1.実施形態1
以下、本実施形態の無線システム10について、図1から図5を用いて説明する。
1.1 構成
無線システム10は、図1に示すように、親局20、複数の中継器30および複数の子局40から構成されている。なお、複数の中継器30を、個別に識別する必要がある際には、中継器Ra、中継器Rb、・・・、中継器Reと称する。また、複数の子局40を、個別に識別する必要がある際には、子局Aa、子局Ab、・・・と称する。
子局40は、例えば家屋や施設の異常を検知(例えば不審者の侵入検知)するセンサ、家屋や施設の環境(例えば、室温)をチェックするセンサ、または家屋や施設の入居者の健康(例えば血圧)をチェックするセンサなどである。
子局40は、親局20へ送信すべきデータを1台以上の中継器30を介して、または中継器30を介さずに、親局20へ無線で送信する。子局40で送信される親局20宛のデータは、固定長データおよび可変長データのいずれかである。子局40は、検知(チェック)結果として正常および異常の何れかを表すデータを即時に親局20へ送信する場合には、そのデータを固定長データとして親局20へ無線で送信する。また、子局40は、検知(チェック)結果であるデータを所定期間(例えば1日分)蓄積し、蓄積したデータを、可変長データとして定期的に親局20へ無線で送信する。
親局20は、子局40から送信されたデータを受信し、受信したデータを、ネットワーク(図示せず)を介して、他の装置(図示せず)へ送信する。例えば、受信したデータが不審者の侵入検知した内容である場合には、そのデータを警備会社の装置へ送信することで、家屋や施設の異常を早急に通知することができる。また、受信したデータが家屋や施設の環境、または入居者の健康に関するデータである場合には、そのデータを、入居者と離れて暮らす家族へ通知することで、家族は入居者の安否を確認することができる。
複数の中継器30のそれぞれには、親局20により、子局40から親局20までの中継順序を示す中継識別子が付与されている。例えば、複数の中継器30のそれぞれには、親局20との通信距離が遠ざかるにつれて所定の値m分ずつ大きくなるよう、中継識別子が付与されている。ここで、所定の値mは、1以上の整数である。なお、本実施形態では、mの値は、“1”である。そして、中継器Raには中継識別子“1”が、中継器Rbには中継識別子“2”が、中継器Rcには中継識別子“3”が、中継器Rdには中継識別子“4”が、中継器Reには中継識別子“5”が、それぞれ付与されている。中継識別子“1”が付与された中継器Raが親局20から子局40宛の固定長データを受信すると、付与された中継識別子が昇順となる順序、例えば中継器Ra、中継器Rb、中継器Rc、中継器Rd、中継器Reの順序で固定長データが送信される。例えば、中継器Rbから子局Acへ固定長データが送信される。また、中継識別子“5”が付与された中継器Reが子局Aaから親局20宛のデータを受信すると、付与された中継識別子が降順となる順序、例えば中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順序でデータが送信される。そして、中継器Raから親局20へデータが送信される。
ここで、データの送受信のタイミングについて説明する。
無線システム10において、データを送受信するために予め定められた時間長からなる区間は、親局20から子局40へデータを送信するため下り区間T1と、子局40から親局20へデータを送信するための上り区間T2とを含んでいる(図2参照)。
下り区間T1は、親局20に割り当てられたタイムスロットT10と、複数の中継器30に1対1に割り当てられたタイムスロットT11、T12、・・・、T15とから構成されている(図2参照)。ここで、タイムスロットT11、T12、・・・、T15からなる区間を下り中継スロットSL1という。なお、タイムスロットT10、T11、・・・、T15のそれぞれが有する時間長は同一であるとする。
上り区間T2は、複数の子局40に1対1に割り当てられたタイムスロットT21、・・・、T24と、複数の中継器30に1対1に割り当てられたタイムスロットT41、・・・、T45とを含んでいる(図2参照)。上り区間T2は、さらに、複数の子局40および複数の中継器30のいずれもが利用可能な区間であるコンテンション区間T30を含んでいる(図2参照)。ここで、タイムスロットT21、・・・、T24からなる区間を上り子局スロットSL2といい、タイムスロットT41、・・・、T45からなる区間を上り中継スロットSL3という。また、コンテンション区間T30は、上り子局スロットTbを構成する各タイムスロット、および上り中継スロットSL3を構成する各タイムスロットのいずれよりも長い時間長を有する。なお、タイムスロットT21、・・・、T24のそれぞれが有する時間長は同一であるとし、タイムスロットT41、・・・、T45のそれぞれが有する時間長は同一であるとする。
親局20は、複数の中継器30および複数の子局40に対して、一定周期でビーコンを送信している。また、複数の中継器30のそれぞれは、受信したビーコンをブロードキャストにより送信、つまりビーコンの中継を行う。複数の子局40は、親局20からビーコンを受信、または中継器30を介してビーコンを受信する。
複数の中継器30は、TDMA方式により、受信したビーコンに基づいて親局20と同期して、自器に割り当てられたタイムスロットで子局40宛の固定長データを送信、または親局20宛の固定長データを送信する。また、複数の子局40は、TDMA方式により、受信したビーコンに基づいて親局20と同期して、自局に割り当てられたタイムスロットで親局20宛の固定長データを送信する。
複数の中継器30および複数の子局40は、可変長データを送信する場合には、ALOHA方式により、コンテンション区間で表される区間で親局20宛の可変長データを送信する。ここで、複数の中継器30のそれぞれは、可変長データを送信する際には、自器の中継番号を付与して送信する。
次に親局20、中継器30および子局40の機能構成について説明する。
(1)親局20
親局20は、図1に示すように、通信部21および制御部22を有している。
親局20は、プロセッサやメモリ(図示せず)を有しており、制御部22の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
通信部21は、アンテナ21aを介して、子局40宛の固定長データを無線で送信し、子局40から送信された親局20宛のデータ(固定長データ、または可変長データ)を無線で受信する。また、通信部21は、アンテナ21aを介して、子局40から受信したデータを、図示しないネットワークを介して図示しない他の装置へ送信する。
制御部22は、通信部21の動作を制御する。具体的には、子局40宛の固定長データを無線で送信する場合には、制御部22は、下り区間のうち自局に割り当てられたタイムスロットT10で、固定長データを送信するように、通信部21を制御する。
(2)中継器30
中継器30は、図1に示すように、通信部31、制御部32および記憶部33を有している。
中継器30は、プロセッサやメモリ(図示せず)を有しており、制御部32の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
通信部31は、アンテナ31aを介して、子局40宛の固定長データを無線で送信し、子局40から送信された親局20宛のデータ(固定長データ、または可変長データ)を無線で受信する。
制御部32は、通信部31の動作を制御する。具体的には、子局40宛のデータ(固定長データ)、または親局20宛のデータ(固定長データ、または可変長データ)が受信されると、受信したデータの送信元と、自器に付与された中継識別子とから中継順序が正しいか否かを判断する。中継順序が正しい場合には、制御部32は、ブロードキャストにより、受信した子局40宛のデータ、または親局20宛のデータを送信するように、通信部31を制御する。例えば、子局40宛のデータを無線で送信する場合には、制御部32は、下り区間の下り中継スロットSL1のうち自器に割り当てられたタイムスロットで、子局40宛のデータを送信するように、通信部31を制御する。親局20宛の固定長データを無線で送信する場合には、制御部32は、上り区間T2の上り中継スロットSL3のうち自器に割り当てられたタイムスロットで、親局20宛のデータを送信するように、通信部31を制御する。また、親局20宛の可変長データを無線で送信する場合には、制御部32は、上り区間T2のコンテンション区間T30で、親局20宛の可変長データを送信するように、通信部31を制御する。
記憶部33は、データを記憶するためのメモリである。具体手には、記憶部33は、自器に付与された中継識別子を記憶している。
ここでは、中継器30の台数を5台としているが、これに限定されない。中継器30の台数は1台以上であればよい。
(3)子局40
子局40は、図1に示すように、通信部41および制御部42を有している。
子局40は、プロセッサやメモリ(図示せず)を有しており、制御部42の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
子局40は、無線通信により親局20宛に固定長データを送信する第1機能と、無線通信により親局20宛に可変長データを送信する第2機能とを有している。
通信部41は、アンテナ41aを介して、親局20宛のデータ(固定長データ、および可変長データ)を無線で送信し、親局20から送信されデータ(固定長データ)を無線で受信する。
制御部42は、通信部41の動作を制御する。具体的には、親局20宛のデータを無線で送信する場合には、制御部42は、上り区間T2の上り子局スロットTbのうち自局に割り当てられたタイムスロットで、データを送信するように、通信部41を制御する。
ここでは、子局40の台数を4台としているが、これに限定されない。子局40の台数は1台以上であればよい。
1.2 動作
ここでは、無線システム10の子局40および中継器30のそれぞれの動作について、説明する。
(1)子局40の動作
ここでは、子局40が、データを送信する際の動作について、図3に示す流れ図を用いて説明する。
制御部42は、送信対象のデータが、可変長データであるか否かを判断する(ステップS5)。例えば、制御部42は、送信対象のデータが所定期間(例えば1日分)蓄積されたデータである場合には可変長データであると判断し、検知(チェック)結果である場合には、可変長データでない、つまり固定長データと判断する。
送信対象のデータが可変長データでないと判断する場合(ステップS5における「No」)、制御部42は、上り区間T2のうち自局に割り当てられたタイムスロットTiが到来したか否かを判断する(ステップS10)。ここで、Tiは、T21からT24の何れかである。
タイムスロットTiが到来したと判断する場合(ステップS10における「Yes」)、制御部42は、タイムスロットTiで送信対象のデータ(固定長データ)を親局20宛に無線で送信するように、通信部41を制御する(ステップS15)。
送信対象のデータが可変長データであると判断する場合(ステップS5における「Yes」)、制御部42は、上り区間T2のうちコンテンション区間T30が到来したか否かを判断する(ステップS20)。
コンテンション区間T30が到来したと判断する場合(ステップS20における「Yes」)、制御部42は、コンテンション区間T30で送信対象のデータ(可変長データ)を親局20宛に無線で送信するように、通信部41を制御する(ステップS25)。
(2)中継器30の動作
ここでは、親局20宛のデータを受信した場合の中継器30の動作について、図4に示す流れ図を用いて説明する。
通信部31が親局20宛のデータを受信すると(ステップS100)、制御部32は、記憶部33で記憶されている中継識別子と送信元とに基づいて、中継順序が正しいかどうかを判断する(ステップS105)。具体的には、制御部32は、記憶部33で記憶されている中継識別子から所定の値mを加算する。その結果が、可変長データとともに送信された中継番号と一致する場合には、制御部32は、中継順序が正しいと判断する。一致しない場合には、制御部32は、中継順序が正しくないと判断する。なお、可変長データの送信元が子局40である場合には、可変長データを受信した中継器30は、常に中継順序が正しいと判断する。
中継順序が正しくないと判断する場合には(ステップS105における「No」)、制御部32は処理を終了する。
中継順序が正しいと判断する場合には(ステップS105における「Yes」)、制御部32は、受信したデータが可変長データであるか否かを判断する(ステップS110)。例えば、制御部32は、コンテンション区間の期間内にデータを受信した場合には、受信したデータは可変長データであると判断する。または、子局40から送信されたデータには、固定長データであるか可変長データであるかを識別する識別情報が付与されており、制御部32は、受信したデータに付与されている識別情報を用いて判断してもよい。
受信されたデータが可変長データでないと判断する場合(ステップS110における「No」)、制御部32は、上り区間T2のうち自局に割り当てられたタイムスロットTjが到来したか否かを判断する(ステップS115)。ここで、Tjは、T41からT45の何れかである。
タイムスロットTjが到来したと判断する場合(ステップS115における「Yes」)、制御部32は、タイムスロットTjで親局20宛のデータ(固定長データ)を無線で送信するように、通信部31を制御する(ステップS120)。
受信されたデータが可変長データであると判断する場合(ステップS110における「Yes」)、制御部32は、上り区間T2のうちコンテンション区間T30が到来したか否かを判断する(ステップS125)。
コンテンション区間T30が到来したと判断する場合(ステップS125における「Yes」)、制御部32は、コンテンション区間T30で親局20宛のデータ(可変長データ)を無線で送信するように、通信部41を制御する(ステップS130)。
1.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図5Aおよび図5Bを用いて説明する。
図5Aは、子局Aaから親局20宛に送信された可変長データが、親局20で受信されるまでの経路を説明する図であり、図5Bは、機器(子局Aaおよび中継器Raから中継器Re)が親局20宛の可変長データを送信するタイミングを説明する図である。
子局Aaから送信された可変長データは、図5Aに示すように、複数の中継器30において中継識別子が降順となる順序を経路として、つまり中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。そして、可変長データは、中継器Raから親局20へと送信される。ここで、図5Bに示すT1aからT1fは、下り区間を表し、T2aからT2fは上り区間を表す。
子局Aaは、図5Bに示すように、上り区間T2aのコンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データを送信する。さらに、図5Bに示すように、中継器Reは、上り区間T2bのコンテンション区間FS2が到来すると、コンテンション区間FS2で親局20宛の可変長データを中継器Rdへ送信する。中継器Rdは、上り区間T2cのコンテンション区間FS3が到来すると、コンテンション区間FS3で親局20宛の可変長データを中継器Rcへ送信する。中継器Rcは、上り区間T2dのコンテンション区間FS4が到来すると、コンテンション区間FS4で親局20宛の可変長データを中継器Rbへ送信する。中継器Rbは上り区間T2eのコンテンション区間FS5が到来すると、コンテンション区間FS5で親局20宛の可変長データを中継器Raへ送信する。中継器Raは上り区間T2fのコンテンション区間FS6が到来すると、コンテンション区間FS6で親局20宛の可変長データを親局20へ送信する。
1.4 まとめ
なお、実施形態1では、複数の子局40のそれぞれは、固定長データを送信する機能(第1機能)と、可変長データを送信する機能(第2機能)とを備えているとしたが、これに限定されない。複数の子局40のうち少なくとも1台の子局40が第1機能を備え、少なくとも1台の子局40が第2機能を有していればよい。
また、実施形態1では、タイムスロットT10、T11、・・・、T15のそれぞれが有する時間長は同一であるとしたが、これに限定されない。タイムスロットT10、T11、・・・、T15のうち一部のタイムスロットのそれぞれが有する時間長が同一であってもよい。または、それぞれの時間長は互いに異なってもよい。タイムスロットT21、・・・、T24のそれぞれが有する時間長、およびタイムスロットT41、・・・、T45のそれぞれが有する時間長についても同様である。
また、本実施形態では、中継器30のそれぞれには、親局20から通信距離が遠ざかるにつれて、所定の値m分ずつ大きくなるように中継識別子が付与されている。各中継器30は、最大の中継識別子と、所定の値mとの関係から自器における中継順序を知ることができる。例えば、中継順序は、式“(最大の中継識別子−自器の中継識別子)/m”により算出される。そのため、中継識別子とは、子局40から親局20までの中継順序を示す情報であることが分かる。
以上説明したように、本実施形態の無線システム10は、親局20と複数の子局40とから構成される。複数の子局40のそれぞれは、データを無線通信により親局20宛に送信する通信部41と、通信部41の動作を制御する制御部42とを備える。複数の子局40のうち少なくとも1台の子局40は、無線通信により親局20宛に固定長データを送信する第1機能を有している。第1機能を有する子局40の制御部42は、固定長データを送信するために自局に割り当てられた所定の時間長を有するタイムスロットで、固定長データを送信するように、通信部41を制御する。複数の子局40のうち少なくとも1台の子局40は、無線通信により親局20宛に可変長データを送信する第2機能を有している。第2機能を有する子局40の制御部42は、第2機能を有する子局40間で利用可能な区間であって、前記タイムスロットよりも長い時間長を有するコンテンション区間で、可変長データを送信するように、通信部41を制御する。
この構成によると、無線システム10では、可変長データが送信される場合には、子局40に割り当てられたタイムスロットではなく、タイムスロットより長い時間長を有するコンテンション区間T30が用いられる。これにより、無線システム10および子局40は、固定長データと可変長データとを混在させて送信することができる。
また、本実施形態の無線システム10の子局40は、データを無線通信により親局宛に送信する通信部41と、通信部41の動作を制御する制御部42とを備える。制御部42は、固定長データを親局20に送信する場合には、データを送信するために自局に割り当てられた所定の時間長を有するタイムスロットで固定長データを送信するように、通信部41を制御する。制御部42は、可変長データを親局20に送信する場合には、親局20に可変長データを送信する他の機器とで利用可能な区間であって、前記タイムスロットよりも長い時間長を有するコンテンション区間で、可変長データを送信するように、通信部41を制御する。
この構成によると、子局40では、可変長データが送信される場合には、子局40に割り当てられたタイムスロットではなく、タイムスロットよりの長い時間長を有するコンテンション区間T30が用いられる。これにより、無線システム10および子局40は、固定長データと可変長データとを混在させて送信することができる。
ここで、本実施形態では、無線システム10は、中継器30を備える。中継器30は、コンテンション区間の利用が可能である。中継器30は、親局20宛のデータを受信し、親局20宛のデータを送信する通信部31(中継部)と、通信部31の動作を制御する制御部32(中継制御部)とを備える。制御部32は、以下のように動作することが好ましい。制御部32は、通信部31で固定長データが受信されると、固定長データを送信するために自器に割り当てられたタイムスロットで固定長データを親局20宛に送信するように、通信部31を制御する。制御部32は、通信部31で可変長データが受信されると、コンテンション区間で、可変長データを親局20宛に送信するように、通信部31を制御する。
この構成によると、可変長データの送受信を複数の中継器30を介して行う場合であっても、無線システム10は、固定長データと可変長データとを混在させて送受信することができる。
ここで、本実施形態では、無線システム10は、中継器30を複数備えており、複数の中継器30のそれぞれに対して、子局40から親局20までの中継順序を示す中継識別子が付与されている。前記中継器30のそれぞれの制御部32は、通信部31で可変長データが受信されると、受信された可変長データが中継順序に従って送信されている場合に可変長データを送信するように、通信部31を制御することが好ましい。
この構成によると、無線システム10は、子局40から送信された可変長データを、予め定められた経路に従って、親局20まで送信する。そのため、可変長データを送信する度に、送信経路を検出する必要がない。そのため、可変長データを送信する際の処理を軽減することができる。
2.実施形態2
実施形態1では、複数の中継器30で可変長データを送受信する際には、常に中継識別子が降順になる順序(以下、正規の順序)で、複数の中継器30間で送信された。しかしながら、無線通信では、通信状態によっては、実施形態1で示す正規の順序とは異なった順序となることがある。例えば、子局40が送信した可変長データを中継器Rcが受信する場合や、中継器Reが送信した可変長データを中継器Rcが受信する場合などである。
そこで、本実施形態では、このような場合でも可変長データを適切に送信することができる無線システム10について、実施形態1とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
2.1 構成
本実施形態では、複数の中継器30が親局20宛の可変長データを受信した場合の制御部32の機能動作が実施形態1の場合と異なる。また、記憶部33で記憶される情報も実施形態1とは異なる。
以下、中継器30の制御部32の機能動作および記憶部33について、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態の可変長データには送信元の機器(中継器30、子局40)を識別する識別情報が付与されている。
本実施形態の記憶部33は、自器に付与された中継識別子と、親局20によって付与された中継識別子のうち最大の中継識別子とを記憶している。
本実施形態の制御部32は、通信部31で親局20宛の可変長データが受信されると、可変長データに付与された識別情報に基づいて送信元を判別する。
制御部32は、送信元が子局40であると判別した場合には、自器に付与された中継識別子と最大の中継識別子とを用いて、受信した可変長データを送信するコンテンション区間を決定する。
制御部32は、送信元が他の中継器30であると判別した場合には、自器に付与された中継識別子と、可変長データに付与された中継識別子とを用いて、受信した可変長データを送信するコンテンション区間を決定する。
制御部32は、決定されたコンテンション区間で親局20宛の可変長データを送信するように、通信部31を制御する。
2.2 動作
ここでは、本実施形態における中継器30の動作について、実施形態1とは異なる点を中心に、図6に示す流れ図を用いて説明する。
通信部31が親局20宛のデータを受信すると(ステップS100)、制御部32は、受信したデータが可変長データであるか否かを判断する(ステップS110)。受信したデータが可変長データであると判断した場合(ステップS110における「YES」)、制御部32は、受信したデータ(可変長データ)の送信元が子局40であるか否かを判断する(ステップS200)。
送信元が子局40であると判断する場合(ステップS200における「Yes」)、制御部32は、第1決定処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部32は、自器に付与された中継識別子と最大の中継識別子とを用いて、受信した可変長データを送信するコンテンション区間を決定する。例えば、制御部32は、自器に付与された中継識別子と最大の中継識別子との差分sを算出する。制御部32は、通信部31で可変長データが受信された以降において、“1+s/m”回目に到来するコンテンション区間を、受信した可変長データを送信するコンテンション区間として決定する。
送信元が子局40でないと判断する場合(ステップS200における「No」)、制御部32は、第2決定処理を実行する(ステップS210)。具体的には、制御部32は、自器に付与された中継識別子と、可変長データに付与された中継識別子とを用いて、受信した可変長データを送信するコンテンション区間を決定する。例えば、制御部32は、自器に付与された中継識別子と、可変長データに付与された中継識別子との差分sを算出する。制御部32は、通信部31で可変長データが受信された以降において、s/m回目に到来するコンテンション区間を、受信した可変長データを送信するコンテンション区間として決定する。
制御部32は、決定されたコンテンション区間が到来したか否かを判断する(ステップS215)。
コンテンション区間が到来したと判断する場合(ステップS215における「Yes」)、制御部32は、到来したコンテンション区間で親局20宛の可変長データを無線で送信するように、通信部41を制御する(ステップS220)。
2.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図7A、7Bおよび図8A、8Bを用いて説明する。
(1)具体例1
図7Aは、子局Aaから親局20宛に送信された可変長データが中継器Rbで受信された場合において、可変長データが親局20で受信されるまでの経路を説明する図である。図7Bは、子局Aaから親局20宛に送信された可変長データが中継器Rbで受信された場合において、中継器Rbが可変長データを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図7Bに示すT1aからT1fは、下り区間を表し、T2aからT2fは上り区間を表す。
子局Aaから送信された可変長データは、図7Aに示すように、中継器Rbで受信されると、それ以降において中継識別子が降順となる順序を経路として、つまり中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。そして、可変長データは、中継器Raから親局20へと送信される。ここで、mの値は、実施形態1と同様に、“1”とする。
子局Aaは、図7Bに示すように、上り区間T2aのコンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データを送信する。ここで、子局Aaから送信された可変長データは中継器Rbで受信されている。中継器Rbで受信された可変長データの送信元は子局Aaであるので、中継器Rbは、中継器Rbの中継識別子“2”と最大の中継識別子“5”との差分sを算出する。制御部32は、“1+s/m”回目(ここでは4回目)に到来したコンテンション区間T2eで親局20宛の可変長データを中継器Raへ送信する。中継器Raは上り区間T2fのコンテンション区間FS6が到来すると、コンテンション区間FS6で親局20宛の可変長データを親局20へ送信する。
(2)具体例2
図8Aは、中継器Reから親局20宛に送信された可変長データが中継器Rbで受信された場合において、可変長データが親局20で受信されるまでの経路を説明する図である。図8Bは、中継器Reから親局20宛に送信された可変長データが中継器Rbで受信された場合において、中継器Rbが可変長データを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図8Aに示すT1aからT1fは、下り区間を表し、T2aからT2fは上り区間を表す。また、mの値は、実施形態1と同様に、“1”とする。
子局Aaから送信された可変長データは、中継器Reで受信される。その後、図8Aに示すように、中継器Reで送信された可変長データが中継器Rbで受信されると、それ以降において中継識別子が降順となる順序を経路として、つまり中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。そして、可変長データは、中継器Raから親局20へと送信される。
子局Aaは、図8Bに示すように、上り区間T2aのコンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データを送信する。さらに、図8Bに示すように、中継器Reは、上り区間T2bのコンテンション区間FS2が到来すると、コンテンション区間FS2で親局20宛の可変長データを送信する。ここで、中継器Reから送信された可変長データは中継器Rbで受信されている。中継器Rbで受信された可変長データの送信元は中継器Reであるので、中継器Rbは、中継器Rbの中継識別子“2”と送信元である中継器Reの中継識別子“5”との差分sを算出する。制御部32は、s/m回目(ここでは3回目)に到来したコンテンション区間T2eで親局20宛の可変長データを中継器Raへ送信する。中継器Raは上り区間T2fのコンテンション区間FS6が到来すると、コンテンション区間FS6で親局20宛の可変長データを親局20へ送信する。
2.4 まとめ
以上説明したように、本実施形態では、コンテンション区間は、所定周期で到来する。また、本実施形態の制御部32は、通信部31で可変長データが受信されると、自器の中継識別子に基づいて、所定周期で到来するコンテンション区間のうち、前記可変長データを送信すべき一のコンテンション区間を決定することが好ましい。制御部32は、決定した一のコンテンション区間で可変長データを送信するように、通信部31を制御することが好ましい。
この構成によると、無線システム10において、可変長データを受信した中継器30は、自器の中継識別子に応じて定まるコンテンション区間で、可変長データを送信している。そのため、可変長データを2台の中継器30が受信した場合、この2台の中継器30は、次のコンテンション区間で同時に送信することはない。したがって、可変長データが送信される際の衝突を防ぐことができる。
3.実施形態3
上記各実施形態では、一のコンテンション区間では、可変長データの送信は1回としている。本実施形態では、一のコンテンション区間において、可変長データの送信を複数回行うことができる無線システム10について、実施形態1および実施形態2とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
3.1 構成
本実施形態では、複数の中継器30が親局20宛の可変長データを受信した場合の制御部32の機能動作が他の実施形態の場合と異なる。
以下、中継器30の制御部32の機能動作について、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態では、制御部32は、コンテンション区間T30の時間長を予め記憶している。
制御部32は、通信部31で親局20宛の可変長データが受信されると、可変長データが受信されたコンテンション区間で可変長データの送信が可能である場合には、そのコンテンション区間で可変長データを無線で送信するように、通信部31を制御する。
3.2 動作
ここでは、本実施形態における中継器30の動作について、実施形態1および実施形態2とは異なる点を中心に、図9に示す流れ図を用いて説明する。
制御部32は、ステップS110で受信したデータが可変長データであるか否かを判断する。受信したデータが可変長データであると判断した場合(ステップS110における「YES」)、制御部32は、受信したデータ(可変長データ)のコンテンション区間で、受信したデータの送信が可能であるか否かを判断する(ステップS300)。具体的には、制御部32は、以下の動作に従って判断する。制御部32は、無線の通信速度と、受信した可変長データのデータ長とから、可変長データを送信するのに要する時間(送信時間)を算出する。制御部32は、受信した可変長データのコンテンション区間について、コンテンション区間が開始されたからの経過時間と、予め記憶しているコンテンション区間の時間長とから、コンテンション区間の残り時間長を算出する。制御部32は、送信時間で表される送信時間長が残りの時間長以下である場合に、同一コンテンション区間で送信可能と判断する。
同一コンテンション区間で、受信したデータの送信が可能であると判断する場合(ステップS300における「Yes」)、制御部32は、そのコンテンション区間で可変長データを無線で送信するように、通信部31を制御する(ステップS305)。
受信した可変長データのコンテンション区間で、受信したデータの送信が可能でないと判断する場合(ステップS300における「No」)、制御部32は、次のコンテンション区間が到来したか否かを判断する(ステップS310)。
コンテンション区間が到来したと判断する場合(ステップS310における「Yes」)、制御部32は、到来したコンテンション区間で可変長データを無線で送信するように、通信部41を制御する(ステップS315)。
3.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図10を用いて説明する。
図10は、機器(子局Aaおよび中継器Raから中継器Re)が親局20宛の可変長データを送信するタイミングを説明する図である。ここで、送受信される可変長データの送信時間長は、コンテンション区間の時間長の1/2以下である。
子局Aaから送信された可変長データは、実施形態1と同様に、中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。ここで、図10に示すT1aからT1cは、下り区間を表し、T2aからT2cは上り区間を表す。
子局Aaは、図10に示すように、上り区間T2aのコンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データを送信する。さらに、可変長データの送信時間長はコンテンション区間の時間長の1/2以下であるので、中継器Reは、コンテンション区間FS1で可変長データの送信が可能であると判断する。そして、中継器Reは、コンテンション区間FS1で、可変長データを中継器Rdへ送信する。中継器Rdは、上り区間T2bのコンテンション区間FS2が到来すると、コンテンション区間FS2で可変長データを中継器Rcへ送信する。中継器Rcは、コンテンション区間FS1で可変長データの送信が可能であると判断し、コンテンション区間FS2で、可変長データを中継器Rbへ送信する。中継器Rbは上り区間T2cのコンテンション区間FS3が到来すると、コンテンション区間FS3で親局20宛の可変長データを中継器Raへ送信する。中継器Raは、コンテンション区間FS3で可変長データの送信が可能であると判断し、コンテンション区間FS3で、可変長データを親局20へ送信する。
3.4 まとめ
以上説明したように、制御部32は、以下のようにして通信部31を制御することが好ましい。制御部32は、通信部31で可変長データが受信されると、可変長データが受信されたコンテンション区間で可変長データの送信が可能である場合には、当該コンテンション区間で可変長データを送信するよう、通信部31を制御する。
この構成によると、無線システム10は、子局40から送信された可変長データが親局20に届くまでの時間を短縮することができる。
4.実施形態4
一の子局40で送信された可変長データと他の子局40で送信された可変長データとの衝突を回避する無線システム10について、実施形態1から実施形態3とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
4.1 構成
本実施形態では、複数の子局40が親局20宛の可変長データを送信する場合の制御部32の機能動作が他の実施形態の場合と異なる。
以下、子局40の制御部42の機能動作について、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の子局40の制御部42は、可変長データを送信すべきコンテンション区間が到来すると、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式によりキャリアセンスを行う。制御部42は、実行したキャリアセンスでコンテンション区間が空き状態であることを検出した場合に、到来したコンテンション区間で、可変長データを送信するように、通信部41を制御する。
4.2 動作
ここでは、本実施形態における子局40の動作について、実施形態1から実施形態3とは異なる点を中心に、図11に示す流れ図を用いて説明する。
制御部42は、ステップS5で受信したデータが可変長データであるか否かを判断する。受信したデータが可変長データであると判断した場合(ステップS5における「YES」)、制御部32は、コンテンション区間が到来したか否かを判断する(ステップS400)。
コンテンション区間が到来したと判断する場合(ステップS400における「Yes」)、制御部42は、キャリアセンスを行って、コンテンション区間が空き状態であるか否かを検知する(ステップS405)。
コンテンション区間が空き状態であると判断する場合には(ステップS405における「Yes」)、制御部42は、到来したコンテンション区間で、可変長データを送信するように、通信部41を制御する(ステップS410)。
コンテンション区間が空き状態ではないと判断する場合には(ステップS405における「No」)、制御部42は、このコンテンション区間で可変長データを送信することを中止し、次のコンテンション区間の到来を待つ。
4.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図12を用いて説明する。
図12は、機器(子局Aa、子局Abおよび中継器Raから中継器Re)が親局20宛の可変長データを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図12に示すT1aからT1gは、下り区間を表し、T2aからT2gは上り区間を表す。
子局Aaから送信された可変長データD1は、図12に示すように、中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。そして、可変長データD1は、中継器Raから親局20へと送信される。
ここで、中継器Rdが子局Aaから送信された可変長データD1を送信するコンテンション区間FS3で、子局Abが別の可変長データD2の送信を試みる。このとき、子局Abは、キャリアセンスを行い、コンテンション区間FS3が中継器Rdの送信で利用されているので、空き状態でないことが検知される。そのため、子局Abは、コンテンション区間FS3での可変長データD2の送信を中止する。また、コンテンション区間FS4,FS5,FS6も可変長データD1の送信に利用されているので、子局Abは、コンテンション区間FS4,FS5,FS6における可変長データD2の送信を中止する(図12参照)。
可変長データD1が中継器Raから親局20へ送信された後に到来するコンテンション区間FD7は他の可変長データの送信に用いられていないので、子局Abは、コンテンション区間FS7で親局20宛の可変長データを送信する。
4.4 まとめ
以上説明したように、制御部42は、可変長データを通信部41に送信させる前に、送信対象区間であるコンテンション区間における空き状態を検知する。制御部42は、以下のように動作することが好ましい。制御部42は、コンテンション区間が空き状態であると検知するとそのコンテンション区間で可変長データを通信部41に送信させる。制御部42は、コンテンション区間が空き状態でないと検知するとそのコンテンション区間での可変長データの送信を通信部41に中止させる。
この構成によると、無線システム10は、コンテンション区間でのデータの衝突を回避することができる。
5.実施形態5
本実施形態では、実施形態4とは異なる方法で、一の子局40で送信された可変長データと他の子局40で送信された可変長データとの衝突を回避する無線システム10について、実施形態1から実施形態4とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
5.1 構成
本実施形態では、親局20の制御部の機能動作と、複数の子局40の制御部32の機能動作、が他の実施形態の場合と異なる。
以下、親局20の制御部22の機能動作および子局40の制御部42の機能動作について、実施形態4と異なる点を中心に説明する。
(1)子局40の制御部42
制御部42は、可変長データの送信に先立って、可変長データの送信を予告する予告データである固定長データを、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部41を制御する。
制御部42は、後述する中止通知を親局20から複数の中継器30を介して受信してから、後述する解除通知を親局20から複数の中継器30を介して受信するまでの間、可変長データを送信しないように、通信部41を制御する。
ここで、中止通知とは、可変長データの送信を中止することを示す通知であり、固定長データからなる。また、解除通知とは、可変長データの送信の中止を解除することを示す通知であり、固定長データからなる。
(2)親局20の制御部22
通信部21が1台以上の子局40から予告データを受信すると、制御部22は、予告データを送信した1台の子局40を選択する。
制御部22は、選択した1台の子局40を除く他の子局40すべてに対して中止通知である固定長データを、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部21を制御する。
通信部21が、選択した1台の子局40で送信された可変長データを受信すると、制御部22は、中止通知を送信した子局40すべてに対して解除通知である固定長データを、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部21を制御する。
5.2 動作
ここでは、1台以上の子局40から予告データを受信した親局20の動作について、図13に示す流れ図を用いて説明する。
通信部21が予告データである固定長データを1台以上の子局40から複数の中継器30を介して受信すると(ステップS500)、制御部22は、中止通知処理を行う(ステップS505)。具体的には、制御部22は、予告データを送信した1台以上の子局40のうち、可変長データの送信を許可する1台の子局40を決定する。例えば、制御部22は、可変長データの送信を許可する1台の子局40を、予告データを送信した1台以上の子局40からランダムに決定する。制御部22は、決定した1台の子局40を除く他の子局40すべてに対して中止通知を、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部21を制御する。
その後、制御部22は、決定した1台の子局40から送信された可変長データが通信部21で受信されたか否かを判断する(ステップS510)。
受信されたと判断する場合には(ステップS510における「Yes」)、制御部22は、解除通知処理を行う(ステップS515)。具体的には、制御部22は、中止通知を送信対象であった子局40すべてに対して中止通知を、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部21を制御する。
5.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図14を用いて説明する。
図14は、機器(子局Aaおよび中継器Raから中継器Re)が親局20宛の可変長データVDを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図14に示すT1aからT1cおよびT1gは下り区間を表し、T2a、T2bおよびT2fは上り区間を表す。図14では、T1a、T1b、およびT1c、T1gの幅(時間長)は、説明の都合上異なっているが、実際にはこれらの時間長は同一である。また、T2a、T2b、T2fの幅(時間長)についても、説明の都合上異なっているが、実際にはこれらの時間長についても同一である。
子局Aaから送信された可変長データVDは、中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される(図14参照)。そして、可変長データVDは、中継器Raから親局20へと送信される。
子局Aaは、可変長データVDを送信するに先立って、上り区間T2aの上り子局スロットRS1において自局に割り当てられたタイムスロットで、親局20宛に予告データPDを送信する。予告データPDは、可変長データVDと同様に、中継識別子が降順となる順序で各中継器30を介して親局20へ送信される。具体的には、中継器Reが子局Aaから予告データPDを受信すると、上り区間T2aの上り中継スロットRS2において自器に割り当てられたタイムスロットで、予告データPDを送信する。その後、中継器Rd,Rc,Rb,Raの順序で、上り中継スロットRS2において自器に割り当てられたタイムスロットで、予告データPDを送信する。
親局20は、中継器Raから送信された予告データPDを受信すると、下り区間T1bにおいて自局に割り当てられたタイムスロットで、中止通知Naを子局Aaを除く他の子局40すべてに、中継器Ra,Rb,Rc,Rd,Reを介して送信する。このとき、中止通知Naは、中継識別子が昇順となる順序で各中継器30を介して親局20へ送信される。具体的には、中継器Raが親局20から中止通知Naを受信すると、下り区間T1bにおいて自器に割り当てられたタイムスロットで、中止通知Naを送信する。その後、中継器Rb,Rc,Rd,Reの順序で、下り区間T1bにおいて自器に割り当てられたタイムスロットで、中止通知Naが送信される。
予告データPDを送信した子局Aaは、コンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データVDを送信する。その後、可変長データVDは、中継器Re,Rd,Rc,Rb,Raの経路をたどって親局20で受信される。なお、可変長データVDの送信タイミングは、実施形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
親局20は、子局Aaから可変長データVDを受信すると、下り区間T1gにおいて自局に割り当てられたタイムスロットで、解除通知Nbを子局Aaを除く他の子局40すべてに、中継器Ra,Rb,Rc,Rd,Reを介して送信する。このとき、解除通知Nbは、中継識別子が昇順となる順序で各中継器30を介して親局20へ送信される。具体的には、中継器Raが親局20から解除通知Nbを受信すると、下り区間T1gにおいて自器に割り当てられたタイムスロットで、中止通知Nbを送信する。その後、中継器Rb,Rc,Rd,Reの順序で、下り区間T1gにおいて自器に割り当てられたタイムスロットで、解除通知Nbを送信する。
5.4 まとめ
以上説明したように、本実施形態では、無線システム10は、第2機能を有する子局40を複数備える。第2機能を有する複数の子局40の制御部42は、可変長データを通信部41に送信させる前に、自局に割り当てられたタイムスロットで可変長データの送信を予告する予告データを送信するように、通信部41を制御することが好ましい。親局20は、第2機能を有する子局40のうち一の子局40から予告データを受信すると、一の子局40を除く他の子局40すべてに対して、中止通知を送信する。中止通知とは、親局20が一の子局40から可変長データを受信するまでの間、コンテンション区間での送信を中止することを示す通知である。親局20は、一の子局40から可変長データを受信すると、他の子局40すべてに対して、コンテンション区間での送信の中止を解除する解除通知を送信する。
この構成によると、無線システム10は、一の子局40(例えば子局Aa)が送信した可変長データを送受信している各中継器30と、他の子局40とにおける通信の衝突を回避することができる。
6.実施形態6
本実施形態における無線システム10について、実施形態1から実施形態5とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
6.1 構成
本実施形態では、親局20が可変長データを受信した場合の制御部22の機能動作、および複数の中継器30が親局20宛の可変長データを受信した場合の制御部32の機能動作が他の実施形態の場合と異なる。
以下、本実施形態の親局20の制御部22および中継器30の制御部32について、他の実施形態と異なる点を中心に説明する。
(1)親局20の制御部22
本実施形態の親局20の制御部22は、通信部21で子局40から送信された可変長データが受信されると、中継器30すべてに対して、可変長データの受信が完了したことを示す完了通知を送信する。
(2)中継器30の制御部32
本実施形態の中継器30の制御部32は、可変長データを送信すべきコンテンション区間コンテンション区間が開始されてから、自器に付与された中継識別子に基づいて定まる時間(待機時間)が経過すると、可変長データを送信するように、通信部31を制御する。
制御部32は、親局20から完了通知を受け取ると、可変長データの送信を中止する。
6.2 動作
ここでは、本実施形態における中継器30の動作について、他の実施形態とは異なる点を中心に、図15に示す流れ図を用いて説明する。
通信部31が親局20宛のデータを受信すると(ステップS100)、制御部32は、受信したデータが可変長データであるか否かを判断する(ステップS110)。受信したデータが可変長データであると判断した場合(ステップS110における「YES」)、制御部32は、待機時間Waを算出する(ステップS600)。待機時間Waは、自器に付与された中継識別子に固定値を乗じた結果値である。なお、固定値は、各中継器30に対して共通である。
制御部32は、コンテンション区間が到来したか否かを判断する(ステップS605)。
コンテンション区間が到来したと判断する場合(ステップS605における「Yes」)、制御部32は、親局20から完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS610)。
完了通知を受信していないと判断する場合(ステップS610における「No」)、制御部32は、待機時間Waを経過したか否かを判断する(ステップS615)。
待機時間Waを経過したと判断する場合(ステップS615における「Yes」)、制御部32は、可変長データを、コンテンション区間で送信するように、通信部21を制御する(ステップS602)。
制御部32は、可変長データの送信が成功したか否かを判断する(ステップS625)。
可変長データの送信が成功したと判断する場合(ステップS625における「Yes」)、制御部32は処理を終了する。
可変長データの送信が成功していないと判断する場合(ステップS620における「No」)、制御部32は、次のコンテンション区間で可変長データを送信するために、ステップS605へ戻り、次のコンテンション区間の到来を待つ。
完了通知を受信したと判断する場合(ステップS625における「Yes」)、制御部32は、可変長データの送信を中止するよう通信部31を制御する(ステップS630)。
6.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図16を用いて説明する。
図16は、機器(子局Aaおよび各中継器30)が親局20宛の可変長データを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図16に示すT1aからT1fは、下り区間を表し、T2aからT2fは上り区間を表す。
子局Aaは、図16に示すように、上り区間T2aのコンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データを送信する。ここでは、子局Aaが送信した可変長データを、中継器Raおよび中継器Rcが受信する。
中継器Raは自器に付与された中継識別子“1”に固定値を乗じて待機時間Wa1を、
中継器Rcは自器に付与された中継識別子“3”に固定値を乗じて待機時間Wa2を、それぞれ算出する。ここでは、固定値は互いに共通であるので、中継器Raの待機時間Wa1は、中継器Rcの待機時間Wa2よりも短い時間である。
中継器Raは、コンテンション区間FS2が開始されてから待機時間Wa1が経過すると、可変長データを送信する。また、中継器Rcは、コンテンション区間FS2が開始されてから待機時間Wa2が経過すると、可変長データを送信する。上述したように、待機時間Wa1は、待機時間Wa2よりも短い時間であるので、中継器Raは中継器Rcよりも早く可変長データを送信する。つまり、中継器Rcがコンテンション区間FS2で可変長データを送信する際には、既に中継器Raが可変長データの送信のためにコンテンション区間FS2を利用しているので、中継器Rcによる可変長データの送信は失敗する。
その後、中継器Rcは、親局20から完了通知を受信していない場合であって、次のコンテンション区間FS3が開始されてから待機時間Wa2が経過すると、可変長データを送信する。
中継器Rcは、図示していないが、親局20から完了通知を受信すると、可変長データの送信を中止する。
6.4 まとめ
以上説明したように、制御部32は、通信部31で可変長データが受信されると、可変長データの送信対象区間であるコンテンション区間において、以下のように、通信部31を制御することが好ましい。制御部32は、コンテンション区間の開始時点から、中継識別子に応じた待機時間Waが経過すると、可変長データを送信するように、通信部31を制御する。待機時間Waは、中継識別子で表される中継順序の順位が親局20に近づくにつれて短くなることが好ましい。
この構成によると、無線システム10において、中継器30は、自器に付与された中継識別子に応じた待機時間Waの経過を待って可変長データを送信している。待機時間Waは、中継識別子で表される中継順序の順位が親局20に近づくにつれて短くなっている。そのため、可変長データが複数の中継器30で受信された場合、可変長データを受信した複数の中継器30のうち、待機時間Waが短い、つまり親局20に近い中継器30が優先的に可変長データを送信することができる。これにより、本実施形態の無線システム10は、子局40から送信された可変長データが親局20に届くまでの時間を短縮することができる。
また、親局20は、複数の中継器30のうち一の中継器30から可変長データを受信すると、複数の中継器30すべてに対して、可変長データの受信が完了したことを示す完了通知を送信することが好ましい。可変長データの送信が完了していない中継器30の制御部32は、完了通知を受信すると、可変長データの送信を通信部31に中止させることが好ましい。
この構成によると、無線システム10は、無駄なトラヒックを削減することができる。
7.実施形態7
本実施形態における無線システム10について、実施形態1から実施形態6とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態の無線システム10の基本構成は、実施形態1と同じであり、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
7.1 構成
本実施形態では、親局20の制御部の機能動作と、複数の子局40の制御部32の機能動作、が他の実施形態の場合と異なる。
以下、親局20の制御部22の機能動作および子局40の制御部42の機能動作について、実施形態4と異なる点を中心に説明する。
(1)子局40の制御部42
制御部42は、可変長データの送信に先立って、可変長データの送信を予告する予告データである固定長データを、自局に割り当てられたタイムスロットで送信するように、通信部41を制御する。
ここで、予告データには、送信対象の可変長データのデータ長を示すサイズ情報が含まれている。
(2)親局20の制御部22
通信部21が子局40から予告データを受信すると、制御部22は、可変長データが1つのコンテンション区間で親局20まで到達するための時間長TSを算出する。制御部22は、スロット構成のうちコンテンション区間の時間長を、算出された時間長TSへと変更する変更指示を、自局に割り当てられたタイムスロットで複数の中継器30および複数の子局40に送信するように、通信部21を制御する。
7.2 動作
ここでは、本実施形態における親局20の動作について、他の実施形態とは異なる点を中心に、図17に示す流れ図を用いて説明する。
通信部21が予告データを受信すると(ステップS700)、制御部22は、時間長TSを算出する(ステップS705)。具体的には、制御部22は、通信速度と、予告データに含まれるサイズ情報とから、1回の送信で必要とする単位時間長を算出する。そして、制御部22は、算出した単位時間長と、中継器30の総数とから時間長TSを算出する。
制御部22は、変更指示を、自局に割り当てられたタイムスロットで複数の中継器30および複数の子局40に送信するように、通信部21を制御する(ステップS710)。
7.3 具体例
ここでは、本実施形態における無線システム10の動作の具体例を図18を用いて説明する。
図18は、機器(子局Aaおよび中継器Raから中継器Re)が親局20宛の可変長データVDを送信するタイミングを説明する図である。ここで、図18に示すT1aからT1cおよびT1gは下り区間を表し、T2a、T2bおよびT2fは上り区間を表す。
子局Aaから送信された可変長データVDは、中継器Re、中継器Rd、中継器Rc、中継器Rb、中継器Raの順の経路で送受信される。そして、可変長データVDは、中継器Raから親局20へと送信される。
子局Aaは、可変長データVDを送信するに先立って、上り区間T2aの上り子局スロットRS1において自局に割り当てられたタイムスロットで、親局20宛に予告データPDを送信する。予告データPDは、可変長データVDと同様に、中継識別子が降順となる順序で各中継器30を介して親局20へ送信される。具体的には、中継器Re,Rd,Rc,Rb,Raの順序で、上り中継スロットRS2において自器に割り当てられたタイムスロットで、予告データPDが送信される。親局20は、中継器Raから送信された予告データPDを受信すると、時間長TSを算出する。親局20は、コンテンション区間の時間長を時間長TSへ変更する変更指示Iaを、下り区間T1bにおいて自局に割り当てられたタイムスロットで、各子局40および各中継器30に送信する。このとき、変更指示Iaは、中継識別子が昇順となる順序で各中継器30を介して親局20へ送信される。具体的には、中継器Ra,Rb,Rc,Rd,Reの順序で、下り区間T1bにおいて自器に割り当てられたタイムスロットで、変更指示Iaが送信される。
予告データPDを送信した子局Aaは、コンテンション区間FS1が到来すると、コンテンション区間FS1で親局20宛の可変長データVDを送信する。その後、可変長データVDは、中継器Re,Rd,Rc,Rb,Raの経路をたどって、時間長TSのコンテンション区間で、親局20まで送信される。
なお、図示していないが、親局20が可変長データVDを受信すると、無線システム10は、時間長TSからなるコンテンション区間を元の時間長のコンテンション区間へと変更する。具体的には、親局20は、時間長TSからなるコンテンション区間を元の時間長のコンテンション区間へと変更する指示(再変更指示)を、下り区間T1bにおいて自局に割り当てられたタイムスロットで、各子局40および各中継器30に送信する。各子局40および各中継器30が、再変更指示を受信すると、コンテンション区間の時間長TSを元の時間長へと変更する。
7.4 まとめ
以上説明したように、第2機能を有する子局40の制御部42は、可変長データを通信部41に送信させる前に、自局に割り当てられたタイムスロットで可変長データの送信を予告する予告データを親局20に送信するように、通信部41を制御することが好ましい。親局20は、予告データを受信すると、以下のように動作することが好ましい。親局20は、予告データが送信されたタイムスロット以降に到来する一のコンテンション区間で可変長データが親局20に到達するように一のコンテンション区間の時間長を変更するよう、複数の中継器30すべてに対して指示する。そして、複数の中継器30の制御部32のそれぞれは、時間長が変更された一のコンテンション区間において、可変長データの送信を行うよう通信部31を制御することが好ましい。
この構成によると、無線システム10は、スロット構成を変更することで、可変長パケットの中継(送信)を優先的に行うことができる。
8.変形例
以上、実施形態1から実施形態7および変形例に基づいて本発明について説明したが、本発明は上述した実施形態および変形例に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態3において、中継器30は、可変長データを受信するたびに、同一コンテンション区間で、受信した可変長データの送信が可能であるか否かを判断したが、これに限定されない。
子局40が、可変長データを送信する際に、一のコンテンション区間で送信可能な回数を決定し、可変長データとともにその回数を送信してもよい。このとき、中継器30は、可変長データを送信する際に、同一コンテンション区間では何回目の送信となるかを判別して、子局40が決定した回数以下である場合には、そのコンテンション区間で可変長データの送信を行う。
(2)上記実施形態5において、子局40は、予告データを送信した上り区間と同一の区間のコンテンション区間で可変長データを送信したが、これに限定されない。
子局40は、予告データを送信した上り区間の次に到来する上り区間のコンテンション区間で、可変長データを送信してもよい。
(3)上記実施形態6において、中継器30は、可変長データの送信に失敗しても、親局20から完了通知を受信するまでは可変長データの送信を行うとしたが、これに限定されない。
中継器30は、可変長データの送信に失敗したときに、送信を中止してもよい。一の中継器30が一のコンテンション区間で可変長データの送信に失敗したときには他の中継器30が既に同一コンテンション区間を利用して送信を行っている可能性が高い。そのため、一の中継器30が送信を中止しても、他の中継器30から送信された可変長データが親局20に到達する。
(4)上記実施形態7において、子局40は、予告データを送信した上り区間と同一の区間のコンテンション区間で可変長データを送信したが、これに限定されない。
子局40は、予告データを送信した上り区間の次に到来する上り区間のコンテンション区間で、可変長データを送信してもよい。
このとき、親局20は、子局40についての可変長データの送信時間長を含む時間長TSを算出し、変更指示を行ってもよい。または、実施形態7と同様に、各中継器30で可変長データの送信に必要な単位時間のみから時間長TSを算出してもよい。各中継器30で可変長データの送信に必要な単位時間のみから時間長TSを算出する場合には、予告データを送信した上り区間の次に到来する上り区間のコンテンション区間で、可変長データが子局40から送信される。さらに次に到来するスロットの時間長が時間長TSへと変更され、時間長が変更されたコンテンション区間が各中継器30による可変長データの送信に利用される。
(5)上記実施形態7において、各中継器30で可変長データを送信する上り区間は、上り子局スロットと、上り中継スロットと、時間長が変更されたコンテンション区間とから構成されるとしたが、これに限定されない。
各中継器30で可変長データを送信する上り区間は、時間長が変更されたコンテンション区間のみから構成されてもよい。
(6)上記各実施形態において、中継識別子は、親局20との通信距離が遠ざかるにつれて所定の値m分ずつ大きくなるよう、中継器30に付与されるとしたが、これに限定されない。
中継識別子は、子局40から親局20までの中継順序の順位が定まるように各中継器30に付与されていればよい。例えば、中継識別子は、親局20との通信距離が遠ざかるにつれて所定の値m分ずつ小さくなるように設定されてもよい。
このとき、実施形態6で説明した待機時間aは、“1/(固定値a×中継識別子)”で算出される。
(7)上記実施形態および変形例を組み合わせてもよい。