭意検討した結果、該金型内壁に接する面から発泡粒子に接する面に向かって開口径が狭まることなく拡がってゆく細孔が複数形成された金型表面材を、金型内壁に装着して発泡粒子成形体を成形すると、金型表面材の目詰まり等がなく金型から離型することができ、外観が良好である発泡粒子成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の型内発泡成形体の製造方法を提供するものである。
<1>金型内に発泡粒子を充填し、該金型内に加熱媒体を供給して該発泡粒子を融着させて発泡粒子成形体を製造する方法において、金型の内壁面の少なくとも一面側に、加熱媒体が通過できる細孔又はスリットが形成された金型表面材が装着されており、該細孔又はスリットの断面形状が、金型の内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく形状であり、細孔又はスリット一つ当たりの金型壁面側の開口面積(A1)に対する発泡粒子に接する面側の開口面積(A2)の比率(A2/A1)が、2以上であることを特徴とする発泡粒子成形体の製造方法。
<2>前記金型の内壁と前記金型表面材の間に加熱媒体拡散板が装着されていることを特徴とする<1>に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
<3>前記金型表面材における発泡粒子に接する面の開口率が50%以上であることを特徴とする<1>または<2>に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
<4>隣り合う前記細孔間又はスリット間の距離が1mm以下であることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の発泡粒子成形体の製造方法
本発明の発泡粒子成形体の製造方法は、金型の内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく細孔又はスリットが多数形成された金型表面材を、金型内壁に装着して、発泡粒子成形体を成形することによって、成形体表面に美麗な意匠性を付与することができる。また、金網やパンチングメタルを用いる方法に比し、成形体を構成する発泡粒子の一部が金網の網目やパンチングメタルの細孔の一部に食い込んだり回り込んだりするおそれがないため、成形体の離型不良や目詰まりによる成形不良が改善される。したがって、金型表面材の細孔の形状模様が発泡粒子成形体の表面に転写され、外観が良好である型内発泡粒子成形体を安定して得ることができる。
(A)は本発明の製造方法で用いられる代表的な成形装置の説明図である。 (B)は図1(A)の(B)部の拡大図である。 (A)は本発明の製造方法で用いられる他の成形装置の説明図である。 (B)は図2(A)の(B)部の拡大図である。 本発明の製造方法で用いられる代表的な金型表面材の表面写真である。 図4は、図1(B)部の細孔8の拡大図であり、本発明の製造方法で用いられる金型表面材の細孔の角度θの説明図である。 本発明の製造方法で用いられる金型表面材の細孔模様の説明図である。
本発明は、金型内に発泡粒子を充填し、上記蒸気孔から加熱媒体を供給して該発泡粒子を発泡、融着させて発泡粒子成形体を製造する方法において、金型の内壁面の少なくとも一面側に、加熱媒体が通過できる、細孔又はスリット(以下、単に細孔ともいう)が多数形成された金型表面材が装着されており、該細孔の断面形状が、金型の内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく形状であることを特徴としている。
以下、本発明の発泡粒子成形体の製造方法を図面に基づき説明する。
図1(A)は、本発明の製造方法で用いる代表的な発泡粒子成形体の成形装置である。図1(B)は、図1(A)の(B)部を拡大した図である。
図1(A)において、1,2は金型で、金型1,2はそれぞれフレーム3,4に固定されている。フレーム3はシリンダー等のピストン軸に連結されて摺動可能に構成され、フレーム3を摺動させることによって型開き、型締めが行われる。多数の蒸気孔6が形成された金型の内壁面5側に、金型表面材7が装着されており、内壁面5と金型表面材7の間に加熱媒体拡散板16が設けられている。
この金型表面材7には、図1(B)に示されるように、多数の細孔8が形成されており、細孔8の断面形状が、金型内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく形状となっている。
発泡粒子は発泡粒子供給機10の供給口11から金型内の成形空間9内に充填される。充填された発泡粒子は蒸気孔6から供給される蒸気等の加熱媒体によって加熱されることにより、融着されて型内発泡成形体が形成される。冷却後、金型1、2より取り出すことにより、その表面に金型表面材の細孔模様が美麗に転写された型通りの型内発泡成形体が得られる。なお、図中、12,13は蒸気等の加熱媒体及び冷却水の導入口、14,15は蒸気等の加熱媒体及び冷却水の排出口である。
本発明で用いる金型表面材7には、金型内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく断面形状を有する細孔8が多数形成されている。
このような細孔8を形成することにより、離型不良や細孔の目詰まりが防止される。また、表面に発泡粒子の亀甲模様や蒸気孔跡が目立たず、金型表面材の細孔8による美麗な形状模様が形成され、外観が良好な型内発泡成形体を得ることができる。
図2(A)は、本発明の製造方法で用いる他の型内発泡粒子成形体の成形装置である。図2(B)は、図2(A)の(B)部を拡大した図である。
図3は、開口面積の変化が厚み方向でなめらかに変化する細孔が多数形成された金型表面材7の一例である(正面図)。
図4に示されるように、金型表面材7の細孔8の傾斜は、金型内壁に接する面から発泡粒子に接する面に向かって少なくとも開口面積が狭まることなく広がっていくように漸次傾斜して形成されている。そうすることによって、成形時に発泡粒子がその二次発泡圧により金型表面材7の金型面側に回り込んだり、付着したりすることがなく、離型工程においては、成形体がスムースに金型表面材から離型される。また、金型の目詰まりが抑制されることにより、金型表面材の細孔8の形状模様が成形体の表面に美麗に転写される。
上記観点から金型表面材7には、図4に示すように、金型表面材7の厚み方向断面において、細孔により形成される金型側面と発泡粒子側面とを繋ぐ接線と金型表面材の鉛直方向とが角度θの傾斜を有する細孔8が付されていることが好ましい。前記傾斜の角度θは、発泡粒子の目詰り防止と成形体の離型性の観点からは、50〜85度が好ましい。細孔8が傾斜していることによって、成形体の離型性に優れた金型表面材とすることができる。
細孔8の断面形状は、成形される型内発泡成形体の基材樹脂の種類や成形条件更には所望とする意匠模様等を勘案することにより、金型内壁側の面から発泡粒子に接する側の面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく形状の中から選ばれる。
この中でも、開口面積の変化が金型表面材の厚み方向で連続的に変化する形状のものが好ましい。
具体的には、金型表面材7に形成される細孔8の発泡粒子と接する面側の開口形状は、所望の意匠模様が発現するように、たとえば、図5に示されるように、円形、三角形、四角形、六角形、スリット状などの形状やこれらを組み合わせたものから適宜選択すればよく、成形時において金型内部に加熱媒体を均一に供給することができればよい。
また、金型表面材7に形成される細孔又はスリットの開口率は、高い方がより加熱媒体を均一に供給できることから好ましい。具体的には、発泡粒子に接する面側の開口率は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。上限については、金型表面材7が破損する、欠ける等のおそれがなければよく、特に制限は無いが、概ね85%程度である。
一方、金型内壁面側の開口率は、発泡粒子面側の開口率よりも小さければよく、具体的には概ね10〜30%程度であることが好ましい。
金型壁面側の細孔又はスリットの開口面積(A1)に対する発泡粒子に接する面側の細孔の開口面積(A2)の値(A2/A1)が、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。一方、上限は8以下が好ましく、4.5以下がより好ましい。
金型表面材の開口率は、下記の方法により求めることができる。表面材の片面あたりの全ての細孔について開口面積を測定し、その総和から開口面積の合計を求める。該全細孔の開口面積の合計を金型表面材全体の面積で割り、その値を百分率で表したものが開口率となる。
発泡粒子成形体の表面の亀甲模様をより効果的に解消するという観点から、発泡粒子の平均粒子径に対する金型表面材の発泡粒子に接する面における細孔8の開口径の比は、0.25を超えることが好ましく、0.30以上であることがより好ましい。一方、上限は亀甲模様が目立たたなければ良いが、1.5以下が好ましく、1以下がより好ましく、0.8以下が特に好ましい。なお、開口径とは、細孔の形状が円形の場合にはその直径を、正多角形であって、三角形の場合には一の頂点から対向する辺までの距離のうち最も短い距離を、四角形や六角形などの場合には対向する辺間の距離のうち最も短い距離を、また、開口の短手方向長さに対する長手方向長さの比(L/D)が1を大きく超える場合には、例えばスリット状の場合には、その短手方向長さを意味する。
また、発泡粒子の平均粒子径に対する金型壁面側の細孔8の開口径の比は、発泡粒子の目詰まりをより効果的に防止する観点から0.40以下が好ましく、0.35以下がより好ましく、0.30以下がさらに好ましい。
なお、全ての細孔8の開口径が上記範囲であることが好ましい。
発泡粒子と接する面において、隣り合う細孔間又はスリット間の距離は、1mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.3mm以下がさらに好ましく、0.2mm以下が特に好ましい。一方細孔間距離の下限は、概ね0.02mm程度である。隣り合う細孔間の距離とは、一の細孔の端部から隣の細孔の端部までの最短距離を意味する。
また、細孔の配列パターンは、任意に決めることができる。例として、千鳥状、格子状、環状、波状などの配列パターンがあげられる。これらの中でも、金型表面材に蒸気を均一に通気する観点から、格子状、千鳥状が好ましく、千鳥状が特に好ましい。また、同様の観点から、該細孔は金型表面材の全体に均一なピッチで形成されることが好ましい。
なお、千鳥状とは、直近の細孔が縦に一列に並んだものではなく、その上又は下段に並んだ隣り合う細孔の間に、その段の細孔が位置するように配置されている状態を言う。また、格子状とは、左右、上下に所定の間隔をおいて細孔が配置されている状態を言う。
また、前記金型表面材として、細孔の開口形状や配置が異なる2種以上の金型表面材を積層又は組み合わせて用いることも可能である。上記のような細孔の開口形状、配列パターンやピッチを任意に積層又は組み合わせることにより、成形体表面に転写される表面模様はバラエティ−に富んだものとなり、デザイン性も向上する。
また、本発明の金型表面材7によって発泡粒子成形体に形成される表面は、発泡粒子成形体の表面全体でも、発泡粒子成形体の一面でも、発泡粒子成形体の一部でも良い。すなわち、金型表面材7は、金型内壁面の全面を覆うように装着されていても、金型内壁面の一面を覆うように装着されていても、金型内壁面の一部を覆うように装着されていてもよい。
金型表面材7の細孔8の形成方法は、特に制約されず、フォトエッチング加工、NC加工、放電加工、レーザー加工等の公知の加工手段を用いればよい。この中でも、加工がし易く、傾斜を付与しやすく、しかも加工工程数も少なく形成できることからフォトエッチング加工が好ましい。前記方法により金型表面材を加工した場合、金網やパンチングメタル等に比べて複雑な加工や意匠性の高い加工を施すことが容易となるため、得られる発泡粒子の表面形状をデザイン性に優れるものとすることができる。また、金型表面材としては、ステンレス、銅等の金属素材が用いられる。
金型表面材7の厚さは特に制約されず、意匠模様の高さ(深さ)や使用上の耐久性を考え、任意に設定すればよい。耐久性の観点から、金型表面材7の厚みは、0.2mm以上であることが好ましい。一方、その上限は概ね5mm程度である。
また、型内成形において、通常は金型の蒸気孔6にコアベントが嵌め込まれた状態で使用するが、例えば、金型表面材7の厚みが3mm以上である場合、該コアベント無しで型内成形を行うこともできる。
金型表面材の装着方法も特に制約されず、金型の内壁面に溶接や、ボルトなどの取付金具、接着剤等により接合すればよい。
本発明方法で用いる成形装置は、図2に示されるような金型表面材7を金型面に装着したものを用いることができる。また、図1に示されるような蒸気孔6からの加熱媒体が発泡粒子にさらに均一に流れるように加熱媒体拡散板16を前記金型内壁と前記金属表面材7との間に配置したものを用いることができる。
加熱媒体拡散板16としては、蒸気孔6からの加熱媒体が成形金型内に均一に供給されるように連続した隙間が形成される構造のものであれば、特に制約されず、たとえば、金網、多孔質金属、メッシュ状の溝などによって構成すればよい。
加熱媒体拡散板16は、前記のように、前記金型内壁と前記金型表面材7の間に装着される。なお、前記金型表面材7の裏面(金型内壁側の面)や金型内壁に溝などの加工を施しておいてもよい。
成形空間内9に充填した発泡粒子を加熱するための加熱媒体としては、通常、蒸気が用いられる。加熱に用いる蒸気の圧力は発泡粒子の基材樹脂の種類や金属表面材の蒸気通過性によっても異なるが、概ね0.05〜0.50MPa(G)程度とされる。
本発明で用いられる発泡粒子の平均粒子径は4.0mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。一方、該平均粒子径の下限は、目詰まり抑制、型内成形時の取扱い性の観点から概ね0.3mm程度である。
なお、発泡粒子の平均粒子径は、相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日間放置した発泡粒子群の中から無作為に抽出した100個の発泡粒子各々の最大外形寸法をノギスにて測定し、測定された値の算術平均値を発泡粒子の平均粒子径とする。
本発明で用いられる発泡粒子の見掛け密度は、発泡剤量等により適宜調整されるが、概ね10〜150kg/m3であることが好ましい。
なお、発泡粒子の見掛け密度は、23℃の水の入ったメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日間放置した100個以上の発泡粒子群を、金網などを使用して沈めて水位上昇分より読み取られる発泡粒子群の容積V1(cm3)にてメスシリンダーに入れた発泡粒子群の重量W1(g)を割り算して、単位換算することにより求められる。
本発明において型内発泡成形体を製造する方法を、図1に示される成形装置を例にとり説明すると、まず、金型1、2の内壁面の一方の面に金型表面材7が装着された状態で、発泡粒子を成形空間9に充填する。充填が終わると、蒸気孔6から成形空間9内に水蒸気などの加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱する。発泡粒子は、加熱により2次発泡して融着し、成形体を形成する。
次いで、冷却した後、両金型1、2を型開きし、成形体を離型する。離型に際しては、金型内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が大きくなるように細孔8が複数形成された金型表面材7が装着されているので、金型表面材7の細孔が成形体の離型を困難にすることはない。そのため、成形体は、容易に金型から離型でき、金型表面材7を転写した模様が表面に形成され、美麗な表面模様となる。
このように、本発明方法により得られる発泡粒子成形体は、金型表面材の細孔の形状模様が転写され、表面に発泡粒子による亀甲模様が目立たず、金型に設けられた蒸気孔跡がなく、外観が良好であり、金型からの離型性に優れ、商品価値が著しく向上したものであるから、建材、自動車部材、船舶部材等として利用価値の高いものである。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
実施例1(加熱媒体拡散板+金型表面材)
金型の内壁面に、加熱媒体拡散板として金網(40メッシュ線径0.23mm、目開き0.405mm)を設置し、さらに該金網の表面に図1(B)に示されるような、フォトエッチング加工により作製した、金型内壁側の面から発泡粒子面に向かって徐々に開口面積が広がっていく細孔8が多数形成された厚さ0.8mmの金型表面材7を装着した。なお、金型の内壁面には幅0.5mmのスリットが8本形成された直径15mmのコアベントによる蒸気孔が50mmピッチで形成されていた。金型1,2、加熱媒体拡散板16、金型表面材7の詳細を表1に示す。この金型表面材7を金型の内壁面にスタットボルトにより固定することにより装着した図1に示す構造の成形装置を得た。
次に、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(株式会社ジェイエスピー社製、見掛け密度:45kg/m3、平均粒子径2mm、内圧0.14MPa(G))を金型1と金型2とを完全に型締めした状態から2mm開いた状態(クラッキング2mm)で金型の成形空間内9(300×250×33mm)に充填した後、両金型を完全に型締めし、下記の条件で成形した。なお、発泡粒子の内圧は、耐圧容器内に発泡粒子を入れ耐圧容器を空気で加圧することにより付与した。
一方加熱 0.18MPa(G)
逆一方加熱 0.26MPa(G)
両面加熱 0.32MPa(G)
ついで、面圧が0.03MPa(G)に低下するまで冷却した後、両金型を開き、離型ピンにより成形体を押し出すことにより金型表面材7から成形体を離型した。得られた発泡粒子成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
実施例2(表面加工金型+金型表面材)
金型表面に表1に示す表面加工(溝深さ0.5mm、溝幅1.0mm、溝間ピッチ1.5mm)を施した金型を用い、金型内壁面に、実施例1と同じ金型表面材7をスタットボルトにより固定することにより装着した。
次に、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子をクラッキング3mmとした状態で成形空間内9に充填した後、両金型を完全に型締めし、実施例1と同じ条件で成形した。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
実施例3〜6
表1に示す金型表面材7に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡粒子成形体を得た。得られた成形体の評価を表1に示す。
比較例1(表面加工金型+金網)
実施例2における金型表面材7に代えて、表1に記載の金網(20メッシュ線径0.5mm、目開き0.77mm)を金型表面材7として用いた以外は、実施例2と同様にして成形体を得た。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。なお、金型表面材として使用した金網の開口率は目開きから算出した。
比較例2(表面加工金型+金網)
実施例2における金型表面材7に代えて、表1に記載の金網(40メッシュ線径0.23mm、目開き0.41mm)を金型表面材として用いた以外は、実施例2と同様にして成形体を得た。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
比較例3(加熱媒体拡散板+パンチングメタル)
実施例1における、金型表面材に代えて、表1に記載のパンチングメタル(細孔の直径:1.0mm、細孔の配置:千鳥状)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
比較例4(加熱媒体拡散板+パンチングメタル)
実施例1における、金型表面材に代えて、表1に記載のパンチングメタル(細孔の直径:0.5mm、細孔の配置:千鳥状)を用いた以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
比較例5(通常の金型成形)
実施例1において、金型表面材を用いなかった以外は実施例1と同様にして成形体を得た。得られた成形体の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りを評価した。その結果を表1に示す。
成形体表面の融着性、転写性及び離型性、並びに金型内の樹脂残りは、以下の基準により評価した。
[融着性]
融着性は下記の方法により測定し評価した。発泡粒子成形体を折り曲げて破断し、破断面に存在する発泡樹脂粒子の数(C1)と破壊した発泡樹脂粒子の数(C2)とを求め、上記発泡樹脂粒子に対する破壊した発泡樹脂粒子の比率(C2/C1×100)を材料破壊率として算出した。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらの算術平均値を融着率(%)として、下記の基準にて評価した。
◎ 融着率が80%以上
○ 融着率が50%以上80%未満
△ 融着率が40%以上50%未満
× 融着率が40%未満
[転写性]
発泡粒子成形体の表面模様の転写性を下記の基準にて評価した。
◎ 成形体表面に金型表面材による意匠模様が綺麗に転写され、発泡粒子由来の亀甲模様が目立たなかった。
○ 成形体表面に金型表面材による意匠模様が概ね転写され、発泡粒子由来の亀甲模様がほとんど目立たなかった。
△ 成形体表面に金型表面材による意匠模様が一部転写されておらず、一部発泡粒子由来の亀甲模様が目立つものであった。
× 成形体表面に、発泡粒子由来の亀甲模様や蒸気孔跡が形成された。
[離型性]
発泡粒子成形体を金型から取り出す際の離型性について、下記の基準にて評価した。
◎ 成形終了時、金型から発泡粒子成形体を離型方向に対して平行に離型することができた。
○ 成形終了時、離型方向に対して若干斜め方向ではあるが、金型から発泡粒子成形体を容易に離型することができた。
△ 成形終了時、発泡粒子成形体を離型することができたが、離型時に発泡粒子成形体が大きく変形した。
× 成形終了時、離型により発泡粒子成形体の一部が損傷し良好な成形体が得られなかった。
[金型内の樹脂残り]
離型後の金型内を観察し、金型内の樹脂残りについて下記の基準により評価した。
◎ 金型内に樹脂残りが見られなかった。
○ 金型内に樹脂残りがほとんど見られなかった。
△ 金型内に樹脂残りが若干見られた。
× 金型内に樹脂残りが多く見られた。
(評価)
実施例で得られた成形体は金型表面材の意匠模様が成形体表面に転写され、蒸気孔跡がなく、発泡粒子による亀甲模様は目立たたないものであった。また、金型から発泡粒子成形体を容易に離型することができ、金型内に発泡粒子の目詰まりによる樹脂残りが見られなかった。
比較例1、3で表面加飾材として用いた金網、パンチングメタルは、発泡粒子表面の亀甲模様を消すことはできるが、金型内面から発泡粒子面に向かって傾斜がなく、金型内壁面における細孔の直径が大きすぎたために発泡粒子が回り込んでしまい、そのため離型性にも劣り、また、金型内に樹脂残りが発生した。
比較例2、4で表面加飾材として用いた金網、パンチングメタルは、発泡粒子面における細孔の直径が小さすぎたために亀甲模様を消すことができなかった。また、金型表面材の細孔は、金型内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって傾斜がないため発泡粒子成形体の離型性、金型内の樹脂残りにおいても不十分であった。
以上から、金型表面材として金網やパンチングメタルを用いた場合、発泡粒子成形体の表面意匠性と離型性とを両立することが困難であった。
比較例5では、金型表面材を使用しなかったため、発泡粒子成形体表面の亀甲模様を消すことができず、転写性に劣るものであった。また、金型表面材や加熱媒体拡散板を使用しなかったため、加熱媒体が十分に行きわたらず成形体の融着に劣るものであった。
符合の説明
1、2 金型
3、4 フレーム
5 金型壁
6 蒸気孔
7 金型表面材
8 細孔、スリット
9 成形空間
10 発泡粒子供給機
11 発泡粒子供給口
12、13 蒸気等の加熱媒体及び冷却水の導入口
14、15 蒸気等の加熱媒体及び冷却水の排出口

Claims (4)

  1. 金型内に発泡粒子を充填し、該金型内に加熱媒体を供給して該発泡粒子を融着させて発泡粒子成形体を製造する方法において、金型の内壁面の少なくとも一面側に、加熱媒体が通過できる細孔又はスリットが形成された金型表面材が装着されており、該細孔又はスリットの断面形状が、金型の内壁側の面から発泡粒子に接する面に向かって開口面積が狭まることなく拡がってゆく形状であり、
    細孔又はスリット一つ当たりの金型壁面側の開口面積(A1)に対する発泡粒子に接する面側の開口面積(A2)の比率(A2/A1)が、2以上であることを特徴とする発泡粒子成形体の製造方法。
  2. 前記金型の内壁と前記金型表面材の間に加熱媒体拡散板が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
  3. 前記金型表面材における発泡粒子に接する面の開口率が50%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
  4. 隣り合う前記細孔間又はスリット間の距離が1mm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
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