JP6250843B2 - 改善された熱交換器性能を有するエチレン重合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、改善された熱交換器性能を有するエチレン重合方法に関する。より詳細には、本発明は、ワックスファウリング減少を介した改善された熱交換器性能を有するエチレンスラリー重合方法に関する。
ポリエチレン含有製品の使用は、知られている。気相工程、溶液工程、及びスラリー工程を含み、様々な工程などがポリエチレンを製造するために使用され得る。エチレンスラリー重合方法において、ヘキサンまたはイソブタンのような希釈剤がエチレン単量体、共単量体及び水素を溶解するために使用されることができ、単量体(複数)が触媒によって重合される。重合後、形成された重合体生成物が液体媒質中に懸濁された固体ポリエチレン粒子のスラリーとして存在する。得られたポリエチレン鎖の個々の長さは、常に同一ではないが、製造された分子は、極端に低い分子量及びオリゴマー性生成物を含み、これらの鎖長さの統計学的分布を有する。ワックスのようなエチレン重合反応のこれらの所望しない副生性物は、液相で高い溶解度を有し、少なくとも部分的に懸濁媒質中に溶解状態で残留する。
例えば、国際公開第2005/077992A1号または国際公開第2012/028591A1号に開示された典型的な多重反応器カスケード工程において、反応器などは、並列でまたは直列で作動することができ、単量体の種類と量及び条件がそれぞれの反応器で変化され、単峰性または多峰性ポリエチレン物質を含めて様々なポリエチレン物質を生成することができる。このような多峰性組成物は、様々な用途に使用され、例えば、国際公開第2012/069400A1号は、ブロー成形用三峰性ポリエチレン組成物を開示する。
エチレンのためのスラリー重合システムは、エチレン重合反応で生成される熱を除去するための反応器再循環ループ内の外側スラリー冷却器を使用することができる。より低い温度で減少された溶解度によって副生性物として反応器内で生成された低分子量のワックスは、スラリーが冷却器を介して流れるとき固化され、熱交換器の冷壁(cold wall)と接触することができる。これは、熱交換器を汚染させることができる。すなわち、これは、熱交換器の冷壁上にワックス層のビルドアップを引き起こし、熱交換器内で熱伝達を減少させ、これらの熱除去効率を減少させることができる。
熱交換器ファウリングを減少させるための様々な方法などが開示されている。一つの方法は、工程ストリーム内に様々な化学物質を注入することを含み;例えば、ヨーロッパ特許公開第1645569A1号は、石油化学プラントやポリオレフィン製造プラントにおいて、炭化水素含有ガスストリーム内に非イオン性界面活性剤を使用することを開示する。熱交換器ファウリングを減少させるためのまた他の方法は、電気的/機械的手段の使用を含む。例えば、国際公開第2004/094319A1号は、パイプまたはダクトの壁上に直流電位を使用することを開示する。国際公開第2007/136697A2号及び国際公開第2008/002423A2号は、熱交換器内に機械的振動を使用することを開示する。しかし、エチレン重合方法の場合、工程ストリーム内に化学物質を注入することは、重合体生成物の特性に悪影響を与えることができ、直流または機械的振動を使用することは、実用的でないかもしれない。
従って、改善された熱除去性能を有する熱交換器を作動させるエチレンスラリー重合方法に対する持続的な要求がある。
本発明は、重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された一つまたは複数の第1の熱交換器を含む反応器システムにおいて、60℃〜95℃の温度及び0.15MPa〜3MPaの圧力で、エチレン及び選択的に一つまたは複数のC〜C10アルファ−オレフィンをスラリー重合することによってポリエチレンを製造する方法であって、重合反応器からスラリーを回収し、前記一つまたは複数の第1の熱交換器内でスラリーを冷却させ、前記冷却されたスラリーを重合反応器に戻すことによって、前記重合反応器内のスラリーが冷却され、前記一つまたは複数の第1の熱交換器が29℃以上の温度を有する第1のクーラントによって冷却される方法を提供する。
一部の実施形態において、重合反応器内の温度は、一つまたは複数の第1の熱交換器を通った第1のクーラントの流量を調整することによって維持される。
一部の実施形態において、第1のクーラントの温度は、最大で2℃の範囲内で変動する。
一部の実施形態において、第1のクーラントは、29℃〜40℃の温度を有する。
一部の実施形態において、第1の熱交換器は、二重パイプ熱交換器である。
一部の実施形態において、第1のクーラントは、閉鎖されたループ内で循環され、第2のクーラントによって冷却される第2の熱交換器によって冷却される。
一部の実施形態において、第2の熱交換器は、プレート熱交換器である。
一部の実施形態において、第1の熱交換器に入る第1のクーラントストリームの温度は、第2の熱交換器を通った第2のクーラントの流量を調整することによって維持される。
一部の実施形態において、重合反応器は、これらの外側に冷却ジャケットを更に備え、第1のクーラントがまた重合反応器の冷却ジャケットを冷却する。
一部の実施形態において、冷却ジャケットは、重合反応器の外側に取り付けられた一連のハーフパイプからなる。
一部の実施形態において、一つまたは複数の第1の熱交換器及び冷却ジャケットは、循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される。
一部の実施形態において、ポリエチレンの製造方法は、それぞれ重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された一つまたは複数の第1の熱交換器を含む2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせで多重反応器重合として行われる。
一部の実施形態において、前記反応器システムの2つ、3つまたはその超過の反応器は、直列に作動される。
一部の実施形態において、すべての第1の熱交換器の第1のクーラントは、一つの閉鎖されたループシステム内で循環され、すべての第1の熱交換器は、一つの第2の熱交換器によって冷却される循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される。
一部の実施形態において、すべての重合反応器は、これらの外側に冷却ジャケットを更に備え、すべての第1の熱交換器及びすべての冷却ジャケットは、循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される。
当業者が本発明の主題を構成し、使用することを助けるために、添付の図面を参照する。
重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された熱交換器を含む反応システムを有するエチレンスラリー重合工程の流れ図である。 重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された熱交換器を含み、前記熱交換器を冷却させるクーラントがまた重合反応器に取り付けられた冷却ジャケットを冷却させる、反応システムを有するエチレンスラリー重合方法の流れ図である。
ポリエチレンスラリー製造方法
本開示による改善された熱除去性能を有するポリエチレンの製造方法は、エチレン重合触媒、ヘキサンまたはイソブタンのような希釈剤、及び選択的に水素の存在下でエチレン、及び選択的に共単量体として一つまたは複数のC〜C10アルファ−オレフィンのスラリー重合を含む。重合は、希釈剤、未反応エチレン及び選択的に一つまたは複数の共単量体を含む懸濁媒質において粒状ポリエチレンの懸濁液中で進行する。本明細書に記載された方法によって得られるポリエチレン重合体は、エチレン単独重合体または40重量%以下、より好ましくは0.1〜10重量%のC−C10−1−アルケン由来反復単位を含むエチレンの共重合体であり得る。好ましくは、共単量体は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはこの混合物から選択される。スラリー重合は、60℃〜95℃、好ましくは65℃〜90℃、より好ましくは70℃〜85℃の反応器温度、及び0.15MPa〜3MPa、好ましくは0.2〜2MPa、より好ましくは0.25MPa〜1.5MPaの反応器圧力で行われる。
触媒は、希釈剤、アルミニウムアルキル、エチレン及び選択的に共単量体及び水素と共に重合反応器に供給され、ここで供給された成分などが反応して、希釈剤、未反応エチレン及びワックスをまた含有するスラリー内に懸濁されたポリエチレン生成物を形成する。ポリエチレン生成物内において、重合反応の結果として重合体は、触媒粒子の周りに形成され、従って、触媒は、ポリエチレンその自体の一部となる。好ましくは、スラリー重合は、反応器などが直列に作動される多重反応器カスケード法で行行われ、触媒は、重合体が反応器から反応器への流れに応じて重合体内に活性状態で残留する。より好ましくは、スラリー重合は、直列の3つの反応器で行われる。このような配置において、前記直列の第1の反応器からのスラリーは、第2の反応器に流れ、前記第2の反応器からのスラリーは、第3の反応器に流れる。
好ましくは、重合方法によって製造されたポリエチレン重合体は、好ましくは、0.935g/cm〜0.970g/cmの範囲の密度を有する高密度ポリエチレン樹脂である。より好ましくは、密度は、0.940g/cm〜0.970g/cmの範囲である。最も好ましくは、密度は、0.945g/cm〜0.965g/cmの範囲である。密度は、所定の熱履歴(thermal history)で製造された2mm厚さの圧縮成形板でDIN EN ISO 1183−1:2004、方法A(浸漬)によって測定する:180℃、20MPaで8分間圧搾した後、30分間沸騰水の中で結晶化する。
好ましくは、前記重合方法によって製造されたポリエチレン重合体は、1dg/min〜300dg/min、より好ましくは、1.5dg/min〜50dg/min、最も好ましくは、2dg/min〜35dg/minの溶融指数(MI21.6)を有する。MI21.6は、21.6kgの荷重下で190℃の温度で、DIN EN ISO 1133:2005、条件Gに応じて測定する。
触媒
重合は、すべての通常のエチレン重合触媒を使用して行うことができ、例えば、重合は、酸化クロムに基づくフィリップス触媒を使用して、チタンに基づくチーグラー型触媒、すなわち、チーグラー触媒またはチーグラー−ナッタ触媒を使用して、またはシングルサイト触媒を使用して行うことができる。本発明の目的のために、シングルサイト触媒は、化学的に均一な遷移金属配位化合物に基づいた触媒である。特に好適なシングルサイト触媒は、嵩張るシグマ−またはパイ−結合された有機配位子を含むこと、例えば、一般的にメタロセン触媒として呼ばれるモノ−Cp錯物に基づいた触媒、ビス−Cp錯物に基づいた触媒、または後期遷移金属錯物、特に鉄−ビスイミン錯物に基づいた触媒である。また、オレフィンの重合のためのこれらの触媒の2つまたはそれ以上の混合物を使用することも可能である。このような混合された触媒は、ハイブリッド触媒として呼ばれる。オレフィン重合のためのこれらの触媒の製造及び使用は、一般的に知られている。
好ましい触媒は、好ましくは、チタンまたはバナジウムの化合物、マグネシウムの化合物及び選択的に支持体として粒状無機酸化物を含むチーグラータイプである。
チタン化合物は、好ましくは、チタンアルコキシハロゲン化合物または様々なチタン化合物の混合物と共に、3価または4価チタンのハライドまたはアルコキシドから選択される。好適なチタン化合物の例としては、TiBr、TiBr、TiCl、TiCl、Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O−i−C)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(OC)Br、Ti(O−n−C)Br、Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OCBr、Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OCBr、Ti(OCH、Ti(OCまたはTi(O−n−Cである。ハロゲンとして塩素を含むチタン化合物を使用するのが好ましい。同様に、チタンの以外に単にハロゲンのみを含むチタンハライドが好ましく、そのうちから、特に塩化チタン、特に四塩化チタンが好ましい。バナジウム化合物の中には、バナジウムハライド、バナジウムオキシハライド、バナジウムアルコキシド及びバナジウムアセチルアセトネートが好ましい。酸化状態3〜5のバナジウム化合物が好ましい。
固体成分の製造において、好ましくは、少なくとも一つのマグネシウム化合物が使用される。このようなタイプの好適な化合物は、ハロゲン含有マグネシウム化合物、例えば、マグネシウムハライド、特に、クロライドまたはブロマイド及び通常の方式、例えば、ハロゲン化剤との反応によって取得され得るマグネシウムハライド由来のマグネシウム化合物である。好ましくは、ハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素または2つ以上のハロゲンの混合物である。より好ましくは、ハロゲンは、塩素または臭素である。最も好ましくは、ハロゲンは、塩素である。
可能なハロゲン含有マグネシウム化合物は、マグネシウムクロライドまたはマグネシウムブロマイドである。ハライドが取得され得るマグネシウム化合物は、例えば、マグネシウムアルキル、マグネシウムアリール、マグネシウムアルコキシ化合物またはマグネシウムアリールオキシ化合物またはグリニヤール化合物である。好適なハロゲン化剤は、例えば、ハロゲン、ハロゲン化水素、SiClまたはCClである。好ましくは、塩素または塩化水素がハロゲン化剤である。
マグネシウムの好適なハロゲン−無含有化合物の例は、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、n−ブチル−sec−ブチルマグネシウム、n−ブチルオクチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−プロピルオキシマグネシウム、ジイソプロピルオキシマグネシウム、ジ−n−ブチルオキシマグネシウム、ジ−sec−ブチルオキシマグネシウム、ジ−tert−ブチルオキシマグネシウム、ジアミルオキシマグネシウム、n−ブチル−オキシエトキシマグネシウム、n−ブチルオキシ−sec−ブチルオキシマグネシウム、n−ブチルオキシオクチルオキシマグネシウム及びジフェノキシマグネシウムである。これらのうちから、n−ブチルエチルマグネシウムまたはn−ブチルオクチルマグネシウムを使用するのが好ましい。
グリニヤール化合物の例としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムヨージド、n−プロピルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムブロマイド、sec−ブチルマグネシウムクロライド、sec−ブチルマグネシウムブロマイド、tert−ブチルマグネシウムクロライド、tert−ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、アミルマグネシウムクロライド、イソアミルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロライド及びフェニルマグネシウムブロマイドである。
粒状固体を製造するためのマグネシウム化合物として、マグネシウムジクロライドまたはマグネシウムジブロマイドを除いて、ジ(C−C10−アルキル)マグネシウム化合物を使用するのが好ましい。好ましくは、チーグラータイプ触媒は、チタン、ジルコニウム、バナジウム及びクロムから選択される遷移金属を含む。
チーグラータイプの触媒は、好ましくは、混合タンク内で使用される希釈剤、例えば、ヘキサンと共に前記触媒を先に混合して、ポンピングに適したスラリーを形成してスラリー反応器内に添加される。好ましくは、容積型ポンプ、例えば、膜ポンプがスラリー重合反応器に触媒スラリーを移送するために使用される。
チーグラータイプの触媒は、一般的に、共触媒の存在下で重合のために使用される。本発明のスラリー重合は、好ましくは、共触媒の存在下で行われる。好ましい共触媒は、元素の周期表の1、2、12、13または14族金属の有機金属化合物、特に13族金属の有機金属化合物、具体的に、有機アルミニウム化合物である。好ましい有機アルミニウム化合物は、アルミニウムアルキルから選択される。アルミニウムアルキルは、好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物から選択される。より好ましくは、アルミニウムアルキルは、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリーエチルアルミニウム(TEAL)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、またはトリ−n−ヘキシルアルミニウム(TNHAL)から選択される。最も好ましくは、アルミニウムアルキルは、TEALである。共触媒(複数)は、好ましくは希釈剤と混和可能であり、これによって懸濁媒質中に含まれる。
共触媒は、このようにスラリー反応器に添加され得る。好ましくは、共触媒は、混合タンク内で使用される希釈剤、例えば、ヘキサンまたはイソブタンと前記共触媒を先に混合して添加される。好ましくは、容積型ポンプ、例えば、膜ポンプがスラリー重合反応器に共触媒を移送するために使用される。
エチレン重合方法は、常に、オリゴマーまたは極低分子量の重合体成分を副生成物として生産する。スラリー重合工程で、これらの副生性物、例えば、ワックスが懸濁媒質中に最小限部分的に溶解される。このようなワックスは、低分子量C18−C50分子であり、典型的に、スラリーの重量を基準にして0.1重量%〜5.0重量%のレベルでスラリーに存在する。
反応器システム
本発明による方法の反応器システムは、エチレン及び選択的に一つまたは複数の共単量体のスラリー重合を支援し、重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された一つまたは複数の第1の熱交換器を含む。重合熱は、重合反応器からスラリーを回収し、一つまたは複数の第1の熱交換器内でスラリーを冷却させた後、前記冷却されたスラリーを重合反応器に戻すことによって、反応混合物から除去される。反応器システムは、重合反応器の外側に配置された一つの第1の熱交換器を有することが可能である。しかし、反応器システムは、また、重合反応器の外側に配置された2つ、3つ、4つまたはその超過の第1の熱交換器を有することができる。好ましくは、反応器システムは、2つまたは3つの第1の熱交換器を有する。
ポリエチレンの製造方法は、重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置した一つまたは複数の第1の熱交換器を含む少なくとも一つの反応器システムで行われる。しかし、重合工程は、また、2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせに行われる多重反応器重合であり得る。このときに、それぞれの重合反応器は、重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された一つまたは複数の第1の熱交換器を含む個々の反応器システムの一部である。従って、本発明によるポリエチレンの製造方法は、独立型重合システム内の重合であり得るかまたはこれは、重合反応器及び一つまたは複数の第1の熱交換器の多重反応器システム内の多重反応器重合であり得る。このような多重反応器システムは、並列でまたは直列で作動され得る。2つ、3つまたはその超過の反応器システムを並列で作動させることが可能である。好ましくは、多重反応器重合の反応器システムは、直列で作動される。すなわち、前記反応器システムは、多段に配置される。このような直列の反応器システムは、第1の反応器システム内に第1の重合反応器を有し、後続反応器システム内に1つ、2つまたはその超過の後続重合反応器を有する。より好ましくは、ポリエチレンの製造方法は、3つの重合反応器を有する直列の3つの反応器システム内で行われる。
スラリーの懸濁媒質内で制限された溶解度を有する低分子量の重合体及びオリゴマー化合物、例えば、ワックスの存在は、熱交換器の冷却性能に影響を及ぼす。スラリーを冷却させるために、熱交換器の表面温度が熱交換器に入るスラリーの温度よりも低くなければならない。従って、熱交換器表面の周辺のスラリーの温度がより低下し、懸濁媒質内に溶解されたワックスの一部が固化され得る。固化されたワックスがスラリー内に含有されたポリエチレン粒子に取り付けられ得る。しかし、固化されたワックスは、熱交換器の表面にもまた取り付けられることができ、結局、固体層を形成することができる。このような固体層の熱伝導性が低いので、熱交換器の熱伝達が悪化し、これらの熱除去効率が減少される。しかし、熱交換器に入るスラリーの温度と熱交換器壁との間の温度差を単に増加させることによって、すなわち、熱交換器を冷却させるクーラントの温度を低下させることによって、重合システムからの熱除去効率を向上させることは、クーラント温度を低下させることが固化されたワックスの量を増加させ、壁層の厚さを増加させる結果につながることができるから失敗することができる。熱交換器内に壁層が蓄積されることに影響を及ぼし得るさらなるパラメータは、使用される触媒/共触媒システムのタイプ及び共単量体の性質と量であり、これは、これらの因子などがワックスの組成に影響を及ぼすからである。他の影響を及ぼすパラメータは、熱交換器を通過するスラリーの流れ速度及びこれらの粒子濃度であることができ、これは、層の部分的な摩耗が起きり得るからである。更に可能な影響の中には、熱交換器の内壁の粗さがあることができ、これは、より少ないファウリングが研磨された表面上で観察されるからである。また、既に形成された壁層の経時変化も熱交換器に対する効率に影響を及ぼすことができる。ワックスの架橋は、平均分子量の増加を引き起こすことができる。また、固化されたワックスの層内に存在する微量の活性触媒があることができ、これは、続いて高分子ポリエチレン鎖を形成して層の性質を変更させることができる。
熱交換器内の層が熱交換器の熱伝達を許容できない時点まで成長すると、これらを洗浄することを回避することができなくなる。そうするために、典型的に、一つの熱交換器が分離され、一般に、約155℃のヘキサンのような熱い炭化水素を熱交換器を介して循環させて蒸着物を再溶解させる。このような過程は、完了するのに2日または3日かかることができ、プラントの利用可能な生産量を減少させる。従って、熱交換器のファウリングを最小化することが好ましい。
29℃またはそれ以上の温度を有する第1のクーラントによってスラリーを冷却させるための一つまたはそれ以上の第1の熱交換器を冷却させることによって、重合からの熱除去の全体性能が向上され得る。好ましくは、第1の熱交換器を冷却させる第1のクーラントの温度は、29℃〜40℃、より好ましくは30℃〜37℃である。
重合反応器内のスラリーは、反応器から重合熱を除去するために冷却される。一貫した品質を有するポリエチレン生成物を製造するために、重合反応器内の温度を調節し、一つのポリエチレングレードが選択された条件下で生産される限り、長く反応器温度を一定に維持することが必須である。しかし、重合工程の変動を補償するために、時間当たりに除去される熱量を変化させ、一定の重合温度を確保する必要があり得る。時間当たりに除去される熱の量の変化は、原則として、2つの手段によって達成され得る;熱交換器を冷却させるクーラントの温度を変化させることが可能であるとか、または熱交換器を通過するクーラントの流量を変化させることが可能である。本発明の好ましい実施形態によって、重合反応器内の温度は、一つまたは複数の第1の熱交換器を介する第1のクーラントの流量を調整することによって維持される。また、所望の生産速度の変化、または異なるポリエチレングレードを製造することのような重合の性質変化が、また、このような異なる重合が行われる場合、時間当たり除去される熱量が異なることを必要とすることができる。従って、重合反応器から時間当たり除去される熱量は、特定の重合のための反応器温度を維持するために、第1の熱交換器を介する第1のクーラントの流量を変更することによって変化されるだけでなく、異なる重合のために除去される熱の異なる比率(rate)が第1の熱交換器を介する第1のクーラントの流量を変更することによって達成されることが特に好ましい。結果的に、本発明の好ましい実施形態によって、それぞれの個々の熱交換器の場合、第1のクーラントの温度は、本質的に一定に維持され、最大で2℃の範囲内で変動し、より好ましくは最大で1℃の範囲内で変動する。これは、それぞれの個々の熱交換器の場合、第1のクーラントの温度が29℃以上であり、好ましくは29℃〜40℃、より好ましくは30℃〜37℃であり、第1のクーラントの任意の最高温度と第1のクーラントの任意の最小温度との間の差が最大2℃、より好ましくは最大1℃になる程度にただそのように小さく変化するということを意味する。好ましくは、反応器システムのすべての熱交換器は、同一の第1のクーラント温度で作動される。2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせで多重反応器重合としてポリエチレンの製造工程を行う場合、それぞれの反応器システムは、同一の第1のクーラント温度で作動され得るとかまたはそれぞれの反応器システムは、29℃以上の第1のクーラントの温度を有するが、これらの第1のクーラント温度は、最大で2℃の範囲内で変動しても異なる。好ましくは、多重反応器重合のすべての反応器システムは、同一の第1のクーラント温度で作動される。
非常に狭い間隔で第1の熱交換器を冷却させる第1のクーラントの温度を維持することは、熱交換器の壁にワックス層が蓄積されることを最小化させる。本発明者らは、クーラント温度を減少させることがワックス壁層の厚さを増加させるのに反して、第1のクーラント温度の増加は、第1の熱交換器の温度がワックスが溶融し始める温度、すなわち、重合温度より高い温度で上昇しない限り、一旦固化されたワックスの分解を引き起こさないと考慮される。従って、第1のクーラント温度の特に好ましい作動範囲は、29℃〜31℃、または30℃〜32℃、または32℃〜34℃、または33℃〜35℃、または35℃〜37℃を含む。最大で2℃の範囲内で変動する第1のクーラントの温度を有することが、好ましくは一つの特定の重合の反応器内の温度を調節する間に確保されるだけでなく、異なるポリエチレングレードを製造し、プラントの異なる生産量でポリエチレンを生産する長期間の間にも確保される。
好ましくは、第1のクーラントは、閉鎖されたループ内で循環され、好ましくは、水である第2のクーラントによって冷却される第2の熱交換器によって冷却される。好ましくは、反応器システムのすべての第1の熱交換器は、循環する第1のクーラントの一つの閉鎖されたループ内で並列に作動される。第2のクーラントは、第2のクーラント供給ラインを介して提供され、第2の熱交換器を介して通過した後、第2のクーラント排出ラインを介して回収される。循環される第1のクーラントの温度は、好ましくは第2のクーラント供給ラインに配置した調節弁によって第2の熱交換器を介する第2のクーラントの流速を調整することによって維持される。
第1のクーラントは、好ましくは、サイクルポンプの排出口で第1のクーラントの実質的に一定の流速を提供する第1のクーラントサイクルポンプによって循環される。次いで、第1のクーラントサイクルポンプを出る第1のクーラントのストリームは、2つの部分に分割される。一つの部分は、スラリーを冷却させるための一つまたはそれ以上の第1の熱交換器を通過する一方、第2の部分は、第1の熱交換器をバイパスし、第1のクーラントサイクルポンプの注入部側にすぐ返還される。一つまたはそれ以上の第1の熱交換器を介する第1のクーラントの流量は、好ましくは反応器システムが一つの第1の熱交換器を有する場合、第1のクーラントの2つの部分が分割される接合点(junction)から第1の熱交換器のクーラント注入口までのライン内に配置した調節弁によって調整されるか、または反応器システムが2つまたはそれ以上の第1の熱交換器を有する場合、第1のクーラントの2つの部分が分割される接合点から個々の第1の熱交換器を供給する第1のクーラントラインの分岐点までのライン内に配置した調節弁によって調整される。調節弁の開放を変化させることが一つまたはそれ以上の第1の熱交換器を介して出る第1のクーラントの部分対一つまたはそれ以上の第1の熱交換器をバイパスする部分の比率を変化させ、これによって一つまたはそれ以上の第1の熱交換器を介する第1のクーラント注入口の流速を変化させる。2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせで多重反応器重合としてポリエチレンの製造工程を行う場合、すべての第1の熱交換器が一つの閉鎖されたループシステム内で循環され、すべての第1の熱交換器が一つの第2の熱交換器によって冷却される循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動されることが特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態によって、重合反応器内のスラリーは、重合反応器の外側に配置した一つまたはそれ以上の第1の熱交換器内で冷却されるだけでなく、重合反応器の外側上の冷却ジャケットによっても冷却され、このとき、冷却ジャケットは、また、第1のクーラントによって冷却される。好ましくは、冷却ジャケットは、重合反応器の外側に取り付けられた一連のハーフパイプからなる。また、第1の熱交換器及び重合反応器の外側上の冷却ジャケットは、循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動されることが好ましい。2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせで多重反応器重合としてポリエチレンの製造工程を行う場合、好ましくは、各々の反応器は、冷却ジャケットをこの外側に備える。すべての第1の熱交換器及びすべての冷却ジャケットが循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動されることが特に好ましい。
熱交換器
本発明の工程に使用される熱交換器は、伴われる温度及び圧力で本明細書に記載された流体のために一般的に使用される任意のものであり得る。例えば、熱交換器は、二重パイプ、シェル&チューブ、プレート、プレート&シェル及びスパイラル熱交換器から選択され得る。好ましくは、スラリーを冷却させるための第1の熱交換器は、二重パイプ熱交換器である。好ましくは、第1のクーラントを冷却させるための第2の熱交換器は、プレート熱交換器である。冷却されるストリームの流れ及びクーラントの流れは、並流、逆流または並流/逆流の組み合わせであり得る。好ましくは、熱交換器内の流れは、並流/逆流の組み合わせである。
以下では、図1を参照して、ポリエチレンが反応器100及び一つの第1の熱交換器101を含む反応器システム内において製造される本発明の方法の好ましい実施形態を説明する。
反応器100は、反応器の内容物を混合するための攪拌器102を含む。攪拌器102は、モータ(M)、反応器100内に中心に実質的に垂直に設けられた回転シャフト103、及び少なくとも一つのインペラ104を含む。反応器は、また、反応器100の外側面上に冷却ジャケット105を含み、これは、好ましくは反応器の外側面に取り付けられた一連のハーフパイプからなり、これを介してクーラントが流れる。典型的に、クーラント液体は、水である。スラリーは、反応器100からライン106を介してポンプ107に回収され、次いで、ここで、ライン108を介して第1の熱交換器101にスラリーをポンプする。次いで、冷却されたスラリーは、ライン109を介して反応器100に戻る。スラリーは、更に、ライン110を介してダウンストリーム反応器または生成物回収部に送られる。
第1の熱交換器101を冷却させるための第1のクーラントは、ライン111を介して入り、熱交換器101を介して流れた後、ライン112を介して熱交換器101を出て第2の熱交換器113に流れる。第1のクーラントは、第2の熱交換器113内で冷却された後、ライン114を介してクーラントリサイクルポンプ115に流れた後、ライン116内にポンプされる。第1のクーラントの第1の部分は、ライン117及び調節弁118を介して第1の熱交換器101に流れる。第1のクーラントの第2の部分は、ライン119を介してライン112内に流れた後、第2の熱交換器113に流れる。第1のクーラントは、第2のクーラントを使用して第2の熱交換器113内で冷却される。第2のクーラントは、ライン120を介して第2のクーラントの流れを調整する調節弁121に入る。次いで、第2のクーラントは、ライン122を介して第2の熱交換器113内に流れ、第2の熱交換器113を介して流れた後、ライン123を介して第2の熱交換器113を出る。
反応器100の温度を調節するために、温度変換器124が反応器100の温度を表す温度シグナル125を生成する。温度コントローラ126が反応器100に対して所望の温度を表す設定点(SP)と共に温度シグナル125を受ける。シグナル125に対する反応で、温度コントローラ126がシグナル125と反応器温度に対する設定点との間の差に対して反応を示す出力シグナル127を提供する。調節弁118がシグナル127に対する反応で操作される。
第1の熱交換器101に入る第1のクーラントの温度を調節するために、温度変換器128がライン114を介して熱交換器113を出る第1のクーラントの温度を表す温度シグナル129を生成する。温度コントローラ130がライン114内に流れる第1のクーラントに対して所望の温度を表す設定点(SP)と共に温度シグナル129を受ける。シグナル129に対する反応で、温度コントローラ130がシグナル129とライン114内に流れる第1のクーラントの温度に対する設定点(SP)との間の差に対して反応を示す出力シグナル131を提供する。調節弁121がシグナル131に対する反応で操作される。
多重反応器重合としてポリエチレンの製造工程を作動する場合、このような2つ、3つまたはその超過の反応器システムのすべての第1の熱交換器は、一つの第2の熱交換器113によって冷却される第1のクーラントの一つの閉鎖されたループシステムによって冷却され得る。次いで、一つまたは複数のライン132がラインなど116、117または199に分岐されることができ、さらなる重合反応器のさらなる第1の熱交換器に第1のクーラントを提供することができる(図1に図示せず)。さらなる第1の熱交換器を通過した後、第1のクーラントは、次いで、一つまたは複数のライン133によってライン112内に戻される。
図1に示されていないが、一つより多い第1の熱交換器が反応器100のスラリーを冷却させるために使用されることがより好ましい。次いで、スラリーが反応器100から2つまたはそれ以上のライン106を介して2つまたはそれ以上のポンプ107に回収された後、ここで、2つまたはそれ以上のライン108を介して2つまたはそれ以上の第1の熱交換器101にスラリーをポンプする。次いで、冷却されたスラリーは、2つまたはそれ以上のライン109を介して反応器100に戻る。好ましくは、スラリーは、各々のライン108から2つまたはそれ以上のライン110を介してダウンストリーム反応器または生成物回収部に更に送られる。しかし、また、単に一つまたは一部のライン108がダウンストリーム反応器または生成物回収部にスラリーを送るためのライン110内への分岐を有することも可能である。一つまたはそれ以上の追加的な第1の熱交換器101の冷却は、調節弁118以後のライン111の分岐であるラインによって提供される第1のクーラントによって発生する。
図2に示されたように、クーラントリサイクルポンプ115を出る第1のクーラントの一部がライン134によってライン134内の調節弁135を介して冷却ジャケット105に送られることがまた可能である。冷却ジャケット105を通過した後、第1のクーラントは、ライン136を介してライン112内に流れた後、第2の熱交換器113に流れる。調節弁135は、前記調節弁135が温度コントローラ126から受ける出力シグナル137に対する反応で操作される。出力シグナル137は、シグナル125と反応器温度に対する設定点との間の差に対して反応を示す。
当業者は、コントローラが任意の周知の使用されるアルゴリズム、例えば、比例、比例−積分、比例−微分、または比例−積分−微分を使用することができるという点を理解するだろう。
以下の実施例は、改善された熱交換器性能を有する特許請求されたエチレン重合方法をさらに具体化して説明する。
対照実施例A
ポリエチレンは、3つの重合反応器を含む商業的に作動される反応器システム内で製造し、ここで、各々の重合反応器は、それぞれの重合反応器からスラリーを回収し、相応する2つの熱交換器内でスラリーを冷却させた後、前記冷却されたスラリーを重合反応器に戻すことによってスラリーを冷却させるための重合反応器の外側に配置された2つの熱交換器を備えた。5年以上の期間の間に、エチレン及び選択的に1−ブテンの重合を様々な異なるポリエチレングレードを製造する70℃〜85℃の範囲の反応器温度、及び0.3MPa〜1.3MPaの反応器圧力でチーグラータイプ触媒の存在下で行った。熱交換器は、クーラントとして水を使用して冷却させた。熱交換器に入るクーラントの温度は、利用可能な冷却水の温度に依存して18℃〜30℃に変化するように許容された。平均的に、熱交換器の十分な冷却用量を維持するために、毎6ヶ月ごとに熱交換器を洗浄する必要があった。
実施例1
ポリエチレンを3つの重合反応器を含む商業的に作動される反応器システム内で製造し、ここで、各々の重合反応器は、それぞれの重合反応器からスラリーを回収し、相応する2つの熱交換器内でスラリーを冷却させた後、前記冷却されたスラリーを重合反応器に戻すことによってスラリーを冷却させるための重合反応器の外側に配置した2つの熱交換器を備えた。エチレン及び選択的に1−ブテンの重合を様々な異なるポリエチレングレードを製造する70℃〜85℃の範囲の反応器温度、及び0.3MPa〜1.3MPaの反応器圧力でチーグラータイプ触媒の存在下で行った。熱交換器は、クーラントとして水を使用して冷却させた。スラリーを冷却させるために、熱交換器を冷却させる水は、反応器システムのすべての熱交換器を冷却させる一つの閉鎖されたループ内で第1のクーラントとして循環され、第2のクーラントによって冷却される第2の熱交換器によって冷却された。スラリーを冷却させるために、第1の熱交換器に入る第1のクーラントの温度が調節され、29〜31℃の温度範囲に維持される。反応器システムは、熱交換器の冷却用量の減少が観察されなかったので、熱交換器の洗浄を必要とせずに4年間作動された。
本明細書に開示された主題の他の特徴、利点及び実施形態は、以前の開示内容を読んだ後に当業者に容易に明らかになるだろう。このような点から、本発明の主題の具体的な実施形態がかなり詳細に記載されているといっても、これらの実施形態の変形及び変更は、前記記載されて特許請求された本発明の主題の精神及び範囲を逸脱せずに実施され得る。

Claims (14)

  1. 重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された一つまたは複数の第1の熱交換器を含む反応器システムにおいて、60℃〜95℃の温度及び0.15MPa〜3MPaの圧力で、エチレン及び選択的に一つまたは複数のC〜C10アルファ−オレフィンをスラリー重合することによってポリエチレンを製造する方法であって、重合反応器からスラリーを回収し、前記一つまたは複数の第1の熱交換器内でスラリーを冷却させ、前記冷却されたスラリーを重合反応器に戻すことによって、前記重合反応器内のスラリーが冷却され、前記一つまたは複数の第1の熱交換器が29℃〜40℃の温度を有する第1のクーラントによって冷却される、方法。
  2. 前記重合反応器内の温度は、一つまたは複数の第1の熱交換器を通った第1のクーラントの流量を調整することによって維持される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のクーラントの温度は、最大で2℃の範囲内で変動する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1の熱交換器は、二重パイプ熱交換器である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1のクーラントは、閉鎖されたループ内で循環され、第2のクーラントによって冷却される第2の熱交換器によって冷却される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2の熱交換器は、プレート熱交換器である、請求項に記載の方法。
  7. 前記第1の熱交換器に入る第1のクーラントストリームの温度は、第2の熱交換器を通った第2のクーラントの流量を調整することによって維持される、請求項またはに記載の方法。
  8. 前記重合反応器は、これらの外側に冷却ジャケットを更に備え、前記第1のクーラントがまた前記重合反応器の前記冷却ジャケットを冷却する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記冷却ジャケットは、重合反応器の外側に取り付けられた一連のハーフパイプからなる、請求項に記載の方法。
  10. 一つまたは複数の第1の熱交換器及び前記冷却ジャケットは、循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される、請求項またはに記載の方法。
  11. ポリエチレンの製造方法は、それぞれ前記重合反応器、及び前記重合反応器の外側に配置された前記一つまたは複数の第1の熱交換器を含む2つ、3つまたはその超過の反応器システムの組み合わせで多重反応器重合として行われる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記反応器システムの2つ、3つまたはその超過の重合反応器は、直列に作動される、請求項11に記載の方法。
  13. すべての第1の熱交換器の第1のクーラントは、一つの閉鎖されたループシステム内で循環され、前記すべての第1の熱交換器は、一つの第2の熱交換器によって冷却される循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される、請求項11または12に記載の方法。
  14. すべての重合反応器は、これらの外側に冷却ジャケットを更に備え、すべての第1の熱交換器及びすべての冷却ジャケットは、循環する第1のクーラントの閉鎖されたループ内で並列に作動される、請求項13に記載の方法。
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