以下、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける施設及び流通経路等を模式的に示す。同図において、施設及び流通経路から見た商品出荷管理システム10は、大別して、物流センター11〜13と最寄り拠点14〜16とを含み、経路143〜144、155〜158、166〜169を介して顧客宅141〜142、151〜153、162〜165、199まで商品等を配送する一大物流網の一部を構成している。
なお、物流センター11〜13、及び最寄り拠点14〜16の数は、これらの数に限定されるものではなく、任意のセンター数及び拠点数を含みうる。以下、本発明の理解の容易のために、便宜上、図1に示されたモデルに沿って説明する。
[本発明の基本概念:物流センター及び最寄り拠点]
本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける施設の特徴は、少なくともこれら2種類の施設が含まれることである。基本概念としては、従来の物流拠点としての物流センターに加えて、所定時間内に顧客宅へ配送可能な地理的な拠点として本発明の一実施形態にかかる最寄り拠点が設けられたものである。
つまり、最寄り拠点は、顧客に短時間で商品等を届けることができるように設けられた本発明に特有の配送拠点であり、この最寄り拠点が設けられた物流網は本発明の基本概念の1つを構成している。
また、図1に示されるように、物流センター同士においても異なる役割があっても良い。例えば、同図において、物流センター12は、経路121、122を介して最寄り拠点14、15へ商品等を配送し、物流センター13は、経路131、132を介して最寄り拠点15、16へ商品等を配送する一方で、物流センター11は、経路112、114を介して他の物流センター12、13へ商品等を配送するほか、経路111、113、115を介して最寄り拠点14、15、16へ商品等を配送する役割も担っている。例えば、最寄り拠点14へは、通常地理的に近い物流センター12から商品等が供給されるが、物流センター12に在庫が無い場合には、物流センター11から商品等が最寄り拠点14へ供給される場合もある。
なお、図1には示されていないが、物流センター11〜13から直接に顧客宅へ商品等を配送する経路を設けることしても良い(本発明においては本質的部分ではないので、図示を省略する)。
また、図1において、最寄りエリア140は、最寄り拠点14から所定時間(例えば、30分とか1時間など)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅141、142が含まれる。
同様に、最寄りエリア150は、最寄り拠点15から所定時間(例えば、30分とか1時間など)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅151、152、153、199が含まれる。また、最寄りエリア160は、最寄り拠点16から所定時間(例えば、30分とか1時間など)内に商品等を届けることのできるエリアを示しており、同エリアには、模試的に顧客宅162、163、164、165、199が含まれる。
ここで、同図において、顧客宅199は、例示的に最寄りエリア150にも最寄りエリア160にも含まれている。このことは、顧客宅199へは、最寄り拠点15からも最寄り拠点16からも所定時間内に商品等を届けることができることを意味している(例えば、最寄り拠点15から顧客宅199へは35分で商品等を届けることができ、最寄り拠点16から顧客宅199へは40分で商品等を届けることができる、など)。
[本発明の基本概念:2種類の商品区分]
本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおけるもう1つの特徴は、取扱商品に「ストック商品」と「非ストック商品」という2種類の区分を設けている点である。これらの商品区分は、最寄り拠点の最寄りエリア内の顧客からの日常的な需要の高低によって区分される。最寄り拠点の最寄りエリア内の顧客からの日常的な需要が高い商品はストック商品と区分され、顧客からの注文が入っていなくとも一定数がその最寄り拠点に常備されるように管理される。
一方で、非ストック商品は、顧客からの注文が入った時点で、物流センターから最寄り拠点に配送され、最寄りエリア内の顧客宅に届けられる(あるいは、物流センターから直接に顧客宅に届けられる場合もある)。
「ストック商品」及び「非ストック商品」は、最寄りエリア内の日常的な需要の高低によって最寄りエリアごとにシステム上選定されるものであるので、商品区分(家電製品であるとか、書籍、コスメ商品であるなど)によって一律に決まるものではない。しかしながら、一般的傾向として、冷蔵庫や大型テレビなどの家電製品は非ストック商品に区分されることが多く、シャンプーやトイレットペーパーなどの日用品はストック商品に区分されることが多い。また、ストック商品についても、地域によって、また、年中行事や震災直後といった事情によって、地理的・時間的に変動する。
以下に、本明細書における「ストック商品」及び「非ストック商品」の定義付けを行う。
ストック商品:最寄りエリア内の顧客から短期間に繰り返し需要が発生する商品である。日用品や消耗品などが挙げられる。本発明の一実施形態においては、常に最寄り拠点に一定数ストックされるよう管理される商品である。
非ストック商品:ストック商品以外の商品である。典型的には顧客からの発注があった時点で物流センターから受け渡される商品であり、大型家電やカメラなどの高級商材などが挙げられる。
[物流管理]
ここまでの説明で、「最寄り拠点から所定時間内に商品等を届けることができる」、「在庫が無い場合」等と説明している部分は、システム上、配送ないし配達にかかる時間(予想時間)や拠点における商品等の在庫数が管理されていることによって判断可能となる。本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムの全体構成例については、図2を参照して後述するが、例えば、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける管理サーバが、図1におけるいずれのかの物流センターないし最寄り拠点、あるいは、図示されていない社屋等に設置され、かかる管理サーバが各センター及び各拠点と情報端末及びネットワークによって接続されて、各拠点等における商品等の在庫状況及び入出庫数、並びに各拠点間ないし目的地までの配送ないし配達状況が時々刻々と管理されるものである。さらに、これらの実績等から、各拠点間ないし目的地までの配送ないし配達時間が算出され、逐次更新管理される。
したがって、図1における各経路も、それぞれ常に唯一のルートであるという訳でもない。例えば、物流センター11から最寄り拠点14への経路は、111としてシステム上管理されているが、これ以外の1以上のルートを代替ルートとして記憶管理させることもできる。また、最寄り拠点14から顧客宅141への経路についても、同図では143としてシステム上管理されているが、1以上の代替ルートを記憶管理させることもできる。
これらの代替ルートは、例えば、その時々の交通状況によって代替的に採用させて、具体的な配送設備(拠点)ないし配送手段(配送車)に対して指示させることができる。
[販売管理]
また、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおいては、商品等の販売管理も行われている。本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムは、図示しない店舗POSレジや通信販売(電子商取引)システムとも連動しており、店舗における販売実績や通販による販売実績も顧客ごとに管理している。そのためのデータベースとして、一実施形態において次のようなデータベース(D1)〜(D8)を管理サーバ内に有しており、各種端末からの参照や更新要求が可能となっている。
(D1)顧客管理データベース
顧客に関する項目が登録されたデータベースであり、顧客氏名、住所、電話番号等の個人情報と、保有ポイントや最寄り拠点等の付帯情報とが登録されている。
(D2)商品管理データベース
商品に関する項目が登録されたデータベースであり、商品名、JANコードに対応付けられる商品コード等が登録管理されている。
(D3)在庫管理データベース
拠点ごとの商品在庫を管理するためのデータベースであり、適宜商品管理データベースと連携し、必要なテーブルが派生抽出される。
(D4)倉庫管理データベース
物流センター等の倉庫に保管されている商品在庫を管理するためのデータベースである。
(D5)販売管理データベース
拠点や店舗ごとに販売された商品に関する実績管理データベースである。
(D6)ストック候補商品データベース(ないしテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベースから派生抽出されるデータベースであり、具体的な抽出例は後述する。
(D7)ストック希望商品データベース(ないしテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベース、顧客管理データベースから派生した顧客ごと、最寄り拠点ごとのストック希望商品データベースである。具体的な抽出例は後述する。
(D8)最寄り拠点ごと(顧客ごと)のストック商品データベース(ないしテーブル)
商品管理データベース、在庫管理データベース、顧客管理データベースから派生した最寄り拠点ごとのストック商品在庫管理を行うためのデータベースである。具体的な抽出例は後述する。
[最寄り拠点の役割]
最寄り拠点では、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムを含む物流システムにおいて、次の役割を担う(システム動作、拠点内スタッフ等の作業員による作業をまとめて列挙する)。
(1)対象ストック商品の保管、仕分け、対象ストック商品の更新管理。
(2)最寄りエリア内の顧客から対象ストック商品に注文が入った場合の配送処理(注文商品のピッキング、宛先ラベリング)。
(3)最寄りエリア内の顧客が注文した非ストック商品が物流センターから届いた場合の一時保管及び顧客宅への配送(典型的には、非ストック商品は、宛先ラベリングが済まされた状態で最寄り拠点に引き渡される)。
(4)最寄りエリア内の顧客が注文した非ストック商品とストック商品の同梱配送(同梱して配送する場合は、最寄り拠点にて同梱作業や宛先ラベリング作業が行われる)。
(5)最寄りエリア内の顧客への配送を行ったが不在であった場合の再配達。
(6)上記(5)再配達時にストック商品の追加注文があった場合の当該ストック商品の同時配送。
なお、本発明の一実施形態においては、物流センターから最寄り拠点への配送は、同一業者内の業務として実施され、他の宅配業者等への委託は行われない。例えば、業者内の自社便等により1日数回程度、対象商品が配送される。
図2に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムの全体構成例を示す。
図2に示されるように、商品出荷管理システム20は、その一実施形態における構成として、管理サーバ21と、ユーザ(顧客)や配達員等が使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、携帯情報端末ないしタブレット端末22、携帯電話23、PC24〜26、POS端末27〜28が示されている。以下、総称して「各種端末」ないし単に「端末」とも言うこともある)とで構成されている。商品出荷管理システム21、各種端末間は、図1に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、37〜39)で相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯情報端末ないしタブレット端末22及び携帯電話23、並びにPOS端末27〜28は、無線で図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット39に乗り入れ、更に回線38を介して管理サーバ21と相互に通信可能に接続される。
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末ないしタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)に比肩する処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
あるいは、ブラウザベースのコンピュータないし携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザではこれを実行するという構成になる。
また、管理サーバ21のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、図3を参照して後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、管理サーバ21は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台〜数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
図3に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける管理サーバの機能ブロック図を示す。例示的に、管理サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
図3において、ハードウェアブロック全体としての管理サーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU301と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部302と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部303と、ディスプレイやスピーカ等の出力部304と、各種信号制御のための制御部305と、通信(インタフェース)部306(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部307と、電源部312とからなる。
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図3においては、便宜上各線が適宜区分された結線399としてひとまとめに表す)によって接続されている。
また、本発明の実施に必要な管理サーバ300上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部302を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU301において演算実行される。
なお、演算実行は必ずしもCPU301等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
図4に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける情報処理装置としてのタブレット端末22の外観構成を示す。図4において、情報処理装置(タブレット端末)22は、筐体部221とディスプレイ222と筐体221の下部中央部に設けられたハードウェアボタン223とからなる。ディスプレイ222は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ222にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指ないしタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末22への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン223は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン223を、ディスプレイ222の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
また、ディスプレイ222には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末22の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
また、図4には現れていないが、タブレット端末22は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図4には現れていないが、タブレット端末22の背面等にCMOS等のカメラデバイスを実装させることもできる。
図5に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末22を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末22の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
図5において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末500は、大別すると、図4におけるハードウェアボタン223、ディスプレイ222に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部501と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部502と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部503と、ディスプレイ222等で構成される表示部504と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部505と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部506と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部507と、時刻等を計時するための計時部508と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部509と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部510とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図5においては、便宜上各線が適宜区分された結線599としてひとまとめに表す)によって接続されている。
なお、センサ部509には、タブレット端末500(22)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部509を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部501において入力情報として処理することができる。
また、本発明の実施に必要なタブレット端末500上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部502を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部502内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU503において演算実行される。
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部503で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
[最寄り拠点にストックされるストック商品の決定]
本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムでは、最寄り拠点にストック(在庫)させるべきストック商品の判断ないし決定が行われるが、ここでは、その詳細について説明する。
上述したとおり、ストック商品は、最寄りエリア内の日常的な需要の高低によって最寄りエリアごとにシステム上選定されるものであるが、より具体的には、(1)ストック候補商品の選定を行い、(2)その中から、生産終了ないし販売終了した候補商品を除外し、(3−A)さらにその中から、顧客による自身のストック登録要求を受け付けるか、あるいは、(3−B)自動判定によるストック登録を行う、といった流れで選定される。
特に、上記(1)のストック候補商品の選定には、(1−A)販売実績データを解析することによるストック候補商品の選定と、(1−B)商品管理情報によるストック候補商品の選定とがある。以下、順を追って詳述する。
1−A.販売実績データを解析することによるストック候補商品の選定処理
このストック候補商品の選定処理は、過去に蓄積した販売実績データ(販売管理DBに記録されている)を解析して顧客から繰り返し需要が発生する(顧客から一定期間内に一定数の注文が入る)商品を抽出するための自動抽出ロジックを設定し、この自動抽出ロジックに基づいて最寄り拠点にストックする候補商品を選定する(抽出ロジック作成処理概念については、図7を参照して後述する)。
1−B.商品管理情報によるストック候補商品の選定処理
このストック候補商品の選定処理は、顧客が過去に購入した商品(販売管理DBに記録されている)のうち、シリーズものの書籍であって未完結のものやバージョンアップされたソフトウェア商品を抽出することにより処理される。商品がシリーズものであることやその商品のバージョン番号については、商品管理DBに記録されている。
2.生産終了ないし販売終了した候補商品の除外処理
この除外処理は、候補商品の在庫状況が「生産終了」や「販売終了」等の供給不能状態になっている商品を候補から除外するための処理である。かかる情報は、商品管理DBにおいて商品ごとに記録されており、特定の商品が生産終了や販売終了になれば都度情報更新されるものである。
なお、在庫状況が販売終了等の候補商品であってもメーカー等からの取り寄せが可能な候補商品(かかる情報も商品管理DBにおいて商品ごとに管理することができる)は、除外しないように制御することもできる。
3−A.顧客による自身のストック登録要求受け付け処理
この登録処理は、上記2までで抽出された候補商品情報を顧客端末上に提供して顧客によって選定させることによりストック登録するものである。典型的には、顧客は、顧客端末を通じてストック候補商品の中から、発注した場合には短時間(例えば、30分とか1時間とか)での配送を希望する商品を選定及びストック登録することになる。
この登録処理については、図8〜図9を参照して更に詳述するが、顧客端末の登録によってストック登録がなされるので、最寄りエリアごとに異なるストック商品群が形成され、システムにおいて管理されることになる。
3−B.自動判定によるストック登録処理
この登録処理は、顧客がストック登録をしていなくとも、商品出荷管理システム運用者の観点から需要の高い商品や繰り返し購入(リピート購入)率の高い商品をピックアップしてストック商品に自動登録するものである。需要の高さの基準やリピート購入率の基準は、システム運用者によって適宜設定することができる。なお、この登録処理は、全ての最寄り拠点に対して共通に登録したり、地域ごとないし最寄りエリアごとに異なった登録を行ったりするなど、柔軟な運用が可能である。
図6に、上述した最寄り拠点にストックされるストック商品の決定処理ないし登録処理のフローを示す。ステップS601において処理が開始されると、ステップS602において、データ解析によるストック候補商品の抽出が行われる。具体的には、管理サーバ21において、販売管理DB等を参照して処理される。次に、ステップS603へ進み、商品情報によるストック候補商品の抽出が行われる。具体的には、管理サーバ21において、商品管理DB等を参照して処理される。
ステップS604では、ステップS602及びステップS603で抽出された候補商品のうち、生産終了ないし販売終了となっている商品があるかどうかが判断され、Yesの場合、ステップS605へ進み、該当商品を除外する処理がなされる。具体的には、管理サーバ21において、商品管理DB等を参照して処理される。ただし、商品管理DB等で別途管理されているフラグを参照するなどして、メーカー等からの取り寄せが可能と判断された場合には、除外しない(ステップS604で、Noと判断させる)ことも可能である。
ステップS606では、顧客の端末に提示されたストック候補商品に対して、顧客からストック希望商品の登録処理があったかどうかが判断され、ない場合にはステップS608へ進むが、顧客からストック希望商品の登録処理があった(ステップS606において、Yes)の場合は、ステップS607へ進み、指定されたストック候補商品のストック登録処理が行われる。具体的は、管理サーバ21において、商品管理DB等が更新されるか、商品管理DBから抽出された最寄り拠点ごとのストック商品管理テーブルが更新されることにより実施される。
次に、ステップS608では、商品出荷管理システム運用者の観点から設定された自動判定処理が行われ、かかる自動判定基準に照らしてストック登録すべき候補商品があるかどうかが判断される。ステップS608においてYesの場合は、ステップS609へ進み、自動判定基準を満たすストック候補商品のストック登録処理が行われる。具体的は、管理サーバ21において、商品管理DB等が更新されるか、商品管理DBから抽出された最寄り拠点ごとのストック商品管理テーブルが更新されることにより実施される。
ステップS608においてNoの場合、あるいは、ステップS609を終えると、ステップS610へ進み、最寄り拠点にストックされるストック商品の決定処理ないし登録処理のフローとしては終了する。
図7に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおいて、最寄り拠点にストックする候補商品を選定するための抽出ロジックの作成処理概念を示す。
図7における本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムは、フロントシステム710と基幹システム720と分析環境740とストック候補商品DBないしテーブル750に表れている。同図において、基幹システム720に対しては、店舗(のPOSレジなど)701と、顧客端末に向けたWEBサイト702及び顧客端末等の端末アプリ703へのフロントシステム710とからアクセスされるようになっている。店舗(のPOSレジ)701は、実店舗で販売された商品や実店舗への配送を要求された商品等の情報を基幹システム720とやり取りするものであり、フロントシステム710を介したWEBサイト702や端末アプリ703は、インターネット等を介した電子商取引を通じて注文や販売された商品等の情報を基幹システム720とやり取りするものである。
フロントシステム710は、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける基幹720と、顧客端末に向けたWEBサイト702及び顧客端末等の端末アプリ703fとの間の取引ないし手続上の仲介をするソフトウェアモジュールであり、管理サーバ21やその他のサーバ上で作動する。フロントシステム710は、そのサブモジュールとして、顧客端末等に商品の推奨する商品推奨ロジック711、顧客端末から閲覧されたり、注文等される商品を追跡等したりする行動ログロジック712、その他の処理系からなるロジック713を含む。
また、基幹システム720は、販売管理DBを含む販売管理処理系721、倉庫管理DBを含む倉庫管理処理系722、在庫管理DBを含む在庫管理処理系723、顧客管理DBを含む顧客管理処理系724、商品管理DBを含む商品管理処理系725、その他のDBを含む他の処理系726を含む。
図7において、最寄り拠点にストックする候補商品を選定するための抽出ロジックは、一例として、商品管理サーバ21内に構築された分析環境740において作成される。その手順は次のとおりである。すなわち、同図に示されるように、店舗(のPOSレジなど)701と、顧客端末に向けたWEBサイト702及び顧客端末等の端末アプリ703へのフロントシステム710とからアクセスされ、商品情報や販売情報等を更新管理している基幹システム720からデータ収集(730)が行われ、分析環境740のデータウェアハウスへ送り込まれる。すなわち、ストック候補商品の選定処理は、顧客情報、商品情報、購入情報(販売情報)、閲覧情報などを分析用データウェアハウス741に収集し、蓄積されたデータを解析する(742)ことにより作成された商品抽出ロジック(743)によって自動的に行われる(744)。
データ解析742では、データウェアハウス741に対する種々のデータ解析が行われる。本発明は、これらに限定されるものではないが、データウェアハウスに蓄積されるデータは、一般に時系列に整理された大量の統合業務データであり、様々な項目間の関連性が分析される。例えば、店舗701での売上データから「週末にフィットネス用品を買う40代及び50代の男性は、一緒に関連する書籍を購入することが多い」とか「防水スプレー等の日用品は、雨の日の前日に最もよく売れる」など、従来の単純な集計では明らかにならなかった各要素間の関連を洗い出す。
そして、抽出ロジック作成処理743では、一例として、次の観点(A)〜(C)から抽出ロジックが作成される。
(A)過去に繰り返し購入されている商品
これは、時系列に整理された大量の販売実績データ、及び顧客データ等から、商品ごとの販売実績を集計してランキング処理等をすることによって、購入層ごとに任意の期間中に繰り返し購入されている商品を抽出することができる。
販売実績データや顧客データなどのデータは、具体的には、店舗や電子商取引を実施するWEBサイトでの顧客別の商品購入実績や顧客情報、商品情報などのデータをもとに、一定期間に一定頻度以上の購入回数があるかどうかなどを判断することにより、繰り返し購入商品であると判定したり、特定の顧客が一定数以上の商品を一定期間に一定頻度以上購入した実績等があれば繰り返し購入傾向が強い商品であると判定したりする。
(B)他の商品と併せて購入される傾向のある商品
時系列に整理された大量の販売実績データ等から顧客ごとに同時購入された商品の組み合わせを分析することにより、他の商品と併せて購入される傾向のある特定の商品や、併せて購入される商品の組み合わせ等として抽出することができる。
(C)比較的単品でも購入される傾向のある商品
時系列に整理された大量の販売実績データ等から抽出することができる。
上記(B)、(C)については、店舗や電子商取引を実施するWEBサイトでの商品購入実績や商品閲覧実績、顧客情報、商品情報等から、例えば商品ごとの販売個数を集計することによる販売成長率の分析を行ったり、商品の詳細ページ閲覧をカウントすることによるページビューの増加率の分析を行ったり、その他単品購入率や特定商品のリピート購入率、同時購入率などの分析を行ったりして、それらの数値が一定値以上になった商品について、特定の傾向がある商品であると判定することができる。判定された商品はその傾向と程度を表わす識別子及びランク値とともに、商品管理DBあるいは商品管理DBから抽出された最寄り拠点ごとのストック商品管理テーブルに記録管理される。
また、上記(A)〜(C)に例示したロジック判定は、常に固定された観点から実施されるものではなく、過去の販売実績データ等から作成されるものであって、ストック候補商品の各パラメータ(各種項目)に沿った分析抽出基準を含むものであれば、適宜代替ロジックによって判定されうる。
商品自動抽出744では、作成された抽出ロジックに基づいた商品の自動抽出処理が行われる。自動抽出された商品群は、ストック候補商品として、ストック候補商品DBないしテーブル750に格納される。
次に、図8〜図9を参照して、顧客によるストック希望商品の登録処理例について詳述する。図8は、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおけるストック商品登録処理ないし更新処理のフローチャートであり、図9は、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける顧客端末上での表示例を示す。なお、図8に示された処理例は、図6に示した登録要求処理及び/又は自動登録処理を阻害するものではなく、並行して、あるいは代替的に実施しうる処理の一例である。
図8のステップS801において処理が開始されると、ステップS802へ進み、ストック候補商品DBないしテーブル750からフロントシステム710へ在庫有りストック候補商品の取込みが行われる。
次に、ステップS803へ進み、フロントシステム710において、商品推奨ロジック711等を起動させるなどして、在庫有りストック候補商品情報をユーザ端末に配信することにより、かかる候補商品の提示ないし推奨が行われる。ステップS804では、ユーザ端末上での顧客からのストック商品絞り込み要求ないし登録要求の有無を待つ。ステップS804においてNoの場合はステップS803へ進んで本フローとしては終了する(あるいは要求待ちとして、ステップS804へ復帰させてもよい)が、同ステップにおいてYesの場合はステップS805へ進み、顧客から要求のあった登録要求情報に基づき、必要に応じてストック候補商品の絞り込みが行われ、ステップS806にて顧客から要求のあったストック希望商品の登録処理が行われる。ステップS807では、顧客からの要求に基づき登録されたストック希望商品に基づいて、ストック候補商品DBないしテーブル750が更新され、本フローとしては終了する(ステップS808)。
図9に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける情報処理装置(ユーザないし顧客端末)の表示例を示す。同図において、端末900の筐体910上に設置されたディスプレイ920上には、図8を参照して例示したストック候補商品リスト930が「在庫有りストック候補商品の一覧です(全xxx件)」とのメッセージとともに表示されている。リスト930中、商品Aについて提供されている情報について説明すると、商品Aは、その商品イメージ931とともに、商品名932が提示され、通常価格及び販売価格933も提示されている。また、購入時の付与ポイント934についても提示されている。
さらに、顧客が当該商品Aをその顧客用のストック商品として登録したい場合には、「Myストック」として登録できるように登録ボタン935が設けられている。その顧客が「Myストック」に登録した商品情報は、同図の「Myストックへ」と記されたボタン921を押下することにより図示しない確認画面へ遷移して確認することができる(図示しないが、Myストック確認画面では、登録状態のアクティブ/非アクティブの切り替え、登録解除(削除)等の編集ボタンを備えることもできる)。
図9において、商品B及び商品Cも、商品Aと同様に情報提供されている様子が確認できる。
このように、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける電子商取引においては、顧客端末に向けたWEBサイト702及び/又は顧客端末等の端末アプリ703上にて在庫有りストック候補商品の提示を受けることにより確認を行うことができ、確認した商品の中から最寄り拠点にストックを希望する商品を選択/登録/編集できることが本発明の特徴の1つとなっている。なお、最寄り拠点にストック商品を確保する仕組みについては、図10を参照して後述する。
図10に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける分析及び物流モデルを示す。特に、同図の説明よって最寄り拠点にストック商品が確保される仕組みが明らかにされる。最寄り拠点にストック商品が確保される仕組みは、大別して次の3ステップからなる。
(STEP1)
最寄り拠点ごとのストック希望商品情報をもとに、最寄り拠点別ストック商品在庫数を推定する。具体的には、過去の購入実績や顧客情報、商品情報などのデータから最寄り拠点ごとに確保すべきストック商品の在庫数を推定する需要予測モデルで作成し、これらのストック商品ごとの在庫数を推定する(この在庫数を定番数ともいう。定番数は、その最寄り拠点において常時確保しておくべき必要最低限の数ともいえる)。
(STEP2)
上記STEP1で推定された在庫数(定番数)を下回った場合は、最寄り拠点側から基幹システム側へ自動発注して在庫を補充する。
(STEP3)
基幹システムでは、STEP1で推定された最寄り拠点ごとストック商品ごとの定番数を管理しており、必要に応じてSTEP2でなされた自動発注を処理して、随時物流センターに対して最寄り拠点へのストック商品搬入(在庫調達)を指示する。
図10において、最寄り拠点にストック商品が確保される仕組みは、顧客から収集したストック希望商品群情報を集積したストック希望商品データベース1010と、分析環境1020と、基幹システム1030とで実現される(必要に応じて、最寄り拠点における拠点端末からのフィードバックも含まれる)。
同図において、ストック希望商品データベース1010から分析環境1020へストック希望商品群情報が取り込まれるとともに、分析環境1020内では分析データウェアハウス1021に基づいた需要予測モデル作成が行われる(1022)。これらの情報及びモデルに基づき、需要予測が実施され(1023)、予測情報が基幹システム1030へ送信されて基幹システム1030内で連携される。
基幹システム1030内では、分析環境1020から送信された需要予測情報を考慮して、最寄り拠点ごとのストック商品在庫数情報テーブル1031がチェックされ、要に応じて更新される(ストック商品在庫数情報テーブル1031は、一例として、最寄り拠点ごとのストック商品データベースに含まれるか、随時派生して作成される)。
次に、基幹システム1030内では、更新されたストック商品在庫数情報テーブル1031に基づいて物流センター11〜13へ対象商品の在庫調達指示(1032)が送られる(調達すべき最寄り拠点も対象商品ごとに指示される)。同図には示されていないが、指示を受けた物流センター11〜13では、対象商品を指定された最寄り拠点1050へ在庫調達すべく配送(1040)が行われる。
このとき、本発明の一実施形態において、在庫調達される商品の数は、ストック希望商品データベース1010に記録されているストック希望商品数よりも多めに見積もられる点に留意されたい。具体的には、ある最寄り拠点におけるストック希望商品について、そのストック希望数の総数が500個であった場合、基幹システム1030が物流センターに対して当該最寄り拠点に対し在庫調達させるストック商品の数は、当該最寄り拠点での在庫数が500個を越えるように調節される(一例として、数パーセント程度多くなるように調整される)。
一方で、最寄り拠点1050では、在庫している個々のストック商品の増減推移を管理し、在庫が減少し定番数を下回ったストック商品については、基幹システムに対して個別に自動発注するように構成することもできる。
図11に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおけるストック候補商品データベース、ストック希望商品データベース、顧客管理データベース、商品管理データベース、在庫管理データベース等から派生ないし作成させたデータテーブル例(同図(A))と、当該テーブルに基づいて、顧客端末(の画面)上に情報提供を行っている様子(同図(B))とを示す。
図11(A)においては、例示的に、最寄り拠点ごと(さらに必要であれば、最寄り拠点ごと及び顧客ごと)のストック候補商品、ストック希望商品、ストック定番数、確保在庫数との関係を整理したテーブル1110a〜1110cが例示されている(同図(A)では、例示的に、テーブル1110aが最寄り拠点「新宿1」の最寄りエリアにいるある顧客について整理されたテーブルであるものとする)。テーブル1110aには、最寄り拠点「新宿1」において登録されたストック候補商品A,B,C,X,Y,Zが登録されており、それぞれのストック候補商品に対して顧客より要望されたストック希望の有無と、需要予測モデルや顧客からの希望数に基づいて算出されたストック定番数と、商品管理データベース及び在庫管理データベース等から参照された現時点で最寄り拠点において確保されている在庫数とが格納されている。
例えば、テーブル1110aにおいて、ストック候補商品A,B,X,Zに対しては顧客からのストック希望要求があるものとして記録されている(同図(A)において「○」印としてフラグが立っている)。また、ストック候補商品Aについてのストック定番数は「1」と設定されているところ、この最寄り拠点においてはちょうど「1」の在庫が確保されている。
かかる状況において、最寄り拠点「新宿1」の最寄りエリア内の顧客宅を住所とする顧客端末上に表示された情報例が、図11(B)に示されている。同図(B)において、当該顧客端末1120の画面上には、最寄り拠点「新宿1」について抽出されたストック候補商品群(A,B,C,X,Y,Z,…)のうち、ストック希望要求がなされ登録された商品A,B,X,Zの中で、確保在庫数が1以上となっている商品A,X,Zと、図示しない自動抽出によりピックアップされた商品Y(この商品も確保在庫数が1以上という条件を満たす)とについて、「今すぐ短時間でお届けできる商品はこちら!!」とのメッセージ1121ともに提示欄1122に提示されている。
提示欄1122には、例示的に、顧客に短時間で配達可能なストック商品について、商品名(及び必要であれば商品画像)と、価格と、購入時の付与ポイントと、在庫数とが表示されている。また、注文数(初期値を0とし、顧客ないしユーザにより増減操作可能な設定値であえる)についても表示されており、同図においては、例示的に、商品A及びBについてそれぞれ1つずつの注文がされている(この状態は、後述する注文ボタン1124が押下されるまでは仮の状態である)。
また、提示欄1123には、顧客によるストック希望要求はなされているが在庫数がゼロである商品Bと、図示しない自動抽出によりピックアップされた商品C(ただし、確保在庫数はゼロである)とについて、「ただ今準備中」とのメッセージとともに提示されている。
注文ボタン1124は、各商品の注文数を設定したうえで押下なされた場合に、注文数が1以上に設定された商品についての発注手続処理が実行されるボタンである。
図11を参照して説明した一実施形態においては、上述のとおり、顧客が選定・登録したストック希望商品のうち、最寄り拠点に在庫が確保されている商品のみ注文可能な商品として案内提示されており、この点は、本発明の特徴の1つとなっている。
図12〜図14に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける情報処理装置(ユーザないし顧客端末)の表示例を示す。これらは、本発明の一実施形態にかかるストック商品を顧客から受注する仕組みのバリエーションを例示するものである。これら受注の仕組みは、顧客端末に向けたWEBサイト702及び顧客端末等の端末アプリ703の画面上において、様々なタイミングで商品案内をするとともに受注することができ、そのシーンを例示すると、以下の(S1)〜(S5)などが挙げられる。
(S1)顧客が顧客端末に向けたWEBサイトにアクセスしたり、顧客端末上でアプリケーションを起動させたりしたときに商品案内をするとともに受注する。
(S2)顧客が顧客端末に向けたWEBサイトや顧客端末等の端末上で商品を購入しようとしているときに、「今すぐ一緒にお届けできる商品」として商品案内をするとともに受注する。
(S3)顧客の行動履歴(ページビューや購入パターンなど)を分析して一定の行動基準に一致したときに、スマートフォンアプリケーションの通知機能等を使用して、対象のストック商品案内をするとともに受注する。
(S4)顧客への商品配達中に、一緒にお届けできる商品として商品案内をするとともに追加注文を受注する。
(S5)顧客への商品配達を行ったが不在であった場合の再配達時に、一緒にお届けできる商品として商品案内をするとともに追加注文を受注する。
図12に、ストック商品の商品案内をするとともに顧客により受注可能に構成された顧客端末の画面例を示す。同図において、顧客端末1201上の画面には、現在時刻表示を含むヘッダ1211と、現在住所ないし現在地を表示する表示欄1221と、「今すぐのご注文で14:03までにお届け」とのメッセージ1231と検索欄1241とが表示されるとともに、短時間(例えば、30分とか1時間とか)で当該顧客宅に配送可能な商品のリストが商品表示欄1250に示されている。同図においては、商品A〜Cまで表示されているが、これに限定されるものではなく、図示しないスクロール手段やページ送り手段によりさらに多くの該当商品を提示することもできる。また、検索欄1241に対する検索キーワード等によって希望の商品ジャンルや商品カテゴリに基づいた絞込みも可能である。
商品表示欄1250に表示される各商品の内容については、例示的に、商品Aについては、その商品イメージ1251とともに、商品名1252が提示され、通常価格及び販売価格1253も提示されている。さらに、商品Aを今すぐ注文した場合の到着予想時間1254が表示されている。また、購入時の付与ポイント1255についても提示されている。
顧客は、もし商品Aを注文したい場合には、画面上の注文ボタン1256を押下することにより、図示しない注文手続画面等へ遷移させることができる。
図12において、商品B及び商品Cも、商品Aと同様に情報提供されている様子が確認できる。
図13に、顧客への商品配達中に、一緒にお届けできる商品としてストック商品の商品案内をするとともに顧客より追加受注可能に構成された顧客端末の画面例を示す。同図において、顧客端末1301上の画面には、現在時刻表示を含むヘッダ1311と、顧客の現在住所ないし現在地を表示する表示欄1321と、「こちらのお品物を配達中です」とのメッセージ1325が表示されるとともに、現在配達中の商品Dが商品表示欄1330に表示されている。
商品表示欄1330には、例示的に、商品Dの商品イメージ1331とともに、商品名1332が提示されており、その下欄の連絡欄1340には、商品Dのお届け予定時間1341と到着予想時刻1342とが表示される。
さらに、図13において、連絡欄1340の下欄には、現時点(同図の画面を表示されている11:55現在)で注文した場合に、短時間(例えば、30分とか1時間とか)で当該顧客宅に配送可能な商品のリストが商品表示欄1350に示されている。
商品表示欄1350に表示される各商品の内容は、図12を参照して説明した商品表示欄1250に表示される商品内容と同様であるが、念のために説明すると、例示的に、商品Cについて、その商品イメージ1351とともに、商品名1352が提示され、通常価格及び販売価格1353も提示されている。さらに、商品Cを今すぐ注文した場合の到着予想時間1354が表示されている。また、購入時の付与ポイント1355についても提示されている。
顧客は、もし商品Aを注文したい場合には、画面上の注文ボタン1356を押下することにより、図示しない注文手続画面等へ遷移させることができる。
同図の商品表示欄1350には、商品Cしか表示されていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、図示しないスクロール手段やページ送り手段によりさらに多くの該当商品を提示することもできる。また、同図には図示されていない検索欄に検索キーワード等を入力することによって希望の商品ジャンルや商品カテゴリに基づいた絞込みも可能である。
また、図示しない遷移ボタンによって、図13に示された画面から図12に示された画面へ遷移させても良い。
図14に、顧客への商品配達を行ったが不在であった場合の再配達申込み時に、一緒にお届けできる商品としてストック商品の商品案内をするとともに顧客より追加受注可能に構成された顧客端末の画面例を示す。同図において、顧客端末1401上の画面には、現在時刻表示を含むヘッダ1403が表れているが、ヘッダ1403を含む画面にポップアップされる形式で、再配達申込み画面1405が表示されている。
再配達申込み画面1405には、例示的に、配達担当者の名前と「ご不在でしたのでお届け品を持ち帰りました」とのメッセージを含むご案内欄1410があり、その下欄に配達商品の商品表示欄1420が配置されている。商品表示欄1420には、例示的に、商品Eの商品イメージ1421とともに、商品名1422が提示されている。
図14において、商品表示欄1420の下欄には、再配達指示欄1430が配置され、同欄1430には、3つの指示ボタン1431〜1433が配置されている。具体的には、指示ボタン1431は、顧客が現在在宅中などであり今すぐ再配達を指示するための指示ボタンであり、指示ボタン1432は、電話で再配達を指示するための指示ボタンである。
また、指示ボタン1433は、再配達設定(画面に設定された内容)に従って再配達を指示するための指示ボタンであり、このボタンを押下すると、例示的に図示しない再配達設定画面に遷移させることができる。
また、図14の再下欄には、現時点(同図の画面を表示されている15:45現在)で注文した場合に、短時間(例えば、30分とか1時間とか)で当該顧客宅に再配達時に一緒に配送可能な商品のリストの案内1441が提示されている。同図においては、図示しないスクロールボタンによって、商品リスト(例えば、図12に示されたようなリスト)を提示させたり、あるいは、画面遷移アイコン1445を押下することによって、図12に示された画面へ遷移させたりすることができる。
図15及び図16に、本発明の一実施形態にかかる商品出荷管理システムにおける処理動作フローを示す。図15及び図16に示された動作フローは、本発明の一実施形態において特有の「最寄り拠点」を築いたことによって実現可能となった受注/配達のバリエーションを例示するものである。図15には、最寄り拠点に在庫されたストック商品を短時間で配達できる様子(同図の時刻t1〜t3までのフロー)と、顧客が注文した非ストック商品が物流センターから出荷され、顧客宅を最寄りエリアとして包含する最寄り拠点を通過するまでの間であれば、いつでも最寄り拠点に在庫されたストック商品を追加受注して先に注文した非ストック商品と一緒に配達する様子(同図の時刻t4〜t11までのフロー)を例示している。
さらに、図16には、最寄り拠点から配達されたがストック商品が不在等の理由で再配達される際に、他のストック商品の追加受注を受け付けてこれらを一緒に配達することが可能である様子(同図の時刻t33以降のフロー)を例示している。
[最寄り拠点のストック商品を短時間で配送するシーン]
図15の時刻t1において、顧客宅のユーザ端末(顧客端末)から商品出荷管理システムの管理サーバ21に対し、ストック商品の注文が出される(ステップS1501)と、管理サーバ21では、受注手続を行い(ステップS1502)、時刻t2に最寄り拠点の拠点端末に受注したストック商品の配達指示を出す(ステップS1503)。
配達指示を受けた最寄り拠点の拠点端末は出荷準備の指示を出し、時刻t2〜t3にかけて最寄り拠点での出荷準備が行われ(ステップS1504)、時刻t3に、顧客宅へ向けて注文されたストック商品が配送される(S1505)。
[非ストック商品の注文後にストック商品を追加受注するシーン]
図15の時刻t4では、顧客宅のユーザ端末(顧客端末)から商品出荷管理システムの管理サーバ21に対し、非ストック商品の注文が出される(ステップS1510)。非ストック商品は、本実施形態においては物流センターから最寄り拠点を経由して顧客宅へ配送されることが多く、今回の受注品についても物流センターから出荷予定である。時刻t4〜t5まで、管理サーバ21において受注手続がなされる(ステップS1511)と、時刻t5において物流センターの拠点端末に対し、受注した非ストック商品の配達指示を出す(ステップS1512)。
配達指示を受けた物流センターの拠点端末は出荷準備の指示を出し、時刻t5〜t6にかけて物流センターでの出荷準備が行われ(ステップS1513)、時刻t6に、最寄り拠点へ向けて注文された非ストック商品が配送される(S1514)。
ここで、時刻t6に物流センターから最寄り拠点へ向けて出荷された非ストック商品は、同図に示されるように時刻t10に到着するが、その間に次に述べる処理動作が実施される。
まず、時刻t7において、管理サーバ21からユーザ端末(顧客端末)に向けて、さきほど受注した非ストック商品が発送された旨の通知を行うとともに追加注文受付の案内を送信する(ステップS1515)。この案内には、図13を参照して説明した案内を行うと好適である。
次に、時刻t8において、ユーザ端末(顧客端末)から管理サーバ21へ向けて、図13を参照して説明した案内画面を介してストック商品の追加注文がなされる(ステップS1516)。管理サーバ21では、追加受注手続がなされ(ステップS1517)、時刻t9に最寄り拠点の拠点端末へ追加注文されたストック商品の配送指示が出される(ステップS1518)。
この時点では、時刻t6に物流センターから出荷された非ストック商品はまだ最寄り拠点には到着しておらず、最寄り拠点では、時刻t9〜時刻t11まで、配送指示のあったストック商品の出荷準備が行われる(ステップS1520)。
そして、最寄り拠点でストック商品の出荷準備がなされている最中の時刻t10に、物流センターから出荷された非ストック商品が最寄り拠点に到着する(ステップS1519)。最寄り拠点では、到着した非ストック商品とストック商品の同梱作業が行われる。
最後に、時刻t11に最寄り拠点から同梱された非ストック商品とストック商品が顧客宅へ向けて出荷される(ステップS1521)。
[最寄り拠点から再配達する際に他のストック商品を追加受注するシーン]
図16の時刻t30において、顧客宅のユーザ端末(顧客端末)から商品出荷管理システムの管理サーバ21に対し、ストック商品の注文が出される(ステップS1601)と、管理サーバ21では、受注手続を行い(ステップS1602)、時刻t31に最寄り拠点の拠点端末に受注したストック商品の配達指示を出す(ステップS1603)。
配達指示を受けた最寄り拠点の拠点端末は出荷準備の指示を出し、時刻t31〜t32にかけて最寄り拠点での出荷準備が行われ(ステップS1604)、時刻t32に、顧客宅へ向けて注文されたストック商品が配送される(S1605)。
時刻t33には、最寄り拠点から出荷されたストック商品が顧客宅に到着する(ステップS1606)が、顧客は不在であるため不在票がポストに投函されるなどし(ステップS1607)、ストック商品はいったん最寄り拠点へ持ち帰られる(ステップS1608)。
時刻t34には、管理サーバ21から顧客端末へ向けて不在案内とともに追加注文受付の案内が送信される(ステップS1609)。この案内には、図14を参照して説明した案内を行うと好適である。
次に、時刻t35において、ユーザ端末(顧客端末)から管理サーバ21へ向けて、図14を参照して説明した案内画面を介して他のストック商品の追加注文がなされる(ステップS1610)。管理サーバ21では、追加受注手続がなされ(ステップS1611)、時刻t36に最寄り拠点の拠点端末へ追加注文された他のストック商品の配送指示が出される(ステップS1612)。このときまでに、持ち帰られたストック商品が最寄り拠点に到着しており、最寄り拠点では、時刻t36〜時刻t37まで、持ち帰ったストック商品と追加受注により配送指示のあった他のストック商品の同梱出荷準備が行われる(ステップS1613)。
そして、時刻t37に最寄り拠点から同梱されたストック商品が顧客宅へ向けて出荷される(ステップS1614)。
図15及び図16を参照して説明した受注/配送のバリエーションを実現するために、基幹システム上では、各拠点の商品ごとの在庫数、各拠点間の配送時間、顧客宅までの配送時間が管理され、都度再計算されて更新制御されている。また、商品は拠点を出荷後に追跡され、配達中の商品の現在位置が更新管理され、追加注文や注文内容の変更に応じて、到着予定時刻が再計算されて顧客端末や配達員の移動端末に適宜通知される。
[ユーザ端末操作に関する他の実施例]
次に、本発明の他の実施形態にかかる商品出荷管理システムにおけるユーザ端末に対する操作及び表示例を示す。なお、以下に説明する実施形態は、これまでに説明した商品出荷管理システムにおける管理サーバから提供される商品リスト表示及び選択における特徴の制約を受けたり、本発明の商品出荷管理システムの独自の構成に制約されたりすることはなく、ユーザ端末に対する独立した操作及び表示機能として作動させることが可能である。但し、以下の説明では、発明の理解の容易のために、上述した商品出荷管理システムにおけるユーザ端末の動作例として説明する。
図17Aは、ユーザ端末における所定時間内に配達可能な商品リストの表示例であり、特徴的に、所定時間そのものをスライダーインタフェースによって変更することができる様子を示している。
図17Aにおいて、まず、表示欄1701には、指定された(または、登録済みの)配達場所表示と、蓄積ポイント(図中は、9999pt)とが表示されている。その下には、検索欄1702と、カテゴリ指定欄1703とが表示されている。同図に示されているように、カテゴリ指定欄1703の「すべて」ボタンを押下した場合には、全カテゴリ指定となる(つまり、カテゴリによる絞込みは行われない)。
そして、図17Aにおける操作及び表示欄1704が特徴的な部分であり、操作及び表示欄1704には、検索欄1702及びカテゴリ指定欄1703によって絞り込まれた商品の数と、それらを配達できる時間とか操作可能に表示されている。つまり、同欄の上部には、例示的に「全4000,000」商品中、所定時間(10分)以内に配達可能な商品が1000商品あることが示されている。
また、同欄1704の下部には、配達可能な時間の指定を変更可能なスライダーインタフェースが示されており、同インタフェースのノブ17041をユーザの指等で直接操作することにより、指定条件の変更ができるように構成されている(詳細動作は、図17B及び図17Cを参照して後述する)。同欄1704では、ノブ17041は、「10分(以内)」の位置にあり、10分以内に配達可能な商品を絞り込むことを指示するインタフェースとなっている。
すなわち、本発明の他の実施形態においては、上述のとおり、(1)検索欄1702でのキーワード等による絞り込みと、(2)カテゴリ指定欄1703でのカテゴリによる絞り込みと、(3)操作及び表示欄1704におけるスライダーインタフェースでの配達可能時間による絞り込みという最大3種類の同時絞り込み(AND条件での絞り込み)が可能なように構成されていることが大きな特徴となっている。もちろん、これら3種類の絞り込みを常に使用する必要があるのではなく、検索欄1702を使用せず、カテゴリ指定欄1703及び操作及び表示欄1704におけるスライダーインタフェースでの絞り込みや他の組み合わせでの絞り込み、あるいは、検索欄1702のみといった単独での絞り込みも可能である。
図17Aの検索結果表示欄1705には、上述の条件によって絞り込まれた結果がカテゴリごとのヒット件数等として表示されている。同図では、全カテゴリ指定となっているので、カテゴリごと(カテゴリA〜Iまでが画面上に表れている)のヒット件数及び配達可能時間(10分)ともに各矩形領域内に表示されている。また、カテゴリごとの矩形領域の左上部分には、タップ等によって選択/非選択を切り換えることが可能なチェックボタンインタフェースが示されている。例示的に、チェックボタン17051は、検索結果のうちカテゴリAのものを選択/非選択に切り換えるためのものである。
さらに、同図において、押下可能なカートアイコン17052も表示されており、アイコン17052は、特定の位置に固定的に表示されるのではなく、例示的にフロート表示されており、カートアイコン17052をダブルタップするなどによって、現時点での購入予定の商品を確認することができるように構成されている(カート内の詳細等については、図21を参照して後述する)。
なお、カートアイコン17052の右上部分には、例示的に、現時点でユーザによってカートに入れられている商品数を表示させることができ、同図におけるカート内の商品数はゼロである。
また、検索結果表示欄1705に表示しきれない結果は、図示しないスクロールバー操作等により閲覧することが可能である。
図17Bは、ユーザ端末におけるスライダーインタフェースの操作要領を示す説明図であり、図17B(A)〜図17B(C)へ向かって時系列的にスライダーインタフェース(のノブ)に対して操作される様子が示されている。なお、同図(A)〜(C)において、インタフェース上の時間表示として、10分、20分、30分、60分、120分が表示されており、それぞれの時間内で届けられる商品群のピックアップを指示するためのメモリとなっている。
図17B(A)では、スライダーインタフェース上の「10分」の位置にノブ1730aがあり、ユーザの右手1731aの人差し指でタッチして図中右方向へノブ1730aを移動されようとしている(いわゆるドラッグ移動)。
ノブ1730aは、一度タッチしてから離すまでの間、スライダー上の左右に移動させることができる。但し、ノブ1730aがスライダー上を移動可能な範囲が設定されており(典型的には、スライダーの左端から右端まで)、それを越える範囲でドラッグしようとしてもノブ1730aは動かせない。
図17B(B)では、図17B(A)の状態から指1731bを画面(上のノブ1730b)から離さずに右方向へスライドさせている状態である。30分のメモリ位置の手前(やや左側)までスライドされている。そして、図17B(C)では、図中の位置で、右手1731bの人指し指がノブ1730bから離されるものとする。
図17B(C)は、図17B(B)の状態で、人指し指がノブ1730bから離された直後の状態を示す説明図である。同図(C)において、ノブ1730cは、左右のメモリ(つまり、20分のメモリ及び30分のメモリ)のうち、近いほうのメモリ(30分)へ自動的に吸い寄せられ(メモリというグリッド位置に正規化され)、30分のメモリ位置に収まる。
このとき、本発明の一実施形態においては、直ちに30分以内に配達可能な商品の再抽出(再検索)が実施されるように構成することができる(その詳細は、図17Cを参照して後述する)。
図17Cは、図17Aや図17Bを参照して説明したユーザ端末(の表示画面)上での操作等によって、ユーザ端末及び管理サーバを含むシステムで実施される処理等を詳細に説明したフローチャートである。
本フローの説明の始まりとなるステップS1750では、例示的に、ユーザ端末は起動され(必要に応じてアプリケーションソフトも起動され)、図17Aに示される画面が表示されている。このとき、マルチタッチ検出可能な画面上では、イベントとしての画面上のオブジェクト(ボタンやスライダーのノブなど)に対するタッチがあるかどうかの検知が毎秒数回〜数十回の頻度で行われている。その中の1つのイベントとして、ステップS1751に示される電源オフ(あるいは、アプリ終了)又は他画面への遷移があったかどうかの判断が含まれる。
ステップS1751において、Yesの場合は、本動作フローとしては終了する(ステップS1760)が、Noの場合は、ステップS1752に進み、ユーザ端末の画面上への指のタッチ等があったかどうか判断される(イベント検知の1つである)。
ステップS1752において指等のタッチがない(No)場合には、ステップS1751へ復帰するが、指等のタッチがあった(Yes)の場合には、ステップS1753へ進む。
ステップS1753は、ステップS1752での指等のタッチが持続していることを前提に、指等のタッチは離れたかどうかの判断がなされる(イベント検知の1つである)。ステップS1753でNoの場合は、図17B(A)〜(B)を参照して説明したスライダー操作が実現される(ステップS1754〜ステップS1756に基づき、後述)。ステップS1753でYesの場合は、図17B(C)を参照して説明したスライダーノブの移動完了及び再検索(再抽出)が実施される(ステップS1757〜ステップS1759に基づき、後述)。
図17CのステップS1754においては、スライダーノブ(例えば、図17Aのノブ17041や図17Bのノブ1730a〜1730bなど)がタッチされている指等によって移動されているかどうかが判断される(例えば、接触している指等の動きを定期的に検知することで実現される)。
ステップS1754においてNoの場合は、ステップS1753に復帰するが、Yesの場合は、ステップS1755へ進み、ノブ位置(をドラッグしている指等の位置)は適正な位置にあるかどうかが判断される。例えば、ノブ位置(をドラッグしている指等の位置)がスライダーの左右の端から大きく外れようとしている(ステップS1755において、No)場合には、ノブ位置をスライダーの端に留めたまましておく必要があり、ステップS1753へ復帰させるが、ステップS1755においてYesの場合は、ステップS1756へ進む。
ステップS1756では、僅かに移動された指等の位置に合せるためにスライダーノブの再描画が行われ、ステップS1753へ復帰する。ステップS1753〜ステップS756までは毎秒数回〜数十回のサイクルで実施されるため、ユーザは指等でスライダーノブをドラッグした際に、あたかも自らの指で移動させているかのように感じ取ることが可能となる。
ステップS1757では、ユーザ端末(の画面上)においてユーザの指等が離れた時点でのスライダーノブ位置を取得し、ノブ位置の正規化によるグリッド演算を行ってノブ位置の確定(決定)を行う。具体的には、ノブ位置がスライダー上にあるときには、左右隣のいずれのメモリ位置に近いかを判断し、近い方のメモリ位置をノブの位置とする。あるいは、ノブ位置がスライダーの左右いずれかの端に張り付いている場合(つまり、指はスライダーの範囲を越えてノブをドラッグしようとしている場合)には、その端(最小または最大のメモリ位置のはずである)をノブ位置として決定する。
次に、ステップS1758では、指等を画面から離した直後のスライダーノブの収まり位置として決定されたグリッド(図17Aの1704においては、10分、20分、30分、60分、120分の各メモリ位置がグリッドとなる)に基づいて、ユーザ端末からシステムにおける管理サーバに対する商品の再検索ないし再抽出を依頼する。例えば、もともと10分のメモリ位置にあったスライダーノブを30分のメモリ位置に移動させた場合には、与えられた条件に加え、30分以内に配達可能な商品を再抽出するように管理サーバに対してリクエストないしクエリが送信される。
管理サーバでは、上記リクエストないしクエリを受信して、リクエストないしクエリ内容に基づいた再抽出ないし再検索処理が実施され、ヒットした商品情報の一部又は全部がユーザ端末へ返信される。
ステップS1759では、ユーザ端末が管理サーバから受信した再抽出ないし再検索結果の一部又は全部に基づき、その一部又は全部の情報がユーザ端末の画面上に再表示され、ステップS1752へ復帰する。
次に、図18〜図21を参照して、本発明の他の実施形態にかかるユーザ端末における商品の絞り込み操作及び表示のバリエーションを説明する。
図18では、複数のカテゴリを選択して商品の絞り込み操作を行うバリエーションが示されている。同図に示された画面において、検索結果表示欄1801に表示されているカテゴリごとのヒット件数及び配達可能時間(10分)に対し、複数のカテゴリにチェック操作を行う(具体的には、同図に示されるように、チェックボタン18011及び18012をオンにすることにより、カテゴリA及びFを選択する)と、同図の最下欄に示されるように「複数のカテゴリをまとめて検索」とのタイトルが付された検索(ないし再検索)開始ボタン1802が表れるように制御され、このボタン1802を押下することで選択された複数のカテゴリA及びFを対象とした検索ないし再検索が実施される(この処理は、リクエストないしクエリの内容そのものは異なるもののユーザ端末と管理サーバとの間のやりとりであり、ステップS1758〜ステップS1759を参照して説明した処理と同様のやりとりが実施される)。
なお、検索結果表示欄1801に表示しきれない結果は、図示しないスクロールバー操作等により閲覧することが可能である。
図19には、図18を参照して説明した絞り込み処理結果に対する更なる絞り込み処理ないし商品選択処理のバリエーションが示されている。
図19に示された画面において、表示欄1901には、図18を参照して説明した絞り込み操作により選択された複数のカテゴリ(A及びF)に対するラベルが表示されている。なお、それぞれのラベルの右端に表示されている「×」印をタッチないしタップするとそのラベルに対応するカテゴリは削除される(と同時に、カテゴリが削除されたことによる新たな条件に基づいて直ちに再検索ないし再抽出を実施させ、その結果を表示させることもできる)。
検索欄1902には、任意の文字列等を入力することができ、表示欄1901のラベルに表示されたカテゴリ内の文字列検索等を実施させることができる。なお、表示欄1901にラベルが無い場合には、全カテゴリ内が検索対象となる。
また、操作メニュー欄1903には、図19に示されたとおり、左端の「絞り込み」アイコンと中央部の「並び順」アイコンと右端の表示形式切り替えアイコンとが表示されている。
ここで、「絞り込み」アイコンがタップされると、カテゴリ、価格帯、メーカー、関連ワード等の絞り込みメニューをプルダウン形式で表示させることができ(同図において不図示)、プルダウンさせたメニュー内の項目をユーザに選択させることで、更なる絞り込み処理を行わせることができる。
また、「並び順」アイコンがタップされると、価格順、お届け時間順、おすすめ順等の並び替えメニューをプルダウン形式で表示させることができ(同図において不図示)、プルダウンさせたメニュー内の項目をユーザに選択させることで、更なる絞り込み処理を行わせることができる。
さらに、「表示形式切り換え」アイコンがタップされると、検索結果をタイル形式(商品画像アイコンが表示される場合がある)かリスト形式(限られた画面領域内により多くの商品情報を表示させる形式である)のいずれの形式で表示させるかの切り換えを行うことができる。なお、同図では、検索結果表示欄1905にタイル形式で結果が表示されており、表示形式切り換えアイコンは、リスト形式への切り替えが可能であることが示されている。
1904には、既に説明したスライダーインタフェースが表示されており、このインタフェースは、配達可能な時間の指定を変更可能に構成されている。同図では、図18において「10分」の位置に置かれたノブが「20分」の位置に移動されているため、検索結果表示欄1905には、10分以内に配達可能な商品に加え20分以内に配達可能な商品が、カテゴリA及びFから抽出されて表示されている。
なお、検索結果表示欄1905に表示しきれない結果は、図示しないスクロールバー操作等により閲覧することが可能である。
さらに、検索結果表示欄1905には、複数の商品を選択可能なチェックボタン19051等が示されており、例えば同図に示されるように、チェックボタン19051及び19052を選択する(オンにする)ことによって、商品A及びD(同図において、商品Dはその一部しか表れていない)を選択することができる。
検索結果表示欄1905において、複数の商品が選択された場合には、図19に示されるように「まとめてカートに入れる」とのタイトルが付された複数商品カート投入ボタン1906を表示させることができる。このボタン1906が押下されると、その時点で選択されている商品が一括してカートに投入される。
図20には、図19を参照して説明した絞り込み処理とは異なる他のバリエーションが示されている。図19を参照して説明した絞り込み処理と異なる点は、検索欄2002に入力された文字列をAND条件として絞り込み処理を実施できる点である。図20に示された2001、2003、2004、2005、2006、20051、20052は、図19に示された1901、1903、1904、1905、1906、19051、19052と同様であるので、説明を割愛する。
図21には、例えば図17Aに示されたカートアイコン17052に示されるようなカート(なお、図18〜20においても同様のカートアイコンは表示されている)に入れられた商品内容を参照するための画面例が示されている。
図21において、2101(「∨」マークのアイコン)は、閉じるボタンであり、フロート表示させたカート画面を閉じるためのボタンである。画面メニュー2102には、カート画面、お気に入り画面、購入履歴、閲覧履歴への表示切り替えメニューが表示されており、同図に示されるとおり初期表示はカート画面とすることができる。表示させたいメニューをタップすると、フロート画面が切り替わるように構成されている。配達時間指示メニュー2103には、お客様(ユーザ)の都合に合わせて最短のお届け時間以降の時間帯を指定できるプルダウンメニューが設けられている。数量調整インタフェース2104には、カートインされた個別の商品情報の表示及びその数量調整が行えるようなインタフェースが提供される。
配達依頼ボタン2105は、商品注文を確定するためのボタンである。商品表示エリア2106には、注文を確定した商品と一緒に配達することができる商品が表示される。なお、エリア2106に表示しきれない商品は、図示しないスクロールバー操作等により該当する商品を全て確認することが可能である。
以上、具体例に基づき、商品出荷管理システム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。