以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
(動弁装置の概略構成)
図1は、本実施形態に係る動弁装置の排気側の構成を示すものである。なお、以下の説明では、特に言及する場合を除き、気筒列方向を前後方向とし、第1気筒11側を「前側」、第4気筒14側を「後側」として説明を行う。
本実施形態では、本発明に係る動弁装置が4気筒、4弁式DOHCエンジンに適用された例について説明するが、本発明に係る動弁装置はこれ以外のエンジンについても適用可能である。
この動弁装置は、図示しないシリンダヘッドに、第1〜第4気筒11〜14のそれぞれについて2つずつ、合計8つの排気弁A…Aと、これらの排気弁A…Aを閉方向に付勢するリターンスプリングB…Bとを備えている。さらに、この動弁装置は、シリンダヘッドの上部に、ロッカアームC…Cを介して上記リターンスプリングB…Bの付勢力に抗して各排気弁A…Aを開動させるカムシャフト2を備えている。
このカムシャフト2は、シリンダヘッドにおける各気筒11〜14の中心位置に設けられた縦壁部D…Dと各縦壁部D…Dの上部に取り付けられたキャップ部材E…Eとで構成される軸受部F…Fに回転自在に支持されており、図示しないクランクシャフトによりチェーンを介して回転駆動される。
また、カムシャフト2は、軸部10と、該軸部10にスプライン嵌合され、該軸部10と一体回転しかつ軸方向に移動可能とされた第1〜第4カム要素部201〜204とで構成されている。これらカム要素部201〜204は、各気筒11〜14に対応させて、上記軸部10上で列状に配置されている。
さらに、この動弁装置は、各カム要素部201〜204を上記軸部10上で軸方向にそれぞれ所定ストローク移動させる電磁駆動式の6つの操作装置301〜306を備えている。具体的には、気筒列の第1気筒11側を前方として、該気筒列の前端位置に第1操作装置301が、第1、第2気筒11、12間位置に第2操作装置302が、第2、第3気筒12、13間の前端位置に第3操作装置303が、後端位置に第4操作装置304が、第3、第4気筒13、14間位置に第5操作装置305が、気筒列の後端位置に第6操作装置306がそれぞれ配置されている。
図2に示すように、これらの操作装置301〜306は、カムシャフト2を挟んで上記ロッカアームCにおけるカムフォロワC’(図2参照)の反対側に、操作装置301〜306の操作ピン32(本発明の「操作部材」に相当する)がカムシャフト2の軸心を指向するように配置されている。この実施形態の場合、操作装置301〜306は、カムシャフト2とカム要素部201〜204を上方から覆うシリンダヘッドカバーGに取り付けられている。
各操作装置301〜306は、電磁式アクチュエータ3(本発明の「ソレノイドアクチュエータ」に相当する)と、この電磁式アクチュエータ3への通電時に該電磁式アクチュエータ3から突出可能な略円筒状の操作ピン32とを備えている。
電磁式アクチュエータ3は、プッシュ型のソレノイドアクチュエータであり、図7に示されるように、円柱状の磁芯31と、磁芯31の周面に装着される円筒状のボビン34と、ボビン34の外周面に巻回されるコイル33と、磁芯31と同軸上に設けられ、磁芯31に対して接近/離間可能に設けられた円柱状の操作ピン32(本発明の「操作部材」に相当する)と、操作ピン32を軸方向にスライド可能に支持する円筒状のピン支持部35と、操作ピン32の後端部(磁芯31側端部)に設けられた円筒状の永久磁石36とを備えている。
この電磁式アクチュエータ3においては、操作ピン32の先端部がカム要素部201〜204の外周面の外側に退避する退避位置(非操作位置)に位置した状態で、コイル34に通電されると、永久磁石36を遠ざける方向の電磁力(斥力)がコイル34に発生し、これにより、操作ピン32は軸部10側に移動(突出)する。具体的には、操作ピン32は、上記がカム要素部201〜204の外周面の外側に位置する退避位置(非操作位置)から、カム要素部201〜204の外周面よりも内側に入り込む作動位置へ移動する。
そして、操作ピン32が作動位置に位置した状態でコイル34への通電を終了し、操作ピン32の先端に後述の戻しスロープ部23に摺接した状態で軸部10が正方向に回転すると、操作ピン32は戻しスロープ部23に案内されて退避位置に向かって移動する。操作ピン32の先端が戻しスロープ部23の頂点付近に到達すると、永久磁石36と磁芯31との間に作用する吸引力(磁力)により、永久磁石36が磁芯31に吸着され、これにより、操作ピン32は退避位置に移動してこの位置に保持される。
なお、この電磁式アクチュエータ3は、操作ピン32が操作位置へ移動する際に、永久磁石36がピン支持部35の後端部に衝突する構造となっているため(衝突により操作ピン32の移動を停止させるストッパ機構)、衝突音が発生する。
さらに、この動弁装置は、電磁式アクチュエータ3に電力を供給するバッテリ6と、このバッテリ6と電磁式アクチュエータ3との間に介設され、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を調節する電圧制御回路5と、電圧制御回路5に制御信号を送信するECU(Electronic Control Unit)7と、電圧制御回路5に供給される電圧を検出する電圧センサ8と、エンジンのオイルギャラリに設けられた油温センサ9と、クランク角センサ15とを備えている。
バッテリ6(本発明における「電源」に相当する)は、直流電圧を電圧制御回路5に出力する。
電圧制御回路5(本発明における「給電量調節部」に相当する)は、バッテリ6から入力された直流電圧に対してPWM(Pulse Width Modulation)制御による電圧変換(パルス幅のデュ−ティ比を変化させることにより平均電圧を減少させる)を行い、電圧変換後の電力を各操作装置301〜306の電磁式アクチュエータ3に供給する。つまり、各操作装置301〜306への通電は、電圧制御回路5によって行われる。
ECU7は、CPU、メモリ71(RAM、ROM)等を備えたマイクロコンピュータであり、メモリ71に記憶された所定のプログラムおよびデータと、電圧センサ8、油温センサ9、およびクランク角センサ15からの各検知信号とに基づいてPWM信号を生成し、そのPWM信号を電圧制御回路5に送信することにより、電圧制御回路5を制御する。具体的には、ECU7のメモリ71には、図9に示すマップ(エンジンのオイルギャラリを流れるオイルの温度と、電圧制御回路5に供給される電圧と、電磁式アクチュエータ3の応答速度との相関関係を示すデータ)が予め記憶されている。
より具体的には、メモリ71は、エンジン内を循環するオイルの温度および電磁式アクチュエータ3に供給される電圧をパラメータとする電磁式アクチュエータ3の応答速度であって、操作ピン32をリフト部23bの外周面に衝突させることなく操作ピン32を作動位置に移動させることが可能な速度である衝突回避応答速度(図9に示す下限応答速度R1以上上限応答速度R2以下の応答速度)を、当該衝突回避応答速度を実現可能なオイルの温度であって所定の温度範囲(図9に示す下限温度T1以上上限温度T2以下の範囲)に属する衝突回避温度および衝突回避応答速度を実現可能な衝突回避電圧(下限電圧V0以上上限電圧V3以下の電圧)とともに記憶する。このマップは、実験等から得たデータに基づき作成されたものである。
図9を用いて電磁式アクチュエータ3の応答特性を説明する。図9におけるグラフG0は、電圧制御回路5に供給される電圧がV0であるときの上記相関関係を示し、グラフG1は、電圧制御回路5に供給される電圧がV1であるときの上記相関関係を示し、グラフG2は、電圧制御回路5に供給される電圧がV2であるときの上記相関関係を示し、グラフG3は、電圧制御回路5に供給される電圧がV3であるときの上記相関関係を示している。
なお、電圧V0、V1、V2、V3の間には、V0<V1<V2<V3の関係がある。つまり、電圧制御回路5に供給される電圧が相対的に高い程、同じオイル温度では電磁式アクチュエータ3の応答速度が大きくなっている。また、グラフG0、G1、G2、G3において、オイルの温度がT3のときに応答速度が最大となっている。つまり、電磁式アクチュエータ3の応答速度は、オイルの温度がT3以下である場合には、オイルの温度の上昇とともに次第に大きくなり、オイルの温度がT3を超える場合には、オイルの温度の上昇とともに次第に小さくなる特性を有している。
また、図9における下限応答速度R1は、操作ピン32が後述のリフト部23b、戻しスロープ部23c、および逆転時戻しスロープ部23dの各々の外周面に衝突しない下限の応答速度であり、上限応答速度R2は、操作ピン32がリフト部23b、戻しスロープ部23c、および逆転時戻しスロープ部23dの各々の外周面に衝突しない上限の応答速度である。
つまり、電磁式アクチュエータ3の応答速度は、下限応答速度R1から上限応答速度R2の間の速度である必要があり、下限応答速度R1から上限応答速度R2までの応答速度が本発明の「衝突回避応答速度」に相当する。言い換えると、図8に示されるように、電磁式アクチュエータ3の応答時間RTは、応答時間の下限値RT1(上限応答速度R2に対応する)と、応答時間の上限値RT2(下限応答速度R1に対応する)との間の時間である必要がある。なお、図8における時刻t0は、電圧制御回路5から電磁式アクチュエータ3に対して通電が開始された時刻である。また、図8における期間K1は、操作ピン32の突出動作を行った場合に、操作ピン32がリフト部23b、戻しスロープ部23c、および逆転時戻しスロープ部23dの各々の外周面に衝突しない期間、つまり、操作ピン32を操作位置に移動させる動作を行うことが可能な期間である。仮に、応答時間が下限値RT1より小さいと、図8における左側のリフト部23b等の外周面に操作ピン32の先端が衝突する虞がある。また、応答時間が上限値RT2より大きいと、図8における右側のリフト部23b等の外周面に操作ピン32の先端が衝突する虞がある。
電圧制御回路5は、電圧制御回路5に供給される電圧の測定値(電圧センサ8による測定値)が相対的に高い程、当該測定値が相対的に低い場合に比べて、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させる。例えば、電圧制御回路5に供給される電圧がV3である場合には、該電圧がV2である場合と比べて、応答速度が大きいため(前者と後者とで油温がほぼ同じである場合)、前者における電磁式アクチュエータ3への供給電力を後者における供給電力よりも減少させる。具体的には、例えば、油温測定値がT1で電圧測定値がV3のときには(図9における点P3)、PWM制御により、電磁式アクチュエータ3に供給する平均電圧をV1まで減少させ(図9における点P1)、油温測定値がT1で電圧測定値がV2のときには(図9における点P2)、PWM制御により、電磁式アクチュエータ3に供給する平均電圧をV1まで減少させる(図9における点P1)。その結果、前者後者ともに、電磁式アクチュエータ3の応答速度は下限応答速度R1となる。
また、エンジン内を循環するオイルの温度の測定値(油温センサ9による測定値)に応じて、電磁式アクチュエータ3の応答速度が後述の下限応答速度R1(本発明における「所定の目標応答速度」に相当する)に近づくように、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させる。具体的には、例えば、油温測定値がT1で電圧測定値がV3のときには(図9における点P3)、PWM制御により、電磁式アクチュエータ3に供給する平均電圧をV1まで減少させ(図9における点P1)、油温測定値がT3で電圧測定値がV3のときには(図9における点P4)、PWM制御により、電磁式アクチュエータ3に供給する平均電圧をV0まで減少させる(図9における点P5)。また、油温測定値がT2で電圧測定値がV3のときには(図9における点P6)、PWM制御により、電磁式アクチュエータ3に供給する平均電圧をV1まで減少させる(図9における点P7)。その結果、いずれの場合も、電磁式アクチュエータ3の応答速度は下限応答速度R1となる。
電磁式アクチュエータ3に通電しない状態では、図2に破線で示すように、操作ピン32は永久磁石36の磁力によって上方の退避位置(不作動位置)に保持される。一方、電磁式アクチュエータに通電されると、図2に実線に示すように、操作ピン32は下方へ突出して作動位置に移動する。
また、操作装置301〜306による各カム要素部201〜204の軸方向の移動を所定の2か所で位置決めするため、図3に第1、第2カム要素部201、202を例として示すように、軸部10と各カム要素部201〜204との嵌合部にディテント機構40がそれぞれ設けられている。
このディテント機構40は、軸部10の外周面から径方向に穿設された孔41と、該孔41内に収納されたスプリング42と、孔41の開口部に配置され、スプリング42により軸部10の外周面から径方向の外側へ飛び出すように付勢されたディテントボール43と、カム要素部201〜204の内周面に軸方向に隣接して設けられた2か所の周溝441、442とで構成されている。そして、このディテント機構40は、ディテントボール43が一方の周溝441に係合したときに、カム要素部201〜204が図1に示す第1位置に、上記ディテントボール43が他方の周溝442に係合したときに、カム要素部201〜204が図4に示す第2位置に、それぞれ位置決めされるように構成されている。
ここで、図1に示すように、第1〜第4カム要素部201〜204が全て第1位置に位置するとき、第1カム要素部201は後方に、第2カム要素部202は前方に、第3カム要素部203は後方に、第4カム要素部204は前方に位置する。したがって、第1、第2カム要素部201、202の対向端面は互いに近接し、第2、第3カム要素部202、203の対向端面は互いに離間し、第3、第4カム要素部203、204の対向端面は互いに近接した状態となる。
また、図4に示すように、第1〜第4カム要素部201〜204が全て第2位置に位置したときは、第1カム要素部201は前方に、第2カム要素部202は後方に、第3カム要素部203は前方に、第4カム要素部204は後方に位置する。したがって、第1、第2カム要素部201、202の対向端面は互いに離間し、第2、第3カム要素部202、203の対向端面は互いに近接し、第3、第4カム要素部203、204の対向端面は互いに離間した状態となる。
(カム要素部の構成)
次に、図5,6により、カム要素部201〜204の構成について第1カム要素部201と第2カム要素部202を例としてさらに詳しく説明する。
カム要素部201(202〜204)は、筒状とされ、その中間部の外周面は上記軸受部Fに支持されるジャーナル部21とされていると共に、その前後両側に2つの排気弁A、A用の作動部22、22が設けられており、各作動部22、22には、図5に示すように、例えば低エンジン回転時用のリフト量が大きな第1カム部221と、例えば高エンジン回転時用のリフト量が小さな第2カム部222とが互いに隣接させて設けられている。
この第1カム部221と第2カム部222は、図5,6(b)に示すように、ベースサークルaが共通で、リフト量が異なるノーズ部b1、b2が該ベースサークルa上にわずかに位相差をもって設けられている。そして、カム要素部201(202〜204)の2つの作動部22は、第1カム部221と第2カム部222とが前後方向に並ぶ順序が一致し、ノーズ部b1の位相が一致し、ノーズ部b2の位相が一致している。なお、ベースサークルaが共通とは、第1カム部221と第2カム部222とのベースサークルaのベース円径が同じであることを意味する。
図1、図4に示すように、第1カム要素部201および第3カム要素部203においては、第1カム部221が前側、第2カム部222が後側にそれぞれ配置され、第2カム要素部202および第4カム要素部204においては、第2カム部222が前側、第1カム部221が後側にそれぞれ配置されている。
そして、カム要素部201〜204が上述のディテント機構40により軸部10上の第1位置に位置決めされたときには、いずれのカム要素部201〜204においても、2つの第1カム部221、221が対応する気筒11〜14の2つのロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応して位置し(図1参照)、軸部10上の第2位置に位置決めされたときは、第2カム部222、222が上記カムフォロワC’、C’に対応して位置する(図4参照)ように、カム要素部201〜204の作動部22、22の間隔が設定されている。
なお、本実施形態に係るエンジンは、各気筒の爆発順序が、第3気筒13→第4気筒14→第2気筒12→第1気筒11とされており、各カム要素部201〜204の第1カム部221および第2カム部222のノーズ部b1、b2が、カムシャフト2の90°回転ごとに、この順序でカムフォロワC’、C’に摺接するように、第1〜第4カム要素部201〜204の間で互いに位相差を有して軸部10にスプライン嵌合されている。
さらに、各カム要素部201〜204は、前後方向両端に端面カム23、23を備えている。
この前後方向両端の端面カム23、23は、各々、図5、6に示すように、カム要素部201(202〜204)の軸方向と直交する基準面23aと、この基準面23aから軸方向外向きに突出するリフト部23bとを有する。このリフト部23bは、図6に示すように、リフト開始位置eからリフト終了位置fに至る所定位相範囲α(例えば約120°)の間で、カム要素部201〜204の回転方向Xに向かうに伴い基準面23a(リフト量ゼロ)から軸方向のリフト量が次第に増加し、リフト終了位置fでリフト量が最大となるように形成されている。そして、リフト終了位置fからその回転遅れ方向(回転方向Xとは反対方向)に位置する後述のスロープ終了位置gに至る範囲で最大リフト量を維持し、該スロープ終了位置gでリフト量がゼロとなる(基準面26aに戻る)ようにリフト部26bが形成されている。
さらに、上述のように、各カム要素部201〜204が各気筒11〜14の爆発順序に応じてそれぞれ所定の位相差を設けて軸部10にスプライン嵌合されていることに伴い、各カム要素部201〜204の互いに対向する端面カム23、23もそれぞれ位相差をもって対向する。本実施形態では、図1の符号ア、イに示すように、隣接する2つの第1および第2カム要素部201、202、並びに第3および第4カム要素部203、204は、互いに対向する端面カム23、23のリフト部23b、23bが互いに異なる位相に設けられており、この2つのカム要素部201〜204が近接時にこれらリフト部23b、23bの少なくとも一部が軸方向に重複している。
そして、上記第2および第5操作装置302、305の操作ピン32、32は、対応する2つのカム要素部201〜204の近接時に互いに対向する端面カム23、23の対向面間に突出して作動位置に移動し、これらの端面カム23、23に係合することにより、カムシャフト2の回転に従って、近接していた2つのカム要素部201〜204を互いに離間させる方向にスライドさせるようになっている。
図1に示す状態では、近接していた第1、第2カム要素部201、202、および、第3、第4カム要素部203、204は、互いに離間することによりいずれも第1位置から図4に示す第2位置へ移動する。また、図4に示す状態では、近接していた第2、第3カム要素部202、203は、互いに離間することにより第2位置から図1に示す第1位置へ移動する。
一方、第1操作装置301の操作ピン32は、図4に示すように、第1カム要素部201が前側の第2位置にある状態で、該第1カム要素部201の前側の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、カムシャフト2の回転に伴って、第1カム要素部201を後側の第1位置へ移動させる。同様に、第4操作装置304の操作ピン32は、第3カム要素部203が前方の第2位置にある状態で、該第3カム要素部203の前方の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、カムシャフト2の回転に伴って、第3カム要素部203を後側の第1位置へ移動させる。
また、第3操作装置303の操作ピン32は、第2カム要素部202が後側の第2位置にある状態で、該第2カム要素部202の後側の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、これを前側の第1位置へ移動させる。同様に、第6操作装置306の操作ピン32は、第4カム要素部204が後側の第2位置にある状態で、該第4カム要素部204の後側の端面カム23に対面する作動位置へ突出することにより該端面カム23に係合し、これを前側の第1位置へ移動させる。
ここで、各操作装置301〜306の操作ピン32の作動位置への突出は、以下のようなタイミングで行われる。すなわち、第1、第4操作装置301、304については、操作ピン32の指向位置に、第1、第3カム要素部201、203の前側の端面カム23の端面カム23の基準面23aが位置するタイミングで行われる。また、第3、第6操作装置303、306にあっては、操作ピン32の指向位置に、第2、第4カム要素部202、204の後側の端面カム23の基準面23aが位置するタイミングで操作ピン32の突出が行われる。さらに、第2操作装置302にあっては、操作ピン32の指向位置に、第1、第2カム要素部201、202の互いに対向する2つの端面カム23、23の両方の基準面23a、23aが位置するタイミングで操作ピン32の突出が行われる。第5操作装置305にあっては、操作ピン32の指向位置に、第3、第4カム要素部203、204の互いに対向する2つの端面カム23、23の両方の基準面23a、23aが位置するタイミングで操作ピン32の突出が行われる。
また、この操作ピン32の作動位置への突出による各カム要素部201〜204の移動は、ロッカアームCのカムフォロワC’が第1カム部221または第2カム部222のベースサークルaに対応して位置しているタイミング、すなわち、当該気筒が排気行程以外の行程にあるときに行われなければならない。
そこで、これらの作動タイミングの条件を満足するために、この実施形態では、図6に示すように、第1、第2カム部221、222のノーズ部b1、b2の頂部に対し、回転方向Xの前方側の所定位相の位置に端面カム23のリフト開始位置eが設定され、該リフト開始位置eから回転方向Xの後方側(回転遅れ方向)の所定位相αの位置に端面カム23のリフト終了位置fが設定されている。そして、端面カム23のリフト開始位置eから回転方向Xの後方側に向かうリフト終了位置fまでの角度が180度よりも小さくなるように、端面カム23のリフト部23bが設けられている。この場合、図2に示すロッカアームCのカムフォロワC’と操作装置301〜306の操作ピン32の位置関係において、各カム要素部201〜204は、排気行程の終了後間もなく移動することになる。
しかし、上述のような位置関係で第1、第2カム部221、222のノーズ部b1、b2と端面カム23のリフト部23bが設けられていても、作動不良等により操作装置301〜306の操作ピン32が意図していないタイミングで突出してしまった場合、この操作ピン32とリフト部23bとが不用意に係合してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、カム要素部201〜204の端面カム23に、作動位置へ突出した操作ピン32を強制的に不作動位置まで退避させるための戻しスロープ部23cが一体的に設けられている。
この戻しスロープ部23cは、各カム要素部201〜204のカム部22を切り換える順序、操作装置30の配置される個数等の条件によって設けるべき場所が変わる。しかし、これらの条件によらず、戻しスロープ部23cは、互いに隣接するカム要素部201〜204のうち、共通する操作装置301〜306によって遅れて離間されるカム要素部201〜204の対向する端部に少なくとも設ける必要がある。本実施形態の場合、燃焼順序と同じ第3気筒13→第4気筒14→第2気筒12→第1気筒11の順に各気筒11〜14のカム要素部201〜204のカム部22を切り換えるため、第1、第4カム要素部201、204の前後方向両端と、第2カム要素部202の後端と、第3カム要素部203の前端にそれぞれ戻しスロープ部23cが設けられている。
図5に示すように、戻しスロープ部23cは、リフト部23bよりさらに軸方向に突出し、図6に示すように、端面カム23の端面において端面カム23のリフト終了位置fより回転遅れ側(矢印Xと逆方向)に所定位相範囲、すなわちリフト終了位置(スロープ開始位置)fからスロープ終了位置gまで設けられており、回転遅れ側に向かって外方に傾斜して延びるカム面、すなわち、回転遅れ側に向かって半径方向のリフト量が次第に高くなるカム面を有する。このカム面は、スロープ開始位置fにおけるリフト量が作動位置にある操作ピン32の先端部よりもわずかに低いと共に、スロープ終了位置gにおけるリフト量が不作動位置にある操作ピン32の先端部よりもわずかに低く設定されている。
この戻しスロープ部23cによれば、リフト部23bによるカム要素部201〜204の移動が終了した後に操作ピン32の先端部をそのカム面に摺接することにより、操作ピン32を作動位置から不作動位置に退避させることができる。なお、上述のように、スロープ終了位置gにおけるリフト量は不作動位置にある操作ピン32の先端部よりも低いが、スロープ開始位置fからスロープ終了位置gに至るまでに操作ピン32に与えられた慣性力と電磁式アクチュエータの磁力によって、操作ピン32はさらに不作動位置まで押し戻される。
さらに、カム要素部201〜204は、カムシャフト2が逆回転した際、作動位置へ突出した操作ピン32を強制的に不作動位置まで退避させるための逆転時戻しスロープ部23dを端面カム23に一体的に有している。
この逆転時戻しスロープ部23dは、カム要素部201〜204の両端の端面カム23、23のうち、戻しスロープ部23cが設けられている端面カム23と同じ端面カム23に戻しスロープ部23cと共に設けられている。本実施形態の場合、逆転時戻しスロープ部23dは、第1、第4カム要素部201、204の前後方向両端と、第2カム要素部202の後端と、第3カム要素部203の前端にそれぞれ設けられている。
図5に示すように、逆転時戻しスロープ部23dは、基準面23aから軸方向に戻しスロープ部23cと同量だけ突出している。また、図6に示すように、逆転時戻しスロープ部23dは、端面カム23の端面においてスロープ終了位置gより回転遅れ側(矢印Xと逆方向)に所定位相範囲、すなわちスロープ終了位置(逆転時スロープ終了位置)gから逆転時スロープ開始位置hまで設けられている。そして、端面カム23の逆転時スロープ終了位置gの外周面から回転遅れ側に向かって内方に傾斜して延びるカム面、すなわち、回転遅れ側に向かって半径方向のリフト量が次第に低くなるカム面を有する。このカム面は、逆転時スロープ開始位置hにおけるリフト量が作動位置にある操作ピン32の先端部よりもわずかに低いと共に、逆転時スロープ終了位置gにおけるリフト量が不作動位置にある操作ピン32の先端部よりもわずかに低く設定されている。
(動弁装置の動作)
次に、この実施形態の動弁装置の動作について、図10、11を参照しながら説明する。なお、図10は、第4操作装置304の操作ピン32に対する第3および第4カム要素部203、204の回転を、両カム要素部203、204に対する端面カム23の円周方向への操作ピン32の相対移動(正回転方向Xが図の左から右、逆回転方向Yが図の右から左)として示した図である。そして、近接時(第1位置にあるとき)の両カム要素部203、204の端面カム23を実線、離間時(第2位置にあるとき)の両カム要素部203、204の端面カム23を一点鎖線で示している。また、図11は、図10において操作ピン32が(ア)(エ)(オ)’(カ)(キ)(ク)の位置にあるときの動弁装置を、端面カム側から見た図である。なお、(ア)’は、操作ピン32が退避位置にあるときの状態を示している。
まず、図1に示すように、例えばエンジンの高回転時であって、第1〜第4カム要素部201〜204が第1位置に位置するとき、これらのカム要素部201〜204においては、いずれも、両端の作動部22、22におけるリフト量の大きな第1カム部221、221がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応して位置し、カムシャフト2の回転により、前述の順序で、排気行程時に各気筒11〜14の排気弁A…Aが相対的に大きな開弁量で開弁する。
この状態から、エンジン回転数の低下等に伴い、排気弁A…Aの開弁量を少なくするように切り換える場合、この動作は、第2、第5操作装置302、305を通電して操作ピン32、32を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
具体的には、まず、ECU7が、油温センサ9から入力した検知データと、メモリ71に記憶されたマップとに基づき、油温測定値が衝突回避温度であるか否かを判断する。油温測定値が衝突回避温度でなければ、操作ピン32の突出動作を中止する。
一方、油温測定値が衝突回避温度であれば、ECU7は、電圧センサ8から入力した検知データと、メモリ71に記憶されたマップとに基づき、電圧測定値が衝突回避電圧であるか否かを判断する。電圧測定値が衝突回避電圧でなければ、操作ピン32の突出動作を中止する。
一方、電圧測定値が衝突回避電圧であれば、ECU7は、電磁式アクチュエータ3の応答速度が下限応答速度R1となるように、電磁式アクチュエータ3への給電量(供給電力)を減少させるPWM制御を行うためのPWM信号を生成する。
次いで、ECU7は、このPWM信号を電圧制御回路5に送信し、電圧制御回路5を制御する。これにより、電磁式アクチュエータ3は、操作ピン32の先端をリフト部23b、戻しスロープ部23c、および逆転時戻しスロープ部23dの各外周面に衝突させることなく、操作ピン32を操作位置へ移動させることができるとともに、その移動時に発生する電磁式アクチュエータ3内での衝突音(永久磁石36がピン支持部35の後端部に衝突することにより発生する衝突音)を低減することができる。
このような制御が行われることで、第5操作装置305の操作ピン32が、第1位置にあって互いに近接した状態にある第3、第4カム要素部203、204の対向する端面カム23、23の間に無事に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、図10(a)で符号(ア)で示すように、上記操作ピン32は、第3、第4カム要素部203、204の対向する端面カム23、23(実線で図示)のリフト量がいずれもゼロの基準面23a、23aを指向する期間に突入される。
そして、まず、第3気筒13の排気行程が終了した後、第5操作装置305の操作ピン32の位置に第3カム要素部203の後方の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第5操作装置305の操作ピン32が、図10で符号(イ)から(ウ)までの位置において、カムシャフト2の回転に従い、第3カム要素部203の後方の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第3カム要素部203を前側へ押し(下向き白抜き矢印で図示)、これを第2位置へスライドさせる(一点鎖線で図示)。
また、第5操作装置305の操作ピン32の位置に上記第3カム要素部203の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第4気筒14の排気行程が終了すると、次に、第4カム要素部204の後側の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、第5操作装置305の操作ピン32が、図10の符号(エ)から(オ)までの位置において、カムシャフト2の回転に従い、第4カム要素部204の後方の端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第4カム要素部204を後側へ押し(上向き黒色矢印で図示)、第4カム要素部204の第2位置へのスライドする(一点鎖線で図示)。
さらに、第5操作装置305の操作ピン32が図10で符号(オ)の位置を過ぎると、ECU7は、電磁式アクチュエータ3への通電を止める制御信号を電圧制御回路5に送信する。その後、この操作ピン32が戻しスロープ部23cを指向し、図10で符号(カ)で示す位置まで、カムシャフト2の回転に従い、操作ピン32の先端面が戻しスロープ部23cのカム面に摺接しながら押し上げられ、操作ピン32は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、操作ピン32は永久磁石36の磁力によって、不作動位置に保持される。
ここで、第5操作装置305の操作ピン32が、図10の符号(ク)で示す位置で、図11の符号(ク)で示すように、作動不良等により誤って突出し、さらに、この操作ピン32が突出した状態でエンジンが逆回転した場合、操作ピン32が、図10の符号(キ)で示す逆転時スロープ終了位置gから逆転時スロープ開始位置hの間で、カムシャフト2の逆回転(矢印Y方向)に従い、図11の符号(キ)で示すように、操作ピン32の先端面が逆転時戻しスロープ部23dのカム面に摺接しながら押し上げられ、図11の符号(カ)で示すように、不作動位置へ向けて退避させられる。
この操作ピン32が摺接する逆転時戻しスロープ部23dのカム面は、滑らかな傾斜面となっているため、エンジンの逆回転時に操作ピン32の先端部がこのカム面に干渉してカムシャフト2の逆回転を止めることがない。
次に、第2操作装置302の操作ピン32を、第1位置にあって互いに近接した状態にある第1、第2カム要素部201、202の対向する端面カム23、23の間に突入させるために、上記と同様に、ECU7によるPWM信号の生成、およびPWM制御による供給電力の低減が行われる。これにより、第2操作装置302の操作ピン32が、第1、第2カム要素部201、202の対向する端面カム23、23の間に無事に突入し、これらの端面カム23、23に係合する。その場合、第2操作装置302の操作ピン32は、第1、第2カム要素部201、202の対向する端面カム23、23のリフト量がいずれも0の基準面23a、23aを指向する期間に突入される。さらに、操作ピン32が操作位置に移動する際に生じる電磁式アクチュエータ3内での衝突音を抑制することができる。
そして、第2気筒12の排気行程が終了した後、第2操作装置302の操作ピン32の位置に第2カム要素部202の前側の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に伴い、上記操作ピン32が該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第2カム要素部202を後側へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
また、操作ピン32の位置に上記第2カム要素部202の端面カム23のリフト開始位置eが到達した後、カムシャフト2が90°回転し、第1気筒11の排気行程が終了すると、操作ピン32の位置に実線で示す第1カム要素部201の前側の端面カム23のリフト開始位置eが到達し、その後、カムシャフト2の回転に伴い、上記操作ピン32が該端面カム23のリフト部23bに摺接しながら第1カム要素部201を前側へ押し、これを第2位置へスライドさせる。
さらに、第2操作装置302の電磁式アクチュエータへの通電を止め、操作ピン32が戻しスロープ部23cを指向する間、前述の第5操作装置305と同様に、操作ピン32の先端面が戻しスロープ部23cのカム面に摺接しながら押し上げられ、操作ピン32は強制的に不作動位置へ戻される。
その後、操作ピン32は永久磁石36の磁力によって、不作動位置に保持される。
以上により、第1〜第4カム要素部201〜204は全て第1位置から第2位置へ移動し、図4に示すように、第1〜第4カム要素部201〜204のいずれにおいても、両端の作動部22、22における第2カム部222…222がロッカアームC、CのカムフォロワC’、C’に対応して位置し、排気行程時に各気筒11〜14の排気弁A…Aが相対的に小さな開弁量で開弁することになる。
一方、図4に示す各カム要素部201〜204のリフト量が小さな第2カム部222…222がロッカアームC…CのカムフォロワC’…C’に対応して位置する状態から、例えばエンジン回転数の上昇に伴い、図1に示すリフト量が大きな第1カム部221…221がカムフォロワC’…C’に対応して位置する状態に切り換える動作は、第1、第3、第4、第6操作装置301、303、304、306を通電し、これらの操作装置301、303、304、306の操作ピン32…32を不作動位置から作動位置へ突出させることにより行われる。
以上のように、この実施形態によれば、4つの気筒11〜14にそれぞれ備えられた4つのカム要素部201〜204が6つの操作装置301〜306により操作され、排気弁A…Aを開閉させるカム部22が、リフト量の小さな第1カム部221…221とリフト量の大きな第2カム部222…222との間で切り換えられる。
(本実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、電磁式アクチュエータ3を駆動するために用いる電圧の測定値が相対的に高い程、当該測定値が相対的に低い場合に比べて、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させる給電量調節が行われるため、操作ピン32が作動位置に移動する際に生じる騒音を抑制することができる。また、エンジン内を循環するオイルの温度の測定値に応じて、電磁式アクチュエータ3の応答速度が所定の目標応答速度(下限応答速度R1)に近づくように、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させる給電量調節が行われるため、操作ピン32が作動位置に移動する際に生じる騒音を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、オイルの温度の測定値がT3以下である場合には、当該測定値が相対的に高い程、当該測定値が相対的に低い場合に比べて、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させ、オイルの温度の測定値がT3を超える場合には、当該測定値が相対的に低い程、当該測定値が相対的に高い場合に比べて、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させることにより、操作ピン3が突出する際に電磁式アクチュエータ3内で発生する衝突音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、電磁式アクチュエータ3の応答速度が衝突回避応答速度となる範囲で電磁式アクチュエータ3に供給する電力を調節するため、操作ピン32がリフト部23cの外周面に衝突するのを防止しつつ、操作ピン32が突出する際に電磁式アクチュエータ3内で発生する衝突音を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、多気筒エンジンの各気筒に設けられた排気弁のカム部221、222を切り替える際の騒音を抑制することができるため、騒音の抑制を効果的に行うことができる。
また、本実施形態によれば、カム要素部201〜204が軸方向に移動した後に、戻しスロープ部23cに沿って操作ピン32がカム要素部201〜204の径方向外側に案内されることにより、強制的に操作ピン32が作動位置から後退位置に向かって押し戻される。これにより、操作ピン32を作動位置から後退位置に復帰させることができる。
また、本実施形態によれば、操作ピン32が戻しスロープ部23cに案内されて作動位置から後退位置に向かってある程度押し戻されると、永久磁石36の磁力によって永久磁石36が磁芯31に吸着され、これにより、操作ピン32が磁芯31に保持される。
また、本実施形態によれば、電磁式アクチュエータ3を駆動するための電圧が高い場合であっても、PWM制御によって平均出力電圧を低下させて、これにより、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を容易に減少させることができる。
なお、上記実施形態では、電圧センサ8は、電圧制御回路5に供給される電圧を測定しているが、バッテリ6の端子電圧を測定してもよい。この場合には、ECU7は、バッテリ6の端子電圧に基づいてPWM信号を生成する。
また、上記実施形態では、目標応答速度を下限応答速度R1に設定している(図9参照)が、下限応答速度R1より高めの値(但し、上限応答速度R2以下の値)に設定してもよい。
また、上記実施形態では、電磁式アクチュエータ3に供給する電力を減少させる給電量調節の具体例として、電磁式アクチュエータ3の応答速度が目標応答速度となるように給電量調節を行っている(図9参照)が、応答速度が目標応答速度よりも高めの値(但し、上限応答速度R2以下の値)となるように給電量調節を行ってもよい。