JP6253076B2 - 転倒予防装置 - Google Patents
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Description
そこで、近年、転倒につながるおそれのある特定の動作を検出した場合、警告を発するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、被介護者の離床を検出した場合、警告を発するシステムが記載されている。
より具体的には、転倒を予防する転倒予防装置であって、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備え、前記算出手段は、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行い、薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出することを特徴としている。
より具体的には、転倒を予防する転倒予防装置であって、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備え、前記算出手段は、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行い、使用者の身体情報を記憶する身体情報記憶手段を備え、前記算出手段は、前記身体情報記憶手段を通じて得られる使用者の身体情報に基づいて前記固定転倒リスクを算出し、薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出することを特徴としている。
前記算出手段は、前記警告処理において、前記受付装置に転倒リスクが所定値以上となった旨を無線通信を通じて送信することを特徴とする転倒予防システム。
まず、図1を参照しながら、転倒予防システム1の全体構成について説明する。本実施形態では、転倒予防システム1を病院施設に適用した場合について説明する。
同図1に示されるように、転倒予防システム1は、高齢者をはじめとする被介護者(以下、使用者)が装着する転倒予防装置10、介護者等が常在するナースステーション等に設けられる中央処理装置2(本発明の「受付装置」に相当)、段差や階段といった転倒が発生しやすい状況にある歩行面の近傍に設けられる歩行面ICタグ3a〜3c(本発明の「歩行面情報送信手段」に相当)、投与する薬剤に関する情報を記憶する管理ICタグ4(本発明の「薬剤情報記憶手段」に相当)を含んで構成される。
歩行面ICタグ3a〜3cは、歩行面に関する各種情報を予め記憶しており、所定の範囲に転倒予防装置10がある場合、当該転倒予防装置10と相互に無線通信が可能となる。例えば、本実施形態では、手洗い入口近傍に段差がある場合、図1に示されるように、当該段差近傍に、範囲Raを無線通信可能な範囲とするとともに当該入口近傍の歩行面に関する情報を記憶している歩行面ICタグ3aを設けている。歩行面に関する情報としては、当該歩行面ICタグ3a近傍にある段差の位置や大きさについての情報、また、水道等がある等の理由で歩行面が滑りやすい状況にある場合は、その旨に関する情報が挙げられる。歩行面ICタグ3aは、この範囲Raに転倒予防装置10が入ってきた場合、上述したような予め記憶している歩行面に関する情報を転倒予防装置10に送信する。
なお、これら歩行面ICタグ3a〜3cの設置場所、設置する歩行面ICタグの個数および歩行面ICタグ3a〜3cが記憶する歩行面に関する情報は、上述したものに限られず、転倒予防システム1を適用する施設の状況に合わせて適宜変更することができる。
また、装置本体11の周囲には、モードの切り替えや時間操作、使用者の病歴等についての入力操作等を行うための第一操作部12および第二操作部13が設けられている。
ブザー15は、第一アラームが出力された場合には大音量のアラームを発し、第二アラームが出力された場合に小音量のアラームを発する。
振動部14は、第一アラームまたは第二アラームが出力された場合に振動する。
同図3に示されるように、装置本体11は、それぞれ直交する三軸方向への加速度を検出する三軸加速度測定部21、管理ICタグ4と相互に無線通信可能な近距離無線制御部22、歩行面ICタグ3a〜3cと相互に無線通信可能な中距離無線制御部23、中央処理装置2との間で無線LANを通じて相互に通信可能な無線LAN制御部24、各種演算処理等を実行する制御部26(本発明の「算出手段」、「警告手段」に相当)、これら三軸加速度測定部21および近距離無線制御部22および中距離無線制御部23および無線LAN制御部24から出力される各種情報を一時的に格納し、必要に応じて制御部26に出力する共有メモリ25を含んで構成される。
そして、転倒リスクとして、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに基づいて算出される長期転倒リスクPa、第二変動要因FV2に基づいて算出される短期第一転倒リスクPb、第三変動要因FV3に基づいて算出される短期第二転倒リスクPc、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcとを合計した総合転倒リスクPをそれぞれ求める。
予防的介入要因FPは、歩行訓練や運動療法を行った履歴(本発明の「身体情報」に相当)に関する要因を示す数値であり、負の値をとる。歩行訓練や運動療法を行った履歴が長い場合ほど予防的介入要因FPは低い値として算出する(絶対値は高くなる)一方、歩行訓練や運動療法を行った履歴が短い場合ほど予防的介入要因FPは高い値として算出する(絶対値は低くなる)。
第三変動要因FV3は、歩行面の状況に関する要因を示す数値であり、使用者が段差や滑りやすい歩行面等の近くに位置する場合、高い値が算出される。第三変動要因FV3は、歩行面ICタグ3a〜3cから送信される情報に基づいて算出される。
使用者が装置本体11を装着していないと判断する場合(ステップS104;NO)、使用者が装置本体11を装置していない旨、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に通報する(ステップS106)。この場合、使用者が装置本体11を装着していない旨、中央処理装置2のディスプレイ(図示せず)に表示することが望ましい。また、第二アラームを出力し、アラーム灯18から黄色の光を発させるとともにブザー15から小音量のブザー音を発させ、さらに振動部14を振動させてもよい。
(2)三軸加速度測定部21からの出力値に基づき、軸心が移動していると判断される。
同図5に、ベンゾジアゼピン系の催眠剤をはじめとする眠気やふらつき、注意力を低下させる薬剤が投与されてからの経過時間に応じた第二変動要因FV2の変動態様の一例を示す。本薬剤が投与された場合、第二変動要因FV2は薬剤の血中濃度に比例して変動するため、同図5に示されるように、第二変動要因FV2は、薬剤が投与されてからの血中濃度の変動に準じたかたちで変動する。すなわち、薬剤が投与されると、第二変動要因FV2は急激に上昇した後、徐々に低下する。また、投与の形態が静脈投与によるものか、もしくは経口投与によるものかによっても異なる態様で変動する。本実施形態では、記憶部51は、薬剤毎、投与形態毎に、投薬からの経過時間に応じた第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶している。
制御部26は、管理ICタグ4から送信された情報(投与された薬剤の名称、および経口投与か、静脈投与かを示す情報)を取得すると、この情報に基づいて該当する第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶部51から取得する。そして、投薬からの経過時間(投与する薬剤に関する情報が制御部26に出力されてからの経過時間)に基づいて、第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを参照しながら第二変動要因FV2を算出する。
使用者が安静状態にあると判断する場合(ステップS201;NO)、第三変動要因FV3を「0」とし(ステップS204)、この処理を一旦終了する。
一方、使用者が安静状態にないと判断する場合(ステップS201;YES)、次に中距離無線通信を受信したか否かを判断する(ステップS202)。
第一操作部12と第二操作部13とを同時に押下した後、使用者は、転倒するおそれの少ない平坦で歩きやすい歩行面を歩行する。制御部26は、このように第一操作部12と第二操作部13とが同時に押下された後の三軸加速度測定部21からの出力値のパターンを正常時の歩行パターンとして記憶する。
初期設定処理は、転倒予防装置10を始めて使用する場合の処理であり、ネットワークの設定やID番号の設定等を行う。
Pa=(FF×b1−FP×b0)×k1 …(1)
k1は総合転倒リスクPに対する長期転倒リスクPaの占める割合を設定するパラメータであり、b1およびb0は、長期転倒リスクPaに対する固定要因FFおよび予防的介入要因FPの占める割合を設定するパラメータである。例えば、使用者が高齢で、筋力が極端に弱っている場合等は、k1を高い値に設定してもよい。
Pb=FV2×k2 …(2)
k2は総合転倒リスクPに対する短期第一転倒リスクPbの占める割合を設定するパラメータである。例えば、投与される薬剤の使用者の歩行への影響が、他の要因による影響よりも極端に大きい場合等、短期第一転倒リスクPbの占める割合が、他の要因による影響よりも極端に大きい場合等は、k2を高い値に設定してもよい。
第一変動要因FV1が「0」であると判断する場合、すなわち使用者が安静状態にあり転倒する可能性はないと判断する場合(ステップS405;NO)、この処理を一旦終了する。
警告処理では第二アラームを出力することにより、黄色からなる光をアラーム灯18から発させ、振動部14を振動させる。通報処理では、転倒リスクが高まっている旨、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に送信する。この際、中央処理装置2は、転倒リスクが高まった状態で使用者が活動している旨、中央処理装置2のディスプレイ(図示せず)等に表示することが好ましい。また、表示部17に、転倒リスクとして、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値を表示する。
Pc=FV3×k3 …(3)
k3は総合転倒リスクPに対する短期第二転倒リスクPcの占める割合を設定するパラメータである。転倒予防システム1を適用する施設の歩行面の状況が極端に悪い場合等は、k3を高い値に設定してもよい。また、夜間は足元が暗く歩行面を認識しづらいため、夜間は、k3の値を昼間よりも高い値に設定してもよい。
一方、歩行パターンが正常でないと判断する場合(ステップS408;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS409)、この処理を一旦終了する。
この例では、まず2時に歩行面ICタグ3a〜3cのいずれかから無線通信を受信し、第二変動要因Pbの値が高くなっている。しかし、このときは、短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcと長期転倒リスクPaとを合計した値が、閾値J3未満であるため、警告処理等は行われない。
その後、8時に投薬がなされ、短期第一転倒リスクPbと長期転倒リスクPaとを合計した値が閾値J2を超えた。このときは、第一変動要因FV1が「1」である場合は警告処理および通報処理を行う一方、第一変動要因FV1が「0」である場合は警告処理および通報処理を行わない。
その後、16時に、短期第一転倒リスクPbと長期転倒リスクPaとを合計した値が閾値J2を超えた。このときは、第一変動要因FV1が「1」である場合は警告処理および通報処理を行う一方、第一変動要因FV1が「0」である場合は警告処理および通報処理を行わない。
なお、この例では、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに関して、被介護者等が新しい値を入力していないため、一定の値を維持している。
(1)上記実施形態では、使用者が、転倒する危険性の高い行動を実際にとった後に警告するのではなく、転倒の可能性を示す転倒リスクに基づいて警告処理を行うため、使用者の動態が実際に変化する前に警告処理を行うことができる。したがって、転倒の発生を好適に抑制することができる。
なお、この発明にかかる転倒予防システム1は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を組み合わせてもよい。
Pa=(FF×b1−FP×b0)×k1 …(1)
Pb=FV2×k2 …(2)
長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J4を超えると判断する場合(ステップS503;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS505)、この処理を一旦終了する。
一方、歩行パターンが正常でないと判断する場合(ステップS504;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS505)、この処理を一旦終了する。
本変形例によれば、薬剤の影響によって転倒リスクが高くなった場合、その旨、警告処理および通報処理を通じて、警告および通報することができる。
本変形例では、投与時、管理ICタグ4を装置本体11に接触させることで、投与する薬剤の名称を制御部26に送信する。この際、管理ICタグ4が投与形態に関する情報を記憶する場合は、管理ICタグ4が薬剤の名称とともに投与形態に関する情報を制御部26に送信する。これに対して、記憶部51が投与形態に関する情報を記憶する場合は、管理ICタグ4を通じて薬剤の名称を送信する一方、装置本体11の操作によって、投与形態に関する情報を操作部26に出力することが好ましい。
P=((FF×b1−FP×b0)×k1+FV2×k2+FV3×k3)×FV1 …(4)
2…中央処理装置
3a〜3c…歩行面ICタグ
4…管理ICタグ
10…転倒予防装置
11…装置本体
12…第一操作部
13…第二操作部
14…振動部
15…ブザー
16…バンド
17…表示部
18…アラーム灯
21…三軸加速度測定部
22…近距離無線制御部
23…中距離無線制御部
24…無線LAN制御部
25…共有メモリ
26…制御部
51…記憶部
Claims (2)
- 転倒を予防する転倒予防装置であって、
使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、
前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備え、
前記算出手段は、
使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、
前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、
前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行い、
薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、
前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出する
ことを特徴とする転倒予防装置。 - 転倒を予防する転倒予防装置であって、
使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、
前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備え、
前記算出手段は、
使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、
前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、
前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行い、
使用者の身体情報を記憶する身体情報記憶手段を備え、
前記算出手段は、前記身体情報記憶手段を通じて得られる使用者の身体情報に基づいて前記固定転倒リスクを算出し、
薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、
前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出する
ことを特徴とする転倒予防装置。
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