JP6285220B2 - 照明装置およびそれを備えた照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、導光板を用いた照明装置及びそれを備えた照明器具に関する。
照明に用いられる光源素子には、光源からの光を、直接照射したい場所に向ける方式や導光板の端面に配置した光源からの光を、導光板の端面と直交する主面から取り出して照射する方式がある。
特許文献1には、LEDなどの小型で高効率、高輝度な光源と、導光板とを用いた照明装置が開示されている。このような導光板を用いた照明装置は、小さい光源からの光を効率的に広げ、広い範囲を均一に照明することができる。さらに、光源を小型化、または光源の数を少なくすることができ、省スペース、省エネルギーなどの点で回路設計上好ましいため、広く用いられるようになってきた。
ところで、導光板を用いた照明装置は、液晶表示装置に代表される透過型の画像表示装置の面光源素子(バックライト)として、従来から広く用いられている。このような画像表示装置では、光出射面が直接観察される。そのため、通常バックライトは、光出射面の法線方向(正面方向)に光を偏向させるように設計されている(例えば、特許文献2参照)。
他方、例えば、スポットライト、陳列棚、間接照明などの照明装置では、特定の方向のみを明るくする用途もある。このような用途に従来の面光源素子を用いた場合、照明装置自体を傾ける必要があり、大型化してしまう。
このような問題に対し、特許文献3には、導光板内を光が伝搬する方向において、一方向に光を集中する方法が開示されている。この方向では、元々導光板内を光が伝搬する方向が主に一方向に限定されているため、導光板内を全反射する条件から外すことで一方向に光を集中することができる。
特許文献4には、任意の方向に光を出射させる面光源素子が開示されている。
特許文献5には、導光板から出射した光を、ある角度に偏向させるプリズムシートが開示されている。
特許文献6には、導光板から出射した光を、出射面側に設けられた部材で、導光方向と直交する面において2方向に分離する方法が開示されている。この方法では、特定の角度に光を偏向させることが可能である。
特開2007−059285号公報 特開2005−142128号公報 特開2001−229703号公報 特開2004−071189号公報 特開2007−503007号公報 特開2007−294465号公報
特許文献3に開示された方法では、導光方向と直交する面において、観察側へも照明側と同量の光が出射するため、意匠性及び外観に劣り、エネルギーロスも大きい。
特許文献4には、任意の方向に光を出射させるための具体的な手段が示されていない。
特許文献5に開示された方法では、導光板と別の部材が必要であり、高コスト化や、信頼性の低下、利便性に劣る。また、ディスプレイ用の広い視野角を目的としており、特定の角度を照射するには適していない。
特許文献6に開示された方法でも、特許文献3と同様に、導光方向と直交する面において、観察側へも照明側と同量の光が出射するため、意匠性及び外観に劣り、エネルギーロスも大きい。
本発明は、以上を鑑みなされたものであって、意匠性及び外観に優れ、かつ、高効率な照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る一態様は、
光源と、前記光源から出射された光が、一方の端面に入射され、内部を伝播し、前記端面と直交する一方の主面から出射される導光板と、を備え、前記導光板において、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸からなる右手系座標空間を考えた場合、入射面を構成する前記一方の端面は、YZ平面に略平行であり、出射面を構成する前記一方の主面は、XY平面に略平行であって、かつ、他方の主面よりも+Z方向に位置し、前記出射面からの出射光Eのうち、−Y方向の成分E−Y及び+Y方向の成分E+Yのいずれか一方の成分が65%以上であることを特徴とする照明装置(ただし、前記他方の主面に凹部を有するものを除く)である。
前記一態様において、前記導光板のXZ平面と略平行な1つの側面にのみ複数の凹部を有し、前記導光板のX方向長さのLと、Y方向長さWの比L/Wが12より大きく、前記導光板のZ方向長さのTと、Y方向長さWの比T/Wが2より小さいことが好ましい。
ここで、前記凹部がXY平面と略平行な第1の面と、平面もしくは曲面からなる第2の面とを備え、前記第2の面は、前記出射面と対向していることが好ましい。
さらに、前記凹部の形状は、多角錐の一部もしくは全部、又は、楕円球もしくは円錐の一部からなることが好ましい。
上記照明装置は、照明器具に用いることができる。
本発明によれば、意匠性及び外観に優れ、かつ、高効率な照明装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る照明装置の模式的斜視図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置において、出射面側から観察した導光板内部の光の進行を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置において、入射面側から観察した導光板内部の光の進行を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 実施例に係る照明装置の構成を示す図である。 実施例に係る照明装置の凹部の一例を示す図である。 実施例1に係る照明装置の輝度の角度分布を示す図である。 実施例6に係る照明装置の輝度の角度分布を示す図である。 実施例7に係る照明装置の輝度の角度分布を示す図である。 比較例1に係る照明装置の輝度の角度分布を示す図である。 比較例2に係る照明装置の輝度の角度分布を示す図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。図1は、本実施の形態に係る照明装置の模式的斜視図である。この照明装置は、光源1、導光板2を備えている。図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸からなる右手系座標空間において、導光板2は、XY平面に略平行な主面、YZ平面に略平行な入射面21を備えている。2つの主面のうち、+Z方向に位置する主面は、出射面22を構成している。
光源1から出射し、導光板2の入射面21から入射した光は、導光板2の内部を全反射によって主にX軸に沿って伝搬して、出射面22から出射する。以下、図1におけるX軸方向のように、導光板内の主に光が伝搬する方向を導光方向という。図1に示すように、本実施の形態に係る照明装置は、出射面22からの出射光を、+Y方向のみに偏向させることによって、特定の場所や物のみ明るく照らすことが可能である。そのため、照明装置を照明対象の方へ傾ける必要がなく、また、観察側には不要な光が出射されない。従って、意匠性及び外観に優れるとともに高効率な照明装置を実現することができる。ここで、図1に示すように、光の出射方向は、Z軸とのなす角θ、光の出射方向のXY平面への射影とX軸とのなす角φにより表すことができる。
図2は、+Z方向(出射面22側)から観察した導光板2内部の光の進行を示す図である。図2に示すように、XZ平面と略平行な1つの側面には、複数の凹部3が形成されている。図2に示された凹部3は、一例として、XY平面と略平行な面aと、出射面と対向した面bとからなる三角錐形状を有している。
導光板2の入射面21から入射した光は、+Y方向、または−Y方向の成分を持って、導光板2の内部を全反射によって伝搬する。
+Y方向の成分を持って伝搬している光L1は、XZ平面と略平行な側面24によって全反射され、導光板2の内部から出射されることなく伝搬を続ける。
一方、−Y方向の成分を持って伝搬している光L2は、XZ平面と略平行な側面25に入射し、そのうち一部は側面25に設けられた凹部3に入射する。凹部3に入射した光は、凹部3の面aや面bで全反射される、また面aやbを通過して再度入射するなどして、導光板2の出射面22に対しての全反射の条件から外れると、出射面22から出射される。このとき、出射する光は+Y方向の成分を有する。
このように、+Y方向の成分を持って伝搬する光と、−Y方向の成分を持って伝搬する光とを分けて制御することによって、+Y方向のみへ出射光を集中させることができる。従って、出射面22からの光を一方向にのみ偏向させた照明装置が実現できる。
光源から導光板2に入射した光のうち、出射面22から出射する光の割合は凹部3に入射する光の割合に依存する。この割合が低いと光源への投入電力に対し、明るさが低く、電力効率の悪い照明となってしまう。凹部3は側面25に設けられているため、側面25に到達する光の割合が低いと、凹部3に入射する光の割合が低下し、出射の割合が低下する。導光板2のX方向長さのLと、Y方向長さWの比L/Wが12より大きいと、導光板2内を全反射して伝播していく間に側面25に到達する割合が高く、出射の割合が高い、効率の良い照明が得られる。
図3は+X方向(入射面21側)から観察した導光板2内部の光の進行を示す図である。
図3に示すように、凹部3で全反射又は屈折して導光板の出射面22で全反射する条件から外れた光は、側面24に到達する前に出射面22に到達して導光板2から出射する。ここで、導光板のZ方向長さのTと、Y方向長さWの比T/Wが2よりも大きいと、出射面22に到達する前に側面24で−Y方向へ偏光されてしまい、特定の方向にのみ光を集中させることができなくなる。
[光源]
光源1としては、冷陰極管、熱陰極管等の線状光源、LED等の点状光源が挙げられる。光源1は、導光板2の一方の端面21又は対向する両方の端面21に1個又は複数個配置してもよい。導光板2の一方の端面21に設けることにより、光源の個数を削減し、軽量、小型化が可能となる。一方、導光板2の両方の端面21に設けることにより、導光板2への入射光量が増加し、高輝度化を図ることができる。また、点状光源の個数は適宜決定すればよい。点状光源の個数が多くなると、導光板2への入射光量が増加し、高輝度化を図ることができる。点状光源を複数個用いる場合、点状光源の間隔は均等になるように配置することが望ましい。これにより点状光源の近傍と点状光源間の均一性を高めることができる。
[導光板]
導光板2の材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、シクロオレフィンポリマー等の透明性に優れた樹脂、又はガラスを用いることができる。中でもPMMAは軽量性、透明性の点で優れ、またPCは、耐久性の点で優れる。
導光板2の加工方法としては、押し出し板もしくはキャスト板から切り出す方法、又は加熱プレス、射出成形等の溶融成形法等が好適に用いられるが、これに限定されるものではない。
また、導光板2に凹部3を設ける場合の製造方法としては、特に制限はないが、押出成形、射出成形、紫外線硬化樹脂を使用した2P(Photo Polymerization)成形が上げられる。凹部3の大きさ、形状、量産性当を考慮して好適な成形方法を選択すればよい。
導光板のX方向の長さWとY方向の長さLは、L/Wが12より大きい範囲において、用途に応じて設定できる。例えば、野外の足元灯や、道路用照明など広い場所、大きい対象を照射する場合、WやLが大きい照明を用いる。一方、卓上の照明スタンドなどの小さい場所を照射する場合、WやLが小さい照明を用いる。
[凹部]
凹部3のX軸方向の最大長さは、10μm以上、1000μm以下であることが望ましい。更に望ましくは、15μm以上、700μm以下である。10μmより小さいと回折現象により着色が発生し、外観の品位を低下させる。また1000μmより大きいと凹部3自身が視認されるため、外観の品位を低下させる。
凹部3の形状は、球・円錐、四角錐の一部など製造方法や生産性を考慮して決定することができる。また、凹部3は、XY平面と略平行な第1の面aと、平面もしくは曲面からなる第2の面bとを備え、第2の面bは、出射面22と対向していることが好ましい。凹部3の第2の面bに入射した光は面bによって全反射され、出射面22を通過して導光板2から出射する。面bを出射面22と対向させて配置することによって、凹部3によって全反射した光が効率的に凹部3に到達し、効率の良い照明装置を得ることができる。一方で、XY平面と略平行な第1の面aに入射した光は、全反射され、導光板2から出射することなく伝搬を続ける。
さらに、前記凹部の形状は、多角錐の一部もしくは全部、又は、楕円球もしくは円錐の一部からなることが好ましい。図4は、凹部3の形状が三角錐である場合を示している。凹部3の形状を三角錐とすると、面bを複数の平面から構成することができる。従って、各面bで全反射によって偏向される角度を限定することができる。そのため、出射面22の+Y方向側の特定の方向に光を集中させ、当該特定の方向において明るい照明装置を得ることが可能である。
図4に示すように、凹部3の面bは、ZX平面からの傾斜角αと、面bの法線のZX平面への射影した方向における、+Y方向から見て+X方向から時計回りの確度βとにより規定することができる。ここで、角度αの取り得る範囲は0°<α<90°であるが、20°以上、80°以下が望ましい。また、30°以上、70°以下がより望ましく、35°以上、65°以下がさらに望ましい。この範囲において、面bで光が全反射した場合、効率的に光が導光板内から取り出される。角度βの取り得る範囲は、+Y方向に偏向する場合、0°<β<180°であるが、15°以上、165°以下が望ましい。また、25°以上、155°以下がより望ましく、30°以上、150°以下がさらに望ましい。この範囲において、光が効果的に+Y方向に偏向される。角度βが15°より小さい、または165°より大きいと、全反射によって光を+Y方向に偏向できず、−Y方向に向かう光が増加する。
なお、−Y方向に偏向する場合、角度βの取り得る範囲は−180°<β<0°であるが、−165°以上、−15°以下が望ましい。また、−155°以上、−25°以下がより望ましく、−150°以上、−30°以下がさらに望ましい。この範囲において、光が効果的に−Y方向に偏向される。角度βがより−165°小さい、または−15°より大きいと、全反射によって光を−Y方向に偏向できず、+Y方向に向かう光が増加する。
つまり、+Y方向及び−Y方向のいずれに偏光する場合でも、角度βの絶対値が、15°以上、165°以下が望ましく、25°以上、155°以下がより望ましく、30°以上、150°以下がさらに望ましい。
また、図5、図6、図7は凹部3の形状が、それぞれ楕円球、球、円錐の一部である場合を示している。凹部3の形状を、楕円球、球、円錐の一部とすることによって、面bを曲面で構成することができる。この場合、面bで全反射によって+Y方向に偏向される角度の範囲を大きくすることが可能である。そのため、出射面22の+Y方向側の広い場所を均一に照射することに適した照明装置を得ることができる。
なお、凹部3は、図8に示すように、上面にZX平面に略平行な平坦面を設けてもよい。平坦面を設けることで製造が容易になる。
凹部3の配列方法は、格子状、千鳥格子状や、ランダムに配列するなど、目的や製造方法に応じて任意に選定することができる。凹部3を多く設けた場所では、より多くの光が取り出される。従って、輝度が均一な照明装置を得るためには、凹部3を光源から近い場所では疎に、光源から遠い場所では密に設けるなど、導光板2の面内で凹部3の密度を変調させることが望ましい。
隣接する2つの凹部3の間隔は、10μm以上、5000μm以下が望ましい。10μmより小さいと回折現象により着色が発生し、外観の品位を低下させる。一方、5000μmよりも大きいと、凹部3自身が視認されるため、外観の品位を低下させる。
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置では、光源からの光が入射する入射面と直交する光出射面において、特定の方向に光を偏向させ、特定の場所や、物を照射することにより、不要な方向へ光が出射せず、高効率で、意匠性に優れた照明装置を得ることが可能である。また、本発明の照明装置を用い、電源、反射手段、拡散手段、保持具等を適宜組み合わせることで、商品や場所を明るく照射し、高効率で、不要な方向に光が出射しないために外観や意匠性の良い照明器具を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。図9の略図に示す照明装置について、輝度の角度分布を、照明設計解析ソフトウェアLightTools(登録商標)を用いて解析した。以下に、解析に用いた条件を記す。
図9に示すように、光源1は、導光板の入光面に対向して配置し、高さT、幅Wの直方体の側面を発光部として、発光の角度特性をランバーシャン分布とした。
導光板2のサイズは、Y方向の幅W、X方向の長さL、厚さTとしてそれぞれの実施例で示す大きさとした。導光板2の材質は、PMMA(屈折率1.49)とし、側面25に凹部を設けた。導光板2の端面21に1個の光源1を設置し、導光板2の側面24、25と、導光板2の底面23の外側には、拡散反射をする反射板を配置した。
上記モデルを用いて、導光板の出射面から光をシミュレーションで解析し、光源から出射した光のうち、導光板に入射し、導光板の出射面から出光した光の割合を算出した。また、導光板中央付近での各角度輝度Lm(θ,φ)を取得した。ここで、出射光の+Z方向からの傾きをθ、該方向のX−Y平面に射影した方向における、+Z方向から見て+X方向から反時計回りに得られる角度をφとした。このとき輝度が+Y方向の成分を有する時、φは0°より大きく、180°より小さい。
出射光のうち、+Y方向の成分を有して出射する光束I(+Y)と、−Y方向の成分を有して出射する光束I(−Y)を、以下の式より算出した。
Figure 0006285220
更に、I(+Y)と、I(−Y)の和に対するI(+Y)の割合を算出した。表1に実施例並びに比較例のI(+Y)の割合を記す。
Figure 0006285220
<実施例1>
実施例1として、図10で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、ZX平面上にて直径300μmの円である半球であり、X方向に周期400μm、Z方向に周期400μmで等間隔に配置した。導光板2のサイズは長さL=300mm、幅W=20mm、厚さT=3mmとした。
図1に示した各θ(=0°、20°、40°、60°、80°)での、φに対する輝度を図11に示す。図11に示すように、+Y方向に光が集中している。また、表1に示すように、光源からの光に対する出射面からの出光割合は62%であり、高い割合で出射している為、明るい照明装置が得られる。また、出射面から出光した光に対しての+Y方向に出射する光の割合は84%である。−Y方向に出射する割合が少ないため、照射する対象のみ明るく照らされる、意匠性の良い照明装置が得られる。また、その角度特性が滑らかであるため、角度によって急激に明るさが変化しない外観の良い、広い場所や大きな対象物を照射することに適した照明装置となる。
<実施例2〜5>
実施例2〜5として、実施例1と同様に、図10で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。導光板2のサイズは、実施例2では長さL=300mm、幅W=3mm、厚さT=3mm、実施例3では長さL=300mm、幅W=2mm、厚さT=3mm、実施例4では長さL=90mm、幅W=3mm、厚さT=3mm、実施例5では長さL=300mm、幅W=10mm、厚さT=3mmであり、凹部3をX方向に周期600μm、Z方向に周期600μmで等間隔に配置した。表1に示すように、実施例2〜5においても、出光割合が高い為効率が良く、+Y方向に出射する割合の多い、一方向にのみ照射することに適した照明装置を得ることが可能である。
<実施例6>
実施例6として、図4で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、XY平面上の底面が1辺300μmの正方形である正四角錐を底面の対角線(X軸)を含み底面に垂直な面(XY平面)により2分割した三角錐である。面bのXY平面からの傾斜角度α、面bの法線のZX平面への射影した方向における、+Y方向から見て+X方向から反時計回りに得られる角度βとして、α=45°、β=45°である。導光板2のサイズは、長さL=300mm、幅W=10mm、厚さT=3mmであり、凹部3をX方向に周期600μm、Z方向に周期600μmで等間隔に配置した。
図1に示した各θ(=0°、20°、40°、60°、80°)での、φに対する輝度を図12に示す。図12に示すように、+Y方向に光が集中している。また、表1に示すように、光源からの光に対する出射面からの出光割合は62%であり、高い割合で出射している為、明るい照明装置が得られる。また、出射面から出光した光に対しての+Y方向に出射する光の割合は86%である。−Y方向に出射する割合が少ないため、−Y方向から観察した場合に照明装置から出射する光がない。従って、照射する対象のみ明るく照らされる、意匠性の良い照明装置が得られる。また、その出射する角度範囲が狭いため、特定の物のみ照射するのに適した照明装置となる。
実施例7として、図4で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、XY平面上の底面が1辺300μmの正方形である正四角錐を底面の対角線(X軸)を含み底面に垂直な面(XY平面)により2分割した三角錐である。面bのXY平面からの傾斜角度α、面bの法線のZX平面への射影した方向における、+Y方向から見て+X方向から反時計回りに得られる角度βとして、α=60°、β=45°である。導光板2のサイズ、配列は実施例6と同様である。
図1に示した各θ(=0°、20°、40°、60°、80°)での、φに対する輝度を図13に示す。図13に示すように、+Y方向に光が集中している。また、表1に示すように、光源からの光に対する出射面からの出光割合は74%であり、高い割合で出射している為、明るい照明装置が得られる。また、出射面から出光した光に対しての+Y方向に出射する光の割合は85%である。−Y方向に出射する割合が少ないため、−Y方向から観察した場合に照明装置から出射する光がない。従って、照射する対象のみ明るく照らされる、意匠性の良い照明装置が得られる。また、その出射する角度範囲が狭いため、特定の物のみ照射するのに適した照明装置となる。また、照射対象の位置、照明からの角度などに応じて角度α、βを適宜選定して、出射する方向を適応させることができる。
<比較例1>
比較例1として、図10で示すような凹部を、導光板2の底面23に設けた照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、XY平面上にて直径300μmの円である半球であり、X方向に周期600μm、Z方向に周期600μmで等間隔に配置した。導光板2のサイズは長さL=300mm、幅W=10mm、厚さT=3mmとした。各θでの、φに対する輝度を図14に示す。図14に示すように、+Y方向に偏向されると同時に、−Y方向にも偏向される。そのため、表1に示すように、+Y方向へ出射する割合は50%である。従って、特定の対象物を照射することに適さない。
<比較例2>
比較例2として、図10で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、ZX平面上にて直径300μmの円である半球であり、X方向に周期600μm、Z方向に周期600μmで等間隔に配置した。導光板2のサイズは長さL=300mm、幅W=1mm、厚さT=3mmとした。各θでの、φに対する輝度を図15に示す。導光板の厚さTと、幅Wの比T/Wが2より大きいと、凹部3で全反射の条件から外れた光が、導光板の出射面22に到達する前に導光板の側面24に到達し、−Y方向に偏向されてしまうために、−Y方向に出射する成分が増加する。そのため、特定方向から観察した場合、照明装置から観察者に到達する光が存在し、外観品位が低下する。
<比較例3>
比較例3として、図10で示すような凹部を有した照明装置についてシミュレーションを行った。凹部は、ZX平面上にて直径300μmの円である半球であり、X方向に周期400μm、Z方向に周期400μmで等間隔に配置した。導光板2のサイズは長さL=300mm、幅W=30mm、厚さT=3mmとした。この場合、出射する光は+Y方向のみに偏向されているものの、導光板の長さLと、幅Wの比L/Wが12より小さいため、導光板からの出光効率が低く、電力効率の悪い照明装置となる。
以上説明した照明装置は、導光板の光入射面と直交する光出射面において一方向に光を偏向させることが可能である。そのため、当該照明装置を備えた照明器具は、不要な方向に光が出射せず、高効率で、外観がよい。具体的には、スポットライト、商品などの陳列棚等に用いるディスプレイ用照明、ダウンライトや、足元灯などの直接、間接照明に好適である。
1:光源
2:導光板
21:導光板の入射面
22:導光板の出射面
23:導光板の底面
24:導光板の+Y側の側面
25:導光板の−Y側の側面
3:凹部
a:凹部の面
b:凹部の面
α:面bのZX平面からの傾斜角
β:+Y方向から見た面bの法線ベクトルのZX平面への射影の+X方向から反時計回りの角度
θ:出射光の+Z方向からの傾き
φ:+Z方向から見た光の出射方向のXY平面への射影の+X方向から反時計回りの角度
L:導光板のX方向の長さ
T:導光板のZ方向の厚み
W:導光板のY方向の幅
Lm(θ、φ):θ、φで定められる方向に出射する光の輝度
I(+Y):+Y方向の成分を持って、導光板の出射面から出射するする光束
I(−Y):−Y方向の成分を持って、導光板の出射面から出射するする光束

Claims (5)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光が、一方の端面に入射され、内部を伝播し、前記端面と直交する一方の主面から出射される導光板と、を備え、
    前記導光板において、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸からなる右手系座標空間を考えた場合、
    入射面を構成する前記一方の端面は、YZ平面に略平行であり、
    出射面を構成する前記一方の主面は、XY平面に略平行であって、かつ、他方の主面よりも+Z方向に位置し、
    前記導光板の、XZ平面と略平行な平面のうち1つの面にのみ複数の凹部を有し、
    前記出射面からの出射光Eのうち、−Y方向の成分E−Y及び+Y方向の成分E+Yのいずれか一方の成分が65%以上であることを特徴とする照明装置(ただし、前記他方の主面に凹部を有するものを除く)
  2. 前記導光板のX方向長さのLと、Y方向長さWの比L/Wが12より大きく、
    前記導光板のZ方向長さのTと、Y方向長さWの比T/Wが2より小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置
  3. 前記凹部が、
    XY平面と略平行な第1の面と、
    平面もしくは曲面からなる第2の面と、を備え、
    前記第2の面は、前記出射面と対向していることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記凹部の形状が、多角錐の一部もしくは全部、又は、楕円球もしくは円錐の一部からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の照明装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置を備えた照明器具。
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