JP6258130B2 - 軸受故障予兆診断装置、軸受故障予兆診断システム、及び軸受故障予兆診断方法 - Google Patents
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Description
軸受が故障した状態で電動機を駆動し続けると、軸受のみならず、回転軸部材や負荷側の圧縮機の故障を招く可能性もある。このように軸受以外の部材まで故障すると多大な修理費用がかかるとともに、圧縮機の停止期間も長くなってしまう。
図1は、本実施形態に係る軸受故障予兆診断装置と、圧縮機と、を含む構成図である。
軸受故障予兆診断装置1は、電動機74が有する第1軸受74d(図2参照)及び第2軸受74e(図2参照)の故障予兆の有無を診断する装置であり、第1温度センサ11a(図2参照)と、第2温度センサ11b(図2参照)と、管理用コンピュータ12と、を備えている。
前記した「故障予兆」とは、第1軸受74d又は第2軸受74eが故障する前触れであり、「故障予兆診断」とは、前記した故障の前触れの有無を診断することである。
以下では、本実施形態に係る軸受故障予兆診断装置1に先立って、まず、電動機74を備える圧縮機211の構成について簡単に説明する。
図1に示す圧縮機211は、主に、圧縮機本体71と、制御手段72と、インバータ盤73(又は起動盤)と、電動機74と、を備えている。
圧縮機本体71は、例えば、オイルフリースクリュー圧縮機であり、回転軸が平行となるように配置された一対の雄雌のスクリューロータ(図示せず)を備え、これらがケーシング(図示せず)に収容されている。
また、冷却器77には、流入口から配管k5を介して冷却水が流入し、圧縮空気と熱交換した冷却水が配管k6を介して流出口に向かうようになっている。
なお、図1では省略したが、圧縮機本体71の吸入温度、吸入圧力、吐出温度、吐出圧力、冷却器77に向かう冷却水の温度等を検出する各種センサが設置されている。
なお、ロード運転とは、電動機74を駆動しつつ放風弁78を閉弁し、圧縮機本体71の吐出圧力を高める運転である。アンロード運転とは、電動機74を駆動しつつ放風弁78を開弁し、圧縮機本体71の吐出圧力を低くする運転である。アンロード運転中、圧縮機本体71から吐出された空気は配管k4を介して放風弁78側にも分流し、放風口を介して系外に放出される。
電動機74は、例えば、誘導電動機であり、インバータ盤73から入力される三相交流電力で駆動する。
電動機74は、固定子74aと、回転子74bと、軸部材74c(回転軸部材)と、第1軸受74dと、第2軸受74eと、ハウジング74fと、蓋74gと、昇温抑制ファン74iと、を備えている。
固定子74aは、円筒状を呈し、ハウジング74fの内壁面に固定されている。また、固定子74aには固定子巻線Cが巻回されている。
軸部材74cは、回転子74bの孔h1に圧入することで固定され、その両端は回転子74bから突出している。なお、軸部材74cの一端側(紙面左側)は、圧縮機本体71のスクリューロータ(図示せず)に連結されている。
第2軸受74eは、軸部材74cを回転可能に軸支するものであり、軸部材74cの他端側(紙面右側)に設置されている。第2軸受74eの構成については、第1軸受74dと同様であるから説明を省略する。
なお、第1軸受74d及び第2軸受74eの種類は玉軸受に限定されず、例えば、ころ軸受であってもよい。
蓋74gは、ハウジング74fから露出している軸部材74c等を覆うものであり、ハウジング74fに固定されている。蓋74gには、昇温抑制ファン74iが回転することで電動機74内に空気を取り込むための入気孔h2が複数形成されている。
昇温抑制ファン74iは、軸部材74cと一体で回転することで電動機74の昇温を抑制するものであり、軸部材74cの他端側(第2軸受74eよりも紙面右側)に固定されている。
なお、電動機74の構成は、図2に示すものに限定されない。
図2に示す軸受故障予兆診断装置1は、前記したように、第1温度センサ11a(第1温度検出手段)と、第2温度センサ11b(第2温度検出手段)と、管理用コンピュータ12と、を備えている。
第1温度センサ11aは、第1軸受74dの温度を検出するセンサであり、ハウジング74fにおいて第1軸受74d付近に設置されている。つまり、本実施形態では、第1軸受74dからハウジング74fへの伝熱を利用して、第1軸受74dの温度を間接的に検出するようにしている。
なお、第1軸受74dの温度の検出方法はこれに限定されず、第1温度センサ11aによって第1軸受74dの温度を直接的に検出するようにしてもよい(後記する第2温度センサ11bについても同様)。
第1温度センサ11a及び第2温度センサ11bの検出結果は、制御手段72を介して管理用コンピュータ12に出力される。
軸受故障予兆診断手段12aは、第1温度センサ11a及び第2温度センサ11bの検出結果に基づいて、第1軸受74d及び第2軸受74eの故障予兆の有無を診断する機能を有している。
ちなみに、軸受故障予兆診断手段12aには、電動機74が駆動しているか否かを示す駆動・停止情報や、ロード運転/アンロード運転を示す情報も入力される。なお、軸受故障予兆診断手段12aが実行する処理については後記する。
図3(a)は、正常時における各軸受の温度変化を示す説明図である。
前記したように、図2に示す第1軸受74d及び第2軸受74eによって、一つの軸部材74cが両持ちで回転可能に軸支されている。したがって、第1軸受74dと第2軸受74eとは、電動機74の駆動/停止を含む運転条件の他、自身に作用する荷重、外気温度の変化等に関して略同一の環境下で使用される。
つまり、第2軸受74eには昇温抑制ファン74iから比較的低温の空気がそのまま送り込まれるが、第1軸受74dには固定子巻線C等と熱交換して昇温した空気が送り込まれる。したがって、第1軸受74dの温度T1は、第2軸受74eの温度T2よりも所定温度ΔT(例えば、5℃)だけ高い状態で維持される(図3(a)参照)。
各軸受74d,74eが正常である場合、図3(b)に示すように、前記した温度差ΔTは閾値ΔTβ以上かつ閾値ΔTα以下の所定範囲G内で推移する。
図4(b)に示す例では、時刻t1において各軸受74d,74eの温度差ΔTが閾値Tαを超えており、第1軸受74dの温度T1が異常に上昇していることが分かる。
図5(b)に示す例では、時刻t1において各軸受74d,74eの温度差ΔTが閾値Tβを下回っており、第2軸受74eの温度T2が異常に上昇していることが分かる。
図6は、軸受故障予兆診断装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において軸受故障予兆診断手段12a(図2参照)は、電動機74が駆動中であるか否かを判定する。これは、第1軸受74d及び第2軸受74eの温度差ΔTは、電動機74の駆動(つまり、圧縮機211の運転)によって生じるからである。
電動機74が駆動中である場合(S101→Yes)、軸受故障予兆診断手段12aの処理は、ステップS102に進む。一方、電動機74が駆動中ではなく停止している場合(S101→No)、軸受故障予兆診断手段12aは、ステップS101の処理を繰り返す。
電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過した場合(S102→Yes)、軸受故障予兆診断手段12aの処理はステップS103に進む。一方、電動機74の駆動開始から所定時間ΔtAが経過していない場合(S102→No)、軸受故障予兆診断手段12aはステップS102の処理を繰り返す。
ステップS104において軸受故障予兆診断手段12aは、第1軸受74dの温度T1から第2軸受74eの温度T2を減算することで、温度差ΔTを算出する。前記したように、第1軸受74d及び第2軸受74eの両方が正常である場合、その温度差ΔTは略一定(例えば、5℃)に保たれる(図3(b)参照)。
ステップS107において軸受故障予兆診断手段12aは、ステップS104で算出した温度差ΔTが、前記した閾値ΔTβ(例えば、0℃)未満であるか否かを判定する。温度差ΔTが閾値ΔTβ未満である場合(S107→Yes)、軸受故障予兆診断手段12aの処理はステップS108に進む。
ステップS109において軸受故障予兆診断手段12aは、第1軸受74d及び第2軸受74eの両方が正常であると判定する。
なお、第1軸受74dの温度T1、及び第2軸受74eの温度T2が、それぞれ所定の閾値を超えているかを個別に判定する処理を追加し、その判定結果を加味して各軸受74d,74eの故障予兆の有無を診断するようにしてもよい。
また、電動機74の駆動開始後、第1軸受74d及び第2軸受74eの温度が略同じ傾向で変化し、その温度差ΔTは約5℃で保たれている(図7(a)参照)。つまり、温度差ΔTは、所定範囲G内(0℃≦ΔT≦10℃)で変化している。この場合、軸受故障予兆診断手段12aによって「各軸受74d,74eは正常である」と診断される(S109:図6参照)。
図8に示す例では、時刻t11に電動機74の駆動が開始された後(図8(b)参照)、第1軸受74dの温度T1は正常時(図7(a)参照)と同様に変化しているが、故障予兆が発生している第2軸受74eの温度上昇が途中から顕著になっている(図8(a)参照)。
そして、時刻t12以後では第2軸受74eの温度が第1軸受74dの温度を上回り、温度差ΔTが負の値になって所定範囲Gから外れている。この場合、軸受故障予兆診断手段12aによって「第2軸受74eに異常予兆あり」と診断される(S108:図6参照)。
本実施形態に係る軸受故障予兆診断装置1によれば、正常時には第1軸受74dと第2軸受74eとの温度差ΔTが所定範囲G内(ΔTβ≦ΔT≦ΔTα:図3(a)参照)で推移することを利用して、第1軸受74d及び第2軸受74eの故障予兆の有無を適切に診断できる。
第2実施形態に係る軸受故障予兆診断システムA(図9参照)は、第1実施形態と比較して、圧縮機211a等(機械設備)の稼動情報を統括管理センタ3で収集し、この稼動情報に基づいて各軸受74d,74eの故障予兆の有無を診断する点が異なるが、圧縮機211a等の構成については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る軸受故障予兆診断システムの構成図である。
軸受故障予兆診断システムAは、統括管理センタ3とユーザPC4とをネットワークN2を介して接続し、統括管理センタ3が有するサーバ群(図示せず)によって様々なサービスを提供するクラウド・コンピューティングのシステムになっている。
圧縮機211aの構成は、第1実施形態で説明した圧縮機211(図1参照)と同様である。なお、顧客仕様により圧縮機211a等の構成が異なる場合もある。
また、前記した「稼動情報」には、第1温度センサ11a(図2参照)及び第2温度センサ11b(図2参照)を含む各種センサの検出値と、制御手段72から圧縮機211aに出力される指令信号(例えば、運転/停止の指令、ロード運転/アンロード運転の指令)と、が含まれる。
以下では、任意の圧縮機について説明する場合、「圧縮機211」と記すものとする。
サービス用PC51は、圧縮機211の故障発生時にユーザPC4との間でネットワークN2を介して情報をやり取りするためのパソコンであり、サービス員によって操作される。
管理用PC52は、ネットワークN3を介して統括管理センタ3の各記憶手段303,304(図10参照)に格納されている情報を取得できるようになっている。なお、管理用PC52のディスプレイには圧縮機211に関する情報が表示され、これをサービス員が常時監視している。
図10は、軸受故障予兆診断システムが備える統括管理センタの構成図である。
図10に示すように、統括管理センタ3は、主に、通信手段301と、情報管理手段302と、稼動情報記憶手段303と、故障・保守情報記憶手段304と、軸受故障予兆診断手段305と、を備えている。
通信手段301は、プラント拠点21,22,23にそれぞれ設置された通信手段213,223,233(図9参照)から受信する暗号化された情報を復号化する機能を有している。
情報取得部302aは、圧縮機211の制御手段72(図1参照)から時々刻々と送信される稼動情報をネットワークN1を介して取得し、稼動情報記憶手段303に格納する。
また、「保守情報」は、圧縮機211の修理や点検作業を行った作業員によって、この作業員が所持する情報端末(図示せず)に入力される。保守情報は、作業員の操作に応じて、前記した情報端末から統括管理センタ3に送信される。
通信手段307は、ユーザPC4や認証サーバ6との間でネットワークN2を介して情報を送受信するための通信回線である。通信手段308は、サービスセンタ5との間でネットワークN3を介して情報を送受信するための通信回線である。
(稼動情報の取得処理)
図11は、稼動情報の取得処理に関わる処理を示すシーケンスである。
ステップS201において情報取得部302aは、ネットワークN1を介して圧縮機211の制御手段72(図2参照)に稼動情報の送信指令を送信する。
ステップS202において制御手段72は、前記した送信指令に対応する稼動情報を情報取得部302aに対して送信する。前記したように、「稼働情報」には、第1温度センサ11a(図2参照)及び第2温度センサ11b(図2参照)の検出値が含まれている。
また、ステップS201の処理を省略し、制御手段72が情報取得部302aに対して定期的に稼動情報を送信するようにしてもよい。
図12は、軸受の故障予兆診断処理に関わる処理を示すシーケンスである。
ステップS301において軸受故障予兆診断手段305は、稼動情報記憶手段303に記憶されている稼動情報の中から、例えば、過去1か月分の第1軸受74d及び第2軸受74eの温度情報を検索し、この温度情報を取得する(ステップS302)。
ステップS303において軸受故障予兆診断手段305は、各軸受74d,74eの故障予兆の有無を診断する(軸受故障予兆診断ステップ)。
ステップS3031において軸受故障予兆診断手段305は、第1軸受74dの温度T1及び第2軸受74eの温度T2が検出された各時刻における温度差ΔT(=T1−T2)を算出する。
なお、統括管理センタ3に登録されている圧縮機211の機種に応じて、前記した所定期間及び閾値Tα,Tβを異なる値に設定してもよい。
ステップS3033において軸受故障予兆診断手段305は、第1軸受74dに故障予兆ありと判定する。
ステップS3034において軸受故障予兆診断手段305は、温度差ΔTが閾値Tβ(図5(b)参照)未満の状態が所定期間以上継続したか否かを判定する。
ステップS3035において軸受故障予兆診断手段305は、第2軸受74eに故障予兆ありと判定する。
ステップS3036において軸受故障予兆診断手段305は、各軸受74d,74eが正常であると判定する。なお、第1軸受74d及び第2軸受74eの温度が所定の閾値を超えているかを個別に判定する処理を追加してもよい。
第1軸受74d又は第2軸受74eに故障予兆が生じた場合(S3033,S3035:図13参照)、ステップS305において軸受故障予兆診断手段305は、情報公開部302bに診断結果を通知する。前記した診断結果には、圧縮機211の識別情報と、各軸受74d,74eのうち故障予兆が生じた軸受を特定する情報と、が含まれる。
ステップS309において情報公開部302bは、ステップS305で通知された診断結果と、ステップS307で取得した稼動情報と、をユーザPC4にも送信する。
本実施形態に係る軸受故障予兆診断システムAによれば、統括管理センタ3の各記憶手段303,304に圧縮機211に関する膨大な時系列データ(稼動情報等)を格納し、この時系列データに基づいて各軸受74d,74eの故障予兆の有無を診断できる。
つまり、各軸受74d,74eの温度を長期間に亘って統括管理センタ3に収集し、例えば、過去一か月間に亘る各軸受74d,74eの温度差ΔTを用いて故障予兆の有無を高精度に診断できる。したがって、正常である各軸受74d,74eの温度差ΔTが一時的に大きくなった場合でも、「軸受の故障予兆あり」と誤診断してしまうことを防止できる。
第3実施形態は、第2実施形態と比較して、軸受故障予兆診断処理(図12のステップS303)の内容が異なるが、軸受故障予兆診断システムAの構成(図9、図10参照)、及び、軸受故障予兆に関するシーケンス(図12参照)は第2実施形態と同様である。したがって、第2実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図14は、軸受故障予兆診断処理の流れを示すフローチャートである。前記したように、図14の処理は、第2実施形態で説明したステップS303(図12参照)の処理に対応している。
ステップS3030において軸受故障予兆診断手段305(図10参照)は稼動情報記憶手段303を参照し、例えば、過去1か月において電動機74が駆動している時間帯での各軸受74d,74eの温度情報を抽出する。つまり、軸受故障予兆診断手段305は、電動機74が停止している時間帯の温度情報を診断対象から除外する。
ステップS3031において軸受故障予兆診断手段305は、電動機74の駆動中(ステップS3030で特定した時間帯)の各時刻における温度差ΔTを算出する。
ちなみに、ステップS3032の判定処理においてΔT>ΔTαの状態が所定期間(例えば、1週間)以上継続するとは、電動機74の駆動/停止が繰り返される前記所定期間中、電動機74が駆動している時間帯ではΔT>ΔTαになっていることを意味している(ΔT<ΔTβの場合についても同様)。
本実施形態では、電動機74が駆動中の期間における各軸受74d,74eの温度を用いて軸受故障予兆診断処理を行うようにした。これによって、各軸受74d,74eの温度差ΔTが小さくなる電動機74の停止中のデータを診断対象から除外し、第2実施形態よりも軸受故障予兆診断処理の精度を高めることができる。
以上、本発明に係る軸受故障予兆診断装置1及び軸受故障予兆診断システムAについて各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、圧縮機211(図1参照)がオイルフリースクリュー圧縮機である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、他の種類の圧縮機(ターボ式、ベーン式、ダイヤフラム式など)にも適用できる。また、前記実施形態では、統括管理センタ3の管理対象が圧縮機211である場合について説明したが、これに限らない。例えば、発電プラント、原子力プラント、水処理プラントに設置される機器等、電動機を備える他の種類の機械設備を管理対象としてもよい。
1 軸受故障予兆診断装置
11a 第1温度センサ(第1温度検出手段)
11b 第2温度センサ(第2温度検出手段)
12 管理用コンピュータ
12a 軸受故障予兆診断手段
12b 報知手段
211,211a,211b,221,231 圧縮機(機械設備)
71 圧縮機本体
72 制御手段
73 インバータ盤
74 電動機
74a 固定子
74b 回転子
74c 軸部材(回転軸部材)
74d 第1軸受
74e 第2軸受
302 情報管理手段
302a 情報取得部
302b 情報公開部
303 稼動情報記憶手段
304 故障・保守情報記憶手段
305 軸受故障予兆診断手段
N1 ネットワーク
Claims (5)
- 電動機の回転軸部材の一端側に設置される第1軸受の温度を検出する第1温度検出手段と、
前記回転軸部材の他端側に設置される第2軸受の温度を検出する第2温度検出手段と、
前記第1軸受及び前記第2軸受の故障予兆の有無を診断する軸受故障予兆診断手段と、を備え、
前記軸受故障予兆診断手段は、
前記第1温度検出手段によって検出される前記第1軸受の温度と、前記第2温度検出手段によって検出される前記第2軸受の温度と、の差が、前記第1軸受及び前記第2軸受の正常状態に基づいて設定される所定範囲から外れた場合、前記第1軸受又は前記第2軸受に故障予兆ありと診断し、
前記診断は、前記電動機の駆動開始時から所定時間が経過した後の前記第1温度検出手段及び前記第2温度検出手段の検出値に基づいて行われ、
前記所定時間は、前記第1軸受及び前記第2軸受が正常であると仮定した場合において、前記差が略一定の状態に達するまでの時間として、予め設定されていること
を特徴とする軸受故障予兆診断装置。 - 電動機を備える機械設備の時々刻々の稼動情報がネットワークを介して取得され、前記機械設備の識別情報と対応付けて格納される稼動情報記憶手段と、
前記稼動情報記憶手段に格納される前記稼動情報に基づいて、前記電動機の回転軸部材の一端側に設置される第1軸受、及び、前記回転軸部材の他端側に設置される第2軸受の故障予兆の有無を診断する軸受故障予兆診断手段と、を備え、
前記稼動情報には、前記第1軸受の温度を検出する第1温度検出手段の検出値と、前記第2軸受の温度を検出する第2温度検出手段の検出値と、が含まれ、
前記軸受故障予兆診断手段は、
前記第1温度検出手段によって検出される前記第1軸受の温度と、前記第2温度検出手段によって検出される前記第2軸受の温度と、の差が、前記第1軸受及び前記第2軸受の正常状態に基づいて設定される所定範囲から外れた場合、前記第1軸受又は前記第2軸受に故障予兆ありと診断し、
前記診断は、前記電動機の駆動開始時から所定時間が経過した後の前記第1温度検出手段及び前記第2温度検出手段の検出値に基づいて行われ、
前記所定時間は、前記第1軸受及び前記第2軸受が正常であると仮定した場合において、前記差が略一定の状態に達するまでの時間として、予め設定されていること
を特徴とする軸受故障予兆診断システム。 - 前記軸受故障予兆診断手段は、
前記差が前記所定範囲から外れる状態が所定期間以上継続した場合、前記第1軸受又は前記第2軸受に故障予兆ありと診断すること
を特徴とする請求項2に記載の軸受故障予兆診断システム。 - 前記稼動情報には、前記電動機が駆動しているか否かを示す駆動・停止情報が含まれ、
前記軸受故障予兆診断手段は、
前記駆動・停止情報を参照し、前記電動機の駆動中における前記第1軸受の温度、及び、前記第2軸受の温度を前記稼動情報記憶手段から抽出し、
抽出した前記第1軸受の温度、及び、前記第2軸受の温度を用いて前記差を算出すること
を特徴とする請求項3に記載の軸受故障予兆診断システム。 - 電動機を備える機械設備の時々刻々の稼動情報がネットワークを介して取得され、前記機械設備の識別情報と対応付けて稼動情報記憶手段に格納する稼動情報記憶ステップと、
前記稼動情報記憶手段に格納される前記稼動情報に基づいて、前記電動機の回転軸部材の一端側に設置される第1軸受、及び、前記回転軸部材の他端側に設置される第2軸受の故障予兆の有無を診断する軸受故障予兆診断ステップと、を含み、
前記稼動情報には、前記第1軸受の温度を検出する第1温度検出手段の検出値と、前記第2軸受の温度を検出する第2温度検出手段の検出値と、が含まれ、
前記軸受故障予兆診断ステップにおいて、
前記第1温度検出手段によって検出される前記第1軸受の温度と、前記第2温度検出手段によって検出される前記第2軸受の温度と、の差が、前記第1軸受及び前記第2軸受の正常状態に基づいて設定される所定範囲から外れた場合、前記第1軸受又は前記第2軸受に故障予兆ありと診断し、
前記診断は、前記電動機の駆動開始時から所定時間が経過した後の前記第1温度検出手段及び前記第2温度検出手段の検出値に基づいて行われ、
前記所定時間は、前記第1軸受及び前記第2軸受が正常であると仮定した場合において、前記差が略一定の状態に達するまでの時間として、予め設定されていること
を特徴とする軸受故障予兆診断方法。
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