以下に添付の図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.3GPPにおける無線通信の技術
2.無線通信システムの概略的な構成
3.第1の実施形態
3.1.概略
3.2.同期関係情報の具体例
3.3.各装置の構成
3.3.1.eNodeBの構成
3.3.2.UEの構成
3.4.処理の流れ
3.5.変形例
3.5.1.第1の変形例
3.5.2.第2の変形例
4.第2の実施形態
4.1.概略
4.2.各装置の構成
4.2.1.eNodeBの構成
4.2.2.UEの構成
4.3.処理の流れ
4.4.変形例
4.4.1.第1の変形例
4.4.2.第2の変形例
5.応用例
5.1.eNodeBに関する応用例
5.2.UEに関する応用例
6.まとめ
<<<1.3GPPにおける無線通信の技術>>>
まず、前提として、3GPPにおける無線通信の技術を説明する。
(リリース10のキャリアアグリゲーション)
−コンポーネントキャリア
リリース10のキャリアアグリゲーションでは、最大で5つのコンポーネントキャリア(CC)が束ねられて、UEにより使用される。各CCは、最大20MHz幅の帯域である。キャリアアグリゲーションでは、周波数方向で連続するCCが使用される場合と、周波数方向で離れたCCが使用される場合とがある。キャリアアグリゲーションでは、使用されるCCをUE毎に設定することが可能である。
−プリマリCCとセカンダリCC
キャリアアグリゲーションでは、UEにより使用される複数のCCのうちの1つが特別なCCである。当該1つの特別なCCは、PCC(Primary Component Carrier)と呼ばれる。また、上記複数のCCのうちの残りは、SCC(Secondary Component Carrier)と呼ばれる。PCCは、UEによって異なり得る。以下、この点について図1を参照してより具体的に説明する。
図1は、各UEのPCCの一例を説明するための説明図である。図1を参照すると、UE20A及びUE20B、並びに5つのCC1〜5が示されている。この例では、UE20Aは、CC1及びCC2という2つのCCを使用している。そして、UE20Aは、CC2をPCCとして使用している。一方、UE20Bは、CC2及びCC4という2つのCCを使用している。そして、UE20Bは、CC4をPCCとして使用している。このように、各UEは、異なるCCをPCCとして使用し得る。
PCCは、複数のCCの中で最も重要なCCであるので、通信品質が最も安定しているCCであることが望ましい。なお、どのCCをPCCとするかは、実際には、どのように実装するかに依存する。
UEが最初に接続を確立するCCが、当該UEにとってのPCCである。SCCは、PCCに追加される。即ち、PCCは、主要な周波数帯域であり、SCCは、補助的な周波数帯域である。SCCの変更は、既存のSCCの削除と新たなSCCの追加により行われる。PCCの変更は、従来の周波数間ハンドオーバの手順で行われる。キャリアアグリゲーションでは、UEは、SCCのみを使用することはできず、必ず1つのPCCを使用する。
なお、PCCは、プライマリセル(Primary Cell)と呼ばれることもある。また、SCCは、セカンダリセル(Secondary Cell)と呼ばれることもある。
−CRSでのUEの同期状態の獲得
キャリアアグリゲーションでは、各CCで共通リファレンス信号(Common Reference Signal:CRS)が送信される。そして、UEは、当該CRSにより、各CCにおいてUEの同期状態を獲得する。なお、共通リファレンス信号は、セル固有のリファレンス信号(Cell-specific Reference Signal)とも呼ばれる。
(リリース11のNCTの背景)
キャリアアグリゲーションでは、後方互換性(Backward Compatibility)の確保の観点から、各CCがLegacy UE(即ち、従来型のUE)により使用可能であることが前提であった。しかし、Legacy UEが使用できないもののより効率的であるCCの定義が、検討され始めている。即ち、NCT(New Carrier Type)又は追加キャリア(Additional Carrier)と呼ばれる新たなCCの定義が、検討され始めている。
上記NCTに対する最大のモチベーションは、CCのオーバーヘッドを減らすことである。上記オーバーヘッドは、ユーザデータの送信に利用される無線リソース以外の無線リソースである。即ち、上記オーバーヘッドは、制御のために利用される無線リソースである。当該オーバーヘッドが増加すると、ユーザデータの送信に利用可能な無線リソースが減少してしまうので、上記増加は望ましくない。オーバーヘッドの一因として、ダウンリンクでは各CCにおいてCRSが存在する。以下、この点について、図2を参照してより具体的に説明する。
図2は、ダウンリンクにおいてCCで送信されるCRSの一例を説明するための説明図である。図2を参照すると、20MHzのCCに対応するいくつかの無線リソースブロック(Resource Block:RB)が示されている。各RBは、周波数方向において12サブキャリアの幅を有し、時間方向において7OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの幅を有する。そして、各RBでCRSが送信される。即ち、周波数方向においてCCの帯域幅にわたって存在し、時間方向においてスロットごとに存在する全てのRBで、CRSが送信される。よって、各CCで、且つ各サブフレームでCRSが送信される。
CRSの1つの目的は、UEの同期状態を獲得することである。同期には、時間方向における同期であるタイミング同期と、周波数方向の同期である周波数同期とがある。UEは、CRSにより、周波数方向及び時間方向において高い精度で同期状態を獲得することができる。当該同期状態は、CRSにより継続的に獲得され、維持される。
また、CRSの別の目的は、UEがダウンリンク信号を適切に復調することである。UEは、CRSの位相に基づいて、他の受信信号の復調を行う。
CRS(Common Reference Signal)は、リリース8で導入された最も基本的なリファレンス信号(Reference Signal:RS)である。一方、現在、CSI−RS(Channel State Information-Reference Signal)のような間欠的に送信されるRSがあり、当該RSがダウンリンク信号の復調のために用いられる。よって、現在のCRSの目的は、主として、UEの同期状態の獲得である。そのため、同期状態の獲得が可能であれば、CRSが送信される頻度を下げることも可能である。
(リリース11におけるNCTについて検討されたCRSの削減)
−NCTの種類
リリース11において検討されたNCTには、大きく分けて2種類のNCTがある。
2種類のNCTのうちの一方は、Legacy CC(即ち、従来型のCC)と同期しているNCTである。UEは、Legacy CCにおける同期処理により、当該Legacy CCにおける同期状態を獲得すれば、当該Legacy CCと同期しているNCTにおける同期状態も獲得することになる。このようなNCTは、Synchronized NCT(以下、「SNCT」と呼ぶ)と呼ばれる。ここで、同期処理とは、CRSの受信により周波数同期及びタイミング同期を行うことである。
また、2種類のNCTのうちの他方は、Legacy CCと同期していないNCTである。UEは、当該NCTにおける同期処理により、当該NCTにおける同期状態を獲得する必要がある。このようなNCTは、Unsynchronized NCT(以下、「UNCT」と呼ぶ)と呼ばれる。UNCTでは同期処理が必要であるので、UNCTにおいてCRSが送信される。
以上のように、NCTには、SNCTとUNCTとがある。以下、SNCT及びUNCTの具体例を、図3を参照して説明する。
図3は、NCTの例を説明するための説明図である。図3を参照すると、5つのCC30が示されている。5つのCC30のうちのCC30A及びCC30Bは、Legacy CCである。この例では、CC30A及びCC30Bは、互いに同期している。また、CC30C、CC30D及びCC30Eは、NCTである。さらに具体的には、CC30CがLegacy CCであるCC30A及びCC30Bの両方と同期しているSNCTである。また、CC30D及びCC30Eは、CC30A及びCC30Bのいずれとも同期していないUNCTである。この例では、CC30D及びCC30Eは、互いに同期していない。
−Unsynchronized NCTについてのCRSの削減
Legacy CCで送信されるCRSは、同期状態の維持のためだけではなく、受信信号の復調のためにも送信されるので、冗長である。一方、リリース10以降のリリースでは、復調のためのRSとしてCIS−RSが規格化されたので、CRSを削減することが可能である。そこで、UEの同期状態を保ちつつCRSをどれだけ削除できるかが、検討された。とりわけ、Unsynchronized NCT(即ち、UNCT)のCRSの削減として、周波数方向におけるCRSの削減と、時間方向におけるCRSの削減が検討された。
周波数方向におけるCRSの削減として、例えば、CRSが送信されるRBが、6RB、25RB又は50RBまで削減される。以下、この点について図4を参照して具体的に説明する。
図4は、周波数方向におけるCRSの削減の例を説明するための説明図である。図4を参照すると、CRSを送信するRBを周波数方向において6RBにするケースと、CRSを送信するRBを周波数方向において25RBにするケースとが、示されている。このように、周波数方向にわたって存在する全てのRBにおいてCRSを送信するのではなく、限定されたRBにおいてCRSが送信される。
一方、時間方向におけるCRSの削減として、例えば、CRSの送信周期が、5ms又は10msとされる。この点について図5を参照して具体的に説明する。
図5は、時間方向におけるCRSの削減の例を説明するための説明図である。図5を参照すると、CRSの送信周期が5msであるケースと、CRSの送信周期が10msであるケースとが、示されている。このように、時間方向において全てのスロット又は全てのサブフレームでCRSを送信するのではなく、限定されたサブフレームにおいてCRSが送信される。
以上のような、周波数方向におけるCRSの削減と時間方向におけるCRSの削減との組合せの手法が検討された。同期状態が維持されているか否かの評価として、SNRが−8dBの環境で500Hz程度の精度が維持されているか否かが評価された。結果として、SNRが−8dBの環境では、5ms毎に25RBでCRSを送信することが必要であった。
−Synchronized NCTについてのCRSの削減
一方、Synchronized NCT(SNCT)は、Legacy CCと同期しているので、基本的には、SNCTにおいては、従来のCRSを削除してしまうことが可能である。
(同期監視手続き)
UEは、UEが同期状態にあるか否かを、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)のブロックエラーレート(Block Error Rate:BLER)に基づいて監視する。換言すると、UEは、PDCCHのBLERに基づいて、UEの同期外れを検出する。例えば、PDCCHのBLERが10%以上になった場合に、UEは同期外れを検出する。
所定の回数の同期外れが検出されると、タイマが開始する。そして、当該タイマが期限切れになる(expire)と、RLF(Radio Link Failure)が認識される。RLFが認識されると、UEは、他のUEへの干渉を避けるために、RLFの認識から40ms以内に全ての送信を停止する。その後、UEは、セルの選択(Cell Selection)、ランダム・アクセス等を含むRRCの再確立(RRC-Re-Establishment)の手続きを行う。
なお、UEは、上述したような同期監視をPCCに対して行うが、SCCに対して行わない。UEは、SCCにおけるPDCCHの不検出により、当該SCCをデアクティベートする。
<<<2.無線通信システムの概略的な構成>>>
続いて、図6を参照して、本開示の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成を説明する。図6は、本開示の第1の実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成の一例を示す説明図である。当該無線通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)の一連の通信規格に準拠する無線通信システムである。図6を参照すると、無線通信システムは、eNodeB100及びUE200を含む。
eNodeB100は、セル10内に位置するUE200と無線通信する。また、例えば、eNodeB100は、複数のコンポーネントキャリア(CC)を使用して無線通信する。
また、例えば、eNodeB100は、1つのUE200との無線通信に、複数のCCを同時に使用できる。即ち、eNodeB100は、キャリアアグリゲーションをサポートする。
とりわけ第1の実施形態では、上記複数のCCは、無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない1つ以上のCCを含む。より具体的には、例えば、上記複数のCCには、1つ以上のNCTを含む。
UE200は、セル10のeNodeB100と無線通信する。また、例えば、UE200は、無線通信に複数のCCを同時に使用できる。具体的には、例えば、UE200は、複数のCCを同時に使用して、セル10のeNodeB100と無線通信できる。即ち、UE200は、キャリアアグリゲーションをサポートする。
以下、<<<3.第1の実施形態>>>及び<<<4.第2の実施形態>>>において、具体的な内容を説明する。
<<<3.第1の実施形態>>>
続いて、図7〜28を参照して本開示の第1の実施形態を説明する。
<<3.1.概要>>
まず、本開示の第1の実施形態の概要を説明する。
上述したように、3GPPのリリース11では、後方互換性を維持できるLegacy CC(従来型のCC)とは別に、新たなコンポーネントキャリアとして、NCTが検討されている。ここでは、NCTは、新たなCCの型(type)のことを意味するとともに、当該型のCCのことも意味するものとする。そして、NCTとして、従来型のCCと同期しているNCT(SNCT)と、LCCと同期していないNCT(UNCT)とが、検討されている。
SNCTは、いずれかのLegacy CCと同期しているので、UEは、互いに同期しているSNCT及びLegacy CCのうちの一方のCCにおけるUEの同期状態を獲得すれば、当該同期状態の情報を他方のCCに利用し得る。即ち、UEは、他方のCCにおけるUEの同期状態を獲得しなくてもよい。また、UEは、互いに同期しているSNCT及びLegacy CCのうちの一方のCCにおけるUEの同期状態を監視すれば、当該同期状態の監視結果を他方のCCに利用し得る。即ち、UEは、他方のCCにおけるUEの同期状態を監視しなくてもよい。
また、UNCTは、いずれのLegacy CCとも同期していないが、別のUNCTと同期し得るので、UEは、互いに同期している2つ以上のUNCTのうちの1つのCCにおけるUEの同期状態を獲得すれば、当該同期状態の情報を他のCCに利用し得る。即ち、UEは、他方のCCにおけるUEの同期状態を獲得しなくてもよい。また、UEは、互いに同期している2つ以上のUNCTのうちの1つのCCにおけるUEの同期状態を監視すれば、当該同期状態の監視結果を他方のCCに利用し得る。即ち、UEは、他方のCCにおけるUEの同期状態を監視しなくてもよい。
しかし、UEがあるCCにおけるUEの同期状態の情報を別のCCに利用するためには、UEに大きな負荷がかかることが懸念される。
例えば、Legacy CCの中には、SNCTと離れた周波数帯域も存在し得るので、SNCTは、全てのLegacy CCと同期しているわけではない。そのため、UEは、Legacy CCにおけるUEの同期状態の情報をSNCTに利用するためには、複数のLegacy CCの各々とSNCTとの間の同期を検証することになる。当該検証は、例えば、複数のLegacy CCにおけるUEの同期状態の情報を利用して、NCTにおいてデータを誤りなく受信できるかを試行することを含む。このように、UEに大きな負荷がかかってしまう。
また、例えば、UNCTは別のUNCTと同期している可能性があるが、全てのUNCTが同期しているわけではない。そのため、UEは、あるUNCTにおけるUEの同期状態の情報を別のUNCTに利用するためには、UNCT間の同期を検証することになる。当該検証は、例えば、複数のUNCTにおけるUEの同期状態の情報を利用して、別のUNCTにおいてデータを誤りなく受信できるかを試行することを含む。このように、UEに大きな負荷がかかってしまう。
また、そもそも、UEが、あるCCにおけるUEの同期状態の情報を別のCCに利用しない場合には、各CCにおいてUEの同期状態を獲得し、各CCにおいてUEの同期状態を監視する必要がある。このように、UEには大きな負荷がかかってしまう。
そこで、本開示の第1の実施形態は、キャリアアグリゲーションにおけるUEにとっての負荷を軽減することを可能にする。
具体的には、第1の実施形態によれば、無線通信に用いられる複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない1つ以上のCCを含む。より具体的には、例えば、当該1つ以上のCCは、1つ以上のNCTである。そして、上記複数のCCのうちのどのCCが互いに同期しているかを示す同期関係情報が、eNodeB100−1によりUE100−1へ送信される。
<<3.2.同期関係情報の具体例>>
次に、図7〜図20を参照して、eNodeBからUEへ送信される同期関係情報の具体例を説明する。
(Legacy CCとSynchronized NCTとの間の同期関係)
上述したように、無線通信に用いられる複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない1つ以上の周波数帯域を含む。そして、例えば、上記複数のCCは、サブフレームごとにCRSが送信される1つ以上の別のCCを含む。より具体的には、例えば、上記複数のCCは、1つ以上のNCTと、1つ以上のLegacy CCを含む。以下、この点について図7を参照してより具体的に説明する。
図7は、無線通信に用いられる複数のCCの内訳の一例を説明するための説明図である。図7を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。これらのCC30は、例えば、セル10における無線通信に用いられる。また、5つのCC30のうちのCC30A及びCC30Bは、Legacy CCである。また、CC30C、CC30D及びCC30Eは、NCTである。
また、例えば、同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域と上記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す。より具体的には、例えば、同期関係情報は、少なくとも、1つ以上のNCTのうちのどのNCTと1つ以上のLegacy CCのうちのどのLegacy CCと同期しているかを示す。換言すると、同期関係情報は、NCTとLegacy CCとの同期関係を示す。
さらに、例えば、上記1つ以上のCCは、上記1つ以上の別の周波数帯域のいずれかと同期している1つ以上の同期型周波数帯域を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域と上記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す。より具体的には、例えば、上記1つ以上のNCTは、1つ以上のSynchronized NCT(即ち、SNCT)を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、1つ以上のSNCTのうちのどのSNCTと1つ以上のLegacy CCのうちのどのLegacy CCとが同期しているかを示す。換言すると、同期関係情報は、SNCTとLegacy CCとの同期関係を示す。以下、この点について、図8及び図9を参照して第1の具体例を説明し、図10及び図11を参照して第2の具体例を説明する。
図8は、Synchronized NCTとLegacy CCとの同期関係の第1の例を説明するための説明図である。図8を参照すると、図7と同様に、2つのLegacy CCと、3つのNCTが示されている。さらに具体的には、CC30Cは、いずれかのLegacy CCと同期しているSynchronized NCT(即ち、SNCT)である。この例では、CC30Cは、Legacy CCであるCC30A及びCC30Bの両方と同期している。なお、CC30D及びCC30Eは、いずれのLegacy CCとも同期していないUnsynchronized NCT(即ち、UNCT)である。
図9は、図8に示される同期関係の第1の例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図9を参照すると、Legacy CCとSNCTとの同期関係を示す情報がテーブルとして示されている。図8の例では、SNCTであるCC30Cは、Legacy CCであるCC30A及びCC30Bの両方と同期している。よって、図9に示されるように、CC30CとCC30Aとに対応する欄、及びCC30CとCC30Bとに対応する欄には、同期を示すSYNCが示されている。例えばこのように、同期関係情報は、SNCTとLegacy CCとの同期関係を示す。なお、図9では、説明のために、同期関係情報がテーブルとして示されているが、同期関係情報は、CC間の同期関係を示す任意の形式の情報であり得る。以降の図面においても同様である。
図10は、Synchronized NCTとLegacy CCとの同期関係の第2の例を説明するための説明図である。図10に示されるように、この例では、Legacy CCであるCC30AとCC30Bとは、互いに同期していない。そして、CC30Cは、Legacy CCであるCC30Bと同期しているが、Legacy CCであるCC30Aとは同期していない。
図11は、図10に示される同期関係の第2の例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図10の例では、SNCTであるCC30Cは、Legacy CCであるCC30Bとは同期しているが、Legacy CCであるCC30Aとは同期していない。よって、図11に示されるように、CC30CとCC30Bとに対応する欄のみに、同期を示すSYNCが示されている。例えばこのように、同期関係情報は、SNCTとLegacy CCとの同期関係を示す。
なお、図9及び図11の例では、同期関係情報は、SNCTとLegacy CCとの同期関係のみを示しているが、第1の実施形態はこれに限られない。同期関係情報は、NCTとLegacy CCとの同期関係を示してもよい。即ち、同期関係情報は、各NCTがどのLegacy CCと同期しているかを示してもよい。この場合に、同期関係情報においていずれのLegacy CCとも同期していないと示されるNCTは、UNCTであり、同期関係情報においていずれかのLegacy CCと同期していると示されるNCTは、SNCTである。
このような同期関係情報が送信されることにより、UE200−1は、SNCTがどのLegacy CCと同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200−1は、SNCTに同期しているLegacy CCにおける同期状態の情報を、当該SNCTに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
(UNCT間の同期関係)
また、例えば、上記同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す。より具体的には、例えば、上記同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上のNCTのうちのどのNCTが互いに同期しているかを示す。換言すると、上記同期関係情報は、NCT間の同期関係を示す。
さらに、例えば、上記複数のCCは、サブフレームごとにCRSが送信される1つ以上の別のCCを含み、上記1つ以上のCCは、上記1つ以上の別の周波数帯域のいずれとも同期していない2つ以上の非同期型周波数帯域を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、上記2つ以上の非同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す。具体的には、例えば、上記複数のCCは、1つ以上のLegacy CCを含み、上記1つ以上のNCTは、上記1つ以上のLegacy CCのいずれと同期していない2つ以上のUnsynchronized CC(即ち、UNCT)を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、2つ以上のUNCTのうちのどのUNCTが互いに同期しているかを示す。換言すると、同期関係情報は、UNCT間の同期関係を示す。以下、この点について、図12及び図13を参照して第1の具体例を説明し、図14及び図15を参照して第2の具体例を説明する。
図12は、Unsynchronized NCT間の同期関係の第1の例を説明するための説明図である。図12を参照すると、図7と同様に、2つのLegacy CCと、3つのNCTが示されている。さらに具体的には、CC30D及びCC30Eは、いずれのLegacy CCとも同期していないUnsynchronized NCT(即ち、UNCT)である。この例では、CC30D及びCC30Eは、互いに同期していない。なお、CC30Cは、いずれかのLegacy CCと同期しているSynchronized NCT(即ち、SNCT)である。
図13は、図12に示される同期関係の第1の例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図13を参照すると、UNCT間の同期関係を示す情報がテーブルとして示されている。図12の例ではUNCTであるCC30D及びCC30Eは互いに同期していない。よって、図13に示されるように、CC30D及びCC30Eに対応する欄には、同期を示すSYNCが示されていない。例えばこのように、同期関係情報は、UNCT間の同期関係を示す。
図14は、Unsynchronized NCT間の同期関係の第2の例を説明するための説明図である。図14に示されるように、この例では、CC30D及びCC30Eは、互いに同期している。
図15は、図14に示される同期関係の第2の例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図14の例ではUNCTであるCC30D及びCC30Eは互いに同期している。よって、図15に示されるように、CC30D及びCC30Eに対応する欄には、同期を示すSYNCが示されている。例えばこのように、同期関係情報は、UNCT間の同期関係を示す。
このような同期関係情報が送信されることにより、UE200−1は、どのUNCTとどのUNCTとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200−1は、1つのUNCTにおける同期状態の情報を、当該UNCTと同期している別のUNCTに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
(全CC間の同期関係)
以上では、Legacy CCとSNCTとの間の同期関係、及びUNCT間の同期関係を示す同期関係情報の例を説明した。これらの同期関係は、全てのCC間での同期関係を示す同期関係情報の中で示されてもよい。以下、この点について図16及び図17を参照して具体例を説明する。
図16は、全てのCC間の同期関係の一例を説明するための説明図である。図16を参照すると、例えば、Legacy CCであるCC30A及び30B、並びにSNCTであるCC30Cが、互いに同期している。また、UNCTであるCC30D及びCC30Eが互いに同期している。
図17は、図16に示される同期関係の一例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図17を参照すると、全てのCC間の同期関係が示されている。この例では、CC30A及びCC30Bに対応する欄、CC30A及びCC30Cに対応する欄、CC30B及びCC30Cに対応する欄、並びに、CC30D及びCC30Eに対応する欄に、同期を示すSYNCが示されている。例えばこのように、同期関係情報は、CC間の同期関係を示す。
(Legacy CCがない場合のNCT間の同期関係)
以上では、無線通信に用いられる複数のCCにLegacy CCが含まれる例を説明したが、上記複数のCCにはLegacy CCが含まれなくてもよい。即ち、上記複数のCCの各々は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されないCCであってもよい。即ち、上記複数のCCの各々は、NCTであってもよい。以下、この点について図18を参照してより具体的に説明する。
図18は、無線通信に用いられる複数のCCの内訳の別の例を説明するための説明図である。図18を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。これらのCC30は、例えば、セル10における無線通信に用いられる。また、5つのCC30の各々は、NCTである。
そして、同期関係情報は、上記複数のCCのうちのどのCCが互いに同期しているかを示す。即ち、この例では、同期関係情報は、複数のNCTのうちのどのNCTが互いに同期しているかを示す。以下、この点について、図19及び図20を参照して具体例を説明する。
図19は、NCT間の同期関係の一例を説明するための説明図である。図19を参照すると、図18と同様に、NCTである5つのCCが示されている。この例では、CC30G及びCC30Hが互いに同期している。また、CC30I及びCC30Jが互いに同期している。そして、その他のCCの組合せは、互いに同期していない。
図20は、図19に示される同期関係の一例に対応する同期関係情報の一例を説明するための説明図である。図20を参照すると、全てのCC間の同期関係が示されている。この例では、CC30G及びCC30Hに対応する欄、及び、CC30I及びCC30Jに対応する欄に、同期を示すSYNCが示されている。例えばこのように、同期関係情報は、CC間の同期関係を示す。
このような同期関係情報が送信されることにより、UE200−1は、どのNCTとどのNCTとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200−1は、1つのNCTにおける同期状態の情報を、当該NCTと同期している別のNCTに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
<<3.3.各装置の構成>>
次に、本開示の第1の実施形態に係るeNodeB100−1及びUE200−1の構成の一例を説明する。
<3.3.1.eNodeBの構成>
まず、図21を参照して、本開示の第1の実施形態に係るeNodeB100−1の構成の一例を説明する。図21は、本開示の第1の実施形態に係るeNodeB100−1の構成の一例を示すブロック図である。図21を参照すると、eNodeB100−1は、アンテナ部110、無線通信部120、ネットワーク通信部130、記憶部140及び制御部150を備える。
(アンテナ部110)
アンテナ部110は、無線信号を受信し、受信された無線信号を無線通信部120へ出力する。また、アンテナ部110は、無線通信部120により出力された送信信号を送信する。
(無線通信部120)
無線通信部120は、セル10内に位置するUE200−1と無線通信する。例えば、無線通信部120は、複数のCCを同時に使用して無線通信する。
また、例えば、無線通信部120は、複数のCCを同時に使用して、1つのUE200と無線通信し得る。即ち、eNodeB100は、キャリアアグリゲーションをサポートする。
(ネットワーク通信部130)
ネットワーク通信部130は、他の通信ノードと通信する。例えば、ネットワーク通信部130は、他のeNodeB、MME(Mobility Management Entity)等と通信する。
(記憶部140)
記憶部140は、eNodeB100−1の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。
例えば、記憶部140は、無線通信に用いられる複数のCCのうちのどのCCが互いに同期しているかを示す同期関係情報を記憶する。同期関係情報の具体例は、上述したとおりである。
(制御部150)
制御部150は、eNodeB100−1の様々な機能を提供する。
とりわけ、第1の実施形態では、制御部150は、無線通信に用いられる複数のCCのうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報を取得する。より具体的には、例えば、制御部150は、記憶部140に記憶されている同期関係情報を取得する。
そして、制御部150は、UE200への上記同期関係情報の送信を制御する。より具体的には、例えば、制御部150は、当該同期関係情報を含むシステム情報(System Information)を生成し、無線通信部120に当該システム情報を送信させる。これにより、UE200−1は、上記同期関係情報を受信できる。なお、上記同期関係情報は、UE200−1へのRRC(Radio Resource Control)シグナリングにより送信されてもよい。
また、上記複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない1つ以上のCCを含む。より具体的には、上記複数のCCは、1つ以上のNCTを含む。
以上のように、同期関係情報が送信されることにより、キャリアアグリゲーションにおけるUE200−1にとっての負荷を軽減することが可能になる。即ち、同期関係情報がeNodeB100−1からUE200−1へ送信されれば、UE200−1は、どのCCとどのCCとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、互いに同期しているCC(例えば、Legacy CC及びSNCT、UNCT及びUNCT)がある場合に、UE200−1は、一方のCCにおけるUE200−1の同期状態の情報を、他方のCCに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
<3.3.2.UEの構成>
まず、図22を参照して、本開示の第1の実施形態に係るUE200−1の構成の一例を説明する。図22は、本開示の第1の実施形態に係るUE200−1の構成の一例を示すブロック図である。図22を参照すると、UE200−1は、アンテナ部210、無線通信部220、記憶部230及び制御部240を備える。
(アンテナ部210)
アンテナ部210は、無線信号を受信し、受信された無線信号を無線通信部220へ出力する。また、アンテナ部210は、無線通信部220により出力された送信信号を送信する。
(無線通信部220)
無線通信部220は、セル10のeNodeB100−1と無線通信する。また、例えば、無線通信部220は、複数のCCを同時に使用できる。具体的には、例えば、無線通信部220は、複数のCCを同時に使用して、eNodeB100−1と無線通信できる。即ち、UE200−1は、キャリアアグリゲーションをサポートする。
(記憶部230)
記憶部230は、UE200−1の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。
例えば、記憶部230は、無線通信に用いられる複数のCCのうちのどのCCが互いに同期しているかを示す同期関係情報を記憶する。具体的には、例えば、制御部240が、上記同期関係情報を取得すると、記憶部230は、当該同期関係情報を記憶する。
(制御部240)
制御部240は、UE200−1の様々な機能を提供する。
とりわけ、第1の実施形態では、制御部240は、無線通信に用いられる複数のCCのうちのどのCCが互いに同期しているかを示す同期関係情報が受信されると、当該同期関係情報を取得する。具体的には、例えば、eNodeB100−1が、上記同期関係情報を含むシステム情報を送信すると、無線通信部220は、当該システム情報を受信する。そして、制御部240は、受信されたシステム情報から、上記同期関係情報を取得する。
そして、制御部240は、上記同期関係情報に基づいて、上記複数のCCにおける同期のための制御を行う。
例えば、制御部240は、同期関係情報から、互いに同期しているCCを特定する。そして、制御部240は、互いに同期しているCCのうちの一部のCCにおけるUE200−1の同期状態を獲得し、当該同期状態の情報を残りのCCに利用する。より具体的には、例えば、制御部240は、互いに同期しているCCのうちの1つのCCにおけるUE200−1の同期状態を、CRSにより獲得する。そして、制御部240は、獲得した上記1つのCCにおけるUE200−1の同期状態の情報を、残りのCCに利用する。これにより、制御部240は、残りのCCにおけるUE200−1の同期状態を、CRSにより獲得しなくてもよい。即ち、UE200−1にとっての負荷が軽減される。
なお、上記複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない1つ以上のCCを含む。具体的には、例えば、上記複数のCCは、1つ以上のNCTを含む。そして、互いに同期している上記CCは、例えば、Legacy CC及びSNCTであり、又は2つ以上のUNCTである。
<<3.4.処理の流れ>>
次に、図23A及び図23Bを参照して、本開示の第1の実施形態に係る通信制御処理の例を説明する。
(eNodeB側の通信制御処理)
図23Aは、本開示の第1の実施形態に係るeNodeB100−1の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS401で、制御部150は、記憶部140に記憶されている同期関係情報を取得する。
次に、ステップS403で、制御部150は、上記同期関係情報を含むシステム情報を生成する。
そして、ステップS405で、制御部150は、無線通信部120に、上記同期関係情報を含む上記システム情報を送信させる。即ち、無線通信部120は、上記同期関係情報を含む上記システム情報を送信する。そして、処理はステップS401へ戻る。
(UE側の通信制御処理)
図23Bは、本開示の第1の実施形態に係るUE200−1の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS421で、eNodeB100−1が、同期関係情報を含むシステム情報を送信すると、無線通信部220は、当該システム情報を受信する。
ステップS423で、制御部240は、受信されたシステム情報から、上記同期関係情報を取得する。
ステップS425で、制御部240は、上記同期関係情報に基づいて、上記複数のCCにおける同期のための制御を行う。そして、処理はステップS421へ戻る。
<<3.5.変形例>>
次に、図24〜図28を参照して、本開示の第1の実施形態に係る第1の変形例、及び第2の変形例を説明する。
<3.5.1.第1の変形例>
まず、図24〜図25を参照して、第1の実施形態に係る第1の変形例を説明する。
(概要)
従来では、各CCでCRSが送信されていた。そのため、NCTが用いられる場合にも、従来と同様に各NCTでCRSが送信され得る。
しかし、上述したように、UE200−1が、あるUNCTおけるUE200−1の同期状態を獲得すると、当該あるUNCTと同期している別のUNCTに上記同期状態の情報を利用し得る。そのため、互いに同期している2つ以上のUNCTの各々でCRSが送信されることは、無線リソースの効率的な利用の観点から望ましくない。
また、無線通信に用いられる複数のCCの各々がNCTである場合(即ち、Legacy CCがない場合)に、UE200−1は、あるNCTにおけるUE200−1の同期状態を獲得すると、当該あるNCTと同期している別のNCTに上記同期状態の情報を利用し得る。そのため、互いに同期している2つ以上のNCTの各々でCRSが送信されることは、無線リソースの効率的な利用の観点から望ましくない。
そこで、第1の実施形態に係る第1の変形例では、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記1つ以上のCCは、互いに同期している2つ以上のCCを含む。そして、上記2つ以上のCCのうちの一部のCCでは、少なくともいずれかのサブフレームでCRSが送信され、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCでは、CRSが送信されない。
これにより、無線リソースを効率的に利用することが可能になる。即ち、制御信号の送信に利用される無線リソースを削減することができる。
(CRSの送信の具体例)
具体的には、例えば、無線通信に用いられる複数のCCに含まれるNCTは、互いに同期している2つ以上のNCTを含む。当該2つ以上のNCTは、例えば、2つ以上のUNCTであり、又は、Legacy CCがないケースにおける2つ以上のNCTである。そして、上記2つ以上のNCTのうちの一部のNCTでは、CRSが送信され、上記2つ以上のNCTのうちの残りのNCTでは、CRSが送信されない。以下、この点について図24及び図25を参照して具体例を説明する。
図24は、第1の実施形態の第1の変形例に従ったCRSの送信の第1の例を説明するための説明図である。図24を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。この例では、5つのCC30のうちのCC30A及びCC30Bは、Legacy CCであり、CC30C、CC30D及びCC30Eは、NCTである。さらに具体的には、CC30D及びCC30Eは、いずれのLegacy CCとも同期していないUnsynchronized NCT(即ち、UNCT)である。そして、この例では、UNCTであるCC30D及びCC30Eは、互いに同期している。この場合に、CC30Dでは、CRSが送信されるが、CC30Eでは、CRSが送信されない。UE200−1は、CC30DにおけるUE200−1の同期状態を獲得し、当該同期状態の情報をCC30Eに利用する。
図25は、第1の実施形態の第1の変形例に従ったCRSの送信の第2の例を説明するための説明図である。図25を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。この例では、5つのCC30の各々は、NCTである。ここで、CC30G及びCC30Hは互いに同期している。また、CC30I及びCC30Jは互いに同期している。そして、その他のCCの組合せは、互いに同期していない。この場合に、CC30F、CC30H及びCC30Iでは、CRSが送信されるが、CC30G及びCC30Jでは、CRSが送信されない。UE200−1は、CC30HにおけるUE200−1の同期状態を獲得し、当該同期状態の情報をCC30Gに利用する。また、UE200−1は、CC30IにおけるUE200−1の同期状態を獲得し、当該同期状態の情報をCC30Jに利用する。
(各装置の構成)
−eNodeB100−1:制御部150
eNodeB100の制御部150は、互いに同期している上記2つ以上のCCのうちの一部のCCでは、少なくともいずれかのサブフレームでCRSが送信され、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCでは、CRSが送信されないように、各CCにおける信号の送信を制御する。
より具体的には、例えば、eNodeB100の制御部150は、無線通信部120に、互いに同期している2つ以上のNCTのうちの一部のNCTでCRSを送信させる。また、制御部150は、無線通信部120に、上記2つ以上のNCTのうちの残りのNCTでCRSを送信させない。
一例として、制御部150は、無線通信部120に、CRSの送信に関する設定に従って各NCTでCRSを送信させる。上記設定は、例えば、時間方向におけるCRSの送信周期、周波数方向におけるCRSの送信対象のRB、RB内での送信位置等を含む。そして、無線通信部120は、CRSの送信に関する上記設定に従って、各NCTでCRSを送信する。具体的には、例えば、無線通信部120は、リソースエレメント(Resource Element:RE)への信号のマッピングを担う。そして、無線通信部120は、CRSの送信に関する設定に従って、CRSをREへマッピングする。その後、無線通信部120は、当該CRSを送信する。
別の例として、制御部150は、REへの信号のマッピングを担ってもよい。そして、制御部150は、予め定められたCRSの送信頻度に従って、CRSをREへマッピングしてもよい。そして、無線通信部120は、当該REでCRSを送信してもよい。この場合に、制御部150は、例えば、無線通信プロトコルにおける物理層の処理の一部を行うように構成された通信処理回路を含む。
例えばこのように、制御部150は、信号の送信を制御する。
−eNodeB100−1:無線通信部120
eNodeB100の無線通信部120は、互いに同期している上記2つ以上のCCのうちの一部のCCで、少なくともいずれかのサブフレームでCRSを送信し、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCではCRSを送信しない。より具体的には、例えば、eNodeB100の無線通信部120は、互いに同期している2つ以上のNCTのうちの一部のNCTでCRSを送信する。また、無線通信部120は、上記2つ以上のNCTのうちの残りのNCTでCRSを送信しない。
<3.5.2.第2の変形例>
まず、図26〜図28を参照して、第1の実施形態に係る第2の変形例を説明する。
(概要)
上述したように、第1の実施形態では、UE200−1は、同期関係情報に基づいて、無線通信に用いられる複数のCCにおける同期のための制御を行う。例えば、UE200−1は、互いに同期しているCCのうちの一部のCCにおけるUE200−1の同期状態を、CRSにより獲得する。そして、UE200−1は、獲得した上記一部のCCにおけるUE200−1の同期状態の情報を、残りのCCに利用する。
第1の実施形態に係る第2の変形例では、まず、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記1つ以上のCCは、互いに同期している2つ以上のCCを含む。そして、UE200−1は、上記2つ以上のCCのうちの一部のCCにおけるUE200−1の同期状態の監視を行い、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCにおけるUE200−1の同期状態の監視を行わない。
なお、UE200−1は、例えば、上記一部のCCにおけるUE200の同期状態の監視結果を、上記残りのCCに利用する。
以上のように、互いに同期しているNCTがある場合に、UE200−1は、一部のNCTにおけるUE200−1の同期状態を監視すれば、残りのCCにおけるUE200−1の同期状態を監視しなくてもよい。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
(同期監視の具体例)
具体的には、例えば、無線通信に用いられる複数のCCは、互いに同期している2つ以上のNCTを含む。当該2つ以上のNCTは、例えば、2つ以上のUNCTであり、又は、Legacy CCがないケースにおける2つ以上のNCTである。そして、UE200−1は、上記2つ以上のNCTのうちの一部のNCTにおけるUE200−1の同期状態を監視する。一方、UE200−1は、上記2つ以上のNCTのうちの残りのNCTにおけるUE200−1の同期状態を監視しない。以下、この点について図26及び図27を参照して具体例を説明する。
図26は、第1の実施形態の第2の変形例に従った同期監視の第1の例を説明するための説明図である。図26を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。この例では、5つのCC30のうちのCC30A及びCC30Bは、Legacy CCであり、CC30C、CC30D及びCC30Eは、NCTである。さらに具体的には、CC30D及びCC30Eは、いずれのLegacy CCとも同期していないUnsynchronized NCT(即ち、UNCT)である。そして、この例では、UNCTであるCC30D及びCC30Eは、互いに同期している。この場合に、UE200−1は、CC30DにおけるUE200−1の同期状態の監視を行うが、CC30EにおけるUE200−1の同期状態の監視を行わない。UE200−1は、CC30DにおけるUE200の同期状態の監視結果を、CC30Eに利用する。
図27は、第1の実施形態の第2の変形例に従ったCRSの送信の第2の例を説明するための説明図である。図27を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。この例では、5つのCC30の各々は、NCTである。ここで、CC30G及びCC30Hは互いに同期している。また、CC30I及びCC30Jは互いに同期している。そして、その他のCCの組合せは、互いに同期していない。この場合に、UE200−1は、CC30F、CC30H及びCC30IにおけるUE200−1の同期状態の監視を行うが、CC30G及びCC30JにおけるUE200−1の同期状態の監視を行わない。UE200−1は、CC30HにおけるUE200の同期状態の監視結果を、CC30Gに利用する。また、UE200−1は、CC30IにおけるUE200の同期状態の監視結果を、CC30Jに利用する。
(各装置の構成)
−UE200−1:制御部240
UE200−1の制御部240は、上記同期関係情報に基づいて、上記複数のCCにおける同期のための制御を行う。とりわけ第1の実施形態の第2の変形例では、制御部240は、上記2つ以上のCCのうちの一部のCCにおけるUE200−1の同期状態の監視を行い、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCにおけるUE200−1の同期状態の監視を行わない。
例えば、制御部240は、同期関係情報から、互いに同期しているNCTを特定する。そして、制御部240は、互いに同期しているNCTのうちの一部のCCにおけるUE200−1の同期状態を監視し、互いに同期しているNCTのうちの残りのNCTにおけるUE200−1の同期状態を監視しない。より具体的には、例えば、制御部240は、当該一部のNCTにおけるUE200−1の同期状態にあるか否かをPDCCHのBLERに基づいて監視する。換言すると、UE200−1は、PDCCHのBLERに基づいて、上記一部のNCTにおけるUE200−1の同期外れを検出する。一例として、UE200−1は、BLERが所定の閾値(例えば、10%)を下回る場合に、同期外れを検出する。
そして、UE200−1は、所定の回数の同期外れを検出すると、タイマを開始する。その後、UE200−1は、上記タイマが期限切れになる前に、UE200−1の同期状態を検出すると、上記タイマを停止する。このようにタイマを停止するのは、同期外れの検出により直ちにNCTをデアクティベート(deactivate)してしまうと、当該NCTと同期している他のNCTへの影響が大きいからである。
また、上記タイマが期限切れになると、UE200−1は、上記NCTをデアクティベートする。また、UE200−1は、当該NCTにおけるUE200−1の同期状態の情報を利用するNCTも、同様にデアクティベートする。
従来のSCC(即ち、リリース10のキャリアアグリゲーションのSCC)は、PDCCHの不検出のみでデアクティベートされる。一方、上述した同期監視処理により、別のNCTと同期している同期監視対象のNCTは、SCCであったとしても、PDCCHの不検出のみではデアクティベートされない。よって、同期監視対象のNCTは、簡単にデアクティベートされないので、当該NCTと同期している別のNCTに悪影響を与えにくい。
なお、いずれのNCTとも同期していないNCTは、例えば、従来のSCCと同様にUE200−1によりデアクティベートされる。即ち、UE200−1は、PDCCHの不検出のみで、いずれのNCTも同期していないNCTをデアクティベートする。
(処理の流れ)
次に、図28を参照して、第1の実施形態の第2の変形例に係るUE200−1の通信制御処理の例を説明する。図28は、第1の実施形態の第2の変形例に係るUE200−1の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS501で、制御部240は、互いに同期しているNCTのうちの1つのNCTにおけるUE200−1の同期状態を監視し、残りのCCにおけるUE200−1の同期状態を監視しない。
ステップS503で、制御部240は、同期監視対象のNCTにおけるUE200−1の同期状態を検出したかを判定する。同期状態が検出されていなければ、処理はステップS505へ進む。そうでなければ(即ち、同期外れが検出されていれば)、処理はステップS507へ進む。
ステップS505で、制御部240は、タイマが既に開始していれば、タイマを停止する。そして、処理はステップS501へ戻る。
ステップS507で、制御部240は、タイマが既に開始しているかを判定する。タイマが既に開始していれば、処理はステップS511へ進む。そうでなければ、処理はステップS509へ進む。
ステップS509で、制御部240は、タイマを開始させる。
ステップS511で、制御部240は、タイマが期限切れかを判定する。タイマが期限切れであれば、処理はステップS513へ進む。そうでなければ、処理はステップS501へ戻る。
ステップS513で、制御部240は、同期監視対象のNCTをデアクティベートする。また、ステップS515で、制御部240は、同期監視対象のNCTと同期しているNCTもデアクティベートする。
ステップS517で、制御部240は、デアクティベートされたNCTについての再接続処理を実行する。そして、NCTがアクティベートされると、処理はステップS501へ戻る。
以上、図7〜28を参照して本開示の第1の実施形態を説明した。第1の実施形態によれば、キャリアアグリゲーションにおけるUEにとっての負荷を軽減することが可能となる。
<<<4.第2の実施形態>>>
続いて、図29〜37を参照して本開示の第2の実施形態を説明する。
<<4.1.概要>>
まず、本開示の第2の実施形態の概要を説明する。
上述したように、3GPPのリリース11では、後方互換性を維持できる従来型のCCとは別に、新たなコンポーネントキャリアであるNCTが検討されている。そして、当該NCTに対する最大のモチベーションは、CCのオーバーヘッドを減らすこと(即ち、制御に用いられる無線リソースを減らすこと)である。
上記オーバーヘッドを減らすために、UEの同期状態を保ちつつCRSをどれだけ削除できるかが、検討された。そして、SNRが−8dBの環境では5ms毎に25RBでCRSを送信することが必要であることが分かった。
しかし、実際には、SNRはセル内の場所によって変わるので、セル内のある場所に位置するUEのSNRが−8dBであっても、セルの中心に近いUEのSNRは10dBである可能性もある。そのため、例えば、NCTでは一律に5ms毎に25RBでCRSが送信されると、悪い環境にいるUEのために、全てのNCTにおいて多くのCRSを送信することになってしまう。その結果、オーバーヘッドを十分に減らすことができないことが懸念される。
そこで、本開示の第2の実施形態は、端末装置(UE)の同期状態の獲得を実現しつつ共通リファレンス信号(CRS)によるオーバーヘッドをより小さくすることを可能にする。
具体的には、第2の実施形態によれば、無線通信に用いられる複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない2つ以上のCCを含む。より具体的には、例えば、当該2つ以上のCCは、2つ以上のNCTである。そして、上記2つ以上のCCのうちの少なくとも2つのCCでは互いに異なる頻度でCRSが送信される。以下、この点について図29及び図30を参照して具体例を説明する。
図29は、一律にCRSの送信頻度が設定されたNCTの例を説明するための説明図である。図29を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。当該5つのCC30のうちのCC30Kは、Legacy CCであり、その他のCC30は、NCTである。そして、これらのNCTでは、一律に5ms毎に25RBでCRSが送信される。
図30は、本開示の第2の実施形態に従ったNCTの例を説明するための説明図である。図30を参照すると、図29と同様に、無線通信に用いられる5つのCC30が示され、当該5つのCC30のうちのCC30Kは、Legacy CCであり、その他のCC30は、NCTである。そして、CC30L及びCC30Oでは、5ms毎に25RBでCRSが送信されるが、CC30M及びCC30Nでは、10ms毎に6RBでCRSが送信される。図30に示される例では、図29に示される例と比べて、CC30M及びCC30NにおいてCRSによるオーバーヘッドが小さくなる。
このように、互いに異なる頻度でCRSが送信されるNCTがあれば、UE200は、環境に応じてNCTを選択的に使用することができる。例えば、SNRが低い環境にいるUE200は、より高い頻度でCRSが送信されるNCTを使用する。また、SNRが高い環境にいるUE300は、より低い頻度でCRSが送信されるNCTを使用する。その結果、UE200は、UE200の同期状態を獲得できる。そして、図30を参照して説明したように、CRSによるオーバーヘッドをより小さくすることができる。
<<4.2.各装置の構成>>
次に、本開示の第2の実施形態に係るeNodeB100−2及びUE200−2の構成の一例を説明する。
<4.2.1.eNodeBの構成>
まず、図31及び図32を参照して、本開示の第2の実施形態に係るeNodeB100−2の構成の一例を説明する。図31は、本開示の第2の実施形態に係るeNodeB100−2の構成の一例を示すブロック図である。図31を参照すると、eNodeB100−2は、アンテナ部110、無線通信部120、ネットワーク通信部130、記憶部141及び制御部151を備える。
ここで、アンテナ部110、無線通信部120及びネットワーク通信部130については、第1の実施形態と第2の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、記憶部141及び制御部151を説明する。
(記憶部141)
記憶部141は、eNodeB100−2の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。
例えば、記憶部141は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上の周波数帯域の各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報を記憶する。より具体的には、例えば、当該同期可否判定用情報は、2つ以上のNCTの各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための情報である。当該同期可否判定用情報の具体例は後述される。
(制御部151)
制御部151は、eNodeB100−2の様々な機能を提供する。
−CRSに関連する信号送信制御
とりわけ、第2の実施形態では、制御部151は、無線通信に用いられる複数のCCでの信号の送信を制御する。当該複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない2つ以上のCCを含む。そして、制御部151は、上記2つ以上のCCのうちの少なくとも2つのCCでは互いに異なる頻度でCRSが送信されるように、上記送信を制御する。
より具体的には、例えば、制御部151は、2つ以上のNCTのうちの少なくとも2つのNCTでは異なる頻度でCRSが送信されるように、信号の送信を制御する。一例として、制御部151は、あるNCTでは、5ms毎に25RBでCRSが送信され、別のNCTでは、10ms毎に6RBでCRSが送信されるように、信号の送信を制御する。
一例として、制御部151は、無線通信部120に、CRSの送信に関する設定に従って各NCTでCRSを送信させる。上記設定は、例えば、時間方向におけるCRSの送信周期、周波数方向におけるCRSの送信対象のRB、RB内での送信位置等を含む。そして、無線通信部120は、CRSの送信に関する上記設定に従って、各NCTでCRSを送信する。具体的には、例えば、無線通信部120は、リソースエレメント(RE)への信号のマッピングを担う。そして、無線通信部120は、CRSの送信に関する設定に従って、CRSをREへマッピングする。そして、無線通信部120は、当該CRSを送信する。
別の例として、制御部151は、REへの信号のマッピングまで担ってもよい。そして、制御部151は、予め定められたCRSの送信頻度に従って、CRSをREへマッピングしてもよい。そして、無線通信部120は、当該REでCRSを送信してもよい。
例えばこのように、制御部151は、信号の送信を制御する。
−同期可否判定用情報の送信
また、制御部151は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上の周波数帯域の各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報を取得する。より具体的には、例えば、当該同期可否判定用情報は、2つ以上のNCTの各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための情報である。また、制御部151は、記憶部141に記憶されている同期可否判定用情報を取得する。
そして、制御部151は、UE200−2への上記同期可否判定用情報の送信を制御する。より具体的には、例えば、制御部151は、当該同期可否判定用情報を含むシステム情報を生成し、無線通信部120に当該システム情報を送信させる。これにより、UE200−2は、上記同期可否判定用情報を受信できる。なお、上記同期可否判定用情報は、UE200−2へのRRCシグナリングにより送信されてもよい。
このような情報が提供されることで、NCTによってCRSの送信頻度が異なるとしても、UE200−2は、どのNCTであれば同期状態を獲得できるかを知ることができる。よって、UE200−2は、環境に応じて適切なNCTを選択して使用する(即ち、適切なNCTにおいてeNodeB100−1との接続を確立する)ことにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、例えば、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々におけるCRSの送信頻度に関する情報を含む。より具体的には、例えば、上記同期判定用情報は、2つ以上のNCTの各々におけるCRSの送信頻度に関する情報を含む。なお、当該送信頻度は、時間方向の頻度及び周波数方向の頻度のうちの一方又は両方を含む。以下、このような同期判定用情報の具体例を、図32を参照して説明する。
図32は、図30に示されるNCTに対応する同期判定用情報の一例を説明するための説明図である。図32を参照すると、各NCTにおけるCRSの送信頻度が示されている。図30を参照して説明したように、NCTであるCC30のうちのCC30L及びCC30OにおけるCRSの送信頻度は、時間方向において5msの周期であり、周波数方向において25RBの幅である。また、CC30M及びCC30NにおけるCRSの送信頻度は、時間方向において10msの周期であり、周波数方向において6RBの幅である。例えばこのように、同期可否判定用情報は、各NCTにおけるCRSの送信頻度を示す情報を含む。なお、当然ながら、同期可否判定用情報は、CRSの送信頻度の具体的な数値を含む必要はない。例えば、同期可否判定用情報は、CRSの送信頻度を識別するための識別情報(例えば、ID)を含む。
このような情報が提供されることで、UE200−2は、各NCTにおけるCRSの送信頻度を知ることができる。よって、UE200−2は、環境に応じて適切なCRSの送信頻度を選択し、当該送信頻度を伴うCRSを使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
なお、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々における推奨される通信品質に関する情報を含んでもよい。例えば、同期可否判定用情報は、図30及び図32の例におけるCC30L及びCC30Oにおける推奨される通信品質に関する情報として、推奨SNR(例えば、SNR=−8dB)を含んでもよい。
このような情報が提供されることで、UE200−2は、各NCTにおける同期状態を獲得するためにどの程度の通信品質(例えば、SNR)が必要かを知ることができる。よって、UE200−2は、各NCTでの実際のSNRに応じて適切なNCTを選択し、当該NCTを使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々についての電力制御に関する情報を含んでもよい。例えば、上記同期可否判定用情報は、2つ以上のNCTにおけるパワーブースティングの適用の有無を示す情報を含んでもよい。
このような情報が提供されることで、UE200−2は、どのNCTであれば同期状態をより獲得しやすいかを知ることができる。よって、UE200−2は、適切なNCTを選択して使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
−UEへのCCの割当て
また、例えば、制御部151は、無線通信に用いられる複数のCCのうちの、UE200−2の無線通信に用いるCCを選択する。
具体的には、例えば、制御部151は、UE200−2の無線通信に用いるSCCを選択する。ここで、制御部151は、例えば、各CCにおけるUE200−2のSNRと、各CCにおけるCRSの送信頻度とに基づいて、UE200−2の無線通信に用いるSCCを選択する。例えば、制御部151は、SNRが低い環境にいるUE200−2のSCCとして、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)でCRSが送信されるNCTを選択する。また、制御部151は、SNRが高い環境にいるUE200−2のSCCとして、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)でCRSが送信されるNCTを選択する。このような選択の結果、UE200−2は、選択されたCCにおけるUE200−2の同期状態を獲得できる。
なお、同一のUE200−2においても、SNRは、CCによって異なるが、UE200−2の位置により大きく異なる。例えば、UE200−2のフェージングの環境によって、あるCCについてのSNRと別のCCについてのSNRとの間には、10dB程度の差が存在することもあり得る。しかしながら、CCに起因するSNRの差は、UE200−2の位置によってより大きくなり得る。そこで、制御部151は、一例として、UE200−2がセル10の中心から離れている場合(例えば、タイミングアドバンスト値が大きい場合)に、当該UE200−2のSCCとして、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)でCRSが送信されるNCTを選択してもよい。また、制御部151は、UE200−2がセル10の中心から近い場合(例えば、タイミングアドバンスト値が小さい場合)に、当該UE200−2のSCCとして、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)でCRSが送信されるNCTを選択してもよい。
なお、あるUE200−2について、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)のCRSを伴う第1のNCTのSNRが、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)のCRSを伴う第2のNCTのSNRよりもかなり大きい場合もあり得る。この場合に、制御部151は、上記あるUE200−2のSCCとして、第1のNCTを選択してもよい。
−NCTにおけるCRSの送信頻度の動的な変更
制御部151は、各NCTにおけるCRSの送信頻度を変更してもよい。より具体的には、例えば、制御部151は、各UE200−2についてのSNR(例えば、Legacy CCにおける各UE200−2のSNR)を取得する。そして、制御部151は、取得したSNRの分布に基づいて、各NCTにおけるCRSの送信頻度を決定する。これにより、セル10の環境に応じたより適切な送信頻度を設定することが可能になる。
<4.2.2.UEの構成>
まず、図33を参照して、本開示の第2の実施形態に係るUE200−2の構成の一例を説明する。図33は、本開示の第2の実施形態に係るUE200−2の構成の一例を示すブロック図である。図33を参照すると、UE200−2は、アンテナ部210、無線通信部220、記憶部231及び制御部241を備える。
(記憶部231)
記憶部231は、UE200−2の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。
例えば、記憶部231は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上の周波数帯域の各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報を記憶する。具体的には、例えば、当該同期可否判定用情報は、2つ以上のNCTの各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための情報である。また、制御部241が、上記同期可否判定用情報を取得すると、記憶部231は、当該同期可否判定用情報を記憶する。
(制御部241)
−無線通信に用いるCCの選択
制御部241は、UE200−2の様々な機能を提供する。
とりわけ、第2の実施形態では、制御部241は、無線通信に用いられる複数のCCのうちの、UE200−2の無線通信に用いるCCを選択する。当該複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない2つ以上のCCを含む。また、当該2つ以上のCCのうちの少なくとも2つのCCでは、互いに異なる頻度でCRSが送信される。
より具体的には、例えば、上記複数のCCは、2つ以上のNCTを含む。また、当該2つ以上のNCTのうちの少なくとも2つのNCTでは、互いに異なる頻度でCRSが送信される。そして、制御部241は、UE200−2にとって適切なCCを選択し、当該CCでeNodeB100−2との接続を確立する。例えば、このようにUE200−2により選択されて接続されるCCは、PCCとしてUE200−2により用いられる。
−同期可否判定用情報に基づくCCの選択
また、制御部241は、上記2つ以上の周波数帯域の各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報が受信されると、当該同期可否判定用情報を取得する。具体的には、例えば、当該同期可否判定用情報は、2つ以上のNCTの各々においてUE200−2が同期できるかを判定するための情報である。また、eNodeB100−2が、上記同期可否判定用情報を含むシステム情報を送信すると、無線通信部220は、当該システム情報を受信する。そして、制御部241は、受信されたシステム情報から、上記同期可否判定用情報を取得する。
そして、制御部241は、上記同期可否判定用情報に基づいて、上記複数のCCのうちの、UE200−2の無線通信に用いるCCを選択する。具体的には、例えば、制御部241は、各CCで送信されるCRSにより、信号強度を測定する。そして、制御部241は、信号強度と雑音電力からSNRを算出する。そして、制御部241は、各CCについてのSNRと同期可否判定用情報(例えば、CRSの送信頻度)とに基づいて、適切なCCを選択する。例えば、SNRが低い環境にいるUE200−2は、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)でCRSが送信されるNCTを選択し、当該NCTでeNodeB100−2との接続を確立する。また、SNRが高い環境にいるUE300は、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)でCRSが送信されるNCTを選択し、当該NCTでeNodeB100−2との接続を確立する。その結果、UE200は、選択されたCCにおけるUE200の同期状態を獲得できる。
なお、制御部241は、一例として、UE200−2がセル10の中心から離れている場合(例えば、タイミングアドバンスト値が大きい場合)に、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)でCRSが送信されるNCTを選択してもよい。また、制御部241は、UE200−2がセル10の中心から近い場合(例えば、タイミングアドバンスト値が小さい場合)に、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)でCRSが送信されるNCTを選択してもよい。しかし、より低い頻度(例えば、10ms・6RB)のCRSを伴う第1のNCTのSNRが、より高い頻度(例えば、5ms・25RB)のCRSを伴う第2のNCTのSNRよりもかなり大きい場合には、UE200−2は、第1のNCTを選択してもよい。
また、同期可否判定用情報が、推奨SNRを含む場合には、制御部241は、推奨SNR以上のSNRを伴うNCTを選択してもよい。また、同期可否判定用情報が、パワーブースティングの適用の有無を示す情報を含む場合には、制御部241は、当該情報を考慮してNCTを選択してもよい。
<<4.3.処理の流れ>>
次に、図34A及び図34Bを参照して、本開示の第2の実施形態に係る通信制御処理の例を説明する。
(eNodeB側の通信制御処理)
図34Aは、本開示の第2の実施形態に係るeNodeB100−2の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該通信制御処理は、同期可否判定用情報を送信するための処理である。
ステップS701で、制御部151は、記憶部141に記憶されている同期可否判定用情報を取得する。
次に、ステップS703で、制御部151は、上記同期可否判定用情報を含むシステム情報を生成する。
そして、ステップS705で、制御部151は、無線通信部120に、上記同期可否判定用情報を含む上記システム情報を送信させる。即ち、無線通信部120は、上記同期用可否判定用情報を含む上記システム情報を送信する。そして、処理はステップS701へ戻る。
(UE側の通信制御処理)
図34Bは、本開示の第2の実施形態に係るUE200−2の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。当該通信制御処理は、同期可否判定用情報に基づいてCCを選択するための処理である。
ステップS721で、eNodeB100−1が、同期用可否判定用情報を含むシステム情報を送信すると、無線通信部220は、当該システム情報を受信する。
ステップS723で、制御部241は、受信されたシステム情報から、上記同期用可否判定用情報を取得する。
ステップS725で、制御部240は、上記同期用可否判定用情報に基づいて、上記複数のCCから、UEの無線通信に用いるCCを選択する。そして、処理は終了する。
<<4.4.変形例>>
次に、図35〜図37を参照して、本開示の第2の実施形態に係る第1の変形例、及び第2の変形例を説明する。
<4.4.1.第1の変形例>
まず、図35及び図36を参照して、第2の実施形態に係る第1の変形例を説明する。
(概要)
第2の実施形態では、上述したように、NCTによってCRSの送信頻度が異なり得る。そのため、NCTによってCRSの時間方向における送信頻度が異なる場合もある。以下、この点について図35を参照して具体例を説明する。
図35は、異なるCRSの送信頻度を伴う2つのNCTにおけるCRSの送信タイミングの例を説明するための説明図である。図35を参照すると、時間方向において5msの周期でCRSが送信されるNCTでのCRSの送信タイミングと、時間方向において10msの周期でCRSが送信されるNCTでのCRSの送信タイミングとが、示されている。このように、例えば、NCT間でCRSの時間方向における送信頻度が異なる場合には、CRSの送信タイミング(例えば、CRSを送信するサブフレーム)が、NCT間でずれてしまう可能性がある。その結果、UE200−2が動作すべき時間が増えるので、UE200−2の消費電力が増大してしまう。
そこで、第1の変形例では、CRSが時間方向においてより低い頻度で送信されるNCTでCRSが送信されるサブフレームの一部又は全部が、CRSがより高い頻度で送信されるCCでCRSが送信されるサブフレームとなる。即ち、CRSが送信されるサブフレームがNCT間でなるべく一致する。以下、この点について図36を参照して具体例を説明する。
図36は、第2の実施形態の第1の変形例に従った、異なるCRSの送信頻度を伴う2つのNCTにおけるCRSの送信タイミングの例を説明するための説明図である。図36を参照すると、時間方向において5msの周期でCRSが送信されるNCTでのCRSの送信タイミングと、時間方向において10msの周期でCRSが送信されるNCTでのCRSの送信タイミングとが、示されている。この例では、10msの周期でCRSが送信されるNCTにおけるCRSの送信タイミング(CRSを送信するサブフレーム)の全ては、5msの周期でCRSが送信されるNCTにおけるCRSの送信タイミング(CRSを送信するサブフレーム)の一部と合致する。よって、図36に示される例の方が、図35に示される例よりも、CRSが送信されるサブフレームの数が少なくなる。
これにより、UE200−2が動作すべき時間を減らせるので、UE200−2の消費電力の増大を抑えることができる。
(各装置の構成)
−eNodeB100−2:制御部151
少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCは、時間方向において第1の頻度でCRSが送信される低頻度CCと、時間方向において第1の頻度よりも高い第2の頻度でCRSが送信される高頻度CCとを含む。より具体的には、例えば、2つ以上のNCTは、10ms毎に6RBでCRSが送信されるNCTと、5ms毎に25RBでCRSが送信されるNCTとを含む。
そして、制御部151は、上記低頻度CCでCRSが送信されるサブフレームの一部又は全部が、上記高頻度CCでCRSが送信されるサブフレームとなるように、送信を制御する。より具体的には、例えば、制御部151は、10ms毎に6RBでCRSが送信されるNCTでCRSが送信されるサブフレームの全部が、5ms毎に25RBでCRSが送信されるNCTでCRSが送信されるサブフレームとなるように、送信を制御する。
<4.4.2.第2の変形例>
次に、図37を参照して、第2の実施形態に係る第2の変形例を説明する。
(概要)
上述したように、NCTとして、従来型のCCと同期しているNCT(SNCT)と、LCCと同期していないNCT(UNCT)とが、検討されている。また、第1の実施形態に関連して説明したように、互いに同期しているUNCTのうちの一部のUNCTにおけるUE200の同期状態の情報を、残りのUNCTに利用することも可能である。
しかし、例えば、互いに同期しているUNCTのいずれでもCRSの送信頻度が低い場合(例えば、CRSが10ms毎に6RBで送信される場合)には、UE200は、SNRが低い環境にいる場合に、当該UNCTのいずれでも同期状態を獲得できない可能性がある。その結果、UE200がこれらのUNCTを無線通信に用いることができなくなることが懸念される。
そこで、第2の変形例では、互いに同期しているNCTのうちの互いに同期している周波数帯域で、互いに異なる頻度でCRSが送信される。以下、この点について図37を参照して具体例を説明する。
図37は、コンポーネントキャリア(CC)間の同期関係に応じた各CCにおけるCRSの送信頻度の一例を説明するための説明図である。図37を参照すると、無線通信に用いられる5つのCC30が示されている。当該5つのCC30のうちのCC30Kは、Legacy CCであり、その他のCC30は、NCTである。そして、CC30L及びCC30Mが互いに同期している。また、CC30N及びCC30Oが互いに同期している。この場合に、例えば、CC30Lでは、CRSが5ms毎に25RBで送信され、CC30Mでは、CRSが10ms毎に6RBで送信される。また、CC30Oでは、CRSが5ms毎に25RBで送信され、CC30Nでは、CRSが10ms毎に6RBで送信される。
このようなCRSの送信により、UE200−2は、互いに同期しているNCTのうちのいずれかのNCTにおける同期状態をより確実に獲得できるので、これらのNCTをより確実に利用することが可能になる。例えば、UE200−2は、通信品質が良好でない環境であっても、より高いCRSの送信頻度を伴うNCTにおける同期状態を獲得することができる。そして、UE200−2は、当該同期状態の情報を、別のNCTに利用することができる。
(各装置の構成)
−eNodeB100−2:制御部151
制御部151は、少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない上記2つ以上のCCのうちの互いに同期している少なくとも2つのCCでは、互いに異なる頻度でCRSが送信されるように、信号の送信を制御する。より具体的には、例えば、互いに同期している第1のNCT及び第2のNCTがある場合に、制御部151は、無線通信部120に、第1のNCTでは10ms毎に6RBでCRSを送信させ、第2のNCTでは5ms毎に25RBでCRSを送信させる。
<<<5.応用例>>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、eNodeB100は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)とアンテナとを含むeNodeB800として実現されてもよい。あるいは、eNodeB100は、無線通信を制御する本体と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)と、アンテナとを含むeNodeB830として実現されてもよい。
また、例えば、UE200は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、UE200は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、UE200は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
<<5.1.eNodeBに関する応用例>>
(第1の応用例)
図38は、本開示に係る技術が適用され得るeNodeBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNodeB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNodeB800は、図38に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNodeB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図38にはeNodeB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNodeB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNodeB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNodeBと通信してもよい。その場合に、eNodeB800と、コアネットワークノード又は他のeNodeBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNodeB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
無線通信インタフェース825は、図38に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNodeB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図38に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図38には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
(第2の応用例)
図39は、本開示に係る技術が適用され得るeNodeBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNodeB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNodeB830は、図39に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNodeB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図39にはeNodeB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNodeB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図38を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図38を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図39に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNodeB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図39には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図39に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図39には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
図38及び図39に示したeNodeB800及びeNodeB830において、図21を参照して説明した制御部150、及び図31を参照して説明した制御部151は、無線通信インタフェース825並びに無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、コントローラ821及びコントローラ851において実装されてもよい。
<<5.2.UEに関する応用例>>
(第1の応用例)
図40は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図40に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図40には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図40に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図40にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図40に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図40に示したスマートフォン900において、図22を参照して説明した制御部240、及び図33を参照して説明した制御部241は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図41は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図41に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図41には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図41に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図41にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図41に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図41に示したカーナビゲーション装置920において、図22を参照して説明した制御部240、及び図33を参照して説明した制御部241は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<<<6.まとめ>>>
ここまで、図1〜図37を用いて、本開示の実施形態に係る通信装置及び各処理を説明した。本開示の第1の実施形態によれば、無線通信に用いられる複数のCCのうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報が取得される。そして、UE200への上記同期関係情報の送信が制御される。
これにより、キャリアアグリゲーションにおけるUE200にとっての負荷を軽減することが可能になる。即ち、同期関係情報がeNodeB100からUE200へ送信されれば、UE200は、どのCCとどのCCとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、互いに同期しているCC(例えば、Legacy CC及びSNCT、UNCT及びUNCT)がある場合に、UE200は、一方のCCにおけるUE200の同期状態の情報を、他方のCCに利用することが可能になる。このように、UE200にとっての負荷が軽減され得る。
また、例えば、上記複数のCCは、サブフレームごとにCRSが送信される1つ以上の別のCCを含む。そして、同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域と上記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す。
さらに、例えば、上記1つ以上のCCは、上記1つ以上の別の周波数帯域のいずれかと同期している1つ以上の同期型周波数帯域を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域と上記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す。
これにより、UE200は、SNCTがどのLegacy CCと同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200は、SNCTに同期しているLegacy CCにおける同期状態の情報を、当該SNCTに利用することが可能になる。このように、UE200にとっての負荷が軽減され得る。
また、例えば、上記同期関係情報は、少なくとも、上記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す。
さらに、例えば、上記複数のCCは、サブフレームごとにCRSが送信される1つ以上の別のCCを含み、上記1つ以上のCCは、上記1つ以上の別の周波数帯域のいずれとも同期していない2つ以上の非同期型周波数帯域を含む。そして、上記同期関係情報は、少なくとも、上記2つ以上の非同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す。
これにより、UE200は、どのUNCTとどのUNCTとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200は、1つのUNCTにおける同期状態の情報を、当該UNCTと同期している別のUNCTに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
また、上記複数のCCの各々は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されないCCであってもよい。
これにより、UE200−1は、どのNCTとどのNCTとが同期しているかを個別に検証する必要がなくなる。そして、例えば、UE200−1は、1つのNCTにおける同期状態の情報を、当該NCTと同期している別のNCTに利用することが可能になる。このように、UE200−1にとっての負荷が軽減され得る。
また、例えば、第1の実施形態の第1の変形例によれば、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記1つ以上のCCは、互いに同期している2つ以上のCCを含む。そして、上記2つ以上のCCのうちの一部のCCでは、少なくともいずれかのサブフレームでCRSが送信され、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCでは、CRSが送信されない。
これにより、無線リソースを効率的に利用することが可能になる。即ち、制御信号の送信に利用される無線リソースを削減することができる。
また、例えば、第1の実施形態の第1の変形例によれば、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記1つ以上のCCは、互いに同期している2つ以上のCCを含む。そして、UEUE200−1は、上記2つ以上のCCのうちの一部のCCにおけるUE200の同期状態の監視を行い、上記2つ以上のCCのうちの残りのCCにおけるUE200の同期状態の監視を行わない。
これにより、互いに同期しているNCTがある場合に、UE200は、一部のNCTにおけるUE200の同期状態を監視すれば、残りのCCにおけるUE200の同期状態を監視しなくてもよい。このように、UE200にとっての負荷が軽減され得る。
また、本開示の第2の実施形態によれば、無線通信に用いられる複数のCCは、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない2つ以上のCCを含む。上記2つ以上のCCのうちの少なくとも2つのCCでは互いに異なる頻度でCRSが送信される。
このように、互いに異なる頻度でCRSが送信されるNCTがあれば、UE200は、環境に応じてNCTを選択的に使用することができる。例えば、SNRが低い環境にいるUE200は、より高い頻度でCRSが送信されるNCTを使用する。また、SNRが高い環境にいるUE300は、より低い頻度でCRSが送信されるNCTを使用する。その結果、UE200は、UE200の同期状態を獲得できる。そして、CRSによるオーバーヘッドをより小さくすることができる。
また、例えば、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上の周波数帯域の各々においてUE200が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報が取得される。そして、UE200−2への上記同期可否判定用情報の送信が制御される。
このような情報が提供されることで、NCTによってCRSの送信頻度が異なるとしても、UE200は、どのNCTであれば同期状態を獲得できるかを知ることができる。よって、UE200は、環境に応じて適切なNCTを選択して使用する(即ち、適切なNCTにおいてeNodeB100との接続を確立する)ことにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、例えば、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々におけるCRSの送信頻度に関する情報を含む。
このような情報が提供されることで、UE200は、各NCTにおけるCRSの送信頻度を知ることができる。よって、UE200は、環境に応じて適切なCRSの送信頻度を選択し、当該送信頻度を伴うCRSを使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々における推奨される通信品質に関する情報を含んでもよい。
このような情報が提供されることで、UE200は、各NCTにおける同期状態を獲得するためにどの程度の通信品質(例えば、SNR)が必要かを知ることができる。よって、UE200は、各NCTでの実際のSNRに応じて適切なNCTを選択し、当該NCTを使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、上記同期可否判定用情報は、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCの各々についての電力制御に関する情報を含んでもよい。
このような情報が提供されることで、UE200は、どのNCTであれば同期状態をより獲得しやすいかを知ることができる。よって、UE200は、適切なNCTを選択して使用することにより、試行錯誤することなくより確実に同期状態を獲得することができる。
また、例えば、第2の実施形態の第1の変形例によれば、少なくともいずれかのサブフレームではCRSが送信されない上記2つ以上のCCは、時間方向において第1の頻度でCRSが送信される低頻度CCと、時間方向において第1の頻度よりも高い第2の頻度でCRSが送信される高頻度CCとを含む。そして、制御部151は、上記低頻度CCでCRSが送信されるサブフレームの一部又は全部が、上記高頻度CCでCRSが送信されるサブフレームとなるように、送信を制御する。
これにより、UE200が動作すべき時間を減らせるので、UE200の消費電力の増大を抑えることができる。
また、例えば、第2の実施形態の第2の変形例によれば、少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない上記2つ以上のCCのうちの互いに同期している少なくとも2つのCCでは、互いに異なる頻度でCRSが送信される。
このようなCRSの送信により、UE200は、互いに同期しているNCTのうちのいずれかのNCTにおける同期状態をより確実に獲得できるので、これらのNCTをより確実に利用することが可能になる。例えば、UE200は、通信品質が良好でない環境であっても、より高いCRSの送信頻度を伴うNCTにおける同期状態を獲得することができる。そして、UE200は、当該同期状態の情報を、別のNCTに利用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態を説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、無線通信に用いられる複数の周波数帯域(CC)が、1つの基地局(eNodeB)により用いられる例を説明したが、本開示はこれに限られない。例えば、無線通信に用いられる複数の周波数帯域の各々は、複数の基地局のうちのいずれかの基地局により用いられてもよい。一例として、上記複数の周波数帯域の各々は、マクロセルの基地局と、当該マクロセルと一部又は全体で重複するスモールセルの基地局とのいずれかにより、用いられてもよい。この場合に、異なる基地局により用いられる周波数帯域が、端末装置(例えば、UE)により同時に使用されてもよい。即ち、複数の基地局にわたるキャリアアグリゲーションが行われてもよい。
また、第2の実施形態では、端末装置(UE)が複数の周波数帯域を同時に使用する例を説明したが、本開示はこれに限られない。第2の実施形態に示されるようなケースにおいて、端末装置は、複数の周波数帯域のうちのいずれか1つの周波数帯域のみを使用してもよい。即ち、端末装置は、キャリアアグリゲーションをサポートしてなくてもよい。
また、周波数帯域が別の周波数帯域と同期していない原因として、これらの周波数帯域が離れていることを説明したが、当該原因はこれに限られない。例えば、別の原因で、周波数帯域が別の周波数帯域と同期していないこともあり得る。一例として、複数の周波数帯域のうちの一部の周波数帯域がある基地局(例えば、マクロセルの基地局)により用いられ、上記複数の周波数帯域のうちの残りの周波数帯域が別の基地局(例えば、スモールセルの基地局)により用いられるケースもあり得る。このような場合に、上記ある基地局により用いられる周波数帯域と上記別の基地局により用いられる周波数帯域とは、同期していない可能性がある。
また、無線通信システムがLTEの一連の通信規格に準拠する例を説明したが、本開示は係る例に限定されない。例えば、無線通信システムは、別の通信規格に準拠したシステムであってもよい。この場合に、無線通信システムに含まれる基地局は、eNodeBの代わりに、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。また、無線通信システムに含まれる端末装置は、UEの代わりに、MS(Mobile Station)などの他の種類の端末装置として実現されてもよい。
また、本明細書の通信制御処理における処理ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、通信制御処理における処理ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。
また、通信制御装置又は端末装置に内蔵されるCPU、ROM及びRAM等のハードウェアに、上記通信制御装置又は上記端末装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
無線通信に用いられる複数の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報を取得する取得部と、
端末装置への前記同期関係情報の送信を制御する制御部と、
を備え、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない1つ以上の周波数帯域を含む、
通信制御装置。
(2)
前記複数の周波数帯域は、前記サブフレームごとに前記共通リファレンス信号が送信される1つ以上の別の周波数帯域を含み、
前記同期関係情報は、少なくとも、前記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域と前記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記1つ以上の周波数帯域は、前記1つ以上の別の周波数帯域のいずれかと同期している1つ以上の同期型周波数帯域を含み、
前記同期関係情報は、少なくとも、前記1つ以上の同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域と前記1つ以上の別の周波数帯域のうちのどの周波数帯域とが同期しているかを示す、
前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記同期関係情報は、少なくとも、前記1つ以上の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(5)
前記複数の周波数帯域は、前記サブフレームごとに前記共通リファレンス信号が送信される1つ以上の別の周波数帯域を含み、
前記1つ以上の周波数帯域は、前記1つ以上の別の周波数帯域のいずれとも同期していない2つ以上の非同期型周波数帯域を含み、
前記同期関係情報は、少なくとも、前記2つ以上の非同期型周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す、
前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記複数の周波数帯域の各々は、前記サブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない周波数帯域である、前記(4)に記載の通信制御装置。
(7)
前記1つ以上の周波数帯域は、互いに同期している2つ以上の周波数帯域を含み、
前記2つ以上の周波数帯域のうちの一部の周波数帯域では、少なくともいずれかのサブフレームで共通リファレンス信号が送信され、前記2つ以上の周波数帯域のうちの残りの周波数帯域では、いずれのサブフレームでも共通リファレンス信号が送信されない、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(8)
前記1つ以上の周波数帯域は、互いに同期している2つ以上の周波数帯域を含み、
前記端末装置は、前記2つ以上の周波数帯域のうちの一部の周波数帯域における前記端末装置の同期状態の監視を行い、前記2つ以上の周波数帯域のうちの残りの周波数帯域における前記端末装置の同期状態の監視を行わない、前記(1)に記載の通信制御装置。
(9)
前記制御部は、前記複数の周波数帯域での信号の送信を制御し、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない2つ以上の周波数帯域を含み、
前記制御部は、前記2つ以上の周波数帯域のうちの少なくとも2つの周波数帯域では互いに異なる頻度で前記共通リファレンス信号が送信されるように、前記送信を制御する、
前記(1)に記載の通信制御装置。
(10)
前記2つ以上の周波数帯域は、時間方向において第1の頻度で前記共通リファレンス信号が送信される低頻度周波数帯域と、時間方向において前記第1の頻度よりも高い第2の頻度で前記共通リファレンス信号が送信される高頻度周波数帯域とを含み、
前記制御部は、前記低頻度周波数帯域で前記共通リファレンス信号が送信されるサブフレームの一部又は全部が、前記高頻度周波数帯域で前記共通リファレンス信号が送信されるサブフレームとなるように、前記送信を制御する、
前記(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記取得部は、前記2つ以上の周波数帯域の各々において前記端末装置が同期できるかを判定するための同期可否判定用情報を取得し、
前記制御部は、前記端末装置への前記同期可否判定用情報の送信を制御する、
前記(9)に記載の通信制御装置。
(12)
前記同期可否判定用情報は、前記2つ以上の周波数帯域の各々における前記共通リファレンス信号の送信頻度に関する情報を含む、前記(11)に記載の通信制御装置。
(13)
前記同期可否判定用情報は、前記2つ以上の周波数帯域の各々における推奨される通信品質に関する情報を含む、前記(11)又は(12)に記載の通信制御装置。
(14)
前記同期可否判定用情報は、前記2つ以上の周波数帯域の各々についての電力制御に関する情報を含む、前記(11)〜(13)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(15)
前記制御部は、前記2つ以上の周波数帯域のうちの互いに同期している少なくとも2つの周波数帯域では、互いに異なる頻度で前記共通リファレンス信号が送信されるように、前記送信を制御する、前記(9)〜(14)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(16)
コンピュータを、
無線通信に用いられる複数の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報を取得する取得部と、
端末装置への前記同期関係情報の送信を制御する制御部と、
として機能させ、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない1つ以上の周波数帯域を含む、
プログラム。
(17)
無線通信に用いられる複数の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報を取得することと、
端末装置への前記同期関係情報の送信を制御することと、
を含み、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない1つ以上の周波数帯域を含む、
通信制御方法。
(18)
無線通信に用いられる複数の周波数帯域のうちのどの周波数帯域が互いに同期しているかを示す同期関係情報が受信されると、当該同期関係情報を取得する取得部と、
前記同期関係情報に基づいて、前記複数の周波数帯域における同期のための制御を行う制御部と、
を備え、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない1つ以上の周波数帯域を含む、
端末装置。
(19)
無線通信に用いられる複数の周波数帯域での信号の送信を制御する制御部
を備え、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない2つ以上の周波数帯域を含み、
前記制御部は、前記2つ以上の周波数帯域のうちの少なくとも2つの周波数帯域では互いに異なる頻度で前記共通リファレンス信号が送信されるように、前記送信を制御する、
通信制御装置。
(20)
端末装置であって、
無線通信に用いられる複数の周波数帯域のうちの、前記端末装置の無線通信に用いる周波数帯域を選択する制御部
を備え、
前記複数の周波数帯域は、前記無線通信での時間の単位であるサブフレームのうちの少なくともいずれかのサブフレームでは共通リファレンス信号が送信されない2つ以上の周波数帯域を含み、
前記2つ以上の周波数帯域のうちの少なくとも2つの周波数帯域では、互いに異なる頻度で前記共通リファレンス信号が送信される、
端末装置。