JP6278330B2 - 放射線検出方法および放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出方法および放射線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出方法および放射線検出装置に関する。
互いに接触する一対の対象物に放射性同位体を打ち込んで、当該放射性同位体の放射性崩壊によるγ線を検出することにより、対象物の摩耗を検出する検出方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2010−236438号公報
しかしながら、上記検出方法では、容器中にある一対の対象物に容器外部から潤滑剤を循環させ、対象物から分離して潤滑剤に流れ込んだ放射性同位体のγ線量を検出しているので、潤滑剤の循環系がない場合は適用できない。また一対の対象物の摩耗状態そのものや、一対の対象物上の放射線源の位置や分布形状等の放射線源の放射状況を直接的に検出することができなかった。
本発明の第1の態様においては、放射線源を有する対象物を周期運動させる運動段階と、運動段階において対象物が1周期以上周期運動している間に、対象物からの放射線量を検出する検出段階と、検出段階で検出された放射線量の時間的変化に基づいて、放射線源の放射状況を再構成する再構成段階とを備える放射線検出方法が提供される。
本発明の第2の態様においては、放射線源を有する対象物を周期運動させる駆動部と、対象物が1周期以上周期運動している間に、対象物からの放射線量を検出する検出部と、検出部で検出された放射線量の時間的変化に基づいて、放射線源の放射状況を再構成する再構成部とを備える放射線検出装置が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態にかかる放射線検出装置100の概略を示す平面図である。 打込装置120の構成を示す模式図である。 放射線検出装置100の一部を示す概略図である。 図3における検出部160と162からの同時検出率の時間的変化を示す概念図である。 図3における検出部164による検出率の時間的変化を示す概念図である。 検出部160、162による同時検出、および、検出部164による検出率の時間的変化をフーリエ変換して周波数空間で表した概略図である。 検出部160、162を移動したときに得られるサイノグラムを概略的に示す。 放射線検出装置100を摩耗試験に応用した例の概略図を示す。 図8の状態を検出した場合のサイノグラムを概略的に示す。 放射線検出装置100を摩耗試験に応用した他の例の概略図を示す。 図10の状態を検出した場合のサイノグラムを概略的に示す。 放射線検出装置100で用いられる対象物50の他の例の概略図を示す。 放射線検出装置100で対象物50を検出したサイノグラムを概略的に示す。 図5における検出部164による検出率で、点状線源の場合と分布した線源による場合の時間的変化を示す概念図である。 図14における検出部164による、点状線源の場合と分布した線源の場合の検出率の時間的変化をフーリエ変換して周波数空間で表した概略図である。 実施例1において得られたサイノグラムである。 図16のサイノグラムを用いて放射線源12の放射状況を2次元的に再構成した結果である。大きい円は直径14cmのターンテーブル、小さい円は2個の線源の位置を示す。 実施例2で放射線源12として使用した面線源の強度分布をイメージングプレートで測定した結果である。図中の長方形は長さ10cm、幅6cmのアルミ板の外周で、円はその中心にあけられた直径3.2cmの孔である。 図18の強度分布をもつ面線源で得られたサイノグラムである。 図19のサイノグラムを用いて放射線源12の放射状況を2次元的に再構成した結果である。図中の大きい円は直径14cmのターンテーブル、長方形と小さい円は図18に示した面線源の外周と孔である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態にかかる放射線検出装置100の概略を示す平面図である。放射線検出装置100は、放射線源をもつ対象物10を周期運動させつつ当該対象物10からの放射線量を検出することにより、対象物10中の放射線源の放射状況を再構築する。放射線の例として、放射線源から放出された陽電子が電子と対消滅する場合に、互いに反対方向に放射される2個の511keVのγ線光子を用いる。陽電子を放出する放射線源の一例は、22Naである。
放射線検出装置100は、対象物10を回転する回転駆動部150と、γ線の入射方向が互いに向かい合った一対の検出部160、162と、当該検出部160、162を支持するアーム182と、アーム182を往復駆動する往復駆動部180と、往復駆動部180を制御する制御部190と、アーム182の位置を測定する位置測定部184と、検出部からの電気信号を処理して放射線源の放射状況を再構成する再構成部170と、回転駆動部150に固定されたモニター用の検出部164を有する。ここで、回転運動は周期運動の一例である。また、対象物10として円盤状の部材が例示されている。
回転駆動部150は、対象物10を制御部190からの指示に基づいて一方向に回転する。回転駆動部150は対象物10が1回転して位相角が所定の値になるたびに電気的に検出する機構を持つ。たとえば、標識154が対象物10と同期して回転して、それが1周するごとに固定されたピックアップ156が認識すれば、当該認識の数と回転数とが対応付けられる。なお、標識154は対象物10に直接設けられてもよい。なお、対象物10はγ線光子が十分透過できる程度の厚さをもつ容器152に密閉されていてもよい。
一対の検出部160、162、164は、γ線光子を検出する、例えばNaIシンチレータである。このうち検出部160、162におけるγ線の入射方向は互いに向かい合っているので、陽電子と電子の対消滅により生じた2個のγ線光子が検出部160、162で検出されるのは、その放射線源が一対の検出部160、162のγ線の入射方向を結んだ線分上にある場合に限られる。当該線分を同時検出線と呼び、電子と陽電子の対消滅により生じた2個のγ線光子が検出部160、162で検出されることを同時検出と呼ぶ場合がある。検出部164は検出部160、162とは独立に、対象物10の放射線源から入射したγ線を検出する。検出部164が検出対象とするγ線は、陽電子と電子の対消滅によるものに限定されず、他の放射性崩壊過程によるものも含む。
検出部160、162、164の指向性を向上させるべく、検出部160、162、164の前にスリット状の間隔をあけた鉛板等による放射線遮蔽部材を置いてもよい。検出部160、162、164は、検出したγ線光子によるパルス電気信号を再構成部170に受け渡す。
往復駆動部180は、対象物10の回転運動の面内の一方向に沿ってアーム182を往復移動する。図1に示す例において、対象物10の回転運動は紙面内であり、アーム182は紙面内の上下方向に沿って往復移動する。これにより、アーム182とともに一対の検出部160、162が当該一方向に移動するので、点線で示す同時検出線が当該一方向に沿って走査される。この場合に、往復駆動部180は、検出部160、162の同時検出線が対象物10の一方の外側から他方の外側まで走査されるようにアーム182を駆動することが好ましい。
図2は、対象物10に放射線源12を打ち込む打込装置120の構成を模式的に示した模式図である。打込装置120は、ビームの流れ方向に沿って、加速器122と、標的物質130と、スリット131、成分分離部132、スリット133、収束部135、スリット136、エネルギー調整板134とを有する。
加速器122は、イオン源126と加速部124で構成され、イオン源126で生成した安定核種イオンを加速部124で所定の速度まで加速して1次ビームを生成する。2次ビームが22Naである場合の1次ビーム核種の例は、23Naあるいは22Neである。
標的物質130には、加速器122から1次ビームが照射される。1次ビームが標的物質130中を通過する際に原子核反応により1次ビームの安定核種からそれと異なる核種が2次ビームとして生成される。標的物質130を通過した1次ビームには、こうして生成された核種の2次ビームが含まれる。2次ビームが22Naであって1次ビームが23Naである場合の標的物質130の一例はBeであって、23Naの1次ビームが照射されたことによる原子核反応により22Naを含むビームが生成される。スリット131は、標的物質130で生成されたビームのうち予め定められた方向のビームを通過させ、他を遮断する。
成分分離部132は、電磁石およびその磁場中で一方向に湾曲した真空箱を有する。これにより、標的物質130で生成された複数の核種は、磁場中で当該種類ごとに異なる湾曲経路をとり、真空箱中を通過する際に空間的に分離される。スリット133は、幅と位置が可変であって、成分分離部132で空間的に分離された複数核種のうち、打ち込みを目的とする放射性同位体、例えば22Naの2次ビームを通過させ、他を遮断する。
収束部135は、電磁石およびその磁場中で一方向に湾曲した真空箱を有する。これにより、空間的に広がった2次ビームを収束して出力する。スリット136は、幅および位置が可変であって、収束部135から出力された2次ビームのうち予め定められた方向とサイズのビームを通過させ、他を遮断する。
エネルギー調整板134は、2次ビームの運動エネルギーを調整する。エネルギー調整板134の一例はアルミ箔である。図2に示す例で、エネルギー調整板134は断面が楔形を有しており、ビームに対して垂直に移動して2次ビームを照射する位置の厚みを変えることにより、2次ビームの運動エネルギーを調整する。
楔形のエネルギー調整板134を移動するのに代えて、互いに厚みが異なる複数のエネルギー調整板134を入れ替えてエネルギーを調整してもよい。さらに別の例として、平板のエネルギー調整板134を2次ビームに対して傾けることで、エネルギー調整板134内を通過するビームの行路長を変えてエネルギーを調整してもよい。
エネルギー調整板134の出力側に、ターゲットとなる対象物10が配される。これにより、対象物10が2次ビームで照射されて、2次ビームを構成している放射性同位体が対象物10に打ち込まれて放射線源12となる。この場合に、エネルギー調整板134により運動エネルギーを低くされた放射性同位体は対象物10の表面から浅い位置に留まる。よって、エネルギー調整板134により、表面からの打ち込み深さが調整される。
上記のように打込装置120により外部で生成したRIを対象物に打ち込む方法(RI打ち込み法)によれば、対象物をイオンビーム照射してその中の原子核反応でRIを作る直接放射化法に比べて、下記利点がある。対象物への放射線損傷を低減でき、妨害放射性同位体がない低バックグラウンド環境で摩耗量が検出できるので、検出精度が向上する。原理的に如何なる材質の摩耗面でも摩耗検出に適した半減期の放射性同位体を打ち込むことができる。特に、成分分離部132および収束部135の磁石、スリット133のスリット幅、スリット136のスリット幅、エネルギー調整板134の厚さ、打ち込み時間等を制御することで、放射性同位体が打ち込まれる深さ、その分布の形および量を様々に設定することができる。
図3は、放射線検出装置100の一部を示す概略図である。放射線源12として、対象物10に固定した極座標(r,θ)の位置に、点状の放射線源が配されている場合を考える。さらに、一対の検出部160、162の位置を固定した場合を考える。
一対の検出部160、162の同時検出線に垂直で、対象物10の回転中心を通る下向きの半直線を静止系の基準線とする。静止系の基準線に対する対象物10の極座標の基準線(θ=0)の角度すなわち位相をφとする。標識154は位相φが0の時にピックアップ156に認識されるように設定する。よって、対象物10が周期T0で等速で1回転する間に当該周期T0でφは0から2πまで線形に変化する。これにより、再構成部170は、ピックアップ156が標識154を認識したときの時刻を取得し、当該時刻から経過した時間で位相φを特定する。
さらに、対象物10の回転中心に対する同時検出線の位置をyとする。当該位置yは、位置測定部184から出力されるアーム182の位置に基づいて、再構成部170が特定する。
図4は、図3における検出部160、162からの出力を示す概念図である。図3において、放射線源12で陽電子と電子の対消滅により生じた2個のγ線光子が一対の検出部160、162で同時検出されるのは、放射線源12が同時検出線上にある場合、すなわち、y=r・cos(θ+φ)のときである。さらに−r<y<rであれば、放射線源12は、対象物10が一回転する間に同時検出線を2回横切る。したがって、図4に示すように、φが0から2πまでの間に、φ1およびφ2(=2π−2θ−φ1)の2つで同時検出によるγ線検出率がピークを示す。すなわち、同時検出の時間的変化には、対象物10の周期運動の周期T0と同期性があるといえる。
したがって、逆に、放射線源12の位置が未知であるときに、図3の構成において図4のようにφ1およびφ2で同時検出によるγ線検出率のピークが得られた場合に、再構成部170は放射線源12の位置(r,θ)を特定することができる。すなわち、再構成部170は、制御部190から取得した周期T0と、ピックアップ156が標識154を認識してから陽電子と電子の対消滅により生じた2個のγ線光子が一対の検出部160、162で同時検出されるまでの時間に基づいて、放射線源12の位置(r,θ)を特定することができる。
なお、検出部160、162による検出は、対象物10が複数回回転する間続けられることが好ましい。この場合に、再構成部170は、複数回回転中に計数された同時検出数の積算値を用いて上記特定をしてもよいし、複数回回転中の同時検出数を回数で平均した平均値を用いて上記特定をしてもよい。放射線源の放射性同位体の半減期が長く強度が低い場合、多くの回転数での積算値または平均値を用いることが好ましい。これらは以下の他の実施形態でも同様に適用できる。
以上、本実施形態によれば、対象物10の回転中における検出部160、162によるγ線検出率の時間的な変化に基づいて、放射線源12の放射状況の一例として、当該放射線源12の位置を特定することができる。なお、再構成部170は、制御部190から周期T0を取得することに代えて、単位時間当たりの回転数を取得してもよい。これは以下の他の実施形態でも同様に適用できる。
図5は、対象物10の回転中心に対して固定されている検出部164によるγ線検出率の時間的変化を示す概念図である。放射線源12が1周する間に検出部164との距離が変わり、検出率が変化する。したがって検出部164の検出率は対象物10の回転に同期して周期的に変化する。
図6は、検出部164による検出率の時間的変化をフーリエ変換して周波数空間で表した概略図である。なお、検出部160、162が固定されている場合は、検出部160、162の同時検出率の時間的変化をフーリエ変換すれば同様の図が得られる。
図5に示すように、検出には周期T0の繰り返しがある。したがって、逆に、周波数空間で1/T0にピークがあれば、放射線源12の周期運動の周期がT0であることが特定される。以上の通り、再構成部170は、制御部190から直接的に周期T0を取得することに代えて、モニター検出部164の検出率の時間的変化に基づいて周期T0を算出してもよい。
図3の構成において、検出部160、162の互いの位置関係を保ったまま直線運動して対象物10を走査したとき、再構成部170は同時検出率を同時検出線の位置yと位相φの関数としてy−φ面上にプロットすることによりサイノグラムを得る。同時検出線の位置yは図1で説明した通り、位置測定部184から出力されるアーム182の位置により特定される。同時検出線が回転している対象物10を一方向に走査するので、対象物10の上で見ると各点で異なる方向の同時検出線が交差し、同時検出線の方向は位相φにより決まる。
放射線源12が点状の場合、サイノグラムとして図7に示すように正弦曲線を得る。さらに、放射線源12の位置(r,θ)に対応して、サイノグラムの正弦曲線が位相φ=−θで位置y=−rの極小値をもつ。したがって、逆に、再構成部170は図7のサイノグラムが得られた場合に、放射線源12が回転運動をしており位置(r,θ)にあると特定することができる。
放射線源12が複数の点状放射線源よりなる場合、サイノグラムもそれぞれの位置に対応した複数の正弦曲線の重ね合わせとなる。また放射線源12が対象物10の上に2次元的に分布した面状の放射線源の場合、サイノグラムは線源の強度分布に応じて正弦曲線を重ね合わせた形となる。いずれの場合もすでに知られている数学的な操作アルゴリズムによりサイノグラムから放射線源の強度分布を再構成することができる。なお、上記装置および方法は、回転体のγ線源の分布を知ることができるので、Gamma-ray Inspection of Rotational Objectの頭文字をとって、GIROと呼ぶことを提唱したい。
図8は、上記放射線検出装置100を摩耗試験に応用した例の概略図を示す。円盤状の対象物10が、中空の容器18に密閉されている。対象物10と容器18との間には潤滑剤16が充填されている。対象物10の表面には放射線源12が注入されている。よって、容器内にある対象物10の動作にともない他の部品と摩擦あるいは接触して対象物10が摩耗すると、潤滑剤16に放射線源12に含まれていた放射性同位体14が混ざる。ここで、図8に示すように、潤滑剤16において放射性同位体14が特定の領域、図中で下の領域に集まっているとする。
図9は、図8の状態を走査した場合のサイノグラムを概略的に示す。図9のサイノグラムは、図7と同様に、放射線源12の位置に対応して、φ=−θで極小点y=−rを通る周期T0の正弦曲線となる。
さらに、図中に網掛けで示したように、周期T0と同期しない、すなわち位相φ方向に一様またはランダムに分布したγ線が検出される。潤滑剤16において放射性同位体14が下の領域に集まっていることに対応して、当該網掛けの領域は−r側に集中する。
したがって、逆に、再構成部170は図9のサイノグラムが得られた場合に、放射線源12が回転運動をしており位置(r,θ)にあるとともに、摩耗により放射線源12に含まれていた放射性同位体14が−r側に集まっているという、放射状況を2次元イメージとして再構成することができる。さらに、正弦曲線に沿った領域のγ線の強度、網掛けの領域のγ線の強度等から、放射状況の再構成の他の例としての摩耗状況を特定することができる。さらに、再構成部170は、検出部160、162の走査を繰り返してサイノグラムを比較することにより、摩耗状況の時間的な変化を再構成することができる。
図10は、上記放射線検出装置100を摩耗試験に応用した他の例の概略図を示す。全体構成は図8と同様である。図8と異なり図10では、潤滑剤16において放射性同位体14が潤滑剤16の中をまんべんなく分散している。
図11は、図10の状態を走査した場合のサイノグラムを概略的に示す。図11のサイノグラムは、図7と同様に、放射線源12の位置に対応して、位相φ=−θで位置y=−rを極小点とする周期T0の正弦曲線となる。
さらに、図中に網掛けで示したように、周期T0と同期しない、すなわち位相φ方向に一様またはランダムに分布した強度のγ線が検出される。潤滑剤16の中で放射性同位体14がまんべんなく分散していることに対応して、当該網掛けの領域は+r側から−r側まで全体に広がっている。
したがって、逆に、再構成部170は図11のサイノグラムが得られた場合に、放射線源12が回転運動をしており位置(r,θ)にあるとともに、摩耗により放射線源12に含まれていた放射性同位体14がまんべんなく拡散しているという、放射状況を2次元イメージとして再構成することができる。特に、図9と図11との比較により、放射性同位体14がある領域に集まっているか全体に分散しているかを区別することができる。
なお、円盤状の対象物10と潤滑剤16との組み合わせに代えて、異なる周期で回転する一対の円盤状の対象物を接触させて、一方から他方へ回転駆動力を伝達させる場合に上記実施形態を適用してもよい。この場合に、少なくとも一方の対象物における、他の対象物と接触および離間を繰り返す位置に放射線源が配されることが好ましい。また、一対の円盤状の対象物に代えて、一対の歯車を噛み合わせる場合に上記実施形態を適用してもよい。
また、回転する対象物10の上に2次元的に配された放射線源12の分布形状が、拡散などの過程で回転周期より十分ゆっくりと変化する場合、放射線源12の分布形状の変化はサイノグラムの形の変化をもたらす。逆にサイノグラムから数学的な操作アルゴリズムにより放射線源の分布形状を得ることができるので、再構成部170は、検出部160、162の走査を繰り返してサイノグラムを比較することにより、分布形状の時間的な変化を再構成することができる。
図12は、上記放射線検出装置100で用いられる対象物50の他の例の概略図を示す。図12において、対象物50は径の小さい滑車20、径の大きい滑車30およびそれらに架け渡されたベルト40を有する。ベルト40には放射線源42があるとする。
図1の放射線検出装置100の回転駆動部150が、滑車20、30の一方または両方を回転駆動する。これにより、滑車20、30およびベルト40がそれぞれ周期T1、T2,T3で同期して周期運動する。
図13は、上記放射線検出装置100で対象物50を検出したサイノグラムを概略的に示す。ベルト40に対して検出部160、162の同時検出線を紙面の上下方向に走査すると、図13のように、周期T3において、滑車20、30に巻き付いている部分で正弦曲線、他の部分で直線となる線が現れる。これにより、回転運動以外の2次元周期運動についても、放射線源42の位置および強度分布を含む放射状況を再構成することができる。
ここで、放射線源42の放射性同位体が滑車20、30に付着した場合には、図13に示す周期T3のサイノグラムでは線としては現れない。しかしながら、それぞれ周期T1、T2でサイノグラムを描くことにより線として現れる。同時検出の検出結果に複数の周期が含まれるか否かは、図6で説明したようなフーリエ変換を用いてもよい。このように、当初の放射線源42とは異なる、他の対象物の周期に同期したサイノグラムを得ることにより、放射状況の一例として、放射線源42の放射性同位体が当該他の対象物へ付着した付着度合を特定することができる。
なお、上記実施形態において対象物10に対する走査のため検出部160、162を移動した。これに代えてまたはこれに加えて、検出部160、162を固定して、対象物10の方を往復移動させてもよい。
また、上記実施形態においては、陽電子が電子と対消滅した場合に発生する2個のγ線光子を一対の検出部160、162で同時検出し、検出部を直線移動させてサイノグラムを得た。これに代えて、単一の検出部でγ線を検出しながら直線移動させてもサイノグラムを得ることができる。この場合検出対象のγ線は陽電子と電子の対消滅によるものに限らず、他の放射性崩壊によるγ線でもよい。また、これに代えて、またはこれに加えて、他の放射線で透過性と直進性をもつX線などを単一の検出器で検出してもよい。この場合にも、検出部の前にスリット状の間隔をあけてそれぞれの放射線に対する遮蔽物を置いて、検出部の指向性を高くすることが好ましい。
また、これに代えてモニター用の検出部164のみを用い、そのγ線検出率の時間変化のフーリエ変換を用いても、放射線源12の放射状況について限定された情報を得ることができる。放射線源12が点状の場合、検出部164のγ線検出率は図14の実線に示すような周期的な変化を示すが、摩耗などにより放射線源12から分離した放射性同位体が潤滑剤中に分布した場合、検出率の周期的変化の振幅は図14の破線のように減少し、そのため図15に示すようにフーリエ変換による周波数1/T0の成分が減少する。したがって検出部164によるγ線検出率のフーリエ成分の時間的変化から、摩耗状況の時間的変化を再構成することができる。
図1の放射線検出装置100において、検出部160、162を固定して、対象物10は水平面内を回転するターンテーブルとして、水平方向に往復移動可能にした。可動範囲は14cmとした。
検出部160、162にはNaIシンチレータを用いた。それぞれのNaIシンチレータの前には、幅6mmの間隔を置いて、厚さ3cm、幅10cm、高さが9cmの鉛ブロックを2個ずつ置いた。
ターンテーブルの上に、放射線源12として約1.5kBqと6kBqの2個の22Na線源を配した。当該放射線源12のそれぞれは直径2mm以下である。
また、ターンテーブルの側方に伸びてから下方に伸びるL字棒状の標識154を取り付けた。これにより、標識154が光電ピックアップ156を横切るたびにパルス信号を発生させた。
当該パルス信号でクロックを起動して、同時検出がされた時刻までに積算されたクロック数を、それぞれの検出部160、162のパルス波高とともに記録した。ここで、積算されたクロック数が位相φに対応し、パルス波高がγ線光子のエネルギーに対応する。
ターンテーブルの回転数は毎分150回転とした。同時検出線は、±70mmの範囲で、毎分2mm間隔で走査した。測定の所要時間は約24時間であった。
図16は、上記実施例において得られたサイノグラムである。上記回転数に応じた周期で、2本の正弦曲線が現れていることが分かる。
図17は、図16のサイノグラムを用いて放射線源12の放射状況を2次元的に再構成した結果である。図17に示すように、ターンテーブル上に配した放射線源12に対応した位置に、放射線源が再構築されていることが分かる。再構築された放射線源の広がりは約4mm以下であった。これは鉛ブロックでコリメートした幅によると考えられる。
また、実施例1と同じターンテーブルの上に、放射線源12として長さ10cm、幅6cm、厚さ2mmのアルミ板に約150kBqの22Naを注入した面状の線源を固定した。図18はイメージングプレートで測定した当該線源の強度分布である。
この線源を用いて実施例1と同じ条件で測定し、図19に示すサイノグラムを得た。正弦曲線の重ね合わせによる図形が現れていることが分かる。測定の所要時間は約26時間であった。
図20は図19のサイノグラムを用いて放射線源12の放射状況を2次元的に再構成した結果である。図20を図18と比較すると、ターンテーブル上の実際の放射線源12の分布形状が再現されていることが分かる。
以上、本実施形態によれば、対象物の放射線源の放射状況を再構成することができる。摩耗試験に用いた場合にあっては、摩耗状態そのものを直接的に検出することがきる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 対象物、12 放射線源、14 放射性同位体、16 潤滑剤、18 容器、20 滑車、30 滑車、40 ベルト、42 放射線源、50 対象物、100 放射線検出装置、120 打込装置、122 加速器、124 加速部、126 イオン源、130 標的物質、131 スリット、132 成分分離部、133 スリット、134 エネルギー調整板、135 収束部、136 スリット、150 回転駆動部、152 容器、154 標識、156 ピックアップ、160 検出部、162 検出部、164 検出部、170 再構成部、180 往復駆動部、182 アーム、184 位置測定部、190 制御部

Claims (7)

  1. 放射線源を有する対象物を周期運動させる運動段階と、
    前記運動段階において前記対象物が1周期以上周期運動している間に、前記対象物からの放射線量を検出する検出段階と、
    前記検出段階で検出された前記放射線量の時間的変化に基づいて、前記放射線源の放射状況を再構成する再構成段階と
    を備え、
    前記再構成段階において、 前記検出段階で検出された前記放射線量の時間的変化に基づいて、前記周期運動の周期および回転数の少なくとも一方を算出する放射線検出方法。
  2. 前記再構成段階において、算出された前記周期運動の前記周期および前記回転数の前記少なくとも一方と、前記検出段階で検出された前記放射線量の前記時間的変化との同期性から、前記放射線源の放射状況を再構成する請求項1に記載の放射線検出方法。
  3. 前記周期運動の位相を取得する取得段階をさらに備え、
    前記再構成段階において、前記取得段階により取得された前記周期運動の前記位相にさらに基づいて前記放射線源の放射状況を再構成する請求項2に記載の放射線検出方法。
  4. 前記検出段階において、検出位置を前記対象物に対して前記周期運動の面内の一方向に走査しつつ前記放射線量を検出する請求項1からのいずれか1項に記載の放射線検出方法。
  5. 前記検出段階は、前記放射線源からの陽電子消滅により互いに反対方向に放出される2つのγ線を検出する請求項1からのいずれか1項に記載の放射線検出方法。
  6. 前記運動段階において、前記放射線源は前記周期運動中に他の対象物と接触および離間を繰り返す位置に配され、
    前記再構成段階において、 前記検出段階で検出された前記放射線量の時間的変化に基づいて、前記対象物の摩耗状態を特定する請求項1からのいずれか1項に記載の放射線検出方法。
  7. 放射線源を有する対象物を周期運動させる駆動部と、
    前記対象物が1周期以上周期運動している間に、前記対象物からの放射線量を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された前記放射線量の時間的変化に基づいて、前記放射線源の放射状況を再構成する再構成部と
    を備え、
    前記再構成部は、 前記検出部で検出された前記放射線量の時間的変化に基づいて、前記周期運動の周期および回転数の少なくとも一方を算出する放射線検出装置。
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