JP6289336B2 - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6289336B2
JP6289336B2 JP2014209705A JP2014209705A JP6289336B2 JP 6289336 B2 JP6289336 B2 JP 6289336B2 JP 2014209705 A JP2014209705 A JP 2014209705A JP 2014209705 A JP2014209705 A JP 2014209705A JP 6289336 B2 JP6289336 B2 JP 6289336B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal processing
sparse
row
matrix
determination unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014209705A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016080427A (ja
Inventor
網嶋 武
武 網嶋
若山 俊夫
俊夫 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2014209705A priority Critical patent/JP6289336B2/ja
Publication of JP2016080427A publication Critical patent/JP2016080427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6289336B2 publication Critical patent/JP6289336B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、l1ノルム拘束条件を用いてスパース信号処理を行う信号処理装置に関するものである。
スパース信号処理とは、図5(a),(b)に示すように、得られた観測値のうち必要なデータは観測値の一部にしかない(疎:スパース)という考えに基づき、観測値から受信機雑音等の不要なデータを排除して(不要なデータを0に押し込み)、必要なデータだけを取り出す信号処理である。図5(a)に示す観測値のうち、符号a部分が必要なデータであり、符号b部分が不要なデータである。
なお、スパース信号処理における観測軸は、電波や音波の到来方位、時間、周波数(サンプル点)、位置、電力等、様々な軸を用いることができる(例えば非特許文献1参照)。以下では、スパース信号処理を方探処理に適用した場合を中心に記述するが、上記の様々な分野での適用が可能である。
以下、スパース信号処理を方探処理に適用した場合について説明する。まず、方探処理の概要を説明する。
図6のように、方探処理を行うアンテナシステムでは、複数の入射信号s(j=1,・・・,J)が複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナ(受信アンテナ51)によって受信され、A/D変換器52によりA/D変換される。このとき、図6のように、A/D変換された受信信号y(i=1,・・・,I)を入力値(観測値)とし、方探処理装置53により方探処理を行うことで方探結果θハット(j=1,・・・,J)が得られる。
入射信号数をJとし、複数の入射信号s(j=1,・・・,J)が入射角θから入射してくる場合を考える。この信号をI本の受信アンテナ素子を有するアレーアンテナ(受信アンテナ51)によって受信する。この場合、次式(1)のように観測モデルが定義される。
Figure 0006289336
ここで、yは各行に各受信アンテナ51の受信信号y(i=1,・・・,I)を並べた観測ベクトルで、次式(2)で与えられる。
Figure 0006289336
また、nは各行に各受信アンテナ51の受信機雑音n(i=1,・・・,I)を並べた受信機雑音行列で、次式(3)で与えられる。
Figure 0006289336
sは各行に入射信号sを並べたベクトルであり、次式(4)で与えられる。
Figure 0006289336
Aはステアリングベクトルa(θ)(j=1,・・・,J)を並べた行列であり、次式(5)で与えられる。
Figure 0006289336
以上が、受信アンテナ51により得られる受信信号モデルである。
次に、上記のような受信信号モデルに対するスパース信号処理について説明する。
スパース方探処理には様々な方式が提案されているが、以下では、代表的な方式として、次式(6)のようにl1ノルム拘束条件を用いた最小化問題を解くことでスパースな解を得る場合を示す。
Figure 0006289336
ここで、Aは各列に任意に設定した方位方向Φ(n=1,・・・,N)のステアリングベクトルa(Φ)を格納した辞書行列であり、次式(7)で定義される。
Figure 0006289336
Nは辞書行列に用いる入射角総数である。xはスパースベクトルであり、次式(8)で定義される。
Figure 0006289336
xは、信号成分の存在する行のみが非零値となり、他の行は零の値をとるベクトルである(疎なベクトル)。このxが推定したいベクトルである。μはラグランジェ係数を意味する。なお、式(6)の第1項は、residual項と呼ばれ、入射角の到来方位を探す。第2項は、regularization項と呼ばれ、スペクトラムのスパース性の拘束項であり、スペクトラムを鋭くする。
上記最適化問題には、複数の解法が提案されている。例えばFPC(Fixed−Point Continuation)と呼ばれる方式がある(例えば非特許文献2参照)。以下、図7〜9を用いて従来の信号処理装置が適用された方探処理装置、及びそのスパース信号処理(FPCを用いた場合)について示す。
従来の信号処理装置は、図7に示すように、スパースベクトル更新部101、行番号設定部102、IST判定部103、第1IST設定部104、第2IST設定部105、行番号上限判定部106、行番号更新部107、収束判定部108、ラグランジェ係数更新部109及びラグランジェ係数上限判定部110から構成されている。
そして、この信号処理装置によるスパース信号処理では、図8に示すように、収束演算処理(内側ループ処理)とラグランジェ係数更新処理(外側ループ処理)という二重のループ処理が行われる。なお、初期値として、次式(9)で定義する値がそれぞれ設定される。
Figure 0006289336
内側ループ処理(収束演算処理)では、まず、スパースベクトル更新部101は、入力値(観測ベクトルy)を用いて、ビームフォーマの更新式(10),(11)から、スパースベクトルxを更新する(ステップST801)。
Figure 0006289336

Figure 0006289336
次いで、IST(Iterative Shrinkage Thresholding)と呼ばれる処理を実行する。
まず、行番号設定部102は、行番号nを初期値(=1)に設定する(ステップST802)。
次いで、IST判定部103は、スパースベクトルxのn番目の要素xに対して閾値(τ/μ)を差し引いた結果が、0より大きいかを判定する(ステップST803)。
次いで、第1,2IST設定部104,105は、IST判定部103による判定結果に応じて、xを次式(12)の値に設定する(ステップST804,805)。すなわち、減算結果が0以下であれば、第1IST設定部104によって強制的にxを0に置き換え、減算結果が0より大きければ、第2IST設定部105によってxから閾値(τ/μ)を差し引く。図9はIST処理のイメージ図である。
Figure 0006289336
次いで、行番号上限判定部106は、行番号nが上限値(=N)であるかを判定する(ステップST806)。
このステップST806において行番号上限判定部106が行番号nは上限値ではないと判定した場合には、行番号更新部107は、行番号nの値を1つ増加させる(ステップST807)。その後、ステップST803に戻り、上記と同様の動作を繰り返す。これにより、スパースベクトルxの各要素に対してIST処理を実行する。
一方、ステップST806において行番号上限判定部106が行番号nは上限値であると判定した場合には、収束判定部108は、次式(13)を満たすかを判定することで、最適解に収束したかを判定する(ステップST808)。なお、xtol,gtolは収束判定閾値であり、itrは収束演算番号であり、Itrmaxは最大収束演算回数である。itrは収束演算が1回進む毎に1つ増加し、収束演算が際限なく続けられることを避けるため、itrがItrmaxになると強制的に演算を終了する。
Figure 0006289336
このステップST808において収束判定部108が式(13)を満たしていないと判定した場合には、ステップST801に戻る。またこの際、xをスパースベクトルxに置き換える。その後、上記と同様の動作を繰り返す。
一方、ステップST808において収束判定部108が式(13)を満たしたと判定した場合には、外側ループ処理(ラグランジェ係数更新処理)に移行する。
まず、ラグランジェ係数更新部109は、ラグランジェ係数μにステップ幅ηを乗算することで、ラグランジェ係数μを更新する(ステップST809)。
次いで、ラグランジェ係数上限判定部110は、ラグランジェ係数μが上限値(μバー)に達したかを判定する(ステップST810)。
このステップST810においてラグランジェ係数上限判定部110がラグランジェ係数μは上限値に達していないと判定した場合には、ステップST801に戻り、上記と同様の動作を繰り返す。
一方、ステップST810においてラグランジェ係数上限判定部110がラグランジェ係数μは上限値に達したと判定した場合には、処理を終了する。
以上の処理により、受信アンテナ51により得られる受信信号モデルに対してスパース信号処理を行うことができる。
Yonia C. Eldar and Gitta Kutyniok,"Compressed Sensing,Theory and Applications,"Cambridge University Press,2012. Elaine T. Hale,Wotao Yin,and Yin Zhang,"A Fixed-Point Continuation method for l1 regularized minimization with applications to compressed sensing,"CAAM Technical Report TR07-07,2007. Mohsen Bayati Andrea Montanari,"The Dynamics of Message Passing on Dense Graphs,with Applications to Compressed Sensing,"IEEE Transactions on Information Theory,Volume 57,Issue 2,pp.764−785,2011. Junfeng Yang and Yin Zhang,"Alternating Direction Algorithms for 11 problems in compressive sensing",arXiv:0912.1185,2009. Robert Tibshirani,"Regression Shrinkage and Selection via the Lasso,"Journal of the Royal Statistical Society. Series B(Methodological),Volume 58,Issue 1.pp.267−288,1996. Amir Beck and Marc Teboulle,"A Fast Iterative Shrinkage-Thresholding Algorithm for linear inverse problems,"SIAM J. Imaging Sciences,Vol.2,No.1,pp.183-202,2009.
しかしながら、非特許文献2の方式における変数はベクトルである。すなわち、推定したい変数x、入力値y等はベクトルである。しかしながら、複数の入力ベクトルが存在する場合、入力値yはベクトルではなく行列Yになる。例えば、図6のようなアンテナシステムにおいて、複数時刻に信号受信を行う場合、時間方向に受信信号が増えて入力値yは行列Yとなる。これに伴い、推定したい変数xも行列Xになる。この場合、上記の従来のFPCは正しく動作しない。FPCは1スナップショット(ベクトル)のみに対応し、複数スナップショット(行列)には対応していないからである。
また、FPCに限らず、l1ノルム拘束条件を用いたスパース信号処理(例えば非特許文献3−6参照)では、ベクトルを変数として扱い、行列を入力値として与えることができない。ここで、非特許文献3は、AMP(Approximate Message Passing)と呼ばれる方式に関するものである。また、非特許文献4は、ADM(Alternating Direction Method)と呼ばれる方式に関するものである。また、非特許文献5は、LASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)と呼ばれる方式に関するものである。また、非特許文献6は、FISTA(Fast Iterative Shrinkage Thresholding Algorithm)と呼ばれる方式に関するものである。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、l1ノルム拘束条件を用いたスパース信号処理において、入力値が行列の場合にも対応可能な信号処理装置を提供することを目的としている。
この発明に係る信号処理装置は、スパース行列の行毎に、当該行のl2ノルムに対して閾値を差し引いた結果が0より大きいかを判定する判定部と、判定部により減算結果が0以下であると判定された場合に、スパース行列の該当する行をすべて0に置き換える第1設定部と、判定部により減算結果が0より大きいと判定された場合に、スパース行列の該当する行に対する減算係数を計算する減算係数計算部と、減算係数計算部により計算された減算係数を、スパース行列の該当する行から差し引く第2設定部とを備えたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、l1ノルム拘束条件を用いたスパース信号処理において、入力値が行列の場合にも対応可能である。
この発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る信号処理装置によるスパース信号処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る信号処理装置によるIST処理を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る信号処理装置によるスパース信号処理のシミュレーション結果を示す図である。 スパース信号処理の概要を説明する図であり、(a)一般的な観測値を示す図であり、(b)スパース信号処理を行った結果を示す図である。 方探処理を行うアンテナシステムの構成を示す図である。 従来の信号処理装置の構成を示す図である。 従来の信号処理装置によるスパース信号処理を示すフローチャートである。 従来のIST処理を説明する図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、本発明の概要について説明する。なお、スパース信号処理において、観測軸は、電波や音波の到来方位、時間、周波数、位置、電力など、さまざまな軸を用いることができる。以下では、スパース信号処理を方探処理に適用した場合を中心に記述するが、上記の様々な分野での適用が可能である。
まず、入力値(観測値)がベクトルではなく、行列となった場合の観測モデルを説明する。この場合、次式(14)のように観測モデルが定義される。
Figure 0006289336
ここで、Yは各行に各受信アンテナ51の受信信号y(i=1,・・・,I)をサンプリング時刻t(k=1,・・・,K)間隔で並べた観測行列であり、次式(15)で与えられる。Kはサンプリング総数である。ベクトルから行列になるとは、複数回サンプリングが得られることを意味する。
Figure 0006289336
また、Nは各行に各受信アンテナ51の受信機雑音n(i=1,・・・,I)をサンプリング時刻t間隔で並べた受信機雑音行列であり、次式(16)で与えられる。
Figure 0006289336
Sは各行に入射信号sをサンプリング時刻t間隔で並べた行列であり、次式(17)で与えられる。
Figure 0006289336
最後に、Xはスパース行列であり、次式(18)で定義される。
Figure 0006289336
Xは、信号成分の存在する行のみが非零値となり、他の行は零の値をとる行列であり、推定したい変数である。以上が、入力値が行列の場合の行列変数の定義である。
次に、ベクトルに対して開発されたFPCに対し、行列を取り扱えるように拡張する。まず、従来方式のベクトル変数を行列に置き換える。すなわち、次式(19)の通りとなる。
Figure 0006289336
次に、アルゴリズム上、ベクトルで処理せざるを得ない箇所は、行列の行毎にl2ノルムをとった値をベクトル状に配列したものを用いる。例えば、あるベクトルbを行列Bに置き換えたいが、ベクトルで処理せざるを得ない箇所は、次式(20)のベクトルbチルダで置き換える。
Figure 0006289336
ここで、B(m,:)は、行列Bの第m行(m=1,・・・,M)である。
このルールに従い、従来のスパース信号処理をベクトルから行列への置き換えをした場合、図8のステップST803〜805以外は置き換えることができる。しかしながら、IST処理であるステップST803〜805は置き換えることができない。
そこで、本発明では、スパース行列Xの行毎に、当該行からある値(減算係数)を差し引いたもののl2ノルムが、当該行のl2ノルムから閾値(τ/μ)だけ減少するような値(減算係数)だけ、減算するという方法を提案する。具体的には、スパース行列Xの各行X(n,:)(nは行番号)において、次式(21),(22)となるような減算係数αを求め、その減算係数αを|X(n,:)|から差し引く方式を提案する。
Figure 0006289336

Figure 0006289336
式(21)を減算係数αについて整理すると次式(23)となる。
Figure 0006289336
式(23)は減算係数αに関する二次方程式であり、減算係数αについて解くことができる。なおこの際、減算係数α(>0)は2つ求まるが、小さい方を選択すればよい。以下、図1〜3を用いて本発明の信号処理装置を適用した方探処理装置53、及びそのスパース信号処理(FPCを用いた場合)について示す。
図1はこの発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構成を示す図である。以下では、信号処理装置を方探処理装置53に適用した場合を例に説明を行う。
信号処理装置は、図1に示すように、スパース行列更新部1、行番号設定部2、IST判定部(判定部)3、第1IST設定部(第1設定部)4、第2IST設定部(第2設定部)5、行番号上限判定部6、行番号更新部7、収束判定部8、ラグランジェ係数更新部9、ラグランジェ係数上限判定部10及び減算係数計算部11から構成されている。なお、信号処理装置の各部は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
スパース行列更新部1は、入力値(観測行列)を用いて、ビームフォーマの更新式から、スパース行列Xを更新するものである。また、スパース行列更新部1は、収束判定部8により最適解に収束していないと判定された場合に、又は、ラグランジェ係数上限判定部10によりラグランジェ係数μが上限値に達していないと判定された場合に、スパース行列Xの更新を行う。
行番号設定部2は、スパース行列更新部1によりスパース行列Xが更新された後、行番号nを初期値(=1)に設定するものである。
IST判定部3は、行番号設定部2又は行番号更新部7により行番号nが設定又は更新された後、スパース行列Xの行毎に、当該スパース行列Xのn行目のl2ノルムに対して閾値(τ/μ)を差し引いた結果が、0より大きいかを判定するものである。
第1IST設定部4は、IST判定部3により減算結果が0以下であると判定された場合に、強制的に、スパース行列Xのn行目を全て0に置き換えるものである。
減算係数計算部11は、IST判定部3により減算結果が0より大きいと判定された場合に、スパース行列Xのn行目に対する減算係数αを計算するものである。この際、減算係数計算部11は、スパース行列Xのn行目から減算係数αを差し引いたもののl2ノルムが、当該n行目のl2ノルムから閾値(τ/μ)だけ減少するような減算係数αを計算する。すなわち、式(23)に示す二次方程式を解くことで減算係数αを計算する。
第2IST設定部5は、減算係数計算部11により計算された減算係数αを、スパース行列Xのn行目から差し引くものである。
行番号上限判定部6は、第1,2IST設定部4,5による処理の後、行番号nが上限値(=N)であるかを判定するものである。
行番号更新部7は、行番号上限判定部6によりnが上限値ではないと判定された場合に、行番号nの値を1つ増加させるものである。
収束判定部8は、行番号上限判定部6により行番号nが上限値であると判定された場合に、最適解に収束したかを判定するものである。
ラグランジェ係数更新部9は、収束判定部8により最適解に収束したと判定された場合に、ラグランジェ係数μにステップ幅ηを乗算することで、ラグランジェ係数μを更新するものである。
ラグランジェ係数上限判定部10は、ラグランジェ係数更新部9によりラグランジェ係数μが更新された後、当該ラグランジェ係数μが上限値(μバー)に達したかを判定するものである。このラグランジェ係数上限判定部10によりラグランジェ係数μが上限値に達したと判定された場合には、処理が終了される。
そして、本発明の信号処理装置によるスパース信号処理では、図2に示すように、収束演算処理(内側ループ処理)とラグランジェ係数更新処理(外側ループ処理)という二重のループ処理が行われる。なお、初期値として、次式(24)で定義する値がそれぞれ設定される。
Figure 0006289336
内側ループ処理(収束演算処理)では、まず、スパース行列更新部1は、入力値(観測行列)を用いて、ビームフォーマの更新式(25),(26)から、スパース行列Xを更新する(ステップST201)。
Figure 0006289336

Figure 0006289336
次いで、IST処理を実行する。
まず、行番号設定部2は、行番号nを初期値(=1)に設定する(ステップST202)。
次いで、IST判定部3は、スパース行列Xのn行目のl2ノルムに対して閾値(τ/μ)を差し引いた結果が、0より大きいかを判定する(ステップST203)。
次いで、第1IST設定部4は、IST判定部3により減算結果が0以下であると判定された場合に、次式(27)に示すように、強制的に、スパース行列Xのn行目を全て0に置き換える(ステップST204)。
Figure 0006289336
また、減算係数計算部11は、IST判定部3により減算結果が0より大きいと判定された場合に、式(23)から減算係数αを計算する(ステップST205)。
次いで、第2IST設定部5は、次式(28)に示すように、スパース行列Xのn行目から、減算係数計算部11により計算された減算係数αを差し引く(ステップST206)。図3はIST処理のイメージ図である。
Figure 0006289336
次いで、行番号上限判定部6は、行番号nが上限値(=N)であるかを判定する(ステップST207)。
このステップST207において行番号上限判定部6が行番号nは上限値ではないと判定した場合には、行番号更新部7は、行番号nの値を1つ増加させる(ステップST208)。その後、ステップST203に戻り、上記と同様の動作を繰り返す。これにより、スパース行列Xの各行に対してIST処理を実行する。
一方、ステップST207において行番号上限判定部6が行番号nは上限値であると判定した場合には、収束判定部8は、次式(29)を満たすかを判定することで、最適解に収束したかを判定する(ステップST209)。
Figure 0006289336
このステップST209において収束判定部8が式(29)を満たしていないと判定した場合には、ステップST201に戻る。またこの際、Xをスパース行列Xに置き換える。その後、上記と同様の動作を繰り返す。
一方、ステップST209において収束判定部8が式(29)を満たしたと判定した場合には、外側ループ処理(ラグランジェ係数更新処理)に移行する。
まず、ラグランジェ係数更新部9は、ラグランジェ係数μにステップ幅ηを乗算することで、ラグランジェ係数μを更新する(ステップST210)。
次いで、ラグランジェ係数上限判定部10は、ラグランジェ係数μが上限値(μバー)に達したかを判定する(ステップST211)。
このステップST211においてラグランジェ係数上限判定部10がラグランジェ係数μは上限値に達していないと判定した場合には、ステップST201に戻り、上記と同様の動作を繰り返す。
一方、ステップST211においてラグランジェ係数上限判定部10がラグランジェ係数μは上限値に達したと判定した場合には、処理を終了する。
以上の処理により、受信アンテナ51により得られる受信信号モデルが複数スナップショット(行列)であってもスパース信号処理を行うことができる。
図4にシミュレーション例を示す。図4は、入射角が0度と15degの2波をスパース方探処理した結果であり、破線がBF(ビームフォーマ)による信号を示し、実線がFPCによる信号を示している。図4に示すように、正しい方位にピークが得られており、正しく動作していることを確認できる。
以上のように、この実施の形態1によれば、スパース行列Xの行毎に、当該行のl2ノルムに対して閾値(τ/μ)を差し引いた結果が0より大きいかを判定するIST判定部3と、減算結果が0以下であると判定された場合に、スパース行列Xの該当する行をすべて0に置き換える第1IST設定部4と、減算結果が0より大きいと判定された場合に、スパース行列Xの該当する行に対する減算係数αを計算する減算係数計算部11と、計算された減算係数αを、スパース行列Xの該当する行から差し引く第2IST設定部5とを備えたので、l1ノルム拘束条件を用いたスパース信号処理において、入力値が行列の場合にも対応可能である。
すなわち、従来のl1 regularization項を伴うスパース信号処理が、ベクトルにしか対応しておらず、また、単純にベクトルを行列に置き換えるだけでは、ISTが正しく動作しないためにアルゴリズム自体が正しく動作しない問題に対し、IST処理において、行列の全要素から単一の閾値(τ/μ)を差し引くのではなく、行列の行毎に、減算後の結果が所望の値となるよう減算係数を逐次計算することにより、行列に対しても正しく動作する効果が得られる。
なお、本発明はl1ノルム拘束条件を用いたスパース信号処理であれば、FPCだけでなく、他のどのような方式(例えば非特許文献3−6参照)にも適用可能である。
また上記では、方探処理装置53に本発明の信号処理装置を適用した場合について示したが、これに限るものではなく、スパース信号処理を適用可能なその他の装置に対しても同様に適用可能である。例えば、時間計測装置、周波数計測装置、測位装置等にも本発明の信号処理装置を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
また、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 スパース行列更新部、2 行番号設定部、3 IST判定部(判定部)、4 第1IST設定部(第1設定部)、5 第2IST設定部(第2判定部)、6 行番号上限判定部、7 行番号更新部、8 収束判定部、9 ラグランジェ係数更新部、10 ラグランジェ係数上限判定部、11 減算係数計算部、51 受信アンテナ、52 A/D変換器、53 方探処理装置、101 スパースベクトル更新部、102 行番号設定部、103 IST判定部、104 第1IST設定部、105 第2IST設定部、106 行番号上限判定部、107 行番号更新部、108 収束判定部、109 ラグランジェ係数更新部、110 ラグランジェ係数上限判定部。

Claims (8)

  1. l1ノルム拘束条件を用いてスパース信号処理を行う信号処理装置において、
    スパース行列の行毎に、当該行のl2ノルムに対して閾値を差し引いた結果が0より大きいかを判定する判定部と、
    前記判定部により減算結果が0以下であると判定された場合に、前記スパース行列の該当する行をすべて0に置き換える第1設定部と、
    前記判定部により減算結果が0より大きいと判定された場合に、前記スパース行列の該当する行に対する減算係数を計算する減算係数計算部と、
    前記減算係数計算部により計算された減算係数を、前記スパース行列の該当する行から差し引く第2設定部と
    を備えたことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記減算係数計算部は、前記スパース行列の該当する行から前記減算係数を差し引いたもののl2ノルムが、当該行のl2ノルムから前記閾値だけ減少するような当該減算係数を計算する
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記減算係数計算部は、前記スパース行列の行毎に2次方程式を解くことにより前記減算係数を計算する
    ことを特徴とする請求項2記載の信号処理装置。
  4. 前記スパース信号処理は方探処理に適用された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  5. 前記スパース信号処理は時間計測処理に適用された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  6. 前記スパース信号処理は周波数計測処理に適用された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  7. 前記スパース信号処理は測位処理に適用された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  8. 前記スパース信号処理はFPC(Fixed−Point Continuation)を用いた方探処理に適用された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
JP2014209705A 2014-10-14 2014-10-14 信号処理装置 Active JP6289336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014209705A JP6289336B2 (ja) 2014-10-14 2014-10-14 信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014209705A JP6289336B2 (ja) 2014-10-14 2014-10-14 信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016080427A JP2016080427A (ja) 2016-05-16
JP6289336B2 true JP6289336B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=55958316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014209705A Active JP6289336B2 (ja) 2014-10-14 2014-10-14 信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6289336B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109709547A (zh) * 2019-01-21 2019-05-03 电子科技大学 一种实波束扫描雷达加速超分辨成像方法
CN110364829B (zh) * 2019-06-03 2021-03-09 中国科学院国家空间科学中心 一种稀疏直线阵天线

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8994587B2 (en) * 2010-05-14 2015-03-31 Qualcomm Incorporated Compressed sensing for navigation data
US8849002B2 (en) * 2010-07-07 2014-09-30 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Noise robust decoder for multiplexing readout channels on an imaging sensor array
JP2014157110A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Mitsubishi Electric Corp 信号処理装置、レーダ装置および信号処理方法
CN103426006A (zh) * 2013-08-07 2013-12-04 浙江商业职业技术学院 一种自适应多特征融合的图像特征学习方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016080427A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wen et al. Efficient and robust recovery of sparse signal and image using generalized nonconvex regularization
JP6289336B2 (ja) 信号処理装置
Slavakis et al. The adaptive projected subgradient method constrained by families of quasi-nonexpansive mappings and its application to online learning
Perelli et al. Best basis compressive sensing of guided waves in structural health monitoring
Huang et al. A block orthogonal matching pursuit algorithm based on sensing dictionary
CN111562545A (zh) 基于pd-alm算法的稀疏阵列doa估计方法
Park et al. Online compressive covariance sensing
Wang et al. A new encryption-then-compression scheme on gray images using the Markov random field
Wang et al. Efficient compression of encrypted binary images using the Markov random field
Liao et al. Analysis of convergence for the alternating direction method applied to joint sparse recovery
Lu et al. Compressive image sensing for fast recovery from limited samples: A variation on compressive sensing
Zeng et al. Sparse solution of underdetermined linear equations via adaptively iterative thresholding
Fannjiang et al. Mismatch and resolution in compressive imaging
CN105447894B (zh) 基于拟牛顿公式的压缩感知重建算法
JP5253278B2 (ja) 多次元データ識別装置、多次元データ識別方法、及び信号到来方向推定装置
Gao et al. Metric entropy and sparse linear approximation of ℓq-hulls for 0< q≤ 1
Ince et al. On the perturbation of measurement matrix in non-convex compressed sensing
Liu et al. Phase retrieval via wirtinger flow algorithm and its variants
Yang et al. A remark on joint sparse recovery with OMP algorithm under restricted isometry property
Mishra et al. Off-the-grid spectral compressed sensing with prior information
Siddamal et al. A survey on compressive sensing
Volaric et al. Sparse Image Reconstruction via Fast ICI Based Adaptive Thresholding
Mourad et al. Orthogonal matching pursuit with correction
Sun et al. Applications of CS based spectrum recovery in hyperspectral images
Guan et al. Direction of arrival estimation using modified orthogonal matching pursuit algorithm

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6289336

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250