JP6285934B2 - イムノアッセイの干渉の低減、及び安定化のためのシャペロン−シャペロン融合ポリペプチド - Google Patents

イムノアッセイの干渉の低減、及び安定化のためのシャペロン−シャペロン融合ポリペプチド Download PDF

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Description

本発明は、1個の多量体化ドメイン、特にSkpと、SlyD又はSlpAの少なくとも1分子を含む数分子のフォールディングヘルパー(folding helper)ポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、更なる標的ポリペプチド配列が前記融合ポリペプチドと融合しない融合ポリペプチドに関する。更に、本発明は、干渉を低減し、又は偽陽性の結果を最小にし、又はタンパク性のアッセイ試薬を安定化するためのイムノアッセイ、並びにイムノアッセイにおける前記融合ポリペプチドの使用に関する。更に、本発明は、前記融合ポリペプチドを含むイムノアッセイに使用するための試薬キットに関する。
古典的なフォールディングヘルパーとして知られているシャペロンは、他のタンパク質をフォールディングし、構造的完全性の維持を補助するタンパク質である。シャペロンは、タンパク質の変性表面又は疎水性表面に結合し、タンパク質を再生し、溶液中に保つように補助する。シャペロンは、その優れた物理化学的性質のため、タンパク質工学において、フォールディング助剤及び融合パートナーとして用いられる。1種のシャペロンは、免疫抑制剤FK506と結合するタンパク質である、FKBPシャペロンの系である。
高難度蛋白質(difficult proteins)のための融合パートナーとしてのSlyD、FkpA及びSlpA(=SlyD−様プロテインA)などのFKBPシャペロンの使用は、広範囲にわたって開示されている(国際公開第2003/000878号、国際公開第2009/074318号、欧州特許第2127679号明細書)。
病原体、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、風疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)又は単純ヘルペスウイルス(HSV)に対する抗体の検出のための市販のイムノアッセイキットは、シャペロンが特定の標的抗原配列と融合したポリペプチド融合タンパク質を含有している。このような融合タンパク質は、例えば、Scholzら, J. Mol. Biol. (2005) 345, 1229-1242、Scholzら, Biochemistry (2006) 45, 20-33、又はScholzら, Biochemistry (2008) 47, 4276-4287に開示されている。
SlyD、FkpA及びSlpAは、極めて優れた溶解(すなわち、シャペロン)特性を有しており、化学的又は熱的に誘発されたアンフォールディング後に可逆的に再フォールディングし得ることで特徴づけられる。高難度の標的ポリペプチドの融合パートナーとして、それらは少なくとも3つの役割を果たしている。第一に、それらは、原核生物において異種的に過剰発現する標的タンパク質の産生を増大し、第二に、それらは、標的ポリペプチドのインビトロでの再フォールディングを容易にし、かつ促進し、第三に、それらはそれぞれの標的ポリペプチドの全体的な溶解性及び安定性を上昇させる。
しかし、SlyD、FkpA及びSlpAなどのシャペロンは、それ自体が免疫原である。それらは細菌タンパク質に富むので、ヒト(又は一般的に言えば、哺乳動物)の免疫系により非自己と認識され、親和性の高い特定の抗体の産生をもたらす強力な液性免疫応答を引き起こす。したがって、かなりの割合の成人の血清は、前記シャペロンに対するかなりの力価の免疫グロブリンを含んでいる。結果として、ヒト血清試料は、イムノアッセイ、特に細菌のシャペロンモジュールと融合する抗原特定因子(antigen specifiers)を用いる二重抗原サンドイッチ形式のイムノアッセイにおいて偽陽性の結果になるというかなりの可能性がある。
抗体が誘発する融合パートナーの架橋による、このように好ましくない交差反応を防ぐため、イムノアッセイは、通常は非対称的な形状に設計されている。これは、例えば、周知の二重抗原サンドイッチ形式(DAGS)で設計された抗体の検出のためのイムノアッセイにおいては、当業者は、非特異的架橋を防止するために、アッセイの両側に適用される抗原に対して異なる形式のパートナーを用いていることを意味する。固相及び検出側の抗原に対して同一の形式のパートナーを用いると、試料中の妨害化合物が前記同一形式のパートナー間に架橋を形成し、その結果、(偽)陽性反応を引き起こす可能性がある。
抗原−融合タンパク質の一部である、融合パートナーとの好ましくない結合を防止するための更なる手段として、通常、使用する融合モジュール(すなわち、特異抗原をなんら有しない融合部分)の化学的重合型がアッセイに大過剰に加えられる。高いエピトープ密度及びその高い有効濃度のため、好ましくは、前記融合モジュールに対するIgG及びIgMを誘因し、結合し、クエンチングする。化学的に重合した融合モジュールは、ベイト(釣り餌、bait)として機能し、融合モジュールは、干渉を抑制し、除外し得るように、試料中の干渉化合物を非常に効率的にクエンチングする。例えば、大腸菌(E.coli)のSlyDを二重抗原サンドイッチ型のイムノアッセイにおける所与の抗原に対する融合パートナーとして用いる場合、化学的に重合された(例えば、グルタルアルデヒドとの架橋により)大腸菌SlyDを生成し、抗−干渉物質としてこのポリマーをアッセイに加えるのに非常に適している。
しかし、化学的に重合するタンパク質の使用により、それ自体の化学製造工程にはかなりの不利益がある。適用する架橋剤によっては、化学的重合工程は完全に再現できない。化学的に架橋したポリマーは、通常種々のポリマーサイズの広範囲な分布を示し、すなわち、連続性について大きく変化し、かなりの異質性により特徴づけられる。効果的なポリマー画分(すなわち、所望の抗干渉能力を有するポリマー画分)を選択するため、時間を浪費し、面倒なクロマトグラフ法によりポリマープールを精製及び分画する必要がある。更に、わずかな割合の生成物のみが所望の画分に溶出されるので、収量も限られている。
イムノアッセイにおいて、十分に特徴付けられていない化学的に重合した物質を使用することの障害を克服するため、本発明者らは抗干渉物質を生成する代替方法を探索した。本発明者らは、簡易かつ便利な方法で、十分に高く、十分に特徴付けられたエピトープ密度を有する抗干渉モジュールを得ようと努力した。したがって、完全な組み換え型形式で十分に特徴付けられ、溶解度が高くかつ効率のよい抗干渉物質を生成することが可能かどうかの問題に取り組んだ。手短に言えば、解決すべき課題は、再現可能かつ標準化可能な方法で、高いエピトープ密度を有するシャペロン融合パートナーを溶液形状で得ることである。
前記課題は、請求項により特徴付けられる本発明により解決される。具体的には、本発明は、1個の多量体化ドメインと、SlyD又はSlpAの少なくとも1分子とを含む数分子のフォールディングヘルパーポリペプチドを含有する融合ポリペプチドであって、更なる標的ポリペプチド配列が前記融合ポリペプチドと融合しない融合ポリペプチドに関する。好ましい多量体化ドメインとしてSkpが用いられる。好ましくは、1分子のSkpは、2個の隣接するSlyD分子、又は2個の隣接するSlpA分子と融合する。他の好ましい態様においては、1分子のSkpは、2個の隣接するSlyD分子、又は2個の隣接するSlpA分子、又は融合パートナーとして機能する他の単量体シャペロンとN−末端で融合する。「N−末端で融合する」という用語は、Skpが他のタンパク質分子のN−末端、本事例ではSlyD又はSlpAのいずれかのN−末端に融合することを意味する。更に好ましい様式においては、本発明の融合ポリペプチドは、Skp−タンデム−SlyD又はSkp−SlyD−SlyDと命名することもできる配列番号1を含む。好ましい融合ポリペプチドは、配列番号1からなるポリペプチド(Skp−タンデム−SlyD)である。更に好ましい融合ポリペプチドは、Skp−タンデム−SlpA又はSkp−SlpA−SlpAと命名することもできる配列番号9を含むポリペプチドである。特に好ましくは、配列番号9からなるポリペプチドである。
本発明の他の態様は、融合ポリペプチドが、干渉を低減し、又は偽陽性の結果を最小にするために使用することができるような、イムノアッセイにおける添加剤、又はアッセイ試薬への添加剤としての融合ポリペプチドの使用である。本発明によれば、前記融合ポリペプチドは、検定試薬内のタンパク性成分の溶解度を上昇させるためにも用いることができる。本発明の更に好ましい態様は、前記融合ポリペプチドを含むイムノアッセイにより、分離試料中の検体の検出のための試薬キットをも包含する。
更に好ましい態様においては、前記で特徴付けられた融合ポリペプチドが、干渉を低減し、又は偽陽性の結果を最小にするための試薬として用いられる、分離試料中の検体を検出する方法が包含される。
本発明の他の態様は、下記工程を含む、分離試料中の検体、例えば抗体を検出する方法である。
a)体液試料を、前記試料中に存在する前記検体と特異的に結合し得る、特異的結合パートナーと混合することにより免疫反応混合物を生成する工程、
b)前記特異的結合パートナーを前記試料に加える前、同時又は後のいずれかに、本発明の融合ポリペプチドを前記免疫反応混合物に加える工程、
c)前記体液試料中に存在する検体が、前記特異的結合パートナーと免疫反応し、免疫反応生成物が形成されるのに十分な時間、前記免疫反応混合物を維持する工程、及び、
d)前記免疫反応生成物のいずれかの存在及び/又は濃度を検出する工程。
本発明の更なる側面は、イムノアッセイ法により分離試料中の検体を検出するため、特に抗体を検出するための試薬キットであって、本発明の融合ポリペプチドを含む試薬キットである。試薬キットの他の成分は当業者に公知であり、例えば、抗原等の特異的結合試薬が挙げられる。更なるキット構成要素は、緩衝液、防腐剤、標識物質及び使用説明書である。
図1〜7は、表1a〜c、2a〜c及び3を示し(実施例3参照)、HIV抗−gp41抗体の検出のためのイムノアッセイにおける融合ポリペプチドの抗干渉活性の結果を示す。詳細には、
図1は表1aを示す。 図2は表1bを示す。 図3は表1cを示す。 図4は表2aを示す。 図5は表2bを示す。 図6は表2cを示す。 図7は表3を示す。 図8は、280nmの検出波長で近紫外線領域で観察した、熱的に誘発されるSkp−SlyD−SlyDのアンフォールディング及び再フォールディングを示す。 図9は、250〜330nmの範囲のSkp−SlyD−SlyDの近紫外線CDスペクトルを示す(実施例5参照)。 図10は表4を示し、抗−HSV2抗体の検出のためのイムノアッセイにおける融合ポリペプチドの抗干渉活性の結果を示す(実施例4参照)。 図11は、250〜330nmの範囲のSkp−SlpA−SlpAの近紫外線CDスペクトルを示す(実施例5参照)。
配列番号1は、Skp−タンデム−SlyD又はSkp−SlyD−SlyDのアミノ酸配列を示す。Skp及びSlyD単位間のグリシンリッチスペーサー領域(下線部)は、融合パートナーの柔軟性を最大にし得、Skp単位が、C−末端で融合したSlyDタンパク質の干渉なしで規則正しく配列した三量体を形成し得ることを確認するために加えられた。追加のC−末端のオクタヒスチジンタグは、精製の目的で加えられた(実験の項を参照)。配列番号1は、E.coli(大腸菌)のSlyDのアミノ酸残基1〜165(配列番号3の完全な分子)をタンデム型で、すなわち、1列に並んだ2個の大腸菌SlyD(1〜165)単位を含む。
ADKIAIVNMG SLFQQVAQKT GVSNTLENEF RGRASELQRM ETDLQAKMKK LQSMKAGSDR TKLEKDVMAQ RQTFAQKAQA FEQDRARRSN EERGKLVTRI QTAVKSVANS QDIDLVVDAN AVAYNSSDVK DITADVLKQV KGGGSGGGSG GGSGGGSGGG SGGGMKVAKD LVVSLAYQVR TEDGVLVDES PVSAPLDYLH GHGSLISGLE TALEGHEVGD KFDVAVGAND AYGQYDENLV QRVPKDVFMG VDELQVGMRF LAETDQGPVP VEITAVEDDH VVVDGNHMLA GQNLKFNVEV VAIREATEEE LAHGHVHGAH DHHHDHDHDG GGSGGGSGGG SGGGSGGGSG GGMKVAKDLV VSLAYQVRTE DGVLVDESPV SAPLDYLHGH GSLISGLETA LEGHEVGDKF DVAVGANDAY GQYDENLVQR VPKDVFMGVD ELQVGMRFLA ETDQGPVPVE ITAVEDDHVV VDGNHMLAGQ NLKFNVEVVA IREATEEELA HGHVHGAHDH HHDHDHDGGG SHHHHHHHH
配列番号2は、スイスプロット受入番号P11457による大腸菌Skp(161アミノ酸)の完全なアミノ酸配列を示す。本発明の融合ポリペプチドについて、標的分子が産生され、過剰産生された原核生物宿主の細胞質ゾルに維持されていることを確認するために、大腸菌Skpのシグナル配列(アミノ酸1〜20)を除去する。好ましくは、大腸菌Skpの成熟形態、すなわち下記に示す配列のアミノ酸21〜161が使用される。
MKKWLLAAGL GLALATSAQA ADKIAIVNMG SLFQQVAQKT GVSNTLENEF KGRASELQRM ETDLQAKMKK LQSMKAGSDR TKLEKDVMAQ RQTFAQKAQA FEQDRARRSN EERGKLVTRI QTAVKSVANS QDIDLVVDAN AVAYNSSDVK DITADVLKQV K
配列番号3は、スイスプロットデータベースにおいて、ID P0A9K9により入手することもできる、完全な大腸菌SlyDアミノ酸配列(196アミノ酸残基)を示す。本発明の融合ポリペプチドについて、好ましくは下記に示す配列の大腸菌SlyDスパンニングアミノ酸残基1〜165のC−末端が欠失した変型が使用される。
MKVAKDLVVS LAYQVRTEDG VLVDESPVSA PLDYLHGHGS LISGLETALE GHEVGDKFDV AVGANDAYGQ YDENLVQRVP KDVFMGVDEL QVGMRFLAET DQGPVPVEIT AVEDDHVVVD GNHMLAGQNL KFNVEVVAIR EATEEELAHG HVHGAHDHHH DHDHDGCCGG HGHDHGHEHG GEGCCGGKGN GGCGCH
配列番号4は、いくつかのシャペロン部分間の、柔軟性を有し、可溶性であり、かつプロテアーゼ耐性のスペーサー又はリンカーとして使用することのできる、グリシンリッチスペーサー(セリンにより分離された三連のグリシン単位を含む)のアミノ酸配列を示す。
GGGSGGGSGG GSGGGSGGGS GGG
配列番号5は、Ni−TNA補助タンパク質精製を可能にするタンパク質のC−末端に加えることのできる、オクタヒスチジンタグ又は「His−タグ」(8個のヒスチジン単位を含む)のアミノ酸配列を示す。
GGGSHHHHHH HH
配列番号6は、スイスプロットデータベース受入番号P45523によっても入手可能なFkpAの完全アミノ酸配列(270アミノ酸)を示す。本発明の融合ポリペプチドについては、標的分子が産生され、過剰産生された原核生物宿主の細胞質ゾルに維持されていることを確認するために、大腸菌FkpAのシグナル配列(アミノ酸1〜25)を除去する。好ましくは、大腸菌FkpAの成熟型、すなわち下記配列のアミノ酸26〜270が使用される。
MKSLFKVTLL ATTMAVALHA PITFAAEAAK PATAADSKAA FKNDDQKSAY ALGASLGRYM
ENSLKEQEKL GIKLDKDQLI AGVQDAFADK SKLSDQEIEQ TLQAFEARVK SSAQAKMEKD
AADNEAKGKE YREKFAKEKG VKTSSTGLVY QVVEAGKGEA PKDSDTVVVN YKGTLIDGKE
FDNSYTRGEP LSFRLDGVIP GWTEGLKNIK KGGKIKLVIP PELAYGKAGV PGIPPNSTLV
FDVELLDVKP APKADAKPEA DAKAADSAKK
配列番号7は、スイスプロットデータベース受入番号P0AEM0から入手した、大腸菌SlpAの完全なアミノ酸配列(149アミノ酸)を示す。
MSESVQSNSA VLVHFTLKLD DGTTAESTRN NGKPALFRLG DASLSEGLEQ HLLGLKVGDK
TTFSLEPDAA FGVPSPDLIQ YFSRREFMDA GEPEIGAIML FTAMDGSEMP GVIREINGDS
ITVDFNHPLA GQTVHFDIEV LEIDPALEA
配列番号8は、スイスプロットID:Q9CKP2のパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)SlyD(全長)のアミノ酸配列を示す。
MKIAKNVVVS IAYQVRTEDG VLVDEAPVNQ PLEYLQGHNN LVIGLENALE GKAVGDKFEV
RVKPEEAYGE YNENMVQRVP KDVFQGVDEL VVGMRFIADT DIGPLPVVIT EVAENDVVVD
GNHMLAGQEL LFSVEVVATR EATLEEIAHG HIHQEGGCCG GHHHDSDEEG HGCGCGSHHH
HEHEHHAHDG CCGNGGCKH
配列番号9は、Skp−タンデム−SlpA又はSkp−SlpA−SlpAのアミノ酸配列を示す。Skp及びSlpA単位間のグリシンリッチスペーサー領域(下線部)は、融合パートナーの柔軟性を最大にし得、Skp単位がC−末端で融合したSlpAタンパク質の干渉なしで規則正しく配列した三量体を形成し得ることを確認するために加えられた。追加されたC−末端のヘキサヒスチジンタグは、精製の目的で加えられた。配列番号9は、大腸菌SlpAのアミノ酸残基2〜148(完全な分子であるが、N−末端メチオニン及びC−末端アラニンを欠失する、配列番号7を参照)をタンデム型、すなわち1列に並んだ2個の大腸菌SlpA(2〜148)単位を含む。
ADKIAIVNMG SLFQQVAQKT GVSNTLENEF RGRASELQRM ETDLQAKMKK LQSMKAGSDR TKLEKDVMAQ RQTFAQKAQA FEQDRARRSN EERGKLVTRI QTAVKSVANS QDIDLVVDAN AVAYNSSDVK DITADVLKQV KGGGSGGGSG GGSGGGSGGG SGGGSESVQS NSAVLVHFTL KLDDGTTAES TRNNGKPALF RLGDASLSEG LEQHLLGLKV GDKTTFSLEP DAAFGVPSPD LIQYFSRREF MDAGEPEIGA IMLFTAMDGS EMPGVIREIN GDSITVDFNH PLAGQTVHFD IEVLEIDPAL EGGGSGGGSG GGSGGGSGGG SGGGSESVQS NSAVLVHFTL KLDDGTTAES TRNNGKPALF RLGDASLSEG LEQHLLGLKV GDKTTFSLEP DAAFGVPSPD LIQYFSRREF MDAGEPEIGA IMLFTAMDGS EMPGVIREIN GDSITVDFNH PLAGQTVHFD IEVLEIDPAL EHHHHHH
SlyD融合モジュールを含む希少試薬を用いる市販のイムノアッセイにおいては、タンデムSlyD(グルタルジアルデヒドにより重合した、短いペプチド配列を介して連結した2分子のSlyD)等の通常化学的に架橋したシャペロン分子が、干渉を低減するために加えられる。背景技術の項で言及したように、製造工程のために、これらの化学的に架橋した添加剤は多少不均一であり、十分な収量で厳密に再現可能な方法で供給することができない。
シャペロンが特定の標的抗原配列と融合しているポリペプチド融合タンパク質の使用は、既に極めて詳細に開示されている(本発明の背景を参照)が、先行技術は、イムノアッセイにおける干渉をどのように克服するかを開示していない。国際公開第2003/000878号には、オリゴマーの形態でその機能を発揮する、標的ポリペプチド配列と融合し得るシャペロンとしてFkpAが開示されている。欧州特許第1982993号明細書には、少なくとも1個の多量体化ドメイン及び病原体由来のエピトープ部分の複数のコピーを含む融合ポリペプチドが開示されている。これらのポリペプチドは、特定の抗原標的配列として利用される。しかし、シャペロンモジュールと結合し、その結果偽陽性の結果を引き起こすという交差反応抗体による干渉を除去するという課題は今まで放置されていた。
意外にも、シャペロン多量体化ドメインを、SlyD又はSlpAの少なくとも1つの分子と融合することにより、本発明者らは、非常に効率的な干渉防止剤を得ることができた。その上、特定の血清では、化学的に架橋された先行技術の試薬により、陽性の結果を示唆するかなりのバックグラウンド信号を最小にすることや、効率的に抑制することはできないが、本発明の融合ポリペプチドでは、干渉を低減することで高いバックグラウンド信号を抑制することができる。試料に干渉防止剤を加えた場合、真陽性の試料は全く影響を受けない。すなわち、抗−HIV抗体を含む陽性試料は常に陽性試料と判定される。
意外にも、シャペロン多量体化ドメインを、SlyD又はSlpAの少なくとも1分子と融合することにより、本発明者らは、十分にフォールディングされ、非常に溶解度の高い、規則的な三量体を形成する人工のキメラタンパク質を製造することができた。柔軟なリンカー部分を介した2個のシャペロンの融合により、大部分の成分がその本来の性質を維持している、可溶性かつ機能的タンパク質が得られることは、自明にはほど遠い。Skp、SlyD及びSlpA等のシャペロンは、疎水性タンパク質の表面を認識し、可逆的に結合するように変化したポリペプチド結合部位を有しているので、またこれらのポリペプチド結合部位は、それ自体もともと疎水性であるので、これは2個のシャペロンのポリペプチド結合部位はお互いに結合して飽和状態になり、エピトープ提示の目的のために価値が限定された固定複合体でありうる。また、2個の(立体的にかさ高い)SlyD単位のSkpのC−末端への融合は、Skpの構造的完全性を損ない、場合によりSkpの本質的な三量体化を破壊すると考えられる。
しかし、本発明者らが発見したものは、Skp−SlyD、Skp−SlyD−SlyD及びSkp−SlpA−SlpAが、実際に非常に安定で可溶性であり、たとえオリゴマーであっても主に可逆的なフォールディング作用を示す規則正しい三量体を形成することである。それぞれSkpとSlyD又はSlpAの共有結合性連結により近接近する疎水性ポリペプチド結合領域の高い有効濃度のために、人工的な融合ポリペプチド(すなわち、2個の無関係のシャペロンの組み合わせ)の溶解度は低いと考えられる。意外なことに、その逆が真実である。Skp−SlyD−SlyDは優れた溶解度を有し、なんら凝集する傾向もなく、100mg/mL超(50mMリン酸カリウム pH7.0、250mM KCl、0.5mM EDTA)に濃縮することができる。このように濃度の高い溶液由来のSkp−SlyD−SlyDをSuperdex 200カラムによるゲルろ過分析に供すると、融合ポリペプチドは、完全に溶解し安定な三量体を示す単一の対称なピークに溶出する。
Skp−SlyD−SlyDは溶解度が高いだけでなく、その再フォールディング作用は可逆的である。これは、本発明者らがマトリクス結合再フォールディングの工程を含む精製手順を構成し得るという事実により強調される。標的分子は、アンフォールディング形態で、C−末端のオクタヒスチジンタグを介してNi−NTA担体に結合する。標的分子が固相担体に結合した状態で、標的分子は簡単な緩衝液の交換により再びフォールディングされる。その後、再フォールディングされたタンパク質はイミダゾールパルスにより溶出される。意外にも、イミダゾール溶出により、溶出されたSkp−SlyD−SlyD単量体はほとんど定量的に可溶性三量体を形成する。本発明者らはSkp−SlyD−SlyDのような三量体タンパク質のマトリクス結合再フォールディングは、優れた高い収量を有しながら十分に機能することに驚かされる。本発明者らは、Skp−SlpA−SlpAにとっても同じことが真実であることを発見した。Skp−SlyD−SlyDと非常に類似しているように、Skp−SlpA−SlpAは大腸菌過剰発現株から大量に得ることができ、Skp−SlpA−SlpAは、マトリクス支援再フォールディングにより、整列した三量体型で復元され得る。また、そのSlyD対応物と全く同様に、Skp−SlpA−SlpAは溶解性が非常に高く、非常に有益な物理化学的性質を有する。
本発明によれば、融合ポリペプチドが干渉の低減又はタンパク質安定化のために用いられるので、得られた融合ポリペプチド(先行技術に開示された融合ポリペプチドとは異なる)は更なる標的ポリペプチド抗原配列を含まない。これは、抗体のような検体分子と結合するための特異的な抗原性ポリペプチドとして適用されない。試料中に存在する検体、例えば、病原体に対する抗体、が本発明の融合ポリペプチドと結合しないことは重要である。したがって、ウイルス、細菌、単細胞又は他細胞寄生生物等の哺乳動物の病原体由来の抗原配列等の標的ポリペプチド配列は融合ポリペプチドの一部ではない。
本発明の融合ポリペプチドは、高い収率で均一な画分内に再現可能な方法で得ることができる。本発明の融合ポリペプチドは、IgG及びIgMタイプの干渉因子を認識し、結合し、抑制するのに必要かつ十分な明確に定義されたエピトープ密度を有する。融合ポリペプチドは、先行技術の化学的に製造された試薬と同等なだけでなく、より優れた方法で、イムノアッセイにおける偽陽性を抑制し得る。その製造工程は規格化するのに簡単、単純かつ容易であり、必然的に極めて優れた抗干渉特性を有する十分に定義された均一な融合ポリペプチドを高収率でもたらす。
本発明によれば、融合ポリペプチドは、好ましくは1個の多量体化ドメインを含む。多量体化ドメインは、そのまさしく多量体化ドメインを含むいくつかのタンパク質サブユニットの非共有結合をもたらし、支持するドメインである。例えば、二量体ドメインは2個のサブユニットの結合を起こすドメインであり、三量体ドメインは3個のサブユニットの非共有結合を維持するドメインであるなどである。
融合ポリペプチドの第二の部分は、SlyD、好ましくは大腸菌のSlyDの少なくとも1分子であるが、他の生物由来のSlyD分子、例えばパスツレラ・ムルトシダのSlyD(配列番号8を参照)も使用することができる。更に好ましくは、1分子のSkpが2個の隣接するSlyD分子と融合した融合ポリペプチドである。本発明の他の態様においては、SlpA等の他の単量体シャペロンも、1個の多量体化ドメインと融合する融合パートナーとして好適である。
本発明の更なる側面は、干渉を低減し、偽陽性の結果を最小にするための前記融合ポリペプチドの使用である。本発明の融合ポリペプチドは、前記特異的結合パートナーを試料に加える前、同時又は後のいずれかにイムノアッセイ混合物(試料と試料中の検体と特異的に結合する結合パートナーを含む。)に加えることができる。好ましくは、融合ポリペプチドは、検体、例えば抗体を含む体液試料を特異的結合パートナー(この場合、特異的結合パートナーは抗原である)と接触させる前に加える。
検体を検出するためのイムノアッセイの種々の形式及び原理、並びに検出の種々の様式は広く開示されており、当業者にはよく知られている。特に興味深いのは、検体が抗体であるイムノアッセイである。好ましくは、本発明のイムノアッセイは、A型、B型又はC型肝炎ウイルス、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、HTLV (ヒトT−細胞白血病ウイルス)、EBV(エプスタイン−バーウイルス)、風疹ウイルス、CMV(サイトメガロウイルス)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、又はボレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)等のほ乳類のウイルス性又は細菌性病原体に対する抗体を検出する。
本発明を実施例の項で更に詳細に説明する。
実施例1:融合ポリペプチドの製造
Skp/SlyDシャペロン融合ポリペプチドのクローニング及び精製
発現カセットのクローニング
適切な発現構築物を生成するために、EcSkp−EcSlyD−EcSlyDをコードする発現カセットを、発現プラスミドpQE80L(Qiagen,Hilden,Germany)に2段階クローニング法により結合した。
大腸菌Skp(EcSkp)の配列は、スイスプロットデータベース(SwissProt ID P0AEU7)から取り出した。最初の工程で、発現ベクターpQE80L由来のシャイン・ダルガノ配列を含む合成遺伝子、グリシンリッチリンカー領域の一部、制限エンドヌクレアーゼEcoRI(5’末端)及びBamHI(3’末端)の好適な認識部位を有する、成熟型Skpシャペロンのアミノ酸21〜161のコード配列(シグナルペプチドスパンニングアミノ酸残基1〜20を含まず、ATG開始コドン(メチオニン)がフレーム内に追加されている)を、Sloning(Vaterstetten Germany)から購入した。489塩基対の合成DNA断片を、それぞれの制限エンドヌクレアーゼで加水分解し、T5プロモーター(PT5)の制御下、EcoRI/BamHIで開放した発現ベクターpQE80Lに連結する。
第二に、グリシンリッチリンカー領域を介して結合し、N−末端に更なるリンカー領域の部分、並びにGGGSモチーフによりC−末端と結合したオクタ−His−タグを含む、2個の大腸菌SlyD単位(EcSlyD、残基1〜165、スイスプロット受入番号P0A9K9)を、同様にSloning(Vaterstetten、Germany)から購入した。このカセットの5’末端及び3’末端に、それぞれBamHI及びHindIII制限部位を加えた。遺伝子及び制限部位は、単純な連結により、EcSkp部分の5’末端にEcSlyD−EcSlyD部分のフレームでの連結を可能にするように設計された。したがって、1146塩基対のスパンニング断片は制限エンドヌクレアーゼBamHI及びHindIIIで加水分解され、ベクターpQE80Lを含むSkpのBamHI/HindIIIで開放された部分に連結される。
連結後、大腸菌、XL1Blue(Stratagene,La Jolla,CA,USA)のコンピテント細胞を、それぞれのDNAで形質転換した。適切な形質転換細胞からプラスミドを調製した後、発現構築物の正確さを配列分析により再確認した。得られた発現プラスミドをpQE80Skp−diSlyDと命名した。
下記図面は、グリシンリッチリンカー領域によって連結し、C−末端にオクタ−His−タグが続き、Ni−NTA支援タンパク質精製を可能にする、1個の大腸菌Skpシャペロンユニットと2個の大腸菌SlyDシャペロンユニットを含む、完全長の融合ポリペプチドEcSkp−EcSlyD−EcSlyDのスキームを示す。
L=(GGGS)GGG(グリシンリッチリンカー領域)、配列番号4を参照
His=GGGSHHHHHHHH(His−タグ)、配列番号5を参照
好ましい融合ポリペプチドの完全アミノ酸配列を配列番号1に示す。
SlyDの反復構築物(SlyD、SlyD−SlyD、SlyD−SlyD−SlyD…)をコードする発現カセットは、Biochemistry (2006) 45, 20-33に記載されたようにしてクローニングした。Skp-SlpA-SlpA融合ポリペプチドをコードする発現カセットは、Scholzら, J. Mol. Biol. (2005) 345, 1229-1242に従って生成した。
大腸菌宿主内でのEcSkp−EcSlyD−EcSlyDの組み換え発現
推測上の干渉防止ポリペプチドを十分量で得るために、EcSkp−EcSlyD−EcSlyDを大腸菌内で組み換え発現させた。この目的のため、大腸菌BL21 Codon(Merck(Novagen(登録商標),Darmstadt,Germany)を、生成された発現構築物pQE80Skp−diSlyDで形質転換した。
アンピシリン(100μg/mL)を補充した50mLのSB培地(トリプトン32.0g、酵母エキス20.0g、NaCl 5.0g、および1000mLの蒸留水)に、pQE80Skp−diSlyDを有する1個のコロニーを植菌し、37℃で一晩インキュベートした(250rpm)。次いで、1.5LのSB培地(+100μg/mLのアンピシリン)に植菌し、0.5以下のO.D.600で一晩置いた。3.0以下のO.D.600で、0.5mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を培養物に加えることにより、細胞質の過剰発現を誘導した。誘導の4時間後、遠心分離(6000gで20分)により細胞を集め、−20℃に貯蔵した。
誘導の前、及び4時間後に0.4O.D.600の一部を取り出し、SDS−PAGE分析により、EcSkp−EcSlyD−EcSlyDの発現について全細胞抽出物の試験を行った。標的分子の過剰発現が非常に多いことがわかった。
SlyD及びSlpAの融合タンパク質の過剰発現は、Scholzら, J. Mol. Biol. (2005) 345, 1229-1242、及びScholzら, Biochemistry (2006) 45, 20-33に記載されたようにして実施した。
Skp/SlyD/SlpAポリペプチド融合物の精製
Skp/SlyDポリペプチド融合物と、SlyD及びSlpAの融合タンパク質は、実質的に同じ手順を用いて精製した。細胞溶解について、凍結したペレットを、冷却した50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)、7.0M GdmCl、5mMイミダゾールに再懸濁し、懸濁液を氷上で少なくとも2時間撹拌し、細胞溶解を完了させた。遠心分離及びろ過(0.45μm/0.2μm)後、未精製の溶解物を、5.0mM TCEPを含む溶解バッファーで平衡化したNi−NTAに供した。それに続く洗浄工程は、それぞれの標的タンパク質に合わせて、50mMリン酸ナトリウム、(pH8.0)、7.0M GdmCl及び5.0mM TCEP溶液にイミダゾールを5〜15mMの範囲で調整した。少なくとも10〜15倍の洗浄バッファーを使用した。次いで、GdmCl溶液を50mMリン酸カリウム(pH8.0)、100mM KCl、10mMイミダゾール、5.0mM TCEPと置換し、マトリクス結合タンパク質の立体配座再フォールディングを誘導した。同時精製したプロテアーゼの再活性化を防止するために、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete(登録商標)EDTA−free,Roche)を再フォールディング緩衝液に加えた。一晩の反応で、合計15〜20倍のカラム容積の再フォールディング緩衝液を使用した。次いで、3〜5倍のカラム容積の50mMリン酸カリウム(pH8.0)、100mM KCl、10mMイミダゾールで洗浄することにより、TCEP及びComplete(登録商標)EDTA−free阻害剤カクテルの両者を除去した。次いで、非特異的に結合しているタンパク質混入物を除去するために、イミダゾール濃度(50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)と100mM KCL溶液)を、EcSkp−EcSlyD融合タンパク質について60〜70mMに、EcSkp−EcSlpA−EcSlpAについて50mMに、SlyD融合ポリペプチドについて30mMに上昇させた。次いで、野生型のタンパク質を、同じ緩衝液中の500mMイミダゾールで溶出させた。タンパク質を含む画分は、トリシン−SDS−PAGEにより純度について評価し、貯蔵した。最後に、タンパク質をサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex HiLoad、Amersham Pharmacia)に供し、タンパク質含有画分を貯蔵し、Amiconセル(YM10)中で10〜20mg/mLに濃縮した。
精製及び再フォールディング手順を連動させて実施した後、それぞれの標的タンパク質に依存し、1gの大腸菌湿潤細胞から、おおよそ15〜25mgのタンパク質収量を得ることができた。
実施例2
分光測定
タンパク質濃度の測定は、Uvikon XL二光線束分光光度計を用いて実施した。モル吸光係数(εM280)は、Pace (1995), Protein Sci. 4, 2411-2423に記載された手順を用いて決定した。EcSkp−EcSlyD−EcSlyDについては、13410M−1cm−1のモル吸光係数(εM280)を用い、EcSkp−EcSlyDについては、7450M−1cm−1のモル吸光係数(εM280)を用いた。EcSkp−EcSlpA−EcSlpAについては、4470M−1cm−1のモル吸光係数(εM280)を用いた。大腸菌の反復SlyD構築物、SlyD、SlyD−SlyD、SlyD−SlyD−SlyD、SlyD−SlyD−SlyD−SlyD及びSlyD−SlyD−SlyD−SlyD−SlyDについては、5960M−1cm−1、11920M−1cm−1、17880M−1cm−1、23840 M−1cm−1及び29800M−1cm−1のモル吸光係数を用いた。
実施例3
SlyDポリペプチド融合タンパク質の干渉防止活性
SlyDポリペプチド融合タンパク質の干渉防止作用は、自動化Elecsys(登録商標)2010分析装置(Roche Diagnostics GmbH)で評価した。Elecsys(登録商標)は、Rocheグループの登録商標である。測定は、二重抗原サンドイッチ形式で実施した。
Elecsys(登録商標)2010における信号検出は、電気化学発光に基づく。ビオチン複合体(すなわち、捕獲抗原)を、ストレプトアビジンをコーティングした電磁ビーズ表面に固定するが、検出抗原は、信号伝達部分として複合ルテニウム陽イオン(レドックス状態2+及び3+の間を切り替える)を有している。特異的免疫グロブリン検体が存在すると、発色するルテニウム錯体が固相に架橋し、白金電極で励起後、620nmで発光する。信号出力は、任意の光単位である。
組み換え型干渉防止SlyDポリペプチドは、二重抗原サンドイッチ(DAGS)イムノアッセイ形式で評価した。この目的を達成するため、欧州特許第1402015号明細書に開示されたFkpA−FkpA−gp41及びSlyD−SlyD−gp41を、ヒト血清中の抗gp41抗体を特異的に検出するために、それぞれビオチン及びルテニウム複合体として用いた。gp41はHIVの免疫優勢抗原であり、欧州特許第1402015号明細書に開示された、gp41の細胞外ドメインの可溶性変異体は、HIV感染の検出に非常に貴重なツールである。FkpA−FkpA−gp41−ビオチン及びSlyD−SlyD−gp41−ルテニウムを、それぞれ750ng/mLの濃度で、R1(試薬緩衝液1)及びR2(試薬緩衝液2)で使用した。
最初の実験では、HIV陰性のTrinaの血清を、前記DAGSイムノアッセイ装置で評価した。偽陽性の発生率に対する手がかりを得るため、評価は、干渉防止剤として使用されているSS−Helix(GDA,P)、GDA−架橋可溶性異種SlyDポリマーの非存在下及び存在下で実施した。SS−Helix(GDA,P)を、R1(ビオチン複合体を含む試薬緩衝液1)に大過剰量(25μg/mL)で加えた。次いで、60μLのR1(試薬緩衝液1、ビオチン複合体及び干渉防止SlyDポリマー)、60μLのR2(試薬緩衝液2、ルテニウム複合体)、30μLの試料(ヒト血清)及び50μLのビーズ懸濁液を混合し、反応容量がおおよそ200μLになるまでインキュベートした。
表1a〜c(図1〜3)は、干渉防止ポリマーの非存在下では、強い信号(偽陽性)の発生率が高いことを示す。SlyD及びFkpA等の2種の異なるシャペロンを、二重抗原サンドイッチ型の免疫学的測定の2つの側面で使用するにもかかわらず、本発明者らはHIV感染が明らかに除外されるヒト血清(Trina Bioreactives AG, Nanikon, Switzerland)の十分に特徴づけられたパネル中に非常に強い信号が多いことを見出した。この発見の理由はさまざまであるが、SlyD及びFkpAがシャペロンのFKBPファミリーに属する関連分子であり、高度に保存されたFKBPドメインを共有しているからである。おそらく、この共通のモチーフを介し、免疫学的交差反応を起こし強い信号を喚起し、その結果、HIV検定において偽陽性の結果となる。化学的に重合した干渉防止剤、SS−Helix(GDA,P)を検定混合物に加えることにより、信号の上昇を正常の陰性にまで減少させる。表1c(図3)は、その非常に強い干渉、すなわち高い偽陽性を示し、これは、SS−Helix(GDA,P)を加えることによって効率的に排除することができる。表1a〜c(図1〜3)に示す結果の最終結果は以下の通りである。DAGSイムノアッセイにおける融合パートナーによる干渉は頻繁であり、これらは、1つの融合パートナーの架橋ポリマー変異体を加えることによって効率的に軽減することができる。
表2a〜c(図4〜6)は、多様な組み換え型SlyD変異体の干渉防止能力を示す。5種のHIV陰性血清、5種の抗−HIV陽性血清、及びTrinaパネル(Trina Bioreactives AG, Nanikon, Switzerland)由来の2種の偽陽性血清について、上述したように、FkpA−FkpA−gp41−ビオチン及びSlyD−SlyD−gp41−ルテニウムを用いて評価した。検定は、多様な干渉防止剤の候補の非存在下及び存在下に実施した。試験においては、陽性の用量効果を明らかにするために、干渉防止モジュールを、5μg/mL及び25μg/mLの濃度でR1(試薬緩衝液1)に加えた。実験には、陽性参考試料(すなわち、十分に適切かつ強力な干渉防止モジュール)として、SS−Helix(GDA,P)を加えた。干渉防止剤がないと(表2a、V0)、偽陽性のTrinaの血清はほとんど60,000カウントまでであり、これは、HIV感染の結果としての高い抗−gp41抗体力価を強く示唆する。しかし、SS−Helix(GDA,P)を加えることにより、偽陽性信号はHIV陰性血清のレベルにまで低下した(表2a、V1)。Skp−SlyDを加えると、偽陽性信号も著しく低下するが、それらはまだ25μg/mLの存在下であっても上昇しており、これは強く判断を誤らせ、健康な個体におけるHIV感染を示唆する(表2a、V2)。しかし、Skp−SlyD−SlyDを加えると、偽陽性信号は、HIV陰性血清の信号レベルにまで低下する(表2a、V3)。Skp−SlyD−SlyDは、干渉防止能力において、化学的に重合したSS−Helix(GDA,P)と同様に効率的であることが判明した。明らかに、Skp−SlyD−SlyDのエピトープ密度は、おそらくIgM型の免疫グロブリンに属する干渉因子と効率的に結合し、抑制するのに十分に高い。SS−Helix(GDA,P)のような架橋SlyDポリマーとの、組み換え技術によって製造されたSkp−SlyD−SlyD等のモジュールの等価性(干渉防止に関し)は、本発明者らの実験による驚異的な結果である。
表2b(図5)に2つの対照実験を示す。大腸菌SlyDを単独で加えることにより試験を行った2つのTrina干渉の偽陽性血清信号を軽減もせず、大腸菌Skpを単独で加えることにより、誤って上昇した信号についての有益な効果を有しもしない(表2b、V4及びV5)。25μg/mLという高濃度でも、1個の成分は偽陽性信号に影響を及ぼすことができない。しかし、Skp−SlyD−SlyD融合ポリペプチド、Skp及びSlyDを組み合わせると、強力な干渉防止手段を構成する(表2a(図4)、V3)。1個の単量体大腸菌SlyDがTrina血清16097448及び47101943の干渉に対処できないことは、それぞれの干渉因子がM型の免疫グロブリン(IgM)に属することを強く示唆している。明らかに、SlyDの効果的な高濃度に付随する高いエピトープ密度は、干渉因子と効率的に結合し、抑制するのに必須である。
この仮説に批判的に挑むため、本発明者らは、更に表2c(図6)に示す干渉防止試験を実施した。分析手段として、本発明者らは、Biochemistry (2006) 45, 20-33に開示された標準的クローニング法により製造した大腸菌SlyDポリマーを用いた。簡単に言うと、大腸菌SlyDユニットを、柔軟なグリシン及びセリンリッチリンカーにより結合し、列を形成させた。1個の融合ポリペプチドにおいて、5個までのSlyD単位が大腸菌内で十分な発現量及び簡便な精製手順に可能であった。
表2c(図6)は、効率的な干渉防止のための高いSlyDエピトープ密度の必要性を示し、これは、本発明者らが親和性(avidity)の効果を活用し得るという事実を示す(親和性(avidity)は、IgM分子のような多価結合分子が重合SlyDのような重合基質と接触した時に発生する明白な親和性(affinity)を意味する)。あらゆる干渉防止剤なしで、Trinaの干渉血清16097448及び47101943の信号は、それぞれ59827及び53491になり、血清が抗HIV陰性であると明白に確認されているとしても抗−gp41抗体の存在を明らかに示す。タンデムSlyD(SlyD−SlyD)を、R1(試薬緩衝液1)に25μg/mLの濃度で加えた場合、信号は事実上影響を受けないままである(表2c、V8)。三量体SlyD (SlyD−SlyD−SlyD)を、R1に25μg/mLの濃度で加えた場合、信号は約4000カウントにまで減少する(表2c、V7)。減少は大きいが、残っている信号により、陽性を疑わせる結果となる。しかし、ペンタ−SlyD(SlyD−SlyD−SlyD−SlyD−SlyD)を、R1にわずか5μg/mLの濃度で加えた場合、信号は、同じ濃度で化学的に重合されたSS−Helix(GDA,P)を加えることにより達成されるものに匹敵する(表2a、V1、表2c、V6)。言い換えると、SlyDの干渉防止能力は、それぞれの構築物を構成するSlyD単位の数によって上昇する。干渉防止能力の上昇は直線的でなく、これは、本発明者らが相加効果よりも共同的効果に直面していることを示している。
手短に言えば、表2(図4〜6)は、干渉防止の可能性が、相互に連結したSlyD単位の数と共に著しく上昇することを示している。これは、接近している少なくとも5個のSlyD単位が、効率的な干渉防止に必要かつ十分であることを示唆している。したがって、五量体SlyD(SlyD−SlyD−SlyD−SlyD−SlyD)は前途有望な干渉防止剤であるが、大腸菌宿主内での発現収率は予想以上に低く、生産規模の拡大の厳しい障害となる。Skp−SlyD−SlyDは、その干渉防止の可能性に関してSS−Helix(GDA,P)と同等である。したがって、三量体SkpをタンデムSlyD(SlyD−SlyD)に融合することにより生成されるエピトープ密度は、明らかに効率的な干渉防止のための要件に十分に適合している。組み換え技術によって製造されたSkp−SlyD−SlyDモジュールの有効性は非常に良好で、その製造工程ははるかに再生可能で便利であるので、これはいっそう優れているものである。
表3(図7)は、あるケースにおいて、Skp−SlyD−SlyDの干渉防止能力がSS−Helix(GDA,P)よりも非常に優れていることを示す。また、5種の陰性血清、5種の抗−HIV陽性血清、及び信号を著しく上昇させる3種の干渉血清を、Elecsys(登録商標)2012自動分析装置で評価した。干渉防止剤なしでは、3種の干渉血清の信号は10351、1437及び778カウントに達した。架橋SlyDポリマーSS−Helix(GDA,P)を、R1に20μg/mLの濃度で加えると、信号は、8042、903及び772カウントと、わずかに低下した(表3、V1)。しかし、Skp−SlyD−SlyDをR1に5μg/mL又は15μg/mLの濃度で加えると、信号は陰性血清のレベルへと、わずかに低下した。より正確には、信号は566、537及び507カウントに低下した。Skp−SlyD−SlyDを加えることにより、陰性血清の信号に明らかな平滑化作用があり、それが変動係数をわずかに改善していることは注目に値する。この効果は、SS−Helix(GDA,P)を用いるよりも、Skp−SlyD−SlyDを用いることによって、より顕著である。要約すれば、表3は、あるケースにおいては、干渉防止能力において、Skp−SlyD−SlyDがSS−Helix(GDA,P)よりも優れていることを強調している。干渉血清C133202の場合、この血清は信号を偽陽性から真陰性まで低下させる。血清Pr149又はC133111に例示するように、わずかに上昇する信号でさえ、分析装置の空試験値に密接に接近する信号レベルまでかなり減少する。その上、本発明者らは、信号の全体的な減少と変動係数の改善をもたらす抗−HIV陰性血清の信号に基づくSkp−SlyD−SlyDの平滑化作用を見出した。
実施例4
EcSkp−EcSlpA−EcSlpAポリペプチド融合タンパク質の干渉防止活性
EcSkp−EcSlpA−EcSlpAの干渉防止活性を、自動化Elecsys(登録商標)2010分析装置(Roche Diagnostics GmbH)で評価した。Elecsys(登録商標)は、Rocheグループの登録商標である。測定は、二重抗原サンドイッチ形式で実施した。
Elecsys(登録商標)2010における信号検出は、電気化学発光に基づく(詳細な説明については実施例3を参照)。
組み換え型EcSkp−EcSlpA−EcSlpAポリペプチドは、二重抗原サンドイッチ(DAGS)イムノアッセイ形式で評価した。この目的を達成するため、欧州特許第2127678号明細書に開示されたPmSlyD−mgG2及びEcSlpA−mgG2を、ヒト血清中の抗HSV−2抗体を特異的に検出するために、それぞれビオチン及びルテニウム複合体として用いた。成熟型糖タンパク質G2(mgG2)は、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)の免疫優勢抗原であり、欧州特許第2127678号明細書に開示され、HSV−2感染を検出するのに非常に貴重なツールである。PmSlyD−mgG2−ビオチン及びEcSlpA−mgG2−ルテニウム複合体を、R1(試薬緩衝液1)及びR2(試薬緩衝液2)中でそれぞれ300ng/mLの濃度で使用した。
抗−HSV−2陰性血清、抗−HSV−2陽性血清及び抗−HSV−2偽陽性血清(すなわち、干渉血清)を、前記DAGS免疫検定装置で評価した。抗−HSV−2イムノアッセイにおいて干渉防止剤として使用される、EcSlpA−EcSlpA(GDA,P)、可溶性異種GDA−架橋EcSlpAポリマーの非存在及び存在下で評価を実施した。EcSlpA−EcSlpA(GDA,P)は、干渉防止の基準としての役割を果たしており、EcSlpA−EcSlpAポリペプチドの化学的架橋により生成され、EcSlpA融合抗原をベースとするイムノアッセイの特異性を改善するのに十分に適合する、従来の干渉防止剤を構成している。精密な調査の下、過剰量(それぞれ10μg/mL)の干渉防止剤を、R1(ビオチン複合体を含む試薬緩衝液1)及びR2(ルテニウム複合体を含む試薬緩衝液2)の両方に加えた。次いで、70μLのR1(ビオチン複合体及び干渉防止剤EcSlpAポリマーを含む試薬緩衝液1)、70μLのR2(ルテニウム複合体及び干渉防止剤EcSlpAポリマーを含む試薬緩衝液2)、20μLの試料(ヒト血清)及び40μLのビーズ懸濁液を混合し、反応容量がおおよそ200μLになるまでインキュベートした。
PmSlyD(すなわち、パスツレラ・ムルトシダ由来のSlyD)及びEcSlpA(すなわち、大腸菌由来のSlpA)の2種の異なるシャペロンを、二重抗原サンドイッチ型の免疫学的測定の2つの側面で使用するにもかかわらず、信号の著しい上昇は、HSV−2感染が明らかに除外されるヒト血清のパネル中で、むしろ頻繁に起こる。この発見の理由は、異なる生物由来であるが、融合パートナーPmSlyD及びEcSlpAがシャペロンのFKBPファミリーに属する関連分子であり、高度に保存されたFKBPドメインを共有しているからである。おそらく、この共通のモチーフを介して免疫学的交差反応を起こして強い信号を喚起しその結果、抗−HSV−2検定において陽性の結果となる。化学的に重合した干渉防止剤、EcSlpA−EcSlpA(GDA,P)を検定混合物に加えることにより、信号の上昇を正常の陰性にまで減少させる。表4(図10)は、その非常に強い干渉、すなわち高い偽陽性を示し(例えば、試料012について)、これは、干渉防止剤ポリマーEcSlpA−EcSlpA(GDA,P)を加えることによって効率的に排除することができる。表4(図10)に示すように、DAGSイムノアッセイにおける融合パートナーによる干渉は頻繁であり、これらは、少なくとも1つの融合パートナーの架橋ポリマー変異体を加えることによって効率的に軽減することができる。
EcSkp−EcSlpA−EcSlpAを検定に加えると、同様に、偽陽性信号がHSV−2陰性の信号レベルにまで低下することを本発明者らは見出している。実際に、EcSkp−EcSlpA−EcSlpAは、干渉防止能力において、化学的に重合したEcSlpA−EcSlpA(GDA,P)と少なくとも同じくらい効率的であることが判明している。明らかに、Skp−EcSlpA−EcSlpAのエピトープ密度は、おそらくIgM型の免疫グロブリンに属する干渉因子と効率的に結合し、抑制するのに十分に高い。この干渉血清は、単量体干渉防止剤の添加に反応しないという特徴を有する(表4/図10、試料010及び013を参照)。真の陽性信号は、融合ポリペプチドEcSkp−EcSlpA−EcSlpA、及び化学的に重合したEcSlpA−EcSlpA(GDA,P)のいずれによっても影響を受けない。EcSlpA−EcSlpA(GDA,P)のような架橋EcSlpAポリマーとの、組み換え技術によって製造されたEcSkp−EcSlpA−EcSlpA等のモジュールの等価性(干渉防止に関し)は、本発明者らの実験による驚異的な結果である。表4(図10)においては、2つの更なる対照を示す。すなわち、干渉防止能力を評価するために、EcSkp及びEcSlpA(すなわち、EcSkp−EcSlpA−EcSlpA融合ポリペプチドの成分)を単一のシャペロンとしてイムノアッセイに加えた。結果は非常に明確である。EcSkp単独では、干渉血清の偽陽性信号に全く影響しない。しかし、EcSlpA単独では、4つのケースのうちの少なくとも2つで、有利な影響が得られたように思われる。干渉試料011及び012については、単量体EcSlpAを大過剰に加えると、それぞれ、信号が8204から969カウントに、42168から14801に低下する。一部のケースでは、単量体EcSlpAを加えることにより、検定の特異性を向上させるのに役立つと結論づけることができる。しかし、一見したところ、EcSkp−EcSlpA−EcSlpAとの比較により、融合ペプチドがその干渉防止の可能性に関して非常に優れていることが明らかになる。干渉血清010〜013について表4に示すように、EcSkp−EcSlpA−EcSlpAを加えることにより、偽陽性は真陰性にまで明らかに低下する。組み換え技術によって誘導されたEcSkp−EcSlpA−EcSlpA融合タンパク質であっても、干渉防止活性に関し、標準の干渉防止剤EcSlpA−EcSlpA(GDA,P)よりも優れていることは注目に値する(表4、試料010、011及び013を参照)。その取り扱い及び製造の容易さと一緒になり、EcSkp−EcSlpA−EcSlpAの干渉防止の機能は優れており、この分子はイムノアッセイにおける非常に魅力的な添加剤となる。
実施例5
円偏光二色性分光法により検出される熱的に誘導されるSkp−SlyD−SlyDの展開
近紫外二色性(UV CD)スペクトルは、温度自動調節セルホルダーを用い、Jasco−720分光偏光計により測定し、平均残余楕円率に変換した。緩衝液は、50mMリン酸カリウム、250mM KCl、0.5mM EDTA(pH7.5)であった。経路の長さは0.2cmであり、タンパク質濃度は8.2mg/mLであった(147μMの単量体は49μMの三量体に相当する)。範囲は250〜330nmであり、バンド幅は1.0nmであり、走査速度は20nm/分であり、解像度は0.5nmであり、反応は1秒であった。ノイズ比を改善するために、スペクトルを9回測定し平均化した。
円偏光二色性分光法(CD)は、タンパク質の二次及び三次構造の両方を評価するための選択法である。芳香族領域の楕円率(250〜330nm)により、 タンパク質(すなわち、規則正しくフォールディングされたタンパク質の球状構造)の三次接触について報告され、未変性型のフォールディングの指紋領域と考えられる。
Skp−SlyD−SlyDの近UV CDスペクトルを測定し、融合タンパク質がマトリクス結合再フォールディング工程後に秩序だった構造を採用するかどうかの問題に取り組む。答えは非常に明らかであり、Skp−SlyD−SlyDの近UV CD信号により、融合ポリペプチドの規則正しい三次構造が明確に報告される。Skp−SlyD−SlyDの芳香族残基は、明らかに疎水性タンパク質内に埋め込まれ、その結果、融合構築物内にSkp及びSlyDの両者の未変性型の構造を強く指摘する、非対称の環境の状態となる(図9)。
Skp−SlyD−SlyDの熱的に誘導されるアンフォールディングが可逆的であることの問題に対処するために、融解極性を紫外領域の280nmの検出波長で測定した。温度範囲は20〜65℃であり、バンド幅は1.0nmであり、温度勾配は1℃/分であり、反応は4秒であった(図8を参照)。
熱的に誘導されるアンフォールディングを280nm(Skp−SlyD−SlyDの最大信号振幅の波長)で測定した。加熱により、Skp−SlyD−SlyD分子の未変性構造を安定化する非共有接点は解放され、最終的に破壊される。この熱的に誘導されるアンフォールディングは、図8に示すように、CD信号の減少に反映される。60℃で、Skp−SlyD−SlyDは完全にアンフォールディングする。タンパク質溶液を20℃まで冷却すると、CD信号は驚くほど元に戻る。わずかなヒステリシスがあるが、アンフォールディング曲線と再フォールディング曲線は事実上重ね合わさり、これは、Skp−SlyD−SlyDの再フォールディング反応が可逆的であることを強く示唆する(図8)。Skp−SlyD−SlyDのような複雑な三量体融合タンパク質の熱的に誘導されるアンフォールディングが、少なくとも部分的に可逆的な工程であることは驚くべきことである。熱的に誘導されるアンフォールディング及び単量体サブユニットへの解離後、Skp−SlyD−SlyDが、60℃のような高温で非常に急速かつ定量的に凝集することは予期されていた。しかし、本発明者らは、Skp−SlyD−SlyDが、タンパク質溶液を20℃に冷却すると、未変性型構造に再度戻ることを見出した。実際に、熱的に誘導されるアンフォールディングの前後に測定された近UV CDスペクトルは事実上重ね合わさっている(図9を参照)。結論として、Skp−SlyD−SlyDは強固なフォールディング特性を有しており、これはこの複雑な分子にとって極めて優れたものであり、イムノアッセイの干渉防止又は全体的な安定化成分として役立つ分子として非常に望ましい。
本発明者らは、Skp−SlpA−SlpAについて非常に類似の結果が得られることに気付いた。Skp−SlyD−SlyDと同様、Skp−SlpA−SlpAは、近紫外領域(250〜330nm、277nmで最大信号)で顕著なCD信号を示し、これは、マトリクス結合再フォールディング工程後の秩序だった構造を示す。熱転移によって(277nmで測定)、本発明者らは、Skp−SlpA−SlpAが55℃以下の温度で未変性様の構造を維持していることを観察した。更に、未変性分子のCD信号は、図11に示すように、熱的アンフォールディング/フォールディングサイクル(20℃/65℃/20℃)後に大部分は元に戻る。干渉防止剤は、最適温度から離れている温度条件下でも、その機能を発揮することが好ましい。熱的に誘導されるアンフォールディングの部分的可逆性を有する、Skp−SlpA−SlpAの高い熱的安定性は、この分子の構造安定性を強調している。
結論として、Skp−SlyD−SlyD及びSkp−SlpA−SlpAは、この程度の複雑さを有し複雑さを有する分子とっては極めて優れている強固なフォールディング特性を有しており、干渉防止剤、又は一般的にイムノアッセイの安定成分としての機能を果たすモジュールにとって非常に望ましい。

Claims (10)

  1. 1個の多量体化ドメインと、SlyD又はSlpAの少なくとも1分子とを含む数分子のフォールディングヘルパーポリペプチドを含有する融合ポリペプチドであって、前記多量体化ドメインがSkpであり、更なる標的ポリペプチド抗原配列が前記融合ポリペプチドの配列の一部に含まれない、前記融合ポリペプチド。
  2. 1分子のSkpが、2個の隣接するSlyD又はSlpA分子と融合している、請求項に記載の融合ポリペプチド。
  3. 配列番号1(Skp−タンデム−SlyD)を含む融合ポリペプチド。
  4. 配列番号9(Skp−タンデム−SlpA)を含む融合ポリペプチド。
  5. 干渉を低減し、又は偽陽性の結果を最小にするための、イムノアッセイにおける、請求項1〜のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用。
  6. アッセイ試薬のタンパク性成分の溶解度を上昇させるための、請求項1〜のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドの使用。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドを含む、イムノアッセイにより分離試料中の検体を検出するための試薬キット。
  8. 干渉を低減し、又は偽陽性の結果を最小にするための試薬として、請求項1〜のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドを使用する、分離試料中の検体を検出する方法。
  9. 下記工程を含む、分離試料中の検体を検出する方法;
    a)体液試料を、前記試料中に存在する前記検体と特異的に結合し得る、特異的結合パートナーと混合することにより免疫反応混合物を生成する工程、
    b)前記特異的結合パートナーを前記試料に加える前、同時又は後のいずれかに、請求項1〜のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドを前記免疫反応混合物に加える工程、
    c)前記体液試料中に存在する検体が、前記特異的結合パートナーと免疫反応し、免疫反応生成物が形成されるのに十分な時間、前記免疫反応混合物を維持する工程、及び、
    d)前記免疫反応生成物のいずれかの存在及び/又は濃度を検出する工程。
  10. 分離試料中に存在する検体が抗体である、請求項8又は9に記載の方法。
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