JP6276274B2 - 生物活性物質の送達のための低分子量分岐ポリアミン - Google Patents

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    • A61P35/00Antineoplastic agents

Description

共同研究契約の当事者
本発明は、International Business Machines CorporationとAgency For Science, Technology and Researchとの間の共同研究契約の下で行われた。
背景
本発明は、生物活性物質の送達のための低分子量分岐ポリアミン、より具体的には、遺伝子送達のための疎水性カルバメート末端基を含むカルバメート官能化低分子量分岐ポリエチレンイミンに関する。
核酸に基づいた治療は、ヒト疾患の治療に極めて有望である。原理的には、機能性遺伝子によって欠陥遺伝子および欠損遺伝子を修正および置換することができるだけでなく、RNA干渉の使用によって冗長遺伝子発現も正常レベルへ抑制することができる。一般に、2つの主要なタイプの遺伝子送達ベクターである、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターがある。ウイルスベクターは優れた形質導入能力を有するが、ウイルスベクターの免疫原性および発癌性のために、それらの臨床適用は制限される。この問題を回避するために、多数の非ウイルス遺伝子送達システムが報告されており、これらは、(1)脂質、ポリマー、およびペプチドを含む様々なカチオン性分子と核酸との複合体、ならびに(2)例えばコレステロールおよび細胞透過ペプチドのような天然リガンドと核酸とのコンジュゲーションを含む。非ウイルス遺伝子送達ベクターは、バイオセイフティー、低い生産コスト、輸送および保管の容易さ、再現性、ならびに特定の細胞タイプを標的化することについての調整可能な機能性のために、ますます注目を集めている。
様々なタイプの非ウイルスベクターの中で、第1級、第2級および第3級アミン基を含有する、分岐ポリエチレンイミン(重量平均分子量(Mw)25 kDa、数平均分子量(Mn)10 kDa、本明細書においてbPEI-25と称する)は、インビトロで高い遺伝子トランスフェクション効率を提供し、業界標準と見なされている。bPEI-25は、生理的pHで高いカチオン電荷密度を有し、bPEI-25中のアミン基の約20%(即ち、第1級アミン)がプロトン化されている。このため、bPEI-25は、広いpH範囲にわたって負荷電の核酸と静電的に相互作用し、それらと複合体化してナノ粒子を形成することができる。いったんbPEI-25/核酸ナノ複合体が細胞によってインターナライズされると、第2級および第3級アミンは、「プロトンスポンジ効果」によってエンドソームからの核酸の放出を促進する。デオキシリボ核酸(DNA)の場合、放出された核酸の核内への取り込みは、高い遺伝子導入効率を与える。
その高い遺伝子トランスフェクション効率にもかかわらず、bPEI-25の正味の正電荷は、特にインビボでの、毒性、凝集、ならびにbPEI-25/核酸複合体と細胞成分および非細胞成分との望ましくない非特異的相互作用に関する大きな欠点を有する。有害作用には、肝壊死、凝集した血小板の付着、および高用量の全身注射後のショックが含まれる。
bPEI-25が抱える細胞毒性問題を考慮して、低分子量分岐ポリエチレンイミン(Mw約2.0 kDa、Mn約1.8 kDa、本明細書においてbPEI-2と称する)が、その好都合な細胞毒性プロファイルに起因して同様に関心を集めた。低分子量であるため、bPEI-2は、インビボ治療目的のために使用される場合、腎臓から排出することができる。しかし、bPEI-2の大きな欠点は、遺伝子トランスフェクションベクターとしての使用を不適当にするその非効率なトランスフェクション能力である。
したがって、生物活性物質の送達のためのより効率的かつ細胞毒性のより低いポリエチレンイミン誘導体を開発する継続的な必要性が存在する。
概要
したがって、約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記分岐ポリアミンを開示する。
さらに、約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(4)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
ここで、
式(4)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
R1は、水素、メチル、またはエチルであり、
R2は、水素であるか、または1〜27個の炭素を含む一価ラジカルであり、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記分岐ポリアミンを開示する。
さらに、約8〜約12個の第1級アミン基、複数の第2級アミン基、および複数の第3級アミン基を含む分岐第1ポリマーを、環状カーボネートモノマーで、該環状カーボネートモノマーを重合させることなく処理し、それによって、i)約8〜約12個の骨格第3級アミン基、ii)約18〜約24個の骨格第2級アミン基、iii)0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、およびiv)0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンを形成する工程
を含む方法であって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記方法を開示する。
また、
遺伝子と;
約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンと
を含む複合体であって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記複合体を開示する。
また、細胞を上述の複合体と接触させる工程を含む、細胞を処理する方法を開示する。
さらに、式(5)
Figure 0006276274
に記載の構造を有する分岐ポリアミンであって、
ここで、j、k、m、n'およびqは0を超えるモル量を示し、jは約35〜約47の値を有し、kは約8〜約12の値を有し、mは約18〜約24の値を有し、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、かつq/(n'+q)×100%は約9%〜約40%の値を有し、かつ各Z'は、
Figure 0006276274
およびそれらの組み合わせからなる群より選択される独立した部分である、
前記分岐ポリアミンを開示する。
[本発明1001]
約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記分岐ポリアミン。
[本発明1002]
n'個の第1級エチレンイミン繰り返し単位、約18〜約24個の第2級エチレンイミン繰り返し単位、約8〜約12個の第3級エチレンイミン繰り返し単位、およびq個の式(2)のカルバメート基から本質的になる、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1003]
約1600〜約5000の数平均分子量を有するカルバメート官能化分岐ポリエチレンイミンである、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1004]
分岐ポリアミンの遺伝子複合体が、N/P 10〜N/P 50で非細胞毒性である、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1005]
L'がフェニル尿素部分を含む、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1006]
q/(n'+q)×100%が約9%〜約25%に等しい、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1007]
q/(n'+q)×100%が約9%〜約12%に等しい、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1008]
カルバメート基が荷電していない、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1009]
第4級アミン基を有しない、本発明1001の分岐ポリアミン。
[本発明1010]
約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(4)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
ここで、
式(4)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
R 1 は、水素、メチル、またはエチルであり、
R 2 は、水素であるか、または1〜27個の炭素を含む一価ラジカルであり、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記分岐ポリアミン。
[本発明1011]
R 2 がエステル * -C(=O)OR 3 であり、ここで、R 3 が1〜26個の炭素を含む、本発明1010の分岐ポリアミン。
[本発明1012]
約8〜約12個の第1級アミン基、複数の第2級アミン基、および複数の第3級アミン基を含む分岐第1ポリマーを、環状カーボネートモノマーで、該環状カーボネートモノマーを重合させることなく処理し、それによって、i)約8〜約12個の骨格第3級アミン基、ii)約18〜約24個の骨格第2級アミン基、iii)0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、およびiv)0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンを形成する工程
を含む方法であって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記方法。
[本発明1013]
環状カーボネートモノマーが1つまたは複数の保護基を含み、かつ方法が、分岐ポリアミンから該1つまたは複数の保護基を選択的に除去する工程をさらに含む、本発明1012の方法。
[本発明1014]
環状カーボネートが6員環環状カーボネートである、本発明1012の方法。
[本発明1015]
分岐第1ポリマーが、
約25 mol%の、構造
Figure 0006276274
を有する第1級エチレンイミン繰り返し単位、
約50 mol%の、構造
Figure 0006276274
を有する第2級エチレンイミン繰り返し単位、および
約25 mol%の、構造
Figure 0006276274
を有する第3級エチレンイミン繰り返し単位
から本質的になる骨格を有する分岐ポリエチレンイミンであり、
ここで、星印の付いた各結合は、骨格の別の繰り返し単位への結合点を示す、
本発明1012の方法。
[本発明1016]
環状カーボネートモノマーが、
Figure 0006276274
およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1012の方法。
[本発明1017]
遺伝子と;
約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンと
を含む複合体であって、
ここで、
(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり、かつ
q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しい、
前記複合体。
[本発明1018]
細胞を本発明1017の複合体と接触させる工程を含む、細胞を処理する方法。
[本発明1019]
細胞がヒト腫瘍細胞である、本発明1018の方法。
[本発明1020]
細胞が癌性肝細胞である、本発明1018の方法。
[本発明1021]
細胞が癌性卵巣細胞である、本発明1018の方法。
[本発明1022]
式(5)
Figure 0006276274
に記載の構造を有する分岐ポリアミンであって、
ここで、j、k、m、n'およびqは0を超えるモル量を示し、jは約35〜約47の値を有し、kは約8〜約12の値を有し、mは約18〜約24の値を有し、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、かつq/(n'+q)×100%は約9%〜約40%の値を有し、かつ各Z'は、
Figure 0006276274
およびそれらの組み合わせからなる群より選択される独立した部分である、
前記分岐ポリアミン。
本発明の上述および他の特徴および利点は、下記の詳細な説明、図面、および添付の特許請求の範囲から当業者によって認識および理解されるであろう。
ルシフェラーゼレポーター遺伝子と様々な修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製したポリマー/DNA複合体の粒子サイズを示す棒グラフである。非修飾bPEI-2は、数平均分子量(Mn)=1.8 kDaおよび重量平均分子量(Mw)=2000を有する分岐ポリエチレンイミンである。修飾bPEI-2ポリマーを形成するために使用した環状カーボネートモノマーを凡例中の括弧内に示す。複合体をN/P比10〜40で調製した。対照として、非修飾bPEI-2のルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体をN/P比40で調製した。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と様々な修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製したポリマー/DNA複合体のゼータ電位を示す棒グラフである。修飾bPEI-2ポリマーを形成するために使用した環状カーボネートモノマーを括弧内に示す。複合体をN/P比10〜40で調製した。対照として、非修飾bPEI-2のDNA複合体をN/P比40で調製した。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と非修飾bPEI-2とを用いて調製した対照ポリマー/DNA複合体について得られたDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と非修飾bPEI-25(数平均分子量(Mn)=10000 kDa、重量平均分子量(Mw)=25000)とを用いて調製した対照ポリマー/DNA複合体について得られたDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 ルシフェラーゼレポーター遺伝子と修飾bPEI-2ポリマーとを用いて調製した、選択したポリマー/DNA複合体についてのDNAラダーの写真である。 MTC-C2を用いて調製したいくつかの修飾bPEI-2ポリマーの緩衝能を比較するグラフである。緩衝能は、MTC-C2の含有量が増加するにつれて減少した。 MTC-C2を用いて調製した、選択した修飾bPEI-2ポリマーの、ルシフェラーゼレポーター遺伝子への結合能を比較するグラフである。DNA結合能は、MTC-C2の含有量が増加するにつれて減少した。 SK-OV-3細胞における、異なるN/P比での様々な修飾bPEI-2ポリマー/DNA複合体によって媒介されたルシフェラーゼ発現レベルを示す棒グラフである。修飾bPEI-2ポリマーを形成するために使用した環状カーボネートモノマーを括弧内に示す。対照は、N/P 40での非修飾bPEI-2のDNA複合体、DNA単独、およびDNA無し(グラフ上において「0」と表示)を含む。結果は3回反復の平均値±標準偏差を示す。ルシフェラーゼ発現レベルは、非修飾bPEI-2の第1級アミン基の10%から40%までのMTC-C2修飾レベルと共に増加した。MTC-C2での第1級アミン基の100%修飾は、非修飾bPEI-2と比較してより低い発現レベルをもたらした。 HepG2細胞における、異なるN/P比での様々な修飾bPEI-2ポリマー/DNA複合体によって媒介されたルシフェラーゼ発現レベルを示す棒グラフである。 N/P 10〜40で調製した様々な修飾bPEI-2ポリマー/ルシフェラーゼ複合体とのインキュベーション後のSK-OV-3細胞の細胞生存度を示す棒グラフである。 N/P 10〜40で調製した様々な修飾bPEI-2ポリマー/ルシフェラーゼ複合体とのインキュベーション後のHepG2細胞の細胞生存度を示す棒グラフである。 SK-OV-3細胞における、様々なN/P比での修飾bPEI-25ポリマーP3、P6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。 HepG2細胞における、様々なN/P比での3つの修飾bPEI-2ポリマーP6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。
詳細な説明
遺伝子、タンパク質および/または薬物を含む生物活性物質の送達のための低分子量分岐ポリアミンを開示する。分岐ポリアミンは、1つまたは複数の疎水性環状カーボネート化合物と、約8〜約12個の第1級アミン基、複数の第2級アミン基、および複数の第3級アミン基を含む分岐ポリエチレンイミン(bPEI)とを反応させることによって好ましくは調製される。明確にするために、環状カーボネートモノマーとのカルバメート形成反応のための分岐ポリエチレンイミン出発材料を、以下の説明において非修飾分岐ポリエチレンイミン(「非修飾bPEI」)と称する。反応の生成物は、修飾分岐ポリエチレンイミン(「修飾bPEI」)と称するカルバメート官能化bPEIポリマーである。非修飾bPEIは、約1500〜約2000の数平均分子量(Mn)および約1800〜約4000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。より具体的な分岐ポリアミンは、bPEI-2(「非修飾bPEI-2」と称する)を環状カーボネート化合物で処理することによって形成される。カルバメート官能化bPEI-2ポリマーである、得られる分岐ポリアミンは、「修飾bPEI-2」ポリマーと称する。分岐ポリエチレンイミン以外の分岐アミン含有ポリマーが、カルバメート形成反応のために潜在的に使用され得ることが、理解されるべきである(例えば、約8〜約12個の第1級アミン基、複数の第2級アミン基、および複数の第3級アミン基を有する樹枝状アミンポリマー)。
分岐ポリアミンは、遺伝子トランスフェクションの過程において遺伝子のキャリアとして機能することができる。修飾bPEIは、それらの低い細胞毒性およびそれらの種々の癌細胞株における遺伝子トランスフェクション剤としてのそれらの効力に基づいて、癌遺伝子治療適用にとって魅力的である。例示的な細胞株としては、癌性ヒト肝細胞(例えば、HepG2)および癌性ヒト卵巣細胞(例えば、SK-OV-3細胞)が挙げられる。場合によっては、修飾bPEI/遺伝子複合体について得られる遺伝子発現レベルは、対応の非修飾bPEI/遺伝子複合体について観察される発現レベルよりも10倍超高い。修飾bPEI/遺伝子複合体はまたN/P 10〜N/P 50で低い細胞毒性を有する。
非修飾bPEIは、複数の二価エチレン基(*-CH2CH2-*)、複数の骨格第3級アミン、複数の骨格第2級アミン、および複数の骨格終結第1級アミン基を含有する。より具体的には、非修飾bPEIは、分子量43を有する平均エチレンイミンサブユニットおよびMnの範囲に基づいて、約35〜約47個のエチレン基、約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、および約8〜約12個の骨格終結第1級アミン基を有する。非修飾bPEIの骨格末端単位は第1級アミン基を含有する。
非修飾bPEIは、約8〜約12個の、構造
Figure 0006276274
の第1級エチレンイミン繰り返し単位、
約18〜約24個の、構造
Figure 0006276274
の第2級エチレンイミン繰り返し単位、および
約8〜約12個の、構造
Figure 0006276274
の第3級エチレンイミン繰り返し単位から本質的になる構造を有し、存在し得る前述の繰り返し単位のいかなるヒドロ塩(hydrosalt)も除く。上記の繰り返し単位中の星印の付いた各結合は、非修飾bPEIの別の繰り返し単位への結合点を示す。
非修飾bPEIはまた、本明細書において式(1)
Figure 0006276274
によって示され、
ここで、j、k、m、およびnは、非修飾bPEI構造のそれぞれの独立した官能基のモルを示し、jは約35〜約47の値を有し、kは約8〜約12の値を有し、mは約18〜約24の値を有し、nは約8〜約20の値を有する。式(1)の表記法によって、角括弧[]の内側で始まり角括弧の外側で終わる、丸括弧()の各セットは、ポリマー鎖ではなく、非修飾bPEIの独立した官能基を囲んでいることが理解されるべきである。下付き文字k、m、n、およびjは、非修飾bPEI構造のそれぞれの独立した官能基の各々のモル量を示す。星印の付いた結合は、角括弧の反対側の星印の付いた結合への結合点を示す。したがって、角括弧の右側の各窒素は、角括弧の左側のエチレン基の炭素へ結合されている。
例として、上述の市販の分岐ポリエチレンイミンbPEI-2は、重量平均分子量(Mw)2000、数平均分子量(Mn)約1800を有し、Mnおよび平均エチレンイミン繰り返し単位分子量43に基づいて、平均で、10個の骨格第3級アミン基、20個の骨格第2級アミン基、10個の骨格終結第1級アミン基、および35個のエチレン基を含有する。この場合、j = 35、k = 10、m = 20、およびn = 10である。この物質を本明細書において「非修飾bPEI-2」とも称する。
別の例として、上述の市販の分岐ポリエチレンイミンbPEI-25は、重量平均分子量25000、数平均分子量約10000を有し、Mnおよび平均エチレンイミン繰り返し単位分子量43に基づいて、平均で、58個の骨格第3級アミン基、116個の骨格第2級アミン基、58個の骨格終結第1級アミン基、および233個のエチレン基を含有する。この場合、j = 233、k = 58、m = 116、およびn = 58である。この物質を本明細書において「非修飾bPEI-25」とも称する。
非修飾bPEIの骨格終結第1級アミン基は、環状カーボネート化合物とのカルバメート形成開環反応を受け、それによって分岐ポリアミンが形成される。開環反応は、好ましくは、環状カーボネート化合物の最小限の重合を伴ってまたは重合を伴わずに生じる。
分岐ポリアミンは、約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含有し、
ここで、式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、q/(n'+q)×100%は、約9%〜約40%に等しく、(n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、かつL'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基である。ある態様において、L'は非荷電基である。別の態様において、修飾bPEIは第4級アミン基を含まない。
より具体的な分岐ポリアミンは、以下を含む構造を有する:
i)0を超える正数n'個の、構造
Figure 0006276274
の骨格終結第1級エチレンイミン繰り返し単位、
ii)約18〜約24個の、構造
Figure 0006276274
の骨格第2級エチレンイミン繰り返し単位、
iii)約8〜約12個の、構造
Figure 0006276274
の骨格第3級エチレンイミン繰り返し単位、および
iv)0を超える正数q個の、式(2)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート末端基、
ここで、上記の構造中の星印の付いた結合の各々は、分岐ポリアミンの別の繰り返し単位への結合点を示し、q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等しく、(n'+q)は約8〜約12に等しい数であり、かつL'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基である。式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されている。ある態様において、分岐ポリアミンは、第1級エチレンイミン繰り返し単位、第2級エチレンイミン繰り返し単位、第3級エチレンイミン繰り返し単位、およびカルバメート末端基から本質的になる。別の態様において、分岐ポリアミンは、カルバメート官能化bPEI-2(即ち、修飾bPEI-2ポリマー)である。別の態様において、L'は非荷電基である。別の態様において、分岐ポリアミンは第4級アミン基を含まない。
分岐ポリアミンはまた、本明細書において式(3)
Figure 0006276274
によって示すことができ、
ここで、j、k、m、n'およびqは、式(3)中の丸括弧内に囲まれた独立した官能基の各々の0を超えるモルを示し、jは約35〜約47の値を有し、kは約8〜約12の値を有し、mは約18〜約24の値を有し、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、表現(n'+q)/q×100%は約9%〜約40%の値を有する。角括弧および丸括弧を使用する表記法は、式(1)について上述したものと同一の意味を有する。L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基である。
分岐ポリアミンを調製する方法において、反応混合物は、環状カーボネート化合物および非修飾bPEIを含み、環状カーボネート化合物は、非修飾bPEIの第1級アミン基の総モルの50 mol%未満の量で存在する。したがって、この方法において、非修飾bPEIの第1級アミン基の少なくとも50%が、分岐ポリアミン中において非修飾のままである。ある態様において、式(3)の(n'+q)/q×100%は、約9%〜約25%の値を有する。さらにより具体的な態様において、式(3)の(n'+q)/q×100%は、約9%〜約12%の値を有する。別の態様において、qは1であり、n'は約7〜約11の値を有する。
分岐ポリアミンの骨格第3級アミン基、骨格第2級アミン基、および/または骨格終結第1級アミン基は各々、遊離塩基としてまたはヒドロ塩(例えば、負荷電の対イオンと会合した正荷電のプロトン化アミン、例えば、水酸化物、塩化物、酢酸塩またはスルホン酸塩)として存在することができる。
別のより具体的な分岐ポリアミンは、約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(4)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート基を含む。
式(4)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、R1は、水素、メチル、またはエチルであり、かつR2は、水素であるか、または1〜27個の炭素を含む基であり、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、かつq/(n'+q)×100%は約9%〜約40%の値を有する。ある態様において、R2はエステル*-C(=O)OR3であり、ここで、R3は1〜26個の炭素を含む。
別のより具体的な分岐ポリアミンは以下を含む:
i)0を超える正数n'個の、構造
Figure 0006276274
の骨格終結第1級エチレンイミン繰り返し単位、
ii)約18〜約24個の、構造
Figure 0006276274
の骨格第2級エチレンイミン繰り返し単位、
iii)約8〜約12個の、構造
Figure 0006276274
の骨格第3級エチレンイミン繰り返し単位、および
iv)0を超える正数q個の、式(4)
Figure 0006276274
の骨格終結カルバメート末端基、
ここで、星印の付いた結合の各々は、分岐ポリアミンの別の繰り返し単位へ連結されており、R1は、水素、メチル、またはエチルであり、かつR2は、水素であるか、または1〜27個の炭素を含む基であり、(n'+q)は約45〜約70の値を有し、かつq/(n'+q)×100%は、約9%〜約40%の値を有する。ある態様において、分岐ポリアミンは、第1級エチレンイミン繰り返し単位、第2級エチレンイミン繰り返し単位、第3級エチレンイミン繰り返し単位、およびカルバメート末端基から本質的になる。別の態様において、分岐ポリアミンはカルバメート官能化bPEI-2である。
ある態様において、式(4)のR2はエステル*-C(=O)OR3であり、ここで、R3は1〜26個の炭素を含む。
R3は糖部分を含み得る。糖部分を含む例示的なR3基としては、マンノース、ガラクトースまたはグルコースのエステルが挙げられる。
R3は、1〜26個の炭素を含む一価炭化水素ラジカルを含み得る。例示的な一価炭化水素ラジカルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、セプチル(septyl)、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシル基が挙げられる。一価炭化水素ラジカルは分岐鎖または直鎖であり得る。
他のR3基としては、ベンジルエステルおよび尿素基を有するエステルが挙げられる。
分岐ポリアミンは約1600〜約5000の数平均分子量(Mn)を有し得る。修飾bPEIは約2100〜約6000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。
カルバメート基は、1つまたは複数の保護基を任意で含むことができる。これらの場合、分岐ポリアミンを形成する方法は、1つまたは複数の保護基を選択的に除去する工程をさらに含み得る。
例示的な環状カーボネートモノマーとしては、表1の化合物が挙げられる。
Figure 0006276274
環状カーボネートモノマーのさらなる例としては、表2の化合物が挙げられる。
Figure 0006276274
Figure 0006276274
環状カーボネートモノマーは、単独でまたは組み合せて使用することができる。
より具体的な分岐ポリアミンは、式(5)
Figure 0006276274
に記載の構造を有し、
ここで、j、k、m、n'およびqは0を超えるモル量を示し、jは約35〜約47の値を有する数であり、kは約8〜約12の値を有する数であり、mは約18〜約24の値を有する数であり、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、表現(n'+q)/q×100%は約9%〜約40%の値を有し、かつ各Z'は、
Figure 0006276274
およびそれらの組み合わせからなる群より独立して選択される部分である。
また、遺伝子と上述の分岐ポリアミンとを含む複合体を開示する。さらに、細胞を複合体と接触させる工程を含む、細胞を処理する方法を開示する。
以下の実施例は、環状カーボネートを使用して非修飾bPEI-2中へ疎水性カルバメート基を導入する容易な方法を実証する。環状カーボネートは、有機触媒(1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、DBU)有りまたは無しで開環され得る。DBU無しでは、カルバメートが第1級アルコールと共に形成し得る。DBU有りでは、第1級アミン基が環状カーボネートより過剰に存在する場合に、カルバメートが同様に第1級アルコールと共に形成し得る。しかし、環状カーボネートが第1級アミン基より過剰に存在する場合、得られる分岐ポリアミンは、第1級アミン部位へ連結されたポリ(カーボネート)鎖を含有する可能性が高くなる。
様々な修飾bPEI-2/遺伝子複合体のDNA結合、粒子サイズ、ゼータ電位、および遺伝子発現特性を記載する。ルシフェラーゼレポーター遺伝子および緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター遺伝子を使用することによって、HepG2(ヒト肝臓癌細胞株)およびSK-OV-3(ヒト卵巣癌細胞株)における修飾bPEI-2複合体の遺伝子トランスフェクション効率および細胞毒性を調べ、非修飾bPEI-2と比較した。
以下の実施例において使用した材料を表3に列挙する。
Figure 0006276274
ここで、Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、MWは、一つの分子の分子量である。
1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(DBU)を、CaH2上で撹拌し、真空蒸留し、その後、グローブボックスへ移した。重量平均分子量25 kDa(bPEI-25)および1.8 kDa(bPEI-2)を有する分岐ポリエチレンイミン、細胞毒性アッセイのための1-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-3,5-ジフェニルホルマザン(MTT)、ならびにポリマー合成のための他の試薬は、Aldrichから市販されており、特に断りのない限り、他のいかなる精製もせずに使用した。ルシフェラーゼ基質および5×溶解バッファーを、Promega (Singapore)から購入した。GFPレポーター遺伝子(サイトメガロウイルスプロモーターによって駆動される野生型GFPの赤色シフト変異体をコードする)およびルシフェラーゼレポーター遺伝子(サイトメガロウイルスプロモーターによって駆動される6.4 kbホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードする)を、それぞれ、Clontech (U.S.A.)およびCarl Wheeler, Vical (U.S.A.)から得た。BCAタンパク質アッセイキットはPierce製であった。HepG2およびSK-OV-3ヒト癌細胞株をATCC (U.S.A.)から購入した。
MTC-OHは、R. C. Pratt, et al., Chemical Communications, 2008, 114-116の方法によって調製することができる。
MTC-C6H5(MW 326.2)の調製
Figure 0006276274
100 mL丸底フラスコに、ビス-MPA, (7), (5.00 g, 37 mmol, MW 134.1)、ビス-(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(PFC, 31.00 g, 78 mmol, MW 394.1)、およびテトラヒドロフラン(THF)70 mlでリンスしたCsF (2.5g, 16.4 mmol)を加えた。最初のうち反応は不均一であったが、1時間後に、透明な均一溶液が形成され、これを20時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を塩化メチレン中に再溶解した。溶液をおよそ10分間静置し、この時点で、ペンタフルオロフェノール副生成物が沈殿し、定量的に回収することができた。このペンタフルオロフェノール副生成物は、19F NMRにおいてペンタフルオロフェノールの特徴的な3つのピークおよびGCMSにおいて質量184の単一のピークを示した。濾液を炭酸水素ナトリウム、水で抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させ、生成物を再結晶させ(酢酸エチル/ヘキサン混合物)、MTC-C6F5を白色結晶性粉末として得た。GCMSは、質量326 g/molの単一のピークを有した。C12H7F5O5についての計算された分子量は、帰属された構造と一致していた。1H-NMR (400MHz in CDCl3): delta 4.85 (d, J = 10.8Hz, 2H, CHaHb), 4.85 (d, J = 10.8Hz, 2H, CHaHb), 1.55 (s, 3H, CCH3)。
I.モノマーの合成
実施例1
MTC-Cl(MW 178.6)の調製
Figure 0006276274
乾燥テトラヒドロフラン(THF) 50 mL中の塩化オキサリル(2.48 mL, 19.0 mmol)の溶液を、乾燥THF 50 mL中の5-メチル-5-カルボキシル-1,3-ジオキサン-2-オン(MTC-OH) (2.75 g, 17.2 mmol, MW 160.1)の溶液へ滴下し、続いて、窒素雰囲気下で30分間にわたって触媒量(3滴)の無水ジメチルホルムアミド(DMF)を添加した。N2をバブリングしながら反応溶液を1時間撹拌し、揮発性物質を除去した。反応後、溶媒を真空下で蒸発させ、MTC-Clを得、これはさらに精製しなかった。
実施例2
MTC-C2(MW 188.2)の調製
Figure 0006276274
I)ビス-MPA (22.1 g, 0.165 mol, MW 134.1)をAmberlyst-15 (6.8 g)と共にエタノール(150 mL)へ添加し、一晩還流した。次いで、樹脂を濾過して取り除き、濾液を蒸発させた。ジクロロメタン(200 mL)を、得られた粘性液体へ添加し、未反応試薬および副生成物を濾過した。溶液をMgSO4で乾燥させ、蒸発させた後、2,2-ビス(メチロール)プロピオン酸エチル(MW 162.2)を無色透明液体(24.3 g, 91%)として得た。
Figure 0006276274
II)ジクロロメタン(150 mL)中のトリホスゲン(11.7 g, 0.039 mol)の溶液を、窒素雰囲気下でドライアイス/アセトンを用いて-75℃で30分間にわたって、2,2-ビス(メチロール)プロピオン酸エチル(12.6 g, 0.078 mol, MW 162.2)およびピリジン(39 mL, 0.47 mol)のジクロロメタン溶液(150 mL)へ滴下した。反応混合物をチルド条件下でさらに2時間撹拌し続け、次いで、室温に加温されるまで置いた。反応を飽和NH4Cl水溶液(75 mL)の添加によってクエンチし、その後、有機層を1 M HCl水溶液(3×100 mL)、飽和NaHCO3水溶液(1×100 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルから再結晶させ、MTC-C2(MW 188)を白色結晶(8.0 g, 55%)として得た。
Figure 0006276274
実施例3
MTC-C8(MW 272.3)の調製
Figure 0006276274
フラスコにMTC-C6F5 (5.5 g, 16.9 mmol, MW 326.2)、オクタノール(2.0 g, 15.4 mmol)、PROTON SPONGE (3.29 g, 15.4 mmol)およびTHF (8 mL)を加えた。反応混合物を12時間撹拌し、過剰量の酢酸アンモニウムを添加した。反応混合物をさらに3時間撹拌し、次いで、シリカゲルカラムへ直接添加した。溶離剤としてヘキサン/酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーによって生成物を単離し、オイルを得た。
Figure 0006276274
実施例4
エタノールをドデカノールで置き換えて、実施例3の一般的手順を使用して、MTC-C12(MW 328.4)を合成した。
Figure 0006276274
Figure 0006276274
実施例5
合成MTC-Bn(MW 250.3)
Figure 0006276274
2,2-ビス(メチロール)プロパン酸(ビス-MPA)(20 g, 149.1 mmol, MW 134.1)および水酸化ナトリウム(5.96 g, 149.1 mmol)を、DMSO 100 mL中に合わせ、80℃で一晩撹拌した。臭化ベンジル(30.6 g, 178.9 mmol)を滴下した。溶液は透明になり、反応をNMRによってモニタリングした。いったん反応が完了したら、溶液を室温まで冷却し、水500 mLを添加した。溶液をジエチルエーテルで数回抽出し、ジエチルエーテル溶液を250 mLまで濃縮した。この溶液を水、炭酸水素ナトリウム、および塩水で洗浄し、乾燥させ、固体まで濃縮した。固体をTHF/ヘキサンから再結晶させ、MPA-Bnの白色結晶(10.0 g, 30%)を得た。次いで、MPA-Bn (4.76 g, 21.2 mmol, MW 224.3)およびトリエチルアミン(5.4 g, 53.1)を、乾燥THF (210 mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。窒素下で、クロロギ酸エチル(5.1 g, 46.7 mmol)を撹拌溶液へ滴下した。溶液を室温まで加温し、18時間反応させた。次いで、反応溶液を固体まで濃縮し、固体をジエチルエーテルから2回再結晶させ、MTC-Bnを白色結晶として得た(3.86 g, 72.6%)。
Figure 0006276274
保護された糖ペンダント基を有する環状カーボネートモノマーとしては、MTC-IPMAN、MTC-IPGALおよびMTC-IPGLUが挙げられる。
実施例6
MTC-IPMAN(MW 402.3)の調製
Figure 0006276274
MTC-IPMANの調製を示す。MTC-Clを上述のように形成し、乾燥ジクロロメタン(DCM)50 mL中に溶解した。乾燥ジクロロメタン(DCM)50 mL中の2,3;5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-マンノフラノース(IPMAN)(4.13 g, 15.8 mmol, MW 260.3)およびトリエチルアミン(2.8 mL, 20.6 mmol)の混合物を、室温で30分間にわたって溶液中へ滴下した。次いで、反応混合物を48時間40℃まで加熱した。混合物を室温まで冷却した後、溶液を濃縮し、THF 100 mLを添加し、トリエチルアミン塩を沈殿させた。塩を濾過し、溶媒を除去した後、得られた粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサン(20/80〜50/50)を使用する勾配溶出によってシリカゲルカラムを通過させ、生成物を粘着性無色オイルとして得、これは白色固体へ徐々に凝固した(5.85 g, 85%)。
Figure 0006276274
実施例7
MTC-IPGAL(MW 402.2)の調製
Figure 0006276274
実施例6の手順および1,2;3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノース(IPGAL、MW 260.3)を使用して、MTC-IPGALを調製した。収率81%。
Figure 0006276274
実施例8
MTC-IPGLU(MW 402.2)の調製
Figure 0006276274
実施例6の手順および1,2;5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-グルコフラノース(IPGLU、MW 260.3)を使用して、MTC-IPGLUを調製した。収率75%。
Figure 0006276274
ペンダントフェニル尿素基を有する環状カーボネートを、スキーム1に従って調製した。
スキーム1
Figure 0006276274
実施例9
MTC-PUC2(MW 322.3)の合成
1)エタノールアミン(5.0 g, 48.5 mmol, 1 eq)を、撹拌子を備えた乾燥100 mL丸底フラスコ中に置き、乾燥THF (30 mL)を添加した。得られた溶液を氷浴によって0℃まで冷却した。フェニルイソシアネート(5.19 g, 4.74 mL, 43.6 mmol, 0.9当量)および乾燥THF 30 mLを、30分間にわたって滴下漏斗によってエタノールアミン/THF混合物へ滴下した。得られた混合物を周囲温度に加温されるまで置き、さらに16時間撹拌下に置いた。回転蒸発を使用してTHFを除去した。得られた粗生成物を酢酸エチルから再結晶させ、その後、さらに4時間激しく撹拌した。再結晶した固体を濾過によって単離し、酢酸エチルでさらに洗浄し、恒量に達するまで乾燥させ、中間体フェニル尿素エタノール(スキーム1においてn=2)7.0 g(約80%)を得た。
Figure 0006276274
2)上述のように塩化オキサリルを使用することによって、MTC-OH(4.3 g, 26.8 mmol)をMTC-Clへ変換した。MTC-Clを乾燥塩化メチレン50 mL中に溶解し、追加の漏斗(additional funnel)中に加えた。撹拌子を備えた乾燥500 mL丸底フラスコ中に、フェニル尿素エタノール(5.55 g, 25 mmol)、ピリジン(1.97 g, 2.02 mL, 25 mmol)および乾燥塩化メチレン(150 mL)を加えた。追加の漏斗を窒素下で付け、氷浴を使用してフラスコを0℃まで冷却した。MTC-Cl溶液を30分間滴下し、得られた溶液をさらに30分間撹拌した。氷浴を除去し、溶液を周囲温度に加温されるまで置き、さらに16時間撹拌下に置いた。シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。最初は塩化メチレンを溶離剤として使用し、その後、徐々に極性を増加させ、最終濃度5 vol%メタノールで終了した。生成物フラクションを集め、溶媒を回転蒸発によって除去した。単離された生成物を、恒量に達するまで真空下で乾燥させ、オフホワイト色/帯黄色オイル8.0 g (約80%)を得、これは静置時に結晶化した。
Figure 0006276274
実施例10
実施例9の手順および8-アミノ-1-オクタノールを使用して、MTC-PUC8(MW 406.5)を調製した。収率86%。
Figure 0006276274
実施例11
実施例9の手順および12-アミノ-1-ドデカノールを使用して、MTC-PUC12(MW 462.6)を調製した。収率65%。
Figure 0006276274
MTC-C8およびMTC-C12による修飾
bPEI-2は、1モル= 1800 (Mn)に基づいて、1モル当たり第1級アミン基10個、第2級アミン基20個および第3級アミン基10個を有する。スキーム2に従って、異なる鎖長の疎水性エステル基を有する環状カーボネートモノマーで、bPEI-2を修飾した。
スキーム2
Figure 0006276274
実施例12
MTC-C8を使用してP1を形成するための手順を示す。グローブボックス中において、MTC-C8 (0.0408 g, 0.15 mmol, MW = 272 g)を、DCM 2 mL中のbPEI-2(0.270 g、1モル = 1800 g = Mnに基づいて0.15 mmol)の溶液へ添加した。bPEI-2:MTC-C8モル供給比は1:1であり、質量供給比は6.6:1であった。反応溶液を1時間撹拌した。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。ポリマーP1についてのNMRによって判明したモル比は1:1であった。したがって、スキーム2のポリマーP1について、m = 20、q = 1、n' = 9、k = 10、およびj = 43。
実施例13
実施例12の一般的手順に従って、MTC-C12を用いてポリマーP2を調製した。bPEI-2:MTC-C12モル供給比は1:1であり、質量供給比は5.5:1であった。ポリマーP2についてのNMRによって判明したモル比は1:0.86であった。したがって、スキーム2のポリマーP2について、m = 20、q = 0.86、n' = 9.14、k = 10、およびj = 43。
MTC-PUC2、MTC-PUC8、およびMTC-PUC12による修飾
実施例12の一般的手順を使用して、スキーム3に従って、異なる鎖長の疎水性尿素含有エステル基を有する環状カーボネートモノマーで、bPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP3〜P5を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
スキーム3
Figure 0006276274
実施例14
ポリマーP3について、bPEI-2:MTC-PUC2モル供給比は1:1であり、質量供給比は5.6:1であった。ポリマーP3についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、スキーム3のポリマーP3について、m = 20、q =0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
実施例15
ポリマーP4について、bPEI-2:MTC-PUC8モル供給比は1:1であり、質量供給比は4.4:1であった。ポリマーP4についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、スキーム3のポリマーP4について、m = 20、q = 0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
実施例16
ポリマーP5について、bPEI-2:MTC-PUC12モル供給比は1:1であり、質量供給比は3.9:1であった。ポリマーP5についてのNMRによって判明したモル比は1:1.1であった。したがって、スキーム3のポリマーP5について、m = 20、q = 1.1、n' = 8.9、k = 10、およびj = 43。
MTC-Bnによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム4に従ってMTC-Bn (MW 250)でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP6およびP13を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
スキーム4
Figure 0006276274
実施例17
P6の調製について、bPEI-2:MTC-Bnモル供給比は1:1であり、質量供給比は7.2:1であった。P6についてのNMRによって判明したbPEI-2:MTC-Bnモル比は1:1.1であった。したがって、P6についてスキーム4において、m = 20、q = 1.1、n' = 8.9、k = 10、およびj = 43。
実施例18
P13の調製について、bPEI-2:MTC-Bnモル供給比は1:4であり、質量供給比は1.8:1であった。P13について、NMRによって判明したbPEI-2:MTC-Bnモル比は1:4.7であった。したがって、P13についてスキーム4において、m = 20、q = 4.7、n' = 5.3、k = 10、およびj = 43。
MTC-C2による修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム5に従ってMTC-C2でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP7〜P10を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
スキーム5
Figure 0006276274
実施例19
P7の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:1であり、質量供給比は9.6:1であった。P7についてのNMRによって判明したモル比は1:1であった。したがって、P7についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 9、k = 10、およびj = 43。
実施例20
P8の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:2であり、質量供給比は4.8:1であった。P8についてのNMRによって判明したモル比は1:1.8であった。したがって、ポリマーP8についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 8.2、k = 10、およびj = 43。
実施例21
P9の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:4であり、質量供給比は2.8:1であった。P9についてのNMRによって判明したモル比は1:4.1であった。したがって、P9についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 5.9、k = 10、およびj = 43。
実施例22
P10の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:10であり、質量供給比は0.96:1であった。ポリマーP10についてのNMRによって判明したモル比は1:9.9であった。したがって、ポリマーP10についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 0.1、k = 10、およびj = 43。
TMCによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム6に従ってTMCでbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP11およびP14を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
スキーム6
Figure 0006276274
実施例23
P11の調製について、bPEI-2:TMCモル供給比は1:1であった。P11についてのNMRによって判明したモル比は1:1.2であった。したがって、P11についてスキーム6において、m = 20、q = 1、n' = 8.8、k = 10、およびj = 43。
実施例24
P14の調製について、bPEI-2:TMCモル供給比は1:4であり、質量供給比は4.4:1であった。ポリマーP14についてのNMRによって判明したモル比は1:4.1であった。したがって、P14についてスキーム6において、m = 20、q = 4.1、n' = 5.9、k = 10、およびj = 43。
BCFによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム7に従ってクロロギ酸ブチル(BCF)でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP12を作製した。反応時間は1時間であった。
スキーム7
Figure 0006276274
実施例25(比較)
P12の調製について、bPEI-2:BCFモル供給比は1:1であった。ポリマーP12についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、ポリマーP12についてスキーム7において、m = 20、q = 0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
表4はポリマーの調製をまとめている。
Figure 0006276274
表5は修飾bPEIポリマーのNMR分析をまとめている。
Figure 0006276274
bPEI-2 1モル=1800 g、および1モル当たり第1級アミン基10個に基づく。
100%を超える値は、全ての活性第1級アミン部位での反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
実施例31〜37における10を超える数は、全ての活性第1級アミン部位での反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
III.生物活性物質を有する複合体
細胞培養
HepG2およびSK-OV-3細胞をイーグル最小必須培地(MEM、Invitrogen, Singapore;HepG2について)およびRPMI 1640培地(Invitrogen, Singapore;SK-OV-3について)において培養した。両方の培地に、10%ウシ胎仔血清(FBS、Invitrogen, Singapore)、ストレプトマイシン100マイクログラム/mL、ペニシリン100 U/mL、L-グルタミン2 mM、および1 mMピルビン酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, Singapore)を補った。MEMに1 mM非必須アミノ酸(Sigma-Aldrich, Singapore)をさらに補った。細胞を5% CO2および95%加湿空気の雰囲気下にて37℃で培養した。90%コンフルエンスに達したら、トリプシン/EDTA媒体を使用して、全ての細胞株を分離した。
DNA複合体の形成
修飾bPEI-2ポリマーをDNase/RNaseフリー水およびHPLC水にそれぞれ溶解し、ポリマー水溶液を作った。複合体を形成するために、DNA(GFPレポーター遺伝子またはルシフェラーゼレポーター遺伝子)の等体積の溶液を、ポリマー溶液中へ滴として落とし、約10秒間のボルテックスによる緩やかな撹拌下で、意図したN/P比(ポリマー中の窒素含有量 対 核酸のリン含有量 のモル比)を達成した。混合物を30分間室温で平衡化し、ポリマーおよびDNA分子間の完全な静電的相互作用を可能にし、その後、続いての研究のために使用した。非修飾bPEI-2および非修飾bPEI-25の対照複合体を同様に調製した。
DNA複合体の粒子サイズおよびゼータ電位分析
平衡化後のポリマー/DNA複合体の粒子サイズおよびゼータ電位を、散乱角90°にて、658 nmでHe-Neレーザービームを使用する動的光散乱(Brookhaven Instrument Corp., Holtsville, New York, U.S.A.)およびZetasizer (Malvern Instrument Ltd., Worcestershire, UK)によってそれぞれ測定した。粒子サイズおよびゼータ電位測定を、1サンプルにつき3回繰り返し、3リーディングの平均値±標準偏差として報告した。
表6は、異なるN/P比での修飾bPEI-2ポリマーのいくつかの流体力学半径を列挙する。
Figure 0006276274
100を超えるパーセンテージは、全ての活性第1級アミン部位の反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
典型的に20 nm〜200 nmのサイズ範囲であるポリマーナノ粒子は、腎臓における糸球体濾過による早期排出を回避するのに十分大きいものであるが、血管に入り、標的腫瘍組織における受動蓄積のために血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果を利用するのに十分小さいものである。図1から理解され得るように、修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体は、約100 nmの平均粒子サイズを有し、一方、N/P 40で調製した非修飾bPEI-2のルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体は、約3000 nmの粒子サイズを有する。
bPEI-2の疎水性修飾は、非修飾bPEI-2対照複合体と比較してゼータ電位の有意な増加を引き起こした(図2)。理論によって拘束されないが、これは、負荷電の細胞膜とのナノ粒子相互作用を助け得、したがって、エンドサイトーシスおよびトランスフェクションを増強し得る。
ゲル遅延度アッセイ
ポリマー/ルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体の様々な調合物を、1〜10または1〜15の範囲内のN/P比で、上述したように調製した。平衡化後、bPEI-2に由来する複合体を0.7%アガロースゲル上で電気泳動させ(electroporate)、bPEI-25で形成された複合体を1%アガロースゲル上で電気泳動させた。アガロースゲルを、アガロース溶液50 mL当たり10 mg/mL臭化エチジウム5マイクロリットルで染色した。ゲルを50分間80 Vで0.5×TBEバッファー中において電気泳動にかけ、次いで、UVイルミネーター(Chemi Genius, Evolve, Singapore)下で分析し、裸のDNAプラスミドに対する複合体化DNAの相対位置を明らかにした。
ポリマーP1〜P7は、非修飾bPEI-2(図3)および非修飾bPEI-25(図4)と同じぐらい有効にN/P 3でDNAを凝集することができた(それぞれ、図5〜11)。
MTC-C2修飾bPEI-2の緩衝能
P7、P8、P9、およびP10は、bPEI-2のMTC-C2修飾レベルシリーズを表す(それぞれ、第1級アミン基の10%、20%、40%および100%修飾)。これらのポリマーおよび非修飾bPEI-2の緩衝能を表7に示す。緩衝能を2〜11のpH範囲にわたって測定した。先ず、ポリマー(窒素原子0.1 mmol)をNaCl溶液(150 mM) 5 mL中に溶解した。0.01 HCl 15 mLを添加し、pHを2まで下げ、次いで、自動滴定装置(Spectralab Instruments)を使用して、溶液を0.01 M NaOHに対して滴定した。緩衝能を、5.1〜7.4のpHにわたってプロトン化されたアミン基のパーセンテージと定義し、以下の式によって計算する:
緩衝能(%) = 100×(ΔVNaOH×0.01 M)/N mol
式中、ΔVNaOHは、pHを5.1から7.4へ増加させるために必要なNaOH (0.01 M)の体積であり、N molは、プロトン化可能なアミンの総モルである。
Figure 0006276274
図12は、添加したNaOHの関数としてのpHをプロットするグラフである。データは、MTC-C2置換の量の増加が緩衝能の減少をもたらすことを示している。
図13は、N/P 0〜10での遊離遺伝子の相対的%蛍光として測定された、P7、P8、P9、P10、および非修飾bPEI-2のルシフェラーゼレポーター遺伝子結合能を比較するグラフである。MTC-C2置換度の増加は、第1級アミン基のおよそ100%が修飾された、特にP10において、より低下したDNA結合効率をもたらした。
ルシフェラーゼ遺伝子発現
修飾bPEI-2ポリマーとルシフェラーゼレポーター遺伝子とを用いて調製した複合体のインビトロトランスフェクション効率を、HepG2およびSK-OV-3細胞株を使用して調べた。HepG2細胞を、ルシフェラーゼ遺伝子送達のために8×104細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。SK-OV-3細胞を、ルシフェラーゼ遺伝子送達のために8×104細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。24時間後、プレーティング培地を新鮮な増殖培地で置き換え、続いて、様々なN/P比でルシフェラーゼプラスミドDNA 2.5マイクログラムを含有する複合体溶液50マイクロリットルを滴下した。4時間のインキュベーション後、各ウェル中の培地を置き換えることによって、遊離複合体を除去した。さらに68時間インキュベーションをした後、各ウェル中の細胞培養培地を除去し、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.4)0.5 mLで1回リンスした。ルシフェラーゼ発現アッセイのために、レポーター溶解バッファー0.2 mLを各ウェルへ添加した。凍結(-80℃、30分間)および解凍の2サイクル後に集めた細胞溶解物を、14000 rpmでの5分間の遠心分離によって清澄化し、その後、ルミノメーター(Lumat LB9507, Berthold, Germany)を使用しての相対的光単位(RLU)の測定のために、上清20マイクロリットルをルシフェラーゼ基質100マイクロリットルと混合した。RLUリーディングを、BCAタンパク質アッセイを使用して測定した上清のタンパク質濃度に対して正規化し、全体的なルシフェラーゼ発現効率を得た。全てのインビトロ遺伝子発現実験において、裸のDNAを陰性対照として使用した。非修飾bPEI-2/DNA複合体および非修飾bPEI-25/DNA複合体を陽性対照として使用した。これらの対照を最適なN/P比(即ち、非修飾bPEI-2についてはN/P 40、非修飾bPEI-25についてはN/P 10)で調製し、これらは、高い遺伝子発現効率を誘導したが、50%に近いかまたは50%を超える細胞生存度を提供した。データを、4回反復の平均値±標準偏差として表した。
ルシフェラーゼ発現結果
図14は、N/P 10〜40での、選択した修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体によって媒介されたSK-OV-3細胞におけるルシフェラーゼ発現レベルを比較する棒グラフである。P7〜P10(MTC-C2を使用してのbPEI-2の第1級アミン基の10%、20%、40%および100%の修飾レベル)を比較すると、修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼ発現レベルは、100%(P10)以外の各レベルで非修飾bPEI-2対照のそれを超え、100%(P10)では、発現レベルは、非修飾bPEI-2対照よりも2〜4桁低かった。修飾レベル10%ではアルキルエステルの鎖長は、発現レベルに対してほとんど影響を有しなかった(エチル、オクチル、およびドデシルエステル基をそれぞれ有する、P7、P1、およびP2を比較)。MTC-C2(エチルエステル)を使用する修飾レベルを10%から100%(P7からP10)へと増加させると、40%を超える修飾で、ルシフェラーゼ発現レベルの急激な減少が生じた。エステル鎖の末端へのフェニル尿素基の付加(P3、P4およびP5)は、非尿素相当物(P7、P1およびP2)と比較してルシフェラーゼ発現レベルを高めた。P3およびP4は、N/P 40で約109.5 RLU/mgタンパク質の最高発現レベルを達成し、これは、対照である非修飾bPEI-2複合体について得られた発現レベルよりも約10倍高い。10%および40%修飾レベルでのMTC-Bn修飾bPEI-2(それぞれ、P6およびP13)も高いルシフェラーゼ発現レベルを有した。他方で、10%および40%修飾レベルでのTMC修飾bPEI-2(それぞれ、P11およびP14)は、非修飾bPEI-2と匹敵するかまたは非修飾bPEI-2よりも低い発現レベルを有した。10%修飾レベルでのクロロギ酸ブチル(BCF)修飾bPEI-2(P12)も、環状カーボネート修飾bPEI-2ポリマーと比較して一般的により低いルシフェラーゼ発現レベルを有した。
まとめると、一般に、環状カーボネートによる修飾は、非環状カーボネートであるクロロギ酸ブチルによる修飾よりも高い発現レベルをもたらした。10%〜50%、より特には10%〜40%の修飾レベルが、環状カーボネートを使用する100%修飾レベルよりも好ましかった。場合によっては、発現レベルは、1桁を超えて非修飾bPEI-2を上回った。
同様の傾向がHepG2細胞株において観察された(図15)。この細胞株において、P7、P8、P9、P3、およびP6が特に好ましく、非修飾bPEI-2と比較して約1〜1.5桁より高いルシフェラーゼ発現レベルを達成した。第1級アミン基の約40%よりも高いMTC-C2修飾レベルは、より低いルシフェラーゼ発現レベルをもたらした。
細胞毒性試験
SK-OV-3およびHepG2細胞に対して標準MTTアッセイプロトコルを使用して、ポリマー/DNA複合体の細胞毒性を研究した。ルシフェラーゼプラスミドを複合体の形成および両細胞株の処理のために使用した。
HepG2およびSK-OV-3細胞を、それぞれ、1ウェル当たり10000細胞、5000および16000細胞の密度で96ウェルプレート上へ播種し、60%〜70%コンフルエンシーまで増殖させ、その後、処理した。様々なN/P比でのポリマー/DNAまたはポリマー/siRNA複合体を、上述したように水中において調製した。次いで、各ウェル中の細胞を、37℃で4時間、ポリマー/核酸複合体10マイクロリットルおよび新鮮な培地100マイクロリットルから構成された増殖培地と共にインキュベートした。インキュベーション後、培地を新鮮な増殖培地で置き換え、さらに68時間インキュベートした。続いて、増殖培地100マイクロリットルおよびMTT溶液(PBS中5 mg/mL)20マイクロリットルを次いで各ウェルへ添加し、細胞を37℃で4時間インキュベートした。各ウェル中で形成されたホルマザン結晶を、増殖培地の除去時に、DMSO 150マイクロリットルを使用して可溶化した。次いで、各ウェルからのアリコート100マイクロリットルを新しい96ウェルプレートへ移し、550 nmおよび690 nmの波長でマイクロプレート分光光度計を使用して吸光度を測定した。相対的細胞生存度を[(A550-A690)サンプル/(A550-A690)対照]×100%として表した。データを、1つのN/P比につき少なくとも8回反復の平均値±標準偏差として表した。
細胞毒性結果
図16は、N/P比10〜40での修飾bPEI-2ポリマーの様々なルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体とのインキュベーション後のSK-OV-3細胞の生存度を示す棒グラフである。N/P 40での非修飾bPEI-2ポリマーのみについての細胞生存度も示す。一般に、所定の環状カーボネートシリーズ内で、N/P比が増加すると、各修飾bPEI-2ポリマー複合体の細胞毒性は増加した。それにもかかわらず、SK-OV-3細胞生存度は、P2(MTC-C12を使用する10%修飾レベル)およびP4(MTC-PUC8を使用する10%修飾レベル)以外は、各分岐ポリアミンについて約80%超のままであった。
図17は、N/P比10〜40での修飾bPEI-2ポリマーの様々なルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体とのインキュベーション後のHepG2細胞の生存度を示す棒グラフである。N/P 40での非修飾bPEI-2ポリマーのみについての細胞生存度も示す。上記のSK-OV-3細胞と同様に、所定の環状カーボネートシリーズ内で、N/P比が増加すると、各修飾bPEI-2ポリマー複合体の細胞毒性は増加した。ここで、SK-OV-3細胞生存度は、P11(TMCでの10%修飾レベル)以外は、各ポリマーについてN/P 10〜40で約80%超のままであった。
GFPトランスフェクション効率
緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター遺伝子のインビトロ遺伝子トランスフェクション効率を、SK-OV-3細胞およびHepG2細胞を使用して調べた。SK-OV-3細胞およびHepG2細胞を、GFP遺伝子送達のために8×104細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。24時間後、プレーティング培地を新鮮な増殖培地で置き換え、続いて、様々なN/P比での複合体溶液100マイクロリットル(GFPプラスミドDNA 3.5マイクログラムを含有する)を滴下した。4時間のインキュベーション後、各ウェル中の培地を置き換えることによって、遊離複合体を除去した。さらに68時間インキュベーションをした後、各ウェル中の細胞培養培地を除去し、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.4)0.5 mLで1回リンスした。
GFPタンパク質発現分析のために、トリプシン0.3 mLを添加し、各ウェル中の細胞を分離した。新鮮な増殖培地(0.3 mL)を次いで添加し、細胞懸濁液を5分間1500 rpmで遠心分離した。再懸濁および遠心分離の2回のさらなる細胞洗浄サイクルをFACSバッファー(2%ウシ血清アルブミンが補われたPBS)中において行った。次いで、GFPを発現する細胞のパーセンテージを、10000事象からフローサイトメーター(FACSCalibur, BD Biosciences, USA)を使用して測定し、三つ組の平均値±標準偏差として報告した。
図18は、SK-OV-3細胞における、様々なN/P比での修飾bPEI-2ポリマーP3、P6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。対照は、未処理細胞、GFP遺伝子単独、非修飾bPEI-2、および非修飾bPEI-25を含んだ。非修飾bPEI-2は、N/P 40で約1.7%のピーク効率を有し、一方、非修飾bPEI-25は、N/P 20で約80%のピーク効率を有した。P3およびP6は、N/P 40で約6.2%のピーク効率を有した。
図19は、HepG2細胞における、様々なN/P比での3つの修飾bPEI-2ポリマーP6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。対照は、未処理細胞、GFP遺伝子単独、非修飾bPEI-2、および非修飾bPEI-25を含んだ。非修飾bPEI-2、P6およびP7は、N/P 40で1%未満のピーク効率を有し、一方、非修飾bPEI-25は、N/P 20で約24%のピーク効率を有した。P9は、N/P 40で約1.5%のピーク効率を有した。
まとめ
場合によっては、bPEI-2の1つの第1級アミン基の平均修飾が、低い細胞毒性を維持しながら、SK-OV-3およびHepG2細胞においてルシフェラーゼ発現レベルを約10倍増加させるために十分であった。修飾bPEI-2ポリマーの高いトランスフェクション効率は、非修飾bPEI-2の第1級アミン基のうち約10%〜約40%が修飾された場合に生じた。修飾bPEIポリマーの細胞生存度は80%よりも大きかった。芳香環および/または尿素基を有するペンダントエステルを有する環状カーボネートモノマーは、最も高い遺伝子発現レベルを示した。
修飾bPEI-2ポリマーは、多種多様の修飾基を使用して試験細胞タイプの各々へ送達することができる、ロバストな遺伝子トランスフェクション剤である。トランスフェクション効率は、HepG2およびSK-OV-3細胞株の両方においてプラス方向に改善された。
特に、非荷電カルバメート基のみを有する修飾bPEI-2ポリマーを用いて、改善されたトランスフェクション効率が得られた。修飾bPEIポリマーのいずれも第4級アミンを含有しなかった。
修飾bPEI-2ポリマーはまた、タンパク質および/または薬物についての送達ビヒクルとして使用することができる。
本明細書において使用される用語は、単に特定の態様を説明する目的のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでない場合を示していない限り、同様に複数形を含むように意図される。用語「含む(comprises)」および/または「含むこと(comprising)」は、本明細書において使用される場合、記載の特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、成分、および/またはそれらのグループについての存在または追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。2つの数的限界XおよびYを使用して可能性のある値を表すために範囲(例えば、X ppm〜Y ppmの濃度)が使用される場合、特に指定のない限り、値は、X、Y、またはXとYの間の任意の数であり得る。
本発明の説明は、例示および説明を目的として提示されたが、網羅的であるようにも、開示される形態の本発明に限定されるようにも意図されない。本発明の範囲を逸脱することなく、多くの修飾および改変が当業者に明らかであろう。本発明の原理およびそれらの実際の適用を最もよく説明し、当業者が本発明を理解することを可能にするために、態様を選択し、説明した。

Claims (22)

  1. 約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
    Figure 0006276274
    の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
    ここで、
    (n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
    式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
    L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり
    q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等し
    前記分岐ポリアミンは、約1600〜約5000の数平均分子量を有する、
    前記分岐ポリアミン。
  2. n'個の第1級エチレンイミン繰り返し単位、約18〜約24個の第2級エチレンイミン繰り返し単位、約8〜約12個の第3級エチレンイミン繰り返し単位、およびq個の式(2)のカルバメート基から本質的になる、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  3. ルバメート官能化分岐ポリエチレンイミンである、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  4. 分岐ポリアミンの遺伝子複合体が、N/P 10〜N/P 50で非細胞毒性である、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  5. L'がフェニル尿素部分を含む、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  6. q/(n'+q)×100%が約9%〜約25%に等しい、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  7. q/(n'+q)×100%が約9%〜約12%に等しい、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  8. カルバメート基が荷電していない、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  9. 第4級アミン基を有しない、請求項1に記載の分岐ポリアミン。
  10. 約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(4)
    Figure 0006276274
    の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンであって、
    ここで、
    式(4)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
    R1は、水素、メチル、またはエチルであり、
    R2は、水素であるか、または1〜27個の炭素を含む一価ラジカルであり、
    (n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり
    q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等し
    前記分岐ポリアミンは、約1600〜約5000の数平均分子量を有する、
    前記分岐ポリアミン。
  11. R2がエステル*-C(=O)OR3であり、ここで、R3が1〜26個の炭素を含む、請求項10に記載の分岐ポリアミン。
  12. 約8〜約12個の第1級アミン基、複数の第2級アミン基、および複数の第3級アミン基を含む分岐第1ポリマーを、環状カーボネートモノマーで、該環状カーボネートモノマーを重合させることなく処理し、それによって、i)約8〜約12個の骨格第3級アミン基、ii)約18〜約24個の骨格第2級アミン基、iii)0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、およびiv)0を超える正数q個の式(2)
    Figure 0006276274
    の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンを形成する工程
    を含む方法であって、
    ここで、
    (n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
    式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
    L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり
    q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等し
    前記分岐ポリアミンは、約1600〜約5000の数平均分子量を有する、前記方法。
  13. 環状カーボネートモノマーが1つまたは複数の保護基を含み、かつ方法が、分岐ポリアミンから該1つまたは複数の保護基を選択的に除去する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 環状カーボネートが6員環環状カーボネートである、請求項12に記載の方法。
  15. 分岐第1ポリマーが、
    約25 mol%の、構造
    Figure 0006276274
    を有する第1級エチレンイミン繰り返し単位、
    約50 mol%の、構造
    Figure 0006276274
    を有する第2級エチレンイミン繰り返し単位、および
    約25 mol%の、構造
    Figure 0006276274
    を有する第3級エチレンイミン繰り返し単位
    から本質的になる骨格を有する分岐ポリエチレンイミンであり、
    ここで、星印の付いた各結合は、骨格の別の繰り返し単位に連結されている
    請求項12に記載の方法。
  16. 環状カーボネートモノマーが、
    Figure 0006276274
    およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  17. 遺伝子と;
    約8〜約12個の骨格第3級アミン基、約18〜約24個の骨格第2級アミン基、0を超える正数n'個の骨格終結第1級アミン基、および0を超える正数q個の式(2)
    Figure 0006276274
    の骨格終結カルバメート基を含む分岐ポリアミンと
    を含む複合体であって、
    ここで、
    (n'+q)は、約8〜約12に等しい数であり、
    式(2)の星印の付いた結合は、分岐ポリアミンの骨格窒素へ連結されており、
    L'は、3〜30個の炭素を含む二価連結基であり
    q/(n'+q)×100%は約9%〜約40%に等し
    前記分岐ポリアミンは、約1600〜約5000の数平均分子量を有する、
    前記複合体。
  18. 細胞を請求項17に記載の複合体と接触させる工程を含む、細胞を処理する方法。
  19. 細胞がヒト腫瘍細胞である、請求項18に記載の方法。
  20. 細胞が癌性肝細胞である、請求項18に記載の方法。
  21. 細胞が癌性卵巣細胞である、請求項18に記載の方法。
  22. 式(5)
    Figure 0006276274
    に記載の構造を有する分岐ポリアミンであって、
    ここで、j、k、m、n'およびqは0を超えるモル量を示し、jは約35〜約47の値を有し、kは約8〜約12の値を有し、mは約18〜約24の値を有し、(n'+q)は約8〜約12の値を有し、かつq/(n'+q)×100%は約9%〜約40%の値を有し、かつ各Z'は、
    Figure 0006276274
    およびそれらの組み合わせからなる群より選択される独立した部分である、
    前記分岐ポリアミン。
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