JP6270697B2 - 波長多重光伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、波長多重光信号を複数の受信器を用いてコヒーレント検波し、デジタル信号処理により復調する波長多重光伝送システムに関する。
データ通信需要の増大に伴い、大容量トラヒックの伝送を可能とする光信号変調技術や光信号多重技術を用いた光伝送ネットワークが普及しつつある。特に、1波当たりの伝送速度が 100Gbit/s 以上の超高速伝送システムにおいて、コヒーレント検波とデジタル信号処理技術を組み合わせたデジタルコヒーレント技術が広く用いられるようになってきた。
100 Gbit/s 級長距離光伝送システムにおける変復調方式として広く用いられているDP−QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying) 方式では、4値の位相変調を用いることで64Gbit/s の光信号を生成し、さらに2つの偏波を多重することで 128Gbit/s の光信号を生成する。受信側では、信号光と同じ波長の局発光を用いてコヒーレント検波した信号を、アナログ−デジタル変換器(A/D変換器)を用いてデジタル化し、デジタル信号処理を施すことにより、伝送路の波長分散補償、偏波分散補償、偏波分離、位相推定等を行うことで、優れた伝送特性が実現されている。これらのDP−QPSK光信号を波長多重することにより、ファイバ当たり数Tbit/s の伝送容量を持つ光伝送システムを実現することが可能となる。
さらなる大容量化のアプローチとして、波長多重光信号間のクロストーク成分、すなわちチャネル間のクロストーク成分をMIMO (Multi-input multi-output) 処理を用いたデジタル信号処理によって推定し、補償することによって、より高密度な波長多重を可能とし、大容量波長多重光伝送システムを提供するMIMO処理クロストーク補償技術が提案されている(非特許文献1)。
F. Hamaoka, et.al., ‘Super High Density Multi-carrier Transmission Systems by MIMO Processing, ’ECOC 2014, Mo.3.5.4
従来のMIMO処理クロストーク補償技術では、光ファイバ伝送路が持つ波長分散に起因して発生する波長多重光信号間の伝搬遅延差が考慮されていないため、波長分散が大きい値となりうる長距離伝送に対して適用できないという課題がある。
本発明は、伝送路の波長分散から伝搬遅延差を推定し、デジタル信号処理により伝搬遅延差を補償することで、長距離伝送にも適用可能なクロストーク補償を実現する波長多重光伝送システムを提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ伝送路を介して接続される送信部と受信部の間で、搬送波周波数f1, f2, …, fN(f1<f2<…<fN)の複数Nチャネルの光信号を波長多重した波長多重光信号を伝送する波長多重光伝送システムにおいて、送信部は、各チャネルの周波数間隔が各光信号の変調周波数より小さく、隣接するチャネルの光信号が周波数上で重なる波長多重光信号を光ファイバ伝送路に送出する構成であり、受信部は、光カプラによりN分岐された波長多重光信号をそれぞれ異なる光周波数f1, f2, …, fNの局発光によってコヒーレント検波するコヒーレント受信器と、コヒーレント受信器から出力される電気信号に対してデジタル信号処理を実行することで送信信号における光スペクトル重なりに起因した隣接チャネル間のクロストークを補償するデジタル信号処理部とを備え、デジタル信号処理部は、コヒーレント受信器から出力される電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、光ファイバ伝送路で発生した波長分散を起因とした光波形劣化を補償する分散補償回路と、局発光の光周波数の違いによって生じる回転成分を補償する位相回転補償回路と、位相回転補償回路の出力を入力するフィルタのタップ係数を適応的に変化させる複数の適応フィルタを用いてクロストークの補償を行う波形等化回路と、光信号の搬送波位相を推定する位相推定回路と、光信号に重畳された送信信号の識別を行う識別回路とを備え、分散補償回路が補償する分散補償量は、復調しようとするチャネルの搬送波光周波数における波長分散量であり、クロストーク成分を補償するために用いる隣接チャネルの信号に対しても適用する構成であり、位相回転補償回路における位相回転補償量は隣接チャネルとの光周波数間隔Δfk (k=1, 2, …, N)である。
本発明は、復調しようとするチャネル(注目チャネル)の光信号に重畳されている他チャネルからのクロストーク成分と同一のタイミングにおける他チャネルの光信号について伝搬遅延差を補償し、注目チャネルの光信号からクロストーク成分を除去する構成により、波長分散を有する光ファイバ伝送路を伝送する波長多重光信号に対しても、MIMO処理によるクロストーク補償を適用することが可能となる。
本発明の波長多重光伝送システムの実施例1の構成を示す図である。 実施例1におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す図である。 実施例1における分散補償回路の動作例を示す図である。 従来構成および本発明の実施例1の構成による復調信号例を示す図である。 実施例2におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す図である。 実施例2における位相回転補償前後の電気スペクトルを示す図である。 分散補償前に位相回転補償を実施する場合の伝搬遅延差のイメージを示す図である。 従来構成および本発明の実施例2の構成による復調信号例を示す図である。 実施例3におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す図である。 実施例3における位相回転補償前後の電気スペクトルを示す図である。 実施例3における位相回転補償後の分散補償例を示す図である。
図1は、本発明の波長多重光伝送システムの実施例1の構成を示す。
図1において、実施例1の波長多重光伝送システムは、送信部10と受信部20が光ファイバ伝送路50を介して接続される。送信部10は、信号光源11−1〜11−3と、偏波多重ベクトル変調器12−1〜12−3と、光カプラ13とにより構成される。
信号光源11−1〜11−3は、それぞれ光周波数f1〜f3の光搬送波を出力する。ここで、f1<f2<f3とする。偏波多重ベクトル変調器12−1は、信号光源11−1から出力される光周波数f1の光搬送波を送信信号Data1x,Data1yで偏波多重変調したチャネル1の光信号を生成する。偏波多重ベクトル変調器12−2は、信号光源11−2から出力される光周波数f2の光搬送波を送信信号Data2x,Data2yで偏波多重変調したチャネル2の光信号を生成する。偏波多重ベクトル変調器12−3は、信号光源11−3から出力される光周波数f3の光搬送波を送信信号Data3x,Data3yで偏波多重変調したチャネル3の光信号を生成する。光カプラ13は、偏波多重ベクトル変調器12−1〜12−3から出力されるチャネル1〜3の光信号を合波した波長多重光信号を光ファイバ伝送路50に出力する。
このとき、各チャネルの光信号間の周波数間隔は、変調周波数より小さくてもよい。一般に、周波数間隔が変調周波数より小さい場合、各光信号の光スペクトルは、周波数軸上で隣接する光信号の光スペクトルと重なる。すなわち、隣接する光信号間でクロストークが発生する。また、波長多重光信号は、光ファイバ伝送路50の波長分散により、各チャネルに光信号に波形広がりが発生するとともに、各光信号間で伝搬遅延差が生じる。
受信部20は、光カプラ21と、コヒーレント受信器22−1〜22−3と、局発光源23−1〜23−3と、デジタル信号処理部24とにより構成される。
光ファイバ伝送路50を伝送した波長多重光信号は光カプラ21で3分岐され、同一タイミングでそれぞれコヒーレント受信器22−1〜22−3に入力する。局発光源23−1〜23−3は、波長多重光信号の各搬送波周波数f1〜f3と等しい局発光を出力する。コヒーレント受信器22−1〜22−3は、波長多重光信号と光周波数f1〜f3の局発光を入力してそれぞれコヒーレント検波し、局発光の光周波数を基準としたベースバンド信号を出力する。デジタル信号処理部24は、コヒーレント受信器22−1〜22−3から入力する電気信号をデジタル信号処理し、送信信号Data1x,Data1y、送信信号Data2x,Data2y、送信信号Data3x,Data3yを復調する。
ここで、コヒーレント受信器22−1〜22−3に受信する波長多重光信号は、図1に示すように各チャネルの光信号間に光搬送波周波数に応じた伝搬遅延差T1 ,T2 が生じている。各光信号の光搬送波周波数をf1,f2,…,fN(単位はHz)、周波数上で隣接する光信号間の周波数間隔をΔf1,Δf2,…,ΔfN-1(単位はHz)、光ファイバ伝送路50の波長分散をD(単位はps/nm)とすると、周波数上で隣接する光信号間の伝送後における伝搬遅延差Tk (単位はps) は、通信波長帯(おおよそ1550nm〜1610nm)において以下の式で表すことができる。cは光速(単位はm/s )である。
Figure 0006270697
本発明におけるデジタル信号処理部24のMIMO処理クロストーク補償技術では、注目するチャネルの光信号に重畳されている他チャネルからのクロストーク成分を除去するために、重畳されているクロストーク成分と同一のタイミングにおける他チャネルの光信号に関する情報が必要となる。そのためには、波長分散に起因して発生した各チャネルの光信号間の伝搬遅延差を補償する必要がある。これにより、波長分散を有する光ファイバ伝送路50を伝送する波長多重光信号に対しても、MIMO処理によるクロストーク補償を適用することが可能となる。
図2は、実施例1におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す。
図2において、デジタル信号処理部24は、A/D変換器1−1〜1−3、分散補償回路2−1A〜2−1C,2−2A〜2−2C,2−3A〜2−3C、伝搬遅延差補償回路3−1B,3−1C,3−2A,3−2C,3−3A,3−3B、位相回転補償回路4−1B,4−1C,4−2A,4−2C,4−3A,4−3B、波形等化回路5−1〜5−3、位相推定回路6−1〜6−3、識別回路7−1〜7−3から構成されている。
コヒーレント受信器22−1〜22−3から出力される信号は、直交する偏波状態に相当する複素信号から構成されており、それぞれA/D変換器1−1〜1−3によってサンプリング周波数fsでデジタル信号に変換される。ここで、サンプリング定理に基づき、サンプリング周波数fsは各チャネルの変調周波数の2倍よりも大きいものとする。
A/D変換器1−1の出力は分散補償回路2−1A,2−2A,2−3Aに入力し、A/D変換器1−2の出力は分散補償回路2−1B,2−2B,2−3Bに入力し、A/D変換器1−3の出力は分散補償回路2−1C,2−2C,2−3Cに入力する。
分散補償回路2−1A,2−1B,2−1Cは、コヒーレント検波に用いた局発光の光周波数f1,f2,f3を中心にそれぞれ分散補償を行うが、その分散補償量は注目するチャネル1の光周波数f1における総波長分散量とする。チャネル1の分散補償回路2−1Aの出力に対して、分散補償回路2−1B,2−1Cの出力は、図3(1) に示すように伝搬遅延差T1 とT1+T2が生じ、後段の伝搬遅延差補償回路3−1B,3−1Cでその伝搬遅延差を補償する。
分散補償回路2−2A,2−2B,2−2Cは、コヒーレント検波に用いた局発光の光周波数f1,f2,f3を中心にそれぞれ分散補償を行うが、その分散補償量は注目するチャネル2の光周波数f2における総波長分散量とする。チャネル2の分散補償回路2−2Bの出力に対して、分散補償回路2−2A,2−2Cの出力は、図3(2) に示すように伝搬遅延差−T1 とT2 が生じ、後段の伝搬遅延差補償回路3−2A,3−2Cでその伝搬遅延差を補償する。
分散補償回路2−1A,2−1B,2−1Cは、コヒーレント検波に用いた局発光の光周波数f1,f2,f3を中心にそれぞれ分散補償を行うが、その分散補償量は注目するチャネル3の光周波数f3における総波長分散量とする。チャネル3の分散補償回路2−3Cの出力に対して、分散補償回路2−3A,2−3Bの出力は、図3(3) に示すように伝搬遅延差−T1−T2と−T2 が生じ、後段の伝搬遅延差補償回路3−3A,3−3Bでその伝搬遅延差を補償する。
ここで、分散補償回路2−2Aから出力される複素信号をE1x,E1y,分散補償回路2−2Bから出力される複素信号E2x,E2yを,分散補償回路2−2Cから出力される複素信号E3x,E3yとする。各複素信号にはそれぞれ隣接チャネルからのクロストーク成分が重畳されているため、各チャネルの送信信号をS1x,S1y, S2x, S2y, S3x, S3yとすると、例えばチャネル2の複素信号E2x,E2yは以下の式で表される。
Figure 0006270697
i (i=1, 2, 3)は各チャネルの伝達関数行列、rij (i, j=1, 2, 3)はコヒーレント受信器の周波数特性で決まる減衰量である。右辺第1項と第3項が隣接チャネルからのクロストーク成分を示しており、後段の波形等化回路5−2がこのクロストーク成分を補償する。
伝搬遅延差補償回路3−1B,3−1C,3−2A,3−2C,3−3A,3−3Bでは、デジタルデータに対するバッファリング処理により、式(1) によって与えられる遅延差を打ち消す方向にデータのタイミングをシフトすることで、各複素信号に対する伝搬遅延差補償を実現する。例えば、チャネル2の信号に対するクロストーク補償を実現するために用いる複素信号E1x(t) ,E1y(t) および複素信号E3x(t) ,E3y(t) に対しては、図3(2) に示すように、それぞれT1 ,T1 ,−T2 ,−T2 のタイミングシフトが付与されるため、伝搬遅延補償回路3−2A,3−2Cからの出力信号はE1x(t+T1),E1y(t+T1),E3x(t−T2),E3y(t−T3)となる。
位相回転補償回路4−1B,4−1C,4−2A,4−2C,4−3A,4−3Bでは、各チャネル間の搬送波周波数の差による位相回転を補償する。例えば、位相回転補償回路4−2A,4−2Cでは、各複素信号E1x(t+T1),E1y(t+T1),E3x(t−T2),E3y(t−T3)に対して、それぞれ−Δf1, −Δf1, Δf2, Δf2の位相回転が付与されるため、各位相回転補償回路からの出力信号はexp[-j2πΔf1t]E1x(t+T1), exp[-j2πΔf1t]E1y(t+T1), exp[j2πΔf2t]E3x(t−T2), exp[j2πΔf2t]E3y(t−T2)となる。
波形等化回路5−1〜5−3は、FIRフィルタから構成されており、偏波成分ごとの最尤推定によりFIRフィルタの適応信号処理を行うことで、クロストークの補償、偏波分離、残留分散補償、偏波分散補償を実現する。例えば、波形等化回路5−2において、入力信号として分散補償回路2−2Bの出力E2x,E2yと、位相回転補償回路4−2Aの出力exp[-j2πΔf1t]E1x(t+T1), exp[-j2πΔf1t]E1y(t+T1)と、位相回転補償回路4−2Cの出力exp[j2πΔf2t]E3x(t−T2), exp[j2πΔf2t]E3y(t−T2)を用いると、上記各補償が施されたチャネル2の光信号E'2x(t),E'2y(t) が得られる。
ここで、適応信号処理に伴うFIRフィルタのタップ更新アルゴリズムとしては、よく知られたCMA(Constant Modulus Algorithm)を用いることが可能である。各FIRフィルタのタップ係数をhij(i, j =1, 2, 3)とすると、E'2x(t),E'2y(t) は以下の式で表される。CMAに基づくタップ更新によりhijが最適化されることで、偏波分離や残留分散補償、偏波分散補償が行われるとともに、式(2) におけるクロストーク成分が補償される。E'2x(t),E'2y(t) は以下の式に示す通りとなる。
Figure 0006270697
波形等化回路5−1〜5−3の出力は、位相推定回路6−1〜6−3、識別回路7−1〜7−3で処理されることにより、各チャネルの送信信号を復元する。例えば、チャネル2のE'2x(t), E'2y(t)からチャネル2の送信信号S2x(t),S2y(t) が得られる。
実施例1は、3チャネルの送信信号を3波の光信号で波長多重伝送する構成であるが、一般的にNチャネルの送信信号をN波の光信号で波長多重伝送する構成にも同様に適用することができる。
図4は、従来構成および本発明の実施例1の構成による復調信号例を示す。
ここでは、N=2、すなわち波長多重光信号を構成しているチャネル数は2とし、各チャネルは 128Gbit/s の偏波多重QPSK信号で構成されており、搬送波周波数間隔は25GHzとしている。信号品質を表すQ値は、光ファイバ伝送路を 480km伝送させた後の値としており、光ファイバ伝送路の波長分散は 9329 ps/nm である。本発明を適用することで、波長分散環境下においてもクロストーク補償が正常に動作しており、Q値が8.5dB から11.2dBに改善していることが確認できる。伝搬遅延差補償で用いている遅延差補償量T1 の値は、式(1) に基づき、1865.8psとしている。
また、本実施例における伝搬遅延差補償回路は、必ずしも分散補償回路と位相回転補償回路の間に配置しなくてもよく、A/D変換器と波形等化回路の間であればどこに配置しても、同様の効果が得られる。従って、例えば分散補償回路の前段に配置したり、位相回転補償回路の後段に配置してもよい。
図5は、実施例2におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す。
実施例2における送信部および受信部の構成は、図1に示されている実施例1の構成と同様である。実施例2の特徴は、受信部のデジタル信号処理部24において、位相回転補償回路4−1B,4−1C,4−2A,4−2C,4−3A,4−3Bが、分散補償回路2−1A〜2−1C,2−2A〜2−2C,2−3A〜2−3Cよりも前段に配置されているところにある。従来方式と異なる本発明特有の機能部である位相回転補償回路と伝搬遅延差補償回路を、従来方式でも使用される機能部である分散補償回路、波形等化回路、位相推定回路、識別回路と分離することが可能な構成となっている。
実施例2では、位相回転補償が施された上で分散補償回路により分散補償が実行されるため、分散補償後のチャネル間の伝搬遅延差は実施例1における伝搬遅延差と異なるものとなる。
図6に、実施例2におけるチャネル数が2(N=2)の場合における、コヒーレント受信器22−1,22−2で受信した信号の位相回転補償前後の電気スペクトルを示す。ここで、fsはサンプリング周波数とする。電気スペクトルは、A/D変換器のサンプリング周波数で帯域制限されている。位相回転補償後の信号はΔf1の周波数シフトが施されているため、例えばコヒーレント受信器22−1で受信した信号を処理する位相回転補償回路4−2Aでは、−Δf1の位相回転補償によりチャネル1の信号の低周波成分が高周波側に出現する。コヒーレント受信器22−2で受信した信号を処理する位相回転補償回路4−1Bでは、Δf1の位相回転補償によりチャネル2の信号の高周波成分が低周波側に出現するという事象が発生する。
分散補償回路では、この電気スペクトルの情報に基づいて分散補償を実現するため、分散補償前に位相回転補償を実施するのか、分散補償後に位相回転補償を実施するのかにより、分散補償後のチャネル間の伝搬遅延差が異なったものとなる。分散補償後に位相回転補償を実施する場合の伝搬遅延差は式(1) に示した通りである。
図7に、分散補償前に位相回転補償を実施する場合の伝搬遅延差のイメージを示す。例えば、コヒーレント受信器22−2で受信した信号に対して補償量Δf1で位相回転補償を実施した上で分散補償を実施すると、受信信号のチャネル1の成分と、チャネル2の低周波成分はコヒーレント受信器22−1で受信した信号と同じタイミングに揃うが、チャネル2の高周波成分はタイミングがずれた状態となる。チャネル1の信号に対するクロストーク補償ではチャネル2の情報が必要であり、チャネル2の高周波成分の情報が必要となる。チャネル2の低周波成分についてもクロストーク補償に用いることは可能であるが、この低周波成分にはチャネル1の情報が重畳されているため、クロストーク補償において重要な役割をもつのはチャネル2の高周波成分となる。
この伝搬遅延差T1 は、図6に示された電気スペクトルに分散補償が施された結果生じるものであるので、例えば、コヒーレント受信器22−2で受信した信号に補償量Δf1で位相回転補償した場合に注目すると、このとき考慮するべきはチャネル2の信号の高周波成分の振る舞いとなる。チャネル2の高周波成分は、本来であれば電気周波数fsの成分に対して与えられる補償量で分散補償が実施されるはずであったが、位相回転補償により、電気周波数Δf1−fs/2の成分となってしまったため、結果として電気周波数−fs程度の成分に対して与えられる補償量で分散補償が実施されてしまう。以上の考察より、実施例2における伝搬遅延差T1 は、以下の式で示される。
Figure 0006270697
図8は、従来構成および本発明の実施例2の構成による復調信号例を示す。
ここでは、N=2、すなわち波長多重光信号を構成しているチャネル数は2とし、各チャネルは 128Gbit/s の偏波多重QPSK信号で構成されており、搬送波周波数間隔は25GHzとしている。信号品質を表すQ値は、光ファイバ伝送路を 480km伝送させた後の値としており、光ファイバ伝送路の波長分散は 9329 ps/nm である。本発明を適用することで、波長分散環境下においてもクロストーク補償が正常に動作しており、Q値が8.5dB から11.0 dB に改善していることが確認できる。伝搬遅延差補償で用いている遅延差補償量T1 の値は、式(4) に基づき、4776.4psとしている。
また、本実施例における伝搬遅延差補償回路は、必ずしも位相回転補償回路と分散補償回路の間に配置しなくてもよく、A/D変換器と波形等化回路の間であればどこに配置しても、同様の効果が得られる。従って、例えば分散補償回路の後段に配置したり、位相回転補償回路の前段に配置してもよい。
図9は、実施例3におけるデジタル信号処理部24の構成例を示す。
実施例3における送信部および受信部の構成は、図1に示されている実施例1の構成と同様である。実施例3の特徴は、A/D変換器1−1〜1−3におけるサンプリング周波数fsを、隣接チャネルも含めた信号帯域よりも大きくすることで、図5に示す実施例2のデジタル信号処理部24から伝搬遅延差補償回路3−1B,3−1C,3−2A,3−2C,3−3A,3−3Bを除去したところにある。より正確には、チャネルkの変調周波数をfmk(k=1, 2, …, N)とした場合、サンプリング周波数fsが以下の関係を満足することを特徴とする。
Figure 0006270697
サンプリング周波数fsが隣接チャネルも含めた信号帯域よりも大きい場合、各コヒーレント受信器で受信した信号の電気スペクトルは図10のようになる。ここでは簡単のために、左からチャネル1、チャネル2、チャネル3の3チャネル分のスペクトルを表記している。また、コヒーレント受信器22−1、コヒーレント受信器22−2、コヒーレント受信器22−3に入力される局発光の光周波数は、それぞれf1,f2,f3とする。
ここで、例えばチャネル2の信号に重畳されたクロストーク成分を補償する場合を考えると、コヒーレント受信器22−1、コヒーレント受信器22−3で受信した信号に対して、位相回転補償回路にて、それぞれ補償量−Δf1, Δf2の位相回転補償を行う必要がある。位相回転補償後の信号スペクトルは図10に示す通りであり、サンプリング周波数が隣接チャネルも含めた信号帯域よりも大きい場合、すなわち式(5) を満足する場合、位相回転補償後の信号スペクトルはどれもコヒーレント受信器22−2で受信した信号の電気スペクトルと同様となる。従って、コヒーレント受信器22−1、コヒーレント受信器22−2、コヒーレント受信器22−3で受信した位相回転補償した後の信号に対しては、完全に同じ分散補償が施されることになるため、図11に示すように、分散補償後においても伝搬遅延差の発生を抑えることができる。これにより、デジタル信号処理部24において伝搬遅延差補償回路を組み込む必要がなくなる。このとき、チャネルkにおける波形等化回路からの出力は、以下の式の通りとなる。
Figure 0006270697
1 A/D変換器
2 分散補償回路
3 伝搬遅延差補償回路
4 位相回転補償回路
5 波形等化回路
6 位相推定回路
7 識別回路
11 信号光源
12 偏波多重ベクトル変調器
13 光カプラ
21 光カプラ
22 コヒーレント受信器
23 局発光源
24 デジタル信号処理部

Claims (5)

  1. 光ファイバ伝送路を介して接続される送信部と受信部の間で、搬送波周波数f1, f2, …, fN(f1<f2<…<fN)の複数Nチャネルの光信号を波長多重した波長多重光信号を伝送する波長多重光伝送システムにおいて、
    前記送信部は、前記各チャネルの周波数間隔が各光信号の変調周波数より小さく、隣接するチャネルの光信号が周波数上で重なる波長多重光信号を前記光ファイバ伝送路に送出する構成であり、
    前記受信部は、
    光カプラによりN分岐された前記波長多重光信号をそれぞれ異なる光周波数f1, f2, …, fNの局発光によってコヒーレント検波するコヒーレント受信器と、
    前記コヒーレント受信器から出力される電気信号に対してデジタル信号処理を実行することで送信信号における光スペクトル重なりに起因した隣接チャネル間のクロストークを補償するデジタル信号処理部とを備え、
    前記デジタル信号処理部は、
    前記コヒーレント受信器から出力される電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記光ファイバ伝送路で発生した波長分散を起因とした光波形劣化を補償する分散補償回路と、
    前記局発光の光周波数の違いによって生じる回転成分を補償する位相回転補償回路と、 前記位相回転補償回路の出力を入力するフィルタのタップ係数を適応的に変化させる複数の適応フィルタを用いて前記クロストークの補償を行う波形等化回路と、
    前記光信号の搬送波位相を推定する位相推定回路と、
    前記光信号に重畳された送信信号の識別を行う識別回路と
    を備え、
    前記分散補償回路が補償する分散補償量は、復調しようとするチャネルの搬送波光周波数における波長分散量であり、クロストーク成分を補償するために用いる隣接チャネルの信号に対しても適用する構成であり、
    前記位相回転補償回路における位相回転補償量は隣接チャネルとの光周波数間隔Δfk (k=1, 2, …, N)である
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  2. 請求項1に記載の波長多重光伝送システムにおいて、
    前記デジタル信号処理部は、前記分散補償回路が前記位相回転補償回路よりも前段に配置され、さらに前記光ファイバ伝送路を伝送することにより生じるチャネル間の伝搬遅延差を補償する伝搬遅延差補償回路を前記波形等化回路よりも前段に備え、
    前記伝搬遅延差補償回路で前記デジタル信号に与える伝搬遅延差補償量Tk (単位はps)は、前記光ファイバ伝送路の波長分散をD(単位はps/nm )、光速をc(単位はm/s )としたときに、以下の式で表される
    Figure 0006270697
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  3. 請求項1に記載の波長多重光伝送システムにおいて、
    前記デジタル信号処理部は、前記位相回転補償回路が前記分散補償回路よりも前段に配置され、さらに前記光ファイバ伝送路を伝送することにより生じるチャネル間の伝搬遅延差を補償する伝搬遅延差補償回路を前記波形等化回路よりも前段に配置され、前記A/D変換器のサンプリング周波数fsを前記変調周波数の2倍より大きい値とし、
    前記伝搬遅延差補償回路で前記デジタル信号に与える伝搬遅延差補償量Tk (単位はps)は、前記光ファイバ伝送路の波長分散をD(単位はps/nm )、光速をc(単位はm/s )としたときに、以下の式で表される
    Figure 0006270697
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  4. 請求項1に記載の波長多重光伝送システムにおいて、
    前記デジタル信号処理部は、前記位相回転補償回路が前記分散補償回路よりも前段に配置され、前記A/D変換器におけるサンプリング周波数fsが隣接チャネルも含めた信号帯域よりも大きい値であり、チャネルkの光信号の変調周波数をfmk(k=1, 2, …, N)としたときに、以下の関係を満足する
    Figure 0006270697
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の波長多重光伝送システムにおいて、
    前記波形等化回路のタップ更新アルゴリズムとしてCMA(Constant Modulus Algorithm)を用いる
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
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