JP2014188158A - 転倒予防装置および転倒予防システム - Google Patents

転倒予防装置および転倒予防システム Download PDF

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Abstract

【課題】病院や介護施設等において、被介護者の転倒を予防することができる転倒予防装置および転倒予防システムを提供する。
【解決手段】転倒を予防する転倒予防装置10を構成する装置本体11は、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPとしてそれぞれ算出し、これら第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに基づいて、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを算出する。そして、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPbおよび短期第二転倒リスクPcを合計した総合転倒リスクPを算出する。総合転倒リスクPが所定値以上となった場合に警告処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、病院や介護施設等において、被介護者の転倒を予防する転倒予防装置および転倒予防システムに関する。
高齢者をはじめとする被介護者の骨折は、寝たきりや生活活動の低下を引き起こす主要な要因となる。そこで、従来、被介護者の転倒を予防するため、種々の対策が講じられている。例えば、加齢に伴い、筋力や平衡感覚をはじめとする身体機能が低下することで転倒が発生する点に着目し、身体機能向上を目的とした運動等が広く一般的に行われている。
ところで、上述したように身体機能が低下すると、身体機能が良好であるときには問題とならないような日常生活での動作が転倒を引き起こす危険がある。転倒を効果的に予防するためには、転倒予防のための注意を常時払い続ける必要があるものの、日常生活における全ての動作に常に注意を払い続けることは困難である。
そこで、近年、転倒につながるおそれのある特定の動作を検出した場合、警告を発するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、被介護者の離床を検出した場合、警告を発するシステムが記載されている。
特開2009−077908号公報
しかしながら、上述したような技術は被介護者が特定の動作を行ったことを通知するものでしかない。すなわち、転倒につながるおそれのある動作を行った後に警告を発するものであるため、警告が発せられた時点では、既に被介護者は転倒するおそれのある状況にある。このため、高齢者の転倒を予防するという観点からは、依然改良の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、病院や介護施設等において、被介護者の転倒を予防することができる転倒予防装置および転倒予防システムを提供することを課題とする。
本発明の第一態様は、転倒を予防する転倒予防装置であって、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備えることを特徴とする。
同構成では、転倒の可能性を示す転倒リスクに基づいて警告処理を行う警告手段を備えるため、実際に動態が変化する前に警告処理を行うことができる。したがって、転倒の発生を好適に抑制することができる。
本発明の第二態様は、第一態様にかかる転倒予防装置であって、前記算出手段は、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行うことを特徴とする。
同構成によれば、変動要因と固定要因とに分けて、転倒リスクを算出するため、転倒リスクを高い精度で算出することができる。また、固定転倒リスクについては都度算出する必要がないため、算出工程を簡略化することができる。
本発明の第三態様は、第二態様にかかる転倒予防装置であって、使用者の身体情報を記憶する身体情報記憶手段を備え、前記算出手段は、前記身体情報記憶手段を通じて得られる使用者の身体情報に基づいて前記固定転倒リスクを算出することを特徴とする。
身体情報としては、筋力または平衡感覚または視覚または表在感覚または関節機能または歩行訓練や運動療法を行った履歴の少なくともひとつとすることが好ましい。
本発明の第四態様は、第二態様または第三態様にかかる転倒予防装置であって、薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出することを特徴とする。
投与する薬剤に関する情報には、投与する薬剤の名称、投与形態(経口投与か静脈投与か)の少なくともひとつが含まれることが好ましい。
本発明の第五態様は、第一態様〜第四態様のいずれかにかかる転倒予防装置を備える転倒予防システムであって、前記転倒予防装置と相互に無線通信可能な受付装置を備え、
前記算出手段は、前記警告処理において、前記受付装置に転倒リスクが所定値以上となった旨を無線通信を通じて送信することを特徴とする転倒予防システム。
同構成によれば、警告手段を行う際、転倒リスクが高まった旨を介護者等に通報することができる。
本発明の第六態様は、第五態様にかかる転倒予防システムであって、歩行面の状況に関する情報を前記算出手段に送信する歩行面情報送信手段を備え、前記算出手段は、歩行面情報送信手段を通じて得られる歩行面の状況に関する情報に基づいて前記変動転倒リスクを算出することを特徴とする。
本発明によれば、病院や介護施設等において、被介護者の転倒を予防することができる転倒予防装置および転倒予防システムを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる転倒予防システムの概略を示す全体構成図。 (a)は、同実施形態にかかる転倒予防システムを構成する転倒予防装置の平面構成を示す平面図、(b)は、同実施形態にかかる転倒予防装置の底面構成を示す底面図。 同実施形態にかかる転倒予防装置の構成を示すブロック図。 同実施形態にかかる第一変動要因の算出処理の一例を示すフローチャート。 同実施形態にかかる第二変動要因の時間変化の一例を示すグラフ。 同実施形態にかかる第三変動要因の算出処理の一例を示すフローチャート。 固定要因FFおよび予防的介入要因FPの入力処理の流れを説明するフローチャート。 同実施形態にかかる転倒リスクの算出処理の一例を示すフローチャート。 同実施形態にかかる転倒リスクの時系列データの一例を示すグラフ。 他の実施形態にかかる転倒リスクの算出処理の一例を示すフローチャート。 他の実施形態にかかる転倒リスクの算出処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
まず、図1を参照しながら、転倒予防システム1の全体構成について説明する。本実施形態では、転倒予防システム1を病院施設に適用した場合について説明する。
同図1に示されるように、転倒予防システム1は、高齢者をはじめとする被介護者(以下、使用者)が装着する転倒予防装置10、介護者等が常在するナースステーション等に設けられる中央処理装置2(本発明の「受付装置」に相当)、段差や階段といった転倒が発生しやすい状況にある歩行面の近傍に設けられる歩行面ICタグ3a〜3c(本発明の「歩行面情報送信手段」に相当)、投与する薬剤に関する情報を記憶する管理ICタグ4(本発明の「薬剤情報記憶手段」に相当)を含んで構成される。
中央処理装置2は転倒予防装置10と相互に無線LANを通じた無線通信が可能であり、転倒予防装置10から送信される各種情報や中央処理装置2に直接入力される各種情報に基づいて各種処理を実行する。
歩行面ICタグ3a〜3cおよび管理ICタグ4は、ID情報をはじめとする各種情報を記憶するRFタグから構成されており、電磁界や電波等を用いた無線通信によって転倒予防装置10と情報をやりとりすることができる。具体的には、歩行面ICタグ3a〜3cは、5〜10m以内を通信可能な距離とする中距離無線通信を転倒予防装置10との間で行うRFIDを送受信手段として備える。管理ICタグ4は、5cm以内を通信可能な距離とする近距離無線通信を転倒予防装置10との間で行うRFIDを送受信手段として備える。
管理ICタグ4は、使用者に投与する薬剤に関する各種情報を予め記憶するものであり、各薬剤につき、2つの管理ICタグ4が割り当てられている。
歩行面ICタグ3a〜3cは、歩行面に関する各種情報を予め記憶しており、所定の範囲に転倒予防装置10がある場合、当該転倒予防装置10と相互に無線通信が可能となる。例えば、本実施形態では、手洗い入口近傍に段差がある場合、図1に示されるように、当該段差近傍に、範囲Raを無線通信可能な範囲とするとともに当該入口近傍の歩行面に関する情報を記憶している歩行面ICタグ3aを設けている。歩行面に関する情報としては、当該歩行面ICタグ3a近傍にある段差の位置や大きさについての情報、また、水道等がある等の理由で歩行面が滑りやすい状況にある場合は、その旨に関する情報が挙げられる。歩行面ICタグ3aは、この範囲Raに転倒予防装置10が入ってきた場合、上述したような予め記憶している歩行面に関する情報を転倒予防装置10に送信する。
また、階段近傍に設けられる歩行面ICタグ3bは、範囲Rbを無線通信可能な範囲としており、上述した歩行面ICタグ3aが記憶する歩行面に関する情報に準じた情報を記憶している。そして、この範囲Rbに転倒予防装置10が入ってきた場合、歩行面に関する情報を転倒予防装置10に送信する。
また、使用者が出入りする病室の入口近傍に設けられた歩行面ICタグ3cも同様に、範囲Rcを無線通信可能な範囲としており、上述した歩行面ICタグ3aや歩行面ICタグ3bが予め記憶する歩行面に関する情報に準じた情報を記憶している。この範囲Rcに転倒予防装置10が入ってきた場合、歩行面に関する情報を転倒予防装置10に送信する。
なお、これら歩行面ICタグ3a〜3cの設置場所、設置する歩行面ICタグの個数および歩行面ICタグ3a〜3cが記憶する歩行面に関する情報は、上述したものに限られず、転倒予防システム1を適用する施設の状況に合わせて適宜変更することができる。
転倒予防装置10は、このような歩行面ICタグ3a〜3c、管理ICタグ4から送信される各種情報等に基づいて、使用者が転倒する可能性を転倒リスクとして所定時間の経過毎に算出する。以下、転倒予防装置10の構成および転倒予防装置10にて行われる各種処理について、詳細に説明する。
まず、図2を参照しながら転倒予防装置10の構成について説明する。同図2に示されるように、転倒予防装置10は、装置本体11とバンド16とを備え、腕時計のように手首に装着可能な形状に構成されている。使用者は、バンド16を手首に巻いて装置本体11を装着することができる。
装置本体11の上面には、使用者の身体情報や転倒リスク等を表示する液晶の表示部17、各種アラームが出力されるアラーム灯18が設けられている。アラーム灯18は、出力されたアラームに応じて色彩が変化する光を発する。例えば、第一アラームが出力されたときには赤色からなる光を、第二アラームが出力されたときには黄色からなる光を、第三アラームが出力されたときには緑色からなる光を発する。
また、装置本体11の周囲には、モードの切り替えや時間操作、使用者の病歴等についての入力操作等を行うための第一操作部12および第二操作部13が設けられている。
装置本体11の底面には、出力されたアラームに応じて振動する振動部14と出力されたアラームに応じて異なる警報音を出力するブザー15とが設けられている。
ブザー15は、第一アラームが出力された場合には大音量のアラームを発し、第二アラームが出力された場合に小音量のアラームを発する。
振動部14は、第一アラームまたは第二アラームが出力された場合に振動する。
図3に、図2に示した装置本体11の内部構成を表すブロック図を示す。
同図3に示されるように、装置本体11は、それぞれ直交する三軸方向への加速度を検出する三軸加速度測定部21、管理ICタグ4と相互に無線通信可能な近距離無線制御部22、歩行面ICタグ3a〜3cと相互に無線通信可能な中距離無線制御部23、中央処理装置2との間で無線LANを通じて相互に通信可能な無線LAN制御部24、各種演算処理等を実行する制御部26(本発明の「算出手段」、「警告手段」に相当)、これら三軸加速度測定部21および近距離無線制御部22および中距離無線制御部23および無線LAN制御部24から出力される各種情報を一時的に格納し、必要に応じて制御部26に出力する共有メモリ25を含んで構成される。
制御部26は、三軸加速度測定部21および近距離無線制御部22および中距離無線制御部23および無線LAN制御部24から共有メモリ25を通じて出力される各種情報と、第一操作部12および第二操作部13から入力される各種情報とを記憶する記憶部51(本発明の「身体情報記憶手段」に相当)を含んで構成され、表示部17およびアラーム灯18の表示制御、振動部14の振動制御、ブザー15の警報音制御をはじめとする各種制御を統括的に行う。
具体的には、第一操作部12および第二操作部13の操作に基づいて入力される各種情報や、三軸加速度測定部21および近距離無線制御部22および中距離無線制御部23および無線LAN制御部24から出力される各種情報に基づいて、使用者の筋力や視力等の身体情報、使用者の活動状況、使用者が歩行する歩行面の状況、使用者に投与された薬剤の状況を使用者の動態に影響を与える可能性のある要因として取得する。そして、これらの要因を所定の処理を通じて数値として示し、この数値に基づいて使用者が転倒する可能性、すなわち転倒リスクを算出する。
本実施形態では、使用者の動態に影響を与える可能性のある要因に基づき、これら要因を示す数値を第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPとしてそれぞれ算出する。
そして、転倒リスクとして、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに基づいて算出される長期転倒リスクPa、第二変動要因FV2に基づいて算出される短期第一転倒リスクPb、第三変動要因FV3に基づいて算出される短期第二転倒リスクPc、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcとを合計した総合転倒リスクPをそれぞれ求める。
なお、短期第一転倒リスクPbおよび短期第二転倒リスクPcの少なくともひとつまたはこれら短期第一転倒リスクPbおよび短期第二転倒リスクPcから算出される値が本発明の変動転倒リスクに相当し、長期転倒リスクPaが本発明の固定転倒リスクに相当する。そして、これら短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPc、長期転倒リスクPaのうちのいずれかひとつ、またはこれら短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPc、長期転倒リスクPaから算出される値を転倒リスクとする。
次に、これら第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPの算出方法について簡単に説明する。
固定要因FFは、使用者の病歴、年齢、筋力や視力(本発明の「身体情報」に相当)に関する要因を示す数値である。例えば、筋力が高いほど固定要因FFは低い値として算出する一方、年齢が高いほど固定要因FFは高い値として算出する。
予防的介入要因FPは、歩行訓練や運動療法を行った履歴(本発明の「身体情報」に相当)に関する要因を示す数値であり、負の値をとる。歩行訓練や運動療法を行った履歴が長い場合ほど予防的介入要因FPは低い値として算出する(絶対値は高くなる)一方、歩行訓練や運動療法を行った履歴が短い場合ほど予防的介入要因FPは高い値として算出する(絶対値は低くなる)。
これら固定要因FFおよび予防的介入要因FPは、介護者等が一旦値を入力すると、次に値が入力されるまで変動しない。また、これら固定要因FFおよび予防的介入要因FPは、長期的には大きく変動する可能性があるが、1日や1週間といった短い時間(単位時間)当たりの変動は小さい。
第一変動要因FV1は、使用者が活動状況または安静状態のいずれにあるかに関する要因を示す数値である。安静状態とは、使用者が体を横たえているまたは腰をおろしている場合、すなわち歩行していない場合を示す。活動状態とは、使用者が安静状態にない場合を示す。使用者が活動状態にあるときには「1」とし、安静状態にあるときには「0」とする。
第二変動要因FV2は、転倒を誘起する可能性のある薬剤の投与履歴に関する要因を示す数値である。例えば、鎮静作用を奏する薬剤を投与された場合は、第二変動要因FV2は高い値が算出される。
第三変動要因FV3は、歩行面の状況に関する要因を示す数値であり、使用者が段差や滑りやすい歩行面等の近くに位置する場合、高い値が算出される。第三変動要因FV3は、歩行面ICタグ3a〜3cから送信される情報に基づいて算出される。
次に、これら第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPの取得方法および算出方法について詳細に説明する。
まず、図4を参照しながら、上述した第一変動要因FV1を算出するための第一変動要因FV1の算出処理について説明する。なお、本処理は、転倒予防装置10の電源がONとなった後、所定時間の経過毎に繰り返し実行される。
同図4に示されるように、本処理が開始されると、制御部26は三軸加速度測定部21からの出力に基づき、互いに直交する三軸方向の加速度を測定する(ステップS101)。そして、この測定した加速度に基づいて、使用者に転倒または落床の可能性があるか判断する(ステップS102)。例えば、高さ方向の加速度が異常に大きく変動した履歴がある場合、使用者が転倒または落床している可能性があると判断する。
使用者に転倒または落床の可能性があると判断する場合(ステップS102;YES)、第一変動要因FV1を「2」とし(ステップS103)、緊急通報処理を実行する(ステップS109)。緊急通報処理では、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に使用者が緊急を要する状態にある旨通報するとともに、第一アラームの出力を通じて、アラーム灯18から赤色の光を発させるとともにブザー15から大音量のブザー音を発させ、さらに振動部14を振動させる。
これに対して、使用者に転倒または落床の可能性がないと判断する場合(ステップS102;NO)、使用者が装置本体11を装着しているか否かを判断する(ステップS104)。例えば、三軸加速度測定部21からの出力値が、所定時間以上変化しなかった場合、使用者が装置本体11を装着していないと判断する。
使用者が装置本体11を装着していないと判断する場合(ステップS104;NO)、使用者が装置本体11を装置していない旨、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に通報する(ステップS106)。この場合、使用者が装置本体11を装着していない旨、中央処理装置2のディスプレイ(図示せず)に表示することが望ましい。また、第二アラームを出力し、アラーム灯18から黄色の光を発させるとともにブザー15から小音量のブザー音を発させ、さらに振動部14を振動させてもよい。
一方、使用者が装置本体11を装着していると判断する場合(ステップS104;YES)、次に、使用者が安静状態にあるか否か判断する(ステップS105)。具体的には、三軸加速度測定部21からの出力値が予め定められた所定の範囲にある場合、使用者が安静状態にあると判断する。例えば、使用者が歩行していると判断したことをもって安静状態にないとし、使用者が歩行していないと判断したことをもって安静状態にあるとしてもよい。以下の(1)または(2)の少なくともひとつに該当する場合、使用者が歩行していると判断することができる。
(1)三軸加速度測定部21からの出力値が所定の波形パターン、または所定の波形パターンに近いパターンを形成している。なお、後述する歩行パターン計測処理(図7参照)で計測される波形パターンをこの「所定の波形パターン」とすることができる。
(2)三軸加速度測定部21からの出力値に基づき、軸心が移動していると判断される。
使用者が安静状態にあると判断する場合(ステップS105;YES)、第一変動要因FV1を「0」とし、この処理を一旦終了する。一方、使用者が安静状態にないと判断する場合(ステップS105;NO)、第一変動要因FV1を「1」として(ステップS108)、この処理を一旦終了する。
次に、第二変動要因FV2の算出方法について図5を参照しながら説明する。第二変動要因FV2は、薬剤の投与形態および薬剤が投与されてからの経過時間に基づいて算出される。
同図5に、ベンゾジアゼピン系の催眠剤をはじめとする眠気やふらつき、注意力を低下させる薬剤が投与されてからの経過時間に応じた第二変動要因FV2の変動態様の一例を示す。本薬剤が投与された場合、第二変動要因FV2は薬剤の血中濃度に比例して変動するため、同図5に示されるように、第二変動要因FV2は、薬剤が投与されてからの血中濃度の変動に準じたかたちで変動する。すなわち、薬剤が投与されると、第二変動要因FV2は急激に上昇した後、徐々に低下する。また、投与の形態が静脈投与によるものか、もしくは経口投与によるものかによっても異なる態様で変動する。本実施形態では、記憶部51は、薬剤毎、投与形態毎に、投薬からの経過時間に応じた第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶している。
なお、同図5では、ベンゾジアゼピン系の催眠剤をはじめとする眠気やふらつき、注意力を低下させる薬剤が投与された場合における第二変動要因FV2の変動態様について説明したが、薬剤には、抗てんかん薬など失調を及ぼすもの、降圧剤や血糖降下剤等めまいや失神の副作用をもつもの、排尿障障害治療薬など血圧を下げるもの、筋弛緩薬など脱力や筋緊張低下の効果のあるもの等、種々の効果が存在する。薬剤の効果に応じて、第二変動要因FV2の変動態様は異なるものとなる可能性があるため、第二変動要因FV2の変動態様は、各薬剤について、各別に記憶しておくことが好ましい。
上述したように、本実施形態では、各薬剤につき2つの管理ICタグ4が割り当てられている。一方は、割り当てられた薬剤の名称と投与形態が経口投与であることを示す情報を記憶しており、他方は割り当てられた薬剤の名称と投与形態が静脈投与であることを示す情報を記憶している。
薬剤を使用者に投与する際、介護者等は、複数の管理ICタグ4のうち、投与する薬剤および投与形態(経口投与か静脈投与か)に応じた管理ICタグ4を選択する。そして、選択した管理ICタグ4を転倒予防装置10に接触させる。これにより、投与する薬剤に関する情報(投与された薬剤の名称、および経口投与か静脈投与かを示す情報)が、管理ICタグ4から近距離無線制御部22を通じて制御部26に送信される。
制御部26は、管理ICタグ4から送信された情報(投与された薬剤の名称、および経口投与か、静脈投与かを示す情報)を取得すると、この情報に基づいて該当する第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶部51から取得する。そして、投薬からの経過時間(投与する薬剤に関する情報が制御部26に出力されてからの経過時間)に基づいて、第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを参照しながら第二変動要因FV2を算出する。
次に、図6を参照しながら、第三変動要因FV3を算出するための第三変動要因FV3の算出処理について説明する。なお、本処理は、転倒予防装置10の電源がONとなった後、所定時間の経過毎に繰り返し実行される。
同図6に示されるように、同処理が開始されると、制御部26は、まず使用者が安静状態にないか否か判断する(ステップS201)。具体的には、上述した第一変動要因FV1が「0」である場合は使用者が安静状態にあると判断し、第一変動要因FV1が「0」でない場合は使用者が安静状態にないと判断する。
使用者が安静状態にあると判断する場合(ステップS201;NO)、第三変動要因FV3を「0」とし(ステップS204)、この処理を一旦終了する。
一方、使用者が安静状態にないと判断する場合(ステップS201;YES)、次に中距離無線通信を受信したか否かを判断する(ステップS202)。
上述したように、歩行面ICタグ3a〜3cは、段差があったり歩行面が滑りやすい状況にある等、転倒が発生しやすい場所に設けられている。この歩行面ICタグ3a〜3cは、歩行面の状況についての情報を予め記憶しており、通信可能な範囲に転倒予防装置10がある場合、歩行面の状況についての情報を中距離無線通信を通じて転倒予防装置10に送信する。そこで、制御部26は、中距離無線通信を受信したと判断する場合(ステップS202;YES)、第三変動要因FV3を算出する(ステップS203)。第三変動要因FV3は、歩行面ICタグ3a〜3cから送信される歩行面の状況についての情報に基づいて算出される。例えば、歩行面が滑りやすく且つ段差がある場合、歩行面が滑りやすい平面状である場合よりも、第三変動要因FV3は高い値となる。
一方、中距離無線通信を受信していないと判断する場合(ステップS202;NO)、第三変動要因FV3を「0」とし(ステップS204)、本処理を一旦終了する。
次に、固定要因FFおよび予防的介入要因FPを取得する入力処理について図7を参照しながら説明する。なお、本処理は、第一操作部12が押下されたことに基づいて開始される。また、本処理では、固定要因FFおよび予防的介入要因FPの取得に加え、使用者の歩行パターンの計測等も行う。
まず、制御部26は、第二操作部13が第一操作部12と同時に押下されたか否かを判断する(ステップS301)。第二操作部13が第一操作部12と同時に押下されたと判断する場合(ステップS301;YES)、歩行パターン計測処理を実行する(ステップS302)。
歩行パターン計測処理は、転倒するおそれの少ない状況における使用者の歩行パターンを計測する処理である。
第一操作部12と第二操作部13とを同時に押下した後、使用者は、転倒するおそれの少ない平坦で歩きやすい歩行面を歩行する。制御部26は、このように第一操作部12と第二操作部13とが同時に押下された後の三軸加速度測定部21からの出力値のパターンを正常時の歩行パターンとして記憶する。
第二操作部13が第一操作部12と同時に押下されていないと判断する場合(ステップS301;NO)、次に押下時間(継続して押下される時間)が予め定められた所定時間A以上であるか否かを判断する(ステップS303)。押下時間が所定時間A以上であると判断する場合(ステップS303;YES)、初期設定処理を実行する(ステップS304)。
初期設定処理は、転倒予防装置10を始めて使用する場合の処理であり、ネットワークの設定やID番号の設定等を行う。
押下時間が所定時間A未満であると判断する場合(ステップS303;NO)、次に押下時間が所定時間B以上であるか否か判断する(ステップS305)。なお、所定時間Bは所定時間Aよりも短い時間に予め設定されている。
押下時間が所定時間B以上であると判断する場合(ステップS305;YES)、強制同期処理を実行する(ステップS306)。強制同期処理は、中央処理装置2のデータと記憶部51の情報との整合性をとるための処理であり、中央処理装置2と記憶部51のいずれかの情報が更新されていた場合、更新がなされてない方の情報を更新がなされていた方の情報にあわせるように更新する。
押下時間が所定時間B未満であると判断する場合(ステップS305;NO)、項目選択処理を実行する(ステップS307)。項目選択処理が開始されると、制御部26は表示部17に使用者の年齢、病歴、筋力や視力の測定結果、歩行訓練や運動療法の履歴を入力するための画像を表示させる。介護者等は、表示部17の表示に従って、転倒予防装置10を装着する使用者に関する上述した各種情報を入力する。この項目選択処理にて入力された各種情報は、記憶部51に記憶される。制御部26は、これら歩行訓練や運動療法の履歴に基づいて、予防的介入要因FPおよび固定要因FFを算出する。
次に、図8を参照しながら、上述した第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに基づいて、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPbおよび短期第二転倒リスクPcを算出する転倒リスクの算出処理について詳細に説明する。なお、本処理は、所定時間の経過毎に制御部26により繰り返し実行される。
同図8に示されるように、本処理が開始されると、制御部26は、まず以下の数式(1)に基づいて、固定要因FFおよび予防的介入要因FPから長期転倒リスクPaを算出する(ステップS401)。

Pa=(FF×b1−FP×b0)×k1 …(1)

k1は総合転倒リスクPに対する長期転倒リスクPaの占める割合を設定するパラメータであり、b1およびb0は、長期転倒リスクPaに対する固定要因FFおよび予防的介入要因FPの占める割合を設定するパラメータである。例えば、使用者が高齢で、筋力が極端に弱っている場合等は、k1を高い値に設定してもよい。
次に、以下の数式(2)に基づいて、第二変動要因FV2から短期第一転倒リスクPbを算出する(ステップS402)。

Pb=FV2×k2 …(2)

k2は総合転倒リスクPに対する短期第一転倒リスクPbの占める割合を設定するパラメータである。例えば、投与される薬剤の使用者の歩行への影響が、他の要因による影響よりも極端に大きい場合等、短期第一転倒リスクPbの占める割合が、他の要因による影響よりも極端に大きい場合等は、k2を高い値に設定してもよい。
そして、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J2以下であるか否かを判断する(ステップS403)。長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J2を超えると判断する場合(ステップS403;NO)、第三アラームを出力する(ステップS404)。これにより、緑色からなる光がアラーム灯18から発せられる。なお、閾値J2は、長期転倒リスクPaがとり得る値よりも高い値であり予め定められている。
次に、第一変動要因FV1が「0」であるか否か、すなわち使用者が安静状態にあるか否かを判断する(ステップS405)。
第一変動要因FV1が「0」であると判断する場合、すなわち使用者が安静状態にあり転倒する可能性はないと判断する場合(ステップS405;NO)、この処理を一旦終了する。
一方、第一変動要因FV1が「0」でないと判断する場合(ステップS405;YES)、警告処理及び通報処理を実行(ステップS409)し、この処理を一旦終了する。
警告処理では第二アラームを出力することにより、黄色からなる光をアラーム灯18から発させ、振動部14を振動させる。通報処理では、転倒リスクが高まっている旨、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に送信する。この際、中央処理装置2は、転倒リスクが高まった状態で使用者が活動している旨、中央処理装置2のディスプレイ(図示せず)等に表示することが好ましい。また、表示部17に、転倒リスクとして、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値を表示する。
これに対して、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J2以下であると判断する場合(ステップS403;YES)、次に短期第二転倒リスクPcを以下の数式(3)に基づいて算出する(ステップS406)。

Pc=FV3×k3 …(3)

k3は総合転倒リスクPに対する短期第二転倒リスクPcの占める割合を設定するパラメータである。転倒予防システム1を適用する施設の歩行面の状況が極端に悪い場合等は、k3を高い値に設定してもよい。また、夜間は足元が暗く歩行面を認識しづらいため、夜間は、k3の値を昼間よりも高い値に設定してもよい。
そして、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを合計した値(総合転倒リスクP)が閾値J3以下であるか否かを判断する(ステップS407)。なお、閾値J3は、閾値J2より高い値であり、予め定められている。
長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを合計した値が閾値J3を超えると判断する場合(ステップS407;NO)、すなわち、歩行面の状況と薬剤の投与状況に基づいて、転倒の可能性があると判断する場合、警告処理および通報処理を実行し(ステップS409)、この処理を一旦終了する。この場合は、表示部17に、歩行面ICタグ3a〜3cから送信された歩行面に関する情報を表示させることが好ましい。また、また、転倒リスクとして、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcとを合計した値(総合転倒リスクP)を表示する。
これに対して、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを合計した値(総合転倒リスクP)が閾値J3以下であると判断する場合(ステップS407;YES)、歩行パターンは正常であるか否かを判断する(ステップS408)。三軸加速度測定部21からの出力値が、歩行パターン計測処理で得られた使用者の通常の歩行パターンと比較して大きく異なる場合、歩行パターンが正常でないと判断する。歩行パターンが正常であると判断する場合(ステップS408;YES)、この処理を一旦終了する。
一方、歩行パターンが正常でないと判断する場合(ステップS408;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS409)、この処理を一旦終了する。
図9に、ある1日における長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcの推移の一例を1時間毎に示したグラフを示す。
この例では、まず2時に歩行面ICタグ3a〜3cのいずれかから無線通信を受信し、第二変動要因Pbの値が高くなっている。しかし、このときは、短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcと長期転倒リスクPaとを合計した値が、閾値J3未満であるため、警告処理等は行われない。
その後、8時に投薬がなされ、短期第一転倒リスクPbと長期転倒リスクPaとを合計した値が閾値J2を超えた。このときは、第一変動要因FV1が「1」である場合は警告処理および通報処理を行う一方、第一変動要因FV1が「0」である場合は警告処理および通報処理を行わない。
そして、12時に短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcと固定要因FFとを合計した値が閾値J3を超えた。これは、使用者が、投薬の影響下にある状態で、転倒しやすい歩行面を歩いていることを示す。この場合は、警告処理および通報処理を行う。
その後、16時に、短期第一転倒リスクPbと長期転倒リスクPaとを合計した値が閾値J2を超えた。このときは、第一変動要因FV1が「1」である場合は警告処理および通報処理を行う一方、第一変動要因FV1が「0」である場合は警告処理および通報処理を行わない。
なお、この例では、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに関して、被介護者等が新しい値を入力していないため、一定の値を維持している。
上記実施形態によれば、以下に記載する作用効果を奏することができる。
(1)上記実施形態では、使用者が、転倒する危険性の高い行動を実際にとった後に警告するのではなく、転倒の可能性を示す転倒リスクに基づいて警告処理を行うため、使用者の動態が実際に変化する前に警告処理を行うことができる。したがって、転倒の発生を好適に抑制することができる。
(2)また、時間毎に大きく変動する要因である第一変動要因FV1、第二変動要因FV2、第三変動要因FV3と、時間変化が少ない固定要因FFおよび予防的介入要因FPとに分けて算出するため、転倒リスクを高い精度で算出することができる。また、時間変化が少ない固定要因FFおよび予防的介入要因FPについては都度算出する必要がないため、算出工程を簡略化することができる。
(3)また、管理ICタグ4と転倒予防装置10とは、通信可能な範囲が狭い近距離無線通信を通じて情報のやり取りを行う。このため、転倒予防装置10を装着した使用者が複数人ある場合に、他の使用者が受信すべき情報を誤って受信してしまうことを抑制することができる。このため、誤った情報に基づいて第二変動要因FV2を算出してしまうことを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる転倒予防システム1は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を組み合わせてもよい。
・図10に示されるように、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを合計した値(総合転倒リスクP)が閾値J3を超えると判断する場合(ステップS407;NO)、使用者の転倒リスクが上昇したことを警告する歩行面警告処理を実行(ステップS411)してもよい。また、長期転倒リスクPa、短期第一転倒リスクPb、短期第二転倒リスクPcを合計した値(総合転倒リスクP)が閾値J3を以下であると判断する場合(ステップS407;YES)、歩行パターンが正常か否かを判断し、歩行パターンが正常でないと判断する場合(ステップS408;NO)、歩行パターン異常警告処理を実行(ステップS410)してもよい。本変形例において、歩行面警告処理とは歩行面の状況に関する情報を転倒リスクとともに表示部17に表示する処理であり、歩行パターン異常警告処理とは歩行パターンが歩行パターン計測処理で得られた使用者の通常の歩行パターンと比較して大きく異なっている旨を表示部17に表示する処理である。また、歩行面警告処理および歩行パターン異常警告処理では、第二アラームを出力してもよい。
・上記実施形態における装置本体11は、中距離無線制御部23および無線LAN制御部24を含むものであったが、本発明における装置本体11はこれに限られるものではなく、中距離無線制御部23および無線LAN制御部24を省略してもよい。本変形例では、転倒予防システム1から装置本体11を独立して使用することができる。図11に本変形例による転倒リスク算出処理の流れを示す。同図11に示されるように、本処理が開始されると、制御部26は、まず以下の数式(1)に基づいて、固定要因FFおよび予防的介入要因FPから長期転倒リスクPaを算出する(ステップS501)。

Pa=(FF×b1−FP×b0)×k1 …(1)
次に、以下の数式(2)に基づいて、第二変動要因FV2から短期第一転倒リスクPbを算出する(ステップS502)。

Pb=FV2×k2 …(2)
そして、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値(本変形例における総合転倒リスクP)が閾値J4以下であるか否かを判断する(ステップS503)。なお、閾値J4は予め定められている。
長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J4を超えると判断する場合(ステップS503;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS505)、この処理を一旦終了する。
これに対して、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値(本変形例における総合転倒リスクP)が閾値J4以下であると判断する場合(ステップS503;YES)、歩行パターンは正常であるか否かを判断する(ステップS504)。歩行パターンが正常であると判断する場合(ステップS504;YES)、この処理を一旦終了する。
一方、歩行パターンが正常でないと判断する場合(ステップS504;NO)、警告処理および通報処理を実行し(ステップS505)、この処理を一旦終了する。
本変形例によれば、薬剤の影響によって転倒リスクが高くなった場合、その旨、警告処理および通報処理を通じて、警告および通報することができる。
・上記実施形態では、管理ICタグ4が薬剤情報記憶手段に相当するものとしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、記憶部51を薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段としてもよい。本変形例では、投薬の際、介護者等が、第一操作部12、第二操作部13等の操作を通じて、投与する薬剤に関する情報(投与する薬剤の名称、および経口投与か静脈投与か)を入力する。制御部26は、入力された情報に基づいて、該当する第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶部51から取得する。そして、投与する薬剤に関する情報と投薬からの経過時間(薬剤に関する情報が入力されてからの経過時間)とに基づいて、第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを参照しながら、第二変動要因FV2を算出することができる。なお、本変形例では、管理ICタグ4や近距離無線制御部22を省略することができる。すなわち、転倒予防装置10を転倒予防システム1に組み込むことなく、単体で使用することができる。
・上記実施形態および上記変形例では、記憶部51が、薬剤毎、また投与形態毎に、投薬からの経過時間に応じた第二変動要因FV2の変動態様を示すグラフを記憶するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、管理ICタグ4がこのグラフを記憶するようにしてもよい。
・上記実施形態では、各薬剤につき、2つの管理ICタグ4を割り当て、一方は割り当てられた薬剤の名称と投与形態が経口投与であることを示す情報を記憶し、他方は割り当てられた薬剤の名称と投与形態が静脈投与であることを示す情報を記憶するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、各薬剤にひとつの管理ICタグ4をそれぞれ割り当てるようにしてもよい。本変形例では、管理ICタグ4は、少なくとも薬剤の名称を記憶する。投与形態に関する情報は、管理ICタグ4もしくは記憶部51のいずれかが記憶する。
本変形例では、投与時、管理ICタグ4を装置本体11に接触させることで、投与する薬剤の名称を制御部26に送信する。この際、管理ICタグ4が投与形態に関する情報を記憶する場合は、管理ICタグ4が薬剤の名称とともに投与形態に関する情報を制御部26に送信する。これに対して、記憶部51が投与形態に関する情報を記憶する場合は、管理ICタグ4を通じて薬剤の名称を送信する一方、装置本体11の操作によって、投与形態に関する情報を操作部26に出力することが好ましい。
・上記実施形態では、第一アラームが出力された際、ブザー15から大音量のアラーム音を発するようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、第一アラームが出力された時間帯が夜間である場合は、アラーム音を発せず、振動部14を振動させるようにしてもよい。同様に、第二アラームが出力された際、ブザー15から小音量のアラーム音を発するようにしたが、第二アラームが出力された時間帯が夜間である場合は、アラーム音を省略してもよい。
・上記実施形態では、長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbとを合計した値が閾値J2を超えた場合、または長期転倒リスクPaと短期第一転倒リスクPbと短期第二転倒リスクPcとを合計した値(総合転倒リスクP)が閾値J3を超えた場合、警告処理および通報処理を行うようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、長期転倒リスクPaと短期第二転倒リスクPcとを合計した値が所定の閾値を超えた場合、警告処理および通報処理を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、転倒リスクとして、固定要因FFおよび予防的介入要因FPに基づいて算出される長期転倒リスクPa、第二変動要因FV2に基づいて算出される短期第一転倒リスクPb、第三変動要因FV3に基づいて算出される短期第二転倒リスクPcをそれぞれ求めるようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、以下の数式(4)を用いて転倒リスクPを算出してもよい。この場合、転倒リスクPが予め定めた所定の閾値J4以上であることをもって警告処理および通報処理を実行してもよい。

P=((FF×b1−FP×b0)×k1+FV2×k2+FV3×k3)×FV1 …(4)
・歩行面ICタグ3a〜3cから装置本体11に送信される情報に基づいて、使用者がいる場所を特定してもよい。この場合は、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2に使用者がいる場所を送信することが好ましい。
・歩行面ICタグ3a〜3cから中距離無線通信を受信したと判断する場合(ステップS202;YES)、ブザー15から小音量のブザー音を発するようにしてもよい。または振動部14を振動させるようにしてもよい。
・使用者の操作によりアラーム灯18から光を発するとともにブザー15から警報を発することができるようにしてもよい。
・本発明にかかる装置本体11は、使用者の血中酸素飽和度、体温、脈拍数、血圧、呼吸数の少なくともひとつを測定するバイタルセンサを備えるものとしてもよい。本変形例によれば、使用者の血中酸素飽和度、体温、脈拍数、血圧、呼吸数の少なくともひとつが異常を示した場合、無線LAN制御部24を通じて中央処理装置2にその旨送信し、介護者等に通報することができる。
・上記実施形態では、転倒予防システム1を病院施設に適用する例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、介護施設や個人宅に適用してもよい。
1…転倒予防システム
2…中央処理装置
3a〜3c…歩行面ICタグ
4…管理ICタグ
10…転倒予防装置
11…装置本体
12…第一操作部
13…第二操作部
14…振動部
15…ブザー
16…バンド
17…表示部
18…アラーム灯
21…三軸加速度測定部
22…近距離無線制御部
23…中距離無線制御部
24…無線LAN制御部
25…共有メモリ
26…制御部
51…記憶部

Claims (6)

  1. 転倒を予防する転倒予防装置であって、
    使用者の動態に影響を与える可能性のある要因を示す数値を算出し、前記数値に基づいて使用者の転倒の可能性を示す転倒リスクを所定時間の経過毎に算出する算出手段と、
    前記転倒リスクが所定値以上となった場合に警告処理を行う警告手段とを備える
    ことを特徴とする転倒予防装置。
  2. 請求項1に記載の転倒予防装置であって、
    前記算出手段は、
    使用者の動態に影響を与える可能性のある要因のうち、前記可能性が単位時間当たりに大きく変動する要因を変動要因とする一方、前記可能性の単位時間当たりの変動が小さい要因を固定要因とし、
    前記変動要因に基づいて転倒の可能性を示す変動転倒リスクを所定時間の経過毎に算出するとともに、前記固定要因に基づいて転倒の可能性を示す固定転倒リスクを算出して記憶し、
    前記変動転倒リスクおよび前記固定転倒リスクから算出される値が所定値以上となった場合に警告処理を行う
    ことを特徴とする転倒予防装置。
  3. 請求項2に記載の転倒予防装置であって、
    使用者の身体情報を記憶する身体情報記憶手段を備え、
    前記算出手段は、前記身体情報記憶手段を通じて得られる使用者の身体情報に基づいて前記固定転倒リスクを算出する
    ことを特徴とする転倒予防装置。
  4. 請求項2または3に記載の転倒予防装置であって、
    薬剤に関する情報を記憶する薬剤情報記憶手段を備え、
    前記薬剤情報記憶手段が記憶する薬剤に関する情報のうち、投与する薬剤に関する情報が前記算出手段に出力されてからの経過時間と、前記投与する薬剤に関する情報とに基づいて前記変動転倒リスクを算出する
    ことを特徴とする転倒予防装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の転倒予防装置を備える転倒予防システムであって、
    前記転倒予防装置と相互に無線通信可能な受付装置を備え、
    前記算出手段は、前記警告処理において、前記受付装置に転倒リスクが所定値以上となった旨を無線通信を通じて送信する
    ことを特徴とする転倒予防システム。
  6. 請求項5に記載の転倒予防システムであって、
    歩行面の状況に関する情報を前記算出手段に送信する歩行面情報送信手段を備え、
    前記算出手段は、歩行面情報送信手段を通じて得られる歩行面の状況に関する情報に基づいて前記変動転倒リスクを算出する
    ことを特徴とする転倒予防システム。
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