JP6282442B2 - 発熱ガラスパネル及びこれを備えた発熱ガラスシステム - Google Patents
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図2は発熱ガラスパネルの断面図、図3は図2のA−A線断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る発熱ガラスパネル1は、公知のフロートガラスなどで形成された3枚のガラス板で構成されている。そして、この発熱ガラスパネル1の周縁は、矩形状のフレーム3によって支持されている。また、このフレーム3には、発熱ガラスパネル1に電力を供給する受電ユニット22が設けられている。
図5は電力供給装置の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、受電ユニット22は、DC−DCコンバータモジュール221、受電モジュール222、及び第1電極モジュール223により構成されている。このうち、DC−DCコンバータモジュール221及び受電モジュール222は、上述したフレーム3の側部材31に形成された内部空間331に配置されている。DC−DCコンバータモジュール221には、発熱ガラスパネル1から引き出された2つのリード線17が接続されるとともに、定電圧を生成するための電圧レギュレータ2211を備えている。そして、この電圧レギュレータ2211から出力される電圧により発熱ガラスパネル1の導電層15が発熱する。また、受電モジュール222には、降下変圧器2221と、整流回路2222とが設けられている。そして、第1電極モジュール223から流れる交流電流は、降下変圧器2221によって低電圧に降下され、整流回路2222によって交流電流を直流整流に変換された後、上述したDC−DCコンバータモジュール221に送られる。
続いて、受電ユニット22に電力を供給するための送電ユニット21について説明する。図5に示すように、送電ユニット21は、交流電源に接続されたACアダプタ211、送電モジュール212、及び第2電極モジュール213により構成されている。このうち、ACアダプタ211及び送電モジュール212は、例えば、窓枠4の内部、窓枠4が嵌め込まれた壁の内部、または窓枠4が嵌め込まれた室内などに配置される。一方、第2電極モジュール213は、窓枠4において第1電極モジュール223と対向する位置に配置されている。以下、これらを詳細に説明する。
次に、上記のように構成された発熱ガラスシステムの動作について説明する。まず、発熱ガラスパネル1を窓枠4内で水平に移動させ、窓枠を閉じる。これにより、第1電極モジュール223のカバー部材2235と第2電極モジュール213のカバー部材2135とが接触する。その結果、受電電極2234と送電電極2134とでキャパシタが構成され、送電ユニット21の送電電極2134から受電ユニット22の受電電極2234へ非接触で電力が供給される。このとき、受電電極2234及び送電電極2134にはそれぞれカバー部材2235、2135が取付けられているため、両電極2234、2134間の距離は、カバー部材2235、2135を介して一定に保たれる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
例えば、上記実施形態で示す3つのガラス板の表面の少なくとも1つに低放射性膜を成膜してもよい。このようにすると、ガラス板の熱貫流率を低減することができ、断熱効果をさらに向上することができる。低放射性膜は、例えば、例えば500〜700℃に加熱したガラス板の表面に、四塩化錫(SnCl4)又はジメチル錫ジクロライド((CH3)2SnCl2)等の錫の有機化合物を気化させたものを、窒素ガス等の搬送ガスによって吹き付けて得ることができ、この時、フッ素を膜に添加すると放射率をより低下させることができる。上記方法によって、例えば0.2〜1.0μm(2000〜10000Å)程度の膜厚を有し、透明で且つ導電性を示すフッ素含有酸化錫膜を得ることができる。この場合、膜中の伝導電子が赤外線を反射する機能を有し、放射率がおよそ0.20〜0.15程度となって断熱性に優れたガラス板を形成することができる。
上記実施形態で用いるガラス板111、112、12は、フロートガラスのほか、網入りガラス、強化ガラスや合わせガラスなどを用いることができる。
上記実施形態では、内部空間14を形成するための封止材13として絶縁材料を用いたが、導電材料を用いることもできる。この場合、導電層と封止材とが導通しないように、両者を離間したり、あるいは両者の間に絶縁材料を配置することができる。あるいは、導電層をベースガラス板の全面にコーティングした後、レーザやサンドブラストなどで封止材と接触しないように断線することができる。また、導電層は、ガラス板の全面にコーティングしてもよいし、一部にコーティングしてもよい。
上記実施形態では、ベースガラス板12に導電層15を形成しているが、導電層15は、他のガラス板111に形成することもできる。また、複数のガラス板に導電層を形成してもよい。
上記実施形態では、3枚のガラス板によって発熱ガラスパネルを形成しているが、4枚以上のガラス板を用いることもできる。例えば、第1ガラス板側またはベースガラス板側に追加のガラス板を配置し、さらに空間部を形成することができる。これにより、さらに断熱性能を向上することができる。
電力供給装置2の送電モジュール212、受電モジュール222の構成は特には限定されず、送電モジュールにおいて送電電極に交流電流を供給し、受電モジュールにおいて交流電流を直流電流に変換して導電層に供給できるように構成されていればよい。また、DC−DCコンバータモジュールを受電モジュールに含めることもできる。
上記実施形態における電力供給装置2では、キャパシタによる電界結合方式の非接触給電を行っているが、例えば、コイルを用いた電磁誘導方式の非接触給電であってもよい。
上記実施形態における電力供給装置2では、非接触給電により発熱ガラスパネル1に電力を供給しているが、リード線などを介して有線により電力を供給することもできる。例えば、いわゆる嵌め殺し窓に上記発熱ガラスパネルを適用した場合には、有線で電力を供給することもできる。
上記実施形態では、第1電極モジュール223と第2電極モジュール213のそれぞれに、硬さの異なる第1クッション部材2131(2231)と第2クッション部材2132(2232)を備えているが、どちらか一方のみに硬さの異なる2種類のクッション部材を備えるようにしてもよい。この場合の他方のクッション部材は、第1クッション部材とほぼ同じ硬さのものを用いるとよい。
<1.実施例及び比較例の構成>
ここでは、実施例及び比較例に係る発熱ガラスパネルを作製した。実施例に係る発熱ガラスパネルは、上記実施形態に示したものと同様の構成であり、比較例に係る発熱ガラスパネルは、2枚のガラス板の間に密閉された内部空間を形成したものである。これら実施例及び比較例の詳細な構成、厚さは表1に示す通りである。なお、表1に示す熱貫流率とは電流を供給していないときの値である。
以上のような実施例及び比較例に対し、室内温度20度、外気温0度の条件で、電力を供給した。そして、電力供給後1時間経過後に、実施例及び比較例における室内側のガラス温度を測定するとともに、熱貫流率を算出した。熱貫流率は、JISR3107に基づいて算出した。結果は、表2に示す通りである。
12 ベースガラス板(第3ガラス板)
111 第1ガラス板
112 第2ガラス板
212 送電モジュール
2134 給電電極
2135 カバー部材
222 受電モジュール
2234 受電電極
2235 カバー部材
3 フレーム
Claims (4)
- 発熱ガラスパネルと、
前記発熱ガラスパネルに電力を供給する電力供給装置と、
前記発熱ガラスパネルを支持し、窓枠に対して移動可能に構成されたフレームと、
を備え、
前記発熱ガラスパネルは、
第1ガラス板と、
前記第1ガラス板と所定間隔をおいて対向するように配置された第2ガラス板と、
前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の間で密閉された空間であって、減圧されている第1空間部と、
前記第2ガラス板と所定間隔をおいて対向するように配置された第3ガラス板と、
前記第2ガラス板及び前記第3ガラス板との間で密閉され、乾燥空気または希ガスが封入された第2空間部と、
前記第1ガラス板及び前記第3ガラス板の表面の少なくとも1つに形成された導電層と、
を備え、
前記電力供給装置は、
交流電流を生成する送電モジュールと、
前記窓枠に取付けられ、前記送電モジュールから交流電流が供給される送電電極と、
前記フレームに取付けられ、前記発熱ガラスパネルの導電層と電気的に接続された受電電極と、
前記受電電極から供給される交流電流を直流電流に変換して前記発熱ガラスパネルの導電層に供給する受電モジュールと、
を備え、
前記送電電極と前記受電電極とが所定間隔をおいて配置されることで、キャパシタが構成され、当該キャパシタを介して、前記送電電極から前記受電電極へ電力が伝送される、発熱ガラスシステム。 - 前記導電層は、前記第3ガラス板において、前記第2空間部側の面に形成されている、請求項1に記載の発熱ガラスシステム。
- 前記第1から前記第3ガラス板の表面の少なくとも1つに成膜される低放射性膜をさらに備えている、請求項1または2に記載の発熱ガラスシステム。
- 前記送電電極及び前記受電電極は、絶縁性のカバー部材によってそれぞれ覆われている、請求項1から3のいずれかに記載の発熱ガラスシステム。
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