本発明の好ましい実施形態の下記の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することにより、本発明をより容易に理解することができる。本明細書において使用される術語は、具体的な実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定を意図したものではないことを理解されたい。さらに、本明細書において具体的に定義されているのでない限り、本明細書において使用される術語には、関連技術分野において公知の通りのその慣習的な意味が与えられていることを理解されたい。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照物を含む。例えば、「a」置換基は、1つまたは複数の置換基を含む。
「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖基を含む飽和一価脂肪族炭化水素ラジカルを指す。アルキル置換基は、典型的には、1から20個の炭素原子(「C1〜C20アルキル」)、好ましくは1から12個の炭素原子(「C1〜C12アルキル」)、より好ましくは1から8個の炭素原子(「C1〜C8アルキル」)、または1から6個の炭素原子(「C1〜C6アルキル」)、または1から4個の炭素原子(「C1〜C4アルキル」)を含有する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等を含む。アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。特に、別段の定めがない限り、アルキル基は、1つまたは複数の、最大でアルキル部分上に存在する水素原子の総数のハロ基によって置換されてよい。故に、C1〜C4アルキルは、ハロゲン化アルキル基、例えばトリフルオロメチルまたはジフルオロエチル(すなわち、CF3および−CH2CHF2)を含む。
置換されていてもよいものとして本明細書において記述されているアルキル基は、別段の指示がない限り、独立に選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてよい。置換基の総数は、そのような置換が化学的に意味を為す程度まで、アルキル部分上の水素原子の総数と等しくてよい。置換されていてもよいアルキル基は、典型的には、1から6個までの任意選択の置換基、時に1から5個の任意選択の置換基、好ましくは1から4個までの任意選択の置換基、またはより好ましくは1から3個までの任意選択の置換基を含有する。
アルキルに好適な任意選択の置換基は、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリール、ハロ、=O(オキソ)、=S(チオノ)、=N−CN、=N−ORX、=NRX、−CN、−CORx、−CO2Rx、−CONRxRy、−SRx、−SORx、−SO2Rx、−SO2NRxRy、−NO2、−NRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxC(O)NRxRy、−NRxC(O)ORx、−NRxSO2Ry、−NRxSO2NRxRy、−ORx、−OC(O)Rxおよび−OC(O)NRxRyを含むがこれらに限定されず、ここで、各RxおよびRyは、独立に、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールもしくは5〜12員のヘテロアリールであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2または3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてよい3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、各RxおよびRyは、ハロ、=O、=S、=N−CN、=N−OR’、=NR’、−CN、−COR’、−CO2R’、−CONR’2、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2NR’2、−NO2、−NR’2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)NR’2、−NR’C(O)OR’、−NR’SO2R’、−NR’SO2NR’2、−OR’、−OC(O)R’および−OC(O)NR’2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、各R’は、独立に、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールまたはC5〜C12ヘテロアリールであり、ここで、各前記C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールは、本明細書においてさらに定義されている通りに置換されていてもよい。
アルキル上の典型的な置換基は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−O−C6〜C12アリール、−CN、=O、−COORx、−OC(O)Rx、−CONRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxRy、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールおよび3〜12員のヘテロシクリルを含み、ここで、各RxおよびRyは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したNと一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、ここで、各前記C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールおよび3〜12員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
いくつかの実施形態において、アルキルは、1個または複数の置換基によって、好ましくは1から3個の置換基によって置換されていてもよく、該置換基は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−O−C6〜C12アリール、−CN、=O、−COORx、−OC(O)Rx、−CONRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxRy、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールおよび3〜12員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、ここで、各RxおよびRyは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したNと一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、各前記C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールおよび3〜12員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
他の実施形態において、アルキルは、1個または複数の置換基によって、好ましくは、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NRxRy、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各RxおよびRyは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したNと一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
いくつかの場合において、置換アルキル基は、置換基を参照して具体的に命名されていてよい。例えば、「ハロアルキル」は、1個または複数のハロ置換基によって置換されている指定数の炭素原子を有するアルキル基を指し、典型的には、1〜6個の炭素原子および1、2または3個のハロ原子(すなわち、「C1〜C6ハロアルキル」)を含有する。故に、C1〜C6ハロアルキル基は、トリフルオロメチル(−CF3)およびジフルオロメチル(−CF2H)を含む。
同様に、「ヒドロキシアルキル」は、1個または複数のヒドロキシ置換基によって置換されている指定数の炭素原子を有するアルキル基を指し、典型的には、1〜6個の炭素原子および1、2または3個のヒドロキシ(すなわち、「C1〜C6ヒドロキシアルキル」)を含有する。故に、C1〜C6ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシメチル(−CH2OH)および2−ヒドロキシエチル(−CH2CH2OH)を含む。
「アルコキシアルキル」は、1個または複数のアルコキシ置換基によって置換されている指定数の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルコキシアルキル基は、典型的には、アルキル部中に1〜6個の炭素原子を含有し、1、2または3個のC1〜C4アルキオキシ(alkyoxy)置換基によって置換されている。そのような基は、本明細書において時にC1〜C4アルキオキシ−C1〜C6アルキルとして記述されている。
「アミノアルキル」は、そのような基について本明細書においてさらに定義されている通り、1個または複数の置換または非置換アミノ基によって置換されている指定数の炭素原子を有するアルキル基を指す。アミノアルキル基は、典型的には、アルキル部中に1〜6個の炭素原子を含有し、1、2または3個のアミノ置換基によって置換されている。故に、C1〜C6アミノアルキル基は、例えば、アミノメチル(−CH2NH2)、N,N−ジメチルアミノ−エチル(−CH2CH2N(CH3)2)、3−(N−シクロプロピルアミノ)プロピル(−CH2CH2CH2NH−cPr)およびN−ピロリジニルエチル(−CH2CH2−N−ピロリジニル)を含む。
「アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなる、本明細書で定義されている通りのアルキル基を指す。典型的には、アルケニル基は、2から20個の炭素原子(「C2〜C20アルケニル」)、好ましくは2から12個の炭素原子(「C2〜C12アルケニル」)、より好ましくは2から8個の炭素原子(「C2〜C8アルケニル」)、または2から6個の炭素原子(「C2〜C6アルケニル」)、または2から4個の炭素原子(「C2〜C4アルケニル」)を有する。代表的な例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−、2−または3−ブテニル等を含むがこれらに限定されない。アルケニル基は、非置換であってもよいし、またはアルキルに好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。
「アルキニル」は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなる、本明細書で定義されている通りのアルキル基を指す。アルキニル基は、2から20個の炭素原子(「C2〜C20アルキニル」)、好ましくは2から12個の炭素原子(「C2〜C12アルキニル」)、より好ましくは2から8個の炭素原子(「C2〜C8アルキニル」)、または2から6個の炭素原子(「C2〜C6アルキニル」)、または2から4個の炭素原子(「C2〜C4アルキニル」)を有する。代表的な例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−、2−または3−ブチニル等を含むがこれらに限定されない。アルキニル基は、非置換であってもよいし、またはアルキルに好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。
「アルキレン」は、本明細書において使用される場合、2つの他の基を一緒に連結することができる指定数の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基を指す。時に、アルキレンは、−(CH2)n−[ここで、nは1〜8であり、好ましくはnは1〜4である]を指す。定められている場合、アルキレンは他の基によって置換されていてもよく、1または複数度の不飽和(すなわち、アルケニレンまたはアルキンレン(alkynlene)部分)または環を含み得る。アルキレンの開放原子価は鎖の反対端にある必要はない。故に、−CH(Me)−および−C(Me)2−も、シクロプロパン−1,1−ジイル等の環式基およびエチレン(−CH=CH−)またはプロピレン(−CH2−CH=CH−)等の不飽和基のように、用語「アルキレン」の範囲内に含まれる。アルキレン基が置換されていてもよいとして記述される場合、置換基は、典型的には本明細書において記載されている通りのアルキル基上に存在するものを含む。
「ヘテロアルキレン」は、アルキレン鎖の1個または複数の不連続な炭素原子が、−N(R)−、−O−または−S(O)q−[ここで、RはHまたはC1〜C4アルキルであり、qは0〜2である]によって置きかえられている、上述した通りのアルキレン基を指す。例えば、基−O−(CH2)1〜4−は、対応するアルキレンの炭素原子の1つがOによって置きかえられている、「C2〜C5」−ヘテロアルキレン基である。
「アルコキシ」は、アルキル部が指定数の炭素原子を有する、一価の−O−アルキル基を指す。アルコキシ基は、典型的には、1から8個の炭素原子(「C1〜C8アルコキシ」)、または1から6個の炭素原子(「C1〜C6アルコキシ」)、または1から4個の炭素原子(「C1〜C4アルコキシ」)を含有する。例えば、C1〜C4アルコキシは、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH(CH3)2、−OC(CH3)3等を含む。そのような基は、本明細書において、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブチルオキシ等とも称されることがある。アルコキシ基は、非置換であってもよいし、アルキル部上で、アルキルに好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。特に、アルコキシ基は、1つまたは複数の、最大でアルキル部上に存在する水素原子の総数のハロ基によって置換されていてよい。故に、C1〜C4アルコキシは、ハロゲン化アルコキシ基、例えばトリフルオロメトキシおよび2,2−ジフルオロエトキシ(すなわち、−OCF3および−OCH2CHF2)を含む。
同様に、「チオアルコキシ」は、アルキル部が指定数の炭素原子を有し、アルキル部上で、アルキルに好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置きかえられていてもよい、一価の−S−アルキル基を指す。例えば、C1〜C4チオアルコキシは、−SCH3および−SCH2CH3を含む。
「シクロアルキル」は、シクロアルキル環の炭素原子を介して塩基分子と結合している単環式、架橋または縮合二環式または多環式環系であってよい、指定数の炭素原子を含有する非芳香族の飽和または部分不飽和炭素環式環系を指す。典型的には、本発明のシクロアルキル基は、3から12個の炭素原子(「C3〜C12シクロアルキル」)、好ましくは3から8個の炭素原子(「C3〜C8シクロアルキル」)を含有する。代表的な例は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエン、アダマンタン等を含む。シクロアルキル基は、非置換であっても、アルキルに好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。
シクロアルキル環の例証的な例は、
「シクロアルキルアルキル」は、アルキレンリンカー、典型的にはC1〜C4アルキレンを介して塩基分子と結合している、シクロアルキル環、典型的にはC3〜C8シクロアルキルについて記述するために使用され得る。シクロアルキルアルキル基は、炭素環式環およびリンカー中における炭素原子の総数によって記述され、典型的には、4〜12個の炭素原子を含有する(「C4〜C12シクロアルキルアルキル」)。故に、シクロプロピルメチル基はC4−シクロアルキルアルキル基であり、シクロヘキシルエチルはC8−シクロアルキルアルキルである。シクロアルキルアルキル基は、非置換であっても、シクロアルキルおよび/またはアルキレン部上で、アルキル基に好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。
用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環式」または「ヘテロ脂環式」は、本明細書において、N、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含む、指定数の環原子を含有する非芳香族の飽和または部分不飽和環系を指すために交換可能に使用され得、ここで、ヘテロ環式環は、CまたはNであってよい環原子を介して塩基分子と結合している。ヘテロ環式環を1つまたは複数の他のヘテロ環式または炭素環式環と縮合してよく、該縮合環は、飽和、部分不飽和または芳香族であってよい。好ましくは、ヘテロ環式環は、N、OおよびSから選択される1から4個のヘテロ原子、より好ましくは1から2個の環ヘテロ原子を環員として含有し、但し、そのようなヘテロ環式環は、2つの連続する酸素原子を含有しない。ヘテロシクリル基は、非置換であってもよいし、アルキル、アリールまたはヘテロアリール部分に好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって置換されていてもよい。加えて、環N原子は、アミンに好適な基、例えば、アルキル、アシル、カルバモイル、スルホニル置換基等によって置換されていてもよく、環S原子は、1または2個のオキソ基(すなわち、S(O)q、ここで、qは、0、1または2である)によって置換されていてもよい。好ましいヘテロ環は、本明細書における定義に従う3〜12員のヘテロシクリル基を含む。より好ましいヘテロ環は、本明細書における定義に従う4〜6員のヘテロシクリル基を含む。
飽和ヘテロ環式基の例証的な例は、
部分不飽和ヘテロ環式基の例証的な例は、
架橋および縮合ヘテロ環式基の例証的な例は、
オキソ基がNもしくはSに結合してニトロもしくはスルホニル基を形成する場合、またはトリアジン、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等のある特定のヘテロ芳香族環の事例を除き、通常、2個を超えるN、OまたはS原子が順次に結合していることはないことが理解される。
用語「ヘテロシクリルアルキル」は、所定の長さのアルキレンリンカーを介して塩基分子と結合している所定のサイズのヘテロ環式基を記述するために使用され得る。典型的には、そのような基は、C1〜C4アルキレンリンカーを介して塩基分子に結合している置換されていてもよい3〜12員のヘテロ環を含有する。そのように指示されている場合、そのような基は、アルキレン部上で、アルキル基に好適なものとして本明細書において記述されている同じ基によって、およびヘテロ環式部上で、ヘテロ環式環に好適なものとして記述されている基によって置換されていてもよい。
「アリール」または「芳香族」は、少なくとも1個の環が完全に共役したπ電子系を含有する、周知の芳香族性の特徴を有する置換されていてもよい単環式または縮合二環式または多環式環系を指す。典型的には、アリール基は、6から20個の炭素原子(「C6〜C20アリール」)、好ましくは6から14個の炭素原子(「C6〜C14アリール」)またはより好ましくは6から12個の炭素原子(「C6〜C12アリール」)を環員として含有する。縮合アリール基は、別のアリール環と縮合している、または飽和もしくは部分不飽和炭素環式もしくはヘテロ環式環と縮合しているアリール環(例えば、フェニル環)を含み得る。そのような縮合アリール環系上の塩基分子との結合点は、環系の芳香族部のC原子または非芳香族部のCもしくはN原子であってよい。アリール基の例は、限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルおよびテトラヒドロナフチルを含む。アリール基は、非置換であってもよいし、または本明細書においてさらに記述されている通りに置換されていてもよい。
同様に、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、指定数の環原子を含有し、芳香族環中にN、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を環員として含む、周知の芳香族性の特徴を有する単環式または縮合二環式または多環式環系を指す。ヘテロ原子の包含は、5員環および6員環における芳香族性を可能にする。典型的には、ヘテロアリール基は、5から20個の環原子(「5〜20員のヘテロアリール」)、好ましくは5から14個の環原子(「5〜14員のヘテロアリール」)、より好ましくは5から12個の環原子(「5〜12員のヘテロアリール」)を含有する。ヘテロアリール環は、ヘテロ芳香族環の環原子を介して塩基分子に結合するため、芳香族性は維持される。故に、6員のヘテロアリール環は、環C原子を介して塩基分子に結合することができ、一方、5員のヘテロアリール環は、環CまたはN原子を介して塩基分子に結合することができる。非置換ヘテロアリール基の例は、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアジン、ナフチリイジン(naphthryidine)およびカルバゾールを含むがこれらに限定されない。ヘテロアリール基は、非置換であってもよいし、または本明細書においてさらに記述されている通りに置換されていてもよい。
置換されていてもよいものとして本明細書において記述されているアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル部分は、別段の指示がない限り、独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてよい。置換基の総数は、そのような置換が化学的に意味を為し、アリールおよびヘテロアリール環の事例においては芳香族性が維持される程度まで、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル部分上の水素原子の総数と等しくてよい。置換されていてもよいアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は、典型的には、1から5個までの任意選択の置換基、時に1から4個の任意選択の置換基、好ましくは1から3個の任意選択の置換基、またはより好ましくは1から2個までの任意選択の置換基を含有する。
アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル環に好適な任意選択の置換基は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリール、ならびに、ハロ、=O、−CN、−CORx、−CO2Rx、−CONRxRy、−SRx、−SORx、−SO2Rx、−SO2NRxRy、−NO2、−NRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxC(O)NRxRy、−NRxC(O)ORx、−NRxSO2Ry、−NRxSO2NRxRy、−ORx、−OC(O)Rxおよび−OC(O)NRxRyを含むがこれらに限定されず、ここで、各RxおよびRyは、独立に、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールもしくは5〜12員のヘテロアリールであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、各RxおよびRyは、ハロ、=O、=S、=N−CN、=N−OR’、=NR’、−CN、−COR’、−CO2R’、−CONR’2、−SR’、−SOR’、−SO2R’、−SO2NR’2、−NO2、−NR’2、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)NR’2、−NR’C(O)OR’、−NR’SO2R’、−NR’SO2NR’2、−OR’、−OC(O)R’および−OC(O)NR’2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、各R’は、独立に、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アシル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールまたは5〜12員のヘテロアリールであり、各前記C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールは、本明細書においてさらに定義されている通りに置換されていてもよい。
典型的な実施形態において、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル環上での任意選択の置換は、1個または複数の置換基、好ましくは、ハロ、C1〜C8アルキル、−OH、C1〜C8アルコキシ、−CN、=O、−CORx、−COORx、−OC(O)Rx、−CONRxRy、−NRxC(O)Ry、−SRx、−SORx、−SO2Rx、−SO2NRxRy、−NO2、−NRxRy、−NRxC(O)Ry、−NRxC(O)NRxRy、−NRxC(O)ORy、−NRxSO2Ry、−NRxSO2NRxRy、−OC(O)Rx、−OC(O)NRxRy、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−O−(C3〜C8シクロアルキル)、−O−(3〜12員のヘテロシクリル)、−O−(C6〜C12アリール)および−O−(5〜12員のヘテロアリール)からなる群から独立に選択される1から3個の置換基を含み、ここで、各RxおよびRyは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはRxおよびRyは、それらが結合したNと一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、ここで、任意選択の置換基として記述されている、またはRxもしくはRyの一部である各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−O−(C3〜C8シクロアルキル)、−O−(3〜12員のヘテロシクリル)、−O−(C6〜C12アリール)および−O−(5〜12員のヘテロアリール)は、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)、−N(C1〜C4アルキル)2およびN−ピロリジニルからなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
単環式ヘテロアリール基の例証的な例は、
縮合環ヘテロアリール基の例証的な例は、
「アリールアルキル」基は、アルキレンまたは同様のリンカーを介して塩基分子と連結している本明細書において記載されている通りのアリール基を指す。アリールアルキル基は、環およびリンカー中における炭素原子の総数によって記述される。故に、ベンジル基はC7−アリールアルキル基であり、フェニルエチルはC8−アリールアルキルである。典型的には、アリールアルキル基は7〜16個の炭素原子(「C7〜C16アリールアルキル」)を含有し、ここで、アリール部は6〜12個の炭素原子を含有し、アルキレン部は1〜4個の炭素原子を含有する。そのような基は、−C1〜C4アルキレン−C6〜C12アリールとして表されることもある。
「ヘテロアリールアルキル」は、アルキレンリンカーを介して塩基分子に結合している上述した通りのヘテロアリール基を指し、芳香族部分の少なくとも1個の環原子がN、OおよびSから選択されるヘテロ原子である点で、「アリールアルキル」とは異なる。ヘテロアリールアルキル基は、本明細書において、時に置換基を除く合わせた環およびリンカー中における非水素原子(すなわち、C、N、SおよびO原子)の総数によって記述されている。故に、例えば、ピリジニルメチルは「C7」−ヘテロアリールアルキルと称されることがある。典型的には、非置換ヘテロアリールアルキル基は、6〜20個の非水素原子(C、N、SおよびO原子を含む)を含有し、ここで、ヘテロアリール部は典型的には5〜12個の原子を含有し、アルキレン部は典型的には1〜4個の炭素原子を含有する。そのような基は、−C1〜C4アルキレン−5〜12員のヘテロアリールとして表されることもある。
同様に、「アリールアルコキシ」および「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアルキレンリンカー(すなわち、−O−アルキレン−)を介して塩基分子に結合しているアリールおよびヘテロアリール基を指し、該基は、合わせた環およびリンカー中における非水素原子(すなわち、C、N、SおよびO原子)の総数によって記述される。故に、−O−CH2−フェニルおよび−O−CH2−ピリジニル基は、それぞれC8−アリールアルコキシおよびC8−ヘテロアリールアルコキシ基と称されるであろう。
アリールアルキル、アリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロアリールアルコキシ基が置換されていてもよいとして記述される場合、置換基は、基の二価のリンカー部のいずれか上またはアリールもしくはヘテロアリール部上にあってよい。アルキレンまたはヘテロアルキレン部上に存在していてもよい置換基は、概してアルキルまたはアルコキシ基について上述したものと同じであり、一方、アリールまたはヘテロアリール部上に存在していてもよい置換基は、概してアリールまたはヘテロアリール基について上述したものと同じである。
「ヒドロキシ」は−OH基を指す。
「アシルオキシ」は、アルキル部が指定数の炭素原子(典型的にはC1〜C8、好ましくはC1〜C6またはC1〜C4)を有し、アルキルに好適な基によって置換されていてもよい、一価の基−OC(O)アルキルを指す。故に、C1〜C4アシルオキシは、−OC(O)C1〜C4アルキル置換基、例えば−OC(O)CH3を含む。
「アシルアミノ」は、アルキル部が指定数の炭素原子(典型的にはC1〜C8、好ましくはC1〜C6またはC1〜C4)を有し、アルキルに好適な基によって置換されていてもよい、一価の基、−NHC(O)アルキルまたは−NRC(O)アルキルを指す。故に、C1〜C4アシルアミノは、−NHC(O)C1〜C4アルキル置換基、例えば−NHC(O)CH3を含む。
「アリールオキシ」または「ヘテロアリールオキシ」は、置換されていてもよい−O−アリールまたは−O−ヘテロアリールを指し、各場合において、アリールおよびヘテロアリールは本明細書においてさらに定義されている通りである。
「アリールアミノ」または「ヘテロアリールアミノ」は、置換されていてもよい−NH−アリール、−NR−アリール、−NH−ヘテロアリールまたは−NR−ヘテロアリールを指し、各場合において、アリールおよびヘテロアリールは本明細書においてさらに定義されている通りであり、Rは、アミンに好適な置換基、例えば、アルキル、アシル、カルバモイルまたはスルホニル基等を表す。
「シアノ」は−C≡N基を指す。
「非置換アミノ」は、基−NH2を指す。アミノが置換されているまたは置換されていてもよいとして記述される場合、該用語は、形態−NRxRyの基を含み、ここで、それぞれまたはRxおよびRyは、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アシル、チオアシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであり、各場合において、指定数の原子を有し、本明細書において記載されている通りに置換されていてもよい。例えば、「アルキルアミノ」は、RxおよびRyの一方がアルキル部分であり、他方がHである基−NRxRyを指し、「ジアルキルアミノ」は、RxおよびRyの両方がアルキル部分である−NRxRyを指し、ここで、該アルキル部分は指定数の炭素原子(例えば、−NH−C1〜C4アルキルまたは−N(C1〜C4アルキル)2)を有する。典型的には、アミン上のアルキル置換基は、1から8個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子、またはより好ましくは1から4個の炭素原子を含有する。該用語は、RxおよびRyが、それらが結合したN原子と一緒になって、3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリール環を形成し、そのそれぞれは、それ自体がヘテロシクリルまたはヘテロアリール環について本明細書において記載されている通りに置換されていてもよく、N、OおよびSから選択される1から3個の追加のヘテロ原子を環員として含有し得、但し、そのような環は2個の連続する酸素原子を含有しない形態も含む。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード(F、Cl、Br、I)を指す。好ましくは、ハロはフルオロまたはクロロ(FまたはCl)を指す。
「ヘテロ形態」は、時に、本明細書において、例えば、アルキル、アリールまたはアシル等の基の誘導体を指すために使用され、指定された炭素環式基の少なくとも1個の炭素原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子によって置きかえられている。故に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリールおよびアリールアルキルのヘテロ形態は、それぞれ、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアシル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルである。オキソ基がNまたはSと結合してニトロまたはスルホニル基を形成している場合を除き、通常、2個を超えるN、OまたはS原子が順次に結合していることはないことが理解される。
「任意選択の(optional)」または「任意選択により(optionally)」は、その後に記述されている事象または状況が起こり得るが必要ではないことを意味し、該記述は、事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含む。
用語「置換されていてもよい(optionally substituted)」および「置換または非置換」は、記述されている特定の基が非水素置換基を有し得ないこと(すなわち、非置換)、または該基が1個もしくは複数の非水素置換基を有し得ること(すなわち、置換)を指示するために交換可能に使用され得る。特記されない限り、存在し得る置換基の総数は、そのような置換が化学的に意味を為す程度まで、記述されている基の非置換形態上に存在しているH原子の数と等しい。オキソ(=O)置換基等、任意選択の置換基が二重結合を介して結合している場合、該基が2つの利用可能な原子価を占有するため、含まれ得る他の置換基の総数は2つ低減される。任意選択の置換基が代替物のリストから独立に選択される場合、選択される基は同じであっても異なっていてもよい。
一態様において、本発明は、式(I)の化合物:
または薬学的に許容できるその塩
[式中、
Uは、NまたはCR
3であり、
Vは、NまたはCR
4であり、
Wは、NまたはCR
5であり、
R
1は、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
21によって置換されていてもよく、
R
2は、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはC
1〜C
8アルコキシであり、ここで、前記C
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
22によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
32によって置換されていてもよく、
R
3は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
23によって置換されていてもよく、
R
4は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR
11および−NR
7R
8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシまたはC
3〜C
8シクロアルキルは、1個または複数のR
24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR
11は、1個または複数のR
34によって置換されていてもよく、
R
5は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
25によって置換されていてもよく、
R
6は、HまたはC
1〜C
4アルキルであり、
各R
7およびR
8は、独立に、HもしくはC
1〜C
8アルキルであり、ここで、前記C
1〜C
8アルキルは、1個または複数のR
27によって置換されていてもよいか、または
R
7およびR
8は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
37によって置換されていてもよく、
各R
21、R
22、R
23およびR
25は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CNおよび−NR
9R
10からなる群から独立に選択され、
各R
24およびR
27は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NR
9R
10、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
9およびR
10は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
9およびR
10は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
R
11は、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
32、R
34およびR
37は、ハロ、C
1〜C
8アルキル、−CN、=O、−COR
c、−CO
2R
c、−CONR
cR
d、−OR
c、−SR
c、−SOR
c、−SO
2R
c、−SO
2NR
cR
d、−NO
2、−NR
cR
d、−NR
cC(O)R
d、−NR
cC(O)NR
cR
d、−NR
cC(O)OR
d −NR
cSO
2R
d、−NR
cSO
2NR
cR
d、−OC(O)R
c、−OC(O)NR
cR
d、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
各R
cおよびR
dは、H、C
1〜C
8アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、または
R
cおよびR
dは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、
ここで、R
32、R
34、R
37、R
cおよびR
d中の各前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよく、
XおよびZは、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、ハロ、CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b −OR
a、−OC(O)R
aまたは−OC(O)NR
aR
bからなる群から独立に選択され、
ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリール基は、ハロ、−CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a −NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−OR
a、−OC(O)R
a、−OC(O)NR
aR
b、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
aおよびR
bは、独立に、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、各前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C
1〜C
4アルキル、−OR”、−NR”
2、−CO
2R”、−CONR”
2、−SO
2R”および−SO
2NR”
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R”は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
aおよびR
bは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
Yは、H、ハロ、−OHまたはC
1〜C
4アルコキシである]
を提供する。
式(I)の化合物において、それぞれまたはU、VおよびWは、Nおよび置換炭素原子(すなわち、それぞれCR3、CR4およびCR5)から独立に選択され、そのため、U、VおよびWを含有するコア環は、様々にフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニルまたはトリアジニル環であってよい。式(I)のいくつかの実施形態において、U、VおよびWのうち2個を超えてNであることはない。式(I)の他の実施形態において、U、VおよびWのうち1個を超えてNであることはない。式(I)の他の実施形態において、U、VおよびWのうち2個がNである。式(I)の他の実施形態において、U、VおよびWのうち1個がNである。またさらなる実施形態において、U、VおよびWのいずれもNではない。
式(I)の一実施形態において、UはCR3であり、VはCR4であり、WはCR5であり、そのため、U、VおよびWを含有する環は、フェニル環である。いくつかのそのような実施形態において、R3は、HまたはF、好ましくはHである。他のそのような実施形態において、R5は、HまたはF、好ましくはHである。いくつかの実施形態において、R3およびR5はHであり、そのため、UはCHであり、VはCR4であり、WはCHである。
式(I)の別の実施形態において、UはNであり、VはCR4であり、WはCR5であり、そのため、U、VおよびWを含有する環は、4−カルボキサミド置換ピリジン環である。いくつかのそのような実施形態において、R5は、HまたはF、好ましくはHである。
式(I)の別の実施形態において、UはCR3であり、VはCR4であり、WはNであり、そのため、U、VおよびWを含有する環は、2−カルボキサミド置換ピリジン環である。いくつかのそのような実施形態において、R3は、HまたはF、好ましくはHである。
式(I)のまた別の実施形態において、UはNであり、VはCR4であり、WはNであり、そのため、U、VおよびWを含有する環は、4−カルボキサミド置換ピリミジン環である。
式(I)の化合物において、R1は、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR7R8であり、ここで、各前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1個または複数のR21基によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1から3個のR21基によって置換されていてもよい。
式(I)のいくつもの実施形態において、R1は、置換されていてもよいC1〜C8アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、置換されていてもよいC1〜C4アルキルまたはハロである。さらなる実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。他の実施形態において、R1は、C1〜C4アルキル、好ましくはメチルまたはエチルである。他の実施形態において、R1は、ハロ、好ましくはクロロまたはフルオロ(ClまたはF)である。具体的な実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(I)の化合物において、各R21は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10からなる群から独立に選択される。R21が−NR9R10である場合、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリール部分は、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
式(I)のある特定の実施形態において、各R21は、−OH、−Cl、−F、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2およびN−ピロリジニルからなる群から独立に選択される。
式(I)の化合物において、R2は、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはC1〜C8アルコキシであり、ここで、前記C1〜C8アルコキシは、1個または複数のR22によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1個または複数のR32によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、前記C1〜C8アルコキシは、1から3個のR22基によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。
一実施形態において、R2はC1〜C8アルコキシであり、ここで、前記C1〜C8アルコキシは、1個または複数のR22基によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R2は、1から3個のR22基によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR22によって置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである。具体的な実施形態において、前記C1〜C4アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである。
各R22は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10からなる群から独立に選択される。R22が−NR9R10である場合、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリール部分は、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
ある特定の実施形態において、各R22は、−OH、Cl、F、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記ヘテロアリール5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、各R22は、−OH、Cl、F、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2およびN−ピロリジニルからなる群から独立に選択される。
式(I)の別の実施形態において、R2は5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。
いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR32基によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜6員のヘテロアリールは、ピラゾリル、イミダゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、オキサゾイル(oxazoyl)、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルからなる群から選択され、そのそれぞれは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、R2は、下記の5〜6員のヘテロアリール基から選択されてよく、ここで、アスタリスク(*)は、塩基分子との結合点を表し、任意選択の置換基R32は、その非置換形態においてH原子を担持するヘテロアリール環の任意の原子(NまたはC)上に存在していてよい:
[式中、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1または2であり、
pは、0または1であり、
rは、0、1、2、3または4である]。
別の実施形態において、R2は3〜12員のヘテロシクリルであり、ここで、前記ヘテロシクリルは、1個または複数のR32基によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、前記ヘテロシクリルは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記3〜12員のヘテロシクリルは、1から3個のR32基によってそれぞれ置換されていてもよい、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルからなる群から選択される。
また別の実施形態において、R2はC6〜C12アリールであり、ここで、前記アリールは、1個または複数のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記アリールは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。具体的な実施形態において、前記アリールは、1から3個のR32基によってそれぞれ置換されていてもよい、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インダニル、インデニルおよびテトラヒドロナフチルからなる群から選択される。
式(I)の化合物において、R2が、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールまたは5〜12員のヘテロアリールである場合、前記ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、1個または複数のR32(好ましくは1から3個のR32)によって置換されていてもよく、ここで、各R32は、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、=O、−CORc、−CO2Rc、−CONRcRd、−ORc、−SRc、−SORc、−SO2Rc、−SO2NRcRd、−NO2、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−NRcC(O)NRcRd、−NRcC(O)ORd、−NRcSO2Rd、−NRcSO2NRcRd、−OC(O)Rc、−OC(O)NRcRd、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、RcおよびRdは、上記の式(I)のように定義されている。
いくつかのそのような実施形態において、各R32は、独立に、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記C1〜C8アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシまたはハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。他の実施形態において、各R32は、独立に、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記C1〜C8アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシまたはハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、または−NRcRd中のRcおよびRdは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい4〜6員のヘテロシクリルを形成してよく、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、各R32は、独立に、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH3)2、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールであり、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシによって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、R3は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR7R8であり、ここで、前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1個または複数のR23によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1から3個のR23基によって置換されていてもよく、ここで、R23は、上記の式(I)のように定義されている。具体的な実施形態において、R3は、Hまたはハロ、好ましくはHまたはFである。
式(I)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1から3個のR24によって置換されていてもよく、各前記3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはR11は、1から3個のR34によって置換されていてもよい。
一実施形態において、R4は、H、ハロまたは−CNである。いくつかのそのような実施形態において、R4はHである。他のそのような実施形態において、R4はハロ、好ましくはClまたはFである。さらに他のそのような実施形態において、R4は−CNである。
別の実施形態において、R4は、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルであり、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1から3個のR24によって置換されていてもよい。他のそのような実施形態において、R4は、1から3個のR24基によって置換されていてもよいC1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシである。
式(I)の化合物において、R24は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NR9R10、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
R24が−NR9R10である場合、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
ある特定の実施形態において、各R24は、Cl、F、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリル、置換されていてもよいフェニル、および置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかのそのような実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルは、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル、ピペリジニル、ピペラジニルであり、そのそれぞれは、式(I)で定義されている通りに置換されていてもよい。他のそのような実施形態において、前記5〜6員のヘテロアリールは、置換されていてもよいピリジルまたはピリミジニルである。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN −NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2から独立に選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい。
式(I)の別の実施形態において、R4は、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。
式(I)の1つのそのような実施形態において、R4は3〜12員のヘテロシクリルであり、ここで、前記ヘテロシクリルは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、前記ヘテロシクリルは、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記3〜12員のヘテロシクリルは、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルからなる群から選択され、そのそれぞれは、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。
別の実施形態において、R4は5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。他の実施形態において、R4は、1から3個のR34基によって置換されていてもよい、5〜6員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜6員のヘテロアリールは、ピラゾリル、イミダゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、オキサゾイル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル環からなる群から選択され、そのそれぞれは、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。
式(I)のさらなる実施形態において、R4は−OR11であり、ここで、R11は、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、そのそれぞれは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかの実施形態において、R11は、1から3個のR34基によって置換されていてもよい。
式(I)のさらに他の実施形態において、R4は−NR7R8であり、ここで、R7およびR8は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成し、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1個または複数のR37によって置換されていてもよい。
式(I)のいくつかの実施形態において、R4が、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたは−OR11である場合、各前記3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはR11は、1から3個のR34によって置換されていてもよく、ここで、各R34は、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、=O、−CORc、−CO2Rc、−CONRcRd、−ORc、−SRc、−SORc、−SO2Rc、−SO2NRcRd、−NO2、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−NRcC(O)NRcRd、−NRcC(O)ORd、−NRcSO2Rd、−NRcSO2NRcRd、−OC(O)Rc、−OC(O)NRcRd、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、RcおよびRdは、上記の式(I)のように定義されている。
いくつかのそのような実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−ORc、−C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、前記C1〜C8アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシおよびハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。
他の実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、CN、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、または−NRcRd中のRcおよびRdは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい4〜6員のヘテロシクリルを形成してよく、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、各R34は、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH3)2、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリル、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシによって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、各R34は、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH3)2、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリル、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールは、1から3個のハロ、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシによって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、R5は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR7R8であり、ここで、前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1個または複数のR25によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記C1〜C8アルキルまたはC1〜C8アルコキシは、1から3個のR25基によって置換されていてもよく、ここで、R25は、上記の式(I)のように定義されている。具体的な実施形態において、R5は、Hまたはハロ、好ましくはHまたはFである。
式(I)の化合物において、R6は、HまたはC1〜C4アルキルである。式(I)のいくつかの実施形態において、R6は、Hまたはメチルである。好ましい実施形態において、R6はHである。
式(I)のいくつかの実施形態において、各R7およびR8は、独立に、HまたはC1〜C8アルキルであり、ここで、前記C1〜C8アルキルは、1個または複数のR27によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記C1〜C8アルキルは、1から3個のR27基によって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、R27は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NR9R10、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
R27が−NR9R10である場合、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリール部分は、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
ある特定の実施形態において、各R27は、クロロ、フルオロ、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2およびN−ピロリジニルからなる群から独立に選択される。
他の実施形態において、−NR7R8中のR7およびR8は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1個または複数のR37によって、好ましくは1から3個のR37基によって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、各R37は、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、=O、−CORc、−CO2Rc、−CONRcRd、−ORc、−SRc、−SORc、−SO2Rc、−SO2NRcRd、−NO2、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−NRcC(O)NRcRd、−NRcC(O)ORd、−NRcSO2Rd、−NRcSO2NRcRd、−OC(O)Rc、−OC(O)NRcRd、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、RcおよびRdは、上記の式(I)のように定義されている。
いくつかのそのような実施形態において、各R37は、独立に、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−ORc、−C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシおよびハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。具体的な実施形態において、各R37は、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリル、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記ヘテロアリール5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
式(I)のいくつかの実施形態において、各R9およびR10は、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。他の実施形態において、R9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成し、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、R11は、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。
式(I)の化合物において、XおよびZは、H、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、ハロ、−CN、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NO2、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−NRaC(O)NRaRb、−NRaC(O)ORa、−NRaSO2Rb、−NRaSO2NRaRb −ORa、−OC(O)Raおよび−OC(O)NRaRbからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、ハロ、−CN、−CORa、−CO2Ra、−CONRaRb、−SRa、−SORa、−SO2Ra、−SO2NRaRb、−NO2、−NRaRb、−NRaC(O)Rb、−NRaC(O)NRaRb、−NRaC(O)ORa −NRaSO2Rb、−NRaSO2NRaRb、−ORa、−OC(O)Ra、−OC(O)NRaRb、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよく、ここで、RaおよびRbは、上記の式(I)のように定義されている。
いくつかの実施形態において、XおよびZは、C1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、そのそれぞれは、上記の式(I)で記述されている通りに置換されていてもよい。他の実施形態において、XおよびZは、−NRaRbおよび−ORaからなる群から独立に選択され、ここで、RaおよびRbは、上記の式(I)のように定義されている。式(I)の具体的な実施形態において、XおよびZは、それぞれ独立に、C1〜C8アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルであり、ここで、前記アルキルは、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。好ましい実施形態において、XおよびZは、それぞれ独立に、C1〜C4アルキルである。
式(I)の化合物において、Yは、H、ハロ、−OHまたはC1〜C4アルコキシである。具体的な実施形態において、Yは、HまたはFである。いくつかのそのような実施形態において、YはHである。他のそのような実施形態において、YはFである。他の実施形態において、YはOHである。さらに他の実施形態において、YはC1〜C4アルコキシである。
式(I)の好ましい実施形態において、XおよびZは、C1〜C8アルキルからそれぞれ独立に選択され、Yは、HまたはFである。式(I)のさらに好ましい実施形態において、XおよびZは、C1〜C4アルキルからそれぞれ独立に選択され、YはHである。
式(I)の化合物に関して本明細書において記述されている実施形態のそれぞれは、本明細書において記述されている式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)の化合物にも適用可能であり、但し、式(I)の特定の実施形態および式(II)から(VII)の記述は互いに矛盾しない。記述されている実施形態を、それが組み合わせられる実施形態と矛盾しない本明細書において記述されている1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせることができる。
別の態様において、本発明は、式(II)の化合物
または薬学的に許容できるその塩
[式中、
R
1は、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
21によって置換されていてもよく、
R
2は、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはC
1〜C
8アルコキシであり、ここで、前記C
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
22によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
32によって置換されていてもよく、
R
3は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
23によって置換されていてもよく、
R
4は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR
11および−NR
7R
8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシまたはC
3〜C
8シクロアルキルは、1個または複数のR
24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR
11は、1個または複数のR
34によって置換されていてもよく、
R
5は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
25によって置換されていてもよく、
R
6は、HまたはC
1〜C
4アルキルであり、
各R
7およびR
8は、独立に、HまたはC
1〜C
8アルキルであり、ここで、前記C
1〜C
8アルキルは、1個もしくは複数のR
27によって置換されていてもよいか、または
R
7およびR
8は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
37によって置換されていてもよく、
各R
21、R
22、R
23およびR
25は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CNおよび−NR
9R
10からなる群から独立に選択され、
各R
24およびR
27は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NR
9R
10、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
9およびR
10は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
9およびR
10は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
R
11は、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
32、R
34およびR
37は、ハロ、C
1〜C
8アルキル、−CN、=O、−COR
c、−CO
2R
c、−CONR
cR
d、−OR
c、−SR
c、−SOR
c、−SO
2R
c、−SO
2NR
cR
d、−NO
2、−NR
cR
d、−NR
cC(O)R
d、−NR
cC(O)NR
cR
d、−NR
cC(O)OR
d −NR
cSO
2R
d、−NR
cSO
2NR
cR
d、−OC(O)R
c、−OC(O)NR
cR
d、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
各R
cおよびR
dは、H、C
1〜C
8アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、または
R
cおよびR
dは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、
ここで、R
32、R
34、R
37、R
cおよびR
d中の各前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよく、
XおよびZは、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、ハロ、CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b −OR
a、−OC(O)R
aまたは−OC(O)NR
aR
bからなる群から独立に選択され、
ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリール基は、ハロ、−CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a −NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−OR
a、−OC(O)R
a、−OC(O)NR
aR
b、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
aおよびR
bは、独立に、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、各前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C
1〜C
4アルキル、−OR”、−NR”
2、−CO
2R”、−CONR”
2、−SO
2R”および−SO
2NR”
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R”は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
aおよびR
bは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
Yは、H、ハロ、−OHまたはC
1〜C
4アルコキシである]
を提供する。
式(I)に関して本明細書において記述されている実施形態およびそれらの組合せは、式(II)にも適用可能である。
式(II)の一実施形態において、R1は、置換されていてもよいC1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、1から3個のR21によって置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり、ここで、各R21は、独立に、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10であり、各R9およびR10は、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。
式(II)の別の実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。他のそのような実施形態において、R1は、クロロまたはフルオロ(ClまたはF)である。さらなる実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(II)の別の実施形態において、R2は、1個または複数のR32によって置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR32によって、好ましくは1から3個のR32基によって置換されていてもよい。
式(II)のいくつかの実施形態において、各R32は、独立に、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記C1〜C8アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシまたはハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはRcおよびRdは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい4〜6員のヘテロシクリル環を形成してよく、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル環は、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。具体的な実施形態において、各R32は、独立に、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH3)2、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールであり、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシによって置換されていてもよい。式(II)の好ましい実施形態において、各R32は、独立に、ハロまたはC1〜C4アルキルである。
式(II)のまた別の実施形態において、R2は、1個または複数のR22によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR22基によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR22基によって置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである。他のそのような実施形態において、R2は、C1〜C4アルコキシである。具体的な実施形態において、前記アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである。
いくつかの実施形態において、各R22は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10からなる群から独立に選択され、ここで、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよいヘテロシクリルまたはヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各R22は、Cl、F、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
他の実施形態において、各R22は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10からなる群から独立に選択され、ここで、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、または−NR9R10中のR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、各R22は、Cl、F、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記5〜6員のヘテロアリールは、1から3個のハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(II)のいくつもの実施形態において、R3およびR5は、独立に、Hまたはハロであり、好ましくはR3およびR5は、独立に、HまたはFであり、より好ましくは、R3およびR5はHである。
式(II)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。
式(II)の一実施形態において、R4は、H、ハロ、−CNまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよく、R34は、式(I)のように定義されている。
式(II)の別の実施形態において、R4は5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34、好ましくは1から3個のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、R4は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。好ましくは、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。式(II)の別の実施形態において、R4は5〜6員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜6員のヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。
式(II)のいくつかの実施形態において、R4が、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたは−OR11である場合、各前記3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはR11は、1から3個のR34によって置換されていてもよく、ここで、各R34は、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、=O、−CORc、−CO2Rc、−CONRcRd、−ORc、−SRc、−SORc、−SO2Rc、−SO2NRcRd、−NO2、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−NRcC(O)NRcRd、−NRcC(O)ORd、−NRcSO2Rd、−NRcSO2NRcRd、−OC(O)Rc、−OC(O)NRcRd、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、RcおよびRdは、上記の式(I)のように定義されている。
いくつかのそのような実施形態において、各R34は、独立に、ハロ、C1〜C8アルキル、−CN、−CONRcRd、−NRcRd、−NRcC(O)Rd、−ORc、−C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記C1〜C8アルキルは、−OH、−C1〜C4アルコキシおよびハロによって置換されていてもよく、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。具体的な実施形態において、各R34は、−Cl、−F、−OH、−CH3、−CH2CH3、−CF3、−CH2OH、−CH2OCH3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−CONH2、−CONHCH3、−CON(CH3)2、−NHC(O)CH3、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリル、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリル、フェニルまたは5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシによって置換されていてもよい。
式(II)の具体的な実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、CN、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。他の実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、CN、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、または−NRcRd中のRcおよびRdは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい4〜6員のヘテロシクリルを形成してよく、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
式(II)のまた別の実施形態において、R6は、Hまたはメチル、好ましくはHである。
式(II)の好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。いくつかのそのような実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。
式(II)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)のまた別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)のさらに別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)のさらなる好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR32によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R3はHである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5はHである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR22によって置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R3はHである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5はHである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(II)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR32によって置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R3はHである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R5はHである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(II)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4、5、6、7または8つの組合せを有する。
別の態様において、本発明は、式(III)の化合物
または薬学的に許容できるその塩
[式中、
R
1は、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、ハロ、−OH、−CNまたは−NR
7R
8であり、ここで、各前記C
1〜C
8アルキルまたはC
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
21によって置換されていてもよく、
R
2は、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリールまたはC
1〜C
8アルコキシであり、ここで、前記C
1〜C
8アルコキシは、1個または複数のR
22によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
32によって置換されていてもよく、
R
4は、H、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR
11および−NR
7R
8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ、C
1〜C
8チオアルコキシまたはC
3〜C
8シクロアルキルは、1個または複数のR
24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR
11は、1個または複数のR
34によって置換されていてもよく、
各R
7およびR
8は、独立に、HまたはC
1〜C
8アルキルであり、ここで、前記C
1〜C
8アルキルは、1個もしくは複数のR
27によって置換されていてもよいか、または
R
7およびR
8は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1個または複数のR
37によって置換されていてもよく、
各R
21およびR
22は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CNおよび−NR
9R
10からなる群から独立に選択され、
各R
24およびR
27は、ハロ、−OH、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NR
9R
10、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
9およびR
10は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
9およびR
10は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
R
11は、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から選択され、
各R
32、R
34およびR
37は、ハロ、C
1〜C
8アルキル、−CN、=O、−COR
c、−CO
2R
c、−CONR
cR
d、−OR
c、−SR
c、−SOR
c、−SO
2R
c、−SO
2NR
cR
d、−NO
2、−NR
cR
d、−NR
cC(O)R
d、−NR
cC(O)NR
cR
d、−NR
cC(O)OR
d −NR
cSO
2R
d、−NR
cSO
2NR
cR
d、−OC(O)R
c、−OC(O)NR
cR
d、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
各R
cおよびR
dは、H、C
1〜C
8アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、または
R
cおよびR
dは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリール環を形成してよく、
ここで、R
32、R
34、R
37、R
cおよびR
d中の各前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよく、
XおよびZは、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリール、5〜12員のヘテロアリール、ハロ、CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a、−NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b −OR
a、−OC(O)R
aまたは−OC(O)NR
aR
bからなる群から独立に選択され、
ここで、各前記C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリール基は、ハロ、−CN、−COR
a、−CO
2R
a、−CONR
aR
b、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SO
2NR
aR
b、−NO
2、−NR
aR
b、−NR
aC(O)R
b、−NR
aC(O)NR
aR
b、−NR
aC(O)OR
a −NR
aSO
2R
b、−NR
aSO
2NR
aR
b、−OR
a、−OC(O)R
a、−OC(O)NR
aR
b、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
各R
aおよびR
bは、独立に、H、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、C
3〜C
8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C
6〜C
12アリールまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、各前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C
1〜C
4アルキル、−OR”、−NR”
2、−CO
2R”、−CONR”
2、−SO
2R”および−SO
2NR”
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R”は、独立に、HもしくはC
1〜C
4アルキルであるか、または
R
aおよびR
bは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
6ハロアルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル、C
1〜C
4アルコキシ−C
1〜C
6アルキル、−CN、−NH
2、−NH(C
1〜C
4アルキル)および−N(C
1〜C
4アルキル)
2からなる群から独立に選択される1個または複数の置換基によって置換されていてもよく、
Yは、H、ハロ、−OHまたはC
1〜C
4アルコキシである]
を提供する。
式(I)および式(II)に関して本明細書において記述されている実施形態ならびにそれらの組合せは、式(III)にも適用可能である。
式(III)の一実施形態において、R1は、置換されていてもよいC1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、1から3個のR21によって置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり、ここで、各R21は、独立に、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10であり、各R9およびR10は、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。
式(III)の別の実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。他のそのような実施形態において、R1は、ClまたはFである。さらなる実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(III)の別の実施形態において、R2は、1から3個のR32によって置換されていてもよい5〜12員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1から3個のR32基によって置換されていてもよい。式(III)の好ましい実施形態において、各R32は、独立に、ハロまたはC1〜C4アルキルである。
式(III)の別の実施形態において、R2は、1個または複数のR22によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR22基によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2は、1から3個のR22基によって置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである。
そのような実施形態において、各R22は、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10からなる群から独立に選択され、ここで、各R9およびR10は、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、またはR9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよいヘテロシクリルまたはヘテロアリール部分を形成してよい。いくつかのそのような実施形態において、R9およびR10は、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個の追加のヘテロ原子をそれぞれ含有していてもよい3〜12員のヘテロシクリルもしくは5〜12員のヘテロアリールを形成してよく、ここで、各前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
他のそのような実施形態において、各R22は、Cl、F、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−CN、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、シクロプロピル、置換されていてもよい4〜6員のヘテロシクリルおよび置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。いくつかの実施形態において、前記4〜6員のヘテロシクリルまたは前記5〜6員のヘテロアリールは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−CN −NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
さらなる実施形態において、R2は、C1〜C4アルコキシである。具体的な実施形態において、前記アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである。具体的な実施形態において、R2はイソプロポキシである。
式(III)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。
式(III)の一実施形態において、R4は、H、ハロ、−CNまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。好ましくは、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記5〜12員のヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって、好ましくは1から3個のR34によって置換されていてもよい。
いくつかのそのような実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。他の実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、CN、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HもしくはC1〜C4アルキルであるか、または−NRcRd中のRcおよびRdは、それらが結合したN原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい4〜6員のヘテロシクリルを形成してよく、ここで、前記4〜6員のヘテロシクリルは、ハロ、−OH、=O、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C1〜C4アルコキシ−C1〜C6アルキル、−CN、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される1から3個の置換基によって置換されていてもよい。
具体的な実施形態において、各R34は、ハロ、−OH、−CN、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される。特定の実施形態において、各R34は、Cl、F、−OH、−CH3、−C2H5、−CF3、−OCH3、−OC2H5、−OCF3、−SCH3、−CN、−NH2、−NHCH3および−N(CH3)2からなる群から独立に選択される。
式(III)の好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである。
式(III)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)のさらに別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)のまた別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)のさらなる好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(III)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR32によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(III)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR22によって置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(III)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、1から3個のR32によって置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R4は、H、ハロまたは1から3個のR34によって置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHである。
式(III)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4または5つの組合せを有する。
別の態様において、本発明は、式(IV)の化合物
または薬学的に許容できるその塩
[式中、R
1、R
2、R
4、R
6、X、YおよびZは、式(I)のように定義されている]
を提供する。
式(I)に関して本明細書において記述されている実施形態およびそれらの組合せは、式(IV)にも適用可能である。
式(IV)の一実施形態において、R1は、置換されていてもよいC1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、1から3個のR21によって置換されていてもよいC1〜C4アルキルであり、ここで、各R21は、独立に、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−CNおよび−NR9R10であり、ここで、各R9およびR10は、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。
式(IV)の別の実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。他のそのような実施形態において、R1は、ClまたはFである。さらなる実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(IV)のいくつかの実施形態において、R2は3〜12員のヘテロシクリルであり、ここで、各前記ヘテロシクリルは、1個または複数のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記ヘテロシクリルは、1から3個のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各R32は、ハロ、C1〜C4アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(IV)の別の実施形態において、R2は5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、各前記ヘテロアリールは、1個または複数のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各前記ヘテロアリールは、1から3個のR32によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各R32は、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシからなる群から独立に選択され、ここで、各前記アルキルまたはアルコキシは、ハロ、−OH、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(IV)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。
式(IV)のいくつかの実施形態において、R4は、H、ハロ、−CNまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、各R34は、ハロ、C1〜C4アルキル、−ORc、−SRc、−SO2Rcおよび−NRcRdからなる群から独立に選択され、ここで、各RcおよびRdは、独立に、HまたはC1〜C4アルキルである。
式(IV)のいくつかの実施形態において、R6は、Hまたはメチル、好ましくはHである。
式(IV)のいくつかの実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルである。好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである。さらなる実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。いくつかのそのような実施形態において、XおよびYは、独立に、C1〜C4アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。
式(IV)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(IV)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(IV)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(IV)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4、5または6つの組合せを有する。
また別の態様において、本発明は、式(V)の化合物:
または薬学的に許容できるその塩
[式中、R
1、R
2、R
4、R
6、X、YおよびZは、式(I)のように定義されている]
を提供する。
式(I)に関して本明細書において記述されている実施形態およびそれらの組合せは、式(V)にも適用可能である。
式(V)のいくつかの実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(V)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR32によって置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである。いくつかのそのような実施形態において、各R32は、ハロ、C1〜C4アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(V)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR22によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2はC1〜C4アルコキシである。
式(V)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていてもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。
式(V)の一実施形態において、R4は、H、ハロ、−CNまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されている。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。具体的な実施形態において、各R34は、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される。
式(V)のいくつもの実施形態において、R5は、Hまたはハロ、好ましくはHまたはFであり、さらなるR5はHである。
式(V)の他の実施形態において、R6は、メチルまたはHである。好ましくは、R6はHである。
式(V)のいくつかの実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルである。好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである。さらなる実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。いくつかのそのような実施形態において、XおよびYは、独立に、C1〜C4アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。
式(V)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(V)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(V)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(V)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4、5、6または7つの組合せを有する。
また別の態様において、本発明は、式(VI)の化合物:
または薬学的に許容できるその塩
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、YおよびZは、式(I)のように定義されている]
を提供する。
式(I)に関して本明細書において記述されている実施形態およびそれらの組合せは、式(VI)にも適用可能である。
式(VI)のいくつかの実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(VI)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR32によってそれぞれ置換されていてもよい、3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1から3個のR32によって置換されていてもよい。他のそのような実施形態において、各R32は、ハロ、C1〜C4アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(VI)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR22によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2はC1〜C4アルコキシである。
式(VI)のいくつもの実施形態において、R3は、Hまたはハロであり、好ましくはHまたはFであり、さらなるR3はHである。
式(VI)の化合物において、R4は、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシ、ハロ、−OH、−CN、C3〜C8シクロアルキル、3〜12員のヘテロシクリル、C6〜C12アリール、5〜12員のヘテロアリール、−OR11および−NR7R8からなる群から独立に選択され、ここで、各前記C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8チオアルコキシまたはC3〜C8シクロアルキルは、1個または複数のR24によって置換されていていもよく、各前記ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはR11は、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。
式(VI)の一実施形態において、R4は、H、ハロ、−CNまたは5〜12員のヘテロアリールであり、ここで、前記ヘテロアリールは、1個または複数のR34によって置換されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されている。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピロリルからなる群から選択され、ここで、前記ヘテロアリールは、1から3個のR34によって置換されていてもよい。具体的な実施形態において、各R34は、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)および−N(C1〜C4アルキル)2からなる群から独立に選択される。
式(VI)の他の実施形態において、R6は、メチルまたはHである。好ましくは、R6はHである。
式(VI)のいくつかの実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルである。好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである。さらなる実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。いくつかのそのような実施形態において、XおよびYは、独立に、C1〜C4アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。
式(VI)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VI)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VI)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R3は、HまたはFである、R4は、H、ハロまたは置換されていてもよいヘテロアリールである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VI)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4、5、6または7つの組合せを有する。
また別の態様において、本発明は、式(VII)の化合物:
または薬学的に許容できるその塩
[式中、R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、X、YおよびZは、式(I)のように定義されている]
を提供する。
式(I)に関して本明細書において記述されている実施形態およびそれらの組合せは、式(VII)にも適用可能である。
式(VII)のいくつかの実施形態において、R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである。いくつかのそのような実施形態において、R1は、メチル、エチル、クロロまたはフルオロである。
式(VII)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR32によってそれぞれ置換されていてもよい、3〜12員のヘテロシクリルまたは5〜12員のヘテロアリールである。いくつかのそのような実施形態において、前記ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1から3個のR32によって置換されていてもよい。他のそのような実施形態において、各R32は、ハロ、C1〜C4アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C6〜C12アリールおよび5〜12員のヘテロアリールからなる群から独立に選択され、ここで、各前記アリールまたはヘテロアリールは、ハロ、−OH、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜C4アルキル)または−N(C1〜C4アルキル)2によって置換されていてもよい。
式(VII)の他の実施形態において、R2は、1個または複数のR22によって置換されていてもよいC1〜C8アルコキシである。いくつかのそのような実施形態において、R2はC1〜C4アルコキシである。
式(VII)のいくつもの実施形態において、R3およびR5は、独立に、Hまたはハロである。好ましくは、R3およびR5は、独立に、HまたはFであり、より好ましくは、R3およびR5はHである。
式(VII)の他の実施形態において、R6は、メチルまたはHである。好ましくは、R6はHである。
式(VII)のいくつかの実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルである。好ましい実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである。さらなる実施形態において、XおよびZは、独立に、C1〜C8アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。いくつかのそのような実施形態において、XおよびYは、独立に、C1〜C4アルキルであり、Yは、Hまたはフルオロ、好ましくはHである。
式(VII)の1つの好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい5〜6員のヘテロアリールである、R3は、HまたはFである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VII)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよいC1〜C4アルコキシである、R3は、HまたはFである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VII)の別の好ましい実施形態において、化合物は、下記の好ましい特色の2つ以上の組合せを有する:R1は、C1〜C4アルキルまたはハロである、R2は、置換されていてもよい3〜12員のヘテロシクリルである、R3は、HまたはFである、R5は、HまたはFである、R6はHである、XおよびZは、独立に、C1〜C4アルキルである、ならびに、YはHまたはFである。
式(VII)のいくつかの特に好ましい実施形態において、化合物は、上述した好ましいセットのそれぞれにおける好ましい特色の3、4、5、6つまたはの組合せを有する。
「医薬組成物」は、活性成分としての本明細書において記述されている化合物の1つもしくは複数、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体または添加剤との混合物を指す。医薬組成物の目的は、対象への化合物の投与を容易にすることである。
故に、別の態様において、本発明は、本明細書において記述されている式の1つの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、2つ以上の薬学的に許容できる担体および/または添加剤を含む。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、少なくとも1つの追加の抗がん治療剤または苦痛緩和剤をさらに含む。いくつかのそのような実施形態において、少なくとも1つの追加の薬用または医薬品は、後述する通りの抗がん剤である。いくつかのそのような実施形態において、組合せは、相加的、相加的より大きい、または相乗的抗がん効果を提供する。いくつかのそのような実施形態において、1つまたは複数の抗がん治療剤は、抗腫瘍剤、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤および抗増殖剤からなる群から選択される。
一態様において、本発明は、対象における異常な細胞成長の治療のための方法であって、対象に、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における異常な細胞成長の治療のための方法であって、対象に、ある量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、ある量の抗腫瘍剤と組み合わせて投与するステップを含み、それらの量は、一緒にして前記異常な細胞成長を治療する上で有効である方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗腫瘍剤は、分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン物質および抗アンドロゲン物質からなる群から選択される。
本明細書において提供されている方法のいくつもの実施形態において、異常な細胞成はがんである。いくつかの実施形態において、提供されている方法は、下記の効果の1つまたは複数をもたらす:(1)がん細胞増殖を阻害すること、(2)がん細胞侵襲性を阻害すること、(3)がん細胞のアポトーシスを誘発すること、(4)がん細胞転移を阻害すること、または(5)血管新生を阻害すること。
別の態様において、本発明は、対象における、EZH2によって媒介される障害の治療のための方法であって、対象に、前記障害を治療するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
本明細書で提供されている方法の好ましい実施形態において、対象は、哺乳動物、特にヒトである。
本発明の化合物を合成するための一般スキームは、本明細書の実施例の項において見ることができる。
別段の指示がない限り、本明細書における発明化合物へのすべての言及は、その塩、溶媒和物、水和物および錯体、ならびにその多形、立体異性体および同位体標識型を含む、その塩の溶媒和物、水和物および錯体への言及を含む。
本発明の化合物は、例えば、本明細書において提供されている式の1つの化合物の酸付加塩および塩基付加塩等の薬学的に許容できる塩の形態で存在し得る。本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容できる塩」は、親化合物の生物学的効果および特性を保持する塩を指す。語句「薬学的に許容できる塩」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、本明細書において開示されている式の化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を含む。
例えば、性質が塩基性である本発明の化合物は、種々の無機および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩は、動物への投与のために薬学的に許容できるものでなくてはならないが、多くの場合、最初に、本発明の化合物を薬学的に許容できない塩として反応混合物から単離し、次いで、アルカリ性試薬での処理によって後者を単純に変換して遊離塩基化合物に戻し、その後、後者の遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが実際には望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物を、実質的に当量の選択された鉱酸または有機酸で、水性溶媒媒質中、またはメタノールもしくはエタノール等の好適な有機溶媒中で処理することによって調製できる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が取得される。所望の酸塩は、適切な鉱酸または有機酸を溶液に添加することにより、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から沈殿させることもできる。
非毒性酸付加塩を形成するもの等の塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩、すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、pトルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩)]等の薬理学的に許容できるアニオンを含有する塩を調製するために使用され得る酸。
塩の例は、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩およびメトキシ安息香酸塩等)、重炭酸塩、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン−1,4−二酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、二塩酸塩、リン酸二水素、エデト酸塩、エジスリエート、エストレート、エシレート、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタン−スルホン酸塩、メチル硫酸塩、リン酸一水素塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオドード(triethiodode)および吉草酸塩を含むがこれらに限定されない。
好適な塩の例証的な例は、グリシンおよびアルギニン等のアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、ならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジン等の環状アミンに由来する有機塩、ならびに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩を含む。
アミノ基等の塩基性部分を含む本発明の化合物は、上記で言及した酸に加えて、種々のアミノ酸と、薬学的に許容できる塩を形成することができる。
性質が酸性である本発明の化合物は、種々の薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、ナトリウムおよびカリウム塩を含む。これらの塩は、すべて従来の技術によって調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用される化学塩基は、本明細書における酸性化合物と非毒性塩基塩を形成するものである。これらの塩は、任意の好適な方法、例えば、アミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物等の無機または有機塩基による遊離酸の処理によって調製できる。これらの塩は、対応する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾固させることによって調製することもできる。代替として、塩は、酸性化合物の低級アルカノリック(alkanolic)溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドとを一緒に混合し、次いで、得られた溶液を前述と同じ方式で蒸発乾固させることによって調製することもできる。いずれの場合も、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を確実にするために、好ましくは化学量論的分量の試薬が用いられる。
性質が酸性である本発明の化合物の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用され得る化学塩基は、そのような化合物と非毒性塩基塩を形成するものである。そのような非毒性塩基塩は、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)等の薬理学的に許容できるカチオン、N−メチルグルカミン−(メグルミン)等のアンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、ならびに薬学的に許容できる有機アミンの低級アルカノールアンモニウムおよび他の塩基塩から誘導されるものを含むがこれらに限定されない。
酸および塩基のヘミ塩、例えばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩も形成され得る。
好適な塩に関する総説については、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」、StahlおよびWermuth著(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を作製するための方法は、当業者に公知である。
本発明の塩は、当業者に公知の方法によって調製することができる。発明化合物の薬学的に許容できる塩は、化合物の溶液および所望の酸または塩基を適宜一緒に混合することによって容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿し、濾過によって収集することができる、または溶媒の蒸発によって回収することができる。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで多様であってよい。
塩基官能基を有する遊離塩基形態の本発明の化合物は、化学量論的過剰の適切な酸で処理することによって酸付加塩に変換され得ることが、当業者には理解されるであろう。本発明の化合物の酸付加塩は、化学量論的過剰の、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム等の好適な塩基により、典型的には水性溶媒の存在下、約0℃から100℃の間の温度で処理することによって、対応する遊離塩基に再変換され得る。遊離塩基形態は、有機溶媒による抽出等の従来の手段によって単離され得る。加えて、本発明の化合物の酸付加塩は、塩の示差溶解度、酸の揮発度もしくは酸性度を活用することによって、または適切に装填されたイオン交換樹脂で処理することによって交換され得る。例えば、交換は、本発明の化合物の塩と、わずかな化学量論的過剰の、出発塩の酸成分より低いpKの酸との反応の影響を受けることがある。この変換は、典型的には、約0℃から手順の媒質として使用されている溶媒の沸点の間の温度で行われる。同様の交換は、塩基付加塩と、典型的には遊離塩基形態の仲介を介して可能である。
本発明の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在し得る。溶媒または水が密接に結合している場合、錯体は、湿度とは無関係に明確な化学量論を有することになる。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水の結合が弱い場合、水/溶媒含有量は湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような事例では、非化学量論が基準となる。用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物と、1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子錯体を記述するために使用されている。用語「水和物」は、該溶媒が水である場合に用いられる。本発明に従う薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体で置換されていてよい水和物および溶媒和物、例えば、D2O、d6−アセトンおよびd6−DMSOを含む。
本発明の範囲内には、クラスレート、前述の溶媒和物とは対照的に薬物および宿主が化学量論的または非化学量論的量で存在する薬物−宿主包接錯体等の錯体も含まれる。化学量論的または非化学量論的量であってよい2つ以上の有機および/または無機成分を含有する薬物の錯体も含まれる。得られた錯体は、イオン化、部分イオン化、または非イオン化であってよい。そのような錯体の総説については、J Pharm Sci、64(8)、1269〜1288、Haleblian著(1975年8月)を参照されたく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、本明細書において提供されている式の化合物のプロドラッグにも関する。故に、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全く有し得ない本発明の化合物のある特定の誘導体は、患者に投与すると、例えば加水分解開裂によって、発明化合物に変換することができる。そのような誘導体を「プロドラッグ」と称する。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E B Roche編、American Pharmaceutical Association)において見ることができ、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグは、例えば、発明化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、「Design of Prodrugs」H Bundgaard著(Elsevier、1985)において記述されている通りの「プロ部分」として当業者に公知のある特定の部分で置きかえることによって生成でき、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグのいくつかの非限定的な例は、
(i)化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含有する場合、そのエステル、例えば(C1〜C8)アルキルによる水素の置きかえ、
(ii)化合物がアルコール官能基(−OH)を含有する場合、そのエーテル、例えば、(C1〜C6)アルカノイルオキシメチルによる水素の置きかえ、および
(iii)化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NH2または−NHR、ここでR≠H)を含有する場合、そのアミド、例えば、アミド、カルバメート、ウレア、ホスホネート、スルホネート等の適宜代謝的に不安定な基による、一方または両方の水素の置きかえ
を含む。
上述の例および他のプロドラッグ型の例に従う置きかえ基(replacement groups)のさらなる例は、前述の参考文献において見ることができる。
最後に、ある特定の発明化合物は、それ自体が他の発明化合物のプロドラッグとして作用し得る。
本明細書において記述されている式の化合物の代謝産物、すなわち、薬物の投与時にインビボで形成される化合物も本発明の範囲内に含まれる。
本明細書において提供されている式の化合物は、不斉炭素原子を有し得る。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、実線(
)を使用して描写され得る。不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、その炭素原子において考えられるすべての立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物等)が含まれることを指示するようになっている。不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔のいずれかの使用は、示されている立体異性体のみが含まれるようになっていることを指示するようになっている。本発明の化合物は複数の不斉炭素原子を含有し得ることが可能である。それらの化合物において、不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、考えられるすべての立体異性体が含まれるようになっていることを指示するようになっている。例えば、別段の定めがない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーとして、またはラセミ体およびそれらの混合物として存在し得ることが意図されている。本発明の化合物中の1つまたは複数の不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用、および同じ化合物中の他の不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔の使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを指示するようになっている。
キラル中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー等の立体異性体として存在し得る。
本明細書における式の化合物の立体異性体は、複数種の異性を呈する化合物を含む本発明の化合物の、シスおよびトランス異性体、(R)および(S)鏡像異性体等の光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、配座異性体、および互変異性体、ならびにそれらの混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対等)を含み得る。対イオンが光学活性である酸付加もしくは塩基付加塩、例えばd−乳酸もしくはl−リジン、またはラセミである該塩、例えばdl−酒石酸もしくはdl−アルギニンも含まれる。
任意のラセミ体が結晶化する場合、2つの異なる種類の結晶が可能である。第一の種類は、両方の鏡像異性体を含有する1つの均質な形態の結晶が等モル量で生成される、上記で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第二の種類は、それぞれ単一の鏡像異性体を含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される、ラセミ混合物または集塊である。
本発明の化合物は、互変異性および構造的異性の現象を呈し得る。例えば、化合物は、エノールおよびイミン形態を含む数種の互変異性形態、ならびにケトおよびエナミン形態、ならびに幾何異性体およびそれらの混合物で存在し得る。すべてのそのような互変異性形態は、本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中の互変異性セットの混合物として存在する。固体形態においては、通常、1つの互変異性体が優勢である。1つの互変異性体について記述されている場合があっても、本発明は、提供されている式の化合物のすべての互変異性体を含む。
加えて、本発明の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)を形成し得る。アトロプ異性体は、分子中の単結合周囲での回転が妨げられた際、または大きく減速された際に、分子の他の部分との立体相互作用の結果として出現し、単結合の両端における置換基が非対称な、配座立体異性体である。アトロプ異性体の相互変換は、所定の条件下での分離および単離を可能にするのに十分遅い。熱的ラセミ化に対するエネルギー障壁は、キラル軸を形成する1つまたは複数の結合の自由回転に対する立体障害によって決定することができる。回転障壁が異性体種の単離を可能にするために十分高い場合に、単結合周囲の制限された回転から生じる立体異性体である。
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。
代替として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、好適な光学活性化合物、例えばアルコール、または化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には酒石酸もしくは1−フェニルエチルアミン等の酸もしくは塩基と反応させてよい。得られたジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者に周知の手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用し、不斉樹脂上で、0から50%まで、典型的には2から20%までのイソプロパノール、および0から5%までのアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いて、鏡像異性的に富化された形態で取得することができる。溶離物の濃縮により、富化混合物が得られる。
立体異性集合体は、当業者に公知である従来の技術によって分離することができ、例えば、「Stereochemistry of Organic Compounds」、E L Eliel著(Wiley、New York、1994)を参照されたく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
「鏡像異性的に純粋な」は、本明細書において使用される場合、単一の鏡像異性体として存在し、鏡像体過剰率(e.e.)の観点から記述される化合物を記述するものである。好ましくは、化合物が鏡像異性体として存在する場合、該鏡像異性体は、約80%以上の鏡像体過剰率で、より好ましくは約90%以上の鏡像体過剰率で、またさらに好ましくは約95%以上の鏡像体過剰率で、またさらに好ましくは約98%以上の鏡像体過剰率で、最も好ましくは約99%以上の鏡像体過剰率で存在する。同様に、「ジアステレオマー的に純粋」は、本明細書において使用される場合、ジアステレオマーとして存在し、ジアステレオマー過剰率(diasteriomeric excess)(d.e.)の観点から記述される化合物を記述するものである。好ましくは、化合物がジアステレオマーとして存在する場合、該ジアステレオマーは、約80%以上のジアステレオマー過剰率、より好ましくは約90%以上のジアステレオマー過剰率、またさらに好ましくは約95%以上のジアステレオマー過剰率、またさらに好ましくは約98%以上のジアステレオマー過剰率、最も好ましくは約99%以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
本発明は、1個または複数の原子が、自然界において通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置きかえられているという事実を除き、提供されている式の1つにおいて列挙されているものと同一の、同位体標識化合物も含む。
本発明の同位体標識化合物は、概して、当業者に公知の従来の技術によってまたは本明細書において記述されているものに類似のプロセスによって、他の場合には用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Cl等であるがこれらに限定されない、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体を含む。本発明のある特定の同位体標識化合物、例えば3Hおよび14C等の放射性同位体を組み込んだものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち3Hおよび炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性から特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2H等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増大または必要投薬量の低減をもたらし得、故にいくつかの状況において好ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は、概して、非同位体標識試薬を同位体標識試薬で代用することによって、以下のスキームならびに/または実施例および調製で開示されている手順を行うことにより調製できる。
薬学的使用が意図されている本発明の化合物は、結晶性もしくは非結晶性生成物、またはそれらの混合物として投与され得る。該化合物は、沈殿、結晶化、フリーズドライ、噴霧乾燥または蒸発乾燥等の方法により、例えば、固体プラグ剤、散剤またはフィルム剤として取得することができる。この目的のために、マイクロ波または無線周波数乾燥が使用され得る。
治療的方法および使用
本発明はさらに、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、単独で、または他の治療剤もしくは苦痛緩和剤と組み合わせて投与するステップを含む、治療的方法および使用を提供する。
一態様において、本発明は、対象における異常な細胞成長の治療のための方法であって、対象に、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における異常な細胞成長の治療のための方法であって、対象に、ある量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、ある量の抗腫瘍剤と組み合わせて投与するステップを含み、それらの量は、一緒にして前記異常な細胞成長を治療する上で有効である方法を提供する。いくつかのそのような実施形態において、抗腫瘍剤は、分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン物質および抗アンドロゲン物質からなる群から選択される。
別の態様において、本発明は、対象における異常な細胞成長の治療のための方法であって、対象に、異常な細胞成長を治療する上で有効な量の、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、対象におけるがん細胞増殖を阻害する方法であって、対象に、細胞増殖を阻害するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象におけるがん細胞侵襲性を阻害する方法であって、対象に、細胞侵襲性を阻害するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象のがん細胞においてアポトーシスを誘発する方法であって、対象に、アポトーシスを誘発するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、対象においてアポトーシスを誘発する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において記述されている式の1つの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
本明細書において提供されている方法のいくつもの実施形態において、異常な細胞成長はがんであり、ここで、前記がんは、基底細胞がん、髄芽腫がん、肝臓がん、横紋筋肉腫、肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚もしくは眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、結腸がん、乳がん、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、頸部癌、膣癌、外陰部癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓もしくは尿管がん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、または前述のがんの1つもしくは複数の組合せからなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、乳がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、胃がん、肝臓がん(例えば、HCC)、腎臓がん(例えば、RCC)、肺がん(例えば、NSCLC、SCLC)、皮膚がん(例えば、黒色腫)、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんおよび膀胱がんからなる群から選択される。他の実施形態において、がんは、リンパ腫(例えば、DLBCLまたはFL)である。
本発明の化合物は、例えば、脳、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃(gastric)/胃(stomach)、頭頸部、肝細胞、喉頭、肺、口腔、卵巣、前立腺、精巣および甲状腺の癌腫および肉腫等の腫瘍を含むがんの治療に有用である。具体的な実施形態において、本発明の化合物は、乳がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、胃がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんもしくは膀胱がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または濾胞性リンパ腫(FL)の治療に有用である。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、EZH2の突然変異形態に対して活性かつ/または選択的であり、そのため、ある特定のがんに関連するH3K27のトリメチル化が阻害される。いくつかのそのような実施形態において、EZH2突然変異は、チロシン641(Y641)、アラニン677(A677)またはアラニン687(A687)の突然変異から選択される。
用語「治療有効量」は、本明細書において使用される場合、治療されている障害の症状の1つまたは複数をある程度和らげる、投与されている化合物の量を指す。がんの治療に関連して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを低減する、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止させる)、(3)腫瘍成長もしくは腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止させる)、ならびに/または(4)がんに関連する1つもしくは複数の兆候もしくは症状をある程度和らげる(または好ましくは排除する)という効果を有する量を指す。
本明細書において使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物対象を指す。ある特定の好ましい実施形態において、対象は、哺乳動物、より好ましくはヒトである。
用語「治療すること」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、そのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、逆転させること、緩和すること、その進行を阻害すること、または予防することを意味する。用語「治療」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、「治療すること」がすぐ上で定義された通りの治療する行為を指す。用語「治療すること」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療も含む。
用語「異常な細胞成長」および「過剰増殖性障害」は、本願において交換可能に使用される。
「異常な細胞成長」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、正常な調節機構とは無関係な細胞成長(例えば、接触阻害の喪失)を指す。異常な細胞成長は、良性(非がん性)または悪性(がん性)であってよい。これは、(1)EZH2の発現増加を示す腫瘍細胞(腫瘍)、(2)EZH2を過剰発現させた他の増殖性疾患の良性および悪性細胞、(3)異常なEZH2活性化によって増殖する腫瘍、ならびに(4)異常なEZH2活性化が出現する他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の、異常な成長を含む。
本明細書において使用される場合、「がん」は、異常な細胞成長によって引き起こされる任意の悪性および/または侵襲性の成長または腫瘍を指す。本明細書において使用される場合、「がん」は、それらを形成する細胞の種類に因んで命名された固形腫瘍、血液、骨髄またはリンパ系のがんを指す。固形腫瘍の例は、肉腫および癌腫を含むがこれらに限定されない。血液のがんの例は、白血病、リンパ腫および骨髄腫を含むがこれらに限定されない。用語「がん」は、体内の特異的部位を起源とする原発性がん、それが始まった場所から体の他の部分へ広がった転移性がん、寛解後の最初の原発性がんからの再発、および、後のものとは種類が異なる過去のがんの履歴を持つ人物における新しい原発性がんである二次原発性がんを含むがこれらに限定されない。本発明の化合物は、EZH2を阻害し、故に、いずれも、哺乳動物、特にヒトにおける抗増殖剤(例えば、がん)または抗腫瘍剤(例えば、固形腫瘍に対する効果)としての治療的使用に適応する。特に、本発明の化合物は、悪性および良性両方の異常な細胞成長を含む様々なヒト過剰増殖性障害の予防および治療において有用である。
本明細書において提供される化合物、組成物および方法は、以下のがんを含むがこれらに限定されないがんの治療に有用である:
循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫)、縦隔および胸膜、ならびに他の胸腔内器官、血管腫瘍および腫瘍関連維管束組織;
気道、例えば、鼻腔および中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支および肺{小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、歯槽(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫等};
胃腸系、例えば、食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(stomach)(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃(gastric)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ(Karposi’s)肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);
尿生殖路、例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および/または尿道(扁平上皮細胞癌、移行細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛腫、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);
肝臓、例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵内分泌腫瘍(褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸管ペプチド腫瘍、島細胞腫およびグルカゴノーマ等);
骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍癌、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;
神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋骨がん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳腫瘍(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);
生殖器系、例えば、婦人科、子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、分類不能癌]、顆粒莢膜細胞腫、セルトリライディック細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)および女性生殖器に関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および男性生殖器に関連する他の部位;
血液系、例えば、血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];
口腔、例えば、口唇、舌、歯肉、口腔底部、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、および唾液腺の他の部分、へんとう腺、中咽頭、鼻咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに口唇、口腔および咽頭内の他の部位;
皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、黒子型異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫およびケロイド;
副腎:神経芽細胞腫;ならびに
結合組織および軟組織を含む他の組織、後腹膜および腹膜、目、眼内黒色腫、ならびに付属器、乳房、頭部もしくは/および頸部、肛門部、甲状腺、副甲状腺、副腎ならびに他の内分泌腺および関連構造、リンパ節の続発性および特定不能の悪性新生物、呼吸および消化器系の続発性悪性新生物ならびに他の部位の続発性悪性新生物。
より具体的には、本明細書において本発明との関連で使用される場合のがんの例は、肺がん(NSCLCおよびSCLC)、頭頸部がん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門部のがん、胃がん、乳がん、腎臓もしくは尿管がん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍から選択されるがん、または前述のがんの1つもしくは複数の組合せを含む。
なお一層具体的には、本明細書において本発明との関連で使用される場合の「がん」の例は、肺がん(NSCLCおよびSCLC)、乳がん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門部のがんから選択されるがん、または前述のがんの1つもしくは複数の組合せを含む。
さらなる実施形態において、本明細書において本発明との関連で使用される場合の「がん」の例は、肺がん(NSCLCおよびSCLC)、乳がん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門部のがん、子宮内膜がん、胃がん、肝臓がん(HCC)、腎臓がん(RCC)、黒色腫、膵臓がん、前立腺がん、膀胱がん、もしくはリンパ腫(DLBCLまたはFL)から選択されるがん、または前述のがんの1つもしくは複数の組合せを含む。
本発明の一実施形態において、非がん性状態は、皮膚の良性過形成(例えば乾癬)および前立腺の良性過形成(例えばBPH)等の過形成状態を含む。
別の態様において、本発明は、細胞増殖を阻害するための方法であって、細胞を、細胞の増殖を阻害するのに有効な量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させるステップを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、細胞アポトーシスを誘発するための方法であって、細胞を、細胞のアポトーシスを誘発するために有効な量の本明細書において記述されている化合物と接触させるステップを含む方法を提供する。
「接触させること」は、本発明の化合物または薬学的に許容できる塩およびEZH2を発現している細胞を、化合物が直接的にまたは間接的にのいずれかでEZH2の活性に影響を及ぼし得るような方式で一緒にすることを指す。接触は、インビトロで(すなわち、例えば、限定されないが、試験管または培養培地中等の人工環境で)またはインビボで(すなわち、限定されないが、マウス、ラットまたはウサギ等の生命有機体内で)、遂行され得る。
いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞株等の細胞株内にある。他の実施形態において、細胞は組織または腫瘍内にあり、該組織または腫瘍は、ヒトを含む対象の体内にあってよい。
剤形およびレジメン
本発明の化合物の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって達成することができる。これらの方法は、経口ルート、十二指腸内ルート、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所および経直腸投与を含む。
投薬レジメンは、最適な所望の応答を提供するように調整することができる。例えば、単回ボーラスを投与してもよく、数回の分割用量を経時的に投与してもよく、または治療状況の緊急事態によって指示されている通りに用量を比例的に低減または増大させてもよい。投与の容易性および投薬量の均一性のために、非経口組成物を用量単位形態で製剤化することはとりわけ有利である。用量単位形態は、本明細書において使用される場合、治療される哺乳類対象のための単位投薬量として適した物理的に不連続な単位を指し、各単位は、所望の治療効果を生成するように算出された所定分量の活性化合物を、所要の医薬担体と一緒に含有する。本発明の用量単位形態の仕様は、(a)化学療法剤の独自の特徴および実現される特定の治療効果または予防効果、ならびに(b)個体における感受性の治療のためにそのような活性化合物を化合物化する技術分野に固有の制限によって決定づけられ、それらに直接的に依存する。
故に、当業者であれば、本明細書において提供されている開示に基づき、治療技術分野において周知の方法に従って用量および投薬レジメンが調整されることが分かるであろう。すなわち、最大耐量を容易に確立することができ、各作用物質を投与する一次的な要求によって検出可能な治療的利益を患者に提供することができるのと同様に、検出可能な治療的利益を患者に提供する有効量も決定することができる。したがって、ある特定の用量および投与レジメンが本明細書において例示されているが、これらの例は、本発明を実践する際に患者に提供され得る用量および投与レジメンを何ら限定するものではない。
用量値は、緩和すべき状態の種類および重症度によって変動し得、単回または複数回用量を含み得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、個々の必要性および組成物の投与を管理または監督する人物の専門的判定に従って特定の投薬レジメンを経時的に調整すべてきであること、ならびに、本明細書において明記されている投薬量範囲は例示的なものに過ぎず、特許請求されている組成物の範囲および実践を限定することを意図しないことをさらに理解されたい。例えば、用量は、毒性効果および/または検査値等の臨床効果を含み得る薬物動態または薬力学的パラメーターに基づいて調整することができる。故に、本発明は、当業者によって決定される通りの患者内の用量漸増を網羅する。化学療法剤の投与のための適切な投薬量およびレジメンを決定することは、関連技術分野において周知であり、本明細書において開示されている教示を提供すれば、網羅されていることが当業者に理解されるであろう。
投与される本発明の化合物の量は、治療されている対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の体内動態および処方医師の裁量に依存することになる。しかしながら、有効な投薬量は、単回用量または分割用量で、1日当たり体重1kgにつき約0.001から約100mg、好ましくは約1から約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトについては、これは、約0.05から約7g/日、好ましくは約0.1から約2.5g/日の量となるであろう。いくつかの場合において、前述の範囲の下限未満の投薬量レベルで十分なことがあり、一方、他の事例では、いかなる有害な副作用も引き起こすことなくさらに大きい用量を用いることができ、但し、そのようなより大きい用量は、1日を通しての投与のために最初に数回の小さい用量に分割される。
製剤および投与ルート
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容できる担体」は、有機体に重大な刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物活性および特性を抑止しない、担体または賦形剤を指す。
薬学的な(pharmaceutical)許容できる担体は、任意の従来の医薬担体または添加剤を含み得る。担体および/または添加剤の選択は、特定の投与モード、溶解度および安定性に対する添加剤の影響、ならびに剤形の性質等の要因にかなりの程度まで依存することになる。
好適な医薬担体は、不活性賦形剤または充填剤、水および種々の有機溶媒(水和物および溶媒和物等)を含む。医薬組成物は、所望ならば、香味剤、結合剤、添加剤等の追加の構成要素を含有し得る。故に、経口投与では、クエン酸等の種々の添加剤を、デンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊剤、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアカシア等の結合剤と一緒に含有する錠剤が用いられ得る。添加剤の例は、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖および各種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールを含む。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク等の平滑剤が、多くの場合、錠剤化目的のために有用である。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤においても用いられ得る。したがって、材料の非限定的な例は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁液またはエリキシル剤が経口投与用に所望される場合、その中の活性化合物は、種々の甘味もしくは香味剤、着色物質または染料、所望ならば、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せ等の賦形剤と一緒に組み合わせられてよい。
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、懸濁剤として経口投与に、滅菌溶液、懸濁剤もしくは乳剤として非経口注射に、軟膏剤もしくはクリーム剤として局所投与に、または坐剤として直腸内投与に好適な形態であってよい。
例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液、例えばプロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液を含む。そのような剤形は、所望ならば好適に緩衝化されていてよい。
医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。
本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物およびそれらの調製のための方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような組成物およびそれらの調製のための方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)において見ることができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、経口的に投与され得る。経口投与には、化合物が胃腸管に入るような嚥下が関与し得、または化合物が口から血流に直接入る口腔もしくは舌下投与を用いてもよい。
経口投与に好適な製剤は、錠剤等の固体製剤、粒子、液体または粉末を含有するカプセル剤、ロゼンジ剤(液体充填剤を含む)、チュアブル錠、マルチおよびナノ粒子、ゲル剤、固体液剤、リポソーム剤、フィルム剤(粘膜接着剤を含む)、オビュール剤、スプレー剤ならびに液体製剤を含む。
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。そのような製剤は、軟または硬カプセル剤中の充填剤として用いられ得、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは好適な油と、1つまたは複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、例えばサシェからの固体の再構成によって調製することもできる。
本発明の化合物は、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986、LiangおよびChen著(2001)において記述されているもの等、速溶性、速崩壊性の剤形で使用することもでき、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
錠剤剤形では、用量に応じて、薬物は剤形の1wt%から80wt%まで、より典型的には剤形の5wt%から60wt%までを占め得る。薬物に加えて、錠剤は概して、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。概して、崩壊剤は、剤形の1wt%から25wt%まで、好ましくは5wt%から20wt%までを構成することになる。
結合剤は概して、錠剤製剤に粘着性の品質を付与するために使用される。好適な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥した一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物等の賦形剤も含有し得る。
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80等の表面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルク等の流動促進剤も場合により含み得る。存在する場合、表面活性剤は、典型的には錠剤の0.2wt%から5wtまでの量であり、流動促進剤は、典型的には錠剤の0.2wt%から1wt%までの量である。
錠剤は概して、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の滑沢剤も含有する。滑沢剤は概して、錠剤の0.25wt%から10wt%まで、好ましくは0.5wt%から3wt%までの量で存在する。
他の従来の構成要素は、酸化防止剤、着色剤、香味剤、保存剤および矯味剤を含む。
例示的な錠剤は、最大約80wt%の薬物、約10wt%から約90wt%までの結合剤、約0wt%から約85wt%までの賦形剤、約2wt%から約10wt%までの崩壊剤、および約0.25wt%から約10wt%までの滑沢剤を含有する。
錠剤混和物を、直接またはローラーによって圧縮して、錠剤を形成することができる。錠剤混和物または混和物の一部は、代替として、湿式、乾式もしくは溶融顆粒化、溶融凝固または押出した後で錠剤化してもよい。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよく、またはカプセル化されていてもよい。
錠剤の製剤化については、「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、H.LiebermanおよびL.Lachman著、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN 0−8247−6918−X)において詳細に論じられており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
経口投与用の固体製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。
好適な調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号において記述されている。高エネルギー分散ならびに浸透性および被覆粒子等の他の好適な放出テクノロジーの詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)において見ることができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298において記述されている。これらの参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
非経口投与
本発明の化合物は、血流中、筋肉中または内臓器官中に直接投与されてもよい。非経口投与に好適な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下を含む。非経口投与に好適なデバイスは、針(顕微針を含む)注射器、無針注射器および注入技術を含む。
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤等の添加剤を(好ましくは3から9までのpHまで)含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途では、滅菌非水溶液として、または滅菌パイロジェンフリー水等の好適なビヒクルと併せて使用するための乾燥形態として、より好適に製剤化することができる。
滅菌条件下における、例えば凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な薬学技術を使用して容易に遂行することができる。
非経口溶液の調製において使用される本発明の化合物の溶解度は、溶解度増強剤の組み込み等、適切な製剤化技術の使用によって増大させることができる。
非経口投与用の製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。故に、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を提供する埋め込みデポー剤としての投与のために、固体、半固体または揺変性液体として製剤化することができる。そのような製剤の例は、薬物コーティングしたステントおよびPGLAマイクロスフィアを含む。
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、真皮にまたは経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、撒布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウエハー剤、移植片、スポンジ、繊維、絆創膏およびマイクロ乳剤を含む。リポソーム剤を使用してもよい。典型的な担体は、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む。浸透促進剤を組み込んでもよく、例えば、J Pharm Sci、88(10)、955〜958、FinninおよびMorgan著(1999年10月)を参照されたい。局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび顕微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)等)注射による送達を含む。これらの参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
局所投与用の製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。
本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって、典型的には、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾式混和物中の混合物として、または例えばホスファチジルコリン等のリン脂質と混合された混合成分粒子としてのいずれか)の形態で、または、加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器)もしくはネブライザーからエアゾールスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン等の好適な推進剤を使用してもしくは使用せずに、投与することもできる。鼻腔内使用のために、粉末は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含み得る。
加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または活性物の分散、可溶化もしくは延長放出のための好適な代替剤、溶媒としての推進剤、およびソルビタントリオレエート、オレイン酸またはオリゴ乳酸等の任意選択の界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末または懸濁液製剤における使用前に、薬物製品は、吸入による送達に好適なサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉化される。これは、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧均質化または噴霧乾燥等の任意の適切な破砕方法によって実現することができる。
吸入器または注入器において使用するための、カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはHPMC製のもの)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプン等の好適な散剤基剤、およびl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウム等の性能調節剤の混合粉体を含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であっても一水和物の形態であってもよく、好ましくは後者である。他の好適な添加剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを含む。
電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器において使用するための好適な溶液製剤は、作動毎に1μgから20mgまでの本発明の化合物を含有し得、作動体積は1μLから100μLまで変動し得る。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替的な溶媒は、グリセロールおよびポリエチレングリコールを含む。
メントールおよびレボメントール等の好適な香味剤、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウム等の甘味料を、吸入/鼻腔内投与が意図されている本発明の製剤に添加してよい。
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、例えば、ポリ(DL−乳酸−コグリコール酸(PGLA)を使用して、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。
乾燥粉末吸入器およびエアゾールの事例において、投薬量単位は、計量された量を送達する弁を使って決定される。本発明に従う単位は、典型的には、所望量(mount)の本発明の化合物を含有する計量用量または「パフ」を投与するように整えられる。総日用量は、単回用量で、または、さらに通例は、1日を通しての分割用量として投与され得る。
本発明の化合物は、経直腸的または経膣的に、例えば、坐剤、ペッサリーまたはかん腸剤の形態で投与することができる。ココアバターが慣習的な坐剤基剤であるが、種々の代替物を適宜使用してよい。
経直腸/経膣投与用の製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。
本発明の化合物を、典型的には、等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の滴の形態で、目または耳に直接投与してもよい。眼および耳内投与に好適な他の製剤は、軟膏剤、生物分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生物分解性(例えばシリコーン)移植片、ウエハー剤、レンズおよび微粒子、またはニオソームもしくはリポソーム等の小胞系を含む。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェラン(gelan)ガム等のポリマーを、塩化ベンザルコニウム等の保存剤と一緒に組み込んでよい。そのような製剤は、イオントフォレーシスによって送達することもできる。
眼/耳内投与は、即時および/または調節放出となるように製剤化することができる。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出またはプログラム放出を含む。
他のテクノロジー
本発明の化合物は、前述の投与モードのいずれかでの使用のための、該化合物の溶解度、溶解速度、矯味性、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその好適な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマー等の可溶性の高分子実体と組み合わせることができる。
薬物−シクロデキストリン錯体は、例えば、ほとんどの剤形および投与ルートに概して有用であることが分かっている。包接および非包接錯体の両方を使用することができる。薬物との直接錯体形成の代替として、シクロデキストリンを補助添加物として、すなわち、担体、賦形剤または可溶化剤として使用してよい。これらの目的のために最もよく使用されるのは、アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンであり、その例は、PCT公開第WO91/11172号、同第WO94/02518号および同第WO98/55148号において見ることができ、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
投薬量
投与される活性化合物の量は、治療されている対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の体内動態および処方医師の裁量に依存して決まることになる。しかしながら、有効な投薬量は、典型的には、単回用量または分割用量で、1日当たり体重1kgにつき約0.001から約100mg、好ましくは約0.01から約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトについては、これは約0.07から約7000mg/日、好ましくは約0.7から約2500mg/日の量になるであろう。いくつかの場合において、前述の範囲の下限未満の投薬量レベルで十分なことがあり、一方、他の事例では、いかなる有害な副作用も引き起こすことなくさらに大きい用量を使用することができ、そのような大きい用量は、典型的には、1日を通しての投与のために数回の小さい用量に分割される。
パーツのキット
例えば、特定の疾患または状態を治療することを目的とした活性化合物の組合せを投与することが望ましいことがあるという理由で、少なくとも1つが本発明に従う化合物を含有する2つ以上の医薬組成物を、組成物の共投与に好適なキットの形態で好都合に組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。故に、本発明のキットは、少なくとも1つが本発明の化合物を含有する2つ以上の別個の医薬組成物、およびコンテナ、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包等の、前記組成物を別個に保持するための手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤等を包装するために使用される家庭用ブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口および非経口剤形を投与するため、別個の組成物を異なる投薬間隔で投与するため、または別個の組成物を互いに対して滴定するために、特に好適である。服薬遵守を補助するために、キットは、典型的には、投与指示書を含み、記憶補助を備えていてよい。
併用療法
本明細書において使用される場合、用語「併用療法」は、少なくとも1つの追加の医薬品または薬用剤(例えば、抗がん剤)と、順次にまたは同時にのいずれかで一緒にした本発明の化合物の投与を指す。
上記で注記した通り、本発明の化合物は、後述する1つまたは複数の追加の複数の追加の抗がん剤と組み合わせて使用することができる。併用療法が使用される場合、1つまたは複数の追加の抗がん剤は、本発明の化合物と順次にまたは同時に投与され得る。一実施形態において、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与の前に哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される。別の実施形態において、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与の後に哺乳動物に投与される。別の実施形態において、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与と同時に哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される。
本発明は、ヒトを含む哺乳動物における異常な細胞成長の治療のための医薬組成物であって、ある量の、上記で定義した通りの本発明の化合物(前記化合物の水和物、溶媒和物および多形または薬学的に許容できるその塩を含む)を、抗血管新生剤およびシグナル伝達阻害剤からなる群から選択される1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤ならびに薬学的に許容できる担体と組み合わせて含み、活性剤および併用抗がん剤の量は、全体として捉えた場合に、前記異常な細胞成長を治療するための治療有効量である、医薬組成物にも関する。
本発明の一実施形態において、本発明の化合物および本明細書において記述されている医薬組成物と併せて使用される抗がん剤は、抗血管新生剤(例えば、腫瘍が新しい血管を発達させるのを停止する作用物質)である。抗血管新生剤の例は、例えば、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、TIE−2阻害剤、PDGFR阻害剤、アンジオポエチン(angiopoetin)阻害剤、PKCβ阻害剤、COX−2(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、インテグリン(アルファ−v/ベータ−3)、MMP−2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)阻害剤およびMMP−9(マトリックスメタロプロテアーゼ9)阻害剤を含む。
好ましい抗血管新生剤は、スニチニブ(Sutent(商標)、ベバシズマブ(Avastin(商標))、アクシチニブ(AG13736)、SU14813(Pfizer)およびAG13958(Pfizer)を含む。
追加の抗血管新生剤は、バタラニブ(CGP79787)、ソラフェニブ(Nexavar(商標))、ペガプタニブオクタナトリウム(Macugen(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、PF−0337210(Pfizer)、SU14843(Pfizer)、AZD2171(AstraZeneca)、ラニビズマブ(Lucentis(商標))、Neovastat(商標)(AE941)、テトラチオモリブデータ(tetrathiomolybdata)(Coprexa(商標))、AMG706(Amgen)、VEGFトラップ(AVE0005)、CEP7055(Sanofi−Aventis)、XL880(Exelixis)、テラチニブ(BAY57−9352)およびCP−868,596(Pfizer)を含む。
他の抗血管新生剤は、エンザスタウリン(LY317615)、ミドスタウリン(CGP41251)、ペリホシン(KRX0401)、テプレノン(Selbex(商標))およびUCN01(協和発酵工業株式会社)を含む。
本発明の化合物および本明細書において記述されている医薬組成物と併せて使用され得る抗血管新生剤の他の例は、セレコキシブ(Celebrex(商標))、パレコキシブ(Dynastat(商標))、デラコキシブ(SC59046)、ルミラコキシブ(Preige(商標))、バルデコキシブ(Bextra(商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(商標))、イグラチモド(Careram(商標))、IP751(Invedus)、SC−58125(Pharmacia)およびエトリコキシブ(Arcoxia(商標))を含む。
他の抗血管新生剤は、エクシスリンド(Aptosyn(商標))、サルサラート(Amigesic(商標))、ジフルニサール(Dolobid(商標))、イブプロフェン(Motrin(商標))、ケトプロフェン(Orudis(商標))、ナブメトン(Relafen(商標))、ピロキシカム(Feldene(商標))、ナプロキセン(Aleve(商標)、Naprosyn(商標))、ジクロフェナク(Voltaren(商標))、インドメタシン(Indocin(商標))、スリンダク(Clinoril(商標))、トルメチン(Tolectin(商標))、エトドラク(Lodine(商標))、ケトロラック(Toradol(商標))およびオキサプロジン(Daypro(商標))を含む。
他の抗血管新生剤は、ABT510(Abbott)、アパラタスタット(TMI005)、AZD8955(AstraZeneca)、インシクリニド(Metastat(商標))およびPCK3145(Procyon)を含む。
他の抗血管新生剤は、アシトレチン(Neotigason(商標))、プリチデプシン(aplidine(商標))、シレングチド(EMD121974)、コンブレタスタチンA4(CA4P)、フェンレチニド(4HPR)、ハロフジノン(Tempostatin(商標))、Panzem(商標)(2−メトキシエストラジオール)、PF−03446962(Pfizer)、レビマスタット(BMS275291)、カツマキソマブ(Removab(商標))、レナリドマイド(Revlimid(商標))、スクアラミン(EVIZON(商標))、サリドマイド(Thalomid(商標))、Ukrain(商標)(NSC631570)、Vitaxin(商標)(MEDI522)およびゾレドロン酸(Zometa(商標))を含む。
別の実施形態において、抗がん剤は、いわゆるシグナル伝達阻害剤(例えば、細胞内において伝えられる細胞成長、分化および生存の基本的なプロセスを左右する分子を調節する手段を阻害すること)である。シグナル伝達阻害剤は、低分子、抗体およびアンチセンス分子を含む。シグナル伝達阻害剤は、例えば、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤)および細胞周期阻害剤を含む。より具体的には、シグナル伝達阻害剤は、例えば、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、EGF阻害剤、ErbB−1(EGFR)、ErbB−2、pan erb、IGF1R阻害剤、MEK、c−Kit阻害剤、FLT−3阻害剤、K−Ras阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、JAK阻害剤、STAT阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、mTOR阻害剤、P70S6キナーゼ阻害剤、WNT経路の阻害剤およびいわゆる多重標的キナーゼ阻害剤を含む。
好ましいシグナル伝達阻害剤は、ゲフィチニブ(Iressa(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、スニチニブ(Sutent(商標))、イマチニブ(Gleevec(商標))およびPD325901(Pfizer)を含む。
本発明の化合物および本明細書において記述されている医薬組成物と併せて使用され得るシグナル伝達阻害剤の追加の例は、BMS214662(Bristol−Myers Squibb)、ロナファーニブ(Sarasar(商標))、ペリトレキソール(AG2037)、マツズマブ(EMD7200)、ニモツズマブ(TheraCIM h−R3(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、パゾパニブ(SB786034)、ALT110(Alteris Therapeutics)、BIBW2992(Boehringer Ingelheim)およびCervene(商標)(TP38)を含む。
シグナル伝達阻害剤の他の例は、PF−2341066(Pfizer)、PF−299804(Pfizer)、カネルチニブ(CI1033)、パーツズマブ(Omnitarg(商標))、ラパチニブ(Tycerb(商標))、ペリチニブ(EKB569)、ミルテホシン(Miltefosin(商標))、BMS599626(Bristol−Myers Squibb)、ラプロイセル−T(Neuvenge(商標))、NeuVax(商標)(E75がんワクチン)、Osidem(商標)(IDM1)、ムブリチニブ(TAK−165)、CP−724,714(Pfizer)、パニツムマブ(Vectibix(商標))、ラパチニブ(Tycerb(商標))、PF−299804(Pfizer)、ペリチニブ(EKB569)およびパーツズマブ(Omnitarg(商標))を含む。
シグナル伝達阻害剤の他の例は、ARRY142886(Array Biopharm)、エベロリムス(Certican(商標))、ゾタロリムス(Endeavor(商標))、テムシロリムス(Torisel(商標))、AP23573(ARIAD)およびVX680(Vertex)を含む。
加えて、他のシグナル伝達阻害剤は、XL647(Exelixis)、ソラフェニブ(Nexavar(商標))、LE−AON(Georgetown University)およびGI−4000(Globelmmune)を含む。
他のシグナル伝達阻害剤は、ABT751(Abbott)、アルボシジブ(フラボピリドール)、BMS387032(Bristol Myers)、EM1421(Erimos)、インジスラム(E7070)、セリシクリブ(CYC200)、BIO112(Onc Bio)、BMS387032(Bristol−Myers Squibb)、PD0332991(Pfizer)およびAG024322(Pfizer)を含む。
本発明は、古典的な抗腫瘍剤と一緒にした本発明の化合物の使用を企図している。古典的な抗腫瘍剤は、ホルモン、抗ホルモン、アンドロゲンアゴニスト、アンドロゲンアンタゴニストおよび抗エストロゲン治療剤等のホルモンモジュレーター、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、遺伝子サイレンシング剤または遺伝子活性化剤、リボヌクレアーゼ、プロテオソミクス(proteosomics)、トポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン誘導体、トポイソメラーゼII阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP−1)阻害剤、マイクロチューブリン阻害剤、抗生物質、植物由来の紡錘体阻害剤、白金配位化合物、遺伝子治療剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、血管標的剤(VTA)、ならびにスタチンを含むがこれらに限定されない。
1つまたは複数の他の作用物質を加えてもよい本発明の化合物との併用療法において使用される古典的な抗腫瘍剤の例は、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等のグルココルチコイド、およびメドロキシプロゲステロン等のプロゲスチン、酢酸メゲストロール(Megace)、ミフェプリストン(RU−486)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;タモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、アフィモキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、フィスフェミペン(fispemifene)、オルメロキシフェン、オスペミフェン、テスミリフェン、トレミフェン、トリロスタンおよびCHF4227(Cheisi)等)、選択的エストロゲン受容体抑制薬(SERD;フルベストラント等)、エキセメスタン(アロマシン)、アナストロゾール(アリミデックス)、アタメスタン、ファドロゾール、レトロゾール(フェマーラ);ブセレリン(スプレファクト)、ゴセレリン(ゾラデックス)、リュープロレリン(ルプロン)およびトリプトレリン(トレルスター)等のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH;一般に黄体形成ホルモン放出ホルモン[LHRH]とも称される)アゴニスト、アバレリックス(プレナキシス)、ビカルタミド(カソデックス)、シプロテロン、フルタミド(エウレキシン)、メゲストロール、ニルタミド(ニランドロン)、およびオサテロン、デュタステライド、エプリステライド、フィナステリド、ノコギリヤシ(Serenoa repens)、PHL00801、アバレリックス、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン、ビカルタミド、タモキシフェン、エキセメスタン、アナストロゾール、ファドロゾール、フォルメスタン、レトロゾール、ならびにこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせて使用される古典的な抗腫瘍剤の他の例は、ヒドロキサミン酸サブエロルアニリド(suberolanilide)(SAHA、Merck Inc./Aton Pharmaceuticals)、デプシペプチド(FR901228またはFK228)、G2M−777、MS−275、ピバロイルオキシメチルブチレートおよびPXD−101;オンコナーゼ(ランピルナーゼ)、PS−341(MLN−341)、ベルケード(ボルテゾミブ)、9−アミノカンプトテシン、ベロテカン、BN−80915(Roche)、カンプトテシン、ジフロモテカン、エドテカリン、エキサテカン(第一三共株式会社)、ギマテカン、10−ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカンHCl(カンプトサール)、ルートテカン、オラセチン(ルビテカン、Supergen)、SN−38、トポテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン、トポテカン、アクラルビシン、アドリアマイシン、アモナファイド、アムルビシン、アナマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、ガラルビシン、ヒドロキシカルバミド、ネモルビシン、ノバントロン(ミトキサントロン)、ピラルビシン、ピクサントロン、プロカルバジン、レベッカマイシン、ソブゾキサン、タフルポシド、バルルビシン、ザインカード(デクスラゾキサン)、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロフォスファミド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジコン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、ダカルバジン、エストラムスチン、ホテムスチン、グルフォスファミド、イホスファミド、KW−2170、ロムスチン、マホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、マイトマイシンC、ミトキサトロン(mitoxatrone)、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロマイド、チオテパ、およびシスプラチン、パラプラチン(カルボプラチン)、エプタプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、エロキサチン(オキサリプラチン、Sanofi)、ストレプトゾシン、サトルプラチン(satrplatin)等の白金配位アルキル化化合物、ならびにこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
本発明は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤(メトトレキサートおよびニュートレキシン(グルクロン酸トリメトレセート)等)、プリンアンタゴニスト(6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、6−チオグアニン、クラドリビン、クロファラビン(クロラール)、フルダラビン、ネララビンおよびラルチトレキセド等)、ピリミジンアンタゴニスト(5−フルオロウラシル(5−FU)、アリムタ(プレメトレキセド二ナトリウム、LY231514、MTA)、カペシタビン(Xeloda(商標))、シトシンアラビノシド、Gemzar(商標)(ゲムシタビン、Eli Lilly)、テガフール(UFT OrzelおよびUforal、テガフール、ギメスタットおよびオトスタット(otostat)のTS−1組合せを含む)、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン(オクホスファート、ホスフェートステアレート、持続放出およびリポソーマル形態を含む)、エノシタビン、5−アザシチジン(ビダーザ)、デシタビンおよびエチニルシチジン等)、ならびにエフロルニチン、ヒドロキシ尿素、ロイコボリン、ノラトレキシド(チミタク)、トリアピン、トリメトレキサート、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸、AG−014699(Pfizer Inc.)、ABT−472(Abbott Laboratories)、INO−1001(Inotek Pharmaceuticals)、KU−0687(KuDOS Pharmaceuticals)およびGPI18180(Guilford Pharm Inc)等の他の代謝拮抗物質、ならびにこれらの組合せと一緒にした、本発明の化合物の使用も企図している。
1つまたは複数の他の作用物質を加えてもよい本発明の化合物との併用療法において使用される古典的な抗腫瘍細胞毒性剤の他の例は、アブラキサン(Abraxis BioScience、Inc.)、バタブリン(Amgen)、EPO906(Novartis)、ビンフルニン(Bristol−Myers Squibb Company)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ネオカルチノスタチン(チノスタチン)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン(ナベルビン)、ドセタキセル(タキソテール)、オルタタキセル、パクリタキセル(タクサオプレキシン、DHA/パシルタキセル(paciltaxel)共役体を含む)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン(エロキサチン)、サトラプラチン、カンプトサール、カペシタビン(ゼローダ)、オキサリプラチン(エロキサチン)、タキソテールアリトレチノイン、カンフォスファミド(Telcyta(商標))、DMXAA(Antisoma)、イバンドロン酸、L−アスパラギナーゼ、ペグアスパラガーゼ(Oncaspar(商標))、エファプロキシラル(Efaproxyn(商標)−放射線療法))、ベキサロテン(Targretin(商標))、テスミリフェン(DPPE−細胞毒性物質の効能を強化する))、Theratope(商標)(Biomira)、トレチノイン(Vesanoid(商標))、チラパザミン(Trizaone(商標))、モテクサフィンガドリニウム(Xcytrin(商標))Cotara(商標)(mAb)、およびNBI−3001(Protox Therapeutics)、ポリグルタメート化パクリタキセル(Xyotax(商標))ならびにこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
1つまたは複数の他の作用物質を加えてもよい本発明の化合物との併用療法において使用される古典的な抗腫瘍剤のさらなる例は、アドベキシン(ING201)、TNFエレード(TNFerade)(GeneVec、放射線治療に応答してTNFアルファを発現する化合物)、RB94(ベイラー医科大学(Baylor College of Medicine))、ジェナセンス(オブリメルセン、Genta)、コンブレタスタチンA4P(CA4P)、Oxi−4503、AVE−8062、ZD−6126、TZT−1027、アトルバスタチン(リピトール、Pfizer Inc.)、プロバスタチン(Provastatin)(プラバコール、Bristol−Myers Squibb)、ロバスタチン(メバコール、Merck Inc.)、シンバスタチン(ゾコール、Merck Inc.)、フルバスタチン(レスコール、Novartis)、セリバスタチン(バイコール、Bayer)、ロスバスタチン(クレストール、AstraZeneca)、ロボスタチン(Lovostatin)、ナイアシン(アドビコール、Kos Pharmaceuticals)、カデュエット、リピトール、トルセトラピブ、ならびにこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。
特に興味深い本発明の別の実施形態は、そのような治療を必要とするヒトにおける乳がんの治療のための方法であって、前記ヒトに、ある量の本発明の化合物を、トラスツズマブ、タモキシフェン、ドセタキセル、パクリタキセル、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン、エキセメスタン、レトロゾールおよびアナストロゾールからなる群から選択される1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤と組み合わせて投与するステップを含む方法に関する。
一実施形態において、本発明は、ある量の本発明の化合物を、1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤と組み合わせて投与することによって、そのような治療を必要とするヒト等の哺乳動物における結腸直腸がんを治療する方法を提供する。特定の抗がん剤の例は、FOLFOX、5−フルオロウラシル(5−FU)またはカペシタビン(ゼローダ)、ロイコボリンおよびオキサリプラチン(エロキサチン)の組合せ等、アジュバント化学療法において典型的に使用されるものを含む。特定の抗がん剤のさらなる例は、ベバシズマブ(アバスチン)と組み合わせたFOLFOXまたはFOLFOX;ならびにFOLFIRI、5−FUまたはカペシタビン、ロイコボリンおよびイリノテカン(カンプトサール)の組合せ等、転移疾患の化学療法において典型的に使用されるものを含む。さらなる例は、17−DMAG、ABX−EFR、AMG−706、AMT−2003、ANX−510(CoFactor)、アプリジン(プリチデプシン、アプリジン)、アロプラチン、アクシチニブ(AG−13736)、AZD−0530、AZD−2171、カルメット−ゲラン桿菌(bacillus Calmette−Guerin)(BCG)、ベバシズマブ(アバスチン)、BIO−117、BIO−145、BMS−184476、BMS−275183、BMS−528664、ボルテゾミブ(ベルケード)、C−1311(Symadex)、カンツズマブメルタンシン、カペシタビン(ゼローダ)、セツキシマブ(エルビタックス)、クロファラビン(クロファレックス)、CMD−193、コンブレタスタチン、コタラ、CT−2106、CV−247、デシタビン(ダコジェン)、E−7070、E−7820、エドテカリン、EMD−273066、エンザスタウリン(LY−317615)エポチロンB(EPO−906)、エルロチニブ(タルセバ)、フラボピリドール(flavopyridol)、GCAN−101、ゲフィチニブ(イレッサ)、huA33、huC242−DM4、イマチニブ(グリーベック)、インジスラム、ING−1、イリノテカン(CPT−11、カンプトサール)ISIS2503、イクサベピロン、ラパチニブ(タイケルブ)、マパツムマブ(HGS−ETR1)、MBT−0206、MEDI−522(アブレグリン(Abregrin))、マイトマイシン、MK−0457(VX−680)、MLN−8054、NB−1011、NGR−TNF、NV−1020、オブリメルセン(ジェナセンス、G3139)、オンコベックス、ONYX015(CI−1042)、オキサリプラチン(エロキサチン)、パニツムマブ(ABX−EGF、ベクティビックス)、ペリチニブ(EKB−569)、ペメトレキセド(アリムタ)、PD−325901、PF−0337210、PF−2341066、RAD−001(エベロリムス)、RAV−12、レスベラトロル、レキシン−G、S−1(TS−1)、セリシクリブ、SN−38リポソーム、スチボグルコン酸ナトリウム(SSG)、ソラフェニブ(ネクサバール)、SU−14813、スニチニブ(スーテント)、テムシロリムス(CCI779)、テトラチオモリブデート、サロマイド(thalomide)、TLK−286(テルサイタ)、トポテカン(ハイカムチン)、トラベクテジン(ヨンデリス)、バタラニブ(PTK−787)、ボリノスタット(SAHA、ゾリンザ)、WX−UK1およびZYC300を含み、ここで、活性剤の量は、併用抗がん剤の量と一緒にして、結腸直腸がんを治療する上で有効である。
特に興味深い本発明の別の実施形態は、そのような治療を必要とするヒトにおける腎細胞癌の治療のための方法であって、前記ヒトに、ある量の本発明の化合物を、アクシチニブ(AG13736)、カペシタビン(ゼローダ)、インターフェロンアルファ、インターロイキン−2、ベバシズマブ(アバスチン)、ゲムシタビン(ジェムザール)、サリドマイド、セツキシマブ(エルビタックス)、バタラニブ(PTK−787)、スニチニブ(Sutent(商標))、AG−13736、SU−11248、タルセバ、イレッサ、ラパチニブおよびグリーベックからなる群から選択される1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤と組み合わせて投与するステップを含み、ここで、活性剤の量は、併用抗がん剤の量と一緒にして、腎細胞癌を治療する上で有効である方法に関する。
特に興味深い本発明の別の実施形態は、そのような治療を必要とするヒトにおける黒色腫の治療のための方法であって、前記ヒトに、ある量の本発明の化合物を、インターフェロンアルファ、インターロイキン−2、テモゾロマイド(テモダール)、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル、ダカルバジン(DTIC)、カルムスチン(BCNUとしても公知である)、シスプラチン、ビンブラスチン、タモキシフェン、PD−325,901、アクシチニブ(AG13736)、ベバシズマブ(アバスチン)、サリドマイド、ソラファニブ(sorafanib)、バタラニブ(PTK−787)、スニチニブ(Sutent(商標))、CpG−7909、AG−13736、イレッサ、ラパチニブおよびグリーベックからなる群から選択される1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤と組み合わせて投与するステップを含み、ここで、活性剤の量は、併用抗がん剤の量と一緒にして、黒色腫を治療する上で有効である方法に関する。
特に興味深い本発明の別の実施形態は、そのような治療を必要とするヒトにおける肺がんの治療のための方法であって、前記ヒトに、ある量の本発明の化合物を、カペシタビン(ゼローダ)、アクシチニブ(AG13736)、ベバシズマブ(アバスチン)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル、プレメトレキセド二ナトリウム(アリムタ)、タルセバ、イレッサ、ビノレルビン、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、スニチニブ(Sutent(商標))およびパラプラチン(カルボプラチン)からなる群から選択される1つまたは複数(好ましくは1から3つ)の抗がん剤と組み合わせて投与するステップを含み、ここで、活性剤の量は、併用抗がん剤の量と一緒にして、肺がんを治療する上で有効である方法に関する。
本発明の化合物は、本明細書で提供されている例示的な(expemplary)手順に従って調製される。いくつもの実施形態において、本発明の化合物は、モノまたはジハロゲン化安息香酸またはヘテロ安息香酸化合物と置換3−アミノメチル−1H−ピリジン−2−オンとの順次アミドカップリング、続いてボロン酸誘導体との鈴木カップリング(例えば、方法A)によって調製される。いくつかの実施形態において、カップリング生成物を、第二のクロスカップリング反応、特に第二の鈴木カップリング(例えば、方法C)に供する。さらなる実施形態において、ステップの順序は、モノまたはジハロゲン化安息香酸またはヘテロ安息香酸を、1または2回の鈴木カップリング、続いてアミドカップリング(例えば、方法B)に供するように逆転する。
いくつかの実施形態において、安息香酸またはヘテロ安息香酸は、保護形態で、例えばカルボン酸エステルとして使用され、方法は、アミド形成の前にエステル加水分解のステップを含む(例えば、方法DまたはE)。
さらなる実施形態において、ハロゲン化中間体を、アルコキシドとの求核置換に供して、アルコキシ部分を設置する(例えば、方法EまたはM)。
他の実施形態において、ハロゲン化中間体を、アミノ置換基との求核置換に供して、N結合ヘテロ環式部分を設置する(例えば、方法H、LまたはM)。
さらに他の実施形態において、方法は、置換基の1つまたは複数を設置するためのコア環系の構造的転換を伴う(例えば、方法F、IまたはJ)。
さらなる実施形態において、方法は、置換基の化学修飾を伴う(例えば、方法N)。
これらおよび他の方法を、本明細書で提供されている例の調製において例示する。合成例を、実施例全体にわたってならびに以下の表1および表2に提供する。野生型EZH2およびY641N EZH2−PCR2突然変異体における本発明の例示的な化合物について、20μMでのIC50値(μM)および/または%効果を、表3に提供する。
略語
下記の略語を実施例全体にわたって使用する:
「BOC」、「Boc」または「boc」は、N−tert−ブトキシカルボニルを意味し、「DCM」(CH2Cl2)は塩化メチレンを意味し、「DIPEA」または「DIEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し、「DBU」は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味し、「NMM」はN−メチルモルホリンを意味し、「DMA」はN,N−ジメチルアセトアミドを意味し、「DMF」はN−N−ジメチルホルムアミドを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「DPPP」は1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを意味し、「HOAc」は酢酸を意味し、「IPA」はイソプロピルアルコールを意味し、「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを意味し、「NMP」は1−メチル2−ピロリジノンを意味し、「TEA」はトリエチルアミンを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「MgSO4」は硫酸マグネシウムを意味し、「NaSO4」は硫酸ナトリウムを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「Ac」はアセチルを意味し、「OAc」はアセトキシを意味し、「Et」はエチルを意味し、「Me」はメチルを意味し、「Ph」はフェニルを意味し、「Bu」はブチルを意味し、「tBu」はter−ブチルを意味し、「dppf」は(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを意味し、「HATU」は2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、「mCPBA」はメタ−クロロ過安息香酸を意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「約」はおよそを意味し、「rt」は室温を意味し、「h」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「Tf」はトリフルオロメタンスルホネート(一般に「トリフレート」とも呼ばれる)を意味し、「eq.」は当量を意味する。
方法A
(実施例1)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中の、3−ブロモ−2−メチル安息香酸(213.5mg、0.993mmol)、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(267.3mg、1.498mmol;WO2011/140324において公開されている手順に従って調製したもの)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、482.0mg、1.268mmol)およびトリエチルアミン(0.50mL、3.6mmol)の溶液を、室温で17時間撹拌した。混合物を20mLの脱イオン水で希釈し、10分間撹拌して、白色沈殿物を形成させた。沈殿物を吸引濾過によって収集し、易流動性になるまで風乾させて、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド(292.8mg、84%収率)をオフホワイトの固体として産出した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.45 (s, 1H), 8.26 (t, J=4.55 Hz, 1H), 7.61 (dd, J=1.14, 7.96 Hz,
1H), 7.21 (dd, J=1.01, 6.57 Hz, 1H), 7.13 (t, J=7.83 Hz, 1H), 5.85 (s, 1H),
4.26 (d, J=5.05 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.11 (s, 3H).
3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド(287.0mg、0.822mmol)、(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステル(213.7mg、0.962mmol)、ジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・CH2Cl2](65.0mg、0.080mmol)(WO2008/98104において公開されている手順に従って調製したもの)および炭酸ナトリウム(300.2mg、2.83mmol)を含有する隔膜密閉バイアルを排気し、アルゴンを充填した。ジメチルスルホキシド(8.0mL)および脱イオン水(2.0mL)をシリンジによって添加した。溶液を、溶媒が沸騰し始めるまで排気によって脱気し、続いてアルゴン充填を3サイクルし、次いで、100℃のマイクロ波中で20分間照射した。室温に冷却した後、溶液を酢酸エチル(30mL)とpH4酢酸ナトリウム緩衝溶液(15mL)とに分配した。水層を酢酸エチル(2×20mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、逆相HPLCによって精製して、表題化合物(58.34mg、19.5%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.46 (br. s., 1H), 8.25 (t, J=4.95 Hz, 1H), 7.28-7.36 (m, 3H),
7.20 (dd, J=1.96, 6.97 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.29 (d, J=5.01 Hz, 2H), 3.47 (s,
3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.79 (s, 3H); MS: 365 [M + 1].
(実施例2)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例2の化合物は、実施例1の方法によって、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステルをカップリングパートナーとして、および1,4−ジオキサンを溶媒として、最終鈴木反応において使用して作製して、表題化合物を提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 11.30 (br. s., 1 H), 7.53 (d, J=1.77
Hz, 1 H), 7.41 (t, J=4.55 Hz, 1 H), 7.19 - 7.26 (m, 3 H), 6.17 (d, J=1.77 Hz, 1
H), 5.96 (s, 1 H), 4.56 (d, J=5.81 Hz, 2 H), 3.63 (s, 3 H), 2.41 (s, 3 H), 2.23
(s, 3 H), 2.17 (s, 3 H); MS: 351 [M + 1].
(実施例3)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2−メチルベンズアミド
実施例3の化合物は、実施例1の方法によって、3,5−ジメチルピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステルをカップリングパートナーとして最終鈴木反応において使用して作製して、表題化合物を提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.45 (br. s., 1H), 8.15 (s, 1H), 7.14-7.23 (m, 2H), 7.08 (dd, J =
2.9, 6.1 Hz, 1H), 5.85 (s, 1H), 4.28 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.10
(s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.95 (s, 6H); MS: 365 [M + 1].
(実施例4)
3−(1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチルベンズアミド
窒素下、メタノール(80mL)中の、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチルベンズアミド(400mg、1.12mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(748mg、2.96mmol)および5−ブロモ−1,4−ジメチル−1H−イミダゾール(300mg、1.72mmol)の溶液に、水(8mL)中の水酸化ナトリウム(90mg、2.24mmol)の溶液を添加し、混合物を窒素で3回脱気した。これに、ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン(cataCXium(登録商標)A、48mg、0.144mmol)および酢酸パラジウム(II)(30mg、0.144mmol)を添加し、混合物を再度脱気した。終夜加熱還流した後、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、残留物を分取HPLCによって精製して、表題化合物(15mg、3.5%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 7.71 (s, 1H), 7.43-7.41
(d, 1H), 7.37-7.34 (t, 1H), 7.38-7.26 (d, 1H), 6.13 (s, 1H), 4.50 (s, 2H), 3.39
(s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.00 (s, 3H). MS: 365 [M +
1].
(実施例5)
5−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例5の化合物は、実施例1の方法によって、3−ブロモ−5−クロロ−2−メチル安息香酸を最初のアミドカップリング反応において使用し、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステルをカップリングパートナーとして最終鈴木反応において使用して作製して、表題化合物を提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (br. s., 1H), 8.39 (t, J = 4.6 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 1.8 Hz,
1H), 7.36 (s, 2H), 5.86 (s, 1H), 4.27 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 3.58 (s, 3H), 2.20
(s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); MS: 385 [M + 1].
(実施例6)
5−[9−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−6−イル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
アセトニトリル(100mL)中の(+/−)−tert−ブチル6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−カルボキシレート(5.0g、19.23mmol)およびジヨードメタン(10.3g、38.46mmol)の溶液に、亜硝酸イソアミル(4.5g、39.46mmol)を室温で滴下添加し、得られた混合物を4時間加熱還流した。溶媒を真空で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3/1、Rf約0.8)によって精製して、(+/−)−tert−ブチル6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−カルボキシレート(4.0g、56%収率)を黄色油として得た。
窒素下、ジメチルスルホキシド(60mL)中の、(+/−)−tert−ブチル6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−カルボキシレート(4.0g、10.78mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.85g、11.86mmol)および酢酸カリウム(3.17g、32.34mmol)の溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(300mg、0.43mmol)を添加した。混合物を窒素で3回脱気し、次いで、80℃で終夜撹拌した。水(50mL)を添加し、溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc=10/1、Rf約0.4)によって精製して、(+/−)−tert−ブチル6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−カルボキシレート(3.9g、97%収率)を黄色固体として産出した。
ジクロロメタン(10mL)中の(+/−)−tert−ブチル6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−カルボキシレート(0.5g、1.35mmol)およびトリフルオロ酢酸(5mL)の混合物を、室温で終夜撹拌した。溶媒を真空で除去して、粗製の(+/−)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン(0.38g、100%収率)を黄色油として得、これを、それ以上精製することなく次のステップにおいて使用した。
ジクロロメタン(10mL)中の、粗製の(+/−)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン(0.38g、1.4mmol)、無水酢酸(0.17g、1.68mmol)およびトリエチルアミン(2mL)の混合物を、室温で終夜撹拌した。溶媒を真空下で除去して、(+/−)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−イル)エタノン(0.31g、71%収率)を褐色固体として得た。
1,4−ジオキサン(2mL)/α,α,α−トリフルオロトルエン(10mL)中の、(+/−)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−エピミノナフタレン−9−イル)エタノン(0.31g、0.98mmol)、5−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド(0.25g、0.658mmol)、フッ化カリウム(0.145g、1.97mmol)および臭化ナトリウム(0.1g、0.98mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(65mg、0.056mmol)を窒素下で添加した。得られた混合物を、175℃のマイクロ波反応器内で1時間照射した。溶媒を真空で除去し、残留物を分取HPLCによって精製して、表題化合物のモノギ酸塩(14mg、3.9%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.377 (s, 2H), 7.667-7.694 (d, 1H), 7.581 (s, 1H), 7.494-7.518 (m,
3H), 7.384-7.403 (d, 1H), 6.292 (s, 1H), 5.877 (d, 1H), 5.358-5.405 (m, 1H),
4.328 (s, 1H), 3.623 (s, 3H), 2.222 (s, 3H), 1.974-2.117 (m, 8H), 1.321-1.343
(m,3H); MS: 536 [M + 1].
方法B
(実施例7)
5−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
5−クロロ−2−メチル安息香酸(10.8g、63.3mmol)を、臭素(40mL)および鉄粉(1.8g、31.7mmol)の混合物に、小分けにして添加した。バイアルを密閉し、混合物を室温で27時間撹拌した。反応混合物を、脱イオン水(500mL)中のチオ硫酸ナトリウム(100g)の氷浴冷却溶液に慎重に注ぎ入れ、次いで酢酸エチル(300mL、次いで2×150mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を最小量の酢酸エチルに溶解し、シリカゲルを詰め、ヘプタン中25%[酢酸エチル中0.05%AcOH]でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、3−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−安息香酸(14.3g、60%純度、55%収率)を白色固体として得、これは、未反応の5−クロロ−2−メチル安息香酸、ならびに異性モノ臭素化およびビス臭素化副生成物により汚染されていた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.56 (br. s., 1 H), 7.94 (d, J=2.20 Hz, 2 H), 7.74 (d, J=2.20 Hz,
2 H), 2.52 (s, 3 H).
炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.88mL、1.76mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)中の、3−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−安息香酸(146.2mg、0.586mmol)、(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステル(136.6mg、0.615mmol)およびジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・CH2Cl2](66.0mg、0.081mmol)の溶液を含有する隔膜密閉バイアルに、シリンジによって添加した。バイアルを、120℃のマイクロ波中で20分間照射した。室温に冷却した後、溶液を、酢酸エチル(20mL)および脱イオン水(10mL)で希釈した。混合物を、塩酸水溶液(1.0M、約5mL)でpH約2に酸性化し、次いで吸引濾過して、少量の黒色沈殿物を除去した。二相濾液の層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、最小体積に濃縮して、粗製の5−クロロ−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸を得た。この材料をN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解し、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(106.5mg、0.597mmol)、トリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、482.0mg、1.268mmol)とともに室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、脱イオン水(10mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)の混合物で、すべてを一度に洗浄した。水層を酢酸エチル(2×20mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、逆相HPLCによって精製して、表題化合物(16.56mg、6.7%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.48 (br. s., 1H), 8.41 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.37 (d, J=2.27 Hz,
1H), 7.34 (s, 1H), 7.31 (d, J=2.27 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.28 (d, J=5.05 Hz,
2H), 3.49 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.79 (s, 3H); MS:
399/401 [M + 1], Cl同位体パターン.
(実施例8)
5−クロロ−2−メチル−N−[(6−メチル−2−オキソ−4−プロピル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例8の化合物は、実施例7の方法によって、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステルをカップリングパートナーとして、3−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−安息香酸との鈴木反応において使用し、3−(アミノメチル)−6−メチル−4−プロピルピリジン−2(1H)−オン塩酸塩を最終アミドカップリング反応において使用して、作製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.49 (s, 1H), 8.32 - 8.49 (m, 1H), 7.50 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.37
(d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.27 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.89
(s, 1H), 4.28 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.58 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.01 (s, 3H),
1.46 - 1.60 (m, 2H), 1.18 - 1.31 (m, 2H), 0.92 (t, J = 7.3 Hz, 3H); MS: 413 [M
+ 1].
(実施例9)
2−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例9の化合物は、実施例7の方法によって、3−ブロモ−2−クロロ安息香酸と1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステルとの鈴木カップリングから出発し、次いで、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩をその後のアミド形成において使用して、作製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.45 (br. s., 1 H) 7.50 (d, J = 1.7 Hz, 1 H) 7.44 (s, 3 H) 6.30 (d,
J = 1.7 Hz, 1 H) 5.86 (s, 1 H) 4.29 (d, J = 2.9 Hz, 2 H) 3.62 (s, 3 H) 2.19 (s,
3 H) 2.11 (s, 3 H); MS: 371 [M + 1].
(実施例10)
3−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチルベンズアミド
1,4−ジオキサン(10mL)中の、3−ブロモ−2−メチル安息香酸(0.408g、1.90mmol)、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(0.474g、2.28mmol)および1M炭酸ナトリウム水溶液(3.79mL)の部分溶液を、溶液に窒素を10分間吹き込んで発泡させることによって脱気した。反応混合物をジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2](0.107g、0.131mmol)で処理し、130℃のマイクロ波中で30分間照射し、次いで、水で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。水層を6N塩酸(3mL)で酸性化し、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物を濃縮して、粗製の2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)安息香酸を紫色残留物として得た。MS: 217 [M + 1].
粗製の2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)安息香酸をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、炭酸セシウム(0.725g、2.2mmol)、続いてヨードメタン(0.200mL、3.21mmol)で処理した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルに注ぎ入れ、水で2回および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。合わせた酢酸エチル抽出物を濃縮して暗色油を得、これを、シリカゲル(Biotage Flash 40S、ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)上で精製して、メチル2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゾエート(3−ブロモ−2−メチル安息香酸から0.211g、48%収率)を黄褐色ワックスとして得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.93 (dd, J=1.52, 7.58 Hz, 1H), 7.56
(d, J=1.77 Hz, 1H), 7.30-7.40 (m, 2H), 6.22 (d, J=1.77 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H),
3.64 (s, 3H), 2.35 (s, 3H); MS: 231 [M + 1].
N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中のメチル2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゾエート(0.0801g、0.348mmol)の溶液に、N−クロロスクシンイミド(0.055mg、0.41mmol)を添加し、反応物を75℃で6時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、水、1M水酸化ナトリウム水溶液、水、次いでブラインで順次に洗浄した。酢酸エチル層を濃縮して、メチル3−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(87mg、94%収率)を濃厚な透明油として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.00 (dd, J=2.02, 7.33 Hz, 1H), 7.54
(s, 1H), 7.34-7.42 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 2.36 (s, 3H); MS: 265
[M + 1].
メタノール(3mL)中の3−(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(0.084g、0.32mmol)の溶液を、4N水酸化ナトリウム水溶液(0.175mL、0.70mmol)で処理し、50℃で終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、6N HCl(120μL)で中和し、濃縮して油性残留物とした。この材料をN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.200mL、1.44mmol)で処理し、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(0.0847g、0.374mmol)、次いでO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、0.149g、0.392mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。水(0.5mL)を添加すると、反応物は均質になった。反応混合物を濾過し、分取HPLCによって精製して、表題化合物(0.043g、35%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.40 (br. s., 1H), 8.31 (t, J=4.67 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H),
7.37-7.41 (m, 1H), 7.32-7.37 (m, 1H), 7.26-7.30 (m, 1H), 5.86 (s, 1H),
4.24-4.34 (m, 2H), 3.56 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.03 (s,
3H); MS: 385 [M + 1].
(実施例11)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
アセトニトリル(10mL)中の2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)安息香酸(250mg、1.16mmol)の溶液に、酢酸(664μL、11.6mmol)および1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(Selectfluor(登録商標)、1g、3mmol)を添加した。反応物を50℃で16時間加熱した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残留物をジメチルスルホキシドに溶解し、HPLCによって精製して、3−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(10mg、4%収率)を薄黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 7.81 (dd, J=7.3, 1.5 Hz, 1H), 7.59 (d, J=4.5 Hz, 1H), 7.21-7.45 (m,
2H), 3.56 (s, 3H), 2.27 (s, 3H). MS: 235 [M + 1].
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の3−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(97mg、0.26mmol)の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、99.2mg、0.261mmol)およびN−メチルモルホリン(43μL、0.392mmol)を添加した。溶液を室温で30分間撹拌し、次いで、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチルピリジン−2(1H)−オン塩酸塩(74mg、0.392mmol)およびN−メチルモルホリン(86μL、0.78mmol)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。残留物をジメチルスルホキシドに溶解し、HPLCによって精製して、表題化合物(2.19mg、3%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ 7.44-7.63 (m, 2H),
7.29-7.47 (m, 2H), 6.14 (s, 1H), 4.52 (s, 2H), 3.62 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.27
(s, 3H), 2.20 (s, 3H). MS: 369.1/370 [M + 1].
(実施例12)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
乾燥テトラヒドロフラン(25mL)中の1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール(1.5g、13.6mmol)の冷却(0℃)懸濁液に、n−ブチルリチウム溶液(テトラヒドロフラン中2.5M、6.5mL、16.32mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。溶液を−65℃に冷却し、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(3.04g、16.32mmol)を滴下添加した。添加が完了したら、混合物を、65℃で15分間、0℃で1時間、次いで室温で終夜撹拌した。反応混合物を0℃に再度冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc 100/1から6/1まで)によって精製して、1−エチル−4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.5g、47%収率)を黄色油として得た。
トルエン(3mL)および水(0.3mL)中の、メチル3−ブロモ−2−メチルベンゾエート(300mg、1.31mmol)、1−エチル−4−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(464mg、1.96mmol)、リン酸カリウム(556mg、2.61mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos、100mg、0.24mmol)および酢酸パラジウム(II)(44mg、0.20mmol)の混合物を、窒素下、120℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、酢酸エチル(50mL)および水(30mL)で希釈した。得られた懸濁液を濾過し、濾液の層を分離した。水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 10:1)によって精製して、メチル3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(200mg、59%収率)を無色油として得た。
メタノール(10mL)および水(1mL)中のメチル3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(200mg、0.76mmol)および水酸化リチウム一水和物(60mg、1.51mmol)の混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、メタノールを除去した。残留物を水(30mL)に溶解し、tert−ブチルメチルエーテル(30mL)で抽出した。水層を濃塩酸でpH約4に酸性化し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(180mg、95%収率)を白色固体として得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(180mg、0.73mmol)、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(130mg、0.73mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(217mg、1.68mmol)の冷却(0℃)溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、416mg、1.1mmol)を添加した。得られた混合物を室温で終夜撹拌し、次いで、水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(5mL)からの結晶化によって精製して、表題化合物(170mg、62%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ 7.47-7.45 (d, 1H),
7.42-7.36 (t, 1H), 7.28-7.26 (d, 1H), 6.13 (s, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.94-3.78 (m,
2H), 2.40 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.24-1.20 (t, 3H):
MS 401 [M + Na].
方法C
(実施例13)
5−[2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(26mL)中の、3−ブロモ−5−ヨード−2−メチル安息香酸(1.78g、5.23mmol)、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(960.5mg、5.38mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、2.08g、5.47mmol)およびトリエチルアミン(2.20mL、15.8mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌した。混合物を、酢酸エチル(130mL)および脱イオン水(50mL)を含有するフラスコに注ぎ入れ、5分間迅速に撹拌した。得られた白色沈殿物を吸引濾過によって収集し、50℃の真空オーブン内で終夜乾燥させて、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチルベンズアミド(1.65g、66%収率)を白色固体として産出した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (s, 1H), 8.39 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.97 (d, J=1.52 Hz, 1H),
7.50 (d, J=1.52 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.24 (d, J=5.05 Hz, 2H), 2.24 (s, 3H),
2.18 (s, 3H), 2.11 (s, 3H); MS: 475/477 [M + 1], Br同位体パターン.
1,4−ジオキサン(3.0mL)および脱イオン水(1.0mL)中の、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチルベンズアミド(104.4mg、0.22mmol)、2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステル(55.6mg、0.22mmol)、固体重炭酸ナトリウム(72.4mg、0.862mmol)およびジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・CH2Cl2](10.1mg、0.012mmol)の懸濁液を、マイクロ波バイアル内に密閉し、溶媒が沸騰し始めるまで排気によって脱気し、続いてアルゴン充填を3サイクルした。バイアルを、100℃のマイクロ波中で5分間照射した。次いで、バイアルを開け、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(100.3mg、0.48mmol)、さらなるPdCl2(dppf)・CH2Cl2(27.0mg;0.045mmol)および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(0.44mL、0.88mmol)を添加した。バイアルを再密閉し、上記の通りに脱気し、次いで、120℃のマイクロ波中で20分間照射した。反応溶液を0.2ミクロンのフィルターに通過させて固体を除去し、次いで、SFCによって精製して、表題化合物(28.55mg、27%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d
8.72 (s, 2H), 8.32 (t, J=4.65 Hz, 1H), 7.58 (d, J=1.22 Hz, 1H), 7.54 (d, J=0.98
Hz, 1H), 7.50 (d, J=1.71 Hz, 1H), 6.28 (d, J=1.71 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.31
(d, J=4.65 Hz, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.16 (s, 6H), 2.21 (s, 3H), 2.11 (s, 3H),
2.06 (s, 3H); MS: 472 [M + 1].
(実施例14)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−5−[2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例14の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミド(108.4mg、0.23mmol)および第一のカップリングパートナーとしての2−メチルアミノピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物(26.6mg、25%収率)を薄灰色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (br. s., 1H), 8.66 (s, 2H), 8.32 (t, J=4.77 Hz, 1H), 7.57 (d,
J=1.71 Hz, 1H), 7.53 (d, J=1.71 Hz, 1H), 7.50 (d, J=1.71 Hz, 1H), 7.26 (q,
J=4.56 Hz, 1H), 6.28 (d, J=1.71 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.31 (d, J=4.89 Hz, 2H),
3.61 (s, 3H), 2.83 (d, J=4.89 Hz, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (s,
3H); MS: 458 [M + 1].
(実施例15)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−[2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル]ベンズアミド
実施例15の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、第一のカップリングパートナーとしての2−メチルアミノピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルおよび第二のカップリングパートナーとしての(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステルを用い、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミド(330mg、0.72mmol)から出発して作製して、表題化合物(モノギ酸塩、10.8mg、1.4%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.70 (s, 2H), 8.37 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.35 (s,
1H), 7.28-7.25 (m, 1H), 5.85 (s, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.55 (s, 3H), 2.85 (s, 3H),
2.22 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.82 (s, 3H); MS: 472 [M + 1].
(実施例16)
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例16の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミド(95.0mg、0.20mmol)および第一のカップリングパートナーとしての2−アミノピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物(14.6mg、16%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (br. s., 1H), 8.62 (s, 2H), 8.31 (t, J=4.80 Hz, 1H), 7.57 (d,
J=1.77 Hz, 1H), 7.53 (d, J=1.77 Hz, 1H), 7.50 (d, J=1.77 Hz, 1H), 6.79 (s, 2H),
6.28 (d, J=1.77 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.31 (d, J=5.05 Hz, 2H), 3.61 (s, 3H),
2.21 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.06 (s, 3H); MS: 444 [M + 1].
(実施例17)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−ピリミジン−5−イルベンズアミド
実施例17の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチルベンズアミド(94.5mg、0.20mmol)および第一のカップリングパートナーとしてのピリミジン−5−ボロン酸から出発して作製して、表題化合物(17.5mg、20%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.20 (s, 2H), 9.18 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.38 (t, J=4.77 Hz, 1H),
7.79 (d, J=1.96 Hz, 1H), 7.75 (d, J=1.96 Hz, 1H), 7.52 (d, J=1.96 Hz, 1H), 6.31
(d, J=1.71 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.32 (d, J=4.89 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 2.22
(s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.11 (s, 3H); MS: 429 [M + 1].
(実施例18)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例18の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミド(284.8mg、0.60mmol)および第一のカップリングパートナーとしての1−メチルピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物(22.5mg、8.7%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46 (s, 1H), 8.27 (t, J=5.01 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.90 (s, 1H),
7.50 (dd, J=1.71, 4.16 Hz, 2H), 7.47 (d, J=1.71 Hz, 1H), 6.25 (d, J=1.71 Hz,
1H), 5.86 (s, 1H), 4.30 (d, J=4.89 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 2.21
(s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); MS: 431 [M + 1].
(実施例19)
5−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例19の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミド(283.7mg、0.60mmol)および第一のカップリングパートナーとしての2−アミノピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物(12.9mg、4.9%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (br. s., 1H), 8.32 (t, J=4.89 Hz, 1H), 8.28 (d, J=2.45 Hz,
1H), 7.74 (dd, J=2.57, 8.68 Hz, 1H), 7.47-7.53 (m, 2H), 7.44 (d, J=1.71 Hz,
1H), 6.50 (d, J=8.80 Hz, 1H), 6.27 (d, J=1.71 Hz, 1H), 6.08 (s, 2H), 5.86 (s,
1H), 4.30 (d, J=4.89 Hz, 2H), 3.61 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.05
(s, 3H); MS: 443 [M + 1].
(実施例20)
5−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例20の化合物は、実施例13の方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチルベンズアミド(100mg、0.21mmol)および第一のカップリングパートナーとしての3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物(モノ酢酸塩、6.9mg、7%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46 (br. s., 1 H) 8.28 (s, 1 H) 7.49 (d, J=1.7 Hz, 1H) 7.38 (d, J
= 1.7 Hz, 1 H) 7.31 (d, J = 1.7 Hz, 1 H) 6.32 (br. s., 1 H) 6.24 (d, J = 1.7
Hz, 1 H) 5.86 (s, 1 H) 4.29 (d, J = 4.9 Hz, 2 H) 4.20 (d, J = 2.7 Hz, 2 H) 3.80
(t, J = 5.5 Hz, 2 H) 3.57 (s, 2 H) 2.20 (s, 3 H) 2.10 (s, 3 H) 2.03 (s, 3 H);
MS: 433 [M + 1].
(実施例21)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−モルホリン−4−イルピリミジン−5−イル)ベンズアミド
実施例21の化合物は、実施例13の方法に準じ、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチルベンズアミド(392.0mg、0.825mmol)から出発し、第一のカップリングパートナーとしての2−(メチルチオ)ピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルおよび第二のカップリングパートナーとしての(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステルを使用して作製し、シリカゲルクロマトグラフィー後に、3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンズアミド(49.2mg、12%収率)を薄黄褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47 (s, 1H), 9.03 (s, 2H), 8.38 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.75 (d,
J=2.02 Hz, 1H), 7.65 (d, J=1.77 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.32 (d,
J=5.05 Hz, 2H), 3.54 (s, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.03
(s, 3H), 1.83 (s, 3H); MS: 489 [M + 1].
テトラヒドロフラン(1.0mL)および脱イオン水(1.0mL)中の3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンズアミド(44.9mg、0.092mmol)の溶液に、ペルオキシ一硫酸カリウム(114.8mg、0.187mmol)を室温で添加した。3日間撹拌した後、混合物を酢酸エチル(20mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)とに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、粗製の3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンズアミド(44.7mg)を黄色泡状物として得た。MS: 521 [M + 1].
モルホリン(0.10mL、1.1mmol)を、ジメチルスルホキシド(1.0mL)中の粗製の3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンズアミドの溶液に添加し、混合物を、120℃のマイクロ波中で15分間照射した。室温に冷却した後、混合物を0.2ミクロンのフィルターに通過させ、逆相HPLCによって精製して、表題化合物(6.1mg、12.5%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.45 (s, 1H), 8.77 (s, 2H), 8.35 (t, J=4.89 Hz, 1H), 7.62 (d,
J=1.96 Hz, 1H), 7.51 (d, J=1.96 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.31 (d,
J=4.89 Hz, 2H), 3.72-3.77 (m, 4H), 3.64-3.70 (m, 4H), 3.53 (s, 3H), 2.22 (s,
3H), 2.11 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.82 (s, 3H); MS: 528 [M + 1].
方法D
(実施例22)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−{2−[(1S,4S)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル]ピリミジン−5−イル}ベンズアミド
塩化アセチル(0.70mL、9.8mmol)を、メタノール(50mL)中の3−ブロモ−5−ヨード−2−メチル安息香酸(3.74g、11.0mmol)の懸濁液に室温で添加した。混合物を6.5時間加熱還流し、次いで、55℃で17.5時間撹拌した。得られた溶液を蒸発乾固させ、白色固体残留物をアセトニトリル(15mL)から粉砕した。固体を濾過によって収集した。濾液を濃縮乾固し、残留物をアセトニトリル(10mL)から粉砕して、固体の第二収穫物を得た。合わせた固体の収穫物を、50℃の真空オーブン内で2時間45分間乾燥させた。得られた固体は、未反応の3−ブロモ−5−ヨード−2−メチル安息香酸を含有することが示されたため、次いでこれらの固体を酢酸エチル(30mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粘着性の白色固体とした。上述した通りのアセトニトリルからの粉砕および50℃の真空オーブン内での終夜の乾燥により、メチル3−ブロモ−5−ヨード−2−メチルベンゾエート(1.6751g、43%収率)を易流動性白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.17 (d, J=1.71 Hz, 1H), 8.00 (d, J=1.71 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H),
2.45 (s, 3H).
下記の試薬を、2つの20mLのマイクロ波バイアルに均一に配分した:3−ブロモ−5−ヨード−2−メチルベンゾエート(1.5997g、4.507mmol)、2−(メチルチオ)ピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステル(1.1975g、4.749mmol)、固体重炭酸ナトリウム(1.556g、13.76mmol)およびジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・CH2Cl2](187.7mg、0.23mmol)。各バイアルを隔膜キャップで密閉し、排気し、アルゴンを充填した。各バイアルに、1,4−ジオキサン(12mL)および脱イオン水(3.0mL)をシリンジによって添加した。各バイアル内の溶液を、溶媒が沸騰し始めるまで排気によって脱気し、続いてアルゴン充填を3サイクルした。各バイアルを、100℃のマイクロ波中で5分間照射した。室温に冷却した後、2つのバイアル内の溶液を合わせ、真空下で濃縮して、1,4−ジオキサンを除去した。残留物を酢酸エチル(30mL)と脱イオン水(15mL)とに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶離する)によって精製して、メチル3−ブロモ−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(814.4mg、51%収率、89%純度)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.01 (s, 2H), 8.24 (d, J=1.83 Hz, 1H), 8.05 (d, J=1.83 Hz, 1H),
3.88 (s, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.54 (s, 3H); MS: 353/355 [M + 1], Br同位体パターン.
20mLのマイクロ波バイアル内、1,4−ジオキサン(12mL)中のメチル3−ブロモ−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(800.5mg、2.266mmol)の溶液に、(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステル(577.1mg、2.598mmol)、ジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・CH2Cl2](177mg、0.22mmol)および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(3.4mL、6.8mmol)を添加した。バイアルを隔膜キャップで密閉し、溶液を、溶媒が沸騰し始めるまで排気によって脱気し、続いてアルゴン充填を3サイクルした。溶液を、120℃のマイクロ波中で20分間照射した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(30mL)と脱イオン水(20mL)とに分配した。有機層を半飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶離する)によって精製して、メチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(377.1mg、45%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.05 (s, 2H), 8.21 (d, J=2.02 Hz, 1H), 7.86 (d, J=2.02 Hz, 1H),
7.38 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 2.56 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.83 (s,
3H); MS: 369 [M + 1].
テトラヒドロフラン(5.0mL)および脱イオン水(5.0mL)中のメチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルチオ)ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(377.1mg、1.023mmol)の室温溶液に、ペルオキシ一硫酸カリウム(939.4mg、1.528mmol)を添加した。25時間撹拌した後、混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、粗製のメチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)−ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(318.2mg、78%収率)を白色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 9.14 (s, 2H), 8.23 (d, J=2.08 Hz, 1H),
7.60 (d, J=2.08 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.41 (s,
3H), 2.40 (s, 3H), 1.92 (s, 3H); MS: 401 [M + 1].
トリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol)を、隔膜密閉マイクロ波バイアル内、ジメチルスルホキシド(1.50mL)中の、メチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンゾエート(115.7mg、0.289mmol)および(1S,4S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン塩酸塩(120.7mg、0.89mmol)の懸濁液に添加した。混合物を、均質になるまで(約5分)音波破砕し、次いで、150℃のマイクロ波中で30分間照射した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(20mL)と脱イオン水(5mL)とに分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。残留物を、ヘプタン中0〜100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル中0〜20%[EtOH+5%NH4OH]の勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、メチル5−(2−((1S,4S)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(60.5mg、50%収率)を無色ガラスとして得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.56 (s, 2H), 8.06 (d, J=1.96 Hz, 1H),
7.41-7.44 (m, J=2.20 Hz, 2H), 5.09 (s, 1H), 4.74 (s, 1H), 3.96 (s, 3H),
3.89-3.95 (m, 2H), 3.57-3.69 (m, 5H), 2.32 (s, 3H), 1.99-2.02 (m, 2H), 1.90 (s,
3H); MS: 420 [M + 1].
メタノール(1.44mL)中のメチル5−(2−((1S,4S)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(60.5mg、0.144mmol)の溶液を、4.0M水酸化ナトリウム水溶液(0.36mL、1.44mmol)とともに室温で19.5時間撹拌した。メタノールを真空下で除去し、水性残留物を塩酸(1.0N)でpH2未満に酸性化した。酸性溶液を凍結乾燥して、5−(2−((1S,4S)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−イル)−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸および塩化ナトリウムの混合物を淡黄色固体として得た。MS: 406 [M + 1].
酸/塩混合物をN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)に溶かし、音波破砕して、固体の大きな塊を解体した。得られた懸濁液を0.2ミクロンのシリンジフィルターに通過させて、無機塩を除去した。濾過した溶液に、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(28.4mg、0.159mmol)、トリエチルアミン(0.10mL、0.72mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、77.6mg、0.204mmol)を添加し、混合物を室温で19時間撹拌した。反応溶液を脱イオン水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、分取SFCによって精製して、表題化合物(20.5mg、26%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.46 (br. s., 1H), 8.73 (s, 2H), 8.34 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.60 (d,
J=1.77 Hz, 1H), 7.49 (d, J=1.77 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.97 (s,
1H), 4.68 (s, 1H), 4.31 (d, J=5.05 Hz, 2H), 3.81 (d, J=6.32 Hz, 1H), 3.67 (d,
J=7.33 Hz, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.50 (s, 1H), 3.40-3.46 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.11
(s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.91-1.96 (m, 1H), 1.85-1.90 (m, 1H), 1.82 (s, 3H); MS:
540 [M + 1].
(実施例23)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−{2−[3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]ピリミジン−5−イル}ベンズアミド
実施例23の化合物は、実施例22と同じ方法により、3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩を、スルホン中間体、メチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンゾエートとの反応において使用し、アミド形成のための同じ手順に準じて作製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.48 (br. s., 1H), 8.77 (s, 2H), 8.35 (t, J=4.93 Hz, 1H), 7.62 (d,
J=1.77 Hz, 1H), 7.51 (d, J=1.77 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.64 (br.
s., 2H), 4.31 (d, J=5.05 Hz, 2H), 3.57-3.65 (m, 4H), 3.53 (s, 3H), 2.22 (s,
3H), 2.11 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.87-2.00 (m, 4H), 1.82 (s, 3H); MS: 554 [M +
1].
(実施例24)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−[2−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)ピリミジン−5−イル]−2−メチルベンズアミド
実施例24の化合物は、実施例22と同じ方法により、3−フルオロ−アゼチジン塩酸塩を、スルホン中間体、メチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンゾエートとの反応において使用し、アミド形成のための同じ手順に準じて作製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.44 (br. s., 1H), 8.77 (s, 2H), 8.36 (t, J=4.65 Hz, 1H), 7.62 (d,
J=1.96 Hz, 1H), 7.51 (d, J=1.96 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 5.86 (s, 1H), 5.52
(sptd, J=3.06, 57.34 Hz, 1H), 4.42 (dddd, J=1.34, 5.87, 10.88, 21.52 Hz, 2H),
4.31 (d, J=5.01 Hz, 2H), 4.13 (dddd, J=1.47, 2.81, 10.64, 24.58 Hz, 2H), 3.53
(s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.00 (s, 3H), 1.82 (s, 3H); MS: 516 [M +
1].
(実施例25)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(2−メトキシピリミジン−5−イル)−2−メチルベンズアミド
実施例25の化合物は、実施例22と同じ方法により、ナトリウムメトキシドを、スルホン中間体、メチル3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル−5−(2−(メチルスルホニル)ピリミジン−5−イル)ベンゾエートとの反応において使用し、アミド形成のための同じ手順に準じて作製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.49 (br. s., 1H), 8.99 (s, 2H), 8.32-8.47 (m, 1H), 7.69-7.78 (m,
1H), 7.61 (d, J = 1.96 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 4.32 (d, J = 5.1
Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.53 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.03 (s, 3H),
1.77-1.88 (m, 3H), 1.83 (s, 3H); MS: 473 [M + 1].
方法E
(実施例26)
2−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−イソプロポキシ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミド
1,4−ジオキサン中の、4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール(563mg、3.5mmol)、2−クロロ−3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾエート(Dombroskiら、WO2004/99146において2−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを作製するために使用したものに類似の方法によって作製した)(1g、3.17mmol)、フッ化セシウム(1.44g、9.54mmol)およびジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体(130mg、0.1595mmol)の溶液を、窒素で脱気し、加熱ブロック中の密閉バイアル内、100℃で17時間加熱した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させ、ヘプタン中50〜100%酢酸エチルの勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含有する画分を合わせ、蒸発させて、メチル2−クロロ−3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾエート(162mg、19%収率)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d
6): δ 8.16 (s, 1H), 7.92 (s,
1H), 7.83 (s, 1H), 7.59 - 7.74 (m, 1H), 3.84 - 3.96 (m, 6H). MS: 269/270 [M+1],
Cl同位体パターン.
2−プロパノール(10mL)中のメチル2−クロロ−3−フルオロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンゾエート(162mg、0.603mmol)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(609mg、5.43mmol)を添加し、懸濁液を、固体が完全に溶解するまで音波破砕した。反応物を、マイクロ波中、150℃で3時間加熱した。揮発物を除去し、残留物を水に溶解し、溶液を酢酸エチルで抽出した。水層を3N HClでpH=3に酸性化し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、2−クロロ−3−イソプロポキシ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)安息香酸(80mg、45%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d): δ 7.96 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.39 (d,
J=1.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J=1.8 Hz, 1H), 4.68 (dt, J=12.1, 6.0 Hz, 1H), 3.85 (s,
3H), 1.31 (d, J=6.1 Hz, 6H). MS: 295/298 [M + 1], Cl同位体パターン.
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の2−クロロ−3−イソプロポキシ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)安息香酸(40mg、0.14mmol)の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、52mg、0.136mmol)およびN−メチルモルホリン(15μL、0.136mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(27mg、0.143mmol)およびN−メチルモルホリン(30μL、0.27mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌し、次いで、水で希釈し、得られた固体を濾過によって収集した。沈殿物を水で洗浄し、アセトン/水中で再結晶させ、アセトン/水とともにバイアルに移し、凍結乾燥して、表題化合物(18mg、31%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3): δ 7.85 (s, 1H), 7.75 (s,
1H), 7.20 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.08 (br. s., 1H), 5.87
(s, 1H), 4.62 - 4.77 (m, 1H), 4.39 (d, J=5.6 Hz, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.28 (s,
3H), 2.16 (s, 3H), 1.34 (d, J=6.1 Hz, 6H). MS: 429/432 [M + 1], Cl同位体パターン.
(実施例27)
2−クロロ−3−イソプロポキシ−N−[(6−メチル−2−オキソ−4−プロピル−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミド
実施例27の化合物は、実施例26と同じ方法により、3−(アミノメチル)−6−メチル−4−プロピルピリジン−2(1H)−オンを最終アミドカップリング反応において使用して作製した。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 8.04 (s, 1H), 7.87 (s,
1H), 7.30 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.16 (s, 1H), 4.76 (dt,
J=12.1, 6.0 Hz, 2H), 4.52 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.65 - 2.80 (m, 2H), 2.29 (s,
3H), 1.92 (s, 1H), 1.60 - 1.76 (m, 2H), 1.39 (d, J=6.1 Hz, 6H), 1.07 (t, J=7.3
Hz, 3H). MS: 457/458 [M + 1], Cl同位体パターン.
方法F
(実施例28)
5−クロロ−3−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチルベンズアミド
メタノール(50mL)および氷酢酸(50mL)中のメチル5−クロロ−2−メチル−3−ニトロベンゾエート(11.4g、49.6mmol)の懸濁液に、鉄金属(10.5g、188mmol)を一度に添加した。大きな発熱がメタノールを迅速還流させた。反応物を追加で2時間還流させた。反応混合物から鉄固体をデカントで除き、揮発物を真空下で除去した。得られた濃厚懸濁液をジクロロメタンに溶かし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液とともに振とうした。得られた懸濁液をガラスフリットに通して濾過して沈殿物を除去し、次いで、層を分離し、水相をジクロロメタン(3×)でさらに抽出した。合わせたジクロロメタン層を再度濾過し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、暗色油を得た。シリカゲル上での精製により、メチル3−アミノ−5−クロロ−2−メチルベンゾエート(7.08g、71%収率)を金色油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 6.81-6.84 (m, 2H), 5.44 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.13 (s, 3H).
乾燥トルエン(3mL)中の、メチル3−アミノ−5−クロロ−2−メチルベンゾエート(0.385g、1.93mmol)、N−(プロパ−2−イン−1−イル)アセトアミド(0.250g、2.57mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(0.35g、0.096mmol)の混合物を、マイクロ波反応器内、140℃で1時間照射した。溶媒の除去後、粗製のイミダゾール化合物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、メチル5−クロロ−3−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−メチルベンゾエート(128mg、36%収率)を黄色油として得た。この油をメタノール(3mL)に溶解し、4N水酸化ナトリウム水溶液(0.20mL、0.80mmol)で処理し、55℃で3時間、次いで45℃で終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、6N塩酸で中和し、濃縮して油性残留物とした。この残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.20mL、1.44mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、185mg、0.47mmol)で処理した。5分後、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(105mg、0.463mmol)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。混合物を水(7mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、得られた残留物を分取HPLCによって精製して、表題化合物の酢酸塩(1.5当量)(65.4mg、29%収率)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (t, J=4.95 Hz, 1H), 7.48 (d, J=2.20 Hz, 1H), 7.44 (d, J=2.20
Hz, 1H), 6.66 (d, J=1.10 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.27 (d, J=4.89 Hz, 2H), 2.20
(s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.84 (s, 3H), 1.77 (s, 3H); MS: 399
[M + 1].
(実施例29)
5−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンズアミド
メタノール(2mL)中のメチル3−アミノ−5−クロロ−2−メチルベンゾエート(0.200g、1.00mmol)の溶液を、酢酸アンモニウム(0.154g、2.00mmol)、エタンジアール(0.229mL、2.00mmol)、次いでアセトアルデヒド(0.112mL、1.99mmol)で処理した。反応物を3時間加熱還流した。揮発物を真空下で除去し、得られた残留物をジクロロメタンに溶かし、シリカゲル(Biotage Flash 25S、酢酸エチル中0〜15%[MeOH中7N NH
3]の勾配で溶離する)上で精製して、メチル5−クロロ−2−メチル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゾエート(0.0399g、15%収率)を褐色の粘着性固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.93 (d, J=2.20 Hz, 1H), 7.76 (d, J=2.20 Hz, 1H), 7.20 (d, J=0.98
Hz, 1H), 6.95 (d, J=0.98 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H); MS:
265 [M + 1].
メタノール(3mL)中のメチル5−クロロ−2−メチル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンゾエート(0.038g、0.144mmol)の溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.30mL、0.30mmol)を添加し、反応物を55℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を1N HCl(300μL)で中和した。溶媒を真空下で除去して褐色ガム状物を得、これは、粗製の5−クロロ−2−メチル−3−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)安息香酸を含有していた。MS: 251 [M + 1]. N,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)中のこの材料の溶液に、トリエチルアミン(0.10mL、0.717mmol)、次いでO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、93mg、0.24mmol)を添加した。5分後、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(47mg、0.26mmol)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水(1mL)で均質にし、逆相HPLCによって精製して、表題化合物(16mg、19%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.41 (br. s., 1H), 8.38 (t, J=5.01 Hz, 1H), 7.44 (d, J=2.20 Hz,
1H), 7.36 (d, J=2.20 Hz, 1H), 7.06 (d, J=1.22 Hz, 1H), 6.86 (d, J=1.22 Hz, 1H),
5.80 (s, 1H), 4.20 (d, J=4.89 Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.00 (s,
3H), 1.79 (s, 3H); MS: 385 [M + 1].
方法G
(実施例30)
5−シアノ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
シアン化亜鉛(960mg、8.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(400mg、0.41mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中のメチル3−アミノ−5−ブロモ−2−メチルベンゾエート(2.0g、8.2mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で添加した。混合物を120℃で終夜撹拌し、次いで、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(3×30mL)、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中10%酢酸エチルで溶離する)によって精製して、メチル3−アミノ−5−シアノ−2−メチルベンゾエート(1.1g、71%収率)を白色固体として得た。
ジヨードメタン(3.06g、11.68mmol)を、アセトニトリル(40mL)中のメチル3−アミノ−5−シアノ−2−メチルベンゾエート(1.1g、5.84mmol)および亜硝酸tert−ブチル(1.34g、11.68mmol)の溶液に滴下添加した。添加が完了した後、溶液を80℃で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中10%酢酸エチルで溶離する)によって精製して、メチル5−シアノ−3−ヨード−2−メチルベンゾエート(510mg、30%収率)を白色固体として得た。
トルエン(10mL)および水(1.0mL)中のメチル5−シアノ−3−ヨード−2−メチルベンゾエート(620mg、2.07mmol)の溶液を、(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸ピナコールエステル(688mg、3.1mmol)、酢酸パラジウム(II)(100mg、2.07mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos、150mg、4.13mmol)およびリン酸カリウム(876mg、4.13mmol)で処理し、混合物を100℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、溶液を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中10%酢酸エチルで溶離する)によって精製して、メチル5−シアノ−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(180mg、33%収率)を得た。
水酸化カリウム(75mg、1.34mmol)を、メタノール(10mL)中のメチル5−シアノ−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンゾエート(180mg、0.67mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、1M塩酸水溶液でpH約5に酸性化した。有機溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。得られた塩基性水層を酢酸エチル(30mL)で抽出し、次いで、1M塩酸水溶液でpH約5に再度酸性化し、酢酸エチル(30mL)で抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮して、5−シアノ−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(120mg、75%収率)を褐色油として得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、5−シアノ−3−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチル安息香酸(120mg、0.47mmol)、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(92mg、0.47mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(139mg、1.08mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次いで、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、253mg、0.71mmol)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌させ、次いで、それを水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×50mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、次いで、真空下で濃縮し、分取HPLCによって精製して、表題化合物(51.8mg、27%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.84 (s, 1H), 7.69 (s,
1H), 7.43 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.58 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.26
(s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.88 (s, 3H). MS: 390 [M + 1].
方法H
(実施例31)
(S)−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(2−メチル−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
トルエン(2.5mL)中の、エチル5−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(378mg、2.18mmol)、塩化チオニル(1.96mL、26.9mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.38μL、0.178mmol)およびピリジン(34.4μL、0.425mmol)の懸濁液を、90℃で1時間加熱した。混合物を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(無水硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、エチル6−クロロ−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(333mg、80%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.86 (s, 1 H), 4.46 (q,
J=7.24 Hz, 2 H), 2.51 (s, 3 H), 1.41 (t, J=7.07 Hz, 3 H).
N,N−ジメチルアセトアミド(0.5mL)中のエチル6−クロロ−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(75mg、0.37mmol)の溶液に、(S)−2−(3−メチルピペラジン−1−イル)ピリミジン(67mg、0.37mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL、1.1mmol)を添加した。反応混合物を、90℃で18時間および95℃で4時間撹拌し、次いで、水で希釈し、メチルtert−ブチルエーテル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(無水硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、(S)−エチル5−メチル−6−(2−メチル−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキシレート(92mg、72%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.58 (1 H, s), 8.38 (1 H, s), 8.37 (1 H, s), 6.64 (1 H, t, J=4.80
Hz), 4.54 (1 H, d, J=12.38 Hz), 4.39 - 4.47 (1 H, m), 4.35 (2 H, q, J=7.16 Hz),
4.21 - 4.32 (1 H, m), 3.73 (1 H, d, J=13.39 Hz), 3.34 - 3.44 (1 H, m), 3.19 (1
H, td, J=12.25, 3.28 Hz), 2.24 (3 H, s), 1.31 (3 H, t, J=7.07 Hz), 1.13 (3 H,
d, J=6.57 Hz); MS: 343 [M + 1].
1,4−ジオキサン(1mL)中の3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(73mg、0.32mmol)の白色懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.65mmol)、続いてトリメチルアルミニウム(ヘプタン中2M、0.32mL、0.65mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌すると均質になり、次いで、1,4−ジオキサン(1mL)中の(S)−エチル5−メチル−6−(2−メチル−4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキシレート(92mg、0.27mmol)の溶液を滴加添加した。反応物を室温で18時間撹拌し、次いで、酒石酸カリウムナトリウムの2M水溶液で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(無水硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残留物を逆相HPLCによって精製して、表題化合物(15.2mg、13%収率)を提供した。1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 8.57 (1 H, t, J=4.95 Hz), 8.53 (1 H, s), 8.37 (1 H, s), 8.36 (1 H,
d, J=0.66 Hz), 6.63 (1 H, t, J=4.40 Hz), 5.87 (1 H, s), 4.52 (1 H, d, J=12.76
Hz), 4.37 (1 H, d, J=12.98 Hz), 4.25 - 4.31 (2 H, m), 4.16 - 4.23 (1 H, m),
3.62 (1 H, d, J=13.42 Hz), 3.16 - 3.23 (1 H, m), 2.31 (3 H, s), 2.21 (3 H, s),
2.11 (3 H, s), 1.10 (3 H, d, J=6.38 Hz); MS: 449 [M + 1].
方法I
(実施例32)
N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−3−イソプロポキシ−2−メチルベンズアミド
炭酸セシウム(4.71g、14.5mmol)を、1,4−ジオキサン(50mL)中の3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸(1g、6.573mmol)の溶液に添加した。反応物を室温で15分間撹拌し、次いで、ヨウ化イソプロピル(2.1mL、21mmol)を小分けにして添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(3×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、イソプロピル3−イソプロポキシ−2−メチルベンゾエート(500mg、32%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d
6): δ 7.30 (d, J=7.6 Hz, 1H),
7.20 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.09 - 7.16 (m, 1H), 5.18 (ddd, J=12.5, 6.2, 6.1 Hz,
1H), 4.62 (dt, J=11.9, 6.0 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 1.33 (t, J=6.4 Hz, 12H);
GCMS: 236.2 m/z.
メタノール中のイソプロピル3−イソプロポキシ−2−メチルベンゾエート(500mg、2.12mmol)の溶液に、乾燥水酸化リチウム(507mg、21.2mmol)を添加した。反応物を、密閉バイアル内、80℃で8時間加熱し、次いで、揮発物を除去し、残留物を水(20mL)に溶解し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機抽出物を廃棄し、水性残留物を3N HCl(pH=1)で酸性化し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。これらの抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、3−イソプロポキシ−2−メチル安息香酸(365mg、88%収率)を薄黄色油として得、これを静置すると結晶化した。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ 10.97 (br. s., 1H), 7.44
(d, J=7.6 Hz, 1H), 7.18 - 7.29 (m, 1H), 6.92 - 7.18 (m, 1H), 4.62 (spt, J=6.0
Hz, 1H), 2.43 (s, 3H), 1.25 - 1.42 (m, 6H).
N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中の3−イソプロポキシ−2−メチル安息香酸(100mg、0.515mmol)の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、196mg、0.515mmol)およびN−メチルモルホリン(57μL、0.515mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(97.2mg、0.515mmol)およびN−メチルモルホリン(114μL,1.03mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで、水で希釈した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄し、メタノール/水とともにバイアルに移し、凍結乾燥して、表題化合物(138mg、81%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ 7.10 - 7.29 (m, 1H), 7.00 (d, J=8.1
Hz, 1H), 6.88 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 4.61 (dt, J=12.1, 6.1 Hz, 1H),
4.49 (s, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.34 (d, J=6.1 Hz, 6H).
MS: 329 [M + 1].
方法J
(実施例33)
3−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−イソプロポキシ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチンアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の2,5−ジクロロピリジン−4−カルボン酸(1.36g、7.08mmol)の溶液を、炭酸セシウム(2.45g、7.52mmol)および2−ヨードプロパン(2.0mL、20mmol)で処理し、60℃で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルに注ぎ入れ、水で2回洗浄した。酢酸エチル層を濃縮して、粗製のイソプロピル2,5−ジクロロイソニコチネートを含有する金色油を得た。MS: 234/236 [M + 1], Cl
2同位体パターン. 1,4−ジオキサン(80mL)中のこの油粗製油の溶液に、1−メチルピラゾール−4−ボロン酸ピナコールエステル(1.96g、9.41mmol)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、混合物を、溶液に窒素を10分間吹き込んで発泡させることによって脱気した。反応物をジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)−ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2](245mg、0.30mmol)で処理し、100℃で1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を濃縮して暗色油を得、これをシリカゲル(Biotage Flash 40M、ヘプタン中30〜80%酢酸エチル勾配)上で精製して、イソプロピル5−クロロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(1.73g、87%収率)を黄色油として得た。MS: 280 [M + 1].
ジクロロメタン(10mL)中のイソプロピル5−クロロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(701mg、2.51mmol)の溶液に、3−クロロ過安息香酸(m−CPBA、2.1g、8.5mmol)を一度に添加した。反応物を室温で6時間撹拌した。反応混合物全体をシリカゲル上に注ぎ、クロマトグラフにかけて(Biotage Flash 40M、ヘプタン中70〜100%酢酸エチル勾配で溶離する)、5−クロロ−4−(イソプロポキシカルボニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン1−オキシド(0.201g、27%収率)を黄色固体として得た。MS: 296 [M + 1].
オキシ塩化リン(V)(0.700mL、7.51mmol)を、1,2−ジクロロエタン(4mL)中の5−クロロ−4−(イソプロポキシカルボニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン1−オキシド(0.280g、0.947mmol)の溶液に添加し、混合物を、マイクロ波反応器内、130℃で1時間照射した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(25mL)とともに20分間激しく撹拌した。層を分離し、ジクロロメタン層を濃縮して、粗製のイソプロピル2,3−ジクロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(199mg、67%収率)を得た。2−プロパノール(3mL)中の粗製のイソプロピル2,3−ジクロロ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(97mg、0.31mmol)の懸濁液を、カリウムt−ブトキシド(THF中1M、1.0mL、1.0mmol)で処理し、反応物を、マイクロ波反応器内、150℃で5分間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を濃縮して黄色油を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage Flash 25S、ヘプタン中20〜80%酢酸エチル勾配)によって精製して、イソプロピル3−クロロ−2−イソプロポキシ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(38mg、36%収率)を透明油として得た。MS: 338 [M + 1].
メタノール(4mL)中のイソプロピル3−クロロ−2−イソプロポキシ−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチネート(38mg、0.11mmol)の溶液を、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.165mL、0.165mmol)で処理し、55℃で2時間、次いで35℃で終夜撹拌した。反応物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで洗浄した。水相を6N塩酸で中和し、ドライアイス浴中で凍結させ、凍結乾燥して、白色固体を得た。この固体をN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.040mL、0.29mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、41mg、0.10mmol)で処理した。5分後、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(21mg、0.11mmol)を一度に添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで、水(6mL)で希釈し、冷蔵庫に1時間入れた。得られた沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空下、80℃で乾燥させて、表題化合物(26mg、55%収率)を黄褐色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.46 (s, 1H), 8.50 (t, J=4.93 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.99 (s, 1H),
7.16 (s, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.40 (五重線, J=6.19 Hz, 1H),
4.28 (d, J=5.05 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.34 (d,
J=6.32 Hz, 6H); MS: 430 [M + 1].
方法K
(実施例34)
2−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
水(50mL)、ジメチルスルホキシド(50mL)および酢酸(6mL)中の、2−クロロ−5−メチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン(500mg、2.4mmol)、ピルビン酸エチル(4mL、36mmol)、濃硫酸(0.4mL、7.5mmol)および硫酸鉄(II)七水和物(6.66g、24mmol)の溶液に、冷過酸化水素(50%水溶液)を、1時間間隔で、出発材料のほとんどが消費されるまで添加した(350μLずつ8回の添加)。反応は、ガス発生を伴う発熱性のものであった。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、酢酸エチル/ヘプタン0〜50%を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物と共溶離副生成物(メチル化ピリミジン)とを含有する画分を合わせ、蒸発させて、エチル2−クロロ−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキシレート(673mg、18%収率、70%純度)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d
6): δ 7.51 (d, J=1.8 Hz, 1H),
6.59 (d, J=2.0 Hz, 1H), 4.38-4.57 (m, 2H), 4.03 (s, 3H), 2.40-2.49 (m, 3H),
1.40 (t, J=7.1 Hz, 3H). MS: 281.0/282.0 [M + 1].
1,4−ジオキサン/水 1:1(30mL)中の、エチル2−クロロ−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキシレート(1g、4.854mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(1.01g、4.85mmol)、炭酸ナトリウム(1.54g、14.6mmol)およびジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)−ジクロロメタン複合体(198mg、0.243mmol)の溶液を、窒素で脱気し、密閉バイアル内、マイクロ波中、100℃で1時間加熱した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を廃棄し、水性残留物をクエン酸でpH=3に酸性化し、蒸発させた。水性残留物を氷浴中で冷却し、音波破砕した。得られた固体を濾過によって収集し、必要最低限量の冷水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、2−(6−アミノピリジン−3−イル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボン酸(40mg、11%収率)を黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.85 (s, 1H), 8.19 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.51 (d, J=1.8 Hz, 1H), 6.69
(d, J=2.0 Hz, 1H), 6.50 (s, 2H), 6.46 (d, J=8.8 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.26 (s,
3H). MS: 311.2/312.2 [M+1].
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の2−(6−アミノピリジン−3−イル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボン酸(40mg、0.13mmol)の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、49mg、0.13mmol)およびN−メチルモルホリン(14μL、0.13mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、3−(アミノメチル)−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(24mg、0.129mmol)およびN−メチルモルホリン(28μL、0.26mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで、水で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残留物を水で希釈し、音波破砕し、得られた固体を濾過によって収集し、次いで、アセトン/水とともにバイアルに移し、凍結乾燥して、表題化合物(20mg、35%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.87 - 8.95 (m, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.36 (d, J=13.9 Hz, 1H), 7.50
(d, J=2.0 Hz, 1H), 6.64 (d, J=1.8 Hz, 2H), 5.81 (s, 1H), 4.28 (d, J=5.1 Hz,
2H), 3.88 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.04 (s, 3H). MS: 445.2/446.2 [M
+ 1].
追加の例−方法C
(実施例35)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−(2,2−ジオキシド−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾチエン−5−イル)−2−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例35の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミドおよび第一のカップリングパートナーとしての2,2−ジオキシド−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾチエン−5−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.47 (br. s., 1 H), 8.35 - 8.43 (m, 1 H), 7.76 - 7.79 (m, 1 H),
7.72 - 7.76 (m, 1 H), 7.62 - 7.65 (m, 1 H), 7.56 - 7.59 (m, 1 H), 7.52
(d,J=1.76 Hz, 1 H), 7.44 - 7.49 (m, 1 H), 6.30 (d,J=1.51Hz, 1 H), 5.88 (s, 1
H), 4.53 (s, 4 H), 4.33 (d,J=4.52 Hz, 2 H), 3.63 (s, 3 H), 2.22 (s, 3 H) 2.11
(d, J=7.03 Hz, 6 H). MS: 517 [M + 1].
(実施例149)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−メチル−5−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ベンズアミド
実施例149の化合物は、実施例13と同じ方法を使用し、3−ブロモ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−ヨード−2−メチル−ベンズアミドおよび第一のカップリングパートナーとしての2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステルから出発して作製して、表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール -d4) δ 8.42 (d, J=2.32 Hz, 1 H), 7.88 (dd,
J=8.86, 2.51 Hz, 1 H), 7.65 (d, J=1.83 Hz, 1 H), 7.57 (d, J=1.83 Hz, 1 H), 7.52
(d, J=1.83 Hz, 1 H), 6.92 (d, J=8.93 Hz, 1 H), 6.31 (d, J=1.96 Hz, 1 H), 6.12
(s, 1 H), 4.52 (s, 2 H);
MS: 526.3 [M + 1]
方法L
(実施例36)
2−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−6−[(2S)−2,4−ジメチルピペラジン−1−イル]−5−メチルピリミジン−4−カルボキサミド
DMF(60mL)中の市販のオロチン酸(10g、64mmol)の溶液を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(9.75g、64mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。ヨードエタン(10g、64mmol)を添加し、得られた混合物を60℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、脱イオン水(200mL)を添加し、得られた白色沈殿物を濾過によって収集した。沈殿物を水で洗浄し、乾燥させて、エチル2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(8.1g、69%収率)を白色固体として得た。
ジメチルスルホキシド(50mL)および脱イオン水(10mL)中の、エチル2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(8.1g、44mmol)、フェロセン(1.64g、8.8mmol)および濃硫酸(0.2mL)の冷却し(0℃)迅速に撹拌した溶液に、30%過酸化水素水溶液(3.23g、95mmol)を30分間かけて添加した。撹拌を、0℃で30分間、次いで室温で3時間続けた。次いで、反応混合物を、氷および水を含有するフラスコに注ぎ入れ、音波破砕して、白色沈殿物を形成させた。沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄し、乾燥させて、エチル5−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(7.2g、83%収率)を白色固体として得た。
オキシ塩化リン(608.21g)中のエチル5−メチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(54g、272mmol)の懸濁液を、90℃で3日間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で中和した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル(ethyl actetate)/石油エーテル 1/100で溶離する)によって精製して、エチル2,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(41g、64%収率)を無色油として得た。
エタノール(100mL)中のエチル2,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(2.36g、10mmol)の溶液を、(S)−1,3−ジメチルピペラジン(1.11g、11mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.88g、30mmol)で処理した。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで、真空下で濃縮して、粗製の(S)−エチル2−クロロ−6−(2,4−ジメチルピペラジン−1−イル)−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(2.61g)を得た。この粗材料を、テトラヒドロフラン(100mL)およびエタノール(50mL)に溶解し、次いで、1M水酸化リチウム水溶液(20mL、20mmol)を添加した。室温で4時間撹拌した後、混合物を濃縮し、pH約5〜6に調整し、ジクロロメタン(4×200mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物を濃縮して、(S)−エチル2−クロロ−6−(2,4−ジメチルピペラジン−1−イル)−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(1.71g、63%収率、2ステップ)を黄色固体として得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中の、(S)−エチル2−クロロ−6−(2,4−ジメチルピペラジン−1−イル)−5−メチルピリミジン−4−カルボキシレート(5.1g、18.8mmol)、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩(4.47g、20mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、11.41g、30mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.75g、60mmol)の溶液を、室温で終夜撹拌した。この時間の間に、沈殿物が形成された。沈殿物を濾過によって収集し、水、t−ブチルメチルエーテルおよび酢酸エチルで洗浄し、次いで、乾燥させて、2−クロロ−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−6−[(2S)−2,4−ジメチルピペラジン−1−イル]−5−メチルピリミジン−4−カルボキサミド:(2.94g、39%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (t, J=5.2 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H), 5.86 (s, 1H), 4.25 (d, J=5.2
Hz, 2H), 4.05-4.10 (m, J=6.8 Hz, 1H), 3.65 (d, J=11 Hz, 1H), 3.30 (t, J=13 Hz,
1H), 2.85 (d, J=10 Hz, 1H), 2.70 (d, J=10 Hz, 1H), 2.50 (m, 1H), 2.33 (m, 1H),
2.28 (s, 3H), 2,20 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 1.22 (d, J=6.7 Hz, 3H);
MS: 419 [M + 1].
(実施例45)
2−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−メチル−6−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボキサミド
1,4−ジオキサン(4mL)中の(S)−2−クロロ−N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(2−メチルピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド(50mg、0.13mmol、実施例36と同じ方法により、(S)−1,3−ジメチルピペラジンの代わりに(S)−2−メチルピロリジンを使用して調製したもの)の溶液に、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(28mg、0.13mmol)、炭酸ナトリウム(41mg、0.38mmol)、PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(5mg、0.006mmol)および水(0.5mL)を添加した。反応バイアルを密閉し、音波破砕して内容物を溶解し、窒素で脱気し、100℃で60分間加熱した。混合物をCELITE(商標)のパッドに通して濾過し、蒸発乾固させた。残留物を、MeOHとともに予め洗浄したSCX(強カチオン交換)カラムに装填し、MeOH(20mL)で洗浄した。生成物をNH
3/MeOHで開裂し、揮発物を蒸発させた。残留物をMeOHとともにバイアルに移し、水で希釈し、凍結乾燥して、表題生成物を黄褐色固体(36mg、63%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.78 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.98 - 8.28 (m, 0H), 6.39 (d, J=8.6 Hz,
1H), 6.25 (s, 1H), 5.59 - 5.88 (m, 1H), 4.28 - 4.47 (m, 1H), 4.13 - 4.28 (m,
2H), 3.62 - 3.80 (m, 1H), 3.44 (t, J=10.0 Hz, 1H), 2.54 - 2.62 (m, 1H), 2.23 -
2.26 (m, J=1.5 Hz, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.04 - 2.09 (m, J=5.3 Hz,
1H), 2.03 (s, 3H), 1.75 - 1.91 (m, 1H), 1.57 - 1.71 (m, 1H), 1.42 - 1.57 (m,
1H), 1.15 (d, J=6.1 Hz, 3H). MS: 448 [M + 1].
方法M(アミンバージョン)
(実施例43)
2−(4−アミノピペリジン−1−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
トルエン(18mL)中の6−ヒドロキシ−5−メチル−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−4−カルボン酸(3.616g、18.06mmol)の懸濁液を、塩化チオニル(17.1mL、234mmol)、DMF(0.120mL、1.55mmol)およびピリジン(0.300mL、3.71mmol)で処理した。反応物を還流させ、3時間撹拌した。混合物を真空で濃縮した。得られた固体と油との混合物を、0℃に冷却し、MeOH(20mL)を添加した。5分間撹拌した後、MeOHを真空下で除去し、得られた油を飽和NaHCO
3水溶液とDCMとに分配した。DCM層を濃縮して油を得、これをシリカゲル(Biotage Flash 40M、ヘプタン中5%から20%EtOAcの勾配で溶離する)上で精製して、メチル6−クロロ−5−メチル−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボキシレートを薄黄色油として得、これを静置すると凝固した(2.144g、51%収率)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 3.90-3.95 (m, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.32 (s, 3H).
ジオキサン(100mL)中の、メチル6−クロロ−5−メチル−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カロブキシレート(carobxylate)(1.832g、7.873mmol)、1−メチル−1H−ピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(1.97g、9.45mmol)および飽和NaHCO3水溶液(24.5mL)の部分溶液を、溶液にN2を10分間吹き込んで発泡させることによって脱気した。反応物をPdCl2(dppf)−DCM(617mg、0.756mmol)で処理し、2時間加熱還流した。出発塩化物のすべてが消費され、所望生成物の約50%を加水分解して、カルボン酸とした。追加で8時間加熱することにより、残りのエステルを加水分解した。反応混合物を室温に冷却し、水(30mL)で希釈し、EtOAcで洗浄した。水層を6N HClでpH約2にし、DCMで抽出した。DCMを濃縮して、5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボン酸を褐色粉末(1.602g、77%)として得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.58 (d, J=2.20 Hz, 1H), 6.77 (d, J=1.96 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H),
2.55 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
DMF(20mL)中の上記ピリミジン−4−カルボン酸(1.554g、5.880mmol)の溶液に、トリエチルアミン(2.50mL、17.9mmol)、次いでHATU(2.46g、6.3mmol)を添加した。5分後、3−アミノメチル−4,6−ジメチル−1H−ピリジン−2−オン塩酸塩を一度に添加した。反応物を室温で20分間撹拌した。水(100mL)を添加し、沈殿物を濾過によって収集し、高真空下で終夜乾燥させた。得られたN−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−カルボキサミドは、粉末(1.475g、63%)として提供され、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.57 (br. s., 1H), 8.77 (t, J=5.26 Hz, 1H), 7.58 (d, J=1.96 Hz,
1H), 6.71 (d, J=1.96 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 4.32 (d, J=5.38 Hz, 2H), 3.91 (s,
3H), 2.56 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.13 (s, 3H).
氷浴中、ジクロロメタン(20mL)中のカルボキサミド中間体(0.613g、1.54mmol)の溶液に、m−CPBA(0.384g、1.7mmol、75%純度)を一度に添加した。反応物を室温に加温させた。出発材料は15分後に消費された。反応混合物全体をシリカゲル(Biotage Flash 40S、0.5%トリエチルアミンを加えたDCM中0〜20%MeOHの勾配で溶離する)上に注いで、N−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミドを白色粉末(0.389g、61%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.56 (br. s., 1H), 8.80 (t, J=5.50 Hz, 1H), 7.62 (d, J=1.96 Hz,
1H), 6.83 (d, J=2.20 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 4.35 (d, J=5.38 Hz, 2H), 3.95 (s,
3H), 2.92 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.12 (s, 3H).
EtOH(2mL)中のN−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミド(0.021g、0.051mmol)の微細懸濁液を、4−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピペリジン(0.015g、0.075mmol)およびトリエチルアミン(0.010mL、0.072mmol)で処理し、70℃で終夜加熱した。次いで、反応物を濃HCl(6滴)で処理し、50℃で6時間加熱した。揮発物を窒素で吹き飛ばし、得られた暗色残留物をMeOHに溶解し、分取HPLCによって精製して、2−(4−アミノピペリジン−1−イル)−N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド(0.00711g、31%)を得た。MS: 451 [M + 1].
方法M(エーテルバージョン):
(実施例102)
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−エトキシ−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
EtOH(1mL)およびDMF(1mL)中の、上記の実施例43のように調製したN−((4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル)−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−4−カルボキサミド(0.051g、0.12mmol)の微細懸濁液を、カリウムtert−ブトキシド(0.40mL、0.40mmol、THF中1M)により室温で処理した。5分後、反応物を酢酸(0.016mL)で中和した。得られた混合物を濾過し、分取HPLCによって精製して、N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−2−エトキシ−5−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド(0.021g、43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.68 (t, J=5.31 Hz, 1H), 7.56 (d, J=2.02 Hz, 1H), 6.67 (d, J=1.77
Hz, 1H), 5.88 (s, 1H), 4.37 (q, J=6.99 Hz, 2H), 4.31 (d, J=5.31 Hz, 2H), 3.91
(s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.34 (t, J=7.07 Hz, 3H); MS:
397 [M + 1].
方法N
(実施例147)
N−[(5−ブロモ−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド
N−[(4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド(0.05g、0.13mmol)およびN−ブロモコハク酸イミド(24mg、0.13mmol)を、氷酢酸(5mL)に溶解して、透明無色溶液を得た。混合物を80℃で3時間加熱した。すべての溶媒を蒸発させ、白色固体を得る。ジクロロメタン(10mL)を添加すると、白色沈殿物が形成された。沈殿物を収集し、乾燥させて、N−[(5−ブロモ−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)メチル]−3−(1−エチル−4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−メチルベンズアミド(0.038g、64%収率)を得た。
表1中の化合物は、実施例1〜36で記述されている通りに調製した。
表2中の化合物は、方法A〜Nの修正または拡張によって調製したものであり、これらは、実施例の項全体にわたって、実施例1〜36、43、45、102および147の調製について本明細書で例示されている。
生物学的アッセイおよびデータ
ヌクレオソームアッセイプロトコール:
A. 化合物調製
1. 100%DMSO中10mMストック溶液を固体材料から調製する
2. 10mM化合物ストックを、100%DMSO中2または3倍のいずれかに連続希釈して、11点用量応答のための化合物を生成する
B. 試薬調製
1. 100mMのTris pH8.5、4mMのDTTおよび0.01%のTween−20を含有する、1倍アッセイ緩衝液を調製する
2. 精製したHeLAオリゴヌクレオソームおよび組換えヒストンH1(New England Biolabs)を、アッセイ緩衝液中で1.67倍に希釈する。
3. EZH2 4タンパク質複合体(EZH2、EED、SUZ12、RbAp48)を、アッセイ緩衝液中で3.5倍に希釈する
4. 1.5μM最終濃度では、0.94μCi/ウェルの放射性SAM(Perkin Elmer)および十分な非標識SAM(Sigma)を使用して、アッセイ緩衝液中10倍3H SAM溶液を調製する。
5. TCAをDI水中で20%に希釈する
C. 酵素反応
1. 最終反応条件は、50μlの反応体積中、5nMのEZH2 4−タンパク質複合体、1.5μMのSAM、25μg/mLのオリゴヌクレオソーム、50nMのrH1である。
2. 1μlの希釈した化合物をアッセイプレート(96ウェルV底ポリプロピレンプレート)に、または対照ウェルでは1μlのDMSOを添加する。
3. 30μlのヌクレオソームをアッセイプレートに添加する
4. 14μlのEZH2 4タンパク質複合体をアッセイプレートに添加する
5. 5μlの3H SAMを添加して、反応を開始する。
6. 60分後、100μlの20%TCAの添加により、反応を停止させる
7. 150μlのクエンチした反応物を、調製したフィルタープレート(Millipore MSIPN4B10番)に移す
8. フィルタープレートに真空を印加して、反応混合物を膜に通して濾過する。
9. フィルタープレートを8×200μlのPBSで洗浄し、拭き取り、オーブン内で30分間乾燥させる
10. 50μlのマイクロシント−20シンチレーション液(Perkin Elmer)を各ウェルに添加し、30分待ち、液体シンチレーションカウンターでカウントする。
D. データ分析
1. IC50値は、専用の曲線当てはめソフトウェアを使用して、データを4−パラメーターIC50方程式に当てはめることによって決定した。
HeLAオリゴヌクレオソームの調製:
試薬
− 細胞ペレット:15L HeLa S3(Accelgen)+6L HeLa S3(自社)
− Mnase(Worthington Biochemicals)
機器
− SW−28ローター
− ダウンス型ホモジナイザー/B乳棒
緩衝液
− 溶解液:20mMのHepes pH7.5、0.25Mのスクロース、3mMのMgCl2、0.5% Nonidet P−40、0.5mMのTCEP、1個のRocheプロテアーゼタブレット
− B:20mMのHepes pH7.5、3mMのMgCl2、0.5mMのEDTA、0.5mMのTCEP、1個のRocheプロテアーゼタブレット
− MSB:20mMのHepes pH7.5、0.4MのNaCl、1mMのEDTA、5%v/vのグリセロール、0.5mMのTCEP、0.2mMのPMSF
− LSB:20mMのHepes pH7.5、0.1MのNaCl、1mMのEDTA、0.5mMのTCEP、0.2mMのPMSF
− NG:20mMのHepes pH7.5、1mMのEDTA、0.4mのNaCl、0.2mMのPMSF、0.5mMのTCEP
− 貯蔵:20mMのHepes pH7.5、1mMのEDTA、10%グリセロール、0.2mMのPMSF、0.5mMのTCEP
プロトコール
A. 核
1. ダウンス型ホモジナイザーを使用して、約10Lのペレットを2×40mLの溶解液に再懸濁する
2. 3000×gで15分スピンさせる
3. さらに2回繰り返す
4. ペレットを2×40mLのBに再懸濁する
5. 3000×gで15分スピンさせる
B. 核再懸濁
1. ペレットを2×40mLのMSBに再懸濁する。5000×gで20分スピンさせる
2. ペレットを2×15mLのHSBに再懸濁する
3. プールし、40ストローク均質化して、DNAをせん断する
4. ペレット10000×g 20分
5. LSBを50nMのNaClで3時間透析したバッチAを除き、LSB中4℃でO/N透析する
C. Mnase消化
Mnase消化物(200μl)を試験する
1. 37℃に5分間加温する
2. CaCl2を3mMまで添加し、10UのMnaseを添加する
3. 37℃で30分、5分毎に25μLの試料を採取する
4. 1μLの0.5M EDTA、40μLのH2O、15μLの10%SDS、10μLの5M NaClおよび100μLのフェノール−クロロホルムと、各添加後にボルテックスしてプロセス反応
5. 13kで5分スピンさせる
6. 1%アガロースゲル上に5μLの水相を流す
7. 時間をおいて、約2kbの断片を産出する
8. スケールアップのために、AおよびBについては15分、CおよびDについては20分選択した
NaClを0.6Mまで添加した。
D. スクロース勾配1
1. 6×34mLを、NG中5から35%までのスクロース勾配で、AKTA精製器を使用して、38.5mLのポリアロマー(pollyallomer)管に注ぎ入れた
2. MN1消化物の頂部に約4.0mLを導く
3. 26k、4℃で16時間スピンする
4. 頂部から2mLの画分を採取する
5. Pageゲル上に流す
6. 2×2時間かかったバッチDを除き、4LのLSB中4℃で画分7〜14を0/N透析する
7. 3回繰り返す
E. 最終
1. すべてをプールし、Amicon内で濃縮する(幾分濁る)
2. 10%グリセロールを添加した
3. 5Kで15分スピンする
4. 合計144mgについて80mLで1.8mg/mL
生物学的実施例についての結果を以下にまとめる。20μMにおける野生型(WT)EZH2の%効果およびWT EZH2またはEZH2PRC2突然変異体Y641Nヌクレオソームアッセイにおいて生成されたIC50値(μM)を、以下の表3において提供する。表中の空白の項目は、そのアッセイにおいてデータが生成されなかったことを指示している。
本明細書において引用されているすべての刊行物および特許出願ならびにその中で引用されているすべての参考文献は、各個々の刊行物または特許出願または参考文献が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれると指示されているかの如く、参照により本明細書に組み込まれる。明白な理解のために説明および例によって前述の発明について若干詳細に記述してきたが、添付の請求項の趣旨または範囲から逸脱することなく、ある特定の変更および修正が為され得ることが、本発明の教示を踏まえて、当業者には容易に明らかとなるであろう。