(本発明の基礎となった知見)
上述のように、特許文献1には、測定対象者の嚥下動作に伴う喉頭動作音を測定、解析することで、食塊が食道を通過したか否かを判定する技術が開示されている。
しかし、この技術によって何らかの物体が動物の喉を通ったことを検知できたとしても、その物体が飼い主により与えられた餌なのかどうかについては判別できない。
また、特許文献2には、動物の口に近づく物体を検知すると、動物の嫌がる刺激(臭いや音)を出力する技術が開示されている。
しかし、この技術は動物が餌として許されていない物体を口に入れてしまうことを阻止することを目的としたものである。従って、動物が刺激に慣れたり耐えたりして物体を口に入れ、飲み込んでしまったとしても、そのことを検知することはできない。
このような課題を解決するために、本発明の一態様に係る誤飲検知装置は、動物の嚥下をセンシングする嚥下センシング部と、前記嚥下センシング部が出力するセンシングデータに基づいて嚥下を検知し、嚥下に関する情報である嚥下情報を出力する嚥下検知部と、前記動物の摂食に関する情報の入力を受け付け、摂食情報として出力する摂食情報入力部と、前記動物の誤飲を判定する誤飲判定部とを備え、前記誤飲判定部は、前記嚥下情報に含まれる日時情報と、前記摂食情報に含まれる日時情報とに基づいて、前記動物の誤飲を判定する。
このような構成により、動物の嚥下を検知した日時と、飼い主により入力された動物の摂食に関する情報に含まれる日時とを比較することで、動物の誤飲を検知することが可能となる。
また、例えば、誤飲検知装置は、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する通知部をさらに備えてもよい。
このような構成により、誤飲検知装置が動物の誤飲を検知したことを、飼い主に通知することが可能となる。
また、例えば、前記通知部は、光、音、文字、および画像のうち少なくともいずれか一つにより通知を行ってもよい。
このような構成により、誤飲が発生した事実を視覚的、聴覚的、または知覚的に飼い主に通知できる。
また、本発明の別の一態様に係る誤飲検知システムは、動物の誤飲を検知する誤飲検知装置と、前記動物の摂食に関する情報を受け付け、摂食情報として出力する摂食情報入力装置とを備える誤飲検知システムであって、前記誤飲検知装置は、前記動物の嚥下をセンシングする嚥下センシング部と、前記嚥下センシング部から出力されるセンシングデータに基づいて嚥下を検知し、嚥下に関する情報である第1の嚥下情報を出力する嚥下検知部と、前記動物の誤飲を判定する誤飲判定部と、前記摂食情報入力装置と通信を行う通信部とを備え、前記誤飲判定部は、前記第1の嚥下情報に含まれる日時情報と、前記摂食情報入力装置により入力され、前記通信部を通じて得られた摂食情報に含まれる日時情報とに基づいて、前記動物の誤飲を判定する。
このような構成により、動物の嚥下を検知した日時と、別途飼い主や摂食情報入力装置により入力された動物の摂食に関する情報に含まれる日時とを比較することで、動物の誤飲を検知することが可能となる。
また、例えば、前記誤飲検知装置は、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第1の通知部をさらに備えてもよい。
このような構成により、動物が誤飲したことを誤飲検知装置自身が飼い主に通知することが可能となる。
また、例えば、前記誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置とは独立した第2の通知部をさらに備え、前記第2の通知部は、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されと、前記誤飲検知装置が備える通信部と通信を行い、前記動物が誤飲したことをユーザに通知してもよい。
このような構成により、誤飲検知装置が動物の誤飲を検知したことを、例えば、飼い主が携帯する装置を通じて、飼い主に通知することが可能となる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置が、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第1の通知部をさらに備え、前記誤飲検知装置とは独立した第2の通知部であって、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記誤飲検知装置が備える通信部と通信を行い、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第2の通知部と、前記第1の通知部および前記第2の通知部のうち少なくとも一方により通知された誤飲通知が示す嚥下が、誤飲であるか否かを示すユーザの確認結果が入力される確認入力部とをさらに備えてもよい。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記確認入力部により入力された前記確認結果と、前記確認結果が入力された前記誤飲通知が示す嚥下の日時情報を含む第2の嚥下情報とが対応付けられた確認結果情報を記憶する確認結果記憶部をさらに備え、前記誤飲判定部は、前記第1の嚥下情報が示す第1の嚥下日時が前記摂食情報が示す摂食日時に対して所定の第1の時間範囲内にない場合、前記第1の嚥下日時に対して所定の第2の時間範囲内に、誤飲でないことを示す確認結果情報が前記確認結果記憶部に記憶されていれば、前記第1の嚥下情報が示す嚥下は誤飲でないと判定してもよい。
このような構成により、「本来誤飲ではないのに誤飲と検知してしまった」嚥下に対して飼い主が「誤飲ではない」と確認結果を入力した後は、摂食情報入力装置による摂食情報の入力がなくとも、およそ決まった時間帯に食事やおやつを与える限りは誤飲と判定されなくなる。そのため、飼い主に対して、必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置の位置を測位し、測位データを出力する位置測位部と、前記確認入力部により入力された確認結果と、前記確認結果が入力された際の前記誤飲検知装置の位置を含む第2の嚥下情報とが対応付けられた確認結果情報を記憶する確認結果記憶部をさらに備え、前記第1の嚥下情報は、嚥下の日時を示す第1の嚥下日時および嚥下の場所を示す第1の場所情報を含み、前記誤飲判定部は、前記第1の嚥下日時が前記摂食情報が示す摂食日時に対して所定の時間範囲内にない場合、前記第1の場所情報に対して所定の距離範囲内に誤飲でないことを示す確認結果情報が前記確認結果記憶部に記憶されていれば、前記第1の嚥下情報が示す嚥下は誤飲でないと判定してもよい。
このような構成により、飼い主が「誤飲ではない」と確認結果を入力した後は、摂食情報入力装置による摂食情報の入力がなくとも、およそ決まった場所で食事やおやつを与える限りは誤飲と判定されなくなる。そのため、飼い主に対して、必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置の位置を測位し、測位データを出力する位置測位部と、前記位置測位部からの測位データに基づき前記誤飲検知装置の位置を監視する位置監視部と、前記確認入力部により入力された確認結果と、前記確認結果が入力された際の嚥下の日時情報および前記誤飲検知装置の位置を示す確認結果入力位置を含む第2の嚥下情報とが対応付けられた確認結果情報を記憶する確認結果記憶部をさらに備え、前記位置監視部は、過去に誤飲であるとの確認結果が入力された際の確認結果入力位置から所定の距離範囲内に前記誤飲検知装置が入ったことを検知すると、前記第1の通知部および第2の通知部のうち少なくともいずれか一方は、前記動物が以前誤飲をした場所に近づいたことをユーザに通知してもよい。
このような構成により、飼い主が「誤飲した」との確認結果を入力したことのある場所に誤飲検知装置を装着した動物が近づくと、誤飲する可能性があることが飼い主に通知される。そのため、飼い主は、そのような場所に動物が近付いた時に、動物が誤飲しないよう注意を払うことが可能となる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置の位置を測位し、測位データを出力する位置測位部と、ユーザの位置を測位し、ユーザ測位データを出力するユーザ位置測位部をさらに備え、前記誤飲判定部は、嚥下が検知された時点での前記位置測位部が出力した前記測位データと、前記ユーザ位置測位部が出力した前記ユーザ測位データとに基づいて誤飲を判定してもよい。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置とユーザとの距離を測定し、距離データを出力する距離測定部をさらに備え、前記誤飲判定部は、嚥下が検知された時点での前記距離測定部が出力した距離データに基づいて誤飲を判定してもよい。
このような構成により、飼い主と、誤飲検知装置を装着する動物との間の距離が近ければ誤飲と判定されないため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置が、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第1の通知部をさらに備え、前記誤飲検知装置とは独立した第2の通知部であって、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記誤飲検知装置が備える通信部と通信を行い、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第2の通知部と、前記誤飲検知装置の近傍の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された画像を記憶する撮像画像記憶部とをさらに備え、前記第1の通知部および前記第2の通知部の少なくともいずれか一方は、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記動物が誤飲したことをユーザに通知するための誤飲通知に前記撮像画像記憶部に記憶された画像であって、前記誤飲が検知されてから過去一定期間の間に撮像された画像を含めてもよい。
このような構成により、飼い主が誤飲検知システムから誤飲通知を受けた際、誤飲検知の少し前の時点からの画像を確認することにより、飲み込んだものが食物だったのかどうかを確かめることが可能となる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置の近傍の画像を撮像する撮像部と、予め所定の画像の特徴量を記憶する画像特徴量記憶部と、前記撮像部により撮像された画像を解析して特徴量を抽出し、前記画像特徴量記憶部が記憶する特徴量と比較する画像特徴解析部とをさらに備え、前記誤飲判定部は、嚥下が検知された時点の所定時間前から前記撮像部により撮像された画像の前記特徴量と、前記画像特徴量記憶部に記憶された前記所定の画像の特徴量とに基づいて誤飲を判定してもよい。
このような構成により、嚥下検知の少し前の時点からの画像の中に、予め登録された飼い主や食物が写っていれば誤飲と判定されない。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置の近傍の匂いを測定する匂いセンシング部と、予め所定の匂いの特徴量を記憶する匂い特徴量記憶部と、前記匂いセンシング部から得られた匂いデータを解析して特徴量を抽出し、前記匂い特徴量記憶部が記憶する特徴量と比較する匂い特徴解析部とをさらに備え、前記誤飲判定部は、嚥下が検知された時点の所定時間前から前記匂いセンシング部により測定された匂いの前記特徴量と、前記匂い特徴量記憶部に記憶された前記所定の匂いの特徴量とに基づいて誤飲を判定してもよい。
このような構成により、嚥下検知の少し前の時点からの匂い情報の中に、予め登録された飼い主や食物の匂いに近い匂いがあれば誤飲と判定されない。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
また、例えば、誤飲検知システムは、前記誤飲検知装置とは独立した第2の通知部であって、前記誤飲判定部により前記動物が誤飲したと判定されると、前記誤飲検知装置が備える通信部と通信を行い、前記動物が誤飲したことをユーザに通知する第2の通知部をさらに備え、前記第1の通知部および第2の通知部は、光、音、文字、および画像のうち少なくともいずれか一つにより通知を行ってもよい。
このような構成により、誤飲検知装置が動物の誤飲を検知したことを、誤飲検知装置自身が飼い主に通知することが可能となる。または、誤飲検知装置が動物の誤飲を検知したことを、例えば、飼い主が携帯する装置を通じて、飼い主に通知することが可能となる。
また、例えば、誤飲検知装置において、前記嚥下センシング部は、前記動物の頚部に装着され、嚥下時に喉に発生する音を収音する収音センサであり、前記嚥下検知部は、前記収音センサから出力される音信号データを周波数分析することにより嚥下を検知してもよい。
また、例えば、誤飲検知装置において、前記嚥下センシング部は、前記動物の胸部および腹部のうち少なくともいずれか一方に装着され、嚥下時に食道および胃の少なくともいずれか一方に発生する音を収音する収音センサであり、前記嚥下検知部は、前記収音センサから出力される音信号データを周波数分析することにより嚥下を検知してもよい。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る誤飲検知装置は、動物の嚥下を検知し、嚥下が起こった日時と、飼い主により入力された動物の摂食に関する情報に含まれる日時とを比較する。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定するが、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定し、通知手段により動物が誤飲したことを飼い主に通知する。
図1は、実施の形態1に係る誤飲検知装置の外観を示すものである。
図1に示されるように、誤飲検知装置100は、動物に装着される首輪型本体部101と、収音センサ102と、入力装置103と、表示装置104とを備える。収音センサ102は、動物の頚部に密着して頚部における嚥下音を収音するよう、首輪型本体部101の内側(動物に接する側)に装備される。
入力装置103は、飼い主が動物に食事を与える際に、「これから動物に食事を与える」ことを誤飲検知装置100に入力するためのスイッチであり、首輪型本体部101の外側に装備される。入力装置103は例えばプッシュスイッチである。
表示装置104は、動物の周囲の人に「動物が誤飲した」ことを知らせるための表示装置である。表示装置104は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの部材で構成され、誤飲を通知する際には目立つように点滅制御される。
図2は、実施の形態1に係る誤飲検知装置100のハードウェア構成を示す図である。誤飲検知装置100は、CPU(中央処理装置)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、収音センサ102、入力装置103、及び表示装置104を備える。収音センサ102により得られた音データおよび入力装置103で入力された摂食情報は、RAM203に一旦蓄えられる。CPU201は誤飲を判定するためのプログラムをROM202から読み出して実行し、RAM203に蓄えられた音データと摂食情報に基づいて誤飲を判定する。CPU201はさらに誤飲であると判定すると、誤飲を通知するための表示を表示装置104で行うよう制御を行う。
図3は、実施の形態1に係る誤飲検知装置100の機能構成を示すブロック図である。誤飲検知装置100は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、摂食情報入力部303と、誤飲判定部304と、通知部305とを備える。嚥下センシング部301は図1および図2における収音センサ102に対応し、摂食情報入力部303は図1および図2の入力装置103に対応し、通知部305は図1および図2の表示装置104に対応する。また、嚥下検知部302および誤飲判定部304は、図2のCPU201が、ROM202に記憶された誤飲を判定するためのプログラムを実行することで実現される。
嚥下検知部302は、嚥下センシング部301で収音された音データに基づき、動物の嚥下、すなわち物体を飲み込んだことを検知する。物体を飲み込んだことを検知するための方法については公知の技術であるため、ここでは、詳細な説明は行わない。例えば、特許文献1に示されるように、嚥下センシング部301により喉頭動作音を収音し、得られた音データに対してウェーブレット変換などの周波数解析を行って食塊が食道を通過する音を抽出する手法が採用できる。
嚥下検知部302は、動物の嚥下を検知すると、嚥下情報を誤飲判定部304に出力する。図4は、嚥下情報の一例を示す図である。図4に示すように、嚥下情報は嚥下を検知した日時の情報で構成され、嚥下を検知する度に嚥下検知部302から誤飲判定部304に対して出力される。例えば、図4の嚥下情報401は、誤飲検知装置100を装着した動物が2013年3月18日13時48分32秒に嚥下を行ったことを表し、嚥下情報402は同じく2013年3月18日13時49分05秒に嚥下を行ったことを表し、嚥下情報403は同じく2013年3月18日14時08分18秒に嚥下を行ったことを表す。
飼い主は動物に食事を与える際に、誤飲検知装置100の摂食情報入力部303により「これから動物に食事を与えること」を入力する。具体的には、摂食情報入力部303(入力装置103)がプッシュスイッチにより構成される場合、飼い主はこのプッシュスイッチを押すだけで「これから動物に食事を与えること」を入力できる。摂食情報入力部303は飼い主による入力を受け付けると、摂食情報を誤飲判定部304に出力する。
誤飲判定部304は、嚥下検知部302から出力される嚥下情報に含まれる日時情報と、摂食情報入力部303から出力される摂食情報に含まれる日時情報とに基づいて、動物の誤飲を判定する。ここで、誤飲判定部304は、受け付けた嚥下情報及び摂食情報を例えば、RAM203に保存させておけばよい。
図5は、摂食情報の一例を示す図である。図5に示すように、摂食情報は、飼い主が動物に食事を与えると意図して摂食情報入力部303により入力を行った時の日時(摂食情報入力日時)の情報で構成される。例えば、図5の摂食情報501は、飼い主が摂食情報入力部303により2013年3月18日13時48分17秒に入力を行ったことを表す。
図6は、誤飲判定部304の動作の一例を示すフローチャートである。
誤飲判定部304は、嚥下情報が嚥下検知部302から出力されたかどうかを調べ(S601)、嚥下情報が嚥下検知部302から出力されると(S601でYes)、受け取った嚥下情報から嚥下日時を取得する(S602)。
次に、誤飲判定部304は、摂食情報入力部303から摂食情報が出力されたかどうか調べる(S603)。摂食情報が摂食情報入力部303から出力されていなければ(S603でNo)、誤飲判定部304は動物が誤飲したと判定し、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力する(S606)。摂食情報が摂食情報入力部303から出力されていれば(S603でYes)、摂食情報から摂食情報入力日時を取得する(S604)。つまり、S603では、摂食情報入力部303から摂食情報が一度も出力されていなければ、Noと判定され、摂食情報が1回以上出力されていれば、Yesと判定される。ここで、誤飲判定部304は、摂食情報入力部303から複数の摂食情報が出力されている場合は、最新の摂食情報を取得すればよい。
続いて、誤飲判定部304は、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内であるかどうかを調べる(S605)。そして、誤飲判定部304は、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内である場合(S605でYes)は誤飲ではないと判定し、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。一方、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内ではない場合(S605でNo)、誤飲判定部304は、誤飲であると判定し、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力し(S606)、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。
例えば、S605における所定の時間範囲を10分とし、図4の嚥下情報401〜403と、図5の摂食情報とが得られたとする。この場合、摂食情報501は、摂食情報入力日時が2013年3月18日13時48分17秒であることを示す。そのため、この時刻から10分後(2013年3月18日13時58分17秒)までの間は、誤飲判定部304は、嚥下が検知されても誤飲とは判定しない。図4の嚥下情報401、402はこの時間範囲内に入っているため、誤飲とは判定されない。しかし、図4の嚥下情報403はこの時間範囲内に入っていないため、誤飲判定部304は、この嚥下は誤飲であると判定し、通知部305を点滅させることで誤飲を通知する。
このように、実施の形態1に係る誤飲検知装置100では、動物の嚥下が検知され、嚥下が起こった日時と、飼い主により入力された動物の摂食に関する情報に含まれる日時とが比較され、それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定され、通知部305により飼い主や周囲の人に動物が誤飲したことを通知される。そのため、誤飲を精度良く検知できる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知装置100では、誤飲を通知する通知部305はLEDで構成され、LEDを点滅させることで通知を行うとしているが、これは一例にすぎない。例えば、LEDなどの発光部材の代わりにブザーやスピーカーなどの音響発生装置で通知部305を構成し、誤飲を音で通知してもよい。また、LEDなどの発光部材の代わりに液晶ディスプレイや有機EL(EL:Electro Luminescence)ディスプレイなどで通知部305を構成し、誤飲したことを表す文字や画像を表示することで誤飲を通知してもよい。さらには、通知部305は、光、音、文字、および画像表示の2つ以上を組み合わせることで誤飲を通知してもよい。
また、本実施の形態に係る摂食情報は、飼い主が動物に食事を与えると意図して摂食情報入力部303により入力を行った時の日時を示すとして説明したが、食事を与える予定日時を示すものであってもよい。
(実施の形態2)
図7は実施の形態2に係る誤飲検知システムの装置構成を示す図である。実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、動物が装着する誤飲検知装置700により動物の嚥下を検知し、嚥下が起こった日時と、誤飲検知装置700とは別の摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定されるが、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定される。そして、誤飲検知装置700の通知部305および誤飲検知装置700とは別の装置である通知装置702が飼い主に動物が誤飲したことを通知する。
この構成により、飼い主が動物と離れた場所にいる場合、例えば動物を自宅に置いて飼い主が外出した場合や、飼い主も動物も自宅にいるがそれぞれ異なる場所にいる場合などに、動物が誤飲したことを飼い主に知らせることができる。
図7に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置700と、摂食情報入力装置701と、通知装置702(第2の通知部の一例)とを備える。摂食情報入力装置701は、具体的には動物に対して自動的に給餌を行う自動給餌器であり、本体内部に蓄えられた餌を、飼い主が設定した時刻に設定した量で受け皿に出す装置である。摂食情報入力装置701は、公知の自動給餌器の装置構成に加え、動物が近づいてきたことを検知する近接センサ703と、図示しない通信部とを備える。ここで、通信部としては、誤飲検知装置700の通信部802と通信可能な通信装置で構成され、例えば、IEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズの無線通信装置が採用できる。
通知装置702は、具体的には携帯電話などの情報処理機器である。通知装置702は、図示しない通信部と、タッチパネル付液晶ディスプレイにより構成される表示部704とを備え、誤飲検知装置700からの誤飲の通知があると表示部704に誤飲を知らせる表示を行う。ここで、通知装置702の通信部も、摂食情報入力装置701の通信部と同様、誤飲検知装置700の通信部802と通信可能な通信装置で構成され、例えば、IEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズの無線通信装置が採用できる。
図8は、実施の形態2に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置700と、摂食情報入力装置701と、通知装置702とを備える。
誤飲検知装置700は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部801と、通知部305と、通信部802とを備える。嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、通知部305とについては実施の形態1に係る誤飲検知装置100における各部と同じであるため、説明を省略する。
誤飲判定部801は、嚥下検知部302から出力される嚥下情報(第1の嚥下情報の一例)に含まれる日時情報(第1の嚥下日時の一例)と、摂食情報入力装置701から出力され、通信部802を通じて取得した摂食情報に含まれる日時情報とに基づいて動物の誤飲を判定する。そして、誤飲判定部801は、誤飲を検知すると、動物の誤飲を飼い主に通知するための誤飲通知情報を通信部802を通じて通知装置702に送信する。なお、誤飲判定部801の動作の詳細については後ほど説明する。
通信部802は、摂食情報入力装置701の通信部(図略)及び通知装置702の通信部(図略)と通信する通信装置で構成され、例えば、IEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズの無線通信装置で構成される。
摂食情報入力装置701は、飼い主が設定した給餌時刻から所定時間内に、近接センサ703により動物の近接が検知されると、通信部(図略)を通じて摂食情報を誤飲検知装置700に送信する。
通知装置702は、誤飲検知装置700が誤飲を検知した場合に、誤飲検知装置700から通信部802を通じて送信される誤飲通知情報を受信し、その内容を表示部704に表示して飼い主に動物の誤飲を通知する。
図9は、誤飲通知情報901の一例を示す図である。図9に示すように、誤飲通知情報901は、誤飲と判定された嚥下が検知された日時の情報を含む。例えば、図9の誤飲通知情報901は、2013年3月18日14時08分18秒に検知された嚥下が誤飲と判定されたことを表す。
図10は、誤飲判定部801の動作の一例を示すフローチャートである。
誤飲判定部801の動作開始後、S601、S602、S604は、実施の形態1の動作の一例を示す図6のS601、S602、S604と同じであるため、説明を省略する。
S1001において、誤飲判定部801は、摂食情報入力装置701から摂食情報が出力されたかどうか調べる。摂食情報が摂食情報入力装置701から出力されていなければ(S1001でNo)、誤飲判定部801は処理をS1003に移行する。摂食情報が摂食情報入力装置701から出力されていれば(S1001でYes)、摂食情報から摂食情報入力日時を取得する(S604)。
S604において摂食情報から摂食情報入力日時を取得後、誤飲判定部801は、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内であるかどうかを調べる(S1002)。嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内である場合(S1002でYes)、誤飲判定部801は誤飲ではないと判定し、処理を嚥下情報の監視(S601)に戻す。嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内ではない場合(S1002でNo)、誤飲判定部801は誤飲であると判定する。そして、誤飲判定部801は、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力すると共に、誤飲を通知するための誤飲通知情報を、通信部802を通じて通知装置702に送信し(S1003)、処理を嚥下情報の監視(S601)に戻す。
図11は、誤飲通知情報を受信した通知装置702が表示する表示内容の一例を示す図である。図11に示すように、通知装置702は誤飲通知情報を受信すると、その内容に基づいて表示部704にポップアップ画像705を表示させ、飼い主に動物の誤飲を通知する。図11のポップアップ画像705は、図9に示す誤飲通知情報901に基づいて作成されたものである。ここで、図9に示す誤飲通知情報901には、「2013年3月18日14時08分18秒」と記載されている。そのため、通知装置702は、2013年3月18日14時08分18秒にペットが誤飲した可能性があることを示す文言が記載されたポップアップ画像705を作成している。
このように、実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、動物に装着される誤飲検知装置700により動物の嚥下が検知され、嚥下が起こった日時と、誤飲検知装置700とは別の摂食情報入力装置701により入力された摂食情報に含まれる日時とが比較され、それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定され、誤飲検知装置700の通知部305および誤飲検知装置700とは別の装置である通知装置702により、動物の誤飲が飼い主に通知される。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、摂食情報入力装置701は自動給餌器であるとして説明を行ったが、携帯電話などの情報処理機器であってもよい。これは、飼い主が自宅にいて、自動給餌器を使わず飼い主が自分で動物に食事を与える場合に有用な構成である。
この場合、摂食情報を通知するための専用のアプリケーションを情報処理装置に起動させ、情報処理装置のディスプレイに「これから動物に食事を与えること」を入力するための入力ボタンを表示させる。そして、動物に食事を与える直前に、飼い主にディスプレイに表示された入力ボタンを押させて誤飲検知装置700に摂食情報を出力させればよい。
また、通知装置702は、情報処理機器、特に携帯電話として説明したが、誤飲通知情報を受信して表示を行うという同様の機能を有する機器であれば、携帯電話に限らない。例えば、同様の機能を有するテレビ、パーソナルコンピュータ、或いはタブレット型情報端末で通知装置702は構成されてもよい。これにより、飼い主が自宅でテレビを見たり、パーソナルコンピュータやタブレット型端末を利用したりする間に、飼い主がいる場所と異なる場所で動物が誤飲を起こしたような場合でも、飼い主は動物の誤飲をすぐ知ることができる。
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。実施の形態3に係る誤飲検知システムは、誤飲通知を受けた飼い主が、実際に誤飲したかどうかの確認結果を入力する確認入力部1204と、確認入力部1204により入力された確認結果を記憶する確認結果記憶部1202とがさらに設けられている点を特徴とする。
嚥下検知部302が動物の嚥下を検知すると、嚥下が起こった日時と、誤飲検知装置1200とは別の摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とを比較する。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は、確認結果記憶部1202に記憶された過去の確認結果の中に、今回の嚥下の時刻と所定の時間範囲内にある「誤飲ではないと飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかが調べられる。該当する嚥下が存在する場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、該当する嚥下が存在しない場合は誤飲であると判定され、誤飲検知装置1200の通知部305および通知装置1203を通じて、動物が誤飲したことが飼い主に通知される。
実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、摂食情報入力装置701が自動給餌器であるような場合に、飼い主が自動給餌器によらず直接手で食事やおやつを動物に与えると、誤飲であると検知される。摂食情報入力装置701が携帯電話などの情報処理機器で構成した場合でも、食事やおやつを動物に与える前に摂食情報を飼い主が入力し忘れていると、誤飲であると検知される。そのため、飼い主は必要以上に誤飲通知を受けることが考えられる。
実施の形態3に係る誤飲検知システムは、上記のような「本来誤飲ではないのに誤飲と検知された」嚥下に対して、飼い主が「誤飲ではない」ことを示す確認結果を入力した後は、この嚥下を誤飲と判定しない。そのため、摂食情報入力装置701による摂食情報の入力がなくとも、およそ決まった時間帯に食事やおやつを与える限りは誤飲と判定されないため、飼い主は必要以上に誤飲通知を受けることが避けられる。
図12に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置1200と、摂食情報入力装置701と、通知装置1203とを備える。
誤飲検知装置1200は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部1201と、確認結果記憶部1202と、通知部305と、通信部802とを備える。嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、通知部305と、通信部802は実施の形態1および2に係る誤飲検知装置100および1200における各部と同じであるため、説明を省略する。誤飲判定部1201は、CPU201がROM202に記憶された誤飲を検知するためのプログラムを実行することで実現される。誤飲判定部1201は、今回検知された嚥下の時刻が摂食情報に含まれる時刻に対して所定の第1の時間範囲内でない場合であっても、確認結果記憶部1202に記憶された確認結果情報1401の中に、今回検知された嚥下の時刻に対して所定の第2の時間範囲内にある「非誤飲」の確認結果情報1401が存在すれば、今回検知された嚥下は誤飲ではないと判定する。誤飲判定部1201の動作の詳細については後ほど説明する。確認結果記憶部1202は、RAM203が対応する。確認結果記憶部1202は、確認結果情報(図14)を記憶する。確認結果情報の詳細は、後ほど説明する。これらのことは以下の実施の形態でも同じである。
摂食情報入力装置701は、実施の形態2に係る誤飲検知システムにおける摂食情報入力装置701と同じであるため、説明を省略する。
通知装置1203は、具体的には携帯電話などの情報処理機器である。通知装置1203は、図示しない通信部と、タッチパネル付液晶ディスプレイにより構成される表示部704と、飼い主が表示部704に表示される誤飲通知に対して確認結果を入力する確認入力部1204とを備える。
図13は、誤飲通知情報を受信した通知装置1203が表示する表示内容の一例を示す図である。表示部704は誤飲を飼い主に通知するための画像に加え、動物が実際に誤飲したかどうかの確認結果を飼い主に入力させるための確認入力用GUI(Graphical User Interface)1301を表示する。この確認入力用GUI1301は、確認入力部1204の一例である。確認入力用GUI1301には、「誤飲」と文字が記されたボタン1302と「誤飲ではない」と記されたボタン1303とが含まれる。誤飲通知を受けた飼い主は、動物が誤飲したかどうかを確認し、実際に誤飲であると確認した場合はボタン1302を操作する。一方、誤飲ではない場合、つまり飼い主が明示的に食べ物を与えたような場合、飼い主は、ボタン1303を操作する。
図14は、確認入力用GUI1301から入力された確認結果と、確認対象の嚥下に関する嚥下情報とを対応付けて記憶する際の情報単位である確認結果情報1401の一例を示す図である。図14に示すように、確認結果情報1401は、誤飲かどうかが飼い主により確認された嚥下が検知された日時の情報(第2の嚥下情報の一例)と、その嚥下に対する飼い主による確認結果の情報とを含む。例えば、図14の確認結果情報1401は、2013年3月18日14時08分18秒に検知された嚥下に対し、飼い主が「誤飲である」と確認したことを表す。飼い主が「誤飲ではない」と確認した場合、確認結果情報1401にはその嚥下日時とともに「非誤飲」という情報が記録される。
本実施の形態においては、確認結果情報1401は、飼い主が確認入力用GUI1301を操作した後に通知装置1203により生成され、誤飲検知装置1200に送信される。誤飲検知装置1200において受信された確認結果情報1401は、確認結果記憶部1202に記憶される。
図15は、確認結果記憶部1202に記憶される確認結果情報テーブルの一例を示す図である。図15に示すように、確認結果情報テーブルには、誤飲検知装置1200が受信した確認結果情報1401が、受信した順に記録されている。具体的には、確認結果情報テーブルには、確認済嚥下日時1501および確認結果1502のフィールドが含まれる。確認済嚥下日時1501のフィールドには、確認結果情報1401が記録する嚥下日時が記録され、確認結果1502のフィールドには、確認結果情報1401が記録する確認結果が記録されている。ここで、確認結果情報1401のうち、誤飲かどうかが飼い主により確認された嚥下日時を確認済嚥下日時と呼ぶことにする。
図16は、誤飲判定部1201の動作の一例を示すフローチャートである。
誤飲判定部1201の動作開始後、S601、S602、S604については、実施の形態1に係る誤飲検知装置100の動作の一例を示す図6のS601、S602、S604と同じであるため、説明を省略する。また、S1001については、実施の形態2に係る誤飲検知装置700における動作の一例を示す図10のS1001とほぼ同じであるため、説明を省略する。
S604において、摂食情報から摂食情報入力日時を取得後、誤飲判定部1201は、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内(第1の時間範囲の一例、例えば10分)であるかどうかを調べる(S1601)。嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内である場合(S1601でYes)、誤飲判定部1201は誤飲ではないと判定し、処理を嚥下情報の監視(S601)に戻す。一方、嚥下日時が摂食情報入力日時から所定の時間範囲内ではない場合(S1601でNo)、誤飲判定部1201は確認結果記憶部1202に記憶される確認結果情報テーブルを参照し、今回検知された嚥下の時刻から所定の時間範囲内(第2の時間範囲の一例)に、「非誤飲」を記録する確認結果情報1401が存在するかどうかを調べる(S1602)。該当する確認結果情報1401が存在する場合(S1602でYes)、誤飲判定部1201は、今回検知された嚥下は誤飲ではないと判定し、処理を嚥下情報の監視(S601)に戻す。該当する確認結果情報1401がない場合(S1602でNo)、誤飲判定部1201は、今回検知された嚥下は誤飲であると判定する。そして、誤飲判定部1201は、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力すると共に、誤飲を通知するための誤飲通知情報を、通信部802を通じて通知装置1203に送信し(S1003)、処理を嚥下情報の監視(S601)に戻す。
S1602の動作について、図17を用いて詳細に説明する。誤飲判定部1201は確認結果情報テーブルから、最初の確認結果情報1401を取得する(S1701)。次に、取得した確認結果情報1401に「非誤飲」が記録されているかどうかを調べる(S1702)。調べた結果、「非誤飲」が記録されている場合(S1702でYes)、誤飲判定部1201は、処理をS1703に移行する。一方、取得した確認結果情報1401に「誤飲」が記録されていれば(S1702でNo)、誤飲判定部1201は、処理をS1705に移行する。
S1703において、誤飲判定部1201は、確認結果情報1401に含まれる確認済嚥下時刻が、今回通知を受けた嚥下の時刻から所定の時間範囲内にあるかどうかを調べる。所定の時間範囲内である場合(S1703でYes)、誤飲判定部1201は、今回の嚥下時刻から所定時間範囲内に非誤飲と記録された確認結果情報1401が「存在する」と判定して(S1704)処理を終了する。この場合、S1602でYESと判定され、処理が嚥下の監視(S601)に戻される。つまり、今回検知された嚥下は誤飲でないと判定される。一方、所定の時間範囲内ではない場合(S1703でNo)、誤飲判定部1201は、処理をS1705に移行する。
S1705において、誤飲判定部1201は、確認結果情報テーブルに未取得の確認結果情報1401が残っているかどうか調べる。未取得の確認結果情報1401が残っていない場合(S1705でNo)、誤飲判定部1201は、今回の嚥下時刻から所定時間範囲内に非誤飲と記録された確認結果情報1401が「存在しない」と判定し(S1707)、処理を終了する。この場合、S1602でNoと判定され、処理がS1003に進められる。つまり、今回検知された嚥下は誤飲と判定される。
一方、未取得の確認結果情報1401が残っている場合(S1705でYes)、誤飲判定部1201は、確認結果情報テーブルから次の確認結果情報1401を取得し(S1706)、処理をS1702に移行し、処理を継続する。
例えば、確認結果記憶部1202に図15に示す確認結果情報テーブルが記憶され、2013年3月22日15時03分24秒に嚥下が検知され、摂食情報が入力されていない場合について考察する。また、S1602およびS1703における所定の時間範囲を15分とする。
上記日時に嚥下が検知されると、誤飲判定部1201は、この嚥下の時刻である15時03分24秒から所定の時間範囲(例えば、15分)内、つまり14時48分24秒(15時03分24秒の15分前の時刻)〜15時18分24秒(15時03分24秒の15分後の時刻)の間に発生し、かつ飼い主が「非誤飲」と確認した嚥下が過去に存在するかどうかを、確認結果情報テーブルを参照して調べる。図15の確認結果情報テーブルの1行目には、2013年3月17日15時12分06秒に起こった嚥下に対し、飼い主が「非誤飲」と確認したという結果が記録されている。この「非誤飲」と確認した嚥下の時刻である15時12分06秒は、上述の14時48分24秒〜15時18分24秒の範囲内にあるため(S1703でYes)、該当する嚥下が「存在する」と判定される(S1704)。したがって、誤飲判定部1201は、今回の嚥下が「誤飲ではない」と判定する。
このように、実施の形態3に係る誤飲検知システムは、誤飲検知を通知された飼い主が、実際に誤飲したかどうかの確認結果を入力する確認入力部1204と、確認入力部1204により入力された確認結果を記憶する確認結果記憶部1202をさらに備える。動物が装着する誤飲検知装置1200により動物の嚥下(物体を飲み込むこと)が検知され、嚥下が起こった日時と、摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は、確認結果記憶部1202に記憶された過去の確認結果の中に、今回の嚥下の時刻と所定の時間範囲内にある「誤飲ではないと飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかが調べられる。該当する嚥下が存在する場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、該当する嚥下が存在しない場合は誤飲であると判定され、誤飲検知装置1200の通知部305および通知装置1203により飼い主に動物が誤飲したことが通知される。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、確認結果記憶部1202は誤飲検知装置1200の内部に設けられているとして説明したが、誤飲検知装置1200の外部に設けられてもよい。例えば、確認結果記憶部1202は、通知装置1203の内部、摂食情報入力装置701の内部、あるいは別の情報処理装置(自宅あるいはインターネット上にあるサーバなど)に設けられていてもよい。
また、確認入力部1204の例として、確認入力用GUI1301を採用したが、確認入力部1204は別の形態で提供されてもよい。例えば、確認入力部1204は、通知装置1203上の表示部704とは独立した確認入力用スイッチで構成されてもよい。また、通知装置1203とは別の筐体に確認入力部1204が設けられてもよい。例えば、誤飲検知装置1200に確認入力用スイッチが設けられてもよい。
(実施の形態4)
図18は、実施の形態4に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。実施の形態4に係る誤飲検知システムは、実施の形態3で述べた構成に加え、誤飲検知装置1800の位置を測位する位置測位部1802をさらに備える点を特徴とする。
動物が装着する誤飲検知装置1800が動物の嚥下を検知すると、嚥下が起こった日時と、誤飲検知装置1800とは別の摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は、確認結果記憶部1803に記憶された過去の確認結果の中に、今回の嚥下のあった位置と所定の距離範囲内にある「誤飲ではないと飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかを調べられる。
該当する嚥下が存在する場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、該当する嚥下が存在しない場合は誤飲であると判定され、誤飲検知装置1800の通知部305および通知装置1203を通じて、飼い主に動物が誤飲したことが通知される。
実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、摂食情報入力装置701が自動給餌器であるような場合に、散歩などの外出時における決まった場所や、自宅内のおよそ決まった場所で、飼い主が自動給餌器によらず直接手で食事やおやつを動物に与えると、誤飲であると検知される。摂食情報入力装置701が携帯電話などの情報処理機器であるとした場合でも、食事やおやつを動物に与える前に摂食情報を入力し忘れていると、誤飲であると検知される。
本実施の形態4に係る誤飲検知システムによれば、飼い主が「誤飲ではない」と確認結果を入力した後は、摂食情報入力装置701による摂食情報の入力がなくとも、およそ決まった場所で食事やおやつを与える限りは誤飲と判定されない。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることが防止される。
図18に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置1800と、摂食情報入力装置701と、通知装置1203とを備える。
誤飲検知装置1800は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部1801と、位置測位部1802と、確認結果記憶部1803と、通知部305と、通信部802とを備える。嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、通知部305と、通信部802とは、実施の形態1および2に係る誤飲検知装置100および800における各部と同じであるため、説明を省略する。誤飲判定部1801は、嚥下検知部302で検知された嚥下の日時が、摂食情報が示す日時に対して所定の時間範囲内にない場合であっても、検知された嚥下の嚥下場所に対して所定の距離範囲内に誤飲でないことを示す確認結果情報が確認結果記憶部1803に記憶されていれば、検知された嚥下は誤飲でないと判定する。なお、誤飲判定部1801の動作の詳細については後ほど説明する。
位置測位部1802は、測位センサで構成され、本実施の形態においては測位センサはGPSセンサである。位置測位部1802は、誤飲検知装置1800の現在位置を測位し、測位データを誤飲判定部1801に出力する。
摂食情報入力装置701は、実施の形態2に係る誤飲検知システムにおける摂食情報入力装置701と同じであるため、説明を省略する。
図19は、通知装置1203が誤飲検知装置1800から受信する誤飲通知情報1901の一例を示す図である。図19に示すように、誤飲通知情報1901は、誤飲と判定した嚥下を検知した日時の情報と、誤飲と判定した嚥下を検知した時点における誤飲検知装置1800の位置の情報とを含む。例えば図19の誤飲通知情報1901は、2013年3月18日14時08分18秒に、北緯A度B分32秒、東経C度D分37秒の位置で検知した嚥下を誤飲と判定したことを示す。
通知装置1203は、この誤飲通知情報1901を受け取ると、誤飲に関する通知に加え、確認入力部1204として、動物が実際に誤飲したのかどうかを確認した結果を入力するための確認入力用GUI(Graphical User Interface)1301を表示部704上に表示する。表示内容の一例は図13に示した通りである。誤飲通知を受けた飼い主は、動物が誤飲したかどうかを確認し、実際に誤飲であると確認した場合は「誤飲」と文字が記されたボタン1302を操作する。一方、誤飲ではない場合、つまり飼い主が明示的に食べ物を与えたような場合、飼い主は「誤飲ではない」と文字が記されたボタン1303を操作する。
図20は、確認入力用GUI1301から入力された確認結果と、確認対象の嚥下に関する嚥下情報とを対応付けて記憶する際の情報単位である確認結果情報2001の一例を示す図である。図20に示すように、確認結果情報2001は、誤飲かどうかを確認した嚥下が検知された日時の情報と、その嚥下が検知された時点における誤飲検知装置1800の位置の情報(第2の嚥下情報の一例)と、その嚥下に対して飼い主が確認を行った結果の情報とを含む。例えば図20の確認結果情報2001は、2013年3月18日14時08分18秒に、北緯A度B分32秒、東経C度D分37秒の位置で検知された嚥下に対し、飼い主が「誤飲である」と確認したことを表す。飼い主が「誤飲ではない」と確認した場合、確認結果情報にはその嚥下日時、嚥下検知位置とともに「非誤飲」という情報が記録される。
本実施の形態においては、確認結果情報2001は、飼い主が確認入力用GUI1301を操作した後に通知装置1203において生成され、誤飲検知装置1800に送信される。誤飲検知装置1800において受信された確認結果情報2001は、確認結果記憶部1803に記憶される。
図21は、確認結果記憶部1803に記憶される確認結果情報のテーブルの一例を示す図である。図21に示すように、確認結果情報テーブルは、誤飲検知装置1800が受信した確認結果情報2001を、受信した順に記憶する。以下、記憶した確認結果情報のうち、誤飲かどうかを確認した嚥下の日時と位置とは、それぞれ確認済嚥下日時、確認済嚥下位置と呼ぶ。
図22は、誤飲判定部1801の動作の一例を示すフローチャートである。S2201およびS2202以外のステップについては、実施の形態3の動作の一例を示す図16における各ステップの動作と同じであるため、説明を省略する。
S2201では、誤飲判定部1801は、位置測位部1802からの測位データを一時的に記憶する。これは、後のステップで今回の嚥下を誤飲と判定した際に、動物が嚥下を行った時点における位置の情報を誤飲通知情報1901に埋め込むためである。
次に、S2202について説明する。S603でNo、またはS1601でNoと判定されると、誤飲判定部1801は確認結果記憶部1803に記憶される確認結果情報テーブルを参照し、今回嚥下が検知された際の誤飲検知装置1800の位置から所定の距離範囲内にある「誤飲ではない嚥下」に関する確認結果情報2001が存在するかどうかを調べる(S2202)。該当する確認結果情報2001が存在する場合(S2202でYes)、誤飲判定部1801は、誤飲ではないと判定し、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。該当する確認結果情報2001がない場合(S1601でNo)、誤飲判定部1801は、誤飲であると判定し、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力すると共に、誤飲を通知するための誤飲通知情報1901を、通信部802を通じて通知装置1203に送信し(S1003)、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。S1003において、誤飲判定部1801は、S602で取得された嚥下日時(第1の嚥下日時の一例)と、S2201で記憶された測位データ(第1の場所情報の一例)とを用いて、図19に示すような誤飲通知情報1901を生成する。
S2202の動作について、図23を用いて詳細に説明する。S2301以外のステップについては、実施の形態3の動作の一例を示す図17における各ステップの動作と同じであるため、説明を省略する。
S1702において、取得した確認結果情報の確認結果が「非誤飲」であると判定すると(S1702でYes)、誤飲判定部1801は、S2301において、確認結果情報2001に含まれる確認済嚥下位置が、今回通知を受けた嚥下の位置から所定の距離範囲内にあるかどうかを調べる。所定の距離範囲内である場合(S2301でYes)、誤飲判定部1801は、該当する嚥下が「存在する」と判定し(S1704)、処理を終了する。所定の時間範囲内ではない場合(S1702でNo)、誤飲判定部1801は、処理をS1705に移行する。
例えば、確認結果記憶部1803に図21に示す確認結果情報テーブルが記憶され、2013年3月22日15時03分24秒に、北緯A度E分14秒、東経C度F分23秒(ただしE≠B、F≠Dとする)の位置で嚥下が検知され、摂食情報が入力されていない場合について考察する。また、S2202およびS2301における所定の距離範囲を、緯度・経度共にプラスマイナス2秒とする。ここで、地球は完全な球体ではなく、1秒あたりの距離は測定する緯度経度により、さらには方向により異なるが、ここでは単純化のため1秒あたり30mと仮定した。したがって、所定の距離範囲はプラスマイナス60mである。
上記日時および位置で嚥下を検知すると、誤飲判定部1801は、この嚥下が検知された位置である北緯A度E分14秒、東経C度F分23秒から所定の時間範囲(プラスマイナス2秒)内、つまり北緯A度E分12秒〜北緯A度E分16秒および東経C度F分21秒〜東経C度F分25秒の範囲内で検知され、かつ飼い主が「非誤飲」と確認した嚥下が過去に存在するかどうかを、確認結果情報テーブルを参照して調べる。図21の確認結果情報テーブルの1行目の確認結果情報2001には、2013年3月18日14時08分18秒に起こった嚥下に対し、飼い主が「誤飲」と確認したという結果が記録されているため、非該当である。次に、確認結果情報テーブルの2行目の確認結果情報2001には、2013年3月21日19時45分52秒に、北緯A度E分15秒、東経C度F分24秒の位置で検知された嚥下に対し、飼い主が「非誤飲」と確認したという結果が記録されている。この「非誤飲」と確認した嚥下を検知した位置である北緯A度E分15秒、東経C度F分24秒は、上述の北緯A度E分12秒〜北緯A度E分16秒および東経C度F分21秒〜東経C度F分25秒の範囲内にある。そのため、誤飲判定部1801は、該当する嚥下が「存在する」ため、今回の嚥下が「誤飲ではない」と判定する。
このように、実施の形態4に係る誤飲検知システムは、実施の形態3で述べた構成に加え、誤飲検知装置1800の位置を測位する位置測位部1802をさらに備える。そして、動物が装着する誤飲検知装置1800により動物の嚥下が検知され、嚥下が起こった日時と、誤飲検知装置1800とは別の摂食情報入力装置701により入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定されるが、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は、確認結果記憶部1803に記憶された過去の確認結果の中に、今回の嚥下のあった位置と所定の距離範囲内にある「誤飲ではないと飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかが調べられる。該当する嚥下が存在する場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定されるが、該当する嚥下が存在しない場合は誤飲であると判定される。そして、誤飲検知装置1800の通知部305および誤飲検知装置1800とは別の装置である通知装置1203を通じて、飼い主に動物が誤飲したことが通知される。そのため、摂食情報入力装置701による摂食情報の入力がなくとも、およそ決まった場所で食事やおやつが与えられていれば、誤飲と判定されない。その結果、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、位置測位部1802はGPSセンサであるとして説明したが、これに限らず、例えばIEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズとして規格が策定される無線通信方式を用いて位置測位を行ってもよい。これにより、屋内でも誤飲検知装置1800の測位を行うことが期待できる。
また、本実施の形態では、図22において、S1601とS2202との間に図16のS1602の処理を含めても良い。この場合、今回検知された嚥下時刻が摂食情報が示す摂食日時に対して所定の時間範囲内にない場合であっても、今回検知された嚥下時刻に対して所定の時間範囲内に誤飲でないことを示す確認結果情報2001が確認結果記憶部1803に記憶されていれば、今回検知された嚥下は誤飲でないと判定される。
(実施の形態5)
図24は、実施の形態5に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。実施の形態5に係る誤飲検知システムは、実施の形態4で述べた構成に加え、誤飲検知装置2400の位置を監視する位置監視部2402をさらに備える点を特徴とする。
位置監視部2402は、位置測位部2401から測位データが入力され、確認結果記憶部1803に記憶された過去の確認結果情報2001の中に、現在の位置と所定の距離範囲内にある「誤飲であると飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかを調べる。該当する嚥下が存在する場合は、誤飲検知装置2400の通知部305および誤飲検知装置2400とは別の装置である通知装置1203により、動物が誤飲する可能性があることが飼い主に通知される。
動物の飼い主は、自宅内では誤飲しやすい物を動物の目が届かない場所にしまい込むことで、動物が誤飲しないよう気を配ることができるが、屋外や自宅外の屋内については飼い主の手が及ばないため、誤飲の可能性が高まる。場所によっては誤飲しやすい物が大量に存在する場合があるため、一度、誤飲を行った場所では飼い主は、再度誤飲しないよう事前に気をつける必要がある。本実施の形態5に係る誤飲検知システムによれば、飼い主が一度「誤飲した」との確認結果を入力したことのある場所に、誤飲検知装置2400を装着した動物が近づくと、誤飲する可能性があることが飼い主に通知される。そのため、飼い主はそのような場所に動物が近付いた時に、動物が誤飲しないよう注意を払うことができる。
図24に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置2400と、摂食情報入力装置701と、通知装置1203とを備える。
誤飲検知装置2400は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部1801と、位置測位部2401と、確認結果記憶部1803と、通知部305と、通信部802と、位置監視部2402とを備える。位置測位部2401および位置監視部2402以外のブロックについては、実施の形態4に係る誤飲検知システムの誤飲検知装置1800と同じであるため、説明を省略する。
位置測位部2401は、実施の形態4における位置測位部1802と同じく測位センサで構成され、本実施の形態においては測位センサはGPSセンサである。位置測位部2401は、誤飲検知装置2400の現在位置を測位し、測位データを誤飲判定部1801に出力すると共に、位置監視部2402にも出力する。
図25は、位置監視部2402の動作の一例を示すフローチャートである。
位置監視部2402は、位置測位部2401から現在位置の測位データを受信すると(S2501)、確認結果記憶部1803に記憶される確認結果情報テーブルを参照し、測位データで示される位置から所定の距離範囲内にある「誤飲である嚥下」に関する確認結果情報2001が存在するかどうかを調べる(S2502)。該当する確認結果情報2001が存在しない場合(S2502でNo)、誤飲判定部1801は、誤飲の可能性はないと判定し、測位データの受信待ち(S2501)に処理を戻す。該当する確認結果情報2001が存在する場合(S2502でYes)、誤飲判定部1801は、誤飲の可能性があると判定する。そして、誤飲判定部1801は、誤飲の可能性を通知するための信号を通知部305に出力すると共に、誤飲の可能性を通知するための誤飲可能性通知情報を、通信部802を通じて通知装置1203に送信し(S2503)、測位データの受信待ち(S2501)に処理を戻す。
例えば、確認結果記憶部1803に図21に示す確認結果情報テーブルが記憶され、誤飲検知装置2400が、2013年3月22日15時03分24秒に、北緯A度B分32秒、東経C度D分35秒(ただしB≠E、D≠Fとする)の位置にある場合について考察する。また、S2502における所定の距離範囲を緯度・経度共にプラスマイナス2秒とする。
誤飲検知装置2400の位置測位部2401は、位置監視部2402に対し、測位データ北緯A度B分32秒、東経C度D分35秒を出力する。位置監視部2402は、この測位データを受け取ると、この位置から所定の距離範囲(プラスマイナス2秒)内、つまり北緯A度B分30秒〜北緯A度B分34秒および東経C度D分33秒〜東経C度D分37秒の範囲内で検知され、かつ飼い主が「誤飲」と確認した嚥下が存在するかどうかを、確認結果情報テーブルを参照して調べる。図21の確認結果情報テーブルの1行目の確認結果情報2001には、北緯A度B分32秒、東経C度D分37秒において嚥下が検出され、飼い主が「誤飲」と確認したという結果が記録されている。この確認結果情報2001に含まれる位置は、上述の北緯A度B分30秒〜北緯A度E分34秒および東経C度D分33秒〜東経C度D分37秒の範囲内にあるため、位置監視部2402は、該当する嚥下が「存在する」と判定し、「誤飲の可能性がある」と判定する。
図26は、位置監視部2402が「誤飲の可能性がある」と判定し、誤飲可能性通知情報を受信した通知装置1203が表示する表示内容の一例を示す図である。図26に示すように、通知装置1203は誤飲可能性通知情報を受信すると、その内容に基づいて表示部704にポップアップ画像2601を表示することで、動物の誤飲の可能性を飼い主に通知する。このポップアップ画像2601には、「ペットの誤飲に気をつけてください」及び「以前誤飲した場所にペットが近づいています」との文言が記載されている。そのため、飼い主に動物の誤飲の可能性を認識させることができる。
このように、実施の形態5に係る誤飲検知システムは、実施の形態4で述べた構成に加え、誤飲検知装置2400の位置を監視する位置監視部2402をさらに備える。位置監視部2402は、位置測位部2401から測位データが入力されると、確認結果記憶部1803に記憶された過去の確認結果情報2001の中に、現在の位置と所定の距離範囲内にある「誤飲であると飼い主が確認した嚥下」が存在するかどうかを調べる。該当する嚥下が存在する場合、誤飲検知装置2400の通知部305および誤飲検知装置2400とは別の装置である通知装置1203により、動物が誤飲する可能性があることが飼い主に通知される。そのため、飼い主は過去に動物が誤飲した場所に、動物が近付いた時に、動物が誤飲しないよう注意を払うことが可能となる。
なお、誤飲可能性通知情報の内容については本実施の形態では特に規定せず、通知装置1203は、誤飲可能性通知情報を受信するとその内容に関わらず、図26に示すポップアップ画像2601を表示するものとした。そのため、誤飲可能性通知情報について図示による説明は行なっていない。しかし、本実施の形態はこれに限定されない。例えば、誤飲可能性通知情報に、誤飲検知装置2400の現在位置と、その位置から所定の距離範囲内にあり、飼い主が過去に「誤飲」と確認した嚥下のあった位置との距離に関する情報を含めてもよい。そして、通知装置1203は、この誤飲可能性通知情報に基づいて、両位置間の距離が表示されたポップアップ画像2601を表示部704に表示する。これにより、飼い主の注意をさらに喚起することができる。
(実施の形態6)
図27は、実施の形態6に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。実施の形態6に係る誤飲検知システムは、実施の形態4で述べた構成に加え、通知装置2702の位置を測位するユーザ位置測位部2703をさらに備える点を特徴とする。
嚥下検知部302が動物の嚥下を検知すると、誤飲判定部2701は、位置測位部1802から得られる測位データを一時的に記憶すると共に、通知装置2702に対して、通知装置2702の位置(つまり通知装置2702を持つ飼い主の位置)の測位データであるユーザ位置測位データを取得する要求を送信し、通知装置2702からユーザ位置測位データを取得する。次に、誤飲判定部2701は、動物の嚥下を検知した時点での測位データと、ユーザ位置データとに基づき、誤飲検知装置2700と通知装置2702との間の距離が所定の距離範囲内にあるかどうかを調べる。そして、誤飲判定部2701は、両装置間の距離が所定の距離範囲内にある場合は誤飲の可能性はないと判定し、所定の距離範囲内にない場合は誤飲の判定を引き続き行う。
実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、摂食情報入力装置701が自動給餌器であるような場合に、飼い主が自動給餌器によらず直接手で食事やおやつを動物に与えると、誤飲であると検知される。摂食情報入力装置701が携帯電話などの情報処理機器で構成した場合でも、食事やおやつを動物に与える前に摂食情報を入力し忘れていると、誤飲であると検知される。そのため、飼い主は必要以上に誤飲通知を受けることが考えられる。
実施の形態6に係る誤飲検知システムは、通知装置2702を持つ飼い主と、誤飲検知装置2700を装着する動物との間の距離が近ければ誤飲と判定しない。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
図27に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置2700と、摂食情報入力装置701と、通知装置2702とを備える。
誤飲検知装置2700は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部2701と、位置測位部1802と、確認結果記憶部1803と、通知部305と、通信部802とを備える。誤飲判定部2701以外の各部については実施の形態4に係る誤飲検知装置1800と同じであるため、説明を省略する。誤飲判定部2701の動作については後ほど説明する。
摂食情報入力装置701については、実施の形態2に係る誤飲検知システムにおける摂食情報入力装置701と同じであるため、説明を省略する。
通知装置2702は、具体的には携帯電話などの情報処理機器である。通知装置2702は、図示しない通信部と、タッチパネル付液晶ディスプレイにより構成される表示部704と、飼い主が表示部704に表示される誤飲通知に対して確認結果を入力する確認入力部1204と、通知装置2702の位置を測位するユーザ位置測位部2703とを備える。ユーザ位置測位部2703は測位センサで構成される。本実施の形態では、測位センサとしてGPSセンサが採用される。通知装置2702は、誤飲検知装置2700からの要求に応じて、ユーザ位置測位部2703で測位したユーザ位置測位データを誤飲検知装置2700に送信する。
図28は、誤飲判定部2701の動作の一例を示すフローチャートである。S2801およびS2802以外のステップについては、図6、図10、図22における各ステップと同じであるため、説明を省略する。
S2801では、誤飲判定部2701は通知装置2702に対して、ユーザ位置測位データの取得要求を通信部802を通じて送信し、通知装置2702から送信されたユーザ位置測位データを通信部802を通じて受信する。S2201において、誤飲判定部2701は、位置測位部1802により測位された測位データを一時的に記憶する。そして、誤飲判定部2701は、誤飲検知装置2700と通知装置2702とのそれぞれの測位データから、両装置間の距離が所定の距離範囲内にあるかどうかを調べる(S2802)。両装置間の距離が所定の距離範囲内にある場合(S2802でYes)、誤飲判定部2701は、誤飲の可能性はないと判定し、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。両装置間の距離が所定の距離範囲内にない場合(S2802でNo)、誤飲判定部2701は、今回検知された嚥下が誤飲であるかどうかの判定処理を継続する(S602以降)。
例えば、誤飲検知装置2700及び通知装置2702の測位データが図29Aおよび図29Bで示すような場合について考察する。また、S2802における所定の距離範囲を緯度・経度共に0.02秒(およそ60cm)とする。
図29Aでは、誤飲検知装置2700が嚥下を検知した際の位置が北緯A度B分32.08秒、東経C度D分37.06秒、その時の通知装置2702の位置が北緯A度B分32.51秒、東経C度D分37.05秒である。この時の両装置間の距離は、緯度方向0.43秒、経度方向0.01秒であるため、緯度方向の距離が所定の距離範囲0.02秒以内に収まらない。このため、誤飲判定部2701は引き続き誤飲の判定処理を継続する。
一方、図29Bでは、誤飲検知装置2700が嚥下を検知した際の位置が北緯A度B分32.08秒、東経C度D分37.06秒、その時の通知装置2702の位置が北緯A度B分32.09秒、東経C度D分37.05秒である。この時の両装置間の距離は、緯度方向0.01秒、経度方向0.01秒であるため、緯度・経度方向共に距離が所定の距離範囲0.02秒以内に収まる。従って、誤飲判定部2701は誤飲の可能性はないと判定する。
このように、実施の形態6に係る誤飲検知システムは、実施の形態4で述べた構成に加え、通知装置2702の位置を測位するユーザ位置測位部2703をさらに備える。動物が装着する誤飲検知装置2700により動物の嚥下が検知されると、誤飲判定部2701は位置測位部1802から得られる測位データを一時的に記憶すると共に、通知装置2702に対して、通知装置2702からの位置(つまり通知装置2702を持つ飼い主の位置)の測位データであるユーザ位置測位データを取得する要求を通知装置2702に送信し、通知装置2702からユーザ位置測位データを取得する。次に、誤飲判定部2701は、動物の嚥下を検知した時点での位置測位部1802の測位データと、通知装置2702から取得したユーザ位置データとに基づき、誤飲検知装置2700と通知装置2702との間の距離が所定の距離範囲内にあるかどうかを調べる。両装置間の距離が所定の距離範囲内にある場合、誤飲判定部2701は、誤飲の可能性はないと判定し、所定の距離範囲内にない場合は誤飲の判定を引き続き行う。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、位置測位部1802およびユーザ位置測位部2703はGPSセンサであるとして説明したが、これに限定されない。例えば、誤飲検知装置2700および通知装置2702の通信部として想定している無線通信(例えばIEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズとして規格が策定される無線通信方式による通信)を用いて位置測位を行ってもよい。あるいは、無線通信の電波強度によって、誤飲検知装置2700と通知装置2702(=それを持つユーザ)との距離を測定してもよい。これにより、屋内でも上記判定処理を行うことができる。
この場合の誤飲検知システムの構成は、例えば図40により構成すればよい。図40は、実施の形態6の変形例に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。
誤飲検知装置4000は、図27に示す誤飲検知装置2700において、位置測位部1802および通信部802に代えて距離測定部4001および通信部4002が設けられている。また、図27に示す通知装置2702からユーザ位置測位部2703が省かれている。
通信部4002は、例えば、IEEE802.11シリーズやIEEE802.15シリーズの規格に準拠する無線通信装置で構成される。
距離測定部4001は、通知装置2702から送信された電波であって通信部4002により受信された電波の強度を検知し、検知した電波の強度から誤飲検知装置4000および通知装置1203間の距離を、誤飲検知装置4000および通知装置2702を持つユーザ間の距離として計測する。そして、距離測定部4001は、計測した距離を誤飲判定部2701に通知する。ここで、距離測定部4001は、誤飲検知装置4000と通知装置2702との距離を定期的に計測すればよい。
また、距離測定部4001は、電波の強度と誤飲検知装置4000および通知装置1203間の距離との関係が予め規定された距離換算テーブルを保持しておき、この距離換算テーブルを用いて誤飲検知装置4000および通知装置1203間の距離を計測すればよい。
なお、誤飲検知装置4000および通知装置1203間の距離が上述の無線通信の規格の通信可能距離以上離れていれば、通信部4002は、電波の強度を距離測定部4001に通知できない。この場合、距離測定部4001は、例えば、誤飲検知装置4000および通知装置1203が通信圏外であることを示す情報を誤飲判定部2701に通知すればよい。
誤飲判定部2701は、嚥下検知部302により動物の嚥下が検知されると、検知された時刻から一定の期間内(ほぼ同時と見なせる期間、例えば1〜10秒)に距離測定部4001により測定された誤飲検知装置4000および通知装置2702間の距離が所定の距離範囲内にあれば、S2802でYESと判定し、所定の距離範囲内になければ、S2802でNoと判定する。
また、本実施の形態においては、飼い主の位置を測位するユーザ位置測位部2703は、通知装置2702が備えているとして説明したが、この構成に限定されない。例えば、通知装置2702とは別の装置であり、常時、飼い主が身に着けることができ、かつ、誤飲検知装置2700と通信を行うことのできる測位装置であれば、どのような装置であってもユーザ位置測位部2703として採用できる。
さらに、本実施の形態では説明を単純化するため、誤飲検知装置2700および通知装置2702の2地点間の距離を、緯度方向および経度方向で別々に求め、どちらの値も所定の距離範囲内にある場合に条件を満たすとしているが、2地点の緯度経度の値から、Hubenyの公式やLambert―Andoyerの公式などを用いて2地点間の距離を求めてもよい。
(実施の形態7)
図30は、実施の形態7に係る誤飲検知システムにおける誤飲検知装置3000の外観の一例を示す図である。図31は、実施の形態7に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。
実施の形態7に係る誤飲検知システムは、実施の形態2で述べた構成に加え、誤飲検知装置3000の周辺の画像を撮像する撮像部3001と、撮像部3001で撮像された画像を所定量分記憶する画像記憶部3102とをさらに備える点を特徴とする。
撮像部3001は、所定の時間間隔で静止画像を撮像し、画像記憶部3102に画像データを出力する。画像記憶部3102は出力された画像データを受け取ると、内部の記憶領域に画像データを記憶する。この時、記憶される画像データの数は所定の数を上限とし、画像データ数が上限に達した後に新たに画像データが入力された場合は、画像記憶部3102は一番古い画像データを破棄する。
嚥下検知部302が動物の嚥下を検知すると、嚥下が起こった日時と、摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合、誤飲判定部3101は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定する。一方、誤飲判定部3101は、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定し、誤飲検知装置3000の通知部305および通知装置702を通じて、動物が誤飲したことを飼い主に通知する。その際、誤飲判定部3101は、画像記憶部3102に記憶された画像データのうち、新しい順に所定数分の画像データを通信部802を通じて通知装置702に送信することで、通知装置702に「動物が誤飲した前後の画像」を表示させる。
本実施の形態7に係る誤飲検知システムによれば、誤飲検知システムから誤飲通知を受けた際、飼い主は誤飲検知の少し前の時点からの画像を確認することにより、動物が飲み込んだものが食物だったのかどうかを確かめることができる。また、飼い主は、この画像を獣医師に見せることで、獣医師に対して、どのような処置(吐かせるのがよいのか、内視鏡でとるか、など)を施すべきかの検討材料を提供できる。
図30に示されるように、誤飲検知装置3000は、動物に装着するための首輪型本体部101と、収音センサ102と、表示装置104と、撮像部3001とを備える。撮像部3001は、撮像レンズと撮像素子とを含み、画像を撮像して画像データを生成する。誤飲検知装置3000は、撮像部3001が動物から見て前方方向に向くよう動物に装着される。これにより、収音センサ102は動物の頚部に密着して頚部における嚥下音を収音できると共に、撮像部3001は動物が嚥下を行う直前の前方の画像を撮像することができる。なお、撮像レンズの光軸の向きは、動物が何らかの対象物をくわえようとした時に、その対象物が撮像素子で撮像されるよう調整されているものとする。
図31に示すように誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置3000と、摂食情報入力装置701と、通知装置702とを備える。
誤飲検知装置3000は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部3101と、通知部305と、通信部802と、撮像部3001と、画像記憶部3102とを備える。誤飲判定部3101、撮像部3001、画像記憶部3102以外の各部については実施の形態2に係る誤飲検知装置700と同じであるため、説明を省略する。誤飲判定部3101の動作については後ほど説明する。
撮像部3001は、所定の時間間隔で画像を撮像し、画像記憶部3102に画像データを出力する。本実施の形態においては、撮像部3001が画像を撮影する時間間隔は1秒とする。
画像記憶部3102は、撮像部3001から出力された画像データを受け取ると、内部の記憶領域に画像データを記憶する。画像記憶部3102が内部に記憶する画像データの数の上限は、本実施の形態においては、例えば20とする。
摂食情報入力装置701については、実施の形態2に係る誤飲検知システムにおける摂食情報入力装置701と同じであるため、説明を省略する。
通知装置702は、機能的には実施の形態2に係る誤飲検知システムにおける通知装置702と同じであるが、誤飲を通知する際の表示内容が実施の形態2と相違する。この表示内容については後ほど説明する。
図32は、誤飲通知情報3201の一例を示す図である。図32に示すように、誤飲通知情報3201には、誤飲と判定した嚥下を検知した日時の情報と、誤飲と判定した時点で画像記憶部3102に記憶されている画像データのうち、新しい順に所定数の画像データとが含まれる。本実施の形態7においては、誤飲通知情報に含められる画像データの数は例えば10とする。つまり、嚥下が検知された時点から10秒前までの画像データが誤飲通知情報3201として通知装置702に送信される。
図33は、誤飲判定部3101の動作の一例を示すフローチャートである。S3301およびS3302以外のステップについては、実施の形態2の動作を示す図10の各ステップと同じであるため、説明を省略する。
S1002においてNo、つまり誤飲であると判定すると、誤飲判定部3101は画像記憶部3102から、記憶順序が新しい順に所定数の画像データを取得する(S3301)。次に、誤飲判定部3101は、嚥下を検知した日時の情報と、S3301で取得した画像データとに基づいて誤飲通知情報3201を生成し、通信部802を通じて通知装置702に送信すると共に、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力する(S3302)。
図34は、誤飲通知情報を受信した通知装置702が表示するポップアップ画像3401の一例を示す図である。図34に示すように、通知装置702は、誤飲通知情報3201を受信すると、この誤飲通知情報3201を用いてポップアップ画像3401を生成し、表示部704に表示する。これにより、飼い主に動物の誤飲が通知される。図34の例では、図32に示す誤飲通知情報3201が記録する「2013年3月18日14時08分18秒」および画像データを含むポップアップ画像3401が表示されている。
具体的には、ポップアップ画像3401には、誤飲の発生した事実と誤飲が発生した日時との表示欄に加えて、更に、画像表示欄3402が設けられている。画像表示欄3402には、誤飲通知情報3201に含まれる画像データが表示される。画像表示欄3402の左右には一対のコマ送りボタン3403が設けられている。通知装置702は、飼い主により左側のコマ送りボタン3403が押されると、現在、画像表示欄3402に表示されている画像データに対して1コマ前の画像データを画像表示欄3402に表示させる。一方、通知装置702は、飼い主により右側のコマ送りボタン3403が押されると、現在、画像表示欄3402に表示されている画像データに対して1コマ後の画像データを画像表示欄3402に表示させる。よって、飼い主は、左右のコマ送りボタン3403を押すことで、嚥下が検知された時点から一定時間前までの期間における動物の嚥下に関する動作を確認できる。
また、通知装置702は、画像表示欄3402において飼い主が指を触れながら右方向にスライドすると、現在、画像表示欄3402に表示されている画像データに対して1コマ前の画像データを画像表示欄3402に表示させる。一方、通知装置702は、画像表示欄3402に対して飼い主が指を触れながら左方向にスライドすると、画像表示欄3402に表示されている画像データに対して1コマ後の画像データを画像表示欄3402に表示させる。よって、飼い主は、画像表示欄3402を指で触れながら左右に動かすことで、嚥下が検知された時点から一定時間前までの期間における動物の嚥下に関する動作を確認できる。図34の例では、画像表示欄3402には、ボタンの画像が表示されているため、飼い主は動物がボタンを誤飲したと判断できる。
このように、実施の形態7に係る誤飲検知システムは、実施の形態2で述べた構成に加え、誤飲検知装置3000の周辺の画像を撮像する撮像部3001と、撮像部3001で撮像された画像を所定量分記憶する画像記憶部3102とをさらに備える。動物に装着される誤飲検知装置3000により動物の嚥下が検知されると、嚥下が起こった日時と、摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定されるが、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲であると判定される。そして、誤飲検知装置3000の通知部305および誤飲検知装置3000とは別の通知装置702を通じて、動物の誤飲が飼い主に通知される。その際、画像記憶部3102に記憶された画像データのうち、新しい順に所定数分の画像データが誤飲検知装置3000から通知装置702に送信される。そして、通知装置702により「動物が誤飲した前後の画像」が表示される。これにより、飼い主は、動物が飲み込んだものが食物だったのかどうかを確かめることができる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、撮像部3001により撮像され、画像記憶部3102に記憶される画像は静止画像であるとして説明したが、動画像であってもよい。その場合、画像記憶部3102に記憶される画像の所定量は時間で定義されてもよい。例えば、所定量は、60秒分の動画像と規定される。
上記の場合、動画像データを誤飲通知情報3201に含めると誤飲通知情報3201のデータ量が大きくなり過ぎる可能性がある。そこで、誤飲通知情報3201には、動画像データに代えて動画像データのストリーミング再生用画像データの保存場所を示すURL(Uniform Resource Locator)を含ませればよい。そして、飼い主が通知装置702に対してURLへのアクセス指示を入力すると、誤飲検知装置3000は、そのURLに保存されているストリーミング再生用データを通知装置702に送信してもよい。さらに、画像記憶部3102は、誤飲検知装置3000とは別の情報処理機器(自宅あるいはインターネット上にあるサーバ機器など)で実現されてもよい。
また、本実施の形態において、誤飲判定部3101は、図12に示す誤飲判定部1201と同様、確認結果記憶部1803に記憶された確認結果情報を考慮して、誤飲の判定を行ってもよい。この場合、誤飲検知装置3000に図12に示す確認結果記憶部1202を更に設ければよい。
(実施の形態8)
図35は、実施の形態8に係る誤飲検知システムの機能構成を示すブロック図である。実施の形態8に係る誤飲検知システムは、実施の形態7で述べた構成に加え、画像データを解析して特徴量を抽出し、後述の画像特徴量記憶部3503に記憶される特徴量と比較する画像特徴解析部3502と、画像特徴量を記憶する画像特徴量記憶部3503とを更に備える点を特徴とする。
嚥下検知部302が嚥下を検知すると、誤飲判定部3501は、嚥下が起こった日時と、摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とを比較する。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合、誤飲判定部3501は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定する。一方、誤飲判定部3501は、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合、誤飲の可能性があると判定し、画像記憶部3102に記憶された画像データのうち、新しい順に所定数分の画像データを取得して、画像特徴解析部3502に出力する。画像特徴解析部3502は、それらの画像データを画像解析することで、画像データの特徴量を抽出する。そして、画像特徴解析部3502は、解析の結果得られた特徴量と、画像特徴量記憶部3503に予め記憶された特徴量とを比較し、比較結果を誤飲判定部3501に出力する。ここで、画像特徴解析部3502は、今回得られた特徴量が、画像特徴量記憶部3503に記憶されたいずれかの特徴量に等しいまたは差が十分小さければ、検知された嚥下は誤飲ではないと判定する。一方、画像特徴解析部3502は、両特徴量の差が十分小さくない場合、検知された嚥下は誤飲であると判定する。そして、誤飲判定部3501は、誤飲したとの比較結果を受け取ると、誤飲検知装置3500の通知部305および通知装置702を通じて、動物が誤飲したことを飼い主に通知する。
実施の形態2に係る誤飲検知システムでは、摂食情報入力装置701が自動給餌器であるような場合に、飼い主が自動給餌器によらず直接手で食事やおやつを動物に与えると、誤飲であると検知される。摂食情報入力装置701が携帯電話などの情報処理機器で構成された場合でも、食事やおやつを動物に与える前に摂食情報を入力し忘れていると、誤飲であると検知される。そのため、飼い主は必要以上に誤飲通知を受けることが考えられる。
実施の形態8に係る誤飲検知システムによれば、嚥下が検知された時点から少し前の時点までの期間に撮像された画像の中に、予め登録された飼い主や食物が写っていれば誤飲と判定されない。そのため、飼い主に対して、必要以上に誤飲通知が通知されることが防止される。
図35に示すように、誤飲検知システムは、動物に装着される誤飲検知装置3500と、摂食情報入力装置701と、通知装置702とを備える。
誤飲検知装置3500は、嚥下センシング部301と、嚥下検知部302と、誤飲判定部3501と、通知部305と、通信部802と、撮像部3001と、画像記憶部3102と、画像特徴解析部3502と、画像特徴量記憶部3503とを備える。誤飲判定部3501、画像特徴解析部3502、および画像特徴量記憶部3503以外の各部については実施の形態7に係る誤飲検知装置3000における各部と同じであるため、説明を省略する。誤飲判定部3501の動作については後ほど説明する。
画像特徴解析部3502は、誤飲判定部3501が画像記憶部3102から取得した所定数の画像データを受信し、各画像データを画像解析して画像特徴量を抽出する。具体的には、画像特徴解析部3502は、画像データに含まれるオブジェクトを検出し、検出したオブジェクトの特徴量を抽出する。オブジェクトの例としては、人間の顔や、食物など特定の物体がある。
なお、オブジェクトの特徴量を抽出する特徴量抽出技術と、コンテンツにオブジェクトが写っているかどうかを調べるオブジェクト領域検出技術とは公知であるため、詳細な説明は行わない。例えば、オブジェクトが顔である場合、顔の特徴量として両目の距離や鼻の幅などが特徴量として採用されてもよいし、顔表面の色や濃淡部分などのパターン分布が特徴量として採用されてもよい。また、顔領域の検出は、これらの特徴量を入力として、SVM(Support Vector Machine)やAdaboostなどの識別器を用いて行われてもよい。食物など特定の物体の特徴量の抽出についても同様である。
さらに、画像特徴解析部3502は、画像特徴量記憶部3503に記憶された特徴量を取得し、先ほど抽出した特徴量と比較し、両特徴量の値が等しいまたは差が十分小さい場合は、今回取得した画像データに記憶済のオブジェクトが写っていたという比較結果を誤飲判定部3501に出力する。一方、画像特徴解析部3502は、両特徴量の差が十分小さくない場合は、記憶済のオブジェクトが写っていなかったという比較結果を誤飲判定部3501に出力する。具体的な特徴量の比較方法としては、例えば、比較対象となる特徴量の距離を計算し、計算結果が所定値(同一のオブジェクトと見なせるほど小さい値)以内の値かどうかを判定する方法が採用できる。なお、特徴量がベクトルで表現されている場合、ベクトル間のユークリッド距離を特徴量の距離として計算する手法を採用すればよい。また、特徴量がスカラー表現されている場合、特徴量間の差分絶対値を特徴量の距離として計算する手法を採用すればよい。ただし、特徴量の距離の計算の手法はこれらの手法に限定されるものではない。
図36は、画像特徴量記憶部3503に記憶される画像特徴量テーブルの一例を示す図である。図36に示すように、画像特徴量テーブルは、予め登録されたオブジェクトの特徴量3602と、登録されたオブジェクトの種別3603(この例では「人間」又は「食物」)と、オブジェクトの名称3604とが、自動的に割り振られた特徴量ID3601と対応付けて記憶する。このオブジェクト登録の作業は、飼い主が本実施の形態に係る誤飲検知システムの利用開始に先立ち、自分あるいは自分の家族の顔や、動物に食べさせてもよい食物(餌やおやつ)の画像を撮影して行うことを想定している。
図37は、誤飲判定部3501の動作の一例を示すフローチャートである。S3701およびS3702以外のステップについては、実施の形態7の動作を示す図33の各ステップと同じであるため、説明を省略する。
S3301において画像記憶部3102から所定数の画像データを取得すると、誤飲判定部3501は、取得した画像データを画像特徴解析部3502に出力する(S3701)。そして、誤飲判定部3501は、画像データから抽出した特徴量と、画像特徴量記憶部3503に記憶された特徴量との比較結果が画像特徴解析部3502から送信されてくるのを待つ。そして、誤飲判定部3501は、比較結果を画像特徴解析部3502から受信すると(S3701)、その比較結果を調べ(S3702)、今回取得した画像データに記憶済のオブジェクトが写っていたか否かを判定する。今回取得した画像データに記憶済みのオブジェクトが写っていた場合(S3702でYes)、誤飲判定部3501は、誤飲ではないと判定し、嚥下情報の監視(S601)に処理を戻す。今回取得した画像データに記憶済のオブジェクトが写っていなかった場合(S3702でNo)、誤飲判定部3501は、誤飲と判定する。そして、誤飲判定部3501は、嚥下を検知した日時の情報と、S3301で取得した画像データとに基づいて誤飲通知情報3201を生成し、通知装置702に送信すると共に、誤飲を通知するための信号を通知部305に出力する(S3302)。
このように、実施の形態8に係る誤飲検知システムは、実施の形態7で述べた構成に加え、画像データを解析して特徴量を抽出し、画像特徴量記憶部3503に記憶される画像特徴量と比較する画像特徴解析部3502と、画像特徴量を記憶する画像特徴量記憶部3503とを更に備える。嚥下検知部302により動物の嚥下が検知されると、嚥下が起こった日時と、摂食情報入力装置701から入力された摂食情報に含まれる日時とが比較される。それらの日時が所定の時間範囲内にある場合は、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、それらの日時が所定の時間範囲内にない場合は誤飲の可能性があると判定され、画像記憶部3102に記憶された画像データのうち、新しい順から所定数分の画像データが取得され、それらの画像データが画像解析され、画像に含まれる特徴量が抽出される。そして、解析の結果得られた特徴量と、画像特徴量記憶部3503に予め記憶された特徴量とが比較され、今回得られた特徴量が、画像特徴量記憶部3503に記憶されたいずれかの特徴量に等しいまたは差が十分小さければ、検知された嚥下は誤飲ではないと判定される。一方、解析の結果得られた特徴量と画像特徴量記憶部3503に記憶されたいずれかの特徴量との差が十分小さくなければ、検知された嚥下は誤飲であると判定され、誤飲検知装置3500の通知部305および通知装置702を通じて、動物が誤飲したことが飼い主に通知される。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることを防止できる。
なお、本実施の形態に係る誤飲検知システムでは、予め登録されたオブジェクトの画像特徴量が誤飲の判定に用いられているが、画像特徴量ではなく匂い情報の特徴量が用いられてもよい。図38は、実施の形態8に係る誤飲検知システムの変形例の機能構成を示すブロック図である。
例えば、図38における誤飲検知装置3800は、本実施の形態における誤飲検知装置3500の撮像部3001、画像記憶部3102、画像特徴解析部3502、画像特徴量記憶部3503の代わりに、匂いセンシング部3802、匂い情報記憶部3803、匂い特徴解析部3804、および匂い特徴量記憶部3805が設けられている。
匂いセンシング部3802は、誤飲検知装置3800の近傍の匂いを測定する。ここで、匂いセンシング部3802は、例えば、誤飲検知装置3800の近傍の空気に含まれる1以上の匂い成分の濃度を検知し、匂い情報記憶部3803に出力する。なお、匂いセンシング部3802は、例えば、定期的(例えば1秒)に匂い情報を検知する。匂い情報記憶部3803は、出力された匂い情報を受け取ると、内部の記憶領域に匂い情報を記憶する。この時、記憶される匂い情報の数は所定の数を上限とし、匂い情報の数が上限に達した後に新たに匂い情報が入力された場合は、匂い情報記憶部3803は一番古い匂い情報を破棄する。
誤飲判定部3801は、誤飲判定部3501と同様にして、誤飲の可能性があると判定すると、匂い情報記憶部3803に記憶された匂い情報のうち、新しい順に所定数分の匂い情報を取得して、匂い特徴解析部3804に出力する。匂い特徴解析部3804は、それらの匂い情報を解析することで、匂い情報の特徴量を抽出する。そして、匂い特徴解析部3804は、解析の結果得られた特徴量と、匂い特徴量記憶部3805に予め記憶された特徴量とを比較し、誤飲の有無の比較結果を誤飲判定部3801に出力する。
ここで、誤飲判定部3801は、今回得られた特徴量が、匂い特徴量記憶部3805に記憶されたいずれかの特徴量に等しいまたは差が十分小さいとの比較結果を受け取れば、検知された嚥下は誤飲ではないと判定する。一方、誤飲判定部3801は、両特徴量の差が十分小さくないとの比較結果を受け取れば、検知された嚥下は誤飲であると判定する。そして、誤飲判定部3801は、誤飲したと判定すると、誤飲検知装置3800の通知部305および通知装置702を通じて、動物が誤飲したことを飼い主に通知する。
なお、匂い特徴解析部3804は、上記のSVMやAdaboost等の識別器を用いて匂い情報の特徴量を抽出すればよい。また、匂い特徴解析部3804は、画像特徴解析部3502と同様の手法を用いて、抽出した特徴量と、匂い特徴量記憶部3805に記憶されている特徴量とを比較すればよい。
匂い特徴量記憶部3805は、所定の匂いの特徴量を記憶する。ここで、匂い特徴量記憶部3805には、例えば、動物に与えられる食物の匂いや飼い主の匂いを示す1以上の匂い情報の特徴量が記憶されている。匂い特徴量記憶部3805のデータ構成は、画像特徴量記憶部3503のデータ構成と同様である。
このように誤飲検知装置3800では、嚥下が検知された時点から少し前までの期間の匂い情報が解析され、解析された匂い情報が予め登録された飼い主や食物の匂いに近い匂いを示す匂い情報であれば誤飲と判定されない。そのため、飼い主に対して必要以上に誤飲通知が通知されることが防止される。よって、図38に示す誤飲検知システムは図35に示す誤飲検知システムと同じ目的を達成することができる。
以上、本発明に係る誤飲検知装置および誤飲検知システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
なお、全ての実施の形態において、動物として主にペットを想定し、誤飲検知装置および誤飲検知システムはペットの誤飲を検知することを前提にして説明をした。但し、これは一例であり、動物としては、ペットに限られず人間(特に乳幼児)についても本実施の形態は適用可能である。図39は、動物として乳幼児を採用した場合の誤飲検知装置3900の外観構成を示す図である。図39に示す誤飲検知装置3900では、首輪型本体部101に代えてシャツ状の本体部3901が採用されている。ここで、本体部3901は、例えば、乳幼児が普段肌着として着用するロンパース等のシャツで構成されている。
本体部3901には体内の音を収音するための収音センサ3902が取り付けられている。ここで、収音センサ3902は、例えば、本体部3901を着用する人間の頚部、胸部、腹部のうち少なくともいずれかに密着する位置に取り付けられている。図39の例では、乳幼児の胸部に位置するように収音センサ3902は本体部3901に取り付けられている。
なお、図39の態様を採用する場合、図2に示すCPU201、ROM202、RAM203、入力装置103、及び表示装置104は、例えば、ワンチップ化して、本体部3901に取り付けられればよい。この場合、ワンチップ化されたチップ部及び収音センサ3902に無線LANやブルーツース(登録商標)等の通信回路を設けて通信可能に接続してもよいし、チップ部に収音センサ3902を設けてもよい。
或いは、収音センサ3902のみを本体部3901に取り付け、CPU201、ROM202、入力装置103、及び表示装置104は、例えば保護者が所有する携帯端末である通知装置702に内蔵されてもよい。この場合、例えば、図8において、嚥下検知部302、誤飲判定部801、通知部305、及び通信部802は、通知装置702に実装されればよい。
また、実施の形態2〜8における誤飲検知装置は、嚥下センシング部、嚥下検知部、通知部、誤飲判定部、通信部、その他様々な機能ブロックを有しているが、嚥下センシング部と通信部以外の機能ブロックとについては誤飲検知装置本体とは別の機器(自宅あるいはインターネット上にあるサーバなど)で実現されてもよい。
また、実施の形態2〜8における誤飲検知装置が備える通知部305および誤飲検知装置と独立した通知装置は、光、音、文字、画像表示のうちいずれか一つ、あるいはこれらを組み合わせて誤飲を通知してもよい。