以下で説明する実施形態に係る照明装置10は、発する光の色がそれぞれ異なる複数の種類の発光素子23a〜23dを具備する。照明装置10は、発光素子23a〜23dの種類ごとに、入力されたDMX信号をDMX信号が示す諧調に対応するデューティ比を有するPWM信号に変換する変換部20aを具備する。照明装置10は、調光比とデューティ比との対応関係を示し、調光比の全範囲の半分以上を占める所定範囲において対応関係が線形性を有するとともに、所定範囲の調光比の最小値から調光比0%までの範囲において少なくとも一部の対応関係が非線形性を有する調光カーブ40が示す対応関係にしたがって、発光素子23a〜23dの種類ごとに変換部20aにより変換されたPWM信号を用いて、発光素子23a〜23dの種類ごとに、PWM信号が示すデューティ比に対応する調光比に応じた明るさの光を発するように発光素子23a〜23dを制御する駆動回路22a〜22dを具備する。
また、以下で説明する実施形態では、非線形の制御は、所定範囲の調光比の最小値から調光比0%までの範囲にわたって実施される。また、以下で説明する実施形態では、所定範囲の調光比の最小値から調光比0%までの範囲において、第1の軸をデューティ比とし、前記第1の軸と直交する第2の軸を調光比とする座標上における線分が、第1の軸の方向に凸である曲線となる。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御システム1は、照明装置10と、調光操作部を有する。調光操作部は、複数の種類の発光素子23a〜23dにより発された光が混合された光の明るさを指示するために、ユーザにより指示可能な指示手段と、指示手段からの指示に応じて所定の閾値以上の速度で調光状態を変化させる場合に、複数の種類の発光素子23a〜23dごとに、所定の時間以内に、発光素子23a〜23dが発する光の明るさが、指示手段からの指示が示す明るさとなるように制御する制御部を具備する。
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御システム1において、調光操作部は、ユーザの指令によって非線形の制御を実施せず、所定時間以内に複数の種類の発光素子23a〜23dが消灯するように制御する。
また、以下で説明する照明装置10が有する複数の種類の発光素子は、赤色の光を発する発光素子、緑色の光を発する発光素子、青色の光を発する発光素子、白色の光を発する発光素子、黄色の光を発する発光素子及び水色の光を発する発光素子の中から少なくとも2つ以上の発光素子であってもよい。この場合、駆動回路は、発光素子の種類ごとに設けられ、各駆動回路は、PWM信号が示すデューティ比に対応する調光比に応じた明るさの光を発するように、対応する種類の発光素子を制御する。
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置および照明制御システムについて説明する。また、以下の実施形態で説明する照明装置および照明制御システムは、一例を示すに過ぎず、本発明を限定するものではない。
[照明制御システムの構成]
図1は、実施形態に係る照明制御システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る照明制御システム1は、照明装置10と、調光卓50とを有する。照明制御システム1では、照明装置10と調光卓50とが接続されている。また、照明制御システム1では、ユーザにより調光卓50に、照明装置10から照射される光の明るさの大きさ(調光比(%))の指定が入力されると、照明装置10から照射される光の明るさの大きさが指定された調光比とほぼ一致するようになる。
照明装置10は、例えば、舞台やスタジオなどの演出用のライトであって、壁や幕などに対して光を照らすライトであるホリゾントライトである。図2は、照明装置10の外観の一例を示す図である。図2に示すように、照明装置10は、器具本体11と、アーム12と、照明部13とを有する。器具本体11及び照明部13は、アーム12を介して、接続されている。器具本体11及び照明部13は、略四角形の箱型に形成され、光を吸収し、反射を抑制するように黒色に塗装されている。器具本体11は、図示しない取付部材などにより舞台やスタジオなどの天井に取り付け可能となっている。照明部13の前面には、開口部14が形成されている。この開口部14から、照明部13の内側に設けられた後述の複数の種類の発光素子23a〜23dが発する光が混合された光が照射される。
図1の説明に戻り、調光卓50は、照明装置10の発光素子23a〜23dを調光点灯させる調光信号を出力する装置である。調光卓50は、調光操作部の一例である。調光装置50は、フェーダ51と、表示部52と、制御部53と、ボタン54とを有する。
フェーダ51は、照明装置10から照射される光(後述の複数の種類の発光素子23a〜23dが発する光が混合された光)の調光比を指定するためのものである。ユーザは、調光比X%を指定する場合には、フェーダ51を調光比X%に対応する位置に移動させることで、調光比X%を指定することができる。フェーダ51により、0%以上100%以下の範囲で、調光比が指定可能である。なお、フェーダ51は、ユーザにより指示可能な指示手段の一例である。
表示部52は、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを含み、制御部53による表示制御により、様々な情報が表示される。
ボタン54は、所定時間(例えば、0.1秒)内に、照明装置10を消灯させるためのボタンである。ボタン54が押下された場合には、制御部53は、ボタン54が押下されたことを検知することができる。
制御部53は、調光卓50の全体の動作を制御する。制御部53は、公知の調光卓の動作を行うように全体を制御することに加えて、次のような制御を行う。例えば、制御部53は、ユーザによりフェーダ51が操作されて調光比が指定されるとともに、図示しない操作受付部を介してユーザにより照明装置10が照射する光の色の指定が受け付けられた場合には、次の処理を行う。すなわち、制御部53は、指定された調光比が示す明るさの光であって、指定された色の光が、照明装置10から照射される場合における後述の複数の種類の発光素子23a〜23dのそれぞれの調光比を導出する。そして、制御部53は、発光素子の種類ごとに導出した調光比を表示部52に表示させ、指定された調光比を示すDMX信号とともに、発光素子の種類ごとに導出した調光比を示すDMX信号を照明装置10に出力する。
例えば、ユーザにより指定された調光比が100%(すなわち全光)であり、指定された色が白色である場合には、制御部53は、白色の光を発する後述の発光素子23aの調光比として100%、青色の光を発する後述の発光素子23bの調光比として75%、緑色の光を発する後述の発光素子23cの調光比として50%、赤色の光を発する後述の発光素子23dの調光比として12.5%を導出する。そして、制御部53は、発光素子23aに対応するチャネル「1」と100%とを対応付け、発光素子23bに対応するチャネル「2」と75%とを対応付け、発光素子23cに対応するチャネル「3」と50%とを対応付け、発光素子23dに対応するチャネル「4」と12.5%とを対応付けて、これらの対応付けられた内容が表示されるように、表示部52の表示を制御する。
そして、制御部53は、発光素子23aの調光比を100%にするために、調光比100%に対応する階調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、この調光比100%に対応する階調を示すDMX信号には、チャネル「1」を示すチャネルの識別子が含まれる。また、制御部53は、発光素子23bの調光比を75%にするために、調光比75%に対応する階調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、この調光比75%に対応する階調を示すDMX信号には、チャネル「2」を示すチャネルの識別子が含まれる。また、制御部53は、発光素子23cの調光比を50%にするために、調光比50%に対応する階調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、この調光比50%に対応する階調を示すDMX信号には、チャネル「3」を示すチャネルの識別子が含まれる。また、制御部53は、発光素子23dの調光比を12.5%にするために、調光比12.5%に対応する階調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、この調光比12.5%に対応する階調を示すDMX信号には、チャネル「4」を示すチャネルの識別子が含まれる。
そして、制御部53は、指定された調光比100%に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、指定された調光比100%に対応する諧調を示すDMX信号には、チャネルの識別子は含まれない。
そして、ユーザが照明装置10から照射される光の色はそのままで光の明るさのみを変更しようとして、新たに調光比を指定するために、再びフェーダ51の操作を開始すると、制御部53は、所定の周期(例えば20msec)ごとに、以下の処理を行う。すなわち、制御部53は、フェーダ51の位置に対応する調光比X´%を検出する。そして、制御部53は、照明装置10から照射される光の色はそのままで明るさが調光比X´%に対応する明るさにするために、ユーザにより指定された調光比X´%に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、指定された調光比X´%に対応する諧調を示すDMX信号には、チャネルの識別子は含まれない。
また、制御部53は、ユーザが照明装置10から照射される光の色はそのままで光の明るさのみを変更しようとして、調光比を指定するためにフェーダ51を操作するたびに、上述した処理と同様に、フェーダ51の位置に対応する調光比(ユーザにより指定された調光比)を検出し、検出した調光比に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、この場合においても、指定された調光比に対応する諧調を示すDMX信号には、チャネルの識別子は含まれない。
また、制御部53は、ボタン54が押下されたことを検知すると、消灯を行う指示を示す指示データを含むDMX信号を照明装置10に出力する。これにより、照明装置10が即座に消灯するので、所定時間(例えば、0.1秒)以内に照明装置10が消灯する。また、後述するが、本実施形態では、照明装置10で後述するフェードアウトが行われた場合に、第2の範囲(消灯する直前の範囲)の単位時間あたりの明るさの減少度合いが第1の範囲と比べて小さくなるような制御(非線形制御)が行われる。しかしながら、本実施形態では、照明装置10は、ボタン54が押下された場合には、非線形制御を行わないで、即座に消灯する。このため、ユーザは、ボタン54を押下するだけで、速やかに、消灯できる。
また、制御部53は、ユーザが照明装置10から照射される光の色はそのままで光の明るさのみを変更しようとして、新たに調光比を指定するために操作したフェーダ51の移動速度が所定の閾値以上であった場合や、新たに所定の閾値以上の速度で調光状態が変化するようにフェーダ51を操作した場合には、以下の処理を行う。ここで、新たに指定された調光比がX´´%である場合について説明する。この場合、制御部53は、指定された調光比X´´%に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力する。なお、指定された調光比X´´%に対応する諧調を示すDMX信号には、チャネルの識別子は含まれない。上述したように、制御部53は、フェーダ51がユーザにより所定の閾値以上の速度で移動された場合や、所定の閾値以上の速度で調光状態が変化するようにフェーダ51がユーザにより操作された場合には、所定の周期ごとに調光比を導出してDMX信号を出力するのではなく、照明装置10から照射される光の色はそのままで明るさが新たに指定された調光比X´´%となるようなDMX信号を照明装置10に出力する。これにより、所定の時間(例えば、0.1秒)以内に、照明装置10から照射された光の明るさを、新たに指定された調光比X´´%に対応する明るさとすることができる。このように、照明装置10は、フェーダ51がユーザにより所定の閾値以上の速度で移動された場合や、所定の閾値以上の速度で調光状態が変化するようにフェーダ51がユーザにより操作された場合には、非線形制御を行わないで、所定の時間以内に、照明装置10から照射される光の明るさを、新たに指定された調光比X´´%に対応する明るさとする。このため、ユーザはフェーダ51を所定の閾値以上の速度で移動したり、所定の閾値以上の速度で調光状態が変化するようにフェーダ51を操作するだけで、どのような調光比の変化であっても、速やかに、照明装置10から照射される光の明るさをユーザが指定した調光比に対応する明るさにすることができる。
ここで、DMX信号について説明する。DMX信号は、米国劇場技術協会(USITT)が規格した演出分野などに用いられるデジタル信号であり、調光制御用の調光信号の規格として用いられているDMX512を指す。DMX信号の0階調〜255階調は、調光比0%〜100%に対応する。なお、DMX信号は、調光信号の一例である。
なお、制御部53は、例えば、図3Aの例に示すように、マイクロコンピュータ30を有する。マイクロコンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)30aと、ROM(Read Only Memory)30bと、RAM(Random Access Memory)30cとを有する。CPU30aとROM30bとRAM30cとは互いにバス30dを介して接続されている。RAM30cには、CPU30aにより実行される処理に用いられるデータが一時的に記憶される。ROM30bには、プログラムが記憶されている。CPU30aは、ROM30bに記憶されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを実行することにより、操作卓50全体の動作を制御する。
照明装置10は、制御部20と、記憶部21a〜21dと、駆動回路22a〜22dと、複数の発光素子23aと、複数の発光素子23bと、複数の発光素子23cと、複数の発光素子23dとを有する。以下、記憶部21a〜21dを区別することなく説明する場合には、単に「記憶部21」と表記し、駆動回路22a〜22dを区別することなく説明する場合には、単に「駆動回路22」と表記し、発光素子23a〜23dを区別することなく説明する場合には、単に「発光素子23」と表記することがある。
記憶部21aには、特性データ24aが記憶されている。同様に、記憶部21bには、特性データ24bが記憶され、記憶部21cには、特性データ24cが記憶され、記憶部21dには、特性データ24dが記憶されている。特性データ24aは、駆動回路22aに入力されるPWM信号のデューティ比と、PWM信号が入力された駆動回路22aが発光素子23aに供給する電力との関係を示すデータである。また、特性データ24bは、駆動回路22bに入力されるPWM信号のデューティ比と、PWM信号が入力された駆動回路22bが発光素子23bに供給する電力との関係を示すデータである。また、特性データ24cは、駆動回路22cに入力されるPWM信号のデューティ比と、PWM信号が入力された駆動回路22cが発光素子23cに供給する電力との関係を示すデータである。また、特性データ24dは、駆動回路22dに入力されるPWM信号のデューティ比と、PWM信号が入力された駆動回路22dが発光素子23dに供給する電力との関係を示すデータである。以下、特性データ24a〜24dを区別することなく説明する場合には、単に「特性データ24」と表記することがある。
記憶部21は、例えば、図3Bの例に示すように、ハードディスク31を有する。そして、ハードディスク31に、特性データ24が記憶されている。
制御部20は、照明装置10全体の動作を制御する。制御部20は、例えば、図3Aの例に示すように、先の制御部53と同様に、マイクロコンピュータ30を有する。マイクロコンピュータ30が有するCPU30aは、ROM30bに記憶されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを実行することにより、照明装置10全体の動作を制御する。CPU30aによりプログラムが実行される場合の制御部20を機能的に表すと、図1に示すように、制御部20が、変換部20aと、PWM制御部20bとを有することとなる。なお、制御部53および制御部20がマイクロコンピュータ30を有すると説明したが、制御部53が有するマイクロコンピュータ30と制御部20が有するマイクロコンピュータ30とは異なる。
変換部20aは、制御部53から送信されたDMX信号を受信すると、諧調とデューティ比との所定の対応関係に基づいて、受信したDMX信号が示す諧調に対応するデューティ比を特定する。そして、変換部20aは、特定したデューティ比を有するPWM信号を生成する。このようにして、変換部20aは、DMX信号をPWM信号に変換する。
例えば、変換部20aは、DMX信号を受信すると、DMX信号にチャネルの識別子が含まれているか否かを判定する。変換部20aは、DMX信号にチャネルの識別子が含まれていると判定した場合には、DMX信号に含まれているチャネルの識別子を抽出する。そして、変換部20aは、諧調とデューティ比との所定の対応関係に基づいて、受信したDMX信号が示す諧調に対応するデューティ比を特定する。そして、変換部20aは、特定したデューティ比を有するPWM信号を生成する。そして、変換部20aは、生成したPWM信号に、抽出したチャネルの識別子を付加する。そして、変換部20aは、チャネルの識別子が付加されたPWM信号をPWM制御部20bに出力する。
一方、DMX信号にチャネルの識別子が含まれていないと判定した場合には、変換部20aは、DMX信号に、消灯を行う指示を示す指示データが含まれているか否かを判定する。ここで、DMX信号に消灯を行う指示を示す指示データが含まれていないと変換部20aにより判定された場合には、受信したDMX信号が示す諧調は、照明装置10から照射される光(複数の種類の発光素子23a〜23dが発する光が混合された光)の調光比に対応する諧調である。そこで、変換部20aは、諧調とデューティ比との所定の対応関係に基づいて、受信したDMX信号が示す諧調に対応するデューティ比を特定する。そして、変換部20aは、特定したデューティ比を有するPWM信号を生成する。そして、変換部20aは、生成したPWM信号に、チャネル「1」〜「4」(全チャネル)の識別子を付加する。そして、変換部20aは、全チャネルの識別子が付加されたPWM信号に、調光比指定データを付加する。なお、調光比指定データは、PWM信号が有するデューティ比に対応する階調に対応する調光比が、ユーザによって指定された調光比であることを示すデータである。そして、変換部20aは、全チャネルの識別子および調光比指定データが付加されたPWM信号をPWM制御部20bに出力する。
一方、DMX信号に消灯を行う指示を示す指示データが含まれていると判定した場合には、変換部20aは、DMX信号から指示データを抽出する。そして、変換部20aは、抽出した指示データにしたがって、照明装置10を消灯するために、デューティ比が95%のPWM信号に、全チャネルの識別子を付加し、全チャネルの識別子が付加されたデューティ比が95%のPWM信号をPWM制御部20bに出力する。
PWM制御部20bは、変換部20aから出力されたPWM信号を受信するたびに、以下の処理を行う。すなわち、PWM制御部20bは、受信したPWM信号に付加されたチャネルの識別子を取得する。そして、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が「1」である場合には、受信したPWM信号を駆動回路22aに出力する。また、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が「2」である場合には、受信したPWM信号を駆動回路22bに出力する。また、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が「3」である場合には、受信したPWM信号を駆動回路22cに出力する。また、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が「4」である場合には、受信したPWM信号を駆動回路22dに出力する。
また、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が全チャネルの識別子であり、受信したPWM信号に調光比指定データが付加されていない場合には、受信したPWM信号を駆動回路22a〜駆動回路22dのそれぞれに出力する。また、PWM制御部20bは、取得したチャネルの識別子が全チャネルの識別子であり、受信したPWM信号に調光比指定データが付加されている場合には、かかる調光比指定データが付加されたPWM信号を駆動回路22a〜駆動回路22dのそれぞれに出力する。
駆動回路22a〜22dのそれぞれは、対応する種類の発光素子23により発される光の大きさを制御する。例えば、駆動回路22aは、複数の発光素子23aに対応して設けられ、複数の発光素子23aに接続されている。また、駆動回路22bは、複数の発光素子23bに対応して設けられ、複数の発光素子23bに接続されている。また、駆動回路22cは、複数の発光素子23cに対応して設けられ、複数の発光素子23cに接続されている。また、駆動回路22dは、複数の発光素子23dに対応して設けられ、複数の発光素子23dに接続されている。
駆動回路22aは、PWM制御部20bからPWM信号が入力されると、入力されたPWM信号に、調光比指定データが付加されているか否かを判定する。そして、駆動回路22aは、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていないと判定した場合には、特性データ24aを参照し、特性データ24aが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、PWM制御部20bによって入力されたPWM信号のデューティ比に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22aは、特定した電力を複数の発光素子23aに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23aを制御する。
一方、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていると判定した場合には、駆動回路22aは、次の処理を行う。ここで、入力されたPWM信号に付加された調光比指定データが示す新たに指定された調光比がX´%であり、前回指定された調光比がX%であり、調光比X%の明るさでユーザにより指定された色の光が照明装置10から照射された場合における駆動回路22aに入力されたPWM信号のデューティ比(または、駆動回路22aで導出されたデューティ比)がXWである場合について説明する。このような場合、駆動回路22aは、調光比X´%の明るさで指定された色の光が照明装置10から照射される場合におけるPWM信号のデューティ比を(XW×X´/X)として導出する。そして、駆動回路22aは、特性データ24aを参照し、特性データ24aが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、導出したデューティ比(XW×X´/X)に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22aは、特定した電力を複数の発光素子23aに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23aを制御する。
駆動回路22bは、PWM制御部20bからPWM信号が入力されると、入力されたPWM信号に、調光比指定データが付加されているか否かを判定する。そして、駆動回路22bは、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていないと判定した場合には、特性データ24bを参照し、特性データ24bが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、PWM制御部20bによって入力されたPWM信号のデューティ比に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22bは、特定した電力を複数の発光素子23bに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23bを制御する。
一方、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていると判定した場合には、駆動回路22bは、次の処理を行う。ここで、入力されたPWM信号に付加された調光比指定データが示す新たに指定された調光比がX´%であり、前回指定された調光比がX%であり、調光比X%の明るさでユーザにより指定された色の光が照明装置10から照射された場合における駆動回路22bに入力されたPWM信号のデューティ比(または、駆動回路22bで導出されたデューティ比)がXBである場合について説明する。このような場合、駆動回路22bは、調光比X´%の明るさで指定された色の光が照明装置10から照射される場合におけるPWM信号のデューティ比を(XB×X´/X)として導出する。そして、駆動回路22bは、特性データ24bを参照し、特性データ24bが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、導出したデューティ比(XB×X´/X)に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22bは、特定した電力を複数の発光素子23bに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23bを制御する。
駆動回路22cは、PWM制御部20bからPWM信号が入力されると、入力されたPWM信号に、調光比指定データが付加されているか否かを判定する。そして、駆動回路22cは、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていないと判定した場合には、特性データ24cを参照し、特性データ24cが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、PWM制御部20bによって入力されたPWM信号のデューティ比に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22cは、特定した電力を複数の発光素子23cに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23cを制御する。
一方、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていると判定した場合には、駆動回路22cは、次の処理を行う。ここで、入力されたPWM信号に付加された調光比指定データが示す新たに指定された調光比がX´%であり、前回指定された調光比がX%であり、調光比X%の明るさでユーザにより指定された色の光が照明装置10から照射された場合における駆動回路22cに入力されたPWM信号のデューティ比(または、駆動回路22cで導出されたデューティ比)がXGである場合について説明する。このような場合、駆動回路22cは、調光比X´%の明るさで指定された色の光が照明装置10から照射される場合におけるPWM信号のデューティ比を(XG×X´/X)として導出する。そして、駆動回路22cは、特性データ24cを参照し、特性データ24cが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、導出したデューティ比(XG×X´/X)に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22cは、特定した電力を複数の発光素子23cに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23cを制御する。
駆動回路22dは、PWM制御部20bからPWM信号が入力されると、入力されたPWM信号に、調光比指定データが付加されているか否かを判定する。そして、駆動回路22dは、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていないと判定した場合には、特性データ24dを参照し、特性データ24dが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、PWM制御部20bによって入力されたPWM信号のデューティ比に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22dは、特定した電力を複数の発光素子23dに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23dを制御する。
一方、入力されたPWM信号に調光比指定データが付加されていると判定した場合には、駆動回路22dは、次の処理を行う。ここで、入力されたPWM信号に付加された調光比指定データが示す新たに指定された調光比がX´%であり、前回指定された調光比がX%であり、調光比X%の明るさでユーザにより指定された色の光が照明装置10から照射された場合における駆動回路22dに入力されたPWM信号のデューティ比(または、駆動回路22dで導出されたデューティ比)がXRである場合について説明する。このような場合、駆動回路22dは、調光比X´%の明るさで指定された色の光が照明装置10から照射される場合におけるPWM信号のデューティ比を(XR×X´/X)として導出する。そして、駆動回路22dは、特性データ24dを参照し、特性データ24dが示すデューティ比と電力との上述の関係に基づいて、導出したデューティ比(XR×X´/X)に対応する電力を特定する。そして、駆動回路22dは、特定した電力を複数の発光素子23dに供給することによって、供給する電力の大きさに応じた明るさの光を発するように複数の発光素子23dを制御する。
複数の発光素子23aのそれぞれは、白色の光(例えば、ピーク波長が380nm〜750nmの光)を発するLEDである。
複数の発光素子23bのそれぞれは、青色の光(例えば、ピーク波長が420nm〜530nmの光)を発するLEDである。
複数の発光素子23cのそれぞれは、緑色の光(例えば、ピーク波長が460nm〜630nmの光)を発するLEDである。
複数の発光素子23dのそれぞれは、赤色の光(例えば、ピーク波長が570nm〜690nmの光)を発するLEDである。
ここで、駆動回路22に入力されるPWM信号または駆動回路22で導出されるPWM信号のデューティ比と、このデューティ比を用いて駆動回路22が電力を供給した発光素子23が発する光の明るさ(調光比)との関係を説明する。以下、かかるデューティ比と、かかる光の明るさとの関係を示す調光カーブの一例について説明する。図4は、調光カーブの一例を示す図である。図4には、横軸をデューティ比とし、横軸と直交する縦軸を調光比とする座標上において、調光比およびデューティ比に対応する位置にプロットした点が結ばれることにより得られた線分である調光カーブ40が示されている。図4の例に示す調光カーブ40は、調光比100%に対してデューティ比5%が対応し、調光比0%に対してデューティ比95%が対応することを示す。また、図4の例に示す調光カーブ40は、調光比が100%から2.2%までの第1の範囲では、線形性を有し、直線となる。なお、線形性を有する第1の範囲は、100%から2.2%までの範囲に限られず、任意の範囲を採用できる。ここで、第1の範囲は、調光比の全範囲(0%〜100%)のうち半分以上を占める範囲であることが好ましい。
図5は、図4の例に示す調光カーブ40における部分41を拡大した図である。図5に示すように、図4の例に示す調光カーブ40は、第1の範囲の調光比の最小値である2.2%から調光比0%までの第2の範囲では、非線形性を有し、横軸の方向に凸であるような曲線となる。また、横軸の方向に凸であるような曲線となる第2の範囲は、2.2%から0%までに限られず、任意の範囲を採用できる。また、調光カーブ40の第2の範囲全ての部分が、非線形性を有さなくともよく、調光カーブ40の第2の範囲の少なくとも一部が非線形を有していればよい。
したがって、本実施形態に係る駆動回路22は、図4および図5に示すように、調光カーブ40が示すデューティ比と調光比との対応関係にしたがって、発光素子23の種類ごとに変換部20aにより変換されたPWM信号を用いて、発光素子23の種類ごとに、PWM信号が示すデューティ比に対応する調光比に応じた明るさの光を発するように発光素子23を制御する。
図6は、実施形態に係る照明装置10が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、照明装置10の変換部20aは、DMX信号を受信すると、受信したDMX信号に対応するPWM信号に変換し、チャネルの識別子が付加されたPWM信号をPWM制御部20bに出力する(S101)。そして、照明装置10のPWM制御部20bは、駆動回路22a〜22dの中から、PWM信号に付加されたチャネルの識別子に対応する駆動回路に、PWM信号を出力する(S102)。そして、照明装置10の駆動回路22a〜22dは、入力されたPWM信号を用いて、発光素子22a〜22dが発する光の明るさを制御し(S103)、処理を終了する。
以上、本実施形態に係る照明装置10について説明した。照明装置10は、発する光の色がそれぞれ異なる複数の種類の発光素子23a〜23dを具備する。照明装置10は、発光素子23a〜23dの種類ごとに、入力されたDMX信号をDMX信号が示す諧調に対応するデューティ比を有するPWM信号に変換する変換部20aを具備する。照明装置10は、調光比とデューティ比との対応関係を示し、調光比の全範囲の半分以上を占める所定範囲において対応関係が線形性を有するとともに、所定範囲の調光比の最小値から調光比0%までの範囲において少なくとも一部の対応関係が非線形性を有する調光カーブ40が示す対応関係にしたがって、発光素子23a〜23dの種類ごとに変換部20aにより変換されたPWM信号を用いて、発光素子23a〜23dの種類ごとに、PWM信号が示すデューティ比に対応する調光比に応じた明るさの光を発するように発光素子23a〜23dを制御する駆動回路22a〜22dを具備する。実施形態に係る照明装置10によれば、ユーザがフェーダ51を操作して照明装置10から照射される光の調光比を変更した場合であっても、調光比とデューティ比との対応関係が線形性を有する上述の第1の範囲内で調光比を変更させるのであれば、以下に説明するように、調光比の変更前後で、照明装置10から照射される光の色が変化しにくくなる。すなわち、第1の範囲内では調光比とデューティ比との対応関係が線形性を有するため、調光比の変更前後における、駆動回路22aに入力されるPWM信号のデューティ比と、駆動回路22bに入力されるPWM信号のデューティ比と、駆動回路22cに入力されるPWM信号のデューティ比と、駆動回路22cに入力されるPWM信号のデューティ比との比(4つのデューティ比の比)がほぼ一致する。このため、実施形態の照明装置10によれば、照明装置10から照射される光の明るさを変更した場合に、照明装置10から照射される光の色の変化を生じにくくすることができる。
また、本実施形態に係る照明装置10が、舞台などの幕や壁を照らすホリゾントライトである場合には、住宅照明器具と異なり、数十秒(例えば30秒)または数分(例えば3分)の時間をかけて、ゆっくりと調光比0%から調光比100%まで調光比を変化させるような調光制御(フェードインと称する)が照明装置10に対して行われる場合がある。同様に、照明装置10が、舞台などの幕や壁を照らすホリゾントライトである場合には、住宅照明器具と異なり、数十秒(例えば30秒)または数分(例えば3分)の時間をかけて、ゆっくりと調光比100%から調光比0%まで調光比を変化させるような調光制御(フェードアウトと称する)が照明装置10に対して行われる場合がある。実施形態に係る照明装置10によれば、フェードインやフェードアウトが行われた場合であっても、光の色の変化を抑制することができるので、舞台で行われている演劇などに支障をきたすことを抑制することもできる。
また、調光カーブ40における第1の範囲の調光比の最小値から調光比0%までの第2の範囲の部分は、横軸をデューティ比とし、横軸と直交する縦軸を調光比とする座標上において、調光比およびデューティ比に対応する位置にプロットした点が結ばれることにより得られる線分が、横軸の方向に凸である曲線となる。このため、第2の範囲において調光比とデューティ比との対応関係が線形性を有する場合と比較して、照明装置10に対してフェードアウトなどが行われた場合には、消灯する直前の単位時間あたりの明るさの減少度合いが小さくなる。したがって、照明装置10によれば、消灯時の違和感を抑制することができる。
また、照明制御システム1は、照明装置10と、調光卓50を有する。調光卓50は、複数の種類の発光素子23a〜23dにより発された光が混合された光の明るさを指示するために、ユーザにより指示可能なフェーダ51と、フェーダ51からの指示に応じて所定の閾値以上の速度で調光状態を変化させる場合に、複数の種類の発光素子23a〜23dごとに、所定の時間以内に、発光素子23a〜23dが発する光の明るさが、フェーダ51からの指示が示す明るさとなるように制御する制御部53を具備する。したがって、照明制御システム1によれば、所定の時間(例えば、0.1秒)以内に、照明装置10から照射された光の明るさを、新たに指定された調光比に対応する明るさとすることができる。また、照明制御システム1によれば、単位時間あたりの明るさの増加度合いが小さい第2の範囲において調光比を変化させる場合であっても、即座に、照明装置10から照射された光の明るさを、新たに指定された調光比に対応する明るさとすることができる。
また、照明制御システム1において、調光卓50は、ユーザの指令によって非線形の制御を実施せず、所定時間以内に複数の種類の発光素子23a〜23dが消灯するように制御する。したがって、照明制御システム1によれば、ユーザの指令によって、速やかに、照明装置10を消灯することができる。例えば、実施形態に係る照明制御システム1において、調光卓50は、ユーザにより押下可能なボタン54を有する。また、照明制御システム1において、制御部53は、ユーザによりボタン54が押下された場合に、所定の時間以内に複数の種類の発光素子23a〜23dが消灯するように制御する。このように、調光卓50は、照明装置10を消灯させるための機能、いわゆるカットオフ機能を有する。したがって、照明制御システム1によれば、所定時間(例えば、0.1秒)以内に照明装置10を消灯することができる。
また、上述の実施形態では、照明装置10が、白色、青色、緑色及び赤色の各色の光を発する各発光素子を有する場合について説明したが、照明装置10は、様々な色の光を発する発光素子を有することができる。例えば、照明装置10が有する複数の種類の発光素子は、赤色の光を発する発光素子、緑色の光を発する発光素子、青色の光を発する発光素子、白色の光を発する発光素子、黄色の光を発する発光素子及び水色の光を発する発光素子の中から少なくとも2つ以上の発光素子であってもよい。この場合、駆動回路は、発光素子の種類ごとに設けられ、各駆動回路は、PWM信号が示すデューティ比に対応する調光比に応じた明るさの光を発するように、対応する種類の発光素子を制御する。
また、調光卓50は、所定の演出プログラムを実行して、所定の時刻に所定の調光比に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力することもできる。図7は、調光卓50が所定の演出プログラムを実行することにより、照明装置10に出力するDMX信号が示す諧調に対応する調光比と、照明装置10にDMX信号を出力する時刻との対応関係の一例を示す図である。図10の例は、2014年1月10日午前10時01分56秒に、調光卓50が、調光比80%に対応する諧調を示すDMX信号を照明装置10に出力することを示す。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。