JP6278567B2 - 船体制御方法および船体制御装置 - Google Patents

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    • G05D1/0206Control of position or course in two dimensions specially adapted to water vehicles

Description

本発明は、船を定点に移動させたり、船を定点に保持するための船体制御方法に関する。
従来、漁の効率を向上させる等の目的のために、漁師は、予め目的の魚が多く生息すると考えられる位置(例えば、魚礁や瀬)において漁を行っている。この場合、例えば、当該位置にて船舶を定点保持した状態で漁を行ったり、当該定点を通過しながら漁を行うことで、より効率的な漁が実現できる。
また、このような目的位置(定点位置)にできる限り効率良く到達することも漁の効率を向上させるためには必要である。
しかしながら、海上では、風や潮流等による外乱を船体が受けて、定点位置から流されてしまったり、定点位置まで効率良く航行できないことがある。
このため、従来、風や潮流を受けても、船舶を定点に留めたり、定点への移動時には定点方向に船首方向が向くようにする船体制御方法が各種考案されている。たとえば、特許文献1に示す船舶では、サイドスラスターを備えている。サイドスラスターとは、船体を横方向、すなわち右舷左舷方向へ移動させるための機構である。また、従来の船舶には、このような横方向の移動を実現するために、水平方向に回動可能なプロペラを備えるものもある。
特開2002−87389号公報
しかしながら、上述のようなサイドスラスターや、右左舷方向に回動可能なプロペラは、非常に大がかりなものであり、コストも高く、経済性を重視する漁船の場合には、大幅なコスト高となるため、これらサイドスラスターや右左舷方向に回動可能なプロペラを、容易に装備することができない。
したがって、プレジャーボートや小型漁船では、サイドスラスターや右左舷方向に回動可能なプロペラ等の大がかりな追加装備を行うことなく、船を定点保持する船体制御を行う必要がある。
また、プレジャーボートや小型漁船では、サイドスラスターや右左舷方向に回動可能なプロペラ等の大がかりな追加装備を行うことなく、船を定点に効率良く航行させる船体制御を行う必要がある。この際、単に定点に船を移動させるだけでは、定点到着時の船の姿勢によっては外乱の影響を大きく受け、サイドスラスターや右左舷方向に回動可能なプロペラ等の大がかりな追加装備を行っていなければ、定点保持が容易に行えなくなることがあり、定点到着時の船の姿勢は重要である。
この発明の目的は、サイドスラスターや右左舷方向に回動可能なプロペラ等の大がかりな追加装備を行わなくても、これら追加装備と同等の船体制御が可能な船体制御方法を提供することにある。
この発明の船体制御方法は、自船位置を取得する工程と、自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出する工程とを有する。船体制御方法は、予め設定した定点位置と自船位置とから定点位置に向かう目標方位を算出する工程と、外乱方位から定点位置での目標方位を検出する工程とを有する。船体制御方法は、定点位置に向かう目標方位と定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出する工程と、航行方位に応じて舵角を調整する工程と、を有する。
この方法では、自船が定点位置に近づくにつれて、船首方位と外乱方位とが徐々に略一致していくように、船を定点位置に向けて航行させることができる。
また、この発明の船体制御方法の航行方位を算出する工程は、定点位置に向かう目標方位と定点位置での目標方位との重み付け加算によって航行方位を算出する。重み付け加算は、自船が定点位置に近づくほど定点位置の船首方位の重みが重くなるように設定されている。
この方法では、航行方位の具体的な算出例を示している。
また、この発明の船体制御方法は、外乱の大きさを検出する工程と、外乱の大きさから前記定点位置での目標船速を算出する工程とを有する。船体制御方法は、自船を定点位置に向かわせる目標船速と、定点位置での目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出する工程と、航行船速に応じて推力を調整する工程と、を有する。
この方法では、自船を定点位置に到達させるための目標船速と定点位置での目標船速とから最適な航行船速が決定される。
また、この発明の船体制御方法の航行船速を算出する工程は、目標船速と定点位置の船速との重み付け加算によって、航行船速を算出する。重み付け加算は、自船が定点位置に近づくほど定点位置の船速の重みが重くなるように設定されている。
この方法では、航行船速の具体的な算出例を示している。
また、この発明の船体制御方法は、自船位置を取得する工程と、自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出する工程と、を有する。船体制御方法は、外乱方位に対して直交し定点位置を通る外乱直交ラインを設定する工程と、推力と舵角を調整することにより、外乱直交ラインと自船位置との関係から外乱方位に略平行な方向に沿って自船を前進もしくは後進させる工程と、を有する。
この方法では、船首方位と外乱方位とを略一致させた状態で、自船を定点位置付近に留めることができる。
また、この発明の船体制御方法は、自船の船首方位を検出する工程を有する。船体制御方法の自船を前進もしくは後進させる工程は、自船の船首方位と外乱方位とが略一致する場合に、自船位置が外乱直交ラインに対して外乱側にあるときに自船を後進させ、自船位置が外乱直交ラインに対して外乱と反対側にあるときに自船を前進させる。
この方法では、前後進を切り替えるための具体的な方法を示している。
また、この発明の船体制御方法は、外乱方位に平行な外乱対向ライン上において船が定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、最も離間する距離が外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも長い場合に船の推力を低減させる工程を、有する。
また、この発明の船体制御方法は、外乱方位に平行な外乱対向ライン上において船が定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、最も離間する距離が外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも短い場合に船の推力を上昇させる工程を、有する。
これらの方法では、前後進時の具体的な推力調整方法を示している。これらの方法を用いることにより、船を定点位置の付近に、より正確に留めることができる。
また、この発明の船体制御方法は、外乱方位に平行な外乱対向ライン上において船が定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、最も離間する距離に基づいて推力をオンさせるタイミングとオフさせるタイミングのいずれか一方を調整する。
この方法では、定点位置に対する船の移動範囲を、さらに狭くすることができる。
また、この発明の船体制御方法は、船首方位と外乱方位との差分が閾値以下の場合に自船を前進もしくは後進させる工程を実行する。
この方法では、船首方位と外乱方位との差分が小さい時にのみ、上述の船を定点位置付近に留める前後進制御が行われる。これにより、船を定点位置付近に、さらに確実に留めることができる。
また、この発明の船体制御方法は、船首方位と外乱方位との差分が閾値より大きな場合に船首方位を変更する工程を実行する。
この方法では、船首方位と外乱方位との差分が大きくても、その差分が小さくなるように、船首方位を容易に変更することができる。
また、この発明の船体制御方法の船首方位を変更する工程は、船を後進させながら舵角を調整して船首方位と外乱方位とを近づける工程と、船を前進させながら舵角を調整して船首方位と外乱方位を近づける工程と、を有する。
この方法では、船首方位の変更の具体的な方法を示している。そして、この方法を用いることで、外乱を利用して、船首方位を容易に変更することができる。
また、この発明の船体制御方法は、自船位置が、定点位置を中心とする所定距離範囲内にある場合に、船を前進もしくは後進させる工程を実行する。この船体制御方法は、自船位置が所定範囲から外れる場合に、次の各工程を有する。この船体制御方法は、定点位置と自船位置とから前記定点位置に向かう目標方位を算出する工程と、外乱方位から定点位置での目標方位を検出する工程と、定点位置に向かう目標方位と定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出する工程を有する。この船体制御方法は、外乱の大きさを検出する工程と、外乱の大きさから定点位置の船速を算出する工程と、自船を定点位置に向かわせる船速である目標船速と、定点位置での目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出する工程を有する。この船体制御方法は、航行方位に応じた舵角を調整し、航行船速に応じて推力を調整する工程を有する。
この方法では、自船位置が定点位置に近い場合に、上述の定点位置付近に船を留める前後進制御が行われ、自船位置が定点位置から離れた場合に、上述の定点位置に向けて船を航行させる制御が行われる。これにより、状況に応じて、船を適切に定点位置に移動させるか、定点位置付近に留まらせることができる。
また、この発明の船体制御方法は、推力と舵角の調整を異なるタイミングで実行してもよい。
この方法では、推力と舵角の調整を同時に行わないため、目標とする船の移動を、より安定して実現することができる。
また、この発明の船体制御方法は、推力および舵角は離散的な値に設定してもよい。
この方法では、アナログ的な推力制御や舵角制御と略同等な移動を可能としながら、推力制御および舵角制御が容易になる。
また、この発明の船体制御方法は、自船位置と定点位置との距離に応じて通知を行う工程を、有する。通知は、距離によって異なるように設定されている。
この方法では、ユーザに、自船と定点との距離を直感的に理解させることができる。
また、この発明の船体制御方法は、魚種によって操作入力を受け付ける工程と、魚種に関連付けられた操業態様を選択する工程と、選択された操業態様に基づいて前記自船の制御を行う工程と、を有する。
この方法では、ユーザが船の移動のさせ方を直感的に選択することができる。
この発明によれば、右左舷方向への移動が可能な追加装備を行わなくても、外乱の影響による不要な船の動きを抑制して、所望の船体制御が可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る船体制御のフローチャートである。 定点位置Ppへの航行制御のフローチャートである。 定点位置Ppへの航行制御に用いる各パラメータの関係を示す図である。 本発明の航行制御を行った場合の航跡例を示す図である。 重み付けの設定例を示す図である。 船体制御部24の方位船速設定部41の構成を示すブロック図である。 定点保持制御のフローチャートである。 前後進の切り替え概念を示す図である。 前後進時の推力制御方法を示すフローチャートである。 推力制御概念を示す図である。 定点保持制御部の構成を示すブロック図である。 推力オンオフタイミングを調整する定点保持制御のフローチャートである。 推力オンオフタイミングの調整による定点保持制御の概念を示す図である。 方位変更制御のフローチャートである。 方位変更制御の概念を示す図である。 推力の発生、調整および舵角の調整の概念を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図である。 通知音の発生処理のフローチャートである。 通知音の選択処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図、および、表示画面例を示す図である。 魚種による操船制御決定処理のフローチャートである。 魚種とポイント、操船方法、定点種別の関連付け例を示す表である。
本発明の第1の実施形態に係る船体制御装置を備える船体制御方法について、図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図である。
船10は、船体制御装置20、動力源30、プロペラ31、および舵40を備える。船体制御装置20は、アンテナ21、測位部22、センサ23、船体制御部24、および操作部25を備える。動力源30およびプロペラ31の組が「推進力発生部」に相当する。
アンテナ21は、GPS測位信号を受信し、測位部22へ出力する。測位部22Aは、GPS測位信号を用いて測位演算を実行し、船10の位置(自船位置)Psを算出する。この測位演算は、予め設定した測位タイミング毎に実行される。測位部22は、算出した自船位置Psを、船体制御部24へ出力する。
センサ23は、例えば、船首方位ADbを検出するヘディングセンサ、風向センサ、風速センサ、潮流計等を備える。センサ23は、風向、風速、潮流方向、潮流速度から外乱ベクトルVECdを算出する。外乱ベクトルVECdは、風ベクトルVECwと、潮流ベクトルVECtとの加算ベクトルによって定義される。風ベクトルVECwのベクトル方向は、風向によって決定され、風ベクトルVECwの大きさは、風速によって決定される。潮流ベクトルVECtのベクトル方向は、潮流方向によって決定され、潮流ベクトルVECtの大きさは、潮流速度によって決定される。
センサ23は、検出した船首方向ADb、外乱ベクトルVECdを、船体制御部24へ出力する。なお、センサ23は、風ベクトルVECwや潮流ベクトルVECtを、船体制御部24に出力しても良い。また、センサ23が風ベクトルVECwや潮流ベクトルVECtを船体制御部24に出力し、船体制御部24が風ベクトルVECwや潮流ベクトルVECtから外乱ベクトルVECdを算出してもよい。
船体制御部24は、予め操作部25を介してユーザが設定した定点位置Ppを記憶している。具体的な制御方法は後述するが、船体制御部24は、定点位置Ppと自船位置Psとに基づいて、定点位置への航行制御もしくは定点保持制御を実行する。概略的には、定点位置Ppと自船位置Psとの距離DISが所定値よりも大きい場合には、定点位置への航行制御を行い、距離DISが所定値以下の場合には、定点保持制御を行う。
船体制御部24は、定点位置への航行制御もしくは定点保持制御で決定した推力に基づいて動力源30の駆動制御を行う。船体制御部24は、定点位置への航行制御もしくは定点保持制御で決定した舵角に基づいて舵40の舵角制御を行う。
操作部25は、所謂ユーザインターフェース機器であり、ユーザによる操作入力を、船体制御部24へ出力する。
動力源30は、ディーゼルエンジンやモータからなる。また、これらディーゼルエンジンとモータを備え、状況に応じて使い分けるハイブリッド動力機構であってもよい。動力源30は、船体制御部24によって駆動制御される。動力源30は、発生した動力をプロペラ31に与える。
舵40は、船10の船尾に備え付けられている。舵40は、船体制御部24によって舵角制御される。
このような構成から、船10は、プロペラ31の推進力と、舵40の舵角によって、定点へ航行したり、定点保持するように前進もしくは後退する。なお、この際、後退は、プロペラ31を停止させて外乱によって後退する場合も含む。
そして、このような構成からなる船10は、概略的には、図2に示すようなフローで船体制御を行う。図2は本発明の実施形態に係る船体制御のフローチャートである。なお、図2では、自船位置Psと定点位置Ppとの距離DISが所定値よりも離間している場合について示している。ここで、距離DISが所定値以下の場合には、定点位置への移動制御は行われず、定点保持制御となる。
まず、船体制御部24は、自船位置Ps、定点位置Pp、外乱ベクトルVECd、および船首方位ADbに基づいて、定点位置Ppに向かって船10を航行させるように推力制御と舵角制御を行う。この際、船体制御部24は、外乱ベクトルVECdの向く方向と逆方向で且つ定点位置Ppを基点する方位を外乱方位ADdとして検出する。そして、船体制御部24は、定点位置Ppにおいて船首方位ADbと外乱方位ADdとが略一致するように、推力制御と舵角制御をしながら船10を航行させる(S101)。
この航行制御は、自船位置Psと定点位置Ppとが略一致するまで継続的に実行させる(S102:No→S101)。
自船位置Psと定点位置Ppとが略一致したことを検出すると(S102:Yes)、船体制御部24は、船首方位ADbと外乱方位ADdとが略一致した状態を維持しながら定点位置Psおよび定点位置Psの近傍領域に船10が留まり続けるように、推力制御と舵角制御を行い、定点保持制御を行う(S103)。
次に、定点位置Ppへの航行制御の具体的方法について、図を参照して説明する。図3は定点位置Ppへの航行制御のフローチャートである。図3に示す航行制御は、定点位置Ppへの航行を介して、定点位置Ppに到達するまでの間、所定の時間間隔で、継続的に行われる。図4は定点位置Ppへの航行制御に用いる各パラメータの関係を示す図である。図5は本発明の航行制御を行った場合の航跡例を示す図である。図6は重み付けの設定例を示す図である。なお、特にことわりをおかなければ、以下に示す速度は絶対速度(対地速度)であり、座標は地球表面の絶対座標であり、方位は、北基準の方位である。
定点位置Ppへの航行制御は、まず、自船位置Psと定点位置Ppとを取得する(S111)。定点位置Ppの取得は、ユーザが操作部25によって、定点位置Ppの座標を指定することにより実行される。なお、定点位置Ppの取得は、定点位置Ppへの航行開始のタイミングのみで行えばよい。自船位置Psは、上述の測位部22による測位結果により取得される。自船位置Psと定点位置Ppとを取得すると、この二点間の距離、すなわち、この時点での自船位置Psから定点位置Ppまでの距離DISが算出される。
次に、外乱要素の各パラメータを取得する(S112)。外乱は、風と潮流との合成で表され、速度ベクトルによって表現できる。風ベクトルVECwは、センサ23で計測した風向、風速から取得される。潮流ベクトルVECtは、センサ23で計測した潮流方向、潮流速度から取得される。外乱ベクトルVECdは、風ベクトルVECwと潮流ベクトルVECtとの合成ベクトルとして得られる。したがって、外乱ベクトルVECdは、風ベクトルVECwと潮流ベクトルVECtとベクトル加算により算出される。
なお、この際、センサ23は船10に装着されているため、算出される外乱ベクトルVECdは自船位置Psのものであるが、この外乱ベクトルVECdを、定点位置Ppの外乱ベクトルVECdと見なす。このような方法を用いても、実際に、船10が定点位置Ppに近づけば、自船位置Psと定点位置Ppとが略一致するので、自船位置Psの外乱ベクトルVECdを定点位置Ppの外乱ベクトルVECdとしても、十分な精度での航行制御が可能である。また、自船位置Psと定点位置Ppが離れていたとしても、外乱ベクトルVECdは大きく変化することはなく、さらに、定点位置Ppに向かって航行するにつれ、自船位置Psの外乱ベクトルVECdと定点位置Ppの外乱ベクトルVECdとの間に殆ど差が無くなるので、十分な精度での航行制御が可能である。
次に、自船位置Psを基準とした定点位置Ppに向かう目標方位ψp、定点位置Ppに向かう目標船速Vp、定点位置Ppでの目標方位ψd、および目標船速(定点船速)Vdを取得する(S113)。
定点位置に向かう目標方位ψpは、自船位置Psの座標と定点位置Ppの座標とから幾何学計算により算出される。また、ユーザが操作部25を操作することで、定点位置Ppに向かう目標船速Vp、を取得する。
また、ユーザが操作部25を操作することで、定点位置Ppでの目標方位ψd、および目標船速(定点船速)Vdを取得する。定点位置Ppでの目標方位ψdは、外乱ベクトルVECdの方位と対向する方位に設定される。定点位置Ppでの船速Vdは、例えば、外乱ベクトルVECdの大きさと同じ大きさに設定される。この場合、定点位置Ppでの対地船速は0になるように設定される。
次に、定点位置に向かう目標方位ψpと定点位置での目標方位ψdとを用いて、その時点での航行方位ψoを決定する(S114)。
この際、次の重み付け加算式を用いて、航行方位ψoを算出する。
ψo=αψp+βψd ここで、α+β=1である。また、定点位置Ppへの航行開始タイミングでの自船位置Psと定点位置Ppとの距離をDISoとし、その時点での距離をDISとした場合に、αは次のように定義される。
α=1−exp−(DIS/DISo) したがって、βは次式で表される。
β=exp−(DIS/DISo) このようなα,βは、距離DISに応じて、図6のように変化する。すなわち、αは、距離DISが短くなるほど小さくなり、βは距離DISが長くなるほど大きくなる。
このような式で航行方位ψoを算出することで、航行方位ψoは、定点位置Ppから遠いほど定点位置に向かう目標方位ψpに近づき、定点位置Ppに近づくほど定点位置での目標方位ψdに近づくように、徐々に変化する。これにより、定点位置に向かう目標方位ψpから定点位置での目標方位ψdに航行方位ψoを滑らかに変化させながら、定点位置Ppに向かって船10を航行させることができる。
次に、定点位置に向かう目標船速Vpと定点位置での目標船速Vdとを用いて、その時点での航行船速Voを決定する(S115)。
この際、次の重み付け加算式を用いて、航行船速Voを算出する。
Vo=αVp+βVd ここで、α、βは、上述の航行方位ψoと同じ定義である。
このような式で航行船速Voを算出することで、航行船速Voは、定点位置Ppから遠いほど定点位置に向かう目標船速Vpに近づき、定点位置Ppに近づくほど定点位置での目標船速Vdに近づくように、徐々に変化する。これにより、定点位置に向かう目標船速Vpから定点位置での目標船速Vdに航行船速Voを滑らかに変化させながら、定点位置Ppに向かって船10を航行させることができる。
次に、算出した航行船速Voを用いて、動力源30に与える推力を決定する。また、算出した航行方位ψoを用いて、舵40に与える舵角を決定する(S116)。
以上のような処理を行うことで、図5に示すように、定点位置Ppへの航行開始位置から定点位置Ppに向かって、外乱に流されながらも、徐々に船首方位が外乱方位に対向(平行)するように変化しながら、船10を定点位置Ppまで航行することができる。そして、船10は定点位置Ppに到達した時点で、船首方位を外乱方位に対向させることができる。このように、定点位置Ppにおいて、船首方位と外乱方位とを対向させる(外乱ベクトルの方向と船首方向との成す角が180°)ことで、一動力、一舵の船10であっても、次に示す定点保持の制御の開始を容易にすることができる。
上述の説明では、船体制御部24を1つの素子として、各処理を行う場合を示したが、図7に示すように、複数の機能部に分割して、上述の処理を行ってもよい。図7は、船体制御部24の方位船速設定部41の構成を示すブロック図である。
方位船速設定部41は、航行条件決定部42と、重み付け処理部43を備える。航行条件決定部42は、定点方向ベクトル算出部421と定点位置ベクトル算出部422を備える。
定点方向ベクトル算出部421は、定点位置Ppと自船位置Psとから定点位置に向かう目標方位ψpを算出する。また、定点方向ベクトル算出部421は、操作入力に基づいて定点位置に向かう目標船速Vpを決定する。
定点位置ベクトル算出部422は、外乱ベクトルVECdから定点船速Vdを算出する。また、定点位置ベクトル算出部422は、操作入力に基づいて定点船速Vdを決定する。
重み付け処理部43は、重み付け係数設定部433、乗算器4341,4342,4343,4344、加算器4351,4352を備える。
重み付け係数設定部433は、距離DISに基づいて重み付け係数α,βを決定する。
乗算器4341には、定点位置に向かう目標方位ψpと重み付け係数αが与えられる。この際、定点位置に向かう目標方位ψpは単位ベクトル化された後に与えられる。乗算器4341は、定点位置に向かう目標方位ψpに重み付け係数αを乗算して、乗算結果αψpを加算器4351に出力する。
乗算器4342には、定点位置での目標方位ψdと重み付け係数βが与えられる。この際、定点位置での目標方位ψdは単位ベクトル化された後に与えられる。乗算器4342は、定点位置での目標方位ψdに重み付け係数βを乗算して、乗算結果βψdを加算器4351に出力する。
加算器4351は、乗算結果αψpと乗算結果βψdとを加算して、航行方位ψ0を算出し、出力する。
乗算器4343には、定点位置に向かう目標船速Vpと重み付け係数αが与えられる。乗算器4343は、定点位置に向かう目標船速Vpに重み付け係数αを乗算して、乗算結果αVpを加算器4352に出力する。
乗算器4344には、定点位置での目標船速Vdと重み付け係数βが与えられる。乗算器4344は、定点位置での目標船速Vdに重み付け係数βを乗算して、乗算結果βVdを加算器4352に出力する。
加算器4352は、乗算結果αVpと乗算結果βVdとを加算して、航行船速Voを算出し、出力する。
このような構成であっても、上述のように、徐々に船首方位が外乱方位に対向(平行)するように変化しながら、船10を定点位置Ppまで航行することができる。
次に、定点位置Ppに到達した船10を、定点位置Ppに保持する定点保持制御について説明する。図8は定点保持制御のフローチャートである。図9は前後進の切り替え概念を示す図である。なお、以下、定点保持制御状態では、船首方位をADbとし、外乱方位(外乱ベクトルVECdに対向する方位)をADdとして説明する。また、以下の説明では、船首が外乱方向を向いている場合を示す。なお、船尾が外乱方向を向いている場合には、後述の前進制御と後進制御が逆になる。
定点位置Ppの到達は、測位した自船位置Psと定点位置Ppとが略一致したことによって検出できる。ここで、自船位置Psと定点位置Ppとが略一致するとは、例えば、定点位置Ppを中心とする所定範囲内に自船位置Psが入ったことを意味している。具体的な例としては、定点位置Ppを中心として、船10の3艇身分程度の長さを半径とする円内の領域に、自船位置Psが入ったことを意味している。この領域を、以下、定点保持動作領域BorK(図9参照)とする。この範囲が、定点位置Ppの近傍となる。なお、この半径等は使用態様等に応じて適宜設定すればよい。
自船位置Psが定点保持領域BorK内にないことを検出すると(S211:No)、上述のように、定点位置Ppにおいて、船首方位ADbが外乱ベクトルVECdの方向と対向するように、言い換えれば外乱方位ADdと平行になるように、船10を航行制御する(S215)。
自船位置Psが定点保持領域BorK内にあることを検出すると(S211:Yes)、以下の定点保持制御を実行する。
具体的には、自船位置Psが定点保持領域BorK内にあることを検出すると(S211:Yes)、外乱方位ADdと船首方位ADbとの誤差角Δψddを算出する(S212)。誤差角Δψddは、例えば、外乱方位ADdから船首方位ADbを減算することによって得られる。なお、逆、すなわち、船首方位ADbから外乱方位ADdを減算してもよい。
外乱ベクトルVECdが一定で変化しない場合、定点位置Ppに到達した時点で、外乱方位ADdと船首方位ADbは平行なはずであり、外乱が変化しなければ誤差角Δψddは定常的に0になるはずである。しかしながら、外乱は、風と潮流によって決定されるので、頻繁に変化する。したがって、後述の定点保持制御を行うために、船首方位ADbを外乱方位ADdと平行にするためには、このような誤差角Δψddの変化を検出する必要がある。
誤差角Δψddには、予め設定された誤差角閾値ThΔψddが設定されている。誤差角閾値ThΔψddは、後述の前後進制御により定点保持が容易に行えるような外乱方位ADdと船首方位ADbとの角度差(誤差角Δψdd)の最大値によって決定される。この最大値は、予め実験等によって設定することができる。具体的な例としては、誤差角閾値ThΔψddは、±45°に設定される。
誤差角Δψddが誤差角閾値ThΔψddよりも大きければ(S213:No)、後述する方位変更制御を実行する(S218)。誤差角Δψddが誤差角閾値ThΔψdd以下であれば、自船位置Psが外乱直交ラインLverに対して、外乱側であるか、外乱側でないかを検出する。
外乱直交ラインLverは、外乱ベクトルVECdに直交し、且つ定点位置Ppを通る直線によって定義される。外乱直交ラインLverを基準として外乱側で且つ定点保持領域BorKの領域を、外乱上領域ZoneUとする。外乱直交ラインLverを基準として外乱と反対側で且つ定点保持領域BorKの領域を、外乱下領域ZoneDとする。
自船位置Psが外乱上領域ZoneUにあることを検出すると(S214:Yes)、定点保持用後進制御を行う(S217)。定点保持用後進制御とは、船10を保持用船速で後進させる制御であり、推力を発生して後進用にスクリューを回転させたり、推力を発生せずに外乱に流されるようにする制御である。なお、この定点保持用後進制御中に、舵角を適宜調整して船首方位ADbを外乱方位ADdと平行になるように、調整してもよい。
自船位置Psが外乱下領域ZoneDにあることを検出すると(S214:No)、定点保持用前進制御を行う(S216)。定点保持用前進制御とは、船10を保持用船速で前進させる制御である。なお、この定点保持用前進制御中に、舵角を適宜調整して船首方位ADbを外乱方位ADdと平行になるように、調整してもよい。
このような制御を行うことで、船10が外乱上領域ZoneUに存在する場合には、定点保持領域BorK内の外乱直交ラインLver、より好ましくは定点位置Ppそのものに到達するように、船10を後進させることができる(図9の船10'参照)。また、船10が外乱下領域ZoneDに存在する場合にも、定点保持領域BorK内の外乱直交ラインLver、より好ましくは定点位置Ppそのものに到達するように、船10を前進させることができる(図9の船10"参照)。すなわち、船10を定点位置Pp付近の狭い範囲に留まらせることができる。さらに、一動力、一舵の船10であっても、船10の位置に応じて定点位置Ppに到達するように、自動で船10を移動させることができる。
次に、上述の前後進制御を更に具体的に説明する。図10は、前後進時の推力制御方法を示すフローチャートである。図11は推力制御概念を示す図である。図11では、横軸が時間であり、縦軸が外乱対向ライン射影距離Ldであり、実線は航跡の時間変化を示す。
外乱対向ライン射影距離Ldとは、図9の船10'の場合に示すように、自船位置Psと定点位置Ppとの距離を、外乱対向ラインに射影した距離である。外乱対向ラインとは、外乱直交ラインLverに直交し(外乱方位ADdに平行であり)、定点位置Ppを通る直線である。なお、図9の場合では、外乱対向ライン上に船10'が存在する場合を示したが、それ以外の場合も同様の方法で、外乱対向ライン射影距離Ldを定義できる。
また、図10の推力制御方法では、図11に示すように、外乱下領域ZoneDから外乱上領域ZoneUに船10を移動させる際の外乱直交ラインLverを交差した時点で推力をオフにし、外乱上領域ZoneUから外乱下領域ZoneDに船10を移動させる際の外乱直交ラインLverを交差した時点で推力をオンにする。
外乱下領域ZoneDに存在する船10に対して推力を発生して当該船10を前進させると、外乱直交ラインLverと交差する時点で推力をオフにしても、船10は前進を続ける。そして、保持用船速による推力の外乱対向ライン方向成分と外乱の外乱対向ライン方向成分とが一致する位置で船10の船速は0となり、外乱に流されるように後進する。
この船速が0となる位置と定点位置Ppとを結ぶ線分を外乱対向ラインに射影させた長さを、外乱対向ライン最大射影距離Lddとして算出する(S311)。
外乱対向ライン最大射影距離Lddに対しては、予め設定された推力調整閾値ThLddが設定されている。推力調整閾値ThLddは、船10の推力、形状、外乱ベクトルVECdの大きさ、定点位置Ppに対してどれだけ船10が離れても許容させるか等によって設定される。
外乱対向ライン最大射影距離Lddが推力調整閾値ThLddよりも長いことを検出すると(S312:Yes)、推力低減制御を行う(S313)。推力低減制御は、次回の推力を今回の推力よりも低くする制御である。例えば、今の推力をVt(n)とし、次回の推力をVt(n+1)とし、補正量をδVtとすると、
Vt(n+1)=Vt(n)−δVt によって算出する。補正量δVtは、例えば、ユーザによって適宜設定可能な値である。
外乱対向ライン最大射影距離Lddが推力調整閾値ThLddよりも短いことを検出すると(S312:No,S314:Yes)、推力上昇制御を行う(S315)。推力上昇制御は、次回の推力を今回の推力よりも高くする制御である。例えば、今の推力をVt(n)とし、次回の推力をVt(n+1)とし、補正量をδVtとすると、
Vt(n+1)=Vt(n)+δVt によって算出する。
外乱対向ライン最大射影距離Lddが推力調整閾値ThLddより短くもなく、長くもない場合、すなわち、外乱対向ライン最大射影距離Lddが推力調整閾値ThLddが一致する場合には(S312:No,S314:No)、推力を変更しない。
このような制御を行うことで、図11に示すように、船10は移動する。
まず、外乱下領域ZoneDから推力オンVt11状態で船10が外乱方向へ移動し、外乱直交ラインLverを横切った時刻t11で推力をオフにすると、これまでに加わった推力に応じて、船10は前進する。そして、船10は、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t11)で一時停止する。ここでは、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t11)が推力調整閾値ThLddより長いので、次回の推力Vt12を今回の推力Vt11からδVt低減させる。
この後、船10は、外乱により流されて外乱直交ラインLverをよこぎると、このタイミングで推力Vt12をオンにする。船10は、外乱下領域ZoneDに流されるが、推力Vt12により再度外乱側に折り返し移動する。
次に、外乱下領域ZoneDから推力オンVt12状態で船10が外乱方向へ移動し、外乱直交ラインLverを横切った時刻t12で推力をオフにすると、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t12)まで到達し、一時停止する。ここでは、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t12)が推力調整閾値ThLddよりまだ長いので、次回の推力Vt13を今回の推力Vt12からさらにδVt低減させる。
この後、船10は、外乱により流されて外乱直交ラインLverをよこぎると、このタイミングで推力Vt13をオンにする。船10は、外乱下領域ZoneDに流されるが、推力Vt13により再度外乱側に折り返し移動する。
次に、外乱下領域ZoneDから推力オンVt13状態で船10が外乱方向へ移動し、外乱直交ラインLverを横切った時刻t13で推力をオフにすると、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t13)まで到達し、一時停止する。ここでは、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t13)が推力調整閾値ThLddよりまだ長いので、次回の推力Vt14を今回の推力Vt13からさらにδVt低減させる。
この後、船10は、外乱により流されて外乱直交ラインLverをよこぎると、このタイミングで推力Vt14をオンにする。船10は、外乱下領域ZoneDに流されるが、推力Vt14により再度外乱側に折り返し移動する。
次に、外乱下領域ZoneDから推力オンVt14状態で船10が外乱方向へ移動し、外乱直交ラインLverを横切った時刻t14で推力をオフにすると、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t14)まで到達し、一時停止する。ここでは、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t14)が推力調整閾値ThLddより短いので、次回の推力Vt15を今回の推力Vt14からδVt上昇させる。
この後、船10は、外乱により流されて外乱直交ラインLverをよこぎると、このタイミングで推力Vt15をオンにする。船10は、外乱下領域ZoneDに流されるが、推力Vt15により再度外乱側に折り返し移動する。
次に、外乱下領域ZoneDから推力オンVt15状態で船10が外乱方向へ移動し、外乱直交ラインLverを横切った時刻t15で推力をオフにすると、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t15)まで到達し、一時停止する。ここでは、外乱対向ライン最大射影距離Ldd(t14)が推力調整閾値ThLddより長いので、次回の推力Vt16を今回の推力Vt15からδVt低減させる。
この後、船10は、外乱により流されて外乱直交ラインLverをよこぎると、このタイミングで推力Vt16をオンにする。船10は、外乱下領域ZoneDに流されるが、推力Vt16により再度外乱側に折り返し移動する。
このように、上述の定点保持制御を行うことで、船10は、外乱直交ラインLver(定点位置Pp)を中心として、推力調整閾値ThLddの約2倍の範囲で、前後進するように、徐々に移動範囲を狭くすることができる。さらに、船10は、外乱直交ラインLverを中心として、推力調整閾値ThLddの約2倍の範囲で、前後進を繰り返すようにすることができる。
なお、推力調整閾値ThLddを徐々に小さく設定する推力調整閾値ThLddの適応処理も可能であり、このような適応処理を行うことで、船10の移動範囲を、定点位置Ppを中心とする更に短い範囲にすることができる。
なお、このような定点保持制御も1つの演算素子でなく、複数の機能部で実現する異ができる。図12は、定点保持制御部の構成を示すブロック図である。
定点保持制御部44は、誤差角検出部441、前後進決定部442、推力、舵角決定部443を備える。誤差角検出部441は、外乱方位ADdと船首方位ADbとから誤差角Δψddを算出する。前後進決定部442は、外乱方位ADdと定点位置Ppとから外乱直交ラインLverを設定する。前後進決定部442は、定点位置Ppから定点保持領域BorKを決定する。
前後進決定部442は、定点保持領域BorK、外乱直交ラインLver、および自船位置Psから、上述の定点位置への航行制御、定点保持用の前進制御、定点保持用の後進制御のいずれかを選択する。前後進決定部442は、自船位置Psが定点保持領域BorK外であれば、定点位置への航行制御を選択する。前後進決定部442は、自船位置Psが定点保持領域BorK内であり、且つ外乱直交ラインLverに基づく外乱上領域ZoneU内であれば、定点保持用の後進制御を選択する。前後進決定部442は、自船位置Psが定点保持領域BorK内であり、且つ外乱直交ラインLverに基づく外乱下領域ZoneD内であれば、定点保持用の前進制御を選択する。
推力、舵角決定部443は、選択された制御と、誤差角Δψddとから推力、および舵角を決定する。
このような構成であっても、上述のように、定点保持制御を行うことができる。
次に、別の定点保持制御方法について具体的に説明する。図13は、推力オンオフタイミングを調整する定点保持制御のフローチャートである。図14は、推力オンオフタイミングの調整による定点保持制御の概念を示す図である。図14において、横軸が時間であり、縦軸が外乱対向ライン射影距離Ldであり、実線は航跡の時間変化を示す。
なお、以下の説明では、自船が推力オン状態からオフ状態に切り替わったタイミングからを説明する。推力オフ状態(S411)になっても、それまでに加えられた推力により、船10は前進を続ける。そして、保持用船速による推力の外乱対向ライン方向成分と外乱の外乱対向ライン方向成分とが一致する位置で船10の船速は0となる。このタイミングを、外乱上領域ZoneUの最大到達点として検出する(S412)。
この外乱上領域ZoneUにおける船速が0となる位置と定点位置Ppとを結ぶ線分を外乱対向ラインに射影させた長さを、外乱上領域ZoneUの外乱対向ライン最大射影距離Ldduとして算出する(S413)。
外乱上領域ZoneUの外乱対向ライン最大射影距離Ldduから、推力オフ距離RdNFを算出する(S414)。推力オフ距離RdNFとは、外乱直交ラインLverよりも外乱上領域ZoneU側で、外乱直交ラインLverを基準とした外乱方位ADdに沿った距離によって規定される。
推力オフ距離RdNFは、係数k(0<k<1)を、外乱上領域ZoneUの外乱対向ライン最大射影距離Ldduに乗算することによって算出される。
RdNF=k*Lddu 外乱上領域ZoneUの最大到達点に到達後は、船10は外乱によって流され(後進し)、外乱直交ラインLverに近づいていく。この際、自船位置Psと定点位置Ppとから距離DISを算出し、当該距離DISの外乱対向ライン成分Lruと、推力オン距離RuNFとを比較する。距離DISの外乱対向ライン成分Lruが推力オン距離RuNFよりも大きければ、推力はオフのままである(S415:No)。
距離DISの外乱対向ライン成分Lruが推力オン距離RuNFに一致したことを検出すると(S415:Yes)、推力をオンにする(S416)。
これにより、船10は、推力オフ状態で外乱に流された状態で、外乱直交ラインLverに係る前に推力を発生することができる。したがって、外乱直交ラインLverを係ったタイミングで推力をオンするよりも、オーバーシュートしにくくなる。
次に、推力オン状態(S417)になっても、船10は、すぐに前進するわけではなく、外乱によって流される。そして、保持用船速による推力の外乱対向ライン方向成分の仕事量と外乱の外乱対向ライン方向成分の仕事量とが一致する位置で船10は外乱によって流されなくなり、船速は0となる。このタイミングを、外乱下領域ZoneDの最大到達点として検出する(S418)。
この外乱下領域ZoneDにおける船速が0となる位置と定点位置Ppとを結ぶ線分を外乱対向ラインに射影させた長さを、外乱下領域ZoneDの外乱対向ライン最大射影距離Ldddとして算出する(S419)。
外乱下領域ZoneDの外乱対向ライン最大射影距離Ldddから、推力オン距離RuNFを算出する(S420)。推力オン距離RuNFとは、外乱直交ラインLverよりも外乱下領域ZoneD側で、外乱直交ラインLverを基準とした外乱方位ADdに沿った距離によって規定される。
推力オン距離RuNFは、係数k(0<k<1)を、外乱下領域ZoneDの外乱対向ライン最大射影距離Ldddに乗算することによって算出される。
RuNF=k*Lddd 外乱下領域ZoneDの最大到達点に到達後は、船10は推力によって前進し、外乱直交ラインLverに近づいていく。この際、自船位置Psと定点位置Ppとから距離DISを算出し、当該距離DISの外乱対向ライン成分Lrdと、推力オフ距離RdNFとを比較する。距離DISの外乱対向ライン成分Lrdが推力オフ距離RdNFよりも大きければ、推力はオンのままである(S421:No)。
距離DISの外乱対向ライン成分Lrdが推力オフ距離RdNFに一致したことを検出すると(S421:Yes)、推力をオフにする(S422)。
これにより、船10は、推力オン状態で外乱に向かって前進した状態で、外乱直交ラインLverに係る前に推力をオフにすることができる。したがって、外乱直交ラインLverを係ったタイミングで推力をオフするよりも、外乱直交ラインVerを越えて前進する距離を短くすることができる。これにより、船10を定点位置Pp付近のより狭い範囲に留まらせることができる。
以下、上述の制御を繰り返していく。これにより、図14に示すように、定点位置Ppを挟んだ船10の移動範囲は徐々に短くなる。具体的な例としては、時間t21での外乱上領域ZoneUの外乱対向ライン最大射影距離Lddu(t21)と比較して、時間t23(>t21)での外乱上領域ZoneUの外乱対向ライン最大射影距離Lddu(t23)は短くなる。同様に、時間t22での外乱下領域ZoneDの外乱対向ライン最大射影距離Lddd(t22)と比較して、時間t24(>t22)での外乱下領域ZoneDの外乱対向ライン最大射影距離Lddd(t24)は短くなる。
このように、推力オン、推力オフのタイミングを調整することで、より定点位置Ppに近い位置に船10が止まり続けるようにすることができる。
次に、方位変更制御の具体的な方法について説明する。図15は、方位変更制御のフローチャートである。図16は方位変更制御の概念を示す図である。
上述のように、誤差角Δψddが誤差角閾値ThΔψddよりも大きいことを検出すると、誤差角Δψddに基づいて後進推力と舵角を決定する(S811)。この際、舵角は、船首方位ADbが外乱方位ADdに近づくように船10が後進する所定角に設定されている。
この舵角で船10を後進させる(S812)。この後進は、推力をオンにして後ろ方向へ積極的に推進させるとよい。後進時には、船首方位ADbを測定する(S813)。
船首方位ADbと外乱方位ADdとが近づくように(S813:No,S821:No))、後進制御を行う。
船首方位ADbと外乱方位ADdとが許容範囲を超えた場合は(S813:Yes)、船首方位ADbと外乱方位ADdが近づくように、前進推力と舵角を決定し(S814)、前進制御を行う(S815)。この際、船首方位ADbと外乱方位ADdとが近づくように(S816:No,S822:No)、前進制御を行う。
船首方位ADbと外乱方位ADdとが許容範囲を超えた場合は(S816:Yes)、再び上述の後進制御を行う。
船首方位ADbと外乱方位ADdとが一致していれば(S821:YesまたはS822:Yes)、方位変更制御を終了する。
このような制御を行うことで、図16に示すように、船10は一旦外乱下領域ZoneD側に移動するが、船首方位ADbと外乱方位ADdとを一致させることができる。その後、図16に示すように、単に前進すれば、船首方位ADbと外乱方位ADdとが一致した状態を保持することができ、上述の定点保持制御へ、容易に移行することができる。
そして、この方位変更制御を用いることで、外乱に流されて後進する過程を利用するので、外乱に逆らいながら前進して船首方位ADbを変更する場合の生じてしまう方位変更のためだけの過剰な負荷がかからない。これにより、容易に方位変更を行うことができる。また、前進しながらの方位変更では、定点位置Pp付近に戻るのに大きく旋回する必要が生じるが、後進を行うことで、より短い航行距離で定点位置Pp付近に船10を復帰させることができる。
なお、推力の発生、調整と舵角の調整については、次に示すような関係を保つようにするとよい。図17は、推力の発生、調整および舵角の調整の概念を示すタイミングチャートである。図17の上段のグラフは推力の大きさの時間特性であり、図17の下段のグラフは舵角の大きさの時間特性である。
図17の上段に示すように、推力は、前進推力+SL、後進推力−SL、推力無し0の三状態を選択することで、推力を調整する。すなわち、アナログ的に推力を調整するのではなく、推力オンの時間長(推力オン時間)と推力オフの時間長(推力オフ時間)とを組合せ、推力の平均化により推力を調整している。例えば、推力を上昇させるには、推力オフ時間に対する推力オン時間の比率を高くする。一方、推力を低減させるには、推力オフ時間に対する推力オン時間の比率を低くする。これにより、前進、後進それぞれ一状態の推力であっても、実際に船10に加わる推力を微調整することができる。
図17の下段に示すように、舵角は、連続的に調整するのではなく、離散的に設定した複数の舵角を選択することにより調整してもよい。例えば、図17の例であれば、+30°,+20°,+10°,0°,−10°,−20°,−30°のいずれかを選択する。これにより、外乱に影響されやすい不安定な舵角調整を抑制することができる。
さらに、図17に示すように、推力の発生時には舵角を変更せずに、推力を発生していない期間に舵角を変更してもよい。このように、推力の発生と舵角の変更を個別に行うことで、これらを同時に行うことによって生じる船10の進行方向の不安定な振る舞いを抑制することができる。
次に、第2の実施形態に係る船体制御方法および船体制御装置について、図を参照して説明する。図18は、本発明の第2の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図である。図19は通知音の発生処理のフローチャートである。
本実施形態の船体制御装置および船体制御方法は、第1の実施形態に示した船体制御装置および船体制御方法に対して、通信音発生機能を追加したものである。
図18に示すように、本実施形態の船10Aの船体制御装置20Aは、第1の実施形態の船体制御装置20に対して、放音部26を追加したものであり、これに伴って船体制御部24Aの処理に通知音発生処理が追加されたものである。
放音部26は、船体制御部24Aからの通知音発生制御に応じた通信音を発生する。
船体制御部24Aは、図19に示すフローにより通知音を決定し、通知音発生制御を放音部26に実行する。
まず、定点位置Ppの決定を検出する(S911)。定点位置Ppに到着後(S912)、定点位置Ppと自船位置Psとから距離DISを算出する(S913)。距離DISが許容距離閾値ThDISを超えると(S914:Yes)、通知音の発生を開始する。そして、距離DISに応じた通知音を選択する(S915)。
そして、距離が許容距離閾値ThDISを超え続けている間は(S916:No)、通知音を発生し続ける。距離DISが許容距離閾値ThDISを以内になると(S916:Yes)、通知音の発生を止める(S917)。
次に、通知音の選択処理について、図を参照して説明する。図20は通知音の選択処理を示すフローチャートである。なお、図20では、初期の距離DISが第1距離閾値ThDIS1以下の場合を最初としてフローを構成している。
初期の距離DISが第1距離閾値ThDIS1以下の場合、音量Vol0で周波数f0からなる初期音を発生させる(S921)。
次に、船10が外乱に流される等により移動し、距離DISが第1距離閾値ThDIS1より長くなると(S922:Yes)、音量Vol1で周波数f1からなる第1通知音に切り替える(S923)。第1通知音の音量Vol1は、初期音の音量Vol0よりも大きく設定されている。第1通知音の周波数f1は、初期音の周波数f0よりも高く設定されている。
これにより、船10が定点位置Ppから第1距離閾値ThDIS1よりも離れると、より音量が大きく、周波数の高い通知音が放音される。これにより、ユーザは、船10が定点位置Ppから、第1距離閾値ThDIS1よりも離れたことを知ることができる。この際、音量Vol1を音量Vol0よりも大きくし、周波数f1を周波数f0よりも高くすることで、ユーザにとって、より感知し易い音になり、定点位置Ppから離れたことを通知する効果を高くすることができる。
次に、船10が外乱によってさらに流される等により移動し、距離DISが第2距離閾値ThDIS2より長くなると(S924:Yes)、音量Vol2で周波数f2からなる第2通知音に切り替える(S925)。第2通知音の音量Vol2は、第1通知音の音量Vol1よりも大きく設定されている。第2通知音の周波数f2は、第1通知音の周波数f1よりも高く設定されている。
これにより、船10が定点位置Ppから第2距離閾値ThDIS1よりも離れると、より音量が大きく、周波数の高い通知音が放音される。これにより、ユーザは、船10が定点位置Ppから、第1距離閾値ThDIS1よりも更に遠い第2距離閾値ThDIS2よりも離れたことを知ることができる。この際、音量Vol2を音量Vol1よりも大きくし、周波数f2を周波数f1よりも高くすることで、ユーザにとって、より感知し易い音になり、定点位置Ppからさらに離れたことを通知する効果を高くすることができる。
なお、上述の説明では、定点位置Ppから遠ざかるほどに、音量が大きくなり、周波数が高くなる例を示したが、定点位置Ppまでの距離DISに応じて音量と周波数の少なくとも一方が変化する態様であれば、他の態様であってもよい。例えば、定点位置Ppに近づくほど、音量が大きくなり、周波数が高くなるようにしてもよい。また、定点位置Ppから離れるほど、周波数のみが高くなるようにしてもよい。
次に、第3の実施形態に係る船体制御方法および船体制御装置について、図を参照して説明する。図21(A)は、本発明の第3の実施形態に係る船の主要構成を示すブロック図であり、図21(B)は、表示画面例を示す図である。図22は魚種による操船制御決定処理のフローチャートである。
本実施形態の船体制御装置および船体制御方法は、第1の実施形態に示した船体制御装置および船体制御方法に対して、魚種による操船選択機能を追加したものである。
図21(A)に示すように、本実施形態の船10Bの船体制御装置20Bは、第1の実施形態の船体制御装置20に対して、操作機能付き表示部25Bを備えたものである。
操作機能付き表示部25Bは、タッチパネルからなり、表示面をユーザが操作することで、操作入力を受け付ける。操作機能付き表示部25Bは、図21(B)に示すような態様からなる表示画面250を備える。
表示画面250は、探知データや取得情報等を表示する情報表示部251と、操作入力部252とを備える。操作入力部252には、それぞれ魚種名が表示された操作タブ253が複数配列されている。
各操船タブ253は、それぞれ個別に設定された魚種に関連付けされている。また、各魚種には、図23に示すように、ポイント、操船方法、定点種別等の情報が関連付けられている。図23は、魚種とポイント、操船方法、定点種別の関連付け例を示す表である。ポイントは、選択された魚種の釣果が高い位置を示すものであり、上述の定点位置Ppに対応させることができる。操船方法は、上述の「定点保持」、「定点保持流し」、「定点通過流し」等の定点位置Ppに対する船の移動、保持態様を示すものである。定点種別とは、「魚礁」、「桟橋」、「ブイ」、「橋」等の定点位置Ppに存在する対象物の種類を示すものである。
ユーザが操作タブ253を操作すると、操作タブ253の魚種に関連付けられたポイント、操船方法、定点種別等の情報を含む操船制御信号が生成され、船体制御部24に出力される。船体制御部24は、操船制御信号に応じて、適切な操船制御、例えば上述の定点位置への航行制御や、定点保持制御を実行する。
このような操船制御処理は、次に示すフローによって実行される。
まず、魚種別選択画面である操作入力部252付きの表示画面250を表示する(S931)。次に、操作入力が無ければ(S932:No)、魚種別選択画面を表示しながら、操作入力待ち状態を維持する。操作入力が有ったことを検出すると(S932:Yes)、選択された魚種に応じた操船制御内容を選択する(S933)。
そして、選択された操船制御内容に応じた操船制御を開始する(S934)。
このような構成および処理を用いることで、ユーザが魚種を選択するだけで、適切な操船制御が自動で実行される。
10,10A:船、20,20A:船体制御装置、21:アンテナ、22:測位部、23:センサ、24:船体制御部、25:操作部、25B:操作機能付き表示部、26:放音部、30:動力源、31:プロペラ、40:舵、41:方位船速設定部、42:航行条件決定部、43:重み付け処理部、421:定点方向ベクトル算出部、422:定点位置ベクトル算出部、433:重み付け係数設定部、4341,4342,4343,4344:乗算器、4351,4352:加算器、44:定点保持制御部、441:誤差角検出部、442:前後進決定部、443:推力,舵角決定部

Claims (26)

  1. 自船位置を取得する工程と、
    自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出する工程と、
    予め設定した定点位置と前記自船位置とから前記定点位置に向かう目標方位を算出する工程と、
    前記外乱方位から前記定点位置での目標方位を検出する工程と、
    前記定点位置に向かう目標方位と前記定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出する工程と、
    前記航行方位に応じて舵角を調整する工程と、を有する、船体制御方法。
  2. 請求項1に記載の船体制御方法であって、
    前記航行方位を算出する工程は、
    前記定点位置に向かう目標方位と前記定点位置での目標方位との重み付け加算によって、前記航行方位を算出し、
    前記重み付け加算は、前記自船が前記定点位置に近づくほど前記定点位置での目標方位の重みが重くなるように設定されている、船体制御方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の船体制御方法であって、
    前記外乱の大きさを検出する工程と、
    前記外乱の大きさから前記定点位置での目標船速を算出する工程と、
    前記自船を前記定点位置に向わせる目標船速と、前記定点位置での目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出する工程と、
    前記航行船速に応じて推力を調整する工程と、を有する、船体制御方法。
  4. 請求項3に記載の船体制御方法であって、
    前記航行船速を算出する工程は、
    前記定点位置に向わせる目標船速と前記定点位置での目標船速との重み付け加算によって、前記航行船速を算出し、
    前記重み付け加算は、前記自船が前記定点位置に近づくほど前記定点位置での目標船速の重みが重くなるように設定されている、船体制御方法。
  5. 自船位置を取得する工程と、
    自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出する工程と、
    前記外乱方位に対して直交し定点位置を通る外乱直交ラインを設定する工程と、
    推力と舵角を調整することにより、前記外乱直交ラインと前記自船位置との関係から前記外乱方位に略平行な方向に沿って自船を前進もしくは後進させる工程と、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、
    前記最も離間する距離が、前記外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも長い場合に、前記船の推力を低減させる工程を、有する、船体制御方法
  6. 自船位置を取得する工程と、
    自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出する工程と、
    前記外乱方位に対して直交し定点位置を通る外乱直交ラインを設定する工程と、
    推力と舵角を調整することにより、前記外乱直交ラインと前記自船位置との関係から前記外乱方位に略平行な方向に沿って自船を前進もしくは後進させる工程と、
    自船の船首方位を検出する工程を有し、
    前記自船の船首方位と外乱方位とが略一致する場合に、
    前記自船を前進もしくは後進させる工程は、前記自船位置が前記外乱直交ラインに対して外乱側にあるときに前記自船を後進させ、前記自船位置が前記外乱直交ラインに対して外乱と反対側にあるときに前記自船を前進させる工程と、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、
    前記最も離間する距離が、前記外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも長い場合に、前記船の推力を低減させる工程を、有する、船体制御方法
  7. 請求項5または請求項6のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、
    前記最も離間する距離が、前記外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも短い場合に、前記船の推力を上昇させる工程を、有する、船体制御方法。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出する工程と、
    前記最も離間する距離に基づいて推力をオンさせるタイミングとオフさせるタイミングのいずれか一方を調整する、船体制御方法。
  9. 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記船首方位と前記外乱方位との差分が閾値以下の場合に前記自船を前進もしくは後進させる工程を実行する、船体制御方法。
  10. 請求項9に記載の船体制御方法であって、
    前記船首方位と前記外乱方位との差分が前記閾値より大きな場合に前記船首方位を変更する工程を実行する、船体制御方法。
  11. 請求項10に記載の船体制御方法であって、
    前記船首方位を変更する工程は、
    前記船を後進させながら舵角を調整して前記船首方位と前記外乱方位とを近づける工程と、
    前記船を前進させながら舵角を調整して前記船首方位と前記外乱方位とを近づける工程と、
    を有する、船体制御方法。
  12. 請求項5乃至請求項11のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記自船位置が、前記定点位置を中心とする所定距離範囲内にある場合に、前記船を前進もしくは後進させる工程を実行し、
    前記自船位置が前記所定範囲から外れる場合に、
    前記定点位置と前記自船位置とから前記定点位置に向かう目標方位を算出する工程と、
    前記外乱方位から前記定点位置での目標方位を検出する工程と、
    前記定点位置に向かう目標方位と前記定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出する工程と、
    前記外乱の大きさを検出する工程と、
    前記外乱の大きさから前記定点位置での目標船速を算出する工程と、
    前記自船を前記定点位置に向わせる目標船速と、前記定点位置での目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出する工程と、
    前記航行方位に応じた舵角を調整し、前記航行船速に応じて推力を調整する工程と、を実行する、船体制御方法。
  13. 請求項3乃至請求項12のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記推力と前記舵角の調整を異なるタイミングで実行する、船体制御方法。
  14. 請求項3乃至請求項13のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記推力および前記舵角は離散的な値に設定されている、船体制御方法。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    前記自船位置と前記定点位置との距離に応じて通知を行う工程を、有し、
    前記通知は、前記距離によって異なるように設定されている、船体制御方法。
  16. 請求項3乃至請求項15のいずれかに記載の船体制御方法であって、
    魚種によって操作入力を受け付ける工程と、
    前記魚種に関連付けられた操業態様を選択する工程と、
    選択された操業態様に基づいて前記自船の制御を行う工程と、を有する船体制御方法。
  17. 自船位置を取得する測位部と、
    自船を基準として該自船に対して外からの付勢力を与える外乱の方向である外乱方位と該外乱の大きさを検出するセンサと、
    前記自船の推力および舵角を設定する船体制御部と、を備え、
    前記船体制御部は、
    予め設定した定点位置と前記自船位置とから決定される前記定点位置に向かう目標方位と、前記外乱方位から決定される前記定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出し、
    前記外乱の大きさから決定される前記定点位置での目標船速と、前記自船を前記定点位置に向かわせる目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出し、
    前記航行船速に応じて推力を調整し、前記航行方位に応じた舵角を調整する、船体制御装置。
  18. 請求項17に記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記定点位置に向かわせる目標船速と前記定点位置での目標船速との重み付け加算によって、前記航行船速を算出し、
    前記定点位置に向かう目標方位と前記定点位置での目標方位との重み付け加算によって、前記航行方位を算出し、
    前記重み付け加算は、前記自船が前記定点位置に近づくほど前記定点位置での目標船速の重みが重くなり、前記自船が前記定点位置に近づくほど前記定点位置での目標方位の重みが重くなるように設定されている、船体制御装置。
  19. 自船位置を取得する測位部と、
    自船を基準として該自船に対して外からの力を与える外乱の方向である外乱方位を検出するセンサと、
    前記自船の推力および舵角を設定する船体制御部と、を備え、
    前記船体制御部は、
    前記外乱方位に対して直交し定点位置を通る外乱直交ラインを設定し、
    前記外乱直交ラインと前記自船位置との関係から前記外乱方位に略平行な方向に沿って自船を前進もしくは後進させるように、前記推力と前記舵角を調整し、
    前記船体制御部は、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出し、
    前記最も離間する距離が、前記外乱の大きさによって決定される推力調整用の閾値距離よりも長い場合に前記推力を低減させ、
    前記最も離間する距離が、前記推力調整用の閾値距離よりも短い場合に前記推力を上昇させる、船体制御装置
  20. 請求項19に記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記外乱方位に平行な外乱対向ライン上において前記船が前記定点位置から最も離間する距離を検出し、前記最も離間する距離に基づいて前記推力をオンさせるタイミングとオフさせるタイミングのいずれか一方を調整する、船体制御装置。
  21. 請求項19または請求項20に記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記船首方位と前記外乱方位との差分が閾値以下の場合に前記自船を前進もしくは後進させる工程を実行し、
    前記船首方位と前記外乱方位との差分が前記閾値より大きな場合に前記船首方位を変更する工程を実行する、船体制御装置。
  22. 請求項21に記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記船を後進させながら舵角を調整して前記船首方位と前記外乱方位とを近づけ、前記船を前進させながら舵角を調整して前記船首方位と前記外乱方位とを近づけるように、前記推力と前記舵角を調整する、船体制御装置。
  23. 請求項19乃至請求項22のいずれかに記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記自船位置が、前記定点位置を中心とする所定距離範囲内にある場合に、前記船を前進もしくは後進させ、
    前記自船位置が前記所定範囲から外れる場合に、前記定点位置と前記自船位置とから決定される前記定点位置に向かう目標方位と、前記外乱方位から決定される前記定点位置での目標方位とから、その時点での自船の航行する方位である航行方位を算出し、
    前記外乱の大きさから決定される前記定点位置での目標船速と、前記自船を前記定点位置に向かわせる目標船速とから、その時点での自船の航行する速度である航行船速を算出し、
    前記航行船速に応じて推力を調整し、前記航行方位に応じた舵角を調整する、船体制御装置。
  24. 請求項17乃至請求項23のいずれかに記載の船体制御装置であって、
    前記船体制御部は、
    前記推力と前記舵角の調整を異なるタイミングで実行する、船体制御装置。
  25. 請求項17乃至請求項24のいずれかに記載の船体制御装置であって、
    前記自船位置と前記定点位置との距離に応じて通知を行う通知部を備え、
    前記船体制御部は、前記距離によって異なる通知を行うように、前記通知部を制御する、船体制御装置。
  26. 請求項17乃至請求項25のいずれかに記載の船体制御装置であって、
    魚種によって操作入力を受け付け、前記魚種に関連付けられた操業態様を選択する操作入力部を備え、
    前記船体制御部は、選択された操業態様に基づいて前記自船の制御を行う、船体制御装置。
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