以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、識別情報の変動表示を行なった後に表示結果を導出表示する変動表示手段における表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態に制御可能である遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。本実施の形態では、特別図柄の変動表示に関し、第1特別図柄による第1実行条件と、第2特別図柄による第2実行条件との両方が成立しているときには、第2特別図柄の変動表示の開始条件が、第1特別図柄の変動表示の開始条件よりも優先的に成立し、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(以下、単にRともいう)。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り決定時の大当り確率/ベースと大当り遊技終了後の大当り確率/ベースとの関係、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
この実施の形態では、確変状態に制御するときに時短状態にも制御される。時短状態とは、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される状態のことである。また、特別遊技状態としては、時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
なお、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちのいずれか1つの制御を実行することにより高ベース状態を実現させるものでもよい。また、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうち、いずれか2つの制御の任意の組合せ、または、いずれか3つの制御の任意の組合せにより高ベース状態を実現させるものでもよい。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
また、本実施の形態では、特別遊技状態として、時短状態および高ベース状態に制御される場合がある。このように、時短状態および高ベース状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンド(以下、15Rともいう)の大当りとしては、確変大当りが設けられている。また、2ラウンド(以下、2Rともいう)の大当りとしては、確変大当り(以下、突然確変大当り、突確大当りともいう)と、通常大当りとが設けられている。
15R確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、大当り決定時の大当り確率およびベースがどのような状態であったとしても、大当り遊技状態の終了後には、高確高ベース状態に移行する制御が行なわれる。そして、このような高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する。
2R確変大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確低ベース状態、および高確低ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態となり、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確高ベース状態、および高確高ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態となる。そして、このような高確低ベース状態、または高確高ベース状態が、次回の大当りが発生するまでの期間継続する。
なお、2R確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合に、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。また、「突然確変大当り」は、「突確」という略称で呼ばれる場合もある。突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に大入賞口への入賞が得られず賞球が得られない当りである。また、突確大当りの代わりに、実質的に賞球が得られる開放パターンで大入賞口が開放される2ラウンドの確変大当りを設けてもよい。
2R通常大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確低ベース状態、および高確低ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に低確低ベース状態となり、大当り決定時の大当り確率およびベースが低確高ベース状態、および高確高ベース状態のいずれかであった場合には、大当り遊技状態の終了後に低確高ベース状態となる。そして、低確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでの期間継続する。
なお、この実施の形態では、2ラウンドの大当り、および、15ラウンドの大当りのようにラウンド数が異なる複数種類の大当りを設ける場合、実際に大入賞口を開放制御する回数が2回、15回というように異なる例を説明する。しかし、これに限らず、これらラウンド数が異なる大当りについては、実際に大入賞口を開放制御する回数が15回で実質的に共通であるが、遊技者等により外部からの見た目において、長時間(たとえば29秒間)開放しているラウンド数を2回、15回となるように設定し、それ以外のラウンドを極めて短時間(たとえば0.5秒間)開放するように設定することにより、実質的に開放状態を確認できるラウンド数(実質的に入賞可能なラウンド数)を2ラウンド、15ラウンドとするものを用いてもよい。
なお、大当りの他に、2R確変大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、2R確変大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て2R確変大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート(図示せず)を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、2R通常大当り、2R確変大当り、および、15R確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当り、2R確変大当り、および、2R通常大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、「2R通常大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、「2R通常大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、「2R通常大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「15R確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「2R確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「2R通常大当り」に対応した判定値は、第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、15R確変大当り、2R確変大当り、2R通常大当りの遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301〜A303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。なお、大当り終了1〜3指定コマンドは、「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、「2R通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の制御期間が変動表示回数で設定されるときにおいて時短状態に制御される変動表示回数の残り回数(以下、時短残り回数という)がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶する指定コマンド)である。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(表示結果先読みコマンド)である。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、どのような変動パターンとなるかを示す演出制御コマンド(変動パターン先読みコマンド)である。これらの表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドは、始動入賞が発生した際に送信されるコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞発生時にランダム1〜ランダム3の乱数を抽出して保留記憶情報として格納するが、その際に併せてそれらの乱数を判定することによって、その保留情報に基づく変動の変動パターンや当り外れの結果を判定する。これを“先読み”と称する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、その先読み結果に基づいた示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドを演出制御基板80へ送信する。
図7は、変動パターンの種類を示す説明図である。変動パターンには、変動時間が5秒の非リーチはずれと、変動時間が20秒のノーマルリーチと、変動時間が40秒のロングリーチAと、変動時間が45秒のロングリーチBと、変動時間が70秒のスーパーリーチAと、変動時間が50秒のスーパーリーチBと、変動時間が15秒の2R確変大当りパターンAと、変動時間が10秒の2R確変大当りパターンBと、変動時間が15秒の2R通常大当りパターンAと、変動時間が10秒の2R通常大当りパターンBとが含まれる。ここで「リーチはずれ」とは、表示結果がリーチ図柄を形成するが、全図柄の表示結果の組合せとしてはずれ表示結果である表示結果またはそのような表示結果を導出する変動パターンをいう。
変動パターンは、たとえば、変動パターンは、「非リーチはずれ」、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」、「2R確変大当りパターン」、および、「2R通常大当りパターン」という複数の種別に分けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560のROMには、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)と選択する変動パターン種別との対応関係を示す変動パターン種別決定テーブルが記憶されている。
変動パターン種別決定テーブルとしては、表示結果がはずれとなるときに用いるテーブルと、表示結果が15R確変大当りとなるときに選択されるテーブルと、表示結果が2R確変大当りとなるときに選択されるテーブルと、表示結果が2R通常大当りとなるときに選択されるテーブルとが設けられている。
表示結果がはずれとなるときに用いるテーブル(はずれ時種別テーブル)では、前述した全種類の変動パターン種別が選択可能とされている。表示結果が15R確変大当りとなるときに選択されるテーブル(15R確変大当り時種別テーブル)では、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、および、「スーパーリーチ」の変動パターン種別が選択可能とされている。表示結果が2R確変大当りとなるときに選択されるテーブル(2R確変大当り時種別テーブル)では、「2R確変大当りパターン」の変動パターン種別のみが選択可能とされている。表示結果が2R通常大当りとなるときに選択されるテーブル(2R通常大当り時種別テーブル)では、「2R通常大当りパターン」の変動パターン種別のみが選択可能とされている。
各変動パターン種別決定テーブルでは、選択可能な変動パターン種別の各々に、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)が割振られている。15R確変大当り時種別テーブルでは、はずれ時種別テーブルと比べて、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、および、「スーパーリーチ」というようなリーチ状態となる変動パターン種別を選択する割合が高く設定されている。これにより、15R確変大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、リーチ状態となる割合が高くなる。また、15R確変大当り時種別テーブルでは、はずれ時種別テーブルと比べて、リーチ状態となる変動パターン種別について、「スーパーリーチ」の種別を選択する割合が高く、「ノーマルリーチ」の種別を選択する割合が低くなるように設定されている。これにより、15R確変大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、リーチのうち、スーパーリーチの状態となる割合が高くなり、「ノーマルリーチ」の状態となる割合が低くなる。
変動パターン種別のそれぞれには、1または複数の変動パターンが属している。遊技制御用マイクロコンピュータ560のROMには、各変動パターン種別ごとに、変動パターン決定用の乱数値(ランダム3)と選択する変動パターンとの対応関係を示す変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルとしては、ロングリーチとしてロングリーチA,Bのいずれかを選択するロングリーチ決定テーブルと、スーパーリーチA,Bのいずれかを選択するスーパーリーチ決定テーブルと、2R確変大当りパターンA,Bのいずれかを選択する2R確変大当りパターン決定テーブルと、2R通常大当りパターンA,Bのいずれかを選択する2R通常大当りパターン決定テーブルとを含む。2R確変大当りパターンA,Bおよび2R通常大当りパターンA,Bの変動パターンのそれぞれは、後述するように、リーチ状態となる場合と、リーチ状態とならない場合とが含まれる。2R確変大当りとなるリーチ演出は複数種類設けられており、2R通常大当りとなるリーチ演出も複数種類設けられている。
ロングリーチ決定テーブルおよびスーパーリーチ決定テーブルのそれぞれでは、表示結果が15R確変大当りとなるときと、はずれとなるときとで変動パターンの選択割合が異なるように設定されている。また、15R確変大当りパターン決定テーブルおよび15R通常大当りパターン決定テーブルのそれぞれでは、表示結果が15R確変大当りとなるときと、各大当りとなるときとはずれとなるときとで変動パターンの選択割合が異なるように設定されている。これにより、同じ種別に属する変動パターンでも、大当りとなるときとはずれとなるときとで実行される割合が異なる。
変動パターンを選択決定するときには、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定した後に、変動パターン決定用の乱数値(ランダム3)を用いて変動パターンが決定される。
なお、図7に示す変動パターンのうち、後述するようなビーム演出を伴う変動パターンは、ノーマルリーチと、ロングリーチAと、ロングリーチBとであるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560はビーム演出の処理に関わっておらず、演出制御用CPU101がビーム演出の処理を行なう。この点については後述する。
また、図7においては、2R通常大当りとなるときには2R通常大当りパターンA,Bのみが選択決定され、2R確変大当りとなるときには2R確変大当りパターンA,Bのみが選択決定される例を示した。しかし、これに限らず、2R通常大当りとなるとき、および、2R確変大当りとなるときには、たとえば、ノーマルリーチ、ロングリーチA,B、スーパーリーチA,Bのような他のリーチ変動パターンも予め定められた割合で選択されるように設定してもよい。このようにすれば、2R通常大当り、または、2R確変大当りとなるときにも、他のリーチ変動パターンが実行されるので、2R通常大当り、または、2R確変大当りとなるときの演出態様がバラエティに富むようになり、演出の面白みを向上させることができる。特に、所定の遊技状態で2R通常大当りとなるときに条件が成立したときに実行される後述するような時短再設定演出については、はずれを示唆するようなリーチ状態に基づいて演出が行なわれるので、ノーマルリーチ、ロングリーチA,B、スーパーリーチA,Bのような各種のリーチ変動パターンの演出を経て実行され得る方が演出上の面白みが向上する。
また、前述したような変動パターンの決定に用いるテーブル(変動パターン種別決定用のテーブルおよび変動パターン決定用のテーブル)には、通常状態(低ベース状態)時用のテーブルと、時短状態(高ベース状態)時用のテーブルとがある。変動パターンの決定は、遊技状態に応じてこれらテーブルを使い分けて行なわれる。たとえば、時短状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルは、通常状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルと比較して、たとえば、リーチとなる変動パターン(特に、スーパーリーチの変動パターン)のような比較的長い変動時間の変動パターンを選択する割合が低くなるようにデータが設定されている。このような割合で変動パターンが選択されるため、結果的に時短状態時には、通常状態時(非時短状態時)と比べて平均変動時間が短くなる。
なお、時短状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルは、通常状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルと比較して、各変動パターンの選択割合が同じであるが、各変動パターンの変動時間が通常状態時の場合と比べて短いものとしてもよい。たとえば、時短状態時には、変動時間が通常状態時より半分となった変動パターンの決定に用いるテーブルが選択されるようにすることで、結果的に時短状態時には平均変動時間が短くなるように制御することができる。
また、変動パターンの選択率は、変動表示を開始する際の保留記憶数に応じて変更されるように制御してもよい。たとえば、変動表示を開始する際の保留記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるときに用いる変動パターン決定用のテーブルAと、所定数未満であるときに用いる変動パターン決定用のテーブルBとを設ける。変動パターン決定用のテーブルAは、変動パターン決定用のテーブルBに比べて、変動時間が短い変動パターンが選択される率が高くなるように、各変動パターンと乱数ランダム3とを対応付ける。このようにすることによって、保留記憶数が所定数以上である場合には、変動時間が短い変動パターンが選択され易くなり、保留記憶の消化促進を図ることが可能となる。その結果、始動入賞したにも関わらず保留記憶されないような無効始動入賞が発生することを極力防止できる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROMに記憶されている変動パターン決定用のテーブルと変動パターン判定用に抽出された乱数値(ランダム3)とを用いて変動パターンを決定する。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図8に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶手段としての第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶手段としての第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S1214)。具体的に、S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。入賞時演出処理においては、S1214で記憶した各種乱数のデータに基づいて、予め大当りとなるか否か、大当り種別、変動パターン種別、および変動パターンを判定する処理を実行する。次に、CPU56は、検出した始動入賞時の大当り種別の判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する表示結果先読みコマンド送信処理を実行する(S1216)。さらに、CPU56は、検出した始動入賞時の変動パターンの判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する変動パターン先読みコマンド送信処理を実行する(S1217)。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S1218)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S1211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S1212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S1218で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S1225)。具体的に、S1225の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。
そして、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1226)。入賞時演出処理においては、S1225で記憶した各種乱数のデータに基づいて、予め大当りとなるか否か、大当り種別、変動パターン種別、および変動パターンを判定する処理を実行する。次に、CPU56は、検出した始動入賞時の表示結果(大当りか否かの判定および大当り種別の判定の判定結果)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する表示結果先読みコマンド送信処理を実行する(S1227)。さらに、CPU56は、検出した始動入賞時の変動パターンの判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する変動パターン先読みコマンド送信処理を実行する(S1228)。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S1229)処理を終了する。
図12は、S1215,S1226の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1215,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告を実行する。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行する例を説明するが、低ベース状態中は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とするようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確高ベース状態と高確低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、S1215,S1226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S223)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1215,S1226で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S226)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1215の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、または「2R通常大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1226の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「2R確変大当り」、または「2R通常大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S227)。たとえば、「15R確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「2R確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「2R通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「2R通常大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。
次に、CPU56は、S1214,S1225で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果、および、遊技状態に応じた変動パターンを判定する(S226)。たとえば、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターンを判定する。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動パターン先読みコマンドに設定する処理を行なう(S227)。なお、始動入賞時にS221で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S226で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターンを判定する。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始するための第2の開始条件は、第1特別図柄の変動表示を開始するための第1の開始条件よりも優先的に成立する。したがって、第1特別図柄および第2特別図柄の両方に対応する保留記憶データがあるときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先して変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S60)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1225で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「2R確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。大当り種別が「2R通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「15R確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S130)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S131)。これにより、図柄確定指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S132)、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、大当り発生時の大当り確率・ベース状態をRAM55に記憶する(S133)。そして、確変フラグおよび時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、大当り開始3指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)をセットする(S135)。
また、CPU56は、大当り発生時には制御状態を一旦通常状態に戻すために、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S137)、特別図柄プロセスフラグを大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
前述のS132により大当りフラグがセットされていないと判断された場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S139)。確変フラグがセットされているときには、後述するS146に進み、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。これにより、確変状態であるときには、はずれとなる変動表示が終了したときに、確変状態および時短状態が維持される。
一方、S139で確変フラグがセットされていないときには、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S140)。時短フラグがセットされていない場合には、S146に進む。これにより、確変状態でなく、かつ、時短状態でもない低確低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低確低ベース状態が維持される。一方、時短フラグがセットされている場合には、通常大当りの終了後の時短状態(低確高ベース状態)における特別図柄の変動表示可能回数(残り回数)を示す時短回数カウンタの値を−1する(S141)。次いで、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S142)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、時短回数の残数を演出表示装置9で表示することができる。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S143)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS146に進む。これにより、2R通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了するまで、低確高ベース状態による時短状態が維持される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットする(S144)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S145)、S146に進む。これにより、2R通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)実行されたときには、低確高ベース状態による時短状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。
図15は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S150)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S151)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S152)。
次に、前述した大当り種別データに基づいて、終了する大当りの種別が、15ラウンドまたは2ラウンドの確変大当りであるか否か確認する(S153)。S153においては、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当りの種別が確認される。終了する大当りの種別が15R確変大当りまたは2R確変大当りであるときは、確変フラグをセットする(S154)。これにより高確率状態に制御される。そして、大当り遊技状態終了後の遊技状態を特定するために、確変状態指定コマンドを送信する(S155)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態となっていることを認識する。終了する大当りの種別が15R確変大当りまたは2R確変大当りでないときは、確変フラグはセットせず、S156へ進む。
次に、前述した大当り種別データに基づいて、終了する大当りの種別が15R確変大当りであるか否か確認する(S156)。15R確変大当りであるときは、時短フラグをセットする(S157)。これにより時短状態に制御される。また、15R確変大当りでないときは、2R確変大当りまたは2R通常大当りである。そして、それら2R確変大当りまたは2R通常大当りの大当り発生時の遊技状態が、低確高ベースまたは高確高ベースであるか否か確認する(S162)。低確高ベース状態または高確高ベース状態でないならば、S163へ進む。低確高ベース状態または高確高ベース状態であるならば、時短フラグをセットする(S157)。これにより、2R確変大当りまたは2R通常大当りの発生時が低確高ベース状態または高確高ベース状態であるときには、時短状態(高ベース状態)に制御される。時短フラグをセットした後は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を特定するために、時短状態指定コマンドを送信する(S158)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、時短状態となっていることを認識する。
次に、2R通常大当りであるか否かを確認する(S159)。2R通常大当りでなければ、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S163)、処理を終了する。2R通常大当りであれば、時短回数カウンタの値を100回に更新する(S160)。そして、大当り遊技状態終了後の遊技状態を特定するために、時短回数指定コマンドを送信する(S161)。その後、S163で特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し、処理を終了する。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出し、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
この実施の形態では、始動入賞時受信コマンドバッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、入賞時判定結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数してコマンド等のコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。なお、入賞時判定結果指定コマンドには、大当り、はずれを示すデータが含まれている。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域に格納していく。コマンド受信が正常に行なわれれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、コマンドが格納されていく。格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の停止図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数(大当り予告決定用、大当り予告態様決定用、先読み予告演出パターン決定用、先読み予告決定用、ビーム演出決定用、スーパーリーチ演出決定用等の乱数値)等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
たとえば、15R確変大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。2R確変大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。2R確変大当りとなるときには、リーチ状態となった後にチャンス目が表示結果となる場合も含まれる。また、2R通常大当りとなるときには、低確高ベース状態において2R通常大当りとなるときを除き、チャンス目が表示結果として決定される。また、低確高ベース状態において2R通常大当りとなるときには、左,右図柄がリーチ図柄を形成し、中図柄が時短再設定図柄となるように表示結果が決定される。また、はずれとなるときには、ゾロ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果(非リーチはずれ)を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、ノーマルリーチに対応したリーチ演出が行なわれる。変動パターンコマンドにおいてロングリーチが指定されたときには、各ロングリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。なお、図7には、ノーマルリーチが1種類、ロングリーチが2種類、スーパーリーチが2種類示されている。しかしながら、ノーマルリーチを含めて、さらにリーチの種類を多く設けてもよい。
図17は、図16に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。図14に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、後述する先読み予告決定処理(S700)を実行する。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力等のように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があること、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、または、変動表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)と呼ばれる予告演出が含まれている。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象(予告対象)となる変動表示が実行されるより前に、演出態様に応じて変動表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。先読み予告演出との対比において、予告対象となる変動表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、変動表示中予告演出ともいう)と呼ばれる。
演出制御プロセス処理において、先読み予告決定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(演出図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100により、低確低ベース状態において、2R確変大当りおよび2R通常大当りのそれぞれが発生したときには、大当り遊技状態の終了後後において、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏制御が行なわれる。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100では、大当り遊技状態の終了時において、大当り終了2(2R確変大当りの終了時)指定コマンド、または大当り終了3(2R通常大当りの終了時)指定コマンドを受信したときは、S807において、大当り遊技状態の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なうための処理を実行する。低確低ベース状態において、2R確変大当りまたは2R通常大当りが発生したときは、共通に低ベース状態となるので、確変状態であるか否かを報知しなければ、遊技者は遊技状況から確変状態であるかを確認困難であるので、確変状態が潜伏しているような印象を受ける。このような潜伏制御は、次の大当りが発生するまで継続される。なお、潜伏制御の継続期間を所定期間(たとえば、変動表示100回等)に制限し、所定期間の経過後に確変状態であるか否かを報知するようにしてもよい。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、潜伏制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から潜伏制御の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU120が潜伏制御を実行するようにしてもよい。また、前述したような潜伏制御は、実行しなくてもよい。
次に、制御期間が変動表示100回に制限される低確高ベース状態での時短状態中において、2R確変大当りとなるときに行なわれる演出である時短再設定演出について説明する。図18は、時短再設定演出を説明する画面図である。図18(A)に示すように、演出表示装置9の画面上では、「左」,「中」,「右」の演出図柄表示エリア91,92,93において演出図柄の一斉変動が行なわれている。
2R通常大当り終了後における変動表示100回に亘る時短(高ベース)状態である場合には、演出表示装置9の表示画面の左上には「時短中」であることを示す時短中表示部65が形成される。さらに、表示画面の右上には「残99回」、つまり、時短状態となる変動表示回数の残り回数(以下、時短残り回数という)が99回であることを示す残回数表示部94が形成される。残回数表示部94で表示される時短残り回数は、1回の変動表示が終了したときに所定のタイミングで減算更新表示される。なお、残回数表示部94で表示される時短残り回数の減算更新表示は、1回の変動表示が終了したタイミングに限らず、1回の変動表示が開始する前、1回の変動表示が開始した直後、または、1回の変動表示の実行途中等のその他のタイミングで減算更新表示するようにしてもよい。また、表示画面の下部には、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dが形成される。
図18(B)では、図18(A)での変動停止後の停止図柄として、「左」の演出図柄表示エリア91に「3」を示す演出図柄が停止し、「中」の演出図柄表示エリア92に「9」を示す演出図柄が停止し、「右」の演出図柄表示エリア93に「4」を示す演出図柄が停止する。そして、残回数表示部94においては、1回の変動表示の終了に対応して、「残98回」、つまり、時短残り回数が98回であることを示す減算更新表示が行なわれる。このように演出図柄の数字が揃わない場合は、表示結果が「はずれ」であることを示している。さらに、図18(C)のように次の変動が開始されるときには、演出表示装置9の画面上で第2保留記憶表示部18dにおいて保留記憶表示が4つから3つに減少する表示が行なわれる。
図18(C)の状態から変動表示が繰返されると、たとえば、図18(D)で「残18回」の表示が残回数表示部94において行なわれるように、残回数表示部94において減算更新表示が繰返される。そして、低確高ベース状態において2R通常大当りとすることが決定された場合には、図18(E)に示すように、「左」の演出図柄表示エリア91と「右」の演出図柄表示エリア93とで同じ図柄が揃ったリーチ状態となってリーチ演出が実行される。これにより、遊技者に対して、これから起こる演出に対して期待感を持たせることができる。
リーチ状態となった後、図18(F)では、「中」の演出図柄表示エリア92に、数字図柄よりなる通常の演出図柄とは異なるシャッター図柄95(後述するように、共通の識別情報とも称される)が表示される。そして、図18(G)に示すように、シャッター図柄95が開いて、その中から時計を表す時短再設定図柄96(特殊図柄、特殊識別情報とも称される)が現れる。時短再設定図柄96は、通常の演出図柄およびシャッター図柄95とは異なる図柄である。
次いで、図18(H)に示すように、時短再設定図柄96から残回数表示部94へ向けてビーム66が発射される画像が表示される。すると、残回数表示部94に表示されていた時短残り回数が所定の変動表示態様で変動表示を開始し、その後、図18(I)に示すように、残回数表示部94の表示が「残100回」に更新されることにより、時短残り回数が再設定される演出が行なわれる。その後、図18(J)に示すように、再設定された時短残り回数の時短状態における変動表示が実行されていく。
このような図18に示す時短再設定演出では、特別遊技状態としての時短状態中に時短状態の制御期間を変更する変更条件が成立したこと(たとえば、新たに2R通常大当りとすることが決定されたこと)に基づいて、変動表示において、リーチ演出が実行された後、通常時に変動表示する演出図柄(識別情報)とは態様が異なる時短再設定図柄96(特殊識別情報)を表示したときに時短状態について設定された制御期間(変動表示100回)が再設定される。これにより、時短状態の制御期間の再設定について、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
図19は、シャッター図柄停止後に行なわれる各種演出を説明する画面図である。図19(A)に示すように、制御期間が変動表示100回に制限される低確高ベース状態での時短状態中において、演出図柄の変動表示が開始された後、図19(B)に示すようにリーチ状態となってリーチ演出が実行された後、図19(C)に示すように通常の演出図柄とは異なるシャッター図柄95が表示される。
図19(D)〜(F)には、前述の図18(G)〜(I)に示す内容と同様であり、シャッター図柄95が開き、中から時短再設定図柄96が現れ、その時短再設定図柄96により、時短回数が更新される演出が行なわれる例が示されている。このような演出とは別に、シャッター図柄95が表示された後に実行される他の種類の演出としては、図19(G)〜(H)のような保留記憶表示を変化させる先読み予告演出と、図19(I)〜(J)のようなバトル表示を行なうスーパーリーチ演出とが実行される場合がある。
先読み予告演出が行なわれる場合は、図19(G)に示すように、シャッター図柄95の中からキャラクタが表された保留変化図柄98が出現するような態様で、保留変化図柄98が表示される。そして図19(H)に示すように保留変化図柄98のキャラクタからビーム97が、たとえば第2保留記憶表示部18dに向けて発射される。すると、ビーム97が発射された保留記憶表示の態様が通常の円型の態様から星型で色も異なる特殊な態様へと変化する。この実施形態では、保留変化図柄98として、キャラクタの種類が異なる保留変化図柄98が、複数種類設けられており(後述する第1保留変化図柄、第2保留変化図柄)、選択されたものが表示される。
また、スーパーリーチ演出が行なわれる場合は、図19(I)に示すように、シャッター図柄95の中からバトルキャラクタが表された発展図柄99が出現するような態様で、発展図柄99が表示される。そして、図19(J)に示すようにスーパーリーチの演出として2種類のキャラクタが戦うバトル演出が行なわれる。このバトル演出においては、味方のキャラクタが勝利を収めると大当り、バトルに敗れるとはずれとなる。なお、スーパーリーチ演出時に「中」の演出図柄表示エリア92における中図柄の変動表示は継続されるが、この場合には、図柄変動を画面の右端下部などのバトル演出に支障を与えない位置で、演出図柄の変動表示が行なわれる。このようにすることで、スーパーリーチ演出として大当り期待度の高いバトル演出に遊技者を注目させることができる。また、発展図柄99としては、複数設けれたスーパーリーチ演出の種類に応じて複数設け、スーパーリーチ演出に応じて選択された発展図柄が表示されるようにしてもよい。
このように、シャッター図柄95は、通常の変動表示に用いられる数字よりなる演出図柄とは異なる図柄であり、当該図柄が一旦表示された後に、前述したような各種の演出を行なうとき表示される所定の図柄(時短再設定図柄96、保留変化図柄98、発展図柄99)に変更される。これにより、シャッター図柄95は、各種の演出を行なう前に一旦表示される共通の図柄であるため、共通図柄とも呼ばれる。なお、シャッター図柄95は、特殊図柄としての時短再設定図柄96が表示される前に表示される図柄であり、時短再設定演出に関連する図柄であるとも言えるので、シャッター図柄95と時短再設定図柄96との両方を含めて特殊図柄として扱ってもよい。
図19に示すように、変動表示において、演出図柄、時短再設定図柄96、保留変化図柄98、および、発展図柄99とは態様が異なる共通の図柄としてのシャッター図柄95が一旦表示された後、当該シャッター図柄95が、時短再設定図柄96、保留変化図柄98、または、発展図柄99に変更されるので、演出図柄の変更に起因する演出の変化に基づいて、時短状態の制御期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
なお、前述したようなノーマルリーチ、ロングリーチA,B、スーパーリーチA,Bのような各種のリーチ変動パターンの演出を経て時短再設定演出を行なうようにする場合には、次のような演出を行なえばよい。たとえば、スーパーリーチの演出を経て時短再設定演出を行なう場合には、図19(I),(J)に示すようなバトル演出を行なって、一旦味方のキャラクタがバトルに敗れた画像を表示して表示結果がはずれとなると見せかけ、その後、時短再設定図柄96(特殊図柄)を表示して時短状態の制御期間(変動表示100回)を再設定する演出を行なう時短再設定演出を実行するようにしてもよい。このような演出を実行すれば、一旦リーチはずれとなると思って低下した遊技者の期待感を、一転して盛り上げることができる。
図20は、先読み予告ではない単独予告をする大当り予告演出後に行なわれる時短再設定演出を説明する画面図である。図20(A)に示すように、制御期間が変動表示100回に制限される低確高ベース状態での時短状態中において、大当り予告(単独予告)が実行される演出図柄の変動表示が開始された後には、リーチ状態となる前のタイミングで、大当り予告(単独予告)の演出として、図20(B)に示すような、ルーレット90が表示画面の中央に現れる演出が行なわれる。ルーレット90は4分割されており、向かって右側には「はずれ」という文字が示された第1領域90aが、下側には「リーチ」という文字が示された第2領域90bが、左側には「激熱」という文字が示された第3領域90cが、上側には「?」という文字が示された第4領域90dが表示される。
そして、ルーレット90上では、第1領域90a〜第4領域90dのうち、どの表示が選択されているかを周りと異なる色で目立つようにした選択表示(たとえば、図20(B)で第3領域90cを覆う表示、図20(C)で第4領域の表示90cを覆う表示部分)が、右回りに回転した後、所定時間経過後に停止する演出が行なわれる。なお、大当り予告演出時に図柄の変動表示は継続されるが、この場合には、図柄変動を画面の右端下部などのルーレット90を用いた演出に支障を与えない位置で行なわれる。このようにすることで、ルーレット90を用いた演出に遊技者を注目させることができる。
その後、図20(C)では、ルーレット90の「?」が示された第4領域90dで選択表示が回転を止めて停止し、「?」の第4領域90dが選択された状態が示されている。そして、「?」の第4領域90dが選択されたことに対応して、図20(D)〜(G)に示すように、図18(F)〜(I)に示したものと同様の時短再設定演出が実行される。
第1領域90a〜第3領域90cでは、「はずれ」、「リーチ」、「激熱」というような予告する表示結果を示唆するような文字が示されているので、選択表示との関係で、表示結果を示唆する予告をすることができる。一方、第4領域90dは、他の領域と異なり、表示結果を示唆するような文字が示されていないが、選択表示により第4領域90dが選択されたときに、時短再設定演出が実行されることにより、ルーレット演出による大当り予告(単独予告)の演出の演出結果を特定可能な情報として時短再設定図柄96が表示される演出が行なわれることとなる。
リーチ状態となる前に実行されるルーレット演出による大当り予告(単独予告)の演出の演出結果を特定可能な情報として時短再設定図柄96が表示されるので、大当り予告の演出と時短再設定図柄96との関連性に基づいて、時短状態の期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
図21は、大当り予告決定テーブルと大当り予告態様決定テーブルとを示す説明図である。大当り予告決定テーブルおよび大当り予告態様決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
図21(A)は、図20で行なわれるルーレット90を用いた大当り予告(単独予告)の演出を実行するか否かを決定するために用いられる大当り予告決定テーブル130Aである。大当り予告決定テーブル130Aでは、大当り予告決定用の乱数値に基づいて大当り予告の演出を実行するか否かを決定するために、大当り予告有りと、大当り予告無しとのそれぞれに決定用の乱数値が割振られている。
大当り予告決定テーブル130Aでは、大当りとすることが決定されているときには、60%の割合で大当り予告有りと決定され、40%の割合で大当り予告無しと決定されるように、大当り予告決定用の乱数値が割振られている。また、はずれとすることが決定されているときには、10%の割合で大当り予告有りと決定され、90%の割合で大当り予告無しと決定されるように、大当り予告決定用の乱数値が割振られている。これにより、大当りとなるときにははずれとなるときと比べて大当り予告(単独予告)の演出を実行する割合が高いので、大当り予告の演出が実行されたときに、大当り予告が実行されたときの変動表示の表示結果に基づいて大当りが発生することに対する遊技者の期待感を盛上げることができる。
図21(B)は、大当り予告有りと決定された場合に、大当り予告の態様を決定するために用いる大当り予告態様決定テーブル130Bである。大当り予告態様決定テーブル130Bでは、大当り予告態様決定用の乱数値に基づいて大当り予告態様を選択決定するために、遊技状態に応じて、複数種類の大当り予告態様(第1〜4大当り予告態様)のそれぞれに決定用の乱数値が割振られている。
大当り予告態様決定テーブル130Bでは、表示結果が15R確変大当りとなるときに対して大当り予告有りと決定された場合には、第2領域90b(「リーチ」文字表示領域)で選択表示が停止する第2大当り予告態様が20%の割合で決定され、第3領域90c(「激熱」文字表示領域)で選択表示が停止する第3大当り予告態様が50%の割合で決定され、第4領域90d(「?」記号表示領域)で選択表示が停止する第4大当り予告態様が30%の割合で決定されるように、大当り予告態様決定用の乱数値が割振られている。また、表示結果が2R通常大当りとなるときに対して大当り有りと決定された場合には、第4大当り予告態様が100%の割合で決定されるように、大当り予告態様決定用の乱数値が割振られている。また、表示結果が2R確変大当りとなるときに対して大当り有りと決定された場合には、第4大当り予告態様が100%の割合で決定されるように、大当り予告態様決定用の乱数値が割振られている。
また、表示結果がリーチはずれとなるときに対して大当り予告有りと決定された場合には、第1領域90a(「はずれ」文字表示領域)で選択表示が停止する第1大当り予告態様が40%の割合で決定され、第2大当り予告態様が20%の割合で決定され、第3大当り予告態様が10%の割合で決定され、第4大当り予告態様が30%の割合で決定されるように、大当り予告態様決定用の乱数値が割振られている。また、表示結果が非リーチはずれとなるときに対して大当り予告有りと決定された場合には、第1大当り予告態様が60%の割合で決定され、第3大当り予告態様が10%の割合で決定され、第4大当り予告態様が30%の割合で決定されるように、大当り予告態様決定用の乱数値が割振られている。
このような大当り予告態様決定テーブル130Bの設定により、ルーレット演出において、選択表示が第3領域90cで停止したときは、15R確変大当りとなる期待度が高い。また、ルーレット演出において、選択表示が第2領域90bで停止したときは、リーチ状態となる期待度が高い。また、ルーレット演出において、選択表示が第1領域90aで停止したときは、はずれとなるおそれが高い。また、ルーレット演出において、選択表示が第4領域90dで停止したときは、2R通常大当りとなる期待度が高い。したがって、大当り予告と、また、図20を用いて説明したように、リーチ状態となる前に実行されるルーレット演出による大当り予告(単独予告)の演出の演出結果を特定可能な情報として時短再設定図柄96が表示されるので、大当り予告の演出と時短再設定図柄96との関連性に基づいて、時短状態の期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
なお、2R通常大当りに対して大当り予告有りと決定された場合、および、2R確変大当りに対して大当り予告有りと決定された場合については、リーチ状態に発展してから時短再設定図柄96を表示し、2R通常大当りまたは2R確変大当りとなるので、図20のルーレット演出において、「リーチ」または「激熱」を選択して予告しても演出上の違和感はないと考えられるので、図21(B)の大当り予告態様決定テーブルにおいて「リーチ」、「激熱」を選択可能とし、これらを図20のルーレット演出において選択して予告する演出を実行可能としてもよい。
図22は、先読み予告決定テーブルとビーム演出決定テーブルとを示す説明図である。先読み予告決定テーブルおよびビーム演出決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。先読み予告決定テーブル140Aは、新たに生じた保留記憶の情報を先読み予告対象にするか否かを決定する場合に用いられる。先読み予告決定テーブル140Aでは、先読み予告決定用の乱数値に基づいて先読み予告の演出を実行するか否かを決定するために、先読み予告有りと、先読み予告無しとのそれぞれに決定用の乱数値が割振られている。本実施の形態では、大当り時には先読み予告有りとなる確率が50%、先読み予告無しとなる確率が50%となるように、先読み予告決定用の乱数値が割振られている。また、はずれ時には先読み予告有りとなる確率が3%、先読み予告無しとなる確率が97%となるように、先読み予告決定用の乱数値が割振られている。このため、はずれとなる保留記憶の情報よりも大当りとなる保留記憶の情報の方が高い割合で先読み予告対象に決定される。
ビーム演出決定テーブル140Bは、図19(H)に示すようなビーム演出の種類を決定する場合に用いられる。ビーム演出決定テーブル140Bでは、ビーム演出決定用の乱数値に基づいてビーム演出の態様を選択決定するために、遊技状態に応じて、複数種類のビーム演出の態様のそれぞれに決定用の乱数値が割振られている。
ビーム演出決定テーブル140Bでは、大当りとなる保留記憶に対して先読み予告有りと決定された場合には、第1保留変化図柄、ビームa、保留αとなる確率が70%、第2保留変化図柄、ビームb、保留βとなる確率が30%となるように、ビーム演出決定用の乱数値が割振られている。一方、はずれとなる保留記憶に対して先読み予告有りと決定された場合には、第1保留変化図柄、ビームa、保留αとなる確率が10%、第2保留変化図柄、ビームb、保留βとなる確率が90%となるように、ビーム演出決定用の乱数値が割振られている。つまり、第1保留変化図柄、ビームa、保留αの演出は、第2保留変化図柄、ビームb、保留βの演出よりも大当りの信頼度が高い演出ということになる。
なお、保留変化図柄とビーム演出との組合せで保留αと保留βとのいずれになるのかの割合を異ならせるようにしてもよい。また、シャッター図柄95から出現する保留変化図柄の組合せも変更することで保留αと保留βとのいずれになるのかの割合を異ならせるようにしてもよい。このように、保留変化図柄とビーム演出と保留記憶表示との関係は適宜変更が可能で、どのような組合せにしてもよい。ここで、第1保留変化図柄と第2保留変化図柄とでは、図柄に示されたキャラクタが異なる、ビームaとビームbとではビームの種類が異なる、保留αと保留βでは保留記憶表示の形態が異なるなどの違いがある。
また、変動表示100回に亘る時短(高ベース)状態中であるときに、2R確変大当りとなる保留記憶情報が記憶されたことに基づいて、その保留記憶情報に対応する保留記憶表示の画像に向けて所定位置からビームが発射され、その保留記憶表示の態様が通常の円型の態様から特定の表示態様(たとえば、時短再設定演出で表示される時計の画像を示唆するような表示態様)へと変化させることで、時短再設定演出が実行されることを先読み予告するビーム演出を実行するようにしてもよい。
図23は、先読み予告の演出パターンを示す説明図である。リーチの種類に応じてどのような演出パターンによる演出が行なわれているのかを図23により説明する。
リーチの種類がノーマルリーチである場合には、演出パターン1による演出が行なわれる。演出パターン1では、最終停止する中図柄として第1保留変化図柄または第2保留変化図柄が選択される。第1保留変化図柄が選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、第2保留変化図柄が選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
リーチの種類がロングリーチAである場合には、演出パターン2による演出が行なわれる。演出パターン2では、図柄が変動する背景画像がリーチ成立を境にして通常背景から大当りに対して期待の持てる特殊背景に切替わる。そして、その特殊背景に切替わっている期間において、中図柄として保留変化図柄が停止する。中図柄として、第1保留変化図柄が選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、中図柄として、第2保留変化図柄が選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
リーチの種類がロングリーチBである場合には、演出パターン3による演出が行なわれる。演出パターン3では、図柄が変動する背景画像がリーチ状態の成立を境にして通常背景から大当りに対して期待の持てる特殊背景に切替わる。さらに、その特殊背景に切替わっている期間において、中図柄としてはずれ図柄が一旦停止し、背景画像が通常背景に切替わる。その後に、中図柄が再変動をしてシャッター図柄95が停止する。なお、ここで言う一旦停止とは図柄の動きが完全に停止するものであってもよく、あるいは、図柄の動きが完全に停止せずに上下に図柄が揺れる動きをしているものであってもよい。
また、中図柄は再変動ではなく、一旦停止したはずれ図柄がシャッター図柄に差替わるようにしてもよい。さらに、はずれ図柄をキャラクタが壊すなどのその他の演出によって図柄がシャッター図柄に変更するようにしてもよい。
演出パターン3において最終停止する中図柄として、第1保留変化図柄が選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、第2保留変化図柄が選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
図示のように、非リーチはずれ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、2R確変大当りパターンA、2R確変大当りパターンB、2R通常大当りパターンA、2R通常大当りパターンBについては、先読み予告の演出パターンが対応していない。つまり、これらの場合には、先読み予告演出は実行されない。なお、非リーチはずれ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、2R確変大当りパターンA、2R確変大当りパターンB、2R通常大当りパターンA、および、2R通常大当りパターンBのそれぞれについても、変動パターンごとに予め定められた割合で先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図23には、演出パターン1〜3と(保留変化図柄、ビーム、保留の種類)との組合せについての先読み予告の信頼度の高さが6段階で示されている。図示のように、先読み予告の信頼度の高さを高いものから順に1〜6の6段階で分類した場合、高いものから順に、「演出パターン3かつ(第1保留変化図柄、ビームa,保留α)」、「演出パターン2かつ(第1保留変化図柄、ビームa,保留α)」、「演出パターン3かつ(第2保留変化図柄、ビームb,保留β)」、「演出パターン2かつ(第2保留変化図柄、ビームb,保留β)」、「演出パターン1かつ(第1保留変化図柄、ビームa,保留α)」、「演出パターン1かつ(第2保留変化図柄、ビームb,保留β)」となる。
選択されて表示された保留変化図柄の種類に応じて、保留変化図柄98の表示態様が、複数種類の表示態様のうちのいずれかの表示態様に変更されるので、保留変化図柄98の種類と保留記憶の表示態様との関連性に基づいて、時短状態(特別遊技状態)の期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
なお、図23に示した先読み予告の演出パターン例では、保留変化図柄とビームと保留との関係が「第1保留変化図柄とビームaと保留α」、「第2保留変化図柄とビームbと保留β」として定まっているが、保留変化図柄とビームと保留との別の組合せを設けてもよい。また、保留変化図柄とビームと保留との各々の種類をそれぞれ別個に抽選で決定するようにしてもよい。
図24は、スーパーリーチ決定テーブルを示す説明図である。スーパーリーチ決定テーブル150Bでは、スーパーリーチ決定用の乱数値に基づいてスーパーリーチの演出態様を選択決定するために、スーパーリーチの種類および遊技状態に応じて、複数種類のスーパーリーチの演出態様のそれぞれにスーパーリーチ演出態様決定用の乱数値が割振られている。スーパーリーチ決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
スーパーリーチAの場合には、当初はノーマルリーチと同じリーチパターンで図柄が変動し、ノーマルリーチの変動パターンにおいて中図柄が停止するタイミングでシャッター図柄95が一旦停止する。このため、この一旦停止の段階までは、遊技者はスーパーリーチであるかノーマルリーチであるかを変動パターンからは区別できない。シャッター図柄が一旦停止した後、シャッター図柄95に示すシャッターが開く。開いたシャッター図柄95の中から、バトルキャラクタが登場する(発展図柄)。そして、キャラクタ同士のバトル演出が繰り広げられる。その後、味方のバトルキャラクタが勝利を収めると大当り、バトルに敗れるとはずれとなる。このようにキャラクタ同士のバトルの結果で表示結果を遊技者に提示する演出を「バトル演出」と称する。一方、スーパーリーチBの場合も同様にバトル演出が行なわれるが、演出が行なわれる時間は、スーパーリーチAに比べて短い。
スーパーリーチAの場合、中図柄に第1発展図柄が表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタaであり、中図柄に第2発展図柄が表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタbである。同様に、スーパーリーチBの場合、中図柄に第1発展図柄が表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタaであり、中図柄に第2発展図柄が表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタbである。上記のとおり、スーパーリーチの大当り信頼度は他のいずれのリーチよりも高いが、スーパーリーチの中でも発展図柄に表示されるバトルキャラクタによって大当り信頼度の高さが異なっている。
図24の「スーパーリーチの大当り信頼度の高さ」では大当り信頼度の高さの順位を示している。最も大当り信頼度の高い組合せは、スーパーリーチAかつ第1発展図柄としてバトルキャラクタaが登場する場合である。2番目に大当り信頼度の高い組合せは、スーパーリーチAかつ第2発展図柄としてバトルキャラクタbが登場する場合である。3番目に大当り信頼度の高い組合せは、スーパーリーチBかつ第1発展図柄としてバトルキャラクタaが登場する場合である。最も大当り信頼度の低い組合せは、スーパーリーチBかつ第2発展図柄としてバトルキャラクタbが登場する場合である。
本実施の形態では、前述したようなスーパーリーチの大当り信頼度の高さの関係が設定されるように、スーパーリーチ演出態様決定用の乱数値が割振られている。
図25は、図17のS700で実行される先読み予告決定処理を示すフローチャートである。
先読み予告決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、新たに、第1,第2始動入賞指定コマンド、表示結果先読みコマンド、および変動パターン先読みコマンドを受信しているか否かを判定する(S720)。始動入賞が発生して新たな保留記憶がなされた場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560からこれらのコマンドが送信されて、演出制御基板80側で受信コマンドが格納される。これらのコマンドを受信していなければ(S720のN)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
S720でそれらの受信コマンドがあると判定された場合には(S720のY)、新たに生じた保留記憶情報を通常表示態様(通常態様)で、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dに表示する(S721)。また、このとき、その保留記憶情報が大当りであるか否か、およびその保留記憶情報に対する変動パターンを受信コマンドで特定して保留記憶情報別に記憶する。この大当り/はずれの記憶および変動パターンの記憶は、後述するS726〜S728の判定に用いられる。
次に、新たに生じた保留記憶以前の保留記憶情報を参照し、その中に先読み予告対象の予定のある保留記憶情報があるか否かを判定する(S722)。ここで、先読み予告対象の予定のある保留記憶情報が有と判定されるのは、今回、新たに生じた保留記憶情報よりも前の保留記憶情報について、後述するS723bで先読み予告対象にすることが決定されている場合である。たとえば、演出図柄の変動表示中に始動入賞が発生して1つ目の保留記憶情報が発生したときに、その保留記憶情報を先読み予告対象とすることが決定され、その先読み予告対象とされた保留記憶情報の消化前にさらに始動入賞が発生して2つ目の保留記憶情報が発生すると、S722では既に先読み予告の予定ありと判定される。このように、先読み予告対象の予定のある保留記憶情報がある場合には(S722のY)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
S722で先読み予告対象の予定のある保留記憶情報がないと判定された場合には(S722のN)、先読み予告決定テーブルに基づいて、新たに生じた保留記憶情報を先読み予告対象にするか否かを決定する(S723a)。先読み予告決定テーブルは、演出制御基板80のROM102に記憶されている。先読み予告決定テーブルは、新たに生じた保留記憶が大当りである方がはずれである場合よりも高い割合で先読み予告有に決定されるように構成されている。
新たに生じた保留記憶情報を先読み予告対象にしないと決定したとき(S723bのN)には、そのまま先読み予告決定処理を終了する。新たに生じた保留記憶情報を先読み予告対象にすると決定したときには(S723bのY)、新たに生じた保留記憶情報を先読み予告対象として記憶する(S724)。具体的には、新たに生じた保留記憶情報に対応する所定の先読み予告フラグを設定する。この先読み予告フラグは先読み予告を実行することでクリアする。
次に、演出制御用CPU101は、新たに生じた保留記憶情報以外の保留記憶がないかどうかを判定する(S725)。新たに生じた保留記憶以外の保留記憶情報がなしでない、つまり、他の保留記憶情報があれば(S722のN)、第2保留記憶情報、第1保留記憶情報の順に古いデータから順番に、はずれとなるノーマルリーチまたはロングリーチの変動表示となる保留記憶情報があるか否かを判定する(S726)。なお、S726において、保留記憶情報のデータの中にスーパーリーチを示す変動表示があれば、その変動表示では先読み予告は実行されない。次いで、S727においてノーマルリーチまたはロングリーチのリーチ変動表示となる保留記憶情報があるか否かを判定する(S727)。ノーマルリーチまたはロングリーチのリーチ変動表示となる保留記憶情報があれば、その保留記憶情報が、ノーマルリーチの変動表示となるものであるか否かを判定する(S728)。保留記憶情報がノーマルリーチの変動表示となるものである場合には(S728のY)、ノーマルリーチの変動表示となる保留記憶情報の変動表示の回において、演出パターン1で、今回、新たに発生した保留記憶情報に対応する保留記憶表示を通常表示態様から予告表示態様へと変化させることに決定する(S729)。このとき演出パターン1決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶される。
S727でノーマルリーチまたはロングリーチのリーチ変動表示となると判定された保留記憶情報に基づく変動表示がノーマルリーチの変動表示でない場合(S728)、すなわち、ロングリーチの変動表示である場合にも、当該保留記憶情報の変動表示の回において、今回、新たに発生した保留記憶情報に対応する保留記憶表示を通常表示態様から予告表示態様へと変化させることに決定する(S730)。ただし、保留記憶表示を変化させる演出パターンについては、ロングリーチの種類がロングリーチAであれば演出パターン2とし、ロングリーチの種類がロングリーチBであれば演出パターン3とすることを決定する。このとき、演出パターン2に決定されたときには演出パターン2決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶され、演出パターン3に決定されたときには演出パターン2決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶される。
このように、本実施の形態では、新たに保留記憶情報が発生し、かつ、その保留記憶情報を先読み予告対象とすることが決定された場合には、その保留記憶情報以前に消化される保留記憶情報に基づいた変動表示の回で、その新たに発生した保留記憶情報を示す保留記憶表示の態様を通常表示態様から予告表示態様に変化させる。そのように保留記憶表示の態様を変化させる先読み予告演出を伴う変動表示の回は、特に、変動パターンがノーマルリーチまたはロングリーチである変動表示の回に定められており、スーパーリーチの変動表示の回ではそのような先読み予告演出は行なわれない。一般に、スーパーリーチは、その他のリーチパターンに比べて大当りに対する期待度が高く、それに対応して大当りに対する遊技者の期待感を高めるための特殊なリーチ変動を伴う場合が多い。そのような大当りに対する期待度を高めるためのスーパーリーチにおいて、仮に、上記のような先読み予告演出を行なうと、大当りに対する遊技者の期待感を高めるためのリーチ演出に支障をきたすおそれがある。このため、本実施の形態では、スーパーリーチの変動表示の回では先読み予告演出が実行されない。
新たに生じた保留記憶情報以外の保留記憶情報がないと判定した場合(S725のY)、またはノーマルリーチまたはロングリーチのリーチ変動となる保留記憶情報がないと判定した場合(S727のN)には、現在、演出図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S734)。現在変動表示中でない場合には、先読み予告対象の保留記憶表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。この場合の保留記憶表示の変化は次のような態様である。まず、新たに保留記憶情報が生じると、その保留記憶情報に対応する保留記憶表示として通常表示態様が選択されて、保留記憶表示が、一旦通常表示態様とされる。そして、先読み予告対象の保留記憶表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定されることによって、保留記憶表示が通常表示態様から先読み予告態様に変化する。実際の表示としては、通常態様として表示されている時間が短いために、遊技者の目からすると、保留記憶表示がされた初めの段階から先読み予告態様で表示されているように感じる。ただし、遊技者の目にもはっきりと通常態様から先読み予告態様に変化しているように見せるために、S738の決定が所定の待ち時間(通常態様を認識させるための時間)をおいてから行なわれるようにしてもよい。
一方、S734において、現在変動表示中であると判定された場合には、現在の変動表示がはずれとなるノーマルリーチの変動パターン、またははずれとなるロングリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S735)。現在の変動表示がそれらの変動パターンのいずれでもない場合には(S738のN)、先読み予告対象の保留記憶表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。
現在の変動表示がはずれのノーマルリーチまたはロングリーチのいずれかである場合には(S735のY)、現在の変動表示における残りの変動時間でビーム演出が可能か否か(残りの変動時間でビーム演出に必要な時間を確保できるか否か)を判定する(S736)。残りの変動時間でビーム演出が不可能な場合には(S736のN)、先読み予告対象の保留記憶表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。
残りの変動時間でビーム演出が可能な場合には(S736のY)、リーチの種類に応じて演出パターン1〜3で保留記憶表示を変化させることに決定する(S737)。リーチの種類と演出パターンとの関係はS729、S730と同じである。すなわち、リーチの種類がノーマルリーチであれば演出パターン1が選択され、リーチの種類がロングリーチAであれば演出パターン2が選択され、リーチの種類がロングリーチBであれば演出パターン3が選択される。このとき、決定された演出パターンに応じて、演出パターン1決定フラグ、演出パターン2決定フラグ、または演出パターン3決定フラグが保留記憶に対応づけて設定される。
なお、ロングリーチの種類を遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定しているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では、ロングリーチにするか否かの決定のみを行ない、その種類は演出制御用CPU101が決定するようにしてもよい。このような場合には、演出制御用CPU101側でロングリーチに対応する複数種類の演出パターンと、各演出パターンに対応する先読み予告演出のパターンとを記憶しておき、演出制御用CPU101がその複数種類の演出パターンの中から実行する演出パターンを選択するようにしてもよい。このようにした場合には、演出制御用CPU101がロングリーチの種類およびロングリーチ実行時に保留記憶表示を先読み予告態様へ変化させるときの演出パターンを決定することになる。
S729、S730、S737で演出パターンを決定すると、図22のビーム演出決定テーブルに基づいて、ビーム演出の種類を決定する(S731)。このとき、決定したビーム演出の種類を特定するためのビーム演出決定フラグ1またはビーム演出決定フラグ2が保留記憶に対応づけて記憶される。ビーム演出決定テーブルは、演出制御基板80のROM102に記憶されている。
その後、先読み予告決定処理を終了する。S738で先読み予告対象の保留記憶表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定した場合もその後、先読み予告決定処理を終了する。
なお、S735のNo、S736のNoで、ビーム演出を行なう時間がないと判断したときには、シャッター図柄75を停止させて先読み予告演出を行なう処理自体をキャンセルするようにしてもよい。また、先読み予告決定処理では、先読み予告できる保留記憶が存在するか否か、あるいは、現在の変動表示の残り時間で先読み予告できる余裕があるか否かが先に判定された上で、先読み予告演出のための処理が実行される。しかしながら、このような処理に代えて、先に、先読み予告演出の処理内容を決定した後、先読み予告できる保留記憶が存在するか否か、あるいは、現在の変動表示の残り時間で先読み予告できる余裕があるか否かを判定し、先読み予告できる保留記憶が存在しない場合、あるいは、現在の変動表示の残り時間で先読み予告できる余裕がない場合には、決定した先読み予告演出を行なわない(処理のキャンセル)ようにしてもよい。
図26は、図17のS801で実行される演出図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り予告設定処理を実行する(S820)。ここで、大当り予告設定処理について、図27の大当り予告処理を示すフローチャートで詳細に説明する。
図27に示すように、大当り予告設定処理では、まず大当り予告実行判定処理を実行する(S841)。S841では、大当り予告実行決定用の乱数値を抽出するとともに、演出制御用コマンドにより特定された表示結果(大当り決定時であるか、はずれ決定時であるか)を確認し、図21(A)に示す大当り予告決定テーブルに基づいて、大当り予告を行なうか否かを決定する。次いで、大当り予告を実行するか否かを判定する(S842)。大当り予告が実行されない場合には、大当り予告処理を終了する。大当り予告が実行される場合には、大当り予告を行なう際の予告態様を決定する(S843)。S843では、大当り予告態様決定用の乱数値を抽出するとともに、演出制御用コマンドにより特定された遊技状態(15R確変大当り、2R確変大当り、2R通常大当り、リーチはずれ、非リーチはずれのいずれに該当するか)を確認し、図21(B)の大当り予告態様決定テーブルに基づいて、大当り予告態様を決定する。そして大当り予告処理を終了する。
次いで、S821では、低確高ベース中における2R通常大当りの変動表示であるか否かを判定する(S821)。低確高ベース中における2R通常大当りの変動表示である場合には、図18等に示すようなシャッター図柄95表示前のリーチ状態を形成するためのリーチの停止図柄(リーチを成立させるための右図柄と左図柄)を決定する(S828)。その後、時短回数再設定演出の演出パターンで変動表示を実行することに決定する(S829)。時短回数再設定演出の演出パターンには、シャッター図柄95を表示する演出、および、時短再設定図柄96を表示して残回数表示部94を再設定する演出等が含まれている。これにより、低確高ベース中に2R通常大当りの変動表示が実行されるときには、図18等に示す時短再設定演出が実行されることとなる。次に、S830の処理へ移行する。
なお、この実施の形態では、低確高ベース状態中における2R通常大当りの変動表示である場合に、S828,S829を実行することにより時短回数再設定演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、高確高ベース状態中における2R通常大当りの変動表示である場合にも、S828,S829を実行することにより時短回数再設定演出を実行するようにしてもよい。また、低確高ベース状態中または高確高ベース状態中において2R確変大当りとなった後に、変動表示が100回に亘り高ベース状態に制御される例において、このような高ベース状態中における2R確変大当りの変動表示である場合に、S828,S829を実行することにより時短回数再設定演出を実行するようにしてもよい。
また、S821において低確高ベース中における2R通常大当りの変動表示でない場合には、「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動か否かが判定される(S822)。「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動表示でない場合には、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づいて、演出パターンおよび最終停止図柄を決定する(S827)。S827では、図19(D)〜(F)のような時短回数再設定演出と、図19(G),(H)のようなビーム演出を用いる先読み予告の演出とを除く変動表示における演出パターンおよび最終停止図柄が決定される。したがって、図19(I),(J)のようなスーパーリーチの演出を実行するときには、S827において、図24に示したスーパーリーチ決定テーブルを用いてスーパーリーチの演出態様が決定され、その決定された演出パターンで変動表示が実行されることとなる。S827の後、S830の処理へ移行する。
S822において、「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動表示である場合には、リーチの停止図柄(リーチを成立させるための右図柄と左図柄)を決定する(S823)。ここで、「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動表示は、図25のS731でビーム演出の種類が決定された保留記憶に基づく変動表示である。図25に示した先読み予告決定処理では、新たに保留記憶が生じた際に主基板31から送信されたコマンドに基づいて、その保留記憶に基づいた変動を先読み予告のターゲット(先読み予告対象)とするか否かを決定し(図25のS723b)、ターゲットとする場合には、それより前の保留記憶のいずれかの変動または実行中の変動表示で先読み予告演出を実行するか否かを決定(図25のS729、S730、S737)し、さらにはビーム演出の種類を決定する(図25のS731)。これらの各々の決定の際には、先読み予告演出決定フラグおよびビーム演出決定フラグ(ビーム演出の種類に応じたビーム演出決定フラグ1またはビーム演出決定フラグ2)がその保留記憶に対応づけて設定されている。
図26のS822では、これから開始しようとしている変動が、上記のように図25の先読み予告決定処理にてビーム演出が決定された保留記憶に基づいた変動表示であるか否か(ビーム演出決定フラグが対応づけて記憶されている保留記憶に基づく変動表示であるか否か)が判定される。
S823の後、先読み予告のために決定済みの演出パターンは、演出パターン3であるか否かが判定される(S824)。決定済みの演出パターンが演出パターン3である場合には(S824のY)、シャッター図柄の停止前に一旦停止させる中図柄を決定する(S825)。ここで決定される中図柄は、S823で決定された左右図柄との関係においてはずれを形成するはずれ図柄である。つまり、演出パターン3では、リーチが成立した後、S825で決定されたはずれ図柄が一旦停止し、その後の再変動を経てシャッター図柄が中図柄として停止する。
S825の後、または、決定済みの演出パターンが演出パターン3でない場合には(S824のN)、S826へ移行する。S826では、決定済みの演出パターンにて変動を実行することに決定する。
次いで、S820,S825,S827,S829で決定された演出制御パターン(大当り予告演出も含む)に応じたプロセステーブルを選択する(S830)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S831)。
S831の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S832)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S833)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S827)。
なお、上記の処理では、S824において、演出パターン3であるか否かを判定し、演出パターン3であればS825において一旦停止図柄を決定している。しかしながら、処理の共通化を図るために、演出パターンを判定するS825の処理を削除して演出パターン1〜3に関わらず、S825で一旦停止図柄を決定するようにして、後の処理において、演出パターン1,2については「S825で決定された一旦停止図柄」をシャッター図柄に上書きするようにしてもよい(したがって、演出パターン1、2では、シャッター図柄が一旦停止することはない)。このように処理することによって、S824のステップを削除して処理の共通化を図ることによって、プログラムを単純化できる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図18に示すように、時短状態中(特別遊技状態中)に時短状態の制御期間を変更する変更条件が成立したことに基づいて、変動表示において、リーチ演出が実行された後、通常時に変動表示する演出図柄(識別情報)とは態様が異なる時短再設定図柄96(特殊識別情報)を表示したときに時短状態について設定された制御期間(変動表示100回)が再設定されるので、時短状態の制御期間の再設定について、遊技者期待感を盛り上げることができる。
(2) 時短状態の残り回数(設定期間)を再設定する前に実行されるリーチ演出として、図7に示すような演出態様が異なる複数種類のリーチ演出(2R通常大当りパターンA、2R通常大当りパターンB)のうちから選択したリーチ演出が実行されるので、バラエティに富んだリーチ演出により、リーチ演出の時短状態(特別遊技状態)の制御期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
(3) 図20に示されるように、リーチ状態となる前に実行される予告演出(ルーレット演出)の演出結果を特定可能な情報として時短再設定図柄96が表示されるので、予告演出と時短再設定図柄96との関連性に基づいて、時短状態の制御期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
(4) 図19に示すように、変動表示において、演出図柄(識別情報)、時短再設定図柄96(特殊識別情報)、および、保留変化図柄、発展図柄(所定識別情報)とは態様が異なるシャッター図柄95(共通の識別情報)が一旦表示された後、当該シャッター図柄95(共通の識別情報)が、時短再設定図柄96(特殊識別情報)、または、保留変化図柄98、発展図柄99(所定識別情報)に変更されるので、演出図柄(識別情報)の変更に起因する演出の変化に基づいて、時短状態(特別遊技状態)の制御期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
(5) 図23等に示されるように、選択されて表示された保留変化図柄の種類に応じて、保留変化図柄98の表示態様が、複数種類の表示態様のうちのいずれかの表示態様に変更されるので、保留変化図柄98の種類と保留記憶の表示態様との関連性に基づいて、時短状態(特別遊技状態)の期間の再設定に関する演出の面白みを向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、設定された制御期間(たとえば、100回の変動期間)に亘り制御される特別遊技状態の一例として、時短状態(低確高ベース状態)を説明した。しかし、これに限らず、このような特別遊技状態としては、確変状態(高確低ベース状態)、確変状態+時短状態(高確高ベース状態)、および、時短状態(低確低ベース状態)のようなその他の特別遊技状態について、設定された期間(たとえば、100回の変動期間)に亘り制御されるものとしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、設定された制御期間(たとえば、100回の変動期間)に亘り制御される特別遊技状態としての時短状態(低確高ベース状態)の制御期間について、大当り終了処理(S307)において再設定する例を示した。しかし、これに限らず、そのような再設定は、大入賞口開放前処理(S305)、または、大入賞口開放中処理(S306)のような大当り終了処理以前の所定タイミングで行なうようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100において、設定された制御期間(たとえば、100回の変動期間)に亘り制御される特別遊技状態としての時短状態(低確高ベース状態)の制御期間を表示する演出について、変動表示中においてリーチ演出が実行された後に再設定表示する例を示した。しかし、これに限らず、そのような再設定表示は、リーチ演出の実行中に行なうようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、リーチ状態となったときにシャッター図柄95を表示した後に時短再設定図柄96を表示する例を示した。しかし、これに限らず、リーチ状態となったときにシャッター図柄95を表示することなく、直接的に時短再設定図柄96を表示するようにしてもよい。
(5) 前述の実施の形態では、リーチ図柄が表示されている状態で時短再設定図柄96を表示する例を示した。しかし、これに限らず、リーチ図柄とならない状態で時短再設定図柄96を表示するようにしてもよい。たとえば、最初に左図柄が停止した後の次の右図柄の停止時に時短再設定図柄96を右図柄として停止表示するようにしてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、2R通常大当りとなるときの変動表示結果として、低確高ベース状態で時短の残り期間が表示されているときと、低確高ベース状態以外の状態で時短の残り期間が表示されていないときとで異なる図柄を表示する例を示した。しかし、これに限らず、低確高ベース状態以外の状態で2R通常大当りとなるときの変動表示結果としても、たとえば時短再設定図柄96のような共通(同じ)図柄を表示するようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態では、2R通常大当りとなるときの変動表示結果として、低確高ベース状態で時短状態の残り期間が表示されているときと、低確高ベース状態以外の状態で時短の残り期間が表示されていないときとで異なる図柄を表示する例を示した。しかし、これに限らず、低確高ベース状態以外の状態で2R通常大当りとなるときの変動表示結果としても、たとえば時短再設定図柄96(時短再設定図柄96以外の特定の図柄であってもよい)のような同一の図柄を表示するようにしてもよい。
(8) 前述の実施の形態では、2R通常大当りとなるときの変動表示結果として、低確高ベース状態で時短の残り期間が表示されているときと、低確高ベース状態以外の状態で時短の残り期間が表示されていないときとで異なる図柄を表示し、時短状態の残り期間の設定表示(100回の新規設定表示または100回の再設定表示)をするようにしてもよい。
(9) 前述の実施の形態では、低確高ベース状態において2R通常大当りとなるときのリーチ変動表示パターンを複数種類設けるとともに、これらリーチ変動表示パターンのそれぞれに対応して時短再設定図柄96を複数種類設けておき(たとえば、リーチ演出で表示された特定の画像と、図柄の画像との関連性がある等)、時短再設定図柄96としては、実行されたリーチ変動表示パターンと対応関係にあるものを選択して表示するようにしてもよい。
(10) 前述の実施の形態では、低確低ベース状態において2R確変大当りとなったときと、低確低ベース状態において2R通常大当りとで潜伏確変演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、前述したような潜伏確変演出は、実行しなくてもよい。
(11) 前述の実施の形態では、時短再設定図柄96を表示して時短回数表示94を再設定するときには、短再設定図柄96に示された時計の針が逆方向に回って過去に戻るような演出を行なうとともに、その演出に合わせて時短回数表示94で表示する数値が徐々に加算されて100回に戻るような演出を行なうようにしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、時短回数は100回に再設定されていたが、時短再設定図柄96を複数設け、時短再設定図柄の種類に応じて異なる回数が再設定されるようにしてもよい。
(13) 前述の実施の形態では、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先して変動表示が実行されていた。しかし、始動入賞の入賞順に保留記憶データが消化されるようにし、第1特別図柄、第2特別図柄が入賞順に変動表示が実行されるようにしてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、図14のS142に示すように時短回数指定コマンドは特別図柄の停止処理毎に毎回送信されていたが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短の残り回数を制御し、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短の残り回数を決定するようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、確変大当りについては、次回大当りまで高確率状態が継続されるようになっていたが、変動表示が所定期間(たとえば、変動表示100回)に亘りまで確変状態が継続され、その後通常状態に戻るような遊技機において、その確変状態の期間を再設定するような特殊識別情報(この場合は、確変回数再設定図柄ともいう)を設けてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、変動表示100回に亘る時短(高ベース)状態において時短2R通常大当りとなったときにのみ時短再設定演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、2R確変大当りとなったときにも、変動表示100回に亘る時短(高ベース)状態に制御するように設定し、時短(高ベース)状態において2R確変大当りとなったときにも時短再設定演出を実行する(たとえば、変動表示101回目に報知する演出を行なう等)ようにしてもよい。
(17) 前述の実施の形態では、リーチ演出に関して、たとえば図18に示すようにシャッター図柄95の停止表示を経由してリーチ演出を実行する例を示したが、同じ種別のリーチ演出について、シャッター図柄95の停止表示を経由して実行するリーチ演出と、シャッター図柄95の停止表示を経由しないで実行するリーチ演出とを設け、同じリーチ種別(たとえば、一部の演出が共通する等により種別が同じ)でも、表示結果が大当り表示結果となる期待度が異なるように設定してもよい。
(18) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(19) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(20) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(21) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(23) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供れる形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。