JP6283689B2 - うつ病性障害の処置のためのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの使用 - Google Patents

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Description

本発明はうつ病性障害の処置に関するものである。
うつ病
うつ病は一般的な精神障害で、気分の落ち込み(抑うつ気分)及び活動への嫌悪という精神状態を表す。うつ病に関連した症状は、持続した不安な若しくは悲しい気持ち、無力感、絶望感、悲観、及び/又は無気力、エネルギー喪失、焦燥感、短気、疲労感、楽しかった活動や趣味に対して意欲喪失、過眠症若しくは不眠症、過食若しくは食欲減衰、自殺について思案、自殺未遂を含む。これらの症状の存在、数、重症度、頻度、継続時間は個体毎に及びある個体にとって時間毎に異なり得る。
例えばDSM‐IV‐TR(非特許文献1「神障害の診断と統計マニュアル」、第4版、テキスト改定版、アメリカ精神医学会、ワシントンDC、2000)などに記載されている分類を用いて、精神科医は精神障害、例えばうつ病を分類する。うつ病の中でもっとも一般的な類型は、DSM‐IV‐TRではコード296.3Xに分類される大うつ病性障害(MDD)(非特許文献1において、大うつ病エピソードの説明については頁349‐356、MDDについては頁369‐376を参照)とDSM‐IV‐TRではコード300.4に分類される気分変調性障害(DD)(非特許文献1において、頁345‐348、376‐381を参照)である。MDDの診断基準は、要約すれば、少なくとも一つの大うつ病エピソードが存在することであり(すなわち以下由来の5以上の症状がほぼ毎日存在する。(1)抑うつ気分、子供又は若者においては短気となることがある、(2)毎日の活動に意欲や喜びを感じない、(3)著しい体重の減少若しくは増加、又は食欲の減退若しくは増進、(4)不眠症又は過眠症、(5)精神運動興奮又は遅滞、(6)疲労感又はエネルギー喪失、(7)無気力感又は過度若しくは不適当な罪悪感、(8)思考力又は集中力の低下、(9)死について繰り返し考えること、自殺について繰り返し想像すること、又は自殺すること若しくは自殺の明確な計画を立てることを試みること、同じ2週間の周期の間に存在する(1)と(2)のうち少なくとも一つを含み、以前の機能からの変化を示す。また、重大な精神的苦痛又は機能障害を臨床上引き起こす症状であり、物質、病状又は死別の影響によるものではない)、他の病状、すなわち躁の、混合型の又は軽躁のエピソードの欠如によってそれ以上説明されるものではない。DDの診断基準は、要約すれば、(1)少なくとも2年以上、子供又は若者においては少なくとも1年以上にわたる多くの日で一日のうちの大半が、抑うつ気分であり、また気分がイライラしている状態であることもある;(2)うつ状態中に睡眠障害、疲労及び絶望感のような症状が現れる;(3)(1)及び(2)の症状が見られない2年の間、子供又は若者においては1年の間に、2カ月以上の継続した期間がない、ことである。したがって、最初の2年の間、子供と若者においては1年の間に大うつ病エピソードが存在しないのでその結果、障害はMDDによってそれ以上説明されることはない。DSM‐IV‐TR(非特許文献1の頁374)に記載されているように、MDDとDDは重症度、慢性度及び残留性に基づいて区別され、「それらの間における鑑別診断は2つの障害が似た症状を共有するという事実によって非常に難しくなっている…」。他のうつ状態は特別な環境下で進行することがあり、潜在的にMDDに適用できるためDSM‐IV‐TRは産後発病(非特許文献1の頁422‐423)及び季節パターン(非特許文献1の頁425‐427)のような「特定用語」を含む。なお、産後うつ及び季節性情動障害と一般に呼ばれる病態を参照する。DSM‐IV‐TRは特定不能のうつ病性障害(非特許文献1コード311、頁381‐382)、小うつ病性障害(MDDで要求される5項目未満の症状であるがうつ症状が少なくとも2週間存在するエピソード)及び反復性短期うつ病性障害(12カ月の間で少なくとも1カ月に一回は2日から2週間継続して出現し、月経周期に関連していない抑うつエピソード)を含む。DSM‐IV‐TRはまたうつ病性の特徴を伴う一般身体疾患による物質誘発性気分障害又は大うつ病様エピソードをもつ一般身体疾患による物質誘発性気分障害(非特許文献1コード293.83、頁401‐406)において「全身病状のうち生理学的影響である大部分の抑うつ気分を含む。また、抑うつ気分を伴う適応障害(非特許文献1コード309.0、頁679‐683)においてストレス要因に対する反応で病状を含み得るものにおける抑うつ気分も含む。抑うつ気分は癌のような慢性的な病状及び慢性的に痛みを伴う状況にしばしば関連しているため、抑うつ気分を伴う適応障害が「病状に関連したうつ病性障害」として病状に関連するときはこれらの最後3つの状況をともに考えるとよい。
うつ病の薬物処置
多数の抗うつ剤がうつ病処置に利用できる。それらは自然に分泌される脳内物質に対する効果によって一般的に特徴づけられる。
(1)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs)。シタロプラム(セレクサ)、エスシタロプラム(レクサプロ)、フルオキセチン(プロザック)、パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ゾロフト)がこれに該当する。これらはより安全で他の種類の抗うつ剤より厄介な副作用が少ないため、これらは最も一般的な最初のうつ病処置である。最も一般的な副作用に性欲の減衰やオルガスムの遅延がある。他の副作用として、消化不良、びくつき、落ち着きがない、頭痛及び不眠症があり、時間の経過に伴い減少する。
り込み阻害剤(SNRIs)。デスベンラファキシン(プリスティーク)、デュロキセチン(サインバルタ)及びヴェンラファキシン(エフェクサーXR)がこれに該当する。副作用はSSRIsにおける副作用と似ており、発汗増加、口渇、頻脈及び便秘が生じ得る。
(3)ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害剤(NDRIs)。ブプロピオン(ウェルブトリン)がこれに該当する。ブプロピオンは高用量では発作の危険性が増大するが性機能への副作用を生じない数少ない抗うつ剤の一つである。
(4)非定型抗うつ剤。ミルタザピン(レメロン)及びトラゾドン(オレプトロ)がこれに該当する。これら抗うつ剤は鎮静作用があり、通例夜に服用する。最新の非定型抗うつ剤はビラゾドン(ビブライド)であり、性機能への副作用の危険性が低いが最も一般的な副作用として下痢、吐き気、嘔吐及び不眠症がある。
(5)三環系抗うつ剤。デシプラミン(ノルプラミン)、ドキセピン(サイレノール)、イミプラミン(トフラニール)、マプロチリン、プロトリプチリン(ビバクチル)及びトリミプラミン(スルモンチール)がこれに該当する。これらは長年使用されてきており、通例、より新しい薬剤と同じように効果がある。これらは一般的に効果の上でSNRIsであるが、抗ヒスタミン及び抗コリン副作用を有する。しかし、口渇、かすみ目、便秘、尿閉、徐脈、精神錯乱及び体重増加を含むより多数でより深刻な副作用を生じる傾向があるためSSRI/SNRI処置が効かないときにのみこれらは一般的に用いられる。
(6)モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOIs)。フェネルジン(ナルジル)及びトラニルシプロミン(パルネート)がこれに該当する。深刻な副作用があるため他の薬剤が作用しなかったときこれらは通例最後の手段として処方される。トリアミンを含む食べ物、例えば特定のチーズ、ピクルス及びワイン、並びに充血緩和剤との危険で潜在的に命にかかわる相互作用があるためこれらは厳しい食事療法が要求され、またSSRIsと併用禁忌である。
これら及び類似の抗うつ薬物療法(「伝統的な抗うつ剤療法」)の全ては深刻さの程度が変わる副作用が関連する。最大の効果を発揮し副作用が無くなるまで大部分の薬剤は数週間、典型的に3週間以上で最大8週間まで、かかる。
睡眠障害を伴ううつ病の関連性
上述の通り、大うつ病エピソードに用いられることがある基準の一つは不眠症又は過眠症である。科学的及び一般向けの文献両方で、うつ病を患う個体において睡眠障害、特に不眠症の高い発生率が示されている。しかし、SSRIs及びSNRIsの一般的な副作用の一つが不眠症であり、これが最も一般的なうつ病の薬物療法である。「不眠症の認知行動療法による大うつ病性障害と不眠症を合併して患う患者におけるうつ病転機の向上」(非特許文献2)では、不眠症の症状は抗うつ剤処置の作用を妨害し、急性期の抗うつ剤処置の後にも継続する不眠症が重大な再発するリスクをもたらすことを報告されている。MDD及び不眠症と診断された30の個体によるパイロット試験において、うつ病の軽減率がエスシタロプラムを用いたうつ病の処置に加え認知行動療法を用いた不眠症の処置を行うことで61.5%と、エスシタロプラムを用いたうつ病の処置に加え脱感作療法に準じるコントロールを行った場合(33.3%)に対して2倍近くとなり、一方、不眠症の軽減率は6倍以上高くなる(50.0%に対し7.7%)ことがわかった。
鼻化学感覚受容体、鋤鼻器及びフェリン
鋤鼻器(以下「VNO」。ヤコブソン器官としても知られており、ヒトを含む多くの脊椎動物においてみられる両側性化学感覚器官)を含む鼻化学感覚受容体は、鼻中隔及び鼻背陥凹の粘膜内層にあり、多くの種においてフェロモンの感受に関連する(非特許文献3「化学シグナル」、非特許文献4「ヒト鋤鼻器及び嗅上皮の電気活動における想定されるフェロモンの効果」、非特許文献5「ヒト鋤鼻器の調査」を参照)。VNOを含む鼻化学感覚受容体の神経上皮の軸索は脳の視床下部及び辺縁扁桃体に直接刺激し、一方末端の突起(微絨毛)は化学感覚受容体として機能する(非特許文献6「ヒト鋤鼻器の超微細構造」)。
鼻中隔領域に届けられるヒトのフェロモンは、特定の化学感覚受容体に結合し、生理的及び行動変化を含む脳に届く神経シグナルを引き起こす(非特許文献7「ヒトフェロモンであるアンドロスタディエノンの行動的及び電気生理学的効果」)。フェリンと呼ばれるヒトフェロモンの合成類縁体(VNOの受容体を含む鼻化学感覚受容体に結合する物質)は、鼻腔を通りこれら受容体に空中浮遊物を届けられたとき、強い生理的、薬理的及び行動変化を生じさせることができる。この情報はヒトボランティアによる機能的核磁気共鳴画像法及び陽電子放射断層撮影を用いたいくつかの試験で立証されており、フェリンは生理的、薬理的及び行動的効果が結び付けられた脳領域(視床下部、辺縁系、帯状回、視床前部及び前頭前皮質)を選択的に活性化することを示している。いくつかのフェリンを用いた試験は、脳に直接繋がっている鼻化学感覚受容体に化合物が直接作用するため、化合物の投与が生理学的指標(例えば、自律神経系の反応及び脳波)に効果を1分未満の数秒以内で引き起し、内分泌物及び神経伝達物質の代謝物指標に効果を約10〜15分以内で引き起すことを示している。
特許文献1「CRH阻害剤としての17‐メチレンアンドロスタン‐3α‐オール類縁体」は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン阻害剤としての特定の17‐メチレンアンドロスタン‐3α‐オール類縁体が鋤鼻投与による抗うつ剤として潜在的に有用であることを開示している。
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン及びその合成方法は非特許文献8 「17‐デオキシ‐17‐α及び17β‐20‐プレグニン並びに‐20‐プレグナンの合成」で説明されている。特許文献2「ヒト視床下部機能における変化の神経化学阻害剤としてのプレグナンステロイド並びに関連する医薬組成物及び方法」は、個体の鋤鼻器への投与によって視床下部又は自律神経機能を変えることができる物質として多数のプレグナステロイドの使用を説明している。プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンは特許に開示されており、プレグナンのチャートの中で化合物A1/P5であり(18列の左下、「既知」として説明されている)、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンといわれる(61列、26行、実施例15、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3β‐オールの出発物質として開示されている)ことが開示されている。その化合物を含む医薬組成物及び鋤鼻投与によってそれを用いた視床下部又は自律神経機能を変化させる方法を特許は概して主張しているが、化合物についてはデータが示されていない。一部継続出願である、特許文献3「視床下部機能における変化の神経化学阻害剤としてのプレグナン及びコランステロイド並びに関連した医薬組成物及び方法」において、同じ開示がある。いくつかの後の特許である、特許文献4「PMS及び不安神経症の症状を緩和するためのVNOの神経化学刺激剤としてのステロイド」、特許文献5「LHのヒト血中濃度変化の神経化学刺激剤としてのステロイド」、特許文献6「発作性頻脈を処置するためのVNOの神経化学刺激剤としてのステロイド」及び特許文献7「痛みを緩和するためのVNOの神経化学刺激剤としてのステロイド」において、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンに関する類似の開示がなされているが、異なったクラスの多くのステロイドを含んでいる。
米国特許出願公開第2003/0045514号 米国特許第5563131号 米国特許第5994333号 米国特許第6057439号 米国特許第6066627号 米国特許第6117860号 米国特許第6331534号
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision, American Psychiatric Association, Washington DC, 2000 Manber et al., "Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia Enhances Depression Outcome in Patients with Comorbid Major Depressive Disorder and Insomnia", Sleep, 2008, 31(4):489 495 Muller‐Schwarze and Silverstein, "Chemical Signals", Plenum Press, New York (1980) Monti Bloch et al., "Effect of putative pheromones on the electrical activity of the human vomeronasal organ and olfactory epithelium", J. Steroid Biochem. Mol. Biol., 1991, 39(4):573 582 Monti Bloch et al., "The Human Vomeronasal System: A Review", Ann. N.Y. Acad. Sci., 1998, 855:373 389 Stensaas et al., "Ultrastructure of the human vomeronasal organ", J. Steroid Biochem. Mol. Biol., 1991, 39(4):553 560 Grosser et al., "Behavioral and electrophysiological effects of androstadienone, a human pheromone", Psychoneuroendocrinology, 2000, 25:289 299 Krubiner et al., "The Synthesis of 17 Deoxy‐17α and 17β 20 pregnynes and 20 pregnenes", J. Org. Chem., 1969, 34(11):3502 3505
第一の態様として、本発明はプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの経鼻投与によるうつ病性障害の処置(うつ病性障害を患う個体の処置)である。
他の態様として、本発明は以下を含む。
経鼻投与によるうつ病性障害の処置のためのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン。
経鼻投与によるうつ病性障害の処置のためのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンを含有する医薬製剤及びデバイス。
経鼻投与によるうつ病性障害の処置のための薬剤の製造におけるプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの使用。
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンはうつ病性障害の処置(うつ病性障害を患う個体の処置)において特定の有用性があり、従来の抗うつ剤に優る以下の有利な点が予期される。
(1)急性使用の可能性を維持しながら、入院患者において使用される抗うつ剤の注射剤形と比較して投与が容易である;
(2)化合物が鼻化学感覚受容体に直接局所送達されてその結果作用が生じるため、効果が速やかに発現する。現在の抗うつ剤は、一般的に経口投与され、処置効果が得られるまで数日から、より一般的には数週間かかることが知られている;
(3)とても少ない投与量(ナノグラムから低マイクログラム)であり、また局所投与経路であるため、鼻局所及び全身性の有害作用又は毒性がほとんどない。ほとんどの現在の抗うつ剤では[0004]で上述したように多様な副作用がある;
(4)上記(3)と同じ理由で、性行動の抑制がほとんどない。ほとんどの現在の抗うつ剤は性行動に悪影響を与える(性的衝動、勃起機能及びオルガスムの減少);及び
(5)初期不眠症(夜早く寝ることが困難である)において有益な効果があり、そのためうつ病性障害及び不眠症を患う個体の処置において特に有用である。
本発明の好ましい実施態様は、明細書によって、並びに、出願時の本願の請求項1から18及び該化合物の対応する医薬組成物、デバイス、方法及び使用の特徴によって特徴付けられる。
(発明の説明)
定義
「うつ病性障害」は、[0004]で上述したように、大うつ病性障害、気分変調性障害、小うつ病性障害、反復性短期うつ病性障害及び病状に関連したうつ病性障害から選択された障害である。
「鼻腔内投与」又は「経鼻投与」は、VNOの受容体を含むヒト鼻化学感覚受容体への投与である。臨床背景において、このことは、具体的にただVNOだけに対してプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンを投与するよう明確に設計されたプローブ(例えば、鋤鼻組織での効果を測定するようにも設計されたプローブで、Monti-Blochによる米国特許第5303703号“Combined neuroepithelial sample delivery electrode device and methods of using same”で説明されている)の使用によって達成され得る。しかしながら、より通常では、経鼻投与はプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンをVNOの受容体を含む一般的にヒト鼻化学感覚受容体へ方向付けることが望ましい様式での鼻腔への投与を含む。
「処置上有効な量」は、うつ病性障害を患う個体の鼻化学感覚受容体へ投与されたとき、うつ病性障害の処置に効果があるのに十分なプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの量を意味する。しかしその量は血液循環への吸収によってうつ病性障害への全身作用をもたらすのに十分ではない。うつ病性障害の「処置するための」又は「処置」は:
(1)うつ病性障害又はその症状の発生の阻害;
(2)発生したときは、うつ病性障害又はその症状の軽減;及び
(3)うつ病性障害の症状の緩和、
の一以上を含む。
「医薬的に許容し得る賦形剤」は、一般的に安全な、無毒性な及び所望する、医薬製剤の製造において有用な賦形剤を意味する。固体、液体、半固形、又はエアゾール組成物の場合はガスがこれら賦形剤に該当し得る。
「含む」、「含有する」、「包含する」及びこれら文法上の異形は、含めることの語句であり制限することの語句ではなく、定められた構成要素、群、工程などの存在を規定するが他の構成要素、群、工程などの存在又は付加を排除するものではない。そのため、「を含む」は「からなる」、「本質的にからなる」又は「のみからなる」を意味するのではない。例えば、化合物「を含む」製剤はその化合物を含有しなければならないが、他の有効成分及び/又は賦形剤を含有し得る。
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン及びその製造
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンは、下記構造式を有する。
Figure 0006283689
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの製造は、[0010]で参照したKrubinerらの文献で説明されており、以下の反応スキームに示されているように、容易に市場から購入可能なステロイドであるプレグネノロン(3β‐ヒドロキシ‐プレグン‐5‐エン‐20‐オン。様々な国の多数の業者、例えば米国のネットクエム及び様々な他の国の業者、から購入できる)から開始する。
Figure 0006283689
Krubinerらの文献における合成の説明
第一の工程では、プレグネノロン20g、85%ヒドラジン水和物20mL及びトリメチルアミン75mLをエタノール200mL中で4時間還流する。反応混合物を水に注ぎ、沈殿物をろ過洗浄すると生成物 のプレグネノロンヒドラゾン19.37gが得られる。
第2の工程では、テトラヒドロフラン100mL中ヨウ素36gの溶液を無水テトラヒドロフラン1L中生成物 19.37g及びトリエチルアミン500mLの溶液に窒素下で滴下する。滴下によりヨウ素の色が消えガスを発生し、トリエチルアミンヨウ化水素酸塩の沈殿物が滴下によって部分的に形成する。滴下の終了時にはヨウ素の色が徐々に消えない。反応混合物をそれから1時間撹拌して、真空下で濃縮し、ジクロロメタンに溶解する。そして2規定塩酸で洗浄し更に5%チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄して、乾燥する。溶媒を除くと油状の生成物 の20‐ヨードプレグナ‐5,20‐ジエン‐3β‐オールが得られ、これは放置すると結晶化する。これを含水エタノールから結晶化し、生成物 12.4gを得る。
第3の工程では、生成物 9.38gをエタノール350mL中水酸化カリウム3gの溶液に添加する。混合物を4時間還流し、冷却する。大部分のエタノールを真空下で除去し、水を添加し、反応混合物を6規定塩酸で酸性にし、エーテルで抽出する。エーテルを乾燥して除くと、生成物 の3β‐ヒドロキシプレグン‐5‐エン‐20‐インを褐色固体として得る。2回含水エタノールから結晶化することで、生成物 が4.16gと2回目の結晶化で1.63g得られる。
最終工程では、トルエン200mL中生成物 1.63g及びシクロヘキサノン50mLの溶液を、溶媒60mLを除くためディーン・スターク・トラップを用いて還流する。無水トルエン20mL中アルミニウムトリ(イソプロポキシド)2.0gの溶液を添加し、混合物を3時間還流する。反応混合物を冷却し、エーテル及び水を添加する。そのエーテルを2%水酸化カリウム水溶液で洗浄し、水蒸気蒸留する。得られた混合物をエーテルで抽出して、エーテルを乾燥し、木炭で脱色し、そして蒸発させることでプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン3.6gが黄色の油として得られる。その油を、ベンゼン/酢酸エチル99:1及び19:1で溶出しているシリカゲル40gを用いたクロマトグラフィーにより精製することで、結晶性物質としてプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン1.58gが得られる。エーテル/石油エーテルから結晶化することで、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン966mgが得られる。
技術及び本願開示(上述したKrubinerらの文献を含む)を考慮すると、当業者がプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンを製造するのに困難はない。
製剤及び投与
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンはいずれかの適当な経路によって経鼻投与され得る。投与経路としては、局所投与(例えば、皮膚の若しくは好ましくは鼻腔のクリーム又はゲル)、経鼻スプレー、経鼻パウダースプレー、エアゾールなどが挙げられるが、これらに制限されない。医薬製剤は一般的に粘膜を透過して薬剤を投与するように設計された製剤又は経皮製剤となる。これら投与方法それぞれのための適当な製剤を見出すことができ、例えば、Gennaro編, “Remington: The Science and Practice of Pharmacy”, 20 ed., Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pennsylvania, (2003)で見出されている。典型的に好ましい製剤は経鼻スプレーのための水溶液であり、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン及び水が含まれる、典型的には、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの水への溶解度を向上させるための1以上の他の医薬的に許容し得る賦形剤、例えばアルコール類及びグリコール類(例えば、エタノール及びプロピレングリコール)が含まれ、そしてまた、1以上の他の医薬的に許容し得る賦形剤、例えば防腐剤、等張化剤など、例えば経鼻スプレーのための水溶液でよく知られているもの、が含まれ得る。これら製剤のための適当な送達デバイスは、アレルギー及び喘息のためのステロイドの経鼻投与送達に一般的に用いられる定量経鼻スプレーポンプである。このようなポンプは多数の製造業者によって製造されている。液量は、副鼻腔へ逆流する又は鼻から滴り落ちるといった量のいずれも超えた、鼻腔内の保持容量を超えないように、製剤が効率的に送達されるようにしなければならない。50μLの容量が便利であることが見出され、それ以上又はそれ以下の量もまた満足されるだろう。典型的な製剤は[0038]で後述するものを含む。技術及び本願開示を考慮すると、当業者がプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの適当な製剤及び送達システムを製造するのに困難はない。
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの処置上有効な量は、上述したタイプの経鼻スプレー製剤で投与したとき、投与当たり約400〜4000ナノグラムであり、好ましくは投与当たり1000〜2000ナノグラムで、例えば投与当たり約1600ナノグラム(又は化合物が両方の鼻孔に投与されたとすれば鼻孔当たりその半分)である。この投与量の数%以下が鼻化学感覚受容体及びVNOへ実際に到達し、結果、本質的に鼻化学感覚受容体にだけ投与されるときの処置上有効な量はおそらく20分の1以下であろうと予測される。技術及び本願開示を考慮すると、当業者が他の製剤のためにプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの処置上有効な量を決めるのに困難はない。これらの投与量は、鼻腔内又は経鼻投与及び鋤鼻又は鼻化学感覚受容体への直接投与の両方で、VNOの受容体を含む鼻化学感覚受容体を介した作用以外の全身作用を引き起こすいかなる量より十分低い。
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの経鼻投与に対する初期の生理的反応はとても速く生じ、典型的には投与後数秒から1分以内である。心理的反応はより遅く生じる。しかしあるうつ病性障害への(又はうつ病性障害の1以上の疾状への)効果は1週間以内にみられ、1日以内に、例えば4時間以内に、例えば1時間以内に又は15分以内でさえ予測され得る。経鼻投与されたプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの速やかな効果発現及び安全性のため、当該化合物を必要に応じて投与し得ることが予想され、例えば、エピソードの症状を軽減し和らげるために、うつ病性障害の症状のエピソード(例えば抑うつ気分のエピソード)の発症を個体が感じて直ぐの投与である。例えば、数週間又は数カ月の期間に渡って、うつ病性障害又はそれの症状を防ぐ又は最小限にするために、例えば1日当たり2〜8回、例えば1日当たり3〜5回、例えば1日当たり4回、一日を通して計画的な投与によって化合物を慢性的に投与し得ることもまた予想される。この計画的な投与は一律の計画的なもの、例えば、午前8時、正午、午後4時及び午後8時に投与(1日当たり4回投与の場合)、又はうつ病性障害の症状集団における若しくは処置される個体における、うつ病性障害の症状のエピソードの概日リズムと相関する非一律の計画的なものとなり得る。従って、例えば、症状の発生頻度が最も多い時期に投与を最大化するために、午前9時、午後3時、午後5時及び午後8時に投与(また1日当たり4回投与の場合)してもよい。もちろん、計画的な投与が用いられていても、症状をまだ被っている場合必要に応じて化合物を投与することは可能である。
また、経鼻投与されたプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの速やかな効果発現のため、当該化合物が従来の(例えば経口投与)抗うつ剤療法の補助療法として投与され得ることが予想される。例えば、従来の抗うつ剤が効果的となり副作用が収まるまでの数週間の期間に暫定的な処置をするため、従来の抗うつ療法を開始される個体に直ちに投与され得る。従来の抗うつ剤療法中である間さえ、必要に応じてエピソードの症状を軽減し和らげるために、うつ病性障害の症状のエピソード(例えば抑うつ気分のエピソード)をまだ患うことがある個体に対して「救急」薬として用いられ得る。あるいは、完全な抗うつ剤療法の一部として従来の抗うつ剤療法と一緒に計画的な様式で用いられ得る。
うつ病性障害の処置において、単独で及び従来の抗うつ剤療法との組み合わせて、経鼻投与されたプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンは急性及び慢性両方に用いられ得る。
実施例1:プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの電気生理学的研究
プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンは分離したヒト鼻化学感覚ニューロン内向き電流及び鼻中隔化学感覚上皮の電気緊張性脱分極を含んでおり、これが末梢受容体における化学変換での最初のイベントである。反応の振幅は化合物の濃度に依存して増大し、最大の反応は10‐7〜10‐5Mの濃度のときであった。インビトロにおいて、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチン及び糖質コルチコイドの受容体に対してアゴニスト又はアンタゴニスト活性はなく、またインドールアミンの受容体、モノアミン、イオンチャネル、受容体、ペプチド、オピオイド、神経伝達物質グルタミン酸、ステロイドホルモン又は糖質コルチコイドの受容体に対して親和性もなかった。このことは他の上述した結合部位とは異なった特定の受容体を介して当該化合物はその効果を発揮することを示唆する。
実施例2:プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの前臨床研究
復帰突然変異試験(エームズ試験)及びインビボでの骨髄小核試験において試験したとき、遺伝毒性試験はプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの変異原性又は染色体異常誘発性の証拠を全く示さなかった。妊娠したラット及びウサギでの生殖毒性試験は、器官形成の期間、2.5mg/Kg/日まで投与された静脈内投与量での当該化合物に寄与し得る母体又は子のパラメーターにおいて有害な影響を全く示さなかった。
当該化合物を用いた前臨床薬物動態試験は、ラットに10mg/Kgを反復経鼻投与で化合物を投与したとき、とても低い全身暴露(正確な定量限界以下)を実証した。雄雌両方のマウスに最大200mg/Kgまで腹腔内投与したとき、7日間の間で大量死又は有害症状は生じず、調べた全器官において肉眼的又は顕微的変化は見られなかった。雄雌両方のラットに1mg/Kgを静脈内注射したとき、8日間の間で行動に変化は生じず、病理変化は見られなかった。マウス、ラット、ウサギ及びイヌに最大2.5mg/Kgまで経鼻及び静脈内投与したとき、死亡又は有害な臨床兆候は生じず、生理的変化又は臨床検査値の変化は生じなかった。ラットに50μg/日まで経鼻投与を1カ月間したとき、死亡又は検査若しくは病理の観察されたパラメーターにおいて有害な臨床兆候若しくは影響は生じなかった。イヌに最大300μg/日まで経鼻投与を28日間したとき、死亡又は検査若しくは病理の観察されたパラメーターにおいて有害な臨床兆候若しくは影響は生じなかった。
実施例3:プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンのヒト臨床試験
男女両方の健常人によるパイロット試験において、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの経鼻投与は良好な耐容性を示し、男女両方で似た薬理活性を引き起した。当該化合物の経鼻投与は心拍数及び呼吸数に統計的に有意な変化を生じさせず、心電図のQT時間の持続時間に変化を生じさせなかった。当該化合物は皮膚電位イベントの頻度(皮膚伝導性として測定された)を有意に増加させたが、体温又は心電図のアルファ及びベータ周波数帯に有意な効果は無かった。
用量漸増試験である第I相非盲検試験において、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンは2%プロピレングリコール及び2%エタノールを用いて8μg/mLの濃度での水溶液として製剤化され、バロア経鼻計量スプレーポンプで50μL送達して投与されたので、プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンはスプレー当たり400ng投与された。低用量群は400、400、1600、1600、2800及び2800ng/日を6日間の期間の試験に渡って投与され、一方高用量群は4000、4000、5200、5200、6400及び6400ng/日を6日間の期間の試験に渡って投与された。試験には10の個体で、男性7人、女性3人で、21〜38歳の、健康で、DSM‐IV‐TRにおける第1軸診断に該当せず、中枢神経系の薬を服用していないものが登録された。
重大な有害事象はなく、最も頻繁に生じた有害事象は食欲の増加で、高用量群においてはめまいであった。各処置群に投与された3用量の間で評価された安全性パラメーターのいずれにおいても統計的に有意な差は無かった。プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの異なる投与量間で又は異なる来院間で、臨床検査値、神経心理学的機能の評価及び脳活動の評価に統計的に有意な差は見られなかった。
3群の二重盲検ランダム化試験である第II相試験において、プラセボ(プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンを含まない経鼻溶液)、3200ng/日のプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン(「低用量」)、又は6400ng/日のプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン(「高用量」)であって第I相試験と同様に製剤化され投与されたもののいずれかを、個体に与えた。プラセボ群及び低用量群は鼻孔当たり2回/日、2つのスプレーを投与され、高用量群は鼻孔当たり4回/日、2つのスプレーを投与された。試験は30の個体で、男性及び女性で、18〜60歳の、MDDの診断基準を満たし、DSM‐IV‐TRにおける第1軸診断に該当せず、中枢神経系の薬(セントジョーズワードといった天然物を含む)を服用していないものが登録された。うつ病用ハミルトン評価尺度(HRSD17)で最小限の点数として少なくとも17点の評価を持つことを個体は要求されており、これは個体が少なくとも適度に抑うつ状態であることを意味する。ここで、HRSD17は医療専門家による個体との構造化面接によって比較のため設計された17項目の尺度である。試験における最も重要な有効性基準はベースラインからHRSD17スコアが減少することであった。
試験は10週間の来院を含んでいた。最初の(スクリーニングの)来院では、個体がうつ病症状について評価され、処置群にランダム化された。このスクリーニングのための来院時におけるHRSD17スコアの3群の平均は、それぞれプラセボ群は22.3(標準偏差3.5)、低用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は23.9(5.4)、高用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は26.7(5.9)であり、全ての個体が重度から非常に重度の抑うつ状態であることを示している。2回目の(ベースライン化の)来院では、個体は評価され、経鼻スプレーの自己投与を訓練し、試験薬剤の自己投与を始めた。試験薬剤を用いた処置中に患者が評価されるための7回の来院があり、最後の薬剤投与1週間後に最終評価される経過観察のため1回の来院がある。
3つ全ての群で8週間の処置の間でベースラインからのHRSD17スコア平均の減少が見られた。プラセボ群は12.7(4.7)であり、低用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は18.3(7.7)で、プラセボ群に対するコーエンdは0.86であった。高用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は18.6(8.7)で、プラセボ群に対するコーエンdは0.82であった。(コーエンdは統合された標準偏差でグループごとに割った平均差である。行動測定では、コーエンdが0.2のときは小さい処置効果を、0.5のときは中程度の処置効果を、0.8のときは大きい処置効果を、示す。)どの群でも報告された重大な有害事象は無かった。HRSD17項目のうち4番目の項目は初期不眠症(夜早く眠りにつくことが困難である)を評価する。0点は眠りにつくことが困難でないとき、1点はときどき眠りにつくことに困難な症状があるとき、すなわち30分以上、2点は毎晩眠りにつくことに困難な症状があるとき、点数がつけられる。3つ全ての群でHRSD17項目のうち4番目の項目に8週間の処置の間でベースラインからの減少が見られた。プラセボ群は0.3(0.15)であり、低用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は0.6(0.3)で、プラセボ群に対するコーエンdは0.39であった。高用量プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン群は1.4(0.25)で、プラセボ群に対するコーエンdは1.60であった。
これらのデータは、うつ病性障害の処置におけるプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの経鼻投与の安全性及び有効性、並びに抑うつ状態の個体における初期不眠症に対するプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの経鼻投与の有益な効果を示している。

Claims (19)

  1. プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンを含有するうつ病性障害を患うヒトを処置するための医薬組成物であって、うつ病性障害の患者への経鼻処置に適している、該医薬組成物。
  2. 鋤鼻投与に適している、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. うつ病性障害の患者が男性である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. うつ病性障害の患者が女性である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  5. うつ病性障害の症状のエピソードの発症時に投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 慢性的に投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 一日を通じて計画的に投与される、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 1日当たり2〜8回投与される、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 1日当たり3〜5回投与される、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 一律の計画的なもので投与される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. うつ病性障害の症状の個体群の概日リズムと相関する計画的なもので投与される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  12. うつ病性障害の患者のうつ病性障害の症状の概日リズムと相関する計画的なもので投与される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  13. うつ病性障害が、大うつ病性障害である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  14. うつ病性障害の患者が不眠症もまた患う、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  15. プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オンの水溶液を含む経鼻スプレーである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  16. プレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン、2%プロピレングリコール及び2%エタノールの水溶液を含む経鼻スプレーである、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 経鼻スプレーのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン含量が投与当たり400〜4000ナノグラムである、請求項15または16に記載の医薬組成物。
  18. 経鼻スプレーのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン含量が投与当たり1000〜2000ナノグラムである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 経鼻スプレーのプレグナ‐4‐エン‐20‐イン‐3‐オン含量が投与当たり約1600ナノグラムである、請求項15または16に記載の医薬組成物。
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