以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(ステップS22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(ステップS22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。具体的には、左側から順に保留表示1から上限の保留表示8まで表示される。なお、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、合算保留記憶表示部18cとは別にアクティブ保留表示部18dが設けられている。この実施の形態では、アクティブ保留表示部18dにおいて、実行中の変動表示に対応するアクティブ保留表示が表示される。後述するように、アクティブ保留表示は複数種類の表示態様(例えば、通常態様、第1特別態様または第2特別態様)で表示され、いずれの表示態様で表示されるかによって、変動表示の表示結果が大当りとなる期待度が異なるように構成されている。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、この実施の形態では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれ及び非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ及び擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。なお、再変動を行う際には、演出図柄の配列にはない擬似連時にのみ出現する擬似連専用図柄を仮停止させるようにしてもよい。また、図6に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図8に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図6に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数が多くなる(例えば、3以上)と、通常状態であっても、「非リーチはずれ」よりも変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して4個の判定値が割り当てられている(40分の4の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS142〜S145参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図9に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図9に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図9に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図9の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図9に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当り及び擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当り)よりも、可変表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当り及び擬似連1ノーマル当り)よりも、可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、この実施の形態では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図9に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図9の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図16参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図12は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「21(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「23(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図15(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図15(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図15(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218)。
なお、ステップS1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、ステップS1215の処理を省略可能であるとともに、図15(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(ステップS1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(ステップS1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(ステップS1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(すなわち先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出のみを実行可能とする(すなわち、低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1229)。
なお、ステップS1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
図16は、ステップS1217,S1218の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1217参照)を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1228参照)を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(ステップS225)。具体的には、CPU56は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図9に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図9に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、図9に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(ステップS226)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1217参照)を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1228参照)を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、ステップS227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(ステップS228)。具体的には、CPU56は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU56は、ステップS225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(ステップS229)。
そして、CPU56は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。具体的には、CPU56は、ステップS229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図12に示すような「00(H)」〜「33(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1217A参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1217A参照)を実行する場合には「22(H)」)を設定する処理を行う。また、ステップS229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS1217A参照)を実行する場合には「32(H)」)を設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示すコマンドを、入賞時判定結果指定コマンドとして、または入賞時判定結果指定コマンドとは別に送信するようにしてもよい。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図15(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、ステップS52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればステップS54に移行し、0であればステップS53に移行するようにする。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU56は、ステップS56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(ステップS92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(ステップS93)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(ステップS92のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(ステップS94)。そして、ステップS101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(ステップS96)。そして、ステップS101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS97のY)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(ステップS98)。そして、ステップS101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS97のN)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(ステップS99)。そして、ステップS101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(ステップS101)、ステップS93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS105)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマ(後述する大入賞口制御タイマに相当する)に大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図25は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。
図26〜図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS664)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファに保存し(ステップS665)、先読み演出決定処理を行う(ステップS671)。具体的には、図28に示す入賞時判定結果記憶バッファにおいて、入賞時判定結果記憶バッファ0から入賞時判定結果記憶バッファ8のうちの最も小さい番号の領域から順に、入賞時判定結果を保存する。なお、始動入賞時に大当りの有無や変動パターンを判定し、判定結果をそれぞれ別のコマンドで送信するように構成されている場合には、ステップS664において、始動入賞時の判定処理にもとづいて送信される全てのコマンドを受信しているか否かを確認することによって、コマンドの送受信処理が正常に行われているか否かを判断することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100において、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、ステップS652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、ステップS655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のステップS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、ステップS1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファの保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図12参照)。また、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(ステップS1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560で第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数を管理し、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された第1保留記憶数または第2保留記憶数を指定するコマンドにもとづいて、第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数が認識され、認識されたそれらの保留記憶数の値が演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される処理に用いられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100で用いられる合算保留記憶数とは、遊技制御用マイクロコンピュータ560で管理されている合算保留記憶数と同じ名称であるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560で管理されている合算保留記憶数がそのまま利用されているわけではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたコマンドにもとづいて認識されたものである。
図28は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて入賞時判定結果記憶バッファ0から入賞時判定結果記憶バッファ8の9個の保存領域が確保されている。また、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファのうち、入賞時判定結果記憶バッファ1から入賞時判定結果記憶バッファ8に保存されている入賞時判定結果に対応して、合算保留記憶表示部18cに保留表示1〜保留表示8が表示され、入賞時判定結果記憶バッファ0に保存されている入賞時判定結果に対応して、アクティブ保留表示部18dにアクティブ保留表示が表示される。既に説明したように、アクティブ保留表示は実行中の変動表示に対応して表示されるため、入賞時判定結果記憶バッファ0には、実行中の変動表示に対応する入賞時判定結果が保存されている。なお、入賞時判定結果記憶バッファに何も保存されていない状態(つまり保留記憶がなく変動表示も行われていない状態)で、入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、厳密には入賞時判定結果記憶バッファ0に入賞時判定結果指定コマンドを保存した時点では変動表示が実行されていないものの、直後に変動パターンコマンド等を受信することで変動表示が開始される。
また、この実施の形態では、入賞時判定結果にもとづいて、入賞時判定結果によって特定される変動表示が大当りとなる可能性があることを、特定される変動表示に対応する保留表示またはアクティブ保留表示を通常態様以外の表示態様に変化させて表示することによって予告する先読み演出が実行される。そのため、図28に示す例では、入賞時判定結果(すなわち、入賞時判定結果によって特定される変動表示および特定される変動表示に対応する保留表示またはアクティブ保留表示)に対応付け可能な先読み演出に関連するデータとして、現在の保留表示またはアクティブ保留表示の表示態様と、先読み演出によって最終的にどの表示態様に変化させて表示するかを示す最終表示態様と、実行される先読み演出のパターンを示す先読み演出パターンと、先読み演出が実行される場合の表示態様が変化するタイミング(本例では保留表示が何回シフトしたタイミングで変化するか)を示すシフト回数カウンタと、表示態様を特殊態様に変化させて表示するときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出の演出態様を示す作用演出態様とが示されている。また、シフト回数カウンタには、表示態様が特殊態様に変化するタイミングを示す第1シフト回数カウンタと、表示態様が第1特別態様に変化するタイミングを示す第2シフト回数カウンタと、表示態様が第2特別態様に変化するタイミングを示す第3シフト回数カウンタとが含まれる。
入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(ステップS1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除され、対応する保留表示も同時にシフトして表示される。例えば、図28(A)に示す状態で、後述する演出図柄変動開始処理(ステップS1800の処理が実行されるタイミングなど)が2回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、図28(B)に示す状態に移行する。また、演出図柄変動開始処理(ステップS1800の処理が実行されるタイミングなど)が1回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、図29(A)に示す状態に移行し、さらに演出図柄変動開始処理(ステップS1800の処理が実行されるタイミングなど)が1回行われると、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、図29(B)に示す状態に移行する。なお、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファにセットされたデータは、演出図柄沿道開始処理においてシフトされるが、演出図柄変動停止処理(または大当り終了演出処理)においてシフトされるように構成されてもよい。
なお、図28,図29に示す例では、入賞時判定結果が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれにもとづくものであるかが特定されているため、後述するステップS67111の処理において、第1始動入賞にもとづく保留表示と第2始動入賞にもとづく保留表示とを異なる表示態様で表示する(例えば、第1始動入賞にもとづく保留表示を赤色で表示し、第2始動入賞にもとづく保留表示を青色で表示する)ようにしてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、例えば、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域(第1入賞時判定結果記憶バッファ1〜4)と、実行中の変動表示に対応した保存領域(第1入賞時判定結果記憶バッファ0)とが確保されている。また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域(第2入賞時判定結果記憶バッファ1〜4)と、実行中の変動表示に対応した保存領域(第2入賞時判定結果記憶バッファ0)とが確保されている。なお、第1入賞時判定結果記憶バッファと第2入賞時判定結果記憶バッファとの両方に実行中の変動表示に対応する保存領域が確保されているが、同時には保存されないように制御される。例えば、変動表示が終了すると、第1入賞時判定結果記憶バッファまたは第2入賞時判定結果記憶バッファの実行中の変動表示に対応する保存領域(第1入賞時判定結果記憶バッファ0または第2入賞時判定結果記憶バッファ0)に保存されている入賞時判定結果を削除する。そして、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成であれば、第2入賞時判定結果記憶バッファの入賞時判定結果をそれぞれシフトする。具体的には、第2入賞時判定結果記憶バッファ1の内容を第2入賞時判定結果記憶バッファ0にシフトし、第2入賞時判定結果記憶バッファ2の内容を第2入賞時判定結果記憶バッファ1にシフトする、というようにそれぞれシフトする。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成であっても、第2入賞時判定結果記憶バッファに入賞時判定結果が保存されていない場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファの入賞時判定結果をそれぞれシフトする。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMに形成されている。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS683)。そして、ステップS611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行開始され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、合算保留記憶表示部18cおよびアクティブ保留表示部18dにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示およびアクティブ保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)に変化して表示される演出が行われる。
図30は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出する(ステップS67102)。
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(ステップS67104)。
図31は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図31に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図31に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施の形態では、図31に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図32(A)に示す最終表示態様決定テーブル、図32(B)〜(D)に示す先読み演出パターン決定テーブルおよび図34に示す作用演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するステップS67106、S67107、S67110においても、ステップS67104と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、または作用演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
ステップS67104では、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、演出制御用CPU101は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。また、演出制御用CPU101は、例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図31に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果12(32)指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、図31に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図31に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図31に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(例えば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定した場合には(ステップS67105のY)、ステップS67106に移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(ステップS67105のN)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18c(またはアクティブ保留表示分18d)において、最新の入賞時判定結果に対応する新たな保留表示(またはアクティブ保留表示)を通常態様で表示する(ステップS67111)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(ステップS67106)。この実施の形態では、保留表示の表示態様として、通常態様(本例では「○」で表示される(図44参照))の他に、特殊態様(本例では「○」に2つの絆創膏が交差して貼られている)、第1特別態様(本例では「○」内に斜線が含まれる)および第2特別態様(本例では「○」が黒塗りにされている)が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示の表示結果が導出表示されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、この実施の形態では、特殊態様を経て特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される場合には、特殊態様を経ずに特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される場合と異なり、特殊態様に変化したときに加えられた表示態様(具体的には、交差して貼られている2つの絆創膏)を含む表示態様となるように構成されているが(図44(G)、図45(B)参照)、いずれも同じ表示態様(特殊態様を経た場合にも交差して貼られている2つの絆創膏が除かれる)となるように構成してもよい。
図32(A)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。ステップS67106において、演出制御用CPU101は、図32(A)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)には、演出制御用CPU101は、最終表示態様を80%の割合で第1特別態様に決定し、20%の割合で第2特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果12(32)指定に相当)には、演出制御用CPU101は、最終表示態様を20%の割合で第1特別態様に決定し、80%の割合で第2特別態様に決定する。
図32(A)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1(21)指定〜入賞時判定結果7(27)指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8(28)指定〜入賞時判定結果12(32)指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示(またはアクティブ保留表示)が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示(またはアクティブ保留表示)がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、図32(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、「通常大当り」と「確変大当り」とで異なる判定値(割合)が設定されていてもよい。また、例えば、図31の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示(またはアクティブ保留表示)が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、この実施の形態では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(ステップS67107)。
この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンおよび第2先読み演出パターンが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)が、一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンには、保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、任意のシフトタイミングで通常態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示されるものと、始動入賞のタイミングで最初から保留表示(またはアクティブ保留表示)が特別態様(第1特別態様または第2特別態様)で表示されるものとが含まれる。また、任意のシフトタイミングで通常態様から特別態様に変化して表示されるものには、任意のシフトタイミングで通常態様から第1特別態様に変化し、さらに次のシフトタイミングで第1特別態様から第2特別態様に変化して表示されるものも含まれる。また、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、任意のシフトタイミングで通常態様から特殊態様に変化して表示され、次のシフトタイミングで特殊態様から第1特別態様に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様である場合には、さらに次のシフトタイミングで第1特別態様から第2特別態様に変化して表示される。
保留表示およびアクティブ保留表示のシフトタイミングとは、新たな変動表示が開始されるタイミングであって、後述する演出図柄変動開始処理において、アクティブ保留表示部18dのアクティブ保留表示を消去し、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示をアクティブ保留表示にシフトし、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示およびアクティブ保留表示部18dにおけるアクティブ保留表示を更新するタイミング(具体的には、ステップS1800が実行されるタイミング)である。例えば、アクティブ保留表示部18dのアクティブ保留表示と、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示とが表示されていた場合に、シフトタイミング(すなわち新たな変動表示が開始されるタイミング)でアクティブ保留表示が消去されるとともに、1つ目に表示されていた保留表示がアクティブ保留表示にシフトされ、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
図32(B)〜(D)は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。ステップS67107において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている入賞時判定結果の数(以下、入賞時判定結果記憶数ともいう)にもとづいて、先読み演出パターン決定テーブルを選択し、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶数が1、2の場合には、図32(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数=1、2)を選択し、入賞時判定結果記憶数が3の場合には、図32(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数=3)を選択し、入賞時判定結果記憶数が3より大きいの場合には、図32(D)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数>3)を選択する。
この実施の形態では、第2先読み演出パターンは、少なくとも表示態様が2段階(通常態様から特殊態様、特殊態様から特別態様)変化する。そのため、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示に少なくとも2回以上のシフトタイミングがなければ、全ての変化が終わる前に保留表示およびアクティブ保留表示が消去されてしまうことになる。したがって、入賞時判定結果記憶数が1、2の場合(すなわち最新の入賞時判定結果に対応する保留表示に2回以上のシフトタイミングがない場合)には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定された図32(B)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数=1、2)が用いられる。
また、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、第2先読み演出パターンで先読み演出を実行すると、表示態様が3段階(通常態様から特殊態様、特殊態様から第1特別態様、第1特別態様から第2特別態様)変化するため、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示に少なくとも3回以上のシフトタイミングがなければ、全ての変化が終わる前に保留表示およびアクティブ保留表示が消去されてしまうことになる。なお、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、表示態様の変化が最大2段階(通常態様から特殊態様、特殊態様から第1特別態様)であるため、シフトタイミングが2回以上あれば第2先読み演出パターンで先読み演出を実行することが可能である。したがって、入賞時判定結果記憶数が3のとき(すなわち最新の入賞時判定結果に対応する保留表示のシフトタイミングが2回のとき)には、最終表示態様が第2特別態様のときに第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定された図32(C)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数=3)が用いられる。また、入賞時判定結果記憶数が3より大きいとき(すなわち最新の入賞時判定結果に対応する保留表示のシフトタイミングが3回以上のとき)には、いずれの先読み演出パターンにも決定され得る図32(D)に示す先読み演出パターン決定テーブル(入賞時判定結果記憶数>3)が用いられる。そして、演出制御用CPU101は、選択した先読み演出パターン決定テーブルを用いて、ステップS67106で決定した最終表示態様ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンのいずれかに決定する。
例えば、ステップS67106で決定した最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であり、入賞時判定結果記憶数が2である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、100%の割合で第1先読み演出パターンに決定する。また、ステップS67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であり、入賞時判定結果記憶数が3より大きい場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、80%の割合で第1先読み演出パターンに決定し、20%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。また、ステップS67106で決定した最終表示態様が第2特別態様であり、入賞時判定結果記憶数が3より大きい場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、20%の割合で第1先読み演出パターンに決定し、80%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。
なお、この実施の形態では、保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様が変化するタイミングは、シフトタイミングのみであるが、これに限らず、例えば、変動中のリーチ発生前や、1つ目の演出図柄が停止する前、2つ目の演出図柄が停止する前、リーチ中、変動停止時などの任意のタイミングでも変化可能としてもよい。この場合、何回目のシフトタイミングで変化させるかを決定するだけでなく、どのタイミングで変化させるかを決定するようにすればよい。また、任意のタイミングで保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化可能とする場合には、入賞時判定結果記憶数が1または2の場合であっても、第2先読み演出パターン(すなわち保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様が少なくとも2回変化する)にもとづいて先読み演出を実行させることを許容するようにしてもよい。
図32(B)〜(D)に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、最終表示態様が第1特別態様である場合に比べて、第2特別態様である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示され、さらに特殊態様から特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち特殊態様を経ることなく特別態様で表示されるとき)に比べて、大当りとなる期待度が第1特別態様よりも高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなる。したがって、先読み演出パターンごとに大当りとなる期待度を異ならせることができ、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。なお、この実施の形態では、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなるように設定されているが、これに限らず、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、大当りとなる期待度が高い第2特別態様に最終的に変化して表示される割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、第1先読み演出パターンが第2先読み演出パターンよりも大当りとなる期待度が高くなるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示される第1タイミングおよび特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される第2タイミングと、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)および予告対象の変動表示中の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよいし、変動表示の停止タイミング(例えば、演出図柄変動停止処理において表示態様を変化させるように制御する)でもよい。この場合には、例えば、入賞時判定結果記憶数にかかわらず第2先読み演出パターンに決定可能とすることができる。さらに、大当りとなる期待度が異なる複数段階(例えば4段階以上)の保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を設けることができ、表示態様の変化の回数の上限を無くすことができる。
また、この実施の形態では、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとの2つのパターンについて説明するが、これに限らず、例えば、特殊態様から第2特別態様に変化するパターンや、通常態様から特殊態様に変化し、その後特別態様に変化しないパターン等を用いてもよい。また、この実施の形態では、図32(C)に示すように、入賞時判定結果記憶数が3であって、最終表示態様が第2特別態様である場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が割り当てられているが、通常態様から特殊態様に変化し、特殊態様から第2特別態様に変化させる(第1特別態様をスキップする)ようにして、第2先読み演出パターンで先読み演出を実行可能とするようにしてもよい。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(ステップS67108)。この実施の形態では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図33は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。ステップS67108において、演出制御用CPU101は、ステップS67106で決定した最終表示態様と、ステップS67107で決定した先読み演出パターンとにもとづいて変化タイミング決定テーブルを選択し、選択した変化タイミング決定テーブルと入賞時判定結果記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンであって、ステップS67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であるときには、図33(A)に示す第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第1特別態様)を選択し、最終表示態様が第2特別態様であるときには、図33(B)に示す第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第2特別態様)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した第1先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて入賞時判定結果記憶数ごとに定められた変化タイミング(シフト回数)を決定する。
また、演出制御用CPU101は、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、ステップS67106で決定した最終表示態様が第1特別態様であるときには、図33(C)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第1特別態様)を選択し、ステップS67106で決定した最終表示態様が第2特別態様であるときには、図33(D)に示す第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第2特別態様)を選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した第2先読み演出パターン変化タイミング決定テーブルにおいて入賞時判定結果記憶数ごとに定められた変化タイミング(シフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)をシフト回数カウンタにセットする。なお、演出制御用CPU101は、決定した第1シフト回数を第1シフト回数カウンタに、第2シフト回数を第2シフト回数カウンタに、第3シフト回数を第3シフト回数カウンタにそれぞれセットする。
例えば、図33(A)に示す第1先読み演出変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第1特別態様)を用いるときに、入賞時判定結果記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、第2シフト回数(第1特別態様に変化するシフトタイミング)を2と決定する。また、図33(B)に示す第1先読み演出変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第2特別態様)を用いるときに、入賞時判定結果記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、第2シフト回数(第1特別態様に変化するシフトタイミング)を1と決定し、第3シフト回数(第2特別態様に変化するシフトタイミング)を2と決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)をシフト回数カウンタにセットする。
また、例えば、図33(C)に示す第2先読み演出変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第1特別態様)を用いるときに、入賞時判定結果記憶数が4である場合には、演出制御用CPU101は、第1シフト回数(特殊態様に変化するシフトタイミング)を2と決定し、第2シフト回数(第1特別態様に変化するシフトタイミング)を3と決定する。また、例えば、図33(D)に示す第2先読み演出変化タイミング決定テーブル(最終表示態様:第2特別態様)を用いるときに、入賞時判定結果記憶数が4である場合には、演出制御用CPU101は、第1シフト回数(特殊態様に変化するシフトタイミング)を1と決定し、第2シフト回数(第1特別態様に変化するシフトタイミング)を2と決定し、第3シフト回数(第2特別態様に変化するシフトタイミング)を3と決定する。
図33に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、一旦特殊態様に変化すると、シフトタイミング毎に表示態様が変化するように変化タイミングが設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、予告対象の保留表示が特殊態様で表示されると、残りのシフト回数によってどの段階まで変化するかが示唆されることになり、遊技興趣を高めることができる。
また、図33に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示1からアクティブ保留表示にシフトする最終シフトタイミングで、最終表示態様に変化するように、特殊態様に変化するタイミングが決定されていることである。これは、先読み演出パターンおよび最終表示態様と入賞時判定結果記憶数とに応じて特殊態様に変化するタイミングが定められていることで実現されている。このような特徴を備えていることによって、最終シフトタイミングでどの段階まで変化するかが示唆されることになり、遊技興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに入賞しても、入賞順に変動表示が行われ、高ベース(すなわち第2始動入賞口14に入賞しやすい)状態であっても、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかに入賞したことにもとづいて先読み演出が実行され得るように構成されている。そのため、先読み演出決定処理の先読み演出パターンを決定する処理(ステップS67107)や、変化タイミングを決定する処理(ステップS67108)では、図32,図33に示すように、入賞時判定結果記憶数にもとづいて、先読み演出パターンと変化タイミングとが決定されている。しかし、上述したように、遊技状態に応じて、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかの始動入賞にもとづく先読み演出の実行が制限されるように構成されている場合、例えば、第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく変動表示を優先的に行い、高ベース状態では、第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく先読み演出の実行が制限され、低ベース状態では第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく先読み演出の実行が制限されるように構成されている場合には、先読み演出パターンを決定する処理(ステップS67107)や、変化タイミングを決定する処理(ステップS67108)において、入賞時判定結果記憶数ではなく、先読み演出の実行対象となる保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)にもとづいて、先読み演出パターンと変化タイミングとを決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図33(A),(B)に示すように、特殊態様を経ずに特別態様に変化する第1先読み演出パターンで先読み演出を実行する場合には、アクティブ保留表示にシフトするタイミングで最終表示態様に変化させるように構成されているが、これに限らず、第1先読み演出パターンで先読み演出を実行する場合には、どのシフトタイミングで第1特別態様または第2特別態様に変化させてもよい。
また、この実施の形態では、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであって、最終表示態様が第2特別態様(本例では最も期待度が高い)である場合にも、図33(D)に示すように、アクティブ保留表示にシフトするタイミングで第2特別態様に変化するように構成されているが、この場合には、アクティブ保留表示にシフトするタイミングより前に(例えば、保留表示4において)第2特別態様に変化させてもよい。つまり、この実施の形態では、一旦特殊態様で表示されると、シフトタイミング毎にさらに期待度が高い表示態様に変化させるように構成されているが、最も期待度が高い表示態様(本例では第2特別態様)に変化すれば、それ以上変化しないことは明らかであるので、遊技者を混乱させることなく、早いタイミングで期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、アクティブ保留表示を設け、アクティブ保留表示にシフトするタイミングで最終表示態様に変化させるようにしているが、アクティブ保留表示を設けないように構成してもよく、そのように構成する場合には、保留表示1にシフトするタイミングで最終表示態様に変化させるようにしてもよい。また、この実施の形態では、一旦特殊態様で表示される第2先読み演出パターンで先読み演出を実行する場合には、始動入賞のタイミングではなく、後のシフトタイミングで通常態様から特殊態様に変化されるが、始動入賞時に通常態様を経ずに特殊態様で表示されるようにしてもよい。この場合には、後述する作用演出(または始動入賞時用の作用演出)を実行するようにしてもよいし、しないようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンであるときには(ステップS67105のY)、保留表示の表示態様を特殊態様に変化させるタイミングで実行する作用演出の演出態様を決定する(ステップS67110)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が特殊態様に変化することを示唆する作用演出をシフトタイミングで実行可能である。また、作用演出は、第1演出態様(本例ではキャラクタAが表示される)または第2演出態様(本例ではキャラクタBが表示される)で実行される。ステップS67110では、特殊態様に変化する変化タイミングで実行される作用演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
図34は、作用演出態様決定テーブルを示す説明図である。ステップS67110において、演出制御用CPU101は、図34に示す作用演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミング(特殊態様に変化させるシフトタイミング)で行う作用演出の演出態様を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果が確変大当りまたは通常大当りである場合には、20%の割合で第1演出態様に決定し、80%の割合で第2演出態様に決定する。
図34に示す作用演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、入賞時判定結果に応じて異なる割合で演出態様が決定されることである。つまり、作用演出が実行されると、演出態様にかかわらず保留表示が特殊態様に変化して表示されるが、いずれの演出態様で実行されるかによって、大当りとなる期待度が異なるように構成されている。したがって、作用演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の作用演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図34に示す例では、通常大当りと確変大当りのいずれの場合でも判定値の割合が変わらないように設定されているが、通常大当りと確変大当りとで判定値の割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、確変大当りの場合には、通常大当りの場合に比べて第2演出態様に決定される割合が高くなるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留表示の表示態様が特殊態様に変化するシフトタイミング(本例では特殊態様に変化させるシフトタイミング)で、作用演出が必ず実行されるように構成されているが、作用演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、作用演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を特殊態様に突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
また、この実施の形態では、作用演出の演出態様として第1演出態様と第2演出態様との2種類の演出態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、いずれの演出態様で実行されるかによって期待度が異なるようにしてもよい。また、この実施の形態では、特殊態様に変化するタイミングで作用演出が行われるが、例えば、第1先読み演出パターンのときには、第1特別態様または第2特別態様に変化するタイミングでも作用演出を行うようにしてもよい。
作用演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数表示部18cまたはアクティブ保留表示部18dにおいて、新たな保留表示またはアクティブ保留表示を表示させるように制御する(ステップS67111)。ステップS67111では、演出制御用CPU101は、ステップS67108でセットしたいずれかのシフト回数カウンタの値が0である場合、そのシフト回数カウンタにもとづいて、新たな保留表示またはアクティブ保留表示を特別態様で表示させるように制御する。具体的には、演出制御用CPU101は、第2シフト回数カウンタの値が0であれば、新たな保留表示またはアクティブ保留表示を第1特別態様で表示させるように制御し、第3シフト回数カウンタの値が0であれば、新たな保留表示またはアクティブ保留表示を第2特別態様で表示させるように制御する。また、演出制御用CPU101は、0の値がセットされたシフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットする。このような処理がされることによって、変化タイミングが始動入賞時である保留表示またはアクティブ保留表示を、後述するステップS1803で再度変化対象とすることを回避することができる。
また、ステップS67111では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を表示させるとともに、表示態様を示すデータと、ステップS67106で決定した最終表示態様を示すデータと、ステップS67107で決定した先読み演出パターンを示すデータと、ステップS67108またはステップS67111でセットした各シフト回数カウンタと、ステップS67110で決定した作用演出の演出態様を示すデータとを、入賞時判定結果と対応付けて入賞時判定結果記憶バッファ(図28)に格納する。これらのデータを記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、先読み演出決定処理で決定された最終表示態様や、先読み演出パターン、変化タイミング、作用演出態様を特定することができる。
以上のように、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、先読み演出を実行するか否かと実行する場合の内容とが決定され、新たな保留表示を表示させるように制御する処理が行われる。なお、この実施の形態では、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミングおよび作用演出態様を、それぞれ決定しているが、入賞時判定結果(および入賞時判定結果記憶数)にもとづいて、それらを一括して決定するようにしてもよい。例えば、あらかじめ最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミングおよび作用演出態様を1対1で対応付けたリストを設けておき、入賞時判定結果(および入賞時判定結果記憶数)に応じて異なる割合でリストから選択することで実現できる。
また、この実施の形態では、いずれかの保留表示(またはアクティブ保留表示)が特殊態様(または特別態様)で表示されている場合や、先行して先読み演出が実行されることが決定されている場合にも、新たに先読み演出を実行することが許容されているが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合(または完全に)で制限する(例えば、いずれかの保留表示が特殊態様(または特別態様)で表示されている場合には重ねて実行することを制限したり、3つ以上の先読み演出を重ねて実行することを制限したりする)ようにしてもよい。このような制限をすることで、どの保留表示(またはアクティブ保留表示)に注目すればよいか遊技者にとって分かりやすくすることができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口14への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のステップS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のステップS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、ステップS1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口14への入賞にもとづく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、ステップS1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ560において受信した第1始動入賞口13への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で、高ベース状態や大当り遊技中であるときに、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時演出処理(すなわち先読み演出)の実行を制限する構成である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく先読み演出のみを実行可能とし、低ベース状態では第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出のみを実行可能とする(すなわち、低ベース状態では第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく入賞時判定結果指定コマンドを受信しても先読み演出を実行すると決定しない)ようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口14への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口13への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口13への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口14への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。例えば、第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出が実行されて、保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、その保留表示の表示態様を通常態様に戻すように制御してもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞にもとづく先読み演出を行わないようにしてもよい。
図35は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図36は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図37は、図35に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)と対応付けられた各種データとを削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、アクティブ保留表示18dのアクティブ保留表示を消去し、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示をアクティブ保留表示にシフトし、残りの保留表示を1つずつシフトして、アクティブ保留表示18dおよび合算保留記憶表示部18cを更新する(ステップS1800)。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファ(図28参照)において、いずれかの入賞時判定結果に対応付けられた変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(ステップS1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、ステップS1801では、先読み演出を実行すること(保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
いずれのシフト回数カウンタの値も0より大きくない場合(ステップS1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0または設定されておらず、先読み演出を実行すること(保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をステップS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(ステップS1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、全てのシフト回数カウンタの値を1減算する(ステップS1802)。次いで、演出制御用CPU101は、減算後のシフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1803)。ステップS1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、保留表示のうちのいずれか(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、ステップS1803では、保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
ステップS1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をステップS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、処理をステップS1808に移行する。なお、ステップS1808に移行した後、ステップS1812、ステップS1813、ステップS1814のいずれかで、値が0になったシフト回数カウンタは、何も設定されていない状態(例えばNull)にセットされる。このような処理がされることによって、既に変化タイミングに至ったもの(シフト回数カウンタの値が0まで減算されたもの)を再度ステップS1803で変化対象とすることを回避することができる。
ステップS1804では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS1804)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS1805)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図38は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図38に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、作用演出と少なくとも一部の演出が共通し、保留表示の表示態様が変化することを示唆するが、結果的には変化しない偽作用演出の設定処理を行う(ステップS1806)。ステップS1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、ステップS1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しない偽作用演出を実行するか否かを決定する。このように、偽作用演出を実行可能にすることで、作用演出と偽作用演出とに共通する演出が行われたときに、それが作用演出と偽作用演出とのいずれであるかに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、ステップS1806において、例えば、遊技状態に関わらず、10%の割合で偽作用演出を実行すると決定してもよいし、保留表示またはアクティブ保留表示のいずれかが通常態様以外の表示態様で表示されている場合には、実行すると決定する割合を異ならせてもよい。例えば、通常態様以外の表示態様で表示されている場合には偽作用演出を実行すると決定する割合を少なくすることで、通常態様以外の表示態様で表示されている保留表示またはアクティブ保留表示に注目させることができる。また、偽作用演出を実行するか否かの他に、作用演出の各演出態様に対応する複数種類の演出態様の偽作用演出を設けておき、いずれの演出態様の偽作用演出を実行するかを決定するようにしてもよい。例えば、有利度が高い第2演出態様の作用演出と一部の演出が共通する偽作用演出に決定される割合を高くすると、その演出が作用演出であったときの喜びを大きくすることができ、割合を低くすると、その演出が行われたときの喜びを大きくすることができる。また、例えば、ステップS1806において、変動パターンコマンドによって示される変動パターンが短縮用の変動パターンであるか否かを確認し、短縮用の変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、通常の偽作用演出よりも演出期間が短い短縮偽作用演出を実行すると決定するようにしてもよい。また、短縮偽作用演出を実行するか否かの他に、作用演出(または後述する短縮作用演出)の各演出態様に対応する複数種類の演出態様の短縮偽作用演出を設けておき、いずれの演出態様の短縮偽作用演出を実行するかを決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、偽作用演出設定結果と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1815)。
図39は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部18cおよびアクティブ保留表示部18dにおける先読み演出の態様を示すデータ、作用演出(偽作用演出)の有無や演出態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図39に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS1816)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS1817)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS1818)。
ステップS1803でいずれかのシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS1808)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS1808で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS1809)。
次いで、演出制御用CPU101は、いずれかの保留表示を通常態様から特殊態様に変化させるタイミングであるか否かを確認する(ステップS1810)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、第1シフト回数カウンタの値が0であれば、ステップS1811に移行し、第1シフト回数カウンタの値が0でなければ、ステップS1814に移行する。
保留表示を通常態様から特殊態様に変化させるタイミングではない場合(ステップS1810のN)、すなわち、作用演出を実行するタイミングでない場合には、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタと、変動パターンとに応じた表示態様変化用のプロセステーブルを選択する(ステップS1814)。そして、ステップS1812に移行する。
表示態様変化用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、特定の保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され、入賞時判定結果記憶バッファ記憶されているシフト回数カウンタにもとづいて(値が0のシフト回数カウンタを特定することで)、どの保留表示(またはアクティブ保留表示)をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタと、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化用のプロセステーブルのうちのいずれかを選択し、選択した表示態様変化用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で予告対象の変動表示に対応する保留表示(またはアクティブ保留表示)を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。ステップS1814で選択される表示態様変化用のプロセステーブルは、表示態様が通常態様または特殊態様から、特別態様に変化するタイミングで用いられるため(すなわち、この実施の形態では、表示態様が変化するタイミングであるが、作用演出が実行されるタイミングではないときに用いられるため)、作用演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されていない。なお、複数のうちの一の保留表示(アクティブ保留表示)が特別態様に変化するタイミングであっても、同時に他の保留表示(アクティブ保留表示)が特殊態様に変化するタイミング(すなわち作用演出が実行されるタイミング)であれば、後述するステップS1812またはS1813において作用演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定された表示態様変化用のプロセステーブルが選択される。
ステップS1811では、変動パターンコマンドによって示される変動パターンが短縮用の変動パターンであるか否かを確認し、短縮用の変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタおよび作用演出態様と、変動パターンとに応じた短縮作用演出時表示態様変化用のプロセステーブルを選択する(ステップS1812)。そして、ステップS1815に移行する。また、短縮用の変動パターンでなければ、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタおよび作用演出態様と、変動パターンとに応じた通常作用演出時表示態様変化用のプロセステーブルを選択する(ステップS1813)。そして、ステップS1815に移行する。
通常作用演出時表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、特定の演出態様の作用演出を実行し、特定の保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。また、短縮作用演出時表示態様変化時用のプロセステーブルとは、短縮用の変動パターンにもとづいて変動表示が行われるとき(すなわち変動時間が短いとき)に用いられ、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、特定の演出態様の作用演出を短縮して(変動時間内におさまるように)実行し、特定の保留表示(またはアクティブ保留表示)の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。このように、作用演出を実行するときの変動表示の変動時間に応じて、通常用と短縮用の作用演出を使い分けることによって、変動時間内に演出の実行を完了させることができ、遊技興趣を高めることができる。以下、短縮用の作用演出を短縮作用演出ともいう。
また、ステップS1812、ステップS1813、ステップS1814では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、値が0になったシフト回数カウンタを何も設定されていない状態(例えばNull)にセットするとともに、対応する表示態様を示すデータを更新する。例えば、第1シフト回数カウンタの値が0になった場合には、対応する表示態様を示すデータを特殊態様に更新し、第2シフト回数カウンタの値が0になった場合には、第1特別態様に更新し、第3シフト回数カウンタの値が0になった場合には、第2特別態様に更新する。
図40は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS1841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1845)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS1850)、ステップS1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
図41は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図42は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS871)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信にもとづいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出を行う。
なお、ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図43は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセットする(ステップS887)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図44は、第2先読み演出パターンによる先読み演出の具体例を示す説明図である。図44(A)に示されるように、演出表示装置9において、変動表示とともに、アクティブ保留表示部18dにアクティブ保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示され、合算保留記憶表示部18cに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに、始動入賞が発生すると、入賞時演出処理が行われ、入賞時判定結果にもとづいて先読み演出決定処理が行われる。ここでは、最終表示態様を第2特別態様とし、第2先読み演出パターンで先読み演出パターンを実行すると決定する。また、第1シフト回数を1、第2シフト回数を2、第3シフト回数を3と決定し、作用演出の演出態様を第1演出態様と決定する。すなわち、予告対象の保留表示を、始動入賞後の最初のシフトタイミングで通常態様から特殊態様に変化させて表示し、その次のシフトタイミングで特殊態様から第1特別態様に変化させて表示し、さらに次のタイミングで第1特別態様から第2特別態様に変化させて表示すると決定する。
すると、始動入賞にもとづいて、合算保留記憶表示部18cに3つ目の保留表示(予告対象)が通常態様(本例では「○」)で表示される(図44(B))。そして、変動表示が停止して、はずれ図柄の導出表示が行われると(図44(C))、アクティブ保留表示および保留表示がシフトされるとともに、新たな変動表示が開始される。ここで、特殊態様に変化させる変化タイミングであるので、キャラクタAを表示して第1演出態様の作用演出を開始し(図44(D))、予告対象の保留表示をキャラクタAが叩く演出を行い、演出の結果として保留表示の表示態様を特殊態様(本例では「○」に2つの絆創膏が交差して貼られている)に変化させる(図44(E))。なお、この実施の形態では、一旦特殊態様に変化すると、シフトタイミングごとにさらに期待度が高い表示態様に変化するため、保留表示の表示態様が特殊態様に変化した図44(E)の時点で、遊技者は、残りのシフト回数(図44の例では2回)から、最終的に第2特別態様まで変化することがわかる。具体的には、1回目のシフトタイミングで特殊態様から第1特別態様に変化し、2回目のシフトタイミングで第1特別態様から第2特別態様に変化することがわかる。したがって、この実施の形態によれば、いずれの表示態様まで変化するかが示唆されるため、興趣を向上させることができる。
次いで、変動表示が停止して、はずれ図柄の導出表示が行われると(図44(F))、アクティブ保留表示および保留表示がシフトされるとともに、新たな変動表示が開始される。ここで、第1特別態様に変化させる変化タイミングであるので、予告対象の保留表示の表示態様を特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に斜線が含まれる)に変化させる(図44(G))。
次いで、変動表示が停止して、はずれ図柄の導出表示が行われると(図44(H))、アクティブ保留表示および保留表示がシフトされるとともに、新たな変動表示が開始される。ここで、第2特別態様に変化させる変化タイミングであるので、予告対象のアクティブ保留表示の表示態様を第1特別態様から第2特別態様(本例では「○」内が黒く塗りつぶされる)に変化させる(図44(I))。
図45は、第1先読み演出パターンによる先読み演出の具体例を示す説明図である。図45(A)に示されるように、演出表示装置9において、変動表示とともに、アクティブ保留表示部18dにアクティブ保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに、始動入賞が発生すると、入賞時演出処理が行われ、入賞時判定結果にもとづいて先読み演出決定処理が行われる。ここでは、最終表示態様を第1特別態様とし、第1先読み演出パターンで先読み演出パターンを実行すると決定する。また、第2シフト回数を0と決定する。
すると、始動入賞にもとづいて、合算保留記憶表示部18cに1つ目の保留表示(予告対象)が第1特別態様(本例では「○」内に斜線が含まれる)で表示される(図45(B))。そして、変動表示が停止して、はずれ図柄の導出表示が行われると、アクティブ保留表示および保留表示がシフトされるとともに、新たな変動表示が開始される。図45(C)に示す例では、第1特別態様の保留表示1がアクティブ保留表示にシフトして表示されている。つまり、アクティブ保留表示が第1特別態様で表示されている。なお、図45に示す例では、アクティブ保留表示にシフトする際に、第1特別態様のまま表示態様が変化していないが、このときに第2特別態様に変化させるようにしてもよい。
図46は、作用演出の演出態様例を示す説明図である。この実施の形態では、図45(A)に示されるように、キャラクタAを用いた第1演出態様による作用演出と、キャラクタBを用いた第2演出態様による作用演出とを実行可能であり、いずれの演出態様で実行されるかによって有利度が異なるように構成されている。
図47は、作用演出と偽作用演出の演出例を示す説明図である。この実施の形態では、図47(A)に示されるように、作用演出と偽作用演出とで一部共通する演出(所定のキャラクタが登場する)が実行される。その後、作用演出の場合には、予告対象の保留表示をキャラクタが叩く演出を行い、演出の結果として保留表示の表示態様を特殊態様(本例では「○」に2つの絆創膏が交差して貼られている)に変化させる(図47(B))。一方、偽作用演出の場合には、予告対象の保留表示をキャラクタが通過する演出を行い、演出の結果として保留表示の表示態様を変化させない(図47(C))。なお、偽作用演出についても、作用演出と同様に、複数種類の演出態様(例えば、作用演出と共通する複数種類のキャラクタが用いられる)を設けることができる。この場合、作用演出と偽作用演出とで、決定される演出態様の割合(すなわち用いられるキャラクタの割合)が異なるようにしてもよい。そのようにすることで、例えば、特定のキャラクタが登場した場合には、そのまま通過する割合が高く(すなわち偽作用演出である可能性が高く)なるようにしたり、逆に保留表示を叩く割合が高く(すなわち作用演出である可能性が高く)なるようにしたりすることができ、表示態様が変化する割合(すなわち偽作用演出ではなく作用演出である割合)が異なるようにすることができる。
図48は、短縮作用演出の演出例を示す説明図である。図48に示す例では、図44の(A)〜(C)に示される処理と同じ処理が実行される(図48(A)〜(C))。ここで、時短状態や、通常状態(非時短状態)であっても合算保留記憶数が多いとき(例えば、3以上)には「非リーチはずれ」よりも変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される(または選択される割合が高い)ように構成されている場合には、次の変動表示の変動時間が短くなることがある。このときには、所定のキャラクタが登場すると同時に、予告対象の保留表示を叩く演出を行い、演出の結果として保留表示の表示態様を特殊態様(本例では「○」に2つの絆創膏が交差して貼られている)に変化させる(図48(D))。つまり、図44の例では、キャラクタが登場する演出と、キャラクタが予告対象の保留表示を叩く演出とが行われているのに対して、図48に示す例では、キャラクタが登場すると同時に予告対象の保留表示を叩く演出が行われることで、演出時間が短縮されている。このように、通常の作用演出よりも演出時間が短縮された短縮作用演出により、変動時間が短い場合であっても、演出を完了させることができる。なお、短縮偽作用演出の場合には、例えば、通常の偽作用演出よりもキャラクタが通過するのにかかる時間を短くすることで、演出時間が短縮される。また、短縮作用演出と短縮偽作用演出とについても、通常の作用演出と偽作用演出と同様に、複数種類の演出態様(例えば、複数種類のキャラクタが用いられる)を設け、決定される演出態様の割合(すなわち用いられるキャラクタの割合)が異なるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、シフトタイミング(すなわち新たな変動表示が開始されるタイミング)でアクティブ保留表示の表示態様を変化させる場合について説明したが、変動表示中にアクティブ保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、変動表示中にアクティブ保留表示に対して作用演出が実行され、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化するようにしてもよい。また、変動表示中にアクティブ保留表示に対して偽作用演出が実行されるようにしてもよい。以下、変動表示中にアクティブ保留表示に対して作用演出および偽作用演出を実行する例について説明する。
図49は、演出図柄変動開始処理の変形例を示すフローチャートである。図49に示す変形例では、図37に示す例とは異なり、演出制御用CPU101は、ステップS1805で演出図柄の停止図柄を決定した後に、アクティブ保留用作用演出設定処理を実行する(ステップS1806a)。そして、演出設定結果と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1807a)。
図50は、アクティブ保留用作用演出設定処理を示すフローチャートである。アクティブ保留用作用演出設定処理において、演出制御用CPU101は、アクティブ保留表示の表示態様が通常態様であれば(ステップS18061のY)、変動パターンコマンドにもとづいて、アクティブ保留表示の最終表示態様を決定する(ステップS18062)。
図51は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。ステップS18062において、演出制御用CPU101は、図51に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、アクティブ保留表示の最終表示態様を決定する。具体的には、変動パターンにもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて変動パターンごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、決定したアクティブ保留表示の最終表示態様にもとづいて、アクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出を含む)の演出パターンである作用演出パターンを決定する(ステップS18063)。
図52(A)は、作用演出パターン決定テーブルを示す説明図である。ステップS18063において、演出制御用CPU101は、図52(A)に示す作用演出パターン決定テーブルを用いて、アクティブ保留表示に対する作用演出パターンを決定する。具体的には、ステップS18062で決定したアクティブ保留表示の最終表示態様にもとづいて、作用演出パターン決定テーブルにおいて最終表示態様ごとに定められた割合で、作用演出パターンを決定する。
図52(A)に示す例では、変動表示中のリーチ成立前とリーチ成立時との2つのタイミングで演出が実行可能である。図52(A)に示す「演出あり(成功)」は、そのタイミングで、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化する作用演出を実行することを示している。また、「演出あり(失敗)」は、そのタイミングで、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化しない偽作用演出を実行することを示している。また、「演出なし」は、そのタイミングで演出が実行されないことを示している。
例えば、アクティブ保留表示の最終表示態様が通常態様(変化なし)のときには、リーチ成立前のタイミングで、20%の割合で「演出あり(失敗)」、80%の割合で「演出なし」となり、リーチ成立時のタイミングで、15%の割合で「演出あり(失敗)」、85%の割合で「演出なし」となる。また、アクティブ保留表示の最終表示態様が第1特別態様のときには、リーチ成立前のタイミングで、40%の割合で「演出あり(成功)」、35%の割合で「演出あり(失敗)」、25%の割合で「演出なし」となり、リーチ成立時のタイミングで、60%の割合で「演出あり(成功)」、40%の割合で「演出なし」となる。また、アクティブ保留表示の最終表示態様が第2特別態様のときには、リーチ成立前のタイミングで、10%の割合で「演出あり(成功)」、40%の割合で「演出あり(失敗)」、50%の割合で「演出なし」となり、リーチ成立時のタイミングで、90%の割合で「演出あり(成功)」、10%の割合で「演出なし」となる。
図52(A)に示す作用演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、演出が行われるタイミングによって、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化する(演出が偽作用演出ではなく作用演出である)割合が異なるように判定値が設定されていることである。具体的には、リーチ成立前に比べてリーチ成立時の方が、「演出あり(失敗)」よりも「演出あり(成功)」に決定される割合が高く、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化する(演出が偽作用演出ではなく作用演出である)割合が高くなるように設定されている。このような特徴を備えていることによって、演出が行われるタイミングによって、アクティブ保留表示の表示態様が変化する期待度を異ならせることができ、演出が実行されるタイミングに着目させることができる。
また、図52(A)に示す作用演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、演出が行われるタイミングによって、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化するときに、どの表示態様に変化するかの割合が異なるように判定値が設定されていることである。具体的には、アクティブ保留表示の最終表示態様が第1特別態様の場合には、リーチ成立前にアクティブ保留表示の表示態様が変化する(第1作用演出パターン)割合が、リーチ成立時にアクティブ保留表示の表示態様が変化する(第2用演出パターンまたは第3用演出パターン)割合よりも高くなるように設定されている。一方、アクティブ保留表示の最終表示態様が第2特別態様の場合には、リーチ成立前にアクティブ保留表示の表示態様が変化する(第1作用演出パターン)割合が、リーチ成立時にアクティブ保留表示の表示態様が変化する(第2用演出パターンまたは第3用演出パターン)割合よりも低くなるように設定されている。このような特徴を備えていることによって、演出が行われるタイミングによって、アクティブ保留表示がいずれの表示態様に変化するかの期待度を異ならせることができ、演出が実行されるタイミングに着目させることができる。
作用演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、アクティブ保留表示の最終表示態様にもとづいて、作用演出(偽作用演出)の演出態様である作用演出態様を決定する(ステップS18064)。
図52(B)は、作用演出態様決定テーブルの変形例を示す説明図である。なお、既に説明したように、保留表示に対する作用演出は、第1演出態様(本例ではキャラクタAが表示される)または第2演出態様(本例ではキャラクタBが表示される)で実行されている。そのため、保留表示に対する作用演出とアクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出)とは、共通の演出態様で実行される。このようにすることで、作用演出(偽作用演出)が開始されたときに、保留表示とアクティブ保留表示とのいずれに対する演出かをすぐには認識できないようにすることができ、遊技者にどちらに対する期待感も持たせることができる。
なお、ここでは、第1演出態様の作用演出(例えば、キャラクタAが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩く)と一部の演出が共通する偽作用演出(例えば、キャラクタAが表示され、通過する)を、第1演出態様の偽作用演出といい、第2演出態様の作用演出(例えば、キャラクタBが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩く)と一部の演出が共通する偽作用演出を、第2演出態様の偽作用演出(例えば、キャラクタBが表示され、通過する)という。
ステップS18064において、演出制御用CPU101は、図52(B)に示す作用演出態様決定テーブルを用いて、作用演出態様を決定する。具体的には、演出タイミングごとの演出後のアクティブ保留表示の表示態様にもとづいて、作用演出態様を決定する。例えば、最終表示態様が第2特別態様であって、作用演出パターンが第2作用演出パターンの場合には、リーチ成立前の「演出あり(失敗)」については、演出後のアクティブ保留表示の表示態様が通常態様(変化なし)であるから、偽作用演出の作用演出態様を80%の割合で第1演出態様とし、20%の割合で第2演出態様とする。また、リーチ成立時の「演出あり(成功)」については、演出後のアクティブ保留表示の表示態様が第2特別態様になるのであるから、作用演出の作用演出態様を20%の割合で第1演出態様とし、80%の割合で第2演出態様とする。
図52(B)に示す作用演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、作用演出態様によって、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化するか否か、変化する場合にどの表示態様に変化するかの割合が異なるように判定値が設定されていることである。具体的には、作用演出態様が第2演出態様のとき(すなわちキャラクタBが表示されたとき)には、第1演出態様のとき(すなわちキャラクタAが表示されたとき)に比べて、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様が変化する割合が高くなるように判定値が設定されている。また、作用演出態様が第2演出態様のとき(例えば、キャラクタBが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩いたとき)には、第1演出態様のとき(例えば、キャラクタAが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩いたとき)に比べて、第2特別態様に変化する割合が高くなるように判定値が設定されている。このような特徴を備えていることによって、作用演出態様によって、アクティブ保留表示が変化する期待度と、どの表示態様に変化するかの期待度とを異ならせることができ、作用演出態様に着目させることができる。
作用演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、アクティブ保留用作用演出設定処理を終了する。
なお、図50に示す例では、説明を簡略化するために、アクティブ保留表示の表示態様が通常態様であるときにのみ、アクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出)が実行されるように構成されているが、例えば、アクティブ保留表示が第1特別態様や第2特別態様の場合にも、アクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出)が実行されるように構成されるようにしてもよい。また、アクティブ保留表示に対する作用演出が実行される場合には、第1特別態様や第2特別態様に限らず、例えば、第1特別態様や第2特別態様よりもさらに期待度が高い第3特別態様や第4特別態様に変化するようにしてもよいし、第1特別態様や第2特別態様とは異なる基準で期待度が定められた表示態様(すなわちアクティブ保留表示用の表示態様)に変化するようにしてもよい。
また、図49,50に示す例では、演出図柄の変動開始時にアクティブ保留表示の最終表示態様を決定するように構成されているが(ステップS18602)、例えば、始動入賞時に決定して記憶しておくようにしてもよい。
また、図52(A)に示す例では、アクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出)を実行可能な演出タイミングとして、リーチ成立前とリーチ成立時との2種類が用いられているが、これに限らず、例えば、リーチ演出中等の他の任意のタイミングで作用演出(偽作用演出)を実行可能としてもよい。
また、図52(A)に示す例では、アクティブ保留表示の表示態様が、1のタイミングで1回変化する場合について説明しているが、これに限らず、複数のタイミングで複数回変化するようにしてもよい。例えば、アクティブ保留表示がリーチ成立前に通常態様から第1特別態様に変化し、リーチ成立時に第1特別態様から第2特別態様に変化するようにしてもよい。また、変動パターンにもとづいて変化の回数やタイミングを決定することで、変化の回数やタイミングによって、例えば、変動表示が特定状態(例えば、スーパーリーチや擬似連等)となる期待度や、表示結果が大当り図柄となる期待度等が異なるようにしてもよい。
また、保留表示に対する作用演出とアクティブ保留表示に対する作用演出(偽作用演出)とは、第1演出態様(本例ではキャラクタAが表示される)または第2演出態様(本例ではキャラクタBが表示される)で実行されるが、例えば、第3演出態様(キャラクタAが第1演出態様よりも短期間表示される(演出期間が短い))や第4演出態様(キャラクタBが第2演出態様よりも短期間表示される(演出期間が短い))で実行されるようにしてもよい。この場合、変動パターンによって示される変動時間に応じて、作用演出態様が決定されるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、未だ開始していない識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段(本例では第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファ)と、識別情報の可変表示に対応する特定表示(本例では保留表示およびアクティブ保留表示)を表示する特定表示手段(本例では合算保留記憶表示部18cおよびアクティブ保留表示部18d)と、特定表示の表示態様を変化させる特定演出(例えば、作用演出)を実行可能な演出実行手段とを備えている。また、特定演出は、特定表示の表示態様を特定態様(例えば、特殊態様)に変化させるものである。そして、演出実行手段は、演出期間が異なる複数種類の特定演出(例えば、作用演出と短縮作用演出や、第1演出態様または第2演出態様の作用演出と第3演出態様または第4演出態様の作用演出)を実行可能である。
なお、この実施の形態では、特定演出は、特定表示の表示態様を特定態様(例えば、第1特別態様または第2特別態様)に変化させないものである(例えば、作用演出によって特殊態様に変化するが、第1特別態様または第2特別態様には変化しない)ともいえる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、特定表示の表示態様を変化させるキャラクタを用いた特定演出(例えば、第1演出態様の作用演出(例えば、キャラクタAが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩く)または第2演出態様の作用演出(例えば、キャラクタBが表示され、保留表示またはアクティブ保留表示を叩く))を実行可能である。そのように構成されることによって、演出に着目させることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、特定表示の表示態様を第1態様で表示した後に該第1態様から第2態様に変化させて表示する第1演出パターン(例えば、第1先読み演出パターン)、または特定表示の表示態様を第1態様を経ずに第2態様で表示する第2演出パターン(例えば、第2先読み演出パターン)で演出を実行可能であり、第1演出パターンまたは第2演出パターンのいずれが実行されるかによって有利度(例えば、大当りとなる期待度や確変となる期待度など)が異なるように演出を実行する。そのように構成されることによって、演出がいずれの演出パターンで実行されるかに着目させることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、演出態様が異なる複数種類の特定演出を異なる演出期間において実行可能である(例えば、複数の演出態様で実行可能な作用演出と短縮作用演出とや、第1演出態様または第2演出態様の作用演出と第3演出態様または第4演出態様の作用演出とを実行可能である)。そのように構成されることによって、いずれの演出が実行されるかに着目させることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する特定判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、特定判定手段による判定結果にもとづいて変動表示に対応する特定表示(合算保留記憶表示部18cにおける保留表示およびアクティブ保留表示部18dにおけるアクティブ保留表示)を通常態様以外の表示態様(本例では特殊態様、第1特別態様または第2特別態様)に変化させて表示することで、変動表示が大当りとなる可能性があることを予告する先読み演出を実行する演出実行手段とを備えている。そして、演出実行手段は、特定表示結果(例えば、通常大当りや確変大当り)となると判定したときには、特定表示結果とならないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった可変表示に対応する特定表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、特定表示が特殊態様で表示されてから該特定表示に対応する可変表示の表示結果が導出表示されるまでに所定の契機(本例ではシフトタイミング)が生じると、該特定表示の表示態様を該特殊態様から第1特別態様に変化させて表示し、さらに所定の契機(本例ではシフトタイミング)が生じると該特定表示の表示態様を該第1特別態様から第2特別態様に変化させて表示する。つまり、一旦特殊態様に変化すると、所定の契機(本例ではシフトタイミング)毎に表示態様が変化する。そのように構成されることで、特定表示が特殊態様で表示されてから対応する可変表示の表示結果が導出表示されるまでに、特定表示がいずれの表示態様まで変化するかが示唆されるため、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出決定手段は、特定表示の表示態様を特殊態様で表示するタイミングを調整して決定するように構成されている。具体的には、保留表示1からアクティブ保留表示にシフトする最終シフトタイミングで、最終表示態様に変化するように、特殊態様に変化するタイミングが決定されている。これは、先読み演出パターンおよび最終表示態様と入賞時判定結果記憶数とに応じて特殊態様に変化するタイミングが定められていることで実現されている。そのように構成されることで、最終シフトタイミングでどの段階まで変化するかが示唆されることになり、遊技興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、特定表示を通常態様で表示した後に特殊態様に変化させる演出(例えば、作用演出とともに行う先読み演出)を実行可能であり、変動表示の変動表示期間に応じて、演出期間が異なる複数種類の変化演出パターンのいずれかで演出(例えば、通常時作用演出または短縮時作用演出とともに行う先読み演出)を実行することができる。そのように構成されることで、演出を変動表示期間内に完了させることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、演出実行手段は、特定表示の表示態様を特殊態様で表示した後に第1特別態様もしくは第2特別態様に変化させて表示する第1先読み演出パターン、または特定表示の表示態様を特殊態様を経ずに第1特別態様もしくは第2特別態様で表示する第2先読み演出パターンで先読み演出を実行可能である。そして、第1先読み演出パターンまたは第2先読み演出パターンのいずれで実行されるかによって有利度が異なる(例えば、大当りとなる期待度や確変となる期待度など)ように先読み演出を実行するように構成されている。そのように構成されることで、先読み演出がいずれの先読み演出パターンで実行されるかに着目させることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、特定表示の表示態様を特殊態様に変化させて表示するときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出を実行可能である。さらに、この実施の形態では、作用演出と少なくとも一部の演出態様が共通し、演出の結果として表示態様を変化させない偽作用演出を実行可能である。そのように構成されることで、作用演出に着目させることができ、興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、特定表示の表示態様を特殊態様に変化させて表示するときに、演出の結果として表示態様を変化させる複数種類の作用演出(例えば、第1演出態様または第2演出態様の作用演出)のいずれかを実行可能である。そして、複数種類の作用演出のいずれによって表示態様が変化したかに応じて有利度(例えば、大当り期待度や確変期待度など)が異なるように構成されている。そのように構成されることで、いずれの作用演出が実行されるかに着目させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、大当り種別として通常大当り、確変大当りおよび突然確変大当りが設けられているが、例えば、大当り遊技時における大入賞口の開放回数や大当り遊技後の時短の有無、時短回数が異なる大当り種別を設ける場合には、いずれの大当り種別であるかに応じて先読み演出パターンや作用演出の演出態様の決定割合を異ならせることによって、いずれの先読み演出パターンや作用演出の演出態様であるかによって有利度が異なるように先読み演出を実行することができる。例えば、複数の大当り種別のうちの価値が高い(例えば、大入賞口の開放回数が多い、確変状態や時短状態に制御される変動回数が多いなど)大当り種別である場合には、価値が低い大当り種別(例えば、大入賞口の開放回数が少ない、確変状態や時短状態に制御される変動回数が少ないなど)である場合に比べて、第2先読み演出パターンで先読み演出が実行される割合を高くするとともに、第2演出態様で作用演出が実行される割合を高くする。このようにすることで、第2先読み演出パターンで先読み演出が実行されたり、第2演出態様で作用演出が実行されたりしたときの有利度を高めることができる。
また、この実施の形態では、先読み演出が重ねて実行されることを許容しており、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することも許容されているが、同時に変化することを制限するようにしてもよい。例えば、新たな先読み演出の変化タイミングを決定したときに、先に決定された先読み演出の変化タイミングを示すデータを、入賞時判定結果記憶バッファを参照し、変化タイミングが同じであれば、新たな先読み演出の変化タイミングを再決定するようにしてもよい。このようにすることで、複数の保留表示の表示態様が同時に変化することで、1つ1つの演出に着目させることができる。
また、この実施の形態では、作用演出として、演出表示装置9において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。