JP6280075B2 - 前庭機能評価装置及び非ヒト動物における前庭機能の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、前庭機能評価装置及び非ヒト動物における前庭機能の評価方法に関する。
実験動物の前庭機能を定量的に評価する方法として、前庭誘発脳幹電位(VsEP:short latency vestibular evoked potentital)が知られている(非特許文献1)。VsEPでは、対象となった動物の頭蓋骨にスクリューを打ち込む手術を施したうえで、当該スクリューを介して動物の頭部に振動を加える装置を取り付ける。そしてこの装置により対象の動物の頭部に繰り返し振動を与えて、脳内の誘発電位を記録する。そしてこの記録された誘発電位に基づいて対象となった動物の前庭機能を評価する。
Jones, S.M., el. al., Vestibular responses to linear acceleration are absent in otoconia-deficient C57BL/6JEi-het mice, Hear Res, 1999, 135(1-2), 56-60
上記従来のVsEPによる前庭機能の評価方法は、全身麻酔下で前庭機能を評価できる利点はあるが、動物の頭部に振動を与え、また誘発電位を測定するために対象動物の頭部を手術を施さなくてはならない。
またVsEPでは、前庭のどの部分の機能を評価するかを明確に区別できず、さらに一側前庭障害の評価が困難であるといった問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、非侵襲的にヒト以外の動物における前庭機能を評価可能な前庭機能評価装置及びヒト以外の動物における前庭機能の評価方法を提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、前庭機能評価装置であって、動物の頭部に固定される固定器具と、前記固定器具に対し、その外部から動きを加えて、前記動物の頭位を変位させる頭位変位手段と、前記頭位変位手段により頭位を変位させている間の、前記動物の前庭誘発脳幹電位を測定する測定手段と、を有し、前記測定により得られた前庭誘発脳幹電位の記録が前庭機能評価処理に供されることとしたものである。
ここで前記頭位変位手段は、前記固定器具を、当該固定器具が固定された前記動物頭部を左右方向または上下方向の少なくとも一方に振動させるものとしてもよい。
また前記頭位変位手段は、前記固定器具を、当該固定器具が固定された前記動物頭部を、左右回転刺激、左前・右後半規管回転刺激、右前・左後半規管回転刺激のいずれかを与える方向へ回転させるものとしてもよい。
さらに前記測定手段は、前記頭位変位手段による前記動物の頭位変化の開始時から所定時間経過までの前記前庭誘発脳幹電位を繰り返し測定し、当該繰り返し測定して得られた前記動物の頭位変化の開始時から所定時間経過までの前記前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブの再現性を評価することとしてもよい。
また本発明の一態様は、非ヒト動物における前庭機能の評価方法であって、当該動物の頭部に固定器具を固定するステップと、前記固定器具に対し、その外部から動きを加えて、前記動物の頭位を変位させる頭位変位装置をセットするステップと、前記頭位変位装置を駆動して、当該頭位変位手段により頭位を変位させている間の、前記動物の前庭誘発脳幹電位を測定するステップと、を含むこととしたものである。
本発明によると、非侵襲的にヒト以外の動物における前庭機能を評価できる。
本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置の構成例を表す概略図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置の固定器具の例を表す概要図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置における変位動作の設定例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置にて得られる前庭誘発脳幹電位の記録例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置を用いた前庭機能の評価動作の例を表すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置の変位装置の一例及び固定器具の設置例を表す概略説明図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置による動物頭位の変位方向の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置による測定結果の例を表す説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置は、図1に例示するように、前庭機能評価の対象となる動物(以下対象動物という)を支持するステージ10と、対象動物の頭部に固定される固定器具11と、固定器具11の位置ないし姿勢を外部から変位させる変位装置12と、前庭誘発脳幹電位測定装置13と、情報処理装置14とを含んで構成されている。
固定器具11は、例えば小動物の頭部固定に用いる頭部固定装置であり、図2に例示するように、支持バー112と、支持バー112の一端112A側にその中央部113Cが固定されたC字状ないしカタカナのコの字状の挟持部113と、挟持部113の支持バー112に固定された辺側に配された鼻部固定部114と、挟持部113の両端部113L,113Rに配されたイヤーバー115L,115Rとを含んで構成される。
本実施の形態の一例では、この支持バー112は、プレート110に垂直方向に立てられた支柱111に対し、当該支柱111に垂直、プレート110に平行な方向に長手方向が向くように固定される。また支持バー112の一端112Aは、プレート110よりも外へ突出するように支持バー112及びプレート110のサイズ及び固定状態が定められる。
対象動物は、ステージ10に載せられた状態で、当該ステージ10の外に配したプレート110から伸びる支持バー112により支持されたイヤーバー115L,Rにその耳部が固定され、鼻部固定部114にその鼻部が固定される。なお、対象動物の種類により、この固定器具11の支持バー112の長さ(プレート110から突出した部分の長さ)や、挟持部113,鼻部固定部114,イヤーバー115を含んだ頭部保定部116の形状ないし構成は適宜変更されてもよい。各動物に対する頭部固定の方法については広く知られているので、ここでそれぞれの動物種類に応じた固定器具11の形状等については説明を省略する。
変位装置12は、固定器具11のプレート110に固定される。この変位装置12は、プレート110の位置を変位させることで、固定器具11全体の位置や姿勢(角度等)を変化させ、この固定器具11に固定された対象動物の頭部を変位させる。本実施の形態のこの変位装置12は、例えば直線状に往復変位可能なアクチュエータ120を含む。本実施の形態のある例では、このアクチュエータ120が固定器具11のプレート110に固定され、その往復動(振動)の方向が対象動物の頭部を左右または上下方向となるよう変位装置12及び固定器具11と、ステージ10との相対位置を調整しておく。また変位装置12を情報処理装置14に電気的に接続し、情報処理装置14から入力される指示に従って、変位装置12が固定器具11を変位させるよう設定する。
このような変位装置12については、例えば直線状に移動させるものとしては有限会社旭製作所の小型加振器S-0105等を用いればよく、回転移動させるものとしてはオリエンタルモーター株式会社の中空ロータリーアクチュエータ等、広く知られたものを用いることができる。それぞれの制御方法は広く知られているので、その制御方法等についてのここでの詳しい説明は省略する。
前庭誘発脳幹電位測定装置13は、非特許文献1に開示された前庭誘発脳幹電位VsEPを測定する装置と同様のものであり、設定された刺激信号で末梢前庭を刺激し、刺激してから所定時間に亘って誘発脳幹電位の値を出力する。この前庭誘発脳幹電位測定装置13としては一般的な誘発電位記録装置が利用でき、非特許文献1に開示されたJonesらの方法で設置、記録すればよいので、ここでの詳しい説明を省略する。
本実施の形態では、前庭誘発脳幹電位測定装置13は、情報処理装置14から刺激開始の指示の入力を受けて設定された刺激信号を出力する。
情報処理装置14は、CPU等のプログラム制御可能なプロセッサ、及び、メモリデバイスやディスクデバイス等の記憶部、並びに入出力手段としてのインタフェースを含んで構成されるコンピュータ等であり、本実施の形態では、変位装置12の変位動作の開始を検出するとともに、前庭誘発脳幹電位測定装置13が記録した情報を取得して、当該情報の処理(前庭誘発脳幹電位情報処理)を実行する。
具体的に、情報処理装置14は、利用者(前庭機能検査担当者)から変位装置12の変位制御に係る指示を受け入れて記憶する。この変位制御に係る指示は変位装置12に対する指示を含み、例えば変位装置12が加振器であれば、その振幅、周期(振動速度)、期間等を設定する。また、この変位制御に係る指示は、設定した時間間隔を空け、振幅を前回より所定割合ずつ減少させつつ繰り返し変位を指示するものであってもよい。具体的にこの指示は、図3に例示するように、振幅、周期、期間等を指定した振動を1セット(A)として、時間τをおいて1セットの振動をn回(nセット分)だけ繰り返して行わせる指示(B)と、このnセット分の振動の後、時間τをおいて(C)異なる振幅、周期、期間等を指定した、異なる態様の振動をまたnセット分行わせる指示(D)と…というように、プログラムとして記述されるものでよい。以下では説明のため、同じ態様の変位を繰り返し行わせるときの繰り返し単位の指示を「セット」、変位の態様が互いに異なる指示の組(上記例においてnセットずつの組)を「グループ」と呼ぶ。
情報処理装置14は、各セットにおいて変位装置12に対する指示を行うとともに、前庭誘発脳幹電位測定装置13に対して刺激開始の指示を出力する。そして情報処理装置14は、刺激開始の指示を出力した時間(t=0)から所定の時間Tまでの間(t=T)に亘って前庭誘発脳幹電位測定装置13から前庭誘発脳幹電位の情報を受け入れてセットごとに記憶する。
ここで入力される前庭誘発脳幹電位の情報は、図4に例示するように、固定器具11の変位開始を検出した時刻tをt=0として、その後の所定時点Δtごとの前庭誘発脳幹電位の値を測定したものである。以下、i回目のグループにおけるjセット目の変位における、時刻tでの前庭誘発脳幹電位の値をVi,j(t)として表す(i=1,2,…,N、j=1,2,…,n)。
情報処理装置14は、前庭誘発脳幹電位測定装置13から入力された前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブを表す情報Vi,j(t)をN×n回分受け入れて、当該受け入れた情報を記憶する。そして情報処理装置14は、グループごとに、当該グループにおける各セットに対応する情報Vi,j(t)で表される前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブの再現性を評価する。
一例として情報処理装置14は、V_Si(t)=Vi,1(t)+Vi,2(t)+…+Vi,n(t)として時刻tにおける前庭誘発脳幹電位の時刻tにおける累算値を演算し、累算的な前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブを表す情報V_Si(t)(i=1,2,…,N、t=0からt=T)を得る。情報処理装置14は、そして、当該得られた累算的な前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブを表す情報V_Si(t)のピークを検出し、情報V_Si(t)においてピークを検出した時刻の情報ti(i=1,2,…,N)を出力する。これにより、複数のカーブの同じ時点において共通して現れる(再現性のある)ピークを累算により強調して検出できる。なお、複数のピークが検出された場合は、当該ピークを検出した時刻の情報を列挙したリストを出力することとすればよい。
本発明の実施の形態に係る前庭機能評価装置は以上の構成を備えてなり、次のように動作する。なお、以下の例において、変位装置12には直線状に固定器具11を変位させるアクチュエータを備えたものを用いることとし、この変位装置12を、固定器具11を床面に水平、または垂直に変位可能な状態で固定器具11に固定する。また対象動物はマウスであり、床面に固定しておく。
さらに、情報処理装置14には、変位装置12の変位を制御する情報として、加速度が最大で20gであるような振動(便宜的に90dBとする)をnセット行い、その後、加速度を70dBまで5dBずつ減少させながらそれぞれnセットずつ振動させる設定をしておく。
この例では、本実施の形態の前庭機能評価装置は、図5にその動作フローを例示するように、対象となった動物であるマウス頭部に固定した固定器具11を、当初は90dB(最大加速度が20g)で振動させつつ(S1)、振動開始後10ミリ秒までの間の前庭誘発脳幹電位の測定結果を記録し(S2)、その後振動を停止する(S3)処理(セット)を、所定時間だけおいて、n回(nセット)繰り返す(S5:ループS)。
またnセット分の前庭誘発脳幹電位の測定結果が得られると、情報処理装置14が得られた測定結果から累算的な前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブを表す情報を演算し(S6)、当該演算の結果からピークを検出する(S7)。さらに本実施の形態の前庭機能評価装置は、最大加速度の設定を5dBだけ減少させ(S8)、所定の回数(N回)だけ、処理S1からの動作を繰り返す(S9:ループG)。
その後、N回の動作が終了すると、前庭機能評価装置の情報処理装置14が、各最大加速度の設定ごとに(加速度値(dB)ごとに)処理S7において得られたピークの検出結果を出力する(S10)。
対象の動物であるマウスは、その前庭機能の状態により、加振時の最大加速度がある閾値を超えるときには反応を示し、従って前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブにピークが現れることとなるが、ある閾値を下回ると、加振に対して反応を示さなくなる。そこで前庭機能評価装置は、ピークが検出できていない加速度値のうち、最も大きい値を出力する。あるいは、前庭機能評価装置は、ピークが検出できた加速度値のうち、最も小さい値を出力する。
これにより、対象の動物が反応をする振動の強度の閾値が検出できることとなり、対象の動物の前庭機能が定量的に評価可能となる。また変位装置12の固定器具11への固定態様により、固定器具11を動物の頭部に対して左右方向(動物を固定した床面に平行な方向、つまり水平方向)へ振動させ、あるいは固定器具11を動物の頭部に対して上下方向(動物を固定した床面に垂直な方向)へ振動させて、それぞれの場合について前庭機能を評価することで、卵形嚢と球形嚢との機能を個別に評価することが可能となる。
さらに変位装置12を中空ロータリーアクチュエータとする場合について説明する。中空ロータリーアクチュエータの概要の一例は図6に示すように、真円状の外側リング121と、外側リング121の内周を摺動する内側リング122とを含み、外側リング121に対して内側リング122が相対的に回転可能となっているものである。このような中空ロータリーアクチュエータを用いる場合、内側リング122に固定器具11のプレート110を固定し、内側リング122の回転中心(内側リング122の中心)において対象動物の頭部が固定されるよう、支持バー112の長さを調整する。
そして対象動物をステージ10ごと内側リング122の内側(中空部分)に配し、内側リング122の回転中心で対象動物の頭部を固定器具11に固定する(中空ロータリーアクチュエータとステージ10とはそれぞれテーブル等に固定してその位置関係を定める)。
このとき、変位装置12である中空ロータリーアクチュエータの内側リング122の回転軸は、図7(a)に例示するように対象動物の体軸(例えば前後軸)に対して回転中心が平行になるように設置してもよい(左右回転刺激を与える例に相当する)し、前後軸に平行な方向から、対象動物の背腹軸(上下軸)回りにその回転軸を回転させて、図7(b)に例示するように動物の左前側から右後ろ方向への回転を行わせてもよい(左前・右後半規管回転刺激を与える例に相当する)。さらに、背腹軸回りに回転軸を図7(b)の例とは逆方向に回転させ、図7(c)に例示するように動物の右前側から左後ろ方向への回転を行わせてもよい(右前・左後半規管回転刺激を与える例に相当する)。
本実施の形態においては、それぞれの場合に、前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブにピークが現れなくなる閾値を得ることにより、各部の機能を個別に評価可能となる。
[前庭誘発脳幹電位の変化を評価する方法の別の例]
以上の説明において、繰り返し測定して得られた対象動物の頭位変化の開始時から所定時間経過までの前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブの再現性を、情報処理装置14が評価する方法として、情報処理装置14は、繰り返し測定して得られた上記前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブを累算し、同程度の時点で繰り返し現れるピークを強調していた。しかしながら、再現性の評価方法はこれに限られず種々の統計的方法を採用できる。
[固定器具11の変位の検出例]
またここまでの説明では情報処理装置14が、変位装置12を制御していることから、変位装置12の制御開始時を、固定器具11の変位開始時点(対象動物への刺激開始時)として処理をすることとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば情報処理装置14は、固定器具11に固定される加速度センサ141を含んで、変位装置12が固定器具11の変位を開始したことを、この加速度センサ141の出力により検出してもよい。
この場合、加速度センサ141が加速度を検出していない状態(重力加速度以外の加速度を検出していない状態)から、変位装置12により固定器具11に与えられる加速度を検出した状態となった時点で、前庭誘発脳幹電位測定装置13に対する刺激開始の指示を行い、その後の前庭誘発脳幹電位の測定結果を記録することとしてもよい。
[対象動物の体位]
さらに本実施の形態では、対象動物の体位を異ならせて、例えば腹臥位のほか、右側臥位、左側臥位などの状態として測定を行ってもよい。
[測定の日ごと変化]
また本実施の形態の前庭機能評価装置を用いると、非侵襲で前庭機能を評価できるため、例えば加療中に日にち(毎日、または数日おきなど)をおいて前庭機能を評価し、前庭機能の変化を調べることが可能となる。
本発明の一実施例について説明する。ここでは対象動物をマウスとし、
固定器具11:ナリシゲ社製頭部固定装置SG−4N
変位装置12:有限会社旭製作所の小型加振器S-0105
とした。ナリシゲ社製頭部固定装置SG−4Nは接続治具を介して変位装置12に接続し、固定器具11ごと水平方向、直線状に往復動可能な状態とした。
対象動物のマウスをステージ10に腹臥位で載せ、ステージ10とステージ10外に配した変位装置12(及びそれに接続される固定器具11の接続治具)との位置を調整して、対象動物であるマウスの頭部を固定器具11の頭部固定装置SG−4Nのイヤーバー等で固定し、固定器具11と対象動物のマウス頭部とが共に移動するようにしておく。
前庭誘発脳幹電位測定装置13は、日本光電製ニューロパックMEB-2306を用い、1ミリ秒の矩形波刺激を与えるよう設定した。
情報処理装置14として、加速度センサ141(PCB社製加速時計352C65)を備えた情報処理装置14を用い、この加速度センサ141は、固定器具11上に配した。この加速度センサ141の出力は、シグナルコンディショナを用いて電圧信号に変換して出力させた。
また情報処理装置14に対して、変位装置12である加振器を最大加速度20g(便宜的に90dBとする)、80dB、70dB、60dB、50dBで100セットずつ振動させ、各セットの振動開始時に対象動物の前庭末梢にそれぞれ1ミリ秒の矩形波刺激を与え、矩形波刺激後10ミリ秒経過までの前庭誘発脳幹電位の測定結果を得て累算した。
さらに比較のため、従来と同様の方法で3ミリ秒のクリック音刺激によるABR(聴性脳幹反応)を測定する。このクリック音の強度も、変位装置12の振動の最大加速度に合わせて、90dB、80dB、70dB、60dB、50dBと変化させて記録した。
図8は、変位装置12による振動の最大加速度を90dB、80dB、70dB、60dB、50dBと変化させたときの前庭誘発脳幹電位の累算結果と、90dB、80dB、70dB、60dB、50dBと変化させた3ミリ秒のクリック音刺激によるABRの測定結果とを示したものである。
図8に示された例から、前庭誘発脳幹電位の測定結果はABRとは異なっており、振動の最大加速度に応じてピークの高さが減少しており、前庭由来のものと確認された。またここでの例では、振動の最大加速度が60dBである場合にはピークが認められるものの、振動の最大加速度が50dBであるときにはピークは消失している。従って、この対象動物の卵形嚢の反応の閾値は、振動の最大加速度が60dBから50dBの間にあると判断される。
なお、前庭誘発脳幹電位測定装置13による矩形波刺激は、1セットの振動を行わせるごとに波形を反転させるモードと、反転させないモードとのそれぞれに設定して測定を行ったが、上記の結果と異なる点は認められなかった。
10 ステージ、11 固定器具、12 変位装置、13 前庭誘発脳幹電位測定装置、14 情報処理装置、110 プレート、111 支柱、112 支持バー、113 挟持部、114 鼻部固定部、116 含んだ頭部保定部、120 アクチュエータ、121 外側リング、122 内側リング、141 加速度センサ。

Claims (5)

  1. 動物の頭部に固定される固定器具と、
    前記固定器具に対し、その外部から動きを加えて、前記動物の頭位を変位させる頭位変位手段と、
    前記頭位変位手段により頭位を変位させている間の、前記動物の前庭誘発脳幹電位を測定する測定手段と、
    を有し、
    前記測定により得られた前庭誘発脳幹電位の記録が前庭機能評価処理に供される前庭機能評価装置。
  2. 請求項1記載の前庭機能評価装置であって、
    前記頭位変位手段は、前記固定器具を、当該固定器具が固定された前記動物頭部を左右方向または上下方向の少なくとも一方に振動させる前庭機能評価装置。
  3. 請求項1または2記載の前庭機能評価装置であって、
    前記頭位変位手段は、前記固定器具を、当該固定器具が固定された前記動物頭部を、左右回転刺激、左前・右後半規管回転刺激、右前・左後半規管回転刺激のいずれかを与える方向へ回転させる前庭機能評価装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の前庭機能評価装置であって、
    前記測定手段は、前記頭位変位手段による前記動物の頭位変化の開始時から所定時間経過までの前記前庭誘発脳幹電位を繰り返し測定し、
    当該繰り返し測定して得られた前記動物の頭位変化の開始時から所定時間経過までの前記前庭誘発脳幹電位の時間変化のカーブの再現性を評価する前庭機能評価装置。
  5. 非ヒト動物における前庭機能の評価方法であって、
    当該動物の頭部に固定器具を固定するステップと、
    前記固定器具に対し、その外部から動きを加えて、前記動物の頭位を変位させる頭位変位装置をセットするステップと、
    前記頭位変位装置を駆動して、当該頭位変位手段により頭位を変位させている間の、前記動物の前庭誘発脳幹電位を測定するステップと、
    を含む前庭機能の評価方法。
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