JP6268335B2 - 関節脱臼に対する整復操作を習得するための疑似関節構造体及び整復操作習得装置 - Google Patents

関節脱臼に対する整復操作を習得するための疑似関節構造体及び整復操作習得装置 Download PDF

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本発明は、疑似関節構造体に関するものであり、特に詳しくは、脱臼した人体の関節を元の状態に戻す整復操作処理を行う場合の、当該整復措置方法の模擬操作、或いはその訓練を実践でき、それによって脱臼した関節の整復処理或いは整復処理方法に不慣れな医療関係者に対して、当該整復措置方法を簡単に且つ短期間で、経験させ、学習させることによって、脱臼した人体の関節の整復処理方法或いは整復操作方法を体得させ、脱臼した関節の整復処理技術を有する専門家を短期間で、直接的に脱臼した患者の当該患部を練習台にする事を必要とせずに、独立的に育成する事を可能にする疑似関節構造体及び当該整復処理操作習得装置に関するものである。
人体には、多種多様な機能を有し、当該各機能を発揮させる為に、それぞれの機能発揮に適合した個別的な構造を有する個別的関節部が複数種備えられている。
例えば、その代表的な関節としては、例えば、顎関節、肩関節、肘関節、手首関節、股関節、膝関節、足関節、指関節等が知られている。
そして、それぞれの関節は、それぞれ特定の機能を発揮する為に、それぞれ個別的で、独特の関節構造を有している。
然しながら、上記各関節の構造は、個々にそれぞれ特徴的な関節構造を有してはいるものの、上記各関節は、略全ての関節に共通した基本的な関節構造を有しているものである。
即ち、図1に示す様に、比較的に球面状を呈する突起部である関節頭5’をその一端部10’に有する第1の骨部2’と、比較的に凹面状を呈する凹陥部である関節窩6’をその一端部11’に有する第2の骨部3’とが、当該関節頭5’と当該節窩6’とを相互に嵌合する様に相互に対向して近接配置されており、当該関節頭5’と当該節窩6’とが相互に対向する面には所謂硝子軟骨と称される関節軟骨膜8’が配置され、且つ、当該関節頭5’と当該節窩6’とが相互に対向する面の間には、骨液を内蔵する関節腔7’が配置されている。
更に、当該関節部の外側には、その周囲を完全に包囲して、当該関節の変位を防止して、関節の動きを安定化する為の、骨膜4’と線維膜13’で構成されている関節包12’が存在している。
更に、上記した各関節構造体に共通した付加的な構成としては、例えば図2に示す様に、当該関節包12’を更に補強する為に、例えば、当該関節包12’の外側両側面を強化するための副靭帯14’や、当該関節包12’の内部を補強する為の関節包内靭帯15’、或いは、当該関節包の周囲を補強する靭帯或いは腱が存在している。
一方、当該各関節部1’に於ける脱臼とは、関節を包んでいる関節包12’が、拡大したり、弛緩したり、或いは当該腱や靭帯等が切断されたりすると当該関節頭5’と当該関節窩6’との間に形成されている関節面が相互にずれてしまうことになるが、係る状態を脱臼と称している。
当該脱臼には、種々の分類があるが、代表的な分類としては、当該関節頭5’と当該関節窩6’との間の関節面が完全にずれていて、相互に対向していない状態を完全脱臼と称し、当該関節面が部分的に対向している状態を亜脱臼と称している。
処で、当該脱臼が発生する原因としても種々考えられており、その代表的な原因の一つとしては、関節頭5’や関節窩6’の骨部の破壊、或いは、当該関節包の拡張、弛緩若しくは当該靭帯や周辺筋肉等の弛緩や麻痺により当該関節部の各構成部の固定が不安定になったり、悪化したりして脱臼が発生する場合である病的脱臼と、何らかの外力が当該関節部に印加されたことにより、当該関節包12’や、当該靭帯14’、15’或いは腱等に切断や弛緩が発生し、当該破断、切断された靭帯或いは腱等の間から当該関節頭5或いは当該関節窩6が当該関節包12’を突き破って外方に突出する外傷性脱臼とが知られている。
又、脱臼に付いての、当該関節面に於ける当該関節頭5’及び当該関節窩6’の相対位置関係により、例えば、近位関節面に対して、遠位関節面が前方に転位している前方脱臼や、反対にその後方に転位している下方脱臼と称する場合と、当該近位関節面に対して、遠位関節面が側方に転位している側方脱臼があり、且つ当該側方脱臼には、内側脱臼と外側脱臼とに細分され、中でも、当該遠位関節面が正中面の方向に転位した場合を内側脱臼と称し、当該遠位関節面が正中面から遠ざかる方向に転位した場合を外側脱臼と称する場合がある。
そして、このような関節部に脱臼が発生した場合には、早急に元の関節の状態に戻す治療が必要であり、その回復操作を整復処理操作と称している。
当該整復処理操作の基本は、当該関節部が脱臼した状態が発生した経路を実質的に同じ経路を逆に辿って、当該関節頭5’を当該関節窩6’内に収める様にすることである。
当該整復処理操作の一つの具体例を示すならば、所定の関節に於ける脱臼した骨部の内、可動骨部、つまり人体の本体部に近接して固定されている状態が多い基部骨部と対応して配置されている骨部を、当該第1及び第2の骨部の共通する長手方向に戻すか、当該骨部を元の配置位置の方向に戻した上で、当該骨部の長手方向に所定の力を加えて伸長させ、当該関節頭5’を当該関節窩6’の中に戻すと言う操作が要求されるものである。
処で、係る脱臼関節の整復処理操作は、当該整復処理操作に精通した専門家である整復トレーナーにより整復治療が行われる。
然しながら、係る整復処理操作に於いては、それぞれの関節に於いて、脱臼状態は、様々な態様があり、その脱臼の程度も、それぞれの状況によって異なるものである事が多く、然も、単なる脱臼の他に、当該靭帯の切断や、当該腱の切断も有りうるため、当該可動骨、通常は当該関節頭5’を有する方の第1の骨部を、如何なる方向に如何なる程度移動させ、その後如何なる引張力を加えて、一定の長さ当該第1の骨部を当該第2の骨部の関節窩6’から引き離し、その上で、当該第1の骨部をどの程度移動させて、当該第2の骨部の関節窩6’内に戻すかと言う操作を瞬時に判断し、即決で実行する事が要求される。
更に、係る整復処理操作に対する当該骨部の伸長の程度、伸長時の付加伸長力等は、患者の年齢や性別、体型等によっても微妙に異なるものであり、画一的でない事も、多くの経験、体験を必要とする環境が存在する。
その為には、当該整復トレーナーは、長年に亘る数多くの当該脱臼関節の整復操作を実践し、経験することにより、それぞれの患者の個別の関節に付いての脱臼に対する適格な整復処理操作を施す事が可能となる。
然しながら、その為には、高度の整復処理操作技術を有する専門の整復トレーナーに付いて、その操作を目視し、且つ当該整復トレーナーの指導若しくはその補助的操作を体験することにより、徐徐に当該整復処理操作を体験し、体得する必要があるので、独立して当該整復トレーナーとして患者の関節の脱臼の治療に当たれるまでには、相当の長期間に亘る、訓練、勉強が要求される事になる。
又、未経験の当該整復トレーナーが脱臼患者の治療をする為に、直接当該患者の当該関節を操作するとなると、当該患者が受ける苦痛は、相当なものがあり、当該患者に大きな精神的不安と危機感を与えてしまうことになるので、当該実践的な学習を効果的に且つ容易に実行する事は極めて困難な状況にあった。
然も、係る環境を改善する為の、訓練施設、訓練装置・器具等は、従来は全く見られていないので、当該整復トレーナーを目指す学生やスポーツトレーナー等にとっては、当該脱臼した関節に対する整復処理操作を学習し、体験する機会は極めて少ないという問題があった。
従来に於ける当該整復処理操作を学習する為の訓練装置としては、例えば、特開2012−173614号公報(特許文献1)に開示されている様に、肘関節部の構造を模倣した疑似肘関節を使用するものであって、当該疑似肘関節に於いては、人体の標準的な肘関節構造を縦方向、つまり長手方向に完全に2分割し、その中間に形成された長手空間部に2本のスプリングを配置して、上腕骨模擬体と前腕骨模擬体とを弾発的に相互に押圧接触させた構造となっている。
然しながら、係る構造では、肘関節は一定の方向のみにしか旋回する事が出来ず、従って、回転や旋回という外力により脱臼した様な状態は到底実現させる事が出来ないのであり、全ての可能性のある肘関節脱臼状態を実現させることは不可能な装置に過ぎないという問題点を含んでいる他、上記肘関節を2分割することにより、整復技術を習得しようとする人が、実際の人体の肘関節の構造を感覚で覚える事は不可能となる事かrも、係る構造による整復処理操作訓練装置としては、実現性の乏しいものである事は明らかである。
一方、実用新案登録第3144317号公報(特許文献2)には、整復技術習得用人体模型教材が示されているが、当該特許文献2では、単に上腕骨部と橈骨部と橈骨遠位端部とからなる腕部の関節構造に関する模擬関節構造体であって、当該橈骨部と橈骨遠位端部の一方を金属材料で構成し、他方に磁石を配置させた構造の装置が示されているが、係る構造に於いても、全ての可能性のある関節脱臼状態を実現させることは不可能であり、整復処理操作訓練装置としては、機能性や効果の点並びにその実現性に於いて乏しいものである事は明らかである。
更に、特開2006−323103号公報(特許文献3)には、脱臼の整復処理技術を習得する為の装置ではないが、関節部の各部位に於ける筋肉の動きに対応する複数の伸縮性のある線条体或いは布帛を関節を被覆する様に多数配置して構成したものであり、筋肉の各部の動きを実習する装置としては、機能するとしても、関節脱臼の整復技術習得には全く用をなさないものである。
特開2012−173614号公報 実用新案登録第3144317号公報 特開2006−323103号公報
従って、本発明の目的は、係る従来に於ける当該脱臼した関節に対する整復処理操作の習得方法についての問題点を解消し、脱臼した関節を元の状態に戻す整復処理を行う場合の、当該整復処置方法の模擬操作、或いはその訓練を実践でき、それによって脱臼した関節の整復処理方法に不慣れな医療関係者、或いはスポーツトレーナーに対して、当該整復措置方法を簡単に且つ短期間で、経験させ、学習させることによって、脱臼した関節の整復処理方法を体得させ、脱臼した関節の整復処理技術を有する専門家を短期間で、直接的に脱臼した患者の当該患部を練習台にする事を必要とせずに、独立的に育成する事を可能にする疑似関節構造体及びその整復操作習得装置を提供するものである。
本発明は、上記した目的を達成するために、基本的には、以下に記載されたような技術構成を採用するものである。
即ち、本発明に係わる当該疑似関節構造体の第1の態様は、人間の体に於ける所定部位に於ける所定の関節構造に近似した構造からなる疑似関節構造体であって、当該疑似関節構造体は、関節頭がその一端部に形成されている第1の疑似骨部材と、関節窩がその一端部に形成されている第2の疑似骨部材とからなり、且つ当該第1と第2の疑似骨部材は、当該関節頭と当該節窩とが相互に嵌合する様に相互に対向して近接配置されており、然も、当該第1と第2の疑似骨部材は、当該第1と第2の疑似骨部材の何れか一方の疑似骨部材の一部若しくは当該疑似骨部材に連接されている第1の補助支持部に、その一端部が固定され、その他端部が直接若しくは適宜の連結部材を介して当該他方の疑似骨部材の一部若しくは当該疑似骨部材に連接されている第2の補助支持部に固定されている適宜の伸縮性弾発部材により、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられており、更に、当該疑似関節構造体は、当該第1と第2の疑似骨部材が、当該両疑似骨部材間での脱臼状態を表示して静止する機能と、当該脱臼状態にある当該疑似関節構造体に於ける当該第1と第2の疑似骨部材の少なくとも一方に所定の力を加えながら所定の方向に伸長させたり或いは押し込みながら所定の方向に変位させるか、旋回させる動作を印加することにより当該脱臼状態を整復させる機能と、を有している事を特徴とする関節脱臼に対する整復操作を習得するための疑似関節構造体である。
本発明に係る当該疑似関節構造体は、上記した様な新規な技術構成を採用した事によって、従来存在していなかった、疑似関節構造体を市場に提供すると同時に、脱臼した関節を元の状態に戻す整復処理を行う場合の、当該整復措置方法の模擬操作、或いはその訓練を実践でき、それによって脱臼した関節の整復処理方法に不慣れな医療関係者、或いはスポーツトレーナーに対して、当該整復措置方法を簡単に且つ短期間で、経験させ、学習させることによって、脱臼した関節の整復処理方法を体得させ、脱臼した関節の整復処理技術を有する専門家を短期間で、直接的に脱臼した患者の当該患部を練習台にする事を必要とせずに、独立的に育成する事を可能にする疑似関節構造体を提供出来ると言う作用効果を奏するものである。
図1は、人間の関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図2は、人間の関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図3(A)乃至図3(D)は、本発明に於ける疑似関節構造体の基本的構成の例を示す断面図である。 図4(A)乃至図4(D)は、本発明に於ける疑似関節構造体に於ける脱臼の発生状態と脱臼を発生させる機構の一例を説明する図である。 図5(A)乃至図5(D)は、本発明に於ける疑似関節構造体に於いて、捻じれによって発生する脱臼の一つの原理を説明する図である。 図6(A)乃至図6(B)は、本発明に於ける疑似関節構造体に於いて、靭帯の影響を付加した疑似関節構造体の構成の一例を説明する断面図である。 図7は、人間の指関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図8(A)乃至図8(C)は、本発明に於ける疑似指関節構造体の構成の1具体例を説明する図である。 図8(D)乃至図8(F)は、本発明に於ける疑似指関節構造体の構成の1具体例を説明する図である。 図9は、人間の肘関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図10(A)乃至図10(B)は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於ける構成の一具体例を説明する図である。 図11(A)は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於いて、当該肘を曲げた場合の状態での構成の一具体例を説明する図である。 図11(B)は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於いて、当該肘を曲げた場合の状態での構成の一具体例を説明する図である。 図12(A)乃至図12(D)は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於いて、脱臼が発生した場合の状況の例を説明する図である。 図13は、人間の足関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図14(A)乃至図14(B)は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於ける一具体例の構成を説明する図である。 図15(A)及び図15(B)は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於ける他の具体例の構成を説明する図である。 図15(C)及び図15(D)は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於ける他の具体例の構成を説明する図である。 図16(A)乃至図16(B)は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於ける脱臼が発生する状況を説明する図である。 図17(A)乃至図17(B)は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於いて、捻じれによって脱臼を発生させる機構の一具体例を示す図である。 図18は、人間の肩関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図19(A)は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に於ける一具体例の構成を説明する図である。 図19(B)は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に於ける一具体例の構成を説明する図である。 図20(A)は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に於いて、脱臼が発生する状況を説明する図である。 図20(B)は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に於いて、脱臼が発生する状況を説明する図である。 図21は、人間の股間関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図22(A)及び図22(B)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体の基本的構成の例を示す斜視図断面図及び側面である。 図22(C)及び図22(D)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体の基本的構成の例を示す側面断面図である。 図23(A)及び図23(B)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体のより詳細な構成を説明する斜視図及び裏面一部拡大図である。 図23(C)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体のより詳細な構成を説明する斜視図である。 図24(A)乃至図24(C)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体に於いて、当該関節頭と当該関節窩に形成される溝部の設置位置及びその形状の具体例を説明する図である。 図25(A)乃至図25(B)は、本発明に於ける疑似股間関節構造体に於いて、発生する脱臼の具体例の形状を説明する図である。 図26は、人間の膝関節の基本的な構成を説明する断面図である。 図27(A)乃至図27(C)は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の一具体例の構成を説明する図である。 図28(A)乃至図28(D)は、本発明に於ける疑似膝関節構造体に於いて、脱臼が発生する状況の例を説明する図である。 図29(A)乃至図27(B)は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の他の具体例の構成を説明する図である。 図30(A)乃至図30(C)は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の別の具体例の構成を説明する図である。 図31(A)乃至図31(B)は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の更に別の具体例の構成を説明する図である。 図32は、本発明に於ける疑似指関節構造体に於ける指関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図33は、本発明に於ける疑似指関節構造体に於ける指関節の脱臼状態の他の例を示す参考図である。 図34は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於ける肘関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図35は、本発明に於ける疑似肘関節構造体に於ける肘関節の脱臼状態の他の例を示す参考図である。 図36は、本発明に於ける疑似足関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図37は、本発明に於ける疑似足関節構造体に於ける足関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図38は、本発明に於ける疑似足関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図39は、本発明に於ける疑似足関節構造体の他の具体例の構成を示す参考図である。 図40は、本発明に於ける疑似肩関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図41は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に於ける肩関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図42は、本発明に於ける疑似股間関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図43は、本発明に於ける疑似股間関節構造体の他の具体例の構成を示す参考図である。 図44は、本発明に於ける疑似股間関節構造体の別の具体例の構成を示す参考図である。 図45は、本発明に於ける疑似股間関節構造体に於ける股関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図46は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図47は、本発明に於ける疑似膝関節構造体の一具体例の構成を示す参考図である。 図48は、本発明に於ける疑似膝関節構造体に於ける膝関節の脱臼状態の一例を示す参考図である。 図49は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を示す斜視図である。 図50は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用されるスプリング機構部の一具体例の構成を説明する斜視図である。 図51は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用される関節頭と関節窩との構成例を説明する図である。 図52は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 53は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 54は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 55は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 56は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 57は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置の一具体例の構成を説明する図である。 図58は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置に使用されるスプリング機構部の一具体例の構成を説明する図である。 図59は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用される関節頭と関節窩との構成例を説明する図である。 図60は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用される関節頭と関節窩との構成例を説明する図である。 図61は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置に使用されるスプリング機構部の一具体例の構成を説明する図である 図62は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置に使用されるスプリング機構部の一具体例の構成を説明する図である 図63は、本発明に於ける関節脱臼整復処理操作習得装置に使用されるスプリング機構部の一具体例の構成を説明する図である 図64は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用される関節頭と関節窩との構成例を説明する図である。 図65は、本発明に於ける疑似肩関節構造体に使用される関節頭と関節窩との構成例を説明する図である。
以下に、本発明に於ける当該疑似関節構造体の構成及び機能を、図面を参照しながら詳細に説明する。
即ち、図3(A)は、本発明に係る当該疑似関節構造体1の一具体例の構成を示す図であり、図中、人間の体100に於ける所定部位に於ける所定の関節構造に近似した構造からなる疑似関節構造体1であって、当該疑似関節構造体1は、関節頭5がその一端部に形成されている第1の疑似骨部材2と、関節窩6がその一端部に形成されている第2の疑似骨部材3とからなり、且つ当該第1と第2の疑似骨部材2,3は、当該関節頭5と当該節窩6とが相互に嵌合する様に相互に対向して近接配置されており、然も、当該第1と第2の疑似骨部材2,3は、当該第1と第2の疑似骨部材2,3の何れか一方の疑似骨部材2、3の一部若しくは当該疑似骨部材2、3の一方に連接されている第1の補助支持部20に、その一端部が固定され、その他端部が、当該他方の疑似骨部材3、2の一部若しくは当該疑似骨部材3、2に連接されている第2の補助支持部22に固定されている、適宜の連結部材21及び/又は適宜の伸縮性弾発部材24により、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられており、更に、当該疑似関節構造体1は、当該第1と第2の疑似骨部材2,3が、当該両疑似骨部材2,3間での脱臼状態を表示して静止する機能と、当該脱臼状態にある当該疑似関節構造体1に於ける当該第1と第2の疑似骨部材2,3の少なくとも一方を伸長させるか、押し込みながら所定の方向に変位させるか、旋回させる動作を付加することにより当該脱臼状態を整復させる機能と、を有している事を特徴とする関節脱臼に対する整復操作を習得するための疑似関節構造体1が示されている。
本発明に係る当該疑似関節構造体1は、それぞれの実際の人体の各関節部に於ける骨部構造と略同じ形状、構造を有する様に形成される必要があり、好ましくは年齢、性別、体型等によっても、異なる疑似関節構造体1を個別に準備しておく事が望ましい。
本発明に於いては、当該疑似関節構造体1を構成する各部の骨部材、つまり第1の疑似骨部材2と第2の疑似骨部材3は、適宜の金属材料、複合樹脂材料を含む合成樹脂材料、炭素繊維等を含む強化プラスチック、適宜の補強材を内蔵する石膏、“オルソプラスト”等の加熱することにより軟化し、冷却することにより固化する性質を有するプラスチック、或いは紙、木材等から選択された材料で、適宜の厚みを有する材料で、それぞれ図3、図4に示される様な個別の構成を有する様に、それぞれ一体的に製造されるものである。
勿論、必要によっては、当該第1及び第2の疑似骨部材2若しくは3のそれぞれを、必要な部品に細分化して、個別に成形し、それらを一体的に組み立てて、完成させたものであっても良い。
本発明に於ける当該疑似関節構造体1の各疑似骨部材2及び3は、内部が充実した筒状体で構成されていても良く、或いは、内部が中空状となっている中空筒状態或いは半円筒状態で構成されたものであっても良い。
更に、本発明に於いては、当該整復処理操作をし易い様に、略全体に亘って、円筒状で、且つそれぞれが所定の人体の実際の部分の外観に近似している外観形状を有する様に、形成されている事が望ましい。
又、本発明に於いては、後述する各種の伸縮性弾発材を含む適宜の調整部材、駆動補助部材等を取り外し、組み付け、或いは修理・調整等の各操作を実行する為に、当該各疑似骨部材2若しくは3の一部を内部が透視できる様に、当該疑似骨部材の外表面を欠落させておく事も望ましい具体例である。
そして、本発明に於いては、当該伸縮性弾発部材24を、当該第1の疑似骨部材2或いは第2の疑似骨部材3の内部空間内に配置させ、当該伸縮性弾発部材24の一端部を当該第1の疑似骨部材2或いは第2の疑似骨部材3の端部に適宜の固定部材27、28を介して固定接合するか、当該第1の疑似骨部材2或いは第2の疑似骨部材3の内部空間内の適宜の部位に、適宜の固定部材27、28を介して固定するものである。
本発明に於ける当該疑似関節構造体1の他の具体例に於いては、図3(B)或いは図3(C)に示す様に、当該第1と第2の疑似骨部材2、3の少なくとも一方、例えば、当該第2の疑似骨部材3の一部に、金属製或いは合成樹脂製、若しくは木製材料から構成された適宜の形状を有する第1の補助支持部20を連接して設けたものであっても良い。
係る第1の補助支持部材20は、後述する様に、脱臼した特定の関節の状態を観察出来る様にする為に、特定の場所に於いて安定的に保持固定するか載置する様に機能すると同時に、脱臼の整復処理操作を体験学習する際にも当該疑似関節構造体1を所定の場所に安定的に固定させると言う機能を有する他、適宜の伸縮性弾発部材24の一端部を固定保持する機能、或いは当該伸縮性弾発部材24の他端部に接続されている適宜の連結部材21の端部を固定保持する機能を有するものであり、且つ本発明に於いて使用される当該固定手段27,28も特に限定されるものではないが、従来周知の適宜の固定部材例えば、ボルトナット、フック、ネジ等の適宜の固定手段27、28、を使用して当該伸縮性弾発部材24及び当該連結部材21を固定する為に使用されるものである。
本発明に於ける当該第1の補助支持部材20は、特に当該関節部の形状が大きい関節、例えば、股関節、肩関節、或いは膝関節等に併用されるものである事が好ましい。
一方、本発明に於ける当該疑似関節構造体の個別的な部材に於いては、当該第1の疑似骨部材2と当該第2の疑似骨部材3とは、略直線的に当該各疑似骨部材2、3の長手方向に沿って、当該関節頭5と当該関節窩6とが相互に接圧されて、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられており、その具体的構成の一例として、例えば、図3(A)に示す様に、当該第1と第2の疑似骨部材2,3は、当該第1と第2の疑似骨部材2,3の何れか一方の疑似骨部材2、3の一部に、その一端部が固定され、その他端部が直接若しくは適宜の連結部材21を介して当該他方の疑似骨部材3、2の一部に固定されている適宜の伸縮性弾発部材24により、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられている構成をとるものであっても良く、或いは、別の具体例として、図3(B)及び図3(C)に示されている通り、当該第1と第2の疑似骨部材2,3は、当該第1と第2の疑似骨部材2,3の何れか一方の疑似骨部材3に連接されている第1の補助支持部材20に、その一端部が固定され、その他端部が直接若しくは適宜の連結部材21を介して当該他方の疑似骨部材2に連接されている第2の補助支持部材22に固定されている適宜の伸縮性弾発部材24により、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられている構成を有するものであっても良い。
更に、本発明に於いては、当該伸縮性弾発部材24は、金属製或いは合成樹脂製のスプリングであっても良く或いはゴム若しくは合成樹脂を主体とする弾性帯状物からなる適宜の伸長性及び伸長回復性を有する部材から構成されるものである。
本発明に於ける当該伸縮性弾発部材24の長さ、太さは特に限定されるものではなく、使用される当該第1或いは第2の疑似骨部材2或いは3、若しくは当該補助支持枠部22の大きさや、当該所定の関節部の所定の構成部位に於いて個別に要求される伸長力、伸長回復力等を勘案して決定される事が望ましい。
また、本発明に於ける当該伸縮性弾発部材24は、当該所定の関節部の特性、性別、年代別の特性要因を勘案して、適宜当該伸長力、伸長回復力等を調整出来る様な調整手段29が設けられているものであっても良い。
当該調整手段29としては、例えば、相互に異なる伸長力或は伸長回復力を有する複数の伸縮性弾発部材24を予め用意しておき、それらを適宜選択する様に構成した選択切り替え手段或は、当該複数種類の伸縮性弾発部材24から選択された複数種類の伸縮性弾発部材24をその長手方向に連続的に接続する様な機能を有する接続状態切り替え手段等が使用出来る。
一方、本発明に於いて使用される、当該伸縮性弾発部材24の他方の端部に接続される当該連結部材21は、少なくとも1本、場合によっては、2本或いはそれ以上の複数本が使用され、且つその構造或いは材料は特に限定されるものではなく、適宜の強度の若干の伸度、伸縮性を有するものである事が望ましく、金属製或いは合成樹脂製線条体、或いは天然繊維若しくは合成繊維からなる糸条体、或いは、革材、合成樹脂シート材等からなる帯状体で構成された線条体等で構成されるものである事が好ましい。
上記本発明に於ける具体例に於いては、少なくとも2本の当該線条を有する連結部材21を使用する場合には、後述する図6に示されている通り、一本の当該連結部材21をその途中の略中央部位置で折り曲げて使用する事が可能であり、更には、当該線条を有する連結部材21の略中央部位置で折り曲部と当該伸縮性弾発部材24の他方の端部との接合部には、後述する図50に示されている様な適宜の構造を持ったか滑車手段125を挿入配置せしめ、当該連結部材21を連続した状態で使用することも好ましい具体例である。
又、更なる具体例としては、当該伸縮性弾発部材24と当該連結部材21をそれぞれ複数本づつ使用する場合にあっては、例えば、図50に示される様に、複数個の滑車手段125を併用すると同時に、当該1本の連結部材21を一連に循環させた後に、その端部同志を適宜の締め継ぎ手段120等を使用して固定させて使用するものであっても良い。
本発明に於ける当該第1若しくは第2の疑似骨部材2,3の一方の疑似骨部材2,3の内部空間内で、当該伸縮性弾発部材24の他方の端部と適宜の結合手段31を介して接合されている当該連結部材21の他方の端部は、例えば、当該第1の疑似骨部材2に於ける当該関節頭5及び第2の骨部材3の当該関節窩6等の略中央部で、好ましくは、当該各第1の疑似骨部材2及び第2の疑似骨部材3の中軸線が通過する部位若しくはその近傍に形成された、適宜の大きさを持つ切り溝部32及び、又は孔部35を貫通して、他方の疑似骨部材内で適宜の接合手段28を介して、その疑似骨部材内部に固定保持されているものである。
或いは、当該連結部材21の他方の端部は、図3(C)に示す様に、当該第1若しくは第2の補助支持部20、22内部に固定保持される様に構成されているものであっても良い。
本発明に於ける当該疑似関節構造体1の更に別の特徴的技術構成としては、先ず、図4に示す様に、当該疑似関節構造体1に於ける当該第1と第2の疑似骨部材2,3の間で、当該関節頭5が当該関節窩6から離脱した脱臼状態を安定した状態で表示する為に、当該両疑似骨部材2,3を相互に所定の方向に折り曲げるか、或いはその一方の疑似骨部材を他方の疑似骨部材に対して、捻じるか旋回させることによって、当該脱臼状態を創設し、当該脱臼状態をそのままの状態に保持させておく事が可能な機構を有するものである。
つまり、本発明に係る当該疑似関節構造体1に於いては、当該疑似関節構造体1の使用者が任意の時点で、任意の状態の脱臼状態を作り出し、その脱臼状態をそのままの状態に保持させておく機能を有するものである。
更に、本発明に於ける当該疑似関節構造体1の更に他の特徴的技術構成としては、当該疑似関節構造体1に於ける当該第1と第2の疑似骨部材2,3の間で形成された当該脱臼状態にある当該疑似関節構造体1に於ける当該第1と第2の疑似骨部材2,3の少なくとも一方を伸長させながら所定の方向に変位させるか旋回させる動作を印加することにより当該脱臼状態を正常な関節構造の状態に整復させる機能を発揮出来る構成を有しているものである。
一方、図3(C)の具体例では、所望の疑似関節構造体に於ける当該第1と第2の疑似骨部材2,3同士の相互接圧に於いて、当該伸縮性弾発部材24と当該連結部材21の接続係合方式が上記した各具体例のものとは異なり、当該伸縮性弾発部材24が、当該関節頭5を含む当該第1の疑似骨部材2内に設けられている構成を有している。
本発明に於ける上記した特徴的技術構成を実現させる為に、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於いては、上記した当該伸縮性弾発部材24と当該連結部材21の作用により、当該第1と第2の疑似骨部材2,3を当該関節頭5と当該関節窩6とを相互に対向させた状態で相互に所定の押圧力の下で、相互に接圧された状態を形成しておき(これが正常な関節の動作状態を示す)、同時に、当該第1と第2の疑似骨部材2,3の当該関節頭5と当該関節窩6の少なくとも一部に於ける所定の部位に、線条体である当該連結部材21を、所望の特定の疑似関節部に於ける所定の脱臼状態に於いて、当該関節頭5の所定の部位及び当該関節窩6の所定部位に誘導する様に構成せしめる為に、一つ或いは複数個の溝部32或いは穴部35を設けるものである。
即ち、図4(A)及び図4(B)に示す様に、当該関節頭5と当該関節窩6の少なくとも一方の少なくとも一部で、当該関節頭5或いは当該関節窩6の外縁部からその内部に向けて形成された1本或いは複数本の切込溝部32を設けるものであり、係る切込溝部32の数は、当該連結部材21の使用本数により決定されるものである。
尚、図4(B)に於ける符号35は、当該関節頭5と当該関節窩6の略中央部であって、当該連結部材21が、正常な関節状態にある場合に当該関節頭5と当該関節窩6を貫通する為に予め設けられている穴部である。
係る穴部35は、当該関節頭5と当該関節窩6の略中央部に必ず設けられるものであり、当該切込溝部32が設けられる場合には、当該穴部35と当該切込溝部32とは相互に連通せしめられている事が望ましい具体例である。
又、当該切込溝部32の長さ或いはその形状は特に限定されるものではなく、当該関節に於ける脱臼状態の発生状況を勘案して決定する事が可能である。
更に、当該切込溝部32が複数個設けられる場合には、それぞれの長さ或いはその形状及び当該切込溝部の長手方向等は特に限定されるものではないが、相互に異なるものであっても良く、特に当該切込溝部32のそれぞれの形成方向は、当該関節部の脱臼の発生方向に応じて設計され、設定される事が望ましい。
その為に、本発明では、事前に多数の関節脱臼の発生原因、発生状態、発生方向等に関す情報を集め、当該情報から、当該所定の脱臼に於いて、当該第1若しくは第2の疑似骨部材2、3が如何なる挙動を示して脱臼状態が発生するかを想定して、決定する事が望ましい。
本発明に於ける当該切込溝部32は、図4(A)或いは図4(B)に示す様に、当該関節頭5の略中央部に当該伸縮性弾発部材24と連結されている当該連結部材21が通過する穴部35の近傍に別途に形成しておく事も可能であり、或いは、当該穴部35と連通して形成したものであっても良い。
当該切込溝部32を上記した部位に配置する事により、図4(A)或いは図4(C)に示す様に、当該関節1が脱臼し、当該関節頭5が、当該関節窩6から離脱した状態に於いて、当該伸縮性弾発部材24と連携している当該連結部材21が、当該穴部35と当該切込溝部32とに緊張状態下で配置せしめられるので、当該脱臼状態が、安定的に維持保存されるのである。
即ち、係る穴部35と当該切込溝部32等は、当該所定の関節が正常である場合には、外部から観察する事ができないが、当該所定の関節が脱臼になった場合に、外部から観察する事が出来る。
更に、本発明に於いては、当該切込溝部32は、後述する様な、例えば、補助線条体或は補強線条体等の他の機能を有する線条体も通過出来る様な溝部であっても良く、当該溝部は、当該関節頭5や当該関節窩6内部のみに設けられる事に限定はされず、例えば、当該第1又は第2の疑似骨部材2或いは3の当該関節頭5や当該関節窩6の外表面若しくは当該関節頭5や当該関節窩6に近接した部位の外表面等にも適宜の長さ或は適宜の形状、若しくは適宜の幅等を有する一つ或は複数個の当該溝部を形成配置することも可能である。
本具体例では、当該関節頭5や当該関節窩6に、単に当該溝部32のみが形成させるものであってもよく、図4(B)に示す様に、当該通過用の穴部35と当該切込溝部32とを連通して形成したものであっても良く、或いは、長さや形状或いは溝の長手方向中心軸線の向き等を相互に異にした一つ或いは複数個の当該切込溝部32を設ける事も可能である。
当該切込溝部32の配置位置或いは配置方向等は、前記した様に、当該所定の関節部に於ける脱臼の発生する可能性の高い方向に当該縮性弾発部材24或いは当該連結部材21が、容易に誘導される様に配置条件等を決定する事が可能である。
そして、当該脱臼状態を正常な関節構造に回復させる整復処理操作を行うに際しては、例えば、当該第1又は第2の疑似骨部材2又は3を、当該伸縮性弾発部材24の収縮力に抗して、所定の長さだけ、当該第1又は第2の疑似骨部材2或いは3の長手方向に沿って、或いは当該第1又は第2の疑似骨部材2或いは3の長手方向とは異なる予め決定されている方向に伸長、或いは引張若しくは旋回又はねじれを付与することにより、当該関節頭5を当該関節窩6の凹陥部内に戻す操作を実行するが、当該切込溝部32が、当該第1又は第2の骨部材2の当該伸長方向或いは旋回、ねじれ方向のガイド的役割を演出するものである。
又、図5(A)に示す様な、本発明に於ける当該脱臼状態が、当該第1とは第2の疑似骨部材2、3の内の一方の疑似骨部材3を捻じることにより発生させる様な関節脱臼構造である場合には、例えば、図5(B)或いは図5(C)に示す様に、当該一方の疑似骨部材2の外方周縁側壁部の適宜の部位に適宜のピン部40を固定して設けると共に、当該他方の疑似骨部材3の外方周縁側壁部に適宜の部位に、当該ピン部40に当接する適宜の形状を有するカム部42若しくはテ―パ状部分42を設け、当該他方の疑似骨部材3を当該一方の疑似骨部材2の中空部内に回転自在に挿入し、当該カム部若しくはテ―パ状部分42を当該ピン部40と摺動接触させる事によって、当該他方の第2の疑似骨部材3を当該第1の疑似骨部材2内で、所定の角度内で旋回させたり、捻じれ操作を行う事により、当該第2の疑似骨部材3が、捻じれながら当該第2の疑似骨部材3の軸方向に伸長して所定の脱臼状態を創出させる事が可能となり、又当該操作の逆の操作を実行することによって、当該脱臼状態に対する整復操作が実行される事になる。
勿論、本具体例では、当該第1の疑似骨部材2と当該第2の疑似骨部材3とは、前述の様に、適宜の当該縮性弾発部材24及び又は当該連結部材21によって、相互に当該関節頭5と当該関節窩6とを介して相互に押圧接合されているものである。
本具体例に於いては、図5(D)に示す様に、当該カム部若しくはテ―パ状部分42の一端部に、当該ピン部40を嵌入させて、当該カム部若しくはテ―パ状部分42の動きを静止させる為の凹部43を設ける事が好ましく、係る凹部43に当該ピン部40を嵌入させて当該第2の疑似骨部材3の捻じれを終息させて、その状態に維持する事が出来る。
又、当該凹部43に当該ピン部40嵌入させて当該第2の疑似骨部材3の捻じれを静止させた位置は、当該関節部に於いて脱臼が発生した場合の当該第2の疑似骨部材3の最大上昇位置を示す事になる。
従って、図5(D)中、当該凹部43の上下方向の高さ位置は、当該関節が正常な状態にある場合に、当該カム部若しくはテ―パ状部分42が当該ピン部40と当接する高さ位置よりも低い位置に設定されるものである。
本発明に係る当該疑似関節構造体1に於いて、図3(A)に示す具体例では、当該連結部材21は、当該疑似骨部材2,3の何れかの内部空間部内に配置されているが、本発明に於ける他の具体例に於いては、当該連結部材21の少なくとも一部は、当該疑似関節構造体1に於ける当該疑似骨部材2又は3の外部表面に配置されている事も好ましい具体例である。
即ち、図3(A)に於ける点線21A又は21Bで示す様に、少なくとも一本の当該連結部材21の一部が、当該伸縮性弾発部材24との結合部位から直接的に或いは一部、当該疑似骨部材2,3の何れか一方の内部に配置された後、当該関節部1の外表面に沿って配置された後、再び当該疑似骨部材3、2の他方の内部に挿入され、所定の部位に固定される様に構成されているものであっても良い。
当該連結部材21が複数本並列的に使用されている場合には、その一部の連結部材21が上記構成を採用するものであっても良く、或いは全ての連結部材21が、上記した構成を採用するものであっても良い。
本発明に於ける上記の技術構成に於いて、当該疑似関節構造体1の関節部の外部表面に配置されている当該適宜の連結部材21は、靭帯或いは腱の機能と類似した機能を発揮する様に構成されているものである。
又、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於ける更に別の具体例に於いては、図6(A)に示す様に、当該第1の疑似骨部材2若しくは当該第2の疑似骨部材3に設けられた当該伸縮性弾発部材24に平行して当該連結部材21と同一或いは異なる伸度、強度を有する補助線状体50を配置し、当該補助線状体50の一方の端部51を、当該伸縮性弾発部材24の一端部が固定されている当該疑似骨部材2又は3の所定の部位P2の近傍部P1に接合すると共に、当該補助線状体50の他方の端部52を、当該伸縮性弾発部材24の当該他端部31に接合させた構成を採用するものであっても良い。
係る具体例に於いては、当該補助線状体50は,靭帯若しくは腱の機能と類似した機能を発揮する様に構成されているものであって、当該補助線状体50の当該疑似骨部材2,3に接合されている当該一端部51は、当該疑似骨部材2,3に、適宜の接合手段55を介して着脱自在に接合されている事が好ましい具体例である。
より具体的には、当該疑似骨部材2又は3の何れか一方の端部に当該伸縮性弾発部材24の一端部27を固定している部位P2に近接した部位P1に図6(B)に示す様な、例えば、L字状の溝部53と円形部54とを接合した形状を有する穴部52を設け、当該穴部52の当該円形部54の内径よりも小さいが、当該溝部53の幅よりも大きな直径を有する適宜の係止部材55に当該補助線状体50の一方の端部を接合固定し、当該係止部材55を当該穴部52の当該円形部54から挿入した後、当該係止部材55を当該溝部53内に移行させて、当該補助線状体50を着脱自在に固定するものである。
係る構成を採用することによって、本発明に係る当該補助線状体50の当該一端部を当該疑似骨部材2,3から離反させることにより、当該関節1の脱臼状態に於いて、靭帯或いは腱が切断されている状態を顕出させる様に構成されているものである。
即ち、本具体例に於いては、当該疑似関節構造体1に於いて、当該補助線状体50が、実際の関節部1に於ける靭帯或いは腱の機能と類似した機能を発揮する様に構成されているものであり、当該補助線状体50を当該疑似骨部材2又は3に対して着脱自在に接合固定しておく事によって、当該疑似関節部に於ける靭帯或いは腱の機能が正常に機能している場合と、当該靭帯或いは腱が切断或いは破壊されてその機能が消失されている場合との状況を作り出せることになり、当該整復処理操作を体験、学習する人にとっては、上記した両方の脱臼状態に対処する整復処理操作を体験・実習する事が可能となる。
一方、本発明に係る当該疑似関節構造体1が大型である場合には、例えば、膝関節部である場合には、当該疑似関節構造体1の当該第1と第2の疑似骨部材2,3を接合する為、例えば、図27乃至図30に示される様な補助接合線状体803、804或いは809 810等が更に使用されるものであっても良い。
又、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於いて、複数個の個別的な関節群が略直列的に配置されている様な関節を表す当該疑似関節構造体1、例えば、指関節に関する当該疑似関節構造体1に於いては、複数個の当該疑似骨部材2又は3がその長手方向に沿って直列的に連結されているものであっても良い。
更に、上記した通り、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於いて、当該疑似関節構造体の当該第1と第2の疑似骨部材の相互接合面部、つまり当該関節頭5或いは当該関節窩6の何れか一方或いはその双方の一部分に、例えば、図8に例示される様な穴部86若しくはスリット状の溝部87が設けられているものであっても良い。
即ち、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於いては、上記した通り、何れかの当該疑似関節構造体の当該第1と第2の疑似骨部材間に於ける当該脱臼状態を形成し維持するために、当該第1と第2の疑似骨部材の少なくとも一方に当該脱臼状態の方向性を指定する為の当該伸縮性弾発部材24、或いは当該連結部材21若しくは当該補助線状体が通過しうる溝部87或は穴部86が少なくとも1個形成されているものである。
一方、本発明に於ける当該疑似関節構造体1に於いて、当該疑似関節構造体が膝関節である場合には、当該疑似関節構造体は、上記した様な基本的な疑似関節部の構造を有すると共に、更に膝蓋骨が適宜の伸縮性弾発部材と適宜の補助線状体を介して、当該第1及び第2の疑似骨部材の接合部位近傍に変位可能な状態で配置されているものである事も好ましい具体例である。
上記した通り、本発明に係る当該疑似関節構造体1は、人体が持っている各種の関節構造体の構成と機能を有する疑似関節構造体であるが、従来知られている単なる関節構造の模型ではなく、当該人体が持っている各種の関節構造体の正常な動作に略近似する様な動作が実現される様に構成されているものであり、例えば、各種の関節構造体の正常な状態に於いて脱臼が発生する際にそれぞれの関節構成体にどのような力が作用するかを事前に検査、分析し、それに近似した力が入力されると脱臼する様に設計されたものであると同時に、それぞれの個別的特定の関節構造体に於いて、事前の多くの実験や観察を通じて得られた情報を元にして、良く発生する或いは頻繁に発生するタイプの脱臼の状況を把握し、当該それぞれの脱臼状態を容易に再現性良く再現させる事が出来ると共に、当該発生させた脱臼の状態をその形のまま静止させて保持し、且つ観察出来る様にするものであり、更に、当該脱臼発生状態から当該関節構造体の正常な状態に戻す操作である整復処理する際に、当該脱臼状態に適した方法で、実際に、如何なる関節部分をどの様な方向にどの程度動かし或いはその際にどの様な力を印加して如何なる方向に引き延ばすか若しくは押し込むかの操作をしたら良いかについて、当該適正な操作を体験しながら実際の整復方法の訓練を繰り返し実行する事が出来る。
従って、本発明に係る疑似関節構成体では、脱臼患者に直接触れながら、整復操作を実習方々会得する事が可能となるので、当該患者に苦痛を与える事無く、独自に、しかも容易に短期間で、当該脱臼の整復処理操作を体得する事が可能となる。
以下に、実際の人体上のそれぞれの関節部に対応した、本発明に係る当該疑似関節構造体1に関する具体的な構造例を個別に図面を参照しながら詳細に説明する。
1.指関節に対応した疑似関節構造体:
本発明に於ける指関節に対応した当該疑似指関節構造体80の構成の一具体例として、手の骨部に於ける人差し指に対応した当該疑似指関節構造体80の例を以下に示す。
即ち、図7に示す様に、一般的な人間の手に於ける人差し指は、中手骨71と、基節骨72と、中節骨73及び末節骨74がそれぞれの長手方向軸に沿って、直列的に配置されているものであり、当該中手骨71の関節頭部715と当該基節骨72の関節窩726とが対向して中手指節間関節75を形成し、当該基節骨72の関節頭725と、当該中節骨73の関節窩736とが対向して近位指節間関節76を形成し、且つ、当該中節骨73の関接頭735と当該末節骨74の関節窩746とが対向して遠位指節間関節77を形成しているものである。
係る実際の指関節に対応した本発明に係る当該疑似関節構造体80の構成の一例としては、図8(A)乃至図8(F)に示す様に、適宜の形状を呈する補助支持部85の一端部に設けられた、当該中手骨71に対応する第1の疑似骨部材81が配置されており、当該第1の疑似骨部材81の当該第1の補助支持部85の一端部から突出している当該第1の疑似骨部材81の自由先端部には、関接頭部815が設けられている。
又、当該第1の疑似骨部材81の当該関接頭部815に対向して、基節骨72に対応する第2の疑似骨部材82が、当該第2の疑似骨部材82の一端部に設けられている関節窩826が当該関接頭部815に対向する様に、隣接して配置されており、上記した中手指節間関節75に相当する関節部875を形成するものである。
更に、当該第2の疑似骨部材82の他端部に設けられている関節頭825に対向して、中節骨73に対応する第3の疑似骨部材83であって、当該第3の疑似骨部材83の一端部に設けられている関節窩836が対向する様に、隣接して配置されており、上記した近位指節間関節76に相当する関節部876を形成するものである。
更に、当該第3の疑似骨部材83の他端部に設けられている関節頭835に対向して、中末節骨74に対応する第4の疑似骨部材84であって、当該第4の疑似骨部材84の一端部に設けられている関節窩846が対向する様に、隣接して配置されており、上記した遠位指節間関節76に相当する関節部877を形成するものである。
本具体例に於いては、上記した各疑似骨部材81乃至84は、それぞれの疑似骨部材の長手方向軸に沿って、直列状に連結固定されるものであり、当該連結には、当該第1の補助支持部85内に配置された適宜の伸度、伸長特性を有するスプリング等からなる伸縮性弾発部材24と当該伸縮性弾発部材24に連結された連結部材21とによって、それぞれの連結部位に於いて、相互に適度の接圧応力が印加される様に構成されるものである。
例えば、当該第1の補助支持部85内に配置された適宜のスプリング24の一端部を当該第1の補助支持部85の適宜の部位に於いて、適宜の固定手段27を使用して固定配置すると同時に、当該スプリング24の他方の端部には、適宜の強度或いは低い伸度を有する適宜の材料からなる連結部材21を連結し、当該連結部材21を、上記した各疑似骨部材の内部空間部を挿通させて、当該第4の疑似骨部材84の内部の適宜の部位に適宜の固定手段(第2の補助支持部)28を介して固定する。
本具体例に於ける当該個々の疑似骨部材81乃至84及び当該第1の補助支持部85は、前記した様な適宜の材料で略中空状の円筒体或いは半円筒体の形成しており、その両端部は、それぞれ当該関節頭5と関節窩6が設けられており、当該部分に当該連結部材21が通過する為の通過孔86を除いては閉鎖状態を形成している。
実際の指関節に於いて発生する脱臼の形態の代表的な状態の一例は、図8(F)に示される様に、ある関節部に於いて当該関節頭部5が関節窩部6から横方向にずれて、離脱することにより発生するものである。
係る指関節部に於ける脱臼の状態を本発明に係る当該疑似指関節構造体1で出来るだけ忠実に表現する為に、具体的には、以下に示す様な構成を採用している。
つまり、本具体例に於いては、当該疑似関節構造体1に於いて、意図的に脱臼状態を形成させる為に、図8(E)に示す様に、当該個々の疑似骨部材81乃至84及び当該補助支持部85が相互に接合しあって形成されている個々の関節部875乃至877の少なくとも一つに於ける当該関節頭5若しくは当該関節窩6の何れか一方若しくは双方に、当該関節頭5若しくは当該関節窩6の略中心部に設けられた当該通過孔86から放射状に当該関節頭5若しくは当該関節窩6の周縁部方向に延びた少なくとも一つの溝部87が設けられる事が望ましい。
当該溝部87の長さや深さ或はその本数は特に限定されるものではないが、当該指関節に於ける脱臼が発生しやすい骨部と発生する脱臼の方向や脱臼の形状を勘案して、適宜決定することが出来る
図8(C)及び図8(D)は、当該疑似指関節部に於ける特定の脱臼状態を発生させた状態を示している。
本発明者が実際に作成した当該疑似指関節構造体1のモデルに於いて、上記した指関節の脱臼の状況を表現した状態を撮影したものが、参考図である図32及び図33に示されている。
本発明に於ける当該疑似指関節部に於いて、一例として、図8(C)に示す様な脱臼状態が発生した場合に、当該関節部に対して脱臼整復処理する場合に、脱臼整復処理者は、図8(C)に示す矢印Xの方向に当該脱臼した関節部の疑似骨部材を所定の張力を掛けて伸長し、その後、当該伸長力を解除することにより、脱臼を整復させることが出来る。
つまり、本発明に於ける当該疑似関節構成体1は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
2.肘関節に対応した疑似関節構造体:
次に、本発明に於ける、肘関節に対応した当該疑似関節構造体1の構成の一具体例を以下に示す。
即ち、図9(A)及び図9(B)に示す様に、一般的な人間の肘関節は、腕尺関節90と称されており、基本的には、上腕骨91と尺骨92及び橈骨93の3個の骨が一つの関節包94に包まれて形成されており、特には、当該上腕骨91の下端部に形成されている当該関節頭5に相当する上腕骨滑車95と当該尺骨92の上端部に形成されている当該関節窩6に相当する、湾曲状の滑車切痕96との間に形成される上腕尺関節部97と、当該上腕骨91の別の下端部に形成されている当該関節頭5に相当する上腕骨小頭98と、当該橈骨93の上端部に形成されている、関節窩6に相当する関節環状面部99との間に形成される腕橈尺節部900を含んで構成されている。
係る実際の肘関節に対応した本発明に係る当該疑似肘関節構造体101の構成の一例としては、図10(A)乃至図10(B)に示す様に、当該上腕骨小頭98に対応する疑似上腕骨小頭1098と、当該上腕骨滑車95に対応する疑似上腕骨滑車1095とがその一端部に形成されている、当該上腕骨91の一部に対応する疑似上腕骨部104と、当該橈骨93に対応する疑似橈骨の一部であって、その一端部に当該疑似上腕骨小頭1098と相互に嵌合する当該関節環状面部99に対応する疑似関節環状面部1099を有する疑似橈骨106と、当該尺骨92に対応する疑似尺骨の一部であって、その一端部に疑似上腕骨滑車1095と相互に嵌合する当該滑車切痕96に対応する疑似滑車切痕1096を有する疑似尺骨107とから構成され、それらが相互に近接して配置されることによって、疑似上腕尺関節部108と疑似腕橈尺節部109とが形成されており、且つ当該疑似上腕骨部104の他方の端部は、適宜の補助支持機能を有する第1の補助支持部材102に接続されており、又、当該疑似橈骨106と、当該尺骨92に対応する疑似尺骨の一部であって、その一端部に疑似上腕骨滑車1095と当該疑似尺骨107の個々の他方の端部は、適宜の補助支持機能を有する第2の補助支持部材103に接続されている。
上記した図10(A)乃至図10(B)に於いては、当該疑似肘関節構造体101は、肘部分が伸ばされて直線状態にある場合の構成例を示したものである。
本具体例に於いては、当該各疑似骨部材及び当該各補助支持部材の形状、各寸法は特に限定されるものではないが、実際の肘関節の大きさを勘案して任意に決定することが可能である。
一方、当該各疑似骨部材及び当該各補助支持部材は、何れも略円筒形で中空状に形成される事が望ましく、又各部材の形成材料も特に限定されるものではなく、前記した具体例で使用された原材料を使用することが可能である。
一方、本具体例に於いては、上記した各疑似骨部材104、106、107は、それぞれの疑似骨部材の長手方向軸に沿って、直列状に連結固定されるものであり、当該連結には、当該第1の補助支持部102の所定の部位27にその一端部が配置固定された適宜の伸度、伸長特性を有するスプリング等からなる伸縮性弾発部材24と、当該伸縮性弾発部材24の他方の端部に一方の端部が連結され、その他方の端部の当該第2の補助支持部103内に配置された適宜の部位28に固定されている連結部材21とによって、それぞれの疑似関節部に於いて、それぞれの疑似骨部材同士が、相互に適度の接圧応力が印加される様に接合された構成を有するものである。
本具体例に於いて使用される当該連結部材21は、何れも当該各疑似骨部内部の中空空間部内に配置されるものであり、その材質、固定方法、伸度、伸長力、強度等は、前記した具体例の場合と同様に任意に設定することが可能である。
当該連結部材21は、当該疑似尺骨107と当該疑似橈骨106の内部を個別に通過させることが望ましく、当該個々の連結部材21を一つのスプリング24と連結させておく事が好ましい。
或いは、前記した様に、当該伸縮性弾発部材24の端部と当該連結部材21の端部との接合係合部に、滑車手段125を配置する事も可能である。
又、本具体例では、更に別の連結部材を当該疑似肘関節部101の外表面を部分的に這わすことによって、靭帯或は腱が存在している状態を実現させることも可能である。
本具体例に於ける当該個々の疑似骨部材104、106及び107は、前記した様に適宜の材料で略中空状の円筒体の形成しており、その両端部は、それぞれ当該関節頭5と関節窩6がそれぞれに設けられており、当該部分に当該連結部材21が通過する為の通過孔86を除いては閉鎖状態を形成している事が望ましい。
更に詳細に説明するならば、図10(A)は、本発明に係る当該疑似肘関節構造体101を正面から見た正面図であって、当該疑似肘関節部101に於ける当該疑似上腕骨部104と当該疑似尺骨107及び当該疑似橈骨106との配置関係が明確に示されており、特に、当該疑似上腕骨滑車1095の一部と、これと相互に嵌合する当該疑似滑車切痕1096の一部には、当該連結部材21が挿入され通過しうる所定の大きさの穴部86とそれと連通している、所定の形状並びに所定の長さと幅を有する溝部87とが相互に対向する様に配置されており、同様に、当該疑似上腕骨小頭1098の一部と、これと相互に嵌合する当該疑似関節環状面部1099の一部にも、当該連結部材21が挿入され通過しうる所定の大きさの穴部86とそれと連通している、所定の長さと幅を有する溝部87が相互に対向する様に配置されている。
本具体例に於いては、当該溝部87は、前述した当該連結部材21が、当該疑似肘関節部構成体101が正常な状態にある場合に当該各疑似骨部材104、106及び107を貫通して通過する為に設けられた穴部86と連通している事が好ましい。
尚、図10(A)では、当該疑似肘関節部101に於ける肘部が直線状に伸びた状態にある場合の正面図である。
一方、図10(B)は、図10(A)と同様に、本発明に係る当該疑似関節構造体101に於ける肘部が直線状に伸びた状態にある場合の裏面図であり、図11(A)は、本発明に係る当該疑似関節構造体1の左側面図であって、当該肘関節部が直角に曲げられている場合の状態を示す図である。
又、図11(B)は、当該肘関節部が直角に曲げられている場合の状態を示す斜視図である。
上記した何れの図に於いても、当該伸縮性弾発部材24と当該連結部材21の当該第1と第2の補助支持部材102、103に於ける取付状態の例を示すと共に、当該各疑似骨部材内に於ける当該連結部材21の配置状況の例を示している。
本発明者が実際に作成した当該疑似肘関節構造体101のモデルの一具体例の構成を示す写真が参考図の図34に示されており、又、当該モデルに於ける脱臼状態の一例を示す写真が、参考図の図35に示されている。
又、図12(A)及び図12(B)は、本発明に係る当該疑似肘関節構造体101に於いて、良く発生する脱臼状態の代表的な形成例の一例を示す側面図であり、関節頭5である当該疑似上腕骨滑車1095の一部が、関節窩6である当該疑似滑車切痕1096からその一部が離脱している状況を示すものである。
即ち、図12(A)では、当該関節窩6から、当該疑似上腕骨部疑似骨部材104の当該関節頭5が当該疑似上腕骨部疑似骨部材104の長手方向にずれたことによって、脱臼が発生した場合の状態を示している。
係る脱臼状態では、当該連結部材21は、図示の様に、当該疑似上腕骨滑車1095と当該疑似滑車切痕1096に設けられた当該溝部87に引き込まれた状態で当該両疑似骨部材1095と1096の内部空間を斜めに走る様な形状を示して当該脱臼状態を静止安定状態に維持することが可能となる。
係る状況は、当該疑似上腕骨小頭1098と当該疑似関節環状面部1099との間でも同じように発生している。
また、図12(B)は、本発明に係る当該疑似関節構造体1に於いて別の脱臼状態が発生した場合の一例を示す側面図であり、当該疑似上腕骨部104が、当該疑似尺骨107と当該疑似橈骨106の方向に折れ曲がり、当該疑似上腕骨滑車1095が、当該疑似滑車切痕1096から完全に離脱している状況を示すものである。
係る脱臼状態に於いでは、当該連結部材21は、図示の様に、当該疑似上腕骨滑車1095に設けられた当該溝部87の下端部で折れ曲がり、当該疑似滑車切痕1096に設けられた当該溝部87を介して当該疑似滑車切痕1096内部に引き込まれる。
係る構成によって、当該脱臼状態を静止安定状態に維持することが可能となる。
図12(C)は、そのような状況を当該疑似滑車切痕1096側から見た正面図であり、図12(D)は、その斜視図である。
係る脱臼状態を撮影した写真が参考図である図35に示されている。
又、係る状況は、当該疑似上腕骨小頭1098と当該疑似関節環状面部1099との間でも同じように発生している。
即ち、本具体例に於いては、図10乃至図12に示す様に、当該疑似肘関節構造体101に於いて、意図的に脱臼状態を形成させる為に、当該個々の疑似骨部材104、106及び107が相互に接合しあって形成されている個々の関節部109及び108の少なくとも一つに於ける当該関節頭5若しくは当該関節窩6の何れか一方若しくは双方に、当該関節頭5若しくは当該関節窩6の略中心部に設けられた当該通過孔86と、当該過孔86から、例えば図8(E)に示されている様な放射状に当該関節頭5若しくは当該関節窩6の周縁部方向に延びた少なくとも一つの溝部87が設けられる事が望ましい。
当該溝部87の長さや深さ或はその本数は特に限定されるものではないが、当該肘関節に於ける脱臼が発生しやすい骨部と、発生する脱臼の方向、や脱臼の形状を勘案して、適宜決定することが出来る
本発明に於ける当該疑似肘関節部に於いて、一例として、図12(A)及び図12(B)に示す様な脱臼状態が発生した場合に、当該関節部に対して脱臼整復処理する場合に、脱臼整復処理者は、図12(A)及び図12(B)に示す矢印Yの方向に当該脱臼した関節部の疑似骨部材を所定の張力を掛けながら持ち上げつつ旋回させ、その後、当該伸長力を解除することにより、脱臼を整復させることが出来る。
つまり、本発明に於ける当該疑似関節構成体1は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
3.足関節に対応した疑似関節構造体:
次に、本発明に於ける、足関節に対応した当該疑似足関節構造体141の構成の一具体例を以下に示す。
即ち、図13に示す様に、一般的な人間の足関節は、腓骨131と脛骨132及び距骨133とによって、構成されており、通常距腿関節134と称されており、基本的には、当該脛骨の下関節面135と当該脛骨の端部内面136及び当該腓骨の下端部内面137とにより関節窩6が形成されると共に、当該距骨133の上面部に形成された距骨滑車138によって、関節頭5が形成され、その両者が相互に嵌合しあって当該距腿関節134が形成されているものである。
係る実際の脚関節に対応した本発明に係る当該疑似足関節構造体141の構成の一例としては、図14(A)乃至図16(B)に示す様に、当該腓骨143と脛骨144とを一体化した外観形状を呈する中空円筒体からなる疑似脚部142と、拒骨部、足根骨部、中足骨部、及び指骨部等が一体化されて内蔵された外観形状を示す中空状の擬似足先部151とを有し、当該疑似脚部142の下端部と当該擬似足先部151の上端縁部との間に、擬似距腿関節148が形成されているものである.
本具体例に於ける当該擬似距腿関節148についてより詳細にその構成を説明するならば、図14(A)及び図14(B)に示す様に,当該疑似脚部142の下端部に一体的且つ連続的に形成された、当該脛骨132の下端部関節面135に対応する疑似脛骨144の疑似下端部関節面146と、当該脛骨132の端部内面136に対応する疑似脛骨144の下端部内面147及び当該腓骨131の下端部内面137に対応する疑似腓骨143の疑似下端部内面149とにより疑似関節窩6が形成されると共に、当該疑似距骨145の上面部に形成された当該距骨133の当該距骨滑車138に対応する疑似距骨滑車150によって、疑似関節頭5が形成され、その両者が相互に嵌合しあって当該疑似距腿関節148が形成されているものである。
本具体例に於いては、当該疑似脛骨144の下端部と当該疑似腓骨143の下端部とは、個別的独立的に形成したものであっても良く、或はその両者を合体した形で、一体的に形成したものであっても良い。
又、本発明に於ける当該疑似足関節構造体141に於いては、図15(A)及び図15(B)に示す様に、略中空状の円筒体からなる当該第2の疑似足疑似骨部材に相当する当該疑似脚部142と、同様に略中空状の匡体からなる当該第1の疑似足疑似骨部材に相当する当該疑似足先部151とが、当該疑似距腿関節148を介して、相互に所定の接圧力の下で接合せしめられており、且つ、当該疑似脚部142は、当該疑似足先部151に対して、当該疑似距腿関節148を介して、前後、左右に傾斜する様に揺動す出来るように構成されている。
そして、係る状態を実現する為に、本発明に於ける当該具体例では、当該疑似脚部142の上方端部の適宜の部位P2に設けられた適宜の固定手段27にその一端部30が固定された当該伸縮性弾発部材24を当該疑似脚部142の内部空間部内に配置すると同時に、当該伸縮性弾発部材24の一方の端部31に適宜の強度、伸度を有する適宜の連結部材21の一方の端部33を接続させ、その他方の端部35を当該疑似足先部151の上側表面の内面に適宜の固定手段28を介して接続固定したものである。
本具体例に於いては、2本の当該連結部材21を使用し、それぞれを当該伸縮性弾発部材24の端部から当該疑似距腿関節148の内部を通過させて当該疑似足先部151の上側表面に固定したものである。
即ち、当該連結部材21は、図15(C)に示す様に、当該疑似距腿関節148の当該関節窩6が形成されている面に設けられた2つの穴部86と、当該疑似距骨145の上面部に形成された当該疑似距骨滑車150による疑似関節頭5が形成されている面に設けられた2つの穴部或はスリット状の溝部87とを貫通して、固定部28に接合されている。
尚、図15(C)は、当該疑似脚部142が少しつま先に倒れた様な脱臼状態にある状況を踵側から見た斜視図である。
本具体例に於ける当該2本の連結部材21が、当該疑似足部151の上側表面に当該固定手段28を介して固定されている状態は、背面図である図15(B)に示す、当該疑似足部151の裏面図に示されている。
尚、本発明に於ける別の具体例に於いては、図15(A)に於いて、当該伸縮性弾発部材24の下端部31に接続される当該2本の連結部材21を一本の連続した糸条体として、その折り曲げ部分33を、当該伸縮性弾発部材24の下端部31に接続させる構成としても良く、更に、係る具体例に於いては、図15(D)に示す様に、適宜の滑車手段2000を使用して、係合させる事も好ましい具体例である。
更に、本発明に係る当該具体例に於いては、必要に応じて、当該伸縮性弾発部材24に平行して当該連結部材21と同一或いは異なる伸度、強度を有する補助線状体50を配置し、当該補助線状体50の一方の端部51を、当該伸縮性弾発部材24の一端部30が固定されている当該疑似脚部142の上部に於いて、当該伸縮性弾発部材24の固定手段27が配置されている部位P2の近傍部位P1に、適宜の固定手段55を介して接合すると共に、当該補助線状体50の他方の端部52を、当該伸縮性弾発部材24の当該他端部31若しくは当該連結部材21の上端部に接合させた構成を採用するものである。
係る具体例に於いては、当該補助線状体50は,靭帯若しくは腱の機能と類似した機能を発揮する様に構成されているものであって、当該補助線状体50の当該疑似脚部142の上端部に接合されている当該一端部51は、当該疑似足部142に着脱自在に接合されている事が好ましい具体例である。
当該補助線状体50を、当該疑似脚部142の上端部に着脱自在に接合させる為の具体的な構成の例は、上記した図6(B)に示す様な構成を採用するものであっても良い。
本発明者が実際に作成した当該疑似足関節構造体141のモデルに於ける上記した各構成の具体例の写真が、参考図の図36に示されており、その脱臼状態の一例を示す写真が参考図の図37 に示されている。
係る構成を採用することによって、本発明に係る当該補助線状体50の当該一端部51を当該疑似脚部142から離反させることにより、当該関節1の脱臼状態に於いて、靭帯或いは腱が切断されている状態を顕出させる様に構成されているものである。
即ち、本具体例に於いては、当該疑似関節構造体141に於いて、当該補助線状体50が、実際の関節部148に於ける靭帯或いは腱の機能と類似した機能を発揮する様に構成されているものであり、当該補助線状体50を当該疑似脚部142に対して着脱自在に接合固定しておく事によって、当該疑似関節部148に於ける靭帯或いは腱の機能が正常に機能している場合と、当該靭帯或いは腱が切断或いは破壊されてその機能が消失されている場合との状況を作り出せることになり、当該整復処理操作を体験、学習する人にとっては、上記した両方の脱臼状態に対処する整復処理操作を体験・実習する事が可能となる。
本具体例に於ける当該各構成部材等の材質、特性、形状、寸法等は、上記した各具体例に於いて使用されたものと同じものを使用する事が可能である。
更に、本具体例に於ける当該疑似距腿関節148に於いては、当該疑似脚部142が図15(C)に於ける矢印Yの方向に、或いは図16(A)或は図16(B)に於ける矢印Zの方向に、左右若しくは前後に遥動傾斜させる事が可能であるので、疑似距腿関節148に関する種々の関節脱臼の状態を再現する事が可能である。
本発明に於ける当該疑似距腿関節148に於いて、一例として、上記した様な脱臼状態が発生した場合に、当該距腿関節148に対して脱臼整復処理する場合には、脱臼整復処理者は、当該疑似脚部142をその長手方向に、所定の張力を印加しながら引張上げ、傾斜した当該疑似脚部142を垂直方向に戻しながら、当該印加した張力を開放することにより、当該脱臼が整復される。
つまり、本発明に於ける当該疑似関節構成体141は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
又、足関節に関する本発明の他の具体例を、図17を参照しながら詳細に説明する。
即ち、本具体例に於いては、図5に於いて説明した本発明の基本的な1具体例の構成を有する一態様を示すものである。
即ち、当該具体例に於いては、当該疑似距腿関節148は、当該疑似脚部142が、当該疑似足先部151に対して,捩じられる事によって、当該疑似距腿関節148内に脱臼が発生した場合の状況を再現する様に構成された疑似足関節構造体141である。
当該具体例の構成の一例は、図17(A)に示す様に、基本的には、当該疑似足関節構造体141の当該第2疑似骨部材である当該疑似足先部151の底部152に設けられた適宜の台座部153から略垂直方向に延展する第1の中空状円筒体154を設けると同時に、当該第1の疑似骨部材である当該疑似脚部142の内に、当該第1の中空状円筒体154と摺動嵌合する略垂直方向に固定された第2の中空状円筒体155とを設け、且つ、当該第1若しくは第2の中空状円筒体154、155の外表面の適宜の部位に、適宜のテ―パ状部を有するカム状部材156と、当該カム状部材156に摺動し且つ当接する係止部157を配置するものである。
即ち、係るカム機構としては、当該第2若しくは第1の中空状円筒体155、154の外表面であって、当該カム状部材の係止部157と対応する適宜の部位に、当該カム状部材の係止部157と係合する適宜の斜面を有するカム部156を固定配置し、更に、当該第1及び当該第2の中空状円筒体154、155の内部に、その一端部31が当該第1の中空状円筒体154の内部に設けた適宜の固定手段28を介して、当該疑似足部151の底部152に固定配置され、その他方の端部30が当該第2の中空状円筒体155の内部に設けられた適宜の固定手段27に接続されて固定配置された伸縮性弾発部材24を直接或は適宜の連結部材21を介して配置し、それによって、当該第1と第2の疑似骨部材142と151同士が、当該疑似距腿関節148において適宜の押圧力によって相互に接圧され、少なくとも当該第2の疑似骨部材である当該疑似脚部142を矢印Qの方向に沿って、所定の旋回角度を以って捻じられることによって、当該疑似距腿関節148に於ける当該関節頭5と当該関節窩6の少なくとも一方が矢印Pの方向に沿って上下方向に所定の間隔Hを有する様に相互に離反した状態に静止される様に構成されているものである。
従って、ねじれによる脱臼の状態が表現されることになる。
本具体例に於ける当該カム状部材156の係止部157は、その形状、配置位置、突出高さ、材料等は特に限定されるものではなく、周知の部材、例えば金属製或いは合成樹脂製、珪素、炭素繊維等を複合混在させた高強度の合成樹脂で構成された、ボルト、フック、突起、溝等が使用されるものであり、その形状、配置位置、突出高さ等は、当該疑似距腿関節148に於いて予想される脱臼状態の形状、状況等を勘案して、適宜選択して決定すればよい。
本具体例に於ける当該カム状部材156のカム部の形状、つまり、当該カムのピッチ及び波形等も特に特定されるものではないが、当該脱臼時に当該第2の疑似骨部材に相当する当該疑似脚部142が、当該疑似足部151に対して、どの程度の旋回角度で捻じれて脱臼するかに関する多数の実測データを基礎に決定する事が可能であり、又、その際、当該脱臼に際して、当該疑似距腿関節148に於ける当該関節頭5と当該関節窩6とがどの程度、主に上下方向に相互に離反するかに関する多数の実測データを基礎に当該カムのピッチ及び波形等を決定する事が可能である。
例えば、図5(C)及び図5(D)に示されるカム機構と同様の構成を示す図17(B)では、当該カム部156のカム面Bと当該係止部157とが係合している部位X1は、当該脱臼が発生して、当該疑似脚部142が最も高い位置に配置されているのであり、又、当該カム部156のカム面Aと当該係止部157とが係合している部位X2は、脱臼が整復されて正常な距腿関節148に戻った場合の部位を示すものである。
本発明者が実際に作成した当該疑似足関節構造体141のモデルに於ける上記した各構成の具体例の写真が、参考図の図38乃至図39 に示されている。
尚、上記した本具体例に於ける、脱臼した関節の整復処理操作としては、例えば、当該捻じれている疑似脚部142を、その長手方向に所定の引張張力を印加して、上方に持ち上げ、当該カム部の脱臼状態を保持する傾斜面Bから当該カム状部材の係止部157との係合状態を解消させ、その後、当該疑似脚部142の捻じれ状態を解消させる為に、当該疑似脚部142を反対方向に旋回させて、元の関節の配置状態に戻す操作を行うものである。
然しながら、本具体例に於いては、上記操作後に、脱臼整復操作トレーナが、若干当該疑似脚部142を元の方向に僅かに旋回させるだけで、当該伸縮性弾発部材24の収縮力によって、当該カム部156のカム面Aは、自動的に当該係止部157上を摺動して、脱臼が発生する以前の正常位置X2に戻る様に構成されている。
4.肩関節に対応した疑似関節構造体:
次に、本発明に於ける、肩関節に対応した当該疑似肩関節構造体191の構成の一具体例を以下に示す。
即ち、図18に示す様に、一般的な人間の肩関節180は、肩甲骨181の一部に設けられた比較的浅い深さを持つ関節窩6と、上腕骨部182の一方の端部に設けられている比較的大きな球状を持つ関節頭5とが相互に嵌合されて構成されている球関節である。
係る実際の肩関節180に対応した本発明に係る当該疑似肩関節構造体190の構成の一例としては、図19(A)に示す様に、当該肩甲骨181に対応する、その一表面部に浅い湾曲状凹み部が形成されている関節窩6を有する疑似肩甲骨191と、当該上腕骨部182に対応する、疑似肘関節部101をその一端部に有する疑似上腕骨部192の他方の端部に形成された略球状を呈する上腕骨頭を形成する関節頭5とが、適宜の接圧力の下に、その両者が相互に接合され、且つ嵌合しあって当該疑似肩関節190が形成されているものである。
本発明に係る当該疑似肩関節構造体190の構成の一具体例に付いて、更に詳細に説明するならば、本発明に於ける当該関節窩6を有する適宜の形状に形成された当該肩甲骨の一部の形状に対応させた当該疑似肩甲骨191を、適宜の中空状内部形状を有する第1の補助支持手段1922の一部の表面に固定して取り付けると共に、当該第1の補助支持手段1922内の内壁の一部に、その一端部1930を適宜の固定手段1927を介して取り付けられた少なくとも1本、好ましくは2本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材24を配置せしめ、当該それぞれの伸縮性弾発部材24の他方の端部1931に適宜の強度或は伸度を有する連結部材21の一端部を接続させ、当該連結部材21の他方の端部1933を当該第1の補助支持手段1922の表面部に形成された穴部1932を貫通させて、且つ当該関節窩6の外側部を通過させた後、当該関節頭5の表面に設けられた適宜の固定手段1934に接合固定するか、又は、当該関節頭5の表面に設けられた適宜の貫通孔1935を介して当該関節頭5内部に導入し、当該関節頭5内部に設けられた適宜の固定手段1934に接合固定する様に構成したものであっても良い。
本具体例では、当該連結部材21は、少なくとも2本を並列させて、当該関節頭5の所定の部位から当該関節窩6の側壁面を平行な状態で通過させて、当該伸縮性弾発部材24の一つの端部に接合させると同時に、同じ様に他の2本の当該連結部材21を同様の配置形態を保持せしめながら、他方の当該伸縮性弾発部材24の一つの端部に接合させる様に構成するものである。
勿論、本発明に於ける当該具体例に於いては、当該伸縮性弾発部材24を一つとして、これに4本の当該連結部材21を接続させる様に構成しても良い。
又、本具体例に於いては、当該連結部材21の他方の端部1933を適宜の接合固定手段1934により当該関節頭5に設けた適宜の接合手段により接合したものであっても良いが、場合によっては、当該一つの伸縮性弾発部材24に接続されている当該連結部材21は、連続した状態で、当該関節頭5内でループ状を形成した形で当該関節頭5の接合されているものであっても良い。
即ち、本具体例に於いては、当該関節窩6と当該関節頭5とが、当該伸縮性弾発部材24の伸長回復力により適宜の接圧力下に相互に嵌合しあって、正常な疑似肩関節部190を構成している。
係る具体例に於いても、前記した通り、当該複数個の伸縮性弾発部材24の端部と一本の連続した当該連結部材21を適宜折り曲げて、図50に示す様に、各必要部位を循環して接続させる様に構成したものであっても良く、更には、当該伸縮性弾発部材24の端部と当該連結部材21との接合部には、適宜の滑車手段125を取り付ける事も可能である。
本具体例に於いて使用される当該疑似関節窩6や当該疑似関節頭5の形状、寸法、或はその材質、固定方法、及び当該伸縮性弾発部材24や当該連結部材21の伸度、伸長力、強度等は、前記した具体例の場合と同様に任意に設定することが可能である。
上記した本発明に係る当該疑似肩関節部190に於いて、関節脱臼が発生する代表的な形態としては、例えば、当該関節頭5が関節窩6に対して人間の体の前側に移動して脱臼する場合と、反対に、当該関節頭5が関節窩6に対して人間の体の後側に移動して脱臼する場合とが見られる。
一方、図19(B)は、図19(A)の態様に於いて、当該関節頭5が矢印Tの方向に横方向に或は斜め方向に移動して脱臼状態が発生する場合の状況を示す斜視図である。
又、図20(A)及び図20(B)は、本具体例に於ける当該疑似肩関節部190に於ける上記した特定の脱臼状態を発生させた状態を示す側面図及び上面図である。
即ち、当該疑似肩関節部190に於いては、その関節構造上、その他の関節に比べて比較的容易に脱臼し易い状態にあり、当該関節頭5が当該関節窩6の位置に対して前後方向或は左右方向に略水平に変位して関節窩6から離脱する事が多い。
上記した図20(A)及び図20(B)は、そのような状況下で、当該関節頭5が、外力によって、矢印Tの方向にずれて、当該関節窩6の側壁部側に脱落して脱臼している状態を示している。
本発明者が実際に作成した当該疑似肩関節構造体190のモデルに於ける上記した各構成の具体例を示す写真及びその脱臼発生状況を示す写真は、参考図の図40及び図41にそれぞれ示されている。
本発明に於ける当該疑似肩関節部190に於いて、一例として、図20(A)及び図20(B)に示す様な脱臼状態が発生した場合に、当該関節部に対して脱臼整復処理する場合に、脱臼整復処理者は、図20(A)及び図20(B)に示す矢印S或いはTの方向に,当該上腕骨部192を外側若しくは内側に所定の角度で旋回させながら、当該脱臼した関節部の当該関節頭5を手で所定の引張伸長張力を掛けながら上方向に徐々に持ち上げて、当該関節窩6内に押し込み、その後、当該伸長張力を解除することにより、脱臼を整復させることが出来る。
つまり、本発明に於ける当該疑似関節構成体1は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
5.股関節に対応した疑似関節構造体:
次に、本発明に於ける、股関節に対応した当該疑似股関節構造体220の構成の一具体例を以下に示す。
即ち、図21に示す様に、一般的な人間の股関節210は、骨盤の左右側縁側に有る寛骨211の一部に形成された比較的深い、おわん形をした関節窩6に相当する寛骨臼窩212と当該寛骨臼窩212内にはまり込む大腿骨部213の一方の端部に設けられた当該関節頭5に相当する大腿骨頭214とが相互に嵌合されて構成されている球関節である。
係る実際の股関節210に対応した本発明に係る当該疑似股関節構造体220の構成の一例としては、図22(A)乃至図22(D)に示す様に、当該骨盤の左右側縁側に有る寛骨211の一部に相当し、その一部に設けられた比較的深い、おわん形をした関節窩6に相当する疑似寛骨臼窩222を有する疑似寛骨221と、当該大腿骨部213に対応する疑似大腿骨部223であって、その一端部に設けられた略球状を呈する当該上腕骨頭214に相当する関節頭5である当該疑似上腕骨頭224とから構成されたものであって、且つ当該疑似上腕骨頭224と当該疑似寛骨臼窩222とが、適宜の接圧力の下に、その両者が相互に接合され、且つ嵌合しあって当該疑似股関節220が形成されているものである。
本発明に係る当該疑似股関節構造体220の構成の一具体例に付いて、更に詳細に説明するならば、本発明に於ける当該関節窩6に相当する疑似寛骨臼窩222を有する適宜の形状に形成された当該疑似寛骨221を、適宜の中空状内部形状を有する補助支持手段240の一部の表面に適宜の固定手段241を介して固定して取り付けると共に、当該補助支持手段240内の内壁の一部に、その一端部242を適宜の固定手段270を介して取り付けられた少なくとも1本、好ましくは2本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材24を配置せしめ、当該それぞれの伸縮性弾発部材24の他方の端部243に適宜の強度或は伸度を有する連結部材21の一端部を接続させ、当該連結部材21の他方の端部244を当該第1の補助支持手段240の表面部に形成された穴部若しくはスリット245を貫通させて、且つ当該疑似寛骨221に形成されている疑似寛骨臼窩222に相当する底面部Wに設けられている挿通穴300を通って、当該関節頭5である当該疑似上腕骨頭224の外表面に形成された挿通穴301を介して当該疑似上腕骨頭224の内部に導入されそこで、適宜の固定手段246によって、当該疑似上腕骨頭224の外部表面に接合固定されているものである。
本具体例に於ける当該挿通穴300及び301は、適宜の大きさ及び形状を有するものであっても良く、好ましくは、後述する様に、所定の脱臼状態が意図的に形成され且つその状態を静止した状態で維持するため、所定の長さを有し且つ所定の方向に配置された長溝形状を有するものである。
例えば、当該疑似寛骨221に設けられている当該挿通穴300の当該第1の補助支持手段240側に面している表面では、細長く短い溝状形状を呈しているが、その反対側面、つまり、当該関節頭5と接触する面に形成されている溝形状は、当該疑似寛骨臼窩222の略中央部からその端縁部に至る切り欠け溝の形状を呈しており、そこから当該連結部材21が脱臼状態の際にすり抜けられる様な構造である事も好ましい具体例である。
即ち、当該関節頭5の変位方向を規定するための当該連結部材21の移動方向を規制する様に、当該挿通穴300長めのスリット状の溝部である事が望ましい。
当該スリット状溝部の形状や配置位置等に関しては、図24にその具体例の一部が示されていると同時に、その構造例を撮影した参考写真である図44及び図45に示されている。
本発明に於ける当該具体例に於いては、当該伸縮性弾発部材24は、一本だけでなく、2本若しくはそれ以上の複数本を使用する事が望ましい。
本発明に於ける当該具体例に於いては、係る構成を採用することによって、当該関節窩6と当該関節頭5とが、当該伸縮性弾発部材24の伸長回復力により適宜の接圧力下に相互に嵌合しあって、正常な疑似股関節部220を構成している。
更に、本具体例に於いて使用される当該疑似関節窩6や当該疑似関節頭5の形状、寸法、或はその材質、固定方法、及び当該伸縮性弾発部材24や当該連結部材21の伸度、伸長力、強度等は、前記した具体例の場合と同様に任意に設定することが可能である。
一方、本発明に於ける具体例に於いては、後述する脱臼状態の形成並びに当該脱臼用体を一時的に保持する機能、更には、当該疑似股関節部220に発生する可能性の高い特定の幾つかの脱臼状態を、意図的に発生しえる様な機構を有している事も望ましい具体例である。
更に、本発明に係る当該具体例に於いては、当該疑似股関節部220に於いて、靭帯の影響が付加される場合と靭帯の影響が付加されない場合の状況を選択的に設定出来る様な特別の構成を採用している事も更に好ましい具体例の一つである。
本発明に於ける当該疑似股関節部220に於いて、良く発生する形の脱臼の構造の一例としては、図25に示されている様に、当該関節頭5が当該関節窩6の凹陥部222から脱落して、当該疑似寛骨221の側壁部外の部位に転落している状態である。
係る本発明の具体例を詳細に説明するならば、図22(A)乃至図23(C)に示す様に、当該伸縮性弾発部材24に平行して、当該伸縮性弾発部材24の伸度、伸長回復率等が異なる別の伸縮性弾発部材24’を配置し、当該別の伸縮性弾発部材24’の一方の端部242’を適宜の固定手段270’を介して当該第一の補助支持手段240内の内壁の一部に取り付けると共に、当該伸縮性弾発部材24’の他方の端部243’に適宜の強度或は伸度を有する別の連結部材21’の一端部を接続させ、当該別の連結部材21’の他方の端部244’を当該第1の補助支持手段240の表面部に形成された穴部若しくはスリット245を貫通させて、且つ当該疑似寛骨221の底面部Wに設けられている適宜の挿通穴302を通って、当該関節窩6である当該疑似寛骨221の外表面近傍に設けられたに形成された出口穴303から外部に出て、当該疑似上腕骨頭224の表面湾曲状面に沿って配置された後、当該疑似上腕骨頭224上に形成された適宜の挿通穴304から当該疑似大腿骨部223内部に挿入され、そこで、適宜の接合手段246’により固定されているものである。
係る具体例においては、図23(A)に示されている当該疑似大腿骨部223の当該疑似上腕骨頭224に近接する部位に、適宜の深さ、長さを有する一対の溝部315、316を形成し、当該別の連結部材21’を、図23(B)の点線、若しくは図23(C)の実線に示す様に、当該溝部315、316に係止させて配置した状態にある場合には、当該靭帯が有効に機能している状態を示す様にし、一方、当該別の連結部材21’を図23(C)の実線に示す様に、当該溝部315、316に係止させなで配置した状態にある場合には、当該靭帯が切断されているか有効に機能していない状態を示す様にすることが出来る(図45参照)。
本発明に於ける上記した具体例に於いては、当該疑似股関節220の当該疑似大腿骨部223は、比較的自由に当該関節頭5である当該疑似上腕骨頭224を中心として、多方向に旋回、回転が出来る様になっている。
その際、当該疑似大腿骨部223が、当該疑似上腕骨頭224を中心として旋回した場合には、当該疑似大腿骨部223の当該疑似上腕骨頭224と接続されている近傍部分と当該疑似上腕骨頭224の外表面に、当該別の連結部材21’が、巻き付けられる形態を示す。
本発明者が実際に作成した当該疑似股関節構造体240のモデルに於ける上記した各構成の具体例は、参考図の図42、乃至図44 に示されている。
本具体例に於いて、上記した様な、良く発生する脱臼の代表的な構成例を図25に示す。
本具体例に於いて、当該疑似上腕骨頭224が当該疑似寛骨臼窩222から離脱して脱臼状態を発生させるには、当該疑似大腿骨部223を遥動旋回させながら、当該疑似上腕骨頭224を所定の方向、例えば矢印Sの方向に所定の押圧力を印加しながら、変位させると容易に脱臼状態が発生する。
この際、上記した様に、当該別の連結部材21’を図23(B)の点線若しくは図23(C)の実線に示す様に、当該溝部315、316に係止させた状態に配置した場合には、当該靭帯が有効に機能している状態を示す態様であるので、当該印加すべき押圧力は、より強い力が要求される。
又、本具体例に於いては、当該脱臼の発生方向を予め定めた特定の方向に向けて発生する様に規制する事が可能であり、その為に、図24(A)乃至図24(C)等に示す様に、前記した特定の形状と特定の長さを有する溝部301、301’を当該疑似寛骨臼窩222の内面部で、且つ当該脱臼を発生させたい方向に向けて配置形成しておくと同時に、当該疑似上腕骨頭224の当該疑似寛骨臼窩222に接触する外表面に、特定の形状と特定の長さを有する溝部301、301’を当該溝部300と対向する様に配置形成しておく事が望ましい。
係る当該溝部301、301’と当該溝部300、300’との形状や配置位置の相互関係等が本発明者が実際に作成した当該疑似股関節構造体240のモデルに於いて、どの様に具体化されているかに付いては、当該脱臼を表現している参考図の図45に示されている。
係る構成を採用する事によって、図25(A)乃至図25(B)に示す様に、当該連結部材21は、当該伸縮性弾発部材24を伸長させながら当該両溝部300、301内を通過し、矢印Sの方向に沿って、伸びながら脱臼を所定の方向に容易に発生させる事が可能となる。
この際、当該別の連結部材21’は、脱臼が発生するに際して、当該伸縮性弾発部材24’を伸長させながら前進して当該疑似大腿骨部223の一部に巻きつく様になる。
従って、本発明に於いて、当該疑似上腕骨頭224を上記図示の脱臼方向と反対の方向に脱臼させた状態を発生させたい場合には、当該溝部300と当該溝部301とを上記した図示の方向とは反対の方向に向けて当該疑似上腕骨頭224の外表面と当該疑似寛骨臼窩222の内部表面に配置形成すれば良い。
本発明に於ける当該疑似股関節210に於いて、一例として、上記した図25に様な脱臼状態が発生した場合に、当該疑似股関節210に対して脱臼整復処理する場合には、脱臼整復処理者は、当該疑似大腿骨223を元の位置の方向に戻す様に動かしながら、当該疑似上腕骨頭224を一旦上方に、所定の張力を印加しながら引張上げ、その後、疑似上腕骨頭224を当該疑似寛骨臼窩222の内部方向に向けて移動させた後、当該印加された所定の引き上げ張力を開放することにより、当該脱臼が整復される。
つまり、本発明に於ける当該疑似関節構成体210は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
6.膝関節に対応した疑似膝関節構造体:
次に、本発明に於ける、膝関節に対応した当該疑似膝関節構造体280の構成の一具体例を以下に示す。
即ち、図26(A)及び図26(B)に示す様に、一般的な人間の膝関節260は、大腿骨261の内側顆263と外側顆262及び脛骨264の内側顆265と外側顆266、それと膝蓋骨267とで構成されており、更に係る構成の膝関節部を外側側副靭帯(LCL)270、内側側副靭帯(MCL)269、前十字靱帯(ACL)271、後十字靱帯(PCL)272及び関節半月板268等で強固に保護されている。
当該膝関節260に於いて、当該大腿骨261の内側顆263と外側顆262の最下端部に形成された突起部が関節頭5、5’をそれぞれ構成し、又当該脛骨264の内側顆265と外側顆266に於ける上縁部の当該各関節頭5、5’に対応する部分6、6’が明確な凹部を形成しているものではないが、関節窩6に相当する。
係る実際の膝関節260に対応した本発明に係る当該疑似膝関節構造体280の構成の一例としては、図27(A)及び図27(B)に示す様に、当該膝関節260の大腿骨261に相当する疑似大腿骨281であって、当該疑似大腿骨281の下端部282に当該内側顆263と外側顆262に相当する疑似内側顆283と外側顆284を形成し、当該各部の突起部を関節頭5、5’として機能させる様に構成した疑似大腿骨281と、当該脛骨264に相当する疑似脛骨285であって、当該疑似脛骨285の上端部286に当該内側顆265と外側顆266に相当する疑似内側顆287と外側顆288を形成し、当該各部の略平坦部を関節窩6、6’として機能させる様に構成した疑似脛骨285とを直列状に連結固定させ、更に、当該関節頭5、5’と関節窩6、6’とが相互に所定の適度の接圧応力が印加される様に構成されて当該疑似膝関節構造体280が構成されている。
本具体例に於ける当該疑似大腿骨281と当該疑似脛骨285との連結には、当該疑似大腿骨281内に設けられた或いは当該疑似大腿骨281に接続して設けられた適宜の補助支持部293内に配置された適宜の伸度、伸長特性を有するスプリング等からなる伸縮性弾発部材24(第1の伸縮性弾発部材という)と当該伸縮性弾発部材24に連結された適宜の強度或いは伸度を有する連結部材21であって、その他方の端部が当該疑似脛骨285の一部の部位に適宜の接合固定手段を介して接続固定されている連結部材21とによって、相互に引っ張られ、それぞれの連結部位に於いて、相互に適度の接圧応力が印加される様に構成されるものである。
本具体例に於いては、例えば、当該補助支持部293内に配置された当該第1の伸縮性弾発部材である適宜のスプリング24の一端部を当該第1の補助支持部293の適宜の部位に於いて、適宜の固定手段27を使用して固定配置すると同時に、当該スプリング24の他方の端部には、適宜の強度或いは低い伸度を有する適宜の材料からなる連結部材21を連結し、当該連結部材21を、上記した当該疑似大腿骨281の内部空間部を挿通させた後、当該疑似大腿骨281の下端部282の近傍部位283、284に設けられた適宜の形状を有する穴若しくはスリット等294から当該疑似大腿骨281の外表面に導出させ、そのまま当該疑似膝関節構造体280の外表面を移行させた後、当該疑似脛骨285の上端部286に於ける適宜の部位に設けた挿入穴部或いは挿入スリット295から当該連結部材21を当該疑似脛骨285の内部に導入させ、その部位で適宜の固定手段28を介して固定保持する。
同様に、本具体例では、当該スプリング24と略同様の特性を有する別のスプリング24’(第2の伸縮性弾発部材という)を当該第1の伸縮性弾発部材24と略同じ部位に略平行して配置し、当該第1の伸縮性弾発部材24と同様に第2の連結部材21’を連結し、当該連結部材21’を、上記した当該疑似大腿骨281の内部空間部を挿通させた後、当該疑似大腿骨281の下端部282の近傍部位に設けられた適宜の形状を有する穴若しくはスリット等294’から当該疑似大腿骨281の外表面に導出させ、そのまま当該疑似膝関節構造体280の外表面を移行させた後、当該疑似脛骨285の上端部286に於ける適宜の部位に設けた挿入穴部或いは挿入スリット295’から当該連結部材21’を当該疑似脛骨285の内部に導入させ、その部位で適宜の固定手段28’を介して固定保持する。
係る本発明の具体例に於いては、当該第1の伸縮性弾発部材24と当該第2の伸縮性弾発部材24’とが当該疑似膝関節構造体280の外表面を一時的に走行する長さは、相互に同じでもよいが、相互に異なる様に構成する事も可能である。
即ち、本具体例に於いては、当該第1の伸縮性弾発部材24と当該第2の伸縮性弾発部材24’及び当該第1及び第2の連結部材21、21’とは、上記した他の具体例とは異なり、当該関節構造体に於ける靭帯或いは腱の機能を発揮する様に構成されているのである。
係る構成によって、当該疑似膝関節構造体280に於ける当該疑似大腿骨281の脱臼の方向に於ける変位の程度を左右で調整する事が可能となる。
本具体例に於ける当該個々の当該疑似大腿骨281と当該疑似脛骨285は当該第1の補助支持部293を含めて、前記した様な適宜の材料で略中空状の円筒体形或いは半円形の形成しており、それぞれの個別の形状、大きさ等は適宜決定する事が出来る。
更に、本発明に係る当該他の具体例に於いては、当該第1と第2の伸縮性弾発部材24、24’に平行して当該第1及び第2の連結部材21、21’と同一或いは異なる伸度、強度を有する補助線状体296、296’を配置し、当該各補助線状体296、296’の一方の端部51、51’を、当該伸縮性弾発部材24、24’の一端部30が固定されている当該疑似大腿骨281の上端部に設けられている当該第1の補助支持体296の適宜の部位に於いて、適宜の固定手段55、55’を介して接合すると共に、当該補助線状体296、296’の他方の端部52、52’を、当該伸縮性弾発部材24、24’と当該連結部材21、21’との接合部に接合させた構成を採用するものである。
係る具体例に於いては、当該補助線状体296、296’は,上記した当該第1と第2の伸縮性弾発部材24、24’と当該第1及び第2の連結部材21、21’とが連結された構成で示される特定の靭帯或いは腱の機能を変化させる機能を有するものであって、当該靭帯或いは腱の拘束力を適宜調整する様に作用するものであっても良く、或いは、当該補助線状体296、296’が、当該縮性弾発部材24と当該連結部材21とで構成される線条体と接合されているか否かによって、当該縮性弾発部材24と当該連結部材21とで構成される線条体が示す靭帯又は腱の一部が切断されたか或いは損傷している状態と、正常な状態にある場合とを区別して表現する事も可能である。
従って、当該補助線状体296、296’の当該疑似大腿骨281の上端部に接合されている当該補助線状体296、296’のそれぞれの当該一端部51、51’は、当該第1の補助支持手段296に着脱自在に接合されている事が好ましい具体例である。
当該補助線状体296、296’を、当該疑似大腿骨281の上端部に着脱自在に接合させる為の具体的な構成は、特に限定されないが、例えば、上記した図6(B)に示す様な構成を採用するものであっても良い。
係る構成を採用することによって、本発明に係る当該補助線状体296、296’の当該一端部51を当該疑似大腿骨281から離反させることにより、当該疑似膝関節構造体280関の脱臼状態に於いて、靭帯或いは腱が切断されている状態を顕出させる様に構成されているものである。
即ち、本具体例に於いては、当該疑似膝関節構造体280に於いて、当該補助線状体296、296’を当該疑似大腿骨281に対して着脱自在に接合固定しておく事によって、当該疑似膝関節部280に於ける靭帯或いは腱の機能が正常に機能している場合と、当該靭帯或いは腱が切断或いは破壊されてその機能が消失されている場合との状況を作り出せることになり、当該整復処理操作を体験、学習する人にとっては、上記した両方の脱臼状態に対処する整復処理操作を体験・実習する事が可能となる。
本具体例に於ける当該各構成部材等の材質、特性、形状、寸法等は、上記した各具体例に於いて使用されたものと同じものを使用する事が可能である。
つまり、本具体例の当該疑似膝関節構造体280に於いては、当該関節構造体280に於ける特定の当該靭帯或いは腱が切断されたか或いは損傷しているかに応じて、図28に示す様に、当該関節頭5と当該関節窩6との接圧状態が変化して、当該関節頭5の当該関節窩6に対する対向位置が様々に変化することにより、脱臼状態が形成される。
尚、図28中、図28(A)乃至図28(D)は、当該疑似膝関節構造体280の正面から観察した当該関節部の脱臼状態を示す概略図であり、図28(E)及び図28(F)は、当該疑似膝関節構造体280の側面から観察した当該関節部の脱臼状態を示す概略図である。
更に、上記した本発明の具体例に於いては、当該膝関節部260に於ける特徴的構成である当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272の存在が関節の強度に与える影響の少なくとも一部を実現させる為に、少なくとも2本の所定の強度或いは伸長率を有する補強線条体1300、1300’を当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272に対応させて、当該疑似膝関節構造体280の内部に付加的に配置したものである。
即ち、具体的には、2本の補強線条体1300、1300’を相互に平行して当該疑似膝関節構造体280の内部に配置する際に、当該各補強線条体1300、1300’の一方の端部1301、1301’を当該疑似大腿骨281の上端部で、当該第1及び第2の伸縮性弾発部材24、24’が固定配置されている部位の近傍に着脱自在の接合手段1303、1303’を介して、取り付けると共に、当該各強線条体1300、1300’の他方の端部1302、1302’を当該疑似大腿骨281内部を通過させて、当該疑似大腿骨281の下端部282の下面に設けた適宜の開口部305、305’から外部に導出させ、その後、当該2本の補強線条体1300、1300’を適宜の形状で相互に交差させて、当該疑似脛骨285の上端部286の上表面に設けた適宜の開口部306、306’から当該疑似脛骨285内部に導入させ、当該疑似脛骨285内部に設けられた適宜の接合固定手段1304、1304’に固定接合するものである。
即ち、当該2本の補強線条体1300、1300’は、それぞれ前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272としての機能を発揮するものであり、
係る構成を採用することによって、本発明に係る当該補強線条体1300、1300’の当該一端部1301、1301’を当該疑似大腿骨281から離反させることにより、当該疑似膝関節構造体280の脱臼状態に於いて、が切断されている状態を顕出させる様に構成されているものである。
上記した本具体例の当該疑似膝関節構造体280に於いては、当該関節構造体280に於ける脱臼状態の形状は、当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272の存在の有無と言う条件が更に当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272が有効に機能しているか否かの条件が加味される事により、図28に示す様に、当該関節頭5と当該関節窩6との接圧状態が更に一層複雑に変化し多様化して、当該関節頭5の当該関節窩6に対する対向位置が更に複雑に変化することにより、多数の脱臼状態が形成される。
即ち、本具体例に於いては、当該疑似膝関節構造体280に於いて、当該補強線条体1300、1300’を当該疑似大腿骨281に対して着脱自在に接合固定しておく事によって、当該疑似膝関節部280に於ける当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272の機能が正常に機能している場合と、当該前十字靱帯271及び当該後十字靱帯272が切断或いは破壊されてその機能が消失されている場合との状況を作り出せることになり、当該整復処理操作を体験、学習する人にとっては、上記した両方の脱臼状態に対処する整復処理操作を体験・実習する事が可能となる。
尚、図27の(B)に於ける符号1305は、当該疑似脛骨285に形成された空間部であって、当該疑似脛骨285内部の各部材の設定や調整を行う為の作業領域として使用される。
本具体例に於いて、当該補強線条体1300、1300’の当該一端部1301、1301’を当該疑似大腿骨281の上端部に於いて当該疑似大腿骨281に対して着脱自在に接合固定する方法は特に限定されるものではなく、公知の結合手段1303、1303’が採用可能であるが、その一例としては、図27(C)に於ける当該疑似大腿骨281を上から見た平面図に示す様に、当該補強線条体1300、1300’の本体部が主として通過しる開口部360、360’を設けると共に、当該補強線条体1300、1300’の一端部に、当該補強線条体1300、1300’の本体部の直径よりも大きい直径を有する膨大部1301、1301’を設け、当該開口部360、360’の直径を、例えば、当該補強線条体1300、1300’の一端部に形成された当該膨大部1301、1301’の直径よりも大きい直径を有する様に設定し、一方、当該開口部360、360’の周縁部の一部から、当該補強線条体1300、1300’の本体部の直径よりも大きくかつ当該膨大部1301、1301’直径よりも小さい幅を有するL字状のスリット部361、361’を連接し、当該スリット部361、361’に当該側膨大部1301、1301’を設け、当該補強線条体1300、1300’の一端部に形成された当該膨大部301、301’を当該スリット部361、361’に係止せしめることにより、当該補強線条体1300、1300’を当該疑似大腿骨281の上端部に固定的に接続させ、又、当該補強線条体300、300’の一端部に形成された当該膨大部1301、1301’を当該開口部360、360’から離脱させる事により当該補強線条体1300、1300’を当該疑似大腿骨281の上端部から離反させることが可能になる。
本具体例に於いては、当該当該補強線条体1300と1300’とを同時に当該疑似大腿骨281に対して着脱させてもよく或いはその一方のみを当該補助線状体296、296’当該疑似大腿骨281に対して着脱させても良い。
同様に本具体例においては、当該補助線状体296と296’についても上記したと同様の操作を行うことが可能である。
然も、本具体例に於いては、上記したそれぞれの操作を個別に組み合わせることによって、多種多様な脱臼発生時の環境を設定することが可能となる。
本発明に於いては、図28に示す様な、関節脱臼の発生形状に関するモデル状態が示されているが、本発明に於ける当該擬似膝関節構造体に於ける当該脱臼の発生形態は多様であって図28に示されるものに限定されるものではない。
本発明者が実際に作成した当該疑似膝関節構造体280のモデルに於ける上記した各構成の具体例を撮影した写真は、参考図の図46乃至図47 に示されている。
本発明に於ける当該疑似膝関節280に於いて、上記した様な脱臼状態が発生した場合に、当該疑似膝関節280に対して脱臼整復処理する場合には、脱臼整復処理者は、当該疑似大腿骨281をその長手方向に、所定の張力を印加しながら引張上げ、変形した当該関節頭の部分を元の方向に戻しながら、当該印加した張力を開放することにより、当該脱臼が整復される。
その際、脱臼整復処理者は、実際の引張力や、変更方向、戻す際の押圧力等を当該疑似膝関節280を操作しながら、その感触を体得することが可能になり実際の整復処理を学ぶことが出来る。
つまり、本発明に於ける当該疑似膝節構成体280は、脱臼整復処理に対して未経験の脱臼整復処理者、トレーナーに、当該特定の関節部に於ける特定の脱臼を整復処理する場合に、如何なる方向に、どのような力を印加して、どの程度当該脱臼した骨部を引張、どのようにして、当該脱臼した関節部の骨部を元の状態に戻すかについて、繰り返し実習、訓練を行う事が可能であり、当該未経験の脱臼整復処理者、トレーナーが短期間でその技術を習得することが出来るという効果を有するものである。
次に、上記した本発明に於ける当該疑似膝関節構造体280の別の具体例として、当該疑似膝関節構造体280に膝蓋骨267に相当する擬似膝蓋骨402が追加され、当該擬似膝蓋骨402が脱臼した場合の整復処理操作を体験できる膝蓋骨つき擬似膝関節構造体400の構成について図29乃至図30を参照しながら詳細に説明する。
当該膝関節に於いて、上記した通り、当該膝関節を保護する為の一つの構成として、当該膝関節の前方部に膝蓋骨267が設けられている。
そして、実際の当該膝蓋骨267は、大腿四頭筋と膝蓋筋とで上下方向に固定保持されており、又、内側膝蓋大腿靭帯と外側膝蓋大腿靭帯とで横方向の移動が制限される様に固定保持されている。
一方、当該膝蓋骨267は、例えば、膝蓋骨267に外部から何らかの強い外力が印加された場合に、上記した各靭帯の一部が破断するか、伸長されることによって、当該膝蓋骨267が、正常な位置から変位して脱臼状態が発生する。
当該脱臼状態は、その発生方向、発生の大きさ等は、当該脱臼が発生した場合の環境により大きく変化するものである。
そこで、本発明に於ける別の具体例では、係る膝蓋骨267に相当する擬似膝蓋骨402が脱臼した場合の状態を維持すると共に、当該疑似膝蓋骨402の脱臼を整復する為に、当該疑似膝蓋骨402をその脱臼した状態の位置から、元に存在した正常な関節内の部位に戻す際の操作方法や当該操作時にける張力の掛け方等を実習し、体験する事が可能な疑似膝関節構造体を提供するものである。
図29(A)及び図29(B)は、上記した当該疑似膝関節構造体400の一具体例の構成を示す図であって、図中、前記した当該膝関節260の大腿骨261に相当する疑似大腿骨281であって、当該疑似大腿骨281の下端部282に当該内側顆263と外側顆262に相当する疑似内側顆283と外側顆284を形成し、当該各部の突起部を関節頭5、5’として機能させる様に構成した疑似大腿骨281と、前記した当該脛骨264に相当する疑似脛骨285であって、当該疑似脛骨285の上端部286に当該内側顆265と外側顆266に相当する疑似内側顆287と外側顆288を形成し、当該各部の略平坦部を関節窩6、6’として機能させる様に構成した疑似脛骨285とを直列状に連結固定させ、更に、当該関節頭5、5’と関節窩6、6’とが相互に所定の適度の接圧応力が印加される様に構成されて当該疑似膝関節本体部400を構成し、当該疑似膝関節本体部400に於ける当該膝関節部401の外部表面の適宜の部位に於いて、膝蓋骨402を静止状態で配置すると共に、当該膝蓋骨402に所定の押圧力を印加することにより、当該膝蓋骨402を任意の方向に、且つ任意の距離で変位・移動が可能な状態で配置されている疑似膝関節本体部400が示されている。
本具体例に於ける当該疑似膝関節本体部400の構成は、例えば、図27に示す様な構造を有するものであってもよく、或いは、図30に示す様な構成を有するものであっても良い。
即ち、図30に示す当該疑似膝関節本体部400の構成は、図29に示す当該疑似膝関節本体部400に付いて、当該膝蓋骨402が設けられている面とは反対側の面(つまり裏面)からみた裏面図であって、当該疑似大腿骨281の下端部282であって、当該関節頭5、5’を形成している部分と該疑似脛骨285の上端部286であって、当該関節窩6、6’ を形成している部分とが、適切な接圧力によって相互に接合係合する様に設定する為に、上記した連続部材21及び補強線条体1300とは別に、さらなる接続線状体813、814を追加設定するものである。
即ち、当該疑似大腿骨281の下端部282であって、当該関節頭5、5’を形成している部分の上側部近傍にその一端部801,802が固定されており、一方、その他方の端部811,812が当該疑似脛骨285の上端部286であって、当該関節窩6、6’ を形成している部分の下側部近傍に固定されている、2本の相互に且つ当該疑似大腿骨281の長手方向に平行に配置された第1の接続線状体813、814を設けるものである。
一方、本具体例に於いては、更に、該膝関節部401の左右側面に於ける外部表面に沿って個別に配置され、当該似大腿骨281の下端部282と当該疑似脛骨285の上端部286との適宜の部位間を連結している第2の接続線状体803、804を設ける事も可能であり、当該第2の接続線状体803、804は、前述した図27における当該連続部材21の一部を構成するものであっても良い事は言うまでも無い。
更に、本具体例に於いては、当該疑似大腿骨281の下端部282であって、当該関節頭5、5’を形成している面にその一方の端部805、806が固定されており、その他方の端部807、808が、当該疑似脛骨285の上端部286であって、当該関節窩6、6’ を形成している面に固定されている第3の接続線状体809、810であって、当該第3の接続線状体809、810は、当該関節頭5、5’が形成されている面と当該関節窩6、6’が形成されている面との間で相互にX字状に交差している第3の接続線状体809、810によって、当該関節頭5、5’と関節窩6、6’とが相互に所定の適度の接圧応力が印加される様に構成されているものであっても良い。
当該第3の接続線状体809、810は、図27における当該補強線条体1300、1300’の一部を構成するものであっても良い事は、言うまでも無い。
本具体例の構成を撮影した写真が参考図である図48に示されている。
次に、本具体例に於ける当該膝蓋骨402を当該疑似膝関節本体部400に係止させる構成の一具体例を図29乃至図31参照しながら詳細に説明する。
即ち、本具体例に於ける当該膝蓋骨402は、当該疑似膝関節本体部400に於ける当該疑似大腿骨281の上端部460に設けられている適宜の接合固定手段(第1の補助支持部)406にその一端部403が接合固定されている所定の伸度或は所定の伸長回復率を有する適宜のスプリング手段を含む、伸縮性弾発部材407の他方の端部403’に、一方の端部が接続固定され、他方の端部が当該疑似膝関節本体部400に於ける当該疑似脛骨285の上端部286近傍の適宜の部位(第2の補助支持部)に接続固定されている1本若しくは複数本の互いに並行状態に配置されている第4の接続線状体405,405’の所定の部位に取り付けられている。
本具体例に於いては、通常の膝関節部の状態であれば、当該膝蓋骨402は、当該膝関節部401の前方正面の略中央部に位置しているものであるが、脱臼等の状況に於いては、その位置が適宜当該正常時の配置部位からずれることになる。
より具体的に説明するならば、当該第4の接続線状体405は、当該伸縮性弾発部材407の他方の端部403’に接続固定されている部分から当該疑似脛骨285の方向に向けて、相互に平行な2本の接続線状体405、405’で構成されており、当該2本の各線状体405、405’に、適宜の厚みと幅を有する適宜の材質から構成された平板からなる調整板420が設けられており、当該当該2本の各線状体405、405’は、当該調整板420内をその平行状態を維持しながら通過し、当該膝蓋骨402に向かう様に構成されている。
本具体例に於ける当該調整板420は、当該2本の接続線状体405、405’間の相互の間隔を一定の距離に調整し且つ規制する機能を有するものであり、それによって、後述する様に、当該疑似膝蓋骨402が、当該第4の接続線状体405、405’に沿って、当該疑似膝関節本体部400の長手方向に任意に摺動することが可能となる様に構成されているものである。
その後、当該2本の接続線状体405、405’は、当該相互の平行状態を保持したまま、当該疑似膝蓋骨402の内を非固定の状態で通過し、最終的に、当該2本の接続線状体405、405’のそれぞれの他端部411、412が当該疑似膝関節本体部400の当該疑似脛骨285に於ける上端部の適宜の部位に固定される。
係る構成により、当該膝蓋骨402は、当該2本の接続線状体405、405’に沿って、任意に摺動し、その配置位置を変化させる事が可能となる。
更に、本具体例に於いては、図31に示す様に、当該膝蓋骨402は、その配置位置を当該疑似膝関節本体部400の長手方向と直交する方向に変位させたり、当該変位した位置で固定させたり、当該固定位置から開放させたりする機能を含んでいる。
即ち、図31に示す様に、当該膝蓋骨402に近接する部位に於ける、少なくとも一方の当該第4の接続線状体405に適宜の接続固定手段500を設け、当該接続固定手段500に適宜の太さ、強度、伸長率、伸縮性等を有する適宜の長さからなる第5の接続線状体501の一方の端部502を接続させ、当該第5の接続線状体501の他方の端部503に適宜の膨出部504を設け、当該第5の接続線状体501の他方の端部503を、当該疑似膝関節本体部400の当該疑似大腿骨281の下端部282近傍に設けた適宜の係止部材505に着脱自在に係合接合出来る様に構成するものである。
当該適宜の係止部材505の構成は特に限定されるものではないが、例えば、切溝、穴部、スリット等の手段が使用可能である。
本具体例では、当該第5の接続線状体501の他方の端部503を当該係止部材505に係止させることにより、当該第5の接続線状体501の予め設定された長さに応じて、当該疑似膝蓋骨402の配置位置を正常な状態の位置から左の方向に変位させることが出来る。
又、当該第5の接続線状体501の他方の端部503を当該係止部材505との係止状態を解消させることにより、当該疑似膝蓋骨402の配置位置を正常な状態の位置まで戻す事が可能となる。
係る構成により、当該疑似接骸骨402の配置位置は、脱臼の状況に応じて、その正常な配置位置から上下・左右に変位させることが可能である。
上記した本発明に於ける当該具体例に於ける各部材の寸法、形状、特性或は材質等は上記した別の各具体例の場合と同様である。
上記した本発明に於ける詳細な疑似関節構造体の構成から明らかな通り、本発明に係るかる当該個々の部位に於ける当該疑似関節構造体は以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該指疑似関節部に於いては、実際の人体に於ける個々に対応するそれぞれの指を構成する、それぞれに規定された特定個数(複数個)の指疑似骨部材群のそれぞれに対応する指疑似骨部材群が、その中心線に沿って、略直列状に配置形成されており、且つ、当該それぞれの相互に隣接して配置されている個々の当該指疑似骨部材は、手の甲側に位置する第1の指疑似骨部材の近傍に配置された、当該伸縮性弾発部材に係合する当該連結部材の一方の端部と、当該各指部の先端部位に配置された第N番目の指疑似骨部材の先端部近傍に接合固定されている当該連結部材の他方の端部との間で、相互に接圧状態に置かれており、更に、当該それぞれの相互に隣接して配置されている個々の当該指疑似骨部材のそれぞれの接合端部に形成されている当該関節頭若しくは当該関節窩の少なくとも一部には、当該連結部の少なくとも一部が貫通する様に構成された少なくとも一つの貫通穴部若しくは貫通溝部が設けられている、という構成を有するものである。
一方、本発明に係る当該疑似関節構造体が肘疑似関節構造体である場合には、以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該肘疑似関節構造体は、当該関節頭と当該関節窩とが係合する関節係合部に対向する端部に、少なくとも一つの疑似上腕骨小頭と隣接して配置されている2個の膨出した疑似上腕骨滑車とが形成された一本の疑似上腕骨部と、それらに対向して、当該関節係合部に隣接配置されている、当該一方の疑似上腕骨滑車と係合する疑似関節環状面部をその一方の端部に有する疑似橈骨と、当該他方の疑似上腕骨滑車と係合する疑似滑車切痕をその一方の端部に有する疑似尺骨とで構成され、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合固定されていると共に、当該2個の膨出した疑似上腕骨滑車のそれぞれ及び当該疑似滑車切痕並びに当該疑似関節環状面部の略中央部或いはその近傍部に、その内部空間と外気とが連通する連通穴部が設けられると共に、当該連通穴部と接合するか或いは当該連通穴部の近傍部に所定の長さで所定の方向に形成されたその内部空間と外気とを連通する貫通溝部とが配置形成されており、更に、当該疑似上腕骨部の他方の端部に設けられた適宜の固定部材に、適宜の伸度、伸長特性を有するスプリング等からなる伸縮性弾発部材の一方の端部が係合固定されており、当該伸縮性弾発部材の他方の端部は、当該疑似橈骨と当該疑似尺骨の他方の端部に共通して設けられている適宜の固定部材に一方の端部が固定されている2本の線状連結部材のそれぞれの他方の端部と連結されており、且つ、当該2本の線状連結部材の一方の線状連結部材は、当該疑似尺骨の内部から当該疑似滑車切痕部の当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して且つ当該一方の疑似上腕骨滑車に於ける当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して当該伸縮性弾発部材の一方の端部に連結されており、一方、他方の線状連結部材は、当該疑似橈骨の内部から当該当該疑似関節環状面部の当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して且つ当該他方の疑似上腕骨滑車に於ける当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して当該伸縮性弾発部材の一方の端部に連結されている、という構成を有するものである。
尚、上記構成に於いて、当該2本の線状連結部材が連続体で構成されている場合には、当該伸縮性弾発部材の一方の端部と当該線状連結部材との接合部に滑車手段が使用されている事も好ましい具体例である。
更に、本発明に係る当該疑似関節構造体が肩疑似関節構造体である場合には、以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該肩疑似関節構造体は、適宜の中空状内部形状を有する補助支持手段の一部の外表面に固定して取り付けられている凹状くぼみ部を外表面に有する関節窩を有する疑似肩甲骨と、当該関節窩と相互に係合嵌合する関節頭が一方の端部に形成されている疑似上腕骨部とから構成され、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合固定されており、且つ、当該補助支持手段内部には、その内壁の一部に設けられた適宜の固定手段を介して、その一端部固定把持されている少なくとも1本、好ましくは2本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材を配置せしめられており、更に、当該それぞれの伸縮性弾発部材の他方の端部には、適宜の強度或は伸度を有する1本或いは2本の連結部材のそれぞれの一端部が接続せしめられており、当該各連結部材のそれぞれの他方の端部は、当該補助支持手段に於ける当該疑似肩甲骨が取り付けられている側の表面に設けられ、当該疑似肩甲骨の両側面側に形成された1個又は2個の穴部にそれぞれ貫通させて、且つ当該関節窩の外表面側部を通過させた後、当該関節頭の表面に設
けられた適宜の個々に対応する固定手段に接合固定するか又、当該関節頭の表面に設けられた個々の適宜の個々に対応する貫通孔を介して当該関節頭内部に導入し、当該関節頭内部に設けられた適宜の個々に対応する固定手段に接合固定する様に構成されているものである。
又、上記の具体例に於いては、当該それぞれの伸縮性弾発部材に接合される2本の連結部材は、一本の連続した線状体で構成されている事も好ましい具体例であり、更に、当該それぞれの伸縮性弾発部材に接合される一連の連結部材も、一本の連続した線状体で構成されている事も好ましい他の具体例であり、その場合には、当該それぞれの伸縮性弾発部材と当該連結部材との接合部には滑車手段が設けられている事も望ましい具体例である。
又、本発明に係る当該疑似関節構造体が股疑似関節構造体である場合には、以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該股疑似関節構造体は、適宜の中空状内部形状を有する補助支持手段の一部の外表面に固定して取り付けられている疑似寛骨臼窩を有する疑似寛骨と、その一端部に疑似上腕骨頭が形成されている疑似大腿骨部とから構成されており、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合嵌合固定されており、且つ、当該補助支持手段内部には、その内壁の一部に設けられた適宜の固定手段を介して、その一端部固定把持されている少なくとも1本、好ましくは2本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材を配置せしめられており、更に、当該それぞれの伸縮性弾発部材の他方の端部には、適宜の強度或は伸度を有する1本或いは2本の線状の連結部材のそれぞれの一端部が接続せしめられており、当該各連結部材のそれぞれの他方の端部は、当該補助支持手段に於ける当該疑似寛骨が取り付けられている側の表面に設けられた穴部或いはスリット部(切溝)にそれぞれ貫通させた後、当該各線状連結部材のそれぞれを、当該疑似寛骨に形成されている疑似寛骨臼窩に相当する底面部に設けられている挿通穴を介して、当該疑似上腕骨頭の外表面に形成された挿通穴を経由して当該疑似上腕骨頭の内部に導入され、そこで、適宜の固定手段によって、当該疑似上腕骨頭の外部表面に接合固定されている様に構成されているものである。
そして、上記具体例に於いては、当該疑似大腿骨部の当該疑似上腕骨頭224に近接する部位に、適宜の深さ、長さを有し、且つ異なる方向に配列形成された複数個の溝部が設けられている事も望ましい具体例であり、更には、当該股疑似関節構造体は、当該伸縮性弾発部材に平行して、当該伸縮性弾発部材の伸度、伸長回復率等が異なる別の伸縮性弾発部材を配置し、当該別の伸縮性弾発部材の一方の端部を適宜の固定手段を介して当該補助支持手段内の内壁の一部に取り付けると共に、当該別の伸縮性弾発部材の他方の端部に適宜の強度或は伸度を有する別の線状の連結部材の一端部を接続させ、当該別の線状連結部材の他方の端部を当該補助支持手段の表面部に形成された穴部若しくはスリットを貫通させて、且つ当該疑似寛骨の底面部に設けられている適宜の挿通穴を通って、当該関節頭5の外表面近傍に設けられた出口穴から外部に出て、当該疑似上腕骨頭の表面湾曲状面に沿って配置された後、当該疑似上腕骨頭上に形成された適宜の挿通穴から当該疑似大腿骨部内部に挿入され、そこで、適宜の接合手段により固定されている事も好ましい具体例である。
更に、本具体例に於いて、当該一本の線状連結部材若しくは一本の別の線状連結部材に、複数本の当該伸縮性弾発部材若しくは複数本の当該別の伸縮性弾発部材が連結されている事も好ましい具体例である。
更に、本発明に係る当該疑似関節構造体が膝疑似関節構造体である場合には、以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該膝疑似関節構造体は、一方の端部先端部に、関節頭として機能する突起部がそれぞれ設けられている疑似内側顆と疑似外側顆が並列的に配置形成されている疑似大腿骨部と、当該疑似内側顆と当該疑似外側顆に個別に形成されている当該突起部のそれぞれと個別に嵌合係合し関節窩として機能しうる凹み状の平坦面を有する疑似内側顆と疑似外側顆とが一方の端部先端部に設けられた疑似脛骨とが、当該関節頭と当該関節窩とを介して直列状に、所望の接続圧力の下で、連結係合固定されている構成を有しており、且つ、両者の連結係合固定は、当該疑似大腿骨部内若しくはそれに接続して設けられている適宜の補助支持部内に配置され、その一方の端部が、当該補助支持部に接合固定されている、適宜の伸度、伸長特性を有する少なくとも一本、好ましくは2本の伸縮性弾発部材と、当該個々の伸縮性弾発部材の他方の端部に、一方の端部が連結された適宜の強度或いは伸度を有する線状の連結部材の他方の端部を、当該疑似大腿骨の内部空間部を挿通させた後、当該疑似大腿骨の下端部近傍部位に設けられた適宜の形状を有する穴若しくはスリット等から当該疑似大腿骨の外表面に導出させ、そのまま当該疑似膝関節構造体の外表面の片側若しくは両側面側を移行させた後、当該疑似脛骨の上端部の適宜の部位に設けた挿入穴部或いは挿入スリットから当該連結部材を当該疑似脛骨の内部に導入させ、その部位で適宜の固定手段を介して固定保持する様に構成されているものである。
上記具体例に於いては、当該1本若しくは2本の伸縮性弾発部材の何れか若しくはその双方に平行して当該線状の連結部材と同一或いは異なる伸度、強度を有する補助線状連結部材を更に配置、使用するものであり、当該各補助線状連結部材の一方の端部を、当該疑似大腿骨の上端部の適宜の部位に於いて、適宜の固定手段を介して着脱自在に接合係合させると共に、当該補助線状連結部材の他方の端部を、当該伸縮性弾発部材と当該線状連結部材との接合部に接合させた構成を採用する事は好ましい具体例であり、更には、2本の補強線条体を相互に平行して当該疑似膝関節構造体280の内部に配置する構成を有するものであって、当該各補強線条体の一方の端部は、当該補助支持部の上端部で、当該伸縮性弾発部材が固定配置されている部位の近傍に着脱自在の接合手段を介して、着脱自在に取り付けられていると共に、当該各補強線条体の他方の端部は、当該疑似大腿骨の内部を通過せしめられて、当該疑似大腿骨の下端部の下面に設けられた当該疑似内側顆と当該疑似外側顆内若しくはそれらの近傍部位に設けられた適宜の開口部から外部に導出させ、その後、当該2本の補強線条体を適宜の形状で相互に交差させた後に、当該疑似脛骨の上端部の上表面に設けた適宜の開口部から当該疑似脛骨内部に導入せしめ、当該疑似脛骨内部に設けられた適宜の接合固定手段に固定接合されているという構成を採用する事も望ましい具体例である。
又、本発明に係る当該膝疑似関節構造体に於いては、更に、疑似大腿骨部と当該疑似脛骨部との接合部の周縁部の一部と対向して、揺動可能な状態で配置されている膝蓋骨が設けられており、且つ当該膝蓋骨は、その一端部が適宜の固定部材に固定されている適宜の伸縮性弾発部材の他方の端部とその一方が接続されている1本或いは複数本の適宜の接続線状体のそれぞれの他方の端部と接合されていると共に、その他方の端部が当該疑似脛骨部の上端部近傍部に固定されている1本或いは複数本の適宜の別の接続線状体のそれぞれの一方の端部と接続されている様な構成を採用する事も好ましい具体例である。
上記具体例に於いても、当該伸縮性弾発部材と、当該線状の連結部との接合係合部には、適宜の滑車手段が設けられていても良い事は言うまでも無い。
一方、本発明に係る当該疑似関節構造体が足首疑似関節構造体である場合には、以下の様な基本的な構成を有するものである。
即ち、当該足首疑似関節構造体は、下端部に、疑似脛骨の疑似下端部関節面と、疑似腓骨の疑似下端部内面と、疑似脛骨の下端部内面並びに、疑似腓骨の疑似下端部内面とが一体的且つ連続的に形成され、疑似関節窩が形成されている疑似脚部と、当該疑似脚部に対して直交或いはそれに近い角度で交差接合されている疑似足先部であって、当該疑似足先部の一部に設けられている疑似距骨の上面に形成された疑似関節頭の機能を有する疑似距骨滑車を介して、当該疑似脚部と当該疑似足先部とが所望の接圧応力の下で相互に接合嵌合固定されており、且つ、当該疑似脚部と当該疑似足先部とは、当該疑似脚部の上方端部の適宜の部位に設けられた適宜の固定手段にその一端部が固定された当該伸縮性弾発部材を、当該疑似脚部の内部空間部内に配置すると同時に、当該伸縮性弾発部材の他方の端部に適宜の強度、伸度を有する適宜の線状の連結部材の一方の端部を接続させ、その他方の端部を当該疑似関節窩が形成されている疑似脚部の下端部に設けられている疑似拒腿関節の表面に形成された、一つ或いは複数個の穴部を介して一旦外部に導出された後、当該疑似関節頭が形成されている疑似拒骨の外表面に形成されている一つ或いは複数個の穴部若しくはスリット状の溝部を介して当該疑似足先部の内部空間内に導入され、疑似足先部の内面に設けられた適宜の固定手段を介して接続固定されている、という構成を有するものである。
更に、上記具体例に於いては、当該伸縮性弾発部材の当該他方の端部には、複数本の線状の連結部材の一方の端部のそれぞれが接続されており、当該複数本の線状の連結部材は、相互に平行に当該疑似脚部と当該疑似足先部の内部に配置されている事が好ましい具体例であり、一方、当該複数本の線状の連結部材は、一本の連続した線状の連結部材で構成されており、且つ当該線状の連結部材と当該伸縮性弾発部材との接合部には、適宜の滑車手段が設けられている様に構成する事も望ましい具体例である。
一方、本発明に係る当該足首疑似関節構造体は、下端部に、疑似脛骨の疑似下端部関節面と、疑似腓骨の疑似下端部内面と、疑似脛骨の下端部内面並びに、疑似腓骨の疑似下端部内面とが一体的且つ連続的に形成され、疑似関節窩が形成されている疑似脚部と、当該疑似脚部に対して直交或いはそれに近い角度で交差接合されている疑似足先部であって、当該疑似足先部の一部に設けられている疑似距骨の上面に形成された疑似関節頭の機能を有する疑似距骨滑車を介して、当該疑似脚部と当該疑似足先部とが所望の接圧応力の下で相互に接合嵌合固定されており、且つ、当該疑似脚部と当該疑似足先部とは、当該疑似脚部の上方端部の適宜の部位に設けられた適宜の固定手段にその一端部が固定された当該伸縮性弾発部材を、当該疑似脚部の内部空間部内に配置すると同時に、当該伸縮性弾発部材の他方の端部に適宜の強度、伸度を有する適宜の線状の連結部材の一方の端部を接続させ、その他方の端部を当該疑似関節窩が形成されている疑似脚部の下端部に設けられている疑似拒腿関節の表面に形成された、一つ或いは複数個の穴部を介して一旦外部に導出された後、当該疑似関節頭が形成されている疑似拒骨の外表面に形成されている一つ或いは複数個の穴部若しくはスリット状の溝部を介して当該疑似足先部の内部空間内に導入され、疑似足先部の内面に設けられた適宜の固定手段を介して接続固定されている様に構成されたものであっても良い。
上記具体例に於いては、当該伸縮性弾発部材の当該他方の端部には、複数本の線状の連結部材の一方の端部のそれぞれが接続されており、当該複数本の線状の連結部材は、相互に平行に当該疑似脚部と当該疑似足先部の内部に配置されている様に構成されたものであっても良く、更には、当該複数本の線状の連結部材は、一本の連続した線状の連結部材で構成されており、且つ当該線状の連結部材と当該伸縮性弾発部材との接合部には、適宜の滑車手段が設けられている事も好ましい具体例である。
本発明に係る上記した個別の疑似関節構造体のそれぞれは、個別に製造して、個別的にそれが対応する人体の関節部位に於ける脱臼の整復技術の習得並びに訓練に使用するものであっても良く、複数種類の当該個々の疑似関節構造体を相互に長手方向に連結接続させて、対応する人体の個々の関節部位に於ける脱臼の整復技術の習得並びに訓練に使用するものであっても良い。
例えば、第1の態様として、図19等に示されている当該肩疑似関節構造体190と図10等に示されている当該肘疑似関節構造体101とをその長手方向に接続させるか、或いは更には、当該肘疑似関節構造体101と図8等で示されている当該指疑似関節構造体80とを長手方向に接続させるか、更には、上記3者を相互に接続させて使用する事も可能である。
勿論、第2の態様として、図22等に示されている当該股疑似関節構造体220と図27等に示されている当該膝疑似関節構造体280とをその長手方向に接続させるか、或いは当該膝疑似関節構造体280と図14等で示される足首疑似関節構造体141をその長手方向に接続させるか、更には、上記3者を相互に接続させて使用する事も可能である。
次に、本発明に於ける上記第1の具体例の構成を実現させる関節脱臼整復技術習得装置120の例を図49に示す。
即ち、図49は、本発明に係る当該関節脱臼整復処理訓練用装置120の構成の概略を示す斜視図であって、基本的には、上記した構成を有する個々の疑似関節構造体から選択された複数種の当該疑似関節構造体群が長手方向に相互に連続して接合されている事を特徴とする関節脱臼整復処理訓練用装置120が示されている。
上記具体例を実用化した構成例の写真を参考図である図52乃至図57に示す。
本発明に係る当該関節脱臼整復処理訓練用装置120は、上記した様に、第1の具体例の構成を実現させる為の関節脱臼整復技術習得装置であって、その基本的構成は、 基板121を有し、当該基板121の上面部の略半分の領域は、滑り止め部材で被覆された平坦面部123と、当該基板121の残りの約半分の領域には、所定の高さを持ち、湾曲状に上方に、その一部を除き密閉状に膨出形成された格納庫部122が配置されており、且つ当該格納庫部122の内部には、疑似肩関節部の関節機能を制御する為のスプリング24を含むスプリング機構部、即ち前記した第1の補助支持部1922の少なくとも一部が格納されており、更には、当該格納部122の、当該基板121の長手方向線に対向する部分125に形成された開口部126からは、当該スプリング機構部に連動する当該疑似肩関節部190の一部191が外方に突出せしめられており、更に当該疑似肩関節部190の外方端部191である、疑似上腕骨部192の先端部には、適宜の疑似肘関節部101と適宜の疑似指関節部80とが、それぞれの疑似関節部の長手方向に沿って、且つ、それぞれの疑似関節構造体に使用される適宜の伸縮性弾発部材の端部を保持する為の個別の補助支持部材127乃至129を介して、直列状に接合一体化されており、且つ、それぞれの当該疑似関節部に於ける伸縮性弾発部材及び連結部材が配置されている部分160、162及び接続部分161は、円筒状中空体を呈する筒状体で被覆されており且つその外層部分は、例えば、人間の皮膚の外観、触感、色、弾力性に近似させた、弾性と伸縮性のある柔軟性のある例えば、発泡性を有する円筒状中空体を呈する合成樹脂膜状体124等で被覆されている。
つまり、上記具体例に於いては、当該疑似肩関節部190の外方端部である、疑似上腕骨部の先端部内部には、当該疑似肘関節部101の機能を制御する為の別のスプリング機構部が内蔵され、当該疑似肘関節部外側にある疑似橈骨と疑似尺骨の内部には、当該別の伸縮性弾発部材及び連結ひも状部材を含むスプリング機構部163が設けられており更にその先端部には、当該連結ひも状部材が、当該疑似橈骨と当該疑似尺骨の内部の適宜の部位に固定されており、更に、当該疑似肘関節部の当該疑似橈骨と当該疑似尺骨の何れかの外方端部の内部には、当該疑似指関節部の機能を制御する為の更に別のスプリング機構部164が内蔵されると同時に、当該疑似指関節部が長手方向にかつ外方部に向けて接続形成されている事を特徴とする関節脱臼整復処理訓練用装置120が示されている。
当該スプリング機構部163の一具体例の構造の例を撮影した写真を参考図である図58、図61乃至図63に示す。
尚、図49に於ける具体例に於いて、当該肩疑似関節構造体190使用した疑似関節頭5と疑似関節窩6の構造は、図51に示す様な構造のものを採用した。
上記した疑似関節頭5と疑似関節窩6の構造の例を撮影した写真を参考図である図59、図60および図64乃至図65に示す。
即ち、当該疑似関節頭5の外観構造は、上記で説明した様な形状を採るものであるが、当該疑似関 節窩6の構造は、当該疑似関節頭5と係合する凹部状に湾曲した凹み部6“‘の周縁部に近接して、当該疑似関節頭5が、当該疑似関節窩6から脱落しない様に案内する2つの独立して湾曲状に立設された保持案内部6’及び6”が配置されており、且つ当該一方の保持案内部6”は、他方の保持案内部6’よりも全体的に大きな寸法を有し、且つその壁状部の一部に、適宜の大きさの開口部が設けられているものである。
此処で、上記した本発明に係る当該関節脱臼整復処理訓練用装置120に於ける当該格納庫部122内に配置される当該第1の補助支持部1922に対応するスプリング機構部の他の構成例の概略を図50を参照しながら詳細に説明する。
処で、上記本発明に於ける具体例に於いては、少なくとも2本の当該線条を有する連結部材21を使用する場合には、後述する図6に示されている通り、一本の当該連結部材21をその途中の略中央部位置で折り曲げて使用する事が可能であり、更には、当該線条を有する連結部材21の略中央部位置で折り曲部と当該伸縮性弾発部材24の他方の端部との接合部には、後述する図50に示されている様な適宜の構造を持ったか滑車手段2000を挿入配置せしめ、当該連結部材21を連続した状態で使用することも好ましい具体例である。
又、更なる具体例としては、当該伸縮性弾発部材24と当該連結部材21をそれぞれ複数本づつ使用する場合にあっては、例えば、図50に示される様に、複数個の滑車手段2000を併用すると同時に、当該1本の連結部材21を一連に循環させた後に、その端部同志を適宜の締め継ぎ手段1200等を使用して固定させて使用するものであっても良い。
一方、本発明の具体例に於ける好ましいスプリング機構部1922としては、図50にしめされている通り、平板状基板部2001の長手方向左右端部に直立した一対の支持壁部1270、1270’が設けられており、当該一方の支持壁部1270の一部に2本の伸縮性弾発部材24,24’である適宜のスプリング部の一方の端部が係止せしめられており、且つ当該2本の伸縮性弾発部材24,24’のそれぞれの他方の端部には、適宜の滑車手段2000、2000’が取り付けられており、当該各滑車手段2000、2000’には、それぞれ当該連結紐状部材21、21’が摺動自在に係止せしめられている。
そして、本具体例に於ける特に特徴的な部分としては、当該結紐状部材21、21’が環状に連結されていて一本の連続した紐状体として使用されているものである。
つまり、本具体例に於いては、例えば、当該第1の滑車手段2000から出発した当該結紐状部材21は、当該支持壁部1270’に形成された貫通穴部1932を通過して、当該肩疑似関節構造体の当該関節頭5の表面の一部に形成された穴部1934から当該関節頭5の内部に導入された後、当該関節頭5の表面の一部に形成された別の穴部1935から当該関節頭5の外表面に導出せしめられ、その後、当該支持壁部127’に形成された別の貫通穴部1932を通過して、当該第2の滑車手段2000’に至り、当該第2の滑車手段2000’を周回した後、再び、当該支持壁部1270’に形成された更に別の貫通穴部1932を通過して、当該肩疑似関節構造体の当該関節頭5の表面の一部に形成された別の穴部1934から当該関節頭5の内部に再び導入された後、当該関節頭5の表面の一部に形成された更に別の穴部1935から当該関節頭5の外表面に導出せしめられ、その後、当該支持壁部1270’に形成された更に異な貫通穴部1932を通過して、当該第1の滑車手段2000に至るが、その途中で、適宜の紐状体結束結合手段120を介して環状に形成されるものである。
上記した本発明に係る当該関節脱臼整復処理訓練用装置120に於けるスプリング制御機構の具体例の構成を撮影した写真を、参考図である図53乃至57に示す。
以下に、本発明に於ける当該関節脱臼整復処理訓練用装置120の詳細なスペックと使用方法を具体的に説明する。
つまり、 本発明に於ける当該関節脱臼整復処理訓練用装置120は、肩関節や、肘関節或いは指関節等を脱臼した患者の当該脱臼関節を、元の正常な関節状態に戻すために、整復師が治療・施術を行うが、当該整復師が当該脱臼した関節を元の状態に戻すための治療・施術の操作や手順を、訓練し、体験し、体で覚える為の関節脱臼整復訓練装置であって、当該関節脱臼整復処理訓練用装置120の長さは、例えば、600mm、幅が400mmで厚みが20mm程度の基板121を有し、当該基板121の上面部の略半分の領域は、ゴム材或いは合成樹脂材からなる滑り止め部材で被覆された平坦面部123と、その残りの約半分の領域には、最大高さが150mm程度の湾曲状に、一部を除き密閉状に膨出形成された格納庫部122とで構成されており、且つ当該格納庫部122の内部には、疑似肩関節部の関節機能を制御する為のスプリング機構部の少なくとも一部が格納されており、さらには、当該格納庫部122の、当該基板の長手方向線に対向する部分125に形成された開口部126からは、少なくとも当該肩疑似関節構造体190の一部である疑似上腕骨部192が外方に突出した構造となっている。
此処で、本発明に於ける当該関節脱臼整復処理訓練用装置120の使用方法を説明するならば、例えば整復師訓練生が、脱臼した関節を整復する操作を練習する場合には、当該整復師訓練生は、先ず、当該基板121上の平坦部領域123に足若しくは膝をのせ、整復対象となっている対象骨部、例えば、肩関節が脱臼している場合には、疑似上腕骨部を手で持ち上げ、同時に別の足又は膝を当該湾曲状に膨出している格納庫部122の外表面に載せて、体の支持点を確保した上で、当該対象骨部を例えば、所定の方向にねじりながら、上方向に持ち上げて、脱臼した関節部を元の形に戻す操作を行い、係る操作を何回も繰り返して、脱臼整復施術の方法を体験し、覚える事が可能となる。
1:疑似関節構造体
2:第1の疑似骨部材
3:第2の疑似骨部材
5:疑似関節頭
6:疑似関節窩
1’:関節構造体
2’:第1の疑似骨部材
3’:第2の疑似骨部材
4’:骨膜
5’:関節頭
6’:関節窩
7’:関節腔
8’:関節軟骨膜
10’:一端部
11’:一端部
12’:関節包
13’:線維膜
14’:副靭帯
15’:関節包内靭帯
20:補助支持部
21;連結部材
22;補助支持枠部
24;縮性弾発部材
27;固定部材
28;接合手段
29;調整手段
31;他端部
32;切込溝部
35;穴部
40;ピン部
42;カム部
50;補助線状体
51、51’;一方の端部
52;他方の端部
55、55’:固定手段
71:中手骨
72:基節骨
73:中節骨
74:末節骨
75:中手指接間関節
77:遠位指節間関節
715:節頭部
725:関節頭
726:関節窩
735:関接頭
736:関節窩
746:関節窩
80:疑似指関節構造体
81:第1の疑似骨部材
82:第2の疑似骨部材
83:第3の疑似骨部材
84:第4の疑似骨部材
85:補助支持部
86:通過孔、穴部
87:溝部
89:関節環状面部
815:関接頭部
825:関節頭
826:関節窩
835:関節頭
836:関節窩
875:関節部
876:関節部
877:関節部
90:腕尺関節
91:上腕骨
92:尺骨
93:橈骨
94:関節包
95:上腕骨滑車
96:滑車切痕
97:上腕尺関節部
98:上腕骨小頭
100;人間の体
101:疑似肘関節構造体
104:疑似上腕骨部
106:疑似橈骨
107:疑似尺骨
108:疑似上腕尺関節部
109:疑似腕橈尺節部
1095:疑似上腕骨滑車
1096:疑似滑車切痕
1098:疑似上腕骨小頭
1099:疑似関節環状面部
120:関節脱臼整復訓練装置
1200:締め継ぎ手段
121:基板
122:格納庫部
123:平坦面部
124:円筒状中空体を呈する合成樹脂膜状体
125:長手方向線に対向する部分
126:開口部
127:補助支持部材
128:補助支持部材
129:補助支持部材
1270、1270’ :支持壁部
131:腓骨
132:脛骨
133:距骨
134:腿関節
135:脛骨の下関節面
136:脛骨の端部内面
137:腓骨の下端部内面
138:距骨滑車
1300:補強線条体
1301:一端部
1303:結合手段
1304:結合固定手段
1305:空間部
141:疑似脚関節構造体
142:疑似脚部
143:腓骨
144:脛骨
145:疑似距骨
147:内面
148:擬似距腿関節
149:疑似下端部内面
150:疑似距骨滑車
151:擬似足先部
152:底部
153:台座部
154:第1の中空状円筒体
155:第2の中空状円筒体
156:カム状部材
157:係止部
160:円筒状中空体を呈する筒状体
161:円筒状中空体を呈する筒状体
162:円筒状中空体を呈する筒状体
163:伸縮性弾発部材と連結部材との接続部分
164:伸縮性弾発部材と連結部材との接続部分
180:肩関節
181:肩甲骨
182:上腕骨部
190:疑似肩関節構造体
191:疑似肩甲骨
192:疑似上腕骨部
1922:補助支持手段
1927:固定手段
1930:一端部
1931:他方の端部
1932:穴部
1933:連結部材の他方の端部
1934:挿入穴部
1935:挿入穴部
245:空間部
260:膝関節
261:大腿骨
262:外側顆
263:内側顆
264:脛骨
265:内側顆
266:外側顆
267:膝蓋骨
268:関節半月板
269:内側側副靭帯
270:外側側副靭帯
271:前十字靱帯
272:後十字靱帯
280:疑似膝関節構造体
281:疑似大腿骨
282:下端部
283:疑似内側顆
284:外側顆
285:疑似脛骨
286:上端部
287:疑似内側顆
288:外側顆
293:補助支持部
294:近傍部位
294’:近傍部位
295:挿入穴部
295’:挿入穴部
296、296’:補助線状体
300、300’:挿入穴、切り溝部
301、301’:挿入穴
302、302’:挿入穴
303、303’:出口穴
304、304’:接合固定手段
305、305’:開口部
306、306’:開口部
315:溝部
316:溝部
360、360’:開口部
361、361’:L字状のスリット部
400:擬似膝関節構造体
401:膝関節部
402:膝蓋骨
403:一端部
405、405’:第4の接続線状体
406:接合固定手段
407:伸縮性弾発部材
411、412:他端部
420:調整板
460:上端部
500:接続固定手段
501:第5の接続線状体
502:一方の端部
503:他方の端部
504:適宜の膨出部
505:係止部材
628:疑似脛骨
801,802:一端部
803、804:第2の接続線状体
805、806:一方の端部
807、808:一方の端部
809、810:第3の接続線状体
811,812:他方の端部
813、814:第1の接続線状体
900:腕橈尺節部
2000:滑車手段
2001:平板状基板部

Claims (38)

  1. 人間の体に於ける所定部位に於ける所定の関節構造に近似した構造からなる疑似関節構造体であって、
    当該疑似関節構造体は、関節頭がその一端部に形成されている第1の疑似骨部材と、関節窩がその一端部に形成されている第2の疑似骨部材とからなり、且つ当該第1と第2の疑似骨部材は、当該関節頭と当該関節窩とが相互に嵌合する様に相互に対向して近接配置されており、然も、当該第1と第2の疑似骨部材は、当該第1と第2の疑似骨部材の何れか一方の疑似骨部材の一部若しくは当該疑似骨部材に連接されている第1の補助支持部に、その一端部が固定され、その他端部が、当該他方の疑似骨部材の一部若しくは当該疑似骨部材に連接されている第2の補助支持部に固定されている適宜の連結部材及び/又は適宜の伸縮性弾発部材により、所定の押圧力の下で、相互に接圧せしめられており、更に、当該疑似関節構造体は、当該第1と第2の疑似骨部材が、当該両疑似骨部材間での脱臼状態を表示して静止する機能と、当該脱臼状態にある当該疑似関節構造体に於ける当該第1と第2の疑似骨部材の少なくとも一方を所定の力を印加させながら所定の方向に変位させるか旋回させる動作を印加することにより当該脱臼状態を整復させる機能と、を有しており、且つ当該連結部材及び/又は伸縮性弾発部材は、当該第1の疑似骨部材及び当該第2の疑似骨部材の少なくとも一方の内部空間内に配置されている事を特徴とする関節脱臼に対する整復操作を習得するための疑似関節構造体。
  2. 当該関節頭及び当該関節窩の少なくとも一方に於ける表面部には、その外部空間部と当該関節頭或いは当該関節窩の内部空間と連結する、少なくとも一つの貫通穴部若しくは貫通溝部が設けられている事を特徴とする請求項1に記載の疑似関節構造体。
  3. 当該疑似関節構造体が正常な関節形成状態を表示している場合に於いて、当該関節頭と当該関節窩のそれぞれに設けられている当該貫通穴部若しくは当該貫通溝部とは、当該関節頭と当該関節窩相互に嵌合する様に対向して近接接合配置されている部位若しくはその近傍の部位に設けられている事を特徴とする請求項2に記載の疑似関節構造体。
  4. 当該伸縮性弾発部材又は当該連結部材は、当該関節頭の内部空間から当該関節頭の当該貫通穴部若しくは当該貫通溝部及び隣接配置されている当該関節窩の当該貫通穴部若しくは当該貫通溝部を介して当該関節窩の内部空間に、若しくはその逆方向に挿通せしめられている事を特徴とする請求項2又は3に記載の疑似関節構造体。
  5. 当該関節頭と当該関節窩のそれぞれに設けられている当該貫通穴部若しくは当該貫通溝部は、少なくとも一つ設けられており、且つ当該貫通溝部は、当該疑似関節構造体の当該第1と第2の疑似骨部材間に於ける脱臼状態の方向性を指定する機能を有るものである事を特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の疑似関節構造体。
  6. 当該関節頭又は当該関節窩の該表面部に設けられる当該貫通溝部が複数個設けられる場合には、当該個々の貫通溝部の配列方向が相互に異なっている事を特徴とする請求項5に記載の疑似関節構造体。
  7. 当該疑似関節構造体が関節脱臼状態を表示している場合に於いて、当該伸縮性弾発部材若しくは当該連結部材の少なくとも一方は、当該第1と第2の疑似骨部材間に於ける当該関節頭と当該関節窩の少なくとも何れか一方に設けられている当該少なくとも一つの貫通溝部を経由して折り曲げられている事を特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の疑似関節構造体。
  8. 当該疑似関節構造体内で使用される当該連結部材及び/又は当該伸縮性弾発部材を含む連結部材は、少なくとも1本である事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の疑似関節構造体。
  9. 当該伸縮性弾発部材は、スプリングである事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の疑似関節構造体。
  10. 当該伸縮性弾発部材若しくは当該適宜の連結部材は、当該第1と第2の疑似骨部材の何れか一方の内部空間部若しくは、当該第1と第2の補助支持部の何れか一方に配置されている事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の疑似関節構造体。
  11. 当該適宜の連結部材の少なくとも一部は、当該疑似関節構造体の外部表面に配置されている事を特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の疑似関節構造体。
  12. 当該疑似関節構造体の外部表面に配置されている当該適宜の連結部材は、靭帯の機能と類似した機能を発揮する様に構成されている事を特徴とする請求項11に記載の疑似関節構造体。
  13. 当該伸縮性弾発部材の伸度、或いは伸長回復応力を適宜変更する為の調整手段が設けられている事を特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の疑似関節構造体。
  14. 当該第1の疑似骨部材若しくは当該第2の疑似骨部材に設けられた当該伸縮性弾発部材の当該一端部が固定されている当該疑似骨部材の所定の部位の近傍に一端部が接合された補助線状体を配置し、当該補助線状体の他端部を当該伸縮性弾発部材の当該他端部に接合させた事を特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の疑似関節構造体。
  15. 当該補助線状体は,靭帯の機能と類似した機能を発揮する様に構成されている事を特徴とする請求項14に記載の疑似関節構造体。
  16. 当該1本の伸縮性弾発部材に対して、二本の当該連結部材を使用する当該疑似関節構造体に於いて、当該二本の当該連結部材としては、1本の連続状の連結部材を使用すると共に、当該伸縮性弾発部材の接続端部に於いて、滑車手段を配置し、当該1本の連続状の連結部材の略中央部を当該滑車手段に於いて折り返し状態にして連通させた事を特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の疑似関節構造体。
  17. 当該2本の伸縮性弾発部材に対して、二本の当該連結部材を使用する当該疑似関節構造体に於いて、当該二本の当該連結部材としては、1本の連続状の連結部材を使用すると共に、当該それぞれの伸縮性弾発部材の接続端部に於いて、個別に滑車手段を配置し、当該1本の連続状の連結部材を、当該滑車手段群と当該関節頭又は当該関節窩との間で襷(たすき)掛け状にした折り返し状態にして連通させた事を特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の疑似関節構造体。
  18. 当該疑似関節構造体が指疑似関節構造体であって、当該個々の指疑似関節部に於いては、実際の人体に於ける個々に対応するそれぞれの指を構成する、それぞれに規定された特定個数(複数個)の指疑似骨部材群のそれぞれに対応する指疑似骨部材群が、その中心線に沿って、略直列状に配置形成されており、且つ、当該それぞれの相互に隣接して配置されている個々の当該指疑似骨部材は、手の甲側に位置する第1の指疑似骨部材の近傍に配置された、当該伸縮性弾発部材に係合する当該連結部材の一方の端部と、当該各指部の先端部位に配置された第N番目の指疑似骨部材の先端部近傍に接合固定されている当該連結部材の他方の端部との間で、相互に接圧状態に置かれており、更に、当該それぞれの相互に隣接して配置されている個々の当該指疑似骨部材のそれぞれの接合端部に形成されている当該関節頭若しくは当該関節窩の少なくとも一部には、当該連結部の少なくとも一部が貫通する様に構成された少なくとも一つの貫通穴部若しくは貫通溝部が設けられている事を特徴とする請求項1至17の何れかに記載の指疑似関節構造体。
  19. 疑似関節構造体が肘疑似関節構造体であって、当該肘疑似関節構造体は、関節頭と関節窩とが係合する関節係合部に対向する端部に、少なくとも一つの疑似上腕骨小頭と隣接して配置されている2個の膨出した疑似上腕骨滑車とが形成された一本の疑似上腕骨部と、それらに対向して、当該関節係合部に隣接配置されている、当該一方の疑似上腕骨滑車と係合する疑似関節環状面部をその一方の端部に有する疑似橈骨と、当該他方の疑似上腕骨滑車と係合する疑似滑車切痕をその一方の端部に有する疑似尺骨とで構成され、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合固定されていると共に、当該2個の膨出した疑似上腕骨滑車のそれぞれ及び当該疑似滑車切痕並びに当該疑似関節環状面部の略中央部或いはその近傍部に、その内部空間と外気とが連通する連通穴部が設けられると共に、当該連通穴部と接合するか或いは当該連通穴部の近傍部に所定の長さで所定の方向に形成されたその内部空間と外気とを連通する貫通溝部とが配置形成されており、更に、当該疑似上腕骨部の他方の端部に設けられた適宜の固定部材に、適宜の伸度、伸長特性を有するスプリング等からなる伸縮性弾発部材の一方の端部が係合固定されており、当該伸縮性弾発部材の他方の端部は、当該疑似橈骨と当該疑似尺骨の他方の端部に共通して設けられている適宜の固定部材に一方の端部が固定されている2本の線状連結部材のそれぞれの他方の端部と連結されており、且つ、当該2本の線状連結部材の一方の線状連結部材は、当該疑似尺骨の内部から当該疑似滑車切痕部の当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して且つ当該一方の疑似上腕骨滑車に於ける当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して当該伸縮性弾発部材の一方の端部に連結されており、一方、他方の線状連結部材は、当該疑似橈骨の内部から当該疑似関節環状面部の当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して且つ当該他方の疑似上腕骨滑車に於ける当該連通穴部及び又は当該貫通溝部を経由して当該伸縮性弾発部材の一方の端部に連結されている事を特徴とする肘疑似関節構造体。
  20. 当該2本の線状連結部材は、連続体で構成されている事を特徴とする請求項19に記載の肘疑似関節構造体。
  21. 当該伸縮性弾発部材の一方の端部と当該線状連結部材との接合部に滑車手段が使用されている事を特徴とする請求項20に記載の肘疑似関節構造体。
  22. 疑似関節構造体が肩疑似関節構造体であって、当該肩疑似関節構造体は、適宜の中空状内部形状を有する補助支持手段の一部の外表面に固定して取り付けられている凹状くぼみ部を外表面に有する関節窩を有する疑似肩甲骨と、当該関節窩と相互に係合嵌合する関節頭が一方の端部に形成されている疑似上腕骨部とから構成され、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合固定されており、且つ、当該補助支持手段内部には、その内壁の一部に設けられた適宜の固定手段を介して、その一端部固定把持されている少なくとも1本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材を配置せしめられており、更に、当該それぞれの伸縮性弾発部材の他方の端部には、適宜の強度或は伸度を有する1本或いは2本の連結部材のそれぞれの一端部が接続せしめられており、当該各連結部材のそれぞれの他方の端部は、当該補助支持手段に於ける当該疑似肩甲骨が取り付けられている側の表面に設けられ、当該疑似肩甲骨の両側面側に形成された1個又は2個の穴部にそれぞれ貫通させて、且つ当該関節窩の外表面側部を通過させた後、当該関節頭の表面に設けられた適宜の個々に対応する固定手段に接合固定するか又、当該関節頭の表面に設けられた個々の適宜の個々に対応する貫通孔を介して当該関節頭内部に導入し、当該関節頭内部に設けられた適宜の個々に対応する固定手段に接合固定する様に構成した事を特徴とする肩疑似関節構造体。
  23. 当該それぞれの伸縮性弾発部材に接合される2本の連結部材は、一本の連続した線状体で構成されている事を特徴とする請求項22に記載の肩疑似関節構造体。
  24. 当該それぞれの伸縮性弾発部材に接合される一連の連結部材は、一本の連続した線状体で構成されている事を特徴とする請求項22又は23に記載の肩疑似関節構造体。
  25. 当該それぞれの伸縮性弾発部材と当該連結部材との接合部には滑車手段が設けられている事を特徴とする請求項22乃至24の何れかに記載の肩疑似関節構造体。
  26. 疑似関節構造体が股疑似関節構造体であって、当該股疑似関節構造体は、適宜の中空状内部形状を有する補助支持手段の一部の外表面に固定して取り付けられている疑似寛骨臼窩を有する疑似寛骨と、その一端部に疑似上腕骨頭が形成されている疑似大腿骨部とから構成されており、且つ当該両者が所望の接圧応力の下で相互に接合嵌合固定されており、且つ、当該補助支持手段内部には、その内壁の一部に設けられた適宜の固定手段を介して、その一端部固定把持されている少なくとも1本の、所定の伸度、伸長回復率を有する伸縮性弾発部材を配置せしめられており、更に、当該それぞれの伸縮性弾発部材の他方の端部には、適宜の強度或は伸度を有する1本或いは2本の線状の連結部材のそれぞれの一端部が接続せしめられており、当該各連結部材のそれぞれの他方の端部は、当該補助支持手段に於ける当該疑似寛骨が取り付けられている側の表面に設けられた穴部或いはスリット部(切溝)にそれぞれ貫通させた後、当該各線状連結部材のそれぞれを、当該疑似寛骨に形成されている疑似寛骨臼窩に相当する底面部に設けられている挿通穴を介して、当該疑似上腕骨頭の外表面に形成された挿通穴を経由して当該疑似上腕骨頭の内部に導入され、そこで、適宜の固定手段によって、当該疑似上腕骨頭の外部表面に接合固定されている事を特徴とする股疑似関節構造体。
  27. 当該疑似大腿骨部の当該疑似上腕骨頭に近接する部位に、適宜の深さ、長さを有し、且つ異なる方向に配列形成された複数個の溝部が設けられている事を特徴とする請求項26に記載の股疑似関節構造体。
  28. 股疑似関節構造体は、当該伸縮性弾発部材に平行して、当該伸縮性弾発部材の伸度、伸長回復率等が異なる別の伸縮性弾発部材を配置し、当該別の伸縮性弾発部材の一方の端部を適宜の固定手段を介して当該補助支持手段内の内壁の一部に取り付けると共に、当該別の伸縮性弾発部材の他方の端部に適宜の強度或は伸度を有する別の線状の連結部材の一端部を接続させ、当該別の線状連結部材の他方の端部を当該補助支持手段の表面部に形成された穴部若しくはスリットを貫通させて、且つ当該疑似寛骨の底面部に設けられている適宜の挿通穴を通って、関節頭の外表面近傍に設けられた出口穴から外部に出て、当該疑似上腕骨頭の表面湾曲状面に沿って配置された後、当該疑似上腕骨頭上に形成された適宜の挿通穴から当該疑似大腿骨部内部に挿入され、そこで、適宜の接合手段により固定されている事を特徴とする請求項26又は27に記載の股疑似関節構造体。
  29. 当該一本の線状連結部材若しくは一本の別の線状連結部材に、複数本の当該伸縮性弾発部材若しくは複数本の当該別の伸縮性弾発部材が連結されている事を特徴とする請求項26乃至28の何れかに記載の股疑似関節構造体。
  30. 疑似関節構造体が膝疑似関節構造体であって、当該膝疑似関節構造体は、一方の端部先端部に、関節頭として機能する突起部がそれぞれ設けられている疑似内側顆と疑似外側顆が並列的に配置形成されている疑似大腿骨部と、当該疑似内側顆と当該疑似外側顆に個別に形成されている当該突起部のそれぞれと個別に嵌合係合し関節窩として機能しうる凹み状の平坦面を有する疑似内側顆と疑似外側顆とが一方の端部先端部に設けられた疑似脛骨とが、当該関節頭と当該関節窩とを介して直列状に、所望の接続圧力の下で、連結係合固定されている構成を有しており、且つ、両者の連結係合固定は、当該疑似大腿骨部内若しくはそれに接続して設けられている適宜の補助支持部内に配置され、その一方の端部が、当該補助支持部に接合固定されている、適宜の伸度、伸長特性を有する少なくとも一本の伸縮性弾発部材と、当該個々の伸縮性弾発部材の他方の端部に、一方の端部が連結された適宜の強度或いは伸度を有する線状の連結部材の他方の端部を、当該疑似大腿骨部の内部空間部を挿通させた後、当該疑似大腿骨の下端部近傍部位に設けられた適宜の形状を有する穴若しくはスリット等から当該疑似大腿骨の外表面に導出させ、そのまま当該疑似大腿骨と当該疑似脛骨の外表面の片側若しくは両側面側を移行させた後、当該疑似脛骨の上端部の適宜の部位に設けた挿入穴部或いは挿入スリットから当該連結部材を当該疑似脛骨の内部に導入させ、その部位で適宜の固定手段を介して固定保持する様に構成されている事を特徴とする膝疑似関節構造体。
  31. 当該1本若しくは2本の伸縮性弾発部材の何れか若しくはその双方に平行して当該線状の連結部材と同一或いは異なる伸度、強度を有する補助線状連結部材を更に配置、使用するものであり、当該各補助線状連結部材の一方の端部を、当該疑似大腿骨の上端部の適宜の部位に於いて、適宜の固定手段を介して着脱自在に接合係合させると共に、当該補助線状連結部材の他方の端部を、当該伸縮性弾発部材と当該線状連結部材との接合部に接合させた事を特徴とする請求項30に記載の膝疑似関節構造体。
  32. 当該膝疑似関節構造体は、更に、2本の補強線条体を相互に平行して当該膝疑似関節構造体の内部に配置する構成を有するものであって、当該各補強線条体の一方の端部は、当該補助支持部の上端部で、当該伸縮性弾発部材が固定配置されている部位の近傍に着脱自在の接合手段を介して、着脱自在に取り付けられていると共に、当該各補強線条体の他方の端部は、当該疑似大腿骨の内部を通過せしめられて、当該疑似大腿骨の下端部の下面に設けられた当該疑似内側顆と当該疑似外側顆内若しくはそれらの近傍部位に設けられた適宜の開口部から外部に導出させ、その後、当該2本の補強線条体を適宜の形状で相互に交差させた後に、当該疑似脛骨の上端部の上表面に設けた適宜の開口部から当該疑似脛骨内部に導入せしめ、当該疑似脛骨内部に設けられた適宜の接合固定手段に固定接合されている事を特徴とする請求項31に記載の膝疑似関節構造体。
  33. 当該膝疑似関節構造体は、更に、疑似大腿骨部と当該疑似脛骨部との接合部の周縁部の一部と対向して、揺動可能な状態で配置されている膝蓋骨が設けられており、且つ当該膝蓋骨は、その一端部が適宜の固定部材に固定されている適宜の伸縮性弾発部材の他方の端部とその一方が接続されている1本或いは複数本の適宜の接続線状体のそれぞれの他方の端部と接合されていると共に、その他方の端部が当該疑似脛骨部の上端部近傍部に固定されている1本或いは複数本の適宜の別の接続線状体のそれぞれの一方の端部と接続されている事を特徴とする請求項30乃至32の何れかに記載の膝疑似関節構造体。
  34. 当該伸縮性弾発部材と、当該線状の連結部材との接合係合部には、適宜の滑車手段が設けられている事を特徴とする請求項30乃至33の何れかに記載の膝疑似関節構造体。
  35. 疑似関節構造体が足首疑似関節構造体であって、当該足首疑似関節構造体は、下端部に、疑似脛骨の疑似下端部関節面と、疑似腓骨の疑似下端部内面と、疑似脛骨の下端部内面並びに、疑似腓骨の疑似下端部内面とが一体的且つ連続的に形成され、疑似関節窩が形成されている疑似脚部と、当該疑似脚部に対して直交或いはそれに近い角度で交差接合されている疑似足先部であって、当該疑似足先部の一部に設けられている疑似距骨の上面に形成された疑似関節頭の機能を有する疑似距骨滑車を介して、当該疑似脚部と当該疑似足先部とが所望の接圧応力の下で相互に接合嵌合固定されており、且つ、当該疑似脚部と当該疑似足先部とは、当該疑似脚部の上方端部の適宜の部位に設けられた適宜の固定手段にその一端部が固定された伸縮性弾発部材を、当該疑似脚部の内部空間部内に配置すると同時に、当該伸縮性弾発部材の他方の端部に適宜の強度、伸度を有する適宜の線状の連結部材の一方の端部を接続させ、その他方の端部を当該疑似関節窩が形成されている疑似脚部の下端部に設けられている疑似拒腿関節の表面に形成された、一つ或いは複数個の穴部を介して一旦外部に導出された後、当該疑似関節頭が形成されている疑似拒骨の外表面に形成されている一つ或いは複数個の穴部若しくはスリット状の溝部を介して当該疑似足先部の内部空間内に導入され、疑似足先部の内面に設けられた適宜の固定手段を介して接続固定されている事を特徴とする足首疑似関節構造体。
  36. 当該伸縮性弾発部材の当該他方の端部には、複数本の線状の連結部材の一方の端部のそれぞれが接続されており、当該複数本の線状の連結部材は、相互に平行に当該疑似脚部と当該疑似足先部の内部に配置されている事を特徴とする請求項35に記載の足首疑似関節構造体。
  37. 当該複数本の線状の連結部材は、一本の連続した線状の連結部材で構成されており、且つ当該線状の連結部材と当該伸縮性弾発部材との接合部には、適宜の滑車手段が設けられている事を特徴とする請求項36に記載の足首疑似関節構造体。
  38. 請求項1乃至37に規定された個々の疑似関節構造体から選択された複数種の当該疑似関節構造体が長手方向に相互に連続して接合されている事を特徴とする関節脱臼整復処理訓練用装置。
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