以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、基地局、端末および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1Aは、実施の形態1にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示した無線通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図1A,図1Bに示すように、実施の形態1にかかる無線通信システム100は、基地局110と、端末120と、を含む。
端末120は、基地局110へ無線信号を送信する。また、端末120は、基地局110へ同一のデータを連続して送信することが可能である。同一のデータの連続した送信は、基地局110において同一のデータを復調可能な複数の無線信号の送信である。したがって、この複数の無線信号は、互いに同一のデータを復調可能な無線信号であれば、互いに異なる無線信号であってもよい。
基地局110は、送信部111と、制御部112と、を備える。送信部111は、端末120へ制御情報130を送信する。制御情報130は、一例としては、端末120から基地局110への無線信号の送信に対して基地局110が割り当てた無線リソースを示す情報である。
制御部112は、第1状態と第2状態とを切り替え可能である。第1状態において、制御部112は、送信部111によって送信される制御情報130の所定領域131に、端末120の送信電力を指示する複数通りの値を格納する。第2状態において、制御部112は、制御情報130の所定領域131に、端末120が同一のデータを連続して送信する回数を指示する複数通りの値を格納する。また、制御部112が第1状態において所定領域131に格納する複数通りの値と、制御部112が第2状態において所定領域131に格納する複数通りの値と、の間には重複する値が含まれる。
端末120は、受信部121と、制御部122と、を備える。受信部121は、基地局110から送信された制御情報130を受信する。そして、受信部121は、受信した制御情報130を制御部122へ出力する。
制御部122は、第3状態と第4状態とを切り替え可能である。制御部122は、たとえば、基地局110の制御部112が第1状態である場合は第3状態となり、基地局110の制御部112が第2状態である場合は第4状態となる。
第3状態において、制御部122は、第1状態の基地局110から受信部121が受信した制御情報130の所定領域131の値に基づいて、自端末から基地局110への無線信号の送信電力を調整する。このとき、制御部122は、所定領域131の値に基づく、基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数の調整は行わない。
第4状態において、制御部122は、第2状態の基地局110から受信部121が受信した制御情報130の所定領域131の値に基づいて、自端末が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する。このとき、制御部122は、所定領域131の値に基づく、基地局110への無線信号の送信電力の調整は行わない。
このように、実施の形態1によれば、端末120の送信電力制御に用いられる制御情報130の所定領域131を用いて、端末120が同一のデータを連続して送信する回数を通知することができる。これにより、該回数を可変としつつ、基地局110から端末120への該回数の通知に伴う制御情報(たとえば制御情報130)のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
<状態の切り替え方法の第1例>
たとえば、基地局110は、第1状態において、送信電力を指示する値および第4状態への切り替えを指示する値の中から選択した値を所定領域131に格納する。また、基地局110は、第2状態において、端末120が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値および第3状態への切り替えを指示する値の中から選択した値を所定領域131に格納する。そして、基地局110は、第1状態および第2状態のうちの所定領域131に格納した値に対応する状態に切り替える。また、端末120は、第3状態および第4状態のうちの所定領域の値に対応する状態に切り替える。
たとえば、基地局110が第4状態への切り替えを指示する値を所定領域131に格納した場合に、端末120が第4状態へ移行し、基地局110が第2状態へ移行する。また、基地局110が第3状態への切り替えを指示する値を所定領域131に格納した場合に、端末120が第3状態へ移行し、基地局110が第1状態へ移行する。
このように、所定領域131に格納され得る値のうちの一部の値を、状態の切り替えを指示する値とすることができる。これにより、基地局110が第1状態である場合は端末120が第3状態となり、基地局110が第2状態である場合は端末120が第4状態となるように制御することが可能になる。
<状態の切り替え方法の第2例>
また、端末120が、端末120の送信電力に応じた情報を基地局110へ送信するようにしてもよい。そして、基地局110が、第1状態および第2状態のうちの、端末120から受信した、端末120の送信電力に応じた情報に対応する状態に切り替えるようにしてもよい。この場合に、端末120は、第3状態および第4状態のうちの、基地局110へ送信した、端末120の送信電力に応じた情報に対応する状態に切り替える。
このように、端末120が基地局110へ送信する、端末120の送信電力に応じた情報を状態の切り替えに用いることができる。これにより、基地局110が第1状態である場合は端末120が第3状態となり、基地局110が第2状態である場合は端末120が第4状態となるように制御することが可能になる。また、所定領域131において各パラメータの指示に利用可能な値が多くなるため、より柔軟な制御が可能になる。端末120の送信電力に応じた情報は、一例としては、端末120の送信電力と、端末120の最大送信電力と、の差分を示す情報とすることができる。
<上りの通信品質に基づく値の選択>
基地局110の制御部112は、たとえば、端末120から基地局110への無線通信の品質に基づいて、所定領域131に格納する値を選択する。無線通信の品質には、一例としては、端末120からの無線信号の基地局110におけるSINR(Signal to Interference and Noise Ratio:信号対干渉雑音比)を用いることができる。
<変形例1>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が基地局110へデータを送信してから該データを再送するまでの時間を、制御情報130の所定領域131を用いて制御してもよい。これにより、該時間を可変としつつ、基地局110から端末120への該時間の通知に伴う制御情報(たとえば制御情報130)のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
<変形例2>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数を、制御情報130の所定領域131を用いて制御してもよい。これにより、該プロセスの数を可変としつつ、基地局110から端末120への該プロセスの数の通知に伴う制御情報(たとえば制御情報130)のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる無線通信システム)
図2Aは、実施の形態2にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図2Aに示すように、実施の形態2にかかる無線通信システム200は、eNB210と、UE220と、を含むセルラ通信システムである。eNB210およびUE220は、たとえばLTEによる無線通信が可能である。セル211は、eNB210との間で無線通信が可能な領域である。UE220は、セル211に位置しており、eNB210との間で無線通信が可能なUE(User Equipment:ユーザ端末)である。
図1A,図1Bに示した無線通信システム100は、たとえば図2Aに示す無線通信システム200によって実現することができる。図1A,図1Bに示した基地局110は、たとえば図2Aに示すeNB210によって実現することができる。図1A,図1Bに示した端末120は、たとえば図2Aに示すUE220によって実現することができる。
(LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリング)
図2Bは、LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリングの一例を示す図である。図2Bにおいて、横軸は時間(サブフレーム)を示している。
ULグラント241(Up Link grant)は、eNB210からUE220へ送信されるスケジューリング情報であって、UE220の上り通信に対してeNB210が割り当てた無線リソースを示す情報である。
UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム230から4[ms]後のサブフレーム231〜234(4個のTTI)において、同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、たとえばPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共有チャネル)によって送信される(PUSCH coding)。
また、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、受信側で同一のデータを復号可能なパケットであれば、互いに異なるパケットであってもよい。たとえば、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、HARQのRV(Redundancy Version:反復バージョン)のように、それぞれ特徴が異なる各パケットとしてもよい(RV=0,2,3,1)。この特徴は、一例としてはデータブロックの伝送開始位置とすることができる。
応答信号242は、サブフレーム234から4[ms]後のサブフレーム235においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム231〜234で送信されたパケットに対する応答信号である。図2Bに示す例では、応答信号242は、サブフレーム231〜234で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム231からRTT243が経過したサブフレーム236〜239において、サブフレーム231〜234と同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。RTT243は、UE220がデータを送信してから該データを再送するまでの時間である。RTT243は、図2Bに示す例では16[ms]のRTT(Round Trip Time:ラウンドトリップタイム)である。
(TTIバンドルサイズの変更)
図3は、TTIバンドルサイズの変更の一例を示す図である。図3において、横軸は時間(サブフレーム)を示す。図3に示す新規送信301において、UE220は、同一の新規データを示すパケットを8回(8サブフレーム)連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=8TTI)を行っている。また、新規送信301の次の新規送信302において、UE220は、同一の新規データを示すパケットを4回(4サブフレーム)連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=4TTI)を行っている。
また、新規送信302の次の新規送信303において、UE220は、同一の新規データを示すパケットを2回(2サブフレーム)連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=2TTI)を行っている。また、新規送信303の次の新規送信304において、UE220は、新規データを示すパケットを1回(1サブフレーム)eNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=1TTI)を行っている。新規送信304は、TTIバンドルサイズが1であるため、実質的にTTIバンドリングが無効である状態と同様である。
後述のLTEのAlt.6.3においては、図3に示すように、TTIバンドリングのTTIバンドルサイズを可変にすることが検討されている。このために、eNB210は、制御信号を用いてUE220にTTIバンドルサイズを通知する。この際に、eNB210は、たとえばULグラントに格納するTPCコマンドを用いてUE220にTTIバンドルサイズを通知する。TPCコマンドは、UE220の送信電力を制御するために設定される制御信号の領域(たとえば2[bit])である。UE220は、eNB210から受信したULグラントに格納されたTPCコマンドに基づいてTTIバンドルサイズを調整する。
たとえば上位レイヤの制御によってeNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化された場合に、eNB210およびUE220は、送信電力制御モードと、TTIバンドルサイズ制御モードと、に切り替え可能な状態となる。
たとえば、送信電力制御モードにおいては、UE220は、UE220のTTIバンドルサイズを1(最小値)に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220に送信電力を通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220の送信電力を調整する。
一方、TTIバンドルサイズ制御モードにおいては、UE220は、UE220の送信電力を最大値に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220にTTIバンドルサイズを通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220のTTIバンドルサイズを調整する。
このように、TTIバンドルサイズを固定する送信電力制御モードと、送信電力を固定するTTIバンドルサイズ制御モードと、を切り替えることにより、送信電力を制御するためのTPCコマンドを用いてTTIバンドルサイズの制御も行うことができる。これにより、UE220のTTIバンドルサイズを可変とする場合の制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。このため、無線チャネルの変動に追従してTTIバンドルサイズを制御可能にしつつ、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(ULグラントのビットマップの第1例)
図4Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図4Aに示すテーブル410は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズ制御モードに移行することを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を0[dB](変化なし)とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。
図4Bは、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図4Bに示すテーブル420は、TTIバンドルサイズ制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1とし、送信電力制御モードに移行することを示す。また、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを2とすることを示す。
また、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを4とすることを示す。また、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを8とすることを示す。
(ULグラントのビットマップの第2例)
図5Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図5Aに示すテーブル510は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を0[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を3[dB]とすることを示す。
このように、TTIバンドルサイズ制御モードへの移行をTPCコマンドによって明示的に通知しなくてもよい。この場合は、eNB210およびUE220は、たとえばPHR(Power Headroom Reporting:送信電力余裕量報告)に基づいて、TTIバンドルサイズ制御モードへの移行を判断することができる。これにより、TPCコマンドによって指示可能な送信電力増分の種類が増えるため、より柔軟なUE220の送信電力の制御が可能になる。
PHRは、UE220の送信電力の状態を示す情報であって、たとえば、UE220の最大送信電力と、eNB210による所望の送信電力と、の差分を示す。また、PHRは、MACコントロールエレメントとして、UE220からeNB210への上りデータ信号に付随して送信される。
PHRは、たとえばUE220の送信電力が最大値に達する場合は0以下の値(所定値)となる。したがって、eNB210は、UE220から受信したPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ制御モードへ移行する。また、UE220は、eNB210へ送信するPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ制御モードへ移行する。これにより、送信電力制御モードにおいて、UE220の送信電力が最大値に達する場合にTTIバンドルサイズ制御モードへ移行することができる。
図5Bは、TTIバンドルサイズ制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図5Bに示すテーブル520は、TTIバンドルサイズ制御モード、すなわちUE220の送信電力が最大値に達している場合(最大送信電力時)における、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。図5Bに示すテーブル520は、たとえば図4Bに示したテーブル420と同様にすることができる。以下、実施の形態2について、図5A,図5Bに示したULグラントのビットマップ(第2例)を用いる場合について説明する。
(送信電力制御コマンド決定方法)
図6Aは、送信電力制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法の一例を示す図である。図6Aに示すテーブル610は、送信電力制御モードにおける、受信SINRの測定値の目標値との差分Diffに関する条件と、eNB210が選択するTPCコマンドと、の対応関係を示す。差分Diffは、eNB210におけるUE220からの受信品質である受信SINRの測定値から所定の目標値を減じた値である。
たとえば、eNB210は、Diff>0.5[dB]である場合は、送信電力増分=−1[dB]を示すTPCコマンド=“00”を選択する。また、eNB210は、0.5[dB]≧Diff>−0.5[dB]である場合は、送信電力増分=0[dB]を示すTPCコマンド=“01”を選択する。また、eNB210は、−0.5[dB]≧Diff>−1.5dB[dB]である場合は、送信電力増分=1[dB]を示すTPCコマンド=“10”を選択する。また、eNB210は、−1.5[dB]≧Diffである場合は、送信電力増分=3[dB]を示すTPCコマンド=“11”を選択する。
図6Bおよび図6Cは、TTIバンドルサイズ制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法の一例を示す図である。図6Bに示すテーブル620は、TTIバンドルサイズ制御モードにおける、受信SINRの測定値の目標値との差分Diffに関する条件と、eNB210が選択するTTIバンドルサイズの調整量と、の対応関係を示す。
たとえば、eNB210は、Diff>7.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として1/8倍を選択する。また、eNB210は、7.5[dB]≧Diff>4.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として1/4倍を選択する。また、eNB210は、4.5[dB]≧Diff>1.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として1/2倍を選択する。
また、eNB210は、1.5[dB]≧Diff>−1.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として1倍(変化なし)を選択する。また、eNB210は、−1.5[dB]≧Diff>−4.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として2倍を選択する。また、eNB210は、−4.5[dB]≧Diff>−7.5[dB]である場合は、TTIバンドルサイズの調整量として4倍を選択する。また、eNB210は、−7.5[dB]≧Diffである場合は、TTIバンドルサイズの調整量として8倍を選択する。
図6Cに示すテーブル630は、TTIバンドルサイズ制御モードにおける、選択したTTIバンドルサイズの調整量に基づくTTIバンドルサイズの調整結果と、eNB210が選択するTPCコマンドと、の対応関係を示す。たとえば、eNB210は、調整結果≦1である場合は、TTIバンドルサイズ=1、かつ送信電力制御モードへの移行を示すTPCコマンド=“00”を選択する。
また、eNB210は、調整結果=2である場合は、TTIバンドルサイズ=2を示すTPCコマンド=“01”を選択する。また、eNB210は、調整結果=4である場合は、TTIバンドルサイズ=4を示すTPCコマンド=“10”を選択する。また、eNB210は、調整結果≧8である場合は、TTIバンドルサイズ=8を示すTPCコマンド=“11”を選択する。
(実施の形態2にかかる無線通信システムの動作)
図7は、実施の形態2にかかる無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。実施の形態2にかかる無線通信システム200においては、たとえば以下の各ステップが行われる。
まず、eNB210が、UE220との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS701)。つぎに、eNB210が、TTIバンドリングを有効にすることを指示する上位レイヤ制御信号(TTIバンドリング=TRUE)をUE220へ送信する(ステップS702)。
つぎに、UE220が、eNB210との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS703)。図7に示す例では、TTIバンドリングを有効化したeNB210およびUE220は、初期モードとしてTTIバンドルサイズ制御モードになるとする。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRS(Reference Signal:参照信号)を送信する(ステップS704)。つぎに、eNB210が、ステップS704によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS705)。受信品質は、たとえば受信SINRである。図7に示す例では、eNB210は、ステップS705によって測定した受信品質に基づいて、UE220のTTIバンドルサイズを1TTIに変更させることを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS705によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS706)。ステップS706のULグラントには、TPCコマンド=“00”が含まれる。すなわち、ステップS706のULグラントは、TTIバンドルサイズを1TTIに設定し、送信電力制御モードに移行することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図5B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS706によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、UE220のTTIバンドルサイズを1TTIに調整する(ステップS707)。つぎに、UE220が、ステップS706によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS708)。ステップS708におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
また、ステップS706により、eNB210およびUE220は送信電力制御モードに移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS709)。つぎに、eNB210が、ステップS709によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS710)。図7に示す例では、eNB210は、ステップS710によって測定した受信品質に基づいて、UE220の送信電力を3[dB]増加させることを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS710によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS711)。ステップS711のULグラントには、TPCコマンド=“11”が含まれる。すなわち、ステップS711のULグラントは、送信電力を3[dB]増加させることを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図5A参照)。
つぎに、UE220が、ステップS711によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力を3[dB]増加させるように調整する(ステップS712)。ステップS712によって、UE220の送信電力が最大送信電力に到達したとする。したがって、UE220のPHRは0以下となる。
つぎに、UE220が、ステップS711によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS713)。ステップS713におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
UE220のPHRが0[dB]以下になったことにより、eNB210およびUE220はTTIバンドルサイズ制御モードへ移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS714)。つぎに、eNB210が、ステップS714によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS715)。図7に示す例では、eNB210は、ステップS714によって測定した受信品質に基づいて、UE220のTTIバンドルサイズを2TTIに変更することを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS715によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS716)。ステップS716のULグラントには、TPCコマンド=“01”が含まれる。すなわち、ステップS716のULグラントは、TTIバンドルサイズを2TTIに設定することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図5B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS716によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、TTIバンドルサイズを2TTIに調整する(ステップS717)。つぎに、UE220が、ステップS716によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS718)。ステップS718におけるPUSCHの送信は、同一データを示すPUSCHを2回だけ連続して送信するTTIバンドリングにより行われる。
なお、ステップS704,S709,S714によるサウンディングRSの送信は、たとえばUE220による周期的なサウンディングRSの送信であってもよい。
(実施の形態2にかかるeNB)
図8Aは、実施の形態2にかかるeNBの一例を示す図である。図8Bは、図8Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図8A,図8Bに示すように、実施の形態2にかかるeNB210は、受信アンテナ801と、受信RF部802と、PUSCH復調部803と、受信SINR推定部804と、を備える。
また、eNB210は、送信電力制御コマンド生成部805と、TTIバンドリングコマンド生成部806と、PUSCHスケジューラ807と、ULグラント生成部808と、長区間受信品質判定部809と、PDSCH生成部810と、を備える。また、eNB210は、物理チャネル多重部811と、送信RF部812と、送信アンテナ813と、モード切替制御部814と、を備える。
受信アンテナ801は、UE220から無線送信された上り信号(上り受信信号)を受信し、受信した信号を受信RF部802へ出力する。受信RF部802は、受信アンテナ801から出力された信号の受信RF処理を行う。受信RF処理には、たとえばRF(Radio Frequency:高周波)帯からベースバンド帯への周波数変換が含まれる。受信RF部802は、受信RF処理によって得られた信号をPUSCH復調部803および受信SINR推定部804へ出力する。
PUSCH復調部803は、受信RF部802から出力された信号に含まれるPUSCHおよびPHRを復調する。そして、PUSCH復調部803は、復調したPHRをモード切替制御部814へ出力する。
受信SINR推定部804は、受信RF部802から出力された信号に含まれる参照信号(たとえばUE220からのサウンディングRS)に基づく受信SINRを推定する。そして、受信SINR推定部804は、推定した受信SINRを送信電力制御コマンド生成部805およびTTIバンドリングコマンド生成部806、長区間受信品質判定部809およびモード切替制御部814へ出力する。
送信電力制御コマンド生成部805は、モード切替制御部814からの切替結果に基づいて、送信電力制御モード時に、受信SINR推定部804から出力された受信SINRに基づくUE220への送信電力制御コマンドを生成する。送信電力制御コマンドは、送信電力を指示する情報である。送信電力制御コマンド生成部805は、生成した送信電力制御コマンドをULグラント生成部808へ出力する。
TTIバンドリングコマンド生成部806は、モード切替制御部814からの切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ制御モード時に、受信SINR推定部804から出力された受信SINRに基づくUE220へのTTIバンドリングコマンドを生成する。TTIバンドリングコマンドは、TTIバンドルサイズを指示する情報である。TTIバンドリングコマンド生成部806は、生成したTTIバンドリングコマンドをPUSCHスケジューラ807およびULグラント生成部808へ出力する。
PUSCHスケジューラ807は、TTIバンドリングコマンド生成部806から出力されたTTIバンドリングコマンドに基づいて、UE220のPUSCHのスケジューリングを行う。たとえば、PUSCHスケジューラ807は、TTIバンドリングコマンドが示すTTIバンドルサイズに対応する連続したサブフレームをUE220に割り当てるスケジューリングを行う。そして、PUSCHスケジューラ807は、PUSCHのスケジューリング結果をULグラント生成部808へ出力する。
ULグラント生成部808は、PUSCHスケジューラ807から出力されたPUSCHのスケジューリング結果を示すULグラントを生成する。ULグラントは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)としてUE220へ送信される下りの制御情報である。
また、ULグラント生成部808は、送信電力制御コマンド生成部805から出力された送信電力制御コマンドまたはTTIバンドリングコマンド生成部806から出力されたTTIバンドリングコマンドを、ULグラントにTPCコマンドとして格納する。そして、ULグラント生成部808は、TPCコマンドを格納したULグラントを物理チャネル多重部811へ出力する。
長区間受信品質判定部809は、受信SINR推定部804から出力される受信SINRの時間平均を算出し、算出結果を閾値と比較することにより、UE220の長区間の受信品質を判定する。時間平均にはたとえば移動平均を用いることができる。長区間受信品質判定部809は、長区間の受信品質の判定結果に基づく、TTIバンドリングの有効/無効を示す上位レイヤ制御信号をPDSCH生成部810およびモード切替制御部814へ出力する。上位レイヤ制御信号は、たとえばRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)層の制御信号である。
PDSCH生成部810は、長区間受信品質判定部809から出力された上位レイヤ制御信号を含むPDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理下りリンク共有チャネル)を生成する。そして、PDSCH生成部810は、生成したPDSCHを物理チャネル多重部811へ出力する。
物理チャネル多重部811は、ULグラント生成部808から出力されたULグラント(PDCCH)と、PDSCH生成部810から出力されたPDSCHと、を多重化する。そして、物理チャネル多重部811は、多重化により得られた信号(多重化信号)を送信RF部812へ出力する。
送信RF部812は、物理チャネル多重部811から出力された信号の送信RF処理を行う。送信RF処理には、たとえば、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換が含まれる。送信RF部812は、送信RF処理を行った信号を送信アンテナ813へ出力する。送信アンテナ813は、送信RF部812から出力された信号(下り送信信号)をUE220へ無線送信する。
モード切替制御部814は、長区間受信品質判定部809から出力された上位レイヤ制御信号に基づいて、eNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。具体的には、モード切替制御部814は、受信SINR推定部804から出力された受信SINR、あるいはPUSCH復調部803から出力されたPHRに基づいて各モードの切替を行う。そして、モード切替制御部814は、切替結果を送信電力制御コマンド生成部805およびTTIバンドリングコマンド生成部806へ出力する。
図1A,図1Bに示した送信部111は、たとえば物理チャネル多重部811、送信RF部812および送信アンテナ813により実現することができる。図1A,図1Bに示した制御部112は、たとえば送信電力制御コマンド生成部805、TTIバンドリングコマンド生成部806、ULグラント生成部808、長区間受信品質判定部809およびモード切替制御部814により実現することができる。
図8Cは、eNBのハードウェア構成の一例を示す図である。図8A,図8Bに示したeNB210は、たとえば図8Cに示す通信装置830によって実現することができる。通信装置830は、CPU831と、メモリ832と、無線通信インタフェース833と、有線通信インタフェース834と、を備える。CPU831、メモリ832、無線通信インタフェース833および有線通信インタフェース834は、バス839によって接続される。
CPU831(Central Processing Unit)は、通信装置830の全体の制御を司る。メモリ832には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU831のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置830を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU831によって実行される。
無線通信インタフェース833は、無線によって通信装置830の外部(たとえばUE220)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース833は、CPU831によって制御される。
有線通信インタフェース834は、有線によって通信装置830の外部(たとえば上位装置)との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース834は、CPU831によって制御される。
図8A,図8Bに示した受信アンテナ801、受信RF部802、送信RF部812および送信アンテナ813は、たとえば無線通信インタフェース833により実現することができる。図8A,図8Bに示したPUSCH復調部803、受信SINR推定部804、送信電力制御コマンド生成部805、TTIバンドリングコマンド生成部806およびPUSCHスケジューラ807は、たとえばCPU831により実現することができる。図8A,図8Bに示したULグラント生成部808、長区間受信品質判定部809、PDSCH生成部810、物理チャネル多重部811、送信RF部812、送信アンテナ813、モード切替制御部814は、たとえばCPU831により実現することができる。
(実施の形態2にかかるUE)
図9Aは、実施の形態2にかかるUEの一例を示す図である。図9Bは、図9Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図9A,図9Bに示すように、実施の形態2にかかるUE220は、受信アンテナ901と、受信RF部902と、PDSCH復調部903と、PDCCH復調部904と、モード切替制御部905と、送信電力算出部906と、を備える。また、UE220は、TTIバンドリング制御部907と、PUSCHスケジューラ908と、SRS生成部909と、物理チャネル多重部910と、送信電力制御部911と、送信RF部912と、送信アンテナ913と、を備える。
受信アンテナ901は、eNB210から無線送信された下り信号(下り受信信号)を受信し、受信した信号を受信RF部902へ出力する。受信RF部902は、受信アンテナ901から出力された信号の受信RF処理を行う。受信RF処理には、たとえばRF帯からベースバンド帯への周波数変換が含まれる。受信RF部902は、受信RF処理によって得られた信号をPDSCH復調部903およびPDCCH復調部904へ出力する。
PDSCH復調部903は、受信RF部902から出力された信号に含まれるPDSCHを復調する。そして、PDSCH復調部903は、復調したPDSCHに含まれる上位レイヤ制御信号をモード切替制御部905へ出力する。
PDCCH復調部904は、受信RF部902から出力された信号に含まれるPDCCHを復調する。そして、PDCCH復調部904は、復調したPDCCH(ULグラント)をモード切替制御部905、送信電力算出部906、TTIバンドリング制御部907およびPUSCHスケジューラ908へ出力する。
モード切替制御部905は、PDSCH復調部903から出力された上位レイヤ制御信号に基づいて、eNB210との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。具体的には、モード切替制御部905は、PDCCH復調部904から出力されたULグラント(PDCCH)のTPC領域に格納されたTPCコマンドに基づいて、各モードの切り替えを行う。
また、モード切替制御部905は、送信電力算出部906から出力されたPHRが0以下である場合は、次回の送信からTTIバンドルサイズ制御モードに切り替える。モード切替制御部905は、モードの切替結果を、送信電力算出部906およびTTIバンドリング制御部907へ出力する。
送信電力算出部906は、モード切替制御部905から出力された切替結果に基づいて、送信電力制御モード時に、PDCCH復調部904から出力されたULグラントに基づいてUE220の送信電力を調整した場合のUE220の送信電力を算出する。そして、送信電力算出部906は、算出した送信電力を送信電力制御部911へ通知する。また、送信電力算出部906は、算出した送信電力とUE220の最大送信電力とに基づくPHRをモード切替制御部905およびPUSCHスケジューラ908へ出力する。
TTIバンドリング制御部907は、モード切替制御部905から出力された切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ制御モード時に、PDCCH復調部904から出力されたULグラントに格納されたTPCコマンドを取得する。そして、TTIバンドリング制御部907は、取得したTPCコマンドに基づくTTIバンドルサイズを決定する。つぎに、TTIバンドリング制御部907は、決定したTTIバンドルサイズをPUSCHスケジューラ908へ通知する。
PUSCHスケジューラ908は、PDCCH復調部904から出力されたULグラントに基づいて、UE220からeNB210へのPUSCHのスケジューリングを行う。また、PUSCHスケジューラ908は、TTIバンドリング制御部907から出力されたTTIバンドルサイズによって連続送信するようにPUSCHのスケジューリングを行う。PUSCHスケジューラ908は、スケジューリング結果に基づくPUSCHを物理チャネル多重部910へ出力する。また、PUSCHスケジューラ908は、送信電力算出部906から出力されたPHRのスケジューリングを行い、スケジューリング結果に基づいてPHRを物理チャネル多重部910へ出力する。
SRS生成部909は、周期的なサウンディングRS(Sounding Reference Signal)を生成して物理チャネル多重部910へ出力する。
物理チャネル多重部910は、PUSCHスケジューラ908から出力されたPUSCHおよびPHRと、SRS生成部909から出力されたサウンディングRSと、を多重化する。そして、物理チャネル多重部910は、多重化により得られた信号(多重化信号)を送信電力制御部911へ出力する。
送信電力制御部911は、送信電力算出部906から通知された送信電力となるように、物理チャネル多重部910から出力された信号の送信電力を制御する。そして、送信電力制御部911は、送信電力を制御した信号を送信RF部912へ出力する。
送信RF部912は、送信電力制御部911から出力された信号の送信RF処理を行う。送信RF処理には、たとえば、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換が含まれる。送信RF部912は、送信RF処理を行った信号を送信アンテナ913へ出力する。送信アンテナ913は、送信RF部912から出力された信号(上り送信信号)をeNB210へ無線送信する。
図1A,図1Bに示した受信部121は、たとえば受信アンテナ901、受信RF部902およびPDCCH復調部904により実現することができる。図1A,図1Bに示した制御部122は、たとえばモード切替制御部905、送信電力算出部906およびTTIバンドリング制御部907により実現することができる。
図9Cは、UEのハードウェア構成の一例を示す図である。図9A,図9Bに示したUE220は、たとえば図9Cに示す通信装置930によって実現することができる。通信装置930は、CPU931と、メモリ932と、ユーザインタフェース933と、無線通信インタフェース934と、を備える。CPU931、メモリ932、ユーザインタフェース933および無線通信インタフェース934は、バス939によって接続される。
CPU931は、通信装置930の全体の制御を司る。メモリ932には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU931のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置930を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU931によって実行される。
ユーザインタフェース933は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース933は、CPU931によって制御される。
無線通信インタフェース934は、無線によって通信装置930の外部(たとえばeNB210)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース934は、CPU931によって制御される。
図9A,図9Bに示した受信アンテナ901、受信RF部902、送信RF部912および送信アンテナ913は、たとえば無線通信インタフェース934によって実現することができる。図9A,図9Bに示したPDSCH復調部903、PDCCH復調部904、モード切替制御部905、送信電力算出部906およびTTIバンドリング制御部907は、たとえばCPU931によって実現することができる。図9A,図9Bに示したPUSCHスケジューラ908、SRS生成部909、物理チャネル多重部910および送信電力制御部911は、たとえばCPU931によって実現することができる。
(実施の形態2にかかるeNBによる処理)
図10A〜図10Cは、実施の形態2にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるeNB210は、たとえば図10A〜図10Cに示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220からの長区間の受信品質を測定する(ステップS1001)。長区間の受信品質は、たとえば受信SINRの時間平均である。
つぎに、eNB210は、ステップS1001の測定結果に基づいて、UE220からの長区間の受信品質が既定値以下であるか否かを判断する(ステップS1002)。受信品質が既定値以下でない場合(ステップS1002:No)は、eNB210は、TTIバンドリングを無効(FALSE)にすることを示す上位レイヤ制御信号をUE220へ送信する(ステップS1003)。
つぎに、eNB210は、UE220からの瞬時受信品質を測定する(ステップS1004)。瞬時受信品質は、たとえば受信SINRの瞬時値である。つぎに、eNB210は、ステップS1004によって測定した受信SINRが所定の目標値より高いか否かを判断する(ステップS1005)。受信SINRが所定の目標値より高い場合(ステップS1005:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“00”を設定し(ステップS1006)、ステップS1012へ移行する。
ステップS1005において、受信SINRが所定の目標値より高くない場合(ステップS1005:No)は、eNB210は、ステップS1004によって測定した受信SINRが所定の目標値と同程度であるか否かを判断する(ステップS1007)。受信SINRが所定の目標値と同程度である場合(ステップS1007:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“01”を設定し(ステップS1008)、ステップS1012へ移行する。
ステップS1007において、受信SINRが所定の目標値と同程度でない場合(ステップS1007:No)は、eNB210は、ステップS1004によって測定した受信SINRが所定の目標値より1[dB]程度低いか否かを判断する(ステップS1009)。受信SINRが所定の目標値より1[dB]程度低い場合(ステップS1009:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“10”を設定し(ステップS1010)、ステップS1012へ移行する。
ステップS1009において、受信SINRが所定の目標値より1[dB]程度低くない場合(ステップS1009:No)、すなわち受信SINRの所定の目標値に対する差が1[dB]より大きい場合は、eNB210は、ステップS1011へ移行する。具体的には、eNB210は、TPCコマンドに“11”を設定し(ステップS1011)、ステップS1012へ移行する。
つぎに、eNB210は、ステップS1005〜S1011によって設定したTPCコマンドを格納したULグラントをUE220へ送信する(ステップS1012)。つぎに、eNB210は、ステップS1012によって送信したULグラントにより指示した無線リソースによって、UE220からのPUSCHを受信する(ステップS1013)。
つぎに、eNB210は、長区間の受信品質の判定タイミングか否かを判断する(ステップS1014)。長区間の受信品質の判定タイミングは、たとえば周期的なタイミングである。判定タイミングでない場合(ステップS1014:No)は、eNB210は、ステップS1004へ戻る。判定タイミングである場合(ステップS1014:Yes)は、eNB210は、ステップS1001へ戻る。
ステップS1002において、長区間の受信品質が既定値以下である場合(ステップS1002:Yes)は、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS1015)。つぎに、eNB210は、TTIバンドリングを有効(TRUE)にすることを示す上位レイヤ制御信号をUE220へ送信する(ステップS1016)。つぎに、eNB210は、UE220からの瞬時受信品質を測定する(ステップS1017)。
つぎに、eNB210は、現在のモードがTTIバンドルサイズ制御モードであるか否かを判断する(ステップS1018)。TTIバンドルサイズ制御モードでなく送信電力制御モードである場合(ステップS1018:No)は、eNB210は、ステップS1019へ移行する。ステップS1019〜S1027は、ステップS1005〜S1013と同様である。
ステップS1027のつぎに、eNB210は、UE220からのPHRが0[dB]以下であるか否かを判断する(ステップS1028)。PHRが0[dB]以下でない場合(ステップS1028:No)は、eNB210は、送信電力制御モードを維持し(ステップS1029)、ステップS1031へ移行する。PHRが0[dB]以下である場合(ステップS1028:Yes)は、eNB210は、TTIバンドルサイズ制御モードへ移行し(ステップS1030)、ステップS1031へ移行する。
つぎに、eNB210は、長区間の受信品質の判定タイミングか否かを判断する(ステップS1031)。判定タイミングでない場合(ステップS1031:No)は、eNB210は、ステップS1017へ戻る。判定タイミングである場合(ステップS1031:Yes)は、eNB210は、ステップS1001へ戻る。
ステップS1018において、現在のモードがTTIバンドルサイズ制御モードである場合(ステップS1018:Yes)は、eNB210は、ステップS1032へ移行する。すなわち、eNB210は、ステップS1017によって測定した受信SINRと所定の目標値の差分に基づいて、UE220のTTIバンドルサイズの調整量を決定する(ステップS1032)。
つぎに、eNB210は、ステップS1032によって決定した調整量に基づく調整後のUE220のTTIバンドルサイズが1以下であるか否かを判断する(ステップS1033)。調整後のTTIバンドルサイズが1以下である場合(ステップS1033:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“00”を設定し(ステップS1034)、ステップS1040へ移行する。
ステップS1033において、調整後のTTIバンドルサイズが1以下でない場合(ステップS1033:No)は、eNB210は、調整後のTTIバンドルサイズが2であるか否かを判断する(ステップS1035)。調整後のTTIバンドルサイズが2である場合(ステップS1035:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“01”を設定し(ステップS1036)、ステップS1040へ移行する。
ステップS1035において、調整後のTTIバンドルサイズが2でない場合(ステップS1035:No)は、eNB210は、調整後のTTIバンドルサイズが4であるか否かを判断する(ステップS1037)。調整後のTTIバンドルサイズが4である場合(ステップS1037:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“10”を設定し(ステップS1038)、ステップS1040へ移行する。
ステップS1037において、調整後のTTIバンドルサイズが4でない場合(ステップS1037:No)は、eNB210は、TPCコマンドに“11”を設定し(ステップS1039)、ステップS1040へ移行する。
つぎに、eNB210は、ステップS1033〜S1039によって設定したTPCコマンドを格納したULグラントをUE220へ送信する(ステップS1040)。つぎに、eNB210は、ステップS1040によって送信したULグラントにより指示した無線リソースによって、UE220からのPUSCHを受信する(ステップS1041)。つぎに、eNB210は、ステップS1033〜S1039によって設定したTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS1042)。
ステップS1042において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS1042:No)は、eNB210は、TTIバンドルサイズ制御モードを維持し(ステップS1043)、ステップS1031へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS1042:Yes)は、eNB210は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS1044)、ステップS1031へ移行する。
(実施の形態2にかかるUEによる処理)
図11A〜図11Cは、実施の形態2にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるUE220は、たとえば図11A〜図11Cに示す各ステップを実行する。まず、UE220は、eNB210との間のTTIバンドリングが有効(TRUE)であるか否かを判断する(ステップS1101)。ステップS1101の判断は、eNB210から受信した上位レイヤ制御信号に基づいて行うことができる。
ステップS1101において、TTIバンドリングが有効でない場合(ステップS1101:No)は、UE220は、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS1102)。つぎに、UE220は、eNB210からのULグラントを受信する(ステップS1103)。
つぎに、UE220は、ステップS1103によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であるか否かを判断する(ステップS1104)。TPCコマンドが“00”である場合(ステップS1104:Yes)は、UE220は、送信電力増分が−1[dB]であると判定し(ステップS1105)、ステップS1111へ移行する。
ステップS1104において、TPCコマンドが“00”でない場合(ステップS1104:No)は、UE220は、TPCコマンドが“01”であるか否かを判断する(ステップS1106)。TPCコマンドが“01”である場合(ステップS1106:Yes)は、UE220は、送信電力増分が0[dB]であると判定し(ステップS1107)、ステップS1111へ移行する。
ステップS1106において、TPCコマンドが“01”でない場合(ステップS1106:No)は、UE220は、TPCコマンドが“10”であるか否かを判断する(ステップS1108)。TPCコマンドが“10”である場合(ステップS1108:Yes)は、UE220は、送信電力増分が1[dB]であると判定し(ステップS1109)、ステップS1111へ移行する。
ステップS1108において、TPCコマンドが“10”でない場合(ステップS1108:No)は、UE220は、送信電力増分が3[dB]であると判定し(ステップS1110)、ステップS1111へ移行する。
つぎに、UE220は、ステップS1104〜S1110によって判定した送信電力増分に基づいてUE220の送信電力を調整する(ステップS1111)。つぎに、UE220は、ステップS1103によって受信したULグラントが示す無線リソースにおいて、ステップS1111によって調整した送信電力によって、eNB210へPUSCHおよびPHRを送信する(ステップS1112)。
つぎに、UE220は、上位レイヤ制御信号の受信タイミングか否かを判断する(ステップS1113)。上位レイヤ制御信号の受信タイミングは、たとえば周期的なタイミングである。上位レイヤ制御信号の受信タイミングでない場合(ステップS1113:No)は、UE220はステップS1103へ戻る。上位レイヤ制御信号の受信タイミングである場合(ステップS1113:Yes)は、UE220はステップS1101へ戻る。
ステップS1101において、TTIバンドリングが有効である場合(ステップS1101:Yes)は、UE220は、TTIバンドリングを内部的に有効化する(ステップS1114)。つぎに、UE220は、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS1115)。つぎに、UE220は、eNB210からのULグラントを受信する(ステップS1116)。
つぎに、UE220は、現在のモードがTTIバンドルサイズ制御モードであるか否かを判断する(ステップS1117)。TTIバンドルサイズ制御モードでなく送信電力制御モードである場合(ステップS1117:No)は、UE220は、ステップS1118へ移行する。ステップS1118〜S1125は、ステップS1104〜S1111と同様である。
ステップS1125のつぎに、UE220は、自装置におけるPHRが0[dB]以下であるか否かを判断する(ステップS1126)。PHRが0[dB]以下でない場合(ステップS1126:No)は、UE220は、送信電力制御モードを維持し(ステップS1127)、ステップS1129へ移行する。PHRが0[dB]以下である場合(ステップS1126:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズ制御モードへ移行し(ステップS1128)、ステップS1129へ移行する。
つぎに、UE220は、ステップS1116によって受信したULグラントが示す無線リソースにおいて、ステップS1125によって調整した送信電力によって、eNB210へPUSCHおよびPHRを送信する(ステップS1129)。つぎに、UE220は、上位レイヤ制御信号の受信タイミングか否かを判断する(ステップS1130)。上位レイヤ制御信号の受信タイミングでない場合(ステップS1130:No)は、UE220は、ステップS1116へ戻る。上位レイヤ制御信号の受信タイミングである場合(ステップS1130:Yes)は、UE220は、ステップS1101へ戻る。
ステップS1117において、TTIバンドルサイズ制御モードである場合(ステップS1117:Yes)は、UE220は、ステップS1116によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であるか否かを判断する(ステップS1131)。TPCコマンドが“00”である場合(ステップS1131:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが1であると判定し(ステップS1132)、ステップS1138へ移行する。
ステップS1131において、TPCコマンドが“00”でない場合(ステップS1131:No)は、UE220は、TPCコマンドが“01”であるか否かを判断する(ステップS1133)。TPCコマンドが“01”である場合(ステップS1133:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが2であると判定し(ステップS1134)、ステップS1138へ移行する。
ステップS1133において、TPCコマンドが“01”でない場合(ステップS1133:No)は、UE220は、TPCコマンドが“10”であるか否かを判断する(ステップS1135)。TPCコマンドが“10”である場合(ステップS1135:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4であると判定し(ステップS1136)、ステップS1138へ移行する。
ステップS1135において、TPCコマンドが“10”でない場合(ステップS1135:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズが8であると判定し(ステップS1137)、ステップS1138へ移行する。
つぎに、UE220は、ステップS1131〜S1137によって判定したTTIバンドルサイズによってTTIバンドルサイズを調整する(ステップS1138)。つぎに、UE220は、ステップS1116によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS1139)。
ステップS1139において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS1139:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズ制御モードを維持し(ステップS1140)、ステップS1129へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS1139:Yes)は、UE220は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS1141)、ステップS1129へ移行する。
(TTIバンドルサイズの変更の他の例)
図12Aおよび図12Bは、TTIバンドルサイズの変更の他の例を示す図である。図12A,図12Bにおいて、横軸は時間(サブフレーム)を示す。図12Aに示す例では、UE220は、新規送信1201において、同一の新規データを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=4TTI)を行っている。また、UE220は、新規送信1201についての再送1202,1203,1204において、新規送信1201と同じ再送データを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=4TTI)を行っている。
図12Bに示す例では、UE220は、新規送信1201において、同一の新規データを示すパケットを8回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=8TTI)を行っている。また、UE220は、新規送信1201についての再送1202,1203,1204において、新規送信1201と同じ再送データを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=4TTI)を行っている。
後述のLTEのAlt.6.1においては、図12A,図12Bに示すように、新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いることが検討されている。上述したTTIバンドルサイズの変更は、このように新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いる場合の新規送信のTTIバンドルサイズの変更に適用することもできる。
たとえば、eNB210は、UE220の新規送信のTTIバンドルサイズを4TTIと8TTIで切り替えることで、図12A,図12Bに示す各状態を切り替えることができる。このように、UE220は、データの新規送信および再送のうちの新規送信についてのTTIバンドルサイズを調整するようにしてもよい。また、ここでは新規送信と再送のうちの新規送信のTTIバンドルサイズを変更する場合について説明したが、再送のTTIバンドルサイズを変更する場合も同様である。
このように、実施の形態2によれば、UE220の送信電力制御に用いられるULグラントのTPCコマンドを用いて、UE220のTTIバンドルサイズを通知することができる。これにより、UE220のTTIバンドルサイズを可変としつつ、eNB210からUE220へのTTIバンドルサイズの通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態2と異なる部分について説明する。
(RTTの変更)
図13Aおよび図13Bは、RTTの変更の一例を示す図である。図13A,図13Bにおいて、横軸は時間(サブフレーム)を示す。図13A,図13Bに示す例では、UE220は、新規送信1301において、同一の新規データを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリング(TTIバンドルサイズ=4TTI)を行っている。また、再送1302〜1305は、新規送信1301と同じ再送データを示すパケットを4回連続して送信する再送である。
図13Aに示す例では、各再送までのRTTは16[ms](16サブフレーム)に設定されている。図13Bに示す例では、各再送までのRTTは12[ms](12サブフレーム)に設定されている。また、図13A,図13Bに示す例において、許容される遅延時間は52[ms]である。
後述のLTEのAlt.1においては、図13Bに示すように、RTTを現在の16[ms]から12[ms]に短縮することが検討されている。これに対して、実施の形態3にかかる無線通信システム200においては、RTTを可変とする。
このために、eNB210は、制御信号を用いてUE220にRTTを通知する。この際に、eNB210は、たとえばULグラントに格納するTPCコマンドを用いてUE220にRTTを通知する。UE220は、eNB210から受信したULグラントに格納されたTPCコマンドに基づいてRTTを調整する。
たとえば上位レイヤの制御によってeNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化された場合に、eNB210およびUE220は、送信電力制御モードと、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードと、に切り替え可能な状態となる。
たとえば、送信電力制御モードにおいては、UE220は、UE220のRTTを8[ms](最小値)に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220に送信電力を通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220の送信電力を調整する。
一方、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおいては、UE220は、UE220の送信電力を最大値に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220にRTTを通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220のRTTを調整する。
このように、RTTを固定する送信電力制御モードと、送信電力を固定するTTIバンドルサイズ/RTT制御モードと、を切り替えることにより、送信電力を制御するためのTPCコマンドを用いてRTTの制御も行うことができる。これにより、UE220のRTTを可変とする場合の制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。このため、無線チャネルの変動に追従してRTTを制御可能にしつつ、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(単位時間あたりの送信パケットの総エネルギ)
図13Cは、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの一例を示す図である。単位時間N’において新規送信または再送によって送信されたパケットの総エネルギは、たとえば図13Cのテーブル1330のようになる。
たとえば、テーブル1330の(a)に示すように、TTIバンドルサイズを1、RTTを8[ms]とすると、単位時間N’におけるパケットの総エネルギは3N’/24=Nとなる。ここで、Nは簡単のために定義する単位エネルギである。また、テーブル1330の(b)に示すように、TTIバンドルサイズを4、RTTを16[ms]とすると、単位時間N’におけるパケットの総エネルギは6N’/24=2Nとなり、(a)の場合の2.0倍となる。
また、テーブル1330の(c)に示すように、TTIバンドルサイズを4、RTTを12[ms]とすると、単位時間N’におけるパケットの総エネルギは8N’/24=2.67Nとなり、(a)の場合の2.67倍となる。また、テーブル1330の(d)に示すように、TTIバンドルサイズを4、RTTを8[ms]とすると、単位時間N’におけるパケットの総エネルギは12N’/24=4Nとなり、(a)の場合の4倍となる。
(ULグラントのビットマップの第1例)
図14Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図14Aに示すテーブル1410は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードに移行することを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を0[dB](変化なし)とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。
図14Bは、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図14Bに示すテーブル1420は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1とし、RTTを8とし、送信電力制御モードに移行することを示す。また、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを4とし、RTTを16とすることを示す。
また、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを4とし、RTTを12とすることを示す。また、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを4とし、RTTを8とすることを示す。
(ULグラントのビットマップの第2例)
図15Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図15Aに示すテーブル1510は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を0[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、RTTを8に維持し、送信電力増分を3[dB]とすることを示す。
このように、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードへの移行をTPCコマンドによって明示的に通知しなくてもよい。この場合は、eNB210およびUE220は、たとえばPHRに基づいて、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードへの移行を判断することができる。これにより、TPCコマンドによって指示可能な送信電力増分の種類が増えるため、より柔軟なUE220の送信電力の制御が可能になる。
たとえば、eNB210は、UE220から受信したPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行する。また、UE220は、eNB210へ送信するPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行する。これにより、送信電力制御モードにおいて、UE220の送信電力が最大値に達する場合にTTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行することができる。
図15Bは、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図15Bに示すテーブル1520は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モード、すなわちUE220の送信電力が最大値に達している場合(最大送信電力時)における、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。図15Bに示すテーブル1520は、たとえば図14Bに示したテーブル1420と同様にすることができる。以下、実施の形態3について、図15A,図15Bに示したULグラントのビットマップ(第2例)を用いる場合について説明する。
(送信電力制御コマンド決定方法)
送信電力制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法については、たとえば図6Aに示した送信電力制御コマンド決定方法と同様である。
図16Aおよび図16Bは、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法の一例を示す図である。図16Aに示すテーブル1610は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおける、受信SINRの測定値の目標値との差分Diffに関する条件と、eNB210が選択する単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量と、の対応関係を示す。
たとえば、eNB210は、Diff>4.5[dB]である場合は、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量として1/4倍を選択する。また、eNB210は、4.5[dB]≧Diff>1.5[dB]である場合は、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量として1/2倍を選択する。
また、eNB210は、1.5[dB]≧Diff>−1.5[dB]である場合は、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量として1倍(変化なし)を選択する。また、eNB210は、−1.5[dB]≧Diff>−4.5[dB]である場合は、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量として2倍を選択する。また、eNB210は、−4.5[dB]≧Diffである場合は、単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量として4倍を選択する。
図16Bに示すテーブル1620は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおける、選択した単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量に基づく単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整結果と、eNB210が選択するTPCコマンドと、の対応関係を示す。たとえば、eNB210は、調整結果<1.5Nである場合は、TTIバンドルサイズ=1、RTT=8、かつ送信電力制御モードへの移行を示すTPCコマンド=“00”を選択する。
また、eNB210は、2.33N>調整結果≧1.5Nである場合は、TTIバンドルサイズ=4、RTT=16を示すTPCコマンド=“01”を選択する。また、eNB210は、3.33N>調整結果≧2.33Nである場合は、TTIバンドルサイズ=4、RTT=12を示すTPCコマンド=“10”を選択する。また、eNB210は、調整結果≧3.33Nである場合は、TTIバンドルサイズ=4、RTT=8を示すTPCコマンド=“11”を選択する。
(実施の形態3にかかる無線通信システムの動作)
図17は、実施の形態3にかかる無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。実施の形態3にかかる無線通信システム200においては、たとえば以下の各ステップが行われる。
まず、eNB210が、UE220との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS1701)。つぎに、eNB210が、TTIバンドリングを有効にすることを指示する上位レイヤ制御信号(TTIバンドリング=TRUE)をUE220へ送信する(ステップS1702)。
つぎに、UE220が、eNB210との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS1703)。図17に示す例では、TTIバンドリングを有効化したeNB210およびUE220は、初期モードとしてTTIバンドルサイズ/RTT制御モードになるとする。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS1704)。つぎに、eNB210が、ステップS1704によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS1705)。受信品質は、たとえば受信SINRである。図17に示す例では、eNB210は、ステップS1705によって測定した受信品質に基づいて、UE220のRTTを8[ms]に変更させ、かつ送信電力制御モードへ移行することを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS1705によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS1706)。ステップS1706のULグラントには、TPCコマンド=“00”が含まれる。すなわち、ステップS1706のULグラントは、RTTを8[ms]に設定し、送信電力制御モードに移行することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図15B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS1706によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、UE220のTTIバンドルサイズを1TTI、RTTを8[ms]に調整する(ステップS1707)。つぎに、UE220が、ステップS1706によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS1708)。ステップS1708におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
また、ステップS1706により、eNB210およびUE220は送信電力制御モードに移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS1709)。つぎに、eNB210が、ステップS1709によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS1710)。図17に示す例では、eNB210は、ステップS1710によって測定した受信品質に基づいて、UE220の送信電力を3[dB]増加させることを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS1710によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS1711)。ステップS1711のULグラントには、TPCコマンド=“11”が含まれる。すなわち、ステップS1711のULグラントは、送信電力を3[dB]増加させることを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図15A参照)。
つぎに、UE220が、ステップS1711によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力を3[dB]増加させるように調整する(ステップS1712)。ステップS1712によって、UE220の送信電力が最大送信電力に到達したとする。したがって、UE220のPHRは0以下となる。
つぎに、UE220が、ステップS1711によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS1713)。ステップS1713におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
UE220のPHRが0[dB]以下になったことにより、eNB210およびUE220はTTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS1714)。つぎに、eNB210が、ステップS1714によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS1715)。図17に示す例では、eNB210は、ステップS1714によって測定した受信品質に基づいて、UE220のRTTを16[ms]に変更することを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS1715によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS1716)。ステップS1716のULグラントには、TPCコマンド=“01”が含まれる。すなわち、ステップS1716のULグラントは、TTIバンドルサイズを4、RTTを16[ms]に設定することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図15B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS1716によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、TTIバンドルサイズを4TTI、RTTを16[ms]に調整する(ステップS1717)。つぎに、UE220が、ステップS1716によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS1718)。ステップS1718におけるPUSCHの送信は、同一データを示すPUSCHを4TTIだけ連続して送信するTTIバンドリングにより行われる。
なお、ステップS1704,S1709,S1714によるサウンディングRSの送信は、たとえばUE220による周期的なサウンディングRSの送信であってもよい。
(実施の形態3にかかるeNB)
図18Aは、実施の形態3にかかるeNBの一例を示す図である。図18Bは、図18Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図18A,図18Bにおいて、図8A,図8Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図18A,図18Bに示すように、実施の形態3にかかるeNB210は、図8A,図8Bに示したTTIバンドリングコマンド生成部806に代えて、TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801を備える。TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801は、たとえば図8Cに示したCPU831によって実現することができる。
TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801は、モード切替制御部814からの切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ/RTT制御モード時に、受信SINR推定部804から出力された受信SINRを取得する。そして、TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801は、取得した受信SINRに基づくUE220へのTTIバンドリング/RTTコマンドを生成する。TTIバンドリングコマンドは、TTIバンドルサイズおよびRTTを指示する情報である。TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801は、生成したTTIバンドリング/RTTコマンドをPUSCHスケジューラ807およびULグラント生成部808へ出力する。
モード切替制御部814は、eNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。
図1A,図1Bに示した制御部112は、たとえば送信電力制御コマンド生成部805、TTIバンドリング/RTTコマンド生成部1801、ULグラント生成部808、長区間受信品質判定部809およびモード切替制御部814により実現することができる。
(実施の形態3にかかるUE)
図19Aは、実施の形態3にかかるUEの一例を示す図である。図19Bは、図19Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図19A,図19Bにおいて、図9A,図9Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図18A,図18Bに示すように、実施の形態3にかかるUE220は、図9A,図9Bに示したTTIバンドリング制御部907に代えて、TTIバンドリング/RTT制御部1901を備える。TTIバンドリング/RTT制御部1901は、たとえば図9Cに示したCPU931によって実現することができる。
モード切替制御部905は、eNB210との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。たとえば、モード切替制御部905は、送信電力算出部906から出力されたPHRが0以下である場合は、次回の送信からTTIバンドルサイズ/RTT制御モードに切り替える。
TTIバンドリング/RTT制御部1901は、モード切替制御部905から出力された切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ/RTT制御モード時に、PDCCH復調部904から出力されたULグラントに格納されたTPCコマンドを取得する。そして、TTIバンドリング/RTT制御部1901は、取得したTPCコマンドに基づくTTIバンドルサイズおよびRTTを決定し、決定したTTIバンドルサイズおよびRTTをPUSCHスケジューラ908へ通知する。
PUSCHスケジューラ908は、TTIバンドリング/RTT制御部1901から出力されたTTIバンドルサイズおよびRTTによって連続送信および再送を行うようにPUSCHのスケジューリングを行う。
図1A,図1Bに示した制御部122は、たとえばモード切替制御部905、送信電力算出部906およびTTIバンドリング/RTT制御部1901により実現することができる。
(実施の形態3にかかるeNBによる処理)
図20A〜図20Cは、実施の形態3にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるeNB210は、たとえば図20A〜図20Cに示す各ステップを実行する。図20A,図20Bに示すステップS2001〜S2031は、図10A,図10Bに示したステップS1001〜S1031と同様である。ただし、ステップS2030において、eNB210は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行する(ステップS2030)。
また、ステップS2018において、eNB210は、現在のモードがTTIバンドルサイズ/RTT制御モードであるか否かを判断する(ステップS2018)。モードがTTIバンドルサイズ/RTT制御モードでない場合(ステップS2018:No)は、eNB210は、ステップS2019へ移行する。
ステップS2018において、現在のモードがTTIバンドルサイズ/RTT制御モードである場合(ステップS2018:Yes)は、eNB210は、ステップS2032へ移行する。すなわち、eNB210は、ステップS2017によって測定した受信SINRと所定の目標値の差分に基づいて、UE220の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギの調整量を決定する(ステップS2032)。
つぎに、eNB210は、ステップS2032によって決定した調整量に基づく調整後のUE220の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N未満であるか否かを判断する(ステップS2033)。単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N未満である場合(ステップS2033:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“00”を設定し(ステップS2034)、ステップS2040へ移行する。
ステップS2033において、調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N未満でない場合(ステップS2033:No)は、eNB210は、調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N以上かつ2.33N未満であるか否かを判断する(ステップS2035)。調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N以上かつ2.33N未満である場合(ステップS2035:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“01”を設定し(ステップS2036)、ステップS2040へ移行する。
ステップS2035において、調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが1.5N以上かつ2.33N未満でない場合(ステップS2035:No)は、eNB210は、調整後単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが2.33N以上かつ3.33N未満であるか否かを判断する(ステップS2037)。調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが2.33N以上かつ3.33N未満である場合(ステップS2037:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“10”を設定し(ステップS2038)、ステップS2040へ移行する。
ステップS2037において、調整後の単位時間あたりの送信パケットの総エネルギが2.33N以上かつ3.33N未満でない場合(ステップS2037:No)は、eNB210は、TPCコマンドに“11”を設定し(ステップS2039)、ステップS2040へ移行する。
つぎに、eNB210は、ステップS2033〜S2039によって設定したTPCコマンドを格納したULグラントをUE220へ送信する(ステップS2040)。つぎに、eNB210は、ステップS2040によって送信したULグラントにより指示した無線リソースによって、UE220からのPUSCHを受信する(ステップS2041)。つぎに、eNB210は、ステップS2033〜S2039によって設定したTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS2042)。
ステップS2042において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS2042:No)は、eNB210は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードを維持し(ステップS2043)、ステップS2031へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS2042:Yes)は、eNB210は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS2044)、ステップS2031へ移行する。
(実施の形態3にかかるUEによる処理)
図21A〜図21Cは、実施の形態3にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるUE220は、たとえば図21A〜図21Cに示す各ステップを実行する。図21A,図21Bに示すステップS2101〜S2130は、図11A,図11Bに示したステップS1101〜S1130と同様である。ただし、ステップS2128において、UE220は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードへ移行する(ステップS2128)。
また、ステップS2117において、UE220は、現在のモードがTTIバンドルサイズ/RTT制御モードであるか否かを判断する(ステップS2117)。TTIバンドルサイズ/RTT制御モードでなく送信電力制御モードである場合(ステップS2117:No)は、UE220は、ステップS2118へ移行する。TTIバンドルサイズ/RTT制御モードである場合(ステップS2117:Yes)は、UE220は、ステップS2116によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であるか否かを判断する(ステップS2131)。TPCコマンドが“00”である場合(ステップS2131:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが1、RTTが8であると判定し(ステップS2132)、ステップS2138へ移行する。
ステップS2131において、TPCコマンドが“00”でない場合(ステップS2131:No)は、UE220は、TPCコマンドが“01”であるか否かを判断する(ステップS2133)。TPCコマンドが“01”である場合(ステップS2133:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、RTTが16であると判定し(ステップS2134)、ステップS2138へ移行する。
ステップS2133において、TPCコマンドが“01”でない場合(ステップS2133:No)は、UE220は、TPCコマンドが“10”であるか否かを判断する(ステップS2135)。TPCコマンドが“10”である場合(ステップS2135:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、RTTが12であると判定し(ステップS2136)、ステップS2138へ移行する。
ステップS2135において、TPCコマンドが“10”でない場合(ステップS2135:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、RTTが8であると判定し(ステップS2137)、ステップS2138へ移行する。
つぎに、UE220は、ステップS2131〜S2137によって判定したTTIバンドルサイズおよびRTTによってTTIバンドルサイズおよびRTTを調整する(ステップS2138)。つぎに、UE220は、ステップS2116によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS2139)。
ステップS2139において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS2139:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードを維持し(ステップS2140)、ステップS2129へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS2139:Yes)は、UE220は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS2141)、ステップS2129へ移行する。
このように、実施の形態3によれば、UE220の送信電力制御に用いられるULグラントのTPCコマンドを用いて、UE220のTTIバンドルサイズとRTTとの組み合わせを通知することができる。これにより、UE220のTTIバンドルサイズおよびRTTを可変としつつ、eNB210からUE220へのTTIバンドルサイズおよびRTTの通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
また、TTIバンドルサイズ/RTT制御モードにおいて、TPCコマンドを用いてTTIバンドルサイズとRTTとの組み合わせを制御する場合について説明したが、RTTのみを制御(TTIバンドルサイズは固定)するようにしてもよい。この場合も、UE220のRTTを可変としつつ、eNB210からUE220へのRTTの通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態2と異なる部分について説明する。
(HARQプロセス数の変更)
図22は、HARQプロセス数の変更の一例を示す図である。図22において、横軸は時間(サブフレーム)を示す。図22に示す例では、UE220は、新規送信2211において、HARQプロセス#0によって同一の新規データ(トランスポートブロック#0)を示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。また、UE220は、新規送信2221において、HARQプロセス#1によって同一の新規データを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。また、新規送信2211,2221は同一の新規データの送信である。
また、UE220は、再送2212において、HARQプロセス#0によって、新規送信2211と同一のデータを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。UE220は、再送2222において、HARQプロセス#1によって、新規送信2221と同一のデータを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。したがって、再送2212,2222は同一の再送データの送信である。
また、UE220は、再送2213において、HARQプロセス#0によって、新規送信2211と同一のデータを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。UE220は、再送2223において、HARQプロセス#1によって、新規送信2221と同一のデータを示すパケットを4回連続してeNB210へ送信するTTIバンドリングを行っている。したがって、再送2213,2223は同一の再送データの送信である。
後述のLTEのAlt.6.2においては、図22に示すように、同一信号を複数(図22に示す例では2個)のHARQプロセスで送信することが検討されている。これに対して、実施の形態4にかかる無線通信システム200においては、HARQプロセス数を可変とする。HARQプロセス数は、TTIバンドリングによるデータの送信を同一のデータについて行うHARQのプロセスの数である。
このために、eNB210は、制御信号を用いてUE220にHARQプロセス数を通知する。この際に、eNB210は、たとえばULグラントに格納するTPCコマンドを用いてUE220にHARQプロセス数を通知する。UE220は、eNB210から受信したULグラントに格納されたTPCコマンドに基づいてHARQプロセス数を調整する。たとえば上位レイヤの制御によってeNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化された場合に、eNB210およびUE220は、送信電力制御モードと、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードと、に切り替え可能な状態となる。
たとえば、送信電力制御モードにおいては、UE220は、UE220のHARQプロセス数を1(最小値)に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220に送信電力を通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220の送信電力を調整する。
一方、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおいては、UE220は、UE220の送信電力を最大値に固定する。そして、eNB210は、TPCコマンドを用いてUE220にHARQプロセス数を通知する。また、UE220は、TPCコマンドに基づいてUE220のHARQプロセス数を調整する。
このように、HARQプロセス数を固定する送信電力制御モードと、送信電力を固定するTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードと、を切り替えることができる。したがって、送信電力を制御するためのTPCコマンドを用いてHARQプロセス数の制御も行うことができる。これにより、UE220のHARQプロセス数を可変とする場合の制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。このため、無線チャネルの変動に追従してHARQプロセス数を制御可能にしつつ、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
(ULグラントのビットマップの第1例)
図23Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図23Aに示すテーブル2310は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードに移行することを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を0[dB](変化なし)とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおける各TPCコマンドは、さらにHARQプロセス数を1のまま維持することを示してもよい。
図23Bは、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるULグラントのビットマップの第1例を示す図である。図23Bに示すテーブル2320は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1とし、送信電力制御モードに移行することを示す。また、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、さらにHARQプロセス数を1とすることを示してもよい。
また、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを4とし、HARQプロセス数を1とすることを示す。また、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを4とし、HARQプロセス数を2とすることを示す。また、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを4とし、HARQプロセス数を4とすることを示す。
(ULグラントのビットマップの第2例)
図24Aは、送信電力制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図24Aに示すテーブル2410は、送信電力制御モードにおける、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。
たとえば、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“00”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を−1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“01”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を0[dB]とすることを示す。
また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“10”は、TTIバンドルサイズを1に維持し、送信電力増分を1[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおけるTPCコマンド=“11”は、TTIバンドルサイズを8に維持し、送信電力増分を3[dB]とすることを示す。また、送信電力制御モードにおける各TPCコマンドは、さらにHARQプロセス数を1のまま維持することを示してもよい。
このように、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへの移行をTPCコマンドによって明示的に通知しなくてもよい。この場合は、eNB210およびUE220は、たとえばPHRに基づいてTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへの移行を判断することができる。これにより、TPCコマンドによって指示可能な送信電力増分の種類が増えるため、より柔軟なUE220の送信電力の制御が可能になる。
たとえば、eNB210は、UE220から受信したPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行する。また、UE220は、eNB210へ送信するPHRが0以下である場合にTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行する。これにより、送信電力制御モードにおいて、UE220の送信電力が最大値に達する場合にTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行することができる。
図24Bは、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおけるULグラントのビットマップの第2例を示す図である。図24Bに示すテーブル2420は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モード、すなわちUE220の送信電力が最大値に達している場合(最大送信電力時)における、TPCコマンドと、TPCコマンドによる通知内容と、の対応関係を示す。図24Bに示すテーブル2420は、たとえば図23Bに示したテーブル2320と同様にすることができる。以下、実施の形態4について、図24A,図24Bに示したULグラントのビットマップ(第2例)を用いる場合について説明する。
(送信電力制御コマンド決定方法)
送信電力制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法については、たとえば図6Aに示した送信電力制御コマンド決定方法と同様である。
図25Aおよび図25Bは、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおける送信電力制御コマンド決定方法の一例を示す図である。図25Aに示すテーブル2510は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおける、受信SINRの測定値の目標値との差分Diffに関する条件と、eNB210が選択するHARQプロセス数の調整量と、の対応関係を示す。
たとえば、eNB210は、Diff>7.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として1/8倍を選択する。また、eNB210は、7.5[dB]≧Diff>4.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として1/4倍を選択する。また、eNB210は、4.5[dB]≧Diff>1.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として1/2倍を選択する。
また、eNB210は、1.5[dB]≧Diff>−1.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として1倍(変化なし)を選択する。また、eNB210は、−1.5[dB]≧Diff>−4.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として2倍を選択する。また、eNB210は、−4.5[dB]≧Diff>−7.5[dB]である場合は、HARQプロセス数の調整量として4倍を選択する。また、eNB210は、−7.5[dB]≧Diffである場合は、HARQプロセス数の調整量として8倍を選択する。
図25Bに示すテーブル2520は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおける、選択したHARQプロセス数の調整量に基づくHARQプロセス数の調整結果と、eNB210が選択するTPCコマンドと、の対応関係を示す。たとえば、eNB210は、調整結果<1である場合は、TTIバンドルサイズ=1、HARQプロセス数=1かつ送信電力制御モードへの移行を示すTPCコマンド=“00”を選択する。
また、eNB210は、調整結果=1である場合は、TTIバンドルサイズ=4、HARQプロセス数=1を示すTPCコマンド=“01”を選択する。また、eNB210は、調整結果=2である場合は、TTIバンドルサイズ=4、HARQプロセス数=2を示すTPCコマンド=“10”を選択する。また、eNB210は、調整結果≧4である場合は、TTIバンドルサイズ=4、HARQプロセス数=4を示すTPCコマンド=“11”を選択する。
(実施の形態4にかかる無線通信システムの動作)
図26は、実施の形態4にかかる無線通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。実施の形態4にかかる無線通信システム200においては、たとえば以下の各ステップが行われる。
まず、eNB210が、UE220との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS2601)。つぎに、eNB210が、TTIバンドリングを有効にすることを指示する上位レイヤ制御信号(TTIバンドリング=TRUE)をUE220へ送信する(ステップS2602)。
つぎに、UE220が、eNB210との間のTTIバンドリングを有効化する(ステップS2603)。図26に示す例では、TTIバンドリングを有効化したeNB210およびUE220は、初期モードとしてTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードになるとする。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS2604)。つぎに、eNB210が、ステップS2604によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS2605)。受信品質は、たとえば受信SINRである。図26に示す例では、eNB210は、ステップS2605によって測定した受信品質に基づいて、UE220のHARQプロセス数を1に変更させ、かつ送信電力制御モードに移行することを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS2605によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS2606)。ステップS2606のULグラントには、TPCコマンド=“00”が含まれる。すなわち、ステップS2606のULグラントは、TTIバンドルサイズを1、HARQプロセス数を1に設定し、送信電力制御モードに移行することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図24B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS2606によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、UE220のTTIバンドルサイズを1TTI、HARQプロセス数を1に調整する(ステップS2607)。つぎに、UE220が、ステップS2606によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS2608)。ステップS2608におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
また、ステップS2606により、eNB210およびUE220は送信電力制御モードに移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS2609)。つぎに、eNB210が、ステップS2609によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS2610)。図26に示す例では、eNB210は、ステップS2610によって測定した受信品質に基づいて、UE220の送信電力を3[dB]増加させることを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS2610によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS2611)。ステップS2611のULグラントには、TPCコマンド=“11”が含まれる。すなわち、ステップS2611のULグラントは、送信電力を3[dB]増加させることを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図24A参照)。
つぎに、UE220が、ステップS2611によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力を3[dB]増加させるように調整する(ステップS2612)。ステップS2612によって、UE220の送信電力が最大送信電力に到達したとする。したがって、UE220のPHRは0以下となる。
つぎに、UE220が、ステップS2611によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS2613)。ステップS2613におけるPUSCHの送信は、PUSCHを1回だけ送信するTTIバンドリングにより行われる。
UE220のPHRが0[dB]以下になったことにより、eNB210およびUE220はTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行する。
つぎに、UE220が、eNB210へサウンディングRSを送信する(ステップS2614)。つぎに、eNB210が、ステップS2614によって送信されたサウンディングRSに基づく受信品質を測定する(ステップS2615)。図26に示す例では、eNB210は、ステップS2614によって測定した受信品質に基づいて、UE220のHARQプロセス数を1に変更することを決定したとする。
つぎに、eNB210が、ステップS2615によって測定した受信品質に基づくULグラントをUE220へ送信する(ステップS2616)。ステップS2616のULグラントには、TPCコマンド=“01”が含まれる。すなわち、ステップS2616のULグラントは、TTIバンドルサイズを4、HARQプロセス数を1に設定することを指示するTPCコマンドを含む(たとえば図24B参照)。
つぎに、UE220が、ステップS2616によって送信されたULグラントに含まれるTPCコマンドに基づいて、TTIバンドルサイズを4TTI、HARQプロセス数を1に調整する(ステップS2617)。つぎに、UE220が、ステップS2616によって送信されたULグラントによって指示された無線リソースにより、PUSCHおよびPHRを送信する(ステップS2618)。ステップS2618におけるPUSCHの送信は、同一データを示すPUSCHを4TTIだけ連続して送信するTTIバンドリングにより行われる。
なお、ステップS2604,S2609,S2614によるサウンディングRSの送信は、たとえばUE220による周期的なサウンディングRSの送信であってもよい。
(実施の形態4にかかるeNB)
図27Aは、実施の形態4にかかるeNBの一例を示す図である。図27Bは、図27Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図27A,図27Bにおいて、図8A,図8Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図27A,図27Bに示すように、実施の形態4にかかるeNB210は、図8A,図8Bに示したTTIバンドリングコマンド生成部806に代えて、TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701を備える。TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701は、たとえば図8Cに示したCPU831によって実現することができる。
TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701は、モード切替制御部814からの切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モード時に、受信SINR推定部804から出力された受信SINRを取得する。そして、TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701は、取得した受信SINRに基づくUE220へのTTIバンドリング/HARQプロセス数コマンドを生成する。TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンドは、TTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数を指示する情報である。TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701は、生成したTTIバンドリング/HARQプロセス数コマンドをPUSCHスケジューラ807およびULグラント生成部808へ出力する。
モード切替制御部814は、eNB210とUE220との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。
図1A,図1Bの制御部112は、送信電力制御コマンド生成部805、TTIバンドリング/HARQプロセス数コマンド生成部2701、ULグラント生成部808、長区間受信品質判定部809およびモード切替制御部814などで実現することができる。
(実施の形態4にかかるUE)
図28Aは、実施の形態4にかかるUEの一例を示す図である。図28Bは、図28Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図28A,図28Bにおいて、図9A,図9Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図27A,図27Bに示すように、実施の形態4にかかるUE220は、図9A,図9Bに示したTTIバンドリング制御部907に代えて、TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801を備える。TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801は、たとえば図9Cに示したCPU931によって実現することができる。
モード切替制御部905は、eNB210との間のTTIバンドリングが有効化されると、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードと送信電力制御モードとの切替制御を開始する。たとえば、モード切替制御部905は、送信電力算出部906から出力されたPHRが0以下である場合は、次回の送信からTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードに切り替える。
TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801は、モード切替制御部905から出力された切替結果に基づいて、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モード時に、TTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数を決定する。具体的には、TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801は、PDCCH復調部904から出力されたULグラントに格納されたTPCコマンドに基づくTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数を決定する。そして、TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801は、決定したTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数をPUSCHスケジューラ908へ通知する。
PUSCHスケジューラ908は、TTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801から出力されたTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数によって連続送信およびHARQを行うようにPUSCHのスケジューリングを行う。
図1A,図1Bに示した制御部122は、たとえばモード切替制御部905、送信電力算出部906およびTTIバンドリング/HARQプロセス数制御部2801により実現することができる。
(実施の形態4にかかるeNBによる処理)
図29A〜図29Cは、実施の形態4にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるeNB210は、たとえば図29A〜図29Cに示す各ステップを実行する。図29A,図29Bに示すステップS2901〜S2931は、図10A,図10Bに示したステップS1001〜S1031と同様である。ただし、ステップS2930において、eNB210は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行する(ステップS2930)。
また、ステップS2918において、eNB210は、現在のモードがTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードであるか否かを判断する(ステップS2918)。モードがTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードでない場合(ステップS2918:No)は、eNB210は、ステップS2919へ移行する。
ステップS2918において、現在のモードがTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードである場合(ステップS2918:Yes)は、eNB210は、ステップS2932へ移行する。すなわち、eNB210は、ステップS2917によって測定した受信SINRと所定の目標値の差分に基づいて、UE220のHARQプロセス数の調整量を決定する(ステップS2932)。
つぎに、eNB210は、ステップS2932によって決定した調整量に基づく調整後のUE220のHARQプロセス数が1未満であるか否かを判断する(ステップS2933)。HARQプロセス数が1未満である場合(ステップS2933:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“00”を設定し(ステップS2934)、ステップS2940へ移行する。
ステップS2933において、調整後のHARQプロセス数が1未満でない場合(ステップS2933:No)は、eNB210は、調整後のHARQプロセス数が1であるか否かを判断する(ステップS2935)。調整後のHARQプロセス数が1である場合(ステップS2935:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“01”を設定し(ステップS2936)、ステップS2940へ移行する。
ステップS2935において、調整後のHARQプロセス数が1でない場合(ステップS2935:No)は、eNB210は、調整後のHARQプロセス数が2であるか否かを判断する(ステップS2937)。調整後のHARQプロセス数が2である場合(ステップS2937:Yes)は、eNB210は、TPCコマンドに“10”を設定し(ステップS2938)、ステップS2940へ移行する。
ステップS2937において、調整後のHARQプロセス数が2でない場合(ステップS2937:No)は、eNB210は、TPCコマンドに“11”を設定し(ステップS2939)、ステップS2940へ移行する。
つぎに、eNB210は、ステップS2933〜S2939によって設定したTPCコマンドを格納したULグラントをUE220へ送信する(ステップS2940)。つぎに、eNB210は、ステップS2940によって送信したULグラントにより指示した無線リソースによって、UE220からのPUSCHを受信する(ステップS2941)。つぎに、eNB210は、ステップS2933〜S2939によって設定したTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS2942)。
ステップS2942において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS2942:No)は、eNB210は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードを維持し(ステップS2943)、ステップS2931へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS2942:Yes)は、eNB210は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS2944)、ステップS2931へ移行する。
(実施の形態4にかかるUEによる処理)
図30A〜図30Cは、実施の形態4にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるUE220は、たとえば図30A〜図30Cに示す各ステップを実行する。図30A,図30Bに示すステップS3001〜S3030は、図11A,図11Bに示したステップS1101〜S1130と同様である。
ただし、ステップS3028において、UE220は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードへ移行する(ステップS3028)。また、ステップS3017において、UE220は、現在のモードがTTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードであるか否かを判断する(ステップS3017)。TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードでなく送信電力制御モードである場合(ステップS3017:No)は、UE220は、ステップS3018へ移行する。
ステップS3017において、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードである場合(ステップS3017:Yes)は、UE220は、ステップS3031へ移行する。すなわち、UE220は、ステップS3016によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であるか否かを判断する(ステップS3031)。TPCコマンドが“00”である場合(ステップS3031:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが1、HARQプロセス数が1であると判定し(ステップS3032)、ステップS3038へ移行する。
ステップS3031において、TPCコマンドが“00”でない場合(ステップS3031:No)は、UE220は、TPCコマンドが“01”であるか否かを判断する(ステップS3033)。TPCコマンドが“01”である場合(ステップS3033:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、HARQプロセス数が1であると判定し(ステップS3034)、ステップS3038へ移行する。
ステップS3033において、TPCコマンドが“01”でない場合(ステップS3033:No)は、UE220は、TPCコマンドが“10”であるか否かを判断する(ステップS3035)。TPCコマンドが“10”である場合(ステップS3035:Yes)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、HARQプロセス数が2であると判定し(ステップS3036)、ステップS3038へ移行する。
ステップS3035において、TPCコマンドが“10”でない場合(ステップS3035:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズが4、HARQプロセス数が4であると判定し(ステップS3037)、ステップS3038へ移行する。
つぎに、UE220は、ステップS3031〜S3037によって判定したTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数によってTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数を調整する(ステップS3038)。つぎに、UE220は、ステップS3016によって受信したULグラントに格納されたTPCコマンドが“00”であったか否かを判断する(ステップS3039)。
ステップS3039において、TPCコマンドが“00”でなかった場合(ステップS3039:No)は、UE220は、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードを維持し(ステップS3040)、ステップS3029へ移行する。TPCコマンドが“00”であった場合(ステップS3039:Yes)は、UE220は、送信電力制御モードへ移行し(ステップS3041)、ステップS3029へ移行する。
このように、実施の形態4によれば、UE220の送信電力制御に用いられるULグラントのTPCコマンドを用いて、UE220のTTIバンドルサイズとHARQプロセス数との組み合わせを通知することができる。これにより、UE220のTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数を可変としつつ、eNB210からUE220へのTTIバンドルサイズおよびHARQプロセス数の通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
また、TTIバンドルサイズ/HARQプロセス数制御モードにおいて、TPCコマンドを用いてTTIバンドルサイズとHARQプロセス数との組み合わせを制御する場合について説明した。これに対して、HARQプロセス数のみを制御(TTIバンドルサイズは固定)するようにしてもよい。この場合も、UE220のHARQプロセス数を可変としつつ、eNB210からUE220へのHARQプロセス数の通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
以上説明したように、無線通信システム、基地局、端末および処理方法によれば、端末の送信電力制御に用いられる制御情報の所定領域を用いて、上り通信に関する端末の送信電力以外のパラメータを通知することができる。これにより、該パラメータを可変としつつ、基地局から端末への該パラメータの通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
一例として、LTE標準化のカバレッジ拡張(Coverage enhancements)技術が検討された。たとえば、Rel−11 SIとして、LTEシステムが単独でネットワークを構築する際に、カバレッジ特性を制限する原因となる物理チャネルを調査する検討が行われた(3GPP TR36.824 V11.0.0)。また、Rel−12 WIとして、ULVoIP等のカバレッジ拡張技術が検討された(3GPP RP−130833)。
これらの検討された内容は、主に以下のAlt.1、Alt.6.1、Alt.6.2およびAlt.6.3に分類される。Alt.1は、RTTを16[ms]から12[ms]に削減するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.1は、新規送信時と再送時でTTIバンドルサイズを変えるという内容である。これにより、新規送信時のTTIバンドルサイズを大きくすることで、ゲインが増大する。
Alt.6.2は、複数のHARQプロセスを使って1個のトランスポートブロック(transport block)を送信するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.3は、制御信号に従ってTTIバンドルサイズを可変にするという内容である。これにより、より柔軟にゲインを調整することができる。
たとえば、従来、上位レイヤ(たとえばRLC層)の制御信号により、TTIバンドリングの有効/無効が切り替えられるため、設定の変更に時間がかかり、無線チャネル品質に追従した制御が困難であった。
このため、従来、たとえば、TTIバンドリングの有効時に無線チャネル品質が急激によくなった場合に、過剰なゲインのために時間周波数リソースを浪費してしまう場合があった。一方、TTIバンドリングの無効時に無線チャネル品質が急激に悪くなった場合に、十分なゲインを得られずに受信特性が劣化してしまう場合があった。また、RTTやHARQプロセス数についても同様に、無線チャネル品質に応じて柔軟な調整ができなかったため、通信を効率よく行うことができなかった。
これに対して、TTIバンドルサイズ、RTT、HARQプロセス数などを可変にすることが考えられるが、これらの調整指示を基地局から端末へ通知するために制御情報のオーバーヘッドが増大してしまう。
上述した各実施の形態によれば、たとえばUE220の送信電力制御に用いられるULグラントのTPCコマンドを用いて、UE220のTTIバンドルサイズなども通知することができる。これにより、UE220のTTIバンドルサイズなどを可変としつつ、eNB210からUE220へのTTIバンドルサイズの通知に伴う制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
ここで、たとえばTTIバンドリングの適用を要する場合は、UE220の送信電力はほぼ最大送信電力に達している可能性が高い。一方、UE220の送信電力を調整する場合は、TTIバンドリングを適用しなくても十分なゲインを得られている可能性が高い。このため、送信電力の制御とTTIバンドリングの制御を同時に行うメリットは小さい。
これに対して、上述した各実施の形態によれば、たとえば送信電力およびTTIバンドルサイズのうちの一方を固定し、他方をTPCコマンドによって制御することができる。これにより、TPCコマンドを、送信電力の制御と、TTIバンドルサイズの制御と、で共用し、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
同様に、送信電力の制御とRTTの制御を同時に行うメリットは小さい。これに対して、上述した各実施の形態によれば、たとえば送信電力およびRTTのうちの一方を固定し、他方をTPCコマンドによって制御することができる。これにより、TPCコマンドを、送信電力の制御と、RTTの制御と、で共用し、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
同様に、送信電力の制御とHARQプロセス数の制御を同時に行うメリットは小さい。これに対して、上述した各実施の形態によれば、たとえば送信電力およびHARQプロセス数のうちの一方を固定し、他方をTPCコマンドによって制御することができる。これにより、TPCコマンドを、送信電力の制御と、HARQプロセス数の制御と、で共用し、制御情報のオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)端末へ送信する制御情報の所定領域に端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な基地局と、
前記第1状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて送信電力を調整する第3状態と、前記第2状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて、自端末が同一のデータを連続して送信する回数を調整する第4状態と、を切り替え可能な端末と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記2)前記端末は、前記第3状態において前記所定領域の値に基づいて前記回数を調整せず、前記第4状態において前記所定領域の値に基づいて前記送信電力を調整しないことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記基地局は、前記第1状態において、前記送信電力を指示する値および前記第4状態への切り替えを指示する値の中から選択した値を前記所定領域に格納し、前記第2状態において、前記回数を指示する値および前記第3状態への切り替えを指示する値の中から選択した値を前記所定領域に格納し、
前記基地局が前記第4状態への切り替えを指示する値を前記所定領域に格納した場合に、前記端末が前記第4状態へ移行し、前記基地局が前記第2状態へ移行し、
前記基地局が前記第3状態への切り替えを指示する値を前記所定領域に格納した場合に、前記端末が前記第3状態へ移行し、前記基地局が前記第1状態へ移行する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記端末は、前記端末の送信電力に応じた情報を前記基地局へ送信し、
前記基地局は、前記第1状態および前記第2状態のうちの前記端末の送信電力に応じた情報に対応する状態に切り替え、
前記端末は、前記第3状態および前記第4状態のうちの前記端末の送信電力に応じた情報に対応する状態に切り替える、
ことを特徴とする付記1または2に記載の無線通信システム。
(付記5)前記基地局は、前記第1状態において、前記送信電力に応じた情報が所定値になった場合に前記第2状態へ切り替え、
前記端末は、前記第3状態において、前記送信電力に応じた情報が前記所定値になった場合に前記第4状態へ切り替え、
前記基地局は、前記第2状態において、前記回数を指示する値および前記第3状態への切り替えを指示する値の中から選択した値を前記所定領域に格納し、前記選択した値が前記第1状態への切り替えを指示する値である場合に前記第1状態へ切り替え、
前記端末は、前記第4状態において、前記所定領域の値が前記第3状態への切り替えを指示する値である場合に前記第3状態へ切り替える、
ことを特徴とする付記4に記載の無線通信システム。
(付記6)前記端末の送信電力に応じた情報は、前記端末の送信電力と、前記端末の最大送信電力と、の差分を示す情報であることを特徴とする付記4または5に記載の無線通信システム。
(付記7)前記端末は、データの新規送信および再送のうちの前記新規送信についての前記回数を調整することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記8)前記基地局は、前記第2状態において、前記回数と、前記端末がデータを送信してから前記データを再送するまでの時間と、の組み合わせを示す値を前記所定領域に格納し、
前記端末は、前記第4状態において、前記所定領域の値に基づいて、前記回数と、自端末がデータを送信してから前記データを再送するまでの時間と、の組み合わせを調整する、
ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記9)前記基地局は、前記第2状態において、前記回数と、前記同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数と、の組み合わせを示す値を前記所定領域に格納し、
前記端末は、前記第4状態において、前記所定領域の値に基づいて、前記回数と、自端末が前記同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数と、の組み合わせを調整する、
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記10)前記プロセスはHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)のプロセスであることを特徴とする付記9に記載の無線通信システム。
(付記11)前記制御情報は、前記端末から前記基地局への無線信号の送信に対して前記基地局が割り当てた無線リソースを示す情報であることを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記12)前記同一のデータを連続して送信する回数は、TTI(Transmission Time Interval)バンドリングにおけるTTIバンドルサイズであることを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記13)端末へ制御情報を送信する送信部と、
前記送信部によって送信される前記制御情報の所定領域に前記端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な制御部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記14)端末へ送信する制御情報の所定領域に前記端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な基地局から前記制御情報を受信する受信部と、
前記第1状態の前記基地局から前記受信部が受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて送信電力を調整する第3状態と、前記第2状態の前記基地局から前記受信部が受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて、自端末が同一のデータを連続して送信する回数を調整する第4状態と、を切り替え可能な制御部と、
を備えることを特徴とする端末。
(付記15)基地局における処理方法であって、
端末へ制御情報を送信し、
送信する前記制御情報の所定領域に前記端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替える、
ことを特徴とする処理方法。
(付記16)端末における処理方法であって、
端末へ送信する制御情報の所定領域に前記端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する回数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な基地局から前記制御情報を受信し、
前記第1状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて送信電力を調整する第3状態と、前記第2状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて、自端末が同一のデータを連続して送信する回数を調整する第4状態と、を切り替える、
ことを特徴とする処理方法。
(付記17)端末へ送信する制御情報の所定領域に端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末がデータを送信してから前記データを再送するまでの時間を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な基地局と、
前記第1状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて送信電力を調整する第3状態と、前記第2状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて、自端末がデータを送信してから前記データを再送するまでの時間を調整する第4状態と、を切り替え可能な端末と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記18)端末へ送信する制御情報の所定領域に端末の送信電力を指示する値を格納する第1状態と、前記端末が同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数を指示する値を前記所定領域に格納する第2状態と、を切り替え可能な基地局と、
前記第1状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて送信電力を調整する第3状態と、前記第2状態の前記基地局から受信した制御情報の前記所定領域の値に基づいて、自端末が同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数を調整する第4状態と、を切り替え可能な端末と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。