(実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。なお、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されることによる入賞を第1始動入賞と称する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されることによる入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づいて(第1始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づいて(第2始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」とも称する。また、第1始動入賞と、第2始動入賞とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞」とも称する。また、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能、又は、困難になり、遊技者にとって第1状態よりも不利な第2状態となる。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々の飾り図柄に対応する図柄番号が付されている。一例として、「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
なお、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まっていればよい。
即ち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよいし、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。上記所定演出の一例は、保留演出(後述)の一態様である単純保留演出(後述)である。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部などとも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間が配置されている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示の周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像などのアクティブ表示に応じた情報などが特別画像によって表示される。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声などである。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型など他の演出装置を備えていてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって第1状態よりも不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御され、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われる。なお、短期開放大当り状態は、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「16」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるように制御されてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には、出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば16回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくとも何れか一方となるものであればよい。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作や、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
本実施形態において、擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。なお、初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、…と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。
なお、擬似連演出は、当該変動においてリーチが成立する前(リーチ状態となる前に)に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止させてもよいし、リーチが成立した後に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止してもよい。つまり、擬似連演出における仮停止表示の演出態様には、少なくとも、リーチ状態となる前に仮停止表示させる演出態様と、リーチと状態となった後にチャンス図柄を仮停止表示させる演出態様とがあってもよい。なお、チャンス図柄はリーチ状態とならないときにも停止表示され得る。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよいし、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
なお、予告演出は、当該予告演出が予告又は示唆する内容が実現されるか否かを遊技者が判別(実際に確認)できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する第1保留表示をターゲットの第1保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する第2保留表示をターゲットの第2保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
なお、先読予告演出(事前判定予告演出)には、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出や、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出などの作用演出が用意されていてもよい。また、先読予告演出(事前判定予告演出)には、例えば、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出などの作用演出が用意されていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄(「3」、「7」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、「大当り」のうちの「16ラウンド確変大当り(「16R確変」とも称する)」となり、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄(「5」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、「大当り」のうちの「2ラウンド確変大当り(「2R確変」、「突確」とも称する)」となる。「16R確変」や「2R確変」は、大当り種別と称する。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄(「3」、「7」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、すなわち、16R確変となる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して所定のリーチ演出が実行された後などに、16R確変に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。16R確変に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、図柄番号が奇数である飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「1」、「1」、「1」と並んだもの、「3」、「3」、「3」と並んだもの、「5」、「5」、「5」と並んだもの、「7」、「7」、「7」と並んだもの)である。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄(「5」の数字を示す特別図柄)が停止表示される場合には、すなわち、2R確変(突確)となる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して所定のリーチ演出が実行された後や、リーチ状態となることなくその後に、2R確変に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。2R確変に対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、図柄番号が偶数である飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「2」、「2」、「2」と並んだもの、「4」、「4」、「4」と並んだもの、「6」、「6」、「6」と並んだもの、「8」、「8」、「8」と並んだもの)や、例えばチャンス図柄などを含む飾り図柄の組合せ(例えば、「1」「突確」「2」の組合せ。「突確」はチャンス図柄の一例)である。
なお、特図ゲームにおいて通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄(「3」、「7」の数字を示す特別図柄)が最終停止表示される場合には、16R確変に対応する大当り組合せとなる飾り図柄が最終停止される場合と、表面上、2R確変に対応する大当り組合せとなる飾り図柄が停止表示される場合があってもよい。
通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄が停止表示されたこと、すなわち、「16R確変」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。「16R確変」となったことに基づく確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定回数(例えば、第1回数のST(ST70回))の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、確変制御が終了する。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。「16R確変」となったことに基づく時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、第1回数の時短(70回))の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに、終了する。
また、短期ラウンド大当り図柄となる特別図柄が停止表示されたこと、すなわち、「2R確変」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。「2R確変」となったことに基づく確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定回数(例えば、第1回数のST(ST70回))の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、確変制御が終了する。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。「2R確変」となったことに基づく時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、第1回数の時短(70回)や第2回数の時短(100回))の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、何れかの条件が先に成立したときに、終了する。
換言すれば、本実施形態では、「16R確変」または「2R確変」となったことに基づいて、通常開放大当り状態または短期開放大当り状態に制御され、その終了後に、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。「16R確変」となった場合には、時短制御が行われる時短回数と確変制御が行われる確変回数(ST回数)とが同一(共に70回)である(図24参照)。「2R確変」となった場合には、時短回数と確変回数(ST回数)とが同一(共に70回)である場合と(いわゆる初当りの場合)、時短回数と確変回数(ST回数)とが異なる場合とがある(図24参照)。なお、以下の説明において、時短制御および確変制御の一方または両方に制御された状態を、有利状態と称することがある。
なお、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。このような態様とするときには、特図ゲームが所定のゲーム数になる迄は確変転落抽選を行わずに、特図ゲームが所定のゲーム数になった後の各ゲームにおいて確変転落抽選を行うようにしてもよい。時点制御についても同様である。なお、上記の「所定のゲーム数」は、上述の「第1回数(70回)」や「第2回数(100)」としてもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
飾り図柄について、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、2R確変に対応する大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、16R確変に対応する大当り組合せとなる飾り図柄と、2R確変に対応する大当り組合せとなる飾り図柄のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示させるようにしてもよい。
また、2R確変に対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態において何れかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変」であるか「2R確変(突確)」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、最終停止図柄を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
例えば、保留記憶情報として送信されるコマンドは、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図15(A)参照)において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図5は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5において、変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(16R確変)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(16R確変)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(16R確変)変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、非リーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」のの特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、ノーマルリーチ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、スーパーリーチα(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。
変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、スーパーリーチβ(ハズレ)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、ノーマルリーチ(16R確変)として特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(16R確変)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(16R確変)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、スーパーリーチα(16R確変)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(16R確変)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(16R確変)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(16R確変)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(16R確変)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、スーパーリーチβ(16R確変)として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(16R確変)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(16R確変)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(16R確変)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(16R確変)変動パターンである。
なお、図5において、大当り変動パターンのうちの大当り種別が2R確変(突確)である場合の変動パターンに関する図示は省略しているが、例えば2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ「PC1」、「PC2」、「PC3」などがあり、2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ「PC1」に属する変動パターン「PC1−1」は、非リーチ(2R確変(突確))として特図変動時間が通常の長さである非リーチ(2R確変(突確))変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(2R確変(突確))変動パターンである。なお、変動パターン「PC1−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PC1−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PC1−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(2R確変(突確))変動パターンである。なお、変動パターン「PC1−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PC1−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。
また、例えば変動カテゴリ「PC2」に属する変動パターン「PC2−1」は、スーパーリーチα(2R確変(突確))として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(2R確変(突確))変動パターンである。変動パターン「PC2−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(2R確変(突確))変動パターンである。変動パターン「PC2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(2R確変(突確))変動パターンである。また、変動パターン「PC2−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(2R確変(突確))変動パターンである。
また、例えば2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ「PC3」に属する変動パターン「PC3−1」は、スーパーリーチβ(2R確変(突確))として特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(2R確変(突確))変動パターンである。変動パターン「PC3−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(2R確変(突確))変動パターンである。変動パターン「PC3−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(2R確変(突確))変動パターンである。また、変動パターン「PC3−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(2R確変(突確))変動パターンである。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図5に示すようなテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示す表示結果決定テーブル130Aは、例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変、2R確変)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。また、表示結果決定テーブル130Aは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変、2R確変)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確低ベース状態(後述する通常モード)または低確高ベース状態(後述する第2Bモード)であるか、高確高ベース状態(後述する第1モードまたは第2Aモード)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り(16R確変、2R確変)」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブル130Aでは、遊技状態が高確高ベース状態(第1モードまたは第2Aモード)であるときに、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)または低確高ベース状態(第2Bモード)であるときよりも多くの決定値が、「大当り(16R確変)」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、表示結果決定テーブル130Aの設定例において、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)または低確高ベース状態(第2Bモード)では、所定範囲の決定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り(16R確変、2R確変)」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、表示結果決定テーブル130Aの設定例では、遊技状態が高確高ベース状態(第1モードまたは第2Aモード)では、所定範囲の決定値「8000」〜「8818」が「大当り(16R確変、2R確変)」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り(16R確変、2R確変)」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブルを用い、第1特図用の第1特図表示結果決定テーブルでは、「小当り」の特図表示結果に所定範囲の決定値が割り当てられるようにし、第2特図用の第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルよりも少ない所定範囲の決定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「16R確変」や「2R確変(突確)」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、第1特図ゲームを実行する場合、すなわち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「50」〜「99」の範囲の値)が「2R確変(突確)」の大当り種別に割り当てられている一方、第2特図ゲームを実行する場合、変動特図が第2特図である場合には、「2R確変(突確)」の大当り種別に対して、第1特図における所定範囲の決定値(「50」〜「99」の範囲の値)よりも少ない所定範囲の決定値(「80」〜「99」の範囲の値)が「2R確変(突確)」の大当り種別に割り当てられている。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも「2R確変(突確)」となり難いので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「2R確変(突確)」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、夫々の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155と、を備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、遊技制御フラグ設定部152には、確変フラグや時短フラグなどのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。また、遊技制御カウンタ設定部154には、確変回数(ST数)および時短回数の一方または両方を計数するための変動数カウンタの格納値である変動数カウント値、なども記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数、あるいは確変制御を実行する特図ゲームの残り実行回数や、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数、あるいは時短制御を実行する特図ゲームの残り実行回数の報知を行う複数の報知演出(回復演出)の演出態様に応じて、複数の報知演出(回復演出)の演出制御パターンが記憶されている。
なお、ROM121には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、例えば、ROM121には、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。保留表示態様決定テーブルには、第2保留表示の表示態様の夫々に、第2保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、保留演出(作用演出、保留変化演出とも称する)の実行有無を決定するために参照される保留演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、保留演出実行有無決定テーブルには、保留演出の実行なし及び実行ありの夫々に、保留演出の実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。保留演出とは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出などである。なお、保留演出には複数種類が存在し、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出も存在する。当該保留変化演出には、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用するが保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出も存在してもよい。
また、ROM121には、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出の実行有無を決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、アクティブ表示変化実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行なし及び実行ありの夫々に、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像など)などを予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。アクティブ表示変化演出には、上述の如く、共通演出と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させるときに実行される成功演出(アクティブ表示変化演出とも称される)と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させないときに実行される失敗演出(アクティブ表示変化ガセ演出とも称される)とが含まれてもよい。成功演出は、画像表示装置5の表示領域において特別画像に作用して特別画像の表示態様を変化させる演出である。一方、失敗演出は、画像表示装置5の表示領域において特別画像に作用しないことにより特別画像の表示態様を変化させない演出、または、画像表示装置5の表示領域において特別画像に作用するが特別画像の表示態様を変化させない演出である。
なお、ROM121には、アクティブ表示変化演出の実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数のアクティブ表示変化演出の実行タイミング決定テーブルが1つの大きなアクティブ表示変化演出実行タイミング決定テーブルとして記憶されていてもよい。また、複数のアクティブ表示変化演出の実行タイミング決定テーブルに代えて、全部のアクティブ表示変化演出の実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きなアクティブ表示変化演出の実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、アクティブ表示変化演出の演出パターン(演出態様)を複数種類のうちの何れかに決定するために参照されるアクティブ表示変化演出パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121に記憶されているアクティブ表示変化演出の演出パターン決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の演出パターンの夫々に、アクティブ表示変化演出の演出パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
なお、ROM121には、保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。また、ROM121には、当該保留変化演出実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留変化演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。この保留変化演出実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングの夫々に、保留変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。また、複数の保留変化演出実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の保留変化演出実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留変化演出実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
なお、ROM121には、上述のアクティブ表示変化演出の他の主予告演出の演出パターン(演出態様)を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される主予告演出パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。この場合、具体的には、ROM121には、当該主予告演出パターン決定テーブルにおいて決定され得る主予告演出パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の主予告演出パターン決定テーブルが記憶されていればよく、主予告演出パターン決定テーブルには、主予告演出パターンの夫々に、主予告演出パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。
なお、複数の主予告演出パターン決定テーブルに代えて、全部の主予告演出パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな主予告演出パターン決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
なお、ROM121には、保留変化演出の演出パターン(演出態様)を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留変化演出パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。この場合、ROM121には、保留変化演出パターン決定テーブルには、保留変化演出パターンの夫々に、保留変化演出パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。
なお、ROM121には、保留変化ガセ演出の実行有無を決定するために参照される保留変化ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。この場合、保留変化ガセ演出実行有無決定テーブルには、保留変化ガセ演出の実行なし及び実行ありの夫々に、保留変化ガセ演出の実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
なお、ROM121には、保留変化ガセ演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。この場合、ROM121には、当該保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブが記憶されていればよい。この保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングの夫々に、保留変化ガセ演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留変化ガセ演出実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
なお、ROM121には、保留変化ガセ演出の演出パターン(演出態様)を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留変化ガセ演出パターン決定テーブルが記憶されていてもよい。この場合、ROM121には、保留変化ガセ演出パターン決定テーブルには、保留変化ガセ演出パターンの夫々に、保留変化ガセ演出パターン決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、アクティブ表示エリアAHAに表示されるアクティブ表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照されるアクティブ表示態様決定テーブル(「消化時表示態様決定テーブル」とも称する)が記憶されていてもよい。この場合、ROM121には、アクティブ表示の表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数のアクティブ表示の表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。アクティブ表示の表示態様決定テーブルには、アクティブ表示の表示態様の夫々に、アクティブ表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。つまり、ROM121には、複数種類のアクティブ表示の表示態様のうち少なくとも1つの表示態様に割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数のアクティブ表示の表示態様決定テーブルが記憶されていればよい。なお、複数のアクティブ表示の表示態様決定テーブルに代えて、全部のアクティブ表示の表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きなアクティブ表示の表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出など)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、演出制御フラグ設定部191には、確変フラグや時短フラグなどのそれぞれについて、確変フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。また、演出制御カウンタ設定部193には、時短回数および確変回数の一方または両方を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を示すデータなども記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図10(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に受信した順番でコマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(C)に示すような第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第2始動入賞時に受信した順番でコマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの空き領域における先頭から格納していく。第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(C)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(C)では、バッファ番号「1」〜「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(D)に示すような第1先読予告バッファ194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(E)に示すような第2先読予告バッファ194Dを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2先読予告バッファ194Dには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第2先読予告バッファ194Dには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14は、始動入賞時処理として、図13のステップS208、ステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のステップS220にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;Yes)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS203;Yes)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU103は、始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(図14のステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(図15(A)のステップS401)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態を確認することなどにより、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定する。すなわち、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグと時短フラグとのそれぞれのフラグがオンであるかオフであるかによって、例えば、確変フラグがオンで時短フラグがオンである場合には、遊技状態が高確高ベース状態であると特定し、確変フラグがオンで時短フラグがオフである場合には、遊技状態が高確低ベース状態であると特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンである場合には、低確高ベース状態であると特定し、確変フラグと時短フラグとがともにオフであるときには低確低ベース状態(通常状態)であると特定する。つまり、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグと時短フラグとのそれぞれの状態によって、現在の遊技状態がいずれの状態であるかを特定する。
ステップS401の処理に続いて、表示結果決定テーブル130Aを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応するテーブルデータをセットする(ステップS402)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。その後、図14のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理によりセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)することができる。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合(ステップS403;No)や、ステップS410の処理の何れかを実行した後には、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。即ち、変動カテゴリを図5に示す複数種類の何れかに決定する。ステップS412の処理では、CPU103は、ROM101に記憶されている複数の変動カテゴリ決定テーブル(当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数種類の変動カテゴリ決定テーブル)のなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。
具体的には、CPU103は、特図表示結果(例えば、ステップS403の判定結果など)や、保留記憶数(例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値など)に基づいて使用テーブルとしてセットする何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動カテゴリ決定テーブルと、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動カテゴリのなかから何れかの変動カテゴリを決定する。
図16は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図17は、変動カテゴリ決定テーブルの構成例を示す図である。この変動カテゴリ決定テーブルの構成例は、変動カテゴリを複数種類のいずれかに決定するために参照される4種類の変動カテゴリテーブルである。図17(A)は、上述の4種類のうちのある変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL1」と表記)である。図17(B)は、他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL2」と表記)である。図17(C)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL3」と表記)である。図17(D)は、更に他の変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例(図中の「C−TBL4」と表記)である。なお、説明の簡略化のため、図17(A)のような決定割合を設定した変動カテゴリ決定テーブルを、単に図17(A)の変動カテゴリ決定テーブルと称する場合がある。図17(B)〜図17(D)、及び、変動パターン決定テーブルなどの他の決定テーブルについても同様である。図16は、図17(A)〜図17(D)の4種類(設定「C−TBL1」〜設定「C−TBL4」)のなかから何れかの設定を選択する選択例、即ち、上述の4種類の変動カテゴリ決定テーブルのなかから何れかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する選択例である。
図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」(図17(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、図17(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」、図17(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」も同様)は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動カテゴリに割り当てられている。
図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、0個が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、70個(「0」〜「69」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、27個(「70」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図17(A)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が0%(0÷100)、変動カテゴリ「PA2」が70%(70÷100)、変動カテゴリ「PA3」が27%(27÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図17(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、4個(「0」〜「3」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、85個(「4」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図17(B)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が4%(4÷100)、変動カテゴリ「PA2」が85%(85÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図17(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、64個(「0」〜「63」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA1」に割り当てられ、25個(「64」〜「88」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA2」に割り当てられ、8個(「89」〜「96」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA3」に割り当てられ、2個(「97」〜「98」の範囲の値)が変動カテゴリ「PA4」に割り当てられ、1個(値「99」)が変動カテゴリ「PA5」に割り当てられている。つまり、図17(C)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」の設定例では、変動カテゴリ「PA1」が64%(64÷100)、変動カテゴリ「PA2」が25%(25÷100)、変動カテゴリ「PA3」が8%(8÷100)、変動カテゴリ「PA4」が2%(2÷100)、変動カテゴリ「PA5」が1%(1÷100)の割合で決定される。
図17(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、乱数値MR3の決定値の100個(「0」〜「99」の範囲の値)のうち、20個(「0」〜「19」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB3」に割り当てられ、40個(「20」〜「59」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB4」に割り当てられ、40個(「60」〜「99」の範囲の値)が変動カテゴリ「PB5」に割り当てられている。つまり、図17(D)の変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL4」の設定例では、変動カテゴリ「PB3」が20%(20÷100)、変動カテゴリ「PB4」が40%(40÷100)、変動カテゴリ「PB5」が40%(40÷100)の割合で決定される。
図17(A)〜図17(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときに比べて、短縮・非リーチ(ハズレ)変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA1」)の決定割合を高くしている。具体的には、特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「4」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「64%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「3」又「2」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「4%」>特図表示結果が「ハズレ」であって保留記憶数「1」のときに選択される変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」における変動カテゴリ「PA1」の決定割合「0%」としている。
また、図17(A)〜図17(C)の設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合、保留記憶数が多くても少くても、スーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリ(変動カテゴリ「PA4」又は変動カテゴリ「PA5」)の決定割合を一定にしている。具体的には、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」の決定割合「1%」とし、変動カテゴリ「PA4」の決定割合「2%」としている。
また、図17(A)〜図17(C)の設定例では、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一(共通)の変動カテゴリに対応する(同一の変動カテゴリが決定される)、乱数値MR3の決定値が存在するようにしている。つまり、乱数値MR3の決定値が、ある値であれば、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、同一の変動カテゴリが決定されるようにしている。例えば、乱数値MR3の決定値が「99」であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA5」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「97」〜「98」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA4」が決定されるようにしている。
また、乱数値MR3の決定値が「89」〜「96」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA3」が決定されるようにしている。また、乱数値MR3の決定値が「64」〜「69」の範囲の値であるときには、上記いずれの変動カテゴリ決定テーブルであっても、変動カテゴリ「PA2」が決定されるようにしている。これにより、乱数値MR3の決定値がある値(上述の各範囲の値)であれば、リーチとなることや、スーパーリーチとなることや、スーパーリーチαやスーパーリーチβとなることを、あらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、それらを報知すること等もでき、遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図17(A)〜図17(C)の設定例では、乱数値MR3の決定値が「0」〜「69」の範囲の値であるときには、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL2」、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL3」のいずれであっても、変動カテゴリ「PA1」又は「PA2」が決定されるようにしている。これにより、少なくともリーチとならないかを、あらかじめ容易に判定することもできる。
なお、図16における2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ決定テーブルの選択例や、図17における2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ決定テーブルの構成例の記載を省略しているが、2R確変(突確)である場合には、図16において、特図表示結果が2R確変(突確)である場合、保留記憶数に関わらず変動カテゴリ決定テーブルの構成例「C−TBL5」を選択し、図17の2R確変(突確)に対応する変動カテゴリ決定テーブルの構成例として、図17(D)の16R確変用の「C−TBL4」に示すような変動カテゴリ決定テーブルによる変動カテゴリ決定テーブルの構成例を「C−TBL5」として選択すればよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果(決定結果)に応じて、図15(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。また、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)以外である場合、すなわち、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方である場合における特別図柄停止処理には、遊技制御カウンタ設定部154による変動数カウンタのカウンタ値を加算する処理やリセットする処理、確変状態(高確状態)での特図ゲームの実行回数や時短状態(高ベース状態)での特図ゲームの実行回数が所定回数となったか否かを判定する処理、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方に制御する確変制御や時短制御を終了して低確状態または低ベース状態の一方または両方に設定する処理などの変動時遊技状態遷移処理も含まれている。
そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「16R確変」、「2R確変(突確)」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「16R確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「2R確変(突確)」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための設定を行うための後述する大当り後遊技状態遷移処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図18は、特別図柄通常処理として、図12のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図15(A)に示すステップS402の処理と同様に、表示結果決定テーブルのデータをセットする(ステップS239)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、ステップS402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を参照したが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を参照すればよい。
続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「16R確変」、「2R確変(突確)」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「16R確変」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「2R確変(突確)」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合(ステップS241;No)やステップS245の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理では、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。
なお、上述したように、保留記憶数に応じた夫々の変動カテゴリ決定テーブルの何れにおいても同一の変動カテゴリに対応する乱数値MR3の判定値が存在する場合において、当該同一の変動カテゴリに対応する当該判定値に一致する乱数値MR3が入賞時に抽出されたときは、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の実行時と当該変動パターン設定処理(ステップS111)の実行時とで保留記憶数が大きく異なっていたとしても、変動パターン設定処理では入賞時乱数値判定処理と同一の変動カテゴリが決定される。例えば、上述した、変動カテゴリ決定テーブル「C−TBL1」〜「C−TBL3」の具体例では、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「99」であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA5」が決定される。また、入賞時に抽出された乱数値MR3が例えば「97」〜「98」の範囲であれば、保留記憶数に関係なく、入賞時乱数値判定処理でも変動パターン設定処理でも、変動カテゴリ「PA4」が決定される。なお、ステップS261の処理では、保留データとして記憶されている変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを判定することが好ましいが、CPU103は、新たに変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出し、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて変動カテゴリを決定してもよい。
続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、ステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。すなわち、図16の示すように特図表示結果と保留記憶数とに基づいて、図17の示した複数の変動カテゴリ決定テーブルのなかから使用する変動カテゴリ決定テーブルを選択し、選択した変動カテゴリ決定テーブルと変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて変動カテゴリを判定する。続いて、CPU103は、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、上述の変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定する。
図19は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM101には、変動カテゴリに応じた8種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図19(A)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図19(B)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA2(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図19(C)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA3(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。以下、図19(D)〜図19(H)についても同様である。
なお、変動パターンの決定割合の設定例には、上述の8種類の変動パターン決定テーブルの他に、例えば変動カテゴリ「PC1(非リーチ(2R確変(突確)))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例や、変動カテゴリ「PC2(スーパーリーチα(2R確変(突確)))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例や、変動カテゴリ「PC3(スーパーリーチβ(2R確変(突確)))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例などが記憶されていてもよい。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(ステップS413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。
これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」として大当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
図20は、図12のステップS113において実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;YES)、CPU103は、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理においては、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;NO)、CPU103は、変動時遊技状態遷移処理を行う(ステップS296)。例えば、ステップS296の変動時遊技状態遷移処理においては、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの一方または両方をクリアしてオフ状態とする処理や、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための変動数カウンタの値を、例えば、1減算又は1加算するなどして更新し、更新後の変動数カウンタの値が所定の特別遊技状態終了判定値と合致するか否かを判定する処理や、変動数カウンタの値をクリアする処理などが実行されればよい。このとき、特別遊技状態終了判定値と合致すれば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフとすることなどにより、確変状態や時短状態を終了して遊技状態を制御すればよい。他方、特別遊技状態終了判定値と合致しなければ、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態を維持して、ステップS296の変動時遊技状態遷移処理を終了すればよい。
CPU103は、ステップS296の処理に続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS297)。こうした確変状態や時短状態の終了判定を実行した後には、特別図柄停止処理が終了する。
図21は、図20のステップS296において実行される変動時遊技状態遷移処理の一例を示すフローチャートである。
図21において、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの一方または両方の状態を判定し、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS451)。確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、すなわち、低確低ベース状態(通常状態)である場合(ステップS451;YES)、CPU103は、そのまま変動時遊技状態遷移処理を終了する。一方、確変フラグまたは時短フラグの一方または両方がオン状態である場合、すなわち、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態である場合(ステップS451;NO)、CPU103は、確変状態および時短状態の一方または両方における特図ゲームの実行回数(ST回数、時短回数)をカウントするための変動数カウンタの値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS452)。
ステップS402の処理に続いて、CPU103は、図12のステップS117における大当り終了処理における図22のステップS314における大当り後遊技状態遷移処理によって設定された確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(ST回数や確変回数とも称する。)(例えば、ST70回)を読み出し(ステップS453)、図12のステップS117における大当り終了処理における図22のステップS314における大当り後遊技状態遷移処理によって設定された時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数とも称する。)(例えば、時短70回または時短100回)を読み出す(ステップS454)。
ステップS454の処理に続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグの状態を判定し、現在の遊技状態が確変状態(高確状態)であるか否か、すなわち、確変フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS455)。現在の遊技状態が確変状態(高確状態)である場合(ステップS455;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値がステップS453で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じであるか否か、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致するか否かを判定する(ステップS456)。変動数カウンタの値がステップS453で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じである場合、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致する場合(ステップS456;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをクリアしてオフにするなどして、低確状態に設定し(ステップS457)、確変制御を終了する。
ステップS457の処理をした後や、現在の遊技状態が確変状態(高確状態)でない場合、すなわち、確変フラグの状態がオフである場合(ステップS455;NO)や、変動数カウンタの値がステップS453で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じでない場合、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致しない場合(ステップS456;NO)のいずれか処理の後には、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグの状態を判定し、現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるが否か、すなわち、時短フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS458)。
現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(ステップS458;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値がステップS454で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じであるか否か、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致するか否かを判定する(ステップS459)。変動数カウンタの値がステップS454で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じである場合、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致する場合(ステップS459;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをクリアしてオフにするなどして、低ベース状態に設定し(ステップS460)、時短制御を終了する。
ステップS460の処理をした後や、現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)でない場合、すなわち、時短フラグの状態がオフである場合(ステップS458;NO)や、変動数カウンタの値がステップS454で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数と同じでない場合、すなわち、変動数カウンタの値が特別遊技状態終了判定値と合致しない場合(ステップS459;NO)のいずれかの処理の後には、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方の状態を判定し、現在の遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であるが否か、すなわち、確変フラグの状態がオフ、かつ、時短フラグの状態がオフであるか否かを判定する(ステップS461)。
現在の遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)である場合、すなわち、確変フラグの状態がオフ、かつ、時短フラグの状態がオフである場合(ステップS461;YES)、CPU103は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS462)、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS463)、さらに変動数カウンタの値を“0”にクリアする(ステップS464)。こうした処理を実行した後には、変動時遊技状態遷移処理が終了する。
図22は、図12のステップS117において実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図12に示すステップS116の大当り開放後処理においては、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理においては、CPU103は、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;YES)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。ステップS311の処理に続いて、CPU103は、大当り後遊技状態遷移処理を実行する(ステップS314)。大当り後遊技状態遷移処理は、例えば、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための設定処理などである。
CPU103は、ステップS314の大当り後遊技状態遷移処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS316)、大当り終了処理を終了する。
図23は、図22のステップS314において実行される大当り後遊技状態遷移処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示す大当り後遊技状態遷移処理において、まず、CPU103は、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否か、すなわち、時短フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS601)。大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)でない場合、すなわち、時短フラグの状態がオンでない場合(ステップS601;NO)、CPU103は、確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS602)。つまり、ステップS602の処理は、低ベース状態において大当りとなったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための遊技状態を高確高ベース状態(第1モード)に設定するための処理である。
ステップS602の処理に続いて、CPU103は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS603)。また、ステップST603の処理に続いて、CPU103は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS604)。
これに対して、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合、すなわち、時短フラグの状態がオンである場合(ステップS601;YES)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が16R確変であるか否か、すなわち、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」であるか否かを判定する(ステップS605)。遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が16R確変である場合、すなわち、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合(ステップS605;YES)、CPU103は、確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS606)。つまり、ステップS606の処理は、高ベース状態において大当りとなったとき、例えば、確変中または時短中に大当り(16R確変)となったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための遊技状態を高確高ベース状態(第1モード)に設定するための処理である。
ステップS606の処理に続いて、CPU103は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS607)。また、ステップST607の処理に続いて、CPU103は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS608)。
また、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合、すなわち、時短フラグの状態がオンである場合(ステップS601;YES)であって、大当り種別が16R確変でない場合、すなわち、遊技制御バッファ設定部155から読み出した大当り種別バッファ値が「1」でない場合(ステップS605;NO)、CPU103は、確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS609)。つまり、ステップS609の処理は、高ベース状態において大当り(2R確変(突確))となったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための遊技状態を高確高ベース状態(第2モード)に設定するための処理である。
ステップS609の処理に続いて、CPU103は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS610)。また、ステップST610の処理に続いて、CPU103は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)よりも多い第2回数(例えば、100回)に設定する(ステップS611)。
ステップS604、S608における時短回数を第1回数に設定する処理や、ステップS611における時短回数を第2回数に設定する処理を実行した後には、変動数カウンタの値を“0”にしてクリアする。こうした処理を実行した後に、大当り後遊技状態遷移処理が終了する。
つまり、図23によれば、CPU103は、複数種類の条件(例えば、第1条件や第2条件など)のうちのいずれかの条件が成立したことにより、成立した条件の種類に応じた回数(例えば、第1回数または第2回数など)の有利状態(例えば、確変状態や時短状態など)に制御し、例えば第2条件(例えば、2R確変(突確)など)が成立したときは、第1回数(例えば70回など)よりも多い第2回数(例えば、100回など)の有利状態(確変状態および時短状態の一方または両方など)に制御する。
図24は、図20のステップS296における変動時遊技状態遷移処理や図22のステップS314における大当り後遊技状態遷移処理において実行される遊技状態の遷移処理の一例を示す状態遷移図である。
図24において、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態や、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)などの通常状態では、確変フラグの状態がオフであり、時短フラグの状態がオフである低確低ベース状態の遊技状態である通常モードSa1に制御される。この通常モードSa1において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、大当り(16R確変や2R確変(突確))となる特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、遊技状態が通常モードSa1から第1モードSa2へと遷移する。
第1モードSa2では、確変フラグの状態がオンであり、時短フラグの状態もオンである高確高ベース状態の遊技状態に制御される。第1モードSa2では、例えば確変回数(ST回数)として第1回数(例えば、70回)がセットされ、時短回数として第1回数(例えば、70回)がセットされる(例えば、図23のステップS602の処理や、ステップS603の処理や、ステップS604の処理など)。この第1モードSa2において、大当り遊技状態の終了後に、第1回数の特図ゲームが実行されたとき、例えば、確変回数が第1回数となったときや、時短回数が第1回数となったとき(例えば、図21のステップS406において変動数カウンタの値がステップS403で読み出した確変回数となったときや、ステップS409において変動数カウンタの値がステップS404で読み出した時短回数となったときなど)には、遊技状態が第1モードSa2から通常モードSa1へと遷移する。
これに対し、第1モードSa2において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、大当り(16R確変)となる特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、第1モードSa2の遊技状態が維持(例えば、図23におけるステップS606の高確高ベース状態に設定する処理など)され、変動数カウンタの値が“0”にクリアされる(例えば、図23のステップS612における変動数カウンタの値を“0”にクリアする処理など)とともに、例えば確変回数(ST回数)として第1回数(例えば、70回)が再セットされ、時短回数として第1回数(例えば、70回)が再セットされる(例えば、図23のステップS607の処理や、ステップS608の処理など)。
また、第1モードSa2において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、大当り(2R確変(突確))となる特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、遊技状態が第1モードSa2から第2モードSa3へと遷移する。第2モードSa3では、確変フラグの状態がオンであり、時短フラグの状態もオンである高確高ベース状態の遊技状態である第2AモードSa31と確変フラグの状態がオフであり、時短フラグの状態がオンである低確高ベース状態の遊技状態である第2BモードSa32のいずれかに制御される。第2モードSa3では、例えば確変回数(ST回数)として第1回数(例えば、70回)がセットされ、時短回数として第1回数(例えば、70回)よりも多い第2回数(例えば、100回)がセットされる(例えば、図23のステップS609の処理や、ステップS610の処理など)。
この第2モードSa3には、高確高ベース状態の遊技状態である第2AモードSa31と、低確高ベース状態の遊技状態である第2Bモードとが含まれる。第2AモードSa31は、変動数カウンタの値が第1回数(例えば、70回)となる確変回数および時短回数となるまで維持される遊技状態である。変動数カウンタの値が第1回数(例えば、70回)となった場合、確変フラグの状態がクリアされてオフに設定され、第2BモードSa32に遷移する。第2BモードSa32では、時短フラグの状態のみがオンであり、時短制御のみが行われる低確高ベース状態の遊技状態であり、変動数カウンタの値が第1回数より後(例えば、71回目)から第2回数(例えば、100回目)の時短回数となるまで遊技状態が維持され、変動数カウンタの値が第2回数の確変回数となったとき、時短フラグの状態をクリアしてオフに設定されて、遊技状態が第2BモードSa32から通常モードSa1へと遷移する。
これに対し、第2モードSa3において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、大当り(16R確変)となる特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、遊技状態が第2モードSa3から第1モードSa2へと遷移(例えば、図23のステップS606における高確高ベース状態に設定する処理など)され、変動数カウンタの値が“0”にクリアされる(例えば、図23のステップS612における変動数カウンタの値を“0”にクリアする処理など)とともに、例えば確変回数(ST回数)として第1回数(例えば、70回)が再セットされ、時短回数として第1回数(例えば、70回)が再セットされる(例えば、図23のステップS607の処理や、ステップS608の処理など)。
また、第2モードSa3において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、大当り(2R確変(突確))となる特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示された場合には、遊技状態が第2モードSa3の遊技状態を維持(例えば、図23のステップS609における高確高ベース状態に設定する処理など)され、変動数カウンタの値が“0”にクリアされる(例えば、図23のステップS612における変動数カウンタの値を“0”にクリアする処理など)とともに、例えば確変回数(ST回数)として第1回数(例えば、70回)が再セットされ、時短回数として第2回数(例えば、100回)が再セットされる(例えば、図23のステップS610の処理や、ステップS611の処理など)。
パチンコ遊技機1は、図24の状態遷移図のように遊技状態を制御することにより、付与価値(出玉)の小さい特別特定遊技状態(2R確変(突確))であっても、付与価値(出玉の大きい特別特定遊技状態(16R確変)よりも回数が多い有利状態(時短状態)となる遊技状態に遷移させることができるため、遊技者を落胆させず興趣を向上させることができる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図26は、コマンド解析処理として、図25のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
また、ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、第1変動開始コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
また、第2変動開始コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドである場合、その遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定する。また、例えば、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、その当り終了指定コマンドを解析して、時短であるか否かを特定する。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドや第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
また、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
図27は、演出制御プロセス処理として、図25のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理などが実行される。
ステップS150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理や、各種の演出や各種演出の演出態様(例えば、主予告演出であるアクティブ表示変化演出や、当該アクティブ表示変化演出の演出態様や、時短回数または確変回数を報知する変動における演出態様など)を決定する処理や、現在の遊技状態を判定して確変制御が実行される特図ゲームの実行回数をカウントしたり、時短制御が実行される特図ゲームの実行回数をカウントしたりする処理や、演出制御基板12における遊技状態を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。また、このエンディング演出処理には、大当り前の遊技状態を判定し、確変制御や時短制御を実行するための遊技状態を設定する処理や、確変制御が実行される特図ゲームの実行回数を設定したり、時短制御が実行される特図ゲームの実行回数を設定したりする処理や、演出制御基板12における変動数をカウントする演出数カウンタの値をクリアして“0”にする処理などが含まれている。これらのエンディング演出処理の後には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図28は、可変表示開始設定処理として、図22のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ(ハズレ)」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図5の「PA1−1」「PA2−1」「PA2−2」「PA2−3」)であるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変(突確)」である、これら以外の「大当り」(例えば、16R確変)であるかを判定する(ステップS526)。「2R確変(突確)」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「2R確変(突確)」に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「2R確変(突確)」以外の「大当り」(例えば「16R確変」)であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別がいずれであるか、例えば16R確変であるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「16R確変」である場合には、複数種類の普通図柄または確変図柄のうち何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組み合せ、または16R確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。なお、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。
ステップS524の処理やステップS528の処理の何れかを実行した後には、保留消化処理を実行する(ステップS530)。具体的には、当該変動に対応する保留表示に応じたアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。
より詳細には、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。なお、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示は、保留表示と同じ態様で表示してもよいし、保留表示に対応するが保留表示とは異なる表示態様で表示されてもよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、ステップS530の処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいてシフトし、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいてシフトする。
ステップS530の処理を実行した後には、変動時遊技状態設定処理を実行する(ステップS531)。この変動時遊技状態設定処理には、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)以外である場合、すなわち、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方である場合において、演出制御カウンタ設定部193による演出数カウンタのカウンタ値を加算する処理やリセットする処理、確変状態(高確状態)での特図ゲームの実行回数や時短状態(高ベース状態)での特図ゲームの実行回数が所定回数となったか否かを判定する処理、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方に制御する確変制御や時短制御を終了して低確状態または低ベース状態の一方または両方に設定する処理などが含まれている。詳細は後述する。
ステップS531の変動時遊技状態設定処理を実行した後には、大当り種別によって確変状態に制御される特図ゲームの実行回数または確変状態に制御される特図ゲームの残り実行回数を報知する報知演出(回復演出とも称する。)の報知演出パターン(回復演出パターンとも称する。)を設定する処理や、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンやこれらの決定結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理などが含まれている。詳細は後述する。
ステップS532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS533)。一例として、ステップS533の処理では、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定する処理などの保留表示やアクティブ表示の変化演出を設定する処理や、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行うようにしてもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音などである。大当り告知発光の一例は、発光部材9CCを構成するフラッシュランプの発光などである。また、ステップS533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、所定のランプ9(例えば、発光部材9SL、9SR)が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
ステップS533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS534)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(ステップS535)。例えば、ステップS532の演出実行設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板13に伝送することなどによりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させることなどによりランプ9における発光を開始させるための設定を行う。
ステップS535の処理を実行した後には、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドを消化する(ステップS536)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。
また、ステップS536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS537)、可変表示開始設定処理を終了する。
図29は、図28のステップS531において実行される変動時遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。
図28において、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた確変フラグや時短フラグの状態を確認することなどにより、確変フラグおよび時短フラグの一方または両方の状態を判定し、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS701)。確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、すなわち、低確低ベース状態(通常状態)である場合(ステップS701;YES)、演出制御用CPU120は、そのまま変動時遊技状態設定処理を終了する。一方、確変フラグまたは時短フラグの一方または両方がオン状態である場合、すなわち、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態である場合(ステップS701;NO)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変状態および時短状態の一方または両方における特図ゲームの実行回数(ST回数、時短回数)をカウントするための演出数カウンタの値を、例えば1加算するなどして更新する(ステップS702)。
ステップS702の処理に続いて、演出制御用CPU120は、図27のステップS177におけるエンディング演出処理の一部の処理として実行される図31の大当り後遊技状態設定処理によって設定された確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(ST回数や確変回数とも称する。)(例えば、ST70回)を読み出し(ステップS703)、図27のステップS177におけるエンディング演出処理の一部の処理として実行される図31の大当り後遊技状態設定処理によって設定された時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数とも称する。)(例えば、時短70回または時短100回)を読み出す(ステップS704)。
ステップS704の処理に続いて、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態を判定し、現在の遊技状態が確変状態(高確状態)であるか否か、すなわち、確変フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS705)。現在の遊技状態が確変状態(高確状態)である場合(ステップS705;YES)、演出制御用CPU120は、演出数カウンタの値がステップS703で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値であるか否かを判定する(ステップS706)。演出数カウンタの値がステップS703で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値である場合(ステップS706;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグをクリアしてオフにするなどして、低確状態に設定し(ステップS707)、確変制御を終了する。なお、ここでの低確状態に設定するとは、演出制御用CPU120が認識している状態(演出制御基板12側にて記憶される確変フラグなどの情報)を変更するものであり、CPU103が認識する、大当りとするか否かなどの判定に関係する状態(主基板11側にて記憶される確変フラグなどの情報)が変更されることではない。
ステップS707の処理をした後や、現在の遊技状態が確変状態(高確状態)でない場合、すなわち、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態がオフである場合(ステップS705;NO)や、演出数カウンタの値がステップS703で読み出した確変制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値でない場合(ステップS706;NO)のいずれか処理の後には、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態を判定し、現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるが否か、すなわち、時短フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS708)。
現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(ステップS708;YES)、演出制御用CPU120は、演出数カウンタの値がステップS704で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値であるか否かを判定する(ステップS709)。演出数カウンタの値がステップS704で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値である場合(ステップS709;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグをクリアしてオフにするなどして、低ベース状態に設定し(ステップS710)、時短制御を終了する。なお、ここでの低ベース状態に設定するとは、演出制御用CPU120が認識している状態(演出制御基板12側にて記憶される時短フラグなどの情報)を変更するものであり、CPU103が認識する、大当りとするか否かなどの判定に関係する状態(主基板11側にて記憶される時短フラグなどの情報)が変更されることではない。
ステップS710の処理をした後や、現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)でない場合、すなわち、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態がオフである場合(ステップS708;NO)や、演出数カウンタの値がステップS704で読み出した時短制御を実行する特図ゲームの実行回数を示す値より大きい値でない場合(ステップS709;NO)のいずれかの処理の後には、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方の状態を判定し、現在の遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であるが否か、すなわち、確変フラグの状態がオフ、かつ、時短フラグの状態がオフであるか否かを判定する(ステップS711)。
現在の遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)である場合、すなわち、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態がオフ、かつ、時短フラグの状態がオフである場合(ステップS711;YES)、演出制御用CPU120は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS712)、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS713)、さらに変動数カウンタの値を“0”にクリアする(ステップS714)。こうした処理を実行した後には、変動時遊技状態設定処理が終了する。
図30は、図28のステップS532において実行される演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示す演出実行設定処理において、まず、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される変動パターン指定コマンドにより指定された当該変動の変動パターンが、図5に示すような複数種類の変動パターンのうちのいずれであるかを判定する(ステップS801)。例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された当該変動の変動パターンが、特図表示結果が「大当り」となる変動パターンである場合(すなわち、図5の「PB3−1」、「PB3−2」、「PB4−1」、「PB4−2」、「PB4−3」、「PB4−4」、「PB5−1」、「PB5−2」、「PB5−3」、「PB5−4」、「PC1−1」、「PC1−2」、「PC2−1」、「PC2−2」、「PC2−3」、「PC2−4」、「PC3−1」、「PC3−2」、「PC3−3」、「PC3−4」などのいずれかの変動パターンである場合)(ステップS801;PB)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態および時短フラグの状態を確認し、現在の遊技状態が通常モードSa1(低確低ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS802)。
現在の遊技状態が通常モードSa1(低確低ベース状態)でない場合、すなわち、現在の遊技状態が低確低ベース状態以外の第1モードSa2(高確高ベース状態)、第2モードSa3(第2AモードSa31(高確高ベース状態)、第2BモードSa32(低確高ベース状態))などの遊技状態である場合(ステップS802;NO)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「大当り」である場合の大当り種別が16R確変であるか否かを判定する(ステップS803)。
これに対して、例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された当該変動の変動パターンが、特図表示結果が「ハズレ」となる変動パターンである場合(すなわち、図5の「PA1−1」、「PA2−1」、「PA2−2」、「PA2−3」、「PA3−1」、「PA3−2」、「PA4−1」、「PA4−2」、「PA4−3」、「PA4−4」、「PA5−1」、「PA5−2」、「PA5−3」、「PA5−4」などのいずれかの変動パターンである場合)(ステップS801;PA)や、現在の遊技状態が通常モードSa1(低確低ベース状態)である場合(ステップS802;YES)や、特図表示結果が「大当り」である場合の大当り種別が2R確変でない場合、すなわち、16R確変(突確)である場合(ステップS803;Yes)のいずれかである場合、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンに対応する変動演出の演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。
一方、特図表示結果が「大当り」である場合の大当り種別が2R確変である場合(ステップS803;No)、時短制御が実行される特図ゲームの残り実行回数が第1回数(例えば、70回)未満であるか否かを判定する(ステップS805)。時短制御が実行される特図ゲームの残り実行回数が第1回数(例えば、70回)未満である場合(ステップS805;YES)、演出制御用CPU120は、変動演出短縮処理を行う(ステップS806)。
変動演出短縮処理は、当該変動の変動パターンに応じた変動演出の演出制御パターンに応じた変動演出の演出時間を、所定時間(例えば、2000ms)短縮する処理である。なお、変動演出短縮処理は、使用パターンとしてセットされた変動パターンに応じた変動演出の演出制御パターンに対応する所定時間(例えば、2000ms)短縮された変動演出の演出制御パターンをセットする処理であってもよい。
ステップS806の処理を実行した後に、演出制御用CPU120は、時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知した後に、時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出の回復パターン(報知演出パターン)を演出パターンとして選択し(ステップS807)、ステップS806において演出時間が所定時間短縮された変動演出と回復演出の演出パターンとを演出制御パターンとしてセットする(ステップS808)。すなわち、演出制御用CPU120は、ステップS806において当該変動の変動パターンに応じた変動演出の演出制御パターンに応じた演出時間を所定時間短縮して、ステップS802において時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知した後に、時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出を短縮した所定時間において実行する回復演出の演出制御パターンを選択し、短縮した変動演出と回復演出の演出制御パターンを使用パターンとしてセットする処理を実行する。
これに対し、時短制御が実行される特図ゲームの残り実行回数が第1回数(例えば、70回)未満でない場合(ステップS805;NO)、演出制御用CPU120は、変動演出短縮処理を行う(ステップS809)。
ステップS809の処理を実行した後に、演出制御用CPU120は、時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知せずに、時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出の回復パターン(報知演出パターン)を演出パターンとして選択し(ステップS810)、ステップS809において演出時間が所定時間短縮された変動演出と回復演出の演出パターンとを演出制御パターンとしてセットする(ステップS811)。すなわち、演出制御用CPU120は、ステップS809において当該変動の変動パターンに応じた変動演出の演出制御パターンに応じた演出時間を所定時間短縮して、ステップS802において時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出を短縮した所定時間において実行する回復演出の演出制御パターンを選択し、短縮した変動演出と回復演出の演出制御パターンを使用パターンとしてセットする処理を実行する。
これらの処理を実行した後には、演出実行設定処理が終了される。
つまり、図30によれば、演出制御用CPU120は、複数種類の条件(例えば、第1条件や第2条件など)のうちのいずれかの条件が成立したことにより、成立した条件の種類に応じた回数(例えば、第1回数または第2回数など)の有利状態(例えば、確変状態や時短状態など)に制御し、例えば第2条件(例えば、2R確変(突確)など)が成立したときは、第1回数(例えば、70回など)よりも多い第2回数(例えば、100回など)の有利状態(例えば、確変状態および時短状態の一方または両方など)に制御されるときに、有利状態(例えば、確変状態および時短状態の一方または両方など)の残り回数が第1回数未満(例えば、70回未満)のときに第2条件(例えば2R確変(突確)など)が成立したときは、有利状態(例えば、確変状態および時短状態の一方または両方など)に制御される回数が、第1回数(例えば、70回など)となる報知を行った後に、第2回数(例えば、100回など)となる報知を行う回復演出パターンをセットし、有利状態(例えば、確変状態および時短状態の一方または両方など)の残り回数が第1回数以上(例えば、70回以上)のときに第2条件(例えば2R確変(突確)など)が成立したときは、有利状態(例えば、確変状態および時短状態の一方または両方など)に制御される回数が、第1回数(例えば、70回など)となる報知を行うことなく、第2回数(例えば、100回など)となる報知を行う回復演出パターンをセットすることで、有利状態の回数を報知する。
図31は、図27のステップS177におけるエンディング演出処理の一部で実行される大当り後遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。
図31に示す大当り後遊技状態設定処理において、まず、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態を確認することにより、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否か、すなわち、時短フラグの状態がオンであるか否かを判定する(ステップS901)。大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)でない場合、すなわち、時短フラグの状態がオンでない場合(ステップS901;NO)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS902)。つまり、ステップS902の処理は、低ベース状態において大当りとなったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための演出用遊技状態を高確高ベース状態(第1モード)に設定するための処理である。
ステップS902の処理に続いて、演出制御用CPU120は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS603)。また、ステップST903の処理に続いて、演出制御用CPU120は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS904)。
これに対して、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合、すなわち、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態がオンである場合(ステップS901;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御バッファ設定部194に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が16R確変であるか否か、すなわち、演出制御バッファ設定部194に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」であるか否かを判定する(ステップS905)。演出制御バッファ設定部194に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が16R確変である場合、すなわち、演出制御バッファ設定部1194に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合(ステップS905;YES)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS906)。つまり、ステップS906の処理は、高ベース状態において大当りとなったとき、例えば、確変中または時短中に大当り(16R確変)となったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための演出用遊技状態を高確高ベース状態(第1モード)に設定するための処理である。
ステップS906の処理に続いて、演出制御用CPU120は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS907)。また、ステップST907の処理に続いて、演出制御用CPU120は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS908)。
また、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合、すなわち、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態がオンである場合(ステップS901;YES)であって、大当り種別が16R確変でない場合、すなわち、演出制御バッファ設定部194から読み出した大当り種別バッファ値が「1」でない場合(ステップS905;NO)、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた確変フラグの状態をオンにして高確状態(確変状態)に設定し、演出制御フラグ設定部191に設けられた時短フラグの状態をオンにして高ベース状態に設定する(ステップS909)。つまり、ステップS909の処理は、高ベース状態において大当り(2R確変(突確))となったときに、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御を開始するための演出用遊技状態を高確高ベース状態(第2モード)に設定するための処理である。
ステップS909の処理に続いて、演出制御用CPU120は、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数(確変回数(ST回数))を第1回数(例えば、70回)に設定する(ステップS910)。また、ステップST910の処理に続いて、演出制御用CPU120は、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数(時短回数)を第1回数(例えば、70回)よりも多い第2回数(例えば、100回)に設定する(ステップS911)。
ステップS904、S908における時短回数を第1回数に設定する処理や、ステップS911における時短回数を第2回数に設定する処理を実行した後には、演出数カウンタの値を“0”にしてクリアする。こうした処理を実行した後に、大当り後遊技状態設定処理が終了する。
つまり、図31によれば、演出制御用CPU120は、複数種類の条件(例えば、第1条件や第2条件など)のうちのいずれかの条件が成立したことにより、成立した条件の種類に応じた回数(例えば、第1回数または第2回数など)の有利状態(例えば、確変状態や時短状態など)に制御し、例えば第2条件(例えば、2R確変(突確)など)が成立したときは、第1回数(例えば70回など)よりも多い第2回数(例えば、100回など)の有利状態(確変状態および時短状態の一方または両方など)に制御する。
次に、パチンコ遊技機1における制御の具体的な一例について説明する。
パチンコ遊技機1の主基板11の側では、第1始動条件が成立した場合、CPU103は、第1保留記憶数を更新し、第2始動条件が成立した場合、CPU103は、第2保留記憶数を更新する(ステップS215)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定する(ステップS403)。CPU103は、判定結果である特図表示結果と、ステップS215において更新した保留記憶数と、ステップS217において抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3とに基づいて、変動カテゴリを判定する(ステップS412)。変動カテゴリを判定したCPU103は、判定結果である変動カテゴリを指定する変動カテゴリコマンドの送信を設定し(ステップS413)、コマンド制御処理(ステップS17)を実行する。これにより、ステップS412において判定された変動カテゴリを指定する変動カテゴリコマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。
また、主基板11の側では、第1開始条件又は第2開始条件が成立した場合、CPU103は、変動パターン設定処理(ステップS111)において、まず、ステップS217にて抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を使用せずに、再度、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を抽出するとともに、変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。続いて、CPU103は、新たに抽出した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データや変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データに基づいて変動パターンを決定する。変動パターンを決定したCPU103は、決定結果である変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの送信を設定し、コマンド制御処理(ステップS17)を実行する。これにより、ステップS111において決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどが主基板11から演出制御基板12に伝送される。
また、演出制御基板12の側では、第1開始条件が成立した場合、演出制御用CPU120は、第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dを参照し、当該可変表示において、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、演出制御パターンを設定する。
次に、画像表示装置5における表示動作例について説明する。
図32は、画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的に、図32の(a)〜(h)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。また、図32において画像表示装置5内の矢印「↓」は、飾り図柄が変動中であることを表している。また、図32は、遊技状態が第1モードSa2または第2AモードSa31に制御されているときの一例であり、時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知した後に、時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出と変動パターンに応じた変動演出とが演出制御パターンとしてセットされているものとする。また、CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(ステップS217)、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定(ステップS403)し、例えば、特図表示結果として「2R確変(突確)」を判定したものとする。
図32(a)の場面において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン、例えば、「PC1−1(非リーチ(2R確変(突確)」に基づいて、飾り図柄の変動を開始したときの状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、第1回数や第2回数となる確変状態に制御される特図ゲームの残り実行回数または時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数から、演出数カウンタによりカウントされた値を減算した確変状態に制御される特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数が表示される。例えば、図32(a)の場面は、現在の遊技状態が第1モードSa2や第2AモードSa31のような高確高ベース状態であるときに、残りの確変状態に制御を実行する特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り回数が49回となる飾り図柄の変動を開始したときの状態である。
図32(a)の場面の後の図32(b)の場面は、画像表示装置5において、飾り図柄表示エリア5Lの飾り図柄および飾り図柄表示エリア5Rの飾り図柄が非リーチ態様で表示され、飾り図柄表示エリア5Cにおいて、2R確変(突確)に対応する飾り図柄、あるいは、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せの何れかが仮停止表示される。例えば、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、「1」、「突確」、「2」のような、2R確変(突確)に対応する飾り図柄が仮停止表示された状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、図32(a)と同様に残り確変回数または残り時短回数、例えば、残49回と表示されている。なお、図32(b)の図柄「突確」はチャンス図柄の一例である。
図32(b)の場面の後の図32(c)の場面は、図32(b)の場面において、2R確変(突確)に対応する飾り図柄が仮停止表示されたことにより、残り時短回数(残り確変回数)を設定するときの演出として上述の回復演出(報知演出)の実行を開始する。例えば、画像表示装置5には、「回数チャージ!!」と表示し、その下に、残り時短回数(残り確変回数)である49回を表す「49」が表示される。また、画像表示装置5の右上端には、飾り図柄を仮停止表示していることを表す小図柄表示として、「1」、「突確」、「2」が表示されている。
図32(c)の場面の後の図32(d)の場面は、図32(c)の場面における回復演出において、残り時短回数(残り確変回数)を示す回数が変動を開始し、図32(e)の場面において、残り時短回数(残り確変回数)が回復して(リセットされて)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数、例えば70回を表す「70」が仮表示された後、図32(f)の場面において、残り時短回数(残り確変回数)を示す回数が再度変動を開始し、図32(g)の場面において、残り時短回数(残り確変回数)がさらに回復して、残り時短回数(残り確変回数)が第2回数、例えば100回を表す「100」が停止表示される。
そして、図32(g)の場面の後の図32(h)の場面は、回復演出が終了し、画像表示装置5における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が、「1」、「突確」、「2」と停止表示される。
すなわち、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンが「大当り」となる変動パターン、例えば「PC1−1(非リーチ(2R確変(突確)」(図30のステップS801;PB)であって、現在の遊技状態が通常モード以外、すなわち演出制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグの状態または確変フラグの状態の少なくとも一方がオンの状態であって(図30のステップS802;NO)、大当り種別が2R確変(突確)であって(図30のステップS803;NO)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数(例えば、70回)未満である場合(図30のステップS805;YES)、変動パターンに応じた変動演出の演出時間を所定時間、例えば、2000ms短縮し(図30のステップ806)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数となることを報知した後に、第2回数となることを報知する所定時間、例えば2000msの回復演出を選択し(図30のステップS807)、変動パターンに対応する演出時間を短縮した変動演出と選択した回復演出とを選出制御パターンとしてセットすることにより図32のような回復演出を実行し、第1回数となることを報知(図32(e)の場面)をした後に、第2回数となることを報知(図32(g)の場面)する回復演出を実行するように制御する。
図33は、画像表示装置5における表示動作の他の一例を示す図である。具体的に、図33の(a)〜(f)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。また、図33において画像表示装置5内の矢印「↓」は、飾り図柄が変動中であることを表している。また、図33は、遊技状態が第2AモードSa31に制御されているときの一例であり、時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知せずに、時短回数が第2回数(例えば、100回)となることを報知する回復演出と変動パターンに応じた変動演出とが演出制御パターンとしてセットされているものとする。また、CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(ステップS217)、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定(ステップS403)し、例えば、特図表示結果として「2R確変(突確)」を判定したものとする。
図33(a)の場面において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン、例えば、「PC1−1(非リーチ(2R確変(突確)」に基づいて、飾り図柄の変動を開始したときの状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、第1回数や第2回数となる確変状態に制御される特図ゲームの残り実行回数または時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数から、演出数カウンタによりカウントされた値を減算した確変状態に制御される特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数が表示される。例えば、図33(a)の場面は、現在の遊技状態が第2AモードSa31のような高確高ベース状態であるときに、残りの確変状態に制御を実行する特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り回数が79回となる飾り図柄の変動を開始したときの状態である。
図33(a)の場面の後の図33(b)の場面は、画像表示装置5において、飾り図柄表示エリア5Lの飾り図柄および飾り図柄表示エリア5Rの飾り図柄が非リーチ態様で表示され、飾り図柄表示エリア5Cにおいて、2R確変(突確)に対応する飾り図柄、あるいは、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せの何れかが仮停止表示される。例えば、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、「1」、「突確」、「2」のような、2R確変(突確)に対応する飾り図柄が仮停止表示された状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、図33(a)と同様に残り確変回数または残り時短回数、例えば、残79回と表示されている。
図33(b)の場面の後の図33(c)の場面は、図33(b)の場面において、2R確変(突確)に対応する飾り図柄が仮停止表示されたことにより、残り時短回数(残り確変回数)を設定するときの演出として上述の回復演出(報知演出)の実行を開始する。例えば、画像表示装置5には、「回数チャージ!!」と表示し、その下に、残り時短回数(残り確変回数)である79回を表す「79」が表示される。また、画像表示装置5の右上端には、飾り図柄を仮停止表示していることを表す小図柄表示として、「1」、「突確」、「2」が表示されている。
図33(c)の場面の後の図33(d)の場面は、図33(c)の場面における回復演出において、残り時短回数(残り確変回数)を示す回数が変動を開始し、図33(e)の場面において、残り時短回数(残り確変回数)が回復して(リセットされて)、残り時短回数(残り確変回数)が第2回数、例えば100回を表す「100」が表示される。
そして、図33(e)の場面の後の図33(f)の場面は、回復演出が終了し、画像表示装置5における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が、「1」、「突確」、「2」と停止表示される。
すなわち、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンが「大当り」となる変動パターン、例えば「PC1−1(非リーチ(2R確変(突確))」(図30のステップS801;PB)であって、現在の遊技状態が通常モード以外、すなわち演出制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグの状態または確変フラグの状態の少なくとも一方がオンの状態であって(図30のステップS802;NO)、大当り種別が2R確変(突確)であって(図30のステップS803;NO)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数(例えば、70回)未満である場合(図30のステップS805;YES)、変動パターンに応じた変動演出の演出時間を所定時間、例えば、2000ms短縮し(図30のステップ806)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数となることを報知した後に、第2回数となることを報知する所定時間、例えば2000msの回復演出を選択し(図30のステップS807)、変動パターンに対応する演出時間を短縮した変動演出と選択した回復演出とを選出制御パターンとしてセットすることにより図33のような回復演出を実行し、第1回数となることを報知をせずに、第2回数となることを報知(図33(e)の場面)する回復演出を実行するように制御する。
以上、上記実施形態による遊技機は、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、複数種類の何れかの条件(例えば、16R確変の当選、2R確変(突確)の当選など)が成立したことに基づいて、成立した条件の種類に応じた回数の有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)に制御する有利状態制御手段(例えば、図20のステップS296における変動時遊技状態遷移処理や、図22のステップS314における大当り後遊技状態遷移処理や、図28のステップS531における変動時遊技状態設定処理や、図27のステップS177の一部により実行される大当り後遊技状態設定処理など)と、制御される有利状態の回数(例えば、第1回数や第2回数など)を報知する回数報知手段(例えば、図28のステップS532における演出実行設定処理によりセットされて実行される回復演出(報知演出)など)と、を備え、有利状態制御手段は、第1条件(例えば、16R確変の当選や、通常状態(例えば、通常モードSa1における2R確変(突確)の当選など)が成立したときは第1回数(例えば、70回など)の有利状態に制御し、第1条件(例えば、16R確変の当選や、通常状態(例えば、通常モードSa1における2R確変(突確)の当選など)とは異なる第2条件(例えば、時短制御や確変制御などが実行されているとき(第1モードSa2や第2モードSa3などの遊技状態)における2R確変(突確)の当選)が成立したときは第1回数(例えば、70回など)よりも多い第2回数(例えば、100回など)の有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)に制御し、回数報知手段は、有利状態の残り回数が第1回数(例えば、70回)未満のときに第2条件(例えば、2R確変(突確)の当選)が成立したときは、制御される有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)の回数が第1回数(例えば、70回など)となる報知を行った後に第2回数(例えば、100回など)となる報知を行い、有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)の残り回数が第1回数(例えば、70回)以上のときに、第2条件(例えば、2R確変(突確)の当選)が成立したときは、制御される有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)の回数が第1回数(例えば、70回など)となる報知を行うことなく第2回数(例えば、100回など)となる報知を行うことを特徴とする遊技機である。
このような構成によれば、遊技機は、有利状態の残り回数に応じた報知を実行することができるため、興趣を向上させることができる。
また、上述の遊技機において、付与価値(出玉)の異なる複数種類の何れかの特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態/16R確変のラウンド遊技、2R確変(突確)のラウンド遊技など)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114の大入賞口の開放回数を設定する処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理や、ステップS115の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、ステップS116の大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理など)をさらに備え、前記第2条件は、付与価値の小さい特定遊技状態(例えば、2R確変(突確)など)に制御されるときに成立してもよい。
このような構成によれば、何れの状態で特定遊技状態に制御されるかに注目させることができる。
また、上述のいずれかの遊技機において、特別特定遊技状態を含む複数種類の何れかの特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態/16R確変のラウンド遊技、2R確変(突確)のラウンド遊技など)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114の大入賞口の開放回数を設定する処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理や、ステップS115の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、ステップS116の大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理など)をさらに備え、前記第2条件は、有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)とは異なる通常状態において特別特定遊技状態(例えば、2R確変(突確)など)に制御されるときには成立せずに、有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)において特別特定遊技状態(例えば、2R確変(突確)など)に制御されるときに成立してもよい。
このような構成によれば、何れの状態で特別特定遊技状態に制御されるかに注目させることができる。
また、上述のいずれかの遊技機において、特別特定遊技状態を含む複数種類の何れかの特定遊技状態(大当り遊技状態/16R確変のラウンド遊技、2R確変のラウンド遊技)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS114の大入賞口の開放回数を設定する処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理や、ステップS115の大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、ステップS116の大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理など)をさらに備え、前記第1条件は、有利状態とは異なる通常状態において特別特定遊技状態(例えば、16R確変、2R確変(突確)など)に制御されるときに成立してもよい。
このような構成によれば、付与価値の小さい特別特定遊技状態(例えば、2R確変など)であっても、有利状態に移行することで遊技者を落胆させず興趣を向上させることができる。
また、上述のいずれかの遊技機において、特別特定遊技状態は、付与価値の小さい特定遊技状態(例えば、2R確変(突確)など)であってもよい。
このような構成によれば、付与価値の小さい特別特定遊技状態(例えば、2R確変など)であっても、有利状態に移行することで遊技者を落胆させず興趣を向上させることができる。
また、上述のいずれかの遊技機において、前記第2条件(例えば、2R確変(突確)の当選)が成立することを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段をさらに備え、前記示唆演出実行手段は、有利状態(例えば、複数種類のうちのいずれかの時短状態や確変状態など)の残り回数が、前記第1回数(例えば、70回)以上である場合と前記第1回数未満である場合とで異なる割合で示唆演出を実行してもよい。例えば、第1回数未満では示唆演出の実行割合を高めて回数が回復することに期待を持たせるようにしてもよい。なお、示唆演出の実行割合(第1回数以上である場合の実行割合、第1回数未満である場合のいずれか一方の実行割合)としては、実行有/実行無の割合が0:100である場合も、100:0である場合も含まれる。また、前記示唆演出実行手段は、有利状態の残り回数が、前記第1回数以上である場合と前記第1回数未満である場合とで異なる種類の示唆演出を実行してもよい。また、前記示唆演出実行手段は、有利状態の残り回数が、前記第1回数以上である場合と前記第1回数未満である場合とで実行される示唆演出の割合を異ならせてもよい。
このような構成によれば、有利状態の残り回数に応じた示唆演出を実行することで、興趣を向上させることができる。
なお、回復演出は、大当り種別が16R確変となる場合においても、実行してもよい。例えば、図34を参照して詳述する。
図34は、画像表示装置5における表示動作の他の一例を示す図である。具体的に、図33の(a)〜(f)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。また、図34において画像表示装置5内の矢印「↓」は、飾り図柄が変動中であることを表している。また、図34は、遊技状態が第1モードSa2や第2AモードSa31などに制御されているときの一例であり、時短回数が第1回数(例えば、70回)となることを報知する回復演出と変動パターンに応じた変動演出とが演出制御パターンとしてセットされているものとする。また、CPU103は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し(ステップS217)、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特図表示結果を判定(ステップS403)し、例えば、特図表示結果として「16R確変」を判定したものとする。
図34(a)の場面において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン、例えば、「PB5−1(スーパーリーチα(16R確変)」に基づいて、飾り図柄の変動を開始したときの状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、第1回数や第2回数となる確変状態に制御される特図ゲームの残り実行回数または時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数から、演出数カウンタによりカウントされた値を減算した確変状態に制御される特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り実行回数が表示される。例えば、図33(a)の場面は、現在の遊技状態が第1モードSa2や第2AモードSa31のような高確高ベース状態であるときに、残りの確変状態に制御を実行する特図ゲームまたは時短状態に制御される特図ゲームの残り回数が49回となる飾り図柄の変動を開始したときの状態である。
図34(a)の場面の後の図34(b)の場面は、画像表示装置5において、飾り図柄表示エリア5Lの飾り図柄および飾り図柄表示エリア5Rの飾り図柄がリーチ態様で表示され、飾り図柄表示エリア5Cにおいて、16R確変に対応する飾り図柄の何れかが仮停止表示される。例えば、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rには、「7」、「7」、「7」のような、16R確変に対応する飾り図柄が仮停止表示された状態である。このとき、画像表示装置5の右上端には、図34(a)と同様に残り確変回数または残り時短回数、例えば、残49回と表示されている。
図34(b)の場面の後の図34(c)の場面は、図34(b)の場面において、16R確変に対応する飾り図柄が仮停止表示されたことにより、残り時短回数(残り確変回数)を設定するときの演出として上述の回復演出(報知演出)の実行を開始する。例えば、画像表示装置5には、「回数チャージ!!」と表示し、その下に、残り時短回数(残り確変回数)である49回を表す「49」が表示される。また、画像表示装置5の右上端には、飾り図柄を仮停止表示していることを表す小図柄表示として、「7」、「7」、「7」が表示されている。
図34(c)の場面の後の図34(d)の場面は、図34(c)の場面における回復演出において、残り時短回数(残り確変回数)を示す回数が変動を開始し、図34(e)の場面において、残り時短回数(残り確変回数)が回復して(リセットされて)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数、例えば70回を表す「100」が表示される。
そして、図34(e)の場面の後の図34(f)の場面は、回復演出が終了し、画像表示装置5における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が、「7」、「7」、「7」と停止表示される。
すなわち、演出制御用CPU120は、当該変動の変動パターンが「大当り」となる変動パターン、例えば「PB5−1(スーパーリーチα(16R確変」(図30のステップS801;PB)であって、現在の遊技状態が通常モード以外、すなわち演出制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグの状態または確変フラグの状態の少なくとも一方がオンの状態であって(図30のステップS802;NO)、大当り種別が16R確変であって(図30のステップS803;NO)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数(例えば、70回)未満である場合(図30のステップS805;YES)、変動パターンに応じた変動演出の演出時間を所定時間、例えば、2000ms短縮し(図30のステップ806)、残り時短回数(残り確変回数)が第1回数となることを報知する所定時間、例えば2000msの回復演出を選択し(図30のステップS807)、変動パターンに対応する演出時間を短縮した変動演出と選択した回復演出とを選出制御パターンとしてセットすることにより図34のような回復演出を実行し、第1回数となることを報知(図33(e)の場面)する回復演出を実行するように制御する。
なお、上記説明では、図7のような大当り種別決定テーブル131の構成例において、第1特図である場合と第2特図とである場合との両方に2R確変(突確)の大当り種別が割り当てられる一例を示したが、例えば、第1特図または第2特図のいずれか一方のみに2R確変(突確)の大当り種別が割り当てられていてもよい。
なお、上述の説明において、高ベース状態や大当り遊技状態に制御されている場合、第1特図に対する先読みを行わなくてもよい。これにより、ストック的な演出を防止することができる。
なお、上述の説明において、2R確変(突確)に対応する変動パターンを備える一例につて説明したが、2R確変(突確)に対応する変動パターンを設けなくてもよい。この場合、例えば、大当り種別ごとの変動パターンではなく、大当りとなる変動の変動パターンとハズレとなる変動パターンのような変動パターンを設ければよい。
なお、上述の説明において、第1特図保留記憶部151Aおよび第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されている場合、第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データを優先して消化する一例について説明したが、第1特図保留記憶部151Sおよび第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データのうち、入賞順が早いものから保留データを消化するようにしてもよいし、振り分け装置を設け、第1始動入賞口および第2始動入賞口に交互に入賞させて入賞順に保留データを消化するようにしてもよい。
なお、上述の説明において、図19に示すような変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例は、通常状態(例えば、低確低ベース状態)や低確高ベース状態と、高確高ベース状態や高確低ベース状態とによって異なる変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例を用いてもよい。
また、図5に示す短縮変動パターンPA1−1よりも変動時間が短い超短縮変動の変動パターンを設け、超短縮変動パターンに対応する変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例を設けてもよい。
なお、上述の説明において、図21のステップS462における確変制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアする処理は、ステップS457における低確状態に設定する処理において実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。また、図21のステップS463における時短制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアする処理は、ステップS460における低ベース状態に設定する処理において実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。また、図21のステップS464における変動数カウンタの値を“0”にクリアする処理は、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
なお、上述の説明において、図29のステップS712における確変制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアする処理は、ステップS707における低確状態に設定する処理において実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。また、図29のステップS713における時短制御を実行する特図ゲームの実行回数の設定値を“0”にクリアする処理は、ステップS710における低ベース状態に設定する処理において実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。また、図29のステップS714における演出数カウンタの値を“0”にクリアする処理は、大当り遊技状態などの他のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
なお、上述の説明において、図32や図33に示すような回復演出を、例えば、ファンファーレ中や、変動停止時間中(変動終了後)や、大当り遊技状態であるときや、エンディング演出処理などのタイミングで実行されるようにしてもよい。
また、上述の説明において、図28に示すよな変動時遊技状態設定処理は、例えば、主基板11と同様に、可変表示停止時の処理として行ってもよい。
また、上述の説明において、確変状態に制御される特図ゲームの実行回数や時短状態に制御される特図ゲームの実行回数を、主基板11から演出制御基板12に対して例えば、大当り終了後にコマンドによって指定するようにしてもよいし、大当り種別を指定するコマンドなどによって指定するようにしてもよい。また、確変状態を終了するときや、時短状態を終了するときも、主基板11から演出制御基板12に対して、例えば、コマンドによって通知するようにしてもよい。
また、上述の説明において、確変状態に制御される特図ゲームの実行回数をカウントする変動数カウンタの値を、主基板11から演出制御基板12に対して、例えば、変動を開始する毎にコマンドによって通知するようにしてもよい。
また、上述の説明において、第1条件や第2条件は、大当り以外の条件であってもよく、例えば小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態、例えば、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な開放状態に変化させる可変入賞動作が行われ、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行されるように制御するときに成立するようにしてもよいし、ハズレ変動が所定回数になったときのハズレ変動のような特定変動の実行によって成立するようにしてもよい。また、第1条件や第2条件は、例えば、短縮変動よりも変動時間が短い超短縮変動の変動パターンを設け、この超短縮変動パターンが選択されたときや、超短縮変動パターンが所定回数選択されるときに成立するようにしてもよい。
また、上述の説明では、有利状態の残り回数が第1回数(例えば、70回)未満のときに残り回数を回復させる場合も、第1回数(例えば、70回)以上のときに残り回数を回復させる場合も、そのときの残り回数から残り回数が回復する報知を行っているが(例えば、残回数49回から残回数100回に回復させる場合には残回数49回→残回数70回→残回数100回というように最初に残回数49回を表示し、残回数79回から残回数100回に回復させる場合には残回数79→残回数100回というように最初に残回数79回を表示しているが)、これに限定されない。例えば、有利状態の残り回数にかかわらず、第1回数(例えば、70回)未満の数(例えば、0回や1回など)から残り回数を回復させるようにしてもよい。例えば、残回数49回から残回数100回に回復させる場合には残回数0回→残回数70回→残回数100回というように最初に残回数0回を表示し(途中で残回数70回も表示し)、また、残回数79回から残回数100回に回復させる場合にも残回数0回→残回数100回というように最初に残回数0回を表示するようにしてもよい(途中で残回数70回は表示しない)。
また、上述の説明において、大当り遊技状態におけるラウンド遊技数は、上述した2種類以上、例えば、2ラウンド、8ラウンド、15ラウンドなどのように複数種類のラウンド遊技数が設けられてもよい。また、時短回数は、上述した2種類以上、例えば、30回、70回、100回のように複数種類の時短回数が設けられていてもよい。また、確変回数は、例えば、ST50回、ST70回のように複数種類設けられていてもよい。
また、上述の説明において、有利状態の回数(例えば、第1回数、第2回数となる確変状態および時短状態の一方または両方など)は、2種類に限定されず、例えば、第3回数や第4回数があってもよい。この場合、例えば、第1回数と、第1回数よりも多い第2回数、第2回数よりも多い第3回数のように3種類の回数がある場合には、回復される回数に応じて、有利状態の回復演出を複数段階で実行してもよい。例えば、有利状態として第1回数の確変状態と第1回数の時短状態となる第1モードと、第2回数の確変状態と第2回数の時短状態となる第2のモードと、第2回数の確変状態と第3回数の時短状態となる第3のモードとが存在する場合に、有利状態の残り回数が例えば35回のときに2R確変(突確)となったときは、例えば、「35→50」、「50→70」、「70→100」のように、3回、数回復演出を実行するようにしてもよい。
また、上述の説明において、有利状態の残り回数の報知は、例えばサブ液晶、や専用回数表示器、音声などを用いて報知するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、確変制御において、大入賞口内に予め特定領域を設け、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機であってもよい。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられたことによって、大入賞口内の特定領域に遊技球が進入しやすい遊技状態に制御し、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機であってもよい。
なお、上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機1に適用した例を説明したが、本発明は、スロットマシン(以下、スロットマシン1000という)にも適用する可能である。スロットマシン1000は、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナスやシングルボーナス(以下、これらをまとめてボーナスという)、RT(Replay Time)、AT(Assist Time)、ART(Assist Replay Time)のうち少なくとも1つを備えるものであればよい。
スロットマシン1000は、例えば、前面扉に設けられた透視窓を介して円筒型の左リール、中リール、右リールを視認することができるように構成されており、メダル投入部と、最大の賭数を設定するMAXBETスイッチと、ゲームを開始させるスタートスイッチと、各リールを停止させる左ストップスイッチ、中ストップスイッチ、右ストップスイッチと、遊技に係る情報を表示する遊技用表示部とを備えている。例えば、遊技者がメダル投入部に所定の枚数(例えば、1枚〜3枚など)を投入(またはMAXBETスイッチを操作)した後にスタートスイッチを操作すると、スロットマシン1000のゲームが開始(各リールの回転が開始)する。ゲームの開始後に、遊技者が、各ストップスイッチを順に操作して3個目のストップスイッチを操作すると、ゲームが終了(全部のリールの回転が停止)し、予め決められた役に応じた図柄(各リールの表面に配置(印刷等)された図柄)の組み合わせが表示結果として導出されている(揃っている)場合、その役に対応した入賞が発生する。なお、遊技者は、透視窓を介して表示結果を確認することができる。
スロットマシン1000のRAMには、複数種類の遊技状態のうち現在の遊技状態を示す遊技状態フラグや、当選した役を示す当選フラグ等が記憶される。役の当選の抽選は、遊技状態フラグによって示される遊技状態に基づいて行われる(遊技状態に応じて当選確率が異なる)。また、遊技状態は、各種の当選や入賞、消化ゲーム数などに応じて遷移する。
通常遊技状態は、通常の遊技状態であって、メダル払出率の低い遊技状態である。内部中状態は、特別役に当選してから特別役が入賞するまでのゲームにおける遊技状態である。ボーナス状態は、特別役の入賞の発生によって移行する遊技状態であって、通常遊技状態よりも小役(例えば、ベル等)の当選確率が大幅に高く、通常遊技状態に比べメダル払出率が非常に高くなる遊技状態であり、遊技者にとって有利な第1有利状態である。RT状態は、例えば、RT抽選の当選後(又は所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)の消化後)に遷移する遊技状態であって、通常遊技状態と比べリプレイ(再遊技役)の当選確率が高い遊技状態であり、遊技者にとって有利な第2有利状態である。AT状態は、例えば、AT抽選の当選後(又は所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)の消化後)、所定条件(例えば、突入リプレイの入賞)により遷移する遊技状態であって、いわゆる押し順ナビを表示し、押し順ナビ通りにストップスイッチが操作されると役(例えば、ベル等)が入賞するため、通常遊技状態と比べメダル払出率が高くなる遊技状態であり遊技者にとって有利な第3有利状態である。ART状態は、例えば、ART抽選の当選後(又は所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)の消化後)、所定条件(例えば、突入リプレイの入賞)により遷移する遊技状態であって、押し順ナビを表示し、押し順ナビ通りにストップスイッチが操作されると役(例えば、リプレイ、ベル等)が入賞するため、通常遊技状態と比べメダル払出率が高くなる遊技状態である。高確率遊技状態は、特殊役の当選後(又は所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)の消化後)に遷移する遊技状態であって、通常遊技状態よりも特別役(又は、RT抽選、又は、AT抽選、又は、ART抽選)の当選確率が高い遊技状態であり遊技者にとって有利な第4有利状態である。
ボーナス状態、RT状態、AT状態、ART状態、高確率遊技状態は、通常遊技状態と比較して、遊技者にとって有利であるので特定遊技状態である。
役の抽選、RT抽選、AT抽選、ART抽選は、例えば、ゲームの開始時(スタートスイッチを操作直後)に、RAMに記憶されている現在の遊技状態フラグによって示される遊技状態に基づいて行われ、当選した役の当選フラグが記憶される。入賞は、例えば、RAMに記憶されている当選フラグやストップスイッチの操作タイミングなどによって決定される。また、所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)については、例えば、通常遊技状態から特定遊技状態への移行時に複数種類のゲーム数から抽選により決定されるものであってもよいし(例えば、天井ゲームのカウント値がクリアされるときに次回の天井ゲーム数を抽選してもよいし)、特定遊技状態から通常遊技状態への移行時に複数種類のゲーム数から抽選により決定されるものであってもよい(天井ゲームをカウントし始める直前に今回の天井ゲーム数を抽選してもよい)。また、所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)は、上記に加えて又は代えて、例えば、通常遊技状態に移行する直前の特定遊技状態が何であるかに応じて決定されるものであってもよい。例えば、ビッグボーナス後は1000ゲーム、レギュラーボーナス後は800ゲーム、AT(ART)後は500ゲームなどとしてもよい。また、所定のゲーム数(例えば、天井ゲーム数)は、上記に加えて又は代えて、特定遊技状態となる前の通常遊技状態が何であったかに応じて決定されるものであってもよい。例えば、複数の通常状態(例えば、モードA、モードBや天国モードなど)が存在し、モードAやモードBから入ったビッグボーナス後には500ゲーム、天国モードから入ったビッグボーナス後には128ゲームなどとしてもよい。
遊技用表示部では、例えば、通常遊技状態から特定遊技状態への移行前に演出(例えば、ミッション演出やイベント演出やバトル演出など)が行われる場合がある。当該演出の実行有無や演出内容は、例えば、ゲームの開始時の抽選結果や、所定のゲーム数を消化したか否かに応じて決定される。また、遊技用表示部では、パチンコ遊技機1と同じように、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、図柄など)の可変表示が行われる。
つまり、本発明に係る遊技機は、上述のようなスロットマシン1000であって、パチンコ遊技機1と同じように、複数種類の条件(例えば、第1有利状態、第2有利状態、第3有利状態、第4有利状態などのいずれかが成立する複数の条件など)のうちのいずれかの条件が成立したことにより、成立した条件の種類に応じた回数(例えば、第1回数または第2回数など)の有利状態(例えば、例えば、第1有利状態、第2有利状態、第3有利状態、第4有利状態などのいずれかなど)に制御し、例えば第1条件が成立したときは、第1回数よりも多い第2回数の有利状態(例えば、第1有利状態、第2有利状態、第3有利状態、第4有利状態などのいずれかなど)に制御されるときに、有利状態の残り回数が第1回数未満のときに第2条件が成立したときは、有利状態に制御される回数が、第1回数となる報知を行った後に、第2回数となる報知を行う回復演出パターンをセットし、有利状態の残り回数が第1回数以上のときに第2条件が成立したときは、有利状態に制御される回数が、第1回数となる報知を行うことなく、第2回数となる報知を行う回復演出パターンをセットすることで、有利状態の回数を報知するようにしてもよい。
なお、パチンコ遊技機1について実施形態等として記載した種々の内容(変形例も含む)は、スロットマシン1000にも適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、上記説明では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ(演出制御用CPU120)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行う様にすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。