本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明および関連する図面で、本発明の態様が開示される。「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が、論じる特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするとは限らず、代替実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく考案され得る。加えて、本発明のさらに関連性のある詳細を不明瞭にしないように、本発明のよく知られている態様は詳細に説明されない場合があるか、または省略される場合がある。
一般に、本明細書で開示するシステムおよび方法は、フェムトノード展開においてカバレージ、干渉、およびモビリティ管理の基準を満たすように、フェムトノードの無線周波数(RF)チャネルおよび/または帯域をインテリジェントに選択するための機構を提供する。たとえば、様々な実施形態によれば、フェムトノードは、住宅またはオフィスビル内のフェムトノードのロケーション、キャパシティおよびカバレージの要件、アクセスポリシー、エンドユーザアプリケーション、モバイルデバイスに対する伝搬条件、フェムトノード密度、および他の基準などの要因に基づいて動作RFチャネル/帯域を選択することができる。
さらに、異なるチャネルおよび帯域で動作する複数のフェムトノードのグループは、ネットワークパフォーマンス、ロバスト性、および適合性、ならびにモバイルデバイスのモビリティおよびバッテリー寿命を高めるために、(たとえば、バックホールシグナリングを介して)互いに通信して、フェムトノードネットワークを形成することができる。これらの改善は、ネットワーク全体の告知チャネル、一元的なダウンリンクおよびアップリンク通信、フェムトノードのサブセットを介した統計情報の収集および通信、ダウンリンクサービングセルおよびアップリンクサービングセルを分離して使用することなどの、本明細書で説明する新しい機構によって達成される。
本明細書で使用される場合、「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなど、コンピュータ関連のエンティティを含むものとする。たとえば、構成要素は、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションと、そのコンピューティングデバイスの両方が、構成要素であり得る。1つまたは複数の構成要素が、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在することができ、1つの構成要素が、1つのコンピュータ上に局在化されてよく、かつ/または2つ以上のコンピュータ間に分散されてよい。加えて、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。これらの構成要素は、信号によって、ローカルシステム、分散システム内の別の構成要素と対話し、かつ/またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと対話する1つの構成要素からのデータなどの、1つまたは複数のデータパケットを有する信号に従うことなどによって、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスによって通信し得る。
さらに、ワイヤード端末またはワイヤレス端末であり得る端末に関して、様々な態様について本明細書で説明する。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ばれることもある。ワイヤレス端末またはデバイスは、セルラー電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、タブレット、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスであり得る。また、基地局に関して、様々な態様について本明細書で説明する。基地局は、ワイヤレス端末と通信するために利用することができ、アクセスポイント、ノードB、発展型ノードB(eNB)、H(e)NBと総称されるホームノードB(HNB)もしくはホーム発展型ノードB(HeNB)、または何らかの他の用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で参照される低電力基地局は、フェムトノード、ピコノード、マイクロノード、ホームノードBもしくはホーム発展型ノードB(H(e)NB)、リレー、および/または他の低電力基地局を含むことができ、これらの用語の1つを使用して本明細書では呼ぶことができるが、これらの用語の使用は概して低電力基地局を包含するものとする。一般に、低電力基地局は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)に関連するマクロ基地局と比較して、比較的低い電力で送信する。したがって、低電力基地局のカバレージエリアは、マクロ基地局のカバレージエリアよりも実質的に小さい可能性がある。
本明細書で使用する「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するものとする。別段の規定がない限り、または文脈から明白でない限り、「XはAまたはBを使用する」という語句は、自然な包括的置換のいずれかを意味するものとする。すなわち、「XはAまたはBを使用する」という語句は、以下の例のいずれかによって満足される。XはAを使用する。XはBを使用する。XはAとBの両方を使用する。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲で使用する冠詞「a」および「an」は、別段の規定がない限り、または単数形を示すことが文脈から明白でない限り、概して「1つまたは複数」を意味するものと解釈すべきである。
本明細書で説明する技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、WiFiキャリア検知多重アクセス(CSMA)、および他のシステムなど、様々なワイヤレス通信システムとともに使用され得る。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、Wideband-CDMA(W-CDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形形態を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格およびIS-856規格をカバーする。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDM(登録商標)などの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、ダウンリンク上ではOFDMAを利用し、アップリンク上ではSC-FDMAを利用する、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTEおよびGSM(登録商標)は、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)と称する組織からの文書に記載されている。加えて、cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)と称する組織からの文書に記載されている。さらに、そのようなワイヤレス通信システムは、不対無認可スペクトル、802.xxワイヤレスLAN、BLUETOOTH(登録商標)および任意の他の短距離または長距離ワイヤレス通信技法をしばしば使用するピアツーピア(たとえば、モバイルツーモバイル)アドホックネットワークシステムをさらに含み得る。
いくつかのデバイス、構成要素、モジュールなどを含み得るシステムに関して、様々な態様または特徴が提示される。様々なシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュールなどを含む場合があり、かつ/または図に関して論じるデバイス、構成要素、モジュールなどのすべてを含むとは限らないことを、理解および諒解されたい。これらの手法の組合せも使用され得る。
図1は、高層/マルチユニットアパートまたはオフィスビル101に展開される例示的なワイヤレス通信システム100を示す。システム100は、1つまたは複数のモバイルデバイス114にワイヤレスネットワークへのアクセスを与えることができる外部のマクロ基地局102を含む。システム100は、ビル101内部の様々なポイントに位置する複数のフェムトノード104、106、108、110、および112も含む。フェムトノード104、106、108、110、および/または112は、(たとえば、バックホール接続を介してまたはオーバージエアで他のデバイスとピアツーピアモードまたはアドホックモードで通信する)他のタイプの低電力基地局、中継ノード、デバイスなどであり得ることが諒解されよう。各フェムトノードは(以下でより詳細に説明する)フェムトセルを形成する。システム100は、モバイルネットワークへのワイヤレスアクセスを受けるためにフェムトノード104、106および/または108のうちの1つまたは複数ならびにマクロ基地局102と通信する、ビルユニットのうちの1つの内部に位置するモバイルデバイス114をさらに含む。
図1の各フェムトノードは、1つまたは複数のRFチャネルで動作する(すなわち、そのチャネル上で信号を送信または受信する)。上記の背景技術で論じたように、複数のRFチャネルおよび/または帯域が利用可能であるとき、従来の方法で構成されたフェムトノードは、これらのチャネル/帯域のうちの1つまたは複数における周囲のフェムトノードおよびマクロノードの信号強度を測定することによって、動作チャネル/帯域を選択するようにプログラムされることが多い。たとえば、クローズドアクセス展開では、フェムトセル106は、干渉を回避するために、フェムトセル106が他のマクロノード(たとえば、マクロ基地局102)および他のフェムトノード(たとえば、フェムトノード104および108)からの最も小さい信号強度を測定するチャネル/帯域を選択することができる。オープンアクセス展開では、フェムトノード106は、これらの他のマクロノードおよびフェムトノードと同じチャネルを選択して、より良い周波数再利用を実現することができるが、このことは、高密度フェムトノード展開における干渉問題をもたらす可能性がある。
代わりに、本明細書の様々な実施形態によれば、フェムトノード106(または図1に示すその他のフェムトノードのいずれか)は有利には、より高度なおよび/または協調された基準に基づいて動作チャネル/帯域を選択するように構成され得る。たとえば、干渉を最小限に抑え、屋内ならびに屋外のカバレージを協調させるために、いくつかのフェムトノード(たとえば、ビル101の境界に近いフェムトノード)は、あるチャネル/帯域(たとえば、より低い帯域)を選ぶことができ、他のフェムトノード(たとえば、ビル101の奥深くにあるフェムトノード)は、別のチャネル/帯域(たとえば、より高い帯域)を選ぶことができる。
周波数アジャイル式フェムトノード展開のための様々な技法および選択方式について、以下で詳細に説明する。説明を簡単にするために、以下の方法は一連の動作として示され、説明され得るが、いくつかの動作は、1つまたは複数の実施形態に従って、本明細書で示され、説明される順序とは異なる順序でおよび/または他の動作と同時に行われ得るので、これらの方法は動作の順序に限定されないことを理解し、諒解されたい。たとえば、方法は代替的に、状態図におけるものなどの、一連の相互に関係する状態またはイベントとして表され得ることを諒解されたい。さらに、1つまたは複数の実施形態に従って所与の方法を実施するために、すべての説明した動作が必要とされるとは限らない。
図2は、フェムトノードロケーションに基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法200は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、ビル内のそのロケーション(たとえば、窓の近くまたはビルの奥)を判断することができる(ブロック202)。判断したロケーションに基づいて、フェムトノードは1つまたは複数のモバイルデバイスと通信するためのRFチャネルを選択することができる(ブロック204)。たとえば、フェムトノードは、ビル内部の奥で動作している場合はより高い帯域を選択するか、または、窓の近くで動作している場合はより低い帯域を選択することができる。
ロケーションベースのチャネル選択により、フェムトノードは、家屋、アパートビル、オフィスビルなどの中のそのロケーション(たとえば、窓の近くまたは外壁/フロア)に基づいて動作RFチャネル/帯域をより適切に選択して、良好なカバレージを実現するとともに、妥当な干渉トレードオフを維持することができる。たとえば、フェムトノードは、2GHz帯域および60GHz帯域などの、利用可能である2つの帯域で動作することができる。60GHz帯域が2GHz帯域と比較して著しく高い経路損失を有すると仮定すると、ビルの境界にあるフェムトノードは、より低い帯域上で動作して、そのカバレージを屋外に(ならびに屋内に)拡張することを選択できる一方、ビルの奥のほうにあるフェムトノードは、より高い帯域を選択して、そのカバレージを屋内に制限することができる。その結果、内部のフェムトノードは、外部に漏れたり他のビル内のフェムトノードに干渉したりすることなく、屋内で良好なカバレージを提供し、窓の近くの境界にあるフェムトノードは屋外で良好なカバレージを提供する。実際、これは、より低い帯域がカバレージ層として働き、より高い帯域がキャパシティ層として働く、2階層ネットワークをもたらし、他のフェムトノードからのより低い干渉により、より高い帯域でより良いキャパシティが実現される。
ロケーションベースの帯域/チャネル選択機構は、良好な屋内カバレージおよび屋外カバレージを実現するのに役立ち得る。したがって、これは、たとえば、フェムトノードがオープンアクセスを有し、屋内ならびに屋外にカバレージを提供するように展開されている、近傍のフェムトセルネットワークに好適である。しかしながら、いくつかの展開シナリオでは、この構成(arrangement)は屋内カバレージの縮小を引き起こし、数人の屋内ユーザに境界の近くのフェムトノードからサービスを受けさせる可能性がある。これに対処するために、内部のフェムトノードが、そのリソースが十分に使用されていないことを検出した場合、内部のフェムトノードは、より低い周波数に切り替えて、そのカバレージ範囲を拡張し、したがって、より多くのユーザにサービスすることができる。同様に、外部のフェムトノードがあまりに多くのモバイルデバイスにサービスすることによってキャパシティを使い果たしたことを検出すると、外部のフェムトノードは、より高い周波数に切り替えて、そのカバレージエリアを制限することができる。
いくつかの展開シナリオでは、フェムトノードは、複数のチャネル/帯域上での同時動作が可能であり得る。そのような場合、内部のフェムトノードは、両方のチャネル/帯域を同時に使用するように構成され得る一方、外部のフェムトノードは、チャネル/帯域の一方のみ(たとえば、より低い帯域)を使用するように構成され得る。このことは、より低い帯域とより高い帯域を同時に使用することによって、より低い帯域で屋外のユーザにカバレージを提供し、屋内のユーザにより高いデータレートを提供する。代替として、内部のフェムトノードは、高データレートのモバイルデバイスをサポートするか、より高い帯域で動作しているときにキャパシティを使い果たしたときのみ、より低い帯域での動作を行うことができる。
フェムトノードは、ビル内のその水平方向のロケーションに加えて、フェムトノードが展開されているビルの垂直位置(たとえば、フロア)に基づいて動作チャネル/帯域を選択するように構成され得る。たとえば、より高いフロアから外部への経路損失は通常、より低いフロアからの経路損失と比較するとより低いので、より高いフロアのフェムトノードは、より高い帯域を選択して、外部への漏れを制限することができる。代替として、より低いフロアのフェムトノードは、さらなる屋外のカバレージが望まれる場合、より低い帯域を選択することができる。したがって、フェムトノードのロケーションが与えられれば、フェムトノードは、所望のカバレージならびに干渉管理の要件を満たすようにその帯域/チャネルを選択することができる。
他の実施形態では、フェムトノードは、OAM(Operation Administration and Management)を通して、フェムトノードを設置または保守する事業者の技術者によって、またはフェムトノードによる自己学習によってそのロケーションを判断するように構成され得る。フェムトノードがビル内のそのロケーションを自己学習するための例示的な方法について、以下で説明する。自己学習法により、フェムトノードは最初にいずれかの帯域/チャネルを使用し、次いで、学習した情報に基づいて再選択することができる。
一例では、フェムトノードはGPS信号強度を使用して、ビル内のそのロケーションを判断することができる。GPS信号強度は、窓または他の外部の経路から約5〜10m離れたところで急速に弱くなるので、GPS信号強度は、奥深くにある場合よりも、窓または家屋の境界に近いフェムトノードのロケーションを判断するのに使用され得る。(たとえば、一定の継続時間にわたって観測され、平均された)所定の閾値を超えるGPS信号強度は、フェムトノードが窓に近いという指標として働く。
別の例では、フェムトノードは、モバイルデバイスから受信した登録の数を使用して、そのロケーションを判断することができる。一定の時間期間にわたる登録の数が閾値を超える場合、フェムトノードがビルの境界に近く、外部のユーザにサービスしている、または場合によっては、外部に漏れており、通過するユーザからの登録を引き起こしているということを示し得る。したがって、登録の数は、ビルの境界または内部にあるフェムトノードのロケーションの指標として働くことができる。
別の例では、フェムトノードは、近くのマクロセル基地局または他の通信システム(たとえば、TVステーション)からの信号強度を、フェムトノードのロケーションが窓/家屋の境界に近い、またはビルの奥深くにあるという指標として使用することができる。たとえば、フェムトノードは、ネットワークリッスンモジュール(NLM: Network Listen Module)を使用して近くの基地局の信号強度を測定するように構成され得、UEフィードバックを使用してマクロノード測定値のデータベースを構築することもできる。これらの2つの情報を使用して、マクロノード信号強度が一定の閾値を上回ることが分かった場合、フェムトノードは、フェムトノードがビルの境界に位置していると見なすことができる。
別の例では、フェムトノードは、様々なセンサー(たとえば、セキュリティシステムの一部としてのカメラ)の読取り値を利用して、ビル内のそのロケーションを判断することができる。たとえば、カメラ付きフェムトノードは、その周囲のスナップショットを取得することによって、その相対的なロケーションを判断することができる。ビル内のフェムトノードの高度を求めるために高度計などの他のセンサーを使用することができる。
別の例では、フェムトノードは、屋内測位アプリケーションまたは上記で説明した方法の組合せを使用して、ビル内のその相対的なロケーションを判断することができる。フェムトノードは、ビル内のそのロケーションを判断すると、その動作チャネル/帯域を選択して、干渉を最小限に抑え、屋内カバレージならびに屋外カバレージを向上させることができる。
図3は、オーバーヘッド(パイロット/制御)チャネルおよびデータチャネルについてのフェムトノードの異なる動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法300は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、複数のRFチャネルの中から、複数のフェムトノードによるオーバーヘッド送信用の共通のRFチャネルを決定することができる(ブロック302)。フェムトノードは、それ自体のオーバーヘッド送信用にこの共通のRFチャネルを使用し、次いで、複数のRFチャネルの中から、データ送信用の異なるRFチャネルを選択することができる(ブロック304)。
通常、オーバーヘッドチャネル(たとえば、パイロットチャネル、ページングチャネル、同期チャネルなど)は、低データレートおよび高信頼性を有する。加えて、これらのチャネルは一定の明確に定義された構造を有するので、モバイルデバイスは非サービングセルからの干渉パイロット/制御チャネルをより容易にキャンセルすることができる。これはデータチャネルには当てはまらないことが多い。したがって、いくつかの実施形態では、複数のフェムトノードは、(事前構成され得る)同じ共通のチャネル/帯域上でそのオーバーヘッドチャネルを動作させ、本明細書で説明する他の技法に基づいてそのデータチャネルについてチャネル/帯域選択を適用し、したがって、データチャネルのチャネル/帯域とは異なるチャネル/帯域でオーバーヘッド/制御チャネル動作を行うように構成される。
図4は、アクセスポリシーに基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法400は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、クローズドアクセスフェムトノードについてより高いRFチャネルを選択することができる(ブロック402)一方、オープンアクセスフェムトノードについてより低いRFチャネルを選択することができる(ブロック404)。
アクセスポリシーベースのチャネル選択方式により、フェムトノードの特定のアクセスポリシーに基づいたチャネル/帯域の選択が可能になる。たとえば、混合オープン/クローズドアクセス展開では、クローズドアクセスを有するフェムトノードは、より高い帯域を選択して、他のフェムトノードに対する干渉を制限するように構成され得る。一方、オープンアクセスを有するフェムトノードは、より低い帯域を選択して、より大きいカバレージエリアを提供するように構成され得る。
図5は、RF条件に基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法500は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、フェムトセル内のモバイルデバイスから、モバイルデバイスによって見られるRFチャネル品質情報を収集することができる(ブロック502)。収集したチャネル品質情報に基づいて、フェムトノードは適切なチャネルを選択して、各モバイルデバイスと通信することができる(ブロック504)。たとえば、モバイルデバイスにおけるRF信号強度が強い場合、フェムトノードは、そのモバイルデバイスと通信するために、より高い帯域を選択することができる。逆に、モバイルデバイスにおけるRF信号強度が弱い場合、フェムトノードはより低い帯域を選択することができる。
モバイルデバイスに対するRF伝搬条件に基づいてフェムトノードの動作チャネル/帯域を選択することは、他のモバイルデバイスに対する干渉を最小限に抑え、カバレージを改善するのに役立つ。たとえば、フェムトノードとモバイルデバイスとの間の最初の通信は、あらかじめ定義されたチャネル/帯域上で確立され得る。その後、フェムトノードは、チャネル品質情報を送るようにモバイルデバイスに要求することができ、チャネル品質情報から、モバイルデバイスに対する経路損失、他のセルからの干渉、および他の条件などのメトリックを得ることができる。次いで、フェムトノードは、その後の動作のためのより良いチャネル/帯域を選択することができる。モバイルデバイスに対する経路損失が小さい場合、フェムトノードは、より高い帯域を選択することができ、同様に、モバイルデバイスに対する経路損失が大きい場合、より低い帯域を選択することができる。このことにより、複数のモバイルデバイスにサービスするとき、遠く離れたデバイスがより低い帯域にあり、近くのデバイスがより高い帯域にある展開になる。さらなるモバイルデバイスにサービスするために、より低い送信電力がより低い帯域で必要とされるので、このことはモバイルデバイス全体ならびにネットワークにとって好都合に機能し、電力効率の改善および干渉の低減をもたらす。
フェムトノードは、追加または代替として、見通し線(LOS: line-of-sight)または非見通し線(NLOS: non line-of-sight)などの伝搬チャネル特性に基づいて動作チャネル/帯域を選択するように構成され得る。たとえば、モバイルデバイスは、モバイルデバイスがフェムトノードから見るマルチパスフィンガ(multipath finger)の数、その電力プロファイル、その遅延拡散、およびフェムトノードがモバイルデバイスに対する適切な伝搬チャネルを決定するのに役立ち得るリシアン(Rician)K係数などのフェージング統計についてのフィードバックを提供することができる。たとえば、1つのみまたは2つの強いマルチパスを有する高いリシアンK係数は、LOS条件または近LOS条件の指標として働くことができる。より高い帯域はLOS動作により適しているので、この場合、フェムトノードはより高い帯域を選択して、モバイルデバイスにサービスすることができる。
図6は、モバイルデバイス上で動作するアプリケーションのタイプに基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法600は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、エンドユーザアプリケーションの1つまたは複数の要件を判断することができる(ブロック602)。次いで、フェムトノードは、エンドユーザアプリケーションの要件に基づいてRFチャネルを選択することができる(ブロック604)。
たとえば、フェムトノードはTV内に組み込まれ得、モバイルデバイスはTVでゲームをするためにエンドユーザによって使用され得る。そのような場合、モバイルデバイスはフェムトノードとのLOS条件にあるか、またはフェムトノードの近距離にある可能性がある。したがって、モバイルデバイスから何のフィードバックもなくても、フェムトノードは、より高い帯域を使用して、近くのユーザにサービスすると決めることができる。同様に、フェムトノードは、異なるタイプのトラフィック(たとえば、ブロードキャスト、ユニキャスト、ストリーミング、データなど)について異なる帯域を選択することができる。たとえば、ブロードキャストトラフィックは、より大きいエリアにわたってカバレージを提供するためにより低い帯域で搬送され得るが、ユニキャストトラフィックは、より高い帯域で搬送され得る。
さらに、帯域選択を決定するために、アプリケーションの性質が使用され得る。たとえば、モバイルデバイスとフェムトノードとの間の測距(たとえば、距離推定)を必要とするアプリケーションは、測距がより容易であるより高い帯域で動作が行われ得る。別の例では、より高いオーバージエアセキュリティおよびジャミング耐性を必要とするアプリケーションは、より高い帯域幅が利用可能であり得る場合、より高い帯域に移動され得、周波数ホップ拡散スペクトル(FH-SS: Frequency Hopped Spread Spectrum)などの技法は、より広い帯域にわたって使用されて、さらなるセキュリティおよびジャミング耐性を提供し得る。
図7は、周囲のエリアにおけるフェムトノード密度情報に基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法700は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、動作エリア内のフェムトノードの密度を求めることができる(ブロック702)。いくつかの実施形態では、密度を求めることは、隣接フェムトノードの数および隣接フェムトノードまでの距離を求めることを含み得る。次いで、フェムトノードは、動作エリア内のフェムトノードの密度に基づいてRFチャネルを選択することができる(ブロック704)。
フェムトノード密度が所与のエリアで疎である場合、フェムトノードは、より低い帯域で動作して、より大きいカバレージエリアを提供することを選択することができる。しかしながら、フェムトノード密度が高い場合、より高い帯域で動作して、隣接ノード間の干渉およびハンドオーバを低減することによって、セル間干渉が低減され得る。様々な実施形態によれば、フェムトノード密度情報は、たとえば、周囲のエリアにおける周波数間測定値履歴と組み合わされたハンドオーバ履歴などのモバイルデバイス測定値、または測定報告メッセージを通じてモバイルデバイスによって報告されたフェムトパイロットの数の増加を介して、経時的に収集され得る。
図8は、ホームフェムトネットワークにおけるフェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法800は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、任意の他のフェムトノードが(たとえば、合計で2つ以上のフェムトノードが)共通のローカルエリアネットワーク中に構成されるかどうかを判定することができる(ブロック802)。次いで、フェムトノードは、ローカルエリアネットワークのカバレージ要件に基づいてRFチャネルを選択することができる(ブロック804)。2つ以上のフェムトノードが共通のローカルエリアネットワーク(たとえば、ホームネットワークまたはオフィスネットワーク)の一部として構成されるとき、そのようなネットワークにおける共通のまたは異なる動作要件に基づいたチャネル/帯域選択のためのいくつかの方法が使用され得る。これらの方法の例を以下に挙げる。
一例では、フェムトノードは、(たとえば、ネットワークリッスン機能を通じて)互いに対する経路損失を測定することができる。経路損失がフェムトセルの極近接を示す閾値を下回る場合、フェムトノードは異なるチャネル/帯域を選択して、自己干渉を回避することができる。
別の例では、フェムトノードは、フェムトノードがサービスしているモバイルデバイスの能力に応じて、同じまたは異なるチャネル/帯域を選択することができる。たとえば、フェムトノードは、同じチャネル/帯域を選択して、仮想MIMOシステムとして動作するか、または両方のフェムトセルのカバレージにおいてソフト/よりソフトなハンドオフをモバイルデバイスに提供することができる。フェムトノードが異なる帯域/チャネル上で正常に動作する場合、モバイルデバイスが両方のフェムトセルのカバレージ領域にあって、モバイルデバイスが2つのチャネル上で同時に動作することを必要とすることなく、このモバイルデバイスにより良いサービスを提供する(たとえば、同じ周波数COMPまたはMIMO)とき、フェムトノードは共通の帯域/チャネルに動的に切り替えるように構成され得る。このことはモバイルデバイスにおけるバッテリー消耗を低減するのに役立ち得る。
チャネル/帯域選択は、(たとえば、2つのフェムトセルが収束するルータにおいて)集中的に、または分散方式でフェムトノードによって別々に行われ得る。したがって、フェムトノードは、フェムトの能力(たとえば、送信電力能力)および周囲のRF条件(たとえば、異なる帯域/チャネル上の干渉レベル)に関して、バックホールを介して情報を交換することができる。たとえば、一方のフェムトノードが他方のフェムトノードに比べて高い電力をサポートする場合、高電力フェムトノードはより低い帯域上で動作して、より大きいカバレージエリアを提供するように構成され得る一方、低電力フェムトノードはより高い帯域上で動作して、より短い距離にわたるカバレージを提供するように構成され得る。
図9は、結合エネルギー保存に基づいた、フェムトノードの1つまたは複数の動作チャネル/帯域の選択を容易にするための例示的な方法の流れ図である。例示する方法900は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、フェムトノード(または他のエンティティ)は、フェムトノード自体、他のフェムトノード、またはモバイルデバイスなどのエネルギー保存要件を判断し得る(ブロック902)。次いで、フェムトノードは、判断したエネルギー保存要件に基づいてRFチャネルを選択することができる(ブロック904)。
このようにして、いくつかの隣接フェムトノードについて動作チャネル/帯域を選択することは、すべてのフェムトノードによって消費される合計エネルギーを最小限に抑えるとともに、カバレージを最大化するのに有用であり得る。一例では、各フェムトノードは、フェムトノードがサービスしているモバイルデバイスに対する経路損失、時刻、または他の基準に基づいて、その帯域/チャネルを適応させて、エネルギーを保存することができる。可能な各帯域/チャネルにおいてモバイルデバイスにサービスするのに必要な送信電力を決定することができ、最小量のエネルギーを必要とする帯域/チャネルを選択することができる。フェムトノードは、電力増幅器を必要としない帯域/チャネルをさらに選択することができ、それによってエネルギー消費を低減する。そのような適応は、サービスされる必要があるモバイルデバイスが多くない夜間、またはモバイルデバイスがフェムトセルの近くにあるので、高い送信電力を必要としないときに行われ得る。
別の例では、方法は中央コントローラによって行われ得、中央コントローラは、モバイルデバイスのフィードバックを通じて(たとえば、フェムトノード自体を介して)、一定の帯域/チャネルを使用しながら、近傍にあるフェムトノードのロケーションを知り、RF条件と、フェムトノードによって提供されるカバレージとを習得する。これに基づいて、中央コントローラは(たとえば、凸最適化方法/線形最適化方法/非線形最適化方法によって)各フェムトノードに対する帯域/チャネル割当てを最適に選択することができ、その結果として、より低い送信電力および適切な帯域/チャネルの使用によって、より高いカバレージが実現される。
上記に鑑みて、フェムトノード無線周波数チャネル選択が様々な帯域選択基準に従った多くの方法で実施され得ることが諒解されよう。図10は、様々な帯域選択基準に従ったフェムトノード無線周波数チャネル選択のための例示的な方法の流れ図である。図示のように、そのような方法1000は、少なくとも1つの帯域選択基準に基づいて、フェムトノードについて第1の帯域の動作チャネルと第2の帯域の動作チャネルのいずれかを選択するステップを含み得る(ブロック1002)。第1の帯域は、第2の帯域における複数のチャネルよりも周波数が高い複数のチャネルを含み得る。それに応じて、方法は、選択された帯域における1つまたは複数の動作チャネルに従って、動作についてフェムトノードを構成するステップをさらに含み得る(ブロック1004)。
上記で論じたように、帯域選択基準はビル内のフェムトノードのロケーションを含むことができ、選択するステップは、ビル内のフェムトノードのロケーションを判断するステップと、ビル内のフェムトノードのロケーションに基づいて、フェムトノードについて第1の帯域と第2の帯域のいずれかを選択するステップとを含み得る。たとえば、フェムトノードが窓の近くまたはビルの側面に位置するときに第2の帯域が選択され得、フェムトノードがビルの奥深くに位置するときに第1の帯域が選択され得る。帯域選択基準はチャネルタイプ情報を含むこともできる。たとえば、データチャネル用に第1の帯域が選択され得、オーバーヘッドパイロットまたは制御チャネル用に第2の帯域が選択され得る。いくつかのシステムでは、第2の帯域における選択されたオーバーヘッドパイロットまたは制御チャネルは、少なくとも1つの隣接フェムトノードによって利用されるオーバーヘッドパイロットまたは制御チャネルと重複するように選択され得る。
帯域選択基準は、フェムトノードのアクセスポリシーを含むこともできる。たとえば、フェムトノードがクローズドアクセスフェムトノードであるときは第1の帯域が選択され得、フェムトノードがオープンアクセスフェムトノードであるときは第2の帯域が選択され得る。帯域選択基準は、フェムトノードにおける無線周波数伝搬条件を含むこともでき、選択するステップは、1つまたは複数のモバイルデバイスからチャネル品質読取り情報を収集するステップと、収集したチャネル品質読取り情報に基づいて、フェムトノードについて第1の帯域と第2の帯域のいずれかを選択するステップとを含むことができる。帯域選択基準は、フェムトノードの動作エリアにおけるフェムト密度情報を含むこともできる。たとえば、密度が密度閾値を上回るときは第1の帯域が選択され得、密度が閾値を下回るときは第2の帯域が選択され得る。
上記でさらに論じたように、構成するステップは、フェムトノード自体によって行われ、フェムトノードのチャネル設定を変更するステップを含むことができる。代替として、構成するステップは、リモートエンティティまたは中央コントローラによって行われ、フェムトノードに選択された帯域上で動作するよう命令するメッセージをフェムトノードに送るステップを含むことができる。
本明細書で提示するチャネル/帯域選択のための技法は、Tx/Rxアンテナ、Tx電力、および帯域幅などの他のフェムトリソースを選択するためにも拡張され得ることも諒解されよう。たとえば、複数のTxアンテナを有するフェムトは、Txダイバーシティまたは空間多重化(MIMO)などの様々な高度なアンテナ処理技法を行うことが可能であり得る。この場合、利用されるべき特定のアンテナ技法は、ビル内のフェムトノードのロケーションなどに基づいて選択され得る。たとえば、通過する屋外のユーザのハンドオフを処理している、窓または家屋の境界の近くのフェムトノードは、Txダイバーシティを使用して、ハンドオフパフォーマンスを改善するように構成され得る。逆に、ビルの内部のフェムトノードは、空間多重化を使用して、より高いキャパシティおよびデータレートを屋内のユーザに提供するように構成され得る。
次に以下で論じる図11〜図14は、複数の帯域を利用して、モビリティ、干渉管理、およびモバイルデバイスのバッテリー寿命を改善する、フェムトノード間の協調に関する。フェムトノード間の協調は、たとえば、図11〜図12に記載の低速の非リアルタイムの協調、または図13〜図14に記載のよりリアルタイムのオンライン協調の形態をとることができる。協調は一般に、フェムトノード間で直接、またはフェムトノード協調に関与している中央エンティティまたは分散エンティティを介してのいずれかで、バックホールを介して送られた情報によって達成され得る。
図11は、告知されたチャネル情報に基づいてフェムトノード間の動作を協調させるための例示的な方法の流れ図である。例示する方法1100は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、より低いRFチャネルはフェムトノード間での周波数間システム情報のブロードキャスト用に確保され得る(ブロック1102)。次いで、周波数間システム情報は、確保されたより低いRFチャネル上で、フェムトノードによってブロードキャストされ得る(ブロック1104)。
より高い帯域では、フェムトノード展開のための利用可能な帯域幅は、通常のモバイルデバイス受信機帯域幅よりもはるかに大きくてもよい。従来の周波数間探索シナリオでは、これは、モバイルデバイスによるすべての利用可能なフェムト搬送波の発見/走査において高い遅延をもたらすことがある。代わりに、本明細書の様々な実施形態によれば、より低い帯域は周波数間システム情報のブロードキャスト用に確保され(または部分的に使用され)得る。情報のブロードキャストは、中心周波数、帯域、およびプライマリスクランブリングコード(PSC: primary scrambling code)またはプライマリセル識別子(PCI: primary cell identifier)などの所与のフェムトセルのシグニチャ情報をメッセージとして符号化する。1つのフェムトノードからの情報のブロードキャストは、所与の近傍における2つ以上のフェムトセルについての情報を含み得る。さらに、ブロードキャストメッセージは、各エントリ(j,k)が、j番目のフェムトセルからk番目のフェムトセルへの周波数内または周波数間ハンドオーバが可能であることを表す、隣接メトリックなどの情報を含む、フェムトセル間の近傍関係情報も含み得る。代替として、ブロードキャストメッセージは、すべてのフェムトセルのネイバーリストを含み得る。
モバイルデバイスは、その無線機を順にすべての周波数に合わせる代わりに、より低い帯域チャネル上でブロードキャストメッセージを復号し、すべての必要なネットワーク情報を取得することができる。モバイルデバイスは、複数の帯域間で同時に情報を送受信することができない場合でも、告知帯域をアイドルモードのキャンピング帯域(たとえば、アイドルモードであるとき、この帯域をリッスンする)またはデフォルトのブラインドハンドオーバ帯域(たとえば、新しいフェムトセルに入ると、自動的にこの帯域に合わせる)として使用することができる。
図12は、共通のアップリンク制御シグナリングに基づいてフェムトノード間の動作を協調させるための例示的な方法の流れ図である。例示する方法1200は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、1つまたは複数のより低いRFチャネル上で動作するフェムトノードが選択され得る(ブロック1202)。選択されたフェムトノードは、グループ内の複数のフェムトノード用の複数のRFチャネル上でアップリンク制御情報を受信するように指定され得る(ブロック1204)。
バックホール協調が利用可能であるとき、より低い帯域で動作する一定のフェムトノードは、エリア内のすべてのフェムトノード用のすべての周波数帯域上でアップリンク制御情報を受信することに充てられ(または部分的に使用され)得る。このことは、同じ帯域上のフィードバックリンクを閉じる必要なしに、ダウンリンク上でのより高い帯域のアグレッシブな展開を可能にする。低帯域フェムトノードは、より広いカバレージ範囲を有し、したがって、すべてのアップリンク制御情報を搬送するために使用され得る。このシグナリング構成は、複数の帯域/搬送波上で受信または送信するモバイルデバイスにとって有用であり得る。
図13は、共通のダウンリンク制御シグナリングに基づいてフェムトノード間の動作を協調させるための例示的な方法の流れ図である。例示する方法1300は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、1つまたは複数のより低いRFチャネル上で動作するフェムトノードが選択され得る(ブロック1302)。選択されたフェムトノードは、グループ内の複数のフェムトノード用の複数のRFチャネル上でダウンリンク制御情報を送信するように指定される(ブロック1304)。
バックホール協調が利用可能であるとき、より低い帯域で動作する一定のフェムトノードは、グループ内のすべてのフェムトノード用のすべての周波数帯域上でダウンリンク制御情報を送信することに充てられ(または部分的に使用され)得る。このことは、同じ帯域上のフィードバックループを閉じる必要なしに、アップリンク上でのより高い帯域のアグレッシブな展開を可能にする。低帯域フェムトノードはより広いカバレージ範囲を有し、したがって、すべてのフェムトノードについてのACK/NACK、関連付け、スケジューリング情報などのすべてのダウンリンク制御情報を搬送するために使用され得る。このシグナリング構成は、複数の帯域/搬送波上で受信または送信するモバイルデバイスにとって有用であり得る。
図14は、フェムトセルおよびモバイルデバイスからのネットワーク統計情報の収集に基づいてフェムトノード間の動作を協調させるための例示的な方法の流れ図である。例示する方法1400は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、1つまたは複数のより低いRFチャネル上で動作するフェムトノードが選択され得る(ブロック1402)。選択されたフェムトノードは、グループ内の複数のフェムトノード用の複数のRFチャネル上で統計情報を受信するように指定され得る(ブロック1404)。
バックホール協調が利用可能であるとき、より低い帯域で動作する一定のフェムトノードは、グループ内のすべてのフェムトセル用のすべての周波数帯域上で統計情報を受信するために使用され得る。モバイルデバイスは、(1)周波数内または周波数間測定値報告、(2)データの送信および受信用の「サービングセル」、および(3)他の周波数上で見られた複数のフェムトノードのハンドオーバイベントなどの情報を報告することができる。この場合、指定されたフェムトノードは、中央レセプタクルとして動作して、近傍におけるフェムトセル展開についての情報を収集およびアグリゲートする。この情報は、モバイルデバイス支援ロケーション情報、フェムトセル電力較正、周波数帯域較正、および他の目的に使用され得る。これは、複数のフェムトセルのモバイルデバイス支援アドホック展開をさらに容易にする。このシグナリング構成は、複数の帯域/搬送波上で受信または送信するモバイルデバイスにとって有用であり得る。
図15は、それぞれのフェムトセルでダウンリンクシグナリングとアップリンクシグナリングを分離することに基づいてフェムトノード間の動作を協調させるための例示的な方法の流れ図である。例示する方法1500は、たとえば、フェムトノード106などのフェムトノード、または何らかの他のエンティティ(たとえば、中央コントローラ)上、あるいはその1つまたは複数の構成要素上に記憶された命令で定義され、説明した動作を行うようにプロセッサによって実行され得る。図示のように、モバイルデバイスのアップリンクデータセッションは、第1のサービングフェムトノードを介して動作させることができる(ブロック1502)。一方、モバイルデバイスのダウンリンクデータセッションは、第1のサービングフェムトノードとは異なる第2のサービングフェムトノードを介して動作させることができる(ブロック1504)。この構成では、スケジューリング、アクセス、および干渉管理は2つのサービングフェムトノードにおいて独立して行われ得る。
バックホール協調が利用可能であるとき、別個のダウンリンク搬送フェムトノードおよびアップリンク搬送フェムトノードはマルチバンドUEとともに使用され得る。たとえば、アップリンクデータセッションサービングフェムトノードは、ダウンリンクデータセッションサービングフェムトノードには依存しないものとすることができる。すなわち、アップリンクスケジューリング、アクセス、および干渉管理は、ダウンリンクサービングノードに依存せずに行うことができる。アップリンクおよびダウンリンクは複数の点で非対称である。たとえば、ダウンリンクトラフィックおよびアップリンクトラフィックが対称的であることはまれである。アップリンク多元接続チャネルはフェムトノードにおける干渉除去にかなりの手間を必要とし得るので、アップリンクデータおよびダウンリンクデータの処理に関する複雑性の要件も非常に異なる。通常はバッテリーで動作するUEにおける、アップリンクの送信電力能力およびエネルギー源も、通常は電源に差し込まれているフェムトノードの送信電力能力およびエネルギー源とは異なる。同様に、アンテナの数、UEおよびノードBの受信機感度などの受信機特性もすべて、特にマルチバンドのアップリンクおよびダウンリンクシステムでは、大幅に異なり得る。
この分割技法は、独立した柔軟なリソース区分、負荷分散、セッション管理、複雑性処理の割当て、電力管理、バックホール管理、および、したがって、バッテリー寿命を含むより良い全体的なパフォーマンスを可能にする。一例では、複数のUEが(たとえば、何らかの報道価値があるイベントのライブビデオをアップロードする目撃者の)多数のアップロードすべきデータを有するとき、この技法は有用であり得る。UEがフェムトセルに対する低い経路損失を有するとき、UEはそのアップリンクをより高い帯域のフェムトセルに移動することができる。このことは、より低い帯域上のアップリンク干渉を低減し、フェムトクラスタから離れている他のUEがより低い帯域のアップリンク上で送信するためのスペースをあける。しかしながら、ダウンリンク上では、サービングセル選択は、ダウンリンク負荷分散および干渉管理の要件によって、独立して行われ得る。
図16は、フェムトノードが1つまたは複数の動作チャネル/帯域のアジャイル式選択を行うのを可能にするための複数の構成要素を含む、フェムトノードチャネル/帯域選択のための例示的なシステム1600を示す。システム1600は、フェムトノード(たとえば、図1のフェムトノード106)内に少なくとも部分的に存在し得る。システム1600は、様々な実施形態に従って連携して動作することができる電気的構成要素の論理グルーピング1601を含み、論理グルーピング1601は、それに応じて、図示の構成要素の1つ、いくつか、またはすべてを含み得る。図示の例では、論理グルーピング1601は、ロケーションベースのチャネル選択のための電気的構成要素1602、オーバーヘッド/データチャネル選択のための電気的構成要素1604、アクセスポリシーベースのチャネル選択のための電気的構成要素1606、RF条件ベースのチャネル選択のための電気的構成要素1608、UEアプリケーションベースのチャネル選択のための電気的構成要素1610、フェムト密度ベースのチャネル選択のための電気的構成要素1612、ホームネットワークベースのチャネル選択のための電気的構成要素1614、結合エネルギー保存ベースのチャネル選択のための電気的構成要素1616、チャネル告知のための電気的構成要素1618、アップリンク制御通信のための電気的構成要素1620、ダウンリンク制御通信のための電気的構成要素1622、および統計収集のための電気的構成要素1624を含む。いくつかの実施形態では、様々な構成要素は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装され得ることを諒解されたい。
加えて、システム1600は、電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ1603を含むことができる。メモリ1603の外部にあるものとして示されているが、電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624のうちの1つまたは複数は、メモリ1603内に存在し得ることを理解されたい。一例では、電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、または、各電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624は、少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールとすることができる。さらに、追加または代替の例では、電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624は、コンピュータ可読媒体とすることができ、各電気的構成要素1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、および1624は、対応するコードとすることができる。
次に図17を参照すると、本明細書で提示する様々な実施形態に従ってフェムトセルチャネル選択のための機構が実装され得るワイヤレス通信システム1700が示されている。システム1700は、ノード210または1601などのフェムトノードであってもよい基地局1702を含み、また、図1〜図15に関して上記で説明した構成要素を含み、機能を実装することができる。一態様では、基地局1702は複数のアンテナグループを含むことができる。たとえば、1つのアンテナグループはアンテナ1704および1706を含むことができ、別のグループはアンテナ1708および1710を含むことができ、さらなるグループはアンテナ1712および1714を含むことができる。アンテナグループごとに2つのアンテナが示されているが、グループごとにより多いか、またはより少ないアンテナを利用することができる。基地局1702は、送信機チェーンおよび受信機チェーンをさらに含むことができ、それらの各々は、諒解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(たとえば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナなど)を備えることができる。
基地局1702は、モバイルデバイス1716およびモバイルデバイス1722などの1つまたは複数のモバイルデバイスと通信することができるが、基地局1702は、モバイルデバイス1716および1722と同様の実質的に任意の数のモバイルデバイスと通信することができることを諒解されたい。モバイルデバイス1716および1722は、たとえば、セルラー電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星無線、全地球測位システム、PDA、および/または、ワイヤレス通信システム1700を介して通信するための任意の他の適切なデバイスであり得る。図示のように、モバイルデバイス1716は、アンテナ1712および1714と通信中であり、ここでアンテナ1712および1714は、順方向リンク1718を介してモバイルデバイス1716に情報を送信し、逆方向リンク1720を介してモバイルデバイス1716から情報を受信する。さらに、モバイルデバイス1722は、アンテナ1704および1706と通信中であり、ここでアンテナ1704および1706は、順方向リンク1724を介してモバイルデバイス1722に情報を送信し、逆方向リンク1726を介してモバイルデバイス1722から情報を受信する。周波数分割複信(FDD)システムでは、たとえば、順方向リンク1718は、逆方向リンク1720によって使用される周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用することができ、順方向リンク1724は、逆方向リンク1726によって使用される周波数帯域とは異なる周波数帯域を使用することができる。さらに、時分割複信(TDD)システムでは、順方向リンク1718および逆方向リンク1720は、共通の周波数帯域を利用することができ、順方向リンク1724および逆方向リンク1726は、共通の周波数帯域を利用することができる。
アンテナの各グループおよび/またはアンテナが通信するように指定されたエリアは、基地局1702のセクタと呼ぶことができる。たとえば、アンテナグループは、基地局1702によってカバーされるエリアのセクタ内のモバイルデバイスと通信するように設計することができる。順方向リンク1718および1724を介した通信では、基地局1702の送信アンテナはビームフォーミングを利用して、モバイルデバイス1716用の順方向リンク1718およびモバイルデバイス1722用の順方向リンク1724の信号対雑音比を改善することができる。また、基地局1702はビームフォーミングを利用して、関連するカバレージを介して不規則に分散したモバイルデバイス1716および1722に送信するが、隣接するセル内のモバイルデバイスは、単一のアンテナを介してすべてのそのモバイルデバイスに送信する基地局と比較して、干渉を被る可能性が少ない。さらに、モバイルデバイス1716および1722は、ピアツーピアまたはアドホック技術を使用して、互いに直接通信することができる。一例によれば、システム1700は多入力多出力(MIMO)通信システムであり得る。
図18は、例示的なワイヤレス通信システム1800を示す。ワイヤレス通信システム1800は、簡潔にするために、フェムトノードを含むことができる1つの基地局1810、および1つのモバイルデバイス1850を図示している。しかしながら、システム1800は、2つ以上の基地局および/または2つ以上のモバイルデバイスを含むことができ、さらなる基地局および/またはモバイルデバイスは、以下で説明する例示的な基地局1810およびモバイルデバイス1850と実質的に同様か、または異なる可能性があることを諒解されたい。加えて、基地局1810および/またはモバイルデバイス1850は、本明細書で説明するシステム(図1および図16)および/または方法(図2〜図15)を使用して、それらの間のワイヤレス通信を容易にすることができることを諒解されたい。たとえば、本明細書で説明するシステムの構成要素もしくは機能および/または方法は、以下で説明するメモリ1832および/もしくは1872、またはプロセッサ1830および/もしくは1870の一部とすることができ、かつ/あるいは、プロセッサ1830および/もしくは1870によって実行されて、開示した機能を実行することができる。
基地局1810で、いくつかのデータストリームのトラフィックデータが、データソース1812から送信(TX)データプロセッサ1814に供給される。一例によれば、各データストリームは、それぞれのアンテナを介して送信することができる。TXデータプロセッサ1814は、そのデータストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、トラフィックデータストリームをフォーマットし、符号化し、インターリーブして、符号化データを供給する。
各データストリームの符号化データは、直交周波数分割多重(OFDM)技法を使用して、パイロットデータとともに多重化することができる。追加または代替として、パイロットシンボルは、周波数分割多重(FDM)、時分割多重(TDM)、または符号分割多重(CDM)であり得る。パイロットデータは、通常、既知の様式で処理され、かつモバイルデバイス1850で使用されて、チャネル応答を推定することができる既知のデータパターンである。データストリームごとに多重化されたパイロットデータと符号化データは、そのデータストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK)、4位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいて、変調(たとえば、シンボルマップ)されて、変調シンボルを供給することができる。データストリームごとのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ1830によって実行または提供された命令によって決定することができる。
データストリーム用の変調シンボルをTX MIMOプロセッサ1820に供給することができ、TX MIMOプロセッサ1820は、さらに(たとえば、OFDM用の)変調シンボルを処理することができる。次いで、TX MIMOプロセッサ1820は、NT個の変調シンボルストリームをNT個の送信機(TMTR)1822a〜1822tに供給する。様々な実施形態では、TX MIMOプロセッサ1820は、データストリームのシンボル、およびシンボルがそこから送信されるアンテナに、ビームフォーミング重みを加える。
各送信機1822は、それぞれのシンボルストリームを受信および処理して、1つまたは複数のアナログ信号を供給し、さらにアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を供給する。さらに、送信機1822a〜1822tからのNT個の変調信号が、それぞれNT個のアンテナ1824a〜1824tから送信される。
モバイルデバイス1850で、送信された変調信号は、NR個のアンテナ1852a〜1852rによって受信され、各アンテナ1852から受信された信号は、それぞれの受信機(RCVR)1854a〜1854rに供給される。各受信機1854は、それぞれの信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)し、調整された信号をデジタル化してサンプルを供給し、さらにそのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを供給する。
RXデータプロセッサ1860は、NR個の受信機1854からNR個の受信シンボルストリームを受信し、特定の受信機処理技法に基づいて処理して、NT個の「検出」シンボルストリームを供給することができる。RXデータプロセッサ1860は、検出された各シンボルストリームを復調し、デインターリーブし、かつ復号して、データストリーム用のトラフィックデータを復元することができる。RXデータプロセッサ1860による処理は、基地局1810でのTX MIMOプロセッサ1820およびTXデータプロセッサ1814によって実行された処理と相補関係にある。
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含むことができる。逆方向リンクメッセージは、データソース1836からいくつかのデータストリーム用のトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ1838によって処理され、変調器1880によって変調され、送信機1854a〜1854rによって調整され、基地局1810に送り返すことができる。
基地局1810で、モバイルデバイス1850からの変調信号は、アンテナ1824a〜1824tによって受信され、受信機1822a〜1822tによって調整され、復調器1840によって復調され、RXデータプロセッサ1842によって処理されて、モバイルデバイス1850によって送信される逆方向リンクメッセージを抽出する。さらに、プロセッサ1830は、抽出されたメッセージを処理して、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを判定することができる。
プロセッサ1830および1870は、それぞれ基地局1810およびモバイルデバイス1850での動作を指示(たとえば、制御、調整、管理など)することができる。それぞれのプロセッサ1830および1870は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ1832および1872に関連付けることができる。プロセッサ1830および1870は、1つまたは複数のフェムトノードの様々な動作パラメータの選択をサポートするための本明細書で説明する機能を実行することもできる。
図19は、本明細書の教示が実施され得る、何人かのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム1900を示す。システム1900は、たとえば、マクロセル1902A〜1902Gなどの複数のセル1902用の通信を提供し、各セルは、対応するアクセスノード1904(たとえば、アクセスノード1904A〜1904G)によってサービスされる。図19に示すように、アクセス端末1906(たとえば、アクセス端末1906A〜1906L)は、時間とともにシステム全体にわたって様々なロケーションに分散する可能性がある。各アクセス端末1906は、たとえば、アクセス端末1906がアクティブであるかどうか、およびソフトハンドオフにあるかどうかに応じて、所与のときに順方向リンク(FL)および/または逆方向リンク(RL)上の1つまたは複数のアクセスノード1904と通信することができる。ワイヤレス通信システム1900は、広い地理的領域にわたってサービスを提供することができる。いくつかの態様では、デバイス1906A、1906H、および1906Jなどの、モバイルデバイス1906のうちのいくつかは、フェムトノード104、106、108、110、および112などのフェムトノードであってもよく、図1〜16に関して上記で説明した構成要素を含み、機能を実装し得る。
図20は、1つまたは複数のフェムトノードがネットワーク環境内に展開される、例示的な通信システム2000を示す。具体的には、システム2000は、比較的小規模のネットワーク環境内(たとえば、1つまたは複数のユーザの住宅2030内)に設置された、複数のフェムトノード2010Aおよび2010B(たとえば、フェムトノードまたはH(e)NB)を含む。各フェムトノード2010は、デジタル加入者回線(DSL)ルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介して、ワイドエリアネットワーク2040(たとえば、インターネット)およびモバイル事業者コアネットワーク2050に結合することができる。以下で論じるように、各フェムトノード2010は、関連するアクセス端末2020(たとえば、アクセス端末2020A)、および場合によっては異種のアクセス端末2020(たとえば、アクセス端末2020B)にサービスするように構成することができる。言い換えれば、フェムトノード2010に対するアクセスは、所与のアクセス端末2020が1組の指定された(たとえば、ホーム)フェムトノード2010によってサービスされ得るが、任意の指定されていないフェムトノード2010(たとえば、ネイバーのフェムトノード)によってサービスされ得ないように、制限することができる。
図21は、各々がいくつかのマクロカバレージエリア2104を含むいくつかのトラッキングエリア2102(またはルーティングエリアまたはロケーションエリア)が画定された、カバレージマップ2100の一例を示す。ここでは、トラッキングエリア2102A、2102Bおよび2102Cに関連するカバレージのエリアが太線によって示され、マクロカバレージエリア2104(たとえば、2104Aおよび2104B)が六角形によって表されている。トラッキングエリア2102は、フェムトカバレージエリア2106(たとえば、2106A、2106B、および2106C)も含む。この例では、フェムトカバレージエリア2106(たとえば、フェムトカバレージエリア2106C)のそれぞれは、マクロカバレージエリア2104(たとえば、マクロカバレージエリア2104B)内に図示されている。しかしながら、フェムトカバレージエリア2106は、完全にマクロカバレージエリア2104内にあるとは限らないことを諒解されたい。実際には、多数のフェムトカバレージエリア2106は、所与のトラッキングエリア2102またはマクロカバレージエリア2104内に画定することができる。また、1つまたは複数のピコカバレージエリア(図示せず)は、所与のトラッキングエリア2102またはマクロカバレージエリア2104内に画定することができる。
再び図20を参照すると、フェムトノード2010の所有者は、たとえば、モバイル事業者コアネットワーク2050を介して提供される、3Gモバイルサービスなどのモバイルサービスに加入することができる。別の例では、ワイヤレスネットワークのカバレージを拡大するために、モバイル事業者コアネットワーク2050によってフェムトノード2010を動作させることができる。加えて、アクセス端末2020は、マクロ環境内と、より小規模(たとえば、住宅)のネットワーク環境内の両方で動作可能であり得る。したがって、たとえば、アクセス端末2020の現在のロケーションに応じて、アクセス端末2020は、マクロセルアクセスノード2060によって、または1組のフェムトノード2010(たとえば、対応するユーザの住宅2030内に存在するフェムトノード2010Aおよび2010B)のうちのいずれか1つによってサービスされ得る。たとえば、加入者が自分の家の外部にいるときは、加入者は標準的なマクロセルアクセスノード(たとえば、ノード2060)によってサービスされ得、加入者が家にいるときは、加入者は、フェムトノード(たとえば、ノード2010A)によってサービスされ得る。ここで、フェムトノード2010は、既存のアクセス端末2020との後方互換性があり得ることを諒解されたい。
フェムトノード2010は、単一の周波数上か、または代替として、複数の周波数上に展開することができる。特定の構成に応じて、単一の周波数、または複数の周波数のうちの1つもしくは複数は、マクロセルアクセスノード(たとえば、ノード2060)によって使用される1つまたは複数の周波数と重なる可能性がある。いくつかの態様では、アクセス端末2020は、そのような接続が可能であるときはいつでも、好ましいフェムトノード(たとえば、アクセス端末2020のホームフェムトノード)に接続するように構成することができる。たとえば、アクセス端末2020がユーザの住宅2030内にあるときはいつでも、アクセス端末2020はホームフェムトノード2010と通信することができる。
いくつかの態様では、アクセス端末2020がモバイル事業者コアネットワーク2050内で動作するが、(たとえば、好ましいローミングリスト内に規定されたような)その最も好ましいネットワーク上に存在していない場合、より良いシステムが現在利用可能かどうかを判定するための利用可能なシステムの周期的走査、およびそのような好ましいシステムに関連付けるためのその後の努力を含み得るBetter System Reselection(BSR)を使用して、アクセス端末2020は最も好ましいネットワーク(たとえば、フェムトノード2010)を探し続けることができる。一例では、(たとえば、好ましいローミングリスト内の)取得テーブル項目を使用して、アクセス端末2020は特定の帯域およびチャネルに対する探索を制限することができる。たとえば、最も好ましいシステムに対する探索は、周期的に繰り返すことができる。フェムトノード2010などの好ましいフェムトノードが発見されると、アクセス端末2020は、そのカバレージエリア内のキャンピング用にフェムトノード2010を選択する。
いくつかの態様では、フェムトノードは制限される可能性がある。たとえば、所与のフェムトノードは、特定のアクセス端末に特定のサービスを提供することしかできない。いわゆる制限された(または限定された)関連付けを有する展開では、所与のアクセス端末は、マクロノードモバイルネットワークおよび規定されたセットのフェムトノード(たとえば、対応するユーザの住宅2030内に存在するフェムトノード2010)のみによってサービスされ得る。いくつかの実装形態では、フェムトノードは、少なくとも1つのアクセス端末に、シグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを提供しないように制限され得る。
いくつかの態様では、(限定加入者グループH(e)NBと呼ばれることもある)制限フェムトノードは、制限付きの供給されたセットのアクセス端末にサービスを提供するフェムトノードである。このセットは、必要に応じて一時的または永続的に拡大することができる。いくつかの態様では、限定加入者グループ(CSG)は、アクセス端末の共通アクセス制御リストを共有するアクセスノード(たとえば、フェムトノード)のセットとして規定することができる。ある領域内のすべてのフェムトノード(またはすべての制限フェムトノード)が動作するチャネルは、フェムトチャネルと呼ぶことができる。
所与のフェムトノードと所与のアクセス端末との間には、このように様々な関係が存在する可能性がある。たとえば、アクセス端末の観点から、オープンフェムトノードは制限された関連付けがないフェムトノードを指すことができる。制限フェムトノードは、何らかの方式で制限された(たとえば、関連付けおよび/または登録について制限された)フェムトノードを指すことができる。ホームフェムトノードは、その上でアクセス端末がアクセスおよび動作することを認可されたフェムトノードを指すことができる。ゲストフェムトノードは、その上でアクセス端末がアクセスまたは動作することを一時的に認可されたフェムトノードを指すことができる。異種フェムトノードは、おそらく緊急事態(たとえば911呼)を除いて、その上でアクセス端末がアクセスまたは動作することを認可されないフェムトノードを指すことができる。
制限フェムトノードの観点から、ホームアクセス端末は、制限フェムトノードにアクセスすることを認可されたアクセス端末を指すことができる。ゲストアクセス端末は、制限フェムトノードへの一時的なアクセス権を有するアクセス端末を指すことができる。異種アクセス端末は、おそらく緊急事態、たとえば911呼を除いて、制限フェムトノードにアクセスする許可を有さないアクセス端末(たとえば、制限フェムトノードに登録する資格証明または許可を有さないモバイルデバイス)を指すことができる。
便宜上、本開示は、フェムトノードの文脈で様々な機能について本明細書で説明する。しかしながら、ピコノードは、より大きいカバレージエリアに対して、フェムトノードと同じまたは同様の機能を提供することができることを諒解されたい。たとえば、所与のアクセス端末に対して、ピコノードが制限される場合があり、ホームピコノードが規定される場合がある、などである。
本明細書で開示する実施形態に関して説明した、様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、構成要素、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート論理もしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって、実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上記で説明したステップおよび/またはアクションのうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な、1つまたは複数のモジュールを備えることができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合することができる。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。さらに、いくつかの態様では、プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在し得る。加えて、ASICはユーザ端末内に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内に個別構成要素として存在し得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能、方法、またはアルゴリズムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装された場合、機能は、1つまたは複数の命令もしくはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶することができるか、または、コンピュータ可読媒体上で送信することができ、コンピュータ可読媒体はコンピュータプログラム製品に組み込むことができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を含み得る。また、実質的にいかなる接続もコンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、通常、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
上記の説明は、いかなる当業者も本発明の実施形態を作成または使用することを可能にするために提供される。しかしながら、これらの実施形態に対する様々な変更は当業者には容易に明らかとなるので、本発明は本明細書で開示する特定の表現(formulations)、プロセスステップ、および材料に限定されないことが諒解されよう。すなわち、本明細書で定義した一般的な原理は、以下の特許請求の範囲およびすべての均等物によってのみ定義されるべきである本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。