以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1〜図3を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが使用される遊技機1(パチスロ機)を例示する。
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネット2と、前面扉3とを含んで構成される。図2は、キャビネット2の内部構造の一例を示す図である。また、図3は、前面扉3の裏面(遊技機1の内部側の面)の正面図の一例である。図2に示すように、キャビネット2には蝶番機構2aが設けられる。前面扉3は、蝶番機構2aにより、キャビネット2の開口を開閉可能に軸支される。
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、遊技機1(前面扉3)の内部には、腰部パネル6を照射する発光体が設けられる。腰部パネル6を照射する発光体としては、例えば、発光ダイオードや冷陰極管が採用される。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネット2の内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、図2に示すように、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。また、各リール12は、リール支持体12Fに固定される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
図4は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図4に示すように、複数のリール12の各々の外周は、21個のコマに区分される。図4に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、図4に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「20」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。図4に示す通り、各リール12には、セブン図柄と赤BAR図柄と青BAR図柄と黒BAR図柄とベル図柄とリプレイ図柄とスイカx図柄とスイカy図柄とチェリー図柄とブランク図柄とが配列される。
具体的には、セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「18」と、中リール12Cの図柄位置「18」と、右リール12Rの図柄位置「18」とに配列される。赤BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「10」と、中リール12Cの図柄位置「12」と、右リール12Rの図柄位置「14」とに配列される。青BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「3」と、中リール12Cの図柄位置「6」と、右リール12Rの図柄位置「9」とに配列される。黒BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「5」と、中リール12Cの図柄位置「4」と、右リール12Rの図柄位置「11」とに配列される。ベル図柄は、左リール12Lの図柄位置「1」「6」「11」「14」「19」と、中リール12Cの図柄位置「2」「7」「10」「15」「20」と、右リール12Rの図柄位置「1」「4」「8」「13」「17」とに配列される。リプレイ図柄は、左リール12Lの図柄位置「2」「7」「12」「15」「20」と、中リール12Cの図柄位置「0」「3」「8」「11」「16」と、右リール12Rの図柄位置「0」「3」「7」「12」「16」とに配列される。スイカx図柄は、左リール12Lの図柄位置「0」「4」「8」「13」と、中リール12Cの図柄位置「5」と、右リール12Rの図柄位置「15」とに配列される。スイカy図柄は、左リール12Lの図柄位置「16」と、中リール12Cの図柄位置「9」と、右リール12Rの図柄位置「2」「6」「20」とに配列される。チェリー図柄は、左リール12Lの図柄位置「17」と、中リール12Cの図柄位置「13」「14」と、右リール12Rの図柄位置「10」「19」とに配列される。ブランク図柄は、左リール12Lの図柄位置「9」と、中リール12Cの図柄位置「1」「17」「19」と、右リール12Rの図柄位置「5」とに配列される。
なお、図4では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
図5は、図柄表示領域を説明するための図である。図5に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、リール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインである。
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」という場合がある。
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「メイン表示器ML」という)が設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。具体的には、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態では、投入可能表示ランプ13が点灯する。一方で、メダルを受付ることができない状態では、投入可能表示ランプ13が消灯する。例えば、リール12が回転している期間は、メダルを受付けることができない状態であるため、投入可能表示ランプ13が消灯する。一方で、全てのリール12が停止してメダルを受付可能な状態になった場合は、投入可能表示ランプ13が点灯する。
BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。具体的には、規定枚数の賭けメダルが設定された場合や再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止した場合に、スタートランプ15が点灯する。
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、AT状態の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」が有効ラインに停止表示された場合、9枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「9」を表示する。本実施形態の指示表示器16は、2桁の7セグメントディスプレイである。
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。
貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX−BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態で1BETボタン21が操作されると、クレジット数から数値「1」が減算され、賭けメダルが1枚に設定される。すなわち、遊技者は、1BETボタン21を操作することで、貯留されたメダルを利用して1枚の賭けメダルを設定することができる。MAX−BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態でMAX−BETボタン22が操作された場合、クレジット数から3枚(規定枚数)が減算され、3枚の賭けメダルが設定される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。なお、精算ボタン23の1度目の操作で賭けメダルを精算し、2度目の操作でクレジットを精算する構成としてもよい。本実施形態では、MAX−BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止する。
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。なお、後述するように、遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、利用者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX−BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。また、非遊技状態において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスター音量が変更される。
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述したメイン表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a〜28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。メイン表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。具体的には、停止操作順序表示ランプ29Lは、リール12Lに対応する位置(表示窓11の左下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Cは、リール12Cに対応する位置(表示窓11の中央下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Rは、リール12Rに対応する位置(表示窓11の右下側)に設けられる。例えば、第1停止操作で停止ボタン25R、第2停止操作で停止ボタン25C、第3停止操作で停止ボタン25Lの順序(いわゆる逆押し)を遊技者に対して報知する場合を想定する。以上の場合、遊技が開始された時点で停止操作順序表示ランプ29Rが点灯し、停止ボタン25Rが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Cが点灯し、停止ボタン25Cが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Lが点灯する。
図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、遊技状態を示唆する情報などを報知する。
図1に示すように、前面扉3の上端側には、上部ランプ35(L、R)が設けられる。上部ランプ35は、例えば、各色彩(青色、黄色、緑色、赤色等)に発光可能な発光ダイオードと、当該発光ダイオードを覆うレンズとを含んで構成される。上部ランプ35は、例えば、当選役が有効ラインに停止表示された場合、当該当選役に応じた態様(色彩)で発光する。また、上部ランプ35は、各演出において、当該演出に応じた態様で発光する。
図1および図3に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネット2の係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネット2の内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネット2の内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、メダル投入部8から投入されたメダルの流路を切替可能なセレクター34が設けられる。具体的には、セレクター34はソレノイド(図示略)を具備し、当該ソレノイドのON/OFFの状態に応じてメダルの流路が切替えられる。また、ソレノイドのON/OFFの状態は、メダルの投入が許可されているか否かに応じて変更される。例えば、メダルの投入が許可されている場合、セレクター34のソレノイドはON状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の内部に導く。図3に示すように、遊技機1の内部側から見てセレクター34の右側の近傍には、投入メダルガイド部材522が設けられる。投入メダルガイド部材522は、セレクター34を通過したメダルを、キャビネット2の内部に設けられたホッパー520に導く。
一方で、メダルの投入が許可されていない場合(例えばリール12が回転している場合)、セレクター34のソレノイドはOFF状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の外部に導く。また、セレクター34は、メダルの投入が許可されている場合であっても、メダル投入部8から投入された異物(例えば不正なメダル)を遊技機1の外部に導く。図3に示すように、セレクター34の下側の近傍には、排出メダルガイド部材523が設けられる。排出メダルガイド部材523は、セレクター34からのメダル等を、前面扉3の正面側のメダル払出口9へ導く。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メダルを貯留するタンク部521aを具備するとともに、メダルを排出する排出スリット521bを有するホッパー520が設けられる。メダル投入部8から投入されたメダルがタンク部521aに貯留され、タンク部521aに貯留されたメダルが排出スリット521bからメダル払出口9を介して受皿ユニット7に払出される。例えば、ホッパー520は、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに表示された場合や精算ボタン23が操作された場合にメダルを払い出す。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、払出メダルガイド部材524が設けられる。払出メダルガイド部材524は、ホッパー520からのメダルをメダル払出口9に案内する。具体的には、払出メダルガイド部材524は開口を有し、当該開口は、前面扉3が閉塞された状態で、ホッパー520の排出スリット521bに対向する。排出スリット521bから排出されたメダルは、払出メダルガイド部材524の開口に入り、払出メダルガイド部材524によりメダル払出口9に案内される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、補助貯留部530が設けられる。補助貯留部530は、ホッパー520から溢れたメダルを貯留する。なお、補助貯留部530の底部とキャビネット2の底部とを貫通する孔を設け、ホッパーから溢れたメダルを、当該孔を介して遊技機1の外部に排出する構成としてもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネット2の背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、外部端子板600が設けられる。メイン制御基板300は、各種の信号を外部端子板600に送信する。例えば、メイン制御基板300は、ボーナス作動状態であることを示すボーナス信号やAT中信号を含む各種の信号を外部端子板600に送信する。外部端子版600は、メイン制御基板300から受信した各信号を遊技機1の外部に出力する。外部端子板600からの信号は、例えば、遊技機1に関する情報を表示する表示装置(所謂台ランプ)で受信される。例えば、ボーナス信号が受信された場合、上述の表示装置は、遊技機1がボーナス作動状態である旨を報知する。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴(図示略)に設定変更キー(図示略)を挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1ずつ加算して表示する。例えば、設定表示部36に数値「1」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作されると、設定表示部36に数値「2」が表示される。ただし、設定表示部36に数値「6」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作された場合、設定表示部36には数値「1」が表示される。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC−DCコンバータおよびDC−DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
電源装置510には、図2に示すように、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、遊技状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
図2に示すように、電源装置510には、遮蔽板513が設けられる。遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512の前面側に位置する。また、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とに移動することができる。具体的には、前面扉3が閉じている状態では、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する。以上の構成によれば、例えば、遊技機1の外部からスピーカー31の放音孔に針金を挿入し、遊技機1の内部の電源ボタン511またはリセットボタン512を操作する不正行為が抑止される。
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図6を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図6に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図6に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とホッパー520とメイン表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」〜「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」〜「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。回胴演出決定処理では、回胴演出A、回胴演出B、回胴演出Cまたは回胴演出Dが決定される。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、乱数値R1と同様に、数値「0」〜「65535」の範囲で生成されるハードウェア乱数である。乱数値R3は、後述するAT決定処理で用いられる。なお、乱数値R3としてソフトウェア乱数を採用してもよい。
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。
I/F回路305は、メイン表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
中継基板200は、メイン制御基板300からメイン表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、メイン表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、図6に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX−BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、図6に示すように、電源基板500は、満タンセンサ530SE、リセットスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
MAX−BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX−BETボタン22の操作を検出する。また、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
満タンセンサ530SEは、補助貯留部530が満タンであることを検出する。具体的には、満タンセンサ530SEは、補助貯留部530の底部から所定の高さに設けられ、補助貯留部530の内部のメダルが増加して満タンセンサ530SEの位置に到達した場合に、ON信号をメイン制御基板300に出力する。満タンセンサ530SEのON信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、満タンセンサ530SEのON信号が入力された場合、例えば液晶表示装置30に「ホッパーフルエラー」というメッセージを表示し、エラー状態に移行する。当該メッセージが表示された場合、例えば遊技店の店員が補助貯留部530のメダルを回収した後に、リセットボタン512を操作することで、エラー状態が解除される。
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
図6に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。なお、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、リセットスイッチ512SWからリセット信号が入力された場合と同様に、所定のリセット動作をする構成としてもよい。
メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。具体的には、メダルセンサ34SEは、メダル流路のうちセレクター34の内部にメダルが位置する場合にON信号を出力する。一方で、メダルセンサ34SEは、セレクター34の内部にメダルが位置しない場合に、OFF信号を出力する。メダルセンサ34SEからのON/OFF信号は、中継基板200を介してメイン制御基板300に入力される。なお、上述したセレクター34のメダルセンサ34SEに加え、セレクター34の下流に位置する投入メダルガイド部材522にメダルセンサを設けてもよい。以上の構成において、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力された場合に、メインCPU301は、メダルが投入されたと判断してもよい。一方で、例えば、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力されない場合は、メダル流路でメダルが滞留している可能性があるため、メインCPU301がエラーの報知をしてもよい。
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
また、図6に示す通り、メイン制御基板300には、外部端子板600が接続される。外部端子板600は、メイン制御基板300からの各種の信号を遊技機1の外部に出力する。
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図6に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42と上部ランプ35とを含む各種のランプが電気的に接続される。
また、図6に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスター音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスター音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスター音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量を同じにしてもよい。
演出制御基板410は、図6に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0〜65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図6に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読み出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。図6に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の遊技状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む各音響の各々を示すデータである。
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカー31およびスピーカー32に供給する。なお、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および画像制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。メインROM302には、図7に示す図柄コードテーブル、図8に示す当選エリア抽選テーブル、図9に示す当選役決定テーブル、図10に示す図柄組合せテーブル、図13(a)に示す移行図柄規定テーブル、図22に示す指示決定テーブルを含む各種のデータが記憶される。
図7は、図柄コードテーブルの概念図である。図柄コードテーブルは、各リール12の各図柄を特定する図柄コードを含んで構成される。各リール12には、「セブン」「赤BAR」「青BAR」「黒BAR」「ベル」「リプレイ」「スイカx」「スイカy」「チェリー」「ブランク」の10種類の図柄が配列される。図7に示すように、各図柄コードは、各図柄に対応する。具体的には、「セブン」には図柄コード01の「00000001」が対応し、「赤BAR」には図柄コード02の「00000010」が対応し、「青BAR」には図柄コード03の「00000011」が対応し、「黒BAR」には図柄コード04の「00000100」が対応し、「ベル」には図柄コード05の「00000101」が対応し、「リプレイ」には図柄コード06の「00000110」が対応し、「スイカx」には図柄コードには図柄コード07の「00000111」が対応し、「スイカy」には図柄コード08の「00001000」が対応し、「チェリー」には図柄コード09の「00001001」が対応し、「ブランク」には図柄コード10の「00001010」が対応する。図柄コードは、例えば、後述の優先順位格納処理で用いられる。
図8は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。図8に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図8には、各当選エリアの名称が示される。また、図8の「L」「M」「N」は、正の整数を示す。
当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。図8には、設定値「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示される。当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図9に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。なお、図9において、リプレイを「リプ」と省略して記載する。また、他の図においても同様に、リプレイを「リプ」と省略する場合がある。
例えば、当選エリア番号「02」の「打順リプレイX1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「02」は、図9に示すように、当選役「RT0移行リプレイ」と当選役「RT2移行リプレイA」とを指定する。すなわち、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、抽選値が大きいほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、RT状態毎の各抽選値を含んで構成される。各RT状態は、RT0状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とを含む。各RT状態は、後述のRT移行図柄が有効ラインに停止表示された場合に移行する。メインCPU301は、RT状態に応じた抽選値を乱数値R1に減算する。したがって、各当選エリアが当選する確率は、RT状態に応じる。
また、図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、ボーナス作動状態の各抽選値を含む。ボーナス作動状態には、青同色ボーナス役、赤同色ボーナス役、青異色ボーナス役、または、赤異色ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に移行する。本実施形態では、青同色ボーナス役、赤同色ボーナス役、青異色ボーナス役、および、赤異色ボーナス役を「ボーナス役」と総称する場合がある。ボーナス作動状態の賭メダルの規定枚数は3枚であり、63枚のメダルが払出された場合にボーナス作動状態が終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、RT0状態に移行する。
メインCPU301は、ボーナス役が当選した遊技で有効ラインに停止表示されなかった場合、ボーナス役が当選した状態が維持される内部中状態に移行する。図8に示すように、当選エリア抽選テーブルは、内部中状態の各抽選値を含む。
図8から理解されるとおり、RT0中リプレイ、打順リプレイ(X、Y)、RT3中リプレイ、BAR揃いリプレイ、BAR外れリプレイ、および、セブン揃いリプレイ(以下「再遊技当選エリア」という)の各抽選値がメインCPU301の状態(RT状態、内部中状態、ボーナス作動状態)毎に相違する。具体的には、RT0状態では、図8に示すように、再遊技当選エリアのうち「RT0中リプレイ」に抽選値「8976」が割振られ、「セブン揃いリプレイ」に抽選値「3」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT0状態では、再遊技当選エリアのうち「RT0中リプレイ」および「セブン揃いリプレイ」が当選する。
図8に示すように、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X4」の各当選エリアに抽選値「1796」が割振られ、「打順リプレイX5、X6」の各当選エリアに抽選値「898」が割振られ、「セブン揃いリプレイ」に抽選値「3」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X6」と「セブン揃いリプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は8983/65536である。
図8に示すように、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X4」の各当選エリアに抽選値「5790」が割振られ、「打順リプレイX5、X6」の各当選エリアに抽選値「2895」が割振られ、「打順リプレイY1〜X4」の各当選エリアに抽選値「4002」が割振られ、「セブン揃いリプレイ」に抽選値「3」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X6」と「打順リプレイY1〜Y4」と「通常リプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は44961/65536である。
図8に示すように、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「RT3中リプレイ」に抽選値「12312」が割振られ、「BAR揃いリプレイ」に抽選値「3512」が割振られ、「BAR外れリプレイ」に抽選値「29256」が割振られ、「セブン揃いリプレイ」に抽選値「3」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「RT3中リプレイ」と「BAR揃いリプレイ」と「BAR外れリプレイ」と「セブン揃いリプレイ」とが当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は45080/65536である。
以上の説明から理解される通り、RT2状態およびRT3状態の再遊技当選エリアの当選確率は、RT0状態およびRT1状態の再遊技当選エリアと比較して高い。
図8に示すように、内部中状態では、再遊技当選エリアのうち「RT0中リプレイ」に抽選値「11716」が割振られ、「RT3中リプレイ」に抽選値「1152」が割振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、内部中状態では、再遊技当選エリアのうち「RT0中リプレイ」および「RT3中リプレイ」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は12868/65536である。以上の通り、内部中状態では、RT0状態およびRT1状態と比較して、再遊技当選エリアが当選する確率が高くなる。
図10は、図柄組合せテーブルの概念図である。図柄組合せテーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「青同色ボーナス役」が当選した遊技においては、「青BAR−青BAR−青BAR」の図柄組合せが有効ラインに停止することが許可される。また、例えば、当選役「RT2移行リプレイA」が当選した遊技においては、「ベル−ベル−黒BAR」「ベル−ベル−スイカx」「ベル−ベル−スイカy」の図柄組合せが有効ラインに停止可能になる。
図柄組合せテーブルは、図10に示すように、各図柄組合せの許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図10には、規定枚数が3枚の遊技状態において各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数を示す。なお、複数の当選役が重複して当選した場合、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、ボーナス役は、他の当選役より優先順位が低い。
図10に示すように、当選役「正解ベルA、B」「失敗役A〜D」「スイカ役」「チェリー役A、B」を含む各当選役の何れかに係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、「RT0移行リプレイ」「RT2移行リプレイA〜C」「RT3移行リプレイ」「特殊リプレイA〜C」「セブンリプレイ」「BARリプレイ」「フォローリプレイ」(再遊技当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)の何れかが有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称して「リプレイ」という場合がある。
図柄組合せテーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「01」のRT0中リプレイが当選して、当選役「RT0移行リプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「1」で指定される表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作の順序に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序および停止操作位置に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。
本実施形態では、上述した各当選役の図柄組合せに加え、当選役の図柄組合せではないハズレ目(特殊ハズレ目)の一部が表示判定処理で判定される。具体的には、図10に示す、各特殊ハズレ目A(1、2)と各特殊ハズレ目B(1、2)とを含む各ハズレ目が表示判定処理で判定される。各特殊ハズレ目Aまたは各特殊ハズレ目Bが有効ラインに停止表示された場合、RT1状態に移行する。また、各特殊ハズレ目(A、B)は、打順ベル(L、C、R)が当選した遊技で、各当選役(正解ベル、失敗役)を取りこぼした場合、有効ラインに停止表示される。
図11および図12は、当選エリアと停止操作順序と有効ラインに停止する当選役(有効ラインに停止する図柄の組合せ)との対応関係の説明図である。図11は、再遊技当選エリアが当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役(リプレイ)を説明する図である。なお、図11および図12は、非内部中状態において、各停止操作態様で有効ラインに停止表示される当選役が示される。
図11に示すように、RT0中リプレイが当選した場合、停止操作の態様によらず、RT0移行リプレイが有効ラインに停止する。また、RT3中リプレイが当選した場合、停止操作の態様によらず、RT3移行リプレイが有効ラインに停止する。
当選エリア「打順リプレイX1〜X6」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「RT0移行リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、リール12Lが第1停止操作、リール12Cが第2停止操作、リール12Rが第3停止操作される停止操作順序(以下単に「左中右」の停止操作順序という)の場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、「左中右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「左右中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイX5」または「打順リプレイX6」が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、右第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「打順リプレイY1」が当選した遊技において、左第1停止の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、左第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、「中左右」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。当選エリア「打順リプレイY4」が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示され、右第1停止以外の順序で停止操作した場合、当選役「RT0移行リプレイ」に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「BAR揃いリプレイ」が当選した場合、停止操作の態様に応じて「BARリプレイ」「フォローリプレイ」または「RT3移行リプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「BAR揃いリプレイ」が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作された場合であって、各黒BAR図柄の引込範囲で各リール12が停止操作された場合、有効ラインに当選役「BARリプレイ」の図柄組合せが停止表示される。一方、右第1停止操作以外の順序で停止操作された場合、「RT3移行リプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、右第1停止操作の順序で停止操作された場合であっても、各黒BAR図柄の引込範囲で各リール12が停止操作されなかった場合、「フォローリプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「BAR外れリプレイ」が当選した場合、停止操作の態様に応じて当選役「フォローリプレイ」または「RT3移行リプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「BAR外れリプレイ」が当選した遊技において、右第1停止操作の順序で停止操作された場合、「フォローリプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。また、右第1停止操作以外の順序で停止操作された場合、「RT3移行リプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
図11に示すように、当選エリア「セブン揃いリプレイ」が当選した場合、停止操作の態様に応じて「セブンリプレイ」または「特殊リプレイA〜C」の図柄組合せが有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「セブン揃いリプレイ」が当選した遊技において、各セブン図柄の引込範囲で各リール12が停止操作された場合、有効ラインに「セブンリプレイ」の図柄組合せが停止表示される。一方、各リール12の各セブン図柄の引込範囲で各リール12が停止操作されなかった場合、「特殊リプレイA〜C」の図柄組合せの何れかが有効ラインに停止表示される。
図12は、当選エリア「打順ベル」(L1〜L4、C1〜C4、R1〜R4)が当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役を説明する図である。当選エリア「打順ベル」が決定された場合、当選役「失敗役A〜D」の何れか、および、当選役「正解ベルA、B」の何れかが重複して当選する。図12から理解される通り、打順ベルが当選した遊技において、停止操作順序に応じて、失敗役または正解ベルに係る図柄組合が有効ラインに停止する。本実施形態において、正解ベルに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される停止操作順序を正解ベルの「正解押順」という。また、今回の遊技における正解押順以外の停止操作順序を当該遊技での「不正解押順」という。
図12に示す通り、打順ベルL(1〜4)が当選した遊技において、左第1停止の順序で停止操作がされた場合、正解ベルAが有効ラインに停止表示される。すなわち、打順ベルLが当選した遊技における、正解ベルの正解押順は左第1停止である。一方、打順ベルL(1〜4)が当選した遊技において、左第1停止の順序以外で停止操作がされた場合、停止操作位置に応じて、失敗役又は特殊ハズレ目が停止表示される。
打順ベルC(1〜4)が当選した遊技において、中第1停止の順序で停止操作がされた場合、正解ベルBが有効ラインに停止表示される。すなわち、打順ベルCが当選した遊技における、正解ベルの正解押順は中第1停止である。一方、打順ベルC(1〜4)が当選した遊技において、中第1停止の順序以外で停止操作がされた場合、停止操作位置に応じて、失敗役又は特殊ハズレ目が停止表示される。同様に、打順ベルR(1〜4)が当選した遊技において、右第1停止の順序で停止操作がされた場合、正解ベルBが有効ラインに停止表示される。すなわち、打順ベルRが当選した遊技における、正解ベルの正解押順は右第1停止である。一方、打順ベルR(1〜4)が当選した遊技において、右第1停止の順序以外で停止操作がされた場合、停止操作位置に応じて、失敗役又は特殊ハズレ目が停止表示される。共通ベルが当選した遊技では、停止操作態様によらず、正解ベルが有効ラインに停止表示される。
以上の通り、打順ベル(L、C、R)が当選した遊技では、正解押順で停止操作された場合、正解ベルが停止表示される。一方、不正解押順で停止操作された場合、停止操作位置に応じて、失敗役または特殊ハズレ目が有効ラインに停止表示される。
図13は、各RT状態に移行する契機を説明するための図である。上述した通り、各RT状態は、RT0状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とを含み、特定の契機で移行する。例えば、RT状態は、RT移行図柄が有効ラインに停止表示された場合に移行する。
図13(a)は、RT移行図柄規定テーブルの概念図である。図13(a)に示す通り、各RT移行図柄は、RT3移行図柄とRT2移行図柄とRT1移行図柄とRT0移行図柄とを含む。RT3移行図柄が有効ラインに停止表示された場合、RT3状態に移行する。RT3移行図柄は、図13(a)に示す通り、RT3移行リプレイの図柄組合せを含む。すなわち、RT3移行リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技が再遊技になり、且つ、RT3状態に移行する。また、RT2移行図柄が有効ラインに停止表示された場合、RT2状態に移行する。RT2移行図柄は、RT2移行リプレイの図柄組合せを含む。すなわち、RT2移行リプレイの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技が再遊技になり、且つ、RT2状態に移行する。
図13(a)に示す通り、RT1移行図柄は、特殊ハズレ目を含む。上述した通り、特殊ハズレ目は、当選役の図柄組合せではなく、打順ベルが当選した遊技において、不正解押順で停止操作し、且つ、各失敗役を取りこぼした場合に有効ラインに停止表示される。また、RT0移行図柄は、失敗役の図柄組合せを含む。失敗役は、打順ベルが当選した遊技で不正解押順で停止操作され、且つ、当該失敗役の引込範囲で停止操作がされた場合に有効ラインに停止表示される。
以上の説明から理解される通り、打順ベルが当選した遊技では、不正解押順で停止操作した場合、停止操作位置に応じて、RT1移行図柄(特殊ハズレ目)またはRT0移行図柄(失敗役の図柄組合せ)が有効ラインに停止表示可能になる。また、図13(a)に示す通り、RT0移行図柄は、RT0移行リプレイの図柄組合せを含む。すなわち、RT0移行リプレイが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技が再遊技になり、且つ、RT0状態に移行する。
図13(b)は、RT状態の遷移図である。上述した通り、RT状態は、各種の契機で移行する。例えば、RT2状態において、打順リプレイY(1〜4)が当選し、RT3移行リプレイの正解押順で停止操作がされた場合、RT3移行リプレイの図柄組合せ(RT3移行図柄)が有効ラインに停止表示され、次回の遊技がRT3状態になる(図13(b)の(A))。
図13(b)に示すように、RT1状態において、打順リプレイX(1〜6)が当選し、RT2移行リプレイの正解押順で停止操作がされた場合、RT2移行リプレイの図柄組合せ(RT2移行図柄)が有効ラインに停止表示され、次回の遊技がRT2状態になる(図13(b)の(B))。詳細には後述するが、演出状態がAT状態の場合、RT1状態では、RT2移行リプレイの正解押順が遊技者に指示され、RT2状態では、RT3移行リプレイの正解押順が指示される。したがって、AT状態では、指示された順序で停止操作することで、RT状態をRT3状態に移行させることができる。ただし、上述した指示がされない通常状態であっても、RT2移行リプレイおよびRT3移行リプレイの正解押順を自力で正解することで、RT3状態に移行させることができる。
RT0状態において、打順ベルが当選し、不正解押順で停止操作され、且つ、失敗役の引込範囲外で停止操作がされた場合、特殊ハズレ目(RT1移行図柄)が有効ラインに停止表示され、次回の遊技がRT1状態になる(図13(b)の(C))。
上述したRT3状態、RT2状態、RT1状態、または、RT0状態において、ボーナス役が当選した場合、内部中状態に移行し(図13(b)の(F))、ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、ボーナス作動状態に移行する(図13(b)の(G))。内部中状態に移行した場合、各RT移行図柄が有効ラインに停止表示された場合であっても、RT状態は移行しない。すなわち、内部中状態は、ボーナス作動状態に移行すること以外の契機では終了しない。
ボーナス作動状態が終了した場合、その後、RT0状態に移行する(図13(b)の(H))。本実施形態では、RT2移行リプレイが停止表示可能になる打順リプレイXとRT3移行リプレイが停止表示可能になる打順リプレイYとは、RT0状態では当選しない。
RT2状態またはRT3状態において、打順ベルが当選し、不正解押順で停止操作され、特殊ハズレ目が有効ラインに停止表示された場合、RT0状態で特殊ハズレ目が停止表示された場合と同様に、次回の遊技がRT1状態になる。AT状態では、正解ベルの正解押順が指示されるため、当該指示に従って停止操作することで、特殊ハズレ目が有効ラインに停止することを回避できる。RT2状態またはRT3状態において、打順ベルが当選し、不正解押順で停止操作され、失敗役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技がRT0状態になる(図13(b)の(D))。
RT1状態において、打順ベルが当選し、不正解押順で停止操作され、失敗役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技がRT0状態になる。また、RT1状態またはRT2状態において、RT0移行リプレイが有効ラインに停止表示された場合、次回の遊技がRT0状態になる。なお、RT3状態では、RT0移行リプレイは当選しない(図9および図10参照)。
メインCPU301は、上述した各RT状態を移行させる停止操作順序、および、正解ベルの正解押順を遊技者に指示する場合がある。具体的には、メインCPU301は、AT状態、通常状態、チャンス状態、および、ボーナス状態を含む各演出状態に応じて、指示表示器16を制御する。
具体的には、AT状態において、RT2移行リプレイおよびRT3移行リプレイの正解押順、および、正解ベルの正解押順が指示表示器16により指示される。以上の構成では、指示された順序で停止操作がされた場合、AT状態では、RT3状態が維持される。一方、通常状態においては、RT2移行リプレイおよびRT3移行リプレイの正解押順、および、正解ベルの正解押順は指示されない。チャンス状態は、通常状態と比較して、AT状態に移行する権利が付与されやすい演出状態である。また、ボーナス状態は、ボーナス作動状態における演出状態である。
図14(a)は、演出状態の遷移を説明するための図である。また、図14(b)は、演出状態を移行させる場合に参照される各データ(後述のCZフラグ、ATセットカウンタ、BB間カウンタ、AT間カウンタ、BBカウンタ)が更新される各契機を説明するための図である。図14(b)の各契機の各記号(A、B、C1〜3、D1、D2)は、図14(a)の各矢印に付された各記号に対応する。図14(a)の各矢印の始点側の演出状態から、当該矢印の記号に対応する契機で、当該矢印の終点側の演出状態に移行する。
詳細には後述するが、本実施形態では、通常状態からAT状態に移行するために、まず、ボーナス役を当選させる。ボーナス役が当選した場合、ボーナス状態が終了するまでの何れか遊技で、チャンス状態に移行するか否かが抽選される。チャンス状態への移行が決定された場合、当該ボーナス状態が終了した以降の遊技において、チャンス状態に移行する。そして、チャンス状態でAT状態に移行する権利が付与された場合、その後、AT状態に移行する。すなわち、本実施形態では、ボーナス状態およびチャンス状態の一連の各演出状態を介して、通常状態からAT状態に移行する。
図14(a)に示す通り、通常状態は、低確通常状態と高確通常状態と超高確通常状態とを含む。高確通常状態は、低確通常状態よりチャンス状態に当選する確率が高く、超高確通常状態は、高確通常状態よりチャンス状態に当選する確率が高い。例えば、スイカ、チェリーまたはチャンス目(以下「レア役」という)が当選した場合、低確通常状態から高確通常状態へ移行(上昇)するか否かが抽選により決定される。同様に、レア役が当選した場合、低確通常状態から超高確通常状態、または、高確通常状態から超高確通常状態に移行するか否かが抽選により決定される。また、例えば、打順ベルが当選した場合、超高確通常状態から高確通常状態または低確通常状態に移行(転落)するか否かが抽選により決定される。同様に、打順ベルが当選した場合、高確通常状態から低確通常状態に移行するか否かが抽選により決定される。ただし、低確通常状態、高確通常状態または超高確通常状態に移行する契機は、以上の例に限定されない。
現在の通常状態(低確通常状態、高確通常状態、超高確通常状態)を示す通常状態フラグが設けられ、通常状態が移行した場合、通常状態フラグが更新される。例えば、レア役が当選し、低確通常状態から高確通常状態に移行した場合、通常状態フラグは、低確通常状態を示す値から高確通常状態を示す値に更新される。また、打順ベルが当選し、高確通常状態から低確通常状態に移行した場合、通常状態フラグは、高確通常状態を示す値から低確通常状態を示す値に更新される。
通常状態において、ボーナス役が当選し、その後、当該ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、ボーナス状態に移行するとともに(図14(a)の(A))、チャンス状態抽選処理が実行される。チャンス状態抽選処理により、チャンス状態に移行するか否かが決定される。詳細には後述するが、ボーナス状態が開始された場合のチャンス状態抽選処理は、第1抽選処理と第2抽選処理と第3抽選処理との3個の抽選処理を含み、何れかの抽選処理で当選した場合、チャンス状態に移行する権利が付与される。すなわち、以上の構成では、一の契機(ボーナス状態への移行)で複数の抽選処理が実行可能であり、何れかの抽選処理で当選した場合、チャンス状態に移行する権利が付与される。
ボーナス状態が開始され、チャンス状態抽選処理が実行された場合、図14(b)に示すように、当該チャンス状態抽選処理の結果に応じてCZフラグを更新する。具体的には、チャンス状態抽選処理において、チャンス状態に移行する権利が付与された場合、CZフラグがOFF状態からON状態に変更される。CZフラグは、例えば、メインRAM303に設けられる。
また、ボーナス状態が開始された場合、BB間カウンタが数値「0」にクリアされる。BB間カウンタは、前回のボーナス役が当選した遊技から今回のボーナス役が当選した遊技までの遊技回数を示し、例えば、メインRAM303に設けられる。BB間カウンタは、通常状態で1回の遊技が実行される毎に数値「1」加算(更新)され、チャンス状態抽選処理のうち第3抽選処理で用いられる。ただし、ボーナス役が当選した時点(内部中状態に移行した時点)で、BB間カウンタの加算が停止する。BB間カウンタは、ボーナス状態が開始され、チャンス状態抽選処理が(第3抽選処理)で用いられた後に、数値「0」にクリアされる。
チャンス状態抽選処理のうち第1抽選処理では、ボーナス役が当選した通常状態(低確、高確、超高確)に応じて、チャンス状態に当選するか否かが決定される。具体的には、第1抽選処理では、ボーナス役が低確通常状態で当選した場合より、ボーナス役が高確通常状態で当選した場合、高い確率でチャンス状態に当選する。また、第1抽選処理では、ボーナス役が高確通常状態で当選した場合より、ボーナス役が超高確通常状態で当選した場合、高い確率でチャンス状態に当選する。
チャンス状態抽選処理のうち第2抽選処理では、前回のAT状態が終了してからボーナス役が当選した回数に応じて、チャンス状態に当選するか否かが決定される。具体的には、前回のAT状態が終了してからボーナス役が当選した回数は、BBカウンタに記憶される。BBカウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。第2抽選処理において、BBカウンタを用いて、チャンス状態に当選するか否かを決定する。
上述した通り、ボーナス役が当選した場合、その後、チャンス状態に移行し、AT状態に当選する好機になる。したがって、BBカウンタの現在値は、上述した好機で連続してAT状態に移行しなかった回数を意味する。詳細には後述するが、第2抽選処理では、BBカウンタが予め定められた閾値(数値「16」)に達した場合、当該閾値に達していない場合より、高い確率でチャンス状態に当選する。
また、本実施形態では、前回のAT状態が終了してからボーナス役が当選した回数に加え、前回のAT状態が終了してからの通常状態(ボーナス役が当選してからボーナス状態が開始するまでの期間は除く)の遊技回数が計数される。前回のAT状態が終了してからの通常状態の遊技回数は、AT間カウンタに記憶され、AT間カウンタが予め定められた閾値(例えば1500回)に達し、その後、ボーナス役に当選した場合、AT状態に移行する権利が抽選によらず付与される。AT間カウンタは、AT状態に移行する権利が付与された場合(図14(b)の契機(B)と契機(D2))、数値「0」にクリアされる。
チャンス状態抽選処理のうち第3抽選処理では、上述したBB間カウンタの現在値に応じて、チャンス状態に移行するか否かが決定される。すなわち、第3抽選処理では、前回のボーナス役が当選した遊技から今回のボーナス役が当選した遊技までの遊技回数に応じて、チャンス状態に移行するか否かが決定される。
ボーナス作動状態(ボーナス状態)では、BB中ベルに加え、BB中チェリー(BB中チェリー役)が当選する(図14(a)の(B))。ボーナス状態でBB中チェリー役が当選した場合、AT状態に移行する権利が付与され、ATセットカウンタが加算される(図14(b)参照)。本実施形態では、BB中チェリー役が当選する毎に、ATセットカウンタが加算され、仮に、1回のボーナス状態において、BB中チェリー役に複数回当選した場合、ATセットカウンタは数値「2」以上になる。すなわち、2個以上のAT状態に移行する権利が保持される。
なお、図14では省略するが、通常状態からAT状態に直接移行する場合がある。具体的には、通常状態において、セブン揃いリプレイが当選した場合、その後、ボーナス状態およびチャンス状態を介することなく、AT状態に移行する。ただし、チャンス状態またはボーナス状態を介することなく、通常状態からAT状態に移行し得ない構成としてもよい。
なお、詳細には後述するが、ATセットカウンタが加算された場合、CZフラグがOFF状態になる。すなわち、AT状態に移行する権利が付与された場合、チャンス状態に移行する権利が無効になる。したがって、ボーナス状態開始時のチャンス状態抽選処理でチャンス状態に移行する権利が付与された場合であっても、その後、ボーナス状態でBB中チェリー役に当選した場合(AT状態に移行する権利が付与された場合)、CZフラグがON状態からOFF状態に変更される(チャンス状態に移行する権利が無効になる)。以上の構成では、ATセットカウンタが数値「0」より大きい場合、CZフラグはOFF状態になる。
ボーナス状態が終了した場合、CZフラグの状態(ON、OFF)とATセットカウンタの数値とに応じて、通常状態、チャンス状態、または、AT状態に移行する。具体的には、ボーナス状態が終了した場合であって、CZフラグがOFF状態で、且つ、ATセットカウンタが数値「0」の場合、通常状態に移行する(図14(a)の(C1))。すなわち、ボーナス状態が終了した時点で、チャンス状態に移行する権利、および、AT状態に移行する権利の双方が付与されていない場合、通常状態に移行する。ボーナス状態が終了して通常状態に移行する場合、図14(b)に示す通り、BBカウンタ(ボーナス役が当選し、その後、AT状態に移行できなかった回数)が加算される。
ボーナス状態が終了した場合であって、CZフラグがON状態の場合、チャンス状態に移行する(図14(a)の(C2))。具体的には、ボーナス状態が終了した時点でCZフラグがON状態の場合、その後、2回の遊技に亘り導入演出が実行された後に、チャンス状態に移行する。導入演出では、たとえば、液晶表示装置30において、チャンス状態が開始される旨が報知される。ボーナス状態が終了して導入演出が開始された場合、図14(b)に示す通り、CZフラグがON状態からOFF状態になる。
ボーナス状態が終了した場合であって、ATセットカウンタが数値「0」以外の場合、AT状態に移行する(図14(a)の(C3))。AT状態に移行した場合、ATセットカウンタから数値「1」が減算され、AT状態の残り遊技回数を示すATカウンタに初期値「50」が記憶される。図14(b)に示す通り、ボーナス状態が終了してAT状態に移行する場合、BBカウンタがクリアされる。AT状態の各遊技で、ATカウンタが減算され、ATカウンタが数値「0」まで減算された場合、AT状態が終了し、通常状態に移行する(図14(a)の(E))。ただし、AT状態が終了した時点で、ATセットカウンタが数値「0」以外の場合(AT状態の権利を複数個獲得していた場合)、ATカウンタに再度初期値「50」がセットされ、次回のAT状態が開始される。
AT状態の各遊技では、上乗せ決定処理が実行され、ボーナス役を含む特定の当選役が当選した場合、上乗せ遊技回数が決定される。上乗せ遊技回数で決定された場合、当該上乗せ遊技回数だけAT状態が延長されるようにATカウンタが更新(加算)される。
チャンス状態は、AT状態の権利が付与された場合、または、予め定められた終了条件が満たされた場合に終了する。今回のチャンス状態でAT状態の権利が付与される以前に、終了条件が満たされた場合、通常状態に移行する(図14(a)の(D1))。チャンス状態の終了条件は、チャンス状態が開始されてから予め定められた遊技回数(10回)が経過した場合に満たされる。ただし、チャンス状態の終了条件は適宜に変更することができる。一方、AT状態の権利が付与され、チャンス状態が終了した場合、その後、AT状態に移行する(図14(a)の(D2))。
図14(b)に示される通り、チャンス状態から通常状態に移行する場合、BBカウンタが加算され、チャンス状態からAT状態に移行する場合、BBカウンタが数値「0」にクリアされる。以上の説明から理解される通り、BBカウンタは、ボーナス状態開始時にチャンス状態に当選しなかった場合、または、チャンス状態に移行したもののAT状態に当選しなかった場合に加算され、AT状態に移行する場合にクリアされる。
以上の通り、本実施形態では、ボーナス役が当選してからボーナス状態が終了するまでの何れかの遊技(具体的には、ボーナス状態が開始する遊技)において、チャンス状態に移行するか否かを決定するチャンス状態抽選処理が実行され、チャンス状態への移行が決定された場合、ボーナス状態が終了した以降の遊技において、チャンス状態に移行し、当該チャンス状態で、AT状態への移行が決定された場合、その後、AT状態に移行する。以上の本実施形態では、ボーナス役が当選してからボーナス状態が終了するまでに、当該ボーナス状態が終了した後にチャンス状態に移行することを事前に決定できる。したがって、例えば、ボーナス状態の終了後にチャンス状態に移行することが事前に決定されない構成と比較して、チャンス状態に当選可能な期間が変化に富み、遊技性が向上する。
図15(図15(a)および図15(b))は、ボーナス状態が開始してからチャンス状態またはAT状態に移行するまでの具体例を説明するためのタイムチャートである。図15には、各時点における、演出状態とATセットカウンタの数値(AT状態に移行する権利の個数)とCZフラグの状態(チャンス状態に移行する権利が付与されているか否か)とが示される。
図15(a)は、ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合(ボーナス状態が開始した場合)のチャンス状態抽選処理において、チャンス状態に当選し、且つ、その後のボーナス状態で、BB中チェリー役に当選しなかった場合を想定する。以上の場合、図15(a)に示す通り、ATセットカウンタは加算されず、数値「0」に維持される。
図15(a)に示す通り、ボーナス状態が開始された場合のチャンス状態抽選処理(上述の第1抽選処理から第3抽選処理の何れか)で当選した場合、CZフラグがOFF状態からON状態に更新される。その後、CZフラグは、ボーナス状態が終了するまでON状態に維持される。ボーナス状態が終了した時点で、CZフラグがON状態の場合、図15(a)に示す通り、導入演出が実行される。また、導入演出が開始された場合、CZフラグがOFF状態に更新される。導入演出は、2回の遊技に亘り実行され、その後、演出状態がチャンス状態に移行する。
図15(b)は、ボーナス状態が開始した場合のチャンス状態抽選処理において、チャンス状態に当選し、且つ、その後のボーナス状態で、BB中チェリー役に当選した場合を想定する。以上の場合、上述した図15(a)の具体例と同様に、ボーナス状態が開始した直後では、CZフラグがON状態になる。また、図15(b)に示す通り、BB中チェリー役に当選した場合、ATセットカウンタに数値「1」が加算される。
図15(b)に示す通り、ATセットカウンタが加算された場合、CZフラグは、ON状態からOFF状態に変更される。ボーナス状態が終了した時点のATセットカウンタが数値「1」以上の場合、ATセットカウンタを数値「1」減算し、AT状態に移行させる。また、ATセットカウンタを減算した場合、今回のAT状態の遊技回数の初期値を示す数値「50」がATカウンタにセットされる。
図15(b)では、ボーナス状態において、BB中チェリー役が1回当選し、ATセットカウンタに数値「1」が加算された場合を示したが、ボーナス状態において、BB中チェリー役が複数回当選した場合、ATセットカウンタが数値「1」より大きくなる場合がある。すなわち、AT状態に移行する権利は、複数個保持される場合がある。
以上の通り、本実施形態では、チャンス状態に移行する権利を付与するか否かを決定するとともに、AT状態に移行する権利を付与するか否かを決定し、チャンス状態に移行する権利が付与された場合、特定の期間(ボーナス状態)が経過した後に、チャンス状態に移行させる構成において、当該特定の期間において、AT状態に移行する権利が付与された場合、チャンス状態に移行する権利を無効にする構成を採用した。仮に、特定期間において、チャンス状態に移行する権利とAT状態に移行する権利との双方が保持された状態が存在し得る場合、その後の遊技者に付与される利益が過大になる不都合が想定される。本実施形態では、特定期間において、AT状態に移行する権利が付与された場合、チャンス状態に移行する権利が無効になるため、遊技者に付与される利益が過大になる上述の不都合が抑制される。
図16(a)(図16(a−1)および図16(a−2))は、第1抽選テーブル(X、Y)の概念図である。上述の第1抽選処理では、第1抽選テーブルを用いて、チャンス状態に移行するか否かが決定される。
第1抽選テーブルは、図16(a−1)に示す第1抽選テーブルXと図16(a−2)に示す第1抽選テーブルYとを含む。第1抽選処理では、有効ラインに停止表示されたボーナス役の図柄組合せの種類(同色ボーナス役、異色ボーナス役)に応じた第1抽選テーブルが用いられる。具体的には、異色ボーナス役(赤異色ボーナス役、青異色ボーナス役)の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、第1抽選テーブルXが用いられ、同色ボーナス役(赤同色ボーナス役、青同色ボーナス役)の図柄組合せが停止表示された場合、第2抽選テーブルYが用いられる。
上述したチャンス状態は、通常チャンス状態と特殊チャンス状態とを含む。特殊チャンス状態は、通常チャンス状態よりAT状態に移行する権利が付与され易い演出状態である。第1抽選処理では、通常チャンス状態に移行する権利、特殊チャンス状態に移行する権利、または、AT状態に移行する権利を付与するか否かが決定される。第1抽選処理でAT状態に移行する権利の付与が決定された場合、ボーナス状態でBB中チェリー役が当選した場合と同様に、ATセットカウンタが加算される。また、第1抽選処理でAT状態に当選した場合、ボーナス状態が終了した次回の遊技でAT状態に移行する。
上述したCZフラグは、第1CZフラグと第2CZフラグとを含む。チャンス状態抽選処理において、通常チャンス状態が当選した場合、第1CZフラグがON状態になる。また、チャンス状態抽選処理において、特殊チャンス状態が当選した場合、第2CZフラグがON状態になる。ボーナス状態が終了した場合であって、第1CZフラグがON状態の場合、その後、通常チャンス状態に移行し、第2CZフラグがON状態の場合、その後、特殊チャンス状態に移行する。なお、第1CZフラグがON状態の遊技、または、第2CZフラグがON状態の遊技において、ATセットカウンタが加算された場合、何れのCZフラグもOFF状態に変更される。
図16(a)に示す通り、各第1抽選テーブルは、通常チャンス状態の抽選値と特殊チャンス状態の抽選値とAT状態の抽選値とハズレの抽選値とを含む。また、各抽選値は、低確通常状態の各抽選値と高確通常状態の各抽選値と超高確通常状態の各抽選値とを含む。チャンス状態抽選処理において、ボーナス役が当選した遊技の演出状態に応じた抽選値が乱数値R3に順次に減算される。例えば、低確通常状態において、異色ボーナス役が当選した場合、チャンス状態抽選処理において、まず、チャンス状態の抽選値が乱数値R3に減算され、減算結果が負数の場合、チャンス状態への移行が決定される。一方、減算結果が負数でない場合、当該減算結果に特殊チャンス状態の抽選値が減算され、減算結果が負数の場合、特殊チャンス状態への移行が決定される。同様に、特殊チャンス状態の抽選値を減算した結果が負数ではない場合、AT状態の抽選値が減算され、減算結果が負数になった場合、AT状態への移行が決定される。
通常チャンス状態の当選確率、特殊チャンス状態の当選確率、および、AT状態の当選確率の各々は、低確通常状態より高確通常状態が高く、高確通常状態より超高確通常状態が高くなるように、第1抽選テーブルの各抽選値の大きさが設定される。
例えば、図16(a−1)に示す通り、異色ボーナス役が当選した場合、通常チャンス状態の各抽選値は、低確通常状態より、高確通常状態および超高確通常状態の方が大きい。以上の構成では、異色ボーナス役が当選した場合の通常チャンス状態の当選確率は、低確通常状態より、高確通常状態および超高確通常状態の方が高くなる。また、図16(a−1)に示す通り、異色ボーナス役が当選した場合の特殊チャンス状態の各抽選値は、低確通常状態が最も小さく、超高確通常状態が最も大きい。したがって、異色ボーナス役が当選した場合、特殊チャンス状態の当選確率は、低確通常状態が最も低く、超高確通常状態が最も高くなる。同様に、異色ボーナス役が当選した場合のAT状態の各抽選値は、低確通常状態が最も小さく、超高確通常状態が最も大きい。また、本実施形態では、超高確通常状態で異色ボーナス役が当選した場合、ハズレの抽選値は数値「0」である。以上の構成によれば、超高確率通常状態で異色ボーナス役が当選した場合、通常チャンス状態、特殊チャンス状態、または、AT状態の何れかが当選する。
図16(a−2)に示す通り、同色ボーナス役が当選した場合の通常チャンス状態およびハズレの抽選値は、何れの演出状態であっても数値「0」である。以上の構成では、同色ボーナス役が当選した場合、演出状態によらず、特殊チャンス状態またはAT状態への移行が確定する。以上の説明から理解される通り、同色ボーナス役が当選した場合のチャンス状態抽選処理は、異色ボーナス役が当選した場合のチャンス状態抽選処理と比較して、遊技者にとって有利になる。
図16(b)は、第2抽選テーブルの概念図である。第2抽選テーブルは、チャンス状態抽選処理のうち、第2抽選処理で用いられる。上述した通り、第2抽選処理は、第1抽選処理でハズレが決定された場合に実行される。また、同色ボーナス役が当選した場合、第1抽選処理でハズレは決定されない。以上の構成では、第2抽選処理は、異色ボーナス役が当選した場合に実行され、同色ボーナスが当選した場合は実行されない。
図16(b)に示す通り、第2抽選テーブルは、通常チャンス状態の抽選値とハズレの抽選値とを含んで構成される。第2抽選処理では、通常チャンス状態への移行が決定され得るが、特殊チャンス状態またはAT状態への移行は決定されない。ただし、第2抽選処理で、特殊チャンス状態またはAT状態への移行が決定され得る構成としてもよい。
図16(b)に示す通り、通常チャンス状態の抽選値とハズレの抽選値とは、BBカウンタの数値毎に設けられる。第2抽選処理では、BBカウンタの現在値に応じた通常チャンス状態の抽選値を乱数値R3に減算し、減算結果が負数の場合、通常チャンス状態への移行を決定する。以上の構成では、通常チャンス状態に当選する確率は、抽選値の大きさに応じる(抽選値が大きいほど当選確率が高くなる)。すなわち、本実施形態の第2抽選テーブルによれば、通常チャンス状態に当選する確率は、BBカウンタの数値毎に規定されると換言される。
以上の通常チャンス状態に当選する確率がBBカウンタの数値毎に規定される構成では、例えば、今回のボーナス役の当選時に通常チャンス状態が当選しない場合であっても、次回のボーナス役の当選時に通常チャンス状態が比較的高い確率で当選する場合がある。以上の場合、今回のボーナス役の当選時にチャンス状態が当選しない場合であっても、次回のボーナス役が当選するまで遊技を継続させることができるという利点がある。
ところで、上述した通り、BBカウンタの現在値は、ボーナス役に当選した場合であって、その後、AT状態に移行しなかった場合の回数を意味する。仮に、ボーナス状態後にAT状態に移行しない場合が連続した場合、遊技者によっては、遊技に対する意欲が低下する不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態では、BBカウンタが予め定められた数値(数値「16」)に達した場合、当該数値に達していない場合と比較して、遊技者に有利な第2抽選処理が実行される構成とした。以上の構成によれば、上述した不都合を抑制することができる。
具体的には、図16(b)に示す通り、BBカウンタが数値「1」から数値「15」の場合のハズレの抽選値は、数値「0」より大きい。すなわち、BBカウンタが数値「1」から数値「15」の場合の第2抽選処理ではハズレが決定され得る。一方、BBカウンタが数値「16」以上の場合、通常チャンス状態の各抽選値は、数値「65536」であり、ハズレの各抽選値は数値「0」である。すなわち、BBカウンタが数値「16」に到達した場合、第2抽選処理では、通常チャンス状態が当選する。ただし、チャンス状態抽選処理では、第2抽選処理に先行して第1抽選処理が実行され、第1抽選処理でハズレが決定されない場合、第2抽選処理は実行されない。したがって、BBカウンタが数値「16」に達した場合であっても、第1抽選処理で特殊チャンス状態が当選した場合、特殊チャンス状態に移行し、通常チャンス状態には移行しない。また、BBカウンタが数値「16」に達した場合であっても、第1抽選処理でAT状態が当選した場合、AT状態に移行し、通常チャンス状態には移行しない。
図16(c)は、第3抽選テーブルの概念図である。第3抽選テーブルは、チャンス状態抽選処理のうち、第3抽選処理で用いられる。第1抽選処理および第2抽選処理でハズレが決定された場合に実行される第3抽選処理は、第2抽選処理と同様に、異色ボーナス役が当選した場合に実行され、同色ボーナスが当選した場合は実行されない。
図16(c)に示す通り、第3抽選テーブルは、通常チャンス状態の抽選値とハズレの抽選値を含んで構成される。第3抽選処理では、通常チャンス状態への移行が決定され得るが、特殊チャンス状態またはAT状態への移行は決定されない。ただし、第3抽選処理で、特殊チャンス状態またはAT状態への移行が決定され得る構成としてもよい。
図16(c)に示す通り、第3抽選テーブルの各抽選値は、BB間カウンタが数値「500」未満の場合の抽選値とBB間カウンタが数値「500」以上の場合の抽選値とが設けられる。以上の構成では、前回のボーナス役が当選した遊技から今回のボーナス役が当選した遊技までの遊技回数(以下、「ボーナス間の遊技回数」という)が500回未満の場合、通常チャンス状態の抽選値が乱数値R3に減算され、減算結果が負数の場合、通常チャンス状態への移行が決定される。一方、ボーナス間の遊技回数が500回以上の場合、通常チャンス状態の抽選値「65536」が乱数値R3に減算される。乱数値R3に抽選値「65536」を減算した結果は負数になる。
以上の構成では、前回のボーナス役が当選した遊技から500回以上の遊技でボーナス役が当選しなかった場合、その後、ボーナス役に当選した場合に通常チャンス状態に当選する。ただし、チャンス状態抽選処理では、第3抽選処理に先行して第1抽選処理と第2抽選処理とが実行され、第1抽選処理と第2抽選処理とでハズレが決定されない場合、第3抽選処理は実行されない。したがって、ボーナス間の遊技回数が500回を超えた場合であっても、第1抽選処理で特殊チャンス状態が当選した場合、特殊チャンス状態に移行し、通常チャンス状態には移行しない。また、第1抽選処理でAT状態が当選した場合、AT状態に移行し、通常チャンス状態には移行しない。
以上の本実施形態では、遊技の進行に応じて、ボーナス役が当選した場合にAT状態へ移行しなかった契機(第1の契機)でBBカウンタ(第1遊技情報)を更新し、1回の遊技が実行された契機(第2の契機)でBB間カウンタを更新し、ボーナス状態への移行を契機(一の契機)に、BBカウンタを用いた第2抽選処理(第1抽選)とBB間カウンタを用いた第3抽選処理(第2抽選)との双方を実行可能であり、第2抽選処理および第3抽選処理の何れかで当選した場合、通常チャンス状態に移行する権利(特定の特典)が付与される。また、上述した通り、遊技の進行に応じて、特定の当選役(レア役、打順ベル)が当選した契機で通常状態フラグ(第1遊技情報または第2遊技情報)が更新され、ボーナス状態への移行を契機に、通常状態フラグを用いた第1抽選処理(第1抽選または第2抽選)が第2抽選処理および第3抽選処理に加えて実行される。
本実施形態の構成によれば、第2抽選処理は、BBカウンタを用いて実行され、第2抽選処理で通常チャンス状態が当選する確率がBBカウンタに応じて変化する。具体的には、BBカウンタが予め定められた閾値「16」に達した場合、BBカウンタが当該閾値未満の場合と比較して、チャンス状態が高い確率で当選する。以上の構成では、当該閾値よりBBカウンタが僅かに小さい場合(例えば、BBカウンタが数値「15」の場合)、BBカウンタが閾値に達するまで遊技を継続させることができる。
また、本実施形態の構成によれば、第3抽選処理は、BB間カウンタを用いて実行され、第3抽選処理で通常チャンス状態が当選する確率がBB間カウンタに応じて変化する。具体的には、BB間カウンタが予め定められた閾値「500」を超えた場合、BB間カウンタが当該閾値未満の場合と比較して、チャンス状態が高い確率で当選する。以上の構成では、例えば、BB間カウンタが閾値に達した場合、次回のボーナス役が当選するまで遊技を継続させることができる。
また、第2抽選処理がBBカウンタに応じて実行され、第3抽選処理がBB間カウンタに応じて実行されるから、仮に、BBカウンタが遊技者にとって比較的不利な数値の場合(例えば、BBカウンタが数値「0」の場合)であっても、BB間カウンタが比較的有利な数値の場合、遊技を継続させることができる。さらに、通常状態フラグが高確通常状態(または超高確通常状態)の場合、第1抽選処理が低確通常状態より有利になる。したがって、仮に、BBカウンタおよびBB間カウンタが遊技者にとって比較的不利な数値の場合であっても、通常状態フラグが高確通常状態または超高確通常状態の場合、遊技を継続させることができる。
なお、本実施形態では、第2抽選処理および第3抽選処理において、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与されない構成とした。しかし、第2抽選処理または第3抽選処理において、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与され得る構成としてもよい。ただし、第2抽選処理または第3抽選処理において、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与され得る構成では、遊技者に対する利益が過剰になり易い場合がある。以上の場合は、例えば、本実施形態の様に、第2抽選処理および第3抽選処理において、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与されない構成が好適である。
また、本実施形態のチャンス状態抽選処理は、第1抽選処理、第2抽選処理、第3抽選処理の順序で実行されたが、他の順序で実行されてもよい。ただし、第1抽選処理では、通常チャンス状態に移行する権利に加え、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与され、第2抽選処理または第3抽選処理では、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与されない。したがって、仮に、第1抽選処理より先に第2抽選処理または第3抽選処理が実行される場合、第2抽選処理および第3抽選処理より先に第1抽選処理が実行される場合(本実施形態)より、特殊チャンス状態またはAT状態に移行する権利が付与される確率が低下する不都合が生じ得る。本実施形態では、第2抽選処理および第3抽選処理より先に第1抽選処理が実行されるため、上述の不都合が抑制される。
図17(図17(a)および図17(b))は、通常チャンス状態の具体例を説明するためのタイムチャートである。詳細には後述するが、通常チャンス状態では、バトル演出が実行される。バトル演出では、例えば、液晶表示装置30に敵キャラクタが表示され(図21参照)、当該敵キャラクタの残りHP(ヒットポイント)を数値「0」以下に減算できれば、AT状態に移行する権利が付与される。本実施形態では、通常チャンス状態の各遊技に対応する攻撃ポイントが決定され、当該遊技に対応する攻撃ポイントが敵キャラクタの残りHPに減算される。
ただし、各遊技に対応する攻撃ポイントは、当該遊技で当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されることを条件に、残りHPに減算される。具体的には、リプレイまたは正解ベルが有効ラインに停止表示された場合、攻撃ポイントが残りHPに減算される。また、通常チャンス状態の各遊技において、レア役が当選した場合、特殊攻撃が抽選で決定される。特殊攻撃は、「2倍攻撃」と「確定攻撃」とを含み、「2倍攻撃」が決定された場合、今回の遊技の攻撃ポイントを2倍した数値が残りHPに減算され、「確定攻撃」が決定された場合、残りHPが数値「0」まで減算される(詳細には後述する)。
図17(a)は、通常チャンス状態において、AT状態に移行する権利が付与される場合の具体例を説明するための図である。上述した導入演出(チャンス状態に移行する直前の演出)が開始されると、残りゲーム数カウンタに初期値「10」が格納される。残りゲーム数カウンタは、チャンス状態の残りの遊技回数を示し、チャンス状態の各遊技の開始時に数値「1」減算される。また、導入演出が開始されると、残りHPカウンタに初期値「200」が格納される。残りHPカウンタは、敵キャラクタの残りHPを示す。残りゲーム数カウンタと残りHPカウンタとは、例えば、メインRAM303に設けられる。
さらに、導入演出が開始されると、攻撃ポイント格納領域に攻撃ポイントの初期値が格納される。攻撃ポイント格納領域は、通常チャンス状態の各遊技において、当該遊技に対応する攻撃ポイントを記憶する。すなわち、今回の遊技で当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、当該遊技で攻撃ポイント格納領域に格納された攻撃ポイントが敵キャラクタの残りHPに減算される。攻撃ポイント格納領域は、例えば、メインRAM303に設けられる。
導入演出の開始時に格納される攻撃ポイントの初期値は、通常チャンス状態の1回目の遊技に対応する攻撃ポイントである。攻撃ポイントは、数値「10」、数値「30」および数値「50」の何れかであり、各遊技に対応する攻撃ポイントは抽選で決定される。図17(a)の具体例では、1回目の遊技に対応する攻撃ポイントとして「30」が決定された場合を想定する。また、通常チャンス状態の2回目の遊技では、1回目の遊技の攻撃ポイントに替えて、2回目の遊技に対応する攻撃ポイント「10」が攻撃ポイント格納領域に格納される。通常チャンス状態の3回目から10回目の遊技においても、当該遊技に対応する攻撃ポイントが攻撃ポイント格納領域に格納される。
詳細には後述するが、導入演出が開始された場合、通常チャンス状態の1回目から7回目までの各遊技の各攻撃ポイントが当該通常チャンス状態が開始される以前に決定される(図18(b−1)参照)。さらに、導入演出の各遊技では、当該遊技の当選役(レア役)に応じて、導入演出が開始した時点で決定された各攻撃ポイントを変更(昇格)する場合がある(図19参照)。
図17(a)に示す通り、通常チャンス状態の1回目の遊技が開始された場合、残りゲーム数カウンタは数値「9」に減算される。また、上述した通り、1回目の遊技の攻撃ポイントは、数値「30」である。図17(a)の具体例では、通常チャンス状態の1回目の遊技において、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されない場合を想定する。上述した通り、今回の遊技の攻撃ポイントは、当該遊技で当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されたことを条件に、残りHPカウンタに減算される。したがって、図17(a)の具体例では、1回目の遊技の攻撃ポイントは、残りHPカウンタに減算されない。
攻撃ポイント格納領域の攻撃ポイント(今回の遊技の攻撃ポイント)は、残りHPカウンタに減算されたか否かに関わらず、当該遊技が終了した場合、次回の遊技の攻撃ポイントで上書きされる。例えば、図17(a)の例では、1回目の遊技の攻撃ポイント「30」は、残りHPカウンタに減算されることなく、2回目の遊技の攻撃ポイント「10」で上書きされる。また、図17(a)の例では、2回目の遊技において、1回目の遊技と同様に、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されない場合を想定する。以上の場合、3回目の遊技まで、残りHPカウンタは初期値「200」で維持される。
図17(a)に示す通り、通常チャンス状態の3回目の遊技が開始された場合、残りゲーム数カウンタが数値「7」に減算される。図17(a)の具体例では、3回目の遊技の攻撃ポイントは数値「30」である。また、図17(a)の具体例では、3回目の遊技で当選役(リプレイまたは正解ベル)の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合を想定する。以上の場合、残りHPカウンタから数値「30」が減算され、3回目の遊技が終了した場合の残りHPカウンタは、数値「170」(=200−30)になる。
図17(a)の具体例では、4回目の遊技の攻撃ポイントが数値「10」であり、且つ、当該遊技で当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合を想定する。以上の場合、残りHPカウンタから数値「10」が減算され、4回目の遊技が終了した場合の残りHPカウンタは、数値「160」(=170−10)になる。なお、図17(a)では、通常遊技状態の5回目から7回目の遊技を省略して示す。
図17(a)の具体例では、通常チャンス状態の8回目の遊技までに、残りHPカウンタが数値「30」に減算された場合を想定する。また、図17(a)の具体例では、通常チャンス状態の9回目の遊技の攻撃ポイントが数値「30」であり、且つ、当選役の図柄組合せが当該遊技で有効ラインに停止表示された場合を想定する。以上の場合、図17(a)に示すように、通常チャンス状態の9回目の遊技が終了した場合、敵キャラクタの残りHPカウンタが数値「30」から数値「0」に減算される。
通常チャンス状態において、残りHPカウンタが数値「0」以下に減算された場合、AT状態に移行する権利が付与され、通常チャンス状態が終了する。具体的には、通常チャンス状態において、残りHPカウンタが数値「0」以下に減算された場合、ATセットカウンタが加算される。通常チャンス状態が終了した場合であって、ATセットカウンタが数値「0」より大きい場合、その後、AT状態に移行する。
図17(b)は、通常チャンス状態において、AT状態の権利が付与されない場合の具体例である。図17(b)の具体例では、上述した図17(a)の具体例と同様に、通常チャンス状態の4回目の遊技において、残りHPカウンタが数値「160」まで減算された場合を想定する。ただし、図17(b)の具体例では、8回目の遊技において、残りHPカウンタが数値「100」である。また、図17(b)の具体例では、8回目から10回目の各遊技において、当選役の図柄組合せが停止表示されない場合を想定する。
以上の図17(b)の具体例では、通常チャンス状態の10回目の遊技(最終遊技)が終了した時点で、残りHPカウンタが数値「0」より大きい。以上の場合、AT状態に移行する権利が付与されることなく、通常チャンス状態が終了する。通常チャンス状態でAT状態の権利が付与されない場合、上述した通り、BBカウンタに数値「1」が加算され、演出状態が通常状態に移行する。
上述した通り、各遊技に対応する攻撃ポイントは、抽選により決定される。具体的には、各遊技の攻撃ポイントは、数値「10」、数値「30」および数値「50」のうちの何れかが決定される。各攻撃ポイントが決定される確率は、攻撃ポイント決定テーブル(X、Y)で規定される。
図18(a−1)および図18(a−2)は、各攻撃ポイント決定テーブル(X、Y)の概念図である。各攻撃ポイント決定テーブルは、攻撃ポイント決定テーブルX(図18(a−1))と攻撃ポイント決定テーブルY(図18(a−2))とを含む。各遊技の攻撃ポイントは、原則、攻撃ポイント決定テーブルXで規定される確率で決定される。図18(a−1)に示す通り、攻撃ポイント決定テーブルXでは、攻撃ポイント「10」が確率Pa(Pa>0)で決定され、攻撃ポイント「30」が確率Pb(Pb>0)で決定され、攻撃ポイント「50」が確率Pc(Pc>0)で決定される。
ただし、前回と前々回との各遊技(直近の2回の遊技)の攻撃ポイントが連続して数値「10」の場合、今回の遊技の攻撃ポイントは、攻撃ポイント決定テーブルYで規定される確率で決定される。図18(a−2)に示す通り、攻撃ポイント決定テーブルYでは、攻撃ポイント「30」が確率Pd(Pd>0)で決定され、攻撃ポイント「50」が確率Pe(Pe>0)で決定される。また、図18(a−2)に示す通り、攻撃ポイント決定テーブルYでは、攻撃ポイント「10」が決定される確率は「0」である。すなわち、直近の2回の遊技の各攻撃ポイントが数値「10」の場合、今回の遊技の攻撃ポイントは、数値「10」に決定されない。以上の構成では、攻撃ポイント「10」の遊技が3回以上連続しない。
攻撃ポイント「10」は、通常チャンス状態の各遊技の攻撃ポイントの最小値である。したがって、仮に、攻撃ポイント「10」の遊技が3回以上連続した場合、遊技者によっては、遊技に対する意欲が低下する不都合が生じ得る。本実施形態では、攻撃ポイント「10」の遊技が3回以上連続しないため、上述した不都合が抑制される。なお、攻撃ポイント「10」が連続し得る遊技回数は、適宜に変更することができる。例えば、攻撃ポイント「10」の遊技が3回までは連続するが、4回以上は連続しない構成としてもよい。
図18(b−1)から図18(b−4)は、上述の攻撃ポイント決定テーブルで攻撃ポイントが決定される構成を説明するための図である。上述した通り、今回の遊技に対応する攻撃ポイントは、攻撃ポイント格納領域R1に格納される。また、通常チャンス状態が開始される以前(導入演出)において、次回以降の6回の各遊技の各攻撃ポイントが決定される。次回以降の各遊技の各攻撃ポイントは、各配列ポイント格納領域R2に格納される。詳細に後述するが、各配列ポイント格納領域R2の各攻撃ポイントは、通常チャンス状態において、液晶表示装置30に表示される(図21参照)。各配列ポイント格納領域R2は、例えば、メインRAM303に設けられる。
具体的には、各配列ポイント格納領域R2は、1ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−1と2ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−2と3ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−3と4ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−4と5ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−5と6ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−6と7ゲーム後の遊技の攻撃ポイントが格納される配列ポイント格納領域R2−7とを含む。
図18(b−1)から図18(b−4)には、攻撃ポイント格納領域R1と各配列ポイント格納領域R(2−1から2−7)との概念図が示される。また、攻撃ポイント格納領域R1と各配列ポイント格納領域R2との概念図の下側に付した数字は、当該格納領域の攻撃ポイントが通常チャンス状態の何回目の遊技に対応するかを示す。例えば、図18(b−1)の攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイント「30」は、通常チャンス状態の1回目の遊技に対応するため、図18(b−1)では、攻撃ポイント格納領域R1に数字「1」が付されている。一方、図18(b−3)の攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイント「10」は、通常チャンス状態の2回目の遊技に対応するため、図18(b−3)では、攻撃ポイント格納領域R1に数字「2」が付されている。
図18(b−1)は、通常チャンス状態の導入演出が開始された直後に決定される各攻撃ポイントを説明するための図である。なお、上述した通り、導入演出の各遊技において、レア役が当選した場合、各攻撃ポイントが更新(昇格)される場合がある。図18(b−1)から図18(b−4)の具体例では、導入演出の各遊技において、各攻撃ポイントが更新されなかった場合を例示する。
導入演出の1回目の遊技が開始された場合、図18(b−1)に示すように、7回の抽選(後述の攻撃ポイント決定処理)が実行され、各抽選で攻撃ポイントが決定される。以上の構成では、導入演出が開始された場合、7個の攻撃ポイントが決定される。また、7個の各攻撃ポイントは、決定された順に、攻撃ポイント格納領域R1と配列ポイント格納領域R2−1から配列ポイント格納領域2−6に格納される。図18(b−1)の具体例では、導入演出において、数値「30」「10」「30」「10」「50」「30」「10」の順序で各攻撃ポイントが決定された場合を想定する。以上の場合、通常チャンス状態の1回目の遊技に対応する攻撃ポイントは数値「30」、2回目から7回目までの各遊技に対応する攻撃ポイントは、それぞれ数値「10」「30」「10」「50」「30」「10」になる。図18(b−1)に示す通り、通常チャンス状態が開始される以前において、当該通常チャンス状態の8回目の遊技に対応する攻撃ポイントは決定されず、配列ポイント格納領域R2−7に攻撃ポイントは格納されない。
図18(b−2)は、導入演出が終了し、その後、通常チャンス状態の1回目の遊技が開始された時点で、攻撃ポイント格納領域R1および各配列ポイント格納領域R2に格納される各攻撃ポイントを説明するための図である。上述した通り、通常チャンス状態において、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントが敵キャラクタの残りHPに減算される。図18(b−2)の例では、通常チャンス状態の1回目の遊技で、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、攻撃ポイント格納領域R1に格納された数値「30」が敵キャラクタの残りHPに減算される。
図18(b−2)に示す通り、通常チャンス状態の1回目の遊技が開始された場合、8回目の遊技に対応する攻撃ポイントが決定され、配列ポイント格納領域R2−7に格納される。図18(b−2)から理解される通り、通常チャンス状態の8回目の遊技の直近の2回の各遊技(6回目の遊技と7回目の遊技)のうち6回目の遊技の攻撃ポイントが数値「30」である。以上の場合、直近の2回の各遊技の攻撃ポイントが連続して数値「10」ではないため、8回目の遊技に対応する攻撃ポイントは、攻撃ポイント決定テーブルXにより決定される。図18(b−2)の具体例では、8回目の遊技に対応する攻撃ポイントとして数値「10」が決定された場合を想定する。
図18(b−3)は、通常チャンス状態の1回目の遊技が終了した時点における、攻撃ポイント格納領域R1または各配列ポイント格納領域R2に格納される各攻撃ポイントを説明するための図である。各遊技が終了した場合、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−1に格納される攻撃ポイントで上書きされる。例えば、上述した図18(b−2)に示すように、1回目の遊技の終了前に配列ポイント格納領域R2−1が記憶する攻撃ポイント「10」(2回目の遊技の攻撃ポイント)により、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントは、図18(b−3)に示すように、1回目の遊技の終了後に上書きされる。
同様に、遊技が開始される時点で配列ポイント格納領域R2−2に格納されていた攻撃ポイントは、当該遊技が終了した場合、配列ポイント格納領域R2−1に格納され、配列ポイント格納領域R2−3に格納されていた攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−2に格納され、配列ポイント格納領域R2−4に格納されていた攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−3に格納され、配列ポイント格納領域R2−5に格納されていた攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−4に格納され、配列ポイント格納領域R2−6に格納されていた攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−5に格納され、配列ポイント格納領域R2−7に格納されていた攻撃ポイントは、配列ポイント格納領域R2−6に格納され、配列ポイント格納領域R2−7には攻撃ポイントが格納されない状態になる。
図18(b−4)は、通常チャンス状態の2回目の遊技が開始された場合に攻撃ポイント格納領域R1または各配列ポイント格納領域R2に格納される各攻撃ポイントを説明するための図である。通常チャンス状態の2回目の遊技が開始された場合、図18(b−4)に示すように、9回目の遊技に対応する攻撃ポイントが決定され、配列ポイント格納領域R2−7に格納される。
図18(b−4)の具体例では、通常チャンス状態の7回目と8回目との各遊技の攻撃ポイントは、連続して数値「10」である。したがって、直近の2回の各遊技の攻撃ポイントが数値「10」であるから、通常チャンス状態の9回目の遊技の攻撃ポイントは、攻撃ポイント決定テーブルYにより決定される。以上の場合、9回目の遊技の攻撃ポイントは、数値「30」または数値「50」であり、最低値である数値「10」は決定されない。
以上の通り、本実施形態では、通常チャンス状態の1回目から7回目まで(特定期間)の各遊技に対応する各攻撃ポイントは、通常チャンス状態が開始される以前に決定される。以上の構成では、特定期間の各遊技で獲得できる各攻撃ポイントを当該特定期間が開始される以前に、例えば液晶表示装置30により遊技者に報知することが可能になる。以上の構成では、通常チャンス状態が開始する以前に、例えば、当該通常状態の各遊技で獲得できる攻撃ポイントが比較的大きい旨が報知される場合がある。以上の場合、例えば、今回の通常チャンスの各遊技の各攻撃ポイントが事前に一切報知されない構成と比較して、当該通常チャンス状態でAT状態が獲得される期待感を事前に高めることができる。
なお、本実施形態では、通常チャンス状態の1回目から7回目までの各遊技に対応する各攻撃ポイントを事前に決定する構成としたが、攻撃ポイントが事前に決定される特定期間は、適宜に変更することができる。例えば、通常チャンス状態の1回目から3回目までの各遊技の各攻撃ポイントが事前に決定される構成としてもよい。
また、通常チャンス状態の各遊技の攻撃ポイントを事前に決定する構成において、通常チャンス状態の全ての遊技の各攻撃ポイントを事前に決定する構成が考えられる。例えば、通常チャンス状態が10回の遊技に亘り実行される場合、当該通常チャンス状態が開始される以前に、各遊技に対応する10個の攻撃ポイントを決定する構成が考えられる。しかし、以上の構成では、通常チャンス状態の各遊技において、攻撃ポイントの抽選が実行されない。以上の場合、遊技者によっては、通常チャンス状態の各遊技が面白味に欠けると感じる不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、通常チャンス状態の序盤(1〜7回目の遊技)の攻撃ポイントを事前に決定し、終盤(8〜10回目の遊技)の攻撃ポイントを当該通常状態の各遊技で抽選する構成とした。以上の構成によれば、通常チャンス状態の各遊技(1〜3回目の遊技)において、攻撃ポイントの抽選が実行されるため、上述した不都合を抑制することができる。
導入演出が実行される各遊技では、事前に決定された各攻撃ポイント(1〜7回目の遊技の各攻撃ポイント)を昇格させるか否かが決定される。具体的には、導入演出の各遊技において、レア役が当選した場合、攻撃ポイント格納領域R1または各配列ポイント格納領域R2に格納された攻撃ポイントの各々について、昇格するか否かが決定される。
図19(a)は、攻撃ポイント昇格テーブルの概念図である。メインCPU301は、導入演出の各遊技において、攻撃ポイント昇格テーブルを用いて、攻撃ポイント昇格処理を実行する。図19(a)に示す通り、攻撃ポイント昇格テーブルは、昇格前の各攻撃ポイント(数値「10」、数値「30」、数値「50」)の各抽選値Vx(1〜12)を含んで構成される。また、各攻撃ポイントの各抽選値は、当選エリア毎に設けられる。攻撃ポイント昇格処理では、今回の遊技の当選エリアと昇格前の攻撃ポイントとに応じた抽選値が乱数値R3に減算される。乱数値R3に抽選値を減算した結果が負数になった場合、昇格が決定される。
例えば、昇格前の攻撃ポイントが数値「10」の場合であって、今回の遊技でスイカが当選した場合を想定する。以上の場合、攻撃ポイント昇格処理において、抽選値Vx1が乱数値R3に減算され、減算結果が負数の場合、攻撃ポイントが数値「10」から数値「30」に変更される。また、昇格前の攻撃ポイントが数値「30」の場合であって、昇格が決定された場合、攻撃ポイントが数値「30」から数値「50」に変更される。さらに、昇格前の攻撃ポイントが数値「50」の場合であって、昇格が決定された場合、攻撃ポイントが数値「50」から数値「200」に変更される。ただし、昇格後の攻撃ポイントは、以上の構成に限定されない。例えば、攻撃ポイントが数値「30」の場合、当該攻撃ポイントを数値「200」に変更してもよい。さらに、一の攻撃ポイントについて、昇格し得る攻撃ポイントの数値を複数設けてもよい。例えば、攻撃ポイントが数値「30」の場合、当該攻撃ポイントを数値「50」または数値「200」に変更可能な構成としてもよい。
図19(b)は、導入演出において、攻撃ポイント昇格処理が実行された場合の具体例を説明するための図である。図19(b)には、上述した図18(b−1)から図18(b−4)と同様に、攻撃ポイント格納領域R1および各配列ポイント格納領域R(2−1〜2−7)の概念図が示される。また、図19(b)の具体例では、導入演出開始時において、通常チャンス状態の1回目から7回目の各遊技の各攻撃ポイントがそれぞれ数値「30」「10」「30」「10」「50」「30」「10」に決定された場合を想定する。
上述した攻撃ポイント昇格処理は、事前に決定された攻撃ポイント毎に実行される。具体的には、導入演出が開始された場合、上述した通り、通常チャンス状態の1回目から7回目までの各遊技の各攻撃ポイントが決定される。攻撃ポイント昇格処理は、導入演出の各遊技において、通常チャンス状態の1回目から7回目までの各遊技の攻撃ポイント毎に実行される。すなわち、導入演出の各遊技では、昇格抽選が7回実行される。
図19(b)の具体例では、通常チャンス状態の1回目の遊技の攻撃ポイントと5回目の遊技の攻撃ポイントと7回目の遊技の攻撃ポイントとの各々について、昇格が決定され、2回目から4回目および6回目の各遊技の攻撃ポイントの各々については、昇格が決定されなかった場合を想定する。以上の場合、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントが数値「30」から数値「50」に変更され、配列ポイント格納領域R2−4の攻撃ポイントが数値「50」から数値「200」に変更され、配列ポイント格納領域R2−6の攻撃ポイントが数値「10」から数値「30」に変更される。また、配列ポイント格納領域R2−1から配列ポイント格納領域R2−3および配列ポイント格納領域R2−5については変更されない。
図20は、特殊攻撃決定テーブルの概念図である。通常チャンス状態において、レア役が当選した場合、特殊攻撃決定テーブルを用いて特殊攻撃(2倍攻撃、確定攻撃)が実行される。具体的には、図20に示す通り、特殊攻撃決定テーブルは、「2倍攻撃」と「確定攻撃」との各抽選値Vy(Vy>0)を含んで構成される。また、各抽選値Vyは、当選エリア毎に設けられる。通常チャンス状態において、レア役に当選した場合、当該レア役に応じて、「2倍攻撃」および「確定攻撃」の各抽選値Vyが順次に乱数値R3に減算される。
例えば、通常チャンス状態において、スイカが当選した場合、「2倍攻撃」の抽選値Vy1が乱数値R3に減算され、減算結果が負数になった場合、「2倍攻撃」が決定される。一方、「2倍攻撃」の抽選値を減算した結果が負数ではない場合、当該減算結果に「確定攻撃」の抽選値Vy5を減算し、減算結果が負数の場合、「確定攻撃」が決定される。なお、本実施形態では、通常チャンス状態でレア役が当選した場合、各特殊攻撃の何れか一方が必ず当選する。しかし、通常チャンス状態でレア役が当選した場合、特殊攻撃が決定されない場合がある構成としてもよい。
通常チャンス状態の各遊技では、レア役が当選した場合に加え、ボーナス役(異色ボーナス役、同色ボーナス役)が当選した場合、特殊攻撃が決定される。本実施形態では、ボーナス役が当選した場合、「2倍攻撃」の抽選値は数値「0」であり、「確定攻撃」の抽選値は数値「65536」である。以上の構成では、ボーナス役が当選した場合、特殊攻撃のうち「確定攻撃」が決定される。上述した通り、「確定攻撃」が決定された場合、敵キャラクタの残りHPに数値「200」が減算される。また、敵キャラクタの残りHPの最大値(初期値)は数値「200」である。したがって、通常チャンス状態において、ボーナス役が当選した場合、敵キャラクタの残りHPは、数値「0」以下に減算され、AT状態に移行する権利が付与される。
図21は、通常チャンス状態のバトル演出において、液晶表示装置30が表示する画像Mの模擬図である。画像Mは、複数(7個)のポイント図像G(A、B、C、D)と残りHP表示部HAと残りゲーム数表示部HBと、表示領域Fとを含んで構成される。
残りHP表示部HAは、残りHPカウンタの値を表示する。具体的には、残りHPカウンタの現在値(正面視で左側の数値)と初期値(正面視で右側の数値)とを表示する。図21の具体例は、通常チャンス状態が開始された直後の画像Mを示し、敵キャラクタの残りHPカウンタの初期値「200」と、現在値「200」とが残りHP表示部HAに表示される。遊技者は、残りHP表示部HAが表示する残りHPにより、AT状態が決定されるまでに必要な攻撃ポイントの合計値を把握することができる。
残りゲーム数表示部HBは、通常チャンス状態の残りゲーム数を表示する。すなわち、残りゲーム数表示部HBは、残りゲーム数カウンタの現在値を表示する。具体的には、残りゲーム数表示部HBは、通常チャンス状態が開始した直後においては、図21に示すように、数値「10」を表示し、遊技毎に表示する数値を減算し、通常チャンス状態の最終遊技においては数値「0」を表示する。
表示領域Fは、敵オブジェクト(図示略)等が表示される。例えば、攻撃ポイントが残りHPに減算された場合(当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合)、敵オブジェクトが攻撃を受ける表示がされる。また、表示領域Fの表示態様は、敵キャラクタの残りHPに応じて異なる。例えば、残りHPが減算されていない場合は、無傷の敵オブジェクトが表示される。一方で、残りHPが少ない場合は、負傷した敵オブジェクトが表示される。
ポイント図像Gは、攻撃ポイント「10」に対応するポイント図像GAと攻撃ポイント「30」に対応する武器図像GBと攻撃ポイント「50」に対応するポイント図像GCと攻撃ポイント「200」に対応するポイント図像GDとを含む。各ポイント図像Gは、原則、ポイント図像Gに対応する攻撃ポイントを表示する。具体的には、図21に示すように、ポイント図像GAは数値「10」を表示し、ポイント図像GBは数値「30」を表示し、ポイント図像GCは数値「50」を表示する。ただし、ポイント図像GDは、攻撃ポイント「200」に対応するが、記号「∞」(無限)を表示する。
図21に示す通り、各ポイント図像Gは、正面視で左右方向に配列して表示される。具体的には、上述した攻撃ポイント格納領域R1、配列ポイント格納領域R−1から配列ポイントR2−6の順に、各格納領域(R1、R2)の各々に対応する各ポイント図像Gが正面視で左から右へ配列される。すなわち、正面視で左端に攻撃ポイント格納領域R1に対応するポイント図像Gが表示され、右端に配列ポイント格納領域R2−6に対応するポイント図像Gが表示されるように各ポイント図像Gが配列して表示される。図21の具体例では、攻撃ポイント格納領域R1に攻撃ポイント「30」が格納され、配列ポイント格納領域R−1から配列ポイントR2−6の順に攻撃ポイント「10」「30」「10」「50」「30」「200」が格納された場合を想定する
図21に示す通り、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントを表示するポイント図像G(左端のポイント図像)は、他のポイント図像Gより拡大して表示される。また、攻撃ポイント格納領域R1の攻撃ポイントを表示するポイント図像Gには、例えば、「今回の攻撃力」という文字列が表示される。以上の構成によれば、今回の遊技の攻撃ポイントが直感的に把握される。また、画像Mに配列された各ポイント図像Gのうち配列ポイント格納領域R2−1の攻撃ポイントを表示するポイント図像Gには、例えば、「NEXT」という文字列が表示される。以上の構成によれば、次回の遊技の攻撃ポイントが直感的に把握される。
以上の通り、画像Mには、通常チャンス状態の次回以降の各遊技における各攻撃ポイント(各配列ポイント格納領域の各攻撃ポイント)を表示する各ポイント図像Gが表示される。したがって、通常チャンス状態の次回以降の各遊技における各攻撃ポイントが、遊技者に報知される。以上の構成によれば、例えば、比較的大きい攻撃ポイントを事前に表示することで、AT状態に移行する期待度を高めることができる。
以上が通常チャンス状態の説明である。特殊チャンス状態は、通常チャンス状態と同様に、10回の遊技に亘り実行される。ただし、特殊チャンス状態と通常チャンス状態とは、AT状態に移行するか否かを決定する方法が相違する。また、特殊チャンス状態は、通常チャンス状態と比較して、AT状態に移行する権利が付与され易い。
具体的には、特殊チャンス状態の各遊技では、当該遊技の当選エリアに応じて、AT状態に当選させるか否かが抽選で決定される。例えば、打順リプレイが当選した遊技では、確率約1/10でAT状態に当選する。また、強チャンス目が当選した遊技では、確率1(100%)でAT状態に当選する。また、特殊チャンス状態の各遊技では、有効ラインに正解ベルの図柄組合せが停止表示された場合、確率約1/2でAT状態に当選する。
図22は、各指示決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「1」〜「7」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルA(図22(a))と指示決定テーブルB(図22(b))とを含んでいる。指示決定テーブルAは、通常状態の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルBは、AT状態の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。図22に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
図22(a)に示すように、通常状態において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において消灯する。以上の構成によれば、通常状態では、指示表示器16により停止操作態様が指示されない。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイX1が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX1が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順(RT1状態からRT2状態へ昇格させる押順)は「左中右」である。以上の構成では、指示情報「1」が表示された遊技おいて、「左中右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「1」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「左中右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「1」を表示することで、「左中右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイX2が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「2」(以下、「指示情報「2」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX2が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「左右中」である。以上の構成では、指示情報「2」が表示された遊技において、「左右中」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「2」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「左右中」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「2」を表示することで、「左右中」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイX3または打順リプレイY2が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「3」(以下、「指示情報「3」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX3が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「中左右」である。また、打順リプレイY2が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順は「中左右」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「3」が表示された遊技では、「中左右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「3」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中左右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「3」を表示することで、「中左右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイX4または打順リプレイY3が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「04」を決定する。指示番号「04」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「4」(以下、「指示情報「4」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX4が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は「中右左」である。また、打順リプレイY3が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順は「中右左」である。以上の説明から理解される通り、指示情報「4」が表示された遊技では、「中右左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「4」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中右左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「4」を表示することで、「中右左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイX5または打順リプレイX6または打順リプレイY4または打順ベルR(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「05」を決定する。指示番号「05」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「5」(以下、「指示情報「5」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイX5または打順リプレイX6が当選した場合のRT2移行リプレイの正解押順は右第1停止である。また、打順リプレイY4が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順は右第1停止である。さらに、打順ベルRが当選した場合の正解ベルの正解押順は右第1停止である。以上の説明から理解される通り、指示情報「5」が表示された遊技では、右第1停止で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「5」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、右第1停止で停止操作する。以上の構成は、指示情報「5」を表示することで、右第1停止で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順リプレイY1または打順ベルL(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「06」を決定する。指示番号「06」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「6」(以下、「指示情報「6」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順リプレイY1が当選した場合のRT3移行リプレイの正解押順は左第1停止である。また、打順ベルLが当選した場合の正解ベルの正解押順は左第1停止である。以上の説明から理解される通り、指示情報「6」が表示された遊技では、左第1停止で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「6」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、左第1停止で停止操作する。以上の構成は、指示情報「6」を表示することで、左第1停止で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図22(b)に示すように、AT状態の各遊技において、打順ベルC(1〜4)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「07」を決定する。指示番号「07」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「7」(以下、「指示情報「7」」と記載する)を表示させる。上述した通り、打順ベルCが当選した場合の正解ベルの正解押順は中第1停止である。以上の説明から理解される通り、指示情報「7」が表示された遊技では、中第1停止で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より、有利になる。したがって、指示情報「7」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、中第1停止で停止操作する。以上の構成は、指示情報「7」を表示することで、中第1停止で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
AT状態において、打順リプレイまたは打順ベル以外が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「99」を決定し、指示表示器16は、指示情報を表示しない。また、AT状態であっても、RT0状態の遊技では、正解ベルの正解押順を指示する指示情報を表示しない。
図23は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。メインCPU301は、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において、第1コマンドと第2コマンドとを含む各種のコマンドをサブCPU412に送信する。
図23に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンドをサブCPU412に送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、RT0中リプレイが当選した場合、コマンド「A01」を送信する。さらに、メインCPU301は、打順リプレイ(X1〜X5、Y1〜Y4)が当選した場合、コマンド「A02」を送信し、RT3中リプレイが当選した場合、コマンド「A03」を送信し、BAR揃いリプレイが当選した場合、コマンド「A04」を送信し、BAR外れリプレイが当選した場合、コマンド「A05」を送信し、セブン揃いリプレイが当選した場合、コマンド「A06」を送信する。
また、メインCPU301は、青同色ボーナスが当選した場合、コマンド「A00+X」を送信し、赤同色ボーナスが当選した場合、コマンド「A01+X」を送信し、青異色ボーナスが当選した場合、コマンド「A02+X」を送信し、赤異色ボーナスが当選した場合、コマンド「A03+X」を送信し、重複ボーナスAが当選した場合、コマンド「A04+X」を送信し、重複ボーナスBが当選した場合、コマンド「A05+X」を送信する。同様に、メインCPU301は、打順ベル(L1〜L4、C1〜C4、R1〜R4)が当選した場合、メインCPU301は、コマンド「A00+Y」を送信し、共通ベルが当選した場合、コマンド「A01+Y」を送信し、スイカが当選した場合、コマンド「A02+Y」を送信し、弱チャンス目が当選した場合、コマンド「A03+Y」を送信し、強チャンス目が当選した場合、コマンド「A04+Y」を送信し、チェリーが当選した場合、コマンド「A05+Y」を送信する。また、ボーナス中ベルが当選した場合、コマンド「A00+Z」を送信し、BB中チェリーが当選した場合、コマンド「A01+Z」を送信する。
サブCPU412は、以上の第1コマンドを受信した場合、当該第1コマンドに応じて各種の演出を決定する。例えば、スイカが当選した場合のコマンド「A02+Y」が受信された場合、サブCPU412は、スイカが当選した旨を報知する演出を決定する。
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンドをサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、図23に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、通常状態の毎回の遊技で決定される。したがって、通常状態では、コマンド「B99」が毎回の遊技で送信される。また、指示番号「99」は、AT状態で打順リプレイ(X、Y)および打順ベル(L、C、R)以外の当選エリア(ハズレ等)が当選した場合に決定される。
図23に示すように、メインCPU301は、AT状態において、打順リプレイX1が当選し、指示番号「01」(左中右の順序)を決定した場合、コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、AT状態において、打順リプレイX2が当選し、指示番号「02」(左右中の順序)を決定した場合、コマンド「B02」を送信し、打順リプレイX3または打順リプレイY2が当選し、指示番号「03」(中左右の順序)を決定した場合、コマンド「B03」を送信し、打順リプレイX4または打順リプレイY3が当選し、指示番号「04」(中右左の順序)を決定した場合、コマンド「B04」を送信する。さらに、打順リプレイX5または打順リプレイX6または打順リプレイY4または打順ベルR(1〜4)が当選し、指示番号「05」(右第1停止)を決定した場合、コマンド「B05」を送信し、打順リプレイY1または打順ベルL(1〜4)が当選し、指示番号「06」(左第1停止)を決定した場合、コマンド「B06」を送信し、打順ベルC(1〜4)が当選し、指示番号「07」(左第1停止)を決定した場合、コマンド「B07」を送信する。
以上の第2コマンドがサブCPU412で受信された場合、サブCPU412は、当該第2コマンドで特定される指示番号の停止操作順序を指示する指示演出を決定する。上述した通り、通常状態で送信される第2コマンドは、コマンド「B99」(指示なし)のみである。したがって、通常状態では、原則、指示演出は実行されない。ただし、出玉率に影響しない(影響が小さい)停止操作順序を指示する演出が実行される場合がある。
図24は、上乗せ決定テーブルの概念図である。AT状態の各遊技では、当該遊技の当選エリアに応じて、上乗せ遊技回数が決定される。上乗せ遊技回数が決定された場合、当該上乗せ遊技回数に応じた数値がATカウンタに加算される。すなわち、上乗せ遊技回数が決定された場合、AT状態が終了するまでの遊技回数が延長される。本実施形態では、上乗せ遊技回数として、「0回」「10回」「30回」「50回」「100回」または「300回」が決定され得る。ただし、上乗せ遊技回数の種類は、上述の例に限定されない。
図24に示す通り、上乗せ決定テーブルは、各上乗せ遊技回数(0、10、30、50、100、300)の各抽選値Vz(1〜14)を含んで構成される(Vz>0)。各抽選値Vzは、当選エリア毎に設けられ、AT状態の各遊技では、当該遊技の当選エリアに応じた各抽選値が乱数値R3に順次に減算される。例えば、AT状態において、チェリーが当選した場合、上乗せ遊技回数「0」の抽選値Vz1から上乗せ遊技回数「300」の抽選値Vz6の順に、乱数値R3に減算され、減算結果が負数になった上乗せ遊技回数が決定される。
図24に示す通り、異色ボーナス(青異色ボーナス、赤異色ボーナス)が当選した場合、「10回」以上の上乗せ遊技回数の何れかが決定され、「0回」の上乗せ遊技回数は決定されない。また、同色ボーナス(青同色ボーナス、赤同色ボーナス)が当選した場合、「50回」以上の上乗せ遊技回数の何れかが決定され、「0回」から「30回」の上乗せ遊技回数は決定されない。さらに、ボーナス役が当選する他の当選エリア(例えば重複ボーナスAまたは重複ボーナスB)が当選した場合であって、異色ボーナス役(青異色ボーナス役、赤異色ボーナス役)が当選した場合、「10回」以上の上乗せ遊技回数の何れかが決定され、同色ボーナス役(青同色ボーナス役、赤同色ボーナス役)が当選した場合、「50回」以上の上乗せ遊技回数の何れかが決定される。すなわち、AT状態において、ボーナス役が当選した場合、数値「10」以上の上乗せ遊技回数がATカウンタに加算されるとも換言される。
ただし、異色ボーナス役が当選した場合、上乗せ回数として「10回」が最も高い確率で決定されるように、上乗せ決定テーブルは構成される。以上の構成では、異色ボーナス役の当選時において、異色ボーナス役が当選した場合に決定され得る各上乗せ遊技回数(10、30、50、100、300)のうち最も利益が小さい上乗せ遊技回数が最も高い確率で決定される。また、同色ボーナス役が当選した場合、上乗せ回数として「50回」が最も高い確率で決定されるように、上乗せ決定テーブルは構成される。以上の構成では、同色ボーナス役の当選時において、同色ボーナス役が当選した場合に決定され得る各上乗せ遊技回数(50、100、300)のうち最も利益が小さい上乗せ遊技回数が最も高い確率で決定される。
上述した通り、通常状態では、ボーナス役が当選した場合、当該ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されることで、チャンス状態に移行するか否かが抽選により決定される。すなわち、通常状態でボーナス役が当選した場合、抽選の結果に応じて、特典が付与される場合と付与されない場合とがある。一方、通常状態より有利なAT状態では、ボーナス役が当選した場合、数値「10」以上の上乗せ遊技回数が決定され、AT状態が延長される。すなわち、AT状態でボーナス役が当選した場合、抽選によらず特典(10回以上の上乗せ遊技回数)が付与される。
仮に、AT状態において、通常状態と同様に、ボーナス役が当選した場合であっても、抽選の結果によっては、特典が付与されない構成を想定する。以上の構成では、遊技者によっては、不利な通常状態と同様に、ボーナス役が当選したにも拘らず特典が付与されない場合、せっかくのAT状態が興ざめる(遊技意欲が低下する)不都合が生じ得る。本実施形態では、AT状態でボーナス役が当選した場合、抽選によらず特典が付与されるため、上述した不都合が抑制されるという利点がある。
また、上述した通り、AT状態(RT3状態)でボーナス役が当選し、その後、ボーナス作動状態が終了した場合、RT0状態に移行する。また、RT0状態に移行した後に、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示された場合、RT1状態に移行する。RT1状態に移行した場合、その後、RT3状態に復帰するための停止操作順序が指示され、RT3状態に復帰可能になる。RT0状態およびRT1状態のリプレイの当選確率は、RT3状態より低い。すなわち、AT状態でボーナス役に当選した場合、RT3状態より不利なRT0状態およびRT1状態に移行することになる。
以上の場合、RT3状態に復帰するまでのRT0状態およびRT1状態の遊技回数によっては、ボーナス作動状態で得たメダル枚数(48枚)より多いメダル枚数を賭け枚数として消費してしまう不都合が生じ得る。本実施形態では、上述した通り、AT状態でボーナス役に当選した場合、数値「10」以上の上乗せ遊技回数が決定されるため、仮に、ボーナス状態が終了してからRT3状態に復帰するまでに不利益が生じた場合であっても、当該不利益が補填される。したがって、上述した不都合が抑制される。
ところで、AT状態でボーナス役が当選した場合に、数値「0」より大きい上乗せ遊技回数(特典)が付与される構成では、上乗せ遊技回数の大きさによっては、過剰な利益が遊技者に付与されるという新たな不都合が生じ得る。そこで、本実施形態では、上述した様に、AT状態でボーナス役が当選した場合に決定され得る上乗せ遊技回数のうち最も小さい上乗せ遊技回数(異色ボーナス役では数値「10」、同色ボーナス役では数値「50」)が最も高い確率で付与される構成とした。以上の構成によれば、過剰な利益が遊技者に付与される不都合が抑制される。
メインRAM303には、有効ラインへの停止が許可された図柄の組合せを示す表示許可ビット格納領域、設定表示部36に表示される数値が格納される表示設定値格納領域、設定値が格納される設定値格納領域、乱数値R1が格納される乱数値R1格納領域、乱数値R2が格納される乱数値R2格納領域、乱数値R3が格納される乱数値R3格納領域、サブ制御基板400に送信するコマンドを格納するコマンド格納領域、各種のランプの表示態様を示すデータを格納するランプ関連データ格納領域、当選エリアを格納する当選エリア格納領域、停止操作がされていない停止ボタン25の個数を示す未停止操作カウンタ、各停止ボタン25の操作順序を格納する停止順序格納領域を含む格納領域が設けられている。
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、図25に示す指示演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
図25は、指示演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンドを受信した場合、各指示演出の何れかを指示演出決定テーブルにより決定する。指示演出を決定した場合、サブCPU412は、当該指示演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。画像制御CPU421は、指示演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該指示演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が第2コマンドを受信した場合、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。また、各指示演出は、遊技の開始操作がされてから各リール12の停止操作が可能になるまでの期間において実行される。
具体的には、サブCPU412は、第2コマンドとしてコマンド「B01」〜「B07」の何れかを受信した場合、指示演出決定テーブルにより指示演出を決定する。例えば、第1コマンド「A02」が受信された遊技(打順リプレイの当選遊技)において、第2コマンド「B01」が受信された場合、指示演出A1が決定される。指示演出A1では、液晶表示装置30等により、「左中右」の停止操作順序が報知される。また、第1コマンド「A02」が受信された遊技において、第2コマンド「B02」が受信された場合、指示演出A2が決定され、第2コマンド「B03」が受信された場合、指示演出A3が決定され、第2コマンド「B04」が受信された場合、指示演出A4が決定され、第2コマンド「B05」が受信された場合、指示演出A5が決定される。指示演出A2では、「左右中」の停止順序が報知され、指示演出A3では、「中左右」の停止順序が報知され、指示演出A4では、「中右左」の停止順序が報知され、指示演出A5では、右第1停止の停止順序が報知される。また、各指示演出Aでは、打順リプレイが当選した旨が報知される。以上の各指示演出A(1〜5)では、RT2移行リプレイまたはRT3移行リプレイの正解押順が報知される。
第1コマンド「A00+Y」が受信された遊技(打順ベルの当選遊技)において、第2コマンド「B06」が受信された場合、指示演出B1が決定される。指示演出B1では、液晶表示装置30等により、左第1停止の停止操作順序が報知される。また、第1コマンド「A00+Y」が受信された遊技において、第2コマンド「B07」が受信された場合、指示演出B2が決定され、第2コマンド「B05」が受信された場合、指示演出B3が決定される。指示演出B2では、中第1停止の停止順序が報知され、指示演出B3では、右第1停止の停止順序が報知される。また、各指示演出Bでは、打順ベルが当選した旨が報知される。以上の各指示演出B(1〜3)では、正解ベルの正解押順が報知される。
サブRAM414は、サブCPU412が各処理を実行することで生成および更新される各データを格納する各記憶領域を具備する。
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。図26は、メインCPU301の起動処理のフローチャートである。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。
起動処理を開始すると、メインCPU301は、起動時初期化処理(S1)を実行する。起動時初期化処理により、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。なお、メインCPU301は、起動時初期化処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。
起動時初期化処理の後に、メインCPU301は、設定スイッチがON状態であるか否かを判定する(S2)。設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられた鍵穴に設定キーを挿入して回転した場合にON状態になる。メインCPU301は、設定スイッチがON状態であると判断した場合(S2:YES)、メインRAM303のコマンド格納領域に設定変更開始コマンドを設定し(S3)、設定変更処理に移行する。
一方で、設定スイッチがON状態ではないと判断した場合(S2:NO)、メインCPU301は、メインRAM303にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する(S4)。本実施形態においては、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を下回った場合(電源が遮断された場合)に、メインCPU301は、メインRAM303が記憶する各データをバックアップし、メインRAM303にバックアップフラグを記憶させる。したがって、電源が遮断される際に正常にバックアップが実行されていれば、バックアップフラグがメインRAM303に記憶される。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていると判断した場合(S4:YES)、メインRAM303が記憶するデータのチェックサムを算出する(S5)。本実施形態においては、電源が遮断された場合においても、起動処理のステップS4と同様に、メインRAM303のチェックサムが算出されて記憶されている。
メインCPU301は、ステップS4で算出したチェックサム(電源投入時のチェックサム)と電源の遮断時に算出したチェックサムとが一致するか否かを判定する(S6)。電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化していない場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致する。一方で、電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化(劣化)した場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致しない。
メインCPU301は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致すると判断した場合(S6:YES)、メインRAM303が記憶する各データに基づいて、電源が遮断された時点(バックアップが実行された時点)の状態に各レジスタを復帰させる(S7)。各レジスタの状態を復帰すると、メイン制御基板300は、電源が遮断された時点の状態になる。メインCPU301は、各レジスタの状態(メイン制御基板300の状態)を復帰させると、電源が遮断された時点のステップから処理を再開する。なお、メインCPU301は、メイン制御基板300の状態を復帰させる場合、遊技機1の演出の状態を復帰させるのに必要な各種の情報をサブ制御基板400に送信する。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていないと判断した場合(S4:NO)、または、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致しないと判断した場合(S6:NO)、メインRAM303の異常を示すメインRAM異常フラグを設定する(S8)。すなわち、バックアップが実行できなかった場合、または、電源が遮断されている期間にメインRAM303のデータが変化した場合、メインRAM異常フラグが設定される。メインRAM異常フラグが設定される期間において、メインCPU301は、例えばメイン表示器MLを用いてメインRAMの異常を報知する。メインRAM異常フラグは、例えば、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
メインRAM異常フラグを設定した後に、メインCPU301は、RAMエラー処理に移行する。RAMエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。なお、RAMエラー処理において、メインCPU301は、メインRAM303の異常を報知させるコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。
図27は、設定変更処理のフローチャートである。設定変更処理を開始すると、メインCPU301は、前面扉3が開放されているか否かを判定する(S11)。例えば、前面扉3が閉じている場合にOFF信号を出力し、前面扉3が開放されている場合にON信号を出力するドアセンサを設け、ドアセンサからの信号に応じて前面扉3が開放されているか否かをメインCPU301が判定する構成が採用され得る。上述した通り、設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられているため、設定変更処理は、前面扉3が開放されている期間に実行されるのが通常である。したがって、前面扉3が閉じた状態で設定変更処理が開始された場合としては、不正行為により設定スイッチおよび電源スイッチ511SWのON信号が入力された場合が想定される。
以上の事情を考慮して、前面扉3が開放されていないと判断した場合(S11:NO)、メインCPU301は、設定スイッチ異常フラグをON状態に設定し(S12)、設定スイッチエラー処理に移行する。設定スイッチエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。また、設定スイッチエラー処理において、メインCPU301は、設定スイッチの異常を報知させるエラーコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。設定スイッチ異常フラグは、起動処理が再度開始され、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
他方で、前面扉3が開放されていると判断した場合(S11:YES)、メインCPU301は、設定値を示す数値を設定表示部36に表示する(S13)。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納さている数値を設定表示部36に表示する。
その後、メインCPU301は、設定変更ボタン37が操作されたか否かを判定する(S14)。具体的には、メインCPU301は、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されているか否かを判定する。設定変更ボタン37が操作されたと判断した場合(S14:YES)、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納された数値をインクリメントして(S15)、ステップS16に処理を移行する。他方で、設定変更ボタン37が操作されていないと判断した場合(S14:NO)、メインCPU301は、表示設定値格納領域の数値をインクリメントしないでステップS16に処理を移行する。
ステップS16において、メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、スタートスイッチ24SWのON信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたと判断するまで、ステップS13からステップS15までの処理を繰り返す(S16:NO)。以上の説明から理解される通り、設定変更ボタン37が操作されて表示設定値格納領域の数値がステップS15で加算される毎に、ステップS13で設定表示部36に表示される数値が加算される。
一方で、スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S16:YES)、メインCPU301は、設定表示部36に表示されている数値を設定値として決定する(S17)。具体的には、メインCPU301は、表示設定値格納領域に格納されている数値を、メインRAM303の設定値格納領域に格納する。また、メインCPU301は、設定値を示す設定値コマンドをコマンド格納領域に格納する(S18)。メインCPU301は、設定値コマンドを格納した後に、設定値変更処理を終了して遊技制御処理に移行する。なお、起動処理または設定変更処理の期間において、他の処理の割込みが禁止され、遊技制御処理に移行した場合、その後、割込みが許可される。
図28は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が1回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンド(例えば後述の開始操作コマンド)は、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、1回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、メインRAM303の設定値格納領域に格納されている設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値格納領域に格納されている設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。例えば、設定値格納領域に格納された設定値が、ノイズにより変更された場合、設定値エラー処理が実行される。設定値エラー処理において、メインCPU301は、遊技制御処理を中止(遊技の進行を禁止)する。設定値エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定された場合、遊技が可能な状態に復帰する。
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、回胴演出決定処理等で用いられる。乱数値R3は、AT決定処理で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納し、乱数値R3をメインRAM303の乱数値R3格納領域に格納する。
メインCPU301は、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3をメインRAM303に格納した後に、抽選実行処理(S106)に移行する。抽選実行処理は、当選エリアを乱数値R1により決定するための内部抽選処理、AT状態への移行を乱数値R3により決定するためのAT決定処理、および、回胴演出を乱数値R2により決定するための回胴演出決定処理を含む各処理で構成される。また、抽選実行処理は、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
メインCPU301は、抽選実行処理を実行した後に、ウェイト処理(S107)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S108)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S109)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S110)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役に係る図柄組合せが停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、停止後処理(S111)を実行する。停止後処理において、メインCPU301は、遊技状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、有効ラインに停止表示したRT移行図柄に応じてRT状態を移行する。また、メインCPU301は、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止表示した場合、ボーナス作動状態に移行し、払出されたメダル枚数に応じてボーナス作動状態を終了させる。さらに、メインCPU301は、停止後処理により演出状態を移行させる。メインCPU301は、停止後処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
図29は、初期設定処理のフローチャートである。初期設定処理において、メインCPU301は、メインRAM303の格納領域のうち1回の遊技に必要な情報を格納する格納領域を初期化する(S101−1)。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
メインRAM303を初期化した後に、メインCPU301は、補助貯留部530が満タンであるか否かを判定する(S101−2)。具体的には、メインCPU301は、満タンセンサ530SEからのON信号が入力されているか否かを判定する。補助貯留部530が満タンであると判断した場合(S101−2:YES)、メインCPU301は、満タンエラーコマンドを設定し(S101−3)、満タンエラー処理に移行する。
満タンエラー処理において、メインCPU301は、指示表示器16を用いて満タンエラーを報知する。例えば、満タンエラー処理を実行する期間において、メインCPU301は、指示表示器16に「HF」(ホッパーフル)という文字を表示させる。なお、満タンエラーを他の表示器(例えば貯留枚数表示器17)で報知する構成としてもよい。メインCPU301は、補助貯留部530が満タンではないと判断した場合(S101−2:NO)、遊技開始前処理を終了して自動投入処理に移行する。
図30は、自動投入処理のフローチャートである。メインCPU301は、自動投入処理を開始すると、前回の遊技で有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃っているか否かを判定する(S102−1)。具体的には、メインCPU301は、再遊技作動中フラグが設定されているか否かを判定する。再遊技作動中フラグは、前回の遊技制御処理の表示判定処理で設定される。前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていない場合(S102−1:NO)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。
一方で、前回の遊技でリプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃っていると判断した場合(S102−1:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に投入コマンドを格納する(S102−2)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S102−3)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。投入間隔タイマをセットすると、メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S102−4)。メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断するまでステップS102−4を繰り返す(S102−4:NO)。
投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S102−4:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S102−5)。賭数カウンタは、今回の遊技の賭けメダルの枚数を示す。また、メインCPU301は、賭数カウンタの値に応じて、BETランプ14(14a、14b、14c)の表示の態様を示すBETランプ表示データを生成する(S102−6)。具体的には、賭数カウンタが数値「1」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aを点灯させるBETランプ表示データを生成する。同様に、賭数カウンタが数値「2」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bを点灯させるBETランプ表示データを生成し、賭数カウンタが数値「3」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cを点灯させるBETランプ表示データを生成する。BETランプ表示データは、メインRAM303のランプ関連データ格納領域に格納される。
メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したか否かを判定する(S102−7)。メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断するまで、ステップS102−2からステップS102−6までの処理を繰り返す(S102−7:NO)。他方で、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断した場合(S102−7:YES)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。以上の説明から理解されるとおり、前回の遊技の結果、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに揃った場合は、前回の遊技の賭けメダルと同じの賭けメダルが今回の遊技で設定される。
図31は、遊技開始前処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技開始前処理を開始すると、メインRAM303の遊技状態格納領域の遊技状態フラグを参照して規定枚数を設定する(S103−1)。本実施形態においては、何れの遊技であっても、規定枚数は数値「3」に設定される。
遊技状態に応じた規定枚数を設定した後に、メインCPU301は、投入メダル受付処理に移行する(S103−2)。投入メダル受付処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付ける。また、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付けた場合、賭数カウンタまたはクレジット数を加算する。
メインCPU301は、投入メダル受付処理を実行した後に、BET操作受付処理(S103−3)に移行する。メインCPU301は、BET操作受付処理において、遊技者の1BETボタン21の操作またはMAX−BETボタン22の操作を受け付ける。
メインCPU301は、BET操作受付処理を実行した後に、精算操作受付処理(S103−4)に移行する。メインCPU301は、精算操作受付処理において、遊技者の精算ボタン23の操作を受付ける。
メインCPU301は、精算操作受付処理を実行した後に、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−5)。上述した、ステップS102の自動投入処理、ステップS103−2の投入メダル受付処理またはステップS103−3のBET操作受付処理において、賭数カウンタが規定枚数まで加算された場合、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であると判断し(S103−5:YES)、ステップS103−6に処理を移行する。一方で、賭数カウンタが規定枚数に達していない場合(S103−5:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−4までの各ステップを繰り返し実行する。
ステップS103−6において、メインCPU301は、遊技者によりスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S103−6:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に開始操作コマンドを格納する(S103−7)。開始操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、遊技開始前処理を終了して設定値確認処理(S104)に移行する。一方で、スタートレバーが操作されていないと判断した場合(S103−6:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−5までの各ステップを繰り返し実行する。
図32は、投入メダル受付処理のフローチャートである。投入メダル受付処理を開始すると、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であるか否かを判定する(S103−2−1)。投入不可フラグは、賭数カウンタが上限値であり、且つ、クレジット数が上限値である場合に、後述のS103−2−8でON状態に設定される。メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であると判定した場合(S103−2−1:YES)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態ではないと判定した場合(S103−2−1:NO)、メダル投入部8からメダルが投入されたか否かを判定する(S103−2−2)。
具体的には、上述したように、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダルセンサ34SEからの信号により検知される。本実施形態においては、メインCPU301は、周期的に実行される割込処理の入力ポート読込処理で、メダルセンサ34SEからの信号を読込み、メダルセンサ34SEからの信号に応じて、メインRAM303のメダル検知フラグをON状態に設定する。メインCPU301は、ステップS103−2−2において、メダル検知フラグがON状態であるか否かを判定する。
メインCPU301は、メダル投入部8からメダルが投入されたと判断した場合(S103−2−2:YES)、メダルが投入されたことを示す投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−2−3)。
投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−2−4)。賭数カウンタが規定枚数ではないと判断した場合(S103−2−4:NO)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算し(S103−2−5)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数であると判断した場合(S103−2−4:YES)、メインCPU301は、クレジット数に数値「1」を加算する(S103−2−6)。
メインCPU301は、クレジット数を加算した後に、クレジット数が上限である数値「50」に一致するか否かを判定する(S103−2−7)。クレジット数が数値「50」であると判断した場合(S103−2−7:YES)、メインCPU301は、メダル投入不可フラグをON状態に設定し(S103−2−8)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、クレジット数が数値「50」ではないと判断した場合(S103−2−7:NO)、メダル投入不可フラグをON状態に設定することなく、投入メダル受付処理を終了する。なお、メダル投入不可フラグがON状態に設定される期間において、メインCPU301は、メダル投入部8から投入されたメダルが、遊技機1の外部に導かれる状態にセレクター34を制御する。したがって、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダル投入不可フラグがON状態の期間において、遊技機1の外部(受皿ユニット7)に排出される。
図33は、BET操作受付処理のフローチャートである。BET操作受付処理において、メインCPU301は、クレジット数が数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−1)。クレジット数が数値「0」である場合(S103−3−1:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
クレジット数が「0」ではないと判断した場合(S103−3−1:NO)、メインCPU301は、1BETボタン21が操作されたか否かを判定する(S103−3−2)。1BETボタン21が操作されたと判断した場合(S103−3−2:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「1」をセットする(S103−3−3)。他方で、1BETボタン21が操作されていないと判断した場合(S103−3−2:NO)、メインCPU301は、MAX−BETボタン22が操作されたか否かを判定する(S103−3−4)。MAX−BETボタン22が操作されたと判断した場合(S103−3−4:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「3」をセットする(S103−3−5)。MAX−BETボタン22が操作されていないと判断した場合(S103−3−4:NO)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
ステップS103−3−3またはステップS103−3−5において、投入要求カウンタに所定の数値(数値「1」または数値「3」)がセットされた場合、メインCPU301は、投入要求カウンタから数値「1」を減算する(S103−3−6)。投入要求カウンタを「1」減算すると、メインCPU301は、クレジットカウンタから数値「1」を減算し(S103−3−7)、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S103−3−8)。
賭数カウンタに数値「1」を加算した後に、メインCPU301は、投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−3−9)。投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、投入間隔タイマをセットする(S103−3−10)。投入間隔タイマは、サブ制御基板400に投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。なお、BET操作受付処理(S103−3−10)の投入間隔タイマは、上述した自動投入処理においても用いられる。BET操作受付処理(MAX-BETボタン操作時)および自動投入処理においては、投入コマンドが連続して出力され、投入音が連続して再生される。本実施形態においては、投入間隔タイマが設けられるため、各投入コマンドが送信される時間間隔が所定の時間長以上に確保され、各投入音が出力される期間が所定の時間長以上になる。以上の構成によれば、例えば、今回の投入音の出力を開始した直後に次回の投入音が出力され(今回の投入音が極端に短くなり)、今回の投入音が遊技者に感知されないという不具合が抑制される。投入間隔タイマは、例えば、約0.5秒でタイムアップする。
メインCPU301は、投入間隔タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S103−3−11)。投入間隔タイマがタイムアップするまでステップS103−3−11を繰り返し(S103−3−11:NO)、投入間隔タイマがタイムアップしたと判断した場合(S103−3−11:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致するか否かを判定する(S103−3−12)。メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致すると判断した場合(S103−3−12:YES)、BET操作受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数と一致しないと判断した場合(S103−3−12:NO)、メインCPU301は、投入要求カウンタが数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−13)。投入要求カウンタが数値「0」であると判断した場合(S103−3−13:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。一方で、投入要求カウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−13:NO)、メインCPU301は、クレジット数が「0」であるか否かを判定する(S103−3−14)。メインCPU301は、クレジット数が「0」であると判断した場合(S103−3−14:YES)、BET操作受付処理を終了し、クレジットカウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−14:NO)、ステップS103−3−6に処理を戻す。
以上の説明から理解されるとおり、メインCPU301は、MAX−BETボタン22の操作を受け付けた場合、賭数カウンタが規定枚数に到達するか、クレジット数がなくなるまで賭数カウンタが加算される。
図34は、精算操作受付処理のフローチャートである。精算操作受付処理において、メインCPU301は、精算ボタン23が遊技者に操作されたか否かを判定する(S103−4−1)。精算ボタン23が操作されたと判定した場合(S103−4−1:YES)、メインCPU301は、払出要求カウンタに精算メダルを設定する(S103−4−2)。精算メダルは、精算ボタン23が操作された時点における、賭数カウンタとクレジット数との合計である。ただし、自動投入により賭数カウンタが加算された場合(前回の遊技でリプレイが停止した場合)、メインCPU301は、クレジット数のみを払出要求カウンタに設定する。以上の構成では、自動投入により設定された賭けメダルの精算が禁止される。精算メダルを払出要求カウンタに設定した後に、メインCPU301は、精算ボタン23の操作を示す精算操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S103−4−3)、メダル投入不可フラグをOFF状態に設定する(S103−4−4)。
精算ボタン23が操作されていないと判定した場合(S103−4−1:NO)、メインCPU301は、精算操作受付処理を終了する。なお、詳細には後述するが、ホッパー駆動処理においては、払出要求カウンタの枚数のメダルがホッパー520からメダル払出口9を介して受皿ユニット7に排出される。
図35は、抽選実行処理のフローチャートである。メインCPU301は、抽選実行処理を開始すると、内部抽選処理(S106−1)を実行する。内部抽選処理において、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアを乱数値R1から決定する。内部抽選処理を実行した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理(S106−2)に移行する。回胴演出決定処理において、メインCPU301は、今回の遊技の回胴演出を乱数値R2から決定する。回胴演出決定処理を実行した後に、メインCPU301は、CZ関連抽選処理(S106−3)に移行する。
CZ関連抽選処理において、メインCPU301は、例えば、上述した攻撃ポイント決定処理と攻撃ポイント昇格処理とを含む各種の処理を実行する。攻撃ポイント決定処理では、通常チャンス状態の各遊技に対応する各攻撃ポイントが決定される。また、攻撃ポイント昇格処理は、通常チャンス状態に移行する以前の導入演出の各遊技で実行され、予め決定された各攻撃ポイントを昇格させるか否かが抽選で決定される。攻撃ポイント制御処理を実行した後に、メインCPU301は、上乗せ決定処理(S106−4)に移行する。
上乗せ決定処理において、メインCPU301は、AT状態の各遊技における上乗せ遊技回数を決定する。具体的には、メインCPU301は、AT状態の各遊技において、当該遊技の当選エリアに応じた抽選値を上乗せ決定テーブル(図24参照)から選択し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。また、メインCPU301は、抽選値を乱数値R3に減算した結果が負数になった上乗せ遊技回数に応じた数値をATカウンタに加算する。上乗せ決定処理を実行した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理(S106−5)に移行する。
図36は、内部抽選処理のフローチャートである。メインCPU301は、内部抽選処理を開始すると、遊技状態に応じて当選エリア抽選テーブルを設定する(S106−1−1)。例えば、メインCPU301は、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されたRT状態の種別を示すRTフラグに応じて、当選エリア抽選テーブルを設定する。
内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1格納領域に格納した乱数値R1を取得する(S106−1−2)。乱数値R1は、ステップ105において乱数値R1格納領域に格納される。また、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を初期値である数値「01」に設定する(S106−1−3)。当選エリアオフセット値は、各当選エリアを指定する。また、当選エリアオフセット値は、順次に更新され、更新される毎に異なる当選エリアを指定する。メインCPU301は、当選エリアオフセット値が指定する当選エリアの抽選値を取得する(S106−1−4)。
メインCPU301は、ステップS106−1−1で取得した乱数値R1からステップS106−1−4で取得した抽選値を減算する(S106−1−5)。また、メインCPU301は、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数であるか否かを判定する(S106−1−6)。
メインCPU301は、減算結果が負数ではないと判断した場合(S106−1−6:NO)、当選エリアオフセット値で全ての当選エリアを指定したか否かを判定する(S106−1−7)。全ての当選エリアが指定済みでない場合(S106−1−7:NO)、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を更新(数値「1」を加算)して(S106−1−8)、ステップS106−1−4に処理を戻す。ステップS106−4では、更新された当選エリアオフセット値で指定される当選エリアの抽選値が取得され、ステップS106−1−5では、当該抽選値を前回の減算結果に減算する。ステップS106−1−4からステップS106−1−8までの処理は、演算結果が負数であると判断(S106−1−6:YES)されるか全ての当選エリアが指定されるまで(S106−1−7:YES)繰り返される。
演算結果が負数であると判断した場合または全ての当選エリアが指定された場合、メインCPU301は、データ格納処理(S106−1−9)を実行する。具体的には、メインCPU301は、現在の当選エリアオフセット値をメインRAM303の当選エリア格納領域に格納する。例えば、減算結果が負数になった当選エリアオフセット値が「12」の場合は、数値「12」が当選エリア格納領域に格納される。また、メインCPU301は、データ格納処理において、当選エリアに応じた第1コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する。なお、メインCPU301は、後述する割込み処理のコマンド送信処理において、コマンド格納領域に格納された第1コマンドをサブ制御基板400に送信する。
図37は、回胴演出決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出決定処理を開始すると、回胴演出の決定に用いる各種の情報を取得する(S106−2−1)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の演出状態と当選エリアと乱数値R2とを含む各種の情報を取得する。その後、メインCPU301は、演出状態が通常状態であるか否かを判定する(S106−2−2)。
演出状態が通常状態であると判断した場合(S106−2−2:YES)、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルAにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−3)。具体的には、メインCPU301は、今回の遊技の当選エリアに応じた各抽選値を回胴演出毎に回胴演出決定テーブルAから取得し、当該各抽選値を順次に乱数値R2に減算する。例えば、メインCPU301は、「演出なし」、回胴演出A、回胴演出B、回胴演出C、回胴演出Dの順序で各回胴演出の抽選値を乱数値R2に減算する。メインCPU301は、抽選値を乱数値R2に減算した結果が負数になるまで繰り返し、抽選値を減算した結果が負数になった回胴演出を決定する。
演出状態が通常状態ではないと判断した場合(S106−2−2:NO)、すなわち、AT状態の場合、メインCPU301は、回胴演出決定テーブルBにより、今回の遊技の回胴演出を決定する(S106−2−4)。ステップS106−2−3またはステップS106−2−4において、回胴演出を決定した後に、メインCPU301は、当該回胴演出を示す演出種別コマンドをコマンド格納領域に格納する(S106−2−5)。
演出種別コマンドを格納した後に、メインCPU301は、回胴演出の回胴演出番号を回胴演出番号格納領域に格納する(S106−2−6)。具体的には、「演出なし」の場合、回胴演出番号格納領域に数値「0」が格納される。また、回胴演出Aの場合、回胴演出番号格納領域に数値「1」が格納され、回胴演出Bの場合、数値「2」が格納され、回胴演出Cの場合、数値「3」が格納され、回胴演出Dの場合、数値「4」が格納される。回胴演出番号を格納した後に、メインCPU301は、回胴演出決定処理を終了する。
図38は、CZ関連抽選処理のフローチャートである。CZ関連抽選処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技が通常チャンス状態の導入演出の開始遊技であるか否かを判定する(S106−3−1)。導入演出の開始遊技であると判断した場合(S106−3−1:YES)、メインCPU301は、攻撃ポイント決定処理(S106−3−2)を実行する。また、メインCPU301は、攻撃ポイント決定処理で決定した攻撃ポイントを攻撃ポイント格納領域R1または各配列ポイント格納領域R2に格納する(S106−3−3)。上述した通り、導入演出が開始された場合、メインCPU301は、通常チャンス状態の1回目の遊技から7回目の遊技までの攻撃ポイントを予め決定する(図18(b−1)参照)。メインCPU301は、攻撃ポイントを格納した後に、攻撃ポイント格納領域R1および配列ポイント格納領域R2−1から配列ポイント格納領域R2−6の7個の各領域に攻撃ポイントが格納されたか否かを判定する(S106−3−4)。
攻撃ポイントが上述の7個の領域に格納されていないと判断した場合(S106−3−4:NO)、メインCPU301は、攻撃ポイント決定処理を含むステップS106−3−2からステップS106−3−4までの処理を繰り返す。具体的には、ステップS106−3−3では、攻撃ポイント格納領域R1、配列ポイント格納領域R2−1、配列ポイント格納領域R2−2、配列ポイント格納領域R2−3、配列ポイント格納領域R2−4、配列ポイント格納領域R2−5、配列ポイント格納領域R2−6の順に攻撃ポイントが格納される。
具体的には、メインCPU301は、1回目および2回目の攻撃ポイント決定処理では、攻撃ポイント決定テーブルX(図18(a−1)参照)を用いて、攻撃ポイントを決定する。一方、2回目以降の攻撃ポイント決定処理では、直近の2個の攻撃ポイントの双方がポイント「10」の場合、攻撃ポイント決定テーブルY(図18(a−2)参照)を用いて、攻撃ポイントを決定する。攻撃ポイント決定テーブルYを用いた場合、ポイント「10」(ポイントの最低値)が決定されないため、以上の構成では、連続する3回以上の遊技に亘り、攻撃ポイントがポイント「10」とならない。攻撃ポイントが配列ポイント格納領域R2−6まで格納されたと判断した場合(S106−3−4:YES)、メインCPU301は、ステップS106−3−5に移行する。
上述のステップS106−3−1において、今回の遊技が導入演出の開始遊技ではないと判断した場合(S106−3−1:NO)、メインCPU301は、導入演出の遊技であるか否かを判定する(S106−3−5)。導入演出の遊技であると判断した場合(S106−3−5:YES)、メインCPU301は、上述の攻撃ポイント昇格テーブル(図19(a)参照)を用いて、各領域の各攻撃ポイントを昇格するか否かを決定する。攻撃ポイント昇格処理の後に、メインCPU301は、当該攻撃ポイント昇格処理の結果に応じて、攻撃ポイント格納領域R1および配列ポイント格納領域R2(1〜6)の各攻撃ポイントを更新する(S106−3−7)。
今回の遊技が導入演出ではないと判断した場合(S106−3−5:NO)、メインCPU301は、今回の遊技が通常チャンス状態であるか否かを判定する(S106−3−8)。通常チャンス状態であると判断した場合(S106−3−8:YES)、メインCPU301は、攻撃ポイント決定処理(S106−3−9)を実行する。また、メインCPU301は、当該攻撃ポイント決定処理で決定した攻撃ポイントを配列ポイント格納領域R2−7に格納する(S106−3−10)。具体的には、ステップS106−3−9の攻撃ポイント決定処理では、上述のステップS106−3−3の攻撃ポイント決定処理と同様に、原則、攻撃ポイント決定テーブルXで攻撃ポイントが決定される。また、直近の2個の攻撃ポイントの双方がポイント「10」の場合、攻撃ポイント決定テーブルYを用いて攻撃ポイントが決定される。
攻撃ポイントを格納した後に、メインCPU301は、特殊攻撃決定処理(S106−3−11)に移行する。特殊攻撃決定処理では、上述した特殊攻撃決定テーブル(図20参照)を用いて、「2倍攻撃」または「確定攻撃」を決定する。
今回の遊技が通常チャンス状態ではないと判断した場合(S106−3−8:NO)、メインCPU301は、今回の遊技が特殊チャンス状態であるか否かを判定する(S106−3−12)。特殊チャンス状態ではないと判断した場合(S106−3−12:NO)、メインCPU301は、CZ関連抽選処理を終了する。
一方、今回の遊技が特殊チャンス状態であると判断した場合(S106−3−12:YES)、メインCPU301は、AT決定処理(S106−3−13)に移行する。AT決定処理では、今回の当選エリアに応じた確率で、AT状態に移行するか否かが決定される。AT決定処理の後に、メインCPU301は、当該AT決定処理でAT状態への移行を決定したか否かを判定する(S106−3−14)。AT状態への移行が決定されなかったと判断した場合(S106−3−14:NO)、メインCPU301は、CZ関連抽選処理を終了する。一方、AT状態への移行が決定されたと判断した場合(S106−3−14:YES)、メインCPU301は、ATセットカウンタを加算し(S106−3−15)、その後、CZ関連抽選処理を終了する。
図39は、指示番号決定処理のフローチャートである。メインCPU301は、指示番号決定処理を開始すると、現在の演出状態を取得する(S106−4−1)。演出状態を取得した後に、メインCPU301は、演出状態が通常状態であるか否かを判定する(SS106−4−2)。演出状態が通常状態であると判断した場合(S106−4−2:YES)、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルAを用いて決定する(S106−4−3)。上述した通り、通常状態では、全ての当選エリアで指示番号「99」(指示なし)が決定される。一方、演出状態が通常状態ではないと判断した場合(S106−4−2:NO)、すなわち、演出状態がAT状態の場合、メインCPU301は、指示番号を指示決定テーブルBを用いて決定する(S106−4−4)。
メインCPU301は、ステップS106−4−3またはステップS106−4−4で指示番号を決定した後に、当該指示番号を指示番号格納領域に格納する。指示番号格納領域は、例えば、メインRAM303に記憶される。メインCPU301は、後述する割込み処理のLED表示処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号に対応する指示情報を指示表示器16に表示させる。また、メインCPU301は、割込み処理のコマンド送信処理において、指示番号格納領域に記憶された指示番号を示す第2コマンドを送信する。指示番号を格納した後に、メインCPU301は、指示番号決定処理を終了する。
図40は、ウェイト処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出の実行期間、または、ウェイト期間が経過するまでウェイト処理を実行する。
ウェイト処理を開始すると、メインCPU301は、回胴演出番号格納領域の回胴演出番号が「0」であるか否かを判定する(S107−1)。すなわち、回胴演出決定処理で「演出なし」が決定されたか否かを判定する。回胴演出番号が「0」である場合(S107−1:YES)、メインCPU301は、ウェイトタイマが数値「0」であるか否かを判定する(S107−2)。ウェイトタイマは、割込処理が実行される毎に減算される。ウェイトタイマがタイムアップしていない(ウェイトタイマ≠0)と判断した場合、メインCPU301は、ステップS107−2を繰り返す(S107−2:NO)。
一方で、ウェイトタイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−2:YES)、メインCPU301は、新たにウェイトタイマを初期値(約4100ms)にセットする(S107−3)。また、メインCPU301は、各リール12が始動したことを示すリール始動コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S107−4)、各リール12の回転を開始させて、ウェイト処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS107−1において、回胴演出番号が「0」以外であると判断した場合、回胴演出番号が回胴演出Aを示す「1」、または、回胴演出Bを示す「2」であるか否かを判定する(S107−5)。回胴演出番号が「1」または「2」であると判断した場合(S107−5:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに1000smをセットする(S107−6)。
一方で、回胴演出番号が「1」または「2」ではないと判断した場合(S107−5:NO)、メインCPU301は、回胴演出番号が回胴演出Cを示す「3」であるか否かを判定する(S107−7)。回胴演出番号が「3」であると判断した場合(S107−7:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマに2000smをセットする(S107−8)。一方、回胴演出番号が「3」ではないと判断した場合(S107−7:NO)、すなわち、回胴演出番号が回胴演出Dを示す「4」である場合、メインCPU301は、回胴演出タイマに5000smをセットする(S107−9)。
メインCPU301は、ステップS107−6、ステップS107−8、ステップS107−9で回胴演出タイマをセットすると、回胴演出タイマが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S107−10)。回胴演出タイマは、割込処理が実行される毎に減算される。メインCPU301は、回胴演出タイマがタイムアップするまで(すなわち、回胴演出が終了するまで)ステップS107−10を繰り返し(S107−10:NO)、回胴演出タイマがタイムアップしたと判断した場合(S107−10:YES)、ステップS107−2に移行する。
図41は、停止前処理のフローチャートである。メインCPU301は、停止前処理を開始すると、加速ウェイトタイマに初期値をセットする(S108−1)。加速ウェイトタイマの初期値は、各リール12が始動を開始してから定常回転まで加速するのに要する時間長に設定される。メインCPU301は、加速ウェイトタイマに初期値をセットした後に、加速ウェイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する(S108−2)。メインCPU301は、ステップS108−2を加速ウェイトタイマがタイムアップするまで繰り返し(S108−2:NO)、加速ウェイトタイマがタイムアップした場合(S108−2:YES)、ステップS108−3に処理を移行する。
ステップS108−3において、メインCPU301は、停止操作がされていない停止ボタン25(25L、25C、25R)の個数を示す未停止操作カウンタに数値「3」を格納する。また、メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理をする(S108−4)。上述したように、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各当選役に対応し、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合は数値「1」である。したがって、全てのリール12が回転しているステップS108−4においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止可能であるため、表示役格納領域の全てのビットが数値「1」に設定される。
メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理の後に、優先順位格納処理(S108−5)に移行する。図42は、優先順位格納処理で設定される複数の優先順位格納領域P(PL、PC、PR)の概念図である。優先順位格納領域Pは、図42に示すように、リール12Lに対応する左リール優先順位格納領域PLと、リール12Cに対応する中リール優先順位格納領域PCと、リール12Rに対応する右リール優先順位格納領域PRとを含んで構成される。また、各優先順位格納領域Pは、複数個(21個)の領域Qに区分される。各領域Qは、リール12の各図柄位置(単位領域U)に対応する。
優先順位格納処理が実行されると、各領域Qには、当該領域Qの図柄の優先順位が格納される。例えば、有効ラインに停止した場合に、当選していない当選役が表示される領域Qには、優先順位「HFF」が格納される。また、有効ラインに停止させることが可能な図柄の領域Qには優先順位「H00」が格納され、当選役を構成する図柄の領域Qには、数値「H01」が格納される。
図43は、優先順位格納処理のフローチャートである。メインCPU301は、優先順位格納処理を開始すると、未停止操作カウンタを検索回数として格納する(S108−5−1)。また、メインCPU301は、未だ停止操作がされていないリール12のうち1つのリール12を対象リールとして決定する(S108−5−2)。
メインCPU301は、優先順位テーブル選択処理(S108−5−3)を実行する。優先順位テーブルは、各当選役の優先順位を規定し、複数の優先順位テーブルのうちの1つが選択される。例えば、当選エリア「打順ベルR1〜R4」(正解押順の第1停止がリール12R)が当選した遊技を想定する。当該遊技で選択される優先順位テーブルによれば、右リール優先順位格納領域PRにおいて、「失敗役」の図柄の優先順位より「正解ベル」の図柄の優先順位が高くなる。他方で、左リール優先順位格納領域PLおよび中リール優先順位格納領域PCにおいては、「正解ベル」の図柄の優先順位より「失敗役」の図柄の優先順位が高くなる。以上の構成によれば、優先順位テーブルが適宜に選択されることにより、有効ラインに停止される図柄が停止操作順序に応じて変化する。
優先順位テーブル選択処理を実行した後に、メインCPU301は、領域ポインタに初期値「00」を格納し、領域残数に初期値「21」を格納する(S108−5−4)。領域ポインタは、対象リールの領域Qを指定する。また、領域残数は、当該対象リールにおいて、優先順位が格納されていない領域Qの個数を意味する。
メインCPU301は、領域ポインタで指定される図柄位置の図柄コード(図柄の種別)を取得する(S108−5−5)。また、メインCPU301は、当該図柄コードと当選エリア(当選役)と優先順位テーブルとに応じて、優先順位を決定する(S108−5−6)。メインCPU301は、決定した優先順位を現在の領域ポインタが指定する領域Qに格納する(S108−5−7)。
メインCPU301は、領域ポインタに数値「1」を加算し、領域残数から数値「1」を減算する(S108−5−8)。その後、メインCPU301は、領域残数が数値「0」であるか否かを判定する(S108−5−9)。領域残数が「0」ではないと判断した場合(S108−5−9:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−5からステップS108−5−9までを繰り返し実行する。他方で、領域残数が「0」であると判断した場合(S108−5−9:YES)、すなわち、対象リールの優先順位格納領域の生成が終了した場合、メインCPU301は、検索回数から「1」を減算する(S108−5−10)。
検索回数を減算した後に、メインCPU301は、検索回数が終了したか否かを判定する(S108−5−11)。検索回数が終了していないと判断した場合(S108−5−11:NO)、メインCPU301は、ステップS108−5−2に処理を戻し、対象リールを変更してステップS108−5−2からステップS108−5−11までを繰り返し実行する。一方で、検索回数が終了したと判断した場合(S108−5−11:YES)、メインCPU301は、優先順位格納処理を終了する。
図44は、停止制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されたか否かを判定する(S109−1)。回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されるまで、メインCPU301は、ステップS109−1を繰り返し実行する(S109−1:NO)。他方で、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作された場合(S109−1:YES)、メインCPU301は、停止操作された停止ボタン25の種別を示す停止操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S109−2)。
停止操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、停止順序格納領域を更新する(S109−3)。また、メインCPU301は、未停止操作カウンタから数値「1」を減算する(S109−4)。メインCPU301は、操作された停止ボタン25に対応するリール12を、停止対象リールとして設定する(S109−5)。
メインCPU301は、図柄カウンタの現在値(すなわち、中段ライン上に位置する図柄番号)を停止操作位置として取得する(S109−6)。メインCPU301は、対象リールの優先順序格納領域の各領域Qのうち、停止操作位置の領域Qと当該停止操作位置の次のコマから4コマ分の領域Qとの優先順位(すなわち、5コマ分の優先順位)を取得する(S109−7)。また、メインCPU301は、取得した5コマ分の優先順位のうち最も優先順位が高いコマを停止予定位置に決定するとともに、停止操作位置から停止予定位置までのコマ数を滑りコマ数として設定する(S109−8)。
メインCPU301は、停止予定位置の図柄コード(すなわち、停止予定位置の図柄の種別)に応じて、表示役格納領域の各ビットを更新する(S109−9)。例えば、停止制御処理でリール12Lが停止して有効ラインに図柄「ベル」が停止した場合、左リールの図柄が「ベル」ではない当選役(例えばチェリー役)に係る図柄組合せは、有効ラインに停止する可能性がなくなるため、表示役格納領域の各ビットのうち当該当選役に対応するビットは数値「0」になる。
表示役格納領域を更新した後に、メインCPU301は、未停止操作カウンタが「0」であるか否かを判定する(S109−10)。未停止操作カウンタが数値「0」であることは、全てのリール12について停止操作がされたことを意味する。未停止操作カウンタが「0」であると判断した場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、停止制御処理を終了する。他方で、未停止操作カウンタが「0」では無いと判断した場合(S109−10:NO)、停止前処理でも実行した優先順位格納処理を実行する(S109−11)。ステップS109−11において、停止前処理のステップS109−3と同様に、回転中のリール12の優先順位格納領域Pに優先順位が格納される。ただし、当選エリア格納領域の当選エリアで示される当選役を構成する図柄であっても、何れかのリール12が停止したことにより有効ラインに表示される可能性が無くなった当選役に係る図柄組合せの図柄は、他の図柄と比較して優先順位が高く設定されない。
メインCPU301は、優先順位格納処理を実行した後に、ステップS109−1に処理を戻す。メインCPU301は、全てのリール12に対して停止操作がされるまで、すなわち、未停止操作カウンタが「0」であると判断されるまで、ステップS109−1からステップ109−11までの処理を繰り返し実行する。未停止操作カウンタが「0」であると判断された場合(S109−10:YES)、メインCPU301は、リール停止制御処理を終了する。
図45は、表示判定処理(S110)のフローチャートである。表示判定処理を開始すると、メインCPU301は、有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せが、当該遊技で有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せであるか否かを判定する(S110−1)。具体的には、メインCPU301は、ステップS110−1において、表示役格納領域の表示可能ビットのうち「1」に設定された表示可能ビットに対応する当選役について、当該当選役に対応する表示許可ビットが「1」に設定されているか否かを判定する。数値「1」の表示可能ビットに対応する表示許可ビットが「0」に設定されている場合、メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断する。
メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断した場合(S110−1:YES)、不正入賞コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−2)、不正入賞エラー処理に移行して遊技の進行を禁止する。不正入賞エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定されることで遊技が可能となる。
有効ラインへの停止が許可された当選役に係る図柄組合せが停止したと判定した場合(S110−1:NO)、メインCPU301は、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止しているか否かを判定する(S110−3)。リプレイに係る図柄組合せ有効ラインに停止していると判定した場合(S110−3:YES)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定して(S110−4)、再遊技コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S110−5)、表示判定処理を終了する。再遊技コマンドは、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが停止したことを示す。
他方で、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判定した場合(S110−3:NO)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをOFF状態に設定し(S110−6)、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止しているか否かを判定する(S110−7)。入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していると判断した場合(S110−7:YES)、メインCPU301は、入賞当選役コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−8)。入賞当選役コマンドは、有効ラインに揃った入賞当選役に係る図柄組合せの種別を示す。
メインCPU301は、有効ラインに停止した入賞当選役に係る図柄組合せの種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する(S110−9)。クレジット数を加算した後に、メインCPU301は、クレジット数の上限値である数値「50」よりも加算した結果が大きいか否かを判定する(S110−10)。クレジット数が「50」より大きい場合(S110−10:YES)、クレジット数の上限値を上回った分のメダル枚数(例えば、ステップS110−9の加算結果が「55」である場合は数値「5」)を、メダル要求カウンタに設定する(S110−11)。メダル要求カウンタにメダル枚数を設定した後に、メインCPU301は、ホッパー駆動処理に移行する。他方で、クレジット数が「50」以下である場合(S110−10:NO)、メインCPU301は、表示判定処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS110−7において、入賞当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−7:NO)、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたか否かを判定する(S110−12)。ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合(S110−12:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域にボーナス役コマンドを格納する(S110−13)。ボーナス役コマンドは、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された旨を示す。メインCPU301は、ボーナス役コマンドを格納した後に、表示判定処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS110−12において、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止していないと判断した場合(S110−12:NO)、ハズレ表示コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−14)。ハズレ表示コマンドは、有効ラインに当選役に係る図柄組合せが停止していないことを示す。本実施形態においては、再遊技コマンドと入賞当選役コマンドとハズレ表示コマンドとボーナス役コマンドとを表示当選役コマンドと総称する。
図46は、ホッパー駆動処理のフローチャートである。ホッパー駆動処理は、表示判定処理、または、遊技開始前処理の精算操作受付処理において、払出要求カウンタが設定された場合に実行される。ホッパー駆動処理を開始すると、メインCPU301は、払出開始コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S120)。払出開始コマンドは、ホッパー520におけるメダル排出の開始を示す。また、メインCPU301は、払出期間監視タイマに初期値を設定する(S121)。払出期間監視タイマは、ホッパー駆動処理が開始してから所定の時間長(例えば30秒)が経過した場合にタイムアップする。
メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を開始する(S122)。ホッパー駆動信号が出力される期間において、ホッパー520からメダルが順次に排出される。ホッパー駆動信号の出力を開始した後に、メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S123)。メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたと判断した場合(S123:YES)、エラーコマンドをコマンド格納領域に格納し(S124)、ホッパーエンプティエラー処理に移行する。以上の構成では、メインCPU301は、ホッパー駆動処理の開始から払出期間監視タイマがタイムアップするまでに、払出要求カウンタの枚数のメダルの排出が完了しなかった場合、ホッパーエンプティエラー処理に移行し、遊技の進行を禁止する。ホッパーエンプティエラー処理が実行された場合、例えば、リセットボタン512の操作を条件に、ホッパー駆動処理に復帰する。
メインCPU301は、ホッパー520からの払出信号を検出したか否かを判定する(S125)。上述したとおり、払出信号は、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出センサ112SEから出力される。メインCPU301は、払出信号を検出したと判断するまで、ステップS123とステップS125とを繰り返し実行する(S125:NO)。
メインCPU301は、払出信号を検出したと判断した場合(S125:YES)、払出要求カウンタから数値「1」を減算する(S126)。その後、メインCPU301は、払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S127)。払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合(S127:YES)、メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を停止し(S128)、払出終了コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S129)。例えば、サブ制御基板400は、メインCPU301から払出開始コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を開始し、払出終了コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を停止する。メインCPU301は、払出終了コマンドを格納すると、ホッパー駆動処理を終了する。他方で、払出要求カウンタが「0」でないと判断した場合(S127:NO)、メインCPU301は、ステップS123からステップ127を繰り返し実行する。
図47は、停止後処理のフローチャートである。停止後処理を開始すると、メインCPU301は、RT状態移行処理(S111−1)を実行する。RT状態移行処理において、メインCPU301は、RT状態を移行する。具体的には、メインCPU301は、RT状態移行処理において、RT1移行図柄が有効ラインに停止したか否かを判定する。上述したように、RT1移行図柄は、失敗役を取りこぼした場合等で有効ラインに停止する。有効ラインにRT1移行図柄が停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT1状態に移行する。なお、RT1状態においてRT1移行図柄が有効ラインに停止した場合、RT状態は変更されない。
また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT2移行図柄が停止したか否かを判定する。RT2移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT2状態に変更する。また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT3移行図柄が停止したか否かを判定する。RT3移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT3状態に変更する。さらに、メインCPU301は、RT状態移行処理において、今回の遊技でボーナス作動状態の終了条件が成立したか否かを判定する。ボーナス作動状態の終了条件が成立したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT0状態に変更する。また、また、メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインにRT0移行図柄が停止したか否かを判定する。RT0移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合、メインCPU301は、RT状態をRT0状態に変更する。
RT状態移行処理の後に、メインCPU301は、ボーナス作動状態移行処理(S111−2)を実行する。ボーナス作動状態移行処理において、メインCPU301は、ボーナス作動状態を終了または開始させる。具体的には、メインCPU301は、ボーナス作動状態移行処理において、有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止したか否かを判定する。有効ラインにボーナス役に係る図柄組合せが停止したと判断した場合、メインCPU301は、ボーナス作動状態に移行する。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の遊技状態格納領域に格納されるボーナス作動フラグをON状態にする。また、メインCPU301は、ボーナス作動状態移行処理において、今回の遊技でボーナス作動状態の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、ボーナス作動状態で払出されたメダルの合計枚数が63枚に到達したか否かを判定する。ボーナス作動状態の終了条件が成立したと判断した場合、メインCPU301は、ボーナス作動フラグをOFF状態にする。
ボーナス作動状態移行処理の後に、メインCPU301は、演出状態移行処理(S111−3)を実行する。演出状態移行処理において、メインCPU301は、演出状態を移行する。例えば、ボーナス役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、ボーナス状態に移行する。また、ボーナス状態が開始される場合のチャンス状態抽選処理により、チャンス状態が当選した場合、ボーナス状態終了後の演出状態を導入演出に移行させる。また、導入演出が終了した場合、チャンス状態に移行させる。さらに、チャンス状態において、AT状態への移行が決定された場合、その後、演出状態がAT状態に移行する。AT状態において、ATカウンタが数値「0」まで減算された場合、AT状態から通常状態に移行する。
演出状態移行処理の後に、メインCPU301は、チャンス状態抽選処理(S111−4)を実行する。チャンス状態抽選処理において、メインCPU301は、チャンス状態に移行するか否かを決定する。具体的には、メインCPU301は、チャンス状態抽選処理において、上述した第1抽選処理と第2抽選処理と第3抽選処理とを実行する。また、メインCPU301は、チャンス状態抽選処理において、チャンス状態に当選した場合、CZフラグをOFF状態からON状態に変更する。
チャンス状態抽選処理の後に、メインCPU301は、今回の遊技がチャンス状態であるか否かを判定する(S111−5)。今回の遊技がチャンス状態ではないと判断した場合(S111−5:NO)、メインCPU301は、停止後処理を終了する。一方、今回の遊技がチャンス状態であると判断した場合(S111−5:YES)、メインCPU301は、攻撃ポイント減算処理を実行する。
攻撃ポイント減算処理において、メインCPU301は、今回の遊技の特殊攻撃決定処理(図38のS106−3−11参照)において、「2倍攻撃」が決定されたか否かを判定する。「2倍攻撃」が決定されたと判断した場合、メインCPU301は、攻撃ポイント格納領域R1に格納された攻撃ポイントの2倍の数値を残りHPカウンタに減算する。また、メインCPU301は、今回の遊技の特殊攻撃処理において、「確定攻撃」が決定されたか否かを判定する。「確定攻撃」が決定されたと判断した場合、メインCPU301は、残りHPカウンタに数値「200」を減算する。上述した通り、残りHPカウンタの最大値(減算される前の初期値)は、数値「200」である。したがって、「確定攻撃」が決定された場合、残りHPカウンタは数値「0」まで減算される。
攻撃ポイント減算処理において、今回の遊技の特殊攻撃決定処理で特殊攻撃が決定されなかったと判断した場合、メインCPU301は、リプレイまたは正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示されたか否かを判定する。リプレイまたは正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合、メインCPU301は、攻撃ポイント格納領域R2の攻撃ポイントを残りHPカウンタに減算する。
攻撃ポイント減算処理を実行した後に、メインCPU301は、残りHPカウンタが数値「0」以下であるか否かを判定する(S111−7)。残りHPカウンタが数値「0」以下ではないと判断した場合(S111−7:NO)、メインCPU301は、ステップS111−9に移行する。一方、残りHPカウンタが数値「0」以下であると判断した場合(S111−7:YES)、メインCPU301は、ATセットカウンタを加算し(S111−8)、ステップS111−9に移行する。ATセットカウンタが数値「1」以上の場合、上述した演出状態移行処理において、演出状態がAT状態に移行する。
ステップS111−9において、メインCPU301は、ATセットカウンタが数値「1」以上であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上述のチャンス状態に加え、ボーナス状態が開始された場合のチャンス状態抽選処理、および、ボーナス状態においてBB中チェリーが当選した場合に加算される。ATセットカウンタが数値「1」より小さいと判断した場合(S111−9:NO)、メインCPU301は、停止後処理を終了する。
一方、ATセットカウンタが数値「1」以上であると判断した場合(S111−9:YES)、メインCPU301は、CZフラグをOFF状態にする(S111−10)。ATセットカウンタが数値「1」以上であり、CZフラグがON状態の場合としては、ボーナス状態開始時のチャンス状態抽選処理においてAT状態に当選し、且つ、当該ボーナス状態において、BB中チェリーが当選した場合が想定される。以上のATセットカウンタが数値「1」以上の場合にCZフラグがOFF状態に変更される構成では、AT状態に移行する権利とチャンス状態に移行する権利との双方が同時に保持された状態が生じない。したがって、遊技者に過剰な利益が付与される不都合が抑制される。CZフラグをOFF状態にした後に、メインCPU301は、停止後処理を終了する。
図48は、チャンス状態抽選処理のフローチャートである。メインCPU301は、チャンス状態抽選処理を開始すると、今回の遊技で有効ラインに異色ボーナス(青異色ボーナス、赤異色ボーナス)が停止表示されたか否かを判定する(S501)。今回の遊技で有効ラインに異色ボーナスが停止表示されたと判断した場合(S501:YES)、メインCPU301は、第1抽選テーブルX(図16(a−1)参照)を用いて、第1抽選処理を実行する(S502)。具体的には、メインCPU301は、第1抽選処理において、「通常チャンス状態」の抽選値と「特殊チャンス状態」の抽選値と「AT状態」の抽選値とを順次に乱数値R3に減算し、減算結果が負数になった演出状態への移行を決定する。
ステップS502の第1抽選処理を実行した後に、メインCPU301は、当該第1抽選処理において、AT状態に当選したか否かを判定する(503)。今回の遊技の第1抽選処理でAT状態に当選したと判断した場合(S503:YES)、メインCPU301は、ATセットカウンタを加算し(S504)、チャンス状態抽選処理を終了する
ステップS503において、AT状態に当選していないと判断した場合、メインCPU301は、第1抽選処理で通常チャンス状態に当選したか否かを判定する(S505)。第1抽選処理で通常チャンス状態に当選したと判断した場合(S505:YES)、メインCPU301は、第1CZフラグをON状態にして(S506)、チャンス状態抽選処理を終了する。ボーナス状態が終了した遊技の演出状態移行処理において、第1CZフラグがON状態であるか否かが判定され、第1CZフラグがON状態の場合、通常チャンス状態(導入演出)に移行する。ただし、上述した通り、チャンス状態抽選処理でON状態に変更された第1CZフラグは、ボーナス状態でAT状態に当選した場合、OFF状態に戻される。以上の場合、当該ボーナス状態終了後に、通常チャンス状態ではなくAT状態に移行する。
ステップS505において、通常チャンス状態に当選していないと判断した場合、メインCPU301は、第1抽選処理で特殊チャンス状態に当選したか否かを判定する(S507)。特殊チャンス状態に当選したと判断された場合(S507:YES)、メインCPU301は、第2CZフラグをON状態にして(S508)、チャンス状態終了処理を終了する。ボーナス状態が終了した遊技の演出状態移行処理において、第2CZフラグがON状態であるか否かが判定され、第2CZフラグがON状態の場合、特殊チャンス状態(導入演出)に移行する。ただし、上述した通り、チャンス状態抽選処理でON状態に変更された第2CZフラグは、第1CZフラグと同様に、ボーナス状態でAT状態に当選した場合、OFF状態に戻される。以上の場合、当該ボーナス状態終了後に、特殊チャンス状態ではなくAT状態に移行する。
ステップS507において、特殊チャンス状態に当選していないと判断された場合、すなわち、第1抽選処理でハズレが決定された場合、メインCPU301は、第2抽選処理(S509)に移行する。上述した通り、第2抽選処理では、第2抽選テーブル(図16(b)参照)を用いて、通常チャンス状態に当選するか否かが決定される。具体的には、メインCPU301は、BBカウンタの現在値に応じて、通常チャンス状態に当選するか否かを決定する。すなわち、第2抽選処理では、前回のAT状態が終了してからボーナス状態に移行した回数に応じた確率で通常チャンス状態に移行するか否かが決定される。
第2抽選処理の後に、メインCPU301は、当該第2抽選処理でAT状態に当選したか否かを判定する(S510)。AT状態に当選したと判断した場合(S510:YES)、メインCPU301は、ATセットカウンタを加算して、チャンス状態抽選処理を終了する。一方、AT状態に当選していないと判断した場合(S510:NO)、メインCPU301は、通常チャンス状態に当選したか否かを判定し(S511)、通常チャンス状態に当選したと判断した場合(S511:YES)、第1CZフラグをON状態にして、チャンス状態抽選処理を終了する。
ステップS511において、通常チャンス状態に当選していないと判断された場合、すなわち、第2抽選処理でハズレが決定された場合、メインCPU301は、第3抽選処理(S512)に移行する。上述した通り、第3抽選処理では、第3抽選テーブル(図16(c)参照)を用いて、通常チャンス状態に当選するか否かが決定される。具体的には、メインCPU301は、BB間カウンタの現在値に応じて、通常チャンス状態に当選するか否かを決定する。すなわち、第3抽選処理では、前回のボーナス状態が終了してからの遊技回数に応じて、通常チャンス状態に当選させるか否かが決定される。第3抽選処理の後に、通常チャンス状態に当選したか否かが判定され(S513)、通常チャンス状態に当選していないと判断された場合(S512:NO)、チャンス状態抽選処理を終了し、通常チャンス状態に当選したと判断された場合(S513:YES)、第1CZフラグをON状態にした後に、チャンス状態抽選処理が終了する。
上述したステップS501において、今回の遊技で異色ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合、メインCPU301は、今回の遊技で同色ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されたか否かを判定する(S514)。今回の遊技で同色ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止されなかったと判断した場合(S514:NO)、メインCPU301は、チャンス状態抽選処理を終了する。
一方、今回の遊技で同色ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されたと判断した場合(S514:YES)、メインCPU301は、第1抽選テーブルY(図16(a−2)参照)を用いて第1抽選処理を実行する(S515)。その後、メインCPU301は、当該第1抽選処理でAT状態に当選したか否かを判定する(S516)。ステップS516で、AT状態に当選したと判断した場合、メインCPU301は、ATセットカウンタを加算してチャンス状態抽選処理を終了する。
一方、AT状態に当選していないと判断した場合(S516:NO)、メインCPU301は、ステップS508に移行する。上述した通り、同色ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合の第1抽選処理では、AT状態および特殊チャンス状態の何れかに当選する。したがって、上述のステップS516でNOの判定がされた場合は、特殊チャンス状態に当選した場合である。ステップS508において、メインCPU301は、第2CZフラグをON状態にして、チャンス状態抽選処理を終了する。
図49は、割込処理のフローチャートである。上述したように、メインCPU301は、遊技制御処理を実行している期間に、1.49ms毎に割込処理を実行する。
メインCPU301は、割込処理を開始すると、各種のレジスタのデータを退避させる(S201)。その後、メインCPU301は、入力ポート読込処理(S202)を実行する。入力ポート読込処理において、メインCPU301は、I/F回路305に入力された各種の信号を読込む。具体的には、メインCPU301は、入力ポート読込処理において、スタートスイッチ24SW、各停止スイッチ25SW、メダルセンサ34SE、精算スイッチ23SWなどのON信号を読込む。メインCPU301は、ON信号を読み込んだセンサおよびスイッチの検知フラグをON状態に設定する。
メインCPU301は、タイマ計測処理(S203)を実行する。タイマ計測処理において、メインCPU301は、各種のタイマから所定値を減算する。メインCPU301は、タイマ計測処理において、例えば、ホッパー駆動処理で設定された払出期間監視タイマ、ウェイト処理で設定された回胴演出タイマおよびウェイトタイマを減算する。
メインCPU301は、回転しているリールから駆動対象リールを選択し(S204)、駆動対象リールの駆動制御処理(S205)を実行する。駆動制御処理において、メインCPU301は、駆動対象リールのステッピングモータに駆動パルスを出力する。駆動パルスが入力された場合、ステッピングモータの励磁パターンが切替わる。
メインCPU301は、全てのリール12の駆動制御処理が実行されたか否かを判定する(S206)。全てのリール12の駆動制御処理が実行されていないと判断した場合(S206:NO)、メインCPU301は、ステップS204とステップS205とを繰り返す。他方で、全てのリール12の駆動制御処理を実行したと判断した場合(S206:YES)メインCPU301は、外部信号出力処理(S207)に移行する。
メインCPU301は、外部信号出力処理において、遊技機1の外部に所定の信号を出力する。例えば、設定変更処理を開始した場合、メインCPU301は、設定変更処理の開始を示す信号を遊技機1の外部に出力する。
メインCPU301は、LED表示処理(S208)において、各種のランプを駆動する。例えば、メインCPU301は、遊技制御処理で生成したBETランプ表示データが示す態様で、BETランプ14を表示させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、再遊技作動中フラグがON状態に設定されている場合に再遊技表示ランプ18を点灯させる。また、メインCPU301は、LED表示処理において、クレジット数を貯留枚数表示器17に表示させる。さらに、メインCPU301は、LED表示処理において、指示番号決定処理で決定した指示番号に応じた指示情報を指示表示器16に表示させる。
メインCPU301は、LED表示処理の後に、コマンド送信処理(S209)に移行する。上述したように、メインRAM303のコマンド格納領域には、遊技制御処理において各種のコマンドが格納される。コマンド格納領域に格納されたコマンドは、コマンド送信処理において、サブ制御基板400に送信される。
コマンド送信処理の後に、メインCPU301は、レジスタ復帰処理(S210)を実行し、ステップS210で退避したデータをレジスタに復帰させる。レジスタ復帰処理を実行すると、メインCPU301は、割込処理を開始した際に実行していた遊技制御処理のステップSに処理を復帰させる。
<サブCPUが実行する各処理>
図50は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。起動時初期化処理において、サブCPU412は、例えば、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化する。
起動時初期化処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常がある場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
図51は、サブ起動処理において起動される各タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、筐体ランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカー(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカー(31、32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
図51(a)は、ランプ制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクを開始すると、各種のランプを制御するためのデータを初期化する(S302−1)。各種のデータを初期化すると、サブCPU412は、ランプデータ解析処理(S302−2)に移行する。ランプデータは、各種のランプの点滅パターンを示すデータである。例えば、特定のランプを点灯状態にする時間を示すデータと消灯状態にする時間を示すデータとの時系列(300ms点灯→300ms消灯→300ms点灯→……)がランプデータとして採用され得る。
サブCPU412は、ランプ制御処理(S302−3)において、ランプデータにより指定される態様で特定のランプを点滅させる。ランプデータ解析処理とランプ演出実行処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図51(b)は、音響制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、音響制御タスクを開始すると、スピーカー(31、32)を制御するための各種のデータを初期化する(S303−1)。サブCPU412は、各種のデータを初期化すると、音響データ解析処理(S303−2)に移行する。
サブCPU412は、音響制御処理(S303−3)において、音響データ解析処理の結果に応じてサウンド基板430(音源IC431)に指示をする。音源IC431は、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読み出し、音響データから音響信号を生成してスピーカー(31、32)に供給する。音響データ解析処理と音響制御処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図51(c)は、画像制御基板通信タスクのフローチャートである。サブCPU412は、画像制御基板通信タスクを開始すると、非遊技タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S304−1)。非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の状態が所定の時間継続した場合にタイムアップする。具体的には、非遊技タイマは、前回の遊技が終了した時点で初期値にセットされ、非遊技の期間において所定の周期毎に減算される。例えば、非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の期間が1分間継続した場合にタイムアップする。非遊技タイマは、例えば、サブRAM414に設けられる。
サブCPU412は、非遊技タイマがタイムアップしたと判断した場合(S304−1:YES)、デモ表示コマンド送信処理(S304−2)に移行し、デモ表示コマンドを画像制御基板420に送信する。画像制御基板(画像制御CPU421)420は、デモ表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置30にデモンストレーション画像を表示させる。また、サブCPU412は、デモンストレーション画像が表示される期間において、各種のランプを消灯する。
他方で、非遊技タイマがタイムアップしていないと判断した場合(S304−1:NO)、サブCPU412は、サブRAM414に格納されている演出番号に応じてコマンドをセットする(S304−3)。演出番号は、遊技機1において実行される演出の種類を示し、後述する演出抽選処理においてサブRAM414の演出番号格納領域に格納される。サブCPU447は、ステップS304−3でセットしたコマンドを画像制御基板420に送信して(S304−4)、画像制御基板通信タスクを終了する。なお、画像制御基板通信タスクにおいて、画像制御基板420からのコマンドを受信可能な構成としてもよい。
図51(d)は、メイン制御基板通信タスクのフローチャートである。メイン制御基板通信タスクを開始すると、サブCPU412は、所定の記憶領域を初期化する通信開始前処理(S305−1)を実行する。通信開始前処理を実行した後に、サブCPU412は、受信コマンドチェック処理(S305−2)に移行する。受信コマンドチェック処理においては、メイン制御基板300から受信したコマンドの内容をチェックする。
サブCPU412は、今回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドと前回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドとが異なるか否かを判定する(S305−3)。すなわち、ステップS305−3において、サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化したか否かを判定する。サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化するまで、ステップS305−3を繰り返し実行する(S305−3:NO)。メイン制御基板300からのコマンドが変化した場合(S305−3:YES)、サブCPU412は、コマンド解析処理(S305−4)に移行する。
コマンド解析処理を実行した後に、サブCPU412は、遊技情報更新処理(S305−5)を実行する。遊技情報更新処理において、サブCPU412は、メイン制御基板300から受信したコマンドに応じて、サブRAM414が記憶する遊技情報を更新する。サブCPU412は、ステップS305−5において、複数種類の遊技情報更新処理のうちの何れかを実行する。具体的には、サブCPU412は、複数種類の遊技情報更新処理のうちメイン制御基板300から受信したコマンドの種別に応じた遊技情報更新処理を実行する。例えば、サブCPU412は、開始操作コマンドを受信した場合、液晶表示装置30に表示するAT状態の残り遊技回数を更新するための遊技情報更新処理を実行する。遊技情報を更新した後に、サブCPU412は、ステップS305−2に処理を戻し、次回のタイマ割込信号が入力されるまでステップS305−2からステップS305−5までの処理を繰り返す。
図52は、コマンド解析処理のフローチャートである。サブCPU412は、コマンド解析処理を開始すると、演出制御処理(S401)を実行する。後述するように、サブCPU412は、演出制御処理において、例えば、遊技機1で実行する演出を決定する。
演出制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出に応じたランプデータを決定し(S402)、ランプデータをサブRAM414に格納する(S403)。また、サブCPU412は、演出制御処理で決定した演出に応じて、音響データを決定し(S404)、決定した音響データをサブRAM414に格納する(S405)。音響データを格納すると、サブCPU412は、コマンド解析処理を終了する。
図53は、演出制御処理のフローチャートである。サブCPU412は、演出制御処理を開始すると、メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであるか否かを判定する(S401−1)。メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであると判断した場合(S401−1:YES)、サブCPU412は、設定変更開始/終了処理(S401−2)に移行する。
具体的には、設定変更開始コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU412は、設定変更処理が実行中である旨を報知をする。例えば、サブCPU412は、液晶表示装置30に「設定変更中です」というメッセージを表示させ、各スピーカーに当該メッセージの音声を出力させる。また、設定値コマンドを受信したと判断した場合(すなわち、設定変更処理が終了した場合)、サブCPU412は、設定値コマンドが示す設定値をサブRAM414に格納して、設定変更処理の報知を終了する。設定変更開始/終了処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドではないと判断した場合(S401−1:NO)、サブCPU412は、投入コマンドを受信したか否かを判定する(S401−3)。投入コマンドを受信したと判断した場合(S401−3:YES)、サブCPU412は、投入コマンド受信時処理(S401−4)に移行する。投入コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、メダルの投入時の演出を発生させる。投入コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが投入コマンドではないと判断した場合(S401−3:NO)、精算操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−5)。精算操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−5:YES)、サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理(S401−6)に移行する。精算操作コマンド受信時処理において、サブCPU412は、メダルの精算が実行されている旨を報知する。サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理において、例えば、「精算中です」というメッセージを液晶表示装置30に表示させ、スピーカーから所定の警告音を出力する。精算操作コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが精算操作コマンドではないと判断した場合(S401−5:NO)、開始操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−7)。開始操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−7:YES)、サブCPU412は、開始操作時処理(S401−8)に移行する。開始操作時処理において、サブCPU412は、演出抽選処理を含む各種の処理を実行する。開始操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが開始操作コマンドではないと判断した場合(S401−7:NO)、リール始動コマンドを受信したか否かを判定する(S401−9)。リール始動コマンドを受信したと判断した場合(S401−9:YES)、サブCPU412は、リール始動コマンド受信時処理(S401−10)に移行する。リール始動コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、リールの回転が開始される際に出力されるリール回転音をスピーカーに出力させる。リール始動コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドがリール始動コマンドではないと判断した場合(S401−9:NO)、停止操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−11)。停止操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−11:YES)、サブCPU412は、停止操作時処理(S401−12)に移行する。停止操作時処理において、例えば、液晶表示装置30の表示態様を切替える。停止操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが停止操作受付コマンドではないと判断した場合(S401−11:NO)、表示当選役コマンド(再遊技コマンド、入賞当選役コマンドまたはハズレ表示コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−13)。表示当選役コマンドを受信したと判断した場合(S401−13:YES)、サブCPU412は、表示当選役コマンド受信時処理(S401−14)に移行する。
サブCPU412は、受信したコマンドが表示当選役コマンドではないと判断した場合(S401−13:NO)、払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S401−15)。払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したと判断した場合(S401−15:YES)、サブCPU412は、払出音制御処理(S401−16)を実行する。例えば、サブCPU412は、払出開始コマンドを受信した場合、メダルの排出を報知するメダル払出音の出力を開始する。また、払出終了コマンドを受信した場合、サブCPU412は、メダル払出音を停止する。払出音制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図54は、第2実施形態の通常チャンス状態を説明するための図である。第2実施形態では、上述した第1実施形態と通常チャンス状態が終了する契機が相違する。具体的には、第1実施形態では、予め定められた回数(10回)の遊技で通常チャンス状態が終了したが、第2実施形態では、予め定められた回数の遊技が経過し、且つ、特定の当選役(正解ベル)を取りこぼした場合、通常チャンス状態が終了する。
図54(a)および図54(b)は、第2実施形態の通常チャンス状態の具体例を説明するための図である。図54(a)および図54(b)は、第1実施形態の図17(a)および図17(b)と同様に、通常チャンス状態の各遊技における、残りゲーム数カウンタと残りHPカウンタと攻撃ポイント格納領域との数値が示される。第2実施形態では、通常チャンス状態に移行した場合、第1実施形態と同様に、残りゲーム数カウンタに初期値「10」が格納され、残りHPカウンタに初期値「200」が格納される。また、通常チャンス状態の各遊技における攻撃ポイントは、第1実施形態と同様に、攻撃ポイント決定処理で決定される。
図54(a)は、通常チャンス状態において、AT状態が決定されなかった場合の具体例を示す。図54(a)の具体例では、8回目の遊技における敵キャラクタの残りHP(残りHPカウンタ)が数値「40」まで減算され、その後、残りゲーム数カウンタが数値「0」に減算された10回目の遊技まで、攻撃ポイントが減算されない場合を想定する。
上述した第1実施形態では、残りゲーム数カウンタが数値「0」まで減算された10回目の遊技で、通常チャンス状態が終了した。第2実施形態では、残りゲーム数カウンタが数値「0」まで減算された場合であっても、打順ベル(L、C、R)が当選した遊技で正解ベルを取りこぼすまで、通常チャンス状態が継続する。
図54(a)の具体例では、通常チャンス状態の10回目の遊技で、打順ベルが当選しない場合を想定する。以上の場合、10回目の遊技で通常チャンス状態は終了しない。通常チャンス状態の11回目の遊技においても、打順ベル以外の当選エリアが当選し、通常チャンス状態が継続する。また、図54(a)の具体例では、通常チャンス状態の12回目の遊技において、打順ベルが当選し、且つ、正解ベルの不正解押順で停止操作がされた場合を想定する。以上の場合、12回目の遊技において、正解ベルを取りこぼすため、通常チャンス状態が終了する。
図54(b)は、通常チャンス状態において、AT状態が決定された場合の具体例を示す。図54(b)の具体例では、図54(a)の具体例と同様に、8回目の遊技における敵キャラクタの残りHPが数値「40」まで減算され、その後、残りゲーム数カウンタが数値「0」に減算された10回目の遊技まで、攻撃ポイントが減算されない場合を想定する。
図54(b)の具体例では、通常チャンス状態の11回目の遊技において、打順ベルが当選し、且つ、正解ベルが有効ラインに停止表示された場合を想定する。第2実施形態の通常チャンス状態では、10回目以降の打順ベルが当選した遊技において、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、当該通常チャンス状態が継続し、正解ベルを取りこぼした場合に終了する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、攻撃ポイントが敵キャラクタの残りHPに減算される。以上の第2実施形態では、通常チャンス状態の10回目以降の各遊技において、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、通常チャンス状態の終了が回避され、且つ、攻撃ポイントが敵キャラクタの残りHPに減算される。図54(b)の具体例では、通常チャンス状態の12回目の遊技において、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示され、敵キャラクタの残りHPが数値「0」以下に減算された場合を想定している。
以上の通り、第2実施形態の通常チャンス状態は、残りゲーム数カウンタが数値「0」に減算された以降の遊技において、正解ベルの正解押順で停止操作できた場合、当該通常チャンス状態が延長(継続)されるとともに、通常チャンス状態が延長された場合、必ず、敵キャラクタの残りHPが減算される。
第2実施形態では、残りゲーム数カウンタが数値「0」まで減算された以降の通常チャンス状態において、打順ベルが当選した場合、押順当て演出が実行される。押順当て演出では、正解ベルの正解押順で停止操作すべき旨が報知される(正解押順自体は報知されない)。
図54(c)は、押順当て演出において、液晶表示装置30に表示される画像の模擬図である。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、通常チャンス状態において、複数個(7個)のポイント図像G(A、B、C、D)と残りHP表示部HAと残りゲーム数表示部HBと、表示領域Fとが表示される。通常チャンス状態のうち残りゲーム数カウンタが数値「0」に減算された以降の各遊技(10回目以降の遊技)では、残りゲーム数表示部HBに記号「?」(クエスチョンマーク)が表示される。
押順当て演出が実行される遊技では、図54(c)に示すように、3個の指示図像GSが液晶表示装置30に表示される。各指示図像GSにより、左第1停止、中第1停止または右第1停止の順序(すなわち、正解ベルの正解押順の可能性がある順序)で停止操作すべき旨が指示される。また、押順当て演出では、図54(c)に示すように、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、通常チャンス状態が継続する旨のメッセージが液晶表示装置30に表示される。
以上の第2実施形態によれば、通常チャンス状態の遊技回数が可変になる。したがって、例えば、通常チャンス状態の遊技回数が変化しない構成と比較して、通常チャンス状態の遊技回数が変化に富み、面白味が向上する。
<第3実施形態>
図55は、第3実施形態における第2抽選処理でチャンス状態が当選する確率を説明するための図である。第3実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、第2抽選処理をBBカウンタに応じて実行する。以上の構成では、第2抽選処理でチャンス状態に当選する確率は、前回のAT状態からボーナス役が当選した回数(以下、「AT間のボーナス回数」という)に応じて変化する。
図55には、AT間のボーナス回数毎に、第2抽選処理でチャンス状態(通常チャンス状態)が当選する確率が示される。第3実施形態では、第1実施形態と同様に、AT間のボーナス回数が16回に達した場合、その後の第2抽選処理で「ハズレ」が決定されない。図55では、AT間のボーナス回数が16回に達した場合のチャンス状態の当選確率を「確定」と示す。また、図55では、AT間のボーナス回数毎のチャンス状態の当選確率のうち、上述した「確定」より低い当選確率を「超高」と示し、「超高」より低い当選確率を「高」と示し、「高」より低い当選確率を「低」と示す(確定>超高>高>低)。ただし、「低」の当選確率は確率「0」より大きい(低>確率「0」)。
第3実施形態の第2抽選処理では、設定値(1〜6)に応じて、チャンス状態に当選しやすいAT間のボーナス回数が相違する。具体的には、設定値が偶数(2、4、6)の場合と奇数(1、3、5)の場合とで、チャンス状態に当選しやすいAT間のボーナス回数が相違する。
図55(a)は、設定値が奇数(奇数設定)の場合における、第2抽選処理でチャンス状態が当選する確率を説明するための図である。図55(a)に示す通り、奇数設定の場合、1回目のボーナス役が当選した場合の第2抽選処理では、チャンス状態の当選確率が「超高」である。また、奇数設定の場合、AT間のボーナス回数が2回以上の第2抽選処理では、AT間のボーナス回数が偶数回(2、4、6、8…)の当選確率が「低」であり、奇数回目(3、5、7、9…)の当選確率が「高」である。
図55(b)は、設定値が偶数(偶数設定)の場合における、第2抽選処理でチャンス状態が当選する確率を説明するための図である。図55(b)に示す通り、偶数設定の場合、1回目のボーナス役が当選した場合の第2抽選処理では、奇数設定の場合と同様に、チャンス状態の当選確率が「超高」である。また、偶数設定の場合、AT間のボーナス回数が2回以上の第2抽選処理では、AT間のボーナス回数が偶数回の場合と奇数回目の場合とで共通して、チャンス状態の当選確率は「中」である。
以上の説明から理解される通り、第3実施形態によれば、奇数設定における第2抽選処理では、AT間のボーナス回数が奇数回の場合、偶数回の場合と比較して、チャンス状態に当選しやすい傾向になる。一方、偶数設定における第2抽選処理では、AT間のボーナス回数による当選確率の差が小さい傾向になる。以上の通り、奇数設定と偶数設定とでは、第2抽選処理でチャンス状態に当選しやすいAT間のボーナス回数が相違する。以上の構成では、チャンス状態に当選したAT間のボーナス回数から現在の設定値を遊技者に推測させることができる。例えば、AT間のボーナス回数が偶数回より奇数回の方がチャンス状態に当選し易い場合、遊技者は、現在の設定値が奇数であると推測することができる。
また、第3実施形態によれば、AT状態が終了してから1回目のボーナス役が当選した場合の第2抽選処理では、AT間のボーナス回数が2回以上(ただし、15回以下)の第2抽選処理より、チャンス状態に当選しやすい。以上の構成によれば、AT状態が終了した場合であっても、次回のボーナス役が当選するまで遊技を継続させ易くなる。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)以上の各形態では、ボーナス役が当選してからボーナス状態が終了するまでの何れかの遊技において、チャンス状態に移行するか否かを決定する(チャンス状態抽選処理を実行する)構成の具体例として、ボーナス役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された遊技において、チャンス状態抽選処理を実行する構成を例示した。しかし、チャンス状態抽選処理が実行される遊技は、以上の具体例に限定されない。例えば、ボーナス役が当選した遊技で、チャンス状態抽選処理が実行される構成としてもよし、ボーナス状態が終了する遊技で、チャンス状態抽選処理が実行される構成としてもよい。
図56(a)は、変形例(以下「変形例A」という)において、チャンス状態抽選処理が実行される遊技(時期)を説明するためのタイムチャートである。変形例Aでは、ボーナス状態が開始された遊技に加え、当該ボーナス状態の各遊技において、チャンス状態抽選処理が実行され得る。具体的には、ボーナス状態において、特定の当選役が当選し得る構成とし、当該特定の当選役が当選した遊技で、チャンス状態抽選処理が実行される。図56(a)の例では、上述した特定の当選役としてスイカ役を採用した場合を例示する。なお、ボーナス状態の開始時のチャンス状態抽選処理とボーナス状態中のチャンス状態抽選処理とでは、チャンス状態に当選する確率を異ならせてもよい。
以上の変形例Aでは、ボーナス状態が開始された場合、チャンス状態抽選処理が実行される。図56(a)の具体例では、ボーナス状態が開始された場合のチャンス状態抽選処理で通常チャンス状態に非当選の場合を想定する。以上の場合、ボーナス状態が開始された直後では、CZフラグはOFF状態になる。また、図56(a)の具体例では、ボーナス中の遊技において、スイカ役が当選し、チャンス状態抽選処理が実行され、且つ、当該チャンス状態抽選処理で、チャンス状態に当選した場合を想定する。以上の場合、ボーナス状態中のチャンス状態抽選処理が実行された遊技において、CZフラグがON状態に変更される。
変形例Aでは、第1実施形態と同様に、ボーナス状態が終了してチャンス状態が開始された場合、CZフラグがOFF状態に変更される。以上の変形例Aでは、ボーナス役が当選してからボーナス状態が終了するまでの遊技において、複数回のチャンス状態抽選処理が実行され得る。したがって、例えば、ボーナス状態が開始される場合にのみチャンス状態抽選処理が実行される構成と比較して、チャンス状態抽選処理の実行時期が変化に富み、遊技性が向上する。
ところで、仮に、チャンス状態に移行する権利(以下、「チャンス状態移行権利」という)が付与された状態(CZフラグがONの状態)において、さらにチャンス状態に当選した場合、複数個のチャンス状態移行権利が保持される構成を考える。以上の構成では、チャンス状態移行権利が複数個保持されるため、1回目のチャンス状態の直後に2回目のチャンス状態に移行させることができる。しかし、短期間で複数回のチャンス状態に移行した場合であって、全てのチャンス状態でAT状態への移行が決定されなかった場合、遊技者の遊技意欲を減衰させる不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、例えば変形例Aのように、チャンス状態移行権利が保持された状態で、チャンス状態抽選処理の契機が成立し得る構成では、複数個のチャンス状態移行権利が保持されない構成が好適な場合がある。
図56(b)は、複数個のチャンス状態移行権利が保持されない変形例(以下「変形例B」)を説明するための図である。変形例Bでは、変形例Aと同様に、ボーナス状態が開始した場合とボーナス状態でスイカ役が当選した場合とで、チャンス状態抽選処理が実行される。ただし、変形例Bでは、チャンス状態移行権利が保持された遊技では、チャンス状態抽選処理が実行されない。
図56(b)の具体例では、ボーナス状態が開始された遊技のチャンス状態抽選処理で、チャンス状態移行権利が付与された場合を想定する。また、図56(b)の具体例では、当該ボーナス状態で、スイカ役が当選した場合を想定する。以上の場合、スイカ役が当選した場合であっても、チャンス状態抽選処理が実行されない。したがって、変形例Bでは、チャンス状態移行権利が複数個保持されないため、上述した不都合が抑制される。なお、複数個のチャンス状態移行権利が保持されないとして、チャンス状態移行権利が保持された場合にチャンス状態抽選処理を実行しない具体例を説明したが、例えば、チャンス状態抽選処理は実行されるが、チャンス状態に当選した場合であっても、当該チャンス状態の当選を無効にする構成としてもよい。
(2)以上の各形態では、チャンス状態抽選処理を第1抽選処理と第2抽選処理と第3抽選処理とを含む構成としたが、チャンス状態抽選処理は、以上の例に限定されない。例えば、チャンス状態抽選処理を第1抽選処理と第2抽選処理とで構成してもよいし、チャンス状態抽選処理を第1抽選処理と第3抽選処理とで構成してもよいし、チャンス状態抽選処理を第2抽選処理と第3抽選処理とで構成してもよい。
(3)以上の各形態のチャンス状態抽選処理では、第1抽選処理で当選した場合、第2抽選処理および第3抽選処理が省略され、第2抽選処理で当選した場合、第3抽選処理が省略される構成としたが、第1抽選処理および第2抽選処理の結果によらず、全ての抽選処理が実行される構成としてもよい。
(4)以上の各形態において、チャンス状態抽選処理で用いられる遊技情報(通常状態フラグ、BBカウンタ、BB間カウンタ)は、適宜に変更することができる。例えば、チャンス状態抽選処理の第1抽選処理から第3抽選処理の何れかにおいて、AT間カウンタ(前回のAT状態が終了してからの遊技回数)を用いてチャンス状態に移行するか否かを決定してもよい。また、一の遊技情報が更新される契機で他の遊技情報が更新される構成としてもよい。例えば、BBカウンタが更新される契機で、通常状態フラグが更新され得る構成としてもよい。
さらに、チャンス状態抽選処理では、遊技の進行に応じて更新される遊技情報に応じて、チャンス状態への移行を決定したが、遊技の進行に応じて更新される遊技情報と遊技の進行に応じて更新されない情報との双方に応じて、チャンス状態への移行が決定される構成としてもよい。例えば、上述した設定値(1〜6)に応じて、チャンス状態抽選処理でチャンス状態への移行を決定してもよい。
(5)以上の各形態において、第1抽選テーブル、第2抽選テーブルおよび第3抽選テーブルは、適宜に変更できる。例えば、第1実施形態の第1抽選テーブルX(図16(a−1)参照)では、超高確通常状態において、ハズレが決定される場合があった。しかし、第1抽選テーブルXの超高確通常状態でのハズレの抽選値を数値「0」にして、超高確通常状態では、ハズレが決定されない構成としてもよい。
(6)以上の各形態において、BBカウンタが数値「16」に達した場合、通常チャンス状態の当選確率を向上させる特典を付与した。以上の特典に加え(または、替えて)、BBカウンタが数値「20」に達した場合、AT状態に移行する権利が抽選によらず付与される構成としてもよい。
(7)以上の各形態において、第1遊技情報を用いた第1抽選または第2遊技情報を用いた第2抽選で当選した場合に付与される特典は、チャンス状態に移行する権利に限定されない。例えば、AT状態において、レア役が当選した場合、第1抽選および第2抽選の双方を今回の遊技で実行可能とし、第1抽選または第2抽選で当選した場合、上乗せ遊技回数が特典として付与される構成としてもよい。また、通常状態において、レア役が当選した場合、第1抽選および第2抽選の双方を今回の遊技で実行可能とし、第1抽選または第2抽選で当選した場合、AT状態に移行する権利が特典として付与される構成としてもよい。
(8)第1遊技状態(通常状態)において、特定当選役(ボーナス役)が当選した場合、特典(チャンス状態に移行する権利)を付与するか否かを抽選し、当該抽選の結果に応じて特典を付与するとともに、第2遊技状態(AT状態)において、当該特定当選役が当選した場合、抽選によらず特典(上乗せ遊技回数)を付与する構成における、第1遊技状態と第2遊技状態との組合せは、以上の各形態に限定されない。また、第1遊技状態および第2遊技状態で付与される各特典は、上述の各形態に限定されない。例えば、通常状態(第1遊技状態)において、チェリー役が当選した場合、チャンス状態への移行が抽選により決定され、ボーナス状態(第2遊技状態)において、チェリー役が当選した場合、抽選によらずAT状態への移行が決定される構成としてもよい。
(9)以上の各形態では、「特定の期間」において、AT状態に移行する権利が付与された場合、チャンス状態に移行する権利を無効にする構成において、当該「特定の期間」としてボーナス状態を採用したが、他の期間を採用してもよい。例えば、ボーナス状態が終了してからチャンス状態に移行するまでの導入演出において、AT状態への移行が決定され得る構成とし、当該導入演出が実行される期間を上述の特定の期間に含めてもよい。以上の構成では、例えば、導入演出の遊技において、AT状態への移行が決定された場合、通常チャンス状態に移行する権利が無効となり、その後、通常チャンス状態に替えてAT状態に移行する。
(10)以上の各形態では、例えば、通常チャンス状態の8回目の遊技の攻撃ポイントを1回目の遊技で決定し、通常チャンス状態の9回目の遊技の攻撃ポイントを2回目の遊技で決定し、通常チャンス状態の10回目の遊技の攻撃ポイントを3回目の遊技で決定する構成としたが、8回目から10回目の各遊技の攻撃ポイントが抽選される時期は、以上の例に限定されない。例えば、8回目の遊技の攻撃ポイントが8回目の遊技で抽選され、9回目の遊技の攻撃ポイントが9回目の遊技で抽選され、10回目の遊技の攻撃ポイントが10回目の遊技で抽選される構成としてもよい。
また、例えば、通常チャンス状態の1回目から7回目まで(特定期間)の各遊技の各ポイントを当該特定期間が開始される以前に決定し(第1実施形態と同様)、当該特定期間の後の8回目から14回目までの各遊技のポイントを当該特定期間が終了した場合(例えば、8回目の遊技の開始時)に決定する構成としてもよい。すなわち、第1実施形態では、特定期間より後の各遊技の各ポイントが当該特定期間において決定される構成としたが、特定期間より後の各遊技の各ポイントが当該特定期間以外で決定されてもよい。
(11)以上の各形態では、打順ベルが当選した遊技で不正解押順で停止操作がされた場合、停止操作位置に応じて、失敗役(払出枚数は1枚)または特殊ハズレ目(A、B)が停止表示される構成とした。しかし、不正解押順で停止操作された場合、停止操作位置に応じて停止表示される当選役は、以上の例に限定されない。例えば、打順ベルが当選した遊技で不正解押順で停止操作がされた場合、停止操作位置に応じて、失敗ベル役(払出枚数は9枚)または特殊ハズレ目が停止表示される構成としてもよい。以上の構成では、失敗ベル役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に移行するRT状態と特殊ハズレ目が停止表示された場合に移行するRT状態とが相違する。
(12)以上の各形態では、打順ベルが当選した遊技で、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、RT状態が維持され、失敗役の図柄組合せが停止表示された場合、RT0状態に移行し、特殊ハズレ目が停止表示された場合、RT1状態に移行したが、以上の各図柄組合せが停止表示された場合に移行するRT状態は、上述の例に限定されない。
例えば、失敗役の図柄組合せが停止表示された場合、RT1状態に移行し、特殊ハズレ目が停止表示された場合、RT0状態に移行する構成としてもよい。さらに、以上の各形態において、特殊ハズレ目Aが有効ラインに停止表示された場合と特殊ハズレ目Bが有効ラインに停止表示された場合とで、異なるRT状態に移行可能な構成としてもよい。また、各失敗役(A〜D)の図柄組合せに応じて、異なるRT状態に移行可能な構成としてもよい。また、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合、RT状態が移行し得る構成としてもよい。
例えば、打順ベルL1が当選した場合、停止操作態様に応じて、正解ベル、失敗役A、失敗役D、特殊ハズレ目A1、特殊ハズレ目A2、特殊ハズレ目B1、および、特殊ハズレ目B2の7種類の図柄組合せが有効ラインに停止表示され得る。以上の構成において、各図柄組合せを適宜にRT移行図柄として採用することで、打順ベルL1が当選した次回の遊技で移行可能なRT状態の種類(最大で7種類)を変化に富ませることができる。
(13)以上の各形態において、内部中状態と非内部中状態とで、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される確率を異ならせてもよい。例えば、非内部中状態の打順ベルが当選した遊技で、不正解押順で停止操作した場合、正解ベルの図柄組合せは有効ラインに停止表示されない。以上の構成において、内部中状態で打順ベルが当選した場合、共通ベルが当選した場合と同様に、何れの停止操作順序であっても、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される構成としてもよい。以上の構成によれば、正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される確率が非内部中状態より内部中状態で高くなる。したがって、正解ベルの図柄組合せが頻繁に有効ラインに停止表示された場合、ボーナス役が当選した期待感を高めることができる。
ただし、打順ベル(L1〜L4、C1〜C4、R1〜R4)が当選した場合の全てにおいて、停止操作順序によらず正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示される構成では、内部中状態における遊技者の利益が過剰になる不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、打順ベルの一部が当選した場合、停止操作順序によらず正解ベルの図柄組合せを有効ラインに停止し、打順ベルの他の一部が当選した場合、非内部中状態と同様に、正解押順で停止操作した場合に正解ベルの図柄組合せを有効ラインに停止する構成が好適である。例えば、打順ベルのうち、打順ベルL3、打順ベルL4、打順ベルC3、打順ベルC4、打順ベルR3、または、打順ベルR4が内部中状態で当選した場合、停止操作態様によらず正解ベルの図柄組合せが有効ラインに停止表示され、他の打順ベルが当選した場合、正解押順で停止操作した場合に正解ベルの図柄組合せを有効ラインに停止表示する構成が考えられる。
なお、以上の構成においては、正解ベルを取りこぼす確率が低下するため、低確RT状態に移行させるRT0移行図柄(失敗役)およびRT1移行図柄(特殊ハズレ目)が有効ラインに停止する確率が低下する。すなわち、低確RT状態に移行する契機が成立し難くなる。しかし、上述した通り、内部中状態では、そもそも、RT移行図柄が有効ラインに停止表示されてもRT状態が移行しない。したがって、低確RT状態に移行する確率については、考慮する必要がない。
(14)以上の各形態以外の契機で、RT0状態に移行し得る構成としてもよい。例えば、設定変更処理で設定値が変更された場合、RT0状態に移行してもよい。
(15)以上の各形態では、指示表示器16で、指示情報と払出枚数との双方を表示したが、指示情報が専用の表示装置で表示される構成としてもよい。
(16)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
本願発明の遊技機は、遊技を進行させる遊技制御手段(メインCPU301)と、遊技の進行に応じて、第1の契機で第1遊技情報を更新し、第2の契機で第2遊技情報を更新する更新手段と(第1遊技情報と第2遊技情報とは、通常状態フラグ、BBカウンタ、および、BB間カウンタのうちの何れか2個)、一の契機(ボーナス状態の開始)で、第1遊技情報に応じて当選確率が変化する第1抽選と第2遊技情報に応じて当選確率が変化する第2抽選と(第1抽選と第2抽選とは、第1抽選処理、第2抽選処理、および、第3抽選処理の何れか2個)の双方を実行可能な抽選実行手段(S111−4)と、第1抽選および第2抽選の何れかで当選した場合、特定の特典を付与する特典付与手段(S506)とを具備する。
以上の本発明の構成によれば、一の契機で、第1抽選と第2抽選との双方が実行され、第1抽選および第2抽選の何れかで当選した場合、特定の特典が付与される。したがって、例えば、特典が付与されるか否かが一の契機で1回のみの抽選で決定される構成と比較して、特典を付与するか否かの抽選の面白味が向上する。
また、本発明の構成によれば、遊技の進行に応じて、第1の契機で第1遊技情報が更新され、第1抽選は、第1遊技情報に応じて当選確率が変化する。したがって、仮に、第1遊技情報の現在値が第1抽選で比較的有利な(特典が付与され易い)場合、次回の第1抽選が実行されるまで遊技を継続する意欲を向上させることができる。
さらに、本発明の構成によれば、遊技の進行に応じて、上述した第1遊技情報に加え、第2の契機で第2遊技情報が更新され、第2抽選は、第2遊技情報に応じて当選確率が変化する。したがって、仮に、第1遊技情報の現在値が第1抽選で比較的不利な(特典が付与され難い)場合であっても、第2遊技情報の現在値が第2抽選で比較的有利な場合、次回の第2抽選(第1抽選)が実行されるまで遊技を継続する意欲を向上させることができる。