JP6272016B2 - 電子機器 - Google Patents

電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6272016B2
JP6272016B2 JP2013268575A JP2013268575A JP6272016B2 JP 6272016 B2 JP6272016 B2 JP 6272016B2 JP 2013268575 A JP2013268575 A JP 2013268575A JP 2013268575 A JP2013268575 A JP 2013268575A JP 6272016 B2 JP6272016 B2 JP 6272016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover member
translucent cover
electronic device
image display
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013268575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015126319A (ja
Inventor
幹裕 梅原
幹裕 梅原
理 坪倉
理 坪倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2013268575A priority Critical patent/JP6272016B2/ja
Publication of JP2015126319A publication Critical patent/JP2015126319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6272016B2 publication Critical patent/JP6272016B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は電子機器に関する。
従来、いわゆる液晶パネルや有機ELパネル等の画像表示デバイスを内蔵した、デジタルカメラや携帯電話等の電子機器が用いられている。近年では、比較的大きな画像を表示するとともにタッチパネル等の入力装置を備える、いわゆるスマートフォン端末やタブレット端末といわれる携帯型の電子機器が急速に普及し始めている。例えば特許文献1には、このようないわゆるスマートフォンに関する技術が開示されている。これら携帯型の電子機器には、内蔵された液晶パネルや有機ELパネル等の画像表示デバイスの画像表示面を保護する透光性カバー部材が、電子機器の外装の一部に配置されて用いられている。この透光性カバー部材のうち特に画像表示デバイスの画像表示面を保護する透光性カバー部材には、例えばアミノケイ酸ガラス等からなるいわゆる強化ガラスが主に用いられている。
特開2011−61316号公報
透光性カバー部材には、外部から衝撃が加わった場合に割れ難いことが求められる。また、例えばいわゆるスマートフォンやタブレット端末は、従来の携帯電話端末に比べて画面サイズが大型化しており、操作者の近くにいる他人からも画像表示面に表示された画像が見えやすい。このため、操作者の近くにいる人など、他人からは画像表示面に表示された画像が見え難いことも求められている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満足する透光性カバー部材は得られていなかった。
本発明は、画像表示面を有する画像表示デバイスと、前記画像表示面に対向する一方主面を有する透光性カバー部材とを備える電子機器であって、前記透光性カバー部材は、前記一方主面を備える第1層と、前記第1層と接合した第2層とを有し、前記第2層はアルミナ(Al)を主成分とする単結晶体からなり、前記第1層の屈折率は前記第2層の屈折率よりも高いことを特徴とする電子機器を提供する。
本発明によれば、外部から衝撃が加わった場合に割れ難く、かつ画像表示面に表示される画像が操作者以外から見え難い。
(a)電子機器の外観を示す斜視図であり、(b)は(a)に示す電子機器が備える透光性カバー部材の斜視図である。 電子機器の外観を示す前面図である。 電子機器の外観を示す裏面図である。 電子機器を示す断面図である。 (a)は透光性カバー部材の他方主面の傾斜方向について説明する概念図であり、(b)は他方主面の一部を拡大して示す概略斜視図であり、(c)は透光性カバー部材の断面図である。 電子機器の電気的構成を示すブロック図である。 圧電振動素子を示す平面図である。 圧電振動素子を示す側面図である。 圧電振動素子が撓む様子を示す図である。 圧電振動素子が撓む様子を示す図である。 透光性カバー部材を示す平面図である。 気導音及び伝導音を説明するための図である。
以下、図面を参照して本願発明の実施形態について説明する。
<電子機器の外観>
図1(a)は、本発明の電子機器100の外観を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す電子機器が備える、本発明の透光性カバー部材1の斜視図である。また図2は、電子機器100の外観を示す前面図であり、図3は電子機器100の外観を示す裏面図である。本実施形態に係る電子機器100は、例えば携帯電話機である。また図4は電子機器100を示す断面図である。
図1〜4に示されるように、電子機器100は、透光性カバー部材1とケース部分2と画像表示面52aを有する画像表示デバイス52とを備えている。透光性カバー部材1は、平面視において略長方形状の基板である。透光性カバー部材1とケース部分2とは組み合わされることによって機器ケース3を構成している。透光性カバー部材1は、画像表示面52aに対向する一方主面1A、および一方主面1Aと反対側の他方主面1Bを有する。透光性カバー部材1には、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示部分1aが設けられている。表示部分1aは例えば平面視で長方形を成している。透光性カバー部材1における、表示部分1aを取り囲む周縁部分1bは、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっており、情報が表示されない非表示部分となっている。透光性カバー部材1の内側主面には後述するタッチパネル53が貼り付けられており、使用者は、透光性カバー部材1の他方主面1Bの表示部分1aを指等で操作することによって、電子機器100に対して各種指示を与えることができる。
図5は、透光性カバー部材1について説明する部分断面図である。透光性カバー部材1は、一方主面1Aを備える第1層1αと、第1層1αと接合した第2層1βとを有して構成されている。第2層1βはアルミナ(Al)を主成分とする単結晶体からなり、第1層1αの屈折率Nαは第2層1βの屈折率Nβよりも高い。第1層1αはジルコニア(Zr)を主成分とする単結晶体からなる。透光性カバー部材1の一方主面1Aには、タッチパネル53が接着層59を介して接合されている。接着層59は、タッチパネル53を構成するガラス部材と同等の屈折率N(Nは約1.45)を有している。ガラスを主に使用しているタッチパネルと透光性カバー部材とを接合する接着剤としては、接着層59と同様、ガラスに合わせて屈折率が調整された、屈折率が1.45程度の接着剤を使用してもよい。
アルミナ(Al)を主成分とする単結晶体は一般的にはサファイアと呼ばれ、強化ガラス等と比較して傷がつき難く、割れ難い。本明細書では、アルミナ(Al)を主成分とする単結晶体を単にサファイアともいう。本明細書において「主成分」として含む場合は、具体的には少なくとも50質量%、好ましくは70質量%含むことをいう。傷がよりつき難く、割れや欠け等をより確実に抑制する点で、透光性カバー部材1のAl純度(含有量)は99質量%以上であることが好ましい。
本実施形態の透光性カバー部材1は、第1層1αはジルコニア(Zr)を主成分とする単結晶体からなり屈折率Nαは約2.15程度である。またサファイアからなる第2層1βの屈折率Nβは約1.76である。また、空気の屈折率Nは約1.00である。
図5には、画像表示面52aから進む光(画像情報を表す光)の光路の例が矢印で示されている。異なる屈折率を有する層の境界部分では、この境界部分を通過する光の反射および屈折が生じる。特に、屈折率が大きい側から小さい側へ進む場合は、屈折率に応じたある角度(臨界角)以上の角度で入射した光は、全反射することが知られている。透光性カバー部材1では、画像表示デバイス52の画像表示面52aからの光が、第1層1αと第2層1βの境界部分D1と、第2層1βと空気との境界部分D2(他方主面1Bに対応)との2箇所において、全反射が起こる。
第1層1αと第2層1βとの境界部分D1では、sinθ=Nβ/Nαを満たすθ
上の入射角で入射した光がこの境界部分Dで全反射を起こす。上述のように屈折率Nαは約2.15であり、屈折率Nβは約1.76程度であり、臨界角(第1臨界角)θは約55°程度となっている。画像表示面52aの一点から広がる光を考えた場合、画像表示面52aの垂線から55°以上傾いた角度範囲(図5に示す領域E1)から見た観察者には、この境界部分Dでの全反射によってこの一点からの光が届かない。
第2層1βと空気との境界部分D2(他方主面1Bに対応)では、sinθ=N/N
βを満たすθ以上の入射角で入射した光がこの境界部分Dで全反射を起こす。上述のように屈折率Nβは約1.76であり、屈折率Nは約1.00程度であり、臨界角(第2臨界角)θは約35°程度となっている。画像表示面52aの一点から広がる光を考えた場合、境界部分D1で全反射しなかった光でも、画像表示面52aの垂線から35°以上傾いた角度範囲(図5に示す領域E2)から見た観察者には、この境界部分Dでの全反射によってこの一点からの光が届かない。
このように透光性カバー部材1は、画像表示デバイス52の画像表示面52aから進む光(画像情報を表す光)は、境界部分D1と境界部分D2との2段階の全反射によって光路の範囲が制限される。すなわち、透光性カバー部材1を備える電子機器1では、図5に示す領域E2からは画像表示面52aに示される画像情報が視認し難く、図5に示す領域E1からは画像表示面52aに示される画像情報がさらに視認し難い。電子機器1では、操作者の近くにいる人など、他人からは画像表示面52aに表示された画像が見え難くなっている。
図5に示すように、第2臨界角θ<第1臨界角θの関係にある場合、画像表示面52aから進む光は、境界部分D1と境界部分D2との2段階にわたって制限されるので、他人から画像がより見えなくなる点で好ましい。すなわち、第1層1αの屈折率Nαは、(N/Nβ)<(Nβ/Nα)であることが好ましい。すなわち、(1/1.76)<(1.76/Nα)であることが好ましく、第1層1αの屈折率Nαは、1.76<Na
<3.10であることが好ましい。
第2層1βはジルコニア(Zr)を主成分とする単結晶体であることに限定されない。例えば、チタニア(TiO)、ダイヤモンド状硬質炭素膜、酸化ハフニウム(HfO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(TaO)、酸化亜鉛(ZnO)、および酸化タングステン(WO)など、サファイアからなる第2層に比べて高い屈折率をもっていればよく特に限定されない。ジルコニア(Zr)を主成分とする単結晶体は、硬度が高い、透明性が高い(透過率が高い)等の点で好ましい。
図6は電子機器100の電気的構成を示すブロック図である。図6に示されるように、電子機器100は、制御部50、無線通信部51、画像表示デバイス52、タッチパネル53、圧電振動素子55、外部スピーカ56、マイク57、撮像部58及び電池59を備えており、これらの構成要素は、機器ケース3内に収められている。
制御部50は、CPU50a(図4にも図示している)及び記憶部50b等を備えており、電子機器100の他の構成要素を制御することによって、電子機器100の動作を統括的に管理する。記憶部50bは、ROM及びRAM等で構成されている。制御部50には、CPU50aが記憶部50b内の各種プログラムを実行することによって、様々な機能ブロックが形成される。制御部50は各構成要素から多様かつ大量の情報を受け取り、これら情報を比較的短時間で処理(情報処理)する。この情報処理の際、CPU50aは比較的多くの熱を発生する。CPU50aが発した熱が機器ケース3内にとどまると、機器ケース3内の温度が上昇して、CPU50aの動作が遅くなったり動作不良が生じる場合があり、また機器ケース3内の各部のその他の構成要素の動作不良も発生する場合がある。
サファイアからなる透光性カバー部材1は、熱伝導率が約42W/(m・K)であり、例えば熱伝導率が1W/(m・K)程度である石英ガラス等と比べて熱伝導率が大きい。このため電子機器100では、CPU50aから発した熱を、透光性カバー部材1を介して機器ケース3の外に効率的に放出することができる。透光性カバー部材1は、さらに上述のようにステップ−テラス構造60を有するので、他方主面1Bが例えば単純な平面状である場合に比べて、表面積が大きくなっている。すなわち、透光性カバー部材1では、熱の放出面である他方主面1Bの表面積が大きいので、他方主面1Bが例えば単純な平面状である場合に比べて、透光性カバー部材1から放出される単位時間当たりの熱量がさらに大きい。透光性カバー部材1を備える電子機器100では、CPU50aが発した熱は機器ケース3の外部に素早く放出されるので、機器ケース3内の温度上昇が抑制されて、CPU50aおよびその他の構成要素の動作不良も抑制される。また、サファイアからなる透光性カバー部材1は非常に硬度も高く傷がつき難く、また割れ難い。
ケース部分2は、電子機器100の前面部分の周縁部分、側面部分及び裏面部分を構成している。本実施形態においては、ケース部分2は、ポリカーボネート樹脂で形成されているが、電子機器を覆う部材であれば特に制限されない。例えば、透光性カバー部材1と同じ材料を用いてもよい。
電子機器100は、上述のように、画像表示デバイス52を内部に備えている。画像表示デバイス52は後述する制御部50によって制御されて、文字、記号、図形などを表す画像情報を画像表示面52aに表示する。
画像表示デバイス52は、いわゆる液晶表示パネルであって、図示しないバックライトユニットと図示しない液晶層とを有している。このバックライトユニットのLEDランプとしては、主に青色LED素子に蛍光体が組み合わされた、白色光を発するLEDランプが用いられている。画像表示デバイス52の画像表示面52aに表示される画像情報は、バックライトユニットのLEDランプから発せられた白色光が画像表示デバイス52が備える液晶層を透過することで部分的に着色されることで形成されている。すなわち、LEDランプから発せられた白色光が液晶層を通過する際に、透過する光の波長範囲が部分毎に制限されることで透過光の色が変更されることで、様々な色や形をもつ文字、記号、図形などを表す画像情報が画像表示面52aに形成される。このように画像表示面52aに形成された画像情報を表す光は、透光性カバー部材1の一方主面1Aから入射して他方主面1Bから出射して電子機器100の操作者(使用者)の眼に入り、この操作者は画像情報が表す文字、記号、図形等を認識する。
図3に示されるように、電子機器100の裏面101、言い換えれば機器ケース3の裏面には、スピーカ穴20及びマイク穴21があけられている。また電子機器100の裏面101からは、後述する撮像部58が有する撮像レンズ58aが露出している。
無線通信部51は、図6に示すように、電子機器100とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を基地局を介してアンテナ51aで受信する。無線通信部51は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部50に出力する。制御部50は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる、音声や音楽などを示す音信号などを取得する。また無線通信部51は、制御部50で生成された、音信号等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ51aから無線送信する。アンテナ51aからの送信信号は、基地局を通じて、電子機器100とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続された通信装置で受信される。
画像表示デバイス52は、例えば、液晶画像表示デバイスであって、制御部50によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を画像表示面52aに表示する。画像表示デバイス52に表示される情報は、透光性カバー部材1の表示部分1aに表示されることによって、当該情報は電子機器100の使用者に視認可能となる。
タッチパネル53は、例えば、投影型静電量容量方式のタッチパネルであって、透光性カバー部材1の表示部分1aに対する使用者の操作を検出する。タッチパネル53は、透光性カバー部材1の内側主面に貼り付けられており、互いに対向配置されたシート状の2つの電極センサーを備えている。2つの電極センサーは透明粘着性シートによって貼り合わされている。
一方の電極センサーには、それぞれがX軸方向(例えば電子機器100の左右方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いX電極が形成されている。他方の電極センサーには、それぞれがY軸方向(例えば電子機器100の上下方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いY電極が形成されている。透光性カバー部材1の表示部分1aに対して使用者の指が接触すると、その接触箇所の下にあるX電極及びY電極の間の静電容量が変化することによって、タッチパネル53において透光性カバー部材1の表示部分1aに対する操作が検出される。タッチパネル53において生じる、X電極及びY電極の間の静電容量変化は制御部50に伝達され、制御部50は当該静電容量変化に基づいて透光性カバー部材1の表示部分1aに対して行われた操作の内容を特定し、それに応じた動作を行う。
圧電振動素子55は、受話音を電子機器100の使用者に伝えるためのものである。圧電振動素子55は、制御部50から与えられる駆動電圧によって振動させられる。制御部50は、受話音を示す音信号に基づいて駆動電圧を生成し、当該駆動電圧を圧電振動素子55に印加する。圧電振動素子55が、制御部50によって受話音を示す音信号に基づいて振動させられることによって、電子機器100の使用者には受話音が伝達される。このように、制御部50は、音信号に基づいて圧電振動素子55を振動させる駆動部として機能する。圧電振動素子55については後で詳細に説明する。
外部スピーカ56は、制御部50からの電気的な音信号を音に変換して出力する。外部スピーカ56から出力される音は、電子機器100の裏面101に設けられたスピーカ穴20から外部に出力される。
マイク57は、電子機器100の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制
御部50に出力する。電子機器100の外部からの音は、当該電子機器100の裏面101に設けられたマイク穴21から当該電子機器100の内部に取り込まれて、マイク57に入力される。
撮像部58は、撮像レンズ58a及び撮像素子などで構成されており、制御部50による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。
電池59は、電子機器100の電源を出力する。電池59から出力された電源は、電子機器100が備える制御部50や無線通信部51などに含まれる各電子部品に対して供給される。
<圧電振動素子の詳細>
図7、8は、それぞれ、圧電振動素子55の構造を示す上面図及び側面図である。図7、8に示されるように、圧電振動素子55は一方向に長い形状を成している。具体的には、圧電振動素子55は、平面視で長方形の細長い板状を成している。圧電振動素子55は、例えばバイモルフ構造を有しており、シム材55cを介して互いに貼り合わされた第1圧電セラミック板55a及び第2圧電セラミック板55bを備えている。
圧電振動素子55では、第1圧電セラミック板55aに対して正の電圧を印加し、第2圧電セラミック板55bに対して負の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板55aは長手方向に沿って伸び、第2圧電セラミック板55bは長手方向に沿って縮むようになる。これにより、図9に示されるように、圧電振動素子55は、第1圧電セラミック板55aを外側にして山状に撓むようになる。
一方で、圧電振動素子55では、第1圧電セラミック板55aに対して負の電圧を印加し、第2圧電セラミック板55bに対して正の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板55aは長手方向に沿って縮み、第2圧電セラミック板55bは長手方向に沿って伸びるようになる。これにより、図10に示されるように、圧電振動素子55は、第2圧電セラミック板55bを外側にして山状に撓むようになる。
圧電振動素子55は、図9の状態と図10の状態とを交互にとることによって、撓み振動を行う。制御部50は、第1圧電セラミック板55aと第2圧電セラミック板55bとの間に、正の電圧と負の電圧とが交互に現れる交流電圧を印加することによって、圧電振動素子55を撓み振動させる。
なお、図8〜10に示される圧電振動素子55では、シム材55cを間に挟んで貼り合わされた第1圧電セラミック板55a及び第2圧電セラミック板55bから成る構造が一つだけ設けられていたが、複数の当該構造を積層させても良い。
<圧電振動素子の配置位置>
図11は、透光性カバー部材1を一方主面1A側から見た際の平面図である。圧電振動素子55は、両面テープ等の接着剤によって、透光性カバー部材1の一方主面1Aに貼り付けられている。圧電振動素子55は、透光性カバー部材1の一方主面1Aにおいて、この透光性カバー部材1を一方主面1A側から見た平面視で画像表示デバイス52及びタッチパネル53とは重ならない位置に配置されている。
<圧電振動素子の振動による受話音の発生について>
本実施の形態では、圧電振動素子55が透光性カバー部材1を振動させることによって、当該透光性カバー部材1から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。言い換えれば、圧電振動素子55自身の振動が透光性カバー部材1に伝わることにより
、当該透光性カバー部材1から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。
ここで、気道音とは、外耳道孔(いわゆる「耳の穴」)に入った音波(空気振動)が鼓膜を振動させることによって、人の脳で認識される音である。一方で、伝導音とは、耳介が振動させられ、その耳介の振動が鼓膜に伝わって当該鼓膜が振動することによって、人の脳で認識される音である。以下に、気導音及び伝導音について詳細に説明する。
図12は気導音及び伝導音を説明するための図である。図12には、電子機器100の使用者の耳の構造が示されている。図12においては、波線400は気道音が脳で認識される際の音信号(音情報)の伝導経路を示しており、実線410が伝導音が脳で認識される際の音信号の伝導経路を示している。
透光性カバー部材1に取り付けられた圧電振動素子55が、受話音を示す電気的な音信号に基づいて振動させられると、透光性カバー部材1が振動して、当該透光性カバー部材1から音波が出力される。使用者が、電子機器100を手に持って、当該電子機器100の透光性カバー部材1を当該使用者の耳介200に近づけると、あるいは当該電子機器100の透光性カバー部材1を当該使用者の耳介200に当てると、当該透光性カバー部材1から出力される音波が外耳道孔210に入る。透光性カバー部材1からの音波は、外耳道孔210内を進み、鼓膜220を振動させる。鼓膜220の振動は耳小骨230に伝わり、耳小骨230が振動する。そして、耳小骨230の振動は蝸牛240に伝わって、蝸牛240において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経250を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、透光性カバー部材1から使用者に対して気導音が伝達される。
また、使用者が、電子機器100を手に持って、当該電子機器100の透光性カバー部材1を当該使用者の耳介200に当てると、耳介200が、圧電振動素子55によって振動させられている透光性カバー部材1によって振動させられる。耳介200の振動は鼓膜220に伝わり、鼓膜220が振動する。鼓膜220の振動は耳小骨230に伝わり、耳小骨230が振動する。そして、耳小骨230の振動は蝸牛240に伝伝わり、蝸牛240において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経250を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、透光性カバー部材1から使用者に対して伝導音が伝達される。図11では、耳介200内部の耳介軟骨200aも示されている。
なお、ここでの伝導音は、骨導音(「骨伝導音」とも呼ばれる)とは異なるものである。骨導音は、頭蓋骨を振動させて、頭蓋骨の振動が直接蝸牛などの内耳を刺激することによって、人の脳で認識される音である。図11においては、例えば下顎骨300を振動させた場合において、骨伝導音が脳で認識される際の音信号の伝達経路を複数の円弧420で示している。
このように、本実施の形態に係る電子機器100では、圧電振動素子55が前面の透光性カバー部材1を適切に振動させることによって、透光性カバー部材1から電子機器100の使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができる。本実施の形態に係る圧電振動素子55では、使用者に対して適切に気導音及び伝導音を伝達できるように、その構造が工夫されている。使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができるように電子機器100を構成することによって様々メリットが発生する。
例えば、使用者は、透光性カバー部材1を耳に当てれば音が聞こえることから、電子機器100において耳を当てる位置をそれほど気にすることなく通話を行うことができる。
また、使用者は、周囲の騒音が大きい場合には、耳を透光性カバー部材1に強く押し当てることによって、伝導音の音量を大きくしつつ、周囲の騒音を聞こえにくくすることができる。よって、使用者は、周囲の騒音が大きい場合であっても、適切に通話を行うことができる。
また、使用者は、耳栓やイヤホンを耳に取り付けた状態であっても、透光性カバー部材1を耳(より詳細には耳介)に当てることによって、電子機器100からの受話音を認識することができる。また、使用者は、耳にヘッドホンを取り付けた状態であっても、当該ヘッドホンに透光性カバー部材1を当てることによって、電子機器100からの受話音を認識することができる。
<受話口の穴(レシーバ用の穴)について>
携帯電話機などの電子機器では、当該電子機器の内部に設けられたレシーバ(受話用スピーカ)から出力される音を当該電子機器の外部に取り出すために、前面の透光性カバー部材1に受話口の穴があけられることがある。
本実施の形態に係る電子機器100では、透光性カバー部材1が振動することによって受話音が発生することから、電子機器100に受話口の穴が無くても、受話音を適切に使用者に伝えることができる。透光性カバー部材1はアルミナ(Al2O3)を主成分とする単結晶体であって、強化ガラス等とも比べて非常に硬い。さらに、各種薬品に対する耐性も非常に高い。このようなアルミナ(Al2O3)を主成分とする単結晶体を加工して、例えが受話口の穴をあける加工を行う場合は、例えばレーザー加工装置等の高額な製造装置が必要となったり、加工に要する時間が長くなってしまい、製造コストが比較的大きくなる場合がある。本実施形態の透光性カバー部材1は受話口の穴を有さないので、この穴加工にかかるコストが生じず、電子機器100の製造コストが小さい。また、透光性カバー部材1に受話口の穴を有さないので、透光性カバー部材1の強度が比較的高く維持されている。また、本実施の形態では、電子機器100の表面に受話口の穴がないことから、受話口の穴から水やほこり等が入るといった問題が発生しない。よって、電子機器100では、この問題に対する防水構造や防塵構造が不要となり、電子機器100のさらなるコストダウンを図ることができる。
なお、上述の例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は携帯電話機以外の電子機器にも適用することができる。例えば、本願発明は、ゲーム機、ノートパソコン、ポータブルナビゲーションシステムなどに適用することができる。また、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
1 透光性カバー部材
1A 一方主面
1B 他方主面
50 制御部
52 画像表示デバイス
52a 画像表示面
53 タッチパネル
55 圧電振動素子
100 電子機器

Claims (3)

  1. 画像表示面を有する画像表示デバイスと、
    前記画像表示面に対向する一方主面を有する透光性カバー部材とを備える電子機器であって、
    前記透光性カバー部材は、前記一方主面を備える第1層と、前記第1層と接合した第2層とを有し、
    前記第2層はアルミナ(Al)を主成分とする単結晶体からなり、
    前記第1層の屈折率は前記第2層の屈折率よりも高いことを特徴とする電子機器。
  2. 前記第1層の屈折率Naは、1.76<Na<3.10であることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記第1層はジルコニア(Zr)を主成分とする単結晶体からなることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器。
JP2013268575A 2013-12-26 2013-12-26 電子機器 Active JP6272016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268575A JP6272016B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268575A JP6272016B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015126319A JP2015126319A (ja) 2015-07-06
JP6272016B2 true JP6272016B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=53536764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013268575A Active JP6272016B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6272016B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3034017B2 (ja) * 1990-11-21 2000-04-17 旭光学工業株式会社 表面高反射鏡
US5528319A (en) * 1993-10-13 1996-06-18 Photran Corporation Privacy filter for a display device
JP4482971B2 (ja) * 1999-09-08 2010-06-16 株式会社ニコン 反射鏡
JP2012174053A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Sony Corp カバー材及び電子機器
WO2013134159A2 (en) * 2012-03-06 2013-09-12 Apple Inc. Sapphire laminates
JP2014224012A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 日本電気硝子株式会社 強化ガラスの製造方法及び強化ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015126319A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6337012B2 (ja) 電子機器
US9261915B2 (en) Electronic apparatus, light-transmissive cover plate, and portable device
JP5926950B2 (ja) 電子機器
US9474174B2 (en) Electronic apparatus
US9621217B2 (en) Electronic apparatus with display surface cover member
JP6235613B2 (ja) 電子機器および電子機器用の透光性カバー基板
JP6240221B2 (ja) 電子機器および電子機器用の透光性カバー部材
JP5815612B2 (ja) 電子機器
JP6290928B2 (ja) 電子機器および電子機器用の透光性カバー基板
US9826314B2 (en) Electronic apparatus
JP6382511B2 (ja) 電子機器
JP6272016B2 (ja) 電子機器
US20160205230A1 (en) Electronic apparatus
JP5925874B2 (ja) 電子機器
JP5865458B2 (ja) 電子機器
JP2016174377A (ja) 電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6272016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150