JP6285180B2 - ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法、及び、ガラス板の製造装置に関する。
従来、ガラス板の製造方法の一つとして、ダウンドロー法が用いられている。ダウンドロー法では、成形体からオーバーフローした熔融ガラスが、分流して成形体の側面に沿って流下する。次に、熔融ガラスは、成形体の下端部で合流して、ガラス板に成形される。成形されたガラス板は、鉛直方向下方に搬送されながら冷却される。冷却工程において、ガラス板は、粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する。
ところで、ダウンドロー法を用いるガラス板の製造装置では、一般的に、成形体から離れたガラス板が何物にも触れることなく冷却される空間である徐冷ゾーンが、断熱板によって複数の徐冷空間に区画される。断熱板は、徐冷空間の間の熱移動を抑え、さらに、各徐冷空間を移動する気流を抑えることにより、各徐冷空間の雰囲気温度が所望の温度プロファイルになるように制御するために配置される。ここで、所望の温度プロファイルとは、徐冷ゾーンの各徐冷空間における、ガラス板に歪みが発生しないような温度分布を意味する。すなわち、断熱板によって、ガラス板は下方に搬送されながら各徐冷空間で所望の温度に調節される。従って、断熱板は、ガラス板を徐冷することで歪みの少ないガラス板を成形するために重要である。
特許文献1では、幅方向両端部と幅方向両端部に挟まれる幅方向中央領域とを有するガラス板を一対の断熱板で挟むことにより、ガラス板を徐冷している。両端部は、厚さがほぼ均一な中央領域と比較して厚みがあるため、中央領域より保有熱量が大きい。両端部と中央領域とに保有熱量の差があるために、両端部と中央領域との間で応力が発生し、ガラス板に反り、歪が生じることとなる。このため、この保有熱量の差に基づいた所望の温度プロファイルが必要となる。
しかし、両端部と断熱板との間に隙間が存在し、この隙間を両端部に沿って上昇気流が通過する。気流は、ガラス板を冷却する徐冷空間における煙突効果によって発生するものであり、この隙間が大きいと、気流による両端部の冷却量が増加するため、両端部を所望の温度に調節することができず、ガラス板に歪みが発生する原因となる。一方、この隙間が小さいと、この隙間を通過する気流の流速が速くなり、両端部の冷却量がまた増加するため、ガラス板に歪みが発生する原因となる。
特開2008―88005号公報
そこで、本発明は、ガラス板の端部の冷却量を抑制することにより、ガラス板の歪みを抑えることができるガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ダウンドロー法を用いて熔融ガラスから幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形工程と、前記成形されたガラス板を鉛直方向下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、を有するガラス板の製造方法であって、
前記冷却工程では、
炉壁で囲まれた炉室において、前記ガラス板の搬送方向に対して、前記炉室を複数の空間に分割し、各前記分割した空間の熱移動を抑制する断熱板を有し、
前記断熱板は、前記ガラス板を搬送方向へ導くスリット状の隙間を有し、
前記スリット状の隙間を通って、前記幅方向中央領域の板厚に対して所定の厚みを有する前記端部に沿って鉛直方向上方へ流れる気流により前記端部が冷却され、
前記端部の冷却能が最小になるよう前記断熱板の一部、前記断熱板と前記端部の前記幅方向の先端との間の前記幅方向に沿った隙間の間隔を調整した位置に設ける、
ことを特徴とする。
前記端部の冷却能は、前記気体の体積流量が減少するほど低下する、ことが好ましい。
前記断熱板は、前記ガラス板の端部と前記ガラス板の幅方向中央領域とに対向する位置に、独立した部材で設けられる、ことが好ましい。
前記断熱板は、前記ガラス板の端部と前記ガラス板の幅方向中央領域とに対向する位置と、前記ガラス板の端部の先端側に対向する位置に設けられる、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、ダウンドロー法を用いて熔融ガラスから幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形装置と、前記成形されたガラス板を鉛直方向下方に搬送しながら冷却する冷却装置と、を有するガラス板の製造装置であって、
前記冷却装置は、
炉壁で囲まれた炉室において、前記ガラス板の搬送方向に対して、前記炉室を複数の空間に分割し、各前記分割した空間の熱移動を抑制する断熱板を有し、
前記断熱板は、前記ガラス板を搬送方向へ導くスリット状の隙間を有し、
前記スリット状の隙間を通って、前記幅方向中央領域の板厚に対して所定の厚みを有する前記端部に沿って鉛直方向上方へ流れる気流により前記端部が冷却され、
前記端部の冷却能が最小になるよう前記断熱板の一部、前記断熱板と前記端部の前記幅方向の先端との間の前記幅方向に沿った隙間の間隔を調整した位置に設ける、ことを特徴とする。
上述の態様のガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置によれば、ガラス板の端部の冷却量を抑制することにより、ガラス板の歪みを抑えることができる。
本実施形態にかかるガラス板製造装置の概略構成図である。 成形装置の断面概略構成図である。 成形装置の側面概略構成図である。 成形装置で成形されるガラス板を平面視した一形状を示す図である。 ガラス板を挟む断熱部材を平面視した場合の概略図である。 図5に示すガラス板の端部と断熱部材とを拡大した拡大図である。 図6に示すA−A線に沿った断面図である。 隙間の間隔と隙間を通過する気体の体積流量との関係を示した図である。 ガラス板の端部の冷却量によって変化する温度プロファイルを示した図である。 実施形態2にかかるガラス板を挟む断熱部材を平面視した場合の概略図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態にかかるガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置について説明する。図1は、本実施形態にかかるガラス板製造装置の概略構成図である。
ガラス板製造装置100は、図1に示すように、溶解槽200と、清澄槽300と、成形装置400とから構成される。溶解槽200では、ガラスの原料が溶解され熔融ガラスが生成される。溶解槽200で生成された熔融ガラスは、清澄槽300へ送られる。清澄槽300では、熔融ガラスに含有される気泡の除去が行われる。清澄槽300で気泡が除去された熔融ガラスは、成形装置400へ送られる。成形装置400では、例えばオーバーフローダウンドロー法によって、熔融ガラスからガラス板Gが連続的に成形される。その後、成形されたガラス板Gは、冷却され、所定の大きさのガラス板に切断される。ガラス板Gは、例えば、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板(例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、有機ELディスプレイ用ガラス基板)、カバーガラスや磁気ディスク用などの強化ガラス用ガラス基板、ロール状に巻き取られるガラス基板、半導体ウエハ等の電子デバイスが積層されたガラス基板として用いられる。
次に、成形装置400の詳細な構成について説明する。図2は、成形装置の断面概略構成図であり、図3は、成形装置の側面概略構成図である。
成形装置400は、図2及び図3に示すように、成形体10と、仕切り部材20と、冷却ローラ30と、断熱部材40a,40b,・・・と、送りローラ50a,50b,・・・と、温度制御ユニット(温度制御装置)60a,60b,・・・とから構成される。また、成形装置400は、仕切り部材20より上方の空間である成形体収容部410と、仕切り部材20直下の空間である成形ゾーン42aと、成形ゾーン42aの下方の空間である徐冷ゾーン420とを有する。徐冷ゾーン420は、複数の徐冷空間42b,42c,・・・を有する。成形ゾーン42a、徐冷空間42b、徐冷空間42c、・・・は、この順番で鉛直方向上方から下方に向かって積層している。成形ゾーン42aと徐冷ゾーン420とは、耐火材及び/又は断熱材建物(図示せず)によって囲まれ、成形ゾーン42a、徐冷ゾーン420において、温度制御ユニット60a等が、ガラス板Gを成形、冷却するのに適する温度に制御する。
成形体10は、図2に示すように、略楔状の断面形状を有する部材である。成形体10は、略楔状の尖端が下端に位置するように、成形体収容部410に配置される。図3に示すように、成形体10の上端面には、溝12が形成されている。溝12は、成形体10の長手方向に形成されている。溝12の一方の端部には、ガラス供給管14が設けられている。溝12は、ガラス供給管14が設けられる一方の端部から他方の端部に近づくに従って、徐々に浅くなるように形成されている。成形体10の長手方向の両端には、側壁から熔融ガラスがはみ出るのを妨げるガイドが取り付けられている。このガイドは、平面視で楔形をしており、成形体10の端面全体をカバーできる大きさの板材で作られている。鉛直方向に関して、ガイドの先端の位置は、成形体10の下端に一致している。ガイドの働きにより、熔融ガラスの全部を側壁に沿って流すことが可能である。ガラス板Gは熔融ガラスが下端で融合して成形されるが、熔融ガラスはガイドによりせき止められるため、ガイド付近、つまり、成形体10の長手方向の両端部には熔融ガラスが溜まる。このため、成形体10の下端で融合したガラス板Gの幅方向の端部G1は、図4に示すように、球根状に厚みのある形状となる。ここで端部G1とは、ガラス板Gの幅方向中央の板厚に対して所定の厚みを有する部分をいう。また、端部G1で挟まれた幅方向の領域を中央領域G2という。端部G1は、端部G1で挟まれた製品(ガラス基板)として利用できる厚さがほぼ均一な中央領域G2と比較して厚みがあるため、中央領域G2より保有熱量が大きい。保有熱量に差があると、ガラスの収縮量に差が生じるため、端部G1と中央領域G2との間で応力が発生し、ガラス板Gに反り、歪が生じることとなる。このため、端部G1の冷却量を管理する必要がある。
仕切り部材20は、成形体10の下端の近傍に配置される板状の断熱材である。仕切り部材20は、その下端の高さ位置が、成形体10の下端の高さ位置から下方にくるように、配置されている。仕切り部材20は、図2に示されるように、ガラス板Gの厚み方向両側に配置される。仕切り部材20は、成形体収容部410と成形ゾーン42aとを仕切ることにより、成形体収容部410から成形ゾーン42aへの熱移動を抑制する。断熱材である仕切り部材20により、成形体収容部410と成形ゾーン42aとを仕切るのは、成形体収容部410と成形ゾーン42aとの各々において、空間内の温度について両空間が互いに影響しあわないように温度制御を行うためである。また、仕切り部材20は、徐冷ゾーン420から成形体収容部410に入る気流の体積流量を抑制するように、ガラス板Gと仕切り部材20との間の間隔があらかじめ調節されて配置されている。
冷却ローラ30は、成形ゾーン42aにおいて、仕切り部材20の近傍に配置される。また、冷却ローラ30は、ガラス板Gの厚み方向両側に配置され、ガラス板Gを厚さ方向に挟み、ガラス板Gを下方に搬送しながらガラス板Gの端部G1を冷却する役割を担う。
断熱部材40a,40b,・・・は、徐冷ゾーン420において、ガラス板Gの搬送方向(鉛直方向下方)に対して、徐冷ゾーン420を複数の徐冷空間42b,42c,・・・に分割し、分割した各徐冷空間の熱移動を抑制する。また、断熱部材40a,40b,・・・は、冷却ローラ30の下方、かつ、ガラス板Gの厚み方向両側に配置される板状の部材であり、ガラス板Gを搬送方向へ導くスリット状の空間を有する。上述したように、成形ゾーン42aと徐冷ゾーン420とは、耐火材及び/又は断熱材建物(図示せず)によって囲まれているが、徐冷ゾーン420には、ガラス板Gが搬出されるスリット状の空間があり、また、断熱材建物等には一部隙間がある。このため、煙突効果によって、徐冷ゾーン420において、鉛直方向下方から成形ゾーン42aに向かう上昇気流が発生する。この気流はガラス板Gに沿って上昇し、気流によってガラス板Gが冷却されるため、この気流を抑制する断熱部材40a,40b,・・・が必要となる。例えば、図2に示すように、断熱部材40aは、成形ゾーン42aと徐冷空間42bとを形成し、断熱部材40bは、徐冷空間42bと徐冷空間42cとを形成する。断熱部材40a,40b,・・・は、上下の空間の間における熱移動を抑制する。例えば、断熱部材40aは、成形ゾーン42aと徐冷空間42bとの間の熱移動及び上昇気流を抑制し、断熱部材40bは、徐冷空間42bと徐冷空間42cとの間の熱移動及び上昇気流を抑制する。
各断熱部材40a,40b,・・・は、複数の断熱板が組み合わされて、ガラス板Gに対向する位置に近接配置される。そして、各断熱部材40a,40b,・・・は、稼働機構(図示せず)によって、ガラス板Gの幅方向、及び、厚さ方向に、移動されて、熱移動及び上昇気流を抑制するように任意の位置に移動可能となっている。以下では、各断熱部材40a,40b,・・・を総称する場合、断熱部材40と記載する。
図5は、ガラス板Gを挟む断熱部材40を平面視した場合の概略図である。本実施形態では、断熱部材40は、同図に示すように、1枚の第1断熱板140a1と2枚の第2断熱板140a2,140a3とから構成され、かつ、第2断熱板140a2は、さらに、第1断熱小板140a21と第2断熱小板140a22とから構成され、かつ、第2断熱板140a3は、さらに、第1断熱小板140a31と第2断熱小板140a32とから構成される。第2断熱板140a2において、第1断熱小板140a21は、第2断熱小板140a22と、ガラス板Gの幅方向に連結されている。また、第1断熱小板140a21は、第1断熱板140a1と、ガラス板Gの幅方向に連結されている。すなわち、第1断熱小板140a21は、第1断熱板140a1と、第2断熱小板140a22との間に配置される。第2断熱板140a3に関しても、第2断熱板140a2と同様に、第1断熱小板140a31は、第1断熱板140a1と、第2断熱小板140a32との間に配置される。また、第2断熱板140a2,140a3の第1断熱小板140a21,140a31は、ガラス板Gの端部G1の表面と対向するように配置される。また、第2断熱板140a2,140a3の第2断熱小板140a22,140a32の一方は、他方の第2断熱小板140a22,140a32と対向するように配置される。具体的には、一対の第2断熱小板140a22(又は、一対の第2断熱小板140a32)は、互いの端面が接している状態、又は、互いの端面が非常に近接している状態で配置される。
図6は、図5に示すガラス板の端部G1と断熱部材とを拡大した拡大図である。端部G1は、断熱部材40(第2断熱板140a2、140a3)により覆われているが、同図に示すように、ガラス板Gの端部G1と第2断熱板140a2又は第2断熱板140a3との間には、隙間Cが形成される。ここで、隙間Cは、端部G1と第1、2断熱小板140a21、140a22(140a31、140a32)と間の領域をいう。端部G1に沿って上昇する気流は隙間Cを通り、この隙間Cを通った気流が端部G1を冷却する。この気流により端部G1が冷却されると、端部G1を所望の温度に調節することができず、ガラス板Gに歪みが発生する原因となる。このため、気流による端部G1の冷却量が最小となるように、第2断熱板140a2、140a3の位置を調節し、隙間Cの間隔(面積)を決定する。これにより、ガラス板Gに発生する歪みを抑制することができる。
送りローラ50a,50b,・・・は、徐冷ゾーン420において、鉛直方向に所定間隔で、ガラス板Gの厚み方向両側に複数配置される。送りローラ50a,50b,・・・は、それぞれ、徐冷空間42b,42c,・・・に配置され、ガラス板Gを下方に搬送する。
温度制御ユニット60a,60b,・・・は、それぞれ、成形ゾーン42a及び徐冷空間42b,42c,・・・にガラス板Gの幅方向に沿って配置され、成形ゾーン42a及び徐冷空間42b,42c,・・・の雰囲気温度を測定し、制御する。また、温度制御ユニット60a,60b,・・・は、ガラス板Gの反り、歪が生じないように設計された所定の温度分布(以下、「温度プロファイル」という)を形成するように、成形ゾーン42a及び徐冷空間42b,42c,・・・の雰囲気温度を制御する。
次に、ガラス板Gの端部G1の冷却量を抑制する方法について説明する。
まず、ガラス板Gの端部G1を冷却する隙間Cを通る気流について説明する。図7は、図6に示すA−A線に沿った断面図である。なお、図7では、断熱板により分割された空間を徐冷空間42b,42cとして説明するが、成形ゾーン42aに設けられた断熱部材40により分割された空間、仕切り部材20により分割された空間であってもよい。また、ここでは、ガラス板Gの中央領域と中央領域に対向する断熱板との間隔が一定とし、中央領域の冷却量を一定とする。また、本実施形態では、隙間Cは、端部G1と断熱板と間の領域をいうが、図7での説明を容易にするため、端部Gの先端から断熱板の一端までの領域をいう。
端部G1に沿って上昇する気流F1は、煙突効果によって発生し、鉛直方向下方から成形ゾーン42aに向かう。気流F1は、同図に示すように、断熱板140a22付近まで上昇すると、断熱板140a22によって上昇が妨げられて、隙間Cを通る気流F2と、上昇が妨げられた気流F3に分かれる。上昇が妨げられた気流F3は、断熱板140a22の下方空間である徐冷空間42cに留まる。その後、気流F3は、徐冷ゾーン420を囲む耐火材及び/又は断熱材建物の隙間から、徐冷ゾーン420の外側に流れる気流F4と、徐冷空間42cに留まって対流する気流F5とに分かれる。気流F2は、端部G1に沿って隙間Cを通って上昇し、徐冷空間42bに流れる。気流F2は、下方向から流れてきた空気であり、温度制御ユニット60cによって昇温されたものではないため端部G1より温度が低い。気流F2が流れることにより、端部G1は冷却されて放熱するため、所定の温度プロファイルより温度が低くなり、ガラス板Gに歪みが発生する原因となる。端部G1からの放熱量(端部G1の冷却量)Qは、Q=Vm×C×ΔTで求められる。ここで、Q:放熱量、Vm:体積流量、C:ガラス板の比熱、ΔT:温度差(端部G1の温度と気流F2の温度との差)である。また、体積流量Vmは、単位時間あたりに流れる流体の体積であり、体積流量(m/s)=流速(m/s)×断面積(m)の計算式より求まる。このため、端部G1からの放熱量Qは、隙間Cを通過する気体F2の体積流量Vmが減少することによって減少し、気体F2の体積流量Vmは、隙間Cの間隔(断面積)が狭くなる(減少する)ことによって減少する。すなわち、隙間Cの間隔を小さく(狭く)することにより、端部G1からの放熱量Qを減少させることができ、端部G1の所定の温度プロファイルを形成することができる。なお、体積流量Vmを測定する方法は、公知の流量計を用いて公知の手法により測定でき、また、温度差ΔTを測定する方法は、公知の温度センサーを用いて公知の手法により測定できる。
隙間Cの間隔を小さくしていくと、断熱板140a22により気流F1の上昇が阻害され、気流F2の体積流量Vmが減少していくが、隙間Cの間隔を一定以上に小さくした場合、徐冷ゾーン420の外側に流れる気流F4が制限されて、気流F4の体積流量が増加しなくなる。このため、隙間Cの間隔を一定以上に小さくすると、気流F4の体積流量が増加する分が、気流F2の体積流量となり、隙間Cを通過する気体F2の流速が増し、隙間Cを通過する気体F2の体積流量Vmが増加する。ここで、気流F2の流速は、気流F2の流速をV2、気流F1の流速をV1、隙間Cの断面積をS2、隙間Cより下方の空間の断面積をS1とすると、V2=(S1/S2)×V1として求められるため、隙間Cの断面積を小さくしていくと、気体F2の流速V2は速くなる。このため、気体F2の流速が速くなることにより、体積流量Vmも増加し、端部G1からの放熱量Qも増加する。
隙間Cの間隔を徐々に変化させて、この隙間Cを通る気体の体積流量を測定した。図8は、隙間Cの間隔と隙間Cを通る気体の体積流量との関係を示した図である。同図に示すように、隙間Cの間隔を変化させることにより、隙間Cを通る気体の体積流量が変化し、この体積流量が最小となるような隙間Cの間隔が存在する。端部G1の放熱量を最小とする、すなわち、隙間Cを通る気体の体積流量を最小とするためには、上述したように、隙間Cの間隔を狭めることにより体積流量を減少させつつ、気流F2の流速が上がることによって増加する体積流量を抑制できる隙間Cの間隔を決定する必要がある。隙間Cの間隔は、断熱板140a21、140a22のサイズを変更する、また、ガラス板の幅方向及び厚み方向に、断熱板140a21、140a22を所定量移動させて設置位置を変更することにより、決定される。隙間Cの間隔を変更することにより、隙間Cを通過する体積流量を抑制して、ガラス板Gの端部G1の冷却量を抑制することができる。これにより、ガラス板Gの反り、歪みを抑えることができる。
なお、ガラス板Gの冷却量を抑制するためには、ガラス板Gと断熱部材40との隙間を通る気体の体積流量を最小にすればよい。このため、ガラス板Gの中央領域G2と断熱部材40との隙間を通る気体の体積流量を最小にすることにより、ガラス板Gの中央領域G2の冷却量を抑制することもできる。ガラス板Gの中央領域G2には、図5に示すように、第1断熱板140a1が対向して配置されている。第1断熱板140a1を、ガラス板Gの中央領域G2に徐々に近づける又は遠ざけることにより、ガラス板Gの中央領域G2と第1断熱板140a1との隙間の間隔が変化するため、この変化に応じた隙間を通る気体の体積流量を測定することにより、隙間の間隔と気体の体積流量との関係を求めることができる。これにより、ガラス板Gの中央領域G2についても、冷却量を抑制することができる。
また、ガラス板Gと仕切り部材20との隙間を通る気体の体積流量を最小にすることにより、ガラス板Gの端部G1、中央領域G2の冷却量を抑制することもできる。
次に、ガラス板Gの端部G1の冷却量に基づいて、温度プロファイルを変更する方法について説明する。
ガラス板Gを冷却する工程では、ガラス板Gに反り、歪が生じないように、ガラスGの幅方向の温度プロファイルが予め設計されており、ガラス板Gが設計された温度プロファイルとなるように、温度制御ユニット60a等を用いて厳密な温度管理を行っている。しかし、上述したように、ガラス板Gの端部G1の冷却量が気流によって変化する場合、変化する冷却量に基づいて、温度プロファイルを変更する必要がある。図9は、ガラス板Gの端部G1の冷却量によって変化する温度プロファイルを示した図である。同図において、温度プロファイルP1は、ガラス板Gの反り、歪が生じないように設計された温度プロファイルであり、温度プロファイルP2は、気流F2による端部G1の冷却量を加味して補正した温度プロファイルである。隙間Cの間隔を調整することにより、ガラス板Gの端部G1の冷却量を抑制した場合であっても、気流F2によって端部G1は冷却される。このため、気流F2による冷却量を加味した温度プロファイルを設計する必要がある。端部G1の冷却量は、Q=Vm×C×ΔTで求まり、体積流量Vmは、体積流量Vm=流速V×断面積Sで求まる。このため、端部G1の冷却量は、気流F2の流速、隙間Cの間隔の断面積S、端部G1の温度と気流F2の温度との温度差、ガラス板の比熱によって求められる。したがって、これらの値を公知の手法により測定することにより、端部G1の冷却量が求められる。そして、図9に示すように、温度プロファイルP1から端部G1の冷却量分を削減した温度プロファイルP2を設計することにより、ガラス板Gの反り、歪みを抑えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、上昇気流によってガラス板の端部が冷却されるのを抑制することができるため、ガラス板の反り、歪みを抑えることができる。また、気流の体制流量から求まる端部の冷却量に基づいて、所定の温度プロファイルを形成することができる。
(実施形態2)
次に、ガラス板Gの中央領域G2に対向する第1断熱板140a1が、端部G1に対向する位置まで設けられ、第2断熱板140a2が、端部G1の先端部を覆うように設けられる場合について説明する。なお、上述の実施形態と共通する構成については説明を省略する。
図10は、本実施形態にかかるガラス板を挟む断熱部材を平面視した場合の概略図である。第1断熱板140a1は、同図に示すように、ガラス板Gの中央領域G2及び端部G1に対向する位置に設けられる。また、第2断熱板140a2は、第1断熱板140a1に挟まれ、端部G1の先端に対向する位置に設けられる。第2断熱板140a2には、第2断熱板140a2をガラス板Gの幅方向に移動させるための軸140bが設けられ、軸140bを把持し、軸140bを幅方向に移動させることにより、第2断熱板140a2を幅方向に移動させる移動機構(図示せず)が設けられる。移動機構が稼働することによって、第2断熱板140a2が、端部G1に近づいたり、端部G1から離れたりして、隙間Cの間隔が変化する。本実施形態では、隙間Cは、第2断熱板140a2から端部G1の先端までの領域をいい、第2断熱板140a2が図面上の右方向に移動することにより、隙間Cの間隔(面積)が減少し、第2断熱板140a2が図面上の左方向に移動することにより、隙間Cの間隔(面積)が増加する。すなわち、第2断熱板140a2をガラス板Gの幅方向に移動させることにより、隙間Cの間隔を変化させることができるため、隙間Cを通る気流の体積流量を抑制することができる。これにより、端部G1の放熱量を制御できるため、ガラス板Gに発生する歪みを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、上昇気流によってガラス板の端部が冷却されるのを抑制することができるため、ガラス板の反り、歪みを抑えることができる。また、気流の体積流量を変化させるための断熱板が小さく、断熱板を容易に移動させることができるため、端部の放熱量を容易に抑制することができる。また、ガラス板Gの製造中であっても断熱板を移動させて隙間の間隔を変化させることができるため、製造されたガラス板の歪みの測定結果に基づいて隙間の間隔を変化させて、ガラス板の歪みをより抑えることができる。
以上、本発明のガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
400 成形装置
410 成形体収容部
420 徐冷ゾーン
G ガラス板
20 仕切り部材
30 冷却ローラ
40a,40b,・・・ 断熱部材
42a 成形ゾーン
42b,42c,・・・ 徐冷空間
50a,50b,・・・ 送りローラ
60a,60b,・・・ 温度制御ユニット

Claims (5)

  1. ダウンドロー法を用いて熔融ガラスから幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形工程と、前記成形されたガラス板を鉛直方向下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、を有するガラス板の製造方法であって、
    前記冷却工程では、
    炉壁で囲まれた炉室において、前記ガラス板の搬送方向に対して、前記炉室を複数の空間に分割し、各前記分割した空間の熱移動を抑制する断熱板を有し、
    前記断熱板は、前記ガラス板を搬送方向へ導くスリット状の隙間を有し、
    前記スリット状の隙間を通って、前記幅方向中央領域の板厚に対して所定の厚みを有する前記端部に沿って鉛直方向上方へ流れる気流により前記端部が冷却され、
    前記端部の冷却能が最小になるよう前記断熱板の一部、前記断熱板と前記端部の前記幅方向の先端との間の前記幅方向に沿った隙間の間隔を調整した位置に設ける、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記端部の冷却能は、前記気体の体積流量が減少するほど低下する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記断熱板は、前記ガラス板の端部と前記ガラス板の幅方向中央領域とに対向する位置に、独立した部材で設けられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記断熱板は、前記ガラス板の端部と前記ガラス板の幅方向中央領域とに対向する位置と、前記ガラス板の端部の先端側に対向する位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  5. ダウンドロー法を用いて熔融ガラスから幅方向の端部と前記端部に挟まれた幅方向中央領域とを有するガラス板を成形する成形装置と、前記成形されたガラス板を鉛直方向下方に搬送しながら冷却する冷却装置と、を有するガラス板の製造装置であって、
    前記冷却装置は、
    炉壁で囲まれた炉室において、前記ガラス板の搬送方向に対して、前記炉室を複数の空間に分割し、各前記分割した空間の熱移動を抑制する断熱板を有し、
    前記断熱板は、前記ガラス板を搬送方向へ導くスリット状の隙間を有し、
    前記スリット状の隙間を通って、前記幅方向中央領域の板厚に対して所定の厚みを有する前記端部に沿って鉛直方向上方へ流れる気流により前記端部が冷却され、
    前記端部の冷却能が最小になるよう前記断熱板の一部、前記断熱板と前記端部の前記幅方向の先端との間の前記幅方向に沿った隙間の間隔を調整した位置に設ける、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
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