以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ユーザ操作制御:押下操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
2.第2の実施の形態(ユーザ操作制御:ドラッグ操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
3.第3の実施の形態(ユーザ操作制御:フリック操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
4.第4の実施の形態(ユーザ操作制御:表示面における近接により生じる処理を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
5.第5の実施の形態(ユーザ操作制御:表示面における接触操作または近接操作が確定した後にその操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
6.第6の実施の形態(ユーザ操作制御:所定の操作部材を用いた操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例)
<1.第1の実施の形態>
[情報処理装置の外観構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の外観構成を示す斜視図である。なお、図1のaには、情報処理装置100の一の面(すなわち、タッチパネル110が設けられている面)側の外観を示す。また、図1のbには、情報処理装置100の姿勢を変化させる場合における回転軸の例を示す。
情報処理装置100は、例えば、被写体を撮像して画像データを生成し、この画像データを画像コンテンツとして記録し、これらを表示することが可能なデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ(例えば、カメラ一体型レコーダ)等により実現される。
情報処理装置100は、タッチパネル110と、操作部材121乃至124とを備える。
タッチパネル110は、各種画像を表示するとともに、タッチパネル110における接触操作(または近接操作)を検出することによりユーザからの操作入力を受け付けるものである。
操作部材121は、パワーボタンであり、操作部材122は、再生ボタンである。また、操作部材123は、被写体を撮像して生成された画像データ(撮像画像)を画像コンテンツ(静止画ファイル)として記録する際に撮影者により押下されるシャッターボタンである。操作部材124は、ズームレバー(TELE/WIDE)である。また、操作部材121乃至124は、図4に示す操作部120に相当し、操作部材121乃至124のそれぞれの押下/押下解除に関する制御信号(操作信号)は、図4に示すCPU160に入力される。
なお、情報処理装置100には、他の操作部材等が備えられているが、説明の容易のため、ここでの図示および説明は省略する。
ここで、図1のbを参照して、情報処理装置100の姿勢の変化について説明する。例えば、ユーザが情報処理装置100を手に持った状態で、直交3軸周りの回転角(すなわち、ヨー角、ピッチ角、ロール角)を変化させることができる。例えば、Y軸を回転軸として矢印101方向に情報処理装置100の姿勢を変化(ヨー角の変化)させることができる(いわゆる、水平回転)。また、X軸を回転軸として矢印102方向に情報処理装置100の姿勢を変化(ピッチ角の変化)させることができる(いわゆる、垂直回転)。また、例えば、Z軸を回転軸として矢印103方向に情報処理装置100の姿勢を変化(ロール角の変化)させることができる(いわゆる、レンズ回転)。
[情報処理装置の使用例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の使用時における姿勢の一例を示す図である。
図2には、情報処理装置100におけるタッチパネル110を用いて操作入力を行う場合における情報処理装置100の姿勢の一例を示す。図2に示すように、例えば、人物10は、情報処理装置100を左手で持った状態で、右手でタッチパネル110において操作入力を行うことができる。
[情報処理装置の姿勢の遷移例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の使用時における姿勢の遷移例を示す図である。
図3のa乃至cには、情報処理装置100の底面(すなわち、操作部材121乃至124が設けられている面の反対側の面)側から見た場合における姿勢の遷移例を示す。なお、図3のa乃至cでは、回転前の状態の情報処理装置100を実線で示し、回転後の状態の情報処理装置100を点線で示す。また、図3のa乃至bでは、情報処理装置100の回転前の姿勢が水平面上に平行となっている例を示す。
図3のaには、図1のbに示すY軸を回転軸として、情報処理装置100を矢印104方向に回転させてその姿勢を変化させる場合におけるその遷移例を示す。
図3のbには、図1のbに示すY軸を回転軸として情報処理装置100を矢印101方向とは逆方向にθ度だけ回転させてその姿勢を変化させる場合におけるその遷移例を示す。
図3のcには、図1のbに示すY軸を回転軸として情報処理装置100を矢印101方向にθ度だけ回転させてその姿勢を変化させる場合におけるその遷移例を示す。
本技術の第1の実施の形態では、このように情報処理装置100の姿勢を変化させることにより、タッチパネル110における操作入力をキャンセルする(戻すことを含む)ことができる例を示す。
[情報処理装置の内部構成例]
図4は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の内部構成例を示すブロック図である。
情報処理装置100は、タッチパネル110と、操作部120と、センサ130と、フラッシュメモリ140と、RAM(Random Access Memory)150と、CPU(Central Processing Unit)160とを備える。なお、これらの各部は、バス170で相互に接続されて各種の情報のやり取りを行うことができる。
タッチパネル110は、表示部111および入力部112が一体として構成されているものであり、ユーザは表示部111に表示されている操作対象物等をタッチすることにより情報処理装置100の操作が可能となる。
ここで、操作対象物は、例えば、図6に示すAAAボタン301、BBBボタン302、CCCボタン303、戻るボタン304のように、タッチパネル110に表示されるものであり、操作入力を行うための操作ボタン(GUIボタン)等である。
例えば、入力部112として、導電性を有する物体(例えば、人物の指)の接触または近接を、静電容量の変化に基づいて検出する静電式(静電容量方式)のタッチパネルを用いることができる。また、例えば、表示部111として、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルを用いることができる。そして、タッチパネル110は、例えば、表示パネルの表示面上に、透明なタッチパネルを重ね合わせることにより構成される。
また、タッチパネル110は、CPU160の制御に基づいて各種画像を表示部111に表示するとともに、表示部111の表示面に近接または接触する物体の検出状態に基づいてユーザからの操作入力を入力部112により受け付ける。また、入力部112は、受け付けられた操作入力に応じた制御信号をCPU160に出力する。
入力部112は、タッチパネル110の表示面に近接または接触する物体(例えば、ユーザの指)の検出状態に基づいて、その物体による操作入力を受け付けるものである。例えば、入力部112は、格子状に配置されている複数の静電センサを備える。この静電センサは、タッチパネル110の表示面に物体(導電性を有する物体(例えば、ユーザの指や手))が近接または接触すると、静電容量を増加させるセンサである。そして、入力部112は、静電センサの静電容量が変化すると、その静電センサの静電容量の値と、その静電センサの入力部112の操作面における位置とに関する情報(静電センサ情報)をCPU160に出力する。すなわち、入力部112は、タッチパネル110の表示面における接触位置の座標を検出し、この検出された接触位置の座標をCPU160に出力する。
表示部111は、CPU160の制御に基づいて各画像を表示する表示パネルである。なお、表示部111における表示例については、図6等に示す。
操作部120は、ユーザにより行われた操作を受け付ける操作部であり、受け付けられた操作内容に応じた制御信号(操作信号)をCPU160に出力する。なお、操作部120は、図1に示す操作部材121乃至124に対応する。
センサ130は、情報処理装置100の加速度、動き、傾き等を検出することにより情報処理装置100の姿勢の変化を検出するセンサである。また、センサ130として、情報処理装置100における3軸(例えば、図1のbに示すX軸、Y軸、Z軸)の回転角を検出することができるセンサを用いることが好ましい。ただし、少なくとも、1軸以上の回転角を検出することができるセンサを用いるようにしてもよい。例えば、センサ130として、ジャイロセンサ、加速度の方向を検出することができる加速度センサ、回転運動を検出することができる角速度センサを用いることができる。
RAM150は、CPU160のワーキングメモリである。
フラッシュメモリ140は、CPU160の処理に必要な各種プログラムや各種データが記憶される不揮発性メモリである。
CPU160は、フラッシュメモリ140に記録されているプログラムとユーザ操作とに基づいて各種の処理を実行するものである。また、CPU160は、タッチパネル110の表示面における接触位置の座標を取得することが可能である。
[情報処理装置の機能構成例]
図5は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。
情報処理装置100は、表示部111と、操作受付部210と、姿勢検出部220と、基準姿勢演算部230と、基準姿勢保持部240と、回転判断部250と、変化量保持部260と、制御部270とを備える。なお、表示部111は、図4に示す表示部111に対応する。また、基準姿勢演算部230、回転判断部250および制御部270は、図4に示すCPU160に対応する。また、基準姿勢保持部240は、図4に示すRAM150に対応する。
操作受付部210は、ユーザにより行われた操作を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作内容に応じた制御信号(操作信号)を基準姿勢演算部230および制御部270に出力する。なお、操作受付部210は、図4に示す入力部112および操作部120に対応する。
姿勢検出部220は、情報処理装置100の加速度、動き、傾き等を検出することにより情報処理装置100の姿勢の変化を検出するものであり、検出された姿勢の変化に関する姿勢情報を、基準姿勢演算部230および回転判断部250に出力する。なお、姿勢検出部220は、図4に示すセンサ130に対応する。
基準姿勢演算部230は、情報処理装置100の姿勢変化を判定するための基準となる姿勢(基準姿勢)を算出するものであり、算出された基準姿勢に関する情報(基準姿勢情報)を基準姿勢保持部240に保持させる。例えば、基準姿勢演算部230は、操作受付部210によりユーザ操作が受け付けられたタイミング(ユーザ操作が開始されたタイミング)で基準姿勢情報を算出して基準姿勢保持部240に保持させる。なお、基準姿勢演算部230は、操作受付部210によるユーザ操作の受け付けられた時点の前後のタイミング(例えば、その時点の前後の0.01秒の範囲)で基準姿勢情報を算出するようにしてもよい。すなわち、基準姿勢演算部230は、操作受付部210によるユーザ操作の受け付けに基づいて、情報処理装置100の姿勢を基準姿勢として決定する。
また、例えば、姿勢検出部220として加速度センサを用いる場合には、基準姿勢演算部230は、その加速度センサから情報処理装置100の傾き(角度)を取得し、この取得された傾きを基準姿勢として基準姿勢保持部240に保持させる。例えば、初期値の位置(例えば、水平姿勢)からの情報処理装置100の傾き(角度)が、基準姿勢として基準姿勢保持部240に保持させる。
また、例えば、姿勢検出部220として角速度センサを用いる場合には、基準姿勢演算部230は、その角速度センサから取得された角速度を積分値して情報処理装置100の姿勢を計算し、その計算結果を基準姿勢として基準姿勢保持部240に保持させる。この場合における基準姿勢は、その積分値を初期化「0」にすることに相当する。
なお、基準姿勢演算部230は、図4に示すフラッシュメモリ140に記録されているプログラムに基づいてCPU160が実行することにより実現される。
基準姿勢保持部240は、基準姿勢演算部230により算出された基準姿勢情報を保持するものであり、保持されている基準姿勢情報を回転判断部250に供給する。
回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を取得して情報処理装置100の姿勢変化を判定するものである。そして、回転判断部250は、その変化量を変化量保持部260に保持させ、その判定結果を制御部270に出力する。
例えば、姿勢検出部220として加速度センサを用いる場合には、回転判断部250は、その加速度センサから情報処理装置100の傾き(角度)を取得し、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢からの差分値を求める。そして、回転判断部250は、その差分値に基づいて、情報処理装置100の傾き(角度)の変化量を算出して変化量保持部260に保持させる。
また、例えば、姿勢検出部220として角速度センサを用いる場合、回転判断部250は、その角速度センサから取得する角速度を積分することにより、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢からの回転角度を算出する。そして、回転判断部250は、その算出された回転角度を変化量保持部260に保持させる。
なお、本技術の実施の形態では、回転角度45度を閾値として、基準姿勢からの変化量が45度以上となった場合に、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルする例を示す。ただし、回転角の閾値として、45度以外の値(例えば、30度から60度の範囲)を用いるようにしてもよい。
なお、回転判断部250は、図4に示すフラッシュメモリ140に記録されているプログラムに基づいてCPU160が実行することにより実現される。
変化量保持部260は、回転判断部250により取得された変化量(基準姿勢からの変化量)を保持するものであり、保持されている変化量を回転判断部250に供給する。
制御部270は、ユーザ操作により生じた処理を実行する制御を行うものである。また、制御部270は、情報処理装置100の姿勢が基準姿勢から所定量だけ変化した旨の判定結果が回転判断部250から出力された場合には、そのユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する。この場合に、ユーザ操作の受け付けに基づいて決定される情報処理装置の姿勢を基準姿勢とする。そして、制御部270は、所定条件を満たすまでの間に、情報処理装置100の姿勢が基準姿勢から所定量だけ変化した場合に、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する。
ここで、制御部270は、ユーザ操作の受付中における情報処理装置100の姿勢の変化に基づいて、基準姿勢から所定量だけ変化したか否かを判断することができる。また、制御部270は、情報処理装置100における所定方向を回転軸とする情報処理装置100の回転量が所定量だけ変化した場合に、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御することができる。例えば、制御部270は、ユーザ操作が確定した場合に、所定条件を満たすと判断することができる。
ここで、情報処理装置100が基準姿勢から所定量だけ変化した場合であっても、情報処理装置100が空間上を移動している場合には、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルしないようにしてもよい。すなわち、情報処理装置100が空間上を移動していない場合であって、かつ、情報処理装置100が基準姿勢から所定量だけ変化した場合にのみ、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルすることができる。すなわち、情報処理装置100の回転の中心が、情報処理装置100内に存在する場合のみ、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルする。
例えば、姿勢検出部220(センサ130)として加速度センサおよび角速度センサを組み合わせて用いることにより、情報処理装置100の回転と、情報処理装置100の空間上の移動とを検出することができる。すなわち、角速度センサにより情報処理装置100の回転を検出し、加速度センサにより情報処理装置100の空間上の移動を検出することができる。
このように、制御部270は、情報処理装置100の回転量が所定量だけ変化した場合でも、情報処理装置100が空間上を移動している場合には、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルしないようにすることができる。
例えば、ユーザがタッチパネル110の表示面を下向きに見ている状態から、情報処理装置100を水平に変化させながらタッチパネル110の表示面において操作しているような場合も想定される。この場合でも、情報処理装置100が基準姿勢から所定量だけ変化することもある。そこで、このように情報処理装置100が空間上を移動しているような場合には、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルしないようにする。
[表示画面例]
図6は、本技術の第1の実施の形態における表示部111に表示される表示画面の一例を示す図である。図6では、情報処理装置100が備える各種機能の設定(例えば、情報処理装置100が撮影機能を有する場合における撮影サイズの設定等)を変更するための設定変更メニュー画面(GUIメニュー画面)の一例(表示画面300)を示す。
表示画面300には、AAAボタン301と、BBBボタン302と、CCCボタン303と、戻るボタン304とが設けられている。
AAAボタン301、BBBボタン302およびCCCボタン303は、各ボタンに対応する設定(例えば、各種機能に関する設定値)を変更する際に押下されるGUI(Graphical User Interface)ボタンである。なお、図6では、説明の容易のため、各ボタンの名称をAAA、BBB、CCCで簡略化して示す。また、AAAボタン301、BBBボタン302およびCCCボタン303は、特許請求の範囲に記載の操作対象物の一例である。
戻るボタン304は、直前に表示されていた表示画面に戻す際に押下されるボタンである。
ここで、タッチパネル110を有する情報処理装置において、操作対象物(例えば、GUIボタン)にユーザが指でタッチしている状態でそのタッチ操作をキャンセルする場合を想定する。このようにタッチ操作をキャンセルする場合には、従来は、そのタッチしている指を接触した状態で操作対象物の範囲外に移動させる必要があった。しかしながら、タッチパネル110の操作において、接触を維持したまま指を移動させる場合には、操作ミスを引き起こしやすい。
そこで、本技術の実施の形態では、ユーザがタッチ操作をキャンセルする場合の操作性を向上させ、ユーザ操作のキャンセル操作を容易にかつ確実に行うことができる例を示す。具体的には、ユーザの操作入力が確定していない状態で、基準姿勢から所定量だけ変化した場合に、その操作入力をキャンセル(または、その操作入力の前の状態に戻す)するようにする。
[キャンセルを行う際に用いる回転軸例]
図7は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100とキャンセル操作を行う際に用いる回転軸との関係例を示す図である。この例では、情報処理装置100が撮像装置または携帯電話である場合を想定して説明する。
図1のbに示すように、情報処理装置100には複数の回転軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸)が存在する。そこで、本技術の実施の形態では、複数の軸のうちの1つ以上を利用する例を示す。
また、図7に示すように、キャンセル操作を行う際に用いる回転軸は、情報処理装置100のモードや形状に応じて使い分ける。これにより、さらにキャンセル操作を容易に行うことができる。
最初に、情報処理装置100が撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラ)である場合を想定する。この場合には、設定されているモード(撮影モードまたは再生モード)に応じて、キャンセル操作を行う際に用いる回転軸を切り替えることが好ましい。
例えば、撮影モードが設定されている場合には、縦撮影/横撮影の操作が頻繁に行われることが多いため、Z軸の回転が頻繁に発生することが多い。このため、X軸またはY軸を回転軸としてキャンセル操作を行うことが好ましい。なお、X軸およびY軸の2つの軸での情報処理装置100の回転をキャンセル操作として採用する等のように、1軸以上の回転軸を採用することも可能である。
また、例えば、再生モードが設定されている場合には、例えば、縦撮影の画像も、再生時には縦表示されることが一般的であるため、情報処理装置100の縦/横の回転操作はあまり行われないことが多い。また、例えば、情報処理装置100が、図1のaに示すように薄い板状をしている場合には、X軸、Y軸の回転は、ユーザが操作している間、無意識に発生することも多いと想定される。このため、Z軸を回転軸としてキャンセル操作を行うことが好ましい。
次に、情報処理装置100が携帯電話(スマートフォンを含む)である場合を想定する。携帯電話等の板状の機器については、Z軸の回転が最も発生しないと想定される。このため、Z軸を回転軸としてキャンセル操作を行うことが好ましい。
なお、図7に示す関係例は、キャンセル操作を行う際に用いる回転軸の一例であり、図7に示す関係例以外の軸を、キャンセル操作を行う際に用いる回転軸とするようにしてもよい。また、キャンセル操作を行う際に用いる回転軸は、モード設定時に自動で切り替えられるようにしてもよく、ユーザの手動操作により切り替えられるようにしてもよい。すなわち、回転軸と、キャンセル操作を行うための回転角(所定量)とは、情報処理装置の特性(例えば、撮像装置、携帯電話)および使用状態(例えば、撮影モード、再生モード)に応じて、自動または手動で設定される。
なお、本技術の実施の形態では、情報処理装置100におけるY軸を回転軸とする場合を例にして説明する。
[ユーザ操作のキャンセル方法]
図8は、本技術の第1の実施の形態におけるタッチパネル110を用いた操作入力およびそのキャンセルの遷移例を示す図である。なお、図8のaおよびbに示す表示画面300は、図6と同様である。
図8のaには、表示画面300においてBBBボタン302を押下する押下操作(タッチ操作)がユーザの人差し指20により行われた状態を示す。BBBボタン302の押下操作が行われた場合には、その押下操作が行われたことが認識できるようにBBBボタン302の色が変更される。なお、図8のaでは、BBBボタン302の色の変更を、BBBボタン302内に斜線を付して示す。
図8のbには、図8のaに示すように表示画面300においてBBBボタン302の押下操作が行われた後に、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させた状態を示す。この場合に、ユーザの人差し指20は、BBBボタン302に接触されている状態である。
[情報処理装置の動作例]
図9は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転している場合に、ユーザ操作をキャンセルする例を示す。
最初に、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触を監視し、非接触から接触に変化したか否かを判断する(ステップS901)。この接触または非接触に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。非接触から接触が検出されない場合には(ステップS901)、タッチパネル110の表示面における接触の監視を継続する。一方、非接触から接触が検出された場合には(ステップS901)、制御部270は、接触が検出された際のタッチパネル110の表示面における接触位置の座標を取得する(ステップS902)。この座標に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。
続いて、制御部270は、取得された接触位置の座標が表示部111に表示されている操作対象物(例えば、GUIボタン)の領域の内部か否かを判断する(ステップS903)。接触位置の座標が操作対象物の領域外の場合には(ステップS903)、制御部270は、タッチパネル110の表示面における非接触を検出するまでの間、待機する(ステップS909)。一方、接触位置の座標が操作対象物の領域内部の場合には(ステップS903)、制御部270は、操作対象物が押下されていることをユーザへ通知するため、表示部111に表示されているその操作対象物の色を変更する(ステップS904)。例えば、図8のaに示すように、BBBボタン302の押下操作が行われた場合には、BBBボタン302の色が変更される。
続いて、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220からタッチパネル110の表示面における接触を検出した際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出し、この基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS905)。
続いて、回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS906)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS907)。一定角以上回転している場合には(ステップS907)、制御部270は、ユーザ操作(例えば、ボタンタッチ)をキャンセルしたとものと判断し、操作対象物の色を元に戻す(ステップS908)。すなわち、操作対象物の押下色が解除される(ステップS908)。また、この状態では、タッチパネル110の表示面における接触が維持されている状態であるため、接触が解除されるまでの間、待機する(ステップS909)。一方、一定角以上回転していない場合には(ステップS907)、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触が解除されたか否かを判定する(ステップS910)。なお、タッチパネル110の表示面における接触または非接触の情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。
タッチパネル110の表示面における接触が解除されていない場合には(ステップS910)、制御部270は、ユーザ操作が継続して行われていると判断し、ステップS906に戻る。なお、ステップS901乃至S909は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
このように、タッチパネル110の表示面において非接触から接触が検出されてから(ステップS901)、一定角以上の回転が検出されるまでの間(ステップS907)、ユーザ操作が継続して行われていると判断される。また、タッチパネル110の表示面において非接触から接触が検出されてから(ステップS901)、タッチパネル110の表示面における接触の解除が検出されるまでの間(ステップS910)、ユーザ操作が継続して行われていると判断される。
タッチパネル110の表示面における接触が解除された場合には(ステップS910)、制御部270は、ユーザ操作が確定したものと判断し、その接触の解除が発生した座標の確認を行う(ステップS911)。すなわち、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触が解除された際の座標(接触解除座標)が操作対象物内であるか否かを判定する(ステップS911)。
接触解除座標が操作対象物の内部である場合には(ステップS911)、制御部270はその操作対象物に割り当てられている処理を実行し(ステップS912)、操作対象物の色を元に戻す(ステップS913)。一方、接触解除座標が操作対象物の外部である場合には(ステップS911)、制御部270は、操作対象物に割り当てられている処理を実行せずに、操作対象物の色を元に戻す(ステップS913)。すなわち、操作対象物の押下色が解除される(ステップS913)。なお、ステップS911、S913の各処理は、操作対象物外でタッチが解除された場合における処理である。また、操作対象物の内部でタッチパネル110の表示面における接触が解除されることにより、操作対象物に割り当てられている各種処理が実行される。
このように、本技術の第1の実施の形態では、操作対象物(例えば、図8に示すBBBボタン302)にユーザが指でタッチしている状態でそのタッチ操作をキャンセルする場合には、Y軸を回転軸として情報処理装置100を一定角以上回転させる。これにより、例えば、タッチ操作をキャンセルする場合に、そのタッチしている指を接触した状態で操作対象物の範囲外に移動させる必要がない。すなわち、タッチパネル110の表示面における操作対象物をタッチした後に、情報処理装置100の回転の変化量に基づいて、操作対象物の押下状態を解除することができる。この場合には、その状態でタッチパネル110の接触を解除しても操作対象物に割り当てられている処理は実行されない。このため、操作ミスを防止することができる。すなわち、ユーザがタッチ操作をキャンセルする場合の操作性を向上させ、機器の回転という簡易的な操作で確実にキャンセルを行うことができる。
また、キャンセルを行うか否かの判定に機器の回転を用いることにより、機器を操作する時に発生するブレと、ユーザのキャンセル要求とを区別することができる。このため、誤ってキャンセル動作を実行してしまうことを防ぐことができる。
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、操作対象物を押下する押下操作(接触操作)を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示した。ここで、表示面における接触を維持した状態で表示内容を変更するユーザ操作(いわゆる、ドラッグ操作)についても、本技術の第1の実施の形態を適用することができると考えられる。
そこで、本技術の第2の実施の形態では、表示内容をドラッグ操作により変更する場合に、そのドラッグ操作(接触操作)を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示す。なお、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置の構成については、図4、図5等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[表示画面の遷移例]
図10および図11は、本技術の第2の実施の形態におけるタッチパネル110の表示面におけるユーザ操作(ドラッグ操作)による表示画面の遷移例を示す図である。なお、ドラッグ操作は、タッチパネル110の表示面における接触を検出してからその接触を維持した状態で、接触位置の座標を移動させるユーザ操作を意味する。また、図10および図11に示す例では、タッチパネル110にメニュー画面が表示されている状態で、ユーザ操作(ドラッグ操作)により項目送りを行う例を示す。
図10および図11には、タッチパネル110に表示されるメニュー画面の一例を示す。なお、図10および図11では、メニュー画面の全項目を略矩形(内部に数字1乃至15を付した略矩形)により簡略化して示す。また、メニュー画面の全項目のうち、表示対象となる領域(表示対象領域350)を点線の矩形で囲んで示す。
ここで、通常では、各種メニュー画面を表示する場合において、表示部111における1画面内にメニュー項目が収まらない場合には、全項目中の一部の項目が表示される。また、タッチパネル110の表示面におけるドラッグ操作で項目送りを行うことにより、所望の項目を表示させることができる。
例えば、タッチパネル110に表示されているメニュー画面(表示対象領域350に含まれる項目)について項目送りをする場合には、図10のaに示すように、ユーザが人指し指20をタッチパネル110の表示面に接触させる。そして、図10のbに示すように、その接触を維持した状態で、所望の方向(例えば、図10における上方向)に移動させる。このように、メニュー画面においてユーザがドラッグ操作を行うことにより、タッチパネル110の表示面における接触位置(例えば、内部に6が付された略矩形の位置)の座標に追従してメニュー表示の項目送りが行われる。このため、ユーザは所望の項目を表示させることができる。
ここで、メニュー画面においてドラッグ操作を行われた後に、元の項目を表示させる場合を想定する。この場合には、直前に行われたドラッグ操作とは反対方向に、直前に行われたドラッグ操作と同量のドラッグ操作やフリック操作等を行う必要があるため、これらの操作が煩雑となるおそれがある。そこで、本技術の第2の実施の形態では、メニュー画面において行われたドラッグ操作を、情報処理装置100の回転操作によりキャンセルする。
例えば、図10のbに示すように、ドラッグ操作が行われた後に、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させる。このように、情報処理装置100を45度以上回転させることにより、直前に行われたドラッグ操作がキャンセルされて元の状態に戻すことができる。この表示例を図11に示す。
図11には、ドラッグ操作が行われた後に、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させた後における表示例を示す。図11に示すように、表示対象領域350がドラッグ操作前の状態(すなわち、図10のaに示す状態)に戻される。ただし、ユーザの人指し指20の表示面における接触位置の座標は、ドラッグ操作が行われた後の座標(すなわち、図10のbに示す座標)と同一となる。
[情報処理装置の動作例]
図12は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転した場合に、ドラッグ操作をキャンセルする例を示す。
最初に、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触を監視し、非接触から接触に変化したか否かを判断する(ステップS921)。この接触または非接触に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。非接触から接触が検出されない場合には(ステップS921)、タッチパネル110の表示面における接触の監視を継続する。一方、非接触から接触が検出された場合には(ステップS921)、制御部270は、ドラッグ操作の開始判定を行う(ステップS922)。例えば、制御部270は、タッチパネル110の表示面における非接触から接触が検出された座標(接触位置の座標)を基点として、その接触位置の座標が一定以上移動した場合にドラッグ操作が開始されたと判定することができる(ステップS922)。この座標に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。そして、ドラッグ操作が開始されていない場合には(ステップS922)、ステップS921に戻る。
ドラッグ操作が開始された場合には(ステップS922)、制御部270は、ドラッグ操作の開始時における表示部111の表示状態を記憶する(ステップS923)。例えば、ドラッグ操作がキャンセルされた際に、ドラッグ操作の開始時における表示状態に戻すため、ドラッグ操作の開始時における表示部111の表示状態が記憶される。例えば、メニュー画面においては、どの項目が表示されていたかが記憶される。
続いて、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220からドラッグ操作が開始された際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出し、この基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS924)。続いて、制御部270は、ドラッグ操作中のタッチパネル110の表示面における接触位置の座標を取得する(ステップS925)。この座標に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。
続いて、制御部270は、ドラッグ操作中の接触位置の座標に合わせて表示内容を更新する(ステップS926)。例えば、図10のaおよびbに示すように、タッチパネル110の接触位置の座標の移動量に応じてメニュー画面の項目送りが行われる(ステップS926)。
続いて、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触が維持されているか否かを判定する(ステップS927)。なお、タッチパネル110の表示面における接触または非接触の情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。そして、接触が解除された場合には(ステップS927)、ドラッグ操作が終了と判断され、ステップS921に戻る。このように、ドラッグ操作中にタッチパネル110の表示面における接触が解除された場合には、メニュー項目が接触位置の座標に追従して更新されているため、更新後のメニュー項目が表示された状態となる。
また、タッチパネル110の表示面における接触が維持されている場合には(ステップS927)、制御部270は、ドラッグ操作が継続中であると判断する。そして、回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS928)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS929)。一定角以上回転している場合には(ステップS929)、制御部270は、ドラッグ操作をキャンセルしたとものと判断し、表示内容をドラッグ開始時の表示状態に戻す(ステップS930)。すなわち、ドラッグ操作の開始時に記憶された表示内容(表示部111の表示状態)が表示される。このように、ドラッグ操作の開始前の表示状態に戻ることにより、ドラッグ操作がキャンセルされる。また、この状態では、ドラッグ操作はキャンセルされているが、タッチパネル110の表示面における接触が維持されている状態であるため、接触が解除されるまでの間、待機する(ステップS931)。一方、一定角以上回転していない場合には(ステップS929)、制御部270は、ドラッグ操作が継続中であると判断し、ステップS925に戻る。
このように、タッチパネル110の表示面においてドラッグ操作の開始が検出されてから(ステップS921)、一定角以上の回転が検出されるまでの間(ステップS929)、ドラッグ操作が継続して行われていると判断される。また、タッチパネル110の表示面において非接触から接触が検出されてから(ステップS921)、タッチパネル110の表示面における接触の解除が検出されるまでの間(ステップS927)、ドラッグ操作が継続して行われていると判断される。
このように、制御部270は、所定条件を満たすまでの間(ドラッグ操作が終了するまでの間)に、情報処理装置100の姿勢が基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、ユーザ操作(ドラッグ操作)により生じた処理をキャンセルする。そして、制御部270は、そのユーザ操作(ドラッグ操作)の受け付け時に表示されていた表示画面に戻すように制御する。
このように、本技術の第2の実施の形態では、ドラッグ操作を行った後にそのドラッグ操作をキャンセルする場合(ドラッグ操作の開始前の状態に戻す場合)には、Y軸を回転軸として情報処理装置100を一定角以上回転させる。これにより、例えば、ドラッグ操作をキャンセルする場合に、そのドラッグ操作を、機器の回転という簡易的な操作のみで、ドラッグ操作を確実にキャンセルすることができるため、操作ミスを防止することができる。すなわち、ユーザがドラッグ操作をキャンセルする場合の操作性を向上させ、ユーザ操作のキャンセル操作を容易にかつ確実に行うことができる。
<3.第3の実施の形態>
本技術の第2の実施の形態では、ドラッグ操作(接触操作)を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示した。ここで、表示面に指を接触させた状態でその指を軽くはらうユーザ操作(いわゆる、フリック操作)についても、本技術の第1の実施の形態を適用することができると考えられる。
そこで、本技術の第3の実施の形態では、表示内容をフリック操作により変更する場合に、そのフリック操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示す。なお、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置の構成については、図4、図5等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[表示画面の遷移例]
図13および図14は、本技術の第3の実施の形態におけるタッチパネル110の表示面におけるユーザ操作(フリック操作)による表示画面の遷移例を示す図である。なお、フリック操作は、タッチパネル110の表示面に指を接触させた状態で、目的とする方向および移動量だけ指で軽くはらう操作を意味する。すなわち、フリック操作は、タッチパネル110の表示面における接触を検出してからその接触を維持した状態で接触位置の座標を移動させた後にタッチパネル110の接触を解除するユーザ操作を意味する。また、図13および図14に示す例では、タッチパネル110にメニュー画面が表示されている状態で、ユーザ操作(フリック操作)により項目送りを行う例を示す。
図13および図14には、タッチパネル110に表示されるメニュー画面の一例を示す。なお、図13および図14では、図10および図11と同様に、メニュー画面の全項目を略矩形(内部に数字1乃至15を付した略矩形)により簡略化して示す。また、メニュー画面の全項目のうち、表示対象となる領域(表示対象領域360)を点線の矩形で囲んで示す。
ここで、通常では、各種メニュー画面を表示する場合において、表示部111における1画面内にメニュー項目が収まらない場合には、全項目中の一部の項目が表示される。また、タッチパネル110の表示面におけるフリック操作で項目送りを行うことにより、所望の項目を表示させることができる。
例えば、タッチパネル110に表示されているメニュー画面(表示対象領域360に含まれる項目)について項目送りをする場合には、図13のaに示すように、ユーザが人指し指20をタッチパネル110の表示面に接触させる。そして、タッチパネル110の表示面に指を接触させた状態で、目的とする方向および移動量だけ指で軽くはらうことにより、図13のb、図14のaに示すように、方向および移動量だけ移動させることができる。このように、メニュー画面においてユーザがフリック操作を行うことにより、フリック操作の接触位置の座標の変化速度に応じて、メニュー項目のスクロールアニメーション処理が実行される。なお、ユーザがフリック操作で項目送りを実行した後には、一定時間のアニメーション処理が実行されることが一般的である。
このように、フリック操作では、ユーザが指を動かす速度と、メニュー項目の送り量とが対応する関係となる。この対応関係の一例を図15に示す。
[フリック速度と送り量との関係例]
図15は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置100において行われるフリック操作におけるフリック速度と送り量との関係例を示す図である。
ここで、フリック速度(V)は、タッチパネル110の表示面に接触させた状態の指をはらう際におけるその速度を意味する。また、送り量は、タッチパネル110の表示面においてスクロールされる項目の数を意味する。また、図15に示す関係例において、V0乃至V2は、V0<V1<V2の関係が成立する値であるものとする。
例えば、フリック速度(V)がV0未満である場合には、項目送りが行われない。また、フリック速度(V)がV0以上、かつ、V1未満である場合には、5項目だけ項目送りが行われる。また、フリック速度(V)がV1以上、かつ、V2未満である場合には、10項目だけ項目送りが行われる。また、フリック速度(V)がV2以上である場合には、15項目だけ項目送りが行われる。
[フリック操作のキャンセル例]
ここで、メニュー画面においてフリック操作を行われた後に、元の項目を表示させる場合を想定する。この場合には、直前に行われたフリック操作とは反対方向に、直前に行われたフリック操作と同量のフリック操作やドラッグ操作等を行う必要があるため、これらの操作が煩雑となるおそれがある。そこで、本技術の第3の実施の形態では、メニュー画面において行われたフリック操作を、情報処理装置の回転操作によりキャンセルする。
例えば、図14のaに示すように、フリック操作に基づくアニメーション処理が行われている状態で、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させる。このように、情報処理装置100を45度以上回転させることにより、直前に行われたフリック操作がキャンセルされて元の状態に戻すことができる。この表示例を図14のbに示す。
図14のbには、フリック操作に基づくアニメーション処理が行われている状態で、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させた後における表示例を示す。図14のbに示すように、表示対象領域360がフリック操作前の状態(すなわち、図13のaに示す状態)に戻される。
[情報処理装置の動作例]
図16は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転した場合に、フリック操作をキャンセルする例を示す。
最初に、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触を監視し、非接触から接触に変化したか否かを判断する(ステップS941)。この接触または非接触に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。非接触から接触が検出されない場合には(ステップS941)、タッチパネル110の表示面における接触の監視を継続する。一方、非接触から接触が検出された場合には(ステップS941)、制御部270は、フリック操作の開始判定を行う(ステップS942)。
例えば、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触開始座標および接触解除座標と、接触開始時刻から接触解除時刻までの接触時間とを使用して、フリック操作の開始判定を行う(ステップS942)。例えば、制御部270は、接触開始座標および接触解除座標と、接触時間とに基づいてフリック速度(V)を算出し、このフリック速度(V)が一定値(V0)以上であるか否かを判断する。そして、制御部270は、フリック速度(V)が一定値(V0)以上である場合には、フリック操作が開始されたと判断する(ステップS942)。なお、座標に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。また、接触開始時刻から接触解除時刻までの接触時間は制御部270が計測する。
そして、フリック操作が開始されていない場合には(ステップS942)、ステップS941に戻る。また、フリック操作が開始された場合には(ステップS942)、制御部270は、フリック操作の開始時における表示部111の表示状態を記憶する(ステップS943)。例えば、フリック操作がキャンセルされた際に、フリック操作の開始時における表示状態に戻すため、フリック操作の開始時における表示部111の表示状態が記憶される。例えば、メニュー画面においては、どの項目が表示されていたかが記憶される。
続いて、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220からフリック操作が開始された際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出し、この基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS944)。続いて、制御部270は、フリック速度に基づいて表示項目の送り量を決定する(ステップS945)。例えば、制御部270は、接触開始座標および接触解除座標と、接触時間とに基づいてフリック速度(V)を算出し、このフリック速度(V)と、図15に示すV0乃至V2との関係に基づいて表示項目の送り量を決定する(ステップS945)。
続いて、制御部270は、決定された送り量の分だけ、表示項目を送るアニメーション処理を実行する(ステップS946)。例えば、一定周期で表示を順次更新する表示項目のスクロールアニメーション処理が実行される。なお、スクロールアニメーション処理として、例えば、慣性アニメーション等の方法を用いることができる。ただし、一定時間アニメーションを実行することができれば、他のアニメーション処理を行うようにしてもよい。
続いて、制御部270は、アニメーション処理が終了したか否かを判断する(ステップS947)。例えば、決定された項目送り量の分だけ表示項目が送られたか否かに基づいて、アニメーション処理の終了を判断することができる。アニメーション処理が終了した場合には(ステップS947)、フリック操作の一連の処理を終了し、フリック操作の監視に戻る。一方、アニメーション処理が終了していない場合には(ステップS947)、回転判断部250は、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS948)。すなわち、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量が算出される(ステップS948)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS949)。一定角以上回転している場合には(ステップS949)、制御部270は、ユーザがフリック操作をキャンセルしたとものと判断し、表示内容をフリック操作の開始時の表示状態に戻す(ステップS951)。すなわち、フリック操作の開始時に記憶された表示内容(表示部111の表示状態)が表示される。このように、フリック操作の開始前の表示状態に戻ることにより、フリック操作がキャンセルされる。
また、一定角以上回転していない場合には(ステップS949)、制御部270は、フリック処理が継続中であると判断し、連続フリック操作が行われているか否かを判断する(ステップS950)。すなわち、タッチパネル110の表示面においてフリック操作の開始が検出されてから(ステップS941)、一定角以上の回転が検出されるまでの間(ステップS949)、アニメーションが終了するまでは、フリック処理が継続中であると判断される。また、連続フリック操作は、アニメーション処理が継続している状態で、フリック操作が再度行うことを意味する。また、連続フリック操作のフリック開始判定については、ステップS942における判定処理と同様である。
連続フリック操作が行われている場合には(ステップS950)、ステップS943に戻る。一方、連続フリック操作が行われていない場合には(ステップS950)、ステップS946に戻る。
このように、制御部270は、所定条件を満たすまでの間(フリック処理が終了するまでの間)に、情報処理装置100の姿勢が基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、ユーザ操作(フリック操作)により生じた処理をキャンセルする。そして、制御部270は、そのユーザ操作(フリック操作)の受け付け時に表示されていた表示画面に戻すように制御する。
なお、本技術の第3の実施の形態では、フリック操作のキャンセル動作の一例として、フリック操作の開始時の表示状態に戻す例を示した。ただし、例えば、キャンセルを検出した時点で、フリック操作の開始前の表示状態に戻らずに、アニメーション処理を終了するのみとするようにしてもよい(すなわち、アニメーション処理を停止する)。また、例えば、アニメーション処理が終了してから所定時間内にキャンセルが検出された場合には、フリック操作の開始前の表示状態に戻るようにしてもよい。
このように、本技術の第3の実施の形態では、フリック操作を開始し、メニュー画面の項目送りを行っている状態でそのフリック操作をキャンセルする場合には、Y軸を回転軸として情報処理装置100を一定角以上回転させる。なお、そのフリック操作をキャンセルする場合には、そのフリック操作の開始前の状態に戻す場合も含まれる。
これにより、例えば、フリック操作をキャンセルする場合に、そのフリック操作を、機器の回転という簡易的な操作のみで、フリック操作を確実にキャンセルすることができるため、操作ミスを防止することができる。すなわち、ユーザがフリック操作をキャンセルする場合の操作性を向上させ、ユーザ操作のキャンセル操作を容易にかつ確実に行うことができる。
<4.第4の実施の形態>
本技術の第1乃至第3の実施の形態では、表示面における接触操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示した。ここで、表示面における物体(例えば、指)の近接を検出することが可能なタッチパネルが存在する。
そこで、本技術の第4の実施の形態では、表示面における近接により生じる処理を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示す。なお、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置の構成については、図4、図5等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[表示画面の遷移例]
図17および図18は、本技術の第4の実施の形態におけるタッチパネル110の表示面におけるユーザ操作(近接操作)による表示画面の遷移例を示す図である。
また、図17および図18では、タッチパネル110にライブビュー画像が表示され、このライブビュー画像上に操作対象物(例えば、RECボタン401)が重ねて表示されている例を示す。ここで、ライブビュー画像は、例えば、ユーザが撮像動作中の画像を確認することができるように、撮像部(図示せず)の撮像動作により生成されてタッチパネル110に表示される画像である。
また、制御部270は、タッチパネル110の表示面における物体(例えば、指)の近接が検出された場合には、その近接が検出された位置(表示面における位置)に所定の操作対象物を移動させる制御を行う。なお、図17および図18では、動画の撮像動作開始前の状態において、近接が検出された位置に近づくようにRECボタン401を移動させる例を示す(例えば、特開2011−060209号参照。)。また、物体(例えば、指)の近接を検出することが可能なタッチパネルとして、例えば、静電容量の変化に基づいて物体の近接を検出することが可能な静電容量式タッチパネルを用いることができる。
図17のaには、タッチパネル110におけるライブビュー画像の表示例を示す。この状態で、例えば、ユーザの人指し指20をタッチパネル110に近接させた場合には、その近接が検出された位置に近づくようにRECボタン401が移動する。この表示例を図17のbに示す。
図17のbには、ユーザの人指し指20をタッチパネル110に近接させた場合におけるRECボタン401の遷移例を示す。例えば、矢印402に示すように、タッチパネル110において、ユーザの人指し指20が近接された位置に近づくようにRECボタン401が移動する。この状態で、ユーザの人指し指20がタッチパネル110に接触した場合には、RECボタン401の色が変更される。また、その接触後に、ユーザの人指し指20がタッチパネル110から離れた場合には、RECボタン401の押下操作が確定され、撮像動作が開始される。なお、ユーザの人指し指20がタッチパネル110に接触せずに離れた場合には、RECボタン401が元の位置に戻るものとする。
ここで、ユーザの人指し指20の近接位置にRECボタン401が移動した後に、ユーザの人指し指20を離すことなく、RECボタン401を元の位置に戻したいと希望することも想定される。この場合でも、情報処理装置100の回転操作により容易にキャンセルを行うことができる。このキャンセル例を図18に示す。
例えば、図18のaに示すように、ユーザの人指し指20がタッチパネル110に近接している状態で、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させる。このように、情報処理装置100を45度以上回転させることにより、近接位置の付近に移動したRECボタン401を元の位置に戻すことができる。この表示例を図18のbに示す。
図18のbには、ユーザの人指し指20がタッチパネル110に近接している状態で、Y軸を回転軸として情報処理装置100を45度以上回転させた後における表示例を示す。矢印403に示すように、RECボタン401が元の位置に戻される。
[情報処理装置の動作例]
図19は、本技術の第4の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転した場合に、近接操作をキャンセルする例を示す。
最初に、制御部270は、タッチパネル110の表示面における近接を監視し、近接を検出したか否かを判断する(ステップS961)。この近接に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。近接が検出されない場合には(ステップS961)、タッチパネル110の表示面における近接の監視を継続する。一方、近接が検出された場合には(ステップS961)、制御部270は、その近接が検出された位置(表示面における近接位置の座標)を取得し(ステップS962)、その位置に所定の操作対象物を移動させる(ステップS963)。このように、所定の操作対象物を移動させることにより、ユーザは、その操作対象物を押し易くなる。
続いて、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220から近接が検出された際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出し、この基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS964)。続いて、制御部270は、タッチパネル110の表示面における近接を監視し、近接を検出しているか否かを判断する(ステップS965)。近接が検出されていない場合には(ステップS965)、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触を検出しているか否かを判断する(ステップS969)。そして、タッチパネル110の表示面における接触を検出していない場合には(ステップS969)、ステップS971に進む。
また、タッチパネル110の表示面における接触を検出している場合には(ステップS969)、制御部270は、所定の操作対象物(近接位置に移動した操作対象物)に割り当てられている機能を実行する(ステップS970)。例えば、図17および図18に示すように、所定の操作対象物がRECボタン401である場合には、撮像動作を開始する。続いて、制御部270は、表示面において所定の操作対象物を元の位置に戻す(ステップS971)。
また、近接が検出されている場合には(ステップS965)、回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS966)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS967)。一定角以上回転している場合には(ステップS967)、制御部270は、ユーザが近接操作をキャンセルしたとものと判断し、近接が未検出となるまで待機し(ステップS968)、表示面において所定の操作対象物を元の位置に戻す(ステップS971)。一方、一定角以上回転していない場合には(ステップS967)、制御部270は、近接操作が継続中であると判断し、近接が検出されているか否かを判断する(ステップS965)。
このように、本技術の第4の実施の形態では、タッチパネル110における近接操作により操作対象物(例えば、RECボタン401)が、その近接位置に近づいてくる。この場合に、ユーザが情報処理装置100を回転させることにより、その操作対象物の表示位置を元の位置に戻すことができる。これにより、例えば、近接操作をキャンセルする場合に、その近接操作を、機器の回転という簡易的な操作のみで、近接操作を確実にキャンセルすることができるため、操作ミスを防止することができる。すなわち、ユーザが近接操作をキャンセルする場合の操作性を向上させ、ユーザ操作の近接操作を容易にかつ確実に行うことができる。
<5.第5の実施の形態>
本技術の第1乃至第4の実施の形態では、表示面における接触操作または近接操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示した。ここで、表示面における接触操作または近接操作が確定した後に、その操作をキャンセルすることを希望することも想定される。
そこで、本技術の第5の実施の形態では、表示面における接触操作または近接操作が確定した後に、その操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示す。なお、本技術の第5の実施の形態における情報処理装置の構成については、図4、図5等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[情報処理装置の動作例]
図20は、本技術の第5の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転した場合に、確定した操作をキャンセルする例を示す。すなわち、ユーザ操作の入力確定から一定時間以内に所定の姿勢変化を検出すると、その入力前の状態に戻る例を示す。
最初に、制御部270は、タッチパネル110に設定変更メニュー画面を表示させる(ステップS981)。例えば、図6に示す表示画面300が表示される(ステップS981)。続いて、制御部270は、タッチパネル110の表示面における接触を監視し、設定変更ボタンの押下操作が行われたか否かを判断する(ステップS982)。この接触に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。設定変更ボタンの押下操作行われていない場合には(ステップS982)、タッチパネル110の表示面における接触の監視を継続する。一方、設定変更ボタンの押下操作が行われた場合には(ステップS982)、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220から設定変更ボタンの押下操作が検出された際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出する。そして、基準姿勢演算部230は、その基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS983)。
続いて、制御部270は、押下操作が行われた設定変更ボタンに対応する設定値を変更する(ステップS984)。続いて、制御部270は、その設定値が変更された時刻を記憶する(ステップS985)。続いて、回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS986)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS987)。一定角以上回転している場合には(ステップS987)、制御部270は、その押下操作をユーザがキャンセルしたとものと判断し、その押下操作により変更された設定値を元に戻す(ステップS988)。一方、一定角以上回転していない場合には(ステップS987)、制御部270は、その設定値が変更された時刻からの経過時間を算出し、設定変更時から一定時間(例えば、1分間)が経過したか否かを判断する(ステップS989)。
そして、設定変更時から一定時間が経過した場合には(ステップS989)、操作入力処理の動作を終了する。一方、設定変更時から一定時間が経過していない場合には(ステップS989)、ステップS986に戻る。
このように、制御部270は、ユーザ操作が確定してから所定時間が経過するまでの間に、情報処理装置100の姿勢が基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する。
ここで、一般に、情報処理装置の設定値を変更した後にその変更を元に戻す場合には、メニュー画面を再度開き、その設定変更を行う必要がある。これに対して、本技術の第5の実施の形態では、設定変更ボタンの押下操作が行われてから一定時間が経過するまでの間に、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転させることにより、その押下操作により変更された設定値を元に戻すことができる。
これにより、例えば、一度変更した設定値をキャンセルする場合に、機器の回転という簡易的な操作のみで、変更した設定値を確実にキャンセルして戻すことができるため、操作ミスを防止することができる。すなわち、ユーザが設定変更をキャンセルして戻す場合の操作性を向上させ、ユーザ操作のキャンセル操作を容易にかつ確実に行うことができる。
なお、本技術の第5の実施の形態では、1つの表示画面において変更された設定値を元の設定値に戻す例を示す。ただし、例えば、設定値の変更を行う場合に、複数の表示画面の遷移が発生することも想定される。このように、複数の表示画面の遷移が発生する場合についても、本技術の第5の実施の形態を適用して、遷移後の表示画面から元の表示画面に戻すようにすることができる。すなわち、設定変更の操作に応じて1または複数の表示画面に遷移した後に、その操作が行われてから一定時間が経過するまでの間に、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転させる。この回転により、その操作により遷移した表示画面から元の表示画面に戻すことができる。
<6.第6の実施の形態>
本技術の第1乃至第5の実施の形態では、表示面における接触操作または近接操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示した。ここで、表示面における操作以外に、他の操作部材(例えば、ハードキー)を用いた操作をキャンセルすることを希望することも想定される。
そこで、本技術の第6の実施の形態では、所定の操作部材を用いた操作を情報処理装置の回転操作によりキャンセルする例を示す。なお、本技術の第6の実施の形態における情報処理装置の構成については、図4、図5等に示す例と略同様である。このため、本技術の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[操作部材例]
図1に示すように、情報処理装置100は、操作部材121乃至124のようなメカニカルな操作部材を備え、ユーザはそれらの操作部材を押下することにより情報処理装置100を操作することができる。
本技術の第6の実施の形態では、キー入力処理については、操作部材の押下→操作部材の押下解除を検出したときを入力決定として判断し、操作部材の押下中は、入力中と判断するものとする。
[情報処理装置の動作例]
図21は、本技術の第6の実施の形態における情報処理装置100による操作入力処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、情報処理装置100のY軸を回転軸として一定角以上回転した場合に、ハードキーを用いた操作をキャンセルする例を示す。
最初に、制御部270は、ハードキーの押下を監視し、ハードキーの押下操作が行われたか否かを判断する(ステップS991)。この押下に関する情報は、操作受付部210(入力部112)から取得される。ハードキーの押下操作行われていない場合には(ステップS991)、ハードキーの押下の監視を継続する。一方、ハードキーの押下操作が行われた場合には(ステップS991)、基準姿勢演算部230は、姿勢検出部220からハードキーの押下操作が検出された際における姿勢情報を取得して基準姿勢を算出する。そして、基準姿勢演算部230は、その基準姿勢に関する基準姿勢情報を基準姿勢保持部240に保持させる(ステップS992)。
続いて、回転判断部250は、姿勢検出部220から出力された姿勢情報と、基準姿勢保持部240に保持されている基準姿勢情報とに基づいて、基準姿勢からの変化量を算出する(ステップS993)。
続いて、回転判断部250は、その算出された変化量から、情報処理装置100が一定角以上回転しているか否かを判定する(ステップS994)。一定角以上回転している場合には(ステップS994)、制御部270は、その押下操作をユーザがキャンセルしたとものと判断し、その押下が解除されたか否かを判断し(ステップS995)、その押下が解除された場合には、操作入力処理の動作を終了する。すなわち、その押下が解除されるまで待機して、その押下が解除されたことを条件に、その押下操作がキャンセルされる。
また、一定角以上回転していない場合には(ステップS994)、制御部270は、その押下が解除されたか否かを判断し(ステップS996)、その押下が解除されていない場合には、ステップS993に戻る。一方、その押下が解除された場合には(ステップS996)、制御部270は、その押下が解除されたハードキーに割り当てられている機能を実行する(ステップS997)。
ここで、一般に、ハードキーが押下された状態でそのキー入力をキャンセル(無効)にすることは困難であった。これに対して、本技術の第6の実施の形態では、キー入力を容易にキャンセル(無効)することが可能となる。また、ユーザが情報処理装置100の操作中にキャンセルを行うときに、確実にキャンセルを行うことができ、ユーザ操作のキャンセル操作を容易に行うことができる。
このように、本技術の実施の形態では、ユーザ操作として、タッチパネルの接触操作、近接操作、ドラッグ操作、フリック操作、または、ハードキーの押下操作の何れかを用いることができる。なお、ユーザ操作として、これらの操作以外の他の操作を用いる場合についても、本技術の実施の形態を適用することができる。
また、本技術の実施の形態では、静電式(静電容量方式)のタッチパネルを用いる例を示したが、感圧式(抵抗膜圧式)や光式等のタッチパネルを用いるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態では、撮像装置や携帯電話等の情報処理装置を例にして説明した。ただし、タッチパネルや操作部材を備える他の情報処理装置(電子機器)に本技術の実施の形態を適用することができる。例えば、タブレット端末、ナビゲーション装置、ゲーム機等の情報処理装置(電子機器)に適用することができる。
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)等を用いることができる。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
ユーザ操作の受け付けに基づいて決定される情報処理装置の姿勢を基準姿勢として、所定条件を満たすまでの間に前記情報処理装置の姿勢が前記基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する制御部を具備する情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記ユーザ操作の受付中における前記情報処理装置の姿勢の変化に基づいて前記基準姿勢から前記所定量だけ変化したか否かを判断する前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、前記情報処理装置の姿勢として、前記情報処理装置における所定方向を回転軸とする前記情報処理装置の回転量が前記所定量だけ変化した場合に、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記情報処理装置の姿勢として、前記回転軸に対する前記情報処理装置の回転量が前記所定量だけ変化した場合でも、前記情報処理装置が空間上を移動している場合には、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルしない前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記回転軸および前記所定量は、前記情報処理装置の特性および使用状態に応じて設定される前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記所定条件を満たすまでの間に前記情報処理装置の姿勢が前記基準姿勢から前記所定量だけ変化した場合には、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルして前記ユーザ操作の受け付け時に表示されていた表示画面に戻すように制御する前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記ユーザ操作が確定した場合に前記所定条件を満たすと判断する前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、前記ユーザ操作が確定してから所定時間が経過した場合に前記所定条件を満たすと判断する前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記ユーザ操作は、タッチパネルの接触操作、近接操作、ドラッグ操作、フリック操作、または、ハードキーの押下操作の何れかである前記(1)から(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
ユーザ操作の受け付けに基づいて決定される情報処理装置の姿勢を基準姿勢として、所定条件を満たすまでの間に前記情報処理装置の姿勢が前記基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する制御手順を具備する情報処理方法。
(11)
ユーザ操作の受け付けに基づいて決定される情報処理装置の姿勢を基準姿勢として、所定条件を満たすまでの間に前記情報処理装置の姿勢が前記基準姿勢から所定量だけ変化した場合には、前記ユーザ操作により生じた処理をキャンセルするように制御する制御手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。