JP6295287B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチスロ機などの遊技機に関する。
従来から、通常遊技状態より有利な特定遊技状態を含む各遊技状態に移行する遊技機が提案されている。また、以上の遊技機において、特定遊技状態に移行する権利が付与された場合、前兆期間を介して、通常遊技状態から特定遊技状態に移行させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、特定遊技状態に移行する権利が付与された場合(BBに内部当選した場合)、前兆期間の遊技回数を遊技回数抽選で決定する構成が開示される。また、従来から、特定遊技状態に移行するまでの期間が長いほど、特定遊技状態で大きな利益を付与する遊技機が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2003−310854公報 特開2003−220174公報
しかし、通常遊技状態より有利な特定遊技状態に移行させる遊技機では、例えば、特定遊技状態が長期化した場合、当該特定遊技状態で過剰な利益が遊技者に付与される場合があった。以上の場合、遊技者によっては、過度に射幸性が煽られる不都合が生じ得る。また、前兆期間が長いほど、その後の特定遊技状態で大きな利益が付与される構成では、射幸性が過度に煽られるという不都合が顕在化し易い。以上の事情を考慮して、本発明は、遊技者の射幸性が過度に煽られる不都合を抑制することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示する可変表示手段と、遊技者の開始操作を受付けて遊技を開始させる開始受付手段と、遊技が開始された場合に複数種類の当選役の中から抽選により当選役を決定する内部抽選手段と、図柄を停止させる場合に停止操作される停止操作手段と、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作の態様とに応じて図柄を停止表示させる図柄変動制御手段と、可変表示手段に停止表示された図柄組合せを判定する入賞判定手段と、通常遊技状態より有利な特定遊技状態に移行する権利を付与する権利付与手段と、通常遊技状態で権利が付与された場合、その後、移行前状態を介して特定遊技状態に移行可能な遊技状態移行手段と、特定遊技状態に移行した場合、当該特定遊技状態の残り遊技情報を各遊技で更新可能な残り遊技情報更新手段と、残り遊技情報が終了値まで更新された場合、特定遊技状態を終了可能な特定遊技状終了手段と、特定遊技状態に移行した後の遊技において、当該特定遊技状態の延長を複数回決定可能な特定遊技状態延長手段と、移行前状態に移行してから特定遊技状態が終了するまでの特定期間の遊技回数を計数可能な遊技回数計数手段と、遊技回数計数手段が計数した遊技回数が特定回数に達した場合、特定遊技状態を終了可能な特定期間終了手段とを具備し、特定期間終了手段が特定遊技状態を終了する特定回数は、移行前状態の遊技回数、および、特定遊技状態延長手段による延長の有無によらず一定であることを特徴とする。
以上の構成によれば、通常遊技状態で特定遊技状態に移行する権利が付与されてから該特定遊技状態が終了するまでの遊技回数が予め定められた特定回数以下となるように、特定遊技状態が終了する。したがって、特定遊技状態の遊技回数に上限が設けられるため、特定遊技状態の遊技回数に上限が設けられない構成と比較して、特定遊技状態で過剰な利益が付与され難くなり、遊技者の射幸性が過度に煽られる不都合が抑制される。
また、本発明における特定期間の遊技回数には、前兆期間の遊技回数が含まれる。すなわち、特定期間の遊技回数は、前兆期間の遊技回数と特定遊技状態の遊技回数との合計以上になる。特定期間の遊技回数には上限が設けられるため、前兆期間の遊技回数が多いほど、特定遊技状態の遊技回数の上限が少なくなる。したがって、前兆期間が長期化した場合、特定遊技状態で付与される利益が小さくなり易くなる。以上の構成によれば、前兆期間が長いほど大きな利益が付与される構成(例えば上述した特許文献2の構成)と比較して、射幸性が過度に煽られるという不都合が抑制される。
本発明によれば、遊技者の射幸性が過度に煽られる不都合が抑制される。
遊技機の正面図である。 キャビネットの内部構造を示す図である。 前面扉の裏面を示す図である。 各リールに配列された各図柄を示す図である。 図柄表示領域を説明するための図である。 遊技機の機能ブロック図である。 図柄コードテーブルの概念図である。 当選エリア抽選テーブルの概念図である。 当選役決定テーブルの概念図である。 当選役規定テーブルの概念図である。 各停止操作順序で停止するリプレイを説明するための図である。 各停止操作順序で停止するベルを説明するための図である。 移行図柄規定テーブルの概念図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 指示決定テーブルの概念図である。 メイン制御基板から送信される各コマンドを説明するための図である。 回胴演出決定テーブルの概念図である。 AT決定テーブルの概念図である。 チャンス状態決定テーブルの概念図である。 規制期間の第1の具体例を説明するための図である。 上乗せ決定テーブルの概念図である。 規制期間の第2の具体例を説明するための図である。 規制期間の第3の具体例を説明するための図である。 規制期間の第3の具体例を説明するための図である。 セグメント表示器の表示態様を説明するための図である。 チャンス状態における指示期間を説明するための図である。 規制期間割合を説明するための図である。 割合情報の表示を説明するための図である。 指示演出決定テーブルの概念図である。 メインCPUの起動処理のフローチャートである。 メインCPUの設定変更処理のフローチャートである。 メインCPUの遊技制御処理のフローチャートである。 メインCPUの初期設定処理のフローチャートである。 メインCPUの自動投入処理のフローチャートである。 メインCPUの遊技開始前処理のフローチャートである。 メインCPUの投入メダル受付処理のフローチャートである。 メインCPUのBET操作受付処理のフローチャートである。 メインCPUの精算操作受付処理のフローチャートである。 メインCPUの抽選実行処理のフローチャートである。 メインCPUの内部抽選処理のフローチャートである。 メインCPUの回胴演出決定処理のフローチャートである。 メインCPUの指示番号決定処理のフローチャートである。 メインCPUのウェイト処理のフローチャートである。 メインCPUの停止前処理のフローチャートである。 優先順位格納領域の概念図である。 メインCPUの優先順位格納処理のフローチャートである。 メインCPUの停止制御処理のフローチャートである。 メインCPUの表示判定処理のフローチャートである。 メインCPUのホッパー駆動処理のフローチャートである。 メインCPUの状態制御処理のフローチャートである。 メインCPUの割込処理のフローチャートである。 サブCPUのサブ起動処理のフローチャートである。 サブCPUの各タスクのフローチャートである。 サブCPUのコマンド解析処理のフローチャートである。 サブCPUの演出制御処理のフローチャートである。 第2実施形態における規制期間を説明するための図である。 第3実施形態における前兆期間を説明するための図である。 第4実施形態における規制期間を説明するための図である。 変形例における指示期間を説明するための図である。 変形例における規制期間表示器の点灯時期を説明するための図である。 変形例における割合情報の表示を説明するための図である。 変形例におけるメインROMに記憶される各情報を説明するための図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1〜図3を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが使用される遊技機1(パチスロ機)を例示する。
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネット2と、前面扉3とを含んで構成される。図2は、キャビネット2の内部構造の一例を示す図である。また、図3は、前面扉3の裏面(遊技機1の内部側の面)の正面図の一例である。図2に示すように、キャビネット2には蝶番機構2aが設けられる。前面扉3は、蝶番機構2aにより、キャビネット2の開口を開閉可能に軸支される。
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、遊技機1(前面扉3)の内部には、腰部パネル6を照射する発光体が設けられる。腰部パネル6を照射する発光体としては、例えば、発光ダイオードや冷陰極管が採用される。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネット2の内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、図2に示すように、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。また、各リール12は、リール支持体12Fに固定される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
図4は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図4に示すように、複数のリール12の各々の外周は、21個のコマに区分される。図4に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、図4に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「20」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。図4に示す通り、各リール12には、ベルx図柄とベルy図柄とベルz図柄とリプレイ図柄と赤セブン図柄と白セブン図柄と黒BAR図柄と白BAR図柄とスイカ図柄とチェリー図柄とが配列される。具体的には、ベルx図柄は、左リール12Lの図柄位置「15」と、中リール12Cの図柄位置「0、18」と、右リール12Rの図柄位置「6、9」とに配列される。ベルy図柄は、左リール12Lの図柄位置「20」と、中リール12Cの図柄位置「5」と、右リール12Rの図柄位置「1、19」とに配列される。ベルz図柄は、左リール12Lの図柄位置「4、6、10」と、中リール12Cの図柄位置「10、13」と、右リール12Rの図柄位置「14」とに配列される。リプレイ図柄は、左リール12Lの図柄位置「2、5、9、14、18」と、中リール12Cの図柄位置「1、6、11、14、19」と、右リール12Rの図柄位置「0、5、8、13、18」とに配列される。赤セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「17」と、中リール12Cの図柄位置「16」と、右リール12Rの図柄位置「15」とに配列される。白セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「3」と、中リール12Cの図柄位置「8」と、右リール12Rの図柄位置「10」とに配列される。黒BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「13」と、中リール12Cの図柄位置「7」と、右リール12Rの図柄位置「17」とに配列される。白BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「7、8」と、中リール12Cの図柄位置「3」と、右リール12Rの図柄位置「2、3」とに配列される。チェリー図柄は、左リール12Lの図柄位置「0、12」と、中リール12Cの図柄位置「4、9、12、17、20」と、右リール12Rの図柄位置「4、7、12、20」とに配列される。スイカ図柄は、左リール12Lの図柄位置「1、11、16、19」と、中リール12Cの図柄位置「2、15」と、右リール12Rの図柄位置「11、16」とに配列される。
ベルx図柄とベルy図柄とベルz図柄との各々は、ベルを表す図柄である。本実施形態では、ベルx図柄とベルy図柄とベルz図柄とを区別せずベル図柄という場合がある。図4に示す通り、各ベル図柄は、ベル内部の球状のクラッパー(舌)が表される点で共通する。ただし、ベルx図柄とベルy図柄とベルz図柄とでは、ベルのクラッパーの位置が相違する。具体的には、各ベル図柄のクラッパーは、ベルx図柄では中央より右側に位置し、ベルy図柄では中央より左側に位置し、ベルz図柄では中央付近に位置する。図4から理解される通り、ベルx図柄とベルy図柄とベルz図柄とは、互いに類似する。なお、図4では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
図5は、図柄表示領域を説明するための図である。図5に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、有効ラインAと有効ラインBと有効ラインCとを含む。図5に示す通り、有効ラインAは、リール12Lの単位領域UL1とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR3とを結ぶラインである。また、有効ラインBは、リール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインであり、有効ラインCは、リール12Lの単位領域UL3とリール12Cの単位領域UC3とリール12Rの単位領域UR3とを結ぶラインである。
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ラインB)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだライン(本実施形態の有効ラインC)を「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだライン(本実施形態の有効ラインA)を「右下りライン」という場合がある。
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「メイン表示器ML」という)が設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。具体的には、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態では、投入可能表示ランプ13が点灯する。一方で、メダルを受付ることができない状態では、投入可能表示ランプ13が消灯する。例えば、リール12が回転している期間は、メダルを受付けることができない状態であるため、投入可能表示ランプ13が消灯する。一方で、全てのリール12が停止してメダルを受付可能な状態になった場合は、投入可能表示ランプ13が点灯する。
BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。具体的には、規定枚数の賭けメダルが設定された場合や再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止した場合に、スタートランプ15が点灯する。
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、AT状態の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が有効ラインに停止表示された場合、9枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「9」を表示する。本実施形態の指示表示器16は、一桁の7セグメントディスプレイである。
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。
貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX−BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態で1BETボタン21が操作されると、クレジット数から数値「1」が減算され、賭けメダルが1枚に設定される。すなわち、遊技者は、1BETボタン21を操作することで、貯留されたメダルを利用して1枚の賭けメダルを設定することができる。MAX−BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態でMAX−BETボタン22が操作された場合、クレジット数から3枚(規定枚数)が減算され、3枚の賭けメダルが設定される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。なお、精算ボタン23の1度目の操作で賭けメダルを精算し、2度目の操作でクレジットを精算する構成としてもよい。本実施形態では、MAX−BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止する。
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。なお、後述するように、遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、利用者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX−BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。また、非遊技状態において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスター音量が変更される。
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述したメイン表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a〜28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。具体的には、停止操作順序表示ランプ29Lは、リール12Lに対応する位置(表示窓11の左下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Cは、リール12Cに対応する位置(表示窓11の中央下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Rは、リール12Rに対応する位置(表示窓11の右下側)に設けられる。例えば、第1停止操作で停止ボタン25R、第2停止操作で停止ボタン25C、第3停止操作で停止ボタン25Lの順序(いわゆる逆押し)を遊技者に対して報知する場合を想定する。以上の場合、遊技が開始された時点で停止操作順序表示ランプ29Rが点灯し、停止ボタン25Rが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Cが点灯し、停止ボタン25Cが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Lが点灯する。
図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、遊技状態を示唆する情報などを報知する。
図1に示すように、前面扉3の上端側には、上部ランプ35(L、R)が設けられる。上部ランプ35は、例えば、各色彩(青色、黄色、緑色、赤色等)に発光可能な発光ダイオードと、当該発光ダイオードを覆うレンズとを含んで構成される。上部ランプ35は、例えば、当選役が有効ラインに停止表示された場合、当該当選役に応じた態様(色彩)で発光する。また、上部ランプ35は、各演出において、当該演出に応じた態様で発光する。
図1および図3に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネット2の係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネット2の内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネット2の内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、メダル投入部8から投入されたメダルの流路を切替可能なセレクター34が設けられる。具体的には、セレクター34はソレノイド(図示略)を具備し、当該ソレノイドのON/OFFの状態に応じてメダルの流路が切替えられる。また、ソレノイドのON/OFFの状態は、メダルの投入が許可されているか否かに応じて変更される。例えば、メダルの投入が許可されている場合、セレクター34のソレノイドはON状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の内部に導く。図3に示すように、遊技機1の内部側から見てセレクター34の右側の近傍には、投入メダルガイド部材522が設けられる。投入メダルガイド部材522は、セレクター34を通過したメダルを、キャビネット2の内部に設けられたホッパー520に導く。
一方で、メダルの投入が許可されていない場合(例えばリール12が回転している場合)、セレクター34のソレノイドはOFF状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の外部に導く。また、セレクター34は、メダルの投入が許可されている場合であっても、メダル投入部8から投入された異物(例えば不正なメダル)を遊技機1の外部に導く。図3に示すように、セレクター34の下側の近傍には、排出メダルガイド部材523が設けられる。排出メダルガイド部材523は、セレクター34からのメダル等を、前面扉3の正面側のメダル払出口9へ導く。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メダルを貯留するタンク部521aを具備するとともに、メダルを排出する排出スリット521bを有するホッパー520が設けられる。メダル投入部8から投入されたメダルがタンク部521aに貯留され、タンク部521aに貯留されたメダルが排出スリット521bからメダル払出口9を介して受皿ユニット7に払出される。例えば、ホッパー520は、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに表示された場合や精算ボタン23が操作された場合にメダルを払い出す。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、払出メダルガイド部材524が設けられる。払出メダルガイド部材524は、ホッパー520からのメダルをメダル払出口9に案内する。具体的には、払出メダルガイド部材524は開口を有し、当該開口は、前面扉3が閉塞された状態で、ホッパー520の排出スリット521bに対向する。排出スリット521bから排出されたメダルは、払出メダルガイド部材524の開口に入り、払出メダルガイド部材524によりメダル払出口9に案内される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、補助貯留部530が設けられる。補助貯留部530は、ホッパー520から溢れたメダルを貯留する。なお、補助貯留部530の底部とキャビネット2の底部とを貫通する孔を設け、ホッパーから溢れたメダルを、当該孔を介して遊技機1の外部に排出する構成としてもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネット2の背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴(図示略)に設定変更キー(図示略)を挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1ずつ加算して表示する。例えば、設定表示部36に数値「1」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作されると、設定表示部36に数値「2」が表示される。ただし、設定表示部36に数値「6」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作された場合、設定表示部36には数値「1」が表示される。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC−DCコンバータおよびDC−DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
電源装置510には、図2に示すように、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、遊技状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
図2に示すように、電源装置510には、遮蔽板513が設けられる。遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512の前面側に位置する。また、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とに移動することができる。具体的には、前面扉3が閉じている状態では、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する。以上の構成によれば、例えば、遊技機1の外部からスピーカー31の放音孔に針金を挿入し、遊技機1の内部の電源ボタン511またはリセットボタン512を操作する不正行為が抑止される。
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図6を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図6に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図6に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とホッパー520とメイン表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」〜「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」〜「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、乱数値R1と同様に、数値「0」〜「65535」の範囲で生成されるハードウェア乱数である。乱数値R3は、後述するAT決定処理で用いられる。なお、乱数値R3としてソフトウェア乱数を採用してもよい。
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。
I/F回路305は、メイン表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
中継基板200は、メイン制御基板300からメイン表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、メイン表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、図6に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX−BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、図6に示すように、電源基板500は、満タンセンサ530SE、リセットスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
MAX−BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX−BETボタン22の操作を検出する。また、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
満タンセンサ530SEは、補助貯留部530が満タンであることを検出する。具体的には、満タンセンサ530SEは、補助貯留部530の底部から所定の高さに設けられ、補助貯留部530の内部のメダルが増加して満タンセンサ530SEの位置に到達した場合に、ON信号をメイン制御基板300に出力する。満タンセンサ530SEのON信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、満タンセンサ530SEのON信号が入力された場合、例えば液晶表示装置30に「ホッパーフルエラー」というメッセージを表示し、エラー状態に移行する。当該メッセージが表示された場合、例えば遊技店の店員が補助貯留部530のメダルを回収した後に、リセットボタン512を操作することで、エラー状態が解除される。
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
図6に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。また、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、規制期間割合(後述)を貯留枚数表示器16に表示させる。
メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。具体的には、メダルセンサ34SEは、メダル流路のうちセレクター34の内部にメダルが位置する場合にON信号を出力する。一方で、メダルセンサ34SEは、セレクター34の内部にメダルが位置しない場合に、OFF信号を出力する。メダルセンサ34SEからのON/OFF信号は、中継基板200を介してメイン制御基板300に入力される。なお、上述したセレクター34のメダルセンサ34SEに加え、セレクター34の下流に位置する投入メダルガイド部材522にメダルセンサを設けてもよい。以上の構成において、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力された場合に、メインCPU301は、メダルが投入されたと判断してもよい。一方で、例えば、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力されない場合は、メダル流路でメダルが滞留している可能性があるため、メインCPU301がエラーの報知をしてもよい。
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図6に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42と上部ランプ35とを含む各種のランプが電気的に接続される。
また、図6に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスター音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスター音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスター音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量を同じにしてもよい。
演出制御基板410は、図6に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0〜65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図6に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読み出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。図6に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の遊技状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む各音響の各々を示すデータである。
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカー31およびスピーカー32に供給する。なお、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および画像制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。メインROM302には、図7に示す図柄コードテーブル、図8に示す当選エリア抽選テーブル、図9に示す当選役決定テーブル、図10に示す当選役規定テーブル、図14に示す移行図柄規定テーブル、図15に示す指示決定テーブル、図17に示す回胴演出決定テーブル、図18に示すAT決定テーブルを含む各種のデータが記憶される。
図7は、図柄コードテーブルの概念図である。図柄コードテーブルは、各リール12の各図柄を特定する図柄コードを含んで構成される。図7から理解されるとおり、各リール12には、「赤セブン」「白セブン」「黒BAR」「白BAR」「リプレイ」「ベルx」「ベルy」「ベルz」「スイカ」「チェリー」の10種類の図柄が配列される。図7に示すように、各図柄コードは、各図柄に対応する。具体的には、「赤セブン」には図柄コード01の「00000001」が対応し、「白セブン」には図柄コード02の「00000010」が対応し、「黒BAR」には図柄コード03の「00000011」が対応し、「白BAR」には図柄コード04の「00000100」が対応し、「リプレイ」には図柄コード05の「00000101」が対応し、「ベルx」には図柄コード06の「00000110」が対応し、「ベルy」には図柄コードには図柄コード07の「00000111」が対応し、「ベルz」には図柄コード08の「00001000」が対応し、「スイカ」には図柄コード09の「00001001」が対応し、「チェリー」には図柄コード10の「00001010」が対応する。図柄コードは、例えば、後述の優先順位格納処理で用いられる。
図8は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。図8に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図8には、各当選エリアの名称が示される。当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。図8には、設定値「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示される。なお、図8では、ハズレの抽選値と重複ボーナスの抽選値と単独ボーナスの抽選値とを省略して示す。
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図9に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。なお、図9において、リプレイを「リプ」と省略して記載する。また、他の図においても同様に、リプレイを「リプ」と省略する場合がある。
例えば、当選エリア番号「01」の「打順リプレイX1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「01」は、図9に示すように、当選役「通常リプレイ」と当選役「RT2移行リプレイ」とを指定する。すなわち、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。また、例えば、当選エリア番号「18」の「打順ベルA1」が決定された場合、当選役「正解ベル1」「正解ベル2」「正解ベル3」「失敗ベル1」「失敗ベル5」「失敗ベル9」「失敗ベル11」「失敗ベル15」「失敗ベル16」「失敗ベル21」「失敗ベル22」および「失敗ベル26」が重複して当選する。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。本実施形態では、複数の当選役が重複して当選した場合、払出枚数が多い当選役の図柄ほど優先して有効ラインに停止表示される。
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順(「00」から「34」の順番)に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、抽選値が大きいほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、RT状態毎の各抽選値を含んで構成される。各RT状態は、RT0状態とRT1状態とRT2状態とを含む。各RT状態は、後述のRT移行図柄が有効ラインに停止表示された場合に移行する。メインCPU301は、RT状態に応じた抽選値を乱数値R1に減算する。したがって、各当選エリアが当選する確率は、RT状態に応じる。
また、図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、ボーナス作動状態の各抽選値を含む。ボーナス作動状態には、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止表示された場合に移行する。ボーナス作動状態の賭メダルの規定枚数は3枚であり、297枚のメダルが払出された場合にボーナス作動状態が終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、RT0状態に移行する。さらに、図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、内部中状態の各抽選値を含む。メインCPU301は、ボーナス役が当選した遊技で有効ラインに停止表示されなかった場合、ボーナス役が当選した状態が維持される内部中状態に移行する。
図8から理解されるとおり、当選エリア番号「01」から「11」(以下「再遊技当選エリア」という)の各抽選値がRT状態毎に相違する。具体的には、RT0状態では、図8に示すように、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「9278」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT0状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」が当選する。
図8に示すように、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X5」および通常リプレイの各当選エリアに抽選値「1548」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X5」と「通常リプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は9288(1548×6)/65536である。
図8に示すように、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y5」および通常リプレイの各当選エリアに抽選値「7672」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y5」と「通常リプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は46032(7672×6)/65536である。
以上の説明から理解される通り、RT2状態の再遊技当選エリアの当選確率は、RT0状態およびRT1状態の再遊技当選エリアと比較して高い。また、図8から理解されるとおり、当選エリア番号「12」から「32」(以下「入賞当選エリア」という)およびボーナス役が当選する当選エリア番号「33」および「34」の各抽選値は各RT状態で共通である。すなわち、入賞当選エリアおよびボーナス役の当選確率は、各RT状態で等しい。したがって、RT2状態は、RT0状態およびRT1状態と比較して、当選役の当選確率が高く、遊技者にとって有利なRT状態である。
図8に示すように、内部中状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「17572」が割り振られ、打順リプレイX1」「打順リプレイX2」および「打順リプレイY1」の各々に抽選値「128」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、内部中状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」「打順リプレイX1」「打順リプレイX2」および「打順リプレイY1」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は17956(17572+128×3)/65536である。
図10は、当選役規定テーブルの概念図である。当選役規定テーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「ボーナス役」が当選した遊技においては、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが有効ラインに停止することが許可される。また、例えば、当選役「正解ベル1」が当選した遊技においては、「ベルx−チェリー−黒BAR」「ベルx−チェリー−チェリー」「ベルz−チェリー−黒BAR」「ベルz−チェリー−チェリー」の図柄組合せが有効ラインに停止可能になる。すなわち、当選役「正解ベル1」に係る図柄組合せは、左図柄がベルx図柄またはベルy図柄で、中図柄がチェリー図柄で、右図柄が黒BAR図柄またはチェリー図柄の図柄組合せで複数設けられる。
当選役規定テーブルは、図10に示すように、各当選役の許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図10には、規定枚数が3枚の遊技状態において各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数を示す。なお、複数の当選役が重複して当選した場合、払出枚数が多い当選役ほど優先して有効ラインに停止表示される。また、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、ボーナス役は、他の当選役より優先順位が低い。
図10に示すように、当選役「失敗ベル1〜27」「正解ベル」「スイカ役」「チェリー役A、B」「1枚役」または「9枚役」(入賞当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)に係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、「通常リプレイ」「RT2移行リプレイ」「RT1移行リプレイ」(再遊技当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)が有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称して「リプレイ」という場合がある。
当選役規定テーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「01」の打順リプレイX1が当選して、当選役「通常リプレイ」と「RT2移行リプレイA」と「RT2移行リプレイB」と「RT2移行リプレイC」との各図柄組合せが有効ラインに停止を許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「2」「3」「4」「5」で指定される各表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。また、当選エリア番号「18」の打順ベルA1が当選して、当選役「正解ベル1〜3」と「失敗ベル1」と「失敗ベル5」と「失敗ベル9」と「失敗ベル11」と「失敗ベル15」と「失敗ベル16」と「失敗ベル21」と「失敗ベル22」と「失敗ベル26」との各図柄組合せが有効ラインに停止を許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「36」「9」「13」「17」「19」「23」「24」「29」「30」および「34」で指定される各表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作の順序に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。
図11および図12は、当選エリアと停止操作順序と有効ラインに停止する当選役(有効ラインに停止する図柄の組合せ)との対応関係の説明図である。
図11は、再遊技当選エリアが当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役(リプレイ)を説明する図である。図11に示すように、当選エリア「打順リプレイX1〜X5」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、リール12Lが第1停止操作、リール12Cが第2停止操作、リール12Rが第3停止操作される停止操作順序(以下単に「左中右」の停止操作順序という)の場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、「左中右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイX5」が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、右第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、「左右中」の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、「左右中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT1移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、「中左右」の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT1移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイY4」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY4」が当選した遊技において、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT1移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイY5」が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、右第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT1移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図12は、当選エリア「打順ベル」(A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3、E1〜E3)が当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役を説明する図である。当選エリア「打順ベル」が決定された場合、当選役「失敗ベル1〜27」の何れか、および、当選役「正解ベル1〜3」が重複して当選する。図12から理解される通り、打順ベルが当選した遊技において、停止操作順序に応じて、失敗ベルまたは正解ベルに係る図柄組合が有効ラインに停止する。本実施形態において、正解ベルに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される停止操作順序を正解ベルの「正解押順」という。
図12に示す通り、打順ベルA(1〜3)が当選した遊技において、「左中右」の順序(正解押順)で停止操作された場合、正解ベルが有効ラインに停止表示される。具体的には、打順ベルAが当選した遊技で、「左中右」の順序で停止操作された場合、各正解ベルを有効ラインに表示する停止制御がされ、正解ベル1または正解ベル2が停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。他方で、打順ベルAが決定された遊技で、「左中右」以外の順序で停止操作された場合、今回の遊技で当選した失敗ベルを有効ラインに引込む停止制御がされる。失敗ベルは、停止操作位置によっては、取りこぼす場合がある。
図12に示す通り、打順ベルB(1〜3)が当選した遊技において、「左右中」の順序(正解押順)で停止操作された場合、正解ベルが有効ラインに停止表示される。具体的には、打順ベルBが当選した遊技で、「左右中」の順序で停止操作された場合、各正解ベルを有効ラインに表示する停止制御がされ、正解ベル1または正解ベル2が停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。他方で、打順ベルBが決定された遊技で、「左右中」以外の順序で停止操作された場合、今回の遊技で当選した失敗ベルを有効ラインに引込む停止制御がされる。
以上の通り、正解ベルの正解押順が左第1停止(左中右、左右中)の場合、正解ベル1または正解ベル2の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。具体的には、左第1停止の場合、正解ベル1の図柄組合せは、右下りライン(有効ライン)に停止表示される。ただし、停止操作位置によっては、正解ベル1の図柄組合せを右下りラインに引込めない場合がある。以上の場合、正解ベル2の図柄組合せが中段ラインに停止表示される。具体的には、左リール12Lの停止操作位置が図柄位置「15」から「19」の場合、正解ベル2の図柄組合せが中段ラインに停止表示され、左リール12Lの停止操作位置が図柄位置「15」から「19」以外の場合、正解ベル1の図柄組合せが右下りラインに停止表示される。以上の構成では、左第1停止で正解ベル(1、2)の図柄組合せが有効ライン(右下りライン、中段ライン)に停止表示される場合、各ベル図柄(ベルx図柄、ベルy図柄、ベルz図柄)で構成される図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が上段ライン(無効ライン)に停止表示される。
図12に示す通り、打順ベルC(1〜3)が当選した遊技において、「中左右」の順序(正解押順)で停止操作された場合、正解ベルが有効ラインに停止表示される。具体的には、打順ベルCが当選した遊技で、「中左右」の順序で停止操作された場合、各正解ベルを有効ラインに表示する停止制御がされ、正解ベル1または正解ベル3が停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。他方で、打順ベルCが決定された遊技で、「中左右」以外の順序で停止操作された場合、今回の遊技で当選した失敗ベルを有効ラインに引込む停止制御がされる。
図12に示す通り、打順ベルD(1〜3)が当選した遊技において、「中右左」の順序(正解押順)で停止操作された場合、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される。具体的には、打順ベルDが当選した遊技で、「中右左」の順序で停止操作された場合、各正解ベルの各図柄組合せを有効ラインに表示する停止制御がされ、正解ベル1または正解ベル3の図柄組合せが停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。他方で、打順ベルDが決定された遊技で、「中右左」以外の順序で停止操作された場合、今回の遊技で当選した失敗ベルを有効ラインに引込む停止制御がされる。
以上の通り、正解ベルの正解押順が中第1停止(中左右、中右左)の場合、正解ベル1または正解ベル3の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。本実施形態では、中第1停止の場合、正解ベル1の図柄組合せは、下段ライン(有効ライン)に停止表示される。ただし、停止操作位置によっては、正解ベル1の図柄組合せを下段ラインに引込めない場合がある。以上の場合、正解ベル3の図柄組合せが中段ラインに停止表示される。具体的には、左リール12Lの停止操作位置が図柄位置「17」から「20」または「0」の場合、正解ベル3の図柄組合せが中段ラインに停止表示され、左リール12Lの停止操作位置が図柄位置「17」から「20」または「0」以外の場合、正解ベル1の図柄組合せが下段ラインに停止表示される。以上の構成では、中第1停止で正解ベル(1、3)の図柄組合せが有効ライン(下段ライン、中段ライン)に停止表示される場合、図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が右上りライン(無効ライン)に停止表示される。
図12に示す通り、打順ベルE(1〜3)が当選した遊技において、右第1停止(右左中、右中左)の順序(正解押順)で停止操作された場合、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される。具体的には、打順ベルEが当選した遊技で、右第1停止の順序で停止操作された場合、各正解ベルの各図柄組合せを有効ラインに表示する停止制御がされ、正解ベル1または正解ベル2の各図柄組合せの何れかが停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。他方で、打順ベルEが決定された遊技で、右第1停止以外の順序で停止操作された場合、今回の遊技で当選した失敗ベルの図柄組合せを有効ラインに引込む停止制御がされる。
以上の通り、正解ベルの正解押順が右第1停止の場合、左第1停止の場合と同様に、正解ベル1または正解ベル2の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。具体的には、正解ベルの正解押順が右第1停止の場合、左第1停止の場合と同様に、正解ベル1の図柄組合せは、右下りラインに停止表示される。また、正解ベル1の図柄組合せを右下りラインに引込めない場合、正解ベル2の図柄組合せが中段ラインに停止表示される。以上の構成では、右第1停止で正解ベル(1、2)の図柄組合せが有効ライン(右下りライン、中段ライン)に停止表示される場合、図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が上段ライン(無効ライン)に停止表示される。
以上の説明から理解される通り、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技においては、正解押順で停止操作がされた場合、「正解ベル」(払出枚数は9枚)に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。一方で、正解押順以外で停止操作がされた場合、ハズレ目が有効ラインに停止する場合がある。したがって、正解押順で遊技をした場合は、正解押順以外で遊技した場合と比較して、遊技者にとって有利となる。詳細には後述するが、メインCPU301がAT状態の場合、正解ベルの正解押順が報知される。
上述した通り、RT状態は、RT0状態からRT2状態を含んで構成される。また、RT状態は、RT移行図柄が有効ラインに表示された場合に移行する。具体的には、有効ラインにRT1移行図柄が表示された場合、RT1状態に移行する。同様に、有効ラインにRT2移行図柄が表示された場合、RT2状態に移行する。
図13は、RT移行図柄規定テーブルの概念図である。図13および図10から理解される通り、RT2移行図柄は、RT2移行リプレイの図柄組合せである。すなわち、RT2移行リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、再遊技の権利が付与され、且つ、RT2状態に移行する。
RT1移行図柄は、RT1移行リプレイの図柄組合せを含む。すなわち、RT1移行リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、再遊技の権利が付与され、且つ、RT1状態に移行する。また、RT1移行図柄は、特定のハズレ目を含む。RT1移行図柄のハズレ目は、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技において、各ベル役(正解ベル、失敗ベル)を取りこぼした場合、有効ラインに停止表示される。すなわち、打順ベルの正解押順以外で停止操作をし、且つ、当選した失敗ベルが引き込めないタイミングで停止操作をした場合、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示される。
詳細には後述するが、メインCPU301がAT状態の場合、RT2移行リプレイが停止表示される停止操作順序が報知される。また、メインCPU301がAT状態の場合、打順ベルの正解押順を報知することで、正解ベルに係る図柄組合せを停止表示可能とし、RT1移行図柄(ハズレ目)が停止表示されることを回避することができる。さらに、メインCPU301がAT状態の場合、打順リプレイYが当選した遊技で、通常リプレイの正解押順が報知され、RT1移行リプレイが有効ラインに停止表示されることを回避することができる。
メインCPU301は、AT状態、通常状態、チャンス状態、開始準備状態、前兆状態、内部中状態、ボーナス作動状態および終了準備状態を含む各遊技状態に応じて、指示表示器16を制御する。現在の遊技状態を示す遊技状態フラグがメインRAM303に記憶される。メインCPU301は、各遊技において、遊技状態フラグを示す遊技状態コマンドをサブCPU412に送信する。サブCPU412は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じて演出を決定する。
AT状態の各遊技において、メインCPU301は、停止操作順序を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。本実施形態では、メインCPU301は、AT状態において、遊技者にとって有利な停止操作順序を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。一方、通常状態では、遊技者にとって有利な停止操作順序の指示がされない。したがって、AT状態は、通常状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態となる。チャンス状態は、通常状態と比較して、AT状態への移行が決定され易く、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
開始準備状態では、AT状態と同様に、遊技者に有利な停止操作順序が指示される。本実施形態では、遊技者に有利な停止操作態様が指示される期間を「指示期間」という。指示期間は、開始準備状態とAT状態とを含む各遊技状態を含む。また、指示期間以外の期間(通常状態等)を「非指示期間」という場合がある。詳細には後述するが、チャンス状態の一部の遊技が指示期間となり、チャンス状態において、遊技者に有利な停止操作態様が指示される。
図14は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図14に示すように、遊技状態は、特定の契機で移行する。例えば、通常状態において、AT状態に当選した場合、前兆状態に移行する。具体的には、メインCPU301は、各遊技において、AT状態の当否をAT決定処理により決定する。メインCPU301は、通常状態でAT状態に当選した場合、上述の遊技状態フラグを通常状態から前兆状態に変更する。また、メインCPU301は、通常状態でAT状態に当選した場合、前兆カウンタに初期値を設定する。前兆カウンタは、前兆状態からAT状態に移行するまでの遊技回数を示し、例えば、メインRAM303に設けられる。前兆カウンタの初期値は、数値「0」〜「32」の何れかが抽選により決定される。メインCPU301は、前兆状態の各遊技で前兆カウンタから数値「1」を減算し、前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、遊技状態を開始準備状態に移行する。また、通常状態でAT状態に当選した場合、メインCPU301は、AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタに初期値「50」を格納する。ATカウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
以上の構成では、前兆カウンタの初期値が数値「1」〜「32」の場合、1回から32回の遊技の前兆状態を介して、AT状態に移行する。前兆カウンタの初期値が数値「0」の場合、AT状態に当選した次回の遊技が開始準備状態になる。なお、AT状態に当選していない場合であっても、特定の契機(例えば、レア役の当選)でガセの前兆状態に移行する構成としてもよい。
図14に示すように、前兆状態が終了した場合、開始準備状態を介してAT状態に移行する。開始準備状態において、メインCPU301は、RT2移行リプレイの正解押順を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。以上の構成では、開始準備状態において、指示情報により指示される順序で停止操作がされた場合、RT2移行リプレイが有効ラインに停止表示され、RT状態がRT2状態に移行する。また、メインCPU301は、開始準備状態において、正解ベルの正解押順を指示する指示情報を指示表示器16に表示させる。以上の構成では、指示情報により指示される順序で停止操作がされた場合、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示されない(正解ベルを取りこぼさない)ため、RT2状態からRT1状態に移行(転落)しない。RT状態がRT2状態に移行した場合、メインCPU301は、開始準備状態からAT状態に遊技状態を移行する。なお、AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタは、開始準備状態においては減算されない。
AT状態において、メインCPU301は、開始準備状態と同様に、正解ベルの正解押順を指示する指示情報とRT2移行リプレイの正解押順を指示する指示情報とを指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、AT状態の各遊技において、ATカウンタから数値「1」を減算する。なお、AT状態は、原則、RT2状態である。したがって、打順リプレイXは当選しないため、RT2移行リプレイの正解押順は、AT状態では指示されない。しかし、例えば、打順ベルが当選したAT状態の遊技で、指示された順序以外で停止操作がされた場合(操作ミスをした場合)、RT1移行図柄が有効ラインに停止し、RT2状態からRT1状態に移行する場合がある。以上の場合であっても、AT状態において、RT2移行リプレイの正解押順が指示されるため、指示情報の指示に従うことにより、RT1状態からRT2状態に復帰できる。
AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタが数値「0」まで減算された場合、メインCPU301は、AT状態から終了準備状態に遊技状態を移行する。詳細には後述するが、AT状態の各遊技では、特定の契機(レア役の当選)で、ATカウンタの数値が加算される場合がある。すなわち、AT状態の残り遊技回数は、上乗せされる場合がある。終了準備状態において、RT1移行図柄が停止表示された場合(打順ベルを取りこぼした場合)、通常状態に移行する。
通常状態の各遊技では、チャンス状態決定処理が実行される。チャンス状態決定処理ではチャンス状態に移行する権利を付与するか否か(チャンス状態に移行するか否か)が抽選で決定される。また、チャンス状態決定処理では、チャンス状態に複数回移行する権利が付与される場合がある。チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合、仮に、今回のチャンス状態でAT状態への移行が決定されなかった場合であっても、その後、次回のチャンス状態に移行する。したがって、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合は、チャンス状態に1回移行する権利が付与された場合と比較して、AT状態への移行が決定され易くなる。チャンス状態への移行が決定された場合、AT状態に移行する場合と同様に、前兆状態を介してチャンス状態する場合と、前兆状態を介さずにチャンス状態に移行する場合とがある。
チャンス状態の各遊技では、通常状態の各遊技と比較して、高い確率でAT状態への移行が決定される。チャンス状態は、予め定められた終了条件で終了する。具体的には、チャンス状態は、10回の遊技で終了する。チャンス状態において、AT状態への移行が決定された場合、その後、AT状態に移行する。一方、チャンス状態の10回の遊技において、AT状態への移行が決定されなかった場合、その後、通常状態に移行する。
以上の通り、通常状態において、AT状態に移行する権利が付与された場合およびチャンス状態に移行する権利が付与された場合、遊技状態が有利な各遊技状態(AT状態、チャンス状態)に移行可能になる。本実施形態では、以上の有利な各遊技状態に移行する権利が付与されてから有利な遊技状態が終了するまでの期間を「規制期間」という。
具体的には、通常状態とAT状態との間に介在する前兆状態および開始準備状態は、AT状態およびチャンス状態と同様に、規制期間に含まれる。また、通常状態とチャンス状態との間に介在する前兆状態は規制期間に含まれる。
上述した通り、メインCPU301の各遊技状態には、内部中状態およびボーナス作動状態が含まれる。ボーナス役が当選した場合に内部中状態へ移行し、内部中状態ではボーナス役が当選した状態が維持される。内部中状態において、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、ボーナス作動状態に移行する。ボーナス作動状態は、予め定められた終了条件で終了する。具体的には、ボーナス作動状態は、297枚より多い個数のメダルが払出された場合に終了する。
以上の内部中状態およびボーナス作動状態は、ボーナス役が当選した遊技状態に応じて、規制期間に含まれる場合と規制期間に含まれない場合とがある。具体的には、前兆状態、開始準備状態、チャンス状態またはAT状態でボーナス役が当選した場合、その後の内部中状態およびボーナス作動状態は規制期間に含まれる。一方、ボーナス役が通常状態または終了準備状態で当選した場合、その後の内部中状態およびボーナス作動状態は規制期間に含まれない。すなわち、規制期間でボーナス役が当選した後の内部中状態およびボーナス作動状態は規制期間に含まれ、規制期間以外でボーナス役が当選した後の内部中状態およびボーナス作動状態は規制期間に含まれない。ただし、規制期間から移行したボーナス作動状態の途中で、当該規制期間が終了する場合がある(詳細には後述)。
本実施形態では、規制期間の遊技回数が予め定められた回数以下になるように制御される。具体的には、規制期間の遊技回数は、1500回以下になる。上述した通り、AT状態の残り遊技回数は、上乗せされる場合がある。本実施形態では、規制期間の遊技回数が1500回以下になるように、AT状態の残り遊技回数の上乗せが決定される(詳細には後述)。規制期間の遊技回数は、規制カウンタに記憶される。規制カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられ、規制期間の各遊技で加算される。
ボーナス作動状態が終了した場合、ボーナス役が当選した遊技における遊技状態に移行(復帰)する。例えば、通常状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に通常状態に移行する。また、チャンス状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後にチャンス状態に移行し、前兆状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に前兆状態に移行し、開始準備状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に開始準備状態に移行する。ただし、終了準備状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に通常状態に移行する。また、AT状態でボーナス役が当選した場合、ボーナス作動状態の終了後に開始準備状態に移行する。
ただし、ボーナス作動状態において、AT状態に移行する権利が付与されてからの遊技回数が予め定められた特定回数(1500回)に達した場合、AT状態でボーナス役が当選した場合であっても、ボーナス作動状態が終了した後に通常状態に移行する(詳細には後述)。
規制カウンタは、各種の条件で初期化される。例えば、AT状態が終了した場合に規制カウンタが初期化される。また、規制期間(AT状態)においてボーナス作動状態に移行した場合であって、進行中のボーナス作動状態で規制期間の遊技回数が1500回に達した場合、当該ボーナス作動状態で規制期間が終了し、規制カウンタが初期化される。
また、チャンス状態が終了した場合であって、AT状態に移行しない場合(チャンス状態でAT状態に当選しなかった場合)、規制カウンタが初期化される。ただし、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合は、チャンス状態が終了した場合であっても規制カウンタが初期化されない場合がある。具体的には、今回のチャンス状態が終了した場合であって、次回のチャンス状態に移行する権利が既に付与されている場合(今回のチャンス状態に移行する権利と次回のチャンス状態に移行する権利とが一度に付与されていた場合)は、今回のチャンス状態が終了した場合に規制カウンタは初期化されない。
本実施形態では、規制期間の遊技回数が特定回数以下となるようにAT状態を終了させることで、一度に過剰な利益が遊技者に付与される不都合が抑制される。
図15は、各指示決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「1」〜「5」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルA(図15(a))と指示決定テーブルB(図15(b))とを含んでいる。指示決定テーブルAは、非指示期間(通常状態等)の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルBは、指示期間(AT状態等)の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、図15に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
図15(a)に示すように、非指示期間において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において消灯する。以上の構成によれば、非指示期間では、指示表示器16により停止操作態様が指示されない。
図15(b)に示すように、指示期間の各遊技において、打順リプレイX1または打順リプレイY1または打順ベルA(1〜3)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX1が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順(RT1状態からRT2状態へ昇格させる押順)は「左中右」である。また、打順リプレイY1が当選した場合の通常リプレイの正解押順(RT2状態からRT1状態への転落を回避する押順)は「左中右」である。さらに、打順ベルAが当選した場合の正解ベルの正解押順は「左中右」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「1」が表示された遊技では、「左中右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「1」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「左中右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「1」を表示することで、「左中右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図15(b)に示すように、指示期間の各遊技において、打順リプレイX2または打順リプレイY2または打順ベルB(1〜3)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「2」(以下、「指示情報「2」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX2が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「左右中」である。また、打順リプレイY2が当選した場合の通常リプレイの正解押順は「左右中」である。さらに、打順ベルBが当選した場合の正解ベルの正解押順は「左右中」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「2」が表示された遊技では、「左右中」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「2」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「左右中」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「2」を表示することで、「左右中」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図15(b)に示すように、指示期間の各遊技において、打順リプレイX3または打順リプレイY3または打順ベルC(1〜3)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「3」(以下、「指示情報「3」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX3が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「中左右」である。また、打順リプレイY3が当選した場合の通常リプレイの正解押順は「中左右」である。さらに、打順ベルCが当選した場合の正解ベルの正解押順は「中左右」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「3」が表示された遊技では、「中左右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「3」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中左右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「3」を表示することで、「中左右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図15(b)に示すように、指示期間の各遊技において、打順リプレイX4または打順リプレイY4または打順ベルD(1〜3)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「04」を決定する。指示番号「04」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「4」(以下、「指示情報「4」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX4が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「中右左」である。また、打順リプレイY4が当選した場合の通常リプレイの正解押順は「中右左」である。さらに、打順ベルDが当選した場合の正解ベルの正解押順は「中右左」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「4」が表示された遊技では、「中右左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「4」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中右左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「4」を表示することで、「中右左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図15(b)に示すように、指示期間の各遊技において、打順リプレイX5または打順リプレイY5または打順ベルE(1〜3)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「05」を決定する。指示番号「05」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「5」(以下、「指示情報「5」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX5が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は右第1停止である。また、打順リプレイY5が当選した場合の通常リプレイの正解押順は右第1停止である。さらに、打順ベルEが当選した場合の正解ベルの正解押順は右第1停止である。以上の説明から理解される通り、指示情報「5」が表示された遊技では、右第1停止で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「5」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、右第1停止で停止操作する。以上の構成は、指示情報「5」を表示することで、右第1停止で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。また、指示期間において、打順リプレイまたは打順ベル以外が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「99」を決定し、指示表示器16は、指示情報を表示しない。
図15(c)は、セグメント表示器Dの模式図である。セグメント表示器Dは、上述した指示表示器16を含んで構成される。上述した通り、指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。指示表示器16は一桁の7セグメントディスプレイである。図15(c)では、指示情報「1」を表示する指示表示器16を例示する。
図15(c)に示す通り、セグメント表示器Dは、規制期間表示器38を含んで構成される。規制期間表示器38は、規制期間においてON状態(点灯)になる。上述した通り、各指示期間(開始準備状態、AT状態、チャンス状態の一部)は、規制期間に含まれる。したがって、指示表示器16に指示情報が表示される指示期間では、規制期間表示器38が点灯する。なお、本実施形態では、終了準備状態において規制期間表示器38が点灯しない構成としたが、終了準備状態において規制期間表示器38が点灯される構成としてもよい。
図16は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。メインCPU301は、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において、第1コマンドと第2コマンドとを含む各種のコマンドをサブCPU412に送信する。
図16に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンド「A00」〜「A11」をサブCPU412に送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、打順リプレイ(X1〜X5、Y1〜Y5)が当選した場合、コマンド「A01」を送信する。さらに、メインCPU301は、通常リプレイが当選した場合、コマンド「A02」を送信し、小役ALLが当選した場合、コマンド「A03」を送信し、共通ベルが当選した場合、コマンド「A04」を送信し、スイカが当選した場合、コマンド「A05」を送信し、弱チェリーが当選した場合、コマンド「A06」を送信し、強チェリーが当選した場合、コマンド「A07」を送信し、チャンス目が当選した場合、コマンド「A08」を送信する。同様に、メインCPU301は、打順ベル(A1〜A3、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3、E1〜E3)が当選した場合、メインCPU301は、コマンド「A09」を送信し、重複ボーナスが当選した場合、コマンド「A10」を送信し、単独ボーナスが当選した場合、コマンド「A11」を送信する。
サブCPU412は、以上の第1コマンドを受信した場合、当該第1コマンドに応じて各種の演出を決定する。例えば、スイカが当選した場合のコマンド「A05」が受信された場合、サブCPU412は、スイカが当選した旨を報知する演出を決定する。
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンド(B01〜B05、B99)をサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、図16に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、通常状態の毎回の遊技で決定される。したがって、非指示期間では、コマンド「B99」が毎回の遊技で送信される。また、指示番号「99」は、指示期間で打順リプレイ(X、Y)および打順ベル(A〜E)以外の当選エリア(ハズレ等)が当選した場合に決定される。
図16に示すように、メインCPU301は、指示期間において、打順リプレイX1または打順リプレイY1または打順ベルAが当選し、指示番号「01」(左中右の順序)を決定した場合、コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、指示期間において、打順リプレイX2または打順リプレイY2または打順ベルBが当選し、指示番号「02」(左右中の順序)を決定した場合、コマンド「B02」を送信し、打順リプレイX3または打順リプレイY3または打順ベルCが当選し、指示番号「03」(中左右の順序)を決定した場合、コマンド「B03」を送信し、打順リプレイX4または打順リプレイY4または打順ベルDが当選し、指示番号「04」(中右左の順序)を決定した場合、コマンド「B04」を送信し、打順リプレイX5または打順リプレイY5または打順ベルEが当選し、指示番号「05」(右第1停止)を決定した場合、コマンド「B05」を送信する。
以上の第2コマンドがサブCPU412で受信された場合、サブCPU412は、当該第2コマンドで特定される指示番号の停止操作順序を指示する指示演出を決定する。上述した通り、非指示期間で送信される第2コマンドは、コマンド「B99」(指示なし)のみである。したがって、非指示期間では、原則、指示演出は実行されない。ただし、出玉率に影響しない(影響が小さい)停止操作順序を指示する演出が実行される構成としてもよい。
図17は、各回胴演出決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、回胴演出決定処理において、各回胴演出を実行するか否かを決定する。回胴演出において、メインCPU301は、予め定められた態様で各リール12を変動させる。各回胴演出は、回胴演出Aと回胴演出Bと回胴演出Cと回胴演出Dとを含み、回胴演出毎に各リール12の態様が相違する。なお、各回胴演出における各リール12の態様は、適宜に変更することができる。
メインCPU301は、非指示期間の各遊技において、回胴演出決定テーブルAを用いて回胴演出を決定する。また、メインCPU301は、指示期間の各遊技において、回胴演出決定テーブルBを用いて回胴演出を決定する。
図17に示すように、各回胴演出決定テーブルは、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。また、各抽選値は、「演出なし」の抽選値と回胴演出Aの抽選値と回胴演出Bの抽選値と回胴演出Cの抽選値と回胴演出Dの抽選値とを含んでいる。各抽選値は、回胴演出決定処理において、「演出なし」から回胴演出Dの順序(演出なし→回胴演出A→回胴演出B→回胴演出C→回胴演出Dの順序)で乱数値R2(0〜255)に減算される。メインCPU301は、減算結果が負数になった抽選値の回胴演出を決定する。例えば、非指示期間において、レア役(チェリー役、スイカ役、チャンス目)が当選し、乱数値R2が数値「200」の場合を想定する。非指示期間でレア役が当選した場合、図17に示すように、「演出なし」の抽選値「228」が乱数値R2に減算される。以上の場合、乱数値R2からレア役の抽選値を減算した結果(200−228=−28)は、負数になるため、メインCPU301は、今回の遊技で回胴演出を実行しないことを決定する。また、例えば、非指示期間において、レア役が当選し、乱数値R2が数値「230」の場合を想定する。以上の場合、乱数値R2から「演出なし」の抽選値を減算した結果(230−228=2)は負数にならず、その後、当該減算結果に回胴演出Aの抽選値「12」を減算した場合に負数になる。したがって、メインCPU301は、回胴演出Aを決定する。
メインCPU301は、各遊技で決定した回胴演出を示す演出種別コマンドをサブCPU412に送信する。演出種別コマンドは、上述した第1コマンドおよび第2コマンドと同様に、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において送信される。なお、演出種別コマンドの送信時期は適宜に変更することができる。
図18は、各AT決定テーブルの概念図である。各AT決定テーブルは、通常状態のAT決定処理で用いられるAT決定テーブルXとチャンス状態のAT決定処理で用いられるAT決定テーブルYとを含む。また、AT決定テーブルの各々は、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。なお、図18においては、打順ベルおよび共通ベル以外の当選役の抽選値を省略して示す。本実施形態のAT決定テーブルの各抽選値は、レア役に当選した場合、他の当選エリアに当選した場合と比較して、AT状態への移行が決定され易く構成される。
AT決定テーブルYを用いた場合、AT決定テーブルXを用いた場合と比較して、AT決定処理でAT状態への移行が決定され易い。すなわち、チャンス状態の各遊技では、通常状態の各遊技と比較して、AT状態への移行が決定され易い。
また、各当選エリアの各抽選値は、回胴演出に応じて設けられ、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。メインCPU301は、各遊技のAT決定処理において、当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。メインCPU301は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、AT状態への移行を決定する。以上の構成によれば、当選エリアと回胴演出とに応じた確率で、AT状態に移行するか否かが決定される。例えば、通常状態の遊技で打順ベル(A〜E)が当選し、且つ、回胴演出を実行しないことが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「0」であるから、AT状態に当選しない。一方、通常状態の遊技で打順ベルが当選し、且つ、回胴演出Aが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「3276」であるから、AT状態に当選する。また、通常状態の遊技で打順ベルが当選し、且つ、回胴演出Bまたは回胴演出Cが決定された場合を想定する。以上の場合、「当選」の抽選値は数値「6553」であるから、打順ベルが当選した遊技で回胴演出Aが当選した場合より、高い確率でAT状態に当選する。
図19は、チャンス状態決定テーブルの概念図である。チャンス状態決定テーブルは、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。なお、図19においては、打順ベルおよび共通ベル以外の当選役の抽選値を省略して示す。各当選エリアの各抽選値は、回胴演出に応じて設けられ、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。メインCPU301は、各遊技のチャンス状態決定処理において、当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。メインCPU301は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、チャンス状態への移行を決定する。以上の構成によれば、当選エリアと回胴演出とに応じた確率で、チャンス状態に移行するか否かが決定される。
図20は、規制期間を説明するためのタイムチャートである。図20の具体例では、開始準備状態およびAT状態に移行する場合の規制期間が示される。図20の時間軸上には、各遊技の期間が示される。なお、1回の遊技の時間長は、遊技者の遊技操作の時間間隔(例えば停止ボタン25を停止操作する時間間隔)により遊技毎に相違するが、図20においては、各遊技の時間長が略同じであるものとする。
図20には、各時点(各遊技)における規制カウンタの数値およびATカウンタの数値が示される。また、図20には、各時点における遊技状態が示される。図20の具体例では、通常状態において、AT状態に当選した場合(AT状態に移行する権利が付与された場合)を想定する。通常状態において、AT状態に当選した場合、図20に示す通り、ATカウンタに初期値「50」が格納される。なお、ATカウンタの初期値が抽選により決定される構成としてもよい。通常状態において、規制カウンタは、数値「0」である。
図20の具体例では、AT状態に当選した次回の遊技で開始準備状態(指示期間)に移行した場合を想定する。すなわち、前兆状態を介さずに開始準備状態に移行した場合を想定する。以上の場合、開始準備状態に移行した最初の遊技が、規制期間の開始遊技になる。また、規制期間の各遊技では、規制カウンタに数値「1」が加算される。以上の具体例では、開始準備状態の1回目の遊技(AT状態に当選した次回の遊技)から規制カウンタの加算が開始される。
上述した通り、開始準備状態では、RT2移行リプレイの正解押順が指示され、RT2状態に移行した場合、AT状態に移行する。RT2移行リプレイが当選するか否かは抽選により決定されるため、RT2状態に移行可能になる遊技はランダムになる。したがって、開始準備状態の遊技回数はランダムになる。図20の具体例では、開始準備状態がX回(Xは正の整数)継続した場合を想定する。
図20に示す通り、開始準備状態(AT状態に移行する以前)では、ATカウンタが減算されない。一方、規制カウンタは、開始準備状態の各遊技において、数値「1」ずつ加算される。図20の具体例では、開始準備状態の最終遊技の規制カウンタは数値「X」になる。
AT状態の各遊技では、図20に示す通り、ATカウンタが数値「1」ずつ減算される。また、AT状態の各遊技では、開始準備状態の各遊技と同様に、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。図20の具体例では、ATカウンタが数値「0」まで減算された遊技で、規制カウンタが数値「M」(Mは正の整数)まで加算された場合を想定する。上述した通り、AT状態は、ATカウンタが数値「0」まで減算された場合に終了し、終了準備状態に移行する。終了準備状態に移行した場合、規制期間が終了する。以上の図20の具体例では、規制期間の遊技回数はM回である。
メインCPU301は、規制期間が終了する場合、初期化処理を実行する。初期化処理では、規制カウンタが初期化される。また、初期化処理では、ATカウンタが初期化される。さらに、初期化処理では、後述する前兆カウンタおよびチャンス状態カウンタが初期化される。上述した通り、終了準備状態は、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示され、RT1状態に移行した場合に終了し、通常状態に移行する。
上述した通り、AT状態の残り遊技回数は、抽選により上乗せされる場合がある。したがって、AT状態の遊技回数はランダムになり、初期値「50」より多い場合がある。例えば、規制期間が開始準備状態とAT状態とで構成される場合(図20の具体例と同様)であって、開始準備期間の遊技回数が10回の遊技で終了し、AT状態の遊技回数の上乗せがなかった場合を想定する。以上の場合、規制期間の遊技回数は、開始準備状態の遊技回数「10」にAT状態の遊技回数の初期値「50」を加算した60回になる。また、例えば、開始準備期間の遊技回数が10回の遊技で終了し、AT状態の遊技回数が合計で500回上乗せされた場合を想定する。以上の場合、規制期間の遊技回数は560(10+50+500)回になる。
ところで、遊技者に有利な遊技状態(AT状態等)に移行する権利が付与されてから当該遊技状態が終了するまでの規制期間が無制限に継続され得る構成では、短期間で遊技者に付与される利益が過剰になり易くなるという不都合が生じ得る。例えば、本実施形態では、AT状態の遊技回数が上乗せされる場合がある。以上の構成では、AT状態が過度に長期化した場合(多くの上乗せ遊技回数が付与された場合)、上述した不都合が顕在化する。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、規制期間の遊技回数が特定の数値以下になる構成とした。具体的には、規制期間の遊技回数が1500以下になるように、AT状態の遊技回数が上乗せされる構成を採用した。
図21(a)から図21(e)は、各上乗せ決定テーブル(A〜E)の概念図である。各上乗せ決定テーブルは、各上乗せ遊技回数(10回、30回、50回、100回、300回)の各抽選値V(1〜5)を含んで構成される。また、各抽選値Vは、当選エリア毎に設けられる。図21に示す各抽選値Vは、数値「0」より大きい整数である。
AT状態の各遊技で実行される上乗せ決定処理において、今回の遊技の当選エリアに応じた各抽選値が乱数値R3に順次に減算され、減算結果が負数の上乗せ遊技回数が決定される。例えば、今回の遊技でスイカが当選した場合、乱数値R3に抽選値Va1が減算され、減算結果が負数の場合、上乗せ遊技回数「10回」が決定される。一方、抽選値Va1の減算結果が負数でない場合、該減算結果に抽選値Va2を減算し、減算結果が負数の場合、上乗せ遊技回数「30回」が決定される。その後、減算結果が負数になるまで、各抽選値が順次に減算され、全ての抽選値V(a1〜a5)を減算した結果が負数ではない場合、上乗せ遊技回数は決定されない。
各上乗せ決定テーブルは、ATカウンタと規制カウンタとの合計値に応じて複数設けられる。各上乗せ決定テーブルでは、上乗せ遊技回数の最大値が相違する。本実施形態では、ATカウンタと規制カウンタとの合計値を「制御値K」という。
上述した通り、ATカウンタは、AT状態の残り遊技回数である。また、規制カウンタは、進行中の規制期間の遊技回数の現在値である。したがって、制御値Kは、進行中のAT状態において、その後に遊技回数の上乗せがなかった場合の規制期間の遊技回数であるとも換言される。例えば、ATカウンタが数値「200」で規制カウンタが数値「1000」の場合、すなわち、制御値Kの現在値が数値「1200」の場合を想定する。以上の場合、上乗せがなかった場合であっても、進行中のAT状態は、その後、少なくとも200回は継続するから、進行中の規制期間は少なくとも1200回まで継続する。
図21(a)は、上乗せ決定テーブルAの概念図である。上乗せ決定テーブルAは、制御値Kが数値「1200」以下の場合、上乗せ決定処理において用いられる(K<1200)。上乗せ決定テーブルAでは、上乗せ遊技回数「10回」、上乗せ遊技回数「30回」、上乗せ遊技回数「50回」、上乗せ遊技回数「100回」または上乗せ遊技回数「300回」が決定される。
以上の構成では、制御値Kが数値「1200」以下の場合に決定される上乗せ遊技回数の最大値は「300回」になる。したがって、最大の上乗せ遊技回数が決定された場合であっても、制御値Kが数値「1500」より大きくならない。すなわち、最終的な規制期間の遊技回数が1500回以下になる。
図21(b)は、上乗せ決定テーブルBの概念図である。上乗せ決定テーブルBは、制御値Kが数値「1200」より大きく、数値「1400」以下の場合、上乗せ決定処理において用いられる(1200<K≦1400)。上乗せ決定テーブルBでは、上乗せ遊技回数「300回」の各抽選値が数値「0」である。したがって、上乗せ決定テーブルBでは、上乗せ遊技回数「300回」は決定されない。具体的には、上乗せ決定テーブルBでは、上乗せ遊技回数「10回」、上乗せ遊技回数「30回」、上乗せ遊技回数「50回」または上乗せ遊技回数「100回」が決定される。
以上の構成では、制御値Kが数値「1400」以下の場合に決定される上乗せ遊技回数の最大値は「100回」になるため、最大の上乗せ遊技回数が決定された場合であっても、制御値Kが数値「1500」より大きくならない。すなわち、最終的な規制期間の遊技回数が1500回以下になる。
図21(c)は、上乗せ決定テーブルCの概念図である。上乗せ決定テーブルCは、制御値Kが数値「1400」より大きく、数値「1450」以下の場合、上乗せ決定処理において用いられる(1400<K≦1450)。上乗せ決定テーブルCでは、上乗せ遊技回数「300回」および上乗せ遊技回数「100回」の各抽選値が数値「0」である。したがって、上乗せ決定テーブルCでは、上乗せ遊技回数「300回」および上乗せ遊技回数「100回」は決定されない。具体的には、上乗せ決定テーブルCでは、上乗せ遊技回数「10回」、上乗せ遊技回数「30回」または上乗せ遊技回数「50回」が決定される。
以上の構成では、制御値Kが数値「1450」以下の場合に決定される上乗せ遊技回数の最大値は「50回」になるため、最大の上乗せ遊技回数が決定された場合であっても、制御値Kが数値「1500」より大きくならない。すなわち、最終的な規制期間の遊技回数が1500回以下になる。
図21(d)は、上乗せ決定テーブルDの概念図である。上乗せ決定テーブルDは、制御値Kが数値「1450」より大きく、数値「1470」以下の場合、上乗せ決定処理において用いられる(1450<K≦1470)。上乗せ決定テーブルDでは、上乗せ遊技回数「300回」、上乗せ遊技回数「100回」および上乗せ遊技回数「50」の各抽選値が数値「0」である。したがって、上乗せ決定テーブルBでは、上乗せ遊技回数「300回」、上乗せ遊技回数「100回」および上乗せ遊技回数「50回」は決定されない。具体的には、上乗せ決定テーブルDでは、上乗せ遊技回数「10回」または上乗せ遊技回数「30回」が決定される。
以上の構成では、制御値Kが数値「1470」以下の場合に決定される上乗せ遊技回数の最大値は「30回」になるため、最大の上乗せ遊技回数が決定された場合であっても、制御値Kが数値「1500」より大きくならない。すなわち、最終的な規制期間の遊技回数が1500回以下になる。
図21(e)は、上乗せ決定テーブルEの概念図である。上乗せ決定テーブルEは、制御値Kが数値「1470」より大きく、数値「1490」以下の場合、上乗せ決定処理において用いられる(1470<K≦1490)。上乗せ決定テーブルEでは、上乗せ遊技回数「10」以外の各抽選値が数値「0」である。したがって、上乗せ決定テーブルEでは、上乗せ遊技回数「10回」が決定され得る。
以上の構成では、制御値Kが数値「1490」以下の場合に決定される上乗せ遊技回数の最大値は「10回」になるため、最大の上乗せ遊技回数が決定された場合であっても、制御値Kが数値「1500」より大きくならない。すなわち、最終的な規制期間の遊技回数が1500回以下になる。
制御値Kが数値「1490」を超えた場合、上乗せ遊技回数は決定されなくなる。以上の構成によれば、制御値Kの現在値に応じて、上乗せ遊技回数の最大値が変化(調整)され、最終的な規制期間の遊技回数を1500回以下にすることができる。したがって、一度に過剰な利益が付与される上述した不都合が抑制される。
上述した図20では、開始準備状態とAT状態とで規制期間が構成される具体例を説明した。以下、図22から図24を用いて、規制期間が他の遊技状態(前兆状態、チャンス状態、ボーナス作動状態)で構成される具体例を説明する。
図22は、規制期間の他の具体例を説明するためのタイムチャートである。図22の具体例では、規制期間に前兆状態が含まれる場合を示す。図22の具体例では、前兆状態を介してAT状態に移行する場合を想定する。図22には、図20と同様に、各遊技における、規制カウンタとATカウンタとの数値が示される。また、図22には、各遊技における遊技状態が示される。さらに、図22には、各遊技における前兆カウンタが示される。
上述した通り、通常状態においてAT状態への移行が決定された場合、前兆状態の遊技回数が抽選で決定される。本実施形態では、前兆状態の遊技回数は、0回(図20の具体例)から32回の何れかである。図22の具体例では、前兆状態の遊技回数として32回が決定された場合を想定する。AT状態に当選した場合、前兆状態の遊技回数の初期値が前兆カウンタに格納される。また、AT状態に当選した場合、AT状態の初期値(図22の具体例では数値「50」)がATカウンタに格納される。ATカウンタの数値は、前兆状態および開始準備状態では減算されない。
前兆状態に移行した場合(AT状態への移行権利が付与された場合)、規制期間が開始される。また、図22に示す通り、前兆状態に移行した以降の各遊技において、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。また、図22に示す通り、前兆状態の各遊技では、前兆カウンタが数値「1」ずつ減算される。
図22に示す通り、前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、前兆状態から開始準備状態に移行する。開始準備状態は、RT2状態に移行した場合に終了し、AT状態に移行する。上述した通り、RT2状態に移行可能となる遊技は内部抽選の結果によるため、開始準備状態の遊技回数(図22の具体例ではX回)はランダムになる。開始準備状態の各遊技では、前兆状態の各遊技と同様に、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。したがって、図22の具体例では、AT状態が開始される直前における規制カウンタの数値は、前兆状態の遊技回数(32)と開始準備状態の遊技回数(X)との合計値(X+32)になる。
上述した通り、AT状態の各遊技では、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。以上の構成では、前兆状態と開始準備状態とAT状態とで構成される規制期間の遊技回数が規制カウンタで計数される。また、図22に示す具体例では、制御値K(規制カウンタとATカウンタとの合計値)に応じた上乗せ決定テーブル(図21参照)により上乗せ遊技回数が決定され、規制期間の最終的な遊技回数が1500回以下になる(M≦1500)。したがって、例えば、規制期間(AT状態)の遊技回数の最大値が設けられない構成と比較して、1回の規制期間で付与される利益が過剰になる不都合が抑制される。
また、本実施形態における規制期間の遊技回数には、前兆状態の遊技回数が含まれる。すなわち、規制期間の遊技回数は、前兆期間の遊技回数とAT状態の遊技回数との合計以上になる。規制期間の遊技回数には上限(1500)が設けられるため、前兆状態の遊技回数が多いほど、AT状態の遊技回数の上限が少なくなる。したがって、前兆状態が長期化した場合、AT状態で付与される利益が小さくなり易くなる。以上の構成によれば、例えば、前兆状態が長いほど大きな利益が付与される構成と比較して、射幸性が過度に煽られるという不都合が抑制される。
図23(a)から図23(c)は、規制期間の他の具体例を説明するためのタイムチャートである。図23(a)から図23(c)の具体例では、規制期間の各遊技状態のうちチャンス状態に移行する場合が示される。図23(a)から図23(c)には、図20および図22と同様に、各遊技における、規制カウンタとATカウンタと遊技状態とが示される。また、図23には、各遊技におけるチャンス状態カウンタの数値が示される。
図23(a)は、通常状態からチャンス状態に移行する場合であって、チャンス状態でAT状態への移行が決定された場合の具体例を説明するためのタイムチャートである。上述した通り、チャンス状態は10回の遊技で終了する。チャンス状態の残り遊技回数は、チャンス状態カウンタに記憶される。チャンス状態カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
図23(a)に示す通り、通常状態のチャンス状態決定処理でチャンス状態への移行が決定された場合、チャンス状態カウンタに初期値「10」が格納される。また、チャンス状態カウンタは、チャンス状態の各遊技で数値「1」ずつ減算され、数値「0」まで減算された場合、チャンス状態が終了する。
通常状態でチャンス状態への移行が決定された場合、次回の遊技から規制期間が開始される。チャンス状態の各遊技では、規制カウンタに数値「1」が加算される。なお、本実施形態では、AT状態に当選したか否かに関わらず、チャンス状態の遊技回数は10回である。しかし、AT状態に当選した遊技でチャンス状態を終了し、次回の遊技から開始準備状態に移行する構成としてもよい。
上述した通り、チャンス状態の各遊技では、通常状態の各遊技と比較して、高い確率でAT状態への移行が決定される。図23(a)の具体例では、チャンス状態の3回目の遊技で、AT状態に当選した場合を想定する。チャンス状態でAT状態に当選した場合、通常状態でAT状態に当選した場合と同様に、ATカウンタに初期値「50」が格納される。ATカウンタは、AT状態が開始されるまで減算されない。
チャンス状態でAT状態への移行が決定された場合、チャンス状態が終了した後に開始準備状態に移行する。図23(a)の具体例では、開始準備状態のX回目の遊技でRT2状態に移行し、開始準備状態からAT状態に移行する場合を想定する。開始準備状態の各遊技では、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。以上の構成では、AT状態が開始する直前の規制カウンタは、チャンス状態の遊技回数(10回)に開始準備状態の遊技回数(X回)を加算した数値(X+10回)になる。
AT状態の各遊技では、規制カウンタに数値「1」が加算され、ATカウンタから数値「1」が減算される。AT状態は、ATカウンタが数値「0」まで減算された場合に終了し、終了準備状態に移行する。終了準備状態に移行した場合、初期化処理が実行され、規制カウンタが初期化される。
以上の通り、図23(a)の具体例の規制期間は、チャンス状態と開始準備状態とAT状態とで構成され、各遊技状態に亘り、規制カウンタが加算される。上述した通り、制御値K(規制カウンタとATカウンタとの合計値)に応じた上乗せ決定テーブルでAT状態の上乗せ遊技回数が決定され、規制期間の最終的な遊技回数が1500回以下になる。図23(a)の具体例では、チャンス状態と開始準備状態とAT状態との合計の遊技回数(規制期間)が1500回以下になる。
図23(b)は、通常状態からチャンス状態に移行する場合であって、チャンス状態でAT状態への移行が決定されない場合の具体例を説明するためのタイムチャートである。上述した通り、通常状態のチャンス状態決定処理でチャンス状態への移行が決定された場合、チャンス状態カウンタに初期値「10」が格納される。また、チャンス状態カウンタは、チャンス状態の各遊技で数値「1」ずつ減算され、数値「0」まで減算された場合、チャンス状態が終了する。また、通常状態でチャンス状態への移行が決定された場合、次回の遊技から規制期間が開始される。チャンス状態の各遊技では、規制カウンタに数値「1」が加算される。
以上の具体例では、チャンス状態でAT状態への移行が決定されないため、チャンス状態が終了した後に、規制期間が終了して通常状態に移行する。なお、詳細には後述するが、チャンス状態決定処理では、チャンス状態に複数回移行する権利が一度に付与される場合がある。以上の場合、今回のチャンス状態が終了した後に、次回のチャンス状態が開始される。
図23(b)の具体例では、通常状態におけるチャンス状態決定処理で、チャンス状態に一回移行する権利が付与された場合を想定する。以上の具体例では、チャンス状態から通常状態に移行する場合、規制カウンタが初期化される。すなわち、チャンス状態に移行する権利が付与された場合、規制カウンタの加算が開始されるが、AT状態に移行しない場合は、規制カウンタが初期化される。したがって、その後、有利な遊技状態への移行権利が付与され、規制期間が開始された場合、規制カウンタが初期値「0」から加算される。
仮に、チャンス状態でAT状態に当選しないで通常状態に移行した場合、規制カウンタが初期化されない構成(以下「対比例」)を考える。以上の対比例では、前回のチャンス状態が終了した時点の規制カウンタの数値から今回の規制期間の遊技回数が計数されるものとする。例えば、前回のチャンス状態でAT状態に当選しないで通常状態に移行し、その後、通常状態でAT状態に当選して規制期間が開始された場合を想定する。以上の場合、前回のチャンス状態の終了時点における規制カウンタは数値「10」であり、今回の規制期間では、数値「10」から規制カウンタが加算される。
しかし、以上の対比例では、連続する複数のチャンス状態でAT状態に当選しなかった場合、今回の規制期間が開始された時点の規制カウンタの初期値が過度に大きくなる可能性がある。例えば、チャンス状態でAT状態に当選しなかった回数が40回の場合、その後の規制期間では、数値「400」(10×40)から規制カウンタが加算される。規制カウンタが数値「1500」になるようにAT状態の遊技回数が制御されから、以上の場合、今回の規制期間の遊技回数は、1100回以下になるように制御される。
以上の説明から理解される通り、対比例では、AT状態に当選しなかったチャンス状態の回数によっては、今回の規制期間の遊技回数(AT状態の遊技回数)が過度に短くなる不都合が生じ得る。本実施形態では、チャンス状態でAT状態に当選しなかった場合、規制カウンタが初期化され、次回の規制期間が開始された場合の規制カウンタの初期値は数値「0」である。したがって、上述した不都合が抑制される。
図23(c)は、通常状態でチャンス状態に複数回移行する権利が一度に付与された場合の具体例を説明するためのタイムチャートである。図23(c)の具体例では、通常状態でチャンス状態に2回移行する権利が一度に付与された場合を想定する。また、以上の具体例において、1回目のチャンス状態ではAT状態への移行が決定されず、2回目のチャンス状態でAT状態への移行が決定された場合を想定する。上述した通り、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合、今回のチャンス状態でAT状態への移行が決定されなかった場合、その後、次回のチャンス状態に移行可能になる。
図23(c)に示す通り、チャンス状態に2回移行する権利が付与された場合、1回目のチャンス状態の残り遊技回数の初期値「10」がチャンス状態カウンタに格納される。また、チャンス状態に2回移行する権利が付与された場合、規制期間が開始され、その後のチャンス状態の各遊技において、規制カウンタが数値「1」ずつ加算される。
1回目のチャンス状態が開始され、その後、チャンス状態カウンタが数値「0」に減算された場合、1回目のチャンス状態を終了し、2回目のチャンス状態の残り遊技回数の初期値がチャンス状態カウンタに格納される。以上の構成では、図23(c)に示す通り、1回目のチャンス状態が終了した場合であっても、2回目のチャンス状態に移行可能であるため、規制期間が継続し、規制カウンタは初期化されない。
図23(c)に示す通り、2回目のチャンス状態でAT状態に当選した場合、ATカウンタにAT状態の初期値が格納され、2回目のチャンス状態が終了した後に開始準備状態に移行する。開始準備状態でRT2状態に移行した場合、AT状態が開始される。その後、AT状態が終了した場合、終了準備状態に移行する。AT状態が終了した場合、規制カウンタを初期化する(規制期間が終了する)。なお、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合であって、全てのチャンス状態でAT状態に移行する権利が付与されない場合、最後のチャンス状態が終了した後に、規制期間が終了する。また、最後のチャンス状態が終了した後に、規制カウンタが初期化される。
以上の通り、図23(c)の具体例の規制期間は、2回のチャンス状態と開始準備状態とAT状態とで構成され、各遊技状態に亘り、規制カウンタが加算される。上述した通り、制御値Kに応じた上乗せ決定テーブルでAT状態の上乗せ遊技回数が決定され、規制期間の最終的な遊技回数が1500回以下になる。図23(c)の具体例では、2回のチャンス状態と開始準備状態とAT状態との合計の遊技回数(規制期間)が1500回以下になる。
ところで、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合は、チャンス状態に1回移行する権利が付与された場合より、遊技者にとって有利になる。したがって、チャンス状態に複数回移行する権利が付与される構成では、遊技者の利益が過剰になる不都合が生じやすい。
以上の事情を考慮して本実施形態では、チャンス状態に移行する権利が複数個付与された場合、各チャンス状態(1回目のチャンス状態と2回目のチャンス状態)の合計の遊技回数(20回)が規制期間の遊技回数として計数される。したがって、今回の規制期間において、チャンス状態に移行した回数が多いほど、その後のAT状態における遊技回数の上限が少なくなる。例えば、本実施形態では、今回の規制期間において、チャンス状態に移行した回数が1回の場合、AT状態(開始準備状態を含む)の最大の遊技回数は1490回である。一方、今回の規制期間において、チャンス状態に移行した回数が2回の場合、AT状態の遊技回数(開始準備状態を含む)は1480回以下になる。以上の本実施形態によれば、上述した不都合を抑制することができる。
なお、上述した通り、チャンス状態に移行する権利が付与された場合、AT状態に移行する権利が付与された場合と同様に(図20参照)、通常状態から前兆状態を介してチャンス状態に移行する場合がある。チャンス状態に移行する場合の前兆状態は、AT状態に移行する場合の前兆状態と同様に、規制期間に含まれ、チャンス状態に移行する場合の前兆状態の各遊技で規制カウンタが加算される。
また、図23(c)に示す具体例では、今回のチャンス状態が終了した直後に次回のチャンス状態に移行する構成とした。しかし、今回のチャンス状態が終了した場合、前兆状態を介して、次回のチャンス状態が開始される構成としてもよい。以上の構成では、各チャンス状態に介在する前兆状態は、規制期間に含まれる。
図24(a)および図24(b)は、規制期間の他の具体例を説明するためのタイムチャートである。図24(a)および図24(b)の具体例は、AT状態において、ボーナス役が当選して内部中状態に移行し、その後、ボーナス作動状態に移行する場合を想定する。上述した通り、AT状態でボーナス役に当選した場合、その後の内部中状態とボーナス作動状態とは規制期間であり、内部中状態およびボーナス状態の遊技回数は、規制期間の遊技回数として計数される。
図24(a)および図24(b)には、各遊技における規制カウンタおよびATカウンタの数値が示される。また、図24(a)および図24(b)には、各遊技における払出カウンタの数値が示される。払出カウンタは、ボーナス作動状態で払出されたメダルの合計値を示す。払出カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
上述した通り、ボーナス作動状態は、ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に開始され、合計で297枚を超えるメダルが払出された場合に終了する。また、ボーナス作動状態の各遊技では、当選エリア「小役ALL」が必ず当選してベル役が有効ラインに停止表示される。ベル役の払出枚数は9枚であるから、合計で297枚を超えるメダルが払出されるのは、ボーナス作動状態の34回目の遊技となる(9×34=306>297)。
図24(a)は、AT状態でボーナス作動状態に移行し、その後、AT状態に復帰する場合の具体例を示す。図24(a)の具体例では、規制カウンタが数値「M」(Mは正の整数)のAT状態の遊技で、ボーナス役が当選した場合を想定する。また、図24(a)の具体例では、ボーナス役が当選した遊技からZ回目(Zは正の整数)の遊技で、ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合を想定する。上述した通り、ボーナス役が当選してからボーナス役の図柄組合せが停止表示されるまでの遊技(ボーナス役が持ち越されている遊技)が内部中状態になる。
図24(a)に示す通り、AT状態でボーナス役が当選した場合、内部中状態の各遊技では、規制カウンタの数値が加算され、内部中状態の遊技回数は規制期間の遊技回数として計数される。一方、内部中状態では、ATカウンタの減算が停止される。
ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技からボーナス作動状態に移行する。図24(a)に示す通り、ボーナス作動状態の各遊技では、ベル役の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、ボーナス作動状態の各遊技では、ベル役の払出枚数である数値「9」が払出カウンタに加算される。ボーナス作動状態の各遊技では、規制カウンタの数値が加算され、ATカウンタの減算が停止される(内部中状態と同様)。
ボーナス作動状態が終了した場合、払出カウンタが初期化され、開始準備状態に移行する。また、開始準備状態でRT2状態に移行した場合、AT状態に移行(復帰)する。開始準備状態ではATカウンタが減算されず、AT状態が再開された場合に減算が開始される。
以上の具体例では、規制期間には、AT状態(開始準備状態を含む)に加え、内部中状態とボーナス作動状態とが含まれる。本実施形態では、規制期間に内部中状態とボーナス作動状態とが含まれる場合であっても、当該規制期間の最終的な遊技回数が1500回以下になるように、AT状態の上乗せ遊技回数が決定される。
上述の図20、図22および図23で説明した通り、規制期間は、遊技状態の移行(AT状態またはチャンス状態から通常状態への移行)に伴い終了する。ただし、AT状態においてボーナス役が当選した場合、その後のボーナス作動状態の途中で、規制期間が終了する場合がある。具体的には、ボーナス作動状態において、規制期間の遊技回数が1500回に達した場合、該ボーナス作動状態が終了する以前に規制期間が終了する。
図24(b)は、ボーナス作動状態の途中で規制期間が終了する具体例を説明するための図である。図24(b)の具体例では、規制カウンタが数値「1490」の遊技において、ボーナス役に当選した場合を想定する。また、図24(b)の具体例では、規制カウンタが数値「1490」の遊技(ボーナス役が当選した遊技)でATカウンタが数値「10」の場合を想定する。以上の具体例では、仮にボーナス役が当選しなかった場合、規制カウンタが数値「1500」の遊技でAT状態は終了する。
上述した通り、ボーナス役が当選して内部中状態に移行した場合、ATカウンタの減算は停止され、規制カウンタの加算は継続される。図24(b)の具体例では、内部中状態が7回の遊技で継続し、その後、ボーナス作動状態に移行した場合を想定する。以上の場合、ボーナス作動状態に移行する直前の規制カウンタは数値「1497」である。
AT状態から移行したボーナス作動状態では、AT状態から移行した内部中状態と同様に、規制カウンタの加算は継続される。したがって、図24(b)の具体例では、ボーナス作動状態の3回目の遊技において、規制カウンタが数値「1500」に達する。しかし、規制カウンタが数値「1500」の遊技で、払出カウンタの数値(27)は、ボーナス作動状態が終了する数値(297)に達していない。また、内部中状態およびボーナス作動状態では、ATカウンタの減算は停止されるため、規制カウンタが数値「1500」の遊技で、ATカウンタは数値「10」である。以上の通り、規制期間の遊技回数が1500回に達した遊技で、ボーナス作動状態の終了契機が成立していない場合がある。
仮に、規制期間が終了する場合に、有利な遊技状態(AT状態、チャンス状態、ボーナス作動状態)を必ず終了させる構成を想定する。以上の構成では、有利な遊技状態の遊技回数が1500回より大きくなる場合が排除され、遊技者に過度な利益が付与され難い。しかし、以上の構成では、規制期間の遊技回数が1500回に達した場合、進行中のボーナス作動状態が強制的に終了させられる。以上の場合、本来の終了条件が成立する以前にボーナス作動状態が終了するため、遊技者によっては、不満を感じる不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、規制期間の遊技回数が1500回に達した場合であって、進行中のボーナス作動状態の終了契機が成立していない場合、終了契機が成立するまでボーナス作動状態が継続される構成とした。以上の構成によれば、上述した遊技者の不満が抑制される。図24(b)の具体例では、規制期間が1500回に達した後、払出カウンタが数値「306」に達するまでの遊技において、ボーナス作動状態が継続される。
ボーナス作動状態において、規制期間が1500回に達した場合、初期化処理が実行され、規制期間が終了する。すなわち、ボーナス作動状態のうち規制カウンタが数値「1500」に達した後の各遊技は、非規制期間になる。ボーナス作動状態の非規制期間では、通常状態と同様に、AT決定処理およびチャンス状態決定処理が実行される。
上述した通り、初期化処理では、規制カウンタに加え、ATカウンタを含む各カウンタが初期化される。図24(b)の具体例では、ボーナス役が当選した時点における、ATカウンタは数値「10」である。したがって、仮に、ボーナス作動状態で規制期間が1500回に達していない場合、ボーナス作動状態が終了した後にAT状態に復帰する。しかし、ボーナス作動状態で規制期間が1500回に達した場合、ATカウンタは初期化され、ボーナス作動状態が終了した後に通常状態に移行する。
以上の通り、遊技者にとって有利な遊技状態(AT状態、チャンス状態、ボーナス作動状態)への移行権利が付与された場合、規制期間が開始され、規制期間は、1500回の遊技以内に終了する構成とした。本実施形態では、規制期間表示器38により、規制期間の報知が実行される。
図25は、各遊技状態(通常状態、前兆状態、開始準備状態、AT状態、終了準備状態)におけるセグメントディスプレイD(指示表示器16、規制期間表示器38)の表示態様の具体例を説明するためのタイムチャートである。図25には、各遊技におけるセグメントディスプレイDの模擬図が示される。なお、図25において、指示表示器16および規制期間表示器38のうち、発光する部分(セグメント)を網掛けで表示する。
図25に示す通り、通常状態の各遊技では、規制期間表示器38は消灯される。また、通常状態は非指示期間であり、通常状態の各遊技において指示表示器16は作動しない(指示情報が表示されない)。
通常状態において、AT状態に当選した場合、次回の遊技から規制期間が開始される。図25の具体例では、AT状態に当選し、前兆状態に移行した場合を想定する。AT状態に当選してから次回の遊技の賭メダルが設定可能になるまでの何れかの時点において、規制期間表示器38が点灯する。ただし、通常状態と同様に、前兆状態は非指示期間であり、前兆状態の各遊技において指示表示器16は作動(点灯)しない。
前兆状態が終了した場合、開始準備状態に移行する。また、開始準備状態でRT2状態に移行した場合、AT状態に移行する。上述した通り、AT状態および開始準備状態は指示期間である。指示期間において、打順ベルおよび打順リプレイ(以下、「打順役」と総称する)の何れかが当選した場合、RT移行リプレイまたは正解ベルの正解押順が指示表示器16で指示される。図25の具体例では、開始準備状態において、打順ベルA(正解押順は「左中右」。図25参照)が当選した遊技で、停止操作順序「左中右」が指示される指示情報「1」が表示され、その後、打順リプレイY2(正解押順は「左右中」)が当選した遊技で、停止操作順序「左右中」が指示される指示情報「2」が表示され、その後のAT状態において、打順ベルE(正解押順は右第1停止)が当選した遊技で、右第1停止が指示される指示情報「5」が表示される。
規制期間において、指示情報が表示されない遊技では、指示表示器16は作動しない。一方、規制期間において、指示情報の表示の有無によらず、規制期間表示器38は点灯する。AT状態が終了して終了準備状態に移行した場合(規制期間が終了した場合)、規制期間表示器38は消灯する。
図26(a)は、各遊技状態におけるセグメントディスプレイDの表示態様の他の具体例を説明するためのタイムチャートである。図26(a)の具体例では、通常状態においてチャンス状態に移行する権利が付与され、その後、前兆状態を介してチャンス状態に移行する場合を想定する。また、図26(a)の具体例では、チャンス状態において、AT状態への移行が決定されない場合を想定する。
図26(a)に示す通り、通常状態において、チャンス状態に当選した場合、次回の遊技から規制期間が開始される。前兆状態が開始された場合、規制期間表示器38が点灯する。上述した通り、前兆状態は非指示期間であり、指示表示器16は作動しない。前兆状態が終了した場合、チャンス状態に移行する。
本実施形態のチャンス状態は、通常状態よりAT状態への移行が決定され易い遊技状態であり、原則、打順役当選時に正解押順は指示されない。すなわち、チャンス状態は、原則、非指示期間である。しかし、仮に、チャンス状態に指示期間が設けられない構成(以下「対比例」という)では、チャンス状態に移行したか否かの識別が困難になる不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、チャンス状態の一部が指示期間に制御される構成とした。以上の構成によれば、チャンス状態において、指示表示器16が作動する。上述した通り、前兆状態では指示表示器16は作動しないため、指示表示器16が作動した場合、チャンス状態に移行した旨を遊技者が指示表示器16から認識できる。
図26(b)は、上述した対比例を説明するための図である。図26(b)の具体例では、図26(a)の具体例と同様に、通常状態から前兆状態を介してチャンス状態に移行し、その後、通常状態に移行する場合を想定する。図26(b)の対比例では、本実施形態と同様に、前兆状態およびチャンス状態を含む規制期間において、規制期間表示器38が点灯し、規制期間である旨が報知される。ただし、対比例では、チャンス状態に指示期間が設けられず、チャンス状態において指示表示器16が停止操作順序を指示しない点において、本実施形態と相違する。
以上の対比例では、図26(b)に示される通り、前兆状態が開始されてからチャンス状態が終了するまでの規制期間において、指示表示器16は非作動で維持され、規制期間表示器38が点灯した状態に維持される。すなわち、対比例では、規制期間において、前兆状態からチャンス状態に遊技状態が変化した場合であっても、指示表示器16および規制期間表示器38の表示態様が変化しない。
以上の対比例では、指示表示器16および規制期間表示器38の表示態様からは、チャンス状態へ移行したか否かが認識し難い(実質的に認識できない場合を含む)。例えば、液晶表示装置30等を用いて、チャンス状態への移行を報知する構成としてもよいが、液晶表示装置30等における報知の態様によっては、チャンス状態への移行が認識し難い場合がある。したがって、以上の対比例では、チャンス状態に移行したか否かの識別が困難になる不都合が生じ得る。
図26(a)に説明を戻す。上述した通り、本実施形態のチャンス状態の一部は指示期間に制御される。具体的には、チャンス状態に移行した場合、指示期間が開始される。また、指示期間が開始されてから、打順役(打順ベル)が最初に当選し、該打順役の正解押順を示す指示情報が指示表示器16に表示された場合、指示期間が終了する。また、チャンス状態において、指示情報が一度表示された後の各遊技は、非指示期間に制御され、指示情報は表示されない。以上の構成では、チャンス状態において、指示表示器16が一度だけ作動する。以上の構成では、指示表示器16によりチャンス状態に移行した旨が認識可能になる。
ところで、チャンス状態に移行した旨を指示表示器16で報知する構成として、チャンス状態の全てを指示期間に制御する構成が考えられる。以上の構成では、本実施形態と同様に、前兆状態からチャンス状態に移行した場合、指示表示器16による指示情報の表示が開始されるため、チャンス状態に移行した旨が指示表示器16により報知される。しかし、以上の構成では、チャンス状態で打順役が当選した遊技の全てにおいて、該打順役の正解押順が指示されるため、チャンス状態で過剰なメダルが獲得される不都合が生じ得る。本実施形態では、チャンス状態の一部が指示期間に制御されるため、上述した不都合が抑制される。
以上の通り、本実施形態では、1回の規制期間における最大の遊技回数を規制することで、遊技者に過剰な利益が一度に付与される不都合を抑制可能とした。しかし、1回の規制期間の遊技回数を規制した場合であっても、例えば、頻繁に規制期間に移行可能な構成(例えば、AT状態への移行が頻繁に決定される構成)では、複数の規制期間において過剰な利益が遊技者に付与され得る問題が残る。
以上の事情を考慮して本実施形態では、規制期間(AT状態等)と規制期間以外(通常状態等)との各遊技状態における合計の遊技回数(総遊技回数)のうち各規制期間の合計の遊技回数の割合が予め定められた閾値以下に収束するように設計される。本実施形態では、総遊技回数における各規制期間の合計の遊技回数の割合を「規制期間割合」という。
本実施形態では、規制期間割合が約70%以下に収束するよう設計される。具体的には、当選エリア抽選テーブル(図8参照)の各抽選値(当選エリアの当選確率)、AT決定テーブル(図18参照)の各抽選値(AT状態の当選確率)、チャンス状態決定テーブル(図19参照)の各抽選値(チャンス状態の当選確率)および上乗せ決定テーブル(図21参照)の各抽選値(各上乗せ遊技回数の当選確率)は、規制期間割合が約70%に収束するように設計される。
図27は、規制期間割合を説明するためのタイムチャートである。上述した総遊技回数は、総遊技回数カウンタに記憶される。また、各規制期間の合計の遊技回数は、総規制期間カウンタに記憶される。総遊技回数カウンタは、規制期間および非規制期間の各遊技で数値「1」ずつ加算される。また、総規制期間カウンタは、規制期間の各遊技で数値「1」ずつ加算され、非規制期間では加算されない。総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、例えば、メインRAM303に設けられる。
総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、遊技機1が製造された時点において数値「0」であり、その後、遊技が実行された場合に加算される。また、総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、原則、初期化されない。具体的には、総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、遊技中には初期化されない。また、総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、電源遮断時、電源投入時および設定変更時の何れの場合も初期化されない。また、総遊技回数カウンタと総規制期間カウンタとは、電源が遮断された以降の期間において、バックアップ電源により保持される。
図27には、総遊技回数カウンタが加算される期間と総規制期間カウンタが加算される期間とが示される。具体的には、遊技機1の電源が最初に投入された場合、非規制期間(通常状態)から遊技が開始可能になる。図27の具体例では、電源投入後、X1回(X1は正の整数)の遊技に亘り、非規制期間が継続した場合を想定する。図27に示す通り、非規制期間では、総遊技回数カウンタは加算される。一方、非規制期間では、総規制期間カウンタは加算されない。以上の場合、1回目の非規制期間が終了した時点で、総遊技回数カウンタが数値「X1」まで加算され、総規制期間カウンタは数値「0」である。
図27の具体例では、1回目の規制期間がY1回(Y1は正の整数)の遊技に亘り継続した場合を想定する。図27に示す通り、規制期間では、総遊技回数カウンタおよび総規制期間カウンタの双方が加算される。以上の場合、1回目の規制期間が終了した時点で、総遊技回数カウンタが数値「X1+Y1」まで加算され、総規制期間カウンタが数値「Y1」まで加算される。
図27の具体例では、時点Tまでにおいて、非規制期間と規制期間とにn回(nは正の整数)ずつ移行した場合を想定する。2回目からn回目の非規制期間の遊技回数は、それぞれ、X2回、X3回…Xn回である(X2〜Xnは正の整数)。また、2回目からn回目の規制期間の遊技回数は、それぞれ、Y2回、Y3回…Yn回である(Y2〜Ynは正の整数)。
以上の場合、時点Tにおいて、総遊技回数カウンタ(総遊技回数)は、数値「X1+Y1+X2+Y2+…Xn+Yn」まで加算される。また、時点Tにおいて、総規制期間カウンタ(各規制期間の合計の遊技回数)は、数値「Y1+Y2+…Yn」まで加算される。したがって、時点Tにおける規制期間割合は、Y1+Y2+…Yn/(X1+Y1+X2+Y2+…Xn+Yn)と数値「100」との積である。
以上の構成では、規制期間割合が約70%になるように設計されるため、遊技者に過剰な利益が付与される不都合が抑制される。しかし、規制期間割合が約70%になると仮定して開発された遊技機であっても、実際に遊技者が遊技した場合、規制期間割合が約70%に収束しない場合がある。遊技機1の規制期間割合は、開発の過程において、例えば、シュミレーションプログラムにより算出されるが、シュミレーションプログラムが適切でない場合(シュミレーションの条件が適切でない場合)、遊技者が遊技した場合の実際の規制期間割合がシュミレーションプログラムにより算出された規制期間割合(開発時に意図した規制期間割合)と一致しない場合がある。
以上の事情を考慮して、本実施形態の遊技機1は、上述した規制期間割合の現在値に応じた割合情報を表示可能とした。割合情報は、規制期間割合を示す数字である。具体的には、設定表示部36に設定値が表示されない期間(設定変更処理が実行されない期間)において、設定変更ボタン37がON状態の場合、遊技機1は割合表示期間に制御される。すなわち、設定変更ボタン37は、設定値を変更する機能と割合表示期間に制御させる機能とを兼備する。割合表示期間では、貯留枚数表示器17において、割合情報が表示される。上述した通り、設定変更ボタン37は、原則、遊技機1の管理者が操作可能である。したがって、割合情報は遊技機1の管理者により確認される。
本実施形態の設定変更ボタン37は、管理者の手指で押された場合(押込み操作された場合)にON状態になり、手指が離れた場合は自力でOFF状態に戻る。したがって、割合情報は、管理者が設定変更ボタン37を押さえている期間に表示され、設定変更ボタン37から手指が離れた場合に非表示になる。なお、設定変更ボタン37から手指が離れた場合であっても、割合情報の表示が維持される構成としてもよい。以上の構成では、例えば、割合情報が表示されている期間において、設定変更ボタン37が再度押された場合、割合情報が非表示になる構成が考えられる。
図28(a)は、割合情報の一例を表示する貯留枚数表示器17の模擬図である。割合情報は、規制期間割合の整数部分を表す。すなわち、割合情報は、規制期間割合の小数部分を切り捨てた数値を表す。なお、図28(a)では、貯留枚数表示器17のうち、発光する部分(セグメント)を網掛けで表示する。
図28(a)は、総遊技回数カウンタが数値「200000」で総規制期間カウンタが数値「131400」の場合の具体例を示す。以上の場合、規制期間割合は65.7%((131400/200000)×100)である。また、割合情報は、数字「65」である。以上の構成によれば、規制期間割合が70%を超えているか否かを確認することができる。
ところで、規制期間に移行するか否かは、各種の抽選(例えばAT決定処理による抽選)で決定され、また、1回の規制期間の遊技回数は、各種の抽選(例えば上乗せ決定処理による抽選)の結果に応じて変化する。上述したシュミレーションプログラムでは、十分に多い遊技回数(例えば、175000回)が実行されたと仮定した場合の規制期間割合が算出され、規制期間割合の算出結果が70%以下になるよう設計される。
以上の遊技機1では、総遊技回数が不十分な場合(例えば、総遊技回数が1000回程度の場合)、規制期間割合の現在値がシュミレーションプログラムで算出された規制期間割合(開発時に意図した規制期間割合)と一致しない場合が生じやすい。ただし、総遊技回数が不十分な場合に本来の規制期間割合と一致しない場合であっても、その後の遊技で、本来の規制期間割合に変化する可能性が高い。すなわち、規制期間割合は、総遊技回数が十分に多くなった場合、本来の数値に収束する。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、総遊技回数が特定の数値未満の場合と特定の数値以上の場合とで、割合情報の表示態様を相違させる構成を採用した。以上の構成によれば、総遊技回数を考慮したうえで、規制期間割合の判断ができる。例えば、規制期間割合が本来の数値でない場合であっても、総遊技回数が不十分な場合は、その後の遊技で規制期間割合が本来の数値に変化する可能性があると判断することができる。一方、規制期間割合が本来の数値でない場合であって、総遊技回数が十分な場合、実際の規制期間割合とシュミレーションプログラムが算出した規制期間割合とが一致していない可能性が高いと判断することができる。
図28(b−1)および図28(b−2)は、割合表示期間における割合情報の表示態様を説明するためのタイムチャートである。図28(b−1)および図28(b−2)では、各時点における貯留枚数表示器17の模擬図が示される。上述した通り、本実施形態では、総遊技回数カウンタの現在値に応じて、割合情報の表示態様が変化する。具体的には、総遊技回数カウンタが数値「175000」以上の場合と数値「175000」未満の場合とで割合情報の表示態様が変化する。
図28(b−1)は、総遊技回数カウンタが数値「175000」以上の場合の具体例を説明するための図である。図28(b−1)に示す通り、設定変更ボタンが操作される前の期間では、クレジット数が貯留枚数表示器17に表示される。図28(b−1)では、クレジット数が数値「0」の場合を想定する。上述した通り、設定変更ボタンがON状態に変化した場合、割合表示期間が開始される。図28(b−1)の具体例では、割合表示期間において、数字「65」が貯留枚数表示器17に表示される。
図28(b−1)に示す通り、総遊技回数カウンタが数値「175000」以上の場合、割合表示期間において、貯留枚数表示器17の各セグメントが割合情報の数字を表示する態様で点灯する(発光した状態が維持される)。その後、設定変更ボタンがOFF状態に変化した場合に割合表示期間が終了する。割合表示期間が終了した場合、貯留枚数表示器17は、割合情報に替えてクレジット数を表示する。
図28(b−2)は、総遊技回数カウンタが数値「175000」未満の場合の具体例を説明するための図である。図28(b−2)では、クレジット数が数値「0」の場合を想定する。また、図28(b−2)では、割合情報が数字「76」の場合を想定する。以上の図28(b−2)の具体例では、割合表示期間において、数字「76」が貯留枚数表示器17に表示される。
図28(b−2)に示す通り、総遊技回数カウンタが数値「175000」未満の場合、割合表示期間において、貯留枚数表示器17の各セグメントが割合情報の数字を表示する態様で点滅する(発光と消灯とを繰り返す)。その後、設定変更ボタンがOFF状態に変化した場合に割合表示期間が終了する。
以上の通り、割合表示期間において、総遊技回数カウンタが数値「175000」以上であるか否かに応じた態様で割合情報が表示される。したがって、総遊技回数が割合情報の表示態様から認識可能であり、割合情報の表示態様(総遊技回数)を考慮して、規制期間割合を評価することができる。
メインRAM303には、有効ラインへの停止が許可された図柄の組合せを示す表示許可ビット格納領域、設定表示部36に表示される数値が格納される表示設定値格納領域、設定値が格納される設定値格納領域、乱数値R1が格納される乱数値R1格納領域、乱数値R2が格納される乱数値R2格納領域、乱数値R3が格納される乱数値R3格納領域、サブ制御基板400に送信するコマンドを格納するコマンド格納領域、各種のランプの表示態様を示すデータを格納するランプ関連データ格納領域、当選エリアを格納する当選エリア格納領域、停止操作がされていない停止ボタン25の個数を示す未停止操作カウンタ、各停止ボタン25の操作順序を格納する停止順序格納領域を含む格納領域が設けられている。
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、図29に示す指示演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
図29は、指示演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンドを受信した場合、各指示演出(A、B)の何れかを指示演出決定テーブルにより決定する。指示演出を決定した場合、サブCPU412は、当該指示演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。画像制御CPU421は、指示演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該指示演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が第2コマンドを受信した場合(メインCPU301が第2コマンドを送信した場合)、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。
図29は、指示演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、第2コマンドとしてコマンド「B01」〜「B05」の何れかを受信した場合、指示演出決定テーブルにより指示演出を決定する。上述した通り、コマンド「B01」〜「B05」は、メインCPU301がAT状態で送信され、通常状態では送信されない。すなわち、サブCPU412は、メインCPU301がAT状態の遊技で、指示演出決定テーブルにより指示演出を決定する。
具体的には、第1コマンド「A01」が受信された遊技(打順リプレイの当選遊技)において、第2コマンド「B01」が受信された場合、指示演出A1が決定される。指示演出A1では、液晶表示装置30等により、「左中右」の停止操作順序が報知される。また、第1コマンド「A01」が受信された遊技において、第2コマンド「B02」が受信された場合、指示演出A2が決定され、第2コマンド「B03」が受信された場合、指示演出A3が決定され、第2コマンド「B04」が受信された場合、指示演出A4が決定され、第2コマンド「B05」が受信された場合、指示演出A5が決定される。指示演出A2では、「左右中」の停止順序が報知され、指示演出A3では、「中左右」の停止順序が報知され、指示演出A4では、「中右左」の停止順序が報知され、指示演出A5では、右第1停止の停止順序が報知される。また、各指示演出Aでは、打順リプレイが当選した旨が報知される。以上の各指示演出A(1〜5)では、RT2移行リプレイの正解押順が報知される。
第1コマンド「A09」が受信された遊技(打順ベルの当選遊技)において、第2コマンド「B01」が受信された場合、指示演出B1が決定される。指示演出B1では、液晶表示装置30等により、「左中右」の停止操作順序が報知される。また、第1コマンド「A09」が受信された遊技において、第2コマンド「B02」が受信された場合、指示演出B2が決定され、第2コマンド「B03」が受信された場合、指示演出B3が決定され、第2コマンド「B04」が受信された場合、指示演出B4が決定され、第2コマンド「B05」が受信された場合、指示演出B5が決定される。指示演出B2では、「左右中」の停止順序が報知され、指示演出B3では、「中左右」の停止順序が報知され、指示演出B4では、「中右左」の停止順序が報知され、指示演出B5では、右第1停止の停止順序が報知される。また、各指示演出Bでは、打順ベルが当選した旨が報知される。以上の各指示演出B(1〜5)では、正解ベルの正解押順が報知される。
サブRAM414は、サブCPU412が各処理を実行することで生成および更新される各データを格納する各記憶領域を具備する。
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。図30は、メインCPU301の起動処理のフローチャートである。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。
起動処理を開始すると、メインCPU301は、起動時初期化処理(S1)を実行する。起動時初期化処理により、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。なお、メインCPU301は、起動時初期化処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。
起動時初期化処理の後に、メインCPU301は、設定スイッチがON状態であるか否かを判定する(S2)。設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられた鍵穴に設定キーを挿入して回転した場合にON状態になる。メインCPU301は、設定スイッチがON状態であると判断した場合(S2:YES)、メインRAM303のコマンド格納領域に設定変更開始コマンドを設定し(S3)、設定変更処理に移行する。
一方で、設定スイッチがON状態ではないと判断した場合(S2:NO)、メインCPU301は、メインRAM303にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する(S4)。本実施形態においては、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を下回った場合(電源が遮断された場合)に、メインCPU301は、メインRAM303が記憶する各データをバックアップし、メインRAM303にバックアップフラグを記憶させる。したがって、電源が遮断される際に正常にバックアップが実行されていれば、バックアップフラグがメインRAM303に記憶される。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていると判断した場合(S4:YES)、メインRAM303が記憶するデータのチェックサムを算出する(S5)。本実施形態においては、電源が遮断された場合においても、起動処理のステップS4と同様に、メインRAM303のチェックサムが算出されて記憶されている。
メインCPU301は、ステップS4で算出したチェックサム(電源投入時のチェックサム)と電源の遮断時に算出したチェックサムとが一致するか否かを判定する(S6)。電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化していない場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致する。一方で、電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化(劣化)した場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致しない。
メインCPU301は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致すると判断した場合(S6:YES)、メインRAM303が記憶する各データに基づいて、電源が遮断された時点(バックアップが実行された時点)の状態に各レジスタを復帰させる(S7)。各レジスタの状態を復帰すると、メイン制御基板300は、電源が遮断された時点の状態になる。メインCPU301は、各レジスタの状態(メイン制御基板300の状態)を復帰させると、電源が遮断された時点のステップから処理を再開する。なお、メインCPU301は、メイン制御基板300の状態を復帰させる場合、遊技機1の演出の状態を復帰させるのに必要な各種の情報をサブ制御基板400に送信する。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていないと判断した場合(S4:NO)、または、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致しないと判断した場合(S6:NO)、メインRAM303の異常を示すメインRAM異常フラグを設定する(S8)。すなわち、バックアップが実行できなかった場合、または、電源が遮断されている期間にメインRAM303のデータが変化した場合、メインRAM異常フラグが設定される。メインRAM異常フラグが設定される期間において、メインCPU301は、例えばメイン表示器MLを用いてメインRAMの異常を報知する。メインRAM異常フラグは、例えば、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
メインRAM異常フラグを設定した後に、メインCPU301は、RAMエラー処理に移行する。RAMエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。なお、RAMエラー処理において、メインCPU301は、メインRAM303の異常を報知させるコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。
図31は、設定変更処理のフローチャートである。設定変更処理を開始すると、メインCPU301は、前面扉3が開放されているか否かを判定する(S11)。具体的には、前面扉3が閉じている場合にOFF信号が出力され、前面扉3が開放されている場合にON信号を出力するドアセンサが設けられ、ドアセンサからの信号に応じて前面扉3が開放されているか否かをメインCPU301が判定する。上述した通り、設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられているため、設定変更処理は、前面扉3が開放されている期間に実行されるのが通常である。したがって、前面扉3が閉じた状態で設定変更処理が開始された場合としては、不正行為により設定スイッチおよび電源スイッチ511SWのON信号が入力された場合が想定される。以上の事情を考慮して、前面扉3が開放されていないと判断した場合(S11:NO)、メインCPU301は、設定スイッチ異常フラグをON状態に設定し(S12)、設定スイッチエラー処理に移行する。設定スイッチエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。また、設定スイッチエラー処理において、メインCPU301は、設定スイッチの異常を報知させるエラーコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。設定スイッチ異常フラグは、起動処理が再度開始され、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
他方で、前面扉3が開放されていると判断した場合(S11:YES)、メインCPU301は、設定値を示す数値を設定表示部36に表示する(S13)。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納さている数値を設定表示部36に表示する。
その後、メインCPU301は、設定変更ボタン37が操作されたか否かを判定する(S14)。具体的には、メインCPU301は、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されているか否かを判定する。設定変更ボタン37が操作されたと判断した場合(S14:YES)、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納された数値をインクリメントして(S15)、ステップS16に処理を移行する。他方で、設定変更ボタン37が操作されていないと判断した場合(S14:NO)、メインCPU301は、表示設定値格納領域の数値をインクリメントしないでステップS16に処理を移行する。
ステップS16において、メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、スタートスイッチ24SWのON信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたと判断するまで、ステップS13からステップS15までの処理を繰り返す(S16:NO)。以上の説明から理解される通り、設定変更ボタン37が操作されて表示設定値格納領域の数値がステップS15で加算される毎に、ステップS13で設定表示部36に表示される数値が加算される。
一方で、スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S16:YES)、メインCPU301は、設定表示部36に表示されている数値を設定値として決定する(S17)。具体的には、メインCPU301は、表示設定値格納領域に格納されている数値を、メインRAM303の設定値格納領域に格納する。また、メインCPU301は、設定値を示す設定値コマンドをコマンド格納領域に格納する(S18)。メインCPU301は、設定値コマンドを格納した後に、設定値変更処理を終了して遊技制御処理に移行する。なお、起動処理または設定変更処理の期間において、他の処理の割込みが禁止され、遊技制御処理に移行した場合、その後、割込みが許可される。
図32は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が1回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンド(例えば後述の開始操作コマンド)は、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、1回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、メインRAM303の設定値格納領域に格納されている設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値格納領域に格納されている設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。例えば、設定値格納領域に格納された設定値が、ノイズにより変更された場合、設定値エラー処理が実行される。設定値エラー処理において、メインCPU301は、遊技制御処理を中止(遊技の進行を禁止)する。設定値エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定された場合、遊技が可能な状態に復帰する。
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、回胴演出決定処理等で用いられる。乱数値R3は、AT決定処理で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納し、乱数値R3をメインRAM303の乱数値R3格納領域に格納する。
メインCPU301は、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3をメインRAM303に格納した後に、抽選実行処理(S106)に移行する。抽選実行処理は、当選エリアを乱数値R1により決定するための内部抽選処理、AT状態への移行を乱数値R3により決定するためのAT決定処理、および、回胴演出を乱数値R2により決定するための回胴演出決定処理を含む各処理で構成される。また、抽選実行処理は、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
メインCPU301は、抽選実行処理を実行した後に、ウェイト処理(S107)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S108)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S109)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S110)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役に係る図柄組合せが停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、状態制御処理(S111)を実行する。状態制御処理において、メインCPU301は、遊技状態を移行させる。また、メインCPU301は、状態制御処理において、遊技状態の移行に伴い、規制期間を開始または終了させる。メインCPU301は、状態制御処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
図33は、初期設定処理のフローチャートである。初期設定処理において、メインCPU301は、メインRAM303の格納領域のうち1回の遊技に必要な情報を格納する格納領域を初期化する(S101−1)。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
メインRAM303を初期化した後に、メインCPU301は、補助貯留部530が満タンであるか否かを判定する(S101−2)。具体的には、メインCPU301は、満タンセンサ530SEからのON信号が入力されているか否かを判定する。補助貯留部530が満タンであると判断した場合(S101−2:YES)、メインCPU301は、満タンエラーコマンドを設定し(S101−3)、満タンエラー処理に移行する。
満タンエラー処理において、メインCPU301は、指示表示器16を用いて満タンエラーを報知する。例えば、満タンエラー処理を実行する期間において、メインCPU301は、指示表示器16に「HF」(ホッパーフル)という文字を表示させる。なお、満タンエラーを他の表示器(例えば貯留枚数表示器17)で報知する構成としてもよい。メインCPU301は、補助貯留部530が満タンではないと判断した場合(S101−2:NO)、遊技開始前処理を終了して自動投入処理に移行する。
図34は、自動投入処理のフローチャートである。メインCPU301は、自動投入処理を開始すると、前回の遊技で有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃っているか否かを判定する(S102−1)。具体的には、メインCPU301は、再遊技作動中フラグが設定されているか否かを判定する。再遊技作動中フラグは、前回の遊技制御処理の表示判定処理で設定される。前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていない場合(S102−1:NO)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。
一方で、前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていると判断した場合(S102−1:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に投入コマンドを格納する(S102−2)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S102−3)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。投入間隔タイマをセットすると、メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S102−4)。メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断するまでステップS102−4を繰り返す(S102−4:NO)。
投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S102−4:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S102−5)。賭数カウンタは、今回の遊技の賭けメダルの枚数を示す。また、メインCPU301は、賭数カウンタの値に応じて、BETランプ14(14a、14b、14c)の表示の態様を示すBETランプ表示データを生成する(S102−6)。具体的には、賭数カウンタが数値「1」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aを点灯させるBETランプ表示データを生成する。同様に、賭数カウンタが数値「2」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bを点灯させるBETランプ表示データを生成し、賭数カウンタが数値「3」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cを点灯させるBETランプ表示データを生成する。BETランプ表示データは、メインRAM303のランプ関連データ格納領域に格納される。
メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したか否かを判定する(S102−7)。メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断するまで、ステップS102−2からステップS102−6までの処理を繰り返す(S102−7:NO)。他方で、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断した場合(S102−7:YES)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。以上の説明から理解されるとおり、前回の遊技の結果、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃った場合は、前回の遊技の賭けメダルと同じの賭けメダルが今回の遊技で設定される。
図35は、遊技開始前処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技開始前処理を開始すると、メインRAM303の遊技状態格納領域の遊技状態フラグを参照して規定枚数を設定する(S103−1)。本実施形態においては、何れの遊技であっても、規定枚数は数値「3」に設定される。
遊技状態に応じた規定枚数を設定した後に、メインCPU301は、投入メダル受付処理に移行する(S103−2)。投入メダル受付処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付ける。また、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付けた場合、賭数カウンタまたはクレジット数を加算する。
メインCPU301は、投入メダル受付処理を実行した後に、BET操作受付処理(S103−3)に移行する。メインCPU301は、BET操作受付処理において、遊技者の1BETボタン21の操作またはMAX−BETボタン22の操作を受け付ける。
メインCPU301は、BET操作受付処理を実行した後に、精算操作受付処理(S103−4)に移行する。メインCPU301は、精算操作受付処理において、遊技者の精算ボタン23の操作を受付ける。
メインCPU301は、精算操作受付処理を実行した後に、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−5)。上述した、ステップS102の自動投入処理、ステップS103−2の投入メダル受付処理またはステップS103−3のBET操作受付処理において、賭数カウンタが規定枚数まで加算された場合、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であると判断し(S103−5:YES)、ステップS103−6に処理を移行する。一方で、賭数カウンタが規定枚数に達していない場合(S103−5:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−4までの各ステップを繰り返し実行する。
ステップS103−6において、メインCPU301は、遊技者によりスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S103−6:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に開始操作コマンドを格納する(S103−7)。開始操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、遊技開始前処理を終了して設定値確認処理(S104)に移行する。一方で、スタートレバーが操作されていないと判断した場合(S103−6:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−5までの各ステップを繰り返し実行する。
図36は、投入メダル受付処理のフローチャートである。投入メダル受付処理を開始すると、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であるか否かを判定する(S103−2−1)。投入不可フラグは、賭数カウンタが上限値であり、且つ、クレジット数が上限値である場合に、後述のS103−2−8でON状態に設定される。メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であると判定した場合(S103−2−1:YES)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態ではないと判定した場合(S103−2−1:NO)、メダル投入部8からメダルが投入されたか否かを判定する(S103−2−2)。
具体的には、上述したように、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダルセンサ34SEからの信号により検知される。本実施形態においては、メインCPU301は、周期的に実行される割込処理の入力ポート読込処理で、メダルセンサ34SEからの信号を読込み、メダルセンサ34SEからの信号に応じて、メインRAM303のメダル検知フラグをON状態に設定する。メインCPU301は、ステップS103−2−2において、メダル検知フラグがON状態であるか否かを判定する。
メインCPU301は、メダル投入部8からメダルが投入されたと判断した場合(S103−2−2:YES)、メダルが投入されたことを示す投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−2−3)。
投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−2−4)。賭数カウンタが規定枚数ではないと判断した場合(S103−2−4:NO)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算し(S103−2−5)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数であると判断した場合(S103−2−4:YES)、メインCPU301は、クレジット数に数値「1」を加算する(S103−2−6)。
メインCPU301は、クレジット数を加算した後に、クレジット数が上限である数値「50」に一致するか否かを判定する(S103−2−7)。クレジット数が数値「50」であると判断した場合(S103−2−7:YES)、メインCPU301は、メダル投入不可フラグをON状態に設定し(S103−2−8)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、クレジット数が数値「50」ではないと判断した場合(S103−2−7:NO)、メダル投入不可フラグをON状態に設定することなく、投入メダル受付処理を終了する。なお、メダル投入不可フラグがON状態に設定される期間において、メインCPU301は、メダル投入部8から投入されたメダルが、遊技機1の外部に導かれる状態にセレクター34を制御する。したがって、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダル投入不可フラグがON状態の期間において、遊技機1の外部(受皿ユニット7)に排出される。
図37は、BET操作受付処理のフローチャートである。BET操作受付処理において、メインCPU301は、クレジット数が数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−1)。クレジット数が数値「0」である場合(S103−3−1:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
クレジット数が「0」ではないと判断した場合(S103−3−1:NO)、メインCPU301は、1BETボタン21が操作されたか否かを判定する(S103−3−2)。1BETボタン21が操作されたと判断した場合(S103−3−2:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「1」をセットする(S103−3−3)。他方で、1BETボタン21が操作されていないと判断した場合(S103−3−2:NO)、メインCPU301は、MAX−BETボタン22が操作されたか否かを判定する(S103−3−4)。MAX−BETボタン22が操作されたと判断した場合(S103−3−4:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「3」をセットする(S103−3−5)。MAX−BETボタン22が操作されていないと判断した場合(S103−3−4:NO)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
ステップS103−3−3またはステップS103−3−5において、投入要求カウンタに所定の数値(数値「1」または数値「3」)がセットされた場合、メインCPU301は、投入要求カウンタから数値「1」を減算する(S103−3−6)。投入要求カウンタを「1」減算すると、メインCPU301は、クレジットカウンタから数値「1」を減算し(S103−3−7)、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S103−3−8)。
賭数カウンタに数値「1」を加算した後に、メインCPU301は、投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−3−9)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S103−3−10)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。なお、BET操作受付処理(S103−3−10)の投入間隔タイマは、上述した自動投入処理においても用いられる。BET操作受付処理(MAX-BETボタン操作時)および自動投入処理においては、投入コマンドが連続して出力され、投入音が連続して再生される。本実施形態においては、投入間隔タイマが設けられるため、各投入コマンドが送信される時間間隔が所定の時間長以上に確保され、各投入音が出力される期間が所定の時間長以上になる。以上の構成によれば、例えば、今回の投入音の出力を開始した直後に次回の投入音が出力され(今回の投入音が極端に短くなり)、今回の投入音が遊技者に感知されないという不具合が抑制される。投入間隔タイマは、例えば、約0.5秒でタイムアップする。
メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S103−3−11)。投入間隔タイマがタイムアップするまでステップS103−3−11を繰り返し(S103−3−11:NO)、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S103−3−11:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致するか否かを判定する(S103−3−12)。メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致すると判断した場合(S103−3−12:YES)、BET操作受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数と一致しないと判断した場合(S103−3−12:NO)、メインCPU301は、投入要求カウンタが数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−13)。投入要求カウンタが数値「0」であると判断した場合(S103−3−13:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。一方で、投入要求カウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−13:NO)、メインCPU301は、クレジット数が「0」であるか否かを判定する(S103−3−14)。メインCPU301は、クレジット数が「0」であると判断した場合(S103−3−14:YES)、BET操作受付処理を終了し、クレジットカウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−14:NO)、ステップS103−3−6に処理を戻す。
以上の説明から理解されるとおり、メインCPU301は、MAX−BETボタン22の操作を受け付けた場合、賭数カウンタが規定枚数に到達するか、クレジット数がなくなるまで賭数カウンタが加算される。
図38は、精算操作受付処理のフローチャートである。精算操作受付処理において、メインCPU301は、精算ボタン23が遊技者に操作されたか否かを判定する(S103−4−1)。精算ボタン23が操作されたと判定した場合(S103−4−1:YES)、メインCPU301は、払出要求カウンタに精算メダルを設定する(S103−4−2)。精算メダルは、精算ボタン23が操作された時点における、賭数カウンタとクレジット数との合計である。ただし、自動投入により賭数カウンタが加算された場合(前回の遊技でリプレイが停止した場合)、メインCPU301は、クレジット数のみを払出要求カウンタに設定する。以上の構成では、自動投入により設定された賭けメダルの精算が禁止される。精算メダルを払出要求カウンタに設定した後に、メインCPU301は、精算ボタン23の操作を示す精算操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S103−4−3)、メダル投入不可フラグをOFF状態に設定する(S103−4−4)。
精算ボタン23が操作されていないと判定した場合(S103−4−1:NO)、メインCPU301は、精算操作受付処理を終了する。なお、詳細には後述するが、ホッパー駆動処理においては、払出要求カウンタの枚数のメダルがホッパー520からメダル払出口9を介して受皿ユニット7に排出される。
図39は、抽選実行処理のフローチャートである。メインCPU301は、抽選実行処理を開始すると、内部抽選処理(S106−1)を実行する。内部抽選処理において、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアを乱数値R1から決定する。内部抽選処理を実行した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理(S106−2)に移行する。回胴演出決定処理において、メインCPU301は、今回の遊技の回胴演出を乱数値R2から決定する。回胴演出決定処理を実行した後に、メインCPU301は、AT決定処理(S106−3)に移行する。
AT決定処理において、メインCPU301は、AT状態に移行するか否かを乱数値R3から決定する。具体的には、メインCPU301は、AT決定処理において、今回の遊技の当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値をAT決定テーブルから取得し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。通常状態において、抽選値を乱数値R3に減算した結果が負数になった場合、メインCPU301は、前兆カウンタに初期値を設定する。上述した通り、前兆カウンタは、前兆状態の残り遊技回数を示し、数値「0」〜「32」の初期値が設定される。前兆カウンタの初期値は、抽選により決定される。なお、本実施形態では、AT状態のAT決定処理において、上乗せ決定処理が実行される。上乗せ決定処理では、当選エリアに応じて、上乗せ遊技回数が決定される。AT決定処理を実行した後に、メインCPU301は、チャンス状態決定処理(S106−4)に移行する。
チャンス状態決定処理において、メインCPU301は、チャンス状態に移行するか否かを乱数値R3から決定する。具体的には、メインCPU301は、チャンス状態決定処理において、今回の遊技の当選エリアと回胴演出とに応じた抽選値をチャンス状態決定テーブルから取得し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。通常状態において、抽選値を乱数値R3に減算した結果が負数になった場合、メインCPU301は、前兆カウンタに初期値を設定する。上述した通り、前兆カウンタは、前兆状態の残り遊技回数を示し、数値「0」〜「32」の初期値が設定される。前兆カウンタの初期値は、抽選により決定される。チャンス状態決定処理を実行した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理(S106−5)に移行する。
図40は、内部抽選処理のフローチャートである。メインCPU301は、内部抽選処理を開始すると、遊技状態に応じて当選エリア抽選テーブルを設定する(S106−1−1)。例えば、メインCPU301は、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されたRT状態の種別を示すRTフラグに応じて、当選エリア抽選テーブルを設定する。
内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1格納領域に格納した乱数値R1を取得する(S106−1−2)。乱数値R1は、ステップ105において乱数値R1格納領域に格納される。また、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を初期値である数値「00」に設定する(S106−1−3)。当選エリアオフセット値は、各当選エリアを指定する。また、当選エリアオフセット値は、順次に更新され、更新される毎に異なる当選エリアを指定する。例えば、当選エリアオフセット値は、数値「00」で「ハズレ」の当選エリアを指定する。
メインCPU301は、当選エリアオフセット値が指定する当選エリアの抽選値を取得する(S106−1−4)。例えば、RT0状態の当選エリア抽選テーブルが設定された場合は、当選エリアオフセット値が数値「00」であれば、抽選値「36736」が取得される。
メインCPU301は、ステップS106−1−1で取得した乱数値R1からステップS106−1−4で取得した抽選値を減算する(S106−1−5)。また、メインCPU301は、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数であるか否かを判定する(S106−1−6)。例えば、RT0状態の遊技において、数値「36736」より小さい乱数値R1が取得された場合、当選エリア番号「00」の抽選値「36736」を乱数値R1から減算した結果は負数になる。他方で、数値「36736」より大きい乱数値R1が取得された場合、当選エリア番号「00」の抽選値を乱数値R1から減算した結果は負数にならない。
メインCPU301は、減算結果が負数ではないと判断した場合(S106−1−6:NO)、当選エリアオフセット値で全ての当選エリア(当選エリア番号「00」から「34」)を指定したか否かを判定する(S106−1−7)。全ての当選エリアが指定済みでない場合(S106−1−7:NO)、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を更新(数値「1」を加算)して(S106−1−8)、ステップS106−1−4に処理を戻す。ステップS106−4では、更新された当選エリアオフセット値で指定される当選エリアの抽選値が取得され、ステップS106−1−5では、当該抽選値を前回の減算結果に減算する。ステップS106−1−4からステップS106−1−8までの処理は、演算結果が負数であると判断(S106−1−6:YES)されるか全ての当選エリアが指定されるまで(S106−1−7:YES)繰り返される。
演算結果が負数であると判断した場合または全ての当選エリアが指定された場合、メインCPU301は、データ格納処理(S106−1−9)を実行する。具体的には、メインCPU301は、現在の当選エリアオフセット値をメインRAM303の当選エリア格納領域に格納する。例えば、減算結果が負数になった当選エリアオフセット値が「12」の場合は、数値「12」が当選エリア格納領域に格納される。また、メインCPU301は、データ格納処理において、当選エリアに応じた第1コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する。なお、メインCPU301は、後述する割込み処理のコマンド送信処理において、コマンド格納領域に格納された第1コマンドをサブ制御基板400に送信する。
図41は、回胴演出決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出決定処理を開始すると、回胴演出の決定に用いる各種の情報を取得する(S106−2−1)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の遊技状態と当選エリアと乱数値R2とを含む各種の情報を取得する。その後、メインCPU301は、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S106−2−2)。
遊技状態が通常状態であると判断した場合(S106−2−2:YES)、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルAにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−3)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアに応じた各抽選値を回胴演出毎に回胴演出決定テーブルAから取得し、当該各抽選値を順次に乱数値R2に減算する。例えば、メインCPU301は、「演出なし」、回胴演出A、回胴演出B、回胴演出C、回胴演出Dの順序で各回胴演出の抽選値を乱数値R2に減算する。メインCPU301は、抽選値を乱数値R2に減算した結果が負数になるまで繰り返し、抽選値を減算した結果が負数になった回胴演出を決定する。
遊技状態が通常状態ではないと判断した場合(S106−2−2:NO)、すなわち、AT状態の場合、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルBにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−4)。ステップS106−2−3またはステップS106−2−4において、回胴演出を決定した後に、メインCPU301は、当該回胴演出を示す演出種別コマンドをコマンド格納領域に格納する(S106−2−5)。
演出種別コマンドを格納した後に、メインCPU301は、回胴演出の回胴演出番号を回胴演出番号格納領域に格納する(S106−2−6)。具体的には、「演出なし」の場合、回胴演出番号格納領域に数値「0」が格納される。また、回胴演出Aの場合、回胴演出番号格納領域に数値「1」が格納され、回胴演出Bの場合、数値「2」が格納され、回胴演出Cの場合、数値「3」が格納され、回胴演出Dの場合、数値「4」が格納される。回胴演出番号を格納した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理を終了する。
図42は、指示番号決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、指示番号決定処理を開始すると、現在の遊技が指示期間であるか否かを判定する(S106−5−1)。指示期間であると判断した場合(S106−5−1:YES)、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルBを用いて決定する(S106−5−2)。一方、指示期間ではないと判断した場合(S106−5−1:NO)、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルAを用いて決定する(S106−5−3)。上述した通り、非指示期間では、全ての当選エリアで指示番号「99」(指示なし)が決定される。
メインCPU301は、ステップS106−5−2またはステップS106−5−3で指示番号を決定した後に、当該指示番号を指示番号格納領域に格納する。指示番号格納領域は、例えば、メインRAM303に記憶される。メインCPU301は、後述する割込み処理のLED表示処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号に対応する指示情報を指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、割込み処理のコマンド送信処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号を示す第2コマンドを送信する。指示番号を格納した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理を終了する。
図43は、ウェイト処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出の実行期間、または、ウェイト期間が経過するまでウェイト処理を実行する。
ウェイト処理を開始すると、メインCPU301は、回胴演出番号格納領域の回胴演出番号が「0」であるか否かを判定する(S107−1)。すなわち、回胴演出決定処理で「演出なし」が決定されたか否かを判定する。回胴演出番号が「0」である場合(S107−1:YES)、メインCPU301は、ウェイトタイマが数値「0」であるか否かを判定する(S107−2)。ウェイトタイマは、割込処理が実行される毎に減算される。ウェイトタイマがタイムアップしていない(ウェイトタイマ≠0)と判断した場合、メインCPU301は、ステップS107−2を繰り返す(S107−2:NO)。
一方で、ウェイトタイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−2:YES)、メインCPU301は、新たにウェイトタイマを初期値(約4100ms)にセットする(S107−3)。また、メインCPU301は、各リール12が始動したことを示すリール始動コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S107−4)、各リール12の回転を開始させて、ウェイト処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS107−1において、回胴演出番号が「0」以外であると判断した場合、回胴演出番号が回胴演出Aを示す「1」、または、回胴演出Bを示す「2」であるか否かを判定する(S107−5)。回胴演出番号が「1」または「2」であると判断した場合(S107−5:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに1000smをセットする(S107−6)。
一方で、回胴演出番号が「1」または「2」ではないと判断した場合(S107−5:NO)、メインCPU301は、回胴演出番号が回胴演出Cを示す「3」であるか否かを判定する(S107−7)。回胴演出番号が「3」であると判断した場合(S107−7:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに2000smをセットする(S107−8)。一方、回胴演出番号が「3」ではないと判断した場合(S107−7:NO)、すなわち、回胴演出番号が回胴演出Dを示す「4」である場合、メインCPU301は、回胴演出タイマに5000smをセットする(S107−9)。
メインCPU301は、ステップS107−6、ステップS107−8、ステップS107−9で回胴演出タイマをセットすると、回胴演出タイマが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S107−10)。回胴演出タイマは、割込処理が実行される毎に減算される。メインCPU301は、回胴演出タイマがタイムアップするまで(すなわち、回胴演出が終了するまで)ステップS107−10を繰り返し(S107−10:NO)、回胴演出タイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−10:YES)、ステップS107−2に移行する。
図44は、停止前処理のフローチャートである。メインCPU301は、停止前処理を開始すると、加速ウェイトタイマに初期値をセットする(S108−1)。加速ウェイトタイマの初期値は、各リール12が始動を開始してから定常回転まで加速するのに要する時間長に設定される。メインCPU301は、加速ウェイトタイマに初期値をセットした後に、加速ウェイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する(S108−2)。メインCPU301は、ステップS108−2を加速ウェイトタイマがタイムアップするまで繰り返し(S108−2:NO)、加速ウェイトタイマがタイムアップした場合(S108−2:YES)、ステップS108−3に処理を移行する。
ステップS108−3において、メインCPU301は、停止操作がされていない停止ボタン25(25L、25C、25R)の個数を示す未停止操作カウンタに数値「3」を格納する。また、メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理をする(S108−4)。上述したように、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各当選役に対応し、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合は数値「1」である。したがって、全てのリール12が回転しているステップS108−4においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止可能であるため、表示役格納領域の全てのビットが数値「1」に設定される。
メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理の後に、優先順位格納処理(S108−5)に移行する。図45は、優先順位格納処理で設定される複数の優先順位格納領域P(PL、PC、PR)の概念図である。優先順位格納領域Pは、図45に示すように、リール12Lに対応する左リール優先順位格納領域PLと、リール12Cに対応する中リール優先順位格納領域PCと、リール12Rに対応する右リール優先順位格納領域PRとを含んで構成される。また、各優先順位格納領域Pは、複数個(21個)の領域Qに区分される。各領域Qは、リール12の各図柄位置(単位領域U)に対応する。
優先順位格納処理が実行されると、各領域Qには、当該領域Qの図柄の優先順位が格納される。例えば、有効ラインに停止した場合に、当選していない当選役が表示される領域Qには、優先順位「HFF」が格納される。また、有効ラインに停止させることが可能な図柄の領域Qには優先順位「H00」が格納され、当選役を構成する図柄の領域Qには、数値「H01」が格納される。
図46は、優先順位格納処理のフローチャートである。メインCPU301は、優先順位格納処理を開始すると、未停止操作カウンタを検索回数として格納する(S108−5−1)。また、メインCPU301は、未だ停止操作がされていないリール12のうち1つのリール12を対象リールとして決定する(S108−5−2)。
メインCPU301は、優先順位テーブル選択処理(S108−5−3)を実行する。優先順位テーブルは、各当選役の優先順位を規定し、複数の優先順位テーブルのうちの1つが選択される。例えば、当選エリア「打順ベルE1〜E3」(正解押順の第1停止がリール12R)が当選した遊技を想定する。当該遊技で選択される優先順位テーブルによれば、右リール優先順位格納領域PRにおいて、「失敗ベル」の図柄の優先順位より「正解ベル」の図柄の優先順位が高くなる。他方で、左リール優先順位格納領域PLおよび中リール優先順位格納領域PCにおいては、「正解ベル」の図柄の優先順位より「失敗ベル」の図柄の優先順位が高くなる。以上の構成によれば、優先順位テーブルが適宜に選択されることにより、有効ラインに停止される図柄が停止操作順序に応じて変化する。
優先順位テーブル選択処理を実行した後に、メインCPU301は、領域ポインタに初期値「00」を格納し、領域残数に初期値「21」を格納する(S108−5−4)。領域ポインタは、対象リールの領域Qを指定する。また、領域残数は、当該対象リールにおいて、優先順位が格納されていない領域Qの個数を意味する。
メインCPU301は、領域ポインタで指定される図柄位置の図柄コード(図柄の種別)を取得する(S108−5−5)。また、メインCPU301は、当該図柄コードと当選エリア(当選役)と優先順位テーブルとに応じて、優先順位を決定する(S108−5−6)。メインCPU301は、決定した優先順位を現在の領域ポインタが指定する領域Qに格納する(S108−5−7)。
メインCPU301は、領域ポインタに数値「1」を加算し、領域残数から数値「1」を減算する(S108−5−8)。その後、メインCPU301は、領域残数が数値「0」であるか否かを判定する(S108−5−9)。領域残数が「0」ではないと判断した場合(S108−5−9:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−5からステップS108−5−9までを繰り返し実行する。他方で、領域残数が「0」であると判断した場合(S108−5−9:YES)、すなわち、対象リールの優先順位格納領域の生成が終了した場合、メインCPU301は、検索回数から「1」を減算する(S108−5−10)。
検索回数を減算した後に、メインCPU301は、検索回数が終了したか否かを判定する(S108−5−11)。検索回数が終了していないと判断した場合(S108−5−11:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−2に処理を戻し、対象リールを変更してステップS108−5−2からステップS108−5−11までを繰り返し実行する。一方で、検索回数が終了したと判断した場合(S108−5−11:YES)、メインCPU301は、優先順位格納処理を終了する。
図47は、停止制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されたか否かを判定する(S109−1)。回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されるまで、メインCPU301は、ステップS109−1を繰り返し実行する(S109−1:NO)。他方で、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作された場合(S109−1:YES)、メインCPU301は、停止操作された停止ボタン25の種別を示す停止操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S109−2)。
停止操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、停止順序格納領域を更新する(S109−3)。また、メインCPU301は、未停止操作カウンタから数値「1」を減算する(S109−4)。メインCPU301は、操作された停止ボタン25に対応するリール12を、停止対象リールとして設定する(S109−5)。
メインCPU301は、図柄カウンタの現在値(すなわち、中段ライン上に位置する図柄番号)を停止操作位置として取得する(S109−6)。メインCPU301は、対象リールの優先順序格納領域の各領域Qのうち、停止操作位置の領域Qと当該停止操作位置の次のコマから4コマ分の領域Qとの優先順位(すなわち、5コマ分の優先順位)を取得する(S109−7)。また、メインCPU301は、取得した5コマ分の優先順位のうち最も優先順位が高いコマを停止予定位置に決定するとともに、停止操作位置から停止予定位置までのコマ数を滑りコマ数として設定する(S109−8)。
メインCPU301は、停止予定位置の図柄コード(すなわち、停止予定位置の図柄の種別)に応じて、表示役格納領域の各ビットを更新する(S109−9)。例えば、停止制御処理でリール12Lが停止して有効ラインに図柄「ベル」が停止した場合、左リールの図柄が「ベル」ではない当選役(例えばチェリー役)に係る図柄組合せは、有効ラインに停止する可能性がなくなるため、表示役格納領域の各ビットのうち当該当選役に対応するビットは数値「0」になる。
表示役格納領域を更新した後に、メインCPU301は、未停止操作カウンタが「0」であるか否かを判定する(S109−10)。未停止操作カウンタが数値「0」であることは、全てのリール12について停止操作がされたことを意味する。未停止操作カウンタが「0」であると判断した場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、停止制御処理を終了する。他方で、未停止操作カウンタが「0」では無いと判断した場合(S109−10:NO)、停止前処理でも実行した優先順位格納処理を実行する(S109−11)。ステップS109−11において、停止前処理のステップS109−3と同様に、回転中のリール12の優先順位格納領域Pに優先順位が格納される。ただし、当選エリア格納領域の当選エリアで示される当選役を構成する図柄であっても、何れかのリール12が停止したことにより有効ラインに表示される可能性が無くなった当選役に係る図柄組合せの図柄は、他の図柄と比較して優先順位が高く設定されない。
メインCPU301は、優先順位格納処理を実行した後に、ステップS109−1に処理を戻す。メインCPU301は、全てのリール12に対して停止操作がされるまで、すなわち、未停止操作カウンタが「0」であると判断されるまで、ステップS109−1からステップ109−11までの処理を繰り返し実行する。未停止操作カウンタが「0」であると判断された場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、リール停止制御処理を終了する。
図48は、表示判定処理(S110)のフローチャートである。表示判定処理を開始すると、メインCPU301は、有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せが、当該遊技で有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せであるか否かを判定する(S110−1)。具体的には、メインCPU301は、ステップS110−1において、表示役格納領域の表示可能ビットのうち「1」に設定された表示可能ビットに対応する当選役について、当該当選役に対応する表示許可ビットが「1」に設定されているか否かを判定する。数値「1」の表示可能ビットに対応する表示許可ビットが「0」に設定されている場合、メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断する。
メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断した場合(S110−1:YES)、不正入賞コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−2)、不正入賞エラー処理に移行して遊技の進行を禁止する。不正入賞エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定されることで遊技が可能となる。
有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せが停止したと判定した場合(S110−1:NO)、メインCPU301は、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止しているか否かを判定する(S110−3)。リプレイに係る図柄組合せ有効ラインに停止していると判定した場合(S110−3:YES)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定して(S110−4)、再遊技コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−5)、表示判定処理を終了する。再遊技コマンドは、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止したことを示す。
他方で、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判定した場合(S110−3:NO)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをOFF状態に設定し(S110−6)、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止しているか否かを判定する(S110−7)。入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していると判断した場合(S110−7:YES)、メインCPU301は、入賞当選役コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−8)。入賞当選役コマンドは、有効ラインに揃った入賞当選役に係る図柄組合せの種別を示す。
メインCPU301は、有効ラインに停止した入賞当選役に係る図柄組合せの種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する(S110−9)。クレジット数を加算した後に、メインCPU301は、クレジット数の上限値である数値「50」よりも加算した結果が大きいか否かを判定する(S110−10)。クレジット数が「50」より大きい場合(S110−10:YES)、クレジット数の上限値を上回った分のメダル枚数(例えば、ステップS110−9の加算結果が「55」である場合は数値「5」)を、メダル要求カウンタに設定する(S110−11)。メダル要求カウンタにメダル枚数を設定した後に、メインCPU301は、ホッパー駆動処理に移行する。他方で、クレジット数が「50」以下である場合(S110−10:NO)、メインCPU301は、表示判定処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS110−7において、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−7:NO)、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたか否かを判定する(S110−12)。ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合(S110−12:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域にボーナス役コマンドを格納する(S110−13)。ボーナス役コマンドは、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された旨を示す。メインCPU301は、ボーナス役コマンドを格納した後に、表示判定処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS110−12において、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−12:NO)、ハズレ表示コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−14)。ハズレ表示コマンドは、有効ラインに当選役に係る図柄組合せが停止していないことを示す。本実施形態においては、再遊技コマンドと入賞当選役コマンドとハズレ表示コマンドとボーナス役コマンドとを表示当選役コマンドと総称する。
図49は、ホッパー駆動処理のフローチャートである。ホッパー駆動処理は、表示判定処理、または、遊技開始前処理の精算操作受付処理において、払出要求カウンタが設定された場合に実行される。ホッパー駆動処理を開始すると、メインCPU301は、払出開始コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S120)。払出開始コマンドは、ホッパー520におけるメダル排出の開始を示す。また、メインCPU301は、払出期間監視タイマに初期値を設定する(S121)。払出期間監視タイマは、ホッパー駆動処理が開始してから所定の時間長(例えば30秒)が経過した場合にタイムアップする。
メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を開始する(S122)。ホッパー駆動信号が出力される期間において、ホッパー520からメダルが順次に排出される。ホッパー駆動信号の出力を開始した後に、メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S123)。メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたと判断した場合(S123:YES)、エラーコマンドをコマンド格納領域に格納し(S124)、ホッパーエンプティーエラー処理に移行する。以上の構成では、メインCPU301は、ホッパー駆動処理の開始から払出期間監視タイマがタイムアップするまでに、払出要求カウンタの枚数のメダルの排出が完了しなかった場合、ホッパーエンプティーエラー処理に移行し、遊技の進行を禁止する。ホッパーエンプティーエラー処理が実行された場合、例えば、リセットボタン512の操作を条件に、ホッパー駆動処理に復帰する。
メインCPU301は、ホッパー520からの払出信号を検出したか否かを判定する(S125)。上述したとおり、払出信号は、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出センサ112SEから出力される。メインCPU301は、払出信号を検出したと判断するまで、ステップS123とステップS125とを繰り返し実行する(S125:NO)。
メインCPU301は、払出信号を検出したと判断した場合(S125:YES)、払出要求カウンタから数値「1」を減算する(S126)。その後、メインCPU301は、払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S127)。払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合(S127:YES)、メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を停止し(S128)、払出終了コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S129)。例えば、サブ制御基板400は、メインCPU301から払出開始コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を開始し、払出終了コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を停止する。メインCPU301は、払出終了コマンドを格納すると、ホッパー駆動処理を終了する。他方で、払出要求カウンタが「0」でないと判断した場合(S127:NO)、メインCPU301は、ステップS123からステップ127を繰り返し実行する。
図50(a)は、状態制御処理のフローチャートである。状態制御処理を開始すると、メインCPU301は、RT状態移行処理(S111−1)を実行する。RT状態移行処理において、メインCPU301は、RT状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、RT状態移行処理において、RT1移行図柄が有効ラインに停止したか否かを判定する。上述したように、RT1移行図柄は、失敗ベルを取りこぼした場合等で有効ラインに停止する。有効ラインにRT1移行図柄が停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT1状態に移行する。なお、RT1状態においてRT1移行図柄が有効ラインに停止した場合、RT状態は変更されない。また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT2移行図柄が停止したか否かを判定する。RT2移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT2状態に変更する。さらに、メインCPU301は、RT状態移行処理において、今回の遊技でボーナス作動状態の終了条件が成立したか否かを判定する。ボーナス作動状態の終了条件が成立したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT0状態に変更する。
RT状態移行処理の後に、メインCPU301は、遊技状態移行処理(S111−2)を実行する。メインCPU301は、今回の遊技の遊技状態に応じて、遊技状態移行処理において各遊技状態を移行させる。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技でAT状態に当選した場合、前兆状態の遊技回数に応じて、開始準備状態または前兆状態に移行させる。上述した通り、前兆状態の遊技回数は、数値「0」〜「32」のうちの何れかから抽選で決定される。AT状態に当選した場合に決定された前兆状態の遊技回数が数値「0」の場合、遊技状態が開始準備状態に移行する。また、前兆状態の遊技回数が数値「0」より多い場合、遊技状態が前兆状態に移行する。抽選で決定された前兆状態の遊技回数は前兆カウンタに格納され、前兆状態の各遊技で前兆カウンタが減算される。前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、AT状態に移行する。
メインCPU301は、通常状態の遊技でチャンス状態に当選した場合、前兆状態の遊技回数に応じて、チャンス状態または前兆状態に移行する。上述した通り、前兆状態の遊技回数は、数値「0」〜「32」のうちの何れかが抽選で決定される。チャンス状態に当選した場合に決定された前兆状態の遊技回数が数値「0」の場合、遊技状態がチャンス状態に移行する。また、前兆状態の遊技回数が数値「0」より多い場合、遊技状態が前兆状態に移行する。抽選で決定された前兆状態の遊技回数は前兆カウンタに格納され、前兆状態の各遊技で前兆カウンタが減算される。前兆カウンタが数値「0」まで減算された場合、チャンス状態に移行する。また、チャンス状態に移行する場合、メインCPU301は、チャンス状態カウンタに初期値「10」を格納する。
メインCPU301は、チャンス状態の各遊技において、チャンス状態カウンタを数値「1」ずつ減算する。また、遊技状態移行処理において、メインCPU301は、チャンス状態カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する。チャンス状態カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合であって、今回のチャンス状態でAT状態に当選した場合、その後、開始準備状態に移行する。一方、今回のチャンス状態でAT状態に当選していない場合、次回のチャンス状態に移行する権利が付与されているか否かに応じて、遊技状態を移行させる。具体的には、次回のチャンス状態に移行する権利が付与されている場合、メインCPU301は、チャンス状態に移行し、次回のチャンス状態に移行する権利が付与されていない場合、通常状態に移行する。
メインCPU301は、開始準備状態の各遊技において、RT2状態に移行したか否かを判断する。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技のRT状態移行処理においてRT状態がRT2状態に移行されたか否かを遊技状態移行処理で判定する。RT2状態に移行したと判断した場合、遊技状態をAT状態に移行し、RT2状態に移行していないと判断した場合、開始準備状態を継続させる。
メインCPU301は、AT状態の各遊技において、ATカウンタを数値「1」ずつ減算する。また、遊技状態移行処理において、メインCPU301は、ATカウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する。ATカウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合、メインCPU301は、終了準備状態に移行する。終了準備状態の各遊技では、RT1状態に移行したか否かが判定され、RT1状態に移行したと判断された場合、終了準備状態から通常状態に移行する。
メインCPU301は、各遊技の遊技状態移行処理において、今回の遊技でボーナス役に当選したか否かが判定される。また、メインCPU301は、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに今回の遊技で停止表示されたか否かを判定する。今回の遊技でボーナス役に当選し、且つ、該ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断しなかったと判断した場合、メインCPU301は、内部中状態に移行する。
メインCPU301は、今回の遊技でボーナス役に係る組み合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合、遊技状態をボーナス作動状態に移行させる。メインCPU301は、ボーナス作動状態において、払出されたメダルの枚数を計数し、メダルの枚数が数値「297」を超えたか否かを判断する。メダルの枚数が数値「297」を超えたと判断した場合、メインCPU301は、ボーナス作動状態を終了する。
メインCPU301は、ボーナス作動状態が終了した場合、ボーナス役が当選した遊技状態に応じた遊技状態に移行する。例えば、通常状態でボーナス役に当選した場合、ボーナス作動状態が終了した後に通常状態に移行し、AT状態でボーナス役に当選した場合、ボーナス作動状態が終了した後にAT状態に移行する。ただし、メインCPU301は、AT状態でボーナス役が当選した場合であっても、ボーナス作動状態が終了した時点において規制期間が終了している場合(図24(b)参照)、通常状態に移行する。
図50(b)は、規制期間移行処理のフローチャートである。規制期間移行処理は、各遊技の状態制御処理において実行される。なお、規制期間移行処理は、状態制御処理以外で実行される構成としてもよい。
図50(b)に示す通り、規制期間移行処理を開始した場合、メインCPU301は、規制期間フラグがOFF状態であるか否かが判定される(S501)。規制期間フラグは、規制期間の各遊技状態(AT状態等)において、ON状態に維持され、規制期間以外の各遊技状態(通常状態等)において、OFF状態に維持される。規制期間フラグは、例えば、メインRAM303に設けられる。
規制期間フラグがOFF状態であると判断した場合(S501:YES)、メインCPU301は、今回の遊技で前兆状態に移行したか否かを判定する(S502)。今回の遊技で前兆状態に移行したと判断した場合(S502:YES)、メインCPU301は、規制期間フラグをON状態にして(S503)、規制期間移行処理を終了する。以上の構成では、AT状態またはチャンス状態に移行する権利が通常状態で付与され、前兆状態に移行した場合、規制期間フラグがON状態になる。
今回の遊技で前兆状態に移行していないと判断した場合(S502:NO)、メインCPU301は、今回の遊技で開始準備状態に移行したか否かを判定する(S504)。今回の遊技で開始準備状態に移行したと判断した場合(S504:YES)、メインCPU301は、規制期間フラグをON状態にして(S503)、規制期間移行処理を終了する。以上の構成では、AT状態に移行する権利が付与され、その後、前兆状態を介さずに開始準備状態に移行した場合、規制期間フラグがON状態になる。
今回の遊技で開始準備状態に移行していないと判断した場合(S504:NO)、メインCPU301は、今回の遊技でチャンス状態に移行したか否かを判定する(S505)。今回の遊技でチャンス状態に移行したと判断した場合(S505:YES)、メインCPU301は、規制期間フラグをON状態にして(S503)、規制期間移行処理を終了する。以上の構成では、チャンス状態に移行する権利が付与され、その後、前兆状態を介さずにチャンス状態に移行した場合、規制期間フラグがON状態になる。
ステップS501において、規制期間フラグがOFF状態でないと判断された場合、今回の遊技で通常状態または終了準備状態に移行したか否かが判定される(S506)。例えば、今回の遊技でAT状態が終了して終了準備状態に移行した場合、または、今回の遊技でチャンス状態が終了して通常状態に移行した場合にステップS506でYESの判断がされる。今回の遊技で通常状態または終了準備状態に移行したと判断された場合、メインCPU301は、規制期間フラグをOFF状態に変更し(S507)、初期化処理(S508)を実行する。規制期間が終了する場合の初期化処理では、上述した通り、規制カウンタ等の各種のカウンタが初期化される。初期化処理を終了した後に、メインCPU301は、ステップS512に移行する。
今回の遊技で通常状態に移行していないと判断した場合(S506:NO)、メインCPU301は、規制カウンタが数値「1500」以上に加算されたか否かを判定する(S509)。以上のステップS509でYESの判断がされる場合としては、例えば、AT状態においてボーナス役に当選し、その後のボーナス作動状態で規制カウンタが数値「1500」に加算された場合が想定される。規制カウンタが1500以上であると判断した場合(S509:YES)、メインCPU301は、今回の遊技で通常状態または終了準備状態に移行したと判断された場合と同様に、規制期間フラグをOFF状態に変更し(S507)、初期化処理(S508)を実行する。
規制カウンタが数値「1500」以上ではないと判断した場合(S509:NO)、メインCPU301は、規制カウンタに数値「1」を加算するとともに(S510)、総規制期間カウンタに数値「1」を加算する(S511)。総規制期間カウンタは、上述した通り、規制期間割合を示す割合情報を表示するために用いられ、規制期間の各遊技で加算される。総規制期間カウンタを加算した後に、メインCPU301は、ステップS512に移行する。規制期間制御処理のステップS512において、メインCPU301は、総遊技回数カウンタに数値「1」を加算する。総遊技回数カウンタは、上述した通り、規制期間割合を示す割合情報を表示するために用いられ、毎回の遊技で加算される。総遊技回数カウンタを加算した後に、メインCPU301は、表示器制御処理(S513)に移行する。
表示器制御処理において、メインCPU301は、規制期間表示器38を点灯または消灯する。具体的には、上述したステップS503において、規制期間フラグがON状態に変更された場合、メインCPU301は、表示器制御処理において、規制期間表示器38を点灯させる。また、上述したステップS507において、規制期間フラグがOFF状態に変更された場合、メインCPU301は、表示器制御処理において、規制期間表示器38を消灯させる。表示器制御処理を実行した後に、メインCPU301は、規制期間移行処理を終了する。
図51は、割込処理のフローチャートである。上述したように、メインCPU301は、遊技制御処理を実行している期間に、1.49ms毎に割込処理を実行する。
メインCPU301は、割込処理を開始すると、各種のレジスタのデータを退避させる(S201)。その後、メインCPU301は、入力ポート読込処理(S202)を実行する。入力ポート読込処理において、メインCPU301は、I/F回路305に入力された各種の信号を読込む。具体的には、メインCPU301は、入力ポート読込処理において、スタートスイッチ24SW、各停止スイッチ25SW、メダルセンサ34SE、精算スイッチ23SWなどのON信号を読込む。メインCPU301は、ON信号を読み込んだセンサおよびスイッチの検知フラグをON状態に設定する。
メインCPU301は、タイマ計測処理(S203)を実行する。タイマ計測処理において、メインCPU301は、各種のタイマから所定値を減算する。メインCPU301は、タイマ計測処理において、例えば、ホッパー駆動処理で設定された払出期間監視タイマ、ウェイト処理で設定された回胴演出タイマおよびウェイトタイマを減算する。
メインCPU301は、回転しているリールから駆動対象リールを選択し(S204)、駆動対象リールの駆動制御処理(S205)を実行する。駆動制御処理において、メインCPU301は、駆動対象リールのステッピングモータに駆動パルスを出力する。駆動パルスが入力された場合、ステッピングモータの励磁パターンが切替わる。
メインCPU301は、全てのリール12の駆動制御処理が実行されたか否かを判定する(S206)。全てのリール12の駆動制御処理が実行されていないと判断した場合(S206:NO)、メインCPU301は、ステップS204とステップS205とを繰り返す。他方で、全てのリール12の駆動制御処理を実行したと判断した場合(S206:YES)メインCPU301は、外部信号出力処理(S207)に移行する。
メインCPU301は、外部信号出力処理において、遊技機1の外部に所定の信号を出力する。例えば、設定変更処理を開始した場合、メインCPU301は、設定変更処理の開始を示す信号を遊技機1の外部に出力する。
メインCPU301は、LED表示処理(S208)において、各種のランプを駆動する。例えば、メインCPU301は、遊技制御処理で生成したBETランプ表示データが示す態様で、BETランプ14を表示させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、再遊技作動中フラグがON状態に設定されている場合に再遊技表示ランプ18を点灯させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、クレジット数を貯留枚数表示器17に表示させる。さらに、メインCPU301は、LED表示処理において、指示番号決定処理で決定した指示番号に応じた指示情報を指示表示器16に表示させる。
メインCPU301は、LED表示処理の後に、コマンド送信処理(S209)に移行する。上述したように、メインRAM303のコマンド格納領域には、遊技制御処理において各種のコマンドが格納される。コマンド格納領域に格納されたコマンドは、コマンド送信処理において、サブ制御基板400に送信される。
コマンド送信処理の後に、メインCPU301は、レジスタ復帰処理(S210)を実行し、ステップS210で退避したデータをレジスタに復帰させる。レジスタ復帰処理を実行すると、メインCPU301は、割込処理を開始した際に実行していた遊技制御処理のステップSに処理を復帰させる。
<サブCPUが実行する各処理>
図52は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。起動時初期化処理において、サブCPU412は、例えば、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化する。
起動時初期化処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常がある場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
図53は、サブ起動処理において起動される各タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、筐体ランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカー(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカー(31、32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
図53(a)は、ランプ制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクを開始すると、各種のランプを制御するためのデータを初期化する(S302−1)。各種のデータを初期化すると、サブCPU412は、ランプデータ解析処理(S302−2)に移行する。ランプデータは、各種のランプの点滅パターンを示すデータである。例えば、特定のランプを点灯状態にする時間を示すデータと消灯状態にする時間を示すデータとの時系列(300ms点灯→300ms消灯→300ms点灯→……)がランプデータとして採用され得る。
サブCPU412は、ランプ制御処理(S302−3)において、ランプデータにより指定される態様で特定のランプを点滅させる。ランプデータ解析処理とランプ演出実行処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図53(b)は、音響制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、音響制御タスクを開始すると、スピーカー(31、32)を制御するための各種のデータを初期化する(S303−1)。サブCPU412は、各種のデータを初期化すると、音響データ解析処理(S303−2)に移行する。
サブCPU412は、音響制御処理(S303−3)において、音響データ解析処理の結果に応じてサウンド基板430(音源IC431)に指示をする。音源IC431は、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読み出し、音響データから音響信号を生成してスピーカー(31、32)に供給する。音響データ解析処理と音響制御処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図53(c)は、画像制御基板通信タスクのフローチャートである。サブCPU412は、画像制御基板通信タスクを開始すると、非遊技タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S304−1)。非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の状態が所定の時間継続した場合にタイムアップする。具体的には、非遊技タイマは、前回の遊技が終了した時点で初期値にセットされ、非遊技の期間において所定の周期毎に減算される。例えば、非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の期間が1分間継続した場合にタイムアップする。非遊技タイマは、例えば、サブRAM414に設けられる。
サブCPU412は、非遊技タイマがタイムアップしたと判断した場合(S304−1:YES)、デモ表示コマンド送信処理(S304−2)に移行し、デモ表示コマンドを画像制御基板420に送信する。画像制御基板(画像制御CPU421)420は、デモ表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置30にデモンストレーション画像を表示させる。また、サブCPU412は、デモンストレーション画像が表示される期間において、各種のランプを消灯する。
他方で、非遊技タイマがタイムアップしていないと判断した場合(S304−1:NO)、サブCPU412は、サブRAM414に格納されている演出番号に応じてコマンドをセットする(S304−3)。演出番号は、遊技機1において実行される演出の種類を示し、後述する演出抽選処理においてサブRAM414の演出番号格納領域に格納される。サブCPU447は、ステップS304−3でセットしたコマンドを画像制御基板420に送信して(S304−4)、画像制御基板通信タスクを終了する。なお、画像制御基板通信タスクにおいて、画像制御基板420からのコマンドを受信可能な構成としてもよい。
図53(d)は、メイン制御基板通信タスクのフローチャートである。メイン制御基板通信タスクを開始すると、サブCPU412は、所定の記憶領域を初期化する通信開始前処理(S305−1)を実行する。通信開始前処理を実行した後に、サブCPU412は、受信コマンドチェック処理(S305−2)に移行する。受信コマンドチェック処理においては、メイン制御基板300から受信したコマンドの内容をチェックする。
サブCPU412は、今回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドと前回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドとが異なるか否かを判定する(S305−3)。すなわち、ステップS305−3において、サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化したか否かを判定する。サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化するまで、ステップS305−3を繰り返し実行する(S305−3:NO)。メイン制御基板300からのコマンドが変化した場合(S305−3:YES)、サブCPU412は、コマンド解析処理(S305−4)に移行する。
コマンド解析処理を実行した後に、サブCPU412は、遊技情報更新処理(S305−5)を実行する。遊技情報更新処理において、サブCPU412は、メイン制御基板300から受信したコマンドに応じて、サブRAM414が記憶する遊技情報を更新する。サブCPU412は、ステップS305−5において、複数種類の遊技情報更新処理のうちの何れかを実行する。具体的には、サブCPU412は、複数種類の遊技情報更新処理のうちメイン制御基板300から受信したコマンドの種別に応じた遊技情報更新処理を実行する。例えば、サブCPU412は、開始操作コマンドを受信した場合、液晶表示装置30に表示するAT状態の残り遊技回数を更新するための遊技情報更新処理を実行する。遊技情報を更新した後に、サブCPU412は、ステップS305−2に処理を戻し、次回のタイマ割込信号が入力されるまでステップS305−2からステップS305−5までの処理を繰り返す。
図54は、コマンド解析処理のフローチャートである。サブCPU412は、コマンド解析処理を開始すると、演出制御処理(S401)を実行する。後述するように、サブCPU412は、演出制御処理において、例えば、遊技機1で実行する演出を決定する。
演出制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出に応じたランプデータを決定し(S402)、ランプデータをサブRAM414に格納する(S403)。また、サブCPU412は、演出制御処理で決定した演出に応じて、音響データを決定し(S404)、決定した音響データをサブRAM414に格納する(S405)。音響データを格納すると、サブCPU412は、コマンド解析処理を終了する。
図55は、演出制御処理のフローチャートである。サブCPU412は、演出制御処理を開始すると、メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであるか否かを判定する(S401−1)。メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであると判断した場合(S401−1:YES)、サブCPU412は、設定変更開始/終了処理(S401−2)に移行する。
具体的には、設定変更開始コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU412は、設定変更処理が実行中である旨を報知をする。例えば、サブCPU412は、液晶表示装置30に「設定変更中です」というメッセージを表示させ、各スピーカーに当該メッセージの音声を出力させる。また、設定値コマンドを受信したと判断した場合(すなわち、設定変更処理が終了した場合)、サブCPU412は、設定値コマンドが示す設定値をサブRAM414に格納して、設定変更処理の報知を終了する。設定変更開始/終了処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドではないと判断した場合(S401−1:NO)、サブCPU412は、投入コマンドを受信したか否かを判定する(S401−3)。投入コマンドを受信したと判断した場合(S401−3:YES)、サブCPU412は、投入コマンド受信時処理(S401−4)に移行する。投入コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、メダルの投入時の演出を発生させる。投入コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが投入コマンドではないと判断した場合(S401−3:NO)、精算操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−5)。精算操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−5:YES)、サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理(S401−6)に移行する。精算操作コマンド受信時処理において、サブCPU412は、メダルの精算が実行されている旨を報知する。サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理において、例えば、「精算中です」というメッセージを液晶表示装置30に表示させ、スピーカーから所定の警告音を出力する。精算操作コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが精算操作コマンドではないと判断した場合(S401−5:NO)、開始操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−7)。開始操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−7:YES)、サブCPU412は、開始操作時処理(S401−8)に移行する。開始操作時処理において、サブCPU412は、演出抽選処理を含む各種の処理を実行する。開始操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが開始操作コマンドではないと判断した場合(S401−7:NO)、リール始動コマンドを受信したか否かを判定する(S401−9)。リール始動コマンドを受信したと判断した場合(S401−9:YES)、サブCPU412は、リール始動コマンド受信時処理(S401−10)に移行する。リール始動コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、リールの回転が開始される際に出力されるリール回転音をスピーカーに出力させる。リール始動コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドがリール始動コマンドではないと判断した場合(S401−9:NO)、停止操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−11)。停止操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−11:YES)、サブCPU412は、停止操作時処理(S401−12)に移行する。停止操作時処理において、例えば、液晶表示装置30の表示態様を切替える。停止操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが停止操作受付コマンドではないと判断した場合(S401−11:NO)、表示当選役コマンド(再遊技コマンド、入賞当選役コマンドまたはハズレ表示コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−13)。表示当選役コマンドを受信したと判断した場合(S401−13:YES)、サブCPU412は、表示当選役コマンド受信時処理(S401−14)に移行する。
サブCPU412は、受信したコマンドが表示当選役コマンドではないと判断した場合(S401−13:NO)、払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S401−15)。払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したと判断した場合(S401−15:YES)、サブCPU412は、払出音制御処理(S401−16)を実行する。例えば、サブCPU412は、払出開始コマンドを受信した場合、メダルの排出を報知するメダル払出音の出力を開始する。また、払出終了コマンドを受信した場合、サブCPU412は、メダル払出音を停止する。払出音制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図56(a)および図56(b)は、第2実施形態における規制期間を説明するためのタイムチャートである。第2実施形態では、通常状態でボーナス役に当選したことを契機に、チャンス状態への移行が決定される場合がある。また、第2実施形態では、ボーナス作動状態の各遊技において、チャンス状態への移行が決定される場合がある。ボーナス役の当選時、または、ボーナス作動状態の途中でチャンス状態に当選した場合、その後、ボーナス作動状態が終了した後にチャンス状態に移行する。
図56(a)は、通常状態でボーナス役が当選し、チャンス状態への移行が決定された場合の具体例を説明するためのタイムチャートである。上述した第1実施形態で説明した通り、チャンス状態への移行が決定された場合、次回の遊技から規制期間が開始される。通常状態でボーナス役が当選し、チャンス状態への移行が決定された場合、チャンス状態への移行が決定された次回の遊技から規制期間が開始される。以上の構成では、図56(a)に示す通り、内部中状態の最初の遊技から規制期間が開始される。
図56(a)の具体例では、ボーナス役が当選してからX回目(Xは正の整数)の遊技でボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合を想定する。以上の場合、規制期間のX+1回目の遊技がボーナス作動状態の1回目の遊技になる。ボーナス作動状態では、第1実施形態と同様に、ベル役が毎回の遊技で有効ラインに停止表示される。
図56(a)の具体例では、規制期間のY回目(Yは正の整数)の遊技でボーナス作動状態が終了した場合を想定する。ボーナス作動状態が終了した場合、チャンス状態に移行する。以上の図56(a)の具体例では、ボーナス役が当選した次回の遊技(内部中状態の最初の遊技)から、ボーナス作動状態およびチャンス状態に亘る各遊技が規制期間になる。
ところで、第1実施形態では、チャンス状態に移行した旨を報知するため、チャンス状態に指示期間を設け、指示表示器16に指示情報を1回表示させた。一方、第2実施形態では、ボーナス作動状態から移行するチャンス状態においては、指示期間が設けられない。上述した通り、ボーナス作動状態では、毎回の遊技でベル役が当選する。以上の構成では、指示表示器16に指示情報が表示されない場合であっても、ベル役が頻繁に当選することで、遊技状態が移行した旨が認識可能である。ただし、ボーナス作動状態から移行するチャンス状態において指示期間を設けてもよい。
図56(b)は、ボーナス作動状態においてチャンス状態への移行が決定された場合の具体例を説明するためのタイムチャートである。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、通常状態でボーナス役が当選した場合に移行する内部中状態(ただしチャンス状態には非当選)、および、その後のボーナス作動状態は非規制期間である。ただし、ボーナス作動状態でチャンス状態に当選した場合、次回の遊技から規制期間が開始される。すなわち、ボーナス作動状態の途中から規制期間が開始される。
図56(b)の具体例では、規制期間のZ回目(Zは正の整数)の遊技でボーナス作動状態が終了した場合を想定する。ボーナス作動状態が終了した場合、チャンス状態に移行する。以上の図56(b)の具体例では、チャンス状態に当選した次回の遊技(ボーナス作動状態の途中の遊技)から、その後のボーナス作動状態およびチャンス状態に亘る各遊技が規制期間になる。
以上の第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏せされる。また、第2実施形態では、ボーナス作動状態の途中でチャンス状態に移行する権利が付与された場合、その後、規制期間が開始する。すなわち、ボーナス作動状態のうちチャンス状態に当選する以前の各遊技は、規制期間に含まれない。したがって、例えば、チャンス状態に移行する権利が付与されていないボーナス作動状態が規制期間に含まれる構成と比較して、ボーナス作動状態でチャンス状態に当選してから規制期間の上限に達するまでの遊技回数が長くなる。仮に、チャンス状態に移行する権利が付与されていないボーナス作動状態が規制期間に含まれる構成では、遊技者によっては、チャンス状態に当選してから規制期間の上限に達するまでの遊技回数が不当に短くなっているとして、不満を感じる不都合が生じ得る。本実施形態では、上述した不都合が抑制される。
なお、第2実施形態において、ボーナス役に当選した場合、AT状態に移行するか否かが決定される構成としてもよい。以上の構成では、ボーナス役に当選した遊技(AT状態に当選した遊技)の次回の遊技から規制期間が開始される。また、ボーナス作動状態の各遊技において、AT状態に移行するか否かが決定される構成としてもよい。以上の構成では、AT状態に当選した次回の遊技(ボーナス作動状態の途中の遊技)から規制期間が開始される。
<第3実施形態>
図57は、第3実施形態を説明するための図である。上述した第1実施形態の前兆状態の遊技回数は、0回から32回の何れかが抽選により決定された。第3実施形態の前兆状態の遊技回数は、0回から1024回の何れかが抽選により決定される。すなわち、第3実施形態は、前兆状態の遊技回数の範囲が第1実施形態と相違する。
図57(a)は、第3実施形態における前兆状態の遊技回数の決定方法を説明するための図である。第3実施形態では、前兆状態の遊技回数の範囲毎に選択率が予め定められる。AT状態に当選した場合、メインCPU301は、上述した選択率に応じて、前兆状態の遊技回数の範囲を決定する。例えば、図57(a)に示す通り、確率約30%で「0〜32」回が決定される。また、メインCPU301は、前兆状態の遊技回数の範囲から1個の遊技回数を抽選で決定し、前兆カウンタに格納する。例えば、前兆状態の遊技回数の範囲として、「101〜128」回が選択された場合、数値「101〜128」の何れかの数値が前兆状態の遊技回数として前兆カウンタに格納される。
図57(b)は、第3実施形態の具体例を説明するためのタイムチャートである。図57(b)に示す通り、AT状態(規制期間)が終了した場合(ATカウンタ=0)、終了準備状態に移行する。また、終了準備状態でRT1状態に移行した場合、通常状態に移行する。第3実施形態の終了準備状態および通常状態(非規制期間)の各遊技では、AT決定処理が実行される。また、AT決定処理では、確率約1/32でAT状態への移行が決定される。
図57(b)に示す通り、AT状態に当選した場合、次回の遊技から前兆状態(規制期間)が開始される。また、規制期間が開始された場合、第1実施形態と同様に、規制期間表示器38がON状態になる。前兆状態を含む規制期間において、規制期間表示器38は、ON状態に維持される。
以上の第3実施形態では、第1実施形態と同様な効果が奏せされる。また、第3実施形態では、例えば第1実施形態と比較して、前兆状態の遊技回数が変化に富む。
<第4実施形態>
図58(a)から図58(c)は、第4実施形態の規制期間を説明するためのタイムチャートである。第4実施形態では、ストックカウンタが設けられる。ストックカウンタは、チャンス状態への移行が決定された場合(チャンス状態に移行する権利が付与された場合)に加算される。具体的には、チャンス状態決定処理において、チャンス状態に1回移行する権利が付与された場合、ストックカウンタに数値「1」が加算される。また、チャンス状態決定処理において、チャンス状態に2回移行する権利が付与された場合、ストックカウンタに数値「2」が加算され、チャンス状態に3回移行する権利が付与された場合、ストックカウンタに数値「3」が加算される。ストックカウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
図58(a)は、チャンス状態決定処理でチャンス状態に3回移行する権利が付与された場合の具体例を示す。図58(a)には、規制カウンタおよびストックカウンタおよびチャンス状態カウンタの数値が遊技毎に示される。また、図58(a)には、各遊技の遊技状態が示される。
図58(a)の具体例では、通常状態において、チャンス状態に3回移行する権利が1回のチャンス状態決定処理で付与された場合を想定する。以上の場合、図58(a)に示す通り、ストックカウンタに数値「3」が一度に加算される。また、図58(a)の具体例では、前兆状態を介さないでチャンス状態に移行する場合を想定する。以上の場合、チャンス状態に移行する権利が付与された次回の遊技からチャンス状態に移行し、規制期間が開始される。
チャンス状態に当選した場合、1回分のチャンス状態の残り遊技回数を示すチャンス状態カウンタに初期値「10」が格納される。チャンス状態カウンタは、チャンス状態が開始された場合、その後の各遊技で数値「1」ずつ減算される。また、図58(a)に示す通り、1回目のチャンス状態に移行した場合、ストックカウンタから数値「1」が減算される。第4実施形態では、第1実施形態と同様に、10回の遊技でチャンス状態カウンタが数値「0」まで減算される。チャンス状態カウンタが数値「0」まで減算された場合、今回のチャンス状態を終了する。図58(a)の具体例では、1回目のチャンス状態で、AT状態への移行が決定されない場合を示す。
第4実施形態では、チャンス状態が終了した場合であって、次回(2回目以降)のチャンス状態に移行する権利が保持されている場合(ストックカウンタ>0)、今回のチャンス状態が終了した次遊技から次回のチャンス状態が開始される。また、次回のチャンス状態が開始される場合、今回目のチャンス状態が開始される場合と同様に、チャンス状態カウンタに初期値「10」が格納される。また、次回のチャンス状態が開始された場合、ストックカウンタから数値「1」が減算される。
図58(a)の具体例では、1回目のチャンス状態が終了する直前の遊技で、ストックカウンタが数値「2」である。以上の場合、1回目のチャンス状態が終了する遊技で、チャンス状態カウンタに数値「10」が格納され、その後、2回目のチャンス状態が開始された場合、ストックカウンタが数値「1」に減算される。図58(a)の具体例では、2回目のチャンス状態で、AT状態への移行が決定されない場合を示す。
図58(a)の具体例では、2回目のチャンス状態が終了する遊技で、ストックカウンタが数値「1」である。以上の場合、ストックカウンタが数値「0」に減算され、3回目のチャンス状態が開始される。また、図58(a)の具体例では、3回目のチャンス状態で、AT状態への移行が決定されない場合を示す。図58(a)の具体例では、3回目のチャンス状態が終了する遊技で、ストックカウンタが数値「0」である。以上の場合、初期化処理が実行され、規制カウンタが初期化される(規制期間が終了する)。
以上の通り、チャンス状態に複数回移行する権利が一度に付与された場合、ストックカウンタが数値「2」以上(図58(a)の具体例では数値「3」)に加算され、その後、複数回のチャンス状態に移行可能になる。第4実施形態では、1回のチャンス状態決定処理により、チャンス状態に複数回移行する権利が一度に付与された場合に加え、チャンス状態に移行する権利が別々の(複数回の)チャンス状態決定処理で付与された場合、その後、複数回のチャンス状態に移行可能になる場合がある。
図58(b)は、複数回のチャンス状態決定処理で、チャンス状態に移行する権利が付与された場合の具体例を説明するための図である。図58(b)には、図58(a)と同様に、各遊技における各種のカウンタの数値および遊技状態が示される。図58(b)の具体例では、通常状態のチャンス状態決定処理で、チャンス状態に1回移行する権利が付与された場合を想定する。以上の場合、ストックカウンタに数値「1」が加算され、次回の遊技から規制カウンタの加算が開始される(規制期間が開始する)。
図58(b)の具体例では、通常状態から前兆状態を介してチャンス状態に移行する場合を想定する。図58(b)に示す通り、前兆状態では、チャンス状態カウンタの数値が減算されない。また、第4実施形態では、前兆状態の各遊技において、チャンス状態決定処理が実行される。図58(b)の具体例では、規制カウンタが数値「M」(Mは正の整数)の遊技(規制期間のM回目の遊技)において、チャンス状態に1回移行する権利が再度付与される場合を想定する。以上の場合、ストックカウンタに数値「1」が加算され、ストックカウンタは数値「1」から数値「2」に増加する。
以上の図58(b)の具体例では、チャンス状態に2回移行可能になる。また、図58(b)の具体例では、規制期間のN(Nは正の整数)回目の遊技で前兆状態から1回目のチャンス状態に移行する場合を想定する。図58(b)に示す通り、1回目のチャンス状態に移行する場合、ストックカウンタが数値「1」に減算される。その後、チャンス状態カウンタが数値「0」まで減算された場合、1回目のチャンス状態が終了する。1回目のチャンス状態が終了した後に、2回目のチャンス状態が開始され、ストックカウンタが数値「0」に減算される。その後、チャンス状態カウンタが数値「0」まで減算され、2回目のチャンス状態が終了した場合、ストックカウンタは数値「0」であるから、初期化処理を実行して通常状態に移行する。
以上の図58(a)および図58(b)において、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された具体例のうち各チャンス状態でAT状態への移行が決定されない具体例を示した。以下、図58(c)において、チャンス状態に複数回移行する権利が付与された場合に、チャンス状態でAT状態への移行が決定される具体例を説明する。図58(c)には、図58(a)および図58(b)と同様に、各遊技における各種のカウンタの数値と遊技状態とが示される。
図58(c)では、通常状態でチャンス状態に2回移行する権利が付与された具体例を想定する。以上の場合、ストックカウンタが数値「2」に加算される。また、図58(c)に示す通り、1回目のチャンス状態が開始された場合、ストックカウンタは数値「1」に減算される。また、チャンス状態カウンタに初期値「10」が格納され、各遊技で数値「1」ずつ減算される。
第4実施形態では、次回のチャンス状態に移行する権利が保持されている場合であっても、今回のチャンス状態でAT状態に当選した場合、今回のチャンス状態が終了した後にAT状態に移行する。図58(c)の具体例では、1回目のチャンス状態でAT状態への移行が決定された場合を想定する。以上の場合、1回目のチャンス状態が終了した後に、AT状態に移行する。図58(c)に示す通り、1回目のチャンス状態が終了する遊技において、ストックカウンタは数値「1」である。したがって、図58(a)および図58(b)の具体例で説明したように、1回目のチャンス状態に続けて2回目のチャンス状態に移行可能である。しかし、図58(c)に示す通り、1回目のチャンス状態でAT状態に当選した場合、2回目のチャンス状態に移行可能な場合であっても、1回目のチャンス状態からAT状態に移行する。
図58(c)に示す通り、AT状態では、直前のチャンス状態が終了した時点におけるストックカウンタの数値が維持される。図58(c)の具体例では、1回目のチャンス状態が終了した時点におけるストックカウンタは数値「1」である。以上の場合、1回目のチャンス状態が終了した後に移行するAT状態では、ストックカウンタが数値「1」で維持される。すなわち、AT状態において、チャンス状態に移行する権利が保持される。
第4実施形態では、AT状態が終了した場合であって、チャンス状態に移行する権利が保持されている場合(ストックカウンタ≧1)、該AT状態の後にチャンス状態に移行可能になる。図58(c)の具体例では、規制カウンタが数値「X」(Xは正の整数)の遊技(規制期間のX回目の遊技)で、AT状態が終了した場合を想定する。図58(c)の具体例では、AT状態が終了した遊技におけるストックカウンタは数値「1」である。したがって、AT状態が終了した後に、2回目のチャンス状態に移行可能である。
図58(c)の具体例では、AT状態の終了時にチャンス状態に移行する権利が保持され、AT状態が終了した場合、2回目のチャンス状態に移行する。2回目のチャンス状態でAT状態に当選しない場合、2回目のチャンス状態が終了した後に初期化処理が実行され規制期間が終了する。以上の場合、1回目のチャンス状態とAT状態と2回目のチャンス状態とは、一連の規制期間になる。
第4実施形態では、仮に、2回目のチャンス状態で2回目のAT状態に当選した場合、1回目のチャンス状態と1回目のAT状態と2回目のチャンス状態と2回目のAT状態とは一連の規制期間に含まれる。なお、図58(c)の具体例では、AT状態の終了時に次回のチャンス状態に移行する権利が保持される場合、AT状態からチャンス状態に直接移行する場合を示したが、AT状態から前兆状態を介して次回のチャンス状態に移行する構成としてもよい。以上の場合、AT状態と前兆状態と次回のチャンス状態とは一連の規制期間に含まれる。
以上の第4実施形態では第1実施形態と同様な効果が奏せされる。また、第4実施形態では、AT状態が終了した時点で次回のチャンス状態に移行する権利が保持されている場合、その後、規制期間が継続する構成とした。
仮に、次回のチャンス状態に移行する権利が保持されている場合であっても、AT状態が終了した時点で規制期間が一旦終了する構成を想定する。以上の構成では、AT状態が終了した直後にチャンス状態に移行するため、AT状態が終了した直後に新たな規制期間が開始される。すなわち、前回の規制期間と今回の規制期間とが連続する。前回の規制期間が終了した場合、規制カウンタは初期化され、次回の規制期間は1500回まで継続できる。以上の構成では、実質的に2回分の規制期間の上限の遊技回数(1500×2=3000回)に亘り、遊技者にとって有利な遊技状態が継続可能になる。したがって、以上の構成では、一度に過剰な利益が付与される不都合が生じ得る。上述した第4実施形態では、AT状態が終了した時点でチャンス状態に移行する権利が保持されている場合、規制期間が継続するため、上述した不都合が抑制される。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)上述の第1実施形態において、チャンス状態に移行してから最初に打順役が当選するまでの期間を指示期間とした(図26参照)。以上の構成によれば、チャンス状態が終了するまでに、少なくとも1回は指示表示器16により指示情報が表示される。したがって、指示表示器16が指示情報を表示することで、通常状態からチャンス状態に移行した旨が報知される。以上の構成において、通常状態からチャンス状態に移行した旨を報知するために指示情報が表示される時期(指示期間を設ける時期)は、適宜に変更することができる。
図59(a)は、通常状態からチャンス状態に移行した旨を報知するための指示期間の変形例を説明するためのタイムチャートである。図59(a)の変形例では、チャンス状態における予め定められた遊技が指示期間に制御される。具体的には、チャンス状態が開始されてから予め定められた回数までの各遊技が指示期間になる。図59(a)の具体例は、チャンス状態が開始されてから2回の遊技が指示期間になる場合を想定する。
図59(a)の具体例では、指示期間の1回目の遊技(チャンス状態の1回目の遊技)で打順役が当選しない場合を想定する。以上の場合、図59(a)に示す通り、指示期間の1回目の遊技で指示情報が表示されない。また、図59(a)の具体例では、指示期間の2回目の遊技(チャンス状態の2回目の遊技)で打順役が当選した場合を想定する。以上の場合、図59(a)に示す通り、指示期間の2回目の遊技で指示情報が表示される。
以上の変形例でも、第1実施形態と同様に、指示表示器16に指示情報が表示された場合、通常状態からチャンス状態に移行した旨が認識可能になる。ただし、図59(a)の変形例では、指示期間が2回の遊技で終了する。したがって、指示期間の全ての遊技で打順役以外が当選した場合、指示期間において指示情報が表示されない。以上の場合、チャンス状態への移行が指示情報から認識することができない不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、指示期間で一度も指示情報が表示されない場合、指示期間が延長される構成としてもよい。例えば、図59(a)の具体例において、2回の遊技の指示期間で指示情報が表示されなかった場合、その後の2回の遊技まで指示期間が延長される構成が考えられる。以上の構成によれば、指示期間が延長されない構成と比較して、上述した不都合が抑制される。
図59(b)は、他の変形例を説明するためのタイムチャートである。図59(b)の変形例では、チャンス状態に移行する以前に指示期間が設けられる。具体的には、図59(b)に示すように、当該変形例では、通常状態でチャンス状態に当選した場合、その後、開始待機状態を介してチャンス状態に移行する。以上の構成において、開始待機状態が指示期間になる。開始待機状態では、例えば、液晶表示装置30に「チャンス状態待機中」というメッセージが表示される。
図59(b)に示す通り、開始待機状態は、打順役が当選し、当該打順役の正解押順が一度指示された場合に終了する。打順役が当選するか否かは、抽選で決定されるため、開始待機状態の遊技回数(チャンス状態が当選してから打順役が当選するまでの遊技回数)は可変である。以上の構成では、指示期間の遊技回数は可変になる。
開始待機状態が終了した場合、チャンス状態に移行する。以上の構成では、開始待機状態において打順役が当選した場合、指示情報が表示され、チャンス状態が開始される。すなわち、指示情報の表示を契機にチャンス状態が開始されるとも換言される。以上の変形例では、指示情報が表示された場合、次回の遊技からチャンス状態が開始される旨を遊技者に認識させることができる。以上の構成において、例えば、開始待機状態(指示期間)において、指示情報が表示された場合、液晶表示装置30に「チャンス状態開始」というメッセージを表示してもよい。
図59(c)は、他の変形例を説明するためのタイムチャートである。図59(c)の変形例では、チャンス状態が終了する直前の遊技が指示期間になる。具体的には、図59(b)に示すように、当該変形例では、チャンス状態が開始してから10回の遊技が経過した場合、指示期間が開始される。また、指示期間は、打順役の正解押順が一度指示された場合に終了する(図59(b)の変形例の指示期間と同様)。指示期間が終了した場合、チャンス状態が終了する。
以上の変形例では、指示情報の表示を契機にチャンス状態が終了する。したがって、指示情報が表示された場合、今回の遊技でチャンス状態が終了する旨を遊技者に認識させることができる。以上の構成では、例えば、指示期間(チャンス状態)において指示情報が表示された場合、液晶表示装置30に「チャンス状態終了」というメッセージを表示してもよい。
(2)以上の各形態のチャンス状態において、押順が指示される回数は適宜に変更することができる。例えば、第1実施形態のチャンス状態では、打順役の正解押順が1回指示される構成としたが、複数回(例えば2回)指示される構成としてもよい。以上の構成では、チャンス状態である旨が指示表示器16により複数回報知されるため、例えばチャンス状態で1回だけ指示表示器16に指示情報が表示される構成と比較して、チャンス状態である旨を遊技者に確実に認識させることができる。
また、以上の各形態のチャンス状態では、打順役が当選した遊技で押順が指示される構成としたが、打順役以外が当選した遊技で押順が指示される構成としてもよい。例えば、チャンス状態の指示期間の遊技のうち当選役「ハズレ」が決定された遊技において、押順が指示表示器16で指示される構成としてもよい。なお、以上の構成において、当選役「ハズレ」が当選した場合に指示される押順は、遊技者にとって不利ではないし、遊技者にとって有利でもない。また、チャンス状態の指示期間において、当選役「ハズレ」が当選した場合、特定の押順が指示されない情報を指示表示器16に表示することで、チャンス状態に移行した旨を報知する構成としてもよい。
(3)以上の各形態において、規制期間表示器38が点灯する時期は適宜に変更できる。例えば、AT状態に当選してから次回の遊技の賭メダルが設定可能になるまでの期間(以下「表示開始期間」という)の何れかの時点において、規制期間表示器38が点灯する。以上の構成において、規制期間表示器38が点灯する具体的な時期は適宜に変更することができる。
図60(a)および図60(b)は、規制期間表示器38が点灯する時期の変形例を説明するためのタイムチャートである。図60(a)は、AT状態に当選した遊技において、リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示されない具体例を示す。
図60(a)には、メインCPU301により賭メダルの受付が可能な期間、開始操作(スタートレバー24の操作)の受付が可能な期間、リール25が回転する期間、メダルが払出される期間が示される。ただし、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されない場合、メダルが払出される期間は省略される。また、図60(a)には、開始操作がされた時点(Ta)、各リール25の回転が開始された時点(Tb)、第1停止操作がされた時点(Tc)、全てのリール25の回転が停止した時点(Td)、および、次回の遊技の賭メダルの受付が開始される時点(Te)が示される。
以上の具体例では、時点Taから時点Teまでが表示開始期間になる。以上の場合、時点Ta、時点Tb、時点Tc、時点Tdおよび時点Teの何れかの時点において、規制期間表示器38がON状態になる構成が考えられる。
また、開始操作の時点Taから各リール25が始動する時点Tbまでの期間(例えばウェイト期間)において、規制期間表示器38の点灯が開始する構成としてもよい。さらに、各リール25が始動してから所定の時間長(例えば1秒程度)が経過した場合に規制期間表示器38の点灯が開始する構成としてもよいし、第2停止操作または第3停止操作の時点で点灯が開始してもよい。さらに、メダルの払出しの開始時点で規制期間表示器38を点灯開始してもよいし、メダルの払出し終了時点で点灯開始してもよい。
図60(b)は、AT状態に当選した遊技において、リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示される具体例を示す。図60(b)には、図60(a)と同様に、賭メダルの受付が可能な期間、開始操作の受付が可能な期間、リール25が回転する期間が示され、時点Taから時点Tdが示される。また、図60(b)には、メダルの自動投入がされる期間と、自動投入が開始される時点Tfとが示される。
以上の具体例では、時点Taから時点Tfまでが表示開始期間になる。以上の場合、時点Ta、時点Tb、時点Tc、時点Tdおよび時点Tfの何れかの時点において、規制期間表示器38がON状態になる構成が考えられる。例えば、AT状態の当選遊技でリプレイの図柄組合せが停止表示された場合、自動投入が開始される時点Tfで規制期間表示器38を点灯する構成としてもよい。なお、以上の具体例では、AT状態に当選して、規制期間表示器38が点灯する場合を示したが、チャンス状態に当選した場合、上述した具体例と同様に規制期間表示器38の点灯が開始される構成としてもよい。
(4)以上の各形態において、メインCPU301により制御される貯留枚数表示器17に規制期間割合が表示される構成とした(図28参照)。しかし、サブCPU412または画像制御CPU421が制御する手段により規制期間割合が表示される構成としてもよい。以上の構成として、例えば、液晶表示装置30に規制期間割合を表示させる構成が想定される。ただし、液晶表示装置30に規制期間割合を表示可能な構成においても、メインCPU301により制御される表示器(貯留枚数表示器17)で規制期間割合が合わせて表示される構成が好適である。
図61(a)は、規制期間割合が液晶表示装置30に表示される構成を説明するための図である。以上の構成では、割合表示期間(貯留枚数表示器17に規制期間割合が表示される期間。図28参照)において、図61(a)に示す画面Aが液晶表示装置30に表示される。図61(a)における記号「a〜n」の各々は、正の整数を意味する。
図61(a)に示すように、画面Aは、各設定値(1〜6)で行われた遊技回数を設定値毎に表示する。具体的には、総遊技回数のうち設定値1で行われた遊技回数(a回)と設定値2で行われた遊技回数(b回)と設定値3で行われた遊技回数(c回)と設定値4で行われた遊技回数(d回)と設定値5で行われた遊技回数(e回)と設定値6で行われた遊技回数(f回)とを表示する。また、画面Aは、規制期間の遊技回数が占める割合(q〜u)を設定値毎に表示する。例えば、図61(a)の具体例では、設置値1で行われた遊技回数はa回である。以上の具体例において、設定値1で移行した規制期間の遊技回数がx回(xはaより小さい正の整数)の場合を想定する。以上の場合、a回に対して規制期間のx回が占める割合は、g((x/a)×100)%である。また、図61(a)に示すように、画面Bは、総遊技回数(m回)と規制期間割合(n%)とが表示される。
以上の変形例では、画面Aを表示するため、メインCPU301からサブCPU412に各種のコマンドが送信される。例えば、総遊技回数(総遊技回数カウンタ)を特定可能なコマンドおよび規制期間の遊技回数の合計(総規制期間カウンタ)を特定可能なコマンドがメインCPU301からサブCPU412に送信される。また、サブCPU412は、各設定値において、例えば開始操作コマンドが受信された回数を当該設定値における遊技回数として計数する。また、規制カウンタが初期化される直前に、メインCPU301からサブCPU412に規制カウンタを特定可能なコマンドを送信し、該コマンドから規制期間の遊技回数の合計をサブCPU412が設置値毎に算出する。ただし、画面Aを表示するための構成は、以上の構成に限定されない。
以上の構成によれば、規制期間割合(総遊技回数に対する規制期間が占める割合)に加え、規制期間の遊技回数が占める割合(q〜u)を設定値毎に確認することができる。
図61(b)は、規制期間割合が液晶表示装置30に表示される他の構成を説明するための図である。以上の構成では、割合表示期間において、図61(b)に示す画面Bが液晶表示装置30に表示される。図61(b)における記号「p〜u」の各々は、正の整数を意味する。
図61(b)に示すように、画面Bは、各日付における遊技回数と当該日付の遊技回数に対して規制期間の遊技回数が占める割合とが表示される。例えば、特定の日において、p回の遊技が実行されたとする。また、当該特定の日において、規制期間の遊技回数がx回(xはpより小さい正の整数)であるとする。以上の場合、1日の遊技回数に対して規制期間の遊技回数が占める割合はq((x/p)×100)%である。また、図61(b)に示すように、画面Bは、総遊技回数(m回)と規制期間割合(n%)とが表示される。
以上の変形例では、画面Bを表示するため、メインCPU301からサブCPU412に各種のコマンドが送信される。例えば、総遊技回数(総遊技回数カウンタ)を特定可能なコマンドおよび規制期間の遊技回数の合計(総規制期間カウンタ)を特定可能なコマンドがメインCPU301からサブCPU412に送信される。また、画面Bを表示するため、日時を特定するための専用の装置がサブ制御基板400に設けられる。日時を特定するための装置としては、例えば、RTC(Real Time Clock)が好適に採用される。さらに、画面Bを表示するため、サブCPU412は、日毎の遊技回数および規制期間の遊技回数とを計数する。例えば、サブCPU412は、開始操作コマンドをメインCPU301から受信した回数を日付ごとに遊技回数として計数する。また、規制カウンタが初期化される直前に、メインCPU301からサブCPU412に規制カウンタを特定可能なコマンドが送信し、該コマンドから1日の規制期間の遊技回数の合計をサブCPU412が算出する。ただし、画面Bを表示するための構成は、以上の構成に限定されない。
以上の構成によれば、規制期間割合(総遊技回数に対する規制期間が占める割合)に加え、1日の遊技回数における規制期間の割合が適当であるか否か(約70%以下であるか否か)を確認することができる。
(5)以上の各形態において、規制期間割合を適正な範囲にするための構成が適宜に採用される。例えば、AT決定処理において、設定値が大きいほどAT状態に当選し易い構成を想定する。以上の構成では、設定値が大きいほど規制期間に移行し易いため、設定値が高いほど規制期間割合が大きくなり易い。以上の構成では、例えば、低い設定値(例えば設定値=1)で遊技した場合に規制期間割合が適正な数値(70%以下)であっても、高い設定値(例えば設定値=6)で遊技した場合に規制期間割合が適正な数値を超えている場合がある。
しかし、規制期間割合は、全ての設定値における遊技回数で算出される。したがって、仮に、高い設定値で遊技した場合の規制期間割合が適正な数値より大きい場合であっても、その後、低い設定値で遊技がされた場合、貯留枚数表示器17に表示される最終的な割合情報が適正な数値を示してしまう不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、規制期間の遊技回数の差が設定値毎に小さくなる構成が好適である。以上の構成によれば、上述した不都合が抑制される。
以上の構成として、例えば、AT決定処理では、設定値を用いることなくAT状態に移行するか否かが決定される構成が考えられる。具体的には、AT決定処理において、設定値によらず共通のAT決定テーブルが用いられる構成が考えられる。以上の構成では、AT状態(規制期間)に移行する確率に設定値が与える影響が低減(実質的に排除される場合を含む)されるため、規制期間の遊技回数の差が設定値毎に小さくなる。
また、チャンス状態決定処理では、設定値を用いることなくチャンス状態に移行するか否かが決定される構成が好適である。例えば、チャンス状態決定処理において、設定値によらず共通のチャンス状態決定テーブルが用いられる構成が考えられる。以上の構成では、チャンス状態(規制期間)に移行する確率に設定値が与える影響が低減(実質的に排除される場合を含む)されるため、規制期間の遊技回数の差が設定値毎に小さくなる。
(6)以上の各形態において、非規制期間から規制期間に移行する確率(AT状態の当選確率とチャンス状態の当選確率との合成確率。以下「移行確率」という)は、適宜に変更してもよい。ただし、仮に遊技状態に応じて移行確率が変化する構成では、規制期間割合が安定し難いという事情がある。そこで、規制期間に移行可能な非規制期間における移行確率は、遊技状態によらず一定(完全確率)である構成が好適である。
例えば、ボーナス役が通常状態(非規制期間)で当選した場合、その後の内部中状態およびボーナス作動状態は、上述した通り非規制期間である。以上の構成において、通常状態とボーナス作動状態と内部中状態とで移行確率を共通としてもよい。また、上述した通り、AT状態でボーナス役に当選した場合、その後のボーナス作動状態は規制期間である。しかし、該ボーナス作動状態の途中で規制期間の遊技回数が1500回に達した場合、その後のボーナス作動状態は非規制期間になる(図24(b)参照)。以上の場合、規制期間の遊技回数が1500回に達した後のボーナス作動状態における移行確率を通常状態と共通にしてもよい。なお、以上の構成において、設定値によらず移行確率が一定の構成を採用してもよい。
(7)上述の第1実施形態では、AT状態の各遊技で上乗せ遊技回数を決定したが、規制期間における他の遊技状態で、上乗せ遊技回数が決定され得る構成としてもよい。例えば、AT状態に移行する以前の前兆状態の各遊技において、AT状態の各遊技と同様に、上乗せ遊技回数が決定される構成としてもよい。ただし、仮に遊技状態に応じて上乗せ遊技回数が決定される確率(以下「上乗せ確率」という)が変化する構成では、規制期間割合が安定し難いという事情がある。そこで、上乗せ遊技回数が決定可能な規制期間における上乗せ確率は、遊技状態によらず一定(完全確率)である構成が好適である。
例えば、前兆状態と開始準備状態とAT状態とで上乗せ遊技回数を決定可能とし、前兆状態と開始準備状態とAT状態とで上乗せ確率を共通とする構成が想定される。また、上述した通り、AT状態においてボーナス役が当選した後の内部中状態およびボーナス作動状態は規制期間である。以上の構成において、AT状態でボーナス役が当選した後の内部中状態およびボーナス作動状態で上乗せ遊技回数を決定可能とし、AT状態と内部中状態とボーナス作動状態とで上乗せ確率を共通とする構成が想定される。
(8)以上の各形態において、規制期間に移行する以前に、規制期間表示器38が点灯する構成とした。しかし、規制期間表示器38が点灯する時期が遅延される構成としてもよい。例えば、前兆状態を介してAT状態に移行する構成では、前兆状態(規制期間)において、規制期間表示器38が消灯し、AT状態に移行した後に点灯する構成が考えられる。
(9)以上の各形態において、チャンス状態の一部を指示期間に制御したが、チャンス状態の全てが指示期間に制御される構成としてもよい。また、第1のチャンス状態と第2のチャンス状態とを設け、第1のチャンス状態は一部が指示期間に制御され、第2のチャンス状態はすべてが指示期間に制御される構成としてもよい。
(10)以上の各形態では、AT状態の残り遊技回数に応じて、上乗せ遊技回数の上限値を変化させることで、規制期間が特定回数(1500回)以下になる構成を採用した。しかし、規制期間の遊技回数を規制するための構成は、以上の具体例に限定されない。例えば、AT状態の残り遊技回数とは無関係に、上乗せ遊技回数が決定される構成としてもよい。以上の構成では、規制期間の遊技回数が1500回に達した時点のAT状態の残り遊技回数を無効にしてAT状態を終了させる。例えば、規制期間の遊技回数が1400回の遊技で、300回の上乗せ遊技回数が決定された場合、規制期間の遊技回数が1500回に達した時点のAT状態の残り遊技回数は200回以上になる。以上の場合、規制期間の遊技回数が1500回に達した際に、AT状態の残り遊技回数200回を無効にして、AT状態が終了する。
(11)以上の各形態のAT状態において、上乗せ遊技回数が決定される確率を規制期間の遊技回数で変化させる構成としてもよい。例えば、規制期間の遊技回数が多いほど(特定回数に近いほど)、上乗せ遊技回数が決定される確率が低くなる構成としてもよい。以上の構成では、規制期間の遊技回数が特定回数に達し難くなる。
また、規制期間の遊技回数が特定回数に近いほど、上乗せ遊技回数が決定される確率が高くなる構成としてもよい。以上の構成では、規制期間の遊技回数で上乗せ遊技回数が決定される確率が高くならない構成と比較して、規制期間の遊技回数が特定回数に達する可能性が高くなる。以上の構成では、規制期間の遊技回数が特定回数に達した場合、強制的にAT状態が終了する。しかし、AT状態が強制的に終了する前に、上乗せ遊技回数が決定され易くなる恩恵を受けるため、AT状態を強制的に終了した場合の遊技者の不満は抑制される。
(12)以上の各形態において、通常状態から移行した内部中状態(AT状態は非当選)は、規制期間に含めない構成とした。しかし、通常状態から移行した内部中状態が規制期間に含まれる構成としてもよい。また、当選エリアの当選確率等によっては、内部中状態の出玉率((投入枚数/払出枚数)×100)が100%を超える場合がある。出玉率が100%を超える場合、内部中状態を規制期間に含め、出玉率が100%を超えない場合、内部中状態を規制期間に含めない構成としてもよい。なお、AT状態(またはチャンス状態)から移行した内部中状態は、規制期間に含める構成としたが、規制期間に含めない構成としてもよい。また、AT状態から移行した内部中状態が規制期間に含まれる場合と含まれない場合とがある構成としてもよい。
(13)以上の各形態において、AT状態から終了準備状態に移行した場合、規制期間が終了する構成とした。しかし、AT状態から終了準備状態に移行した時点では規制期間を継続し、その後、終了準備状態から通常状態に移行した場合(RT1状態に転落した場合)、規制期間が終了する構成としてもよい。規制期間が終了する契機は、適宜に変更してもよい。
(14)以上の各形態において、セグメント表示器Dの小数点を表示するセグメント(図15(c)参照)を規制期間表示器として採用したが、他の表示器を規制期間表示器として採用してもよい。例えば、規制期間表示器として専用のランプを設けてもよい。貯留枚数表示器17を規制期間表示器として採用してもよい。
また、以上の各形態において、指示表示器16に指示情報を表示したが、他の表示器に指示情報を表示する構成としてもよい。さらに、以上の各形態において、貯留枚数表示器17に割合情報(規制期間割合)を表示したが、他の表示器に割合情報を表示する構成としてもよい。例えば、指示表示器16に割合情報を表示可能とし、且つ、貯留枚数表示器17に指示情報を表示可能にする構成が採用され得る。
(15)以上の各形態において、チャンス状態の終了契機は適宜に変更することができる。例えば、チャンス状態の各遊技において、チャンス状態を終了するか否かを抽選で決定し、チャンス状態の終了が決定された場合、チャンス状態が終了する構成としてもよい。
(16)以上の各形態において、ボーナス作動状態の終了契機は適宜に変更することができる。例えば、当選役の図柄組合せが予め定められた回数(例えば8回)有効ラインに停止表示された場合にボーナス作動状態が終了してもよい。また、予め定められた回数(例えば12回)の遊技でボーナス作動状態が終了する構成としてもよい。
(17)以上の各形態において、チャンス状態に複数回移行する権利を付与可能に構成したが、AT状態に複数回移行する権利を付与可能に構成してもよい。具体的には、1回のAT決定処理において、AT状態に複数回移行する権利が付与される構成としてもよい。また、AT状態の前兆期間において、AT状態に移行する権利が追加で付与可能な構成としてもよい。以上の構成では、AT状態に移行する権利が付与されてから最後のAT状態が終了するまでの期間が規制期間になる。
以上の変形例の具体例として、AT状態が終了する場合であって、新たなAT状態に移行する権利が付与されている場合、AT状態が終了した次回の遊技から新たなAT状態が開始される構成が考えられる。また、AT状態が終了する場合であって、新たなAT状態に移行する権利が付与されている場合、前兆状態を介して新たなAT状態が開始される構成が考えられる。以上の構成では、各AT状態に介在する前兆状態は規制期間に含まれる。
(18)上述の第1実施形態においては、AT状態に当選した直後に初期値「50」をATカウンタに格納したが、ATカウンタに初期値が格納される時期は、適宜に変更できる。例えば、AT状態が開始された直後(または直前)に、ATカウンタに初期値が格納される構成としてもよい。また、チャンス状態に当選した直後に初期値「10」をチャンス状態カウンタに格納したが、チャンス状態カウンタに初期値が格納される時期は、適宜に変更できる。例えば、チャンス状態が開始された直後(または直前)に、チャンス状態カウンタに初期値が格納される構成としてもよい。
(19)以上の各形態において、遊技を進行させるための遊技制御プログラム(例えば遊技制御処理を実行するためのプログラム)、遊技を進行させるための遊技制御データ(例えば当選エリア抽選テーブル)、不正を防止するための不正防止プログラム(例えばRAMエラー処理を実行するためのプログラム)、不正を防止するための不正防止データ(例えばチェックサム)はメインROM302に記憶される。各プログラムおよび各データが記憶されるメインROM302のアドレスは適宜に変更できる。
また、割合情報を管理するための割合情報管理プログラム、および、割合情報を管理するための割合情報管理データは、メインROM302に記憶される。割合情報管理データは、例えば、上述した総遊技回数カウンタおよび総規制期間カウンタを含む。また、割合情報管理プログラムは、例えば、割合表示期間が開始された場合、総遊技回数カウンタおよび総規制期間カウンタから規制期間割合を算出するためのプログラム、および、規制期間割合に応じた割合情報を貯留枚数表示器17に表示させるためのプログラムを含む。
図62は、上述した各プログラムおよび各データが記憶されるメインROM302のアドレス(Add)を説明するための図である。メインROM302の記憶容量は、約16キロバイトである。図62の具体例では、アドレス「H00」から「HXX」に遊技制御プログラムが記憶され、アドレス「HXX+1」から「HYY」に遊技制御データが記憶される。遊技制御プログラムが記憶される領域の容量は、約4.5キロバイトであり、遊技制御データが記憶される領域の容量は、約3キロバイトである。以下、遊技制御プログラムが記憶されるメインROM302の領域を「遊技制御領域」という。以上の説明から理解される通り、遊技制御領域の容量は、約7.5キロバイトである。
図62の具体例では、アドレス「HYY+1」から不正防止プログラム、不正防止データ、割合情報管理プログラム、割合情報管理データの順に連続して記憶される。以下、不正防止プログラム、不正防止データ、割合情報管理プログラム、および、割合情報管理データが記憶されるメインROM302の領域を「管理領域」という。上述した通り、メインROM302の全体の記憶容量は約16キロバイトであり、遊技制御領域の容量は約7.5キロバイトである。したがって、管理領域の容量は、約8.5キロバイト以下になる。図62の具体例では、管理領域の容量は、約8.5キロバイトより小さい場合を想定する。以上の場合、メインROM302には未使用領域が存在することになる。
ところで、遊技機1の遊技性(出玉率等)は、遊技制御領域の各データ(例えば当選エリア抽選テーブル)に応じる。以上の遊技制御領域の各データは、遊技者が遊技する以前に検査される。以上の検査により、不適切な遊技性(例えば、ギャンブル性が高すぎる遊技性)の遊技機であるか否かが判断される。仮に、遊技制御領域の容量が過度に大きい場合、上述の検査が困難になる。以上の事情を考慮して、図62の具体例のように、遊技制御領域の容量は約7.5キロバイト以下が好適である。
なお、以上の構成において、管理領域に記憶されるデータの一部が遊技制御領域に記憶される構成としてもよい。例えば、割合情報管理プログラムが遊技制御領域に記憶される構成としてもよい。ただし、以上の構成では、割合情報管理プログラムが遊技制御領域外(管理領域)に記憶される構成と比較して、遊技制御領域のデータ量が大きくなりやすいため、遊技制御領域の容量が約7.5キロバイト以下では足りない不都合が生じ易くなる。図62に示した具体例では、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
(20)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示する可変表示手段(各リール12)と、遊技者の開始操作を受付けて遊技を開始させる開始受付手段(S103)と、遊技が開始された場合に複数種類の当選役の中から抽選により当選役を決定する内部抽選手段(S106)と、図柄を停止させる場合に停止操作される停止操作手段(各停止ボタン25)と、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作の態様とに応じて図柄を停止表示させる図柄変動制御手段(S109)と、可変表示手段に停止表示された図柄組合せを判定する入賞判定手段(S110)と、通常遊技状態より有利な特定遊技状態(AT状態、チャンス状態)に移行する権利を付与する権利付与手段(S106−3、S106−4)と、通常遊技状態で権利が付与された場合、その後、移行前状態を介して特定遊技状態に移行可能な遊技状態移行手段(S111)と、特定遊技状態に移行した場合、当該特定遊技状態の残り遊技情報を各遊技で更新可能な残り遊技情報更新手段と、残り遊技情報が終了値まで更新された場合、特定遊技状態を終了可能な特定遊技状終了手段と、特定遊技状態に移行した後の遊技において、当該特定遊技状態の延長を複数回決定可能な特定遊技状態延長手段と、移行前状態に移行してから特定遊技状態が終了するまでの特定期間の遊技回数を計数可能な遊技回数計数手段と、遊技回数計数手段が計数した遊技回数が特定回数に達した場合、特定遊技状態を終了可能な特定期間終了手段(S111−2)とを具備し、特定期間終了手段が特定遊技状態を終了する特定回数は、移行前状態の遊技回数、および、特定遊技状態延長手段による延長の有無によらず一定であることを特徴とする。
以上の構成によれば、通常遊技状態で特定遊技状態に移行する権利が付与されてから該特定遊技状態が終了するまでの遊技回数が予め定められた特定回数以下となるように、特定遊技状態が終了する。したがって、特定遊技状態の遊技回数に上限が設けられるため、特定遊技状態の遊技回数に上限が設けられない構成と比較して、特定遊技状態で過剰な利益が付与され難くなり、遊技者の射幸性が過度に煽られる不都合が抑制される。
1…遊技機、300…メイン制御基板、301…メインCPU、302…メインROM、303…メインRAM、304…乱数発生器、305…I/F回路、400…サブ制御基板、410…演出制御基板、411…I/F回路、412…サブCPU、413…サブROM、414…サブRAM、420…画像制御基板、421…画像制御CPU、422…画像制御ROM、423…VDP、424…CGROM、425…RAM、430…サウンド基板、431…音源IC、432…音源ROM。

Claims (1)

  1. 複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示する可変表示手段と、
    遊技者の開始操作を受付けて遊技を開始させる開始受付手段と、
    遊技が開始された場合に複数種類の当選役の中から抽選により当選役を決定する内部抽選手段と、
    前記図柄を停止させる場合に停止操作される停止操作手段と、
    前記内部抽選手段が決定した前記当選役と停止操作の態様とに応じて前記図柄を停止表示させる図柄変動制御手段と、
    前記可変表示手段に停止表示された前記図柄組合せを判定する入賞判定手段と、
    通常遊技状態より有利な特定遊技状態に移行する権利を付与する権利付与手段と、
    前記通常遊技状態で前記権利が付与された場合、その後、移行前状態を介して前記特定遊技状態に移行可能な遊技状態移行手段と、
    前記特定遊技状態に移行した場合、当該特定遊技状態の残り遊技情報を各遊技で更新可能な残り遊技情報更新手段と、
    前記残り遊技情報が終了値まで更新された場合、前記特定遊技状態を終了可能な特定遊技状終了手段と、
    前記特定遊技状態に移行した後の遊技において、当該特定遊技状態の延長を複数回決定可能な特定遊技状態延長手段と、
    前記移行前状態に移行してから前記特定遊技状態が終了するまでの特定期間の遊技回数を計数可能な遊技回数計数手段と、
    前記遊技回数計数手段が計数した遊技回数が特定回数に達した場合、前記特定遊技状態を終了可能な特定期間終了手段とを具備し、
    前記特定期間終了手段が前記特定遊技状態を終了する前記特定回数は、前記移行前状態の遊技回数、および、前記特定遊技状態延長手段による延長の有無によらず一定であることを特徴とする
    遊技機。
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