JP6264127B2 - 電子機器、温度監視制御方法およびプログラム - Google Patents

電子機器、温度監視制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本技術は、電子機器、温度監視制御方法およびプログラムに関する。
携帯電話端末、携帯情報端末、タブレットコンピュータ等の電子機器は、CPU、メモリ、無線デバイス(セルラー、無線LAN等)、カメラおよびLCDバックライト等を有している。これら、熱源となるデバイスが動作する際に発する熱により電子機器の表面温度が上昇する。
電子機器の表面温度は、ユーザが当該電子機器の表面に長時間、直接接触した場合に生じる低温やけどに関係する。このため、ユーザの安全面を考慮して各デバイスの制御が行われる。
温度センサによって、電子機器の表面温度を直接検出することが望ましいが、電子機器の外観上の課題や防水・防塵の課題などから、温度センサは電子機器内部に設けられることが一般的である。このため、電子機器内部の温度と電子機器の表面温度との差分を規定したテーブルを用いて、電子機器内部に設けられた温度センサの出力値から電子機器の表面温度を推定する。推定された表面温度からユーザの安全面を考慮して各デバイスの制御を行う。当該テーブルは、実験を基に、電子機器内部に設けられた温度センサの出力値と、電子機器の表面温度との関係が規定されるものである。
例えば、コンピュータの温度管理に関し、温度上昇カーブの予測値に対して、温度限界値を設け予測値と温度限界値に従って温度制御値を選択し、動作を決定するものがある。
特開2012−74064号公報 特開2006−155401号公報
従来技術は、電子機器内部に設けられた温度センサの出力値と、電子機器の表面温度との、実験によって得られた関係によって規定されたテーブルを有する。テーブルを基に、電子機器の表面温度を推定することにより、ユーザが当該電子機器を操作し続けても低温やけどが生じない範囲内で電子機器を停止するフェールセーフタイマを設定する。または、CPUの稼働率から、温度上昇カーブを予測して、CPUを冷却するなどの対策を行っている。さらに、CPUに比べ、ユーザが電子機器を使用し続ける上で、優先度の低いデバイス、例えば、無線デバイス、カメラおよびLCDバックライト等、熱源となる熱源デバイスの動作を、早い段階で制限することにより、電子機器の温度上昇の抑制を図っている。
ところが、携帯電話端末などの電子機器は、CPU、メモリ、無線デバイス、カメラおよびLCDバックライト等に関するアプリケーションが複合的に動作するものである。このため、各熱源デバイスの動作を、どのタイミングで制限すればよいかを予測して、各熱源デバイスの動作を制限することは困難である。よって、必要以上に早いタイミングで熱源となる各熱源デバイスの動作を制限せざるを得なかった。
本発明は、上記の問題点を鑑みたものであり、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる電子機器および温度監視制御方法を提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、熱源となる第1の熱源デバイスと、電子機器の温度を検出する温度センサと、前記検出された温度を取得し、前記取得した温度が予め設定された動作制限温度以上である場合、前記電子機器で動作されるアプリケーションの動作状況を取得し、前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する制御部とを備えることを特徴とする電子機器が提供される。
開示の技術の一観点によれば、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる電子機器、温度監視制御方法およびプログラムを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る携帯端末100のハードウェア構成の概略図である。 図2は、第1の実施形態に係る携帯端末100の機能ブロック図である。 図3は、フェールセーフタイマ制御に関する設定を示したフェールセーフタイマテーブルの一例である。 図4は、熱源デバイスに対する動作制限に関する設定を示した熱源デバイス動作制限テーブルの一例である。 図5は、第1の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。 図6は、第2の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。 図7は、第3の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。 図8は、第4の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。
以下に、一つの実施形態による電子機器および温度監視制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は、開示の技術を限定するものではない。
(第1の実施形態)
(温度センサを搭載した携帯端末)
図1は、第1の実施形態に係る携帯端末100のハードウェア構成の概略図である。第1の実施形態では、携帯端末100として、例えば、スマートフォンやフィーチャーフォンなどの携帯電話機、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等を使用してもよい。
図1に示すように、携帯端末100は、ハードウェアの構成要素として、アンテナ1に接続される無線通信部2と、CPU3と、メモリ4と、ディスプレイを点灯させるLED5と、カメラ6と、電池7と、携帯端末100の温度を測定する温度センサ9とを有する。温度センサ9は携帯端末100内部の温度を測定する。例えば、携帯端末100内部のCPU3近傍に設けられ、CPU3近傍の温度を測定する。また、CPU3、無線通信部2、LED5およびカメラ6は、動作すると携帯端末100の温度を上昇させる、熱源となる熱源デバイスである。
また、携帯端末100は、ハードウェアの構成要素として、電池7の残量を測定する電池残量計8と、携帯端末100の姿勢を測定する三次元センサである姿勢センサ10と、携帯端末100周辺の音を測定するマイク11と、マイク11と異なる位置に配置され、携帯端末100周辺の音を測定するマイク12とを有する。
これらのハードウェアモジュール(ハードウェアの構成要素)は、例えば、バスにより相互接続される。なお、第1の実施形態において、携帯端末100は、電池残量計8、姿勢センサ10、マイク11、およびマイク12を備えなくてもよい。
メモリ4は、CPU3により実行される各種プログラムを格納する。メモリ4としては、例えば、RAM(Random Access Memory)などを使用してもよい。各種プログラムとしては、例えば、携帯端末100が実行するアプリケーションプログラムやOS(Operation System)などがある。
CPU3は、メモリ4に格納された各種プログラムを読み出して、各種プログラムを実行することで、後述する温度監視制御を行う制御部14として動作する。
第1の実施形態において、制御部14は、温度センサ9により検出された温度を取得し、取得した温度に基づき、熱源デバイスに対する動作制限に関する温度監視制御を行う。温度監視制御は例えば、安全性を考慮して携帯端末100の温度上昇を抑制するように動作する。これによって、携帯端末100は、携帯端末100の表面に直接接触して使い続けるユーザの、低温やけどを防止するように動作する。
次に、第1の実施形態に係る携帯端末100の機能ブロックについて説明する。図2は、第1の実施形態に係る携帯端末100の機能ブロック図である。
図2に示すように、携帯端末100は、以下の機能ブロックを有する。携帯端末100は、無線通信部2を用いて無線通信を行う無線通信処理部13と、CPU3がメモリ4に格納された各種プログラムを読み出して、各種プログラムを実行することで、後述する温度監視制御を行う制御部14と、メモリ4を用いて各種プログラムを格納する記憶部15を有する。携帯端末100は、ディスプレイを点灯させるLED5を制御する表示制御部16と、カメラ6を用いて撮像処理を行う撮像部17と、電池7を携帯端末100の電源とする電源部18と、温度センサ9を用いて携帯端末100の温度を検出する温度検出部19を有する。
また、携帯端末100は、機能ブロックとして、姿勢センサ10を用いて、携帯端末100の姿勢を検出する姿勢検出部20と、マイク11を用いて携帯端末100周辺の音を検出する音量検出部21と、マイク11と異なる位置に配置されたマイク12を用いて、携帯端末100周辺の音を検出する音量検出部22を有する。
なお、第1の実施形態において、携帯端末100は、姿勢検出部20、音量検出部21、および音量検出部22を備えなくてもよい。
制御部14は、温度検出部19から取得した温度が、熱源デバイスについて後述の熱源デバイス動作制限テーブルで設定された動作制限温度以上である場合、携帯端末100で動作されるアプリケーションの動作状況を取得する。アプリケーションの動作状況としては例えば、動作しているアプリケーションの数、動作しているアプリケーションの種類、動作しているアプリケーションと熱源デバイスとの関連、等が挙げられる。制御部は、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。そして、制御部は、判定結果に基づき、熱源デバイスの動作制限を行う。
ここで、上記制御の対象となる熱源デバイスを第1の熱源デバイスとして説明する。
例えば、制御部は、取得した温度が動作制限温度以上である場合、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数以上動作しているか判定する。制御部14は、第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数以上動作していると判定された場合、第1の熱源デバイスの動作を制限する。
ここで、所定数について説明する。熱源デバイスに関連するアプリケーションにおいて、動作しているアプリケーション数に応じて、熱源デバイスから発生する熱量が、携帯端末100の表面温度の上昇に寄与する程度が変わる。動作しているアプリケーションが多いと、熱源デバイスから発生する熱量が大きくなる。
所定数の決定の方法は、例えば、次の通りである。熱源デバイスに関連するアプリケーションが複数動作している際に、熱源デバイスから発生する単位時間当たりの熱量を測定し、熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量を算出する。さらに、熱源デバイスから発生する単位時間当たりの熱量に対し、許容できる単位時間当たりの最大熱量を設定する。算出した熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量から、最大熱量内で動作可能な熱源デバイスに関連するアプリケーションの個数を算出する。算出された個数をアプリケーションの最大使用可能数とし、最大使用可能数に1加算した数を所定数として用いる。許容できる単位時間当たりの最大熱量は、熱源デバイスの動作可能温度や消費電流から設定される。また、実験によって得られる熱源デバイスから発生する熱量と携帯端末100の表面温度との関係から設定されてもよい。
例えば、熱源デバイスに関連するアプリケーションが3個動作している際に、熱源デバイスから発生する単位時間当たりの熱量が1800カロリー/分とする。この場合、算出される熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量は、600カロリー/分となる。許容できる単位時間当たりの最大熱量を1500カロリー/分と設定した場合、最大熱量内で動作可能な熱源デバイスに関連するアプリケーションの個数は2個となり所定数は3となる。熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数3個以上である場合は、熱源デバイスの動作制限を行うことにより、携帯端末100の表面温度の上昇を抑制する。
これによって、動作しているアプリケーション数に基づいて上記判定を行うことにより、熱源デバイスから発生する熱量を抑制することができるため、携帯端末100の表面温度の上昇が抑制される。
また例えば、制御部14は、取得した温度が動作制限温度以上である場合、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションと、第1の熱源デバイスと異なる第2の熱源デバイスに関連するアプリケーションとが動作しているか判定する。第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションおよび第2の熱源デバイスに関連するアプリケーションのいずれもが動作していると判定された場合、第1の熱源デバイスの動作を制限する。
また、制御部14は、後述のフェールセーフタイマテーブルで設定された、フェールセーフタイマ温度およびフェールセーフタイマ時間を用いたフェールセーフタイマによる制御(フェールセーフタイマ制御)を行う。具体的には、制御部14は、取得した温度がフェールセーフタイマ温度以上である場合、フェールセーフタイマ時間に基づき、熱源デバイスに対する動作制限を行う。動作制限とは、例えば、制御部14が、携帯端末100の電源をOFFにすることである。フェールセーフタイマ制御では例えば、携帯端末100の温度に応じて、安全性を考慮して所定時間内に携帯端末100の電源がOFFされる。具体的には、フェールセーフタイマ制御では、携帯端末100の温度に応じて、当該温度で低温やけどを生じ得る時間より前に携帯端末100の電源がOFFされる。
なお、制御部14は、取得した温度が動作制限温度以上である場合、取得したアプリケーションの動作状況と、フェールセーフタイマ制御とに基づいて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定してもよい。
(温度監視制御用テーブル)
熱源デバイスに対する動作制限に関する温度監視制御に用いる、温度監視制御用テーブルについて図3、図4を用いて説明する。温度監視制御は、携帯端末100内部の温度に基づいて行われる。
図3は、温度監視制御用テーブルの一例として、フェールセーフタイマ制御に関する設定を示すテーブル(フェールセーフタイマテーブル)の一例を示す。
図3に示したフェールセーフタイマテーブルには、フェールセーフタイマ制御のレベルとして、「中温」「高温」「過高温」が規定されている。そして、図3に示したフェールセーフタイマテーブルには、それぞれのレベルに対応し、制御の内容と、フェールセーフタイマを起動する温度(フェールセーフタイマ温度)およびフェールセーフタイマ時間と、フェールセーフタイマを解除する温度(解除温度)と、が規定されている。
フェールセーフタイマ温度は、温度センサ9によって検出される温度と比較されるものである。フェールセーフタイマ時間は、フェールセーフタイマ温度に対応し、熱源デバイスに対する動作制限(携帯端末100の電源OFF)を行うまでの時間を示す。
「電源OFF」では、温度センサ9により検出された温度がフェールセーフタイマ温度に上がると、フェールセーフタイマ温度に対応するフェールセーフタイマ時間に設定されたフェールセーフタイマが起動され、計時が開始される。そして、フェールセーフタイマが満了したときに(フェールセーフタイマ時間が経過したときに)、携帯端末100の電源がOFFされる。
「電源OFF解除」では、フェールセーフタイマが起動されているときに(フェールセーフタイマが満了する前に)、温度センサ9により検出された温度が解除温度に下がると、フェールセーフタイマが解除され、携帯端末100の電源ONが維持される(電源がOFFされない)。このとき、例えば他の制御レベルのフェールセーフタイマが起動されていれば、フェールセーフタイマが解除され、他の制御レベルのフェールセーフタイマに切り替わる。
フェールセーフタイマ温度、フェールセーフタイマ時間、および解除温度は例えば、携帯端末100の表面に直接接触して使い続けるユーザの、低温やけどを防止するように設定される。フェールセーフタイマ温度、フェールセーフタイマ時間、および解除温度は例えば、温度センサ9によって検出される温度(温度センサ9の出力値)と、携帯端末100の表面温度と、低温やけどとの関係、に基づいて設定される。
温度センサ9によって検出される温度と、携帯端末100の表面温度との関係は例えば、携帯端末の機種ごとに予め実験を行って、携帯端末に搭載された温度センサによって検出される温度と、携帯端末の表面温度とを計測し、計測結果に基づいて推定される。例えば、温度センサ9によって検出される温度が53℃の場合、携帯端末100の表面温度は43℃と推定される。
携帯端末100の表面温度と低温やけどとの関係は例えば、熱源の表面温度と、熱源の表面に直接接触して低温やけどが生じ得る時間との一般的な関係に基づいて取得される。低温やけどは、比較的低温な熱源の表面に、比較的長時間、直接接触することにより生じ得るものである。例えば、低温やけどは、熱源の表面温度が人間の体温より高い所定の温度範囲となる場合に、熱源の表面に所定時間、直接接触することにより生じ得る。
例えば、熱源の表面温度が43℃の場合、熱源の表面に約120分、直接接触すると低温やけどを生じる可能性がある。また例えば、低温やけどが生じ得る温度範囲において、熱源の表面温度が高くなるにつれて、低温やけどを生じ得るまでの時間が短くなる傾向がある。よって、熱源デバイスの動作制限を行う温度監視制御により携帯端末100の温度上昇を抑制することで、携帯端末100の表面温度が低温やけどを生じ得る温度範囲まで上がらないようにしたり、低温やけどを生じ得るまでの時間を長くしたりすることができる。
フェールセーフタイマ時間は例えば、温度センサ9によって検出される温度がフェールセーフタイマ温度となる場合に、携帯端末100の表面に直接接触して低温やけどを生じ得る時間に基づいて設定される。フェールセーフタイマ時間は例えば、ユーザの低温やけどを防止するように、低温やけどを生じ得る時間より短い時間に設定される。例えば、フェールセーフタイマ温度が53℃の場合、温度センサ9によって検出される温度が53℃となると、携帯端末100の表面に約120分直接接触すると低温やけどを生じる可能性がある。よって、例えば120分より短い117分が、フェールセーフタイマ時間に設定される。
例えば、「中温」(53℃)のときは、フェールセーフタイマ時間が117分に設定される。温度センサ9により検出された温度が53℃に上がると、117分に設定されたフェールセーフタイマが起動されて計時が開始され、117分が経過したときに携帯端末100の電源がOFFされる。117分に設定されたフェールセーフタイマが起動されているときに、温度が51℃に下がるとフェールセーフタイマが解除され、携帯端末100の電源ONが維持される。
例えば、「高温」(59℃)のときは、フェールセーフタイマ時間が7分に設定される。温度が59℃に上がると、7分に設定されたフェールセーフタイマが起動されて計時が開始され、7分が経過したときに携帯端末100の電源がOFFされる。7分に設定されたフェールセーフタイマが起動しているときに、温度が57℃に下がると7分に設定されたフェールセーフタイマが解除され、117分のフェールセーフタイマに切り替わる。
例えば、「過高温」(63℃)のときは、フェールセーフタイマ時間が1分に設定される。温度が63℃に上がると、1分に設定されたフェールセーフタイマが起動されて計時が開始され、1分が経過したときに携帯端末100の電源がOFFされる。1分に設定されたフェールセーフタイマが起動しているときに、温度が61℃に下がると1分に設定されたフェールセーフタイマが解除され、「高温」で7分に設定されたフェールセーフタイマに切り替わる。
図4は、温度監視制御用テーブルの一例として、熱源デバイスに対する動作制限に関する設定を示したテーブル(熱源デバイス動作制限テーブル)の一例を示す。
図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルには、熱源デバイスの例として、カメラ6、LED5、無線通信部2が挙げられている。そして、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルには、それぞれの熱源デバイスに対応し、動作制限の内容および動作制限を行う温度(動作制限温度)と、動作制限の内容(制限解除)および動作制限を解除する温度(解除温度)が規定されている。動作制限温度および解除温度は、温度センサ9によって検出される温度と比較される対象となる温度である。
制御部14は、温度センサ9により検出された温度が54℃に上がると、撮像部17の動作制限を行う。カメラ6に対する動作制限とは、カメラ機能の停止を行うことである。動作制限が行われているカメラ6では、温度が52℃に下がれば動作制限が解除される。
表示制御部16は、温度センサ9により検出された温度が53℃に上がると、LED5に対し動作制限を行わせる。LED5に対する動作制限とは、LED5の輝度を所定レベル(例えば最小レベル)まで下げることである。動作制限が行われているLED5では、温度が51℃に下がれば動作制限が解除される。
制御部14は、検出された温度が54℃に達すると、無線通信処理部13に無線通信部2に対する動作制限を行わせる。無線通信部2に対する動作制限とは、無線通信の停止を行うことである。動作制限が行われている無線通信部2では、温度が52℃に下がれば動作制限が解除される。
動作制限温度および解除温度は例えば、携帯端末100の表面に直接接触して使い続けるユーザの、低温やけどを防止するように設定される。動作制限温度および解除温度は例えば、温度センサ9によって検出される温度(温度センサ9の出力値)と、携帯端末100の表面温度と、低温やけどとの関係、に基づいて設定される。動作制限温度は例えば、ユーザが携帯端末100の表面に所定時間、直接接触して使い続けた場合に低温やけどを生じ得る、携帯端末100の表面温度に対応して設定される。図4に示した例では、動作制限温度は、ユーザが携帯端末100の表面に約120分、直接接触して使い続けた場合に低温やけどを生じ得る、携帯端末100の表面温度43℃に基づいて設定される。
なお、図3に示したフェールセーフタイマテーブルを用いた動作制限(携帯端末100の電源OFF、すなわちCPU3の動作制限を含む)では、複数のレベルを設定し、レベル毎にフェールセーフタイマ温度を設定するとともに、レベル毎に動作制限を行うまでのフェールセーフタイマ時間を設定し、動作制限を段階的に行っている。これに対して、カメラ6、LED5、および無線通信部2は、CPU3に比べて、動作させる優先度が低い。このため、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルを用いた、カメラ6、LED5、および無線通信部2の動作制限では、1つの動作制限温度を設定し、温度が動作制限温度に上がったタイミングで、即時に動作制限を行うものとしている。このようなタイミングで、優先度の低い熱源デバイスの動作制限を行うことにより、携帯端末100の温度上昇を抑制している。
このとき、携帯端末100では、熱源デバイスであるCPU3、カメラ6、LED5、および無線通信部2に関するアプリケーションが複合的に動作しており、多様な動作状況が想定される。このような多様な動作状況のそれぞれについて、各熱源デバイスをどのタイミングで動作制限すればよいかを予測し、各熱源デバイスの動作を制限する動作制限温度を予め適切に設定することは困難である。このため、動作制限温度は例えば、安全性を考慮すると、温度上昇の度合がより高い動作状況を想定し、より早いタイミングで各熱源デバイスの動作を制限するように設定される。したがって、動作制限温度を用いた温度監視制御では、動作状況によっては、必要以上に早いタイミングで各熱源デバイスの動作を制限することとなる。そこで、第1の実施形態では、携帯端末100は、以下のように温度監視制御を行う。
(温度監視制御方法の説明)
温度監視制御方法について、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。図5を用いて、アプリケーションの動作状況を用いた温度監視制御について説明する。
携帯端末100の電源がONにされた状態において(S001)、CPU3は、温度検出部19から、携帯端末100の温度を検出する温度センサ9によって検出される温度を取得し(S002)、CPU3は、熱源デバイス(第1の熱源デバイス)に関連するアプリケーションの動作状況を取得する(S003)。
次に、CPU3は、熱源デバイスに関連するアプリケーションにおいて、動作している熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数以上か否か判定する(S004)。所定数は例えば、アプリケーションの動作による温度上昇の度合に基づいて設定される。CPU3は、動作している熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数以上あると判定された場合、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限温度を用いて熱源デバイスの動作制限を行う(S005)。その後、CPU3は、ステップS002の温度取得処理を行う。
また、CPU3は、動作している熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数より少ないと判定された場合、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限温度を用いた熱源デバイスの動作制限を行わず、ステップS002の温度取得処理を行う。
動作している熱源デバイスに関連するアプリケーションが所定数よりも少ない場合は、熱源デバイスの動作制限を行わなくとも、携帯端末100内部の温度上昇が急激ではないため、CPU3は、熱源デバイスの動作制限を行わない。熱源デバイスの動作制限が行われないことにより、熱源となるデバイスを必要以上に早く制限せずに使用することができる。
例えば、熱源デバイスの一つであるカメラ6の動作制限を対象とした場合について述べる。ステップS002において検出された温度が54℃であり、ステップS004において、CPU3が、カメラ6に関連するアプリケーションと、他の熱源デバイス(LED5、無線通信部2)に関連するアプリケーションで、動作しているアプリケーション数が複数あるか否か判定される。動作しているアプリケーション数が複数であると判定された場合、ステップS005において、CPU3は、検出された温度は54℃であるので、カメラ停止と規定されている通り、カメラ6の動作制限を行う。
また、カメラ6に関連するアプリケーションが単独で動作している場合、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限温度を用いず、CPU3は、該当の動作制限を行わない。熱源デバイスとしてLED5、無線通信部2の動作制限を対象とする場合も同様の処理を行う。
第1の実施形態のステップS004において、CPU3は、熱源デバイスに関連するアプリケーションと、他の熱源デバイスに関連するアプリケーションの動作状況を取得し、動作しているそれぞれのアプリケーションの総数が所定数以上か否かを判定してもよい。熱源デバイスに関連するアプリケーションと他の熱源デバイスに関連するアプリケーションが複合的に動作している場合、携帯端末100の温度が上昇しやすい。このため、CPU3が、熱源デバイスの動作制限温度を用いた熱源デバイスの動作制限を行うことにより、携帯端末100の温度上昇を抑制する。
以上により、第1の実施形態によれば、携帯端末100の温度監視制御において、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る携帯端末100のハードウェア構成は、図1に示すハードウェア構成と同様である。なお、第2の実施形態において、携帯端末100は、姿勢センサ10、マイク11、およびマイク12を備えなくてもよい。
第2の実施形態において、携帯端末100は、電池7の残量を用いた温度監視制御を行う。電池残量計8は、電池7の残量を測定する。制御部14は、温度センサ9により検出された温度と、電池残量計8によって測定された電池7の残量とを取得する。制御部14は、取得した温度と、電池7の残量とに基づいて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
制御部14は、取得した温度が、熱源となる第1の熱源デバイスについて設定された動作制限温度以上である場合、携帯端末100で動作されるアプリケーションの動作状況を取得する。そして、制御部14は、取得したアプリケーションの動作状況と、電池7の残量とに基づき、第1の熱源デバイスの動作可能時間を算出する。そして、制御部14は、算出された動作可能時間に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限する。
例えば、制御部14は、取得したアプリケーションの動作状況から、動作中のアプリケーションを判定する。そして、制御部14は、動作中のアプリケーションの消費電力と、電池7の残量とから、動作可能時間を算出する。アプリケーションの消費電力は例えば、定格消費電力として予め設定される。
また、例えば、制御部14は、算出された動作可能時間と、取得した温度に対応するフェールセーフタイマ時間との比較結果に応じて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。具体的には、制御部14は、動作可能時間が、フェールセーフタイマ時間以上の場合、第1の熱源デバイスの動作を制限すると判定する。また、制御部14は、動作可能時間が、フェールセーフタイマ時間よりも小さい場合、第1の熱源デバイスの動作を制限しないと判定する。
図6は、第2の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。図6を用いて、熱源デバイスの動作可能時間を用いた温度監視制御について説明する。
携帯端末100の電源がONにされた状態において(S101)、CPU3は、CPU3近傍に設けられた温度センサ9によって検出される温度を取得し(S102)、CPU3は、電池残量計8によって算出される電池残量を取得する(S103)。次に、CPU3は、熱源デバイス(第1の熱源デバイス)に関連するアプリケーションの動作状況と電池残量に基づいて決定された熱源デバイスの動作可能時間に基づき、取得した電池残量に応じた熱源デバイスの動作可能時間(a)を算出する(S104)。
CPU3は、ステップS102で取得した温度に対応するフェールセーフタイマ時間(b)を、図3に示したフェールセーフタイマテーブルから取得する(S105)。ステップS104において算出された動作可能時間(a)が、ステップS105において取得されたフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さいかどうかを判定する(S106)。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さい場合、ステップS102において取得された温度が、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合でも、CPU3は、動作制限を行わない(S107)。ステップS102の温度取得の処理を行う。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)より小さい場合、熱源デバイスを使用し続けた場合でも、熱源デバイスがフェールセーフタイマ時間を超えて使用され続けた場合に比べ、当該熱源デバイスから発生する熱量の総量は小さくなるため、熱源デバイスの動作制限を行わない。これにより、熱源となるデバイスを必要以上に早く制限せずに使用することができる。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)以上である場合、ステップS102において取得された温度が、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合は、CPU3は、該当の動作制限を行い(S108)、ステップS102の温度取得の処理を行う。
例えば、熱源デバイスの一つであるカメラ6を対象とした場合、CPU3がステップS102において検出した温度が54℃であり、ステップS104において算出したカメラ6の動作可能時間(a)が60分である場合、ステップS105においてフェールセーフタイマ時間(b)は117分と取得される。
次に、ステップS106において、CPU3は、動作可能時間(a)60分がフェールセーフタイマ時間(b)117分よりも小さいと判定される。この場合、検出された温度は54℃であるので、カメラ6の動作制限は、カメラ停止と規定されているが、動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)より小さいため、CPU3は、該当の動作制限を行わない。熱源デバイスが、LED5、無線通信部2の場合も同様の処理を行う。
以上により、第2の実施形態によれば、携帯端末100の温度監視制御において、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る携帯端末100のハードウェア構成は、図1に示すハードウェア構成と同様である。なお、第3の実施形態において、携帯端末100は、姿勢センサ10を備えなくてもよい。
第3の実施形態において、携帯端末100は、マイク11を用いる音量検出部21と、マイク12を用いる音量検出部22によって検出された携帯端末100の周辺の音量を用いた温度監視制御を行う。音量検出部21は、マイク11を用いて携帯端末100周辺の音量を検出する。音量検出部22は、マイク11と異なる位置に配置されたマイク12を用いて携帯端末100周辺の音量を検出する。制御部14は、温度センサ9により検出された温度と、マイク11によって検出された第1の音量と、マイク12によって検出された第2の音量とを取得する。制御部14は、取得した温度と、第1の音量と、第2の音量とに基づいて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
例えば、制御部14は、第1の音量と第2の音量との差分が閾値以上であり、取得した温度が、第1の熱源デバイスについて設定される動作制限温度以上である場合、携帯端末100で動作されるアプリケーションの動作状況を取得する。制御部14は、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
例えば、制御部14は、マイク11,12によって検出された、携帯端末100の周辺の音量に基づき、熱源デバイス動作制限テーブルに規定された動作制限温度を補正する。温度が補正された動作制限温度以上である場合に、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。または、制御部14は、マイク11,12によって検出された、携帯端末100の周辺の音量に基づき、取得した温度を補正する。補正した温度が動作制限温度以上である場合に、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定してもよい。
具体的には、制御部14は、取得した温度が、第1の熱源デバイスについて、補正された動作制限温度以上である場合に、取得したアプリケーションの動作状況と、電池7の残量とに基づき、第1の熱源デバイスの動作可能時間を算出する。そして、制御部14は、算出された動作可能時間に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
このとき、第3の実施形態では、例えば、制御部14は、マイク11,12によって検出された、携帯端末100の周辺の音量に基づき、フェールセーフタイマテーブルに規定されたフェールセーフタイマ温度を補正する。算出された動作可能時間と、補正したフェールセーフタイマ温度に基づいたフェールセーフタイマ時間との比較結果に応じて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。なお、制御部14は、マイク11,12によって検出された、携帯端末100の周辺の音量に基づき、取得した温度を補正し、算出された動作可能時間と、補正した温度に基づくフェールセーフタイマ時間との比較結果に応じて、第1の熱源デバイスの動作を制限してもよい。
図7は、第3の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。図7を用いて、携帯端末100周辺の音量に基づき、動作制限温度を補正する温度監視制御について説明する。
携帯端末100の電源がONにされた状態において(S201)、CPU3は、CPU3近傍に設けられた温度センサ9によって検出される温度を取得し(S202)、CPU3は、電池残量計8によって算出される電池残量を取得する(S203)。次に、CPU3は、予め規定してある電池残量と熱源デバイス(第1の熱源デバイス)の動作可能時間との関係を基に、取得した電池残量に応じた熱源デバイスの動作可能時間(a)を算出する(S204)。
次に、CPU3は、携帯端末100のそれぞれ異なる位置に設けられたマイク11およびマイク12の出力値を取得する(S205)。ここで、マイク11はフロントマイクであり、マイク12はマイク11とは反対側の面に設けられたリアマイクとする。CPU3は、マイク11の出力値とマイク12の出力値の差分(c)を算出する(S206)。
ここで、CPU3は、差分(c)が、閾値、例えば4dBより大きいか否かを判定する(S207)。差分(c)が閾値より大きい場合、図3に示したフェールセーフタイマテーブルに規定されたフェールセーフタイマ温度と、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された動作制限温度とを、それぞれを小さくする補正を行う(S208)。例えば、それぞれの温度を5℃減少させるとする。
差分(c)に対する閾値は、例えば、携帯端末100が机などに表面が接触する形で置かれている状態で、マイク11の出力値とマイク12の出力値との差分(c)がどの程度の値になるかを実験し、実験結果をもとに規定されるものである。
差分(c)が閾値以上である場合、携帯端末100が机などに表面が接触する形で置かれている状態であるため、携帯端末100の単位時間当たりの温度上昇が大きくなる。このため、熱源デバイス動作制限テーブルに規定された動作制限温度を低く補正することにより、急激な温度上昇に対応して熱源デバイスの動作制限を行うことができる。
また、補正値は、例えば、携帯端末100が机などに表面が接触する形で置かれている状態、つまり端末表面温度が上がりやすい状態で、携帯端末100の表面温度が、携帯端末100が机などに表面が接触する形で置かれていない状態に比べどれくらい高い温度になるかの実験を行い、実験結果をもとに規定されるものである。
次に、CPU3は、ステップS202で取得した温度に対応するフェールセーフタイマ時間(b)を、ステップS208で補正されたテーブルから取得する(S209)。ステップS204において算出された動作可能時間(a)が、ステップS209において取得されたフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さいかどうかを判定する(S210)。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さい場合、ステップS202において取得された温度が、ステップS208で補正された熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合でも、CPU3は、動作制限を行わず(S211)、ステップS202の温度取得の処理を行う。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)以上である場合、ステップS202において取得された温度が、補正された熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合は、CPU3は、該当の動作制限を行い(S212)、ステップS202の温度取得の処理へ戻る。
以上により、第3の実施形態によれば、携帯端末100の温度監視制御において、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る携帯端末100のハードウェア構成は、図1に示すハードウェア構成と同様である。なお、第4の実施形態において、携帯端末100は姿勢センサ10を備えなくてもよい。
第4の実施形態において、携帯端末100は、姿勢センサ10を用いた温度監視制御を行う。第4の実施形態において、姿勢センサ10を用いて姿勢検出部20は、携帯端末100の姿勢を検出する。制御部14は、温度検出部19から温度センサ9により検出された温度と、姿勢検出部20から姿勢センサ10によって検出された携帯端末100の姿勢とを取得する。制御部14は、取得した温度と、携帯端末100の姿勢とに基づいて、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
例えば、制御部14は、取得した温度が、第1の熱源デバイスについて動作制限温度以上である場合、携帯端末100で動作されるアプリケーションの動作状況を取得する。そして、制御部14は、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが動作していると判定された場合、携帯端末100の姿勢に基づき、動作していると判定されたアプリケーションに関連する第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
具体的には、制御部14は、取得したアプリケーションの動作状況に基づき、第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが動作していると判定された場合、携帯端末100の姿勢が、第1の熱源デバイスの機能を無効とする姿勢であるか判定する。そして、制御部14は、無効とする姿勢であると判定された場合、第1の熱源デバイスの動作制限を行わないと判定する。また、制御部14は、無効とする姿勢でないと判定された場合、取得したアプリケーションの動作状況と、電池7の残量とに基づき、第1の熱源デバイスの動作可能時間を算出する。そして、制御部14は、算出された動作可能時間に基づき、第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する。
図8は、第4の実施形態に係る携帯端末100の温度監視制御のフローチャートの一例である。
図8を用いて、携帯端末100の姿勢と使用機能による動作制限温度を補正する処理について説明する。
携帯端末100の電源がONにされた状態において(S301)、CPU3は、CPU3近傍に設けられた温度センサ9によって検出される温度を取得し(S302)、CPU3は、電池残量計8によって算出される電池残量を取得する(S303)。次に、CPU3は、予め規定してある電池残量と熱源デバイスの動作可能時間との関係を基に、取得した電池残量に応じた熱源デバイスの動作可能時間(a)を算出する(S304)。
CPU3は、ステップS302で取得した温度に対応するフェールセーフタイマ時間(b)を、図3に示したフェールセーフタイマテーブルから取得し(S305)、CPU3は、ステップS304において算出された動作可能時間(a)が、ステップS305において取得されたフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さいかどうかを判定する(S306)。
動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)よりも小さい場合、ステップS302において取得された温度が、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合でも、CPU3は、動作制限を行わない(S307)。
次に、CPU3は、三次元センサなど携帯端末100の姿勢を検出する姿勢センサ10の出力値を取得し(S308)、CPU3は、予め対応付けられた携帯端末100の姿勢と姿勢センサ10の出力値に基づいて、携帯端末100の姿勢を決定する(S309)。
ここで、使用している機能が熱源デバイスに関連するものであれば、CPU3は、ステップS309で決定した姿勢が、使用している機能を無効とする姿勢であるか判定する(S310)。ステップS310において、ステップS309で決定された姿勢が、使用している機能を無効とする姿勢であると判定された場合、CPU3は、熱源デバイスの動作制限を有効とする。ステップS302において取得された温度が、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合は、CPU3は、該当の動作制限を行い(S311)、ステップS302の温度取得の処理を行う。
ステップS310において、判定された姿勢が、使用している機能を無効とする姿勢でないと判定された場合、CPU3は動作制限行わない。ステップS302において取得された温度が、図4に示した熱源デバイス動作制限テーブルに規定された、熱源デバイスの動作制限の対象となる場合でも、CPU3は、動作制限を行なわず(S312)、ステップS302の温度取得の処理を行う。
例えば、熱源デバイスの一つであるカメラ6を対象とした場合、ステップS302において検出された温度が54℃であり、ステップS304において算出されたカメラ6の動作可能時間(a)が60分である場合、ステップS305においてフェールセーフタイマ時間(b)は117分と取得される。次に、ステップS306において、CPU3は、動作可能時間(a)60分がフェールセーフタイマ時間(b)117分よりも小さいと判定する。
この場合、検出された温度は54℃であるので、カメラ6の動作制限は、カメラ停止と規定されているが、動作可能時間(a)がフェールセーフタイマ時間(b)より小さいため、CPU3は、該当の動作制限を行わない。
ステップS308〜ステップS310において、使用している機能がカメラ機能であり、判定された姿勢が、使用している機能を無効とする姿勢、ここでは、端末が重力方向に対し下向きであれば、カメラ6は未使用中の誤動作で作動していると考えられ、CPU3は、カメラ6の動作制限を有効にする。例えば、ステップS302において取得された温度が54℃であった場合、CPU3は、カメラ6を停止する制御を行う。ステップS311において、CPU3は、カメラ6を停止させてもよい。
以上により、第4の実施形態によれば、携帯端末100の温度監視制御において、熱源となるデバイスの動作を適切に制限できる。
第1〜第4の実施形態では、CPU3近傍の温度を測定する温度センサ9を用いて温度監視を行う携帯端末を示した。しかし、無線通信部2の近傍の温度を測定する温度センサや、メモリ4近傍の温度を測定する温度センサ、LED5近傍の温度を測定する温度センサ、カメラ6近傍の温度を測定する温度センサなどを用いて、図3、および図4に示した温度監視制御用テーブルに、複合的な条件を規定し、各デバイスの動作制限、または動作制限の解除を行うことも考えられる。
また、第1〜第4の実施形態では、電子機器として例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯端末100に適用するとしているが、例えばこれに限定されるものではなく、電子機器として例えばデスクトップコンピュータ等にも適用することができる。
1: アンテナ
2:無線通信部
3:CPU
4:メモリ
5:LED
6:カメラ
7:電池
8:電池残量計
9:温度センサ
10:姿勢センサ
11:マイク
12:マイク
13:無線通信処理部
14:制御部
15:記憶部
16:表示制御部
17:撮像部
18:電源部
19:温度検出部
20:姿勢検出部
21:音量検出部
22:音量検出部

Claims (8)

  1. 熱源となる第1の熱源デバイスと、
    電子機器の温度を検出する温度センサと、
    前記検出された温度を取得し、前記取得した温度が予め設定された動作制限温度以上である場合、前記電子機器で動作されるアプリケーションの動作状況を取得し、前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する制御部と
    を備え
    前記制御部は、
    前記取得した温度が前記動作制限温度以上である場合、前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが、前記第1の熱源デバイスに許容できる単位時間当たりの最大熱量と前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量とに基づいて算出された所定数以上動作しているか判定し、
    前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが前記所定数以上動作していると判定された場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限す
    ことを特徴とする電子機器。
  2. タイマによって前記電子機器を停止するまでの時間である停止時間と、前記取得した温度と比較され、前記取得した温度より低い場合、前記停止時間で前記電子機器を停止する前記タイマを有効にする温度であるタイマ温度とを格納したテーブルを有する記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記取得した温度が、前記タイマ温度以上である場合、前記停止時間に基づき、前記電子機器を停止するタイマ制御を行い、
    前記取得したアプリケーションの動作状況と、前記タイマ制御とに基づいて、前記第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 熱源となる第2の熱源デバイスをさらに備え、
    前記制御部は、前記取得した温度が前記動作制限温度以上である場合、前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションおよび前記第2の熱源デバイスに関連するアプリケーションが動作しているか判定し、
    前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションおよび前記第2の熱源デバイスに関連するアプリケーションが動作していると判定された場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 電池残量を検出する電池残量計をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記取得した温度が前記動作制限温度以上である場合、前記アプリケーションの動作状況と前記検出された電池残量とに基づき、前記第1の熱源デバイスの動作可能時間を算出し、
    前記算出された動作可能時間が前記停止時間以上である場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  5. 前記電子機器周辺の音量を検出する第1のマイクと、
    前記第1のマイクと異なる位置に設けられ、前記電子機器周辺の音量を検出する第2のマイクとをさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第1のマイクによって検出された音量と、前記第2のマイクによって検出された音量とを取得し、
    前記第1のマイクによって検出された音量と、前記第2のマイクによって検出された音量の差分が閾値以上であり、前記取得した温度が前記動作制限温度以上である場合、前記電子機器で動作されるアプリケーションの動作状況を取得し、
    前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスの動作を制限するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 前記電子機器の姿勢を検出する姿勢センサをさらに備え、
    前記制御部は、
    前記取得したアプリケーションの動作状況に基づき、前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが動作していると判定された場合、
    前記姿勢センサによって検出された姿勢が前記第1の熱源デバイスの機能を無効とする姿勢であるか判定し、無効とする姿勢であると判定された場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限しないと判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器。
  7. 電子機器の温度を検出する温度センサにより検出された温度を取得し、
    前記取得した温度が予め設定された動作制限温度以上である場合、前記電子機器で動作されるアプリケーションの動作状況を取得し、
    第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが、前記第1の熱源デバイスに許容できる単位時間当たりの最大熱量と前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量とに基づいて算出された所定数以上動作しているか判定し、
    前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが前記所定数以上動作していると判定された場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限する
    ことを特徴とする温度監視制御方法。
  8. 電子機器の温度を検出する温度センサにより検出された温度を取得し、
    前記取得した温度が予め設定された動作制限温度以上である場合、前記電子機器で動作されるアプリケーションの動作状況を取得し、
    第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが、前記第1の熱源デバイスに許容できる単位時間当たりの最大熱量と前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーション1個当たりの単位時間当たりの熱量とに基づいて算出された所定数以上動作しているか判定し、
    前記第1の熱源デバイスに関連するアプリケーションが前記所定数以上動作していると判定された場合、前記第1の熱源デバイスの動作を制限する
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする温度監視制御プログラム。
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